(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】スイッチング電力コンバーターにおいて半導体スイッチを保護すること
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20240112BHJP
H02M 3/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M3/00 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019124644
(22)【出願日】2019-07-03
【審査請求日】2022-06-16
(32)【優先日】2018-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501315784
【氏名又は名称】パワー・インテグレーションズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100125818
【氏名又は名称】立原 聡
(72)【発明者】
【氏名】タールハイム ヤン
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-195937(JP,A)
【文献】特開2017-212522(JP,A)
【文献】特開2017-034770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/08
H02M 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力半導体スイッチを駆動するためのドライバ回路であって、
前記電力半導体スイッチが、制御入力と主端子とを含み、
前記ドライバ回路が、
前記電力半導体スイッチの前記制御入力に結合されるように、および、前記制御入力に対して駆動信号を提供するように構成された制御端子ドライバ回路と、
前記電力半導体スイッチの主端子に結合されるように構成された検出端子と、
オフ切り替え中に前記検出端子に入力された電流をミラーリングするように前記検出端子に結合されたカレントミラーと、
前記カレントミラーから受信された電流信号と第1の電流閾値とを比較するように、および、前記比較の結果を表す第1の信号を出力するように結合された第1の電流比較器であって、前記第1の電流閾値が、オフ切り替え中の前記主端子の最高電圧を表す、第1の電流比較器と、
前記検出端子から受信された信号とオン切り替え閾値とを比較するように、および、前記比較の結果を表す第2の信号を出力するように結合された第2の
電圧比較器であって、前記オン切り替え閾値が、オン切り替え中の前記主端子の最高電圧を表す、第2の
電圧比較器と、
を備え、
前記第1の電流比較器と前記第2の電圧比較器とスイッチング回路とが単一の半導体パッケージ内にあり、
前記検出端子が、前記半導体パッケージの端子である、
ドライバ回路。
【請求項2】
オフ切り替え中、および、オフ状態において、前記カレントミラーを前記検出端子に結合するように、および、オン切り替え中、および、オン状態において、前記カレントミラーを前記検出端子から結合解除するようにスイッチング可能な
前記スイッチング回路
を備える、
請求項1に記載のドライバ回路。
【請求項3】
前記スイッチング回路が、前記電力半導体スイッチが前記オフ状態になるか、前記オン状態になるかを示す駆動状態信号を受信するように、結合された、
請求項2に記載のドライバ回路。
【請求項4】
前記第1の電流閾値が、オフ状態における前記主端子の前記最高電圧をさらに表し、
前記オン切り替え閾値が、オン状態における前記主端子の前記最高電圧をさらに表す、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドライバ回路。
【請求項5】
前記制御端子ドライバ回路が、オフ切り替え中の前記主端子の電圧が前記第1の電流閾値を上回ったことを示す前記第1の信号に応答して、オフ切り替え速度を下げるように応答する、
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載のドライバ回路。
【請求項6】
前記検出端子から受信された前記信号がオン切り替え中に前記オン切り替え閾値を上回ったことを前記第2の信号が示している間の持続期間を計時するタイマー回路をさらに備える、
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載のドライバ回路。
【請求項7】
前記第1の電流閾値が、可変閾値である、
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載のドライバ回路。
【請求項8】
前記検出端子の入力インピーダンスが、オン切り替え中よりオフ切り替え中に比較的小さ
い、
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載のドライバ回路。
【請求項9】
前記検出端子の前記入力インピーダンスが、オフ切り替え中に200キロオーム未満であり、オン切り替え中に10メガオームより大きい、
請求項8に記載のドライバ回路。
【請求項10】
前記検出端子の前記入力インピーダンスが、オフ切り替え中に10キロオーム未満であり、オン切り替え中に100メガオームより大きい、
請求項9に記載のドライバ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、スイッチング電力コンバーターにおいて半導体スイッチを保護することに関する。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、動作に電力を使用する。スイッチング電力コンバーターは、概して、エネルギー伝達要素をまたいだ電力の伝達を制御することにより、未調節の、または、おおまかに調節された入力をより厳しく調節された出力に変換するために使用される。エネルギー伝達要素に加えて、スイッチング電力コンバーターは、概して、少なくとも1つの電力スイッチと電力スイッチを制御する制御装置とを含む。制御装置は、電力スイッチをスイッチングして、エネルギー伝達要素におけるエネルギーの伝達を制御し、調節された出力を達成する。制御装置は、概して、出力を表すフィードバック信号を受信し、閉ループ制御スキームにおいて、1つまたは複数のスイッチングパラメータを変えて、出力を所望の量に調節する。異なる実施態様において、所望の出力は、例えば、スイッチングデューティサイクル(総スイッチング周期に対するスイッチのオン期間の比)を変えること、スイッチング周波数を変えること、および/または、電力スイッチの単位時間当たりのオン期間パルスの数を変えることにより達成され得る。
【0003】
スイッチング電力コンバーターの故障をもたらし得る多くの状況が存在する。例えば、多くの用途において、高電圧が電力スイッチに印加され、大きな電流がその主端子間において導電される。電力スイッチが高電圧に耐えるように、または、大きな電流を搬送するように適切に設計されていない場合、電力スイッチは、損傷を受け得る。さらに、適切に設計された電力スイッチでも、パワークロス、静電放電事象、電力サージ、落雷、およびその他を含む不適切な動作状態のもとで損傷を受け得る。動作事情に応じて、電力スイッチの故障は、電力コンバーターの故障につながるだけでなく、他の機器の故障、ならびに、特性および生命の喪失にもつながり得る。
【0004】
以下の図を参照しながら、本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態が説明され、異なる図の中の同様の参照符号は、別段の指定がない限り、同様の部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の一実施形態によるスイッチ異常ディテクターを含むスイッチ制御装置を含む例示的なスイッチ制御システムを示す。
【
図2A】本開示の一実施形態による、通常の状態および短絡または過電流状態のもとでの駆動信号およびスイッチ電圧に対する例示的な波形を示す。
【
図2B】本開示の一実施形態による、通常の状態および過電圧状態のもとでの駆動信号およびスイッチ電圧に対する例示的な波形を示す。
【
図3A】本開示の一実施形態による、
図1のスイッチ制御装置の過電圧状態を検出するための例示的なスイッチ異常ディテクターを示す。
【
図3B】本開示の一実施形態による、
図3Aの様々な信号の例示的な波形のタイミング図を示す。
【
図3C】本開示の一実施形態による、過電圧状態を検出するための例示的なスイッチ異常ディテクター、および、
図1のスイッチ制御装置のブランキング回路を示す。
【
図4A】本開示の一実施形態による、
図1のスイッチ制御装置の過電流または短絡状態を検出するための例示的なスイッチ異常ディテクターを示す。
【
図4B】本開示の一実施形態による、
図1のスイッチ制御装置の過電流または短絡状態を検出するための別の例示的なスイッチ異常ディテクターを示す。
【
図4C】本開示の一実施形態による、
図4Aおよび
図4Bの様々な信号の例示的な波形のタイミング図を示す。
【
図4D】本開示の一実施形態による、放電回路、および、
図1のスイッチ制御装置の過電流または短絡状態を検出するための別の例示的なスイッチ異常ディテクターを示す。
【
図5】本開示の一実施形態による、ダイ間の例示的な誘導結合を示す集積回路パッケージの例示的なリードフレームを示す。
【
図6】本開示の一実施形態による、スイッチ異常ディテクターを含むスイッチ制御装置を使用した例示的な電力コンバーターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面中の複数の図にわたり、対応する参照符号が、対応する構成要素を示す。同様に命名および番号付けされた要素が同様に結合および機能することが理解されなければならない。当業者は、図中の要素が簡潔かつ明確であるように描かれること、および、一定の縮尺で描かれるとは限らないことを理解する。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の様々な実施形態をより理解しやすくするために、他の要素より誇張される場合があり得る。さらに、市販に適した実施形態において有用または必要な、一般的だがよく理解される要素は、多くの場合、本発明に係るこれらの様々な実施形態の図が見づらくならないように、描かれない。
【0007】
スイッチ制御装置のためのスイッチ異常ディテクターの例が本明細書において説明される。以下の説明では、本発明を十分に理解してもらうために、多くの特定の詳細事項が記載される。しかし、本発明を実施する際に特定の詳細事項が使用されるとは限らないことが、当業者に明らかである。他の例では、よく知られた材料または方法については、本発明が理解しにくくなるのを防ぐために、詳細には説明されていない。
【0008】
本明細書中での「一実施形態」、「実施形態」、「一例」、または「例」についての言及は、実施形態または例との関連で説明される特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書中の様々な場所における「一実施形態において」、「実施形態において」、「一例」、または「例」という表現の使用は、すべてが同じ実施形態または例に関係するとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態または例において、任意の適切な組み合わせ、および/または部分的組み合わせで組み合わされ得る。特定の特徴、構造、または特性は、説明される機能を提供する集積回路、電子回路、結合論理回路、または他の適切なコンポーネントに含まれ得る。加えて、本明細書とともに提供される図が当業者への説明を目的としていることと、図面が一定の縮尺で描かれるとは限らないこととが理解される。
【0009】
スイッチング電力コンバーターにおいて、制御装置は、電力スイッチを、より高い導電性のオン(すなわち、閉じた)状態、または、実質的に非導電性のオフ(すなわち、開いた)状態に設定し得る。制御装置は、概して、電力スイッチおよび電力コンバーターに損傷を与え得る様々な状態を検出および/または防止する保護回路とともに使用される。過電圧状態および過電流状態は例示である。
【0010】
過電圧状態は、概して、電力スイッチがオフであるとき、または、オフ切り替え(すなわち、オン状態からオフ状態への遷移)中に発生する。能動的クランプは、電力スイッチまたは電力スイッチに関係した回路の能動的制御により、過電圧が電力スイッチにかかるように発生することを防止することを狙っている。例えば、いくつかの実施態様において、電力スイッチの制御端子(例えば、ゲートまたはベース)に入力された駆動信号は、オフ切り替え中に主端子(例えば、コレクタまたはドレイン)における電圧を制限するように能動的に制御され得る。多くの実施態様において、コレクタ/ドレインとゲートとの間に接続された過渡電圧抑制器(TVS:transient voltage suppressor)ダイオードを使用することが一般的な手法である。検出された電力スイッチ電圧をゲートドライバに提供するために容量的に補償された抵抗分圧器を使用する能動的クランプ技術がさらに存在する。検出された電力スイッチ電圧として機能する分圧された電圧は、電力スイッチのオフ切り替え過電圧を低減するために、電力スイッチの制御端子に提供された電流/電圧を制御する比較器により電圧閾値と比較される。
【0011】
過電流または短絡状態は、概して、電力スイッチがオンであるとき、または、オン切り替え(すなわち、オフからオンへの遷移)中に発生する。いくつかの場合において、電力スイッチの主端子間に流れる電流は、電力スイッチの主端子にかかる電圧を測定することにより推定される。通常の動作状態のもとで、電力スイッチの主端子にかかる電圧は、オン切り替え中、比較的低いレベルまで急速に低下し、電力スイッチがオンである間、低レベルに留まらなければならない。しかし、短絡または過電流状態のもとでは、電力スイッチにかかる電圧は、最初に低下するが、その後、何らかの期間後に上昇し得る。他の過電流状態において、電力スイッチにかかる電圧は、オン切り替え中に低下し得るが、低下速度(レート)は、通常の動作状態のもとでの低下速度より低いものであり得る。過電流状態は、電力スイッチに熱的に負荷をかけ、比較的短い期間の後でも電力スイッチを損傷させ得る。
【0012】
上述のように、制御装置は、概して、過電圧または過電流状態を検出する、および/または、過電圧または過電流状態に応答する、または、過電圧または過電流状態を避ける、および、損傷から電力スイッチを保護する保護回路と組み合わされて使用される。しかし、電力コンバーターの動作電圧が上昇するにつれて、過電圧および過電流保護を提供することがより困難になる。特に、過電流または短絡は、概して、電力スイッチの主端子にかかる電圧が低いとき、または、さらにはゼロに近づいているときに検出される。電力スイッチにかかる電圧が過度に高いとき、過電圧が必然的に検出される。例示として、現代の高電圧IGBTは、3.3kV以上の電圧に耐え得、過電圧はこの文脈において、依然として、より高い。保護回路は、従って、非常に広い範囲の動作パラメータを許容することができなければならない。その結果、保護回路は多くの場合、複雑であり、統合のレベルが低い。さらに、過渡電圧抑制器(TVS)ダイオードは、概して高価である。
【0013】
一実施形態において、スイッチ制御装置は、過電流または短絡状態を検出することと、過電流または短絡状態に応答することとの両方を行い、電力スイッチにかかる電圧を能動的にクランプして過電圧状態を防止するスイッチ異常ディテクターを含む。いくつかの実施態様において、異常ディテクターは、電力スイッチを通って流れる電流および電力スイッチの主端子にかかる電圧を表す信号を-単一の検出端子において-受信し得る。電力スイッチがオフであるとき、検出端子において受信された信号が電力スイッチにかかる電圧を表し、スイッチ異常ディテクターが過電圧状態を防止する。電力スイッチがオンであるとき、検出端子において受信された信号が電力スイッチを通って流れる電流を表し、スイッチ異常ディテクターが過電流および/または短絡状態を検出し、相応に応答する。
【0014】
例えば、いくつかの実施態様において、電力スイッチの主端子にかかる電圧を表す信号は、検出端子において受信された電流信号である。電力スイッチにかかる電圧を表す検出電流信号は、可変電流基準と比較される。検出電流信号が電流基準より大きいとき、スイッチ異常ディテクターが、電力スイッチの制御電流を制御するためにクランプ信号を出力する。従って、スイッチ制御装置は、過電圧状態に対する能動的クランプを提供する。
【0015】
別の一例として、いくつかの実施態様において、スイッチを通る電流を表す信号は、検出端子において受信された電圧信号である。この電圧信号は、電圧基準と比較される。検出電圧信号が電圧基準より大きいとき、スイッチ異常ディテクターが異常信号を出力して、電力スイッチをオフに切り替える。従って、スイッチ制御装置は、過電流および/または短絡保護を提供する。
【0016】
図1は、スイッチ制御装置106と電力スイッチ102とを含む例示的なスイッチ制御システム100を示す。スイッチ制御装置106はスイッチ異常ディテクター125を含む。スイッチ制御システム100は、入力電圧を受信し、電力スイッチ102のスイッチングを制御することによりエネルギー伝達要素を通して入力から負荷まで電気エネルギーを伝達する電力コンバーターの一部であり得る。
【0017】
示される例において、電力スイッチ102は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:insulated-gate bipolar transistor)である。他の電力スイッチが、他の実施形態において使用され得る。例えば、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)、バイポーラトランジスタ、注入促進ゲートトランジスタ(IEGT:injection enhancement gate transistor)、および、ゲートターンオフサイリスタ(GTO:gate turn-off thyristor)が使用され得る。さらに、スイッチ制御システム100は、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)半導体、または、炭化ケイ素(SiC)半導体をベースとした電力スイッチとともに使用され得る。
【0018】
システム制御装置104は、システム入力108を受信するように、および、スイッチ制御装置106に入力信号UIN110を提供するように結合されたデバイスである。入力信号UIN110は、スイッチ制御装置106の入力端子IN117において受信される。場合によっては、入力信号UIN110は、電力スイッチ102をオンに切り替えるように、または、電力スイッチ102をオフに切り替えるようにスイッチ制御装置106に命令するコマンド信号であり得る。例えば、入力信号UIN110は、論理ハイセクションと論理ローセクションとが異なる持続期間をもつ方形パルス波形であり得る。論理ハイセクションは、例えば、電力スイッチ102がオンになることを示し得るのに対し、論理ローセクションは、電力スイッチ102がオフになることを示し得る。
【0019】
スイッチ制御装置106は、電力スイッチ102を制御し、ドライバインターフェース112と駆動回路116とを含む。いくつかの場合において、ドライバインターフェース112とシステム制御装置104との両方が一次基準電位122を基準とするのに対し、駆動回路116は二次基準電位123を基準とする。ドライバインターフェース112と駆動回路114とは通信リンク114を通して通信するように結合されている。通信リンク114は、ドライバインターフェース112と駆動回路116とをガルバニック絶縁している。示される実施態様において、通信リンク114は双方向である。他の実施態様において、ドライバインターフェース112と駆動回路114との間の通信は、1方向であり得る。いくつかの実施態様において、通信リンク114は、例えば、信号変圧器、結合インダクタ、または他の誘導結合を使用して実装される。
【0020】
動作中、ドライバインターフェース112は、システム制御装置104から受信された入力信号UIN110を解釈する。解釈に基づいて、ドライバインターフェース112は、通信リンク114を介して駆動回路116にコマンド信号を送信する。コマンド信号は、例えば、電力スイッチ102をオンまたはオフに駆動するように、駆動回路116に命令し得る。駆動回路116は、電力スイッチ102のスイッチングを制御するように駆動信号UD131を生成する。駆動回路116の示される実施態様は、送受信器124、スイッチ異常ディテクター125、および駆動信号生成器126を含む。送受信器124は、ドライバインターフェース112からの通信を受信および解釈し、スイッチ異常ディテクター125と駆動信号生成器126とに駆動状態信号127を提供する。駆動状態信号127は、電力スイッチ102をオンまたはオフに制御するように駆動信号生成器126に指示する。例えば、駆動状態信号127は、可変持続期間の論理ハイセクションと論理ローセクションとをもつ方形パルス波形であり得る。この例において、電力スイッチ102は、駆動状態信号127が論理ハイであるとき、駆動信号生成器126によりオンに切り替えられ、駆動状態信号127が論理ローであるとき、オフに切り替えられる。示される例において、駆動状態信号127は、単一チャンネルにおける単一の信号である。他の例において、駆動状態信号127は、複数の信号として、および/または、複数のチャンネルにおいて通信され得る。例えば、1つのチャンネルにおける1つの信号が、電力スイッチ102をオンに切り替えるように駆動信号生成器126に命令し得、別のチャンネルにおける別の信号が、電力スイッチ102をオフに切り替えるように駆動信号生成器126に命令し得る。
【0021】
さらに説明されるように、送受信器124は、スイッチ異常ディテクター125から過電流または短絡を示す異常信号133を受信するように結合されている。送受信器124は、通信リンク114を介してドライバインターフェース112に異常の通知を中継する。
【0022】
駆動信号生成器126は、駆動状態信号127を受信するように結合されており、電力スイッチ102のスイッチングを制御するために、ゲートハイ信号UH129およびゲートロー信号UL130を出力するように結合されている。ゲートハイ信号UH129は、電力スイッチ102をオンに切り替えるために、スイッチ制御装置106のゲートハイ端子GH119から出力される。ゲートロー信号UL130は、電力スイッチ102をオフに切り替えるために、スイッチ制御装置106のゲートロー端子GL120から出力される。ゲートハイ信号UH129およびゲートロー信号UL130は、電圧信号または電流信号であり得る。駆動信号UD131は、ゲートハイ信号UH129とゲートロー信号UL130との組み合わせである。抵抗135および抵抗136は、それぞれ、ゲートハイGH端子119およびゲートロー端子GL120に結合されている。オフ切り替え電流IGL160は、ゲートロー端子GL120への電流として示される。言い換えると、オフ切り替え電流IGL160は、電力スイッチ102がオフであるときの、電力スイッチ120のゲート電流である。
【0023】
スイッチ制御装置106の示される実施態様は、戻り端子COM121とエミッタ端子VEE168とをさらに含む。戻り端子COM121は、二次戻り123に結合されており、スイッチ制御装置106の二次側に結合された回路のための戻り基準を提供する。エミッタ端子VEE168は、電力スイッチ102のエミッタ/ソースに結合されている。示される実施態様において、電力スイッチ102は、IGBTであり、それは、コレクタ、エミッタ、およびゲート端子を含む。しかし、他の電力スイッチが、ドレイン、ソース、およびゲート端子、または、コレクタ、エミッタ、およびベース端子を含み得る。
【0024】
スイッチ異常ディテクター125は、駆動状態信号127と、スイッチ制御装置106の検出端子SNS118からの検出信号とを受信するように結合されている。検出信号は、電圧信号(すなわち、検出端子SNS118における電圧VSNS)、または、電流信号(すなわち、検出電流ISNS161)であり得る。スイッチ異常ディテクター125は、検出端子SNS118における検出信号と駆動状態127とに基づいて、異常信号133とクランプ信号134とを出力する。以下でさらに詳細に説明されているように、スイッチ異常ディテクター125が過電流または短絡を監視しているとき、すなわち、電力スイッチ102がオン状態にあるとき、またはオンに切り替わり中であるとき、検出端子SNS118のインピーダンスが高い。対照的に、スイッチ異常ディテクター125が電力スイッチ102の能動的クランプに関与しているとき、すなわち、電力スイッチ102がオフ状態にあるとき、または、オフに切り替わり中であるとき、検出端子SNS118のインピーダンスが低い。例えば、いくつかの実施態様において、電力スイッチ102がオフ状態にあるとき、または、オフに切り替わり中であるとき、検出端子SNS118の入力インピーダンスは200キロオーム未満(例えば、10キロオーム未満)であるのに対し、電力スイッチ102がオン状態にあるとき、またはオンに切り替わり中であるとき、検出端子SNS118の入力インピーダンスは10メガオームより大きい(例えば、100メガオームより大きい)。スイッチ制御システム100は、検出端子SNS118と電力スイッチ102のコレクタ/ドレインとの間に結合された抵抗RC1 137をさらに含む。動作中、電力スイッチ102にかかる電圧VCE141は、抵抗RC1 137を通る電流を駆動する。抵抗RC1 137を通る電流の少なくとも一部が、検出電流ISNS161として検出端子SNS118に流れ込む。スイッチ制御システム100は、抵抗RC2 138をさらに含む。抵抗RC2 138の一端部が、検出端子SNS118と抵抗RC1 137との間に結合されている。他端部は、戻り端子COM121またはエミッタ端子VEE168に結合されている。抵抗RC1 137と抵抗RC2 138とが一緒に、分圧器を形成しており、電力スイッチ102にかかる電圧を検出信号に変換する。
【0025】
任意選択的に、電力スイッチ102は、(破線により示される)検出端子183を含み得る。検出端子183は、総スイッチ電流IC142のうちの小さな割合である電流IESNS192を出力する。電力スイッチ102が検出端子183を含む場合、抵抗RS1 139およびRS2 140が、検出端子183に結合され得る。抵抗RS1 139にかかる電圧は、総スイッチ電流IC142に比例する。抵抗RS2は、RS1にかかる電圧を検出端子SNS118に結合するために使用される。示される実施態様において、抵抗RS1 139は、検出端子183と電力スイッチ102のエミッタ/ソースとに結合されている。抵抗RS2 140は、抵抗RC1 137とスイッチ制御装置106の検出端子SNS118との間において、電力スイッチ102の検出端子183に結合されている。過電流および/または短絡検出中、検出端子SNS118の入力インピーダンスが高く、SNS端子118における電圧がスイッチ電流IC142を表す。さらに、検出端子183における検出電圧VSNSが、電流IESNS192とスイッチ電流IC142との両方を表す。検出端子183および抵抗RS1 129およびRS2 140が使用される実施態様において、抵抗RC2 138は任意選択的である。
【0026】
動作中、スイッチ異常ディテクター125は、過電圧、過電流、または短絡状態が発生しているか否かを判定するために、検出端子SNS118における電圧または電流を監視する。
【0027】
過電圧防止
【0028】
電力スイッチ102がオフでなければならないことを駆動状態信号127が示しているとき、スイッチ異常ディテクター125は、検出端子SNS118に流れ込む電流ISNS161を使用して過電圧状態を検出するように結合される。検出端子SNS118の入力インピーダンスは低い。抵抗RC1 137は、電力スイッチ102にかかる電圧VCE141を検出電流ISNSとして示される電流に変換する。過電圧状態が検出された場合、スイッチ異常ディテクター125は、電力スイッチ102の電圧をクランプする電力スイッチ102のオフ切り替えスピードを遅くするクランプ信号134を使用する。クランプ信号134における標示に応答して、駆動信号生成器126がゲートロー信号UL130を使用して、電力スイッチ102にかかる電圧VCE141を下げる。
【0029】
抵抗RC1 137の値は、クランプ信号134をトリガーする(すなわち、スイッチ電圧VCE141のクランプレベルを調節する)電力スイッチ102にかかる電圧VCE141のレベルを選択するために選択される。特に、スイッチ異常ディテクター125は、固定のプリセット閾値レベルを与えられ得、抵抗RC1 137は、この固定の閾値を上回る電圧VCE141の電圧を指定し得る。従って、スイッチ異常ディテクター125は、異なる動作状態において、および/または、異なる電力スイッチ102と組み合わされて使用され得る。
【0030】
上述のように、スイッチ異常ディテクター125が過電圧を監視しているとき、検出端子SNS118におけるスイッチ制御装置106の入力インピーダンスは低い。言い換えると、電力スイッチ102がオフでなければならないことを駆動状態127が示しているとき、検出端子SNS118のインピーダンスが低い。抵抗RC2 138のインピーダンスが、検出端子SNS118におけるスイッチ制御装置106の入力インピーダンスよりはるかに大きくなるように、抵抗RC2 138に対する抵抗が選択され得る。例えば、スイッチ制御装置106の入力インピーダンスは、約4~5キロオームであり得、抵抗RC2 138のインピーダンスは、約22~82キロオームである。一例において、抵抗RC1は、約1~2メガオームであり得る。
【0031】
過電流または短絡保護
【0032】
電力スイッチ102がオンでなければならないことを駆動状態信号127が示しているとき、スイッチ異常ディテクター125は、検出端子SNS118における電圧に基づいて過電流および/または短絡状態を検出するように結合される。電力スイッチ102がオンであるとき、またはオンに切り替わり中であるとき、検出端子SNS118のインピーダンスが高く、電圧VSNSはスイッチ電流IC142を表す。電力スイッチ102が検出端子183を含む実施態様では、電流IESNS192は、抵抗RCS1 139と抵抗RS2 140との間における電位を、対応するレベルにシフトさせ、検出端子SNS118における電圧SNSを変える。繰り返すが、電流IESNS192はスイッチ電流IC142のある割合である。電力スイッチ102が検出端子183を含まない実施態様では、比較的低いスイッチ電圧VCE141が抵抗RC1 137を通る電流を駆動する。抵抗RC1 137を通る電流は、さらに、スイッチ制御装置106の入力インピーダンスと抵抗RC2 138とにより提供されるインピーダンスに直面し、検出端子SNS118におけるスイッチ電流IC142を表す電圧SNSを提供する。オン状態では、スイッチ電圧VCE141は、電力スイッチ102のオン状態インピーダンスとスイッチ電流IC142との積に関係する。
【0033】
過電流または短絡が検出された場合、スイッチ異常ディテクター125が送受信器124に異常信号133を出力する。異常信号133に応答して、送受信器124が、駆動状態信号127を変化させて、電力スイッチ102をオフに切り替えるように駆動信号生成器126に指示する。それに応答して、駆動信号生成器126は、電力スイッチ102をオフに切り替える。送受信器124は、ドライバインターフェース112に異常信号133をさらに出力し得る。ドライバインターフェース112は、システム制御装置104に異常の標示を中継する。
【0034】
抵抗RC1 137およびRC2 138(または、任意選択的に、RS1 139およびRS2 140)のインピーダンスは、スイッチ異常ディテクター125の内部電圧基準V1、および、電力スイッチ102の所望の非飽和レベルに部分的に基づいて選択され得る。検出端子SNS118の高い入力インピーダンスが、抵抗RC2 138と並列である(または、抵抗RS1 139、およびRS2 140と並列である)。抵抗RC1 137およびRC2 138が検出電圧SNSを提供するために使用され、抵抗RC2 138の値が、スイッチ異常ディテクター125の内部基準電圧V1に対して非飽和レベルを調節する。一例が
図4Aに関係してさらに説明される。抵抗RC2 138の値がより大きいほど、電力スイッチ102の非飽和レベルがより低い。言い換えると、抵抗RC2 138の値がより大きいほど、異常信号133をトリガーするスイッチ電流IC142がより小さい。同様に、抵抗RS1 139およびRS2 140が検出電圧SNSを提供するとき、抵抗RS2 140は、スイッチ異常ディテクター125の内部基準電圧V1に対して、電力スイッチ102に対する非飽和レベルを調節し、および抵抗RS1 139は、電流IESNS192を、電力スイッチ102のそれぞれに対する安全動作エリア(SOA:Safe Operation Area)規格に対する電圧範囲内の電圧に変換する。一例が
図4Bに関係してさらに説明される。
【0035】
同じ検出端子SNS118における過電流と過電圧との両方に対する監視は、非常に困難な課題である。過電流検出のために、スイッチ電流IC142を表す検出電圧VSNSは、電力スイッチ102のオン切り替え中およびオン状態中、0.2V~0.5Vの範囲であり得る。しかし、過電圧検出の場合、過電圧をトリガーする閾値は、電力スイッチ102のオフ切り替え中およびオフ状態中、数千ボルトの程度であり得、例えば1050Vであり得る。従って、検出端子118は、幅広い電圧範囲にさらされる。スイッチ電圧VCE141を、オフ切り替え中およびオフ状態中、電流信号ISNS161として検出することにより、制御スキームのスピードを上げ得る。
【0036】
図2Aは、電力スイッチのオフからオンへの遷移中、通常、短絡、および過電流状態のもとでの、駆動信号231およびスイッチ電圧VCE241に対する例示的な波形を含むタイミング
図200を示す。
【0037】
より上方の波形は、電力スイッチのオン切り替えとオフ切り替えとを制御する例示的な駆動信号UD231を示す。オフ期間中、駆動信号UD231は、オフ電圧VOFF244に実質的に等しい。オン期間中、駆動信号UD231は、オン電圧VON243に実質的に等しい。
【0038】
スイッチ電圧VCE241(すなわち、電力スイッチにかかる電圧)は、タイミング
図200の下部に示される。左下部分が、通常の状態のもとでの例示的なスイッチ電圧VCE241を示すのに対し、右下部分は、短絡および過電流状態のもとでの例示的なスイッチ電圧VCE241を示す。タイミング
図200の左下部分に示されるように、電力スイッチがオフからオンに遷移した後、スイッチ電圧VCE241が実質的にゼロまで急速に低下する。対照的に、短絡状態のもとでは、スイッチ電圧VCE241は最初に低下し得るがその後、ある期間後に再度上昇する。一例において、スイッチ電圧VCE241は、通常の状態中のその値まで低下し得るが、その後に上昇する。過電流状態のもとでは、スイッチ電圧VCE241は、通常の状態よりはるかに遅い速度ではあるが、低下し得る。
【0039】
図2Bは、電力スイッチのオンからオフへの遷移中、通常および過電流状態のもとでの、駆動信号231およびスイッチ電圧VCE241に対する例示的な波形を含むタイミング
図201を示す。より上方の波形は、電力スイッチのオン切り替えとオフ切り替えとを制御する例示的な駆動信号UD231を示す。オン期間中、駆動信号UD231はオン電圧VON243に実質的に等しい。オフ期間中、駆動信号UD231は、オフ電圧VOFF244に実質的に等しい。
【0040】
スイッチ電圧VCE241(すなわち、電力スイッチにかかる電圧)は、タイミング
図200の下部に示される。左下部分が、通常の状態のもとでの例示的なスイッチ電圧VCE241を示すのに対し、右下部分は、過電圧状態のもとでの例示的なスイッチ電圧VCE241を示す。タイミング
図201の左下部分に示されるように、オンからオフへの遷移中、スイッチ電圧VCE241は、ほぼ0ボルトから上昇するが、基準レベル246未満に留まる。この例において、基準レベル246より大きいスイッチ電圧VCE241は、過電圧状態を示す。タイミング
図201の右下部分に示されるように、過電圧状態のもとでは、スイッチ電圧VCE241が0ボルトから基準レベル246より大きいレベルまで上昇し、過電圧状態を示す。
【0041】
図3Aは、過電圧状態を検出するためのスイッチ異常ディテクター325内における回路の例、および、このような回路と駆動信号生成器326との間における結合の例を示す。過電圧状態を検出するための回路に加えて、スイッチ異常ディテクター325は、過電流および短絡状態を検出するための、および過電流および短絡状態から保護するための回路をさらに含むことに留意されたい。説明を目的とするために、このような回路は
図3Aに示されていない。しかし、
図3Aにおいて過電圧状態を検出するための回路は、例えば
図4Aに示されるように過電流および短絡状態を検出するための回路と組み合わされ得る。
【0042】
スイッチ制御装置306内の回路は、駆動信号生成器326とスイッチ異常ディテクター325とを含む。駆動信号生成器326は、オンスイッチ349とオフスイッチ350とを含む。オンスイッチ349とオフスイッチ350との両方は、n型トランジスタとして示される。オンスイッチ349の一端部はソース電圧VISOに結合されており、他端部はゲートハイ端子GH319に結合されている。オンスイッチ349は、ドライバ351を介して駆動状態信号327により制御される。動作中、電力スイッチ302がオンに切り替えられることを駆動状態信号327が示す(例えば、駆動状態信号327が論理ハイである)とき、ドライバ351は、オンスイッチ349を導電状態に制御し、ゲートハイ端子GH319および抵抗335にゲートハイ信号UH329を提供する。同時に、オフスイッチ350がオフに制御され、駆動信号331がゲートハイ信号UH329に実質的に等しくなる。それに応答して、電力スイッチ302がオンに切り替わる。
【0043】
オフスイッチ350は、ゲートロー端子GL320と戻りCOMとに結合されており、インバーター385と電流源348とを介して駆動状態信号327により制御される。インバーター385は、駆動状態信号327を受信し、駆動状態信号327に基づいて電流源348を制御する。示されるように、電流源348は、オフスイッチ350の制御端子に結合されている。動作中、電力スイッチ302がオフに切り替えられることを駆動状態信号327が示す(例えば、駆動状態信号327が論理ローである)とき、インバーター385は、オフスイッチ350をオンに切り替えるように電流を提供するように電流源348を制御する。オフスイッチ350は、ゲートロー端子320と抵抗336とにゲートロー信号UL330を提供する。オンスイッチ349は、オフに制御される。駆動信号UD331は、ゲートロー信号UL330に実質的に等しくなる。電力スイッチ302は、それに応答してオフに切り替わる。なお、ゲートロー端子320への電流は、ゲートロー電流IGL360と呼ばれ得る。
【0044】
駆動信号生成器326は、カレントミラーとしてまとまって結合されたトランジスタ352および353をさらに含む。トランジスタ352のドレインは、スイッチ異常ディテクター325からクランプ信号334を受信するように結合されている。トランジスタ353のドレインは、オフスイッチ350の制御端子(例えば、ゲート)に結合されている。さらに説明されるように、トランジスタ352および353は、クランプ信号334をミラーリングし、オフスイッチ350の制御(例えば、ゲート)端子から電流を引き込む。より少ない電流がオフスイッチ350の制御端子に入力されるので、ゲート電流IGL360が減らされる。これは、続いて、電力スイッチ302がオフに切り替わる速度、および、スイッチ電圧VCE341の変化速度を低減する。
【0045】
示されるスイッチ異常ディテクター325が過電圧状態を検出し、過電圧状態が検出されたとき、スイッチ異常ディテクター325と駆動信号生成器326とがスイッチ電圧VCE341を能動的にクランプする。さらに詳細に述べると、スイッチ異常ディテクター325は、検出端子SNS318において検出信号を受信する。過電圧検出のために、スイッチ電圧VCE341は、検出電流ISNS361として示される電流信号に変換される。抵抗RC1 337は、検出端子SNS318と電力スイッチ302のコレクタ/ドレインとに結合されており、スイッチ電圧VCE241を変換する。
【0046】
スイッチ異常ディテクター325は、電流源358、トランジスタM1 354、M2 355、M3 356、およびM4 357、および、電流ドライバ359を含む。電流源358は、可変電流源であり、駆動状態信号327とクランプ信号334とを受信するように結合されている。電流源358は、さらに、駆動状態信号327とクランプ信号334とに応答して電流I
REFの大きさを変える。電流源358による電流I
REFの変化に関する詳細は、
図3Bの説明において提供される。
【0047】
トランジスタM1 354、M2 355、M3 356、およびM4 357は、駆動状態信号327の状態に応じてオンまたはオフにスイッチングされ得るカレントミラーを形成するように一緒に結合されている。特に、トランジスタM1 354、M2 355、およびM4 357がn型トランジスタであるのに対し、トランジスタM3 356はp型トランジスタである。トランジスタM1 354およびM2 355のゲート、および、トランジスタM3 356およびM4 357のドレインが一緒に結合されている。トランジスタM1 354のドレインと、トランジスタM3 356のソースとが検出端子SNS318に結合されており、トランジスタM2 355のドレインは、電流源358および電流ドライバ359に結合されている。さらに、トランジスタM1 354、M2 355、およびM4 357のソースは、戻りCOMに結合されている。トランジスタM3 356およびM4 357のゲートが一緒に結合されており、駆動状態信号327を受信するように結合されている。
【0048】
電流ドライバ359は、電流IREFと、トランジスタM2 355を通るミラーリングされた検出電流との間の差の1つのバージョンを出力するように結合された増幅器および/または電流バッファである。動作中、スイッチ異常ディテクター325は、トランジスタM3 356およびM4 357のゲートにおいて駆動状態信号327を受信する。駆動状態327は、スイッチ異常ディテクター325が過電圧または過電流/短絡状態を検出するかを特定する。特に、駆動状態信号327が論理ローである-電力スイッチ302がオフになること、または、オフに切り替わることを示す-とき、トランジスタM3 356がオンであり、トランジスタM4 357がオフである。低入力インピーダンスカレントミラーは、トランジスタM1 354、M2 355、M3 356により形成されている。この低入力インピーダンスカレントミラーは、検出端子SNS318から「観測される」。検出端子SNS318とカレントミラーとを通って流れる電流は、能動的クランプ工程において使用される。対照的に、駆動状態信号327が、論理ハウである-電力スイッチ302がオンになること、または、オンに切り替わることを示す-とき、トランジスタM3 356がオフであり、トランジスタM4 357がオンである。トランジスタM1 354、M2 355、M3 356は、カレントミラーを形成せず、高い入力インピーダンスが検出端子SNS318から「観測される」。他の回路-例えば
図4A、
図4B、
図4Dに示されるものなど-が、過電流および短絡状態を検出し、過電流および短絡状態から保護する。
【0049】
示される実施態様において、電力スイッチ302がオフでなければならないこと、または、オフに切り替わらなければならないことを駆動状態信号327が示すとき、スイッチ異常ディテクター325は、検出端子SNS318に入る電流ISNS361を使用して過電圧状態を検出するように結合される。トランジスタM1 354、M2 355、M3 356は、受信された検出電流ISNS361をミラーリングする。ミラーリングされた検出電流(すなわち、トランジスタM2 355を通って流れる電流)は、電流源358により出力された基準電流IREFから差し引かれる。電流ドライバ359は、差をバッファリングおよび/または増幅し、ミラーリングされた検出電流と基準電流IREFとの間の差に基づいてクランプ信号334を出力する。従って、クランプ信号334は、可変電流信号である。概して、ミラーリングされた検出電流が基準電流IREF未満である場合、クランプ信号334は実質的にゼロである。駆動信号生成器326は、クランプ信号334を受信する。トランジスタ352および353は、クランプ信号334をミラーリングし、オフスイッチ350がどれだけの電流を導電するかを制御する。示されるように、オフスイッチ350は、スイッチ電圧VCE141の変化速度が低減されるようにゲートロー電流IGL360を変化させ、スイッチ電圧VCE141を効果的にクランプする。オフスイッチ350は、オフ切り替え遷移中、最初に線形モードで動作する。オフスイッチ350は、スイッチ電圧VCE341をクランプするように、一旦、飽和モードに入る。
【0050】
さらに、抵抗RC1 337、RC2 338の値は、クランプ信号334をアサートするようにスイッチ異常ディテクター325をトリガーするスイッチ電圧VCE341の値を調節するように選択され得る。抵抗RC1 337の値がより大きいほど、能動的クランプをトリガーするスイッチ電圧VCE341のレベルがより高い。言い換えると、抵抗RC1 337に対する値が高いほど、クランプ信号334をアサートするようにスイッチ異常ディテクター325をトリガーする電圧VCE341がより高い。
【0051】
電力スイッチ302がオフでなければならない、または、オフに切り替わらなければならないとき、および、過電圧状態が検出されるとき、検出端子SNS318の入力インピーダンスは低いことに留意されたい。トランジスタM1 354、M2 355、M3 356は、戻りCOMまでの低インピーダンス経路を形成する。抵抗RC2 338のインピーダンスが、過電圧検出中の検出端子SNS318の入力インピーダンスよりはるかに大きくなるように、抵抗RC2 338の値が選択され得る。例えば、過電圧検出中における検出端子SNS318の入力インピーダンスは、約4~5キロオームであり得、抵抗RC2 338のインピーダンスは、約22~82キロオームである。一例において、抵抗RC1 337は、約1~2メガオームであり得る。このような関係は、抵抗RC1 337を通って流れる電流のほぼすべてが、検出端子SNS318にさらに流れ込むことを確実なものとする。
【0052】
なお、示される例において、抵抗RC2 338は戻り端子COM321に結合されている。代替的に、抵抗RC2 338は、例えば、
図1に示されるように、エミッタ端子に結合され得る。
【0053】
図3Bは、電力スイッチ302がオフに切り替わっているとき、および、オフでなければならないときに発生し得る様々な波形を示すタイミング
図301を示す。特に、駆動状態信号327、基準電流信号I
REF358、検出電流I
SNS361、クランプ信号334、および、ゲートロー電流IGL360に対する波形が示される。駆動状態信号327は、可変持続期間の論理ハイセクションと論理ローセクションとをもつ方形パルス波形である。示される例において、論理ハイは、電力スイッチがオンでなければならないことを示し、論理ローは、電力スイッチがオフでなければならないことを示す。
【0054】
時点t0 362において、駆動状態信号327は論理ロー値に遷移する。それに応答して、スイッチ異常ディテクター325は、過電圧状態を検出するように結合され、スイッチ電圧VCE341を表す検出電流ISNS361を受信する。駆動状態信号327に応答して、電流源358は、基準電流IREFを第1の閾値I1 365まで増加させる。さらに、ゲートロー信号UL330が電力スイッチ302をオフに切り替えるように、駆動信号生成器326がオフスイッチ350を導電状態に駆動する。示されるように、ゲートロー電流IGL360が電力スイッチ302をオフに切り替える値まで増加する。時点t0 362から時点t1 363の間において、検出電流ISNS361-およびそれが表すスイッチ電圧VCE341--は依然として比較的低く、基準電流IREF358未満に留まる。従って、クランプ信号334は実質的にゼロであり、ゲートロー電流IGL360は、実質的に一定の非ゼロ値である。
【0055】
時点t1 363において、検出電流ISNS361が上昇し始め、電力スイッチ302がオフに切り替わるときに、スイッチ電圧VCE341がさらに上昇することを示す。しかし、検出電流ISNS361は基準電流IREF358未満に留まる。従って、クランプ信号334は、実質的にゼロに等しいまま留まり、ゲートロー電流IGL360は、実質的に一定の非ゼロ値である。
【0056】
しかし、時点t2 364において、検出電流ISNS361は基準電流IREF358に到達する。これは、電力スイッチ302が過電圧状態にあることを示す。クランプ信号334が上昇し始め、ゲートロー電流IGL360が減少する。示される波形において、ゲートロー電流IGL360は、クランプ信号334の反転されたバージョンである。クランプ信号334が上昇し、ゲートロー電流IGL360が減少する。ゲートロー電流IGL360の減少の大きさは、クランプ信号334の上昇の大きさに比例する(が通常は等しくない)。時点t2 364において、クランプ信号334の上昇が電流源358をトリガーし、第1の閾値I1 365から第2の閾値I2 366まで基準電流IREF358を増加させる。基準電流IREF358は、基準期間TREF367内に第2の閾値I2 366に到達する。一例において、基準電流IREF358の第1の閾値I1 365は、制御オーバーシュートを避けるためにより低い値をもち得る。一例において、基準電流IREF358は、200uAから800uAの間で変化し得る。基準電流IREF358に対する値は、制御スキームが十分なスピードで応答するように十分高く選択されるが、高い電力浪費を避けるように十分低く選択され得る。
【0057】
時点t2 364から時点t4 387の間において、スイッチ異常ディテクター325および駆動信号生成器326は、オフスイッチ350を能動的に制御して、(検出電流ISNS361により示されるように)スイッチ電圧VCE341をクランプする。特に、時点t2 364から時点t3 386の間において、検出電流ISNS361が基準電流IREF358より大きく、クランプ信号334が上昇しており、およびゲートロー電流IGL360が減少している。時点t3 386において、検出電流ISNS361がそのピーク値に到達する。クランプ信号334もそのピーク値に到達し、ゲートロー電流IGL360がその最小値に既に達している。示される実施態様において、ゲートロー電流IGL360の最小値は、ゼロとして示されている。これは偶然の一致であり、一般的に該当するわけではない。スイッチ異常ディテクター325および駆動信号生成器326は、スイッチ電圧VCE341を制御下におくために時点t2 364から時点t3 38の間の時間を必要とする。発生する能動的クランプは、スイッチ制御装置306がスイッチ電圧VCE341をゆっくりと低下させることを可能にする。時点t3 386から時点t4 387の間において、検出電流ISNS361は減少するが、基準電流IREF358より大きいまま留まる。クランプ信号334は、依然として非ゼロであるが、そのピーク値から低下する。ゲートロー電流IGL360がその谷値から増加する。
【0058】
時点t4 387において、検出電流ISNS361は基準電流IREF358未満に減少しており、示される例に対して電力スイッチ302がオフである期間全体にわたってそのまま留まる。クランプ信号334がゼロまで低下し、ゲートロー電流IGL360が一定の非ゼロ値に戻る。時点t4 387後、ゲート電圧がゼロまで低下し、ゲートロー電流IGL360が、ゼロまで減少する。
【0059】
図3Cにおいて、スイッチ異常ディテクター325および駆動信号生成器326は
図3Aを参照してここまでに説明されているように結合されており、および、
図3Aを参照してここまでに説明されているように機能する。しかし、
図3Cは、検出端子SNS318に結合された追加的な回路を示す。示されるように、抵抗390と静電容量345とが一緒に並列に結合されており、ツェナーダイオード347と直列に結合されている。これらのコンポーネントは、検出端子SNS318と戻りCOMとの間に結合されている。示されるように、並列結合された抵抗390と静電容量345とが、ツェナーダイオード347のカソードに結合されているのに対し、ツェナーダイオード347のアノードは、戻りCOMに結合されている。
【0060】
動作中、SNS端子318における電圧VSNSがツェナーダイオード347のツェナー電圧未満であるとき、ツェナーダイオード347が、静電容量345および抵抗390をSNS端子318から接続解除する。静電容量345は、検出端子SNS318における電圧VSNSの上昇速度を遅くするのに対し、抵抗390は、静電容量345を放電する。電力スイッチ302のオン切り替えとオフ切り替えとの間における遷移中、検出端子SNS318の放電に起因して実効的なオフ切り替え遷移に対して何らかの遅延が存在する。さらに、ツェナーダイオード347は、電力スイッチ302がオフでなければならないことを駆動状態信号327が示す(すなわち、駆動状態信号327が論理ローである)とき、静電容量345および抵抗390を接続解除し、スイッチ異常ディテクター325が過電圧状態を検出することになる。さらに説明されるように、オン切り替え遷移中、スイッチ異常ディテクター325が、検出端子SNS318における検出電圧VSNSを使用して過電流および短絡状態を検出する)。スイッチ異常ディテクター325は、スイッチ異常ディテクター325がブランキング期間内に誤った異常に応答することを防ぐブランキング回路を含む。静電容量345が、SNS端子318における電圧VSNSの上昇速度を遅くし、スイッチ異常ディテクター325に対する外部から設定されたブランキング期間として実効的に機能する。スイッチ異常ディテクター325は、内部ブランキング期間をさらに含み得ることに留意されたい。いくつかの場合において、スイッチ異常ディテクター325の内部ブランキング期間は、高速スイッチング電力スイッチ302を使用した動作に対して最小レベルに設定され得る。例えば、スイッチ異常ディテクター325の内部ブランキング期間は、SiC電力スイッチ302に対するSOA規格の観点から500nsに設定され得る。しかし、このような比較的短いブランキング期間は、例えばIGBTなどの他の電力スイッチ302に対しては短すぎであり得る。例えば、IGBT電力スイッチ30は、スイッチ電圧VCE341が低下し始める前に約1~1.5usを必要とし得る。短すぎるブランキング期間(例えば、500ns)は、誤った異常をトリガーし得る。静電容量345はSNS端子318における電圧VSNSの上昇速度を遅くし、実効的なブランキング期間を延ばす。
【0061】
図4Aは、スイッチ制御装置402の過電流または短絡状態を検出するためのスイッチ異常ディテクター425内における回路の例を示す。
図4Aにおける過電流または短絡状態を検出するための回路は、例えば、
図3A、
図3Cに示される過電流および短絡状態を検出するための回路と組み合わされ得る。
【0062】
スイッチ制御装置406内の回路は、送受信器424と駆動信号生成器426とスイッチ異常ディテクター425とを含む。示される例において、送受信器424は、ラッチ489およびインバーター491を含む。ラッチ4892つのリセット入力R1およびR2を含む。インバーター291は、セット入力と第2のリセット入力R2との間に結合されている。送受信器424は、電力スイッチ402をオンに切り替える、またはオフに切り替えるコマンド信号CMD488を受信するように結合されている。コマンド信号CMD488は、ドライバインターフェースから受信され得、システム制御装置からのコマンドを表す。一例において、コマンドは、可変持続期間の論理ハイセクションと論理ローセクションとをもつ方形パルス波形であり得る。送受信器424は、オンコマンド信号CMD488に基づいて駆動状態信号427を生成する。示されるように、ラッチ489は、そのセット入力においてコマンド信号CMD488を受信し、その第2のリセット入力R2においてコマンド信号CMD488の反転されたバージョンを受信する。コマンド信号CMD488における前縁部は、電力スイッチ402がオンに切り替えられることを示し得る。後エッジは、電力スイッチ402がオフに切り替えられることを示し得る。動作中、ラッチ489は、コマンド信号CMD488の前エッジにおいて論理ハイ値を出力し(すなわち、駆動状態信号427が論理ハイであり)、コマンド信号CMD488の後エッジにおいて論理ロー値を出力する(すなわち、駆動状態信号427が論理ローである)。他の実施態様は、もちろん、他の形態のコマンド信号CMD488を使用し得、および/または、駆動状態信号427は、他の回路を使用して生成され得る。
【0063】
送受信器424は、スイッチ異常ディテクター425から異常信号433を受信するようにさらに結合されている。示されるように、異常信号433は、ラッチ489の第1のリセット入力R1において受信される。以下で詳細に説明されるように、スイッチ異常ディテクター425は、検出された過電流または短絡状態に応答して異常信号433をアサートする。異常信号433がアサートされたことに応答して、ラッチ489がリセットされ、駆動状態信号427が論理ローに遷移する。
【0064】
駆動信号生成器426は、オンスイッチ449とオフスイッチ450とを含む。オンスイッチ449とオフスイッチ450との両方がn型トランジスタとして示される。オンスイッチ449の一端部がソース電圧VISOに結合されているのに対し、他端部はゲートハイ端子GH419に結合されている。オンスイッチ449はドライバ451を介して駆動状態信号427により制御される。動作中、電力スイッチ402がオンに切り替えられることを駆動状態信号427が示す(すなわち、駆動状態信号427が論理ハイである)とき、ドライバ451がオンに切り替わるようにオンスイッチ449を制御し、ゲートハイ端子GH419と抵抗435とにゲートハイ信号UH429を提供する。オフスイッチ450は、さらにオフに制御される。駆動信号431はゲートハイ信号UH429と実質的に同じであり、電力スイッチ402がオンに切り替えられる。
【0065】
オフスイッチ450は、ゲートロー端子GL420と戻りCOMとの間に結合されている。オフスイッチ450は、インバーター485と電流源448とを介して駆動状態信号427により制御される。インバーター485は、駆動状態信号427を受信し、電流源448を制御する。示されるように、電流源448は、オフスイッチ450を制御するように結合されている。動作中、電力スイッチ402がオフに切り替えられることを駆動状態信号427が示す(すなわち、駆動状態信号427が論理ローである)とき、インバーター485は、オフスイッチ450をオンに切り替えるための十分な電流を提供するように、電流源448を制御する。オフスイッチ450がゲートロー端子420を戻りCOMに結合する。およびゲートロー信号UL430がオフスイッチ450と抵抗436とを通って流れる。オンスイッチ449がオフであり、電力スイッチ402がオフに切り替えられる。ゲートロー端子420への電流は、ゲートロー電流IGL460と呼ばれ得る。
【0066】
スイッチ異常ディテクター425の示される実施態様は、トランジスタM1 454、M2 455、M3 456およびM4 457、電圧V1を出力する電圧源469、比較器470、および、ブランキング回路471を含む。トランジスタM1 454、M2 455、M3 456、およびM4 457は、トランジスタM1 354、M2 355、M3 356、およびM4 357(
図3A、
図3C)と同一であり、駆動状態信号427の状態に応じてオンまたはオフにスイッチングされ得るカレントミラーを形成するように一緒に結合されている。比較器470は、反転入力と非反転入力とを含む。反転入力は、電圧源469により出力される電圧V1を受信するように結合されている。非反転は検出端子SNS418に結合されており、電圧VSNS418を受信する。比較器470の出力は、ブランキング回路471に結合されている。以下で詳細に説明されるように、ブランキング回路471は、電力スイッチ402がオンに切り替わった後、内部ブランキング期間にわたって比較器470の出力をブランキングするように結合されている。描かれた示されるスイッチ異常ディテクター425は、過電流および/または短絡状態を検出するものである。過電流または短絡状態の検出に応答して、スイッチ異常ディテクター425、送受信器424、および駆動信号生成器426が、電力スイッチ402をオフに切り替える。スイッチ異常ディテクター425は、検出端子SNS418において検出信号を受信する。過電流および/または短絡検出、スイッチ電流IC442は、電圧信号、すなわち、検出電圧VSNS418として読み取られる。抵抗RC1 437は、検出端子SNS418と電力スイッチ402のコレクタ/ドレインとの間に結合されている。抵抗RC2 438は、検出端子SNS418と、戻りCOMまたはエミッタ/ソース電圧VEEとに結合されている。抵抗RC1 437およびRC2 438は、検出端子VSNS418における電圧を提供する分圧器を形成する。RC1 437およびRC2 438に対して単一の抵抗器しか示されないが、複数の抵抗器が使用され得ることが理解されなければならない。
【0067】
動作中、スイッチ異常ディテクター425は、トランジスタM3 456とトランジスタM4 457とのゲートにおいて駆動状態信号427を受信する。動作中、駆動状態信号427の状態が、スイッチ異常ディテクター425が過電圧または過電流/短絡状態を検出するかを示す。
【0068】
電力スイッチ402がオンになることを駆動状態信号427が示すとき(すなわち、駆動状態信号427が論理ハイであるとき)、スイッチ異常ディテクター425は、検出端子SNS418における電圧VSNSを使用して過電流および/または短絡状態を検出するように結合される。駆動状態信号427が論理ハイであるとき。トランジスタM3 456がオフであり、トランジスタM4 457がオンである。トランジスタM1 454とトランジスタM2 455とは、カレントミラーとして動作しない。トランジスタM1 454とトランジスタM2 455とがカレントミラーとして動作しないので、検出端子SNS418において観測されるインピーダンスは、比較器470の入力インピーダンスであり、従って、検出端子SNS418の入力インピーダンスは高い。比較器470は、検出端子SNS418において電圧SNSを受信し、検出電圧VSNSを、電圧V1とVEEとの和と比較する。検出電圧VSNSが電圧V1とVEEとの和を上回った場合、比較器470が、異常の標示を出力する。比較器470の出力がブランキング回路471により受信される。ブランキング回路417は、電力スイッチ402がオンに切り替わった後、内部ブランキング期間にわたって比較器470の出力をブランキングする。内部ブランキング期間が経過した後、ブランキング回路471の出力は、異常の任意の標示を含み、示される実施態様において異常信号433として表される。従って、内部ブランキング期間が経過した後、検出電圧VSNSが電圧V1 469とVEE468との和より大きいとき、異常信号433がアサートされる。アサートされた異常信号433は、ラッチ489をリセットし、駆動状態信号427が、オンスイッチ449をオフに切り替えるように、および、オフスイッチ450をオンに切り替えるように、論理ロー値に遷移する。それに応答して、電力スイッチ402がオフに切り替えられる。
【0069】
抵抗RC1 437およびRC2 438の値は、電圧源469の内部電圧基準V1、および、電力スイッチ402の所望の非飽和レベルにより部分的に特定される。さらに、検出端子SNS418は、抵抗RC2 438と並列に高い入力インピーダンスをもつ。
図4Aの示される例において、抵抗RC2 438の値は、電圧源469の内部基準V1に対して非飽和レベルを調節するように選択され得る。抵抗RC2 438の値が大きいほど非飽和レベルが低く、異常を検出するようにスイッチ異常ディテクター425をトリガーするスイッチ電流IC442の値が小さい。
【0070】
図4Bにおいて、スイッチ異常ディテクター425、送受信器424、および駆動信号生成器426は、
図4Aに示されるものと実質的に同じである。しかし、
図4Bは、(破線により示される)検出端子483を含む電力スイッチ402を含む。検出端子483は、例えば、IGBT電力スイッチ402のタップ端子であり、電力スイッチ402を通って流れる電流ICEの小さい割合である電流を出力する。さらに、抵抗RS1 439およびRS2 440は、検出信号を提供する検出端子483に結合されている。加えて、抵抗RC2 438が除去されている。
【0071】
電力スイッチ402の検出端子482は、電流IESNS492を出力する。電流IESNS492は、スイッチ電流IC442の小さい割合である。抵抗RS1 439およびRS2 440は、検出端子SNS418に検出電圧VSNSを提供するように分圧器としてまとまって結合されている。検出電圧VSNSは、電流IESNS492を表す。示されるように、抵抗RS1 439は、検出端子483と電力スイッチ402のエミッタ/ソースとに結合されている。抵抗RS2 440は、電力スイッチ402の検出端子483と、スイッチ制御装置406の検出端子SNS418とに結合されている。抵抗RS1 139にかかる電圧は、総スイッチ電流IC142に比例する。抵抗RS2は、RS1にかかる電圧を検出端子SNS118に結合するために使用される。
【0072】
図4AにおけるRC1、RS1、およびRS2と同様に、抵抗RS2は、内部基準電圧V1に対する非飽和レベルを調節する。抵抗RS2は、RS1にかかる低電圧を検出端子SNS418に結合する。RS1の値は、概ね50オーム未満、例えば、通常約10~20オームである。抵抗RS2は、約100キロオームである。抵抗RS2 440は、電流源の内部基準電圧V1に対する電力スイッチ402に対する非飽和レベルを調節する。抵抗RS2 440の値が大きいほど、スイッチ異常ディテクター425による異常の検出をトリガーする非飽和レベルが低い。抵抗RS1 439は、電流IESNS492を電力スイッチ402のSOAの電圧範囲より高い電圧に変換する。一例において、電力スイッチ402の電圧範囲は、SOA遵守のために0.2Vから0.6Vであり得る。
【0073】
図4Cは、電力スイッチ402がオンに切り替わっている、および、オンでなければならないときに発生し得る様々な波形を示すタイミング
図401である。特に、駆動状態信号427、検出電圧VSNS418、および異常信号433の波形が示される。時点t
0 462において、駆動状態信号427は、(電力スイッチ402がオフになることを示す)論理ローから(電力スイッチ402がオンになることを示す)論理ハイに遷移する。-スイッチ電流IC442を表す-検出電圧VSNS418がさらに上昇する。時点t
0 462から時点t
1 463の間に、検出電圧VSNS418が電圧V1とエミッタ電圧VEEとの和未満に留まる。異常信号433は論理ローに留まる(アサートされていない)。
【0074】
時点t1 463において、検出電圧VSNS418は、電圧V1とエミッタ電圧VEEとの和により設定された閾値に達する。しかし、異常信号433は、ブランキング回路471により設定された内部ブランキング期間TBに起因して論理ローに留まる(アサートされていない)。時点t2 464において、検出電圧VSNS418は、電圧V1とエミッタ電圧VEEとの和により設定された閾値より大きいまま留まり、ブランキング期間TB471が経過した状態となる。異常信号433がアサートされ、論理ハイ値に遷移する。それに応答して、駆動状態信号427が論理ロー値に遷移し、電力スイッチ402がオフに切り替えられる。スイッチ電流IC442が減少し、検出電圧VSNS418が低下する。一例において、電圧V1およびエミッタ電圧VEEにより設定された閾値は、200mVから500mVの間であり得る。閾値は、両方の検出-IGBTおよびMOSFETが監視されることを可能にするように選択され得る。
【0075】
図4Cに示される破線のボックスは、
図4Aおよび
図4Bに対する検出電圧VSNS418を示す。
【0076】
抵抗RC2 438がエミッタVEE464に結合された
図4Aの場合、検出電圧VSNS418は実質的に次式のようになる。
【0077】
【0078】
抵抗RC2 438が戻りCOM421に結合された
図4Aの場合、検出電圧VSNS418は実質的に次式のようになる。
【0079】
【0080】
図4Bの場合、検出電圧VSNS418は実質的に次式のようになる。
【0081】
【0082】
図4Dにおいて、スイッチ異常ディテクター425、送受信器424、および、駆動信号生成器426は
図4A、
図4Bに示されるものと実質的に同じである。しかし、
図4Dは検出端子SNS418に結合された追加的な回路を含む。示されるように、抵抗490と静電容量445とが、一緒に並列に結合されている。並列結合された抵抗490と静電容量445とは、ツェナーダイオード447に直列に結合されている。これらのコンポーネントは、検出端子SNS418と、ツェナーダイオード447のカソードとの間に結合されている。ツェナーダイオード447のアノードは、戻りCOMに結合されている。
【0083】
動作中、ツェナーダイオード447は、SNS端子418における電圧VSNSがツェナーダイオード447のツェナー電圧未満に低下したことに応答して、SNS端子418から静電容量445を接続解除する。静電容量445は、検出端子SNS418における電圧VSNSの上昇を遅くする。抵抗490は静電容量445を放電する。電力スイッチ402のオン状態とオフ状態との間における遷移中、検出端子SNS418を放電することに起因して何らかの遅延が存在する。さらに、ツェナーダイオード447は、電力スイッチ402がオフになることを駆動状態信号427が示すとき(すなわち、駆動状態信号427が論理ローであるとき)静電容量445および抵抗490を接続解除する。
【0084】
オン切り替え中、スイッチ異常ディテクター425が検出電圧VSNS418を使用して過電流および短絡状態を検出する。ブランキング回路471は、スイッチ異常ディテクター425が、内部ブランキング期間TB内に誤った異常に応答することを防ぐ。静電容量450は、検出電圧VSNS418の上昇速度を遅くする。従って、スイッチ異常ディテクター425の実効的なブランキング期間は、外部回路を使用して延ばされ得る。例えばスイッチ異常ディテクター425の内部ブランキング期間TBは、SiC電力スイッチ402に対するSOA規格に準拠するように500nsに設定され得る。しかし、500nsのこのブランキング期間は、IGBT電力スイッチ402に対して短すぎであり得る。例えば、IGBT電力スイッチ402は、スイッチ電圧VCE441が低下し始める前に1~1.5usを必要とし得る。500nsの実効的なブランキング期間は、誤った異常をトリガーするには短すぎであり得る。静電容量445は、電圧VSNS418の上昇速度を遅くし、スイッチ異常ディテクター425の実効的なブランキング期間を延ばす。
【0085】
図5は、集積回路パッケージ内の送信器508と受信器510との間における例示的な誘導結合を示す。ドライバインターフェースは、送信器の一例であり得、駆動回路は、受信器の一例であり得る。
図5に示される誘導結合は、上述(
図1)の通信リンク114の一例であり得る。
【0086】
図5において、誘導結合は、集積回路パッケージのリードフレーム500において規定された送信ループ511と受信器ループ513とを含む。リードフレーム500は、集積回路パッケージの封止された部分563内に実質的に位置する。示される実施態様において、リードフレーム500は、送信ループ511を含む第1の導体と受信器ループ513を含む第2の導体とを含む。リードフレームの第2の導体は、第1の導体からガルバニック絶縁される。送信器導電ループ511は、送信器導電ループ511と受信器導電ループ513との間に磁気結合された通信リンクを提供するように、受信器導電ループ513の近くに位置する。加えて、リード線551およびリード線552が、それぞれのダイ装着パッド553およびダイ装着パッド554に結合されている。封止部材563内の要素は、集積回路パッケージの封止された部分内に位置する。送信器508、受信器510、パッド555、556、558、および557、および、ボンドワイヤ559、560、561、および562が
図5にさらに示される。
【0087】
一例において、送信器508および受信器510は、集積回路パッケージの封止された部分内に含まれる集積回路ダイにおける回路として実装されている。リードフレーム560の第1の導体の一部であるダイ装着パッド553は、
図5において斜線ハッチングにより示されており、送信器508が上に搭載されたリードフレーム500の部分を表す。同様に、リードフレーム500の第2の導体の一部であるダイ装着パッド554、
図5において斜線ハッチングにより陰影が付けられており、受信器510が搭載されたリードフレーム500の部分を表す。一例において、送信器508および受信器510は、接着剤を使用して、リードフレーム500のそれぞれの離れた第1の導体および第2の導体に装着されている。接着剤は、非導電性であり得る。別の一例において、接着剤は、導電性であり得る。
【0088】
リード線551とリード線552とは、集積回路パッケージ外(言い換えると、輪郭563外)の回路に結合し得るリードフレーム500における部分を表す。図示されていないが、様々なボンドワイヤが、送信器508または受信器510をリード線551またはリード線552のうちの任意のものに結合し得る。
【0089】
図5において低密度に密集した点により陰影が付けられたリードフレーム500の部分が、送信器導電ループ511に対応する。リードフレーム500のうちの部分とボンドワイヤ559とボンドワイヤ560とが送信器導電ループ511を完成させる。ボンドワイヤ559とボンドワイヤ560とは、ワイヤボンディング技術を使用して、送信器導電ループ511に対応したリードフレーム500のうちの部分に装着されている。さらに、ボンドワイヤ559は、パッド555を通して送信器508に結合されているのに対し、ボンドワイヤ560は、パッド556を通して送信器508に結合されている。
【0090】
図5において高密度に密集した点により陰影が付けられたリードフレーム500における部分は、受信器導電ループ513に対応する。ボンドワイヤ561およびボンドワイヤ562は、ワイヤボンディング技術を使用して、受信器導電ループ513に対応したリードフレーム500のうちの部分に装着されている。ボンドワイヤ561およびボンドワイヤ562は、それぞれ、受信器導電ループ513に対応したリードフレーム500のうちの部分をパッド558およびパッド557を介して受信器510に結合している。送信器との間の通信リンクを提供するために、リードフレームのガルバニック絶縁された磁気結合された導電ループを使用することにより、非常に少ないコストの増加となる。加えて、リードフレームを使用することは、さらに、スイッチ制御装置の全体的な寸法を小さくしパッケージのコストを下げ得る。
【0091】
上述のように、ドライバインターフェースは、送信器508の一例であり得、駆動回路は、受信器510の一例であり得る。ドライバインターフェースは、内側ループ511(送信ループ511)により送信される、および、外側ループ513(受信器ループ513)により受信される、電力スイッチをオンまたはオフに切り替えるコマンド信号などの通信を駆動回路に送信し得る。駆動回路は、外側ルプ513(受信器ループ513)により送信される、および、内側ループ511(送信ループ511)により受信される、異常信号などの通信をドライバインターフェースに送信し得る。従って、
図5に示される誘導結合は、双方向通信器の例でもあり得る。
【0092】
図6は、本発明の例によるスイッチ制御装置を含む例示的な電力コンバーター600を示す。電力コンバーター600は、負荷610に電気エネルギーを提供する。電力コンバーター600は、直列結合された2つの電力スイッチ6および606を含む。加えて、電力コンバーター600は入力電圧602(U
IN)を受信する。電力コンバーター600は、電力スイッチ604および606のスイッチングを制御することにより入力から負荷610まで電気エネルギーを伝達するように設計されている。異なる実施態様において、電力コンバーター600は、負荷に出力されるエネルギーの電圧、電流、または電力レベルを制御し得る。
【0093】
図6に示される例において、電力スイッチ604と電力スイッチ606とはnチャンネルIGBTである。しかし、本発明の例は、他の電力スイッチと組み合わせても使用され得る。例えば、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラトランジスタ、注入促進ゲートトランジスタ(IEGT)およびゲートターンオフサイリスタ(GTO)が使用され得る。加えて、電力コンバーター600は、窒化ガリウム(GaN)半導体または炭化ケイ素(SiC)半導体をベースとした電力スイッチとともに使用され得る。
【0094】
電力スイッチ604および電力スイッチ606は、各々が、第1のスイッチ制御装置618および第2のスイッチ制御装置620により制御される。第1のスイッチ制御装置618および第2のスイッチ制御装置620は、ここまでに説明されているスイッチ制御装置を含み得る。第1のスイッチ制御装置618および第2のスイッチ制御装置620は、第1のIGBT604および第2のIGBTと606のスイッチングを制御する第1のゲートドライバ信号630および第2のゲートドライバ信号632(U
DR1、U
DR2)を提供する。2つの制御回路618および620は、任意選択的にシステム制御装置614により制御され得る。このようなシステム制御装置は、システム入力信号616を受信するための入力を含み得る。
図6に示される例においてハーフブリッジ構成をとる2つの電力半導体スイッチが示される。しかし、他のトポロジーも使用され得る。
【0095】
本発明に関して示される例についての上述の説明は、要約で説明される事項を含め、網羅的であることも、開示される形態そのものへの限定であることも意図されない。本発明の特定の実施形態および例が、本明細書において例示を目的として説明されるが、本発明のより広い趣旨および範囲から逸脱することなく様々な同等な変更が可能である。実際、具体的で例示的な電圧、電流、周波数、出力範囲値、時間などが説明のために提示されること、および、本発明の教示による他の実施形態および例において他の値も使用し得ることが理解される。
【0096】
前述の詳細な説明を考慮して、本発明の例に対してこれらの変更が適用され得る。後述の請求項で使用される用語は、本発明を明細書および請求項に開示される特定の実施形態に限定するように解釈されてはならない。むしろ、範囲は、後述の請求項によりすべて定義されなければならず、確立された請求項の解釈の原則に従って解釈されなければならない。従って、本明細書および図は、限定するものではなく例示的なものとみなされる。
【0097】
本発明は特許請求の範囲において規定されるが、本発明が以下の実施形態に従って代替的に規定され得ることが理解されなければならない。
【0098】
実施形態1.電力半導体スイッチを駆動するためのドライバ回路であって、電力半導体スイッチが制御入力および主端子を含み、ドライバ回路が、電力半導体スイッチの制御入力に結合されるように、および、制御入力に対して駆動信号を提供するように構成された制御端子ドライバ回路と、電力半導体スイッチの主端子に結合されるように構成された検出端子と、検出端子から受信された信号とオフ切り替え閾値とをオフ切り替え中に比較するように、および、比較の結果を表す第1の信号を出力するように結合された第1の電流比較器であって、オフ切り替え閾値が、オフ切り替え中の主端子の最高電圧を表す、第1の電流比較器と、検出端子から受信された信号とオン切り替え閾値とをオン切り替え中に比較するように、および、比較の結果を表す第2の信号を出力するように結合された第2の比較器であって、オン切り替え閾値が、オン切り替え中の主端子の最高電圧を表す、第2の比較器と、を備える、電力半導体スイッチを駆動するためのドライバ回路。
【0099】
実施形態2.オフ切り替え中、および、オフ状態において、第1の電流比較器を検出端子に結合するように、および、オン切り替え中、および、オン状態において、第1の電流比較器を検出端子から結合解除するようにスイッチング可能なスイッチング回路をさらに備える、実施形態1のドライバ回路。
【0100】
実施形態3.スイッチング回路が、電力半導体スイッチがオフ状態になるか、オン状態になるかを示す駆動状態信号を受信するように結合された、実施形態2のドライバ回路。
【0101】
実施形態4.オフ切り替え閾値が、オフ状態における主端子の最高電圧をさらに表す、オン切り替え閾値が、オン状態における主端子の最高電圧をさらに表す、先行するいずれか1つの実施形態のドライバ回路。
【0102】
実施形態5.制御端子ドライバ回路が、オフ切り替え中の主端子の電圧がオフ切り替え閾値を上回ったことを示す第1の信号に応答して、オフ切り替え速度を下げるように応答する、先行するいずれか1つの実施形態のドライバ回路。
【0103】
実施形態6.ドライバ回路が、検出端子と第1の比較器との間に結合されたカレントミラーをさらに備える先行するいずれか1つの実施形態のドライバ回路。
【0104】
実施形態7.検出端子から受信された信号がオン切り替え中にオン切り替え閾値を上回ったことを第2の信号が示している間の持続期間を計時するタイマー回路をさらに備える、先行するいずれか1つの実施形態のドライバ回路。
【0105】
実施形態8.第1の比較器と第2の比較器とスイッチング回路とが単一の半導体パッケージ内にあり、検出端子が、パッケージの端子である、先行するいずれか1つの実施形態のドライバ回路。
【0106】
実施形態9.オフ切り替え閾値が、可変閾値である、先行するいずれか1つの実施形態のドライバ回路。
【0107】
実施形態10.検出端子の入力インピーダンスが、オン切り替え中よりオフ切り替え中に比較的小さく、例えば、その場合において、検出端子の入力インピーダンスがオフ切り替え中に200キロオーム未満であり、オン切り替え中に10メガオームより大きい、例えば、その場合において、検出端子の入力インピーダンスがオフ切り替え中に10キロオーム未満であり、オン切り替え中に100メガオームより大きい、先行するいずれか1つの実施形態のドライバ回路。
【0108】
実施形態11.電力半導体スイッチを駆動するためのドライバ回路であって、電力半導体スイッチが、制御入力と主端子とを含み、ドライバ回路が、電力半導体スイッチの制御入力に結合されるように、および、制御入力に対して駆動信号を提供するように構成された制御端子ドライバ回路と、電力半導体スイッチの主端子に結合されるように構成された検出端子と、オフ切り替え中に検出端子に入力された電流をミラーリングするように検出端子に結合されたカレントミラーと、カレントミラーから受信された電流信号と第1の電流閾値とを比較するように、および、比較の結果を表す第1の信号を出力するように結合された第1の電流比較器であって、第1の電流閾値が、オフ切り替え中の主端子の最高電圧を表す、第1の電流比較器と、検出端子から受信された信号とオン切り替え閾値とを比較するように、および、比較の結果を表す第2の信号を出力するように結合された第2の比較器であって、オン切り替え閾値が、オン切り替え中の主端子の最高電圧を表す、第2の比較器と、を備える、ドライバ回路。
【0109】
実施形態12.オフ切り替え中、および、オフ状態において、カレントミラーを検出端子に結合するように、および、オン切り替え中、および、オン状態において、カレントミラーを検出端子から結合解除するようにスイッチング可能なスイッチング回路をさらに備える、実施形態11のドライバ回路。
【0110】
実施形態13.スイッチング回路が、電力半導体スイッチがオフ状態になるか、オン状態になるかを示す駆動状態信号を受信するように結合された実施形態12のドライバ回路。
【0111】
実施形態14.第1の電流閾値が、オフ状態における主端子の最高電圧をさらに表し、オン切り替え閾値が、オン状態における主端子の最高電圧をさらに表す、実施形態11から実施形態13のいずれか1つのドライバ回路。
【0112】
実施形態15.制御端子ドライバ回路が、オフ切り替え中の主端子の電圧が第1の電流閾値を上回ったことを示す第1の信号に応答して、オフ切り替え速度を下げるように応答する実施形態11から実施形態14のいずれか1つのドライバ回路。
【0113】
実施形態16.検出端子から受信された信号がオン切り替え中にオン切り替え閾値を上回ったことを第2の信号が示している間の持続期間を計時するタイマー回路をさらに備える、実施形態11から実施形態15のいずれか1つのドライバ回路。
【0114】
実施形態17.第1の比較器と第2の比較器とスイッチング回路とが単一の半導体パッケージ内にあり、検出端子が、パッケージの端子である。実施形態11から実施形態16のいずれか1つのドライバ回路。
【0115】
実施形態18.第1の電流閾値が、可変閾値である、実施形態11から実施形態17のいずれか1つのドライバ回路。
【0116】
実施形態19.検出端子の入力インピーダンスが、オン切り替え中よりオフ切り替え中に比較的小さく、例えば、この場合において、検出端子の入力インピーダンスが、オフ切り替え中に200キロオーム未満であり、オン切り替え中に10メガオームより大きく、例えば、この場合において、検出端子の入力インピーダンスが、オフ切り替え中に10キロオーム未満であり、オン切り替え中に100メガオームより大きい、実施形態11から実施形態18のいずれか1つのドライバ回路。