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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】DRAMチップ
(51)【国際特許分類】
   G11C 11/4091 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
G11C11/4091 140
G11C11/4091 124
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021090466
(22)【出願日】2021-05-28
(65)【公開番号】P2022033693
(43)【公開日】2022-03-02
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】109127930
(32)【優先日】2020-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508059915
【氏名又は名称】エトロン テクノロジー,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Etron Technology,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(73)【特許権者】
【識別番号】521531148
【氏名又は名称】インベンション アンド コラボレーション ラボラトリー プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】ル チャオ-チュン
(72)【発明者】
【氏名】ロン ボル-ドゥ
(72)【発明者】
【氏名】シアー チュン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0185022(US,A1)
【文献】特開2011-076696(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0364166(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0284391(US,A1)
【文献】特開2008-016145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 11/4091
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
DRAMチップであって、
アクセストランジスタおよびストレージコンデンサを備えるDRAMセルであり、前記アクセストランジスタにビット線が連結されている、DRAMセルと、
前記ビット線に連結されたセンス増幅器と、
第1スイッチを介して前記センス増幅器に電気的に連結される第1の持続電圧発生器であり、当該第1の持続電圧発生器は、前記DRAMセルの前記アクセストランジスタがターンオフされる期間の間、前記第1スイッチ、前記センス増幅器、および前記ビット線を介して前記DRAMセルの前記ストレージコンデンサに電気的に連結され、当該第1の持続電圧発生器は、当該DRAMチップで利用する信号ONEの電圧レベルよりも高い第1の電圧レベルを生成し、前記信号ONEの前記電圧レベルは、通常の電圧源によって生成されるものである、第1の持続電圧発生器と、
を備え、
当該DRAMチップのアクティブコマンドフェーズからリストアフェーズまでの期間内において所定のフェーズ中、前記第1の持続電圧発生器が前記ビット線に適用され、前記所定のフェーズ以外の期間中、前記通常の電圧源が前記ビット線に適用され、前記所定のフェーズは、前記アクティブコマンドフェーズおよび前記リストアフェーズを含み、当該DRAMチップの前記アクティブコマンドフェーズ中および前記リストアフェーズ中、前記ビット線の電圧レベルが前記信号ONEの前記電圧レベル以上である
DRAMチップ。
【請求項2】
前記アクセストランジスタのゲート端子に連結されたワード線をさらに備え、前記ワード線は、第1の期間および該第1の期間の後である第2の期間に前記アクセストランジスタをONにするように選択され、前記第2の期間中に前記第1の持続電圧発生器が前記DRAMセルの前記ストレージコンデンサに電気的に連結される、請求項1に記載のDRAMチップ。
【請求項3】
前記第1の期間は、前記アクティブコマンドフェーズを含むアクセス動作期間を有し、前記第2の期間は前記リストアフェーズを有する、請求項2に記載のDRAMチップ。
【請求項4】
前記センス増幅器は、前記ビット線を介して前記DRAMセルに電気的に連結され、前記第1の持続電圧発生器は、前記アクティブコマンドフェーズ中および前記リストアフェーズ中に前記センス増幅器および前記ビット線に電気的に連結される、請求項2または3に記載のDRAMチップ。
【請求項5】
前記センス増幅器は、前記ビット線を介して前記DRAMセルに電気的に連結され、前記第1の持続電圧発生器は、前記第2の期間中に前記センス増幅器に電気的に連結され、前記第1の持続電圧発生器は、前記センス増幅器および前記ビット線を介して前記DRAMセルの前記ストレージコンデンサに電気的に連結される、請求項2または3に記載のDRAMチップ。
【請求項6】
前記アクセス動作期間は、読み出しコマンドフェーズをさらに有し、前記アクセス動作期間の前記読み出しコマンドフェーズの間、前記第1の持続電圧発生器が当該DRAMチップの前記ビット線に電気的に連結される、請求項に記載のDRAMチップ。
【請求項7】
DRAMチップであって、
アクセストランジスタおよびストレージコンデンサを備えるDRAMセルであり、前記アクセストランジスタにビット線が連結されている、DRAMセルと、
前記アクセストランジスタのゲート端子に連結されたワード線と、
ビット線を介して前記DRAMセルに電気的に連結されたセンス増幅器と、
第1スイッチを介して前記センス増幅器に電気的に連結される第1の持続電圧発生器であり、前記DRAMセルの前記アクセストランジスタのターンオフ期間の間、前記第1スイッチ、前記センス増幅器、および前記ビット線を介して前記DRAMセルの前記ストレージコンデンサに電気的に連結される第1の持続電圧発生器と、
を備え、
第1の電圧レベルは、当該DRAMチップで利用される信号ONEに対応する電圧レベルよりも高く、前記第1の電圧レベルは、前記第1の持続電圧発生器によって生成されるものであり、あるいは、第2の電圧レベルは、当該DRAMチップで利用される信号ZEROに対応する電圧レベルよりも低く、前記第2の電圧レベルは、第2の持続電圧発生器によって生成されるものであり、前記信号ONEの前記電圧レベルは、第1の通常の電圧源によって生成されるものであり、
当該DRAMチップのアクティブコマンドフェーズからリストアフェーズまでの期間内において所定のフェーズ中、前記第1の持続電圧発生器が前記ビット線に適用され、前記所定のフェーズ以外の期間中、前記第1の通常の電圧源が前記ビット線に適用され、前記所定のフェーズは、前記アクティブコマンドフェーズおよび前記リストアフェーズを含み、当該DRAMチップの前記アクティブコマンドフェーズ中および前記リストアフェーズ中、前記ビット線の電圧レベルが前記信号ONEの前記電圧レベル以上である、
DRAMチップ。
【請求項8】
第1の期間がアクセス動作期間を有し、第2の期間が前記リストアフェーズを有する、請求項7に記載のDRAMチップ。
【請求項9】
当該DRAMチップの前記アクティブコマンドフェーズから前記リストアフェーズまでの前記期間内において、前記所定のフェーズ以外の前記期間中、当該DRAMチップで利用される前記信号ZEROに対応する前記電圧レベルを生成する第2の通常の電圧源が、前記ビット線に適用され、前記所定のフェーズ中、前記第2の持続電圧発生器が前記ビット線に適用され、当該DRAMチップの前記アクティブコマンドフェーズ中および前記リストアフェーズ中、前記ビット線の電圧レベルが前記信号ZEROの前記電圧レベル以下である、請求項8に記載のDRAMチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はDRAMチップに関する。
【背景技術】
【0002】
最も広く使用されているDRAMセルは、そのソースがストレージコンデンサに接続され、そのドレインがビット線に接続された1つのアクセストランジスタを有する。ビット線は、セルアレイからカラムスイッチを介して読み出される信号を、(データラインとしても知られる)I/Oラインに接続される2段目のセンス増幅器に伝達する初段のクロスカップリング方式のセンス増幅器に接続されている。書き込み(WRITE)動作中は、I/Oバッファで駆動された信号が、データライン上で安定化され、これにより、初段のセンス増幅器上でデータがさらに安定化され、アクセストランジスタを介してストレージコンデンサに正しい信号が書き込まれる。アクセストランジスタは、アクティブモード(アクセストランジスタがONの状態)では、正しいデータのストレージコンデンサに対する読み出し動作や書き込み動作を行い、インアクティブモード(アクセストランジスタがOFFの状態)中は、蓄積された信号の損失を回避する役割を担っている
【0003】
アクセストランジスタは、トランジスタを流れるリーク電流を最小限に抑えるために高いしきい電圧を持つように設計されている。しかし、アクセストランジスタがONにされるときの性能が落ちてしまうという欠点があった。そのため、ワード線をブートストラップしたり、(通常はワード線の電圧源からの)高いVPPに接続したりして、アクセストランジスタがストレージコンデンサに信号を書き込むための高い駆動性を得られるようにする必要がある。このような高いVPPは、ワード線ドライバを通り、ワード線またはアクセストランジスタのゲート上にロードされる。VPPはアクセストランジスタにかかる高電圧の負荷であるため、トランジスタの誘電体材料(例えば、酸化膜やHigh-K材料など)は、DRAMの他のサポート回路や周辺回路(コマンドデコーダ、アドレスデコーダ、その他のI/O回路など)において使用されるトランジスタに使用される誘電材料よりも厚く設計しなければならない。そのため、アクセストランジスタの設計は、高性能と高い信頼性のどちらかを維持するという課題に直面するとともに、信頼性と性能の間で難しいトレードオフが存在する。広く使用されているアクセストランジスタの設計は、高い信頼性を達成することに重点を置いているが、アクセストランジスタの性能を犠牲にしなければならない。
【0004】
簡単にまとめると、従来のアクセストランジスタの設計では、リーク電流を減らしてストレージコンデンサに電荷を保持する保持時間を長くするために高いしきい電圧を持つとともに、VPPのような高いワード線電圧に耐えるために厚いゲート誘電材料を持ち、アクセストランジスタの性能を犠牲にしていた。その結果、通常VCCレベルを参照する信号ONEの書き込みまたは読み出しに時間がかかったり、信号ONEを完全にリストアできなかったりする。つまり、全信号VCCを満足いくまで完全にストレージコンデンサに書き込むためには、書き込む時間が長くなる。
【0005】
一般的に使用されているDRAMセルの設計を図1Aに示す。DRAMセルは、アクセストランジスタ11とコンデンサ12を含む。アクセストランジスタ11のゲートはワード線(WL)に連結され、クロスカップリング方式のセンス増幅器20はビット線(BL)を介してアクセストランジスタ11に連結されている。DRAMセルは、アクセストランジスタ11をスイッチとして使用して、WRITEモードではビット線(BL)からコンデンサに蓄積されるあるいはREADモードではビット線に転送される電荷を制御し、複数のDRAMセルは、それぞれ、ビット線に接続されている。この例では、READモードでは、クロスカップリング方式のセンス増幅器がビット線上のセル信号から転送された信号を増幅してラッチする信号ONE(1.2Vとされ、信号ONEは通常、クロスカップリング方式のセンス増幅器20から提供されるVCCSAのレベル電圧である)とZERO(0Vとされ、信号ZEROは通常、クロスカップリング方式のセンス増幅器20から提供されるVSSのレベル電圧である)があり、WRITEモードでは、これらの信号ONEとZEROが外部から書き込まれてセンス増幅器をひねり、セルに正しい信号を蓄積する。
【0006】
図1Bは、現在のほとんどのDRAMのアクセス(READまたはWRITE)動作中の関連信号波形を示す。例えば、25ナノメートルのDRAMセルには、共通して以下のようなアレイ設計に関連した(囲まれた)パラメータがある。ビット線のONE信号電圧は1.2Vであり、ワード線ONの電圧は2.7Vに達するVPP、ワード線OFFの電圧は約-0.3Vであり、セルのしきい電圧は約0.7~0.9Vの範囲にあり、アクセストランジスタの誘電体は、2.7V以下の電界強度を維持しなければならず(バーンイン負荷下では、信頼性マージンを確保するために、この数値は3.4Vまで上昇する)、そのため、ワード線ドライバデバイスも厚いゲート絶縁膜を使用しなければならず、性能を犠牲にしなければならない。
【0007】
図1Bに示すように、当初、DRAMのストレージコンデンサはスタンバイまたはインアクティブモード(つまり、アクセストランジスタはOFF)であり、アクセストランジスタのゲートに連結されたワード線の電圧レベルはスタンバイ時の負電圧(-0.3V)となっている。ビット線とビット線バーは、VCCSA=1.2VのONEレベルと0VのZEROレベルの間の半VCCSAの電圧レベルで均等化されている。ストレージコンデンサがアクティブモード(つまり、アクセストランジスタがON)になると、ワード線の電圧レベルはスタンバイ時の負電圧(-0.3V)から上昇し、VCCSA(1.2V)に加えてアクセストランジスタのしきい電圧VT(0.7Vまたは0.8V)よりもはるかに高いハイレベルVPP(2.7Vなど)に引き上げられ、アクセストランジスタのゲート~ソース間電圧(例えば、2.7V-1.2V-0.8V=0.7V)を十分に大きく駆動することができる。ビット線はストレージコンデンサに連結されている。ワード線は、アクセス動作(READやWRITEなど)のために、このような高い電圧VPPで継続的にONになる。アクセス動作の後にはリストアフェーズが続く。リストアフェーズ中は、クロスカップリング方式のセンス増幅器は、ストレージコンデンサ内の信号ONEまたはZEROに基づいて、ストレージコンデンサを再充電する。リストアフェーズの後、ワード線はVPPからスタンバイモード時のワード線の電圧(-0.3V)に引き下げられ、アクセストランジスタはインアクティブモードになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この高いVPP電圧の負荷により、アクセストランジスタは周辺回路のトランジスタに使用するものよりも厚いゲート酸化膜やゲート絶縁膜で設計されることになり、これにより、ショートチャンネル効果の悪化、トランジスタ電流のON-OFF比、スイングスロープなどのようなアクセストランジスタの性能が低下する。また、周辺回路のトランジスタに使用されているものよりも高いしきい電圧に設計されているが、スタンバイモードやインアクティブモード中のアクセストランジスタのリーク電流は依然として大きく、センシングのための蓄積電荷量を低下させてしまう。12nmや7nmのFinFETプロセスでVCCSAを低くすると(例えば0.6V)、スタンバイモードやインアクティブモードでのリーク問題が悪化するかもしれない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明は、持続可能なストレージアーキテクチャを有するDRAMを提供する。本発明の一態様によれば、DRAMは、DRAMチップで利用される信号ONEの電圧レベルよりも高い第1の電圧レベルを生成する第1の持続電圧発生器と、アクセストランジスタとストレージコンデンサを含むDRAMセルとを備える。第1の持続電圧発生器は、DRAMセルのアクセストランジスタのOFF期間中、DRAMセルのストレージコンデンサに電気的に連結されている。
【0010】
本発明の別の目的によれば、DRAMは、DRAMチップで利用される信号ONEに対応する電圧レベルを生成する第1の供給電圧源と、アクセストランジスタとストレージコンデンサを含むDRAMセルとを備える。第1の電圧レベルは、信号ONEに対応する電圧レベルよりも高く、第1の電圧レベルは、第1の持続電圧発生器によって生成されるものである。第1の持続電圧発生器は、DRAMセルのアクセストランジスタをOFFにしている期間中に、DRAMセルのストレージコンデンサに電気的に連結される。
【0011】
本発明の一態様によれば、DRAMは、アクセストランジスタのゲート端子に連結されたワード線をさらに備え、ワード線は、第1の期間および第1の期間の後にある第2の期間にアクセストランジスタをONにするように選択され、第1の持続電圧発生器は、第2の期間中にDRAMセルのストレージコンデンサに電気的に連結されている。
【0012】
本発明の一態様によれば、第1の期間はアクセス動作期間であり、第2の期間はリストアフェーズ期間である。さらに、別の態様では、アクセス動作期間中、キックチャージ源がDRAMチップのビット線に電気的に連結される。ビット線の信号は、アクセス動作期間中にキックチャージ源によってキック電圧レベルに引き上げられ、キック電圧レベルは、第1の電圧レベルよりも低く、信号ONEに対応する電圧レベルよりも高い。
【0013】
本発明の一態様によれば、第1の期間はキック期間を含み、第1の持続電圧発生器は、キック期間中にDRAMセルのストレージコンデンサに電気的に連結される。
【0014】
本発明の一態様によれば、DRAMは、ビット線を介してDRAMセルに電気的に連結されたセンス増幅器をさらに備え、第1の持続電圧発生器は、第2の期間中にセンス増幅器に電気的に連結され、第1の持続電圧発生器は、センス増幅器およびビット線を介してDRAMセルのストレージコンデンサに電気的に連結されている。
【0015】
本発明のもう一つの目的は、持続可能なストレージアーキテクチャを有するDRAMチップを提供することである。このDRAMは、アクセストランジスタとストレージコンデンサを備えるDRAMセルと、アクセストランジスタのゲート端子に連結されたワード線と、ビット線を介してDRAMセルに電気的に連結されたセンス増幅器とを備える。第1の電圧レベルは、DRAMチップで利用される信号ONEに対応する電圧レベルよりも高く、第1の電圧レベルは、第1の持続電圧発生器によって生成されるものである。ワード線は、第1の期間および第1の期間の後にある第2の期間にアクセストランジスタをONにするように選択され、第1の持続電圧発生器または第2の持続電圧発生器は、第2の期間中にDRAMセルのストレージコンデンサに連結されている。
【0016】
本発明の一態様によれば、第1の期間はアクセス動作期間であり、第2の期間はリストアフェーズ期間である。さらに、アクセス動作期間はキック期間を含み、キック期間中にはキックチャージ源がビット線に連結されている。
【0017】
本発明の別の態様によれば、DRAMチップで利用される信号ONEに対応する電圧レベルを生成する第1の供給電圧源が、アクセス動作期間中にビット線に連結され、第1の持続電圧発生器が、リストアフェーズ期間中にビット線に連結される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、DRAMチップで利用される信号ZEROに対応する電圧レベルを生成する第2の供給電圧源が、アクセス動作期間中にビット線に連結され、第2の持続電圧発生器が、リストアフェーズ期間中にビット線に連結される。
【0019】
本発明のもう一つの目的は、持続可能なストレージアーキテクチャを有するDRAMを提供することであり得る。本発明の一態様によれば、DRAMは、アクセストランジスタとストレージコンデンサを含むDRAMセルと、アクセストランジスタのゲート端子に連結され、プリチャージ動作、リフレッシュ動作、またはオートプリチャージ動作中にアクセストランジスタをONにするように構成されたワード線とを備えている。第1の電圧レベルは、DRAMチップで利用される信号ONEに対応する電圧レベルよりも高く、第1の電圧レベルは、第1の持続電圧発生器によって生成されるものである。第1の持続電圧発生器は、プリチャージ動作、リフレッシュ動作、またはオートプリチャージ動作中に、DRAMセルのストレージコンデンサに電気的に連結されている。
【0020】
本発明の一態様によれば、リフレッシュ動作中、ワード線は、第1の期間と、第1の期間の後にある第2の期間、アクセストランジスタをONにするように選択される。第1の電圧レベルがDRAMセルのストレージコンデンサに実質的に蓄積されるように、第1の持続電圧発生器が第2の期間、DRAMチップのビット線に電気的に連結される。
【0021】
本発明の一態様によれば、リフレッシュ動作中、ワード線は、少なくともキック期間、第1の期間、および第1の期間の後にある第2の期間に、アクセストランジスタをONにするように選択される。第1の期間より前のキック期間では、キックチャージ源がDRAMチップのビット線に電気的に連結され、第1の期間では、DRAMチップで利用される信号ONEに対応する電圧レベルを生成する第1の供給電圧源がDRAMチップのビット線に電気的に連結され、第2の期間では、第1の持続電圧発生器がDRAMチップのビット線に電気的に連結される。本発明の一態様によれば、第2の期間は、キック期間、第1の期間および第2の期間の合計の少なくとも20%または50%である。
【0022】
さらに、本発明の一態様によれば、キックチャージ源が生成するキック電圧レベルは、第1の電圧レベルよりも低く、信号ONEに対応する電圧レベルよりも高い。本発明の一態様によれば、キックチャージ源が生成するキック電圧レベルは、第1の電圧レベルと同じである。
【0023】
本発明のもう一つの目的は、持続可能なストレージを有するDRAMチップを提供することであり得る。本発明の一態様によれば、DRAMチップは、DRAMチップで利用される信号ONEに対応する電圧レベルを生成する第1の供給電圧源と、アクセストランジスタとストレージコンデンサを含むDRAMセルと、ビット線を通してDRAMセルに電気的に連結されたセンス増幅器を備える。第1の電圧レベルは、信号ONEに対応する電圧レベルよりも高く、第1の電圧レベルは、第1の持続電圧発生器によって生成されるものである。アクセストランジスタが完全にONになった後、アクセストランジスタが完全にOFFになる前に、第1の持続電圧発生器は少なくとも2回、ビット線に電気的に連結される。
【0024】
本発明の別の態様によれば、第1の持続電圧発生器は、DRAMセルにアクティブコマンドが実行されると、第1のキック期間にセンス増幅器に電気的に連結され、さらに、DRAMセルにリストア動作またはプリチャージ動作が実行されると、第2のキック期間にセンス増幅器に電気的に連結される。さらに、第2のキック期間は第1のキック期間よりも長い。
【0025】
本発明の別の態様によれば、第1の持続電圧発生器は、DRAMセルに読み出しコマンドが実行されると、第1のキック期間にセンス増幅器に電気的に連結され、さらに、DRAMセルにリストア動作またはプリチャージ動作が実行されると、第2のキック期間にセンス増幅器に電気的に連結される。
【0026】
本発明のこれらおよびその他の目的は、様々な図および図面に示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者にとって明らかになることは間違いない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】一般的に使用されているDRAMセルの設計を示す。
図1B】現在のほとんどのDRAMのアクセス(READまたはWRITE)動作中の関連信号波形を示す。
図2】本発明の一実施形態によるDRAMセルのアクセス(READまたはWRITE)動作中の関連信号波形を示す。
図3A】VCCSAよりも高い第1の持続電圧源に選択的に連結されたセンス増幅器の概略回路を示す。
図3B】VSSより低い第2の持続電圧源に選択的に連結されたセンス増幅器の概略回路を示す。
図4】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの関連信号波形を示す。
図5】本発明の一実施形態によるプリチャージ動作に関する機能ブロック図を示す。
図6】本発明によるプリチャージ動作時のセンス増幅器の動作を示す。
図7】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作中の関連信号波形を示す。
図8A】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作中の関連信号波形を示す。
図8B】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作中の関連信号波形を示す。
図8C】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作中の関連信号波形を示す。
図8D】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作中の関連信号波形を示す。
図9】本発明の一実施形態によるDRAMセルの動作中の、キック期間とビット線の信号の関係を示す。
図10A】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作中の関連信号波形を示す。
図10B】本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作中の関連信号波形を示す。
図11A】本発明の別の実施形態によるDRAMセルのリフレッシュ動作中の関連信号波形を示す。
図11B】本発明の別の実施形態によるDRAMセルのリフレッシュ動作中の関連信号波形であり、タイミング3で早期リストアキックが開始される状態を示す。
図11C】本発明の別の実施形態によるDRAMセルのリフレッシュ動作中の関連信号波形であり、タイミング2で早期リストアキックが開始される状態を示す。
図11D】本発明の別の実施形態によるDRAMセルのリフレッシュ動作中の関連信号波形であり、タイミング1で早期リストアキックが開始される態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に図を参照して説明する開示された装置および方法の実施形態の詳細な説明は、例示のために本明細書に提示されるものであり、限定を意図するものではない。特定の実施形態が詳細に示され、説明されているが、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正が可能であることを理解すべきである。本発明の範囲は、構成する部品の数、その材料、その形状、その相対的な配置などに決して限定されるものではなく、単に本発明の実施形態の一例として開示されるものである。
【0029】
本発明は、アクセストランジスタをOFFにする前に、持続電圧源がDRAMセルのストレージコンデンサに電気的に連結され、持続電圧源の電圧レベルが正規の信号ONEよりも高い、または、持続電圧源の電圧レベルが通常の信号ZEROよりも低い、持続可能なストレージアーキテクチャを有するDRAMを開示するものである。DRAMの動作(オートプリチャージ動作、リストアフェーズ、リフレッシュフェーズ、プリチャージフェーズなど)は、選択されたDRAMセルのアクセストランジスタをONにする。このように、アクセストランジスタをONにする段階で前述の持続電圧源をDRAMセルのストレージコンデンサに接続することで、アクセストランジスタをOFFにする段階の後にアクセストランジスタを介したリーク電流があったとしても、従来のDRAM構造に比べてストレージコンデンサを長く持続させることができる。
【実施例1】
【0030】
図2は、本発明の一実施形態によるDRAMセルのアクセス(READまたはWRITE)動作に対する関連信号波形を示す。DRAMのスタンバイモードからスタートすることで、アクセストランジスタ11を完全にOFFにするために、ワード線WLは-0.3Vに付勢される。本実施形態では、VCCSAを1.2Vに、VSSを0Vに設定している。この実施例では、信号ONEのレベルは1.2V、信号ZEROのレベルは0V(GND)となっている。ビット線(BLおよびBLB)は、VCCSA=1.2Vの信号ONEレベルとVSS=0Vの信号ZEROレベルの間の0.6Vの電圧レベルで均等化されている。
【0031】
T0では、ワード線電圧は、VCCSSAの1.2Vとアクセストランジスタのしきい電圧0.8Vよりもはるかに高い-0.3Vから2.7Vに上がり、ONにしたアクセストランジスタ11が信号ONEまたは信号ZEROをビット線に転送するのに十分な駆動力となっている。信号が一定の大きさになるまで、センス増幅器20が作動して、ビット線(BL)とビット線バー(BLB)の間で信号を増幅する。T1の後、読み出し動作(ビット線上のセル信号によって搬送された信号を増幅することによる)または書き込み動作(これらの信号ONEとZEROを外部から書き込んで、センス増幅器20をひねり、DRAMセルに正しい信号を蓄積する)のいずれかを行うことができる。もちろん、読み出しや書き込み以外にも、T1の後に他のDRAM動作を行っても構わない。つまり、T1からT2の間の期間中、DRAMセルはアクセス可能となる。
【0032】
リストアフェーズ中のT2の後、アクセストランジスタ11の誘電体は、適度に短いリストア時間の間、ワード線(WL)からのVPPによってまだロードされている。このリストアフェーズ中、第1の持続電圧源が意図的にDRAMセルのコンデンサに連結される。第1の持続電圧源の電圧レベルは、VCCSAの1.2V(または信号ONEの電圧レベル)よりも高い。これは、第1の持続電圧源に選択的に連結されたセンス増幅器20の概略回路を示す図3Aに示すように、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)をセンス増幅器20に接続または連結することによって(例えば、スイッチ13をONにすることによって)行うこともできる。このリストアフェーズ中は、元のVCCSA電圧源がセンス増幅器から切り離され(例えば、スイッチ14をOFFにすることによって)、図3Aに示すように、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)がセンス増幅器20に接続されることになる。M1は、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)がVCCSAよりも高くなるような正の数であり得る。一例として、M1は1/3VCCSAから2/3VCCSAの範囲、例えば0.6Vとすることができる。例えば、もともと信号ONEがストレージコンデンサにある場合、このリストアフェーズ中は、次に第1の持続電圧源から1.2V+0.6Vの電圧レベルがセンス増幅器20を介してストレージコンデンサ12に供給される。すなわち、図2のT3におけるアクセストランジスタ11をOFFにする(つまり、ワード線WLがVPPの2.7Vからスタンバイモード時のワード線の電圧-0.3Vに引き下げられる)前に、ストレージコンデンサ12には、通常の信号ONEの電圧レベルよりも高い第1の持続電圧源の電圧レベル(VCCSA)が供給される。そのため、アクセストランジスタ11をOFFにした後は、アクセストランジスタ11を介したリーク電流があっても、ストレージコンデンサ12は従来のDRAM構造と比較して長時間維持することができる。一実施形態では、アクセストランジスタ11をOFFにした後、またはリストアフェーズの後、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)は、センス増幅器20から切り離すことができる。さらに、ビット線(BL)は、電圧レベルがVblのビット線電圧源に連結されて、図2に示すように、ビット線(BL)の電圧レベルがVblにリセットされる。
【0033】
別の実施形態では、このリストアフェーズ中のT2の後、リストアフェーズ中に、第2の持続電圧源が意図的にDRAMセルのコンデンサに連結される。第2の持続電圧源の電圧レベルは、VSSの電圧源(0Vまたは信号ZEROの電圧レベル)よりも低い。これは、図3Bに示すように、第2の持続電圧源(VSS-M2)をセンス増幅器に接続することで(例えば、スイッチ23をONにすることで)可能となる。図3Bは、VSSより低い第2の持続電圧源(VSS-M2)に選択的に連結されたセンス増幅器の概略回路を示し、M2は、正の数であり得る。一例として、M2は0.4V~0.8Vの範囲、例えば0.6Vとすることができる。もちろん、このリストアフェーズ中に第2の持続電圧源がセンス増幅器20に連結されると、電圧源VSSは、(例えば、スイッチ24をOFFにすることによって)センス増幅器20から切り離される。このリストアフェーズ中、もともとストレージコンデンサ12に信号ZEROが入っていると、次に-0.6Vの電圧レベルがストレージコンデンサに供給される。すなわち、図2のT3におけるアクセストランジスタ11をOFFにする(つまり、ワード線WLがVPPからスタンバイモード時のワード線の電圧に引き下げられる)前に、ストレージコンデンサ12には、通常の信号ZEROの電圧レベルよりも低い第2の持続電圧源の電圧レベル(VSS)が供給される。一実施形態では、アクセストランジスタ11をOFFにした後、またはリストアフェーズの後、第2の持続電圧源(VSS-M2)は、センス増幅器20から切り離すことができる。
【0034】
もちろん、別の実施形態では、第1と第2の持続電圧源は、共に、リストアフェーズ中に、意図的にDRAMセルのコンデンサに連結され得る。したがって、ワード線WLがVPPからスタンバイモード時のワード線の電圧に引き下げられる前に、信号ONEが元々ストレージコンデンサにある場合は1.2V+0.6Vの電圧レベルがストレージコンデンサに蓄積され、信号ZEROが元々ストレージコンデンサにある場合は-0.6Vの電圧レベルがストレージコンデンサに蓄積されることになる。
【実施例2】
【0035】
リーク電流を減らして、蓄積された電荷をアクセストランジスタから漏らさずに維持するため、通常、アクセストランジスタのしきい電圧を非常に高くする設計が行われる。VCCSAを0.6Vに下げた場合、DRAM設計の周辺回路には7nmもしくは5nmプロセスのトライゲート、またはFinFETトランジスタが採用されており、その分、これらのトランジスタのしきい電圧は、0.3Vに下げるなど、スケーリングすることができる。この実施形態では、アクセストランジスタのしきい電圧を意図的に0.5~0.6Vまで上げることができる。そのため、ストレージコンデンサからのリーク電流は、少なくとも30~40年分だけ大幅に低減され得る(=0.6-0.3~0.3V、S-要素が68mV/10年であれば、漏れは、周辺のトライゲートデバイスよりも40年分、つまり、しきい電圧が0.5Vに上がれば、リーク電流は20~30年分となる)。しきい電圧をVCCSAに近づけるか、少なくとも0.6Vの80%以上にすることが提案されている。本実施形態では、アクセストランジスタ(フィンフェットトランジスタやトライゲートトランジスタなど)のゲート絶縁膜厚は、周辺トランジスタのゲート絶縁膜厚を厚くすることなく、そのまま維持され、次に、トライゲート構造を用いることによる高性能化のメリットを維持することができる。
【0036】
図4は、本発明の別の実施形態によるDRAMセルの関連信号波形を示す。この例では、信号ONEのレベルは0.6Vであり、信号ZEROのレベルは0V(GND)となっている。このリストアフェーズ中のT2の後、リストアフェーズ中に、第1の持続電圧源が意図的にDRAMセルのコンデンサに連結される。第1の持続電圧源の電圧レベルは、VCCSAの0.6V(または信号ONEの電圧レベル)よりも高い。これは、第1の持続電圧源(VCCSA+K)をセンス増幅器に接続することで行うことができ、ここでKは正の数の場合もある。一例では、Kは、例えば0.3Vまたは0.4Vなど、1/3VCCSAから2/3VCCSAの範囲内であり得る。したがって、0.6Vの信号ONEがもともとストレージコンデンサにある場合、このリストアフェーズ中は、0.6V+0.4Vの電圧レベルがストレージコンデンサに供給されることになる。すなわち、図4のT3におけるアクセストランジスタをOFFにする(つまり、ワード線WLがVPPからスタンバイモード時のワード線の電圧に引き下げられる)前に、ストレージコンデンサには、通常の信号ONEの電圧レベル(0.6VのVCCSA)よりも高い第1の持続電圧源の電圧レベルが供給される。したがって、ワード線WLがVPPに引き上げられた後、ワード線がスタンバイモードまたはインアクティブモードに引き下げられる前に、もともと信号ONEがストレージコンデンサにある場合には、その後に、1Vの電圧レベルがストレージコンデンサに蓄積されることになる。一実施形態では、リストアフェーズの後、ビット線(BL)とビット線バー(BLB)は、電圧レベルがVblのビット線電圧源に連結されて、図4に示すように、ビット線(BL)の電圧レベルとビット線バー(BLB)の電圧レベルがVblにリセットされる。
【0037】
もちろん、前述したように、ワード線WLがVPPからスタンバイモード時のワード線の電圧に引き下げられる前に、もともと信号ZEROがストレージコンデンサにある場合、次に第2の持続電圧源の電圧レベルがストレージコンデンサに蓄積される場合があり、その際、第2の持続電圧源の電圧レベルは信号ZEROよりも低く、例えば-0.4Vである。
【実施例3】
【0038】
図5は、プリチャージ動作の回路図と機能ブロック図に関する別の実施形態を示す。本実施形態では、VCCSAを0.6Vに、VSSを0Vに設定している。プリチャージ動作では、メモリセクション5(「Sec5」)の選択されたワード線(単数または複数)に接続された全てのDRAMセルがプリチャージされ、他のメモリセクション(「Sec4」や「Sec6」など)の選択されていないワード線に接続されたDRAMセルはアイドル状態になる。
【0039】
選択されたワード線(単数または複数)に接続されたDRAMセルに連結されたセンス増幅器41および42は、プリチャージキッカー30によって第3の持続電圧源VHSA(0.6V+K)にキックされるため、より強いドレインソース間電界によってセルにリストアされる信号を加速することができる。第3の持続電圧源VHSAは、VCCSA(0.6V)よりも数百mV程度高く、例えば0.3Vや0.4Vなどである。さらに、選択されたワード線(単数または複数)がOFFになる(すなわち、選択されたワード線(単数または複数)に連結されたDRAMセルのアクセストランジスタがOFFになる)前に、元の信号ONEの電圧レベルよりも高い0.6V+0.4Vの電圧レベルがストレージコンデンサに蓄積される可能性がある。一方、非選択ワード線(単数または複数)に接続されたDRAMセルに連結されているセンス増幅器はキックアップされず、VCCSAに連結されたままとなる。
【0040】
図6は、プリチャージフェーズのセンス増幅器の動作を説明したもので、図6で使用している記号の意味は以下の通りである。
VCCSA:ビット線センス増幅器の電圧
VHSA:第3の持続電圧源
LSLP:選択されたビット線のセンス増幅器が高電圧
LSLN:選択されたビット線のセンス増幅器が低電圧
Vpl:プレート電圧
SN:ストレージノード
WL:ワード線
BL:ビット線
Vsg1、2:P1、P2のソースゲート間電圧
Vgs3、4:N3、N4のゲートソース間電圧
Vsg5、6:P5、P6のソースゲート間電圧
Vgs7、8:N7、N8のゲートソース間電圧
【0041】
図6を参照すると、ワード線WL100は、SN1およびSN9などの複数のストレージノードに連結されている。ワード線WL100に接続されているストレージノードSN1に信号ONE(0.6V)が蓄積されている場合、プリチャージコマンドが発行されてワード線WL100が選択された後(つまりワード線がONの状態)、センス増幅器のLSLPはVHSA(1.0V)に連結されているため、LSLPは0.6Vから1.0Vにキックされ、LSLNは0Vのままとなる。このため、センス増幅器のトランジスタP1はOFFとなり、Vsg1=0Vとなる。また、センス増幅器のトランジスタP2がONとなり、Vsg2が0.6Vから1.0Vにキックされ、1.0Vがビット線BL1を通ってストレージノードSN1にフル充電される。一方、センス増幅器のトランジスタN3がONとなり、Vgs3も0.6Vから1.0Vにキックされる。さらに、センス増幅器のトランジスタN4はOFFで、Vgs4は0Vである。
【0042】
ワード線WL100に接続されているストレージノードSN9に信号ZERO(0V)が蓄積されている場合、プリチャージコマンドが発行されてワード線WL100が選択された後、センス増幅器はVHSA(1.0V)に連結されているため、LSLPは0.6Vから1.0Vにキックされ、LSLNは0Vのままとなる。このため、センス増幅器のトランジスタP5がONとなり、Vsg5は0.6Vから1.0Vにキックされる。また、センス増幅器のトランジスタP6はOFFで、Vsg2は0Vである。一方、センス増幅器のトランジスタN7はOFFで、Vgs7は0Vである。さらに、センス増幅器のトランジスタN8がONとなり、Vgs8が0.6Vから1.0Vにキックされ、ビット線BL9を介して0VがストレージノードSN9に強くリストアされる。もちろん、前述したように、もともと信号ZEROがストレージコンデンサにある場合、プリチャージフェーズ中にLSLNを別の持続電圧源VLSN(0V-K)に連結することも可能である。VLSNは信号ZEROの電圧レベルよりも低く、この場合、VLSNは-0.4Vになる可能性がある。そして、-0.4Vは、プリチャージフェーズ中に、ビット線BL9を介してストレージノードSN9に強くリストアされる。
【0043】
別の実施形態では、信号ONEの電圧レベルよりも高い第1の持続電圧源をセンス増幅器(またはDRAMストレージセル)に連結することは、DRAMストレージセルに連結されたワード線がOFFになる前に第1の持続電圧源がセンス増幅器(またはDRAMストレージセル)に連結されていれば、リフレッシュ動作やその他の動作(オートプリチャージ動作を伴うREAD/WRITEなど)にも適用可能であると考えられる。また、信号ZEROの電圧レベルよりも低い第2の持続電圧源をセンス増幅器(またはDRAMストレージセル)に連結することは、DRAMストレージセルに連結されたワード線がOFFになる前に第2の持続電圧源がセンス増幅器(またはDRAMストレージセル)に連結されていれば、リフレッシュ動作やその他の動作にも適用可能であると考えられる。
【実施例4】
【0044】
図7は、本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作に対する関連信号波形を示す。当初、DRAMセルのアクセストランジスタを完全にOFFにするために、ワード線WLは付勢される。本実施形態では、VCCSAを1.1Vに、VSSを0Vに設定している。この例では、信号ONEのレベルは1.1V、信号ZEROのレベルは0V(GND)となっている。ビット線(BL)およびビット線バー(BLB)は、VCCSA=1.1Vのときの信号ONEレベルとVSS=0Vのときの信号ZEROレベルの間で均等化される。T0後は、DRRAMセルのアクセストランジスタをONにするために、ワード線電圧が上昇していく。T1とT2の間の期間には、実行されるべきアクティブコマンドがあり、そのアクティブコマンド中に、(図3Aに示すように、スイッチ14をOFFにし、スイッチ13をONにすることによって)対応する第1の持続電圧源(VCCSA+M1)がセンス増幅器に接続してもよい。したがって、アクティブコマンド中は、ビット線の信号は少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)されることになる。アクティブコマンドの実行後、通常の電圧源VCCSAがセンス増幅器に接続され(図3Aに示すように、スイッチ13をOFFにし、スイッチ14をONにすることで)、その後、ビット線の信号がVCCSAに戻ることになる。このようなビット線のキックがあれば、信号の感知が早くなる。
【0045】
同様に、リストア(またはプリチャージ)フェーズ中のT2の後、このリストアフェーズにおいて、第1の持続電圧源VCCSA+M1(またはVCCSAよりも高い別の持続電圧)がDRAMセルのコンデンサに意図的に連結される。すなわち、このリストア(またはプリチャージ)フェーズ中、元のVCCSA電圧源がセンス増幅器から切り離され(例えば、図3Aに示すように、スイッチ14をOFFにすることによって)、第1の持続電圧源VCCSA+M1がセンス増幅器20に(例えば、図3Aに示すようなスイッチ13をONにすることによって)接続されることになる。ビット線の信号は、少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)されることになる。このように、ワード線WLが引き下げられてDRAMセルのアクセストランジスタが完全にOFFになる前に、DRAMセルのストレージコンデンサに供給される第1の持続電圧源の電圧レベルは、通常の信号ONE(VCCSA)の電圧レベルよりも高くなり、アクセストランジスタにリーク電流があっても、従来のDRAM構造に比べて、DRAMセルのストレージコンデンサを長時間維持することができる。
【実施例5】
【0046】
図8Aは、本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作に対する関連信号波形を示す。実施例4と同様に、T1とT2の間の期間には、実行されるべきアクティブコマンドがあり、対応する第1の持続電圧源(VCCSA+M1)は、アクティブ動作中に、センス増幅器に接続されてもよい。したがって、アクティブコマンド中は、ビット線の信号は少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)されることになる。アクティブコマンドの実行後、通常の電圧源VCCSAがセンス増幅器に接続され、その後、ビット線の信号がVCCSAに戻ることになる。
【0047】
アクティブコマンドの後、T2の前に1つ(または複数)の読み出しコマンドが実行され、読み出しコマンドの間に第1の持続電圧源(VCCSA+M1)がセンス増幅器に再び接続され、読み出しコマンド中にビット線の信号が少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)されてもよい。読み出しコマンドの実行後、通常の電圧源VCCSAがセンス増幅器に再度接続され(図3Aに示すように、スイッチ13をOFFにし、スイッチ14をONにすることで)、その後、ビット線の信号がVCCSAに戻ることになる。このように、読み出しコマンド中にビット線をキックすることで、信号の展開時間を改善することができる。例えば、VCCSAが1.1Vであり、M1が0.2Vである場合、読み出しコマンド中にキックがあると、キックがない場合に比べて信号展開時間が約20%~30%速くなる。
【0048】
同様に、このリストアフェーズ中のT2の後は、元のVCCSA電圧源がセンス増幅器から切り離され、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)がセンス増幅器20に接続され、ビット線の信号は少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)されることになる。このように、DRAMセルのストレージコンデンサに供給される第1の持続電圧源の電圧レベルは、通常の信号ONE(VCCSA)の電圧レベルよりも高い。しかし、別の実施形態では、リストアフェーズ中のT2の後、図8Bに示すように、元のVCCSA電圧源(VCCSA+M1ではなく)がまだセンス増幅器に接続されている。
【0049】
さらに、他の実施形態では、アクティブコマンド中にはビット線の信号がVCCSA+M1にキックされず、読み出しコマンド中にはビット線の信号がVCCSA+M1にキックされる。このリストアフェーズ中のT2の後は、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)がセンス増幅器に接続され、ビット線の信号は、図8Cに示すように、少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)されることになる。
【実施例6】
【0050】
図8Dは、本発明の別の実施形態によるDRAMセルの動作に対する関連信号波形を示す。図8Aと同様に、T1とT2の間の期間中、実行されるべきアクティブコマンドと、少なくともそのアクティブコマンドに続く読み出しコマンドがあり、そのアクティブ動作中および読み出しコマンド中に、(図3Aに示すように、スイッチ13をONにすることによって)対応する第1の持続電圧源(VCCSA+M1)がセンス増幅器に接続してもよい。さらに、対応する第2の持続電圧源(VSS-M2)を、アクティブ動作中および読み出しコマンド中に(図4Aに示すようにスイッチ23をONにすることで)センス増幅器に接続することも可能である。したがって、アクティブコマンド中および読み出しコマンド中は、ビット線(BL)の信号が少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)され、ビット線バー(BLB)の信号が少なくともVSS-M2にポンピング(またはキック)されることになる。アクティブコマンドと読み出しコマンドの実行後、正規の電圧源VCCSAをセンス増幅器に接続し(図3Aに示すように、スイッチ13をOFFにし、スイッチ14をONにする)、通常の電圧源VSSもセンス増幅器に接続する(図3Bに示すように、スイッチ23をOFFにし、スイッチ24をONにする)と、ビット線の信号がVCCSAに戻り、ビット線バーの信号がVSSに戻ることになる。
【0051】
同様に、リストアフェーズ中のT2の後、元のVCCSAおよびVSS電圧源が、(例えば、図3Aおよび図3Bのスイッチ14およびスイッチ24をそれぞれOFFにすることによって)センス増幅器から切り離され、第1の持続電圧源VCCSA+M1が、(図3Aのスイッチ13をONにすることによって)センス増幅器20に接続され、第2の持続電圧源VSS-M2が、(図3Bのスイッチ23をONにすることによって)センス増幅器20に接続され、ビット線の信号が少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)され、ビット線バーの信号が少なくともVSS-M2にポンピング(またはキック)されることになる。
【0052】
図9は、DRAMセルの動作中の、キック期間とビット線の信号の関係を示す。リストアフェーズ(またはプリチャージ)K4に対応するビット線の信号のキック期間は、アクティブコマンドK1に対応する期間よりも長く、または読み出しコマンドK2やK3に対応する期間よりも長くすることができる。さらに、アクティブコマンドK1に対応するビット線の信号のキック期間は、読み出しコマンドK2またはK3に対応するキック期間と等しくなる。もちろん、K1~K3期間中に、ビット線の信号を電圧レベルVCCSA+M1またはその他の電圧レベル(VCCSA+ΔNなど、但しΔN<M1)まで上昇させるには、ブーストラップ回路のコンデンサの電荷をビット線に連結させるブーストラップ回路を使用すればよい。電圧源やブーストラップ回路がどのようなものであっても、それは電荷源とみなすことができ、したがって、ビット線の信号は、電荷源によって電圧レベルVCCSA+M1またはVCCSA+ΔNにキックまたはポンピングすることができる。VSS-M2(または、ΔN<M2の場合はVSS-ΔN)にキックされたビット線の信号も同様である。
【実施例7】
【0053】
別の実施形態では、図10Aに示すように、T0の後、DRAMセルのアクセストランジスタをONにするために、ワード線電圧がランプアップしている。そして、通常のDRAMの読み出し/書き込みアクセスでは、実行すべきアクティブコマンドがある。JEDECで定義されたtRCDを低減するためのアクティブコマンドの実行中に、(図3Aに示すように、スイッチ14をOFFにし、スイッチ13をONにすることにより)VCCSAよりも少し高い対応する電圧(VCCSA+ΔNなど)をセンス増幅器に接続することができる。このような電圧レベルまたは電圧源は、T1とT2の間の期間(すなわち、アクセス動作期間)中にビット線に連結される。したがって、アクティブコマンドに応じて、対応する電圧源(VCCSA+ΔN)をセンス増幅器に接続することができる。そのため、アクティブコマンドの実行中は、ビット線の信号は少なくともVCCSA+ΔNにポンピング(またはキック)されることになる。このようなビット線信号のポンピングやキックは、アクティブキックと呼ぶことができる。このようなビット線のアクティブキックがあれば、信号の感知が早くなる。ここでも、ビット線を電圧レベルVCCSA+ΔNまで上昇させるには、コンデンサの電荷がビット線に連結されているブーストラップ回路によって可能となる。電圧源やブーストラップ回路に関わらず、それは電荷源とみなすことができ、したがって、ビット線は、電荷源によって電圧レベルVCCSA+ΔNにキックまたはポンピングすることができる。
【0054】
アクティブコマンドまたはアクティブキックの実行後、通常の電圧源VCCSAがセンス増幅器に接続され、その後、ビット線の信号が後続の読み出しまたは書き込み動作中にVCCSAに戻ることになる。同様に、リストア(またはプリチャージ)フェーズ中のT2の後、このリストアフェーズ中に、第1の持続電圧源VCCSA+M1(またはVCCSAよりも高い別の持続電圧)がDRAMセルのコンデンサに再び連結される。すなわち、このリストア(またはプリチャージ)フェーズ中、元のVCCSA電圧源がセンス増幅器から切り離され(例えば、図3Aに示すように、スイッチ14をOFFにすることによって)、第1の持続電圧源VCCSA+M1がセンス増幅器20に(例えば、図3Aに示すようなスイッチ13をONにすることによって)接続されることになる。ビット線の信号は、少なくともVCCSA+M1にポンピング(またはキック)されることになる。このようなビット線信号のポンピングやキックは、リストアキックと呼ぶことができる。このように、ワード線WLが引き下げられてDRAMセルのアクセストランジスタが完全にOFFになる前に、DRAMセルのストレージコンデンサに供給される第1の持続電圧源の電圧レベルは、通常の信号ONE(VCCSA)の電圧レベルよりも高くなり、アクセストランジスタにリーク電流があっても、従来のDRAM構造に比べて、DRAMセルのストレージコンデンサを長時間維持することができる。
【0055】
一実施形態では、アクティブキックで使用される対応電圧(VCCSA+ΔN)は、リストアキックで使用される第1の持続電圧(VCCSA+M1)よりも低い。対応する電圧(VCCSA+ΔN)と第1持続電圧(VCCSA+M1)は、それぞれ2つの異なる電圧源から生成することができる。あるいは、ビット線の電圧をキックするためにアクティブキックで使用される対応する電圧(VCCSA+ΔN)は、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)から生成されてもよいが、第1の持続電圧源(VCCSA+M1)をビット線に接続する期間は、ビット線が(VCCSA+M1)ではなく、対応する電圧(VCCSA+ΔN)にポンピングまたはキックされるだけになるように調整される。もちろん、本発明において、電圧(VCCSA+M1)、電圧(VCCSA+ΔN)、および電圧(VCCSA)は、DRAMの内部で生成または変換することも可能であるし、DRAMチップの外部にある他の電圧源から供給または変換することも可能である。
【0056】
しかし、図10Bに示すように、リストアキック中に、DRAMアレイ内部の電源メッシュやビット線が不完全であるなどの遅延原因によりRC遅延が発生した場合、第1の持続電圧源VCCSA+M1がビット線の電圧レベルを迅速に引き上げられない可能性がある。すなわち、リストアキックによって、第1の持続電圧源VCCSA+M1の電圧レベルがビット線を介してDRAMストレージノードまたはセルに完全に蓄積されない可能性があり、おそらく(VCCSA+M1-ΔV)の電圧レベルのみがDRAMストレージノードまたはセルに蓄積されることになる。また、図10Bに示すように、DRAMの通常のアクセスコマンドでは、アクティブキックとリストアキックの間に実行されるべき読み出しまたは書き込み動作があるため、RC遅延の問題を解決するために、先にリストアキックを行うことは適切ではない。
【0057】
しかし、図11Aに示すように、DRAMにおけるリフレッシュコマンドの性能については、リフレッシュコマンドに含まれる読み出しや書き込み動作はない。したがって、RC遅延の問題を克服するために、リストアキックを事前に(以下、タイミング1、タイミング2、またはタイミング3などの「早期リストアキック」)実行するのが適切であるので、早期リストアキックによって、図10Bでのみ説明した前の「リストアキック」に基づく「VCCSA+M1-ΔV」の電圧レベルではなく、第1の持続電圧源VCCSA+M1の電圧レベルが、ビット線を介してDRAMストレージノードまたはセルに完全にまたは実質的に蓄積される可能性がある。そのため、ストレージコンデンサはより長い保持時間を維持することができる。
【0058】
VCCSA+M1が高すぎると信頼性に不安がある(例えば、VCCSAが1.1Vの場合、VCCSA+M1の値が1.5Vまたは1.6Vでは高すぎる可能性がある)。そのため、電圧の最適化とキックタイミングの早期化が不可欠である。リフレッシュ中の内部タイミング制御により、早期リストアキックに対して異なるタイミングを発生させることができる。図11B(タイミング3の早期リストアキック)は、アクティブキックと早期リストアキックの間の期間Paが、T1’とT3の間の期間Pbの50%または60%未満であることを示しており、ここで、T1’は、ビット線とビット線バーの間の電圧差が、センス増幅器が感知できる程度に別々になった時であり、T3は、ワード線の電圧レベルが引き下げられ始めた時である。したがって、期間Pbは、アクティブキックのためのキック期間、VCCSA電圧源がビット線に連結される別の期間(または第1の期間)、およびVCCSA+M1電圧源がビット線に連結される別の期間(または第2の期間)を含む。VCCSA+M1電圧は、期間Pbの約20%または30%以上、ビット線(DRAMセルのストレージコンデンサも同様)に印加される可能性がある。別の例では、リフレッシュ動作中にアクティブキックを必要としない場合がある。つまり、リフレッシュ中のビット線の波形は、リストアキックのみとなる。
【0059】
図11C(タイミング2の早期リストアキック)によると、アクティブキックから早期リストアキックまでの期間Paは、T1’からT3までの期間Pbの30%以下であることがわかる。したがって、VCCSA+M1電圧は、期間Pbの約50%以上または60%以上にビット線に印加してもよい。図11D(タイミング1の早期リストアキック)は、期間Paが0であることを示している。つまり、早期リストアキックがアクティブキックの代わりに使用され、ワード線の電圧レベルが引き下げられるまで持続するということである。そのため、VCCSA+M1電圧は、期間Pbの約90%以上にわたってビット線に印加してもよい。ただし、センス増幅器やDRAMセルに高いキック電圧が継続的に印加されることによる信頼性の懸念がある場合、図11D(タイミング1での早期リストアキック)で利用されるキック電圧VCCSA+M1は、図8C(タイミング2での早期リストアキック)で利用されるキック電圧よりも小さくしてもよい。例えば、VCCSA=1.1Vの場合、図11D(タイミング1での早期リストアキック)で利用されるキック電圧VCCSA+M1は1.3V、図11C(タイミング2での早期リストアキック)で利用されるキック電圧VCCSA+M1は1.31~1.35V、図11B(タイミング3での早期リストアキック)で利用されるキック電圧VCCSA+M1は1.36~1.4Vとなる可能性がある。
【0060】
上述の記述を要約すると、本発明は持続可能なストレージアーキテクチャを持つDRAMを開示するものである。信号ONEの電圧レベルよりも高い第1の持続電圧、DRAMストレージセルのアクセストランジスタがOFFになる(または、DRAMストレージセルに連結されたワード線がOFFになる)前に、DRAMストレージセルにリストアまたは蓄積され得る。また、信号ZEROの電圧レベルよりも低い第2の持続電圧源、DRAMストレージセルのアクセストランジスタがOFFになる(または、DRAMストレージセルに連結されたワード線がOFFになる)前に、DRAMストレージセルにリストアまたは蓄積され得る。そのため、アクセストランジスタをOFFにした後、アクセストランジスタを介したリーク電流があっても、ストレージコンデンサは従来のDRAM構造と比較して長時間維持することができる。
【0061】
当業者であれば、本発明の教示を維持しつつ、装置や方法に多数の修正や変更を加えることができることを容易に理解できるであろう。したがって、上記の開示は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0062】
11 アクセストランジスタ
12 ストレージコンデンサ
13、14、23、24 スイッチ
20 センス増幅器
30 プリチャージキッカー
WL ワード線
BL ビット線
BLB ビット線バー
P1 トランジスタ
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D