(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置及び回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置
(51)【国際特許分類】
F16C 32/06 20060101AFI20240112BHJP
H02K 15/16 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F16C32/06 Z
H02K15/16 A
(21)【出願番号】P 2021565959
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2020088949
(87)【国際公開番号】W WO2020224614
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-12-07
(31)【優先権主張番号】201910376022.0
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510120045
【氏名又は名称】哈爾濱工業大学
【氏名又は名称原語表記】HAERBIN INSTITUTE OF TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】劉占生
(72)【発明者】
【氏名】于樹博
(72)【発明者】
【氏名】孫原理
(72)【発明者】
【氏名】張广輝
【審査官】倉田 和博
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103233978(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103230818(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0141790(US,A1)
【文献】特開昭57-020635(JP,A)
【文献】特開昭56-131826(JP,A)
【文献】特開昭55-006022(JP,A)
【文献】特開昭52-143358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 32/06
H02K 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置であって、
軸座1と、上支座2と、下支座3と、底座4と、および通気路5とを備え、
軸座1上に内窪みの第1半円柱面が加工形成されるとともに、第1半円柱面は上向きとし、第1半円柱面上に複数個の通気孔1-1が加工形成され、軸座1が上支座2上に固定されるとともに、軸座1と上支座2との間に密封気室6が設けられており、複数個の通気孔1-1と密封気室6とが連通し、密封気室6は通気路5を介して外部の空気供給装置に接続され、上支座2と下支座3とが枢着されて、
第1半円柱面の軸線が、軸線を含む鉛直面内で上支座2と下支座3の枢着軸を中心に一定角度範囲内で揺動可能となり、支座3と底座4とが一体的に接続され、
さらに軸方向位置決め手段7を含み、軸方向位置決め手段
7は、バッフル7-1と、左右一対の案内ロッド7-2と、および軸方向止め軸7-3と、を含み、
一対の案内ロッド7-2は前記軸座1の上端近くの上支座2に摺動可能に設けられ、バッフル7-1が一対の案内ロッド7-2上に固定され、バッフル7-1の軸座1寄り側の一面に軸受穴が加工形成され、軸受穴内に軸方向止め軸7-3が設けられ、軸方向止め軸7-3上に円錐面が加工形成され、軸方向止め軸7-3上の円錐面の軸線、前記軸座1の
第1半円柱面の軸線および一対の案内ロッド7-2の軸線の4つが互いに平行しており、且つ、軸方向止め軸7-3上の円錐面と軸座1上の
第1半円柱面とが同心状にされ、前記上支座2にさらに2個のネジ孔が加工形成され、各ネジ孔内に各案内ロッド7-2上に押されるネジジャッキが設けられている、
ことを特徴とする回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項2】
前記下支座3の底部に3個の内窪みの半球面が設けられ、底座4上に3個の内窪みの半球面の位置に合わせる3個のネジ孔が加工形成され、各ネジ孔内にいずれも支持ボルト10が設けられ、各支持ボルト10の頭部に外突の半球面が加工形成され、各支持ボルト10上の半球面と各
下支座3の半球面とが嵌合され、3個の支持ボルト10の各軸線上の任意1点の結ぶ線は三角形である、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項3】
上支座2と底座4との間にさらに4個の引張ばね8が設けられ、それぞれ2個の引張ばね8は前後に対向する2個の引張ばね8が1セットとなり、両セットの引張ばね8が対称的に前記
第1半円柱面軸線の左右両側に設置され、前記上支座2と前記下支座3の揺動角度は2°~4°とする、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項4】
軸座1上にさらに外側に突起する第2半円柱面が加工形成され、外側に突起する
第2半円柱面の両端にそれぞれ半円凸起1-5が設けられ、軸座1上の外突の第2半円柱面と内窪みの第1半円柱面とが同心状に設置され、外突の第2半円柱面上に溝部1-3と2個の並列の第1半環形密封溝1-2が加工形成され、溝部1-3が両半環形密封溝1-2の間に設置され、各第1半環形密封溝1-2内にゴム材密封ストリップが設けられ、前記上支座2に内窪みの第3半円柱面が設けられ、第3半円柱面の端部に2個の並列の半円環溝2-2が加工形成され、各半円凸起1-5と各半円環溝2-2とが嵌合され、第3半円柱面と第2半円柱面とが嵌合されて溝部1-3と第1半円柱面との間に密封気室6が形成され、
軸座1上にさらに2個の第2半環形密封溝1-4が加工形成され、2個の第2半環形密封溝1-4が内窪みの第1半円柱面の軸線両側に設置され、上支座2上にさらに2個の第3半環形密封溝2-1が加工形成され、2個の第3半環形密封溝2-1が第2半円柱面
25の軸線の両側に設置され、各第3半環形密封溝2-1と各半環形密封溝1-4とが合わせられ、完全なO形環溝が形成され、各O形環溝内に1個のO形ゴム材密封環が設けられ、各O形ゴム材密封環が1個の押え板9により押さえられ、軸座1と上支座2はボルトによってそれぞれ押え板9に接続され、軸座1上のボルトが押え板
9を貫通して軸座1自身および上支座2に接続して、第1半環形密封溝1-2内のゴム材密封ストリップと上支座2上の第2半円柱面とを密接させ、
複数個の通気孔1-1の配置は、第1半円柱面の軸線の両側から第1半円柱面の軸線方向の中心ほど密集的になる、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項5】
回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置であって、
軸受1、軸受け座2、密封気体作動室、上底座3、支柱9、および下底座4を含み、
軸受1に半円柱形気体作動面が備えられ、半円柱形気体作動面上に一定深度のある複数個の微型通気孔1-3が備えられ、軸受1に第2半円柱形面が備えられ、第2半円柱面上に一定深度のある複数個の小型通気孔1-4が備えられ、複数個の微型通気孔1-3と複数個の小型通気孔1-4とが連通し、軸受1が軸受け座2上に固定されて密封気体作動室を形成してなり、複数個の小型通気孔1-4と密封気体作動室とが連通し、密封気体作動室は通気路2-6を介して中圧気体が充填され、軸受け座2と上底座3とが支柱9により球面接触され、軸受1と軸受け座2は上下方向が鉛直方向に対し前後左右に一定の角度範囲内で揺動可能であり、
密封気体作動室は軸受1、軸受け座2、縦方向押え板6と横方向押え板7から構成され、
前記軸受1の両側に第1半分O形環溝1-1が備えられ、前記軸受け座2の両側に第2半分O形環溝2-3が備えられ、横方向押え板7上に欠け口7-2が備えられ、第1半分O形環溝1-1、第2半分O形環溝2-3および欠け口7-2は2個のO形環溝を形成し、
各O形環溝内にO形シリカゲル材密封環が備えられ、各O形環溝は縦方向押え板6により押さえられ、縦方向押え板6はボルトにより軸受1と軸受け座2上に接続され、軸受1の前後両側に第1半環形密封溝1-6が備えられ、軸受け座2の前後両側に第2半環形密封溝2-7が備えられ、第1半環形密封溝1-6と第2半環形密封溝
2-7は第3半環形密封溝を形成し、第3半環形密封溝内に寸法が合わせする半環形シリカゲル材密封パッドが備えられ、半環形シリカゲル材密封パッドの両端が前記O形シリカゲル材密封環の直下方に配置され、各半環形シリカゲル材密封パッドは横方向押え板7により押えられ、横方向押え板7はボルトにより軸受1と軸受け座2上に接続され、密封気体作動室を形成し、
軸受1に、軸受け座2の第3円柱形面に緊密に貼合される円柱形凸起1-2が備えられ、
軸受け座2に軸受1の軸方向位置決め凸起構成2-5が備えられ、軸受1に横方向押え板7の位置決め欠け口1-5が備えられ、横方向押え板7に位置決め凸起7-3が備えられ、位置決め凸起7-3と位置決め欠け口1-5とが嵌合される、
ことを特徴とする回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項6】
縦方向押え板5の下面に前記O形環溝に嵌合されるO形環状凸起5-1が備えられ、前記O形環状凸起5-1の高度が前記O形環溝
の深度より小さく、前記縦方向押え板5における前記半円柱形
気体作動面に一定斜度を有するカット口5-2が備えられ、
上端が球面とされ、その中部に平坦台9-1が備えら、前記軸受け座2の下底面に前記支柱9の球面に嵌合される半球面2-2が備えられ、前記軸受け座2の底端両側に一定角度を有する揺動限定カット面2-1が備えられ、前記支柱9
と上底
座3とがネジ接続される、
ことを特徴とする請求項5に記載の回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項7】
回動装置10は、複数個の転がり軸受軸10-1と転がり軸受10-2を含み、前記下底座4の両端に複数個の半円柱形凹溝が備えられ、
複数個の半円柱形凹溝は円形10-3に沿って周方向に配置され、前記複数個の転がり軸受軸10-1は転がり軸受10-2によって半円柱形凹溝内に取り付けられ、複数個の転がり軸受10-2の数が半円柱形凹溝の数とが一致し、複数個の転がり軸受軸10-1の組立方式は鉛直嵌入型とし、転がり軸受軸10-1の部分本体構成は下底座4において突出し、上底座3の下部に凹面が備えられ、凹面と複数個の転がり軸受
10-2の表面とが接触し、上底座3は周方向に配置される転がり軸受
10-2によって鉛直軸周りに回動可能である、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項8】
上底面
3の回動中心位置決め軸11を含み
、上底
座3の中心に、回動中心位置決め軸11に遊隙嵌合される円柱孔が備えられ
、下底
座4の中心に、回動中心位置決め軸11にネジ接続されるネジ孔
4-2が備えられ、
さらに回転子軸方向位置決め手段5を含み、回転子軸方向位置決め手段5は、バッフル5-2、左右一対の案内ロッド5-1と位置決め錐5-3を含み、前記位置決め錐5-3は円柱体と円錐体から構成され、位置決め錐5-3上の円錐体と前記半円
柱形気体作動面が同心状にされ、位置決め錐5-3が前記バッフル5-2上に取り付けられ、両案内ロッド5-1が摺合可能に前記軸受け座2上に取り付けられ、軸受け座2上に案内ロッド5-1を固定するためネジジャッキ2-4が備えられている、
ことを特徴とする請求項7に記載の回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項9】
回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置であって、
軸受け座
1と、空気軸受カバー
2と、上底座
3と、支柱
4と、および下底座
5とを含み、軸受け座
1とそれに取り付けられる軸受との間に密封気室が形成され、密封気室は軸受け座
1上の通気路
1-3を介して外部の空気供給装置に接続され、軸受上の複数個の通気孔が前記密封気室に連通し、軸受け座
1の底部に前記密封気室に連通する貫通孔
1-1が設けられ、空気軸受カバー
2が軸受け座
1の下方に配置されるとともにその開口が軸受け座
1の底端面に密封接続されて空気軸受カバー
2と軸受け座
1とが気体作動室
2-6を形成してなり、前記密封気室が貫通孔
1-1を介して気体作動室
2-6に連通し、空気軸受カバー
2上の複数個の気孔
2-2、2-3が気体作動室
2-6に連通し、上底座
3上に空気軸受カバー
2の外廓と合わせる凹型面
3-1が設けられ、凹型面
3-1と空気軸受カバー
2の外面とが遊隙嵌合され、空気軸受カバー
2が凹型面
3-1内に配置され、作動状態では、気体作動室
2-6内の気体が、空気軸受カバー
2上の複数個の通気孔
2-2、2-3を流通してから、空気軸受カバー
2の外面と凹型面
3-1との間に一定の支持性のある気膜を形成して軸受け座
1を浮上させ、軸受け座
1が自由に揺動可能であり、回転子の静的バランス装置が自動的にセンタリングし、上底座
3が支柱
4によって下底座
5に接続され、上底座
3と下底座
5との間の距離が支柱
4により調整可能であるので、軸受け座
1の高度を調整できる、
ことを特徴とする回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項10】
軸受け座1に円柱形貫通孔1-1が設けられ、下底面に雌ネジ孔1-2が備えられ、空気軸受カバー2に円柱形貫通孔2-1が設けられ、空気軸受カバー2と上底座
3は、ボルトが円柱貫通孔2-1を貫通して雌ネジ孔1-2に接続され、それらの間に密封円環6が設けられ、空気軸受カバー2と軸受け座1とが気体作動室2-6を形成し、空気軸受支柱内面2-5上に複数個の通気孔2-2が備えられ、空気軸受カバー
2の外面2-4まで貫通する複数個の小通気孔2-3がさらに設けられ、複数個の通気孔2-2は、複数個の小通気孔2-3に連通するとともに、気体作動室2-6に連通し、
上底座
3に空気軸受カバー
2の外面2-4に遊隙嵌合される凹球型面3-1が備えられ、空気軸受カバー2は凹球型面3-1内に配置され、作動状態では、気体作動室2-6内の気体を複数個の通気孔2-2と複数個の小通気孔2-3を通過させてから、空気軸受カバー
2の外面2-4と凹球型面3-1との間に一定の支持性のある気膜を形成させて、軸受け座1を浮上させ、
上底座3の両側に円形の凹台3-2が設けられ、支柱4の上端に凸台4-1が設けられており、凹台3-2が凸台4-1上に載置されて、上底座3が支持され、支柱4の下端に雄ネジ4-2が設けられ、下底座5の両側に雌ネジ5-1が設けられ、支柱
4と下底座
5はネジによって接続され、支柱4を回動することにより、軸受け座
1の高度を調整可能である、
ことを特徴とする請求項9に記載の回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置。
【請求項11】
回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置であって、
軸方向位置決め手段1と、空気軸受構造2と、軸方向密封押え板3と、径方向密封押え板4と、接続支柱5と、および底座6とを含み、空気軸受構造2は、支承回転環型部品を支持するための半円柱形状構成より小さい又は半円柱形状構成と同じであり、空気軸受構造2の一端壁上に通気孔2-5が設けられ、通気孔2-5と空気軸受構造2内の気体作動室2-2とが連通し、空気軸受構造2の気体作動面2-1上における円周方向に沿う両側壁の間の挟み角αは30°~180°とし、即ち空気軸受構造
2の横断面上における円弧の対応する円心角αは30°~180°とし、空気軸受構造2の曲面側壁上に複数個の気体作動室2-2に連通する貫通孔
2-4が設けられ、空気軸受構造2の他端の開口端面は軸方向密封押え板3によって密封接続し、空気軸受構造2の縦方向断面端と径方向密封押え板4とが密封接続され、径方向密封押え板4は接続支柱5により底座6に接続され、空気軸受構造2の気体作動面2-1の両端にそれぞれ軸方向位置決め手段1が取り付けられ、作動状態では、気体を通気孔2-5を介して空気軸受構造2内の気体作動室2-2中へ到達させて、複数個の貫通孔2-4を介して空気軸受構造2の気体作動面2-1上へ到達させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品の円柱形表面との間に一定の支持性のある気膜を形成して、静的バランス被検査対象の回転環型部品を浮上させることができる、
ことを特徴とする回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置。
【請求項12】
α角度は30°~150°であり、
各軸方向位置決め手段(1)内に気体作動室
(1-1-1)と通気路
(1-1-2)が備えられ、各軸方向位置決め手段(1)のスラスト作動面上に前記気体作動室
(1-1-1)に連通する複数個の貫通孔(1-1-4、1-1-5)が設けられ、各軸方向位置決め手段(1)と空気軸受構造(2)との間には、軸方向位置決め手段(1)の空気軸受構造(2)に沿う回動を防止するための位置決め機構が設けられており、作動状態に際して、気体を軸方向位置決め手段(1)の進気通路から
気体作動室中へ進入させ、且つ複数個の貫通孔を介してスラスト
作動面上へ進入させ、静的バランス被検測の回転環型部品とともに軸方向の端面に沿って一定スラスト力のある気膜を形成させるようにして、
軸方向位置決め機能を発揮することが可能であり、
各軸方向位置決め手段(1)は、互いに密封接続される軸方向位置決めスラスト板(1-1)と軸方向位置決め密封押え板(1-2)を含み、軸方向位置決めスラスト板(1-1)は気体作動室(1-1-1)と通気路(1-1-2)を備えており、軸方向位置決め手段(1)のスラスト作動面上の貫通孔は外から順次に連通される小円柱貫通孔(1-1-4)と微型円柱貫通孔(1-1-5)とから構成されており、
空気軸受構造(2)上に設けられる気体作動室(2-2)に連通する貫通孔は内から順次に連通される小円柱貫通孔(2-3)と微型円柱貫通孔(2-4)とから構成されており、
接続支柱(5)は両ネジ型構成とされ、径方向密封押え板(4)にネジ接続されるとともに、底座(6)にネジ接続されており、接続支柱(5)を回転させることにより空気軸受装置の高度を調整可能である、
ことを特徴とする請求項11に記載の回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転子あるいは回転環型部品の静的バランス検査分野・静圧エアベアリングあるいは空気軸受技術分野に係り、とくに回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置及び回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転機械の回転子部材の製造および組立過程では、材料の不均一や、加工誤差、組立誤差などが原因で、回転子にアンバランス的重量を生じる恐れがある。回転子の回転に際して、このアンバランス的質量によって回転機械に振動ノイズを発生させる恐れがある。これは、回転機械の安全性と信頼性に悪影響を与えている。したがって、回転機械の回転子部材に対して、静的バランスを実施する必要がある。
従来から、回転子の静的バランス検測装置は、一般的に回転子静的バランス装置を使用している。従来の回転子静的バランス装置に2個の上下調整可能な摺り板が備えられ、各摺り板に2個の一定隙間を有する転がり軸受が設けられる。回転子をそれぞれの摺り板の転がり軸受上に配置するとともに、回転子の両端にそれぞれ1個の転がり軸受を設けて軸方向位置決めを行う。このような静的バランスの実行においては、摩擦抵抗力が大きいため、長時間にわたって使用すれば、軸受け玉の摩耗、しいては、測量精度の下降に繋がるといった欠陥がもたらせる。静圧気体潤滑軸受は、低摩耗、高動作精度、小振動、無汚染など一連の利点を有する。近年、工作機器、高速精密度機械、電子工業、医療機器などの分野で幅広く応用されている。従来、静圧気体軸受は一体的に製作することが多く、現在の回転子静的バランス装置に応用することは困難である。その原因としては主に、回転子に対する静的バランスの過程では、軸を浮上状態に設置しなければならず、回転子は回動過程で傾斜が生じる恐れがあり、軸受へ衝突や摩擦する可能性があり、回転子の静的バランス要求を満たすことができない。
【0003】
従来の回転子の静的バランスは、主に、案内レール式やスイングフレーム式を用いている。具体的には、案内レール式の静的バランス装置は、主に、両高精度平行案内レールと固定フレームから構成され、その動作原理については、回転子を案内レールに配置すると、重力で回転子の重心が自然的に下向きになって、回転子を回転させて繰り返し重量減少を進んで、最終に回転子を静的バランス状態にさせている。また、スイングフレーム式の静的バランス装置は2個のスイングフレームから構成され、各スイングフレームは摺り板、ローラ、軸方向位置決め器などを含み、その動作原理については、案内レール式の静的バランス装置と同じようである。従来の回転子の静的バランス装置は、大体積大重量、低携帯性、低静的バランス精度などの欠点を有するが、広適応性、携帯的、かつ高精度の回転子静的バランス装置が求められている。
また、これに関連して回転環型部品(中空部品)に静的バランスを実行するといった課題は、従来から、研究が少ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、回転子の静的バランス装置が転がり軸受を用いて支持される場合、摩擦力が大きくて、長時間に使用すれば、転球の摩耗、回転子の測量精度低下に至ってしまい、一方、従来の静圧気体軸受は一体的に製造することが多く、現在の回転子静的バランス装置に応用するのが困難であるといった従来の問題に鑑みなされたものであり、小型・軽量で携帯性が高く、バランス精度を高くできる回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、回転環型部品に対する静的バランスを達成でき、小型・軽量で携帯性が高く、バランス精度を高くできる回転環型部品の空気軸受装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために本発明が採用する技術的手段は以下の通りである。
(第1発明)
第1発明に係る回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置は、
軸座1と、上支座2と、下支座3と、底座4と、および通気路5とを備え、
軸座1上に内窪みの第1半円柱面が加工形成されるとともに、第1半円柱面は上向きとし、第1半円柱面上に複数個の気孔1-1が加工形成され、軸座1が上支座2上に固定されるとともに、軸座1と上支座2との間に密封気室6が設けられており、複数個の気孔1-1と密封気室6とが連通し、密封気室6は通気路5を介して外部の空気供給装置に接続され、上支座2と下支座3とが枢着されて、第1半円柱面の軸線が、軸線を含む鉛直面内で前後に一定角度範囲内で揺動可能となり、支座3と底座4とが一体的に接続される。
【0006】
(第2発明)
第2発明に係る回転子の静的バランスのために用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置は、
軸受1、軸受け座2、密封気体作動室、上底座3、支柱9、および下底座4を含み、
軸受1に半円柱形作動面が備えられ、作動面上に一定深度のある複数個の微型気孔1-3が備えられ、軸受1に第2半円柱形面が備えられ、第2半円柱面上に一定深度のある複数個の小型気孔1-4が備えられ、複数個の微型気孔1-3と複数個の小型気孔1-4とが連通し、軸受1が軸受け座2上に固定されて密封気体作動室を形成してなり、複数個の小型気孔1-4と密封気体作動室とが連通し、密封気体作動室は通気路2-6を介して中圧気体が充填され、軸受け座2と上底座3とが支柱9により球面接触され、軸受1、軸受け座2は上下方向が鉛直方向に対し前後左右に一定角度範囲内で揺動可能である。
【0007】
(第3発明)
第3発明に係る回転子に対する静的バランスに用いられる分割式かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置は、
軸受け座と、空気軸受カバーと、上底座と、支柱と、および下底座とを含む。軸受け座とそれに取り付けられる軸受との間に密封気室が形成されている。密封気室は軸受け座上の通気路を介して外部の空気供給装置に接続される。軸受上の複数個の気孔が前記密封気室に連通する。軸受け座の底部に前記密封気室に連通する貫通孔が設けられている。空気軸受カバーが軸受け座の下方に配置されるとともにその開口が軸受け座の底端面に密封接続されて空気軸受カバーと軸受け座とが気体作動室を形成してなる。前記密封気室が貫通孔を介して気体作動室に連通する。空気軸受カバー上の複数個の気孔が気体作動室に連通する。上底座上に空気軸受カバーの外廓と合わせる凹型面が設けられている。凹型面と空気軸受カバーの外面とが遊隙嵌合される。空気軸受カバーが凹型面内に配置される。作動状態では、気体作動室内の気体が、空気軸受カバー上の複数個の気孔を流通してから、空気軸受カバーの外面と凹型面との間に一定の支持性のある気膜を形成して軸受け座を浮上させる。軸受け座が自由に揺動可能であり、回転子の静的バランス装置が自動的にセンタリングするようにできている。上底座が支柱によって下底座に接続される。上底座と下底座との間の距離が支柱により調整可能であるので、軸受け座の高度を調整できる。
【0008】
(第4発明)
第4発明に係る回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置は、
軸方向位置決め手段1と、空気軸受構造2と、軸方向密封押え板3と、径方向密封押え板4と、接続支柱5と、および底座6とを含み、空気軸受構造2は、支承対象の回転環型部品を支持するための半円柱形状構成であり、空気軸受構造2の一端壁上に通気孔2-5が設けられ、通気孔2-5と空気軸受構造2内の気体作動室2-2とが連通し、空気軸受構造2の作動面2-1上における円周方向に沿う両側壁の間の挟み角αは30°~180°とし、即ち空気軸受構造(2)の横断面上における円弧の対応する円心角αは30°~180°とし、空気軸受構造2の曲面側壁上に複数個の気体作動室2-2に連通する貫通孔が設けられ、空気軸受構造2の他端の開口端面は軸方向密封押え板3によって密封接続し、空気軸受構造2の縦方向断面端と径方向密封押え板4とが密封接続され、径方向密封押え板4は接続支柱5により底座6に接続され、空気軸受構造2の作動面2-1の両端にそれぞれ軸方向位置決め手段1が取り付けられ、作動状態では、気体を通気孔2-5を介して空気軸受構造2内の気体作動室2-2中へ到達させて、複数個の貫通孔2-4を介して空気軸受構造2の作動面2-1上へ到達させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品の円柱形表面との間に一定の支持性のある気膜を形成して、静的バランス被検査対象の回転環型部品を浮上させることができる。
上記4つの発明のうち、前の3つの発明はいずれも回転子または軸の静的バランスに用いられる。4番目の発明は円柱形回転環型部品(中空部品)、例えば歯スリーブや軸スリーブなどへの静的バランスに用いられる。上記の各発明の原理は同じであり、且つ4つの発明は相当多くの「相同または相応の特定な技術特徴」を共有するので、単一性を満たす。
【発明の効果】
【0009】
本願各発明が、従来技術と比べて、有利な効果は以下の通りである。
第1発明によれば、軸座は半円柱面とし、且つ回転子に嵌合されるものである。外部の空気供給装置により通気路から充気させて、密封気室において正圧を発生させる。複数個の通気孔を介して気体を回転子と軸座の接触表面に吹き込ませることにより支持の機能を発揮する。加えて、両端が太く、中間が細いロングな回転子への支持機能を発揮することもでき、全体型静圧気体軸受ではロングな回転子を貫通できないといった欠陥を克服できている。本発明の上支座と下支座とが枢着されることにより、軸座を一定角度範囲内で揺動させ得るので、軸座内の回転子が傾斜しても軸座が摩耗するのを防止できる。
【0010】
第2発明によれば、軸受は、分割式とし、回転子に遊隙嵌合されるものである。このようにして、容易に回転子を配置することができる。通気口から気体作動室内へ中圧気体を進入させると、気体により通気孔を通過して軸受作動面で一定の支持性のある気膜を形成させて、回転子を浮上させ得る。このように回転子を浮かせてから、回転子に対して静的バランスを行うことができる。本発明装置は、小体積、軽量のため、携帯性が良好となる。本発明は、空気軸受原理を利用して回転子を浮上させてから回転子に対して静的バランスを行うものとして、高いバランス精度を得られる。本発明の軸受と軸受け座は、上下方向が鉛直方向に対し前後左右に一定角度範囲内で揺動可能であるので、回転子との衝突の防止が実現され、適応性が強くなる。
本発明の軸受に、静的バランスすべき回転子に遊隙嵌合される半円柱面の作動面が設けられる。作動面上に複数個の微型気孔が設けられている。軸受は上押え板と側押え板により軸受け座上に固定される。軸受と軸受け座との間に密封気体作動室が形成されている。複数個の微型気孔と密封気体作動室とが連通する。軸受け座と上底座との間は2個の支柱により接続する。軸受け座と支柱との間は球面接触にて接続される。軸受と軸受け座は上下方向が鉛直方向に対し前後左右に一定角度範囲内で揺動可能である。上底座と下底座との間に回動装置が備えられている。軸受け座と上底座は下底座に対し鉛直軸の周りに周方向に沿って一定角度範囲内で揺動可能である。したがって、本発明は高精度の回転子の静的バランスに適応する。
【0011】
第3発明によれば、軸受け座の下方にある空気軸受カバーの外面と上底座の凹型面との間に一定の支持性のある気膜を形成して、軸受け座を浮上させる。軸受け座が自由に揺動可能となり、回転子の静的バランス装置が自動的にセンタリングすることが可能である。なお、本案は構成が簡単である。本発明は、高精度の回転子静的バランスに適用する。
【0012】
第4発明によれば、空気軸受構造の作動面と静的バランス被検査対象の回転環型部品の円柱形表面との間に一定の支持性のある気膜を形成させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品を浮上させる。軸方向位置決め手段のスラスト工作面と静的バランス被検査対象の回転環型部品は軸方向の端面に沿って一定スラスト力のある気膜を形成させて、軸方向位置決め機能を発揮することができる。なお、本案は構成が簡単である。本発明は、高精度の回転子静的バランスに適用する。
回転子と軸受との間は気体式接触とするので、摩擦係数が小さくなり、回転子への静的バランスの精度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図25】本発明の実施例3の組立体の正面図である。
【
図35】本発明の実施例4の組立体の正面図である。
【
図41】軸方向位置決め密封押え板の正面図である。
【
図42】軸方向位置決め密封押え板の平面図である。
【
図45】軸方向位置決め密封押え板の正面図である。
【
図46】軸方向位置決め密封押え板の断面図である。
【
図48】本発明の実施例4の立体図である(空気軸受構造2は半円柱構造より小さい)。
【
図49】本発明の実施例4の他の構成の立体図である(空気軸受構造2は半円柱構造である)。
【
図50】回転子の静的バランスの模式図(本発明の実施例1から3に対応)である。
【
図51】回転環型部品の静的バランスの模式図(本発明の実施例4に対応)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の最良な実施の形態を実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1の構成および動作原理を、
図1?10を参照して説明する。
まず、
図1、2、3、4、10を参考にすると、本実施例では、軸座1と、上支座2と、下支座3と、底座4と、および通気路5とを備える。
軸座1上に内窪みの第1半円柱面が加工形成されるとともに、第1半円柱面は上向きとする。第1半円柱面上に複数個の通気孔1-1が加工形成される。軸座1が上支座2上に固定されるとともに、軸座1と上支座2との間に密封気室6が設けられている。複数個の通気孔1-1と密封気室6とが連通する。密封気室6は通気路5を介して外部空気供給装置に接続される。上支座2と下支座3とが枢着されて、半円柱面の軸線が、この軸線を含む鉛直面内で上支座2と下支座3の枢着軸回りに前後へ一定角度範囲だけ揺動可能となる。支座3と底座4とが一体的に接続される。
また、使用する際、支承対象の回転子を軸座1内に設置する。外部の空気供給装置により通通路5から充気させて、密封気室6において正圧を発生させる。複数個の通気孔1-1を介して気体を回転子と軸座1の接触表面に吹き込ませて薄い気膜を形成して支持の機能が実現される。
【0016】
次に、
図2と
図3を参考にすると、本実施例では、さらに軸方向位置決め手段7を含む。軸方向位置決め手段は、バッフル7-1と、左右一対の案内ロッド7-2と、および軸方向止め軸7-3と、を含む。
一対の案内ロッド7-2は前記軸座1の上端近くの上支座2に摺動可能に設けられている。バッフル7-1が一対の案内ロッド7-2に固定される。バッフル7-1の軸座1寄り側の一面に軸受穴が加工形成される。軸受穴内に軸方向止め軸7-3が設けられている。軸方向止め軸7-3上には円錐面が加工形成される。軸方向止め軸7-3上の円錐面の軸線、前記軸座1の半円柱面の軸線および一対の案内ロッド7-2の軸線の4つは、互いに平行している。且つ、軸方向止め軸7-3上の円錐面と軸座1上の半円柱面とが同心状にされている。前記上支座2上にさらに2個のネジ孔が加工形成されている。各ネジ孔内に各案内ロッド7-2へ押されるネジジャッキが設けられている。
【0017】
このようにされると、支持すべき回転子への軸方向位置決め作用を達成することができる。一対の案内ロッド7-2を設けることにより、支持位置からの回転子端部との距離に応じる要求によって、軸方向止め軸7-3の位置を調整することができるので、軸線位置決めの作用が実現される。さらにネジジャッキによって各案内ロッド7-2を固定するようにできる。
【0018】
次に、
図2と
図4を参考にすると、本実施例では、前記下支座3の底部に3個の内窪みの半球面が設けられる。底座4上に3個の内窪みの半球面の位置に合わせる3個のネジ孔が加工形成されている。各ネジ孔内にいずれも支持ボルト10が設けられている。各支持ボルト10の頭部上に外突の半球面が加工形成されている。各支持ボルト10上の半球面と各支座3の半球面とが嵌合される。そして、3個の支持ボルト10の各軸線上の任意1点の結ぶ線は三角形である。
このようにされると、軸座1の支持高度を調整することができ、それに、軸座1の軸線を水平に保持させることもでき、組立てには便利である。
【0019】
次に、
図3を参考にすると、本実施例では、上支座2と底座4との間にさらに4個の引張ばね8が設けられる。前後に対向する2個の引張ばね8が1セットとなり、両セットの引張ばね8が対称的に前記半円柱面軸線の左右両側に設置される。
4個の引張ばね8を設けることによって、軸座1の軸線を水平状態に保持させている。
【0020】
次に、
図2、
図9と
図10を参考にすると、本実施例では、前記上支座2と前記下支座3の揺動角度は2°~4°とする。
好ましくは、上支座2の底部に第1凸台2-3と貫通孔が加工形成される。下支座3の頂部に第2凸台3-1と接続孔が加工形成される。上支座2の貫通孔と下支座3の接続孔とが同心状にされ、かつ接続軸によって接続される。上支座2の第1凸台2-3と下支座3の第2凸台3-1とが対向して設置される。上支座2の第1凸台2-3のある平面と下支座3の第2凸台3-1のある平面との挟み角は2°~4°とする。上支座2と下支座3とが相対的に揺動する時、第1凸台2-3と第2凸台3-1によって上支座2と下支座3の揺動角度を限定する。
【0021】
次に、
図4?
図10を参考にすると、本実施例では、軸座1上にさらに外側に突起する第2半円柱面が加工形成される。外側に突起する円柱面の両端にそれぞれ半円凸起1-5が設けられている。軸座1上の外突の第2半円柱面と内窪みの第1半円柱面とが同心状に設置される。外突の第2半円柱面上に溝部1-3と2個の並列の第1半環形密封溝1-2が加工形成される。溝部1-3が両半環形密封溝1-2の間に設置される。各第1半環形密封溝1-2内にゴム材密封ストリップが設けられている。前記上支座2に内窪みの第3半円柱面が設けられている。第3半円柱面の端部に2個の並列の半円環溝2-2が加工形成される。各半円凸起1-5と各半円環溝2-2とが嵌合される。第3半円柱面と第2半円柱面とが嵌合されて溝部1-3と第1半円柱面との間に密封気室6が形成されてなる。
【0022】
軸座1上にさらに2個の第2半環形密封溝1-4が加工形成される。2個の第2半環形密封溝1-4が内窪みの第1半円柱面の軸線の左右両側に設置される。上支座2上にさらに2個の第3半環形密封溝2-1が加工形成される。2個の第3半環形密封溝2-1が第2半円柱面の軸線の左右両側に設置される。各第3半環形密封溝2-1と各半環形密封溝1-4とが合わせして、完全なO形環溝が形成される。各O形環溝内に1個のO形ゴム材密封環が設けられている。各O形ゴム材密封環が1個の押え板9により押さえられる。軸座1と上支座2はボルトによってそれぞれ押え板9に接続される。そして軸座1上のボルトが押え板9を貫通して軸座1自身および上支座2に接続して、第1半環形密封溝1-2内のゴム材密封ストリップと上支座2上の第2半円柱面とを密接させる。
【0023】
次に、
図5を参考にすると、本実施例では、複数個の気孔1-1の配置は、第1半円柱面軸線の両側から第1半円柱面軸線方向の中心ほど密集的になるとする。
本実施例の第1半円柱面と回転子との接触に関して、回転子の重力で、回転子の接触する第1半円柱面の最底部の通気孔1-1が多く配置され、本発明の支持性を向上する。
【0024】
本実施例の動作原理は以下の通りである。
本発明の底座4が設備などに固定取付される。軸座1と支持すべき回転子とが接触する。外部の空気供給装置中のエアポンプによって密封気室6に充気させて密封気室6において正圧を発生させる。密封気室6内の気体を軸座1上の複数個の通気孔1-1を介して回転子と軸座1の接触表面に進入させて気膜を形成させる。回転子の軸が、この軸を含む鉛直面内で前後に傾くと、軸座1が底座4に対して一定角度範囲内で傾斜する。これによって、回転子の軸の傾きに適応する。
【実施例2】
【0025】
次に、実施例2の構成および動作原理を
図11?24に基づき説明する。
本実施例にかかる回転子の静的バランスに用いられる分割式、かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置は、携帯的、かつ高精度の回転子静的バランス装置であり、軸受1、軸受け座2、密封気体作動室、上底座3、支柱9、および下底座4を含む。軸受1に半円柱形作動面が備えられている。作動面上に一定深度のある複数個の微型通気孔1-3が備えられている。軸受1に第2半円柱形面が備えられている。第2半円柱面上に一定深度のある複数個の小型通気孔1-4が備えられている。複数個の微型通気孔1-3と複数個の小型通気孔1-4とが連通する。軸受1が軸受け座2上に固定されて密封気体作動室を形成してなる。複数個の小型通気孔1-4と密封気体作動室とが連通する。密封気体作動室は通気路2-6を介して中圧気体が充填される。軸受け座2と上底座3とが支柱9により球面接触され、軸受1と軸受け座2は上下方向が鉛直方向に対し前後左右に一定角度範囲内で揺動可能となる。
上底座3は下底座4に対し、回動装置10によって鉛直軸周りに周方向に沿って一定の角度範囲内で回転可能である。
回転子の静的バランスを行うべく、回転子を軸受作動面上へ配置し、外部の空気供給装置から通気路2-6を介して密封作動室内へ気体を供給する。気体を軸受作動面上の微型通気孔1-3から吹出させて、作動面と回転子との間に一定の支持性のある気膜を形成させて、回転子を浮上させて、回転子に対して静的バランスを行うように実施する。
【0026】
また、本実施例の密封気体作動室は軸受1、軸受け座2、縦方向押え板6と横方向押え板7から構成される。前記軸受1の両側に第1半分O形環溝1-1が備えられている。前記軸受け座2の両側に第2半分O形環溝2-3が備えられている。横方向押え板7上に欠け口7-2が備えられている。第1半分O形環溝1-1、第2半分O形環溝2-3および欠け口7-2は2個のO形環溝を形成する。各O形環溝内にO形シリカゲル材密封環が備えられている。各O形環溝は縦方向押え板6により押さえられる。縦方向押え板6はボルトにより軸受1と軸受け座2上に接続される。軸受1の前後両側に第1半環形密封溝1-6が備えられている。軸受け座2の前後両側に第2半環形密封溝2-7が備えられている。第1半環形密封溝1-6と第2半環形密封溝は第3半環形密封溝を形成する。第3半環形密封溝内に寸法が合わせする半環形シリカゲル材密封パッドが備えられている。半環形シリカゲル材密封パッドの両端が前記O形シリカゲル材密封環の直下方に配置される。各半環形シリカゲル材密封パッドは横方向押え板7により押えられる。横方向押え板7はボルトにより軸受1と軸受け座2上に接続され、密封気体作動室を形成する。
軸受1に、軸受け座2の第3円柱形面に緊密に貼合される円柱形凸起1-2が備えられている。軸受け座2に軸受1の軸方向位置決め凸起構造2-5が備えられている。軸受1に横方向押え板7の位置決め欠け口1-5が備えられている。横方向押え板7に位置決め凸起7-3が備えられている。位置決め凸起7-3と位置決め欠け口1-5とが嵌合される。
【0027】
本実施例にかかる縦方向押え板5の下面に前記O形環溝に嵌合されるO形環状凸起5-1が備えられている。前記O形環状凸起5-1の高度が前記O形環溝深度より小さい。前記縦方向押え板5における前記半円柱形側の作動面に一定斜度を有するカット口5-2が備えられている。それによって、縦方向押え板5と回転子との衝突による摩耗を防止する。
【0028】
本実施例にかかる支柱9は、上端が球面とされ、その中部に平坦台9-1が備えられる。前記軸受け座2の下底面に前記支柱9の球面に嵌合される半球面2-2が備えられている。前記軸受け座2の底端両側に一定角度を有する揺動限定カット面2-1(軸受け座が揺動すると、揺動限定平面が平坦台9-1に接触することで、軸受け座3の倒れるのを防止する)が備えられている。前記支柱9と前記上底面3とがネジ接続される。
【0029】
本実施例にかかる回動装置10は、複数個の転がり軸受軸10-1と転がり軸受10-2を含む。前記下底座4の両端に複数個の半円柱形凹溝が備えられている。複数個の半円柱形凹溝は円形10-3に沿って周方向配置とされる。前記複数個の転がり軸受軸10-1は転がり軸受10-2によって半円柱形凹溝内に取り付けられている。複数個の転がり軸受10-1の数が半円柱形凹溝の数とが一致する。複数個の転がり軸受軸10-1の組立方式は鉛直嵌入型とする。転がり軸受軸10-1の部分本体構成は下底座4において突出している。前記上底座3の下部に凹面が備えられ、凹面と複数個の転がり軸受の表面とが接触する。上底座3は周方向に配置される転がり軸受によって回動可能である。
【0030】
本実施例において、さらに上底座3の回動中心位置決め軸11を含む。前記上底座3の中心に、回動中心位置決め軸11に遊隙嵌合される円柱孔が備えられている。前記下底座4の中心に、回動中心位置決め軸11にネジ接続されるネジ孔が備えられている。
【0031】
本実施例において、さらに回転子軸方向位置決め手段5を含む。回転子軸方向位置決め手段5は、バッフル5-2、左右一対の案内ロッド5-1と位置決め錐5-3を含む。前記位置決め錐5-3は円柱体と円錐体から構成される。位置決め錐5-3上の円錐体と前記半円柱の作動面が同心状にされる。位置決め錐5-3が前記バッフル5-2上に取り付けられる。一対の両案内ロッド5-1が摺合可能に前記軸受け座2上に取り付けられる。軸受け座2上に案内ロッド5-1を固定するためネジジャッキ2-4が備えられている。
【0032】
本実施例において、さらに全体連結構造8を備える。全体連結構造8は、引張ばね8-3と、掛けフック8-1と、および引きフック8-2とを含む。引張ばね8-3の数は4個とする。前記軸受け座2上に掛けフック8-1が備えられている。前記下底座4上に掛けフック8-2が備えられている。引張ばね8-3の両端がそれぞれ掛けフック8-1と掛けフック8-2上に掛けられている。軸受け座2と下底座4とが一体的に接続されている。
【実施例3】
【0033】
次に、実施例3の構成および動作原理を
図25?34に基づき説明する。
本実施例にかかる回転子の静的バランスに用いられる分割式、かつ揺動角可調整式の静圧気体軸受装置は、他の軸受け座の支承構成も提供する。軸受け座1と、空気軸受カバー2と、上底座3と、支柱4と、下底座5とを含む。軸受け座1に円柱形貫通孔1-1が設けられている。下底面に雌ネジ孔1-2が備えられている。空気軸受カバー2に円柱形貫通孔2-1が設けられている。空気軸受カバー2と上底座1は、ボルトが円柱貫通孔2-1を貫通して雌ネジ孔1-2に接続され、それらの間に密封円環6が設けられている。空気軸受カバー2と軸受け座1とが気体工作気室2-6を形成する。空気軸受支柱内面2-5上に複数個の気孔2-2が備えられている。空気軸受カバーの外面2-4まで貫通する複数個の小気孔2-3がさらに設けられている。複数個の気孔2-2は、複数個の気孔2-3に連通するとともに、気体作動室2-6に連通する。上底座に空気軸受カバーの外面2-4に遊隙嵌合される凹球型面3-1が備えられている。空気軸受カバー2は凹球型面3-1内に配置される。作動状態では、気体作動室2-6内の気体を複数個の通気孔2-2と複数個の小通気孔2-3を通過させてから、空気軸受カバーの外面2-4と凹球型面3-1との間に一定の支持性のある気膜を形成させて、軸受け座1を浮上させる。軸受け座1は自由に揺動可能であり、回転子の静的バランス装置が自動的にセンタリングすることができる。
【0034】
上底座3の両側に円形の凹台3-2が設けられ、支柱4の上端に凸台4-1が設けられている。凹台3-2が凸台4-1上に載置されて、上底座3が支持され得る。
支柱4の下端に雄ネジ4-2が設けられ、下底座5の両側に雌ネジ5-1が設けられている。支柱と下底座はネジによって接続される。支柱4を回動することにより、軸受け座の高度(エレベーション)を調整可能である。
【実施例4】
【0035】
次に、実施例4の構成および動作原理を
図35?49に基づき説明する。
本実施例にかかる回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置は、回転環型部品に対して静的バランスを行うためのものである。前述した技術案の原理は同じであり、空気軸受原理に従うものである。前文に記載されたのは軸に対して静的バランスを行う一方、本案は回転環型部品(中空部品)に対して静的バランスを行う。本案では、例えば歯スリーブや軸スリーブなどに対するものである。
【0036】
本実施例にかかる回転環型部品の静的バランスの空気軸受装置は、軸方向位置決め手段1と、空気軸受構造2と、軸方向密封押え板3と、径方向密封押え板4と、接続支柱5と、および底座6とを含む。空気軸受構造2は、支承回転環型部品を支持するための半円柱形状構成である。空気軸受構造2の一端壁上に通気孔2-5が設けられている。通気孔2-5と空気軸受構造2内の気体作動室2-2とが連通する。空気軸受構造2の気体作動面2-1上における円周方向に沿う両側壁の間の挟み角αは30°~180°とし、即ち空気軸受構造(2)の横断面上における円弧の対応する円心角αは30°~180°とする。空気軸受構造2の曲面側壁上に複数個の気体作動室2-2に連通する貫通孔が設けられている。空気軸受構造2の他端の開口端面は軸方向密封押え板3によって密封接続する。空気軸受構造2の縦方向断面端と径方向密封押え板4とが密封接続される。径方向密封押え板4は接続支柱5により底座6に接続されている。空気軸受構造2の気体作動面2-1の両端にそれぞれ軸方向位置決め手段1が取り付けられている。作動状態では、気体を通気孔2-5を介して空気軸受構造2内の気体作動室2-2中へ到達させて、複数個の貫通孔2-4を介して空気軸受構造2の気体作動面2-1上へ到達させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品の円柱形表面との間に一定の支持性のある気膜を形成して、静的バランス被検測の回転環型部品を浮上させることができる。
【0037】
図35?48に示すように、α角度は30°~150°とする。
図49に示すように、α角度は180°としてもよい。実際に応用すべく、具体的な状況に応じて、α角度は45°~90°としてもよい。
空気軸受構造2は、気体作動面2-1と、気体作動室2-2と、複数個の小円柱貫通孔2-3と、複数個の微型円柱貫通孔2-4と、通気孔2-5と、軸方向位置決め手段6の周方向位置決め凹溝2-6と、軸方向位置決め手段1の軸方向位置決め凹溝2-7と、空気軸受構造1の軸方向密封凹溝2-8と、空気軸受構造1の径方向密封凹溝2-9と、径方向密封押え板4に接続される雌ネジ孔2-10と、軸方向密封押え板3に接続される雌ネジ貫通孔2-11とを備えている。作動状態では、中圧気体を通気孔2-5を介して気体作動室中へ進入させて、複数個の小円柱貫通孔2-3と複数個の微型円柱貫通孔2-4を介して気体作動面2-1上へ到達させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品の円柱形表面との間に一定の支持性を有する気膜を形成させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品を浮上させ得る。
【0038】
軸方向密封押え板3、半円柱形凸起3-1と、気体作動室2-2とが嵌合される。密封凹溝3-2、軸方向位置決め手段6の周方向位置決め凹溝3-3の凹溝位置および幅度と、軸方向位置決め手段1の周方向位置決め凹溝2-61とが一致する。軸方向位置決め手段1の軸方向位置決め凹溝3-4、凹溝3-4内にネジ孔が備えられている。
軸方向位置決め手段1は、軸方向位置決めスラスト板1-1、軸方向位置決め密封押え板1-2、軸方向位置決め手段固定板1-3および軸方向位置決めピン1-4から構成される。軸方向位置決めスラスト板1-1は、気体作動室1-1-1、通気路1-1-2、密封凹溝1-1-3を備えるとされる。密封凹溝中にシリカゲル材あるいはゴム材密封材料が備えられている。気体作動室1-1-1の表面に複数個の小円柱貫通孔1-1-4、複数個の微型円柱貫通孔1-1-5が備えられる。さらに複数個の円柱形ネジ孔1-1-6、スラスト作動面1-1-7、軸方向位置決め凸台1-1-8を備えて凹溝2-7と凹溝3-3に嵌合させるように用いている。軸方向位置決め密封押え板1-2上に円柱形貫通孔1-2-1が設けられ、その数と位置が複数個の円柱形ネジ孔1-1-6に対応して、ボルトにより接続されている。軸方向位置決め固定板1-3と、軸方向位置決め手段1の軸方向位置決め凹溝2-7とが嵌合される。軸方向位置決め固定板1-3に位置決め凹溝中の円柱形ネジ孔2-7-1にネジ接続される柱形貫通孔1-3-2が備えられている。軸方向位置決め固定板1-3にさらに軸方向位置決めピン1-4にネジ接続される円柱形雌ネジ孔1-3-2が備えられている。作動状態では、中圧気体を通気路1-1-2を介して気体作動室1-1-1中へ進入させて、且つ複数個の小円柱貫通孔1-1-4と複数個の微型円柱貫通孔1-1-5を介してスラスト作動面1-1-7上へ進入させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品とともに軸方向の端面に沿って一定スラスト力のある気膜を形成することによって軸方向位置決めといった機能を発揮することができる。
【0039】
径方向密封押え板4、円柱形貫通孔4-1と、雌ネジ孔2-10とがネジ接続される。両円柱形支承構成4-2は雌ネジによって接続支柱5にネジ接続されている。
接続支柱5は両ネジ型の雄ネジとする。底座6は2個の雌ネジ貫通孔6-1を介して接続支柱5によって径方向密封押え板4に接続される。複数個の腰型貫通孔6-2を備えて工作台へ固定するように用いる。
【0040】
次に、実施例4の動作原理について説明する。
底座5を工作台上へ固定する。そして軸方向位置決め手段1を取り外す。静的バランス被検査対象の回転環型部品を空気軸受構造2上へ配置する。そして軸方向位置決め手段1を取り付ける。中圧気体を導入させて、静的バランス被検査対象の回転環型部品の円柱形表面と空気軸受構造2の気体作動面2-1との間に一定の支持性のある気膜を形成してなる。これによって静的バランス被検査対象の回転環型部品を浮上させて静的バランスを行う。それとともに静的バランス被検査対象の回転環型部品が軸方向の両端面に沿って軸方向位置決め手段1との間に一定スラスト力のある気膜を形成する。これによって、静的バランス被検査対象の回転環型部品の軸方向からの脱落を防止する。静的バランス被検測の回転環型部品と静的バランス装置とが直接に接触しないようにしているため、摩擦力が小さくて、検査精度が高くなる。
【0041】
図50は、実施例1~実施例3による回転子の静的バランス検査法を示す。
図50を参考にすると、2個の静的バランス装置を工作台上へ取り付け、高度を調整して、2個の静的バランス装置を一水平線上に位置させて、静的バランス被検査対象の回転子を2個の静的バランス装置上へ配置する。ここで、回転子の直径が静的バランス装置の軸径より略小径である。軸方向位置決め手段を調整して、軸方向位置決め手段の錐先を回転子の中心に接触させるようにさせる。中圧気体を送入して、回転子を浮上させるまで待機する。そして、複数回、回転子を回動させるとともにウェイトを添加することによって、回転子の静的バランス検査を完了する。
【0042】
図51は、実施例4による回転環型部品の静的バランス検査法を示す。
図51を参考にすると、回転環型部品の静的バランス装置を工作台上へ取り付け、高度を調整して、静的バランス被検査対象の回転環型部品を回転環型部品の静的バランス装置上へ配置する。ここで、回転環型部品の内環曲率と、回転環型部品の静的バランス装置の空気軸受構造曲率とが相同である。軸方向位置決め手段を調整して、軸方向位置決め手段の作動面と回転環型部品の両端面との間に小さい隙間を残させる。中圧気体を送入して、回転環型部品を浮上させるまで待機する。複数回、回転環型部品を回動させるとともにウェイトを添加することによって、回転環型部品の静的バランス検査を完了する。