(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】再投入支援装置
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240112BHJP
H05K 13/00 20060101ALI20240112BHJP
H05K 13/08 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
H05K13/00 Z
H05K13/08 Z
(21)【出願番号】P 2019105792
(22)【出願日】2019-06-06
【審査請求日】2022-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】木納 俊之
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-174193(JP,A)
【文献】特開2009-021467(JP,A)
【文献】特開2017-139363(JP,A)
【文献】特開2018-194993(JP,A)
【文献】特開平01-159143(JP,A)
【文献】特開平09-083200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
H05K 13/00
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ラインの途中から抜取ったワークを生産ラインに再投入する作業を支援する再投入支援装置であって、
再投入予定のワークのワーク識別情報と前記生産ラインにおける再投入場所を特定可能な再投入場所情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段による前記ワーク識別情報と前記再投入場所情報の取得を条件に、前記再投入場所情報で特定された再投入場所からのワークの再投入を可能な状態にする再投入処理部と、を備え、
前記再投入場所には、開閉カバーが設けられており、
前記再投入処理部は、前記開閉カバーをアンロック状態とすることで、前記再投入場所からの前記ワークの再投入を可能な状態と
し、
前記再投入処理部は、ワーク識別情報よりそのワーク識別情報で特定されたワークが生産ラインに再投入可能かどうかを判断する再投入可否判断部を有し、
前記再投入可否判断部は、前記再投入予定のワークに生産ラインに現在適用されている生産プログラムが適合するかどうかで判断する、再投入支援装置。
【請求項2】
前記再投入可否判断部は、生産ラインから抜取られてからの経過時間または返却期限を超過しているかどうかで判断する、請求項
1記載の再投入支援装置。
【請求項3】
前記再投入可否判断部は、少なくとも抜取られた時刻、場所、生産ラインで実施された作業の情報のいずれかを含む抜取りワーク情報に基づいて判断する、請求項
1または2に記載の再投入支援装置。
【請求項4】
前記再投入処理部は、ワーク識別情報よりそのワーク識別情報のワークの再投入場所を通知する、請求項1記載の再投入支援装置。
【請求項5】
前記再投入処理部は、再投入可能な場所が複数存在する場合は複数の再投入場所を通知する、請求項
4記載の再投入支援装置。
【請求項6】
前記再投入処理部は、少なくとも抜取られた場所、抜取られた後にそのワークに実施された作業の情報、再装着が必要な部品の情報のいずれかを含む抜取りワーク情報に基づいてワークの再投入場所を通知する、請求項
4または
5記載の再投入支援装置。
【請求項7】
前記再投入処理部は、前記再投入場所に対してワークの再投入を受け入れる準備を指示し、再投入の準備が完了したらその旨を通知させる、請求項1記載の再投入支援装置。
【請求項8】
前記再投入処理部は、少なくとも前記再投入場所からワークが搬出され、前記再投入場所へのワークの搬入を禁止する状態になったら再投入の準備が完了したものと判断する、請求項
7記載の再投入支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産ラインの途中から抜取ったワークを生産ラインに再投入する作業を支援する再投入支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置や部品搭載装置などの複数の生産装置を連結して構成された生産ラインである部品実装ラインでは、上流側から搬入されたワークである基板を下流側に順次搬送しながら半田印刷や部品搭載などの作業工程を実行して、基板に部品を実装した実装基板が生産される。部品実装ラインには検査装置が組み込まれており、各作業工程後の基板を対象として、所定の検査項目について作業結果の良否判定が行われる(例えば特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の部品実装ラインでは、検査装置で基板の修正が必要と判定されると、その検査装置の下流側に組み込まれた基板受渡装置からその基板を抜取り、必要な修正作業が行われた後にその基板をその検査装置の上流側に組み込まれた基板受渡装置に再投入するオフライン修正処理が実行される。オフライン修正処理では、基板の修正が必要と判定されるとその基板を抜取る基板受渡装置とその基板を再投入する基板受渡装置が特定される。そして、特定された基板受渡装置のみ扉部材のロック機構が解除されて基板の取り出し、再投入が可能な状態となる。これにより、誤って異なる基板を抜取ったり、誤って異なる基板受渡装置に基板を再投入したりすることが防止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、検査装置で確認が必要と判定されて部品実装ラインから抜取られた基板は、基板の修正作業の内容や抜取られてからの経過時間などの様々な状況の変化に応じて、再投入する場所を変えたり、再投入を中止したりする必要がある。しかしながら、特許文献1を含む従来技術では、部品実装ラインから抜取った基板は所定の処理を行って部品実装ラインに再投入する前提で誤操作の防止対策を実行しているため、抜取り後の様々な状況に応じて適切に誤操作を防止するためにはさらなる改善の余地があった。
【0006】
そこで本発明は、生産ラインの途中から抜取ったワークを適切に生産ラインに再投入できるように支援する再投入支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の再投入支援装置は、生産ラインの途中から抜取ったワークを生産ラインに再投入する作業を支援する再投入支援装置であって、再投入予定のワークのワーク識別情報と前記生産ラインにおける再投入場所を特定可能な再投入場所情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段による前記ワーク識別情報と前記再投入場所情報の取得を条件に、前記再投入場所情報で特定された再投入場所からのワークの再投入を可能な状態にする再投入処理部と、を備え、前記再投入場所には、開閉カバーが設けられており、前記再投入処理部は、前記開閉カバーをアンロック状態とすることで、前記再投入場所からの前記ワークの再投入を可能な状態とし、前記再投入処理部は、ワーク識別情報よりそのワーク識別情報で特定されたワークが生産ラインに再投入可能かどうかを判断する再投入可否判断部を有し、前記再投入可否判断部は、前記再投入予定のワークに生産ラインに現在適用されている生産プログラムが適合するかどうかで判断する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生産ラインの途中から抜取ったワークを適切に生産ラインに再投入で
きるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施の形態の部品実装ラインの構成説明図
【
図2】本発明の一実施の形態の部品実装ラインが備える検査装置とコンベアの構成説明図
【
図3】本発明の一実施の形態の部品実装ラインが備える検査装置とコンベアの構成説明図
【
図4】本発明の一実施の形態の部品実装ラインの情報処理系の構成を示すブロック図
【
図5】本発明の一実施の形態の基板抜取り装置の動作を説明するフロー図
【
図6】本発明の一実施の形態の基板抜取り処理のフロー図
【
図7】本発明の一実施の形態の基板抜取り処理のフロー図
【
図8】本発明の一実施の形態の基板抜取り処理で表示される(a)要確認基板発生通知画面の例を示す図(b)基板ID読み取り要求画面の例を示す図
【
図9】本発明の一実施の形態の基板抜取り処理で表示される(a)運転再開確認画面の例を示す図(b)再投入不可警告画面の例を示す図
【
図10】本発明の一実施の形態の基板抜取り処理で表示される(a)基板無し警告画面の例を示す図(b)不明基板有り警告画面の例を示す図
【
図11】本発明の一実施の形態の基板再投入処理のフロー図
【
図12】本発明の一実施の形態の基板再投入処理のフロー図
【
図13】本発明の一実施の形態の基板再投入処理で表示される(a)基板ID読み取り要求画面の例を示す図(b)再投入不可警告画面の例を示す図
【
図14】本発明の一実施の形態の基板再投入処理で表示される(a)再投入場所の選択要求画面の例を示す図(b)不適切警告画面の例を示す図
【
図15】本発明の一実施の形態の基板再投入処理で表示される(a)基板再投入許可通知画面の例を示す図(b)基板再投入要求画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。まず
図1を参照して、部品実装ライン1の構成について説明する。部品実装ライン1は、基板(ワーク)に部品を実装して実装基板を生産する機能を有する生産ラインである。部品実装ライン1には、基板搬送方向の上流側(紙面左側)から下流側(紙面右側)に向けて、ローダM1、第1コンベアM2、印刷装置M3、印刷検査装置M4、第2コンベアM5、部品搭載装置M6~M8、第3コンベアM9、搭載検査装置M10、第4コンベアM11、リフロー装置M12、第5コンベアM13、リフロー後検査装置M14、第6コンベアM15、アンローダM16などの生産装置が直列に連結されている。
【0011】
各生産装置は、有線または無線の通信ネットワーク2を介して情報処理装置3に接続されている。コンピュータである情報処理装置3には、各生産装置から作業されている基板と作業位置を特定する情報、基板に実施された作業の情報などが送信される。また、情報処理装置3には、部品実装ライン1に現在適用されている生産プログラムの情報などが記憶されている。
【0012】
図1において、ローダM1は、下流側の生産装置に基板B(
図3参照)を供給する。印刷装置M3は、基板Bに部品接合用の半田をスクリーン印刷する半田印刷作業を実行する。印刷検査装置M4は、基板Bに印刷された半田の状態を検査する印刷検査作業を実行する。部品搭載装置M6~M8は、半田が印刷された基板Bに部品を搭載する部品搭載作業を実行する。
【0013】
搭載検査装置M10は、基板Bに搭載された部品の状態を検査する搭載検査作業を実行する。リフロー装置M12は、基板Bを加熱して半田を融解させた後に硬化させ、基板Bの電極と部品の端子とを半田接合するリフロー作業を実行する。リフロー後検査装置M14は、リフロー後の基板Bにおける部品の状態を検査するリフロー後検査作業を実行する。アンローダM16は、上流側から搬送された基板Bを回収する。
【0014】
図1において、第1コンベアM2、第2コンベアM5、第3コンベアM9、第4コンベアM11、第5コンベアM13、第6コンベアM15は、上流側の生産装置から搬出された基板Bを下流側の生産装置に搬送する搬送コンベアを備えている。これらのコンベアの全部もしくは一部は搬送コンベア上の基板Bの抜取りや搬送コンベアへの基板Bの再投入が可能な構造になっている。さらに基板Bの抜取りや再投入可能なコンベアは、後述する基板抜取り処理、抜取った基板Bを部品実装ライン1に再投入する基板再投入処理に対応した機能を備えている。
【0015】
また、第1コンベアM2は、搬送コンベアによって搬送されてきた基板Bに付されたバーコードや2次元コードなどの基板ラベルLb(
図3参照)を読み取って基板Bを特定する基板ID(ワーク識別情報)を読み取る内蔵リーダ(図示省略)を備えている。第1コンベアM2は、ローダM1から供給された基板Bの基板ラベルLbから基板IDを読み取って、情報処理装置3に送信する。
【0016】
部品実装ライン1では、基板Bに付された基板ラベルLbや生産装置に付されたバーコードや2次元コードなどの装置ラベルLm(
図2参照)を読み取るリーダ4が使用される。リーダ4が備える読み取り部4aは、基板ラベルLbを読み取って基板IDを認識し、装置ラベルLmを読み取って生産装置を特定する装置IDを認識する。認識された基板ID、装置IDは、生産装置または情報処理装置3に無線で送信される。また、リーダ4は、生産装置または情報処理装置3から送信される各種情報を無線で受信して、表示画面4bに表示する。リーダ4は、作業者が携帯する他、生産装置の近くに複数配備されている(
図2参照)。
【0017】
次に
図2、
図3を参照して、印刷検査装置M4、搭載検査装置M10、リフロー後検査装置M14などの検査装置の構成について説明する。印刷検査装置M4、搭載検査装置M10、リフロー後検査装置M14は、検査対象が半田印刷後の基板B、部品搭載後の基板B、リフロー後の基板Bであり、検査目的に特化したカメラ、センサ、照明等を備えた固有の検査ヘッド11を備えている。なお各検査装置において、開閉カバー6や搬送コンベア9など基板Bの搬送や再投入に関係する部分は同様の構成である。以下、搭載検査装置M10を例に説明する。搭載検査装置M10において、作業者が作業を行う前面には、装置ラベルLmが付されている。また、搭載検査装置M10の前面には、搭載検査装置M10による検査結果など各種情報を表示する表示部5が配置されている。
【0018】
図3において、搭載検査装置M10は、前面に開閉カバー6を備えており、内部に開閉カバーロック部7、開閉カバー検出部8を備えている。開閉カバー6が閉じられた状態で開閉カバーロック部7がロック状態になると、開閉カバー6が開閉できないようにロックされる。また、開閉カバーロック部7がアンロック状態になると、作業者は開閉カバー6を自在に開閉することができる。開閉カバー検出部8はマイクロスイッチなどのセンサであり、開閉カバー6が閉じられた状態か、開いている状態かを検出する。
【0019】
搭載検査装置M10の内部には、一対の搬送コンベア9が配置されている。搬送コンベア9は、上流側の第3コンベアM9から搬出された基板Bを受け取り、検査作業位置P1まで搬送し、検査後の基板Bを下流側の第4コンベアM11に搬出する。搬送コンベア9には、検査作業位置P1まで搬送された基板Bを検出する光センサなどの基板検出部10
が配置されている。搬送コンベア9が基板Bを検査作業位置P1に停止させる際は、搬送されている基板Bを基板検出部10が検出すると基板Bの搬送が停止される。作業者は、開閉カバー6を開けて、基板Bを検査作業位置P1に再投入することができる。すなわち、搭載検査装置M10における検査作業位置P1は、基板Bの再投入が可能な作業位置である。
【0020】
図3において、搭載検査装置M10の内部には、検査ヘッド11が設置されている。検査ヘッド11は、基板Bに搭載された部品の状態を検査するカメラ、3Dセンサの他、撮像用の照明などを備えている。搭載検査装置M10は、検査ヘッド11による検査結果に基づいて、部品の有無、部品の搭載状態を判断する。
【0021】
次に
図2、
図3を参照して、基板Bの抜取り処理に対応した第2コンベアM5、第4コンベアM11、第6コンベアM15の構成について説明する。なお、第2コンベアM5、第4コンベアM11、第6コンベアM15は同様の構成である。以下、搭載検査装置M10の下流に位置する第4コンベアM11を例に説明する。第4コンベアM11において、作業者が作業を行う前面には、装置ラベルLmが付されている。また、第4コンベアM11の前面には、第4コンベアM11における基板抜取り処理、基板再投入処理の指示など各種情報を表示する表示部12が配置されている。
【0022】
図3において、第4コンベアM11は、上面に開閉カバー13を、内部に開閉カバーロック部14、開閉カバー検出部15を備えている。開閉カバー13、開閉カバーロック部14、開閉カバー検出部15の機能は、搭載検査装置M10が備える開閉カバー6、開閉カバーロック部7、開閉カバー検出部8と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0023】
第4コンベアM11の内部には、一対の搬送コンベア16が配置されている。搬送コンベア16は、上流側の搭載検査装置M10から搬出された基板Bを受け取り、抜取り作業位置P2まで搬送し、抜取り作業位置P2にある基板Bを下流側のリフロー装置M12に搬出する。搬送コンベア16には、抜取り作業位置P2まで搬送された基板Bを検出する光センサなどの基板検出部17が配置されている。
【0024】
搬送コンベア16が基板Bを抜取り作業位置P2に停止させる際は、搬送されている基板Bを基板検出部17が検出すると基板Bの搬送が停止される。搬送コンベア16は、基板抜取り処理、基板再投入処理を行わない場合は、搭載検査装置M10から受け取った基板Bを抜取り作業位置P2に停止させることなくリフロー装置M12に搬出する。
【0025】
図1において、印刷装置M3、部品搭載装置M6~M8は、作業位置を有する搬送コンベア、開閉カバーと開閉カバーロック部を備えており、基板Bの再投入が可能である。すなわち、部品実装ライン1を構成する第1コンベアM2、印刷装置M3、印刷検査装置M4、第2コンベアM5、部品搭載装置M6~M8、第3コンベアM9、搭載検査装置M10、第4コンベアM11、第5コンベアM13、リフロー後検査装置M14、第6コンベアM15は、部品実装ライン1(生産ライン)に基板Bを再投入可能な再投入場所である。
【0026】
次に
図4を参照して、部品実装ライン1の情報処理系の構成について説明する。ここでは、部品実装ライン1の基板抜取り処理、基板再投入処理に関係する構成について説明する。情報処理装置3には、抜取り基板情報20、基板ロケーション情報21が記憶されている。抜取り基板情報20(抜取りワーク情報)には、部品実装ライン1(生産ライン)の途中から抜取られた基板B(ワーク)の基板ID(ワーク識別情報)、抜取られた時刻、抜取られた場所(抜取り場所)、部品実装ライン1で実施された作業の情報、抜取られた時に部品実装ライン1で適用されていた生産プログラムの情報などが含まれている。こ
れらの情報を含んだ抜取り基板情報は後述する基板抜取り処理によって自動的に作成される。
【0027】
また、抜取られた基板Bに対してリペア作業が行われた場合、抜取られた後にその基板B(ワーク)に実施された作業の情報を抜取り基板情報20に追加することができる。また、目視検査やリペア作業の結果、人手ではなくて部品搭載装置M6~M8での再装着が必要と判断された場合は、再装着が必要な部品の情報も抜取り基板情報20に追加することができる。これらの情報の追加は、リペア作業を行った作業者がキーボードや情報端末等の入力装置(図示省略)より行う。情報処理装置3は、生産装置からの問い合わせに応じて、抜取り基板情報20に含まれる該当情報を返信する。
【0028】
図4において、基板ロケーション情報21には、部品実装ライン1(生産ライン)における各基板Bの所在が基板IDに関連付けられて記憶されている。具体的には、第1コンベアM2の内蔵リーダでローダM1から供給された基板Bの基板IDが読み取られると、その情報が基板ロケーション情報21に記録される。その後、各生産装置から基板Bが下流側の生産装置に搬送される際に基板ロケーション情報21が新しい情報に更新される。すなわち、基板Bの所在が新しい情報に更新される。また、基板抜取り処理によって抜取られた基板Bの情報は、基板ロケーション情報21から削除される。また、基板再投入処理によって基板Bが再投入されると、再投入された基板Bの情報が基板ロケーション情報21に追加、更新される。
【0029】
図4において、第4コンベアM11は、ネットワーク通信部30、搬送処理部31、抜取り処理部32、再投入処理部33、無線通信部35を備えている。ネットワーク通信部30は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して情報処理装置3、他の生産装置との間でデータの送受信を行う。無線通信部35は無線通信装置であり、無線によってリーダ4との間でデータの送受信を行う。なお、リーダ4は、第4コンベアM11と有線で接続されていてもよい。また、リーダ4は、第4コンベアM11と情報処理装置3が備える無線通信装置と通信ネットワーク2とを介してデータの送受信を行ってもよい。
【0030】
図4において、搬送処理部31は、上流側の搭載検査装置M10による基板Bの検査結果、基板検出部17による基板Bの検出結果、抜取り処理部32からの指令、再投入処理部33からの指令に基づいて、搬送コンベア16を制御して基板Bを搬送させる。具体的には、搭載検査装置M10による検査結果が良好である基板Bの場合、搬送処理部31は、受け取った基板Bを抜取り作業位置P2に停止させること無くリフロー装置M12に搬出させる。
【0031】
搭載検査装置M10による検査結果が不良であり、抜取り処理部32から抜取り指令がなされた基板Bの場合、搬送処理部31は、受け取った基板Bを抜取り作業位置P2に停止させる。抜取り作業位置P2に停止させると、抜取り処理部32に基板停止完了信号を出力する。また、再投入処理部33から再投入準備指令を受けた場合、搬送処理部31は、抜取り作業位置P2に有る基板Bを下流側に搬送させて抜取り作業位置P2を空けた後、再投入処理部33に基板搬出完了信号を出力する。また、搬送処理部31は、第4コンベアM11にある基板Bをリフロー装置M12に搬出させると、情報処理装置3にその旨を送信する。
【0032】
図4において、抜取り処理部32は、上流側の検査装置(搭載検査装置M10)による検査結果に基づいて、目視検査やリペアが必要かどうかを判断するために抜取りが必要と判断された基板B(以下、「要確認基板」と称する。)を、作業者が第4コンベアM11から抜取るための抜取り処理を実行させる。また、抜取り処理部32は、第4コンベアM
11から要確認基板が抜取られた後、第4コンベアM11の運転を再開させる抜取り後運転再開処理を実行させる。
【0033】
抜取り処理において抜取り処理部32は、要確認基板が上流側から搬送コンベア16に受け渡されると、上流側の装置(ここでは、搭載検査装置M10)に基板Bの搬出禁止指令を送信し、要確認基板を抜取り作業位置P2に停止させる。また、抜取り処理部32は、要確認基板が発生した旨を表示部12に表示させる(
図8(a)参照)。
【0034】
なお、抜取り処理部32は、無線通信部35を介して作業者が携帯するリーダ4の表示画面4bに要確認基板が発生した旨を表示させてもよい。この場合、抜取り処理部32は、要確認基板を抜取らせる場所(ここでは、第4コンベアM11)も合わせて表示画面4bに表示させる。以下、抜取り処理部32が表示部12に各種情報を表示させる例で説明する。
【0035】
要確認基板が抜取り作業位置P2に停止すると、抜取り処理部32は、開閉カバーロック部14をアンロック状態とし(安全装置を解除)、要確認基板の抜取り準備が整った旨を表示部12に表示させる(
図8(b)参照)。
【0036】
運転再開処理において抜取り処理部32は、抜取られた要確認基板を第4コンベアM11に戻すか否かを入力するための画面を表示部12に表示させる(
図9(a)参照)。要確認基板を戻さない場合、抜取り処理部32は、開閉カバー13が閉じられると、抜取り作業位置P2に基板Bが有るか否かを判断する。抜取り作業位置P2に基板Bが有る場合、抜取り処理部32は、不明な基板Bが有る旨の警告を表示部12に表示させる(
図10(b)参照)。抜取り作業位置P2に基板Bが無い場合、抜取り処理部32は、開閉カバーロック部14をロック状態とし(安全装置を有効化)、上流側の装置に基板Bの搬出開始指令を送信して運転を再開させる。
【0037】
要確認基板を戻す場合、リーダ4の読み取り部4aによって読み取られた基板IDを受信すると、抜取り処理部32は、リーダ4から送信された基板IDが抜取られた要確認基板の基板IDと一致するか否かを判断する。基板IDが一致しない場合、抜取り処理部32は、再投入できない旨の警告を表示部12に表示させる(
図9(b)参照)。
【0038】
基板IDが一致した場合、開閉カバー13が閉じられると、抜取り処理部32は、抜取り作業位置P2に基板Bが有るか否かを判断する。抜取り作業位置P2に基板Bが無い場合、抜取り処理部32は、要確認基板が抜取り作業位置P2に戻されていない旨の警告を表示部12に表示させる(
図10(a)参照)。抜取り作業位置P2に基板Bが有る場合、抜取り処理部32は、開閉カバーロック部14をロック状態とし、上流側の装置に基板Bの搬出開始指令を送信して運転を再開させる。このように、第4コンベアM11(生産装置)とリーダ4は、生産ラインの途中から要確認基板(ワーク)を抜取る基板抜取り装置40を構成する。
【0039】
図4において、再投入処理部33は、生産ライン(部品実装ライン1)の途中から抜取った要確認基板(ワーク)を生産ラインに再投入するための再投入処理を実行させる。また、再投入処理部33は、内部処理部として再投入可否判断部34を備えている。以下、再投入される要確認基板を「再投入基板」と称する。再投入処理において再投入処理部33は、無線通信部35を介してリーダ4の表示画面4bに再投入基板の基板ID(ワーク識別情報)を読み取る旨を表示させる(
図13(a)参照)。
【0040】
リーダ4の読み取り部4aによって読み取られた基板IDを受信すると、再投入可否判断部34は、抜取り基板情報20(抜取りワーク情報)に基づいて、その再投入基板が生
産ラインに再投入可能か否かを判断する。すなわち、再投入可否判断部34は、基板ID(ワーク識別情報)よりその基板IDが付された再投入基板(ワーク)が生産ラインに再投入可能かどうかを判断する。
【0041】
具体的には、再投入可否判断部34は、抜取り基板情報20に含まれる再投入基板が抜取られた時刻に基づいて、再投入基板が生産ラインから抜取られてから経過した時間(経過時間)が所定の時間を超過していない場合、または返却期限を超過していない場合は、再投入可能と判断する。所定の経過時間、返却期限は、印刷装置M3において基板Bに半田がスクリーン印刷されてから部品の搭載を終えるまでの許容時間などに基づいて設定される。これによって、半田が乾燥して実装不良となる可能性が有る再投入基板の生産ラインへの再投入を防止することができる。
【0042】
また、再投入可否判断部34は、抜取り基板情報20に含まれる再投入基板が抜取られた時の生産プログラムに基づいて、生産ラインに現在適用されている生産プログラムがその再投入基板に適合する場合は、再投入可能と判断する。例えば、再投入基板が抜取られた後に生産ラインで生産する実装基板の種類を変更する段取り替えが行われた場合は、生産プログラムが変更されることがある。生産プログラムが変更されている場合、再投入可否判断部34は、再投入不可能と判断する。これによって、再投入された再投入基板に作業できずに生産ラインが停止したり、再投入基板に異なる部品を搭載したりすることを防止することができる。
【0043】
再投入可否判断部34によって再投入不可と判断されると、再投入処理部33は、リーダ4の表示画面4bに基板IDが読み取られた再投入基板は再投入不可である旨の警告をリーダ4の表示画面4bに表示させる(
図13(b)参照)。再投入可否判断部34によって再投入可能と判断されると、再投入処理部33は、抜取り基板情報20に基づいて、再投入基板の再投入場所(再投入する生産装置)をリーダ4の表示画面4bに表示させる(
図14(a)参照)。すなわち、再投入処理部33は、基板ID(ワーク識別情報)よりその基板IDが付された再投入基板(ワーク)の再投入場所を通知する。
【0044】
再投入処理部33は、抜取り基板情報20に含まれる再投入基板が抜取られた場所(生産装置)、抜取られた後にその再投入基板(ワーク)に実施された作業の情報、再装着が必要な部品の情報などに基づいて、再投入場所(生産装置)を決定する。また、再投入処理部33は、再投入可能な場所が複数存在する場合は、複数の再投入場所を通知する。なお、再投入処理部33は、リーダ4に再投入場所を表示させることに加えて、再投入場所である生産装置に再投入場所報知指令を送信し、その生産装置の表示部(例えば、第4コンベアM11の表示部12)や表示灯(図示省略)を点滅させてその生産装置が再投入場所であることを報知させてもよい。
【0045】
再投入処理部33は、再投入場所を通知した後、リーダ4の読み取り部4aによって読み取られた装置ID(再投入場所情報)を受信すると、受信した装置IDが通知した再投入場所の装置IDと一致するか否かを判断する。装置IDが一致しない場合、再投入処理部33は、再投入場所が不適切である旨の警告をリーダ4の表示画面4bに表示させる(
図14(b)参照)。装置IDが再投入場所のいずれかと一致する場合、再投入処理部33は、一致した再投入場所である生産装置に再投入準備指令を送信する。
【0046】
ここで、第4コンベアM11を例に、再投入準備指令を受信した生産装置が実行する再投入受け入れ処理について説明する。再投入準備指令を受信すると、第4コンベアM11は、上流側の装置(ここでは、搭載検査装置M10)に基板Bの搬出禁止指令を送信する。第4コンベアM11は、装置内の基板Bを下流側に搬出させて抜取り作業位置P2に再投入基板を受け入れ可能になると、開閉カバーロック部14をアンロック状態とする。こ
れにより再投入受け入れ処理が完了し、第4コンベアM11は、再投入準備指令を送信した再投入処理部33に再投入準備完了報告を送信する。
【0047】
再投入準備完了報告を受信すると、再投入処理部33は、再投入の準備が完了した旨をリーダ4の読み取り部4aに表示させる(
図15(a)参照)。なお、再投入処理部33は、再投入の準備が完了した旨を再投入場所の表示部に表示させてもよい。このように、再投入処理部33は、再投入場所(生産装置)に対して再投入基板(ワーク)の再投入を受け入れる準備を指示し、再投入の準備が完了したらその旨を通知する。また、再投入処理部33は、再投入場所において再投入場所から基板B(ワーク)が搬出され、再投入場所への基板Bの搬入を禁止する状態になったら再投入の準備が完了したものと判断する。
【0048】
再投入場所である生産装置、例えば第4コンベアM11では、再投入の準備が完了した後に、作業者によって再投入場所の開閉カバー13が開けられ、その後、開閉カバー13が閉じられると、再投入後運転再開処理が実行される。再投入後運転再開処理では、まず、抜取り作業位置P2に再投入基板が有るか否かが判断される。抜取り作業位置P2に再投入基板が無い場合、再投入基板が抜取り作業位置P2に再投入されていない旨の警告が表示部12に表示される(
図15(b)参照)。抜取り作業位置P2に基板Bが有る場合、第4コンベアM11は開閉カバーロック部14をロック状態にして、上流側の装置に基板Bの搬出開始指令を送信して運転が再開される。
【0049】
このように、リーダ4は、要確認基板および再投入予定のワーク(再投入基板)に付されたワーク識別情報(基板ID)と生産ライン(部品実装ライン1)における再投入場所(生産装置)に付された再投入場所情報(装置ID)を取得する情報取得手段である。情報取得手段と抜取り処理部32は、生産ラインの途中から要確認基板(ワーク)を抜取る作業を支援する抜取り支援装置を構成する。また、再投入処理部33は、情報取得手段によるワーク識別情報と再投入場所情報の取得を条件に、再投入場所情報で特定された再投入場所からのワークの再投入を可能な状態にする。
【0050】
このように、情報取得手段であるリーダ4と第4コンベアM11は、生産ラインの途中から抜取ったワークを生産ラインに再投入する作業を支援する再投入支援装置を構成する。また、第4コンベアM11と同じ構成・機能を有する第2コンベアM5、第6コンベアM15とこれに付属するリーダ4も再投入支援装置を構成する。なお情報取得手段(リーダ4)は、再投入支援装置毎に設けてもよいが、複数の再投入支援装置で共用あるいは他の装置と共用とすることもできる。
【0051】
次に
図5のフローに沿って、基板抜取り装置40(抜取り支援装置)における基板抜取り動作について説明する。基板抜取り動作において、基板抜取り装置40の搬送処理部31は、上流側から受け取った基板Bを抜取り作業位置P2まで搬送させる(ST2が到着となるまでST1を実行)。抜取り作業位置P2に到着した基板Bが検査装置での検査結果が不良である要確認基板の場合(ST3が要確認)、抜取り処理部32は基板抜取り処理(ST4)を実行する。
【0052】
抜取り作業位置P2に到着した基板Bが検査装置での検査結果が良品で抜取りが不要な場合(ST3が不要)、搬送処理部31は基板Bを抜取り作業位置P2に停止させずに下流側に搬出させる。基板抜取り装置40から基板Bが搬出された後、実装基板の生産が終了していない場合は(ST5がNo)、(ST1)に戻って次の基板Bの搬送が実行される。
【0053】
次に
図6~7のフローに沿って、
図8~10を参照しながら、基板抜取り装置40における基板抜取り処理(ST4)の詳細について説明する。
図6において、要確認基板が抜
取り作業位置P2に到達して基板搬送が停止すると(ST11)、抜取り処理部32は、要確認基板発生通知画面50(
図8(a))を基板抜取り装置40の表示部、または、作業者が携帯するリーダ4の表示画面4b(以下、両方を含めて「表示装置」と称する。)に表示させる(ST12)。要確認基板発生通知画面50において「OK」ボタン50aが操作されると(ST13で応答有り)、抜取り処理部32は、基板抜取り装置40の安全装置を解除させる(ST14)。これによって、基板抜取り装置40の開閉カバー13が開閉可能となる。
【0054】
次いで抜取り処理部32は、基板ID読み取り要求画面51(
図8(b))を表示装置に表示させる(ST15)。作業者が開閉カバー13を開けて要確認基板を取り出してリーダ4で基板IDを取得すると(ST16で基板ID取得)、情報処理装置3において抜取られた要確認基板に関する抜取り基板情報20が作成される(ST17)。
【0055】
図7において、次いで抜取り処理部32は、運転再開確認画面52(
図9(a))を表示装置に表示させる(ST18)。運転再開確認画面52において「基板を戻す」ボタン52aが操作され(ST19で基板を戻す)、基板IDが取得されると(ST20で基板ID取得)、抜取り処理部32は、取得された基板IDに基づいて再投入可能な基板Bであるか否かを判断する(ST21)。
【0056】
取得された基板IDが抜取られた要確認基板と一致せずに再投入不可能と判断すると(ST21で不可能)、抜取り処理部32は、抜取り再投入不可警告画面53(
図9(b))を表示装置に表示させる(ST22)。抜取り再投入不可警告画面53において「やり直す」ボタン53bが操作されると(ST23でやり直し)、(ST18)に戻って表示装置に運転再開確認画面52が表示される。
【0057】
取得された基板IDが抜取られた要確認基板と一致して再投入可能と判断され(ST21で可能)、または、抜取り再投入不可警告画面53において「続行」ボタン53aが操作され(ST23で続行可能)、次いで開閉カバー13が閉じされると(ST24でカバー閉)、抜取り処理部32は、抜取り作業位置P2に基板Bが有るか否かを判断する(ST25)。抜取り作業位置P2に基板Bが戻されていない場合(ST25で基板無し)、抜取り処理部32は、基板無し警告画面54(
図10(a))を表示装置に表示させる(ST26)。基板無し警告画面54において「やり直す」ボタン54bが操作されると(ST27でやり直し)、(ST18)に戻って表示装置に運転再開確認画面52が表示される。
【0058】
図7において、運転再開確認画面52において「基板を戻さない」ボタン52bが操作され(ST19で基板を戻さない)、開閉カバー13が閉じされると(ST28でカバー閉)、抜取り処理部32は、抜取り作業位置P2に基板Bが有るか否かを判断する(ST29)。抜取り作業位置P2に無いはずの基板Bが有る場合(ST29で基板有り)、抜取り処理部32は、不明基板有り警告画面55(
図10(b))を表示装置に表示させる(ST30)。抜取り作業位置P2から基板Bが取り除かれ、不明基板有り警告画面55において「再開」ボタン55aが操作されると、(ST18)に戻って表示装置に運転再開確認画面52が表示される。
【0059】
基板を戻す場合(ST19で戻す)で抜取り作業位置P2に要確認基板が戻された場合(ST25で基板有り)、基板無し警告画面54において「続行」ボタン54aが操作された場合(ST27で続行)、基板を戻さない場合(ST19で戻さない)で抜取り作業位置P2に基板Bが無いことが確認された場合(ST29で基板無し)、情報処理装置3において基板ロケーション情報21が現在の基板抜取り装置40の状況に更新される(ST31)。これによって、部品実装ライン1(生産ライン)にある基板Bの情報が、基板
ロケーション情報21として適切に反映される。
【0060】
次いで抜取り処理部32は、基板抜取り装置40の安全装置を有効化させる(ST32)。これによって、基板抜取り装置40の開閉カバー13が開閉できないようにロックされる。次いで搬送処理部31による基板搬送処理が再開され(ST33)、基板抜取り処理(ST4)が終了する。
【0061】
次に
図11~12のフローに沿って、
図13~15を参照しながら、再投入支援装置による基板再投入処理について説明する。
図11において、まず再投入支援装置の再投入処理部33は、再投入基板の基板ID読み取り要求画面56(
図13(a))を表示装置に表示させる(ST41)。再投入基板の基板ID読み取り要求画面56において「キャンセル」ボタン56aが操作されると、基板再投入処理が中止される。
【0062】
再投入基板の基板ID読み取り要求画面56において「OK」ボタン56bが操作され、リーダ4によって再投入しようとしている再投入基板の基板IDが取得される(ST42で基板ID取得)、再投入可否判断部34は、抜取り基板情報20と取得された基板IDに基づいて、再投入基板が生産ライン(部品実装ライン1)に再投入可能か否かを判断する(ST43)。再投入基板が再投入不可能と判断されると(ST43で不可能)、再投入処理部33は、再投入不可警告画面57(
図13(b))を表示装置に表示させる(ST44)。再投入不可警告画面57において「閉じる」ボタン57aが操作されると、(ST41)に戻って表示装置に再投入基板の基板ID読み取り要求画面56が表示される。
【0063】
図11において、再投入基板が再投入可能と判断されると(ST43で可能)、再投入処理部33は、再投入場所(装置)の選択要求画面58(
図14(a))を表示装置に表示させる(ST45)。再投入場所(装置)の選択要求画面58には、再投入可能位置として「コンベア#2」(第2コンベアM5)、「検査装置#1」(印刷検査装置M4)が表示されている。例えば、搭載検査装置M10で部品欠落による不良と判定されて生産ラインから抜取られ、欠落した部品を手作業で搭載せずに部品搭載装置M6~M8で搭載すると判断された基板Bを生産ラインに戻す場合は、部品搭載装置M6~M8より上流側の生産装置(第2コンベアM5、印刷検査装置M4)が再投入可能位置として設定される。
【0064】
リーダ4によって再投入しようとしている生産装置の装置IDが取得されると(ST46で装置ID取得)、再投入処理部33は、取得された装置IDで特定された再投入場所が適切か否かを判断する(ST47)。装置IDが取得された生産装置が不適切な場合(ST47で不適切)、再投入処理部33は、不適切警告画面59(
図14(b))を表示装置に表示させ(ST48)、(ST46)に戻って装置IDが取得されるまで待機する。
【0065】
不適切警告画面59には、再投入可能位置として「コンベア#3」(第3コンベアM9)、「検査装置#2」(搭載検査装置M10)が表示されている。例えば、搭載検査装置M10で部品欠落による不良と判定されて生産ラインから抜取られ、欠落した部品を手作業で搭載した基板を生産ラインに戻す場合で、再投入後にその基板Bの搭載検査を実行する場合は、搭載検査装置M10、または搭載検査装置M10より上流側の生産装置(第3コンベアM9)が再投入可能位置として設定される。
【0066】
図11、
図12において、装置IDが取得された生産装置が適切と判断されると(ST47で適切)、再投入処理部33は、選択された再投入場所(生産装置)にその旨を報知させる(ST49)。例えば、選択された生産装置は、表示部にその旨を表示させて点滅させたり、表示灯を点灯させたりして報知する。次いで選択された生産装置において、再
投入受け入れ処理が実行される(ST50)。具体的には、再投入場所から基板Bが排出され、再投入場所への基板Bの搬入が禁止され、安全装置が解除されて開閉カバーが開閉可能な状態にされる。
【0067】
図12において、再投入場所の再投入受け入れ処理が完了すると、再投入処理部33は、基板投入許可通知画面60(
図15(a))を表示装置に表示させる(ST51)。作業者が再投入場所の開閉カバーを開け、再投入基板を搬送コンベアに載置(再投入)し、開閉カバーを閉じると(ST52でカバー閉)、再投入場所(装置)に再投入基板が有るか否かが判断される(ST53)。再投入場所に再投入基板が無い場合(ST53で無し)、再投入処理部33は、基板再投入要求画面61(
図15(b))を表示装置に表示させ(ST54)、(ST52)に戻って再投入場所に再投入基板が再投入されるまで待機する。
【0068】
再投入場所(装置)に再投入基板が有ると(ST53で有り)、情報処理装置3において基板ロケーション情報21が現在の状況に更新される(ST55)。次いで再投入処理部33は、再投入場所の安全装置を有効化させる(ST56)。これによって、再投入場所の開閉カバーが開閉できないようにロックされる。次いで再投入場所(生産装置)の運転が再開され(ST57)、基板再投入処理が終了する。このように、生産ライン(部品実装ライン1)の途中から抜取ったワーク(基板B)を適切に生産ラインに再投入できるように支援することができる。
【0069】
上記説明したように、本実施の形態の再投入支援装置は、再投入予定のワーク(基板B)のワーク識別情報(基板ID)と生産ライン(部品実装ライン1)における再投入場所(生産装置)を特定可能な再投入場所情報(装置ID)を取得する情報取得手段(リーダ4)と、情報取得手段によるワーク識別情報と再投入場所情報の取得を条件に、再投入場所情報で特定された再投入場所からのワークの再投入を可能な状態にする再投入処理部33と、を備えている。これによって、生産ラインの途中から抜取ったワークを適切に生産ラインに再投入できるように支援することができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、第2コンベアM5、第4コンベアM11、第6コンベアM15を再投入支援装置として機能させたが、第1コンベアM2、印刷装置M3、印刷検査装置M4、第2コンベアM5、部品搭載装置M6~M8、第3コンベアM9の全部もしくは一部に、再投入処理部33、再投入可否判断部34と同じ機能を持たせ、これらを再投入支援装置として機能させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明の再投入支援装置は、生産ラインの途中から抜取ったワークを適切に生産ラインに再投入できるように支援することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
【符号の説明】
【0072】
1 部品実装ライン(生産ライン)
4 リーダ(情報取得手段)
B 基板(ワーク)
M2 第1コンベア(再投入場所)
M3 印刷装置(再投入場所)
M4 印刷検査装置(再投入場所)
M5 第2コンベア(再投入場所)
M6~M8 部品搭載装置(再投入場所)
M9 第3コンベア(再投入場所)
M10 搭載検査装置(再投入場所)
M11 第4コンベア(再投入場所)
M13 第5コンベア(再投入場所)
M14 リフロー後検査装置(再投入場所)
M15 第6コンベア(再投入場所)