(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】投影システム及び投影方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20240112BHJP
H04N 9/31 20060101ALI20240112BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240112BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
H04N9/31 820
G03B21/00 D
E04G21/16 ESW
(21)【出願番号】P 2019155608
(22)【出願日】2019-08-28
【審査請求日】2022-05-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】林 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】西 哲也
(72)【発明者】
【氏名】原 啓介
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/132731(WO,A1)
【文献】特開2015-149011(JP,A)
【文献】特開2008-224516(JP,A)
【文献】特開2012-189433(JP,A)
【文献】特開2017-181342(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188989(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/207948(WO,A1)
【文献】特開平08-086615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
E04G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築中の建物内の作業現場に設置され、前記作業現場における複数の作業箇所の各々に図面を投影する投影装置を備え、
前記投影装置は、さらに、作業者を前記複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に、又は、前記投影装置が次に設置される設置予定場所に誘導するためのガイド図形を投影
し、
前記投影装置は、前記作業現場の所定の場所に設置され、前記所定の場所で前記図面を投影できる範囲に含まれる作業箇所での前記作業者の作業が終了した後、前記作業者を前記設置予定場所に誘導するための前記ガイド図形を投影する
投影システム。
【請求項2】
前記投影装置は、前記対象箇所に前記図面を投影する前に、前記作業者を前記対象箇所に誘導するための前記ガイド図形を投影する
請求項1に記載の投影システム。
【請求項3】
前記投影装置は、前記対象箇所に前記図面を投影すると同時に、前記作業者を前記対象箇所に誘導するための前記ガイド図形を投影する
請求項1に記載の投影システム。
【請求項4】
前記投影装置は、前記複数の作業箇所の各々に同時に複数の前記図面を投影する場合、同時に投影される全ての作業箇所である前記対象箇所に前記作業者を誘導するための前記ガイド図形を投影する
請求項2又は3に記載の投影システム。
【請求項5】
前記投影装置は、前記ガイド図形の少なくとも一部を前記対象箇所とは異なる位置に投影する
請求項2~4のいずれか1項に記載の投影システム。
【請求項6】
前記ガイド図形は、前記対象箇所とは異なる位置から前記対象箇所に向かう方向の矢印、前記対象箇所を囲む環の少なくとも一部、又は、前記対象箇所である複数の作業箇所を結ぶ線である
請求項2~5のいずれか1項に記載の投影システム。
【請求項7】
前記投影装置は、前記図面を投影する色とは異なる色で前記ガイド図形を投影する
請求項1~6のいずれか1項に記載の投影システム。
【請求項8】
前記投影装置は、動的に変化する図形を前記ガイド図形として投影する
請求項1~7のいずれか1項に記載の投影システム。
【請求項9】
作業現場に設置され、前記作業現場における複数の作業箇所の各々に図面を投影する投影装置を備え、
前記投影装置は、さらに、作業者を前記複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に、又は、前記投影装置が次に設置される設置予定場所に誘導するためのガイド図形を投影し、
前記投影装置は、前記作業現場の所定の場所に設置され、前記所定の場所で前記図面を投影できる範囲に含まれる作業箇所での前記作業者の作業が終了した後、前記作業者を前記設置予定場所に誘導するための前記ガイド図形を投影する
投影システム。
【請求項10】
前記投影装置は、前記作業者を前記設置予定場所に誘導するための前記ガイド図形を前記設置予定場所に投影する
請求項9に記載の投影システム。
【請求項11】
建築中の建物内の作業現場に設置された投影装置が、前記作業現場における複数の作業箇所の各々に図面を投影するステップと、
作業者を前記複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に、又は、前記投影装置が次に設置される設置予定場所に誘導するためのガイド図形を投影するステップとを含
み、
前記ガイド図形を投影するステップでは、前記作業現場の所定の場所に設置され、前記所定の場所で前記図面を投影できる範囲に含まれる作業箇所での前記作業者の作業が終了した後、前記作業者を前記設置予定場所に誘導するための前記ガイド図形を投影する
投影方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影システム及び投影方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンなどに画像を投影することができる投影装置が知られている。投影装置に関連する技術として、特許文献1には、設計案のオブジェクトを部屋の境界壁面に表示する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、作業箇所が多い場合に作業者に作業を効率良く行わせることができない。
【0005】
そこで、本発明は、作業者に効率良く作業を行わせることができ、工期の短縮及び作業者の負担を軽減することができる投影システム及び投影方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る投影システムは、作業現場に設置され、前記作業現場における複数の作業箇所の各々に図面を投影する投影装置を備え、前記投影装置は、さらに、作業者を前記複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に、又は、前記投影装置が次に設置される設置予定場所に誘導するためのガイド図形を投影する。
【0007】
また、本発明の一態様に係る投影方法は、作業現場に設置された投影装置が、前記作業現場における複数の作業箇所の各々に図面を投影するステップと、作業者を前記複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に、又は、前記投影装置が次に設置される設置予定場所に誘導するためのガイド図形を投影するステップとを含む。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記投影方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。あるいは、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業者に効率良く作業を行わせることができ、工期の短縮及び作業者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る投影システムが利用される作業現場を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る投影システムを構成する装置の外観図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る投影システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図4A】
図4Aは、実施の形態1に係る投影システムによってガイド図形の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図4B】
図4Bは、実施の形態1に係る投影システムによってガイド図形の別の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る投影システムの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態1の変形例1に係る投影システムの動作を示すフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、実施の形態1の変形例1に係る投影システムによってガイド図形の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図7B】
図7Bは、実施の形態1の変形例1に係る投影システムによってガイド図形の別の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態1の変形例2に係る投影システムが投影するガイド図形の一例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、実施の形態1の変形例3に係る投影システムが投影するガイド図形の一例を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係る投影システムの動作を示すフローチャートである。
【
図11A】
図11Aは、実施の形態2に係る投影システムによってガイド図形の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図11B】
図11Bは、実施の形態2に係る投影システムによってガイド図形の別の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図11C】
図11Cは、実施の形態2に係る投影システムによってガイド図形の別の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図11D】
図11Dは、実施の形態2に係る投影システムによってガイド図形の別の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図11E】
図11Eは、実施の形態2に係る投影システムによってガイド図形の別の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図11F】
図11Fは、実施の形態2に係る投影システムによってガイド図形の別の一例が投影された作業現場を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、実施の形態3に係る投影システムの動作を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施の形態3に係る投影システムによってガイド図形が投影された作業現場を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態に係る投影システム及び投影方法について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0013】
(実施の形態1)
[概要]
まず、実施の形態1に係る投影システムの概要について、
図1及び
図2を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る投影システムが利用される作業現場100を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る投影システム10を構成する装置の外観図である。
【0014】
図2に示されるように、投影システム10は、投影装置20を備える。
図1に示されるように、投影装置20は、建築中の建物内の作業現場100に設置される。作業現場100には、複数の作業箇所101及び102が含まれている。
【0015】
投影装置20は、作業現場100に含まれる作業箇所101及び102に図面111を投影する。具体的には、投影装置20は、作業現場100を構成する構造物に図面111を投影する。構造物は、例えば、床、壁、柱又は天井などである。
【0016】
図面111は、例えば、作業現場100における作業箇所101に投影される図面である。なお、
図1では、作業箇所101を破線で示しているが、実際の作業現場100には作業箇所101が示されていない。このため、図面111が投影されていない場合には、作業者120は、作業箇所101の正確な位置を認識することができない。図面111が投影されることによって、作業者120は作業箇所101を認識することができる。作業者120は、図面111に従って作業を行うことで、容易かつ正確に作業を行うことができる。
【0017】
作業は、例えば、墨出し作業である。例えば、投影される図面111は、墨出し線を作業者120が描くべき位置に設計通りの長さで投影される光の線又は図形である。作業者120は、図面111が示す光の線又は図形をなぞるだけで容易に墨出し線を描くことができる。なお、光の線又は図形が墨出し線を描くためのガイドとして使用されることは必須ではない。光の線又は図形そのものが墨出し線として用いられてもよい。また、作業は、墨出し作業でなくてもよく、穴を開ける作業であってもよく、特に限定されない。
【0018】
作業現場100には、目標物などが少なく、かつ、広い場合が多い。このため、例えば、図面111が小さい図形である場合には、図面111が投影されたとしても、作業者120が図面111を見つけるのに時間がかかる。このため、作業者120による作業効率が低くなる。
【0019】
これに対して、本実施の形態に係る投影システム10は、作業者120を作業箇所101に誘導するためのガイド図形(例えば、
図4Aに示されるガイド図形130)を投影する。これにより、作業者120を作業箇所101に誘導することができ、図面111を見つける時間を短縮することができる。したがって、作業者120に効率良く作業を行わせることができ、工期の短縮及び作業者の負担を軽減することができる。
【0020】
[構成]
次に、本実施の形態に係る投影システム10の具体的な機能構成について、
図2及び
図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る投影システム10の機能構成を示すブロック図である。
【0021】
図2及び
図3に示されるように、投影システム10は、投影装置20と、データ処理装置30と、端末装置40とを備える。以下では、投影システム10を構成する各装置の具体的な構成について順に説明する。
【0022】
[投影装置]
投影装置20は、例えば、
図1及び
図2に示されるように、三脚に取り付けられて作業現場100の床の所定の場所に設置される。あるいは、投影装置20は、作業現場100の壁又は天井に設置されてもよい。
図3に示されるように、投影装置20は、通信部21と、測距部22と、投影部23と、制御部24と、記憶部25と、駆動部26とを備える。
【0023】
通信部21は、投影装置20がデータ処理装置30及び端末装置40と通信を行うための通信インタフェースである。通信部21は、データ処理装置30及び端末装置40の各々と無線通信を行うが、有線通信を行ってもよい。通信部21が行う通信の規格については、特に限定されない。
【0024】
測距部22は、投影装置20から作業現場100を構成する構造物までの距離を測定する。測距部22は、例えば、TOF(Time Of Flight)センサなどの距離画像センサである。距離画像センサは、距離の測定結果として、距離画像を生成する。距離画像を構成する複数の画素の各々の画素値は、測距部22からの距離を示している。なお、測距部22は、位相差検出方式を用いた測距センサ、又は、三角測距方式を用いた測距センサなど、その他の測距センサであってもよい。
図3に示されるように、測距部22は、測距用光源22aと、検知部22bとを備える。
【0025】
測距用光源22aは、構造物に向けて光を発する光源である。測距用光源22aは、例えば、赤外光を発する発光素子である。あるいは、測距用光源22aは、可視光を発する発光素子であってもよい。なお、測距用光源22aは、投影部23が有する光源23aと別体である必要はなく、投影部23が有する光源23aが測距用光源22aとして用いられてもよい。つまり、測距部22は、測距用光源22aを有していなくてもよく、検知部22bのみを有するセンサであってもよい。
【0026】
検知部22bは、測距用光源22aが発した光の構造物による反射光を検知する受光素子である。検知部22bは、例えば、フォトダイオードアレイによって構成されるイメージセンサである。
【0027】
投影部23は、図面111を投影面に投影するための投影モジュールである。投影部23は、光源23aと、走査部23bとを備える。なお、図示されていないが、投影部23は、レンズ及びミラーなどの光学部品を備えていてもよい。
【0028】
光源23aは、例えば、可視光を出射する半導体レーザ素子である。あるいは、光源23aは、LED(Light Emitting Diode)であってもよい。光源23aは、発光色を変更できる構成を有してもよい。例えば、光源23aは、発光色が異なる複数の発光素子を含んでもよい。複数の発光素子には、例えば、青色発光素子、緑色発光素子及び赤色発光素子が含まれる。
【0029】
走査部23bは、光源23aが発する光を構造物上で走査する。走査部23bは、例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、又はガルバノスキャナなどである。
【0030】
本実施の形態では、投影部23は、複数の作業箇所101及び102のうち、データ処理装置30によって決定された作業箇所である対象箇所に、当該対象箇所に投影する図面である対象図面を投影する。例えば、
図1に示される例では、投影部23は、作業箇所101に図面111を投影している。
【0031】
また、投影部23は、ガイド図形を投影する。ガイド図形は、作業者120を複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に誘導するための図形である。ガイド図形の具体的な形状及び機能については、
図4A及び
図4Bを用いて後で説明する。
【0032】
なお、投影部23によって投影可能な投影範囲110には制限がある。
図1には、投影範囲110を一点鎖線で模式的に表している。例えば、投影範囲110は、投影装置20が水平面に設置された場合において、水平方向に約40°で、かつ、垂直方向に約20°の範囲に投影が可能である。投影範囲110の外に位置する作業箇所に図面を投影するためには、投影装置20の姿勢を変更する必要がある。あるいは、投影装置20の設置場所を変更する必要がある。本実施の形態では、駆動部26によって投影装置20の姿勢が変更されることにより、投影部23による投影方向及び投影可能な範囲が変更される。
【0033】
制御部24は、投影面に図面111を投影するために、測距部22、投影部23及び駆動部26を制御する制御装置である。制御部24は、例えば、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)によって実現される。なお、集積回路はLSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサで実現されてもよい。例えば、制御部24は、マイクロコンピュータによって実現されてもよい。また、制御部24には、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサが利用されてもよい。
【0034】
記憶部25は、制御部24によって実行される、図面111を投影するための制御プログラムが記憶された記憶装置である。記憶部25は、例えば、不揮発性メモリであり、半導体メモリなどによって実現される。
【0035】
駆動部26は、投影装置20の姿勢を変更するための駆動機構である。駆動部26は、投影装置20の姿勢を変更することで、投影可能な方向を変更する。例えば、駆動部26は、投影装置20の姿勢を、パン(水平方向)、チルト(垂直方向)及びロール(回転方向)の各々に対して変更することができる。駆動部26は、例えば、ステッピングモータなどによって実現される。なお、投影装置20は、駆動部26を備えなくてもよい。
【0036】
本実施の形態では、投影装置20は、作業現場100に含まれる複数の作業箇所に対して、所定の順序で図面を投影する。これにより、図面が投影される順序で作業者120に作業を行わせることができる。図面の投影順序は、例えば、データ処理装置30によって決定される。
【0037】
例えば、投影装置20は、図面を投影している対象箇所における作業が終了したと判定した場合に、決定された順序に従って次の作業箇所に図面を投影する。作業の終了は、例えば、作業者120が操作する端末装置40から送信される信号に基づいて、制御部24によって判定される。あるいは、制御部24は、図示しないカメラによって撮影された画像に基づいて作業の終了を判定してもよい。カメラは、作業者120の作業の様子、又は、対象箇所における作業結果を撮影する。なお、検知部22bが可視光画像を生成する場合には、制御部24は、カメラで撮影された画像の代わりに、検知部22bの検知結果を用いてもよい。
【0038】
[データ処理装置]
次に、データ処理装置30について説明する。データ処理装置30は、投影装置20が投影する図面に関する処理を行う装置である。データ処理装置30は、例えば、コンピュータ機器である。データ処理装置30は、
図3に示されるように、通信部31と、データ処理部32と、制御部33と、記憶部34と、入力部35と、表示部36とを備える。
【0039】
通信部31は、データ処理装置30が投影装置20及び端末装置40と通信を行うための通信インタフェースである。通信部31は、投影装置20及び端末装置40の各々と無線通信を行うが、有線通信を行ってもよい。通信部31が行う通信の通信規格については、特に限定されない。
【0040】
データ処理部32は、例えば、マイクロコンピュータ又はプロセッサである。データ処理部32は、建築設計データに基づいて、作業者120に作業を行わせる少なくとも1つの作業箇所である対象箇所と、当該対象箇所に投影される対象図面とを決定する。対象箇所は、例えば、投影装置20が所定の場所に設置された場合に、投影装置20の投影範囲110内に含まれる作業箇所の少なくとも1つである。例えば、データ処理部32は、投影範囲110内に含まれる全ての作業箇所を1つずつ順番に対象箇所として決定する。決定される作業箇所の順序は、作業者120に作業を行わせる作業順序であり、図面が投影される投影順序である。
【0041】
なお、データ処理部32は、投影範囲110内に含まれる作業箇所を、N箇所(Nは、2以上の自然数)ずつ順番に対象箇所として決定してもよい。つまり、N箇所の作業箇所に対して、同じ順序が決定されてもよい。これにより、N箇所の作業箇所に対応する図面が同時に投影される。
【0042】
データ処理部32は、例えば、作業順序(すなわち、図面の投影順序)を作業者120又は管理者に入力させるための入力画面を生成し、表示部36に表示させる。入力画面は、例えば、作業現場100と、作業現場100に含まれる全ての作業箇所とを二次元又は三次元で表す画像を含み、全ての作業箇所を順に選択可能な選択画面である。データ処理部32は、選択された順序を作業順序(すなわち、図面の投影順序)として決定する。決定された順序で投影装置20が図面を投影することにより、決定された順序で作業者120に作業を行わせることができる。データ処理部32は、決定した投影順序と、各作業箇所に投影される図面とを示す順序情報を、通信部31及び通信部21を介して投影装置20の制御部24に送信する。
【0043】
建築設計データは、複数の作業箇所を示すデータである。具体的には、建築設計データは、作業現場100の大きさ、及び、形状を示す三次元データである。例えば、建築設計データは、三次元CAD(Computer Aided Design)データである。建築設計データには、作業現場100の間取りを示す二次元データ、及び、複数の作業箇所を示す二次元データも含まれる。建築設計データでは、複数の作業箇所の各々と、投影される図面とが対応付けられている。作業箇所が対象箇所として決定されることにより、建築設計データを参照することで、対象箇所に投影される対象図面が決定される。
【0044】
データ処理部32は、例えば、建築設計データと実際の作業現場100との対応付けを行う。実際の作業現場100は、例えば、投影装置20が作業現場100に設置された後、周囲の構造物までの距離を測距することにより得られた空間データによって示される。対応付けを行うことにより、建築設計データ上での投影装置20の設置位置及び姿勢(向き)が特定される。なお、作業者120又は作業の管理者などのユーザが、設置された投影装置20の設計データ上での位置を入力してもよい。つまり、作業現場100の測距が行われなくてもよい。
【0045】
制御部33は、入力画面の生成、並びに、作業順序及び図面の決定を行うために、通信部31、データ処理部32、記憶部34、入力部35及び表示部36を制御する制御装置である。制御部33は、例えば、集積回路であるLSIによって実現される。なお、集積回路はLSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサで実現されてもよい。例えば、制御部33は、マイクロコンピュータによって実現されてもよい。また、制御部33には、プログラム可能なFPGA、又は、LSI内部の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサが利用されてもよい。
【0046】
記憶部34は、データ処理部32及び制御部33で実行される、入力画面の生成、並びに、作業順序及び図面の決定を行うための制御プログラムが記憶された記憶装置である。記憶部34は、例えば、不揮発性メモリであり、半導体メモリなどによって実現される。記憶部34は、さらに、建築設計データ、及び、投影される図面を示す図面データを記憶している。
【0047】
入力部35は、作業順序の入力を受け付ける受付部の一例である。入力部35は、作業者120又は作業の管理者などから作業順序の入力を受け付ける。入力部35は、例えば、キーボード又はマウスなどの入力装置であるが、タッチセンサ又は物理的なボタンであってもよい。
【0048】
表示部36は、作業順序を入力させるための入力画面を表示する。表示部36は、例えば、液晶表示パネル又は有機EL(Electro Luminescence)表示パネルである。
【0049】
なお、作業順序の入力及び入力画面の表示は、端末装置40で行われてもよい。すなわち、データ処理装置30は、入力部35及び表示部36を備えなくてもよい。
【0050】
[端末装置]
次に、端末装置40について説明する。端末装置40は、作業者120が投影装置20を遠隔操作するためのリモートコントローラとしても機能する。例えば、端末装置40は、投影装置20の専用リモートコントローラである。あるいは、端末装置40は、専用のアプリケーションプログラムがインストールされたスマートフォン又はタブレット端末などの携帯端末であってもよい。
図3に示されるように、端末装置40は、通信部41と、操作受付部42と、表示部43と、制御部44と、記憶部45とを備える。
【0051】
通信部41は、端末装置40が投影装置20及びデータ処理装置30と通信を行うための通信インタフェースである。通信部41は、投影装置20及びデータ処理装置30の各々と無線通信を行うが、有線通信を行ってもよい。通信部41が行う通信の通信規格については、特に限定されない。
【0052】
操作受付部42は、作業者120の操作を受け付けるユーザインタフェース装置である。操作受付部42は、例えば、1つ以上の物理的なボタンによって実現されるが、タッチパネルなどであってもよい。
【0053】
表示部43は、投影装置20の動作状況などを示す画像を表示する。表示部43は、例えば、液晶表示パネル又は有機EL表示パネルである。
【0054】
制御部44は、通信部41、操作受付部42、表示部43及び記憶部45を制御する制御装置である。制御部44は、集積回路であるLSIによって実現される。なお、集積回路はLSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサで実現されてもよい。例えば、制御部44は、マイクロコンピュータによって実現されてもよい。また、制御部44には、プログラム可能なFPGA、又は、LSI内部の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサが利用されてもよい。
【0055】
具体的には、制御部44は、操作受付部42によって受け付けられた操作に応じて投影装置20を動作させるための信号を通信部41に投影装置20へ送信させる。例えば、制御部44は、作業終了の指示を受け付ける操作を作業者120から操作受付部42が受け付けた場合に、作業終了を示す終了信号を通信部41に投影装置20へ送信させる。
【0056】
記憶部45は、制御部44によって実行される制御プログラムが記憶された記憶装置である。記憶部45は、例えば、不揮発性メモリであり、半導体メモリなどによって実現される。記憶部45は、端末装置40に固有の識別情報を記憶していてもよい。
【0057】
[ガイド図形]
続いて、本実施の形態に係る投影システム10が投影するガイド図形について、
図4A及び
図4Bを用いて説明する。
【0058】
図4A及び
図4Bはそれぞれ、本実施の形態に係る投影システム10によってガイド図形が投影された作業現場100を示す斜視図である。なお、
図4A及び
図4Bでは、作業箇所101が対象箇所、すなわち、作業者120が次に作業を行う予定の作業箇所である場合を示している。すなわち、
図4Aに示されるガイド図形130及び
図4Bに示されるガイド図形131のいずれも、作業者120を作業箇所101に誘導するためのガイド図形である。
【0059】
ガイド図形130又は131は、例えば、作業箇所101に投影される図面111の外形よりも大きい図形である。あるいは、ガイド図形130又は131は、作業箇所101よりも作業者120に近い位置に、少なくとも一部が投影される図形である。例えば、ガイド図形130又は131の少なくとも一部は、作業箇所101の直前の作業箇所の近くに投影される。作業箇所101の直前の作業箇所には、作業者120が存在する可能性が高いので、作業者120が容易にガイド図形130又は131を見つけることができる。
【0060】
このように、ガイド図形130又は131が投影されることによって、作業者120はガイド図形130又は131を容易に見つけることができ、作業箇所101に容易に誘導される。つまり、ガイド図形130又は131は、作業者120を作業箇所101に誘導することができる。このため、作業者120による次の作業箇所101の探索時間を削減することができ、作業効率を高めることができる。なお、ガイド図形130又は131は、作業箇所101を強調表示する図形と言うこともできる。
【0061】
ガイド図形130は、
図4Aに示されるように、複数の矢印を含んでいる。複数の矢印はそれぞれ、作業箇所101とは異なる位置から作業箇所101に向かう方向の矢印である。ガイド図形130に含まれる複数の矢印は、互いに長さが異なっている。複数の矢印は、作業箇所101に近づくにつれて、その長さが短くなっている。なお、複数の矢印は、互いに同じ長さであってもよい。
【0062】
複数の矢印は、一直線に並んでいる。一直線に並んだ複数の矢印のうち、作業箇所101から最も離れた矢印(最後方の矢印)の始点は、作業者120の近傍に位置している。具体的には、最後方の矢印の始点(すなわち、ガイド図形130の一部)は、作業箇所101の直前の作業箇所を中心とする所定の半径(例えば、1m~数m)の円形の範囲内に位置している。最後方の矢印の始点は、作業箇所101の直前の作業箇所であってもよい。これにより、作業者120に矢印を見つけやすくすることができ、かつ、矢印の先端側に作業箇所101が存在していることを作業者120に直感的に分かりやすくすることができる。
【0063】
また、ガイド図形131は、
図4Bに示されるように、複数の環形状を含んでいる。複数の環形状はそれぞれ、作業箇所101を囲んでいる。例えば、複数の環形状は、作業箇所101を中心とする同心円である。なお、複数の環形状はそれぞれ、円形でなくてもよく、楕円形であってもよく、正方形又は長方形であってもよい。あるいは、複数の環形状は、作業箇所101に投影する図面111の輪郭を拡大した図形であってもよい。
【0064】
複数の環形状のうち、最も外側の環形状の一部は、作業者120の近傍に位置している。具体的には、最も外側の環形状の一部(すなわち、ガイド図形131の一部)は、作業箇所101の直前の作業箇所を中心とする所定の半径(例えば、1m~数m)の円形の範囲内に位置している。最も外側の環形状の一部は、作業箇所101の直前の作業箇所であってもよい。
【0065】
なお、ガイド図形は、矢印又は環形状に限定されない。例えば、ガイド図形は、作業箇所101を中心として外側に延びる放射形状であってもよい。また、ガイド図形に含まれる環形状又は放射形状は、作業箇所101の全周に亘って設けられていなくてもよく、作業者120側(直前の作業箇所側)のみに設けられていてもよい。
【0066】
[動作]
続いて、本実施の形態に係る投影システム10の動作について、
図5を用いて説明する。
【0067】
図5は、本実施の形態に係る投影システム10の動作を示すフローチャートである。
図5に示されるように、まず、作業者120が投影装置20を作業現場100に設置する(S10)。最初に設置される場所は、作業者120が任意に定めた場所であってもよく、データ処理装置30が決定した場所であってもよい。投影装置20が設置された後、データ処理装置30は、実際の作業現場100と建築設計データとの対応付けを行う。
【0068】
投影装置20は、作業者120を作業箇所101に誘導するためのガイド図形を投影する(S20)。例えば、投影装置20は、
図4A又は
図4Bに示されるように、データ処理装置30によって決定された対象箇所である作業箇所101に作業者120を誘導するためのガイド図形130又は131を投影する。このとき、作業箇所101には、図面111が投影されていない。
【0069】
ガイド図形130又は131の投影は、例えば、作業者120が投影装置20の設置を完了した後、端末装置40を操作することにより、図面の投影の開始を指示した場合に行われる。あるいは、投影装置20が設置された後、自動的にガイド図形130又は131の投影が行われてもよい。
【0070】
本実施の形態に係る投影システム10では、ガイド図形を投影した後、投影装置20が図面111を作業箇所101に投影する(S30)。例えば、ガイド図形130又は131を投影してから所定期間が経過した後に、投影装置20が図面111を作業箇所101に投影する。所定期間は、予め定められた固定の時間であってもよく、あるいは、作業者120の移動に要する時間に基づいて定められた時間であってもよい。例えば、作業者120の現在位置(又は、作業箇所101の直前の作業箇所)から作業箇所101までの距離と、作業者120の歩行速度とに基づいて推定された時間であってもよい。また、作業者120から図面111の投影の指示を受け付けた後、投影装置20が図面111を投影してもよい。投影装置20は、図面111を投影する時にガイド図形130又は131の投影を終了する。
【0071】
作業箇所101に図面111が投影されることにより、作業者120は、投影された図面111に基づいて墨出し作業などの作業を行うことができる。作業が終了した後、作業者120は、端末装置40を操作することで、作業終了を指示する。作業終了が指示されるまで(S40でNo)、作業箇所101には図面111が投影され続ける。
【0072】
作業終了が指示された後(S40でYes)、次の作業箇所が存在する場合(S50でYes)、ステップS20に戻り、投影装置20が、作業者120を次の作業箇所に誘導するためのガイド図形を投影する。
【0073】
以降、作業現場100に含まれる全ての作業箇所での作業が終了するまで(S50でNo)、上述したステップS20~S50の処理が繰り返される。
【0074】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る投影システム10は、作業現場100に設置され、作業現場100における複数の作業箇所の各々に図面を投影する投影装置20を備える。投影装置20は、さらに、作業者120を複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に誘導するためのガイド図形130又は131を投影する。
【0075】
これにより、作業者120を作業箇所101に誘導することができるので、作業者120に効率良く作業を行わせることができ、工期の短縮及び作業者の負担を軽減することができる。
【0076】
また、例えば、投影装置20は、対象箇所に図面111を投影する前に、作業者120を対象箇所に誘導するためのガイド図形130又は131を投影する。
【0077】
これにより、作業者120が次の作業箇所を見つけるのに要する時間を短くすることができるので、作業効率を高めることができる。
【0078】
また、例えば、投影装置20は、ガイド図形130又は131の少なくとも一部を対象箇所とは異なる位置に投影する。
【0079】
これにより、作業箇所101から離れた位置にガイド図形を投影することで、作業者120にガイド図形を見つけやすくすることができる。例えば、作業者120の近くにガイド図形の少なくとも一部を投影することにより、作業者120が容易にガイド図形を見つけることができ、ガイド図形によって作業箇所101に誘導されやすくすることができる。
【0080】
また、例えば、ガイド図形130は、対象箇所とは異なる位置から対象箇所に向かう方向の矢印である。また、ガイド図形131は、対象箇所を囲む環形状である。
【0081】
これにより、矢印又は環形状によって作業箇所101の位置を作業者120に認識させやすくすることができる。
【0082】
また、例えば、本実施の形態に係る投影方法は、作業現場100に設置された投影装置20が、作業現場100における複数の作業箇所の各々に図面を投影するステップと、作業者120を複数の作業箇所の少なくとも1つである対象箇所に誘導するためのガイド図形130又は131を投影するステップとを含む。
【0083】
これにより、作業者120を作業箇所101に誘導することができるので、作業者120に効率良く作業を行わせることができ、工期の短縮及び作業者の負担を軽減することができる。
【0084】
[変形例]
続いて、実施の形態1の変形例について説明する。
【0085】
実施の形態1の変形例に係る投影システムでは、実施の形態1と比較して、ガイド図形を投影するタイミング又はガイド図形の色若しくは種類などが相違している。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。なお、実施の形態1の変形例に係る投影システムの構成は、実施の形態1に係る投影システム10の構成と同じであるので、以下では、
図2及び
図3に示される投影システム10の構成を用いて説明を行う。
【0086】
[変形例1]
まず、変形例1に係る投影システムについて、
図6、
図7A及び
図7Bを用いて説明する。
図6は、本変形例に係る投影システム10の動作を示すフローチャートである。
図7A及び
図7Bはそれぞれ、本変形例に係る投影システム10によってガイド図形130又は131が投影された作業現場100を示す斜視図である。
【0087】
図6に示されるように、まず、実施の形態1と同様に、作業者120が投影装置20を作業現場100の所定の場所に設置する(S10)。
【0088】
次に、投影装置20は、作業者120を作業箇所101に誘導するためのガイド図形と、作業箇所101に対応する図面111とを同時に投影する(S21)。例えば、投影装置20は、
図7A又は
図7Bに示されるように、ガイド図形130又は131と、図面111とを同時に投影する。以降の処理は、実施の形態1と同じである。
【0089】
以上のように、本変形例に係る投影システム10では、投影装置20は、対象箇所に図面111を投影すると同時に、作業者120を対象箇所に誘導するためのガイド図形130又は131を投影する。
【0090】
このように、ガイド図形130又は131と図面111とが同時に投影されるので、作業者120は、ガイド図形130又は131によって作業箇所101に誘導された後、速やかに図面111に沿って作業を行うことができる。つまり、作業箇所101に移動した後に図面111の投影を待つ必要もなく、図面111の投影の指示を行う必要もないので、より効率良く作業を行うことができる。
【0091】
[変形例2]
次に、変形例2に係る投影システムについて、
図8を用いて説明する。
【0092】
図8は、本変形例に係る投影システムが投影するガイド図形の一例を示す斜視図である。
図8の(a)~(d)はそれぞれ、作業現場100に投影されるガイド図形の時間変化を順に示している。
【0093】
本変形例では、投影装置20は、動的に変化する図形をガイド図形として投影する。
図8の(a)~(d)に示されるように、投影装置20は、矢印132a、132b、132c及び132dの順に投影する。矢印132a~132dはそれぞれ、例えば、
図4Aに示されるガイド図形130に含まれる各矢印に対応している。
【0094】
具体的には、投影装置20は、矢印132aを所定の時間投影した後、矢印132bを投影する。投影装置20は、矢印132bを所定の時間投影した後、矢印132cを投影する。投影装置20は、矢印132cを所定の時間投影した後、矢印132dを投影する。投影装置20は、矢印132dを投影した後、再び、矢印132aを投影してもよい。投影装置20は、矢印132a~132dの投影を繰り返してもよい。
【0095】
矢印132a~132dの各々の投影時間は、例えば、予め定められた時間(例えば、1秒~数秒)であり、互いに同じ時間であるが、異なる時間であってもよい。あるいは、投影装置20は、作業者120の位置を検出し、検出した位置に合わせて各矢印の投影するタイミングを決定し、決定したタイミングで矢印を投影してもよい。
【0096】
以上のように、本変形例に係る投影システム10では、投影装置20は、動的に変化する図形をガイド図形として投影する。
【0097】
これにより、ガイド図形が動的に変化するので、作業者120に視覚的な刺激を与えることができ、ガイド図形を容易に見つけやすくすることができる。
【0098】
なお、
図8では、投影装置20がガイド図形として複数の矢印132a~132dを投影する例を示したが、これに限らない。例えば、投影装置20は、
図4Bに示される複数の環形状を1つずつ順に投影してもよい。
【0099】
また、投影装置20は、矢印132a~132dと図面111とを同時に投影しているが、これに限らない。投影装置20は、矢印132dを投影した後、図面111を投影してもよい。
【0100】
[変形例3]
次に、変形例3に係る投影システムについて、
図9を用いて説明する。
【0101】
図9は、本変形例に係る投影システムが投影するガイド図形133を示す斜視図である。本変形例では、投影装置20は、図面111を投影する色とは異なる色でガイド図形133を投影する。すなわち、
図9に示されるガイド図形133の色は、作業箇所101に投影される図面111とは異なる色である。例えば、図面111の色が赤色である場合には、ガイド図形133の色は青色又は緑色などの赤色とは異なる色である。作業者120が違いを認識できる程度に色の差があればよく、図面111とガイド図形133とに用いられる色の種類は、特に限定されない。
【0102】
なお、
図9では、色の違いを示すため、ガイド図形133に含まれる矢印を点線で表しているが、ガイド図形133は、実線の矢印を含んでいる。なお、ガイド図形133は、
図9に示される通り、点線の矢印であってもよい。
【0103】
以上のように、本変形例に係る投影システム10では、投影装置20は、図面111を投影する色とは異なる色でガイド図形133を投影する。
【0104】
これにより、ガイド図形133と図面111とが異なる色で投影されるので、ガイド図形133と図面111とが同時に投影された場合であっても、ガイド図形133と図面111とを作業者120が混同するのを抑制することができる。したがって、作業ミスの発生を抑制することができ、作業効率を高めることができる。
【0105】
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。
【0106】
実施の形態2に係る投影システムでは、実施の形態1と比較して、投影装置が複数の作業箇所に同時に複数の図面を投影する点が相違している。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。なお、実施の形態2に係る投影システムの構成は、実施の形態1に係る投影システム10の構成と同じであるので、以下では、
図2及び
図3に示される投影システム10の構成を用いて説明を行う。
【0107】
図10は、本実施の形態に係る投影システム10の動作を示すフローチャートである。
図10に示されるように、まず、実施の形態1と同様に、作業者120が投影装置20を作業現場100に設置する(S10)。
【0108】
次に、投影システム10では、投影装置20が複数の作業箇所に同時に複数の図面を投影するか否かが判定される(S60)。当該判定は、例えば、データ処理装置30によって行われる。具体的には、データ処理部32は、投影装置20の設置位置に基づいて、投影範囲110に複数の作業箇所が含まれるか否かを判定する。
【0109】
例えば、投影範囲110に複数の作業箇所が含まれる場合、データ処理部32は、これらの作業箇所に同時に複数の図面を投影すると判定する。投影範囲110に作業箇所が1つのみ含まれる場合、データ処理部32は、同時に複数の図面を投影しないと判定する。また、投影範囲110に複数の作業箇所が含まれる場合であっても、作業者120又は作業の管理者からの指示に基づいて、データ処理部32は、同時に複数の図面を投影しないと判定してもよい。例えば、作業者120又は作業の管理者は、データ処理装置30の入力部35又は端末装置40の操作受付部42を介して、同時に複数の図面を投影するか否か、又は、同時に投影する図面の枚数(作業箇所数)を入力してもよい。
【0110】
複数の作業箇所に同時に複数の図面を投影する場合(S60でYes)、データ処理装置30は、複数の作業箇所をまとめたガイド図形を生成する(S70)。投影装置20は、生成されたガイド図形を投影する(S20)。複数の作業箇所をまとめたガイド図形の具体例については、
図11A~
図11Fを用いて後で説明する。なお、ステップS60の判定及びステップS70の生成は、投影装置20によって行われてもよい。
【0111】
複数の作業箇所に同時に複数の図面を投影しない場合(S60でNo)、投影装置20は、作業者120を1つの作業箇所に誘導するためのガイド図形を投影する(S20)。ガイド図形の投影が行われた以降の処理は、実施の形態1と同じである。
【0112】
次に、複数の作業箇所をまとめたガイド図形の具体例について、
図11A~
図11Fを用いて説明する。
図11A~
図11Fはそれぞれ、本実施の形態に係る投影システムによってガイド図形の一例が投影された作業現場100を示す斜視図である。
【0113】
図11A~
図11Fの各々では、投影装置20の投影範囲110に3つの作業箇所101、102及び103が含まれている。本実施の形態に係る投影装置20は、3つの作業箇所101、102及び103の各々に同時に図面111、112及び113(
図11C及び
図11Dを参照)を投影する。
【0114】
図11A及び
図11Cに示されるガイド図形230、
図11B及び
図11Dに示されるガイド図形231、並びに、
図11Eに示されるガイド図形232はいずれも、作業者120を複数の作業箇所101~103に誘導するためのガイド図形である。また、
図11Fに示されるガイド図形233は、作業者120を複数の作業箇所101~104に誘導するためのガイド図形である。
【0115】
具体的には、ガイド図形230~233は、作業範囲201に誘導する。作業範囲201は、
図11A~
図11Fに示されるように、複数の作業箇所101~103、又は、複数の作業箇所101~104を含む範囲である。例えば、作業範囲201は、複数の作業箇所101~103を含む円形又は楕円形の範囲である。一例として、作業範囲201は、複数の作業箇所101~103又は複数の作業箇所101~104の各々の一部が内接するように定められた円形又は楕円形の範囲である。
【0116】
図11A及び
図11Cに示されるように、ガイド図形230は、複数の矢印を含んでいる。複数の矢印は、例えば互いに平行である。あるいは、複数の矢印は、作業範囲201の中心に向かって収束する方向(中心からの放射方向とは反対向き)の矢印であってもよい。複数の矢印のうちの少なくとも1つの始点は、作業者120の近傍に位置している。具体的には、当該始点は、作業範囲201での作業の直前の作業箇所を中心とする所定の半径(例えば、1m~数m)の円形の範囲内に位置している。
【0117】
また、ガイド図形231は、
図11B及び
図11Dに示されるように、作業範囲201を囲む環形状である。ガイド図形231は、作業範囲201の輪郭と一致していてもよい。なお、ガイド図形231は、作業範囲201を含む複数の環形状を含んでもよい。各作業箇所よりも大きな環形状のガイド図形231が投影されることで、作業者120がガイド図形231を見つけやすくなり、作業範囲201に誘導されやすくなる。
【0118】
なお、
図11A及び
図11Bでは、各作業箇所101~103には、図面が投影されていない。これに対して、
図11C及び
図11Dでは、各作業箇所101~103にはそれぞれ、対応する図面111~113が投影されている。すなわち、本実施の形態においても、ガイド図形230又は231と、各作業箇所に投影される図面111~113とは同時に投影されてもよい。
【0119】
図11Eに示されるガイド図形232は、作業範囲201を囲む環の一部である。ガイド図形232は、作業範囲201の輪郭の一部と一致していてもよい。ガイド図形232は、図面を同時に投影する対象箇所である複数の作業箇所101~103を包含するように描かれている。例えば、ガイド図形232の長さは、複数の作業箇所101~103のうち最も離れた作業箇所同士の距離よりも長い。ガイド図形232は、円弧又は楕円弧であるが、これらに限定されない。
【0120】
図11Fに示されるガイド図形233は、図面を同時に投影する対象箇所である複数の作業箇所101~104を結ぶ線である。具体的には、ガイド図形233は、作業箇所101と作業箇所102とを結ぶ線と、作業箇所102と作業箇所103とを結ぶ線と、作業箇所103と作業箇所104とを結ぶ線と、作業箇所104と作業箇所101とを結ぶ線との4つの線からなる。
【0121】
なお、ガイド図形233を構成する線の数は、これに限らない、例えば、ガイド図形233は、さらに、作業箇所101と作業箇所103とを結ぶ線と、作業箇所102と作業箇所104とを結ぶ線とを含んでもよい。すなわち、ガイド図形233は、作業箇所101~104の各々を頂点とする四角形の4辺及び2本の対角線からなる図形であってもよい。あるいは、ガイド図形233は、作業箇所101~104の各々を頂点とする四角形であってもよい。また、ガイド図形233は、作業箇所101~104をこの順に結ぶ折れ線であってもよい。
【0122】
なお、対象箇所が2つの作業箇所のみを含む場合、ガイド図形233は、当該2つの作業箇所を結ぶ1本の線であってもよい。また、複数の作業箇所を結ぶ線は、直線(線分)であるが、曲線であってもよい。例えば、複数の作業箇所を結ぶ線は、波線であってもよい。
【0123】
以上のように、本実施の形態に係る投影システム10では、投影装置20は、複数の作業箇所101~103の各々に同時に複数の図面111~113を投影する場合、同時に投影される全ての作業箇所である対象箇所に作業者120を誘導するためのガイド図形230又は231を投影する。
【0124】
これにより、同時に図面を投影する複数の作業箇所に対して作業者120を誘導することができる。作業者120は、自身に近い作業箇所から順に作業を進めていくことができるので、作業効率を高めることができる。
【0125】
また、例えば、ガイド図形230は、対象箇所とは異なる位置から対象箇所に向かう方向の矢印である。また、ガイド図形231は、対象箇所を囲む環形状である。また、ガイド図形232は、対象箇所を囲む環の少なくとも一部である。また、ガイド図形233は、対象箇所である複数の作業箇所101~104を結ぶ線である。
【0126】
これにより、矢印、環形状、環の少なくとも一部、又は、複数の作業箇所を結ぶ線によって作業箇所101~104の位置を作業者120に認識させやすくすることができる。
【0127】
図11C及び
図11Dでは、作業範囲201に含まれる全ての作業箇所101~103に図面111~113がガイド図形230又は231と同時に投影されているが、これに限らない。具体的には、ガイド図形230又は231と、作業範囲201に含まれる一部の作業箇所のみに対応する図面とが同時に投影されてもよい。例えば、投影装置20は、ガイド図形230又は231と、作業箇所103に対応する図面113のみとを同時に投影してもよい。あるいは、投影装置20は、ガイド図形230又は231と、図面112及び113とを同時に投影し、図面112及び113の投影が終了した後に、図面111を投影してもよい。図面111の投影時には、ガイド図形230又は231の投影を終了していてもよい。
【0128】
また、
図11E及び
図11Fに示される例では、投影装置20は、ガイド図形232及び233と同時に図面111~113を投影してもよい。このとき、ガイド図形233と図面111~113と重なりうるため、変形例3で示したように、投影装置20は、ガイド図形233と図面111~113とを互いに異なる色で投影してもよい。
【0129】
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。
【0130】
実施の形態3に係る投影システムでは、実施の形態1と比較して、作業現場での作業途中で投影装置の設置場所を変更させる必要がある点が相違する。投影装置は、作業者を次の設置場所に誘導するためのガイド図形を投影する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。なお、実施の形態3に係る投影システムの構成は、実施の形態1に係る投影システム10の構成と同じであるので、以下では、
図2及び
図3に示される投影システム10の構成を用いて説明を行う。
【0131】
図12は、本実施の形態に係る投影システム10の動作を示すフローチャートである。
図12に示されるように、投影装置20を設置してから次の作業箇所の有無の判定までの処理(S10~S50)については、実施の形態1と同じである。なお、実施の形態1の変形例1と同じように、投影装置20は、ガイド図形と図面とを同時に投影してもよい。また、実施の形態2と同様に、投影装置20は、複数の作業箇所をまとめたガイド図形を投影してもよい。
【0132】
次の作業箇所が存在する場合(S50でYes)、投影システム10では、次の作業箇所が投影装置20の投影範囲110内であるか否かが判定される(S80)。当該判定は、例えば、データ処理装置30によって行われる。具体的には、データ処理部32は、投影装置20の設置位置に基づいて、次の作業箇所が投影範囲110に含まれるか否かを判定する。
【0133】
次の作業箇所が投影範囲110に含まれる場合(S80でYes)、ステップS20に戻り、投影装置20が、作業者120を次の作業箇所に誘導するためのガイド図形を投影する。
【0134】
次の作業箇所が投影範囲110に含まれない場合(S80でNo)、投影装置20は、作業者120を投影装置20の設置予定場所に誘導するためのガイド図形を投影する(S90)。
【0135】
図13は、本実施の形態に係る投影システム10によってガイド図形が投影された作業現場300を示す斜視図である。
図13に示される作業現場300は、
図1に示される作業現場100よりも広い。このため、投影装置20が設置された場所では、作業現場300の中には投影装置20の投影範囲に含まれない作業箇所301が含まれる。このため、投影装置20を作業箇所301に近づけることにより、作業箇所301を投影範囲110内に含める必要がある。
【0136】
このとき、作業者120は、作業現場300のどこに投影装置20を設置すべきかを判定することが難しい。例えば、まだ作業を終えていない複数の作業箇所が作業現場300に残っている場合、適切な設置場所(
図13の(a)に示される設置予定場所321)に投影装置20を設置すれば、残りの作業箇所の全てを投影範囲110内に入れることができる場合がある。一方で、不適切な設置場所に投影装置20を設置した場合には、一部の作業箇所が投影範囲110から外れてしまい、もう一度投影装置20を設置し直す必要が出てくる。
【0137】
本実施の形態に係る投影システム10では、
図13の(b)に示されるように、投影装置20は、設置予定場所321にガイド図形330を投影する。例えば、投影装置20は、設置済みの場所で図面を投影できる範囲に含まれる作業箇所での作業者120の作業が終了した後、作業者120を設置予定場所321に誘導するためのガイド図形330を投影する。
【0138】
設置予定場所321は、例えば、データ処理装置30によって決定される。具体的には、データ処理部32が、まだ作業を終えていない複数の作業箇所のうち、投影範囲110内に含まれる作業箇所の数が最大となる場所を設置予定場所321として決定する。なお、設置予定場所321の決定方法は、特に限定されない。
【0139】
ガイド図形330は、例えば、設置予定場所321を中心とする円である。投影装置20は、円の輪郭だけでなく、内部にも光を投影している。なお、ガイド図形330は、設置予定場所321とは異なる位置に投影されてもよい。例えば、ガイド図形330は、実施の形態1に係るガイド図形130と同様に、設置予定場所321を指し示す矢印であってもよい。あるいは、ガイド図形330は、ガイド図形131と同様に、設置予定場所321を囲む複数の環形状であってもよい。
【0140】
設置予定場所321がガイド図形330によって表されることで、作業者120は、設置予定場所321に目印を置く、又は、印をつけることができる。これにより、
図13の(c)に示されるように、作業者120は、投影装置20を移動させて設置予定場所321に設置することができる(
図12のステップS10)。以降、作業現場300における全ての作業が終了されるまで、
図12に示されるステップS10~S90の処理が繰り返される。新たな場所に設置した後の投影装置20の投影範囲110に作業箇所301が含まれるので、
図13の(c)に示されるように、投影装置20は、図面311を設置予定場所321に投影することができる。
【0141】
以上のように、本実施の形態に係る投影システム10は、作業現場100に設置され、作業現場100における複数の作業箇所の各々に図面を投影する投影装置20を備える。投影装置20は、さらに、作業者120を、投影装置20が次に設置される設置予定場所321に誘導するためのガイド図形330を投影する。
【0142】
これにより、作業者120を設置予定場所321に誘導するガイド図形330が投影されるので、作業者120は、投影装置20を適切な場所に容易に設置することができる。このため、投影装置20の移動に要する時間を短くすることができ、作業効率を高めることができる。
【0143】
また、例えば、投影装置20は、作業現場300の所定の場所に設置され、当該所定の場所で図面を投影できる範囲に含まれる作業箇所での作業者120の作業が終了した後、作業者120を設置予定場所321に誘導するためのガイド図形330を投影する。
【0144】
これにより、投影範囲110内の作業箇所での作業が終了した後に、ガイド図形330が投影されるので、設置予定場所321に投影装置20を速やかに設置することができる。このため、投影装置20の移動に要する時間を短くすることができ、作業効率を高めることができる。
【0145】
また、例えば、投影装置20は、作業者120を設置予定場所321に誘導するためのガイド図形330を設置予定場所321に投影する。
【0146】
これにより、ガイド図形330を設置予定場所321に投影することにより、作業者120は、設置予定場所321をより正確に把握することができる。このため、投影装置20が適切な場所に設置されやすくなる。
【0147】
また、例えば、本実施の形態に係る投影方法は、作業現場100に設置された投影装置20が、作業現場100における複数の作業箇所の各々に図面を投影するステップと、作業者120を、投影装置20が次に設置される設置予定場所321に誘導するためのガイド図形330を投影するステップとを含む。
【0148】
これにより、作業者120を設置予定場所321に誘導するガイド図形330が投影されるので、作業者120は、投影装置20を適切な場所に容易に設置することができる。このため、投影装置20の移動に要する時間を短くすることができ、作業効率を高めることができる。
【0149】
なお、本実施の形態に係る投影システム10は、作業者120を次の作業箇所に誘導するためのガイド図形を投影しなくてもよい。すなわち、
図12に示される投影システム10の動作において、ガイド図形の投影(S20)が行われなくてもよい。この場合であっても、投影装置20の設置場所の変更に要する時間を短くすることができるので、作業効率を高めることができる。
【0150】
(その他)
以上、本発明に係る投影システム及び投影方法について、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0151】
例えば、上記の各実施の形態及び各変形例では、投影装置20と、データ処理装置30と、端末装置40とが別体である例を示したが、これらが一体化されていてもよい。すなわち、投影システム10は、各構成要素が物理的に1つの筐体の内部又は外部にまとめて含まれた一体的な装置であってもよい。
【0152】
なお、投影システム10を構成する全ての構成要素が一体化されていなくてもよい。例えば、投影装置20と端末装置40とのみが一体化されていてもよい。あるいは、投影装置20とデータ処理装置30とのみが一体化されていてもよい。
【0153】
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。あるいは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信などである。
【0154】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。例えば、投影装置20は、データ処理装置30が備える処理部(例えば、データ処理部32、入力部35及び表示部36など)を備え、各処理部が実行する処理を行ってもよい。また、例えば、投影装置20は、端末装置40が備える処理部(例えば、操作受付部42及び表示部43など)を備え、各処理部が実行する処理を行ってもよい。
【0155】
また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、投影システムが備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。また、投影システムは、単一の装置として実現されてもよい。
【0156】
例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
【0157】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0158】
また、制御部などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0159】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0160】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0161】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0162】
10 投影システム
20 投影装置
100、300 作業現場
101、102、103、104、301 作業箇所
111、112、113、311 図面
120 作業者
130、131、133、230、231、232、233、330 ガイド図形
132a、132b、132c、132d 矢印
201 作業範囲
321 設置予定場所