(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】電子部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 13/00 20130101AFI20240112BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H01G13/00 331Z
H01G4/30 517
H01G13/00 391H
H01G13/00 391J
H01G4/30 311Z
(21)【出願番号】P 2020571279
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2020004694
(87)【国際公開番号】W WO2020162579
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】P 2019022089
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100158207
【氏名又は名称】河本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】入江 常雅
(72)【発明者】
【氏名】山村 和也
(72)【発明者】
【氏名】清水 謙吾
(72)【発明者】
【氏名】九鬼 洋
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-258930(JP,A)
【文献】特開平09-129483(JP,A)
【文献】特開2015-037127(JP,A)
【文献】特開昭52-153747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 13/00
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部電極用の導電性ペーストが印刷された長尺状のグリーンシートが
一方の主面に形成された長尺状のキャリアフィルムを準備する準備工程と、
前記長尺状のグリーンシートを切断して、前記キャリアフィルム上に矩形状のグリーンシートを形成する切断工程と、
剥離ローラによって、前記矩形状のグリーンシートを前記キャリアフィルムから剥離する剥離工程
と、
前記剥離ローラが、前記矩形状のグリーンシートを積層する機能を兼ね備え、前記剥離ローラによって、前記矩形状のグリーンシートを、積層ステージに積層する積層工程と、を備えた電子部品の製造方法であって、
前記剥離ローラ
は、表面に通気孔が形成され
るとともに、マルチチャンバーサクションローラ構造を備え、前記通気孔によって前記矩形状のグリーンシートを吸引する吸引機能と、前記通気孔から前記矩形状のグリーンシートを開放する排気機能と、を備え、
前記剥離ローラには、熱源が設けられ、
前記剥離工程において、
前記矩形状のグリーンシートは、
前記矩形状のグリーンシートの先端と前記剥離ローラに設けられた先頭の前記通気孔との間の距離を10μm以下にして、前記通気孔によって吸引され、
前記剥離ローラの回転に伴って前記キャリアフィルムから剥離され、
前記剥離ローラの表面に保持され
、前記熱源によって加熱され、
前記積層工程において、
前記剥離ローラは、前記通気孔から排気をおこない、
前記矩形状のグリーンシートは、前記熱源によって加熱される電子部品の製造方法。
【請求項2】
前記切断工程が切断領域において実施され、
前記剥離工程が剥離領域において実施され、
前記キャリアフィルムは、前記切断領域から前記剥離領域に向かう方向に搬送され、
前記切断領域の前、および前記剥離領域の後ろに、それぞれ、前記キャリアフィルムを搬送する駆動ローラが設けられ、
前記駆動ローラが、サクションローラまたはニップローラである、請求項
1に記載された電子部品の製造方法。
【請求項3】
前記切断領域の前の前記駆動ローラと、前記剥離領域の後ろの前記駆動ローラとの間に、少なくとも1つの搬送ローラが設けられ、
前記搬送ローラの少なくとも1つが、前記キャリアフィルムを能動的に搬送する補助駆動ローラである、請求項
2に記載された電子部品の製造方法。
【請求項4】
前記剥離ローラの直径が、50mm以上、1000mm以下である、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載された電子部品の製造方法。
【請求項5】
製造される電子部品が積層セラミックコンデンサである、請求項1ないし
4のいずれか1項に記載された電子部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の製造方法に関し、更に詳しくは、キャリアフィルム上に形成された長尺状のグリーンシートを切断して矩形状のグリーンシートを形成する工程と、矩形状のグリーンシートをキャリアフィルムから剥離する工程とを備えた電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から広く実施されている電子部品の製造方法が、特許文献1(特開平8-162364号公報)に開示されている。特許文献1に開示された電子部品の製造方法は、キャリアフィルム上に形成された長尺状のグリーンシートを切断して矩形状のグリーンシートを形成する工程と、矩形状のグリーンシートをキャリアフィルムから剥離する工程とを備えている。特許文献1に開示された電子部品の製造方法を、
図9(A)~(C)を参照して説明する。
【0003】
まず、
図9(A)に示すように、主面に長尺状のグリーンシート101が形成された長尺状のキャリアフィルム(キャリアテープ)102を、打抜きテーブル103と搬送ユニット104との間に供給する。
【0004】
打抜きテーブル103には、キャリアフィルム102を吸引するための通気孔(吸気口)103aと、打抜きテーブル103自体を加熱する熱源(電熱ヒータ)103bとが形成されている。
【0005】
搬送ユニット104には、両側に1対のカット刃(矩形刃)104aが形成されている。また、搬送ユニット104には、底面に通気孔(吸気口)104bが形成されている。
【0006】
次に、
図9(B)に示すように、搬送ユニット104を、打抜きテーブル103に向かって降下させる。この結果、カット刃104aによって、長尺状のグリーンシート101が切断され、キャリアフィルム102上に矩形状のグリーンシート105が形成される。
【0007】
次に、
図9(C)に示すように、打抜きテーブル103を、搬送ユニット104から離れる方向(
図9(C)における左方向)に水平移動させる。この結果、通気孔104bに吸引されて搬送ユニット104の底面に保持された矩形状のグリーンシート105が、キャリアフィルム102から剥離される。
【0008】
上述したとおり、特許文献1の製造方法においては、打抜きテーブル103が熱源103bによって加熱される。打抜きテーブル103を加熱する理由については、いくつかの理由を考えることができる。
【0009】
1つ目の理由として、グリーンシート105のバインダを打抜きテーブル103の熱により軟化させ、切断を容易にすることがあげられる。
【0010】
2つ目の理由として、後に実施される積層工程において、グリーンシート105の加熱圧着を良好におこなうことをあげることができる。すなわち、グリーンシート105は、後の積層工程において、積層され、加熱圧着されて積層体が作製される。しかしながら、グリーンシート105が常温のままであると、積層工程において、積層されるグリーンシート105が既に積層された積層体から熱を奪い、加熱圧着が良好におこなわれない虞がある。そこで、特許文献1の方法においては、打抜きテーブル103によってグリーンシート105を加熱(予熱)し、積層工程における加熱圧着を良好にしているものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1に開示された電子部品の製造方法には、次のような問題があった。
【0013】
まず、特許文献1に開示された製造方法には、搬送ユニット104のカット刃104aによって切断され、搬送ユニット104の底面に保持された矩形状のグリーンシート105に、捲れ、破れ、皺などが発生する虞があるという問題があった。
図10を参照して説明する。なお、
図10は、本件出願人が説明のために作成したものであり、特許文献1に記載されたものではない。
【0014】
搬送ユニット104は、金属によって作製されている。通気孔104bは、搬送ユニット104に、通常、機械的加工によって形成されている。そのため、搬送ユニット104においては、カット刃104aと通気孔104bとの間の距離Xを小さくするのに限界があった。たとえば、現在、一般的に実施されている機械的加工技術では、距離Xを100μm未満にすることが難しかった。
【0015】
そして、カット刃104aと通気孔104bとの間の距離Xが大きいと、搬送ユニット104の底面に保持された矩形状のグリーンシート105の先端部Pが、搬送ユニット104の底面から捲れる場合があった。あるいは、グリーンシート105の先端部Pが破れたり、グリーンシート105の先端部Pに皺が入ったりする場合があった。
【0016】
そして、グリーンシート105の先端部Pに捲れ、破れ、皺などが発生すると、後のグリーンシート105を積層し、加熱圧着して積層体を作製する工程において、積層不良が発生し、作製された積層体が不良品になってしまう場合があった。
【0017】
また、特許文献1に開示された製造方法には、キャリアフィルム102が、工程の途中で破損してしまう虞があるという問題があった。
【0018】
すなわち、特許文献1に開示された製造方法では、
図9(B)、(C)に示すように、PET(polyethylene terephthalate)などによって作製されたキャリアフィルム102が、熱源103bによって加熱された打抜きテーブル103と、一定の長い時間にわたって当接する。そのため、熱によってキャリアフィルム102が破損してしまう場合があった。たとえば、キャリアフィルム102が、部分的に破れたり、全幅にわたって破れたりして、キャリアフィルム102の搬送ができなくなる場合があった。
【0019】
更に、特許文献1に開示された製造方法には、加熱された打抜きテーブル103の熱によって、キャリアフィルム102に皺が発生し、その結果、キャリアフィルム102の主面に形成されたグリーンシート105の面の一部または全部に皺が発生する虞があるという問題があった。そして、グリーンシート105に皺が発生すると、後のグリーンシート105を積層し、加熱圧着して積層体を作製する工程において、積層不良が発生し、作製された積層体が不良品になってしまう場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、その手段として、本発明の一実施態様にかかる電子部品の製造方法は、内部電極用の導電性ペーストが印刷された長尺状のグリーンシートが一方の主面に形成された長尺状のキャリアフィルムを準備する準備工程と、長尺状のグリーンシートを切断して、キャリアフィルム上に矩形状のグリーンシートを形成する切断工程と、剥離ローラによって、矩形状のグリーンシートをキャリアフィルムから剥離する剥離工程と、剥離ローラが、矩形状のグリーンシートを積層する機能を兼ね備え、剥離ローラによって、矩形状のグリーンシートを、積層ステージに積層する積層工程と、を備えた電子部品の製造方法であって、剥離ローラは、表面に通気孔が形成されるとともに、マルチチャンバーサクションローラ構造を備え、通気孔によって矩形状のグリーンシートを吸引する吸引機能と、通気孔から矩形状のグリーンシートを開放する排気機能と、を備え、剥離ローラには、熱源が設けられ、剥離工程において、矩形状のグリーンシートは、矩形状のグリーンシートの先端と剥離ローラに設けられた先頭の通気孔との間の距離を10μm以下にして、通気孔によって吸引され、剥離ローラの回転に伴ってキャリアフィルムから剥離され、剥離ローラの表面に保持され、熱源によって加熱され、積層工程において、剥離ローラは、通気孔から排気をおこない、矩形状のグリーンシートは、熱源によって加熱されるものとする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電子部品の製造方法によれば、剥離ローラによって、矩形状のグリーンシートをキャリアフィルムから良好に剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態にかかる電子部品の製造方法において使用する電子部品製造装置1000を示す要部概略図である。
【
図2】電子部品製造装置1000の剥離ローラ4を示す断面図である。
【
図3】
図3(A)~(C)は、それぞれ、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法の剥離工程を示す正面図である。
【
図4】
図4(A)~(C)は、それぞれ、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法の剥離工程を示す説明図である。
【
図5】
図5(A)~(C)は、それぞれ、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法の積層工程を示す正面図である。
【
図6】
図6(A)~(C)は、それぞれ、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法の積層工程を示す説明図である。
【
図7】
図7(A)~(C)は、それぞれ、第2実施形態にかかる電子部品の製造方法の剥離工程を示す正面図である。
【
図8】
図8(A)~(C)は、それぞれ、第2実施形態にかかる電子部品の製造方法の剥離工程を示す説明図である。
【
図9】
図9(A)~(C)は、それぞれ、特許文献1に開示された電子部品の製造方法における各工程を示す断面図である。
【
図10】特許文献1に開示された電子部品の製造方法の課題を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
【0024】
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、明細書の理解を助けるためのものであって、模式的に描画されている場合があり、描画された構成要素または構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合などがある。
【0025】
[第1実施形態]
図1に、本実施形態の電子部品の製造方法において使用する電子部品製造装置1000の要部概略図を示す。
【0026】
電子部品製造装置1000には、後述するように、主面に長尺状のグリーンシート6が形成された長尺状のキャリアフィルム5が供給され、搬送される。そして、キャリアフィルム5の搬送の途中において、長尺状のグリーンシート6が切断されてキャリアフィルム5上に矩形状のグリーンシート7が形成され、更に、矩形状のグリーンシート7がキャリアフィルム5から剥離される。
【0027】
電子部品製造装置1000は、キャリアフィルム5の搬送路に、第1駆動ローラ1aと第2駆動ローラ1bとを備えている。第1駆動ローラ1a、第2駆動ローラ1bは、キャリアフィルム5を能動的に搬送するためのものである。
【0028】
本実施形態においては、第1駆動ローラ1a、第2駆動ローラ1bに、サクションローラを使用した。すなわち、第1駆動ローラ1a、第2駆動ローラ1bには、図示は省略するが、表面に通気孔が形成されており、キャリアフィルム5が当接している部分において、通気孔によってキャリアフィルム5を吸引することができる。そして、第1駆動ローラ1a、第2駆動ローラ1bは、キャリアフィルム5を吸引した状態で回転することによって、キャリアフィルム5を搬送することができる。
【0029】
なお、第1駆動ローラ1a、第2駆動ローラ1bには、サクションローラに代えて、キャリアフィルム5とグリーンシート6とを挟み込んで搬送する、または、キャリアフィルム5を挟み込んで搬送する、ニップローラなどを使用してもよい。
【0030】
第1駆動ローラ1aと第2駆動ローラ1bとは、同期して回転するように制御されている。すなわち、第1駆動ローラ1aと第2駆動ローラ1bとは、両者の直径が同じ場合には、同じタイミングで、同じ量だけ回転し、キャリアフィルム5を高い精度で搬送する。
【0031】
電子部品製造装置1000には、更に、キャリアフィルム5の搬送路に、搬送ローラ2a、2bが設けられている。搬送ローラ2a、2bは、第1駆動ローラ1aと第2駆動ローラ1bとの間に設けられている。搬送ローラ2a、2bは、キャリアフィルム5の搬送方向を変えたい場合や、キャリアフィルム5に張力を与えたい場合などに設けられる。
【0032】
本実施形態においては、搬送ローラ2a、2bに、キャリアフィルム5を能動的に搬送する機能を備えた補助駆動ローラを使用した。搬送ローラ2a、2bは、第1駆動ローラ1aおよび第2駆動ローラ1bと同期して自ら回転する。なお、搬送ローラ2a、2bは、補助駆動ローラではなく、キャリアフィルム5の搬送に伴って受動的に回転するものであってもよい。
【0033】
電子部品製造装置1000は、キャリアフィルム5の搬送路に、切断領域A1と剥離領域A2とを備えている。切断領域A1と剥離領域A2とは、第1駆動ローラ1aと第2駆動ローラ1bとの間に設けられている。
【0034】
切断領域A1は、長尺状のグリーンシート6を切断し、キャリアフィルム5上に矩形状のグリーンシート7を形成する領域である。切断領域A1には、1対のカット刃3a、3bが、所定の間隔を空けて設けられている。
【0035】
剥離領域A2は、矩形状のグリーンシート7をキャリアフィルム5から剥離する領域である。剥離領域A2には、剥離ローラ4が設けられている。
【0036】
本実施形態の剥離ローラ4は、
図2の断面図に示すように、外周のおおよそ1/3の領域に、複数の通気孔4aが形成されている。通気孔4aは、それぞれ、剥離ローラ4に設けられた所定の通気管に接続されている。なお、本実施形態においては、矩形状のグリーンシート7の長さに適合させて、剥離ローラ4の外周のおおよそ1/3の領域に通気孔4aを設けたが、通気孔4aを設ける領域の広さは任意であり、たとえば、外周のおおよそ1/2に通気孔4aを設けても良く、外周の全周に通気孔4aを設けてもよい。なお、
図4においては、剥離ローラ4の外周に沿って設けられた通気孔4aが示されているが、通気孔4aは剥離ローラ4の幅方向にも設けられている。
【0037】
本実施形態においては、剥離ローラ4がマルチチャンバーサクションローラ構造を備えており、剥離ローラ4の表面の領域ごとに、また時間の経過ごとに、通気孔4aの状態を、吸引状態、排気状態(ブロー状態)、大気開放状態などの任意の状態にすることができる。また、吸引状態や排気状態は、剥離ローラ4の表面の領域ごとに、強弱を付けることができる。
【0038】
剥離ローラ4には、剥離したグリーンシート7を加熱(予熱)するために、熱源4bが設けられている。熱源4bの種類は任意であるが、たとえば、カートリッジヒータ、プレートヒータなどの抵抗加熱方式、誘導加熱、誘電加熱方式、熱媒を利用したヒートポンプ方式などを使用することができる。
【0039】
剥離ローラ4の材質は任意であるが、たとえば、アルミ、カーボン、SUSなどを使用することができる。剥離ローラ4の直径は任意であるが、たとえば、50mm以上、1000mm以下とすることができる。
【0040】
以下に、電子部品製造装置1000を使用して実施する、本実施形態にかかる電子部品の製造方法について説明する。なお、製造する電子部品の種類は任意であるが、本実施形態においては、一例として積層セラミックコンデンサを製造する。
【0041】
まず、キャリアフィルム5を用意する。キャリアフィルム5の材質は任意であるが、たとえば、PETを使用することができる。また、キャリアフィルム5の長さ、幅、厚みなどの寸法は任意であり、所望のものを使用することができる。
【0042】
次に、製造する電子部品に応じた材質、粒径などからなる誘電体セラミックスの粉末、バインダ樹脂、溶剤などを用意し、これらを湿式混合してセラミックスラリーを作製する。
【0043】
次に、キャリアフィルム5上に、セラミックスラリーを、ダイコータ、グラビアコーター、マイクログラビアコーターなどを用いてシート状に塗布し、乾燥させる。なお、塗布するセラミックスラリーの厚みは任意であり、所望するグリーンシート6の厚みにより、適宜、設定する。
【0044】
以上により、一方の主面に長尺状のグリーンシート6が形成された長尺状のキャリアフィルム5が完成する。
【0045】
次に、必要に応じて、内部電極を形成するために、長尺状のグリーンシート6の主面に、導電性ペーストを所望のパターンに印刷する。
【0046】
次に、
図1に示すように、長尺状のグリーンシート6が形成された長尺状のキャリアフィルム5を、順次、電子部品製造装置1000に供給する。本実施形態においては、キャリアフィルム5を、第1駆動ローラ1a、切断領域A1、剥離領域A2、搬送ローラ2a、搬送ローラ2b、第2駆動ローラ1bを順に経由する経路に供給する。キャリアフィルム5は、第1駆動ローラ1a、第2駆動ローラ1b、および、補助駆動ローラである搬送ローラ2a、2bによって、高い精度で制御されて搬送される。
【0047】
次に、長尺状のグリーンシート6を、矩形状のグリーンシート7に切断する。具体的には、まず、キャリアフィルム5の搬送を停止させる。次に、切断領域A1において、カット刃3a、3bを下降させ、長尺状のグリーンシート6を所望の寸法の矩形状のグリーンシート7に切断する。このとき、カット刃3a、3bは、グリーンシート6だけを切断し、キャリアフィルム5を切断しないようにする。この結果、長尺状のキャリアフィルム5上に、矩形状のグリーンシート7が形成される。
【0048】
次に、キャリアフィルム5を間欠的に搬送し、切断された矩形状のグリーンシート7を剥離領域A2の方向に搬送するとともに、切断領域A1に長尺状のグリーンシート6の次に切断すべき部分を搬送する。
【0049】
以上の長尺状のグリーンシート6の矩形状のグリーンシート7への切断と、キャリアフィルム5の間欠的な搬送とを、順次、繰り返す。
【0050】
なお、先に切断された矩形状のグリーンシート7と次に切断された矩形状のグリーンシート7との間のキャリアフィルム5上に、長尺状のグリーンシート6の不使用部分(矩形状のグリーンシート7として切断しなかった部分)が残る場合があるが、
図1などにおいては、かかる不使用部分の図示を省略している。
【0051】
次に、
図3(A)~(C)、
図4(A)~(C)に示すように、剥離領域A2において、キャリアフィルム5上に形成された矩形状のグリーンシート7を、キャリアフィルム5から剥離する。なお、
図3(A)~(C)は正面図、
図4(A)~(C)は説明図であり、
図3(A)と
図4(A)、
図3(B)と
図4(B)、
図3(C)と
図4(C)が、それぞれ、同じ時点を示している。なお、
図4(A)~(C)は、剥離ローラ4の通気孔4aの状態(吸引状態、大気開放状態、排気状態)を示している。
【0052】
まず、
図3(A)、
図4(A)に示すように、キャリアフィルム5によって、矩形状のグリーンシート7が剥離領域A2に搬送され、その先端が剥離ローラ4の最下部に当接する。この時点では、剥離ローラ4の通気孔4aは大気開放状態(又は排気状態)にあり、吸引はしていない。
【0053】
次に、
図3(B)、
図4(B)に示すように、キャリアフィルム5によって矩形状のグリーンシート7を更に搬送し、それに同期させて剥離ローラ4を回転させる。このとき、通気孔4aは、剥離ローラ4の最下部を越えると、順次、大気開放状態(又は排気状態)から吸引状態に切り替わり、矩形状のグリーンシート7を吸引する。そして、剥離ローラ4の回転に伴って、矩形状のグリーンシート7がキャリアフィルム5から剥離される。
【0054】
次に、
図3(C)、
図4(C)に示すように、矩形状のグリーンシート7がキャリアフィルム5から完全に剥離され、矩形状のグリーンシート7が剥離ローラ4の表面に保持される。
【0055】
なお、本実施形態においては、剥離ローラ4の表面に保持された矩形状のグリーンシート7が、剥離ローラ4の熱源4bによって加熱(予熱)される。また、本実施形態においては、剥離ローラ4が、次の工程である積層工程において矩形状のグリーンシート7を積層する積層ローラを兼ねている。そのため、矩形状のグリーンシート7が剥離ローラ4の表面に保持されると、積層工程を実施する空間を確保するために、キャリアフィルム5と搬送ローラ2aとが、一旦、剥離ローラ4の下から退却する。なお、キャリアフィルム5と搬送ローラ2aとを退却させる代わりに、矩形状のグリーンシート7を保持した剥離ローラ4を、別の場所に移動させるようにしてもよい。
【0056】
次に、
図5(A)~(C)、
図6(A)~(C)に示すように、積層ローラを兼ねる剥離ローラ4に保持された矩形状のグリーンシート7を、積層ステージ8上に積層し、積層体9を作製する。なお、
図5(A)~(C)は正面図、
図6(A)~(C)は説明図であり、
図5(A)と
図6(A)、
図5(B)と
図6(B)、
図5(C)と
図6(C)が、それぞれ、同じ時点を示している。なお、
図6(A)~(C)は、積層ローラを兼ねる剥離ローラ4の通気孔4aの状態(吸引状態、大気開放状態、排気状態)を示している。
【0057】
本工程においては、積層ステージ8が使用される。積層ステージ8の内部には、積層体9を加熱するために、熱源8aが設けられている。
【0058】
まず、
図5(A)、
図6(A)に示すように、矩形状のグリーンシート7が保持された、積層ローラを兼ねる剥離ローラ4の下に、積層ステージ8を移動させる。
図5(A)、
図6(A)においては、積層ステージ8上に、既に複数の矩形状のグリーンシート7が積層され、加熱圧着されて、作製途中の積層体9が存在している。ただし、1層目のグリーンシート7を積層する場合には、積層ステージ8上に積層体9(グリーンシート7)は存在していない。
【0059】
剥離ローラ4の最下部において、剥離ローラ4に保持されたグリーンシート7の先端と、積層体9の最上層に積層されたグリーンシート7の先端とが、位置合わせされる。この時点では、剥離ローラ4の通気孔4aは吸引状態にあり、矩形状のグリーンシート7は剥離ローラ4に保持されている。
【0060】
次に、
図5(B)、
図6(B)に示すように、積層ローラを兼ねる剥離ローラ4を回転させ、それに同期させて、積層ステージ8を回転と同じ方向(
図5(B)、
図6(B)における右方向)に移動させる。このとき、通気孔4aは、剥離ローラ4の最下部を越えると、順次、吸引状態から排気状態(又は大気開放状態)に切り替わる。この結果、積層ローラを兼ねる剥離ローラ4に保持されたグリーンシート7が、積層ステージ8上の積層体9の最上層に積層され、加熱圧着される。
【0061】
このとき、積層ローラを兼ねる剥離ローラ4に保持された矩形状のグリーンシート7は、剥離ローラ4の熱源4bによって加熱(予熱)されているため、当該グリーンシート7が積層体9から熱を奪うことがなく、当該グリーンシート7は積層体9の最上層に良好に加熱圧着される。
【0062】
次に、
図5(C)、
図6(C)に示すように、矩形のグリーンシート7が積層体9に完全に加熱圧着されて、当該グリーンシート7の積層が完了する。
【0063】
以上の矩形のグリーンシート7の積層を所望の回数繰り返し、積層体9を完成させる。
【0064】
次に、必要に応じて、積層体9を複数の個片の未焼成セラミック素体に分割する。
【0065】
次に、未焼成セラミック素体を、所定のプロファイルで焼成し、セラミック素体を作製する。このとき、グリーンシート7の層間に設けられた導電性ペーストも焼成され、セラミック素体の層間に内部電極が形成される。
【0066】
次に、セラミック素体の表面に外部電極を形成して、本実施形態にかかる電子部品(積層セラミックコンデンサ)が完成する。
【0067】
本実施形態の電子部品の製造方法においては、矩形状のグリーンシート7のキャリアフィルム5からの剥離を、剥離ローラ4によっておこなっているため、矩形状のグリーンシート7をキャリアフィルム5から極めて良好に剥離することができる。
【0068】
すなわち、
図10に示したように、底面が平板状の搬送ユニット104を使って矩形状のグリーンシート105を剥離する従来の方法では、カット刃104aと、機械的加工によって搬送ユニット104に形成された通気孔104bとの距離Xが大きいため、グリーンシート105の先端部Pが、搬送ユニット104の底面から捲れたり、破れたり、皺が入ったりしてしまう場合があった。そして、グリーンシート105を積層して作製された積層体が、不良品になってしまう場合があった。
【0069】
これに対し、本実施形態においては、切断領域A1における長尺状のグリーンシート6の矩形状のグリーンシート7への切断と、第1駆動ローラ1a、第2駆動ローラ1bによるキャリアフィルム5の搬送と、剥離領域A2における剥離ローラ4の回転とを、同期させて正確なタイミングで制御すれば、
図2に示すように、矩形状のグリーンシート7の先端と、剥離ローラ4に設けられた先頭の通気孔4aとの間の距離Yを、たとえば10μm以下というように、極めて小さくすることができる。
【0070】
本実施形態においては、剥離領域A2において、矩形状のグリーンシート7の先端と剥離ローラ4に設けられた先頭の通気孔4aとの間の距離Yを、極めて小さくすることができるため、グリーンシート7の先端部Pが、剥離ローラ4の表面から捲れたり、破れたり、皺が入ったりしてしまうことなない。したがって、グリーンシート7の先端部Pの捲れ、破れ、皺などに起因して、積層体が不良品になってしまうことがない。
【0071】
また、本実施形態においては、キャリアフィルム5の各部分が剥離ローラ4と当接している時間が短く、また、グリーンシート7を介して間接的に当接しているため、剥離ローラ4に設けられた熱源4bの熱によって、キャリアフィルム5が破損してしまうことがない。また、剥離ローラ4に設けられた熱源4bの熱によって、キャリアフィルム5に皺が発生することがないため、キャリアフィルム5に発生した皺に起因して、キャリアフィルム5上に形成されたグリーンシート7に皺が発生することがない。そのため、グリーンシート7に発生した皺に起因して、積層体が不良品になってしまうことがない。
【0072】
[第2実施形態]
第1実施形態の一部に変更を加えて、第2実施形態にかかる電子部品の製造方法を実施する。具体的には、第1実施形態においては、剥離ローラ4が積層ローラを兼ねていた。第2実施形態においては、これに変更を加え、専用の剥離ローラ14と、専用の積層ローラ24とを使用する。なお、剥離ローラ14および積層ローラ24は、いずれも、マルチチャンバーサクションローラ構造を備えており、表面に形成された通気孔の状態を、吸引状態、大気開放状態、排気状態などに切り替えることができる。
【0073】
図7(A)~(C)、
図8(A)~(C)に、本実施形態における、剥離ローラ14による矩形状のグリーンシート7の剥離と、剥離ローラ14から積層ローラ24への矩形状のグリーンシート7の受け渡しを示す。なお、
図7(A)~(C)は正面図、
図8(A)~(C)は説明図であり、
図7(A)と
図8(A)、
図7(B)と
図8(B)、
図7(C)と
図8(C)が、それぞれ、同じ時点を示している。なお、
図8(A)~(C)は、剥離ローラ14および積層ローラ24の表面に形成された通気孔の状態(吸引状態、大気開放状態、排気状態)を示している。
【0074】
まず、第1実施形態と同じ方法によって、長尺状のグリーンシート6を矩形状のグリーンシート7に切断する。
【0075】
次に、
図7(A)、
図8(A)に示すように、専用の剥離ローラ14によって、第1実施形態と同じ方法で、矩形状のグリーンシート7をキャリアフィルム5から剥離する。剥離された矩形状のグリーンシート7は、剥離ローラ14の表面に保持される。このとき、剥離ローラ14の通気孔は吸引状態にある。
【0076】
次に、
図7(B)、
図8(B)に示すように、剥離ローラ14と積層ローラ24とを同期させて逆方向に回転させて、剥離ローラ14の表面に保持された矩形状のグリーンシート7を、積層ローラ24の表面に受け渡す。より詳細には、剥離ローラ14の表面に形成された通気孔は、剥離ローラ14の最上部を越えると、順次、吸引状態から排気状態(又は大気開放状態)に切り替わる。一方、積層ローラ24の表面に形成された通気孔は、積層ローラ24の最下部を越えると、順次、大気開放状態(又は排気状態)から吸引状態に切り替わる。この結果、剥離ローラ14の表面に保持された矩形状のグリーンシート7が、順次、積層ローラ24の表面に受け渡される。
【0077】
次に、
図7(C)、
図8(C)に示すように、剥離ローラ14から積層ローラ24への矩形状のグリーンシート7の受け渡しが完了すると、キャリアフィルム5と搬送ローラ2aと剥離ローラ14とが、一旦、積層ローラ24の下から退却する。なお、キャリアフィルム5と搬送ローラ2aと剥離ローラ14とを退却させる代わりに、矩形状のグリーンシート7を保持した積層ローラ24を、別の場所に移動させてもよい。
【0078】
次に、積層ローラ24の表面に保持された矩形状のグリーンシート7を、積層ローラ24によって、第1実施形態と同様の方法によって積層し、加熱圧着して、積層体9を作製する。
【0079】
以下の工程は、第1実施形態と同様にする。
【0080】
以上、第1実施形態にかかる電子部品の製造方法と、第2実施形態にかかる電子部品の製造方法とについて説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って種々の変更をなすことができる。
【0081】
たとえば、上記実施形態においては、電子部品として積層セラミックコンデンサを作製したが、作製する電子部品の種類は任意であり、積層セラミックサーミスタ、積層セラミックインダクタ、積層セラミック複合部品など、他の種類の電子部品であってもよい。
【0082】
また、上記実施形態においては、剥離ローラ4(又は14)の外周のおよそ1/3の領域に通気孔4aが形成されていたが、通気孔4aを設ける領域の広さは任意であり、たとえば、外周のおおよそ1/2に通気孔4aを設けても良く、外周の全周に通気孔4aを設けてもよい。
【0083】
また、上記実施形態においては、剥離ローラ4、14が、マルチチャンバーサクションローラ構造を備えていたが、この構造は必須のものではない。
【0084】
また、第2実施形態においては、矩形状のグリーンシート7を剥離ローラ14から積層ローラ24へ直接に受け渡していたが、剥離ローラ14と積層ローラ24との間に、1つ、または、複数の保持ローラを介在させ、矩形状のグリーンシート7を剥離ローラ14から積層ローラ24へ保持ローラを介在させて受け渡すようにしてもよい。
【0085】
本発明の一実施態様にかかる電子部品の製造方法は、「課題を解決するための手段」の欄に記載したとおりである。
【0086】
この電子部品の製造方法において、剥離ローラの表面に通気孔が形成され、剥離工程において、矩形状のグリーンシートは、通気孔によって吸引され、剥離ローラの回転に伴ってキャリアフィルムから剥離され、剥離ローラの表面に保持されるようにしてもよい。この場合には、矩形状のグリーンシートが、キャリアフィルムから確実に剥離される。
【0087】
また、剥離ローラに熱源が設けられ、熱源によって矩形状のグリーンシートが加熱されるようにしてもよい。この場合には、積層工程において、新たに積層される矩形状のグリーンシートが、それまでに積層された作製途中の積層体から熱を奪うことなく、矩形状のグリーンシートが積層体の最上層に良好に加熱圧着される。
【0088】
また、剥離ローラが、マルチチャンバーサクションローラ構造を備え、通気孔によって矩形状のグリーンシートを吸引する吸引機能と、通気孔から矩形状のグリーンシートを開放する排気機能または大気開放機能と、を備えたものであってもよい。この場合には、剥離ローラによる、矩形状のグリーンシートの剥離、保持、他のローラへの受け渡し、積層体への積層などを、良好におこなうことができる。
【0089】
また、切断工程が切断領域において実施され、剥離工程が剥離領域において実施され、キャリアフィルムは、切断領域から剥離領域に向かう方向に搬送され、記切断領域の前、および剥離領域の後ろに、それぞれ、キャリアフィルムを搬送する駆動ローラが設けられ、駆動ローラが、サクションローラまたはニップローラであるようにしてもよい。この場合には、駆動ローラによって、キャリアフィルムを、高い精度で搬送することができる。
【0090】
また、切断領域の前の駆動ローラと、剥離領域の後ろの駆動ローラとの間に、少なくとも1つの搬送ローラが設けられ、搬送ローラの少なくとも1つが、キャリアフィルムを能動的に搬送する補助駆動ローラであってもよい。この場合には、キャリアフィルムを、更に高い精度で搬送することができる。
【0091】
また、剥離ローラの直径を、50mm以上、1000mm以下としてもよい。この場合には、矩形状のグリーンシートをキャリアフィルムから良好に剥離することができる。また、剥離される矩形状のグリーンシートの先端と、剥離ローラに形成された通気孔との位置合わせが容易になる。
【0092】
また、剥離工程の後に、矩形状のグリーンシートを積層する積層工程を備えてもよい。この場合には、一連の工程ラインにより、電子部品を高い生産性で製造することができる。
【0093】
また、剥離ローラが、矩形状のグリーンシートを積層する機能を兼ね備え、積層工程が、剥離ローラを使用して実施されるようにしてもよい。この場合には、矩形状のグリーンシートを、剥離ローラから積層ローラなどに受け渡す工程を省略することができるため、電子部品を高い生産性で製造することができる。
【0094】
また、積層工程が、積層ローラを使用して実施され、矩形状のグリーンシートが、剥離ローラから積層ローラに、直接に受け渡されるか、または、少なくとも1つの保持ローラを介して受け渡されるようにしてもよい。この場合には、積層ローラによって、矩形状のグリーンシートを高い精度で積層することができる。
【0095】
また、積層ローラおよび保持ローラの少なくとも一方が、通気孔およびマルチチャンバーサクションローラ構造を備え、通気孔によって矩形状のグリーンシートを吸引する吸引機能と、通気孔から矩形状のグリーンシートを開放する排気機能または大気開放機能と、を備えたものとしてもよい。この場合には、剥離ローラと積層ローラとの間、剥離ローラと保持ローラとの間、保持ローラと積層ローラとの間における、矩形状のグリーンシートの受け渡しを良好におこなうことができる。
【符号の説明】
【0096】
1a・・・第1駆動ローラ
1b・・・第2駆動ローラ
2a、2b・・・搬送ローラ
3a、3b・・・カット刃
4・・・剥離ローラ(積層ローラを兼ねている)
4a・・・通気孔
4b・・・熱源
5・・・キャリアフィルム
6・・・長尺状のグリーンシート
7・・・矩形状のグリーンシート
8・・・積層ステージ
8a・・・熱源
9・・・積層体
14・・・剥離ローラ
24・・・積層ローラ
A1・・・切断領域
A2・・・剥離領域