(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】配送計画作成方法及び配送計画作成システム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240112BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20240112BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20240112BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20240112BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240112BHJP
B60L 53/10 20190101ALI20240112BHJP
B60L 58/12 20190101ALI20240112BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240112BHJP
G06Q 10/08 20240101ALI20240112BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240112BHJP
G16Y 20/30 20200101ALI20240112BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/13
B60L3/00 S
B60L15/20 J
B60L50/60
B60L53/10
B60L58/12
G06Q50/30
G06Q50/28
G16Y10/40
G16Y20/30
(21)【出願番号】P 2021506147
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(86)【国際出願番号】 JP2019046119
(87)【国際公開番号】W WO2020188893
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】P 2019049061
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】葉山 悟
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/059739(WO,A1)
【文献】特開2017-182772(JP,A)
【文献】特開2015-065761(JP,A)
【文献】特開2011-153892(JP,A)
【文献】特開2013-034323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/34
G08G 1/13
B60L 3/00
B60L 15/20
B60L 50/60
B60L 53/10
B60L 58/12
G06Q 50/30
G06Q 50/28
G16Y 10/40
G16Y 20/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより実行される配送計画作成方法であって、
配送対象の配送が開始される地点または前記配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点とし、
前記配送対象の配送が終了する地点または前記配送対象を前記第一移動体から引き継ぐ第二移動体による前記配送対象の配送が終了する地点を終了地点とし、
前記第二移動体が前記終了地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定し、
前記開始地点と、前記終了地点と、前記第一移動体の位置及び前記第二移動体の位置と、
前記エネルギー残量の推移と、に基づいて、前記第一移動体から前記第二移動体への前記配送対象の引き継ぎが行われる引継地点を移動先として決定し、
前記第一移動体に、前記開始地点を経由して、決定した前記引継地点まで走行させ、前記第二移動体に、決定した前記引継地点を経由して、前記終了地点まで走行させる配送計画を作成する、
配送計画作成方法。
【請求項2】
前記移動先の決定において、前記第一移動体のエネルギー補給が行われる第一補給地点をさらに移動先として決定し、
前記配送計画の作成において、前記第一移動体に、前記開始地点と、決定した前記引継地点とを順に経由して、決定した前記第一補給地点まで走行させ、前記第二移動体に、決定した前記引継地点を経由して、前記終了地点まで走行させる配送計画を作成する
請求項1記載の配送計画作成方法。
【請求項3】
前記移動先の決定において、前記開始地点と、前記終了地点と、前記第一移動体の位置及び前記第二移動体の位置と、に基づいて、前記引継地点と、前記第一補給地点と、前記第二移動体のエネルギー補給が行われる第二補給地点と、を移動先として決定し、
前記配送計画の作成において、前記第一移動体に、前記開始地点と、決定した前記引継地点とを順に経由して、決定した前記第一補給地点まで走行させ、前記第二移動体に、決定した前記引継地点と、前記終了地点とを順に経由して、決定した前記第二補給地点まで走行させる配送計画を作成する、
請求項2記載の配送計画作成方法。
【請求項4】
前記移動先の決定において、推定した前記エネルギー残量の推移から得られる、作成した前記配送計画の実行が完了した時点における前記第二移動体のエネルギー残量が、所定の閾値以下とならないよう、前記移動先を決定する、
請求項
1~3のいずれか1項に記載の配送計画作成方法。
【請求項5】
前記移動先の決定において、推定した前記エネルギー残量の推移から得られる、前記終了地点、及び、前記移動先の候補のうちのそれぞれの地点に前記第二移動体が到着した時点における、前記第二移動体のエネルギー残量のそれぞれのうち、1以上のエネルギー残量に基づいて、前記移動先を決定する、
請求項
1~4のいずれか1項に記載の配送計画作成方法。
【請求項6】
更に、前記第二移動体が前記終了地点へ走行する際の走行距離を取得し、
前記移動先の決定において、取得した前記走行距離に基づいて前記移動先を決定する、
請求項1~
5のいずれか1項に記載の配送計画作成方法。
【請求項7】
更に、前記第二移動体が前記終了地点へ走行する際の所要時間を推定し、
前記移動先の決定において、推定した前記所要時間に基づいて前記移動先を決定する、
請求項1~
6のいずれか1項に記載の配送計画作成方法。
【請求項8】
前記移動先の決定において、
移動体群の各移動体の位置を取得し、
前記開始地点と、前記終了地点と、取得した前記各移動体の位置と、に基づいて、前記移動体群の中から前記第一移動体及び前記第二移動体を選択する、
請求項1~
7のいずれか1項に記載の配送計画作成方法。
【請求項9】
配送対象の配送が開始される地点または前記配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点とする開始地点決定部と、
前記配送対象の配送が終了する地点または前記配送対象を前記第一移動体から引き継ぐ第二移動体による前記配送対象の配送が終了する地点を終了地点とする終了地点決定部と、
前記第二移動体が前記終了地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定するエネルギー残量推移推定部と、
前記開始地点と、前記終了地点と、前記第一移動体の位置及び前記第二移動体の位置と、
前記エネルギー残量の推移と、に基づいて、前記第一移動体から前記第二移動体への前記配送対象の引き継ぎが行われる引継地点を移動先として決定する移動先決定部と、
前記第一移動体に、前記開始地点を経由して、前記移動先決定部が決定した前記引継地点まで走行させ、前記第二移動体に、前記移動先決定部が決定した前記引継地点を経由して、前記終了地点まで走行させる配送計画を作成する計画作成部と、を備える、
配送計画作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の配送計画を作成する配送計画作成方法等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、EV(Electric Vehicle)での配送による配送対象の配送の実施中に車両の充電切れを回避するために、管理センタ等が、車両の現在位置から乗車位置と目的地とを経由して最寄りの充電ステーションに到達可能な充電残量の車両を抽出し、抽出した車両のうち乗車位置に最も近い車両に対して配送指示を通知する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来、EVでの配送による配送対象の配送の実施中に車両の充電切れが発生するか、充電切れが間近になった際に、配送を他の車両に引き継ぐために、サーバ等が、第一車両が走行不能であることまたは走行不能になる可能性が高いことを示す情報を取得し、第一車両の現在位置または第一車両の現在位置と目的地との間に、第二車両との連携地点を設定し、両者に連携地点での連携を指示する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-073979号公報
【文献】特許第6257318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で開示される構成では、配送の距離が、1台の車両が満充電状態であっても走行できないような長距離の場合には、配送を完了させることができないという課題を有している。
【0006】
また、特許文献2で開示される構成では、第一車両において、充電切れが発生するか、充電切れが間近になった際に、連携地点は第一車両の現在位置または第一車両の現在位置と目的地との間に設定され、第二車両の事情を考慮していないため、第二車両が連携地点または目的地まで辿りつけなかったり、連携後の第二車両の走行が非効率的になってしまったりするという課題とを有している。
【0007】
本開示は、上記従来の課題を解決するもので、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制することができる配送計画作成方法等を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る配送計画作成方法は、コンピュータにより実行される配送計画作成方法であって、配送対象の配送が開始される地点または前記配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点とし、前記配送対象の配送が終了する地点または前記配送対象を前記第一移動体から引き継ぐ第二移動体による前記配送対象の配送が終了する地点を終了地点とし、前記開始地点と、前記終了地点と、前記第一移動体の位置及び前記第二移動体の位置と、に基づいて、前記第一移動体から前記第二移動体への前記配送対象の引き継ぎが行われる引継地点を移動先として決定し、前記第一移動体に、前記開始地点を経由して、決定した前記引継地点まで走行させ、前記第二移動体に、決定した前記引継地点を経由して、前記終了地点まで走行させる配送計画を作成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制することができる配送計画作成方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1における配送計画作成システムの全体の構成を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、配送計画の一例を説明するための図である。
【
図2B】
図2Bは、配送計画の他の一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の一例を示すフローチャートである。
【
図4A】
図4Aは、配送計画の実行が完了するまでの流れを説明するための図である。
【
図4B】
図4Bは、配送計画の実行が完了するまでの流れを説明するための図である。
【
図4C】
図4Cは、配送計画の実行が完了するまでの流れを説明するための図である。
【
図4D】
図4Dは、配送計画の実行が完了するまでの流れを説明するための図である。
【
図4E】
図4Eは、配送計画の実行が完了するまでの流れを説明するための図である。
【
図5】
図5は、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の他の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施の形態2における配送計画作成システムの全体の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、実施の形態2における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一態様に係る配送計画作成方法は、コンピュータにより実行される配送計画作成方法であって、配送対象の配送が開始される地点または前記配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点とし、前記配送対象の配送が終了する地点または前記配送対象を前記第一移動体から引き継ぐ第二移動体による前記配送対象の配送が終了する地点を終了地点とし、前記開始地点と、前記終了地点と、前記第一移動体の位置及び前記第二移動体の位置と、に基づいて、前記第一移動体から前記第二移動体への前記配送対象の引き継ぎが行われる引継地点を移動先として決定し、前記第一移動体に、前記開始地点を経由して、決定した前記引継地点まで走行させ、前記第二移動体に、決定した前記引継地点を経由して、前記終了地点まで走行させる配送計画を作成する。
【0012】
この構成によれば、配送の距離が、1台の移動体のエネルギーが満杯状態であっても移動(例えば移動体を車両とした場合、走行)できないような長距離の場合でも、配送対象が第一移動体から第二移動体に引き継がれて配送されるため、配送を完了させることができる。また、配送対象が第一移動体から第二移動体へ引き継がれる引継地点は、開始地点、終了地点及び第一移動体の位置だけでなく、第二移動体の位置にも基づいて決定され、第二移動体の事情が考慮されるため、第二移動体が引継地点または終了地点まで辿りつけなかったり、引き継ぎ後の第二移動体の走行が非効率的になってしまったりするということを抑制できる。したがって、本開示によれば、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制することができる。
【0013】
また、上記の配送計画作成方法における前記移動先の決定において、前記第一移動体のエネルギー補給が行われる第一補給地点をさらに移動先として決定し、前記配送計画の作成において、前記第一移動体に、前記開始地点と、決定した前記引継地点とを順に経由して、決定した前記第一補給地点まで走行させ、前記第二移動体に、決定した前記引継地点を経由して、前記終了地点まで走行させる配送計画を作成してもよい。
【0014】
この構成によれば、移動先として第一移動体のエネルギー補給を行う第一補給地点が決定されるため、引き継ぎの完了後にエネルギー切れにより第一移動体が走行不能となることを抑制できる。
【0015】
また、上記の配送計画作成方法における前記移動先の決定において、前記開始地点と、前記終了地点と、前記第一移動体の位置及び前記第二移動体の位置と、に基づいて、前記引継地点と、前記第一補給地点と、前記第二移動体のエネルギー補給が行われる第二補給地点と、を移動先として決定し、前記配送計画の作成において、前記第一移動体に、前記開始地点と、決定した前記引継地点とを順に経由して、決定した前記第一補給地点まで走行させ、前記第二移動体に、決定した前記引継地点と、前記終了地点とを順に経由して、決定した前記第二補給地点まで走行させる配送計画を作成してもよい。
【0016】
この構成によれば、移動先として第二移動体のエネルギー補給を行う第二補給地点も決定されるため、配送対象の配送の終了後にエネルギー切れにより第二移動体が走行不能となることを抑制できる。
【0017】
また、上記の配送計画作成方法において、更に、前記第二移動体が前記終了地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定し、前記移動先の決定において、推定した前記エネルギー残量の推移に基づいて、前記移動先を決定してもよい。
【0018】
この構成によれば、他の移動体に配送対象を引き継いで配送を完了させることを、エネルギーの消費の観点において効率的に行い得る。
【0019】
また、上記の配送計画作成方法における前記移動先の決定において、推定した前記エネルギー残量の推移から得られる、作成した前記配送計画の実行が完了した時点における前記第二移動体のエネルギー残量が、所定の閾値以下とならないよう、前記移動先を決定してもよい。
【0020】
この構成によれば、他の移動体に配送対象を引き継いで配送を完了させながら、エネルギーの枯渇を抑制できる。
【0021】
また、上記の配送計画作成方法における前記移動先の決定において、推定した前記エネルギー残量の推移から得られる、前記終了地点、及び、前記移動先の候補のうちのそれぞれの地点に前記第二移動体が到着した時点における、前記第二移動体のエネルギー残量のそれぞれのうち、1以上のエネルギー残量に基づいて、前記移動先を決定してもよい。
【0022】
この構成によれば、他の移動体に配送対象を引き継いで配送を完了させながら、エネルギーの消費を効率化できる。また、第二移動体のエネルギーが切れることをより確実に回避できる。つまり、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることをより抑制しやすくなる。
【0023】
また、上記の配送計画作成方法において、更に、前記第二移動体が前記終了地点へ走行する際の走行距離を取得し、前記移動先の決定において、取得した前記走行距離に基づいて前記移動先を決定してもよい。
【0024】
この構成によれば、他の移動体に配送対象を引き継いで配送を完了させることを、走行距離の観点において効率的に行い得る。つまり、配送対象の配送が失敗に終わることを抑制しながら、走行距離を抑制することができる。
【0025】
また、上記の配送計画作成方法において、更に、前記第二移動体が前記終了地点へ走行する際の所要時間を推定し、前記移動先の決定において、推定した前記所要時間に基づいて前記移動先を決定してもよい。
【0026】
この構成によれば、他の移動体に配送対象を引き継いで配送を完了させることを、所要時間の観点において効率的に行い得る。つまり、配送対象の配送が失敗に終わることを抑制しながら、所要時間を抑制することができる。
【0027】
また、上記の配送計画作成方法における前記移動先の決定において、移動体群の各移動体の位置を取得し、前記開始地点と、前記終了地点と、取得した前記各移動体の位置と、に基づいて、前記移動体群の中から前記第一移動体及び前記第二移動体を選択してもよい。
【0028】
この構成によれば、移動体群の中から移動用エネルギーの枯渇しにくい第一移動体及び第二移動体を選択できる。このため、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることをより抑制しやすくなる。
【0029】
また、本開示の一態様に係る配送計画作成システムは、配送対象の配送が開始される地点または前記配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点とする開始地点決定部と、前記配送対象の配送が終了する地点または前記配送対象を前記第一移動体から引き継ぐ第二移動体による前記配送対象の配送が終了する地点を終了地点とする終了地点決定部と、前記開始地点と、前記終了地点と、前記第一移動体の位置及び前記第二移動体の位置と、に基づいて、前記第一移動体から前記第二移動体への前記配送対象の引き継ぎが行われる引継地点を移動先として決定する移動先決定部と、前記第一移動体に、前記開始地点を経由して、前記移動先決定部が決定した前記引継地点まで走行させ、前記第二移動体に、前記移動先決定部が決定した前記引継地点を経由して、前記終了地点まで走行させる配送計画を作成する計画作成部と、を備える。
【0030】
これによれば、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制することができる配送計画作成システムを提供できる。
【0031】
また、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0032】
(実施の形態1)
以下、本開示の実施の形態1における配送計画作成システムの全体の構成及び配送計画作成システムによる配送計画作成方法について詳しく説明する。
【0033】
図1は、実施の形態1における配送計画作成システム1の全体の構成を示す図である。
【0034】
図1に示すように、配送計画作成システム1は、開始地点決定部101、終了地点決定部102、移動先決定部104及び計画作成部105を備える。
【0035】
配送計画作成システム1は、第一移動体から第二移動体に配送対象を引き継いで、配送対象を開始地点から終了地点へ配送するための配送計画を作成する配送計画作成システムである。つまり、配送計画作成システム1により作成された配送計画によれば、1台の移動体のエネルギーが満杯状態であっても走行できないような長距離の場合でも、配送対象が第一移動体から第二移動体に引き継がれて配送されるため、配送を完了させることができる。特に、第一移動体と第二移動体とが協力して配送を行うため、配送対象の配送中におけるエネルギーの補給のための時間が不要となり、効率的に配送を行うことができる。
【0036】
なお、移動体とは、例えば、車両であるが、これは一例であり、ドローン、航空機または船舶などであってもよい。
【0037】
なお、配送対象とは、例えば、荷物または乗客などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0038】
開始地点決定部101は、配送対象の配送が開始される地点または配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点とする(つまり、開始地点を決定する)。開始地点が配送対象の配送が開始される地点である場合には、配送対象の配送が開始される前に配送計画が作成されることになる。開始地点が配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点である場合には、第一移動体の配送対象の配送中に配送計画が作成されることになる。
【0039】
終了地点決定部102は、配送対象の配送が終了する地点または配送対象を第一移動体から引き継ぐ第二移動体による配送対象の配送が終了する地点を終了地点とする(つまり、終了地点を決定する)。
【0040】
移動先決定部104は、開始地点と、終了地点と、第一移動体の位置及び第二移動体の位置と、に基づいて、第一移動体から第二移動体への配送対象の引き継ぎが行われる引継地点と、第一移動体のエネルギー補給が行われる第一補給地点と、を移動先として決定する。
【0041】
なお、移動先決定部104は、開始地点と、終了地点と、第一移動体の位置及び第二移動体の位置と、に基づいて、更に、第二移動体のエネルギー補給が行われる第二補給地点をも移動先として決定してもよい。なお、移動先決定部104が第二補給地点をも移動先として決定するのは一例であり、第二補給地点を移動先として決定しなくてもよい。
【0042】
計画作成部105は、第一移動体に、開始地点と、移動先決定部104が決定した引継地点とを順に経由して、移動先決定部104が決定した第一補給地点まで走行させ、第二移動体に、移動先決定部104が決定した引継地点を経由して、終了地点まで走行させる配送計画を作成する。例えば、配送計画には、第一移動体及び第二移動体がいつどの地点に到達すべきかを示すスケジュールが含まれている。この配送計画を実行することにより、第一移動体は、開始地点まで走行し、開始地点にて配送対象の配送を開始し、その後、引継地点まで走行する。一方、第二移動体は、例えば、配送計画に含まれるスケジュールが示す時刻に引継地点に到着するように走行する。引継地点にて第一移動体から第二移動体への配送対象の引き継ぎが行われる。配送対象の引き継ぎ完了後、第一移動体は、第一補給地点まで走行し、エネルギーの補給を行う。一方、第二移動体は、終了地点まで走行し、終了地点にて配送対象の配送を終了する。
【0043】
なお、移動先決定部104が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、計画作成部105は、第一移動体に、開始地点と、移動先決定部104が決定した引継地点とを順に経由して、移動先決定部104が決定した第一補給地点まで走行させ、第二移動体に、移動先決定部104が決定した引継地点と、終了地点とを順に経由して、移動先決定部104が決定した第二補給地点まで走行させる配送計画を作成する。この配送計画を実行することにより、配送の終了後、第二移動体は、終了地点にて配送対象の配送を終了した後、第二補給地点まで走行し、エネルギーの補給を行う。
【0044】
配送対象の配送の開始とは、例えば、配送対象が荷物であり、第一移動体及び第二移動体がトレーラーである場合には、第一移動体による被牽引車の連結であり、配送対象が荷物であり、第一移動体及び第二移動体がトラックである場合には、第一移動体への荷物の積み込みであり、配送対象が乗客である場合には、第一移動体への乗客の乗車などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0045】
配送対象の引き継ぎとは、例えば、配送対象が荷物であり、第一移動体及び第二移動体がトレーラーである場合には、第一移動体から第二移動体への被牽引車の繋ぎ変えであり、配送対象が荷物であり、第一移動体及び第二移動体がトラックである場合には、第一移動体から第二移動体への荷物の積み替えであり、配送対象が乗客である場合には、第一移動体から第二移動体への乗客の乗り換えなどであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0046】
配送対象の配送の終了とは、例えば、配送対象が荷物であり、第一移動体及び第二移動体がトレーラーである場合には、第二移動体による被牽引車の切り離しであり、配送対象が荷物であり、第一移動体及び第二移動体がトラックである場合には、第二移動体からの荷物の取り卸しであり、配送対象が乗客である場合には、第二移動体からの乗客の降車などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0047】
エネルギーの補給とは、例えば、移動体がEVである場合には、EVへの充電またはバッテリーの交換・追加などであり、移動体がガソリン車である場合には、ガソリン車への給油またはガソリンタンクの交換・追加などであり、移動体が燃料電池車である場合には、燃料電池車への水素の充填または水素タンクの交換・追加などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0048】
なお、第一移動体が開始地点を既に経由済みである場合、つまり、第一移動体がすでに配送対象を配送中の場合には、計画作成部105は、第一移動体に、開始地点として第一移動体の現在位置と、移動先決定部104が決定した引継地点とを経由して(具体的には、第一移動体の現在位置から引継地点を経由して)、移動先決定部104が決定した第一補給地点まで走行させ、第二移動体に、移動先決定部104が決定した引継地点を経由して、終了地点まで走行させる配送計画を作成する。
【0049】
また、移動先決定部104が第二補給地点をも移動先として決定する場合に、第一移動体が開始地点を既に経由済みである場合には、計画作成部105は、第一移動体に、開始地点として第一移動体の現在位置と、移動先決定部104が決定した引継地点とを経由して、移動先決定部104が決定した第一補給地点まで走行させ、第二移動体に、移動先決定部104が決定した引継地点と、終了地点とを順に経由して、移動先決定部104が決定した第二補給地点まで走行させる配送計画を作成する。
【0050】
また、引継地点は、例えば、道路上の任意の地点、物流拠点または駐車場などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0051】
また、第一補給地点及び第二補給地点は、例えば、充電ステーション、ガソリンスタンド、水素ステーション、充電ポート、ガソリンもしくは水素のある物流拠点、または、充電装置、ガソリンもしくは水素を持ち込み可能な任意の地点などであるが、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0052】
また、開始地点、終了地点、引継地点、第一補給地点、第二補給地点、第一移動体の位置及び第二移動体の位置の一部または全部は、同一地点であってもよい。
【0053】
次に、配送計画の例について
図2A及び
図2Bを用いて説明する。なお、ここでは、配送対象の配送が開始される前に配送計画が作成される場合について説明する。
【0054】
図2Aは、配送計画の一例を説明するための図である。
図2Aは、車両Aから車両Bへ配送対象を引き継いで配送を完了させるときの流れを模式的に示している。
【0055】
車両Aと車両Bとの関係において、車両Aは、開始地点において配送対象の配送を開始する第一移動体となり、車両Bは、配送対象を車両Aから引き継いで終了地点において配送を終了する第二移動体となる。車両Aは、配送計画に基づいて、開始地点で配送対象の配送を開始し、引継地点で配送対象の引き継ぎを行う。そして、車両Aは、第一補給地点へと向かう。車両Bは、配送計画に基づいて、引継地点で配送対象を引き継いで、終了地点で配送対象の配送を終了する。そして、車両Bは、第二補給地点へと向かう。
【0056】
なお、配送は、
図2Aに示すように、2台の移動体のみによって行われなくてもよく、3台以上の移動体によって行われてもよい。
【0057】
図2Bは、配送計画の他の一例を説明するための図である。
図2Bは、3台以上の移動体によって行われる配送の例を示し、具体的には、車両Aから車両Bへ配送対象を引き継ぎ、さらに、車両Bから車両Cへ配送対象を引き継いで配送を完了させるときの流れを模式的に示している。
【0058】
車両Aと車両Bとの関係においては、車両Aは、開始地点において配送対象の配送を開始する第一移動体となり、車両Bは、配送対象を車両Aから引き継いで終了地点において配送を終了する第二移動体となる。なお、この場合、車両Bについての終了地点は、車両Cへの配送対象の引継地点となる。
【0059】
車両Bと車両Cとの関係においては、車両Bは、開始地点において配送対象の配送を開始する第一移動体となり、車両Cは、配送対象を車両Bから引き継いで終了地点において配送を終了する第二移動体となる。なお、この場合、車両Bについての開始地点は、車両Aから配送対象を引き継ぐ引継地点となる。
【0060】
このように、3台以上の移動体により配送が行われる場合には、開始地点または終了地点が引継地点になり得る。
図2Bの例では、車両Aと車両Bとの関係における引継地点が車両Bと車両Cとの関係においては開始地点となり、車両Aと車両Bとの関係における終了地点が車両Bと車両Cとの関係においては引継地点となる。
【0061】
次に、配送計画作成システム1の動作、すなわち、配送計画作成システム1により実行される配送計画作成方法の詳細について、
図3及び
図4Aから
図4Eを用いて説明する。なお、配送計画作成システム1は、例えばコンピュータにより実現されるため、配送計画作成方法は、コンピュータにより実行される方法であるといえる。
【0062】
図3は、実施の形態1における配送計画作成システム1による配送計画作成方法の一例を示すフローチャートである。
図4Aから
図4Eは、配送計画の実行が完了するまでの流れを説明するための図である。
【0063】
開始地点決定部101は、開始地点を決定する(ステップS201)。例えば、
図4Aに示すように、開始地点が決定される。
【0064】
開始地点決定部101が開始地点を決定する具体的な手段としては、例えば、開始地点決定部101がタッチパネルを備え、開始地点のユーザによる入力を受け付けるなどの手段がある。この場合、例えば、開始地点決定部101は、タッチパネルに地図を表示し、地図上で開始地点がタッチされることによって開始地点が入力されるようにしてもよい。例えば、開始地点決定部101は、地図上でタッチされた配送対象の配送が開始される地点または配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点としてもよい。また、例えば、開始地点決定部101が通信手段を備え、外部システムから通信を介して開始地点を決定するなどの手段がある。例えば、開始地点決定部101は、外部システムから受信した配送対象の配送が開始される地点または配送対象を配送中の第一移動体が位置する地点を開始地点としてもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0065】
終了地点決定部102は、終了地点を決定する(ステップS202)。例えば、
図4Aに示すように、終了地点が決定される。
【0066】
終了地点決定部102が終了地点を決定する具体的な手段としては、例えば、終了地点決定部102がタッチパネルを備え、終了地点のユーザによる入力を受け付けるなどの手段がある。この場合、例えば、終了地点決定部102は、タッチパネルに地図を表示し、地図上で終了地点がタッチされることによって終了地点が入力されるようにしてもよい。例えば、終了地点決定部102は、地図上でタッチされた配送対象の配送が終了する地点または配送対象を第一移動体から引き継ぐ第二移動体による配送対象の配送が終了する地点を終了地点としてもよい。また、例えば、終了地点決定部102が通信手段を備え、外部システムから通信手段を介して終了地点を取得するなどの手段がある。例えば、終了地点決定部102は、外部システムから受信した配送対象の配送が終了する地点または配送対象を第一移動体から引き継ぐ第二移動体による配送対象の配送が終了する地点を終了地点としてもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0067】
なお、
図3は、ステップS201、ステップS202の順に逐次的に実行されるフローチャートとなっているが、ステップS201、ステップS202は、必ずしもこの順序で逐次的に実行される必要はなく、それぞれ、ステップS203の実行前の任意の時点で、任意の回数だけ実行されてよい。また、例えば、それぞれ、ステップS203の実行が必要となった際にそれをトリガとして初めて実行されてもよいし、ステップS203の実行前に事前に予め実行されてもよい。ステップS203の実行前に事前に予め実行される場合には、定期的に実行されてもよいし、他の何らかのトリガによって実行されてもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0068】
例えば、
図4Aに示すように、開始地点、終了地点、第一移動体10の位置及び第二移動体20の位置が取得される。
【0069】
移動先決定部104は、開始地点と、終了地点と、第一移動体の位置及び第二移動体の位置と、に基づいて、第一移動体から第二移動体への配送対象の引き継ぎが行われる引継地点と、第一移動体のエネルギー補給が行われる第一補給地点と、を移動先として決定する(ステップS203)。なお、移動先決定部104は、更に、第二移動体のエネルギー補給が行われる第二補給地点をも移動先として決定してもよい。
【0070】
例えば、移動先決定部104は、第一移動体の位置及び第二移動体の位置を取得して、取得した第一移動体の位置及び第二移動体の位置を用いて移動先を決定する。例えば、
図4Aに示すような第一移動体10の位置(第一出発地点)及び第二移動体20の位置(第二出発地点)が取得される。移動先決定部104が、第一移動体の位置及び第二移動体の位置を取得する具体的な手段としては、以下の手段がある。例えば、移動先決定部104が通信手段を備え、第一移動体及び第二移動体がそれぞれ、GPS(Global Positioning System)受信機及び通信手段を備える。第一移動体及び第二移動体はそれぞれ、GPS受信機を用いて現在位置を受信し、受信した現在位置を、通信手段を用いて移動先決定部104に送信する。移動先決定部104は、通信手段を用いて、第一移動体及び第二移動体から送信された第一移動体及び第二移動体の現在位置を、第一移動体の位置及び第二移動体の位置として受信する。このようにして、移動先決定部104は、第一移動体の位置及び第二移動体の位置を取得する。例えば、第一移動体の位置及び第二移動体の位置は、緯度及び経度で表される。また、配送計画作成システム1が第一移動体または第二移動体に搭載されている場合には、移動先決定部104は、通信手段を介さずに、GPS受信機を用いて受信した現在位置を、第一移動体の位置及び第二移動体の位置として取得してもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0071】
また、移動先決定部104が移動先として引継地点を決定する具体的な手段としては、例えば、開始地点と終了地点との中点に最も近い道路上の地点、物流拠点または駐車場などを引継地点の候補として決定するなどの手段がある。ただし、本開示では、移動先は、開始地点及び終了地点だけでなく、第一移動体の位置及び第二移動体の位置にも基づいて決定される。そこで、移動先の決定に第一移動体の位置及び第二移動体の位置も考慮させるために、例えば、移動先決定部104は、第一移動体の位置から開始地点までの距離と、第二移動体の位置から引継地点の候補(開始地点と終了地点との中点)までの距離との差分を計算する。例えば、移動先決定部104は、第一移動体の位置から開始地点までの距離の方が第二移動体の位置から上記中点までの距離よりも大きい場合には、上記中点から、上記差分の半分だけ開始地点に近い点に最も近い道路上の地点、物流拠点または駐車場などを引継地点として決定してもよい。また、例えば、移動先決定部104は、第一移動体の位置から開始地点までの距離の方が第二移動体の位置から上記中点までの距離よりも小さい場合には、上記中点から、上記差分の半分だけ終了地点に近い点に最も近い道路上の地点、物流拠点または駐車場などを引継地点として決定してもよい。このように、本開示では、第二移動体の事情が考慮されて引継地点が決定される。また、移動先決定部104が移動先として第一補給地点及び第二補給地点を決定する具体的な手段としては、例えば、決定された引継地点に最も近い補給可能地点を第一補給地点として決定し、終了地点に最も近い補給可能地点を第二補給地点の候補として決定するなどの手段がある。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0072】
例えば、
図4Bに模式的に示すように、移動先として、引継地点、第一補給地点及び第二補給地点が決定される。
【0073】
次に、計画作成部105は、第一移動体に、開始地点と、移動先決定部104が決定した引継地点とを順に経由して、移動先決定部104が決定した第一補給地点まで走行させ、第二移動体に、移動先決定部104が決定した引継地点を経由して、終了地点まで走行させる配送計画を作成する。なお、移動先決定部104が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、第一移動体に、開始地点と、移動先決定部104が決定した引継地点とを順に経由して、移動先決定部104が決定した第一補給地点まで走行させ、第二移動体に、移動先決定部104が決定した引継地点と、終了地点とを順に経由して、移動先決定部104が決定した第二補給地点まで走行させる配送計画を作成する(ステップS204)。
【0074】
計画作成部105が配送計画を作成する具体的な手段としては、例えば、配送経路問題(VRP、Vehicle Routing Problem)または巡回セールスマン問題(TSP、Traveling Salesman Problem)などの組合せ最適化問題に対する既知の解法を適用するなどの手段がある。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0075】
そして、第一移動体及び第二移動体は作成された配送計画に基づいて走行する。具体的には、
図4Bに示すように、第一移動体10は開始地点へ向かい、第二移動体20は、配送対象の引き継ぎが折り込まれた配送計画に従って走行する。例えば、第二移動体20は、配送計画において指定された引継地点へ到着しなければならない時刻までは他の配送を行うが、その際、なるべく引継地点の付近で配送を行い、引継地点から大きく離れるような配送を行わないようにする。これにより、引継地点に向かう際のエネルギーの消費を抑制でき、移動体の移動用エネルギーの枯渇を抑制できる。つまり、配送対象の引き継ぎをより確実に行うことができる。
【0076】
配送対象の引き継ぎが折り込まれた配送計画に従って第一移動体10及び第二移動体20が走行するため、
図4Cに示すように、第一移動体10から第二移動体20への配送対象の引き継ぎを引継地点においてより確実に実施できる。特に、第二移動体20は、配送対象の引き継ぎが折り込まれた配送計画に従って引継地点から大きく離れていなかったため、確実に引継地点へ向かうことができている。
【0077】
図4Dに示すように、第一移動体10は、配送対象の引き継ぎ完了後、第一補給地点へ向かう。第二移動体20は、終了地点へ向かい配送が完了する。
【0078】
そして、
図4Eに示すように、第一移動体10は、第一補給地点で補給を行い、第二移動体20は、第二補給地点で補給を行い配送計画の実行が完了する。
【0079】
なお、計画作成部105は、必要に応じて、第一移動体及び第二移動体に、移動先決定部104が決定した移動先以外の地点を経由する配送計画を作成してもよい。
【0080】
なお、
図3は、ステップS203、ステップS204の順に逐次的に実行されるフローチャートとなっているが、ステップS203、ステップS204は、必ずしもこの順序で逐次的に実行される必要はない。
【0081】
例えば、一定の基準を満足できるようになるまで、ステップS203とステップS204とが繰り返し実行されてもよい。この場合、例えば、ステップS204で作成された配送計画を評価する為の評価関数が予め定められ、ステップS204で作成された配送計画を評価関数で評価した際の評価値が予め定めておいた閾値よりも低い場合には、移動先決定部104は、ステップS203を実行し直して移動先を決定し直し、計画作成部105は、この決定し直された移動先を用いて、改めてステップS204を実行して配送計画を作成し直してもよい。
【0082】
また、例えば、ステップS203の処理とステップS204の処理とが一体化して実行されてもよい。この場合、例えば、計画作成部105は、ステップS204の配送計画の作成処理の中で、ステップS203の移動先の決定処理を呼び出したり、ステップS203とステップS204の処理をそれぞれいくつかに分割して、これらの分割単位ごとに相互に呼び出し合ったりしてもよい。
【0083】
なお、ステップS203及びステップS204の実行順序に関するこれらの具体例は一例であり、本開示を限定するものではない。
【0084】
また、配送計画作成方法における各処理は、第一移動体及び第二移動体の運用中の任意の時点で開始されてよい。例えば、第一移動体及び第二移動体の出発前に、配送計画作成システム1は、配送計画作成方法における各処理の実行を完了し、予め配送対象の引き継ぎを含めた配送計画を決定した後、第一移動体及び第二移動体にこの配送計画を実行させてもよい。また、第一移動体及び第二移動体が配送対象の引き継ぎを考慮していない配送計画をそれぞれ実行中、あるいは、配送計画を使わずに走行中に、配送計画作成システム1は、配送計画作成方法における各処理の実行を開始し、作成された配送対象の引き継ぎを含めた配送計画を第一移動体及び第二移動体に実行させてもよい。この場合、第一移動体のエネルギー残量が予め定めた閾値以下となることを、配送計画作成方法における各処理の実行を開始するトリガとしてもよい。
【0085】
なお、配送計画作成方法における各処理の実行タイミングに関するこれらの具体例は一例であり、本開示を限定するものではない。
【0086】
このように、実施の形態1では、配送の距離が、1台の移動体のエネルギーが満杯状態であっても走行できないような長距離の場合でも、配送対象が第一移動体から第二移動体に引き継がれて配送されるため、配送を完了させることができる。また、配送対象が第一移動体から第二移動体へ引き継がれる引継地点は、開始地点、終了地点及び第一移動体の位置だけでなく、第二移動体の位置にも基づいて決定され、第二移動体の事情が考慮されるため、第二移動体が引継地点または終了地点まで辿りつけなかったり、引き継ぎ後の第二移動体の走行が非効率的になってしまったりするということを抑制できる。したがって、本開示によれば、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制することができる。また、移動先として第一移動体のエネルギー補給を行う第一補給地点が決定されるため、引き継ぎの完了後にエネルギー切れにより第一移動体が走行不能となることを抑制できる。
【0087】
また、移動先決定部104が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、第一移動体から第二移動体に配送対象を引き継ぐと共に、配送対象の配送の終了後にエネルギー切れにより第二移動体が走行不能となることを抑制できる。
【0088】
(実施の形態1の変形例)
第一移動体及び第二移動体は予め決められた特定の移動体でなくてもよく、移動体群の中から選択された移動体であってもよい。例えば、移動先決定部104は、移動体群の各移動体の位置を取得し、開始地点と、終了地点と、取得した各移動体の位置と、に基づいて、移動体群の中から第一移動体及び第二移動体を選択してもよい。
【0089】
具体的には、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムは、移動体群の中から第一移動体と第二移動体を選択し、選択した第一移動体から選択した第二移動体に配送対象を引き継いで、配送対象を開始地点から終了地点へ配送するための配送計画を作成する配送計画作成システムである。移動体群のそれぞれの移動体は、配送計画作成システム1が作成する配送計画において配送等のために使用される移動体であり、例えば、配送計画作成システム1の運用にあたり予め登録された移動体である。このような、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムの動作、すなわち、当該配送計画作成システムにより実行される配送計画作成方法の詳細について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0090】
まず、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の一例について
図5を用いて説明する。
【0091】
図5は、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS201、ステップS202、ステップS203及びステップS204については、実施の形態1における配送計画作成システム1による配送計画作成方法におけるものと同じであるため説明は省略し、異なる点であるステップS205及びステップS206について説明する。
【0092】
移動先決定部104は、移動体群の各移動体の位置を取得する(ステップS205)。
【0093】
移動先決定部104が、移動体群の各移動体の位置を取得する具体的な手段としては、以下の手段がある。例えば、移動先決定部104が通信手段を備え、移動体群の各移動体がGPS受信機及び通信手段を備える。移動体群の各移動体が、GPS受信機を用いて現在位置を受信し、受信した現在位置を、通信手段を用いて移動先決定部104に送信する。移動先決定部104は、通信手段を用いて、移動体群の各移動体から送信された各移動体の現在位置を、移動体群の各移動体の位置として受信するなどの手段がある。このようにして、移動先決定部104は、移動体群の各移動体の位置を取得する。例えば、移動体群の各移動体の位置は、緯度及び経度で表される。また、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムが移動体群の各移動体に搭載されている場合には、移動先決定部104は、通信手段を介さずに、GPS受信機を用いて受信した現在位置を、移動体群の各移動体の位置として取得してもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0094】
また、移動先決定部104は、開始地点と、終了地点と、取得した各移動体の位置と、に基づいて、移動体群の中から第一移動体及び第二移動体を選択する(ステップS206)。
【0095】
移動先決定部104が、移動体群の中から第一移動体を選択する具体的な手段としては、例えば、移動体群のうち開始地点に最も近くに位置する移動体を第一移動体として選択するなどの手段がある。また、移動先決定部104が、移動体群の中から第二移動体を選択する具体的な手段としては、移動体群のうち引継地点の候補(例えば開始地点と終了地点との中点)に最も近くに位置する移動体を第二移動体として選択するなどの手段がある。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0096】
そして、移動先決定部104は、開始地点と、終了地点と、このようにして選択された第一移動体の位置及び第二移動体の位置と、に基づいて移動先を決定する(ステップS203)。
【0097】
次に、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の他の一例について
図6を用いて説明する。
【0098】
図6は、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムによる配送計画作成方法の他の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS201、ステップS202、ステップS204及びステップS205については、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムによる配送計画作成方法におけるものと同じであるため説明は省略し、異なる点であるステップS207について説明する。
【0099】
移動先決定部104は、開始地点と、終了地点と、取得した各移動体の位置と、に基づいて、移動体群の中から第一移動体及び第二移動体を選択し、移動先を決定する(ステップS207)。
図5での例では、移動先決定部104は、移動体群の中から第一移動体及び第二移動体を選択した後に、移動先を決定したが、これに限らない。例えば、移動先決定部104は、第一移動体及び第二移動体の選択と、移動先の決定とを同時に行ってもよい。また、例えば、移動先決定部104は、第一移動体及び第二移動体を選択すること、及び、移動先を決定することを繰り返し行って、最終的に決定する移動先を最適化してもよい。
【0100】
また、実施の形態1の変形例においても、配送計画作成方法における各処理は、移動体群の各移動体の運用中の任意の時点で開始されてよい。例えば、移動体群の各移動体の出発前に、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムは、配送計画作成方法における各処理の実行を完了し、予め配送対象の引き継ぎを含めた配送計画を決定した後、選択された第一移動体及び第二移動体にこの配送計画を実行させてもよい。また、移動体群の各移動体が引き継ぎを考慮していない配送計画を実行中、あるいは、配送計画を使わずに走行中に、実施の形態1の変形例における配送計画作成システムは、配送計画作成方法における各処理の実行を開始し、作成された配送対象の引き継ぎを含めた配送計画を選択された第一移動体及び第二移動体に実行させてもよい。例えば、第一移動体のエネルギー残量が予め定めた閾値以下となることを、配送計画作成方法における各処理の実行を開始するトリガとしてもよい。例えば、第一移動体がすでに配送対象の配送中である場合、移動先決定部104は、移動体群の中から第二移動体を選択する。
【0101】
以上のように、実施の形態1の変形例では、移動体群の中から移動用エネルギーの枯渇しにくい第一移動体及び第二移動体を選択できる。このため、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることをより抑制しやすくなる。
【0102】
(実施の形態2)
以下、本開示の実施の形態2における配送計画作成システムの全体の構成及び配送計画作成システムによる配送計画作成方法について詳しく説明する。
【0103】
図7は、実施の形態2における配送計画作成システム3の全体の構成を示す図である。なお、実施の形態2における配送計画作成システム3の構成要素のうち、実施の形態1と同じ機能を持つ構成要素については、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0104】
図7に示すように、配送計画作成システム3は、開始地点決定部101、終了地点決定部102、移動先決定部304、計画作成部105、走行距離取得部306、所要時間推定部307及びエネルギー残量推移推定部308を備える。移動先決定部304は、基本的には実施の形態1または実施の形態1の変形例における移動先決定部104と同等の機能を有する。
【0105】
配送計画作成システム3は、配送計画作成システム1と同じように、第一移動体から第二移動体に配送対象を引き継いで、配送対象を開始地点から終了地点へ配送するための配送計画を作成する配送計画作成システムである。
【0106】
走行距離取得部306は、第二移動体が終了地点へ走行する際の走行距離を取得する。例えば、走行距離取得部306は、第二移動体が終了地点へ走行する際の任意の区間の走行距離を取得する。例えば、走行距離取得部306は、当該任意の区間の走行距離として第二移動体が出発地点から引継地点へ走行する際の走行距離と、引継地点から終了地点へ走行する際の走行距離とを取得する。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、走行距離取得部306は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の走行距離を取得する。例えば、走行距離取得部306は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の任意の区間の走行距離を取得する。例えば、走行距離取得部306は、当該任意の区間の走行距離として第二移動体が出発地点から引継地点へ走行する際の走行距離と、引継地点から終了地点へ走行する際の走行距離だけでなく、終了地点から第二補給地点へ走行する際の走行距離も取得する。また、走行距離取得部306は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の走行距離を取得してもよい。例えば、走行距離取得部306は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の任意の区間の走行距離を取得してもよい。例えば、走行距離取得部306は、当該任意の区間の走行距離として第一移動体が出発地点から開始地点へ走行する際の走行距離、開始地点から引継地点へ走行する際の走行距離及び引継地点から第一補給地点へ走行する際の走行距離を取得してもよい。
【0107】
所要時間推定部307は、第二移動体が終了地点へ走行する際の所要時間を推定する。例えば、所要時間推定部307は、第二移動体が終了地点へ走行する際の任意の区間の所要時間を推定する。例えば、所要時間推定部307は、当該任意の区間の所要時間として第二移動体が出発地点から引継地点へ走行する際の所要時間と、引継地点から終了地点へ走行する際の所要時間とを推定する。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、所要時間推定部307は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の所要時間を推定する。例えば、所要時間推定部307は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の任意の区間の所要時間を推定する。例えば、所要時間推定部307は、当該任意の区間の所要時間として第二移動体が出発地点から引継地点へ走行する際の所要時間と、引継地点から終了地点へ走行する際の所要時間だけでなく、終了地点から第二補給地点へ走行する際の所要時間も推定する。また、所要時間推定部307は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の所要時間を推定してもよい。例えば、所要時間推定部307は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の任意の区間の所要時間を推定してもよい。例えば、所要時間推定部307は、当該任意の区間の所要時間として第一移動体が出発地点から開始地点へ走行する際の所要時間、開始地点から引継地点へ走行する際の所要時間及び引継地点から第一補給地点へ走行する際の所要時間を推定してもよい。
【0108】
エネルギー残量推移推定部308は、第二移動体が終了地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定する。例えば、エネルギー残量推移推定部308は、第二移動体が終了地点へ走行する際の任意の区間のエネルギー残量の推移を推定する。例えば、エネルギー残量推移推定部308は、当該任意の区間のエネルギー残量の推移として第二移動体が出発地点から引継地点へ走行する際のエネルギー残量の推移と、引継地点から終了地点へ走行する際のエネルギー残量の推移とを推定する。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、エネルギー残量推移推定部308は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定する。例えば、エネルギー残量推移推定部308は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の任意の区間のエネルギー残量の推移を推定する。例えば、エネルギー残量推移推定部308は、当該任意の区間のエネルギー残量の推移として第二移動体が出発地点から引継地点へ走行する際のエネルギー残量の推移と、引継地点から終了地点へ走行する際のエネルギー残量の推移だけでなく、終了地点から第二補給地点へ走行する際のエネルギー残量の推移も推定する。また、エネルギー残量推移推定部308は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定してもよい。例えば、エネルギー残量推移推定部308は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の任意の区間のエネルギー残量の推移を推定してもよい。例えば、エネルギー残量推移推定部308は、当該任意の区間のエネルギー残量の推移として第一移動体が出発地点から開始地点へ走行する際のエネルギー残量の推移、開始地点から引継地点へ走行する際のエネルギー残量の推移及び引継地点から第一補給地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定してもよい。
【0109】
なお、配送計画作成システム3は、走行距離取得部306、所要時間推定部307、及び、エネルギー残量推移推定部308のうち、1以上を備えない構成としてもよい。
【0110】
移動先決定部304は、開始地点と、終了地点と、第一移動体の位置及び第二移動体の位置と、走行距離取得部306が取得した走行距離と、所要時間推定部307が推定した所要時間と、エネルギー残量推移推定部308が推定したエネルギー残量の推移と、に基づいて、第一移動体から第二移動体への配送対象の引き継ぎが行われる引継地点と、第一移動体のエネルギー補給が行われる第一補給地点と、を移動先として決定する。
【0111】
なお、移動先決定部304は、開始地点と、終了地点と、第一移動体の位置及び第二移動体の位置と、走行距離取得部306が取得した走行距離と、所要時間推定部307が推定した所要時間と、エネルギー残量推移推定部308が推定したエネルギー残量の推移と、に基づいて、更に、第二移動体のエネルギー補給が行われる第二補給地点をも移動先として決定してもよい。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定するのは一例であり、第二補給地点を移動先として決定しなくてもよい。
【0112】
なお、配送計画作成システム3が走行距離取得部306を備えない場合には、移動先決定部304は、走行距離取得部306が取得した走行距離を用いずに、移動先を決定する。
【0113】
また、配送計画作成システム3が所要時間推定部307を備えない場合には、移動先決定部304は、所要時間推定部307が推定した所要時間を用いずに、移動先を決定する。
【0114】
また、配送計画作成システム3がエネルギー残量推移推定部308を備えない場合には、移動先決定部304は、エネルギー残量推移推定部308が推定したエネルギー残量の推移を用いずに、移動先を決定する。
【0115】
なお、本開示の実施の形態2における配送計画作成システム3の説明では、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合について説明するが、移動先決定部304が第二補給地点を移動先として決定しない場合でも、本開示の実施の形態2における配送計画作成システム3の説明で開示する内容の趣旨は同じであり、本開示を限定するものではない。
【0116】
なお、実施の形態1の変形例における移動先決定部104と同じように、移動先決定部304は、移動体群の各移動体の位置を取得し、開始地点と、終了地点と、取得した各移動体の位置と、に基づいて、移動体群の中から第一移動体及び第二移動体を選択してもよい。
【0117】
次に、配送計画作成システム3の動作、すなわち、配送計画作成システム3により実行される配送計画作成方法の詳細について、
図8を用いて説明する。
【0118】
図8は、実施の形態2における配送計画作成システム3による配送計画作成方法の一例を示すフローチャートである。
【0119】
なお、実施の形態2における配送計画作成システム3の構成要素のうち、実施の形態1における配送計画作成システム1と同じ動作を行う構成要素に係るステップについては、同じ符号を付し、説明を省略する。
【0120】
ステップS201、ステップS202及びステップS204での動作は、実施の形態1におけるものと同じである。
【0121】
走行距離取得部306は、第二移動体が終了地点へ走行する際の走行距離を取得する(ステップS405)。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、走行距離取得部306は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の走行距離を取得する。また、ここでは、走行距離取得部306は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の走行距離も取得する。第一移動体の走行経路としては、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第一移動体の出発地点から開始地点に至る様々な経路及び開始地点から引継地点に至る様々な経路が考えられる。さらに、第一移動体の走行経路としては、引継地点から第一補給地点に至る様々な経路の候補が考えられる。第二移動体の走行経路としては、第二移動体が終了地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第二移動体の出発地点から引継地点に至る様々な経路、引継地点から終了地点に至る様々な経路の候補が考えられる。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第二移動体の出発地点から引継地点に至る様々な経路、引継地点から終了地点に至る様々な経路及び終了地点から第二補給地点に至る様々な経路の候補が考えられる。このため、走行距離取得部306は、例えば、様々な経路の候補ごとの走行距離を取得する。
【0122】
走行距離取得部306が第一移動体及び第二移動体の走行距離を取得する具体的な手段としては、例えば、走行距離取得部306が、道路網のグラフ表現である経路情報を取得する経路情報取得手段を備え、経路情報取得手段で取得した経路情報を用いて、走行距離を取得するなどの手段がある。また、この際に、走行距離取得部306は、例えば、走行距離を取得する地点間の経路を、エッジの重みをそのエッジが表現する道路の距離として、ダイクストラ法などの既知の最良優先探索によって求め、求めた経路のエッジの重み(具体的には、そのエッジが表現する道路の距離)の総和を走行距離として取得してもよい。また、例えば、走行距離取得部306が通信手段を備え、外部システムで取得された走行距離を、通信を介して取得してもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0123】
所要時間推定部307は、第二移動体が終了地点へ走行する際の所要時間を推定する(ステップS406)。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、所要時間推定部307は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の所要時間を推定する。また、ここでは、所要時間推定部307は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の所要時間も推定する。第一移動体の走行経路としては、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第一移動体の出発地点から開始地点に至る様々な経路及び開始地点から引継地点に至る様々な経路が考えられる。さらに、第一移動体の走行経路としては、引継地点から第一補給地点に至る様々な経路の候補も考えられる。第二移動体の走行経路としては、第二移動体終了地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第二移動体の出発地点から引継地点に至る様々な経路、引継地点から終了地点に至る様々な経路の候補が考えられる。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第二移動体の出発地点から引継地点に至る様々な経路、引継地点から終了地点に至る様々な経路及び終了地点から第二補給地点に至る様々な経路の候補が考えられる。このため、所要時間推定部307は、例えば、様々な経路の候補ごとの所要時間を推定する。
【0124】
所要時間推定部307が第一移動体及び第二移動体の所要時間を推定する具体的な手段としては、例えば、所要時間推定部307が、道路網のグラフ表現である経路情報を取得する経路情報取得手段を備え、経路情報取得手段で取得した経路情報を用いて、所要時間を推定するなどの手段がある。また、この際に、所要時間推定部307は、例えば、所要時間を推定する地点間の経路を、エッジの重みをそのエッジが表現する道路の平均所要時間として、ダイクストラ法などの既知の最良優先探索によって求め、求めた経路のエッジの重み(具体的には、そのエッジが表現する道路の平均所要時間)の総和を所要時間として推定してもよい。また、例えば、所要時間推定部307が通信手段を備え、外部システムで推定された所要時間を、通信を介して取得してもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0125】
エネルギー残量推移推定部308は、第二移動体が終了地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定する(ステップS407)。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、エネルギー残量推移推定部308は、第二移動体が第二補給地点へ走行する際のエネルギー残量の推移を推定する。また、ここでは、エネルギー残量推移推定部308は、第一移動体が第一補給地点へ走行する際のエネルギー残量の推移も推定する。第一移動体の走行経路としては、第一移動体が第一補給地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第一移動体の出発地点から開始地点に至る様々な経路及び開始地点から引継地点に至る様々な経路が考えられる。さらに、第一移動体の走行経路としては、引継地点から第一補給地点に至る様々な経路の候補も考えられる。第二移動体の走行経路としては、第二移動体終了地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第二移動体の出発地点から引継地点に至る様々な経路、引継地点から終了地点に至る様々な経路の候補が考えられる。なお、移動先決定部304が第二補給地点をも移動先として決定する場合には、第二移動体が第二補給地点へ走行する際の様々な経路の候補が考えられる。具体的には、第二移動体の出発地点から引継地点に至る様々な経路、引継地点から終了地点に至る様々な経路及び終了地点から第二補給地点に至る様々な経路の候補が考えられる。このため、エネルギー残量推移推定部308は、例えば、様々な経路の候補ごとのエネルギー残量の推移を推定する。
【0126】
エネルギー残量推移推定部308が第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量の推移を推定する具体的な手段としては、以下の手段がある。例えば、エネルギー残量推移推定部308が記憶手段及び通信手段を備え、第一移動体及び第二移動体がそれぞれ、エネルギー残量計測手段及び通信手段を備える。第一移動体及び第二移動体がそれぞれ、エネルギー残量計測手段を用いて定期的にエネルギー残量を計測し、計測したエネルギー残量を、通信手段を用いてエネルギー残量推移推定部308に送信する。そして、第一移動体及び第二移動体から送信された第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量を、エネルギー残量推移推定部308が通信手段を用いて受信し、受信した第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量を記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶している第一移動体及び第二移動体それぞれの過去のエネルギー残量に基づいて、それ以降のエネルギー残量の推移を推定するなどの手段がある。
【0127】
また、記憶手段に記憶している第一移動体及び第二移動体それぞれの過去のエネルギー残量に基づいて、エネルギー残量の推移を推定する具体的な手段としては、例えば、第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量を記憶手段に記憶する際に、第一移動体及び第二移動体それぞれの位置から得られる第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量計測地点間の走行距離をも記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶している第一移動体及び第二移動体それぞれの過去のエネルギー残量と走行距離とに基づいて、エネルギー残量の推移を推定してもよい。この際、線形近似など数学的な近似を用いてエネルギー残量の推移を推定してもよいし、走行距離とエネルギー残量の推移との相関を事前に調べておき、その相関に基づいてエネルギー残量の推移を推定してもよい。また、この際、配送計画作成システム3が走行距離取得部306を備える場合には、走行距離取得部306で取得した、走行予定の経路中の各地点間の走行距離に基づいて、走行予定の経路中の各地点に到達する毎のエネルギー残量の推移を推定してもよい。また、この際、計画作成部105が作成した配送計画の経路中の各地点間の走行距離を、走行距離取得部306で取得し、取得した走行距離に基づいて、計画作成部105が作成した配送計画の経路中の各地点に到達する毎のエネルギー残量の推移を推定してもよい。
【0128】
また、記憶手段に記憶している第一移動体及び第二移動体それぞれの過去のエネルギー残量に基づいて、エネルギー残量の推移を推定する別の具体的な手段としては、例えば、エネルギー残量推移推定部308が、更に、現在時刻を取得する時刻取得手段を備え、第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量を記憶手段に記憶する際に、現在時刻から得られる第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量計測地点間の走行時間をも記憶手段に記憶し、記憶手段に記憶している第一移動体及び第二移動体それぞれの過去のエネルギー残量と走行時間に基づいて、エネルギー残量の推移を推定してもよい。この際、線形近似など数学的な近似を用いてエネルギー残量の推移を推定してもよいし、走行時間とエネルギー残量の推移との相関を事前に調べておき、その相関に基づいてエネルギー残量の推移を推定してもよい。また、この際、配送計画作成システム3が所要時間推定部307を備える場合には、所要時間推定部307で取得した、走行予定の経路中の各地点間の所要時間に基づいて、走行予定の経路中の各地点に到達する毎のエネルギー残量の推移を推定してもよい。また、この際、計画作成部105が作成した配送計画の経路中の各地点間の所要時間を、所要時間推定部307で取得し、取得した所要時間に基づいて、計画作成部105が作成した配送計画の経路中の各地点に到達する毎のエネルギー残量の推移を推定してもよい。
【0129】
また、配送計画作成システム3が第一移動体または第二移動体に搭載されている場合には、エネルギー残量推移推定部308は、通信手段を介さずに、エネルギー残量計測手段を用いて計測したエネルギー残量を取得してもよい。
【0130】
なお、エネルギー残量推移推定部308が第一移動体及び第二移動体それぞれのエネルギー残量の推移を推定するこれらの具体的な手段は一例であり、本開示を限定するものではない。
【0131】
なお、
図8は、ステップS201、ステップS202、ステップS405、ステップS406、ステップS407の順に逐次的に実行されるフローチャートとなっているが、ステップS201、ステップS202、ステップS405、ステップS406、ステップS407は、必ずしもこの順序で逐次的に実行される必要はなく、それぞれ、ステップS403の実行前の任意の時点で、任意の回数だけ実行されてよい。また、例えば、それぞれ、ステップS403の実行が必要となった際にそれをトリガとして初めて実行されてもよいし、ステップS403の実行前に事前に予め実行されてもよい。ステップS403の実行前に事前に予め実行される場合には、定期的に実行されてもよいし、他の何らかのトリガによって実行されてもよい。なお、これらは一例であり、本開示を限定するものではない。
【0132】
移動先決定部304は、開始地点と、終了地点と、第一移動体の位置及び第二移動体の位置と、走行距離取得部306が取得した走行距離(例えば、上述したような様々な経路の候補ごとの走行距離のうちの1以上の走行距離)と、所要時間推定部307が推定した所要時間(例えば、上述したような様々な経路の候補ごとの所要時間のうちの1以上の所要時間)と、エネルギー残量推移推定部308が推定したエネルギー残量の推移(例えば、上述したような様々な経路の候補ごとのエネルギー残量の推移のうちの1以上のエネルギー残量の推移)と、に基づいて、第一移動体から第二移動体へ配送対象の引き継ぎが行われる引継地点と、第一移動体へのエネルギー補給が行われる第一補給地点と、第二移動体へのエネルギー補給が行われる第二補給地点と、を移動先として決定する(ステップS403)。
【0133】
なお、移動先決定部304は、移動体群の各移動体の位置を取得し、開始地点と、終了地点と、取得した各移動体の位置と、に基づいて、移動体群の中から第一移動体及び第二移動体を選択する場合には、開始地点と、終了地点と、移動体群の各移動体の中から選択された第一移動体及び第二移動体の位置と、走行距離取得部306が取得した走行距離と、所要時間推定部307が推定した所要時間と、エネルギー残量推移推定部308が推定したエネルギー残量の推移と、に基づいて、移動先を決定する。なお、移動先決定部304は、移動体群の中から第一移動体及び第二移動体を選択した後に、移動先を決定したが、これに限らない。例えば、移動先決定部304は、第一移動体及び第二移動体の選択と、移動先の決定とを同時に行ってもよい。また、例えば、移動先決定部304は、第一移動体及び第二移動体を選択すること、及び、移動先を決定することを繰り返し行って、最終的に決定する移動先を最適化してもよい。
【0134】
移動先決定部304が移動体群の中から第一移動体と第二移動体を選択する具体的な手段としては、例えば、移動体群に属する、第一移動体の候補である第一候補移動体と、第二移動体の候補である第二候補移動体との全ての組合せについて、走行距離取得部306で取得した、第一候補移動体の位置から開始地点と引継地点の候補(例えば、開始地点と終了地点との中点付近の地点)とを経由して第一補給地点の候補(例えば、引継地点の候補の付近にある補給地点)に至る経路の走行距離である第三走行距離と、第二候補移動体の位置から引継地点の候補と終了地点とを経由して第二補給地点の候補(例えば、終了地点の付近にある補給地点)に至る経路の走行距離である第四走行距離と、を求め、第三走行距離と第四走行距離とに基づいて、第一移動体と第二移動体とを選択するなどの手段がある。また、この際に、移動先決定部304は、例えば、第三走行距離と第四走行距離との和が最も小さくなるように第一移動体と第二移動体とを選択してもよいし、第三走行距離と第四走行距離とが等しくなるように第一移動体と第二移動体とを選択してもよい。
【0135】
また、移動先決定部304が第一移動体と第二移動体とを選択する別の具体的な手段としては、例えば、移動体群に属する第一候補移動体と第二候補移動体との全ての組合せについて、所要時間推定部307で推定した、第一候補移動体の位置から開始地点と引継地点の候補とを経由して第一補給地点に至る経路の所要時間である第三所要時間と、第二候補移動体の位置から引継地点の候補と終了地点とを経由して第二補給地点に至る経路の所要時間である第四所要時間と、を求め、第三所要時間と第四所要時間とに基づいて、第一移動体と第二移動体とを選択するなどの手段がある。また、この際に、移動先決定部304は、例えば、第三所要時間と第四所要時間との和が最も小さくなるように第一移動体と第二移動体とを選択してもよいし、第三所要時間と第四所要時間とが等しくなるように第一移動体と第二移動体とを選択してもよい。
【0136】
また、移動先決定部304が第一移動体と第二移動体とを選択する別の具体的な手段としては、例えば、移動体群に属する第一候補移動体と第二候補移動体との全ての組合せについて、エネルギー残量推移推定部308で推定した、第一候補移動体が第一候補移動体の位置から開始地点と引継地点の候補とを経由して第一補給地点の候補に至る経路を走行する際のエネルギー残量の推移である第三エネルギー残量推移と、第二候補移動体が第二候補移動体の位置から引継地点の候補と終了地点とを経由して第二補給地点の候補に至る経路を走行する際のエネルギー残量の推移である第四エネルギー残量推移と、を求め、第三エネルギー残量推移と第四エネルギー残量推移とに基づいて、第一移動体と第二移動体とを選択するなどの手段がある。また、この際に、移動先決定部304は、例えば、第三エネルギー残量推移及び第四エネルギー残量推移から得られるエネルギー残量のそれぞれが、所定の閾値以下とならないように第一移動体と第二移動体とを選択してもよいし、第三エネルギー残量推移から得られるエネルギー減少量(第一候補移動体による配送対象の配送における第一候補移動体の最初と最後のエネルギー残量の差)である第三エネルギー減少量と、第四エネルギー残量推移から得られるエネルギー減少量(第二候補移動体による配送対象の配送における第二候補移動体の最初と最後のエネルギー残量の差)である第四エネルギー減少量との和が最も小さくなるように第一移動体と第二移動体とを選択してもよいし、第三エネルギー減少量と第四エネルギー減少量とが等しくなるように第一移動体と第二移動体とを選択してもよい。
【0137】
なお、移動先決定部304が第一移動体と第二移動体とを選択するためのこれらの具体的な手段は、全て一例であり、本開示を限定するものではない。
【0138】
なお、移動先決定部304が移動先を決定する具体的な手段としては、例えば、走行距離取得部306で取得した、第一移動体の位置から開始地点と引継地点の候補とを経由して第一補給地点の候補に至る経路の走行距離である第一走行距離と、第二移動体の位置から引継地点の候補と終了地点とを経由して第二補給地点の候補に至る経路の走行距離である第二走行距離とに基づいて、移動先を決定するなどの手段がある。また、この際に、移動先決定部304は、例えば、第一走行距離と第二走行距離との和が最も小さくなるように移動先を決定してもよいし、第一走行距離と第二走行距離とが等しくなるように移動先を決定してもよい。また、例えば、移動先決定部304が、更に、物流拠点または駐車場などの引継候補地点を1以上取得する引継候補地点取得手段と、充電ステーション、ガソリンスタンド、水素ステーション、充電ポート、ガソリンもしくは水素のある物流拠点、または、充電装置、ガソリンもしくは水素を持ち込み可能な任意の地点などの補給可能地点を1以上取得する補給可能地点取得手段とを備え、引継候補地点取得手段で取得した1以上の引継候補地点の中から引継地点を決定し、補給可能地点取得手段で取得した1以上の補給可能地点の中から第一補給地点と第二補給地点とを決定してもよい。
【0139】
また、移動先決定部304が移動先を決定する別の具体的な手段としては、例えば、所要時間推定部307で取得した、第一移動体の位置から開始地点と引継地点の候補とを経由して第一補給地点の候補に至る経路の所要時間である第一所要時間と、第二移動体の位置から引継地点の候補と終了地点とを経由して第二補給地点の候補に至る経路の所要時間である第二所要時間とに基づいて、移動先を決定するなどの手段がある。また、この際に、移動先決定部304は、例えば、第一所要時間と第二所要時間との和が最も小さくなるように移動先を決定してもよいし、第一所要時間と第二所要時間とが等しくなるように移動先を決定してもよい。また、例えば、移動先決定部304が、更に、物流拠点または駐車場などの引継候補地点を1以上取得する引継候補地点取得手段と、充電ステーション、ガソリンスタンド、水素ステーション、充電ポート、ガソリンもしくは水素のある物流拠点、または、充電装置、ガソリンもしくは水素を持ち込み可能な任意の地点などの補給可能地点を1以上取得する補給可能地点取得手段とを備え、引継候補地点取得手段で取得した1以上の引継候補地点の中から引継地点を決定し、補給可能地点取得手段で取得した1以上の補給可能地点の中から第一補給地点と第二補給地点とを決定してもよい。
【0140】
また、移動先決定部304は、エネルギー残量推移推定部308で推定したエネルギー残量の推移から得られる、計画作成部105で作成した配送計画の実行が完了した時点における第一移動体及び第二移動体のエネルギー残量が、所定の閾値以下とならないよう、移動先を決定してもよい。所定の閾値は、例えば、移動体が走行不能となるようなエネルギー残量である。つまり、移動先決定部304は、配送計画の実行が完了した時点において第一移動体及び第二移動体がエネルギー切れにより走行不能とならないような移動先を決定してもよい。具体的には、移動先決定部304は、エネルギー残量推移推定部308で推定したエネルギー残量の推移から得られる、終了地点、及び、移動先の候補(具体的には引継地点の候補または第二補給地点の候補)のうちのそれぞれの地点に第二移動体が到着した時点における、第二移動体のエネルギー残量のそれぞれのうち、1以上のエネルギー残量に基づいて、移動先を決定してもよい。特定の地点におけるエネルギー残量から最終的に配送計画の実行が完了した時点における第二移動体のエネルギー残量が、所定の閾値以下となるか否かを推定することができるためである。また、移動先決定部304は、第二移動体の場合と同じように、エネルギー残量推移推定部308で推定したエネルギー残量の推移から得られる、開始地点、及び、移動先の候補(具体的には引継地点の候補または第一補給地点の候補)のうちのそれぞれの地点に第一移動体が到着した時点における、第一移動体のエネルギー残量のそれぞれのうち、1以上のエネルギー残量に基づいて、移動先を決定してもよい。
【0141】
また、移動先決定部304が移動先を決定する別の具体的な手段としては、例えば、エネルギー残量推移推定部308で推定した、第一移動体が第一移動体の位置から開始地点と引継地点の候補とを経由して第一補給地点に至る経路を走行する際のエネルギー残量の推移である第一エネルギー残量推移と、第二移動体が第二移動体の位置から引継地点の候補と終了地点とを経由して第二補給地点の候補に至る経路を走行する際のエネルギー残量の推移である第二エネルギー残量推移とに基づいて、移動先を決定するなどの手段がある。また、この際に、移動先決定部304は、例えば、第一エネルギー残量推移及び第二エネルギー残量推移から得られるエネルギー残量のそれぞれが、所定の閾値以下とならないように移動先を決定してもよいし、第一エネルギー残量推移から得られるエネルギー減少量(第一移動体による配送対象の配送における第一移動体の最初と最後のエネルギー残量の差)である第一エネルギー減少量と、第二エネルギー残量推移から得られるエネルギー減少量(第二移動体による配送対象の配送における第二移動体の最初と最後のエネルギー残量の差)である第二エネルギー減少量との和が最も小さくなるように移動先を決定してもよいし、第一エネルギー減少量と第二エネルギー減少量とが等しくなるように移動先を決定してもよい。また、例えば、移動先決定部304が、更に、物流拠点または駐車場などの引継候補地点を1以上取得する引継候補地点取得手段と、充電ステーション、ガソリンスタンド、水素ステーション、充電ポート、ガソリンもしくは水素のある物流拠点、または、充電装置、ガソリンもしくは水素を持ち込み可能な任意の地点などの補給可能地点を1以上取得する補給可能地点取得手段とを備え、引継候補地点取得手段で取得した1以上の引継候補地点の中から引継地点を決定し、補給可能地点取得手段で取得した1以上の補給可能地点の中から第一補給地点と第二補給地点とを決定してもよい。
【0142】
このように、例えば走行距離、所要時間、エネルギー残量の推移または補給地点等に関する予め定められた条件に合致するような引継地点の候補、第一補給地点の候補及び第二補給地点の候補が移動先として決定される。予め定められた条件としては、上述したように、走行距離が短くなるような条件、所要時間が短くなるような条件、エネルギー消費が少なくなるような条件、補給が可能な場所であるという条件等がある。
【0143】
なお、移動先決定部304が移動先を決定するためのこれらの具体的な手段は、全て一例であり、本開示を限定するものではない。
【0144】
なお、
図8は、ステップS403、ステップS204の順に逐次的に実行されるフローチャートとなっているが、ステップS403、ステップS204は、必ずしもこの順序で逐次的に実行される必要はない。
【0145】
例えば、一定の基準を満足できるようになるまで、ステップS403とステップS204とが繰り返し実行されてもよい。この場合、例えば、ステップS204で作成された配送計画を評価する為の評価関数が予め定められ、ステップS204で作成された配送計画を評価関数で評価した際の評価値が予め定めておいた閾値よりも低い場合には、移動先決定部304は、ステップS403を実行し直して移動先を決定し直し、計画作成部105は、この決定し直された移動先を用いて、改めてステップS204を実行して配送計画を作成し直してもよい。
【0146】
また、例えば、ステップS403の処理とステップS204の処理とが一体化して実行されてもよい。この場合、例えば、計画作成部105は、ステップS204の配送計画の作成処理の中で、ステップS403の移動先の決定処理を呼び出したり、ステップS403とステップS204の処理をそれぞれいくつかに分割して、これらの分割単位ごとに相互に呼び出し合ったりしてもよい。
【0147】
なお、ステップS403及びステップS204の実行順序に関するこれらの具体例は一例であり、本開示を限定するものではない。
【0148】
また、配送計画作成方法における各処理は、第一移動体及び第二移動体、または、移動体群の各移動体の運用中の任意の時点で開始されてよい。例えば、第一移動体及び第二移動体、または、移動体群の各移動体の出発前に、配送計画作成方法における各処理の実行を完了し、予め配送対象の引き継ぎを含めた配送計画を決定した後、第一移動体及び第二移動体にこの配送計画を実行させてもよい。また、第一移動体及び第二移動体、または、移動体群の各移動体が配送対象の引き継ぎを考慮していない配送計画をそれぞれ実行中、あるいは、配送計画を使わずに走行中に、配送計画作成システム3は、配送計画作成方法における各処理の実行を開始し、作成された配送対象の引き継ぎを含めた配送計画を第一移動体及び第二移動体に実行させてもよい。この場合、第一移動体のエネルギー残量が予め定めた閾値以下となることを、配送計画作成方法における各処理の実行を開始するトリガとしてもよい。
【0149】
なお、配送計画作成方法における各処理の実行タイミングに関するこれらの具体例は一例であり、本開示を限定するものではない。
【0150】
このように、実施の形態2では、他の移動体に配送対象を引き継いで配送を完了させることを、走行距離、所要時間またはエネルギーの消費の観点において効率的に行い得る。例えば、エネルギー消費の観点では、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制しながら、エネルギー消費を効率化できる。また、第一移動体が引き継ぎを完了させる前に第一移動体のエネルギーが切れることをより確実に回避でき、第二移動体が配送を完了させる前に第二移動体のエネルギーが切れることをより確実に回避できる。つまり、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることをより抑制しやすくなる。また、第二移動体が配送を完了させた後に、第二移動体のエネルギーが切れることをより確実に回避でき、第一移動体が引き継ぎを完了させた後に第一移動体のエネルギーが切れることをより確実に回避できる。例えば、走行距離の観点では、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制しながら、走行距離を抑制することができる。例えば、所要時間の観点では、移動体の移動用エネルギーの枯渇のせいで配送対象の配送が失敗に終わることを抑制しながら、所要時間を抑制することができる。
【0151】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る配送計画作成システム及び配送計画作成方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0152】
例えば、上記実施の形態では、第一補給地点を移動先として決定すると説明したが、第一補給地点を移動先として決定しなくてもよい。また、第一移動体に、開始地点と引継地点とを順に経由して、第一補給地点まで走行させる配送計画を作成すると説明したが、第一移動体に第一補給地点まで走行させる配送計画を作成しなくてもよい。つまり、第一移動体の移動先として引継地点だけを決定し、第一移動体に、開始地点を経由して引継地点まで走行させる配送計画を作成し、第一移動体についての引継地点以降の配送計画については作成しなくてもよい。
【0153】
例えば、配送計画作成システムは、サーバ等のコンピュータであってもよい。また、配送計画作成システムを構成する構成要素は、複数のコンピュータに分散して配置されていてもよい。
【0154】
例えば、配送計画作成方法におけるステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。例えば、第一移動体及び第二移動体と通信可能な装置(サーバ装置等)が配送計画作成方法におけるステップを実行してもよい。そして、本開示は、配送計画作成方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0155】
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウエア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリ及び入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0156】
本開示において、ユニット、装置、システム。部材または部の全部または一部、または図に示されるブロック図の機能ブロックの全部または一部は、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つまたは複数の電子回路によって実行されてもよい。LSIまたはICは、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、一つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSIまたはICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、若しくはULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、またはLSI内部の接合関係の再構成またはLSI内部の回路区画のセットアップができるReconfigurable Logic Deviceも同じ目的で使うことができる。
【0157】
さらに、ユニット、装置、部材または部の全部または一部の機能または操作は、ソフトウエア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウエアは一つまたは複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウエアが処理装置(Processor)によって実行されたときに、そのソフトウエアで特定された機能が処理装置(Processor)及び周辺装置によって実行される。システム又は装置は、ソフトウエアが記録されている一つまたは複数の非一時的記録媒体、処理装置(Processor)、及び必要とされるハードウエアデバイス、例えばインターフェース、を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本開示に係る配送計画作成システムは、荷物または乗客等の配送対象を長距離配送するためのシステムに適用できる。
【符号の説明】
【0159】
1、3 配送計画作成システム
10 第一移動体
20 第二移動体
101 開始地点決定部
102 終了地点決定部
104、304 移動先決定部
105 計画作成部
306 走行距離取得部
307 所要時間推定部
308 エネルギー残量推移推定部