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特許7417858システム、携帯型通話端末、プログラム、及び管理サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】システム、携帯型通話端末、プログラム、及び管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20240112BHJP
   H04M 1/72 20210101ALI20240112BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H04M3/42 E
H04M1/72
H04M11/00 302
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020032264
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021136611
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】310023265
【氏名又は名称】トビラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤井 智康
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸口 隼
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-193762(JP,A)
【文献】特開2013-081248(JP,A)
【文献】特開2008-252771(JP,A)
【文献】特開2017-108472(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107613572(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0127276(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F21/00
21/30-21/46
H04B7/24-7/26
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
H04Q3/58-3/62
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバと携帯型通話端末とを備えるシステムであって、
前記管理サーバは、
情報処理端末からの要求に応じて、IP電話サービスサーバへの接続するために必要な接続情報を当該管理サーバから取得するために必要なコードを、当該情報処理端末に送信する第1送信手段と、
前記携帯型通話端末から前記コードを受信すると、前記接続情報を当該携帯型通話端末に送信する第2送信手段と
を有し、
前記携帯型通話端末は、
前記情報処理端末に表示されたコードを読取る読取手段と、
該読取ったコードを用いて前記管理サーバに接続する第1接続手段と、
前記管理サーバから取得した接続情報を用いて、前記IP電話サービスサーバへ接続する第2接続手段と
を有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記コードは二次元バーコードであり、
前記読取手段はカメラである
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記情報処理端末にて入力されたログイン情報を当該情報処理端末から受信し、該受信したログイン情報に基づく認証処理に成功した場合に、前記コードの送信を実行する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記管理サーバは、前記認証処理に失敗した場合、前記コードを無効化するとともに、前記IP電話サービスサーバに対して前記接続情報を無効化するように要求する
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記携帯型通話端末は、
前記管理サーバにて発行されたPINコードを受信し、
前記コードの読取りが行われると、該読取ったコードとともに、ユーザによって入力されたPINコードを前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、該送信したPINコードと該受信したPINコードとの照合に失敗した場合は、前記接続情報の送信を実行しない
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記コードには、通話の利用条件に関する情報が含まれる
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
情報処理端末に表示されたコードを読取る読取手段と、
該読取ったコードを用いて管理サーバに接続する第1接続手段と、
前記管理サーバから取得した接続情報を用いて、IP電話サービスサーバへ接続する第2接続手段と
を有する携帯型通話端末。
【請求項8】
コンピュータに、
情報処理端末に表示されたコードを読取るステップと、
該読取ったコードを用いて管理サーバに接続するステップと、
前記管理サーバから取得した接続情報を用いて、IP電話サービスサーバへ接続するステップと
を有するプログラム。
【請求項9】
情報処理端末からの要求に応じて、IP電話サービスサーバへ接続するために必要な接続情報を自装置から取得するために必要なコードを、当該情報処理端末に送信する第1送信手段と、
携帯型通話端末から前記コードを受信すると、前記接続情報を当該携帯型通話端末に送信する第2送信手段と
を有する管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIP電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、 インターネット通信網によるVoIP技術を用いた電話(以下、インターネット電話)が一般に普及している。インターネット電話を実現するための通信プロトコルの一例としてはSIP(Session Initiation Protocol)が挙げられる。スマートフォン等の携帯型通話端末を用いて、SIPを用いたインターネット電話を利用する場合、当該携帯型通話端末をSIPサーバに接続する必要がある。SIPを用いたインターネット電話を簡便に利用できるようにするために、SIPサーバへの接続を容易にする技術が種々提案されており、その一例としては特許文献1に開示の技術が挙げられる。特許文献1には、ある端末に対して発行され接続情報が内包されたQRコード(登録商標)を他の端末が読み取って複号した接続情報を用いて、当該ある端末をSIPサーバに接続させるようにする仕組みが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-252771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発行された接続情報を含むQRコード(登録商標)が無制限に利用されると、セキュリティ上支障が生じる虞がある。
【0005】
本発明は、セキュリティの確保を図りつつ、SIPサーバを介した通話を簡便に開始できるようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一の態様において、本発明は、管理サーバと携帯型通話端末とを備えるシステムであって、前記管理サーバは、情報処理端末からの要求に応じて、IP電話サービスサーバへの接続するために必要な接続情報を当該管理サーバから取得するために必要なコードを、当該情報処理端末に送信する第1送信手段と、前記携帯型通話端末から前記コードを受信すると、前記接続情報を当該携帯型通話端末に送信する第2送信手段と、を有し、前記携帯型通話端末は、前記情報処理端末に表示されたコードを読取る読取手段と、該読取ったコードを用いて前記管理サーバに接続する第1接続手段と、前記管理サーバから取得した接続情報を用いて、前記IP電話サービスサーバへ接続する第2接続手段と、を有する、ことを特徴とするシステムを提供する。
【0007】
より好ましい態様では、前記コードは二次元バーコードであり、前記読取手段はカメラであることを特徴とする。
【0008】
更に好ましい態様では、前記管理サーバは、前記情報処理端末にて入力されたログイン情報を当該情報処理端末から受信し、該受信したログイン情報に基づく認証処理に成功した場合に、前記コードの送信を実行することを特徴とする。
【0009】
更に好ましい態様では、前記管理サーバは、前記認証処理に失敗した場合、前記コードを無効化するとともに、前記IP電話サービスサーバに対して前記接続情報を無効化するように要求することを特徴とする。
【0010】
別の好ましい態様では、前記携帯型通話端末は、前記管理サーバにて発行されたPINコードを受信し、前記コードの読取りが行われると、該読取ったコードとともに、ユーザによって入力されたPINコードを前記管理サーバに送信し、前記管理サーバは、該送信したPINコードと該受信したPINコードとの照合に失敗した場合は、前記接続情報の送信を実行しないことを特徴とする。
【0011】
更に好ましい態様では、前記コードには、通話の利用条件に関する情報が含まれることを特徴とする。
【0012】
他の観点において、本発明は、前記情報処理端末に表示されたコードを読取る読取手段と、該読取ったコードを用いて前記管理サーバに接続する第1接続手段と、前記管理サーバから取得した接続情報を用いて、前記IP電話サービスサーバへ接続する第2接続手段と、有する携帯型通話端末、および当該携帯型通話端末を動作させるためのプログラムを提供する。
【0013】
さらに他の観点において、本発明は、情報処理端末からの要求に応じて、IP電話サービスサーバへ接続するために必要な接続情報を自装置から取得するために必要なコードを、当該情報処理端末に送信する第1送信手段と、前記携帯型通話端末から前記コードを受信すると、前記接続情報を当該携帯型通話端末に送信する第2送信手段と、を有する管理サーバを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態によるシステム1の構成例を示す図である。
図2】IP電話サービスサーバ50への接続手順を示すシーケンス図である。
図3】情報処理端末40におけるコードの表示例を示す図である。
図4】同システム1に含まれる管理サーバ10の機能構成例を示す機能ブロック図である。
図5】同システム1に含まれる携帯型通話端末20の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(A:実施形態)
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態によるシステム1の構成例を示す図である。図1に示すシステム1は、企業等における内線電話及び外線電話をインターネット電話により実現する通信システムである。図1に示すように、システム1は、管理サーバ10と、携帯型通話端末20と、を含む。図1に示すように、管理サーバ10及び携帯型通話端末20は、インターネットを含む通信網30に接続されている。
【0016】
管理サーバ10は、企業等における内線電話及び外線電話をインターネット電話により実現する通信サービスを提供する事業者(以下、「サービス提供事業者」)により運用及び管理されるWebサーバである。携帯型通話端末20は、上記通信サービスの提供を受ける企業等、上記通信サービスの利用契約をサービス提供事業者と締結している事業者(以下、「サービス利用事業者」)の従業者等の使用するスマートフォンである。携帯型通話端末20を用いてIP通話を行うに際し、ユーザは、例えば管理サーバ10によって提供される通話アプリケーションプログラムを予めインストールしておく。
なお、図1では、携帯型通話端末20が1つだけ例示されているが、複数の携帯型通話端末20がシステム1に含まれてもよい。通信網30に対する管理サーバ10及び携帯型通話端末20の接続態様は有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
【0017】
図1に示すように、通信網30には、管理サーバ10及び携帯型通話端末20の他に、情報処理端末40とIP電話サービスサーバ50とが接続される。IP電話サービスサーバ50はSIPサーバ機能及びインターネット電話における音声通話を中継する中継機能を備える。IP電話サービスサーバ50については、既存のSIPサーバ及び上記中継機能を備えた中継装置の構成と特段に変わるところはないため、詳細な説明を省略する。
【0018】
情報処理端末40は、サービス利用事業者の従業者等によって使用されるパーソナルコンピュータである。情報処理端末40は事業者から各従業員に支給されたものであってもよいし、複数の従業者によって共用されるものであってもよい。一の態様において、サービス利用事業者の従業者等は、自身の使用する携帯型通話端末20及び情報処理端末40を用いて、IP電話サービスサーバ50へ接続するために必要な接続情報(IP電話サービスサーバ50へアクセスするためのログインID及びパスワード)を管理サーバ10から取得する。
【0019】
なお、携帯型通話端末20のユーザと情報処理端末40を操作するユーザは別人であってもよい。あるいは、一台の情報処理端末40を複数の携帯型通話端末20で共用してもよい。例えば、当該ウェブページにアクセスするためにはIDおよび/またはパスワードが必要であって、当該IDおよび/またはパスワードは企業内の管理者のみが知っているというような状況の場合には、携帯型通話端末20のユーザが当該管理者に対し管理サーバ10へのアクセス操作を行うよう依頼してもよい。
【0020】
図2は、IP電話サービスサーバ50への接続手順を示すシーケンス図である。
なお、管理サーバ10は、予めIP電話サービスサーバ50から接続情報を取得し、または管理サーバ10が生成した接続情報をIP電話サービスサーバ50へ通知することにより、接続情報を管理サーバ10とIP電話サービスサーバ50とで共有しておく。
【0021】
携帯型通話端末20のユーザがIP電話サービスを利用する場合、当該ユーザは、まず、情報処理端末40を操作し、ウェブブラウザを用いて管理サーバ10が提供するウェブページにアクセスする。そして、ユーザは、当該ページ上において所定の操作を行い、接続情報の取得の際に必要となるコードの送信を管理サーバ10に要求する(図2:REQ01)。管理サーバ10は、情報処理端末40からの要求に応じてコードを返信する(図2:RES01)。
【0022】
本実施形態では、上記コードとして、QRコード(登録商標)、即ち二次元バーコードが用いられる。このQRコード(登録商標)は、JSON形式である。このQRコード(登録商標)には、管理サーバ10へアクセスするためのログインID及びパスワードが暗号化されて含まれている。本実施形態では、携帯型通話端末20のユーザ毎(即ち、サービス利用事業者の従業員毎)に異なるコードが発行されるが、情報処理端末40にアクセス可能な複数の従業者よりなるグループ毎に異なるコードが発行されてもよい。後者の場合、1つのグループに属する複数の従業者によって1つのコードが共有される。また、セキュリティの向上のために、有効期限を示すタイムスタンプをコードに含めておき、有効期限切れのコードが携帯型通話端末20において使用されないようにしてもよい。
【0023】
情報処理端末40は、管理サーバ10から送信されたコードを受信すると当該コードを液晶ディスプレイ等の表示装置に表示させる(図3参照)。携帯型通話端末20のユーザは、図2にて点線矢印で示すように、情報処理端末40の表示装置に表示されたコードを携帯型通話端末20のカメラで撮像することで取得する。携帯型通話端末20は、該取得したコードから管理サーバ10のログインID及びパスワードを復号し、当該ログインID及びパスワードを用いて管理サーバ10に接続(ログイン)し、接続情報の送信を要求する(図2:REQ02)。管理サーバ10は、当該要求に応じて接続情報を返信する(図2:RES02)。以降、携帯型通話端末20のユーザは、取得した接続情報を用いてIP電話サービスサーバ50への接続を要求し(図2:REQ03)、IP電話サービスの利用を開始する。
【0024】
前述したようにシステム1に含まれる各装置のうちIP電話サービスサーバ50については、既存のSIPサーバ及び上記中継機能を備えた中継装置と特段に変わるところはない。また、情報処理端末40についても既存のパーソナルコンピュータと特段に変わるところはない。このため、以下では、情報処理端末40及びIP電話サービスサーバ50については詳細な説明を省略し、管理サーバ10及び携帯型通話端末20を中心に説明する。
【0025】
管理サーバ10のハードウェア構成は、一般的なWebサーバのハードウェア構成と同一である。このため、以下では、管理サーバ10のハードウェア構成の詳細な説明を省略し、管理サーバ10が有する機能を中心に説明する。図4は、管理サーバ10の機能構成例を示す図である。図4に示すように、管理サーバ10は、第1送信手段110と、第2送信手段120とを有する。第1送信手段110及び第2送信手段120は、何れも、管理サーバ10のCPU(Central Processing Unit)をプログラム等のソフトウェアに従って動作させることで実現されるソフトウェアモジュールである。第1送信手段110及び第2送信手段120の機能は次の通りである。
【0026】
第1送信手段110は、当該管理サーバ10から接続情報を取得するために必要なコードを情報処理端末40からの要求に応じて情報処理端末40に送信する。第2送信手段120は、上記コードを携帯型通話端末20から受信すると、上記接続情報を携帯型通話端末20に送信する。
【0027】
携帯型通話端末20についても、ハードウェア構成は一般的なスマートフォンのハードウェア構成と同一である。このため、以下では、携帯型通話端末20のハードウェア構成の詳細な説明を省略し、携帯型通話端末20が有する機能を中心に説明する。図5は、携帯型通話端末20の機能構成例を示す機能ブロック図である。図5に示すように、携帯型通話端末20は、第1接続手段210、第2接続手段220、及び読取手段230を有する。読取手段230は、携帯型通話端末20に設けられたカメラである。第1接続手段210及び第2接続手段220は、何れも、携帯型通話端末20のCPU(Central Processing Unit)を、携帯型通話端末20に予めインストールされた通話アプリケーションプログラムに従って動作させることで実現されるソフトウェアモジュールである。第1接続手段210、第2接続手段220、及び読取手段230の各々の機能は次の通りである。
【0028】
読取手段230は、情報処理端末40の表示装置に表示されたコードを取得する。第1接続手段210は、読取手段230により読取ったコードを用いて管理サーバ10に接続し、接続情報を取得する。第2接続手段220は、管理サーバ10から取得した接続情報を用いてIP電話サービスサーバ50へ接続する。
【0029】
本実施形態のシステム1によれば、携帯型通話端末20のユーザは、携帯型通話端末20のCPUに上記の通話アプリケーションプログラムを実行させておけば、情報処理端末40に表示されるコードを読取手段230に読み取らせるだけで、IP電話サービスサーバ50を介した通話を携帯型通話端末20に開始させることができる。一般に、IP電話サービスサーバ50の接続情報は、悪意を有する第三者からの攻撃に備えて複雑に設定されることが多く、複雑に設定された接続情報の利用を携帯型通話端末20のユーザに強いることは利便性の低下に繋がっていた。これに対して、本実施形態では、携帯型通話端末20がIP電話サービスサーバ50の接続情報を意識する必要はなく、当該接続情報が複雑に設定されている場合でも、上記のような利便性の低下は生じない。
【0030】
また、本実施形態のシステム1では、情報処理端末40から管理サーバ10にアクセスしなければ上記コードを取得できない。すなわち、サービス利用事業者の各従業者によるIP電話サービスサーバ50へのアクセスを管理サーバ10にて一括管理することができる。これにより、接続情報を予め共有している管理サーバ10を経由しないようなIP電話サービスサーバ50へのアクセス(つまり、不正なアクセス)を遮断できる。
【0031】
以上説明したように本実施形態のシステム1によれば、セキュリティの確保を図りつつ、IP電話サービスサーバ50を介した通話を簡便に開始することが可能になる。
【0032】
(B:変形)
以上本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えてもよい。
(1)接続情報を管理サーバ10から取得するために必要なコードに、通話の利用条件に関する情報を含めてもよい。通話の利用条件の具体例としては、利用制限(通話時間長、時間帯、又は通話相手に関する制限)、又は通話料金が挙げられる。本態様によれば、インターネット電話サービスに何らかの利用条件を設ける場合、当該利用条件を示すデータの記憶及び利用条件を満たすか否かの吟味をIP電話サービスサーバ50ではなく管理サーバ10に行わせることができ、サービス利用費業者側で利用条件の設定及び変更をフレキシブルに行うことが可能になる。
【0033】
(2)情報処理端末40から管理サーバ10へコードの要求を行う際に(図2のREQ01)、ユーザID及びパスワード等のユーザ認証のための認証情報(ログイン情報;上述したQRコード(登録商標)に内包されたログインIDおよびパスワードとは別のもの)をユーザに情報処理端末40から入力させてもよい。具体的には、管理サーバ10が提供するウェブページを、ユーザIDおよび/またはパスワードの入力フォームを設け、ユーザIDおよび/またはパスワードの入力がないと当該要求操作を送信できないウェブページの構成とする。当該入力されたログイン情報が情報処理端末40から管理サーバ10に送信される。管理サーバ10は、情報処理端末40から受信したログイン情報に基づく認証処理を実行させ、ユーザ認証に成功した場合にのみコードの送信を実行するようにしてもよい。
【0034】
本態様によれば、管理サーバ10への不正アクセスを防止することでコードの不正取得が防止される、という効果が奏される。より好ましい態様においては、管理サーバ10は、同一のユーザIDに係る認証が所定回数失敗した場合、あるいは同一のユーザIDについて、正当なパスワードが入力され認証は成功したもののそのログインの頻度が所定値以上である場合など、不正ログインが疑われると判断した場合は、当該ユーザに対して発行済みであるないしは発行する予定のコードを無効化してもよい。加えて、IP電話サービスサーバ50に対し、当該コードに対応する接続情報を無効化するように要求してもよい。本態様によれば、IP電話サービスサーバ50と管理サーバ10との連携による二重のロックアウトにより、セキュリティが更に向上するという効果が奏される。例えば、ログイン情報および/またはコードが何らかの理由で漏洩したことが疑われる場合、IP電話サービスサーバ50への接続を阻止することができる。なお、接続情報の無効化の具体的な方法としては、無効化を要求された接続情報に対応するアカウント登録情報の削除あるいは当該接続情報に対する一時的な無効化フラグの付与等が挙げられる。
【0035】
(3)更なるセキュリティの向上を図るため、以下の処理を管理サーバ10及び携帯型通話端末20の各々に実行させてもよい。具体的には、通話アプリケーションプログラムに以下の機能を実装する。携帯型通話端末20に、管理サーバ10にて発行されたPINコード(例えば、6桁の数字を表す文字列であって、予有効期限が設けられるワンタイムコード)を受信させる。読取手段230によってコードの読取りが行われたことを契機として、ユーザにPINコードの入力を促す。そして、ユーザによって入力されたPINコードを読取ったコードとともに管理サーバ10に送信させる。一方、管理サーバ10には、発行済みのPINコードと携帯型通話端末20から受信したPINコードとの照合を実行させる。そして、照合に成功した場合(即ち両コードが一致した場合)にはコード及びPINコードの送信元の携帯型通話端末に接続情報を返信する一方、照合に失敗した場合(即ち両コードが不一致の場合)には接続情報を返信しない処理を管理サーバ10に実行させる。
この態様によれば、ログイン情報および/またはコードが漏洩したとしても、正当な携帯型通話端末20のユーザのみに接続情報を提供することができる。
【0036】
(4)上記実施形態では、携帯型通話端末20と管理サーバ10とを含むシステム1について説明したが、携帯型通話端末20を単体で提供してもよく、また、管理サーバ10を単体で提供してもよい。
【0037】
(5)上記実施形態において携帯型通話端末20に含まれる第1接続手段210及び第2接続手段220は何れもソフトウェアモジュールであった。しかし、第1接続手段210及び第2接続手段220の何れか一方、あるいは両方がASIC等のハードウェアモジュールであってもよい。管理サーバ10に含まれる第1送信手段110及び第2送信手段120についても同様であり、第1送信手段110及び第2送信手段120の何れか一方、あるいは両方がASIC等のハードウェアモジュールであってもよい。
【0038】
(6)CPUを第1送信手段110及び第2送信手段120として機能させるプログラムが単体で提供されてもよい。上記プログラムの具体的な提供態様としては、DVD(Digital Versatile Disc)又はフラッシュROM(Read Only memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に上記プログラムを書き込んで配布する態様、又はインターネット等の電気通信回線経由のダウンロードにより提供する態様が挙げられる。当該プログラムをパーソナルコンピュータにインストールし、当該パーソナルコンピュータのCPUを当該プログラムに従って動作させることで、当該パーソナルコンピュータを上記実施形態の管理サーバ10として機能させることが可能になる。
【0039】
CPUを第1接続手段210及び第2接続手段220として機能させるプログラムについても同様に単体で提供されてもよい。カメラ等の読取手段230を有する一般的なスマートフォンに当該プログラムをインストールし、当該スマートフォンのCPUを当該プログラムに従って動作させることで、当該スマートフォンを上記実施形態の管理サーバ10として機能させることが可能になる。
【符号の説明】
【0040】
1…システム、10…管理サーバ、110…第1送信手段、120…第2送信手段、20…携帯型通話端末、210…第1接続手段、220…第2接続手段、230…読取手段、30…通信網、40…情報処理端末、50…IP電話サービスサーバ。
図1
図2
図3
図4
図5