(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240112BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240112BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240112BHJP
H05B 47/17 20200101ALI20240112BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/16
H05B47/165
H05B47/17
(21)【出願番号】P 2021158178
(22)【出願日】2021-09-28
【審査請求日】2023-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】村上 香織
(72)【発明者】
【氏名】中田 龍
(72)【発明者】
【氏名】阿部 智之
(72)【発明者】
【氏名】林 高志
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-045481(JP,A)
【文献】特開平10-003991(JP,A)
【文献】特開2019-120065(JP,A)
【文献】特開2008-053183(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を照射する照明部と、
前記照明部から照射される前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンのゆらぎ照明モードを実行するための制御信号を記憶した記憶部と、
前記記憶部から前記制御信号を読み取り、前記制御信号に基づいて前記照明部からの前記照明光の照射を制御することにより、前記ゆらぎ照明モードを実行する制御部と、
を備え、
前記制御信号は、所定の時間分の前記照明光における光束値及び色温度の少なくとも一方を表現した信号であり、第1期間と、第2期間と、を有し、
前記第2期間は、複数の周波数成分を含み、前記ゆらぎパターンを表現した期間であり、
前記第1期間は、前記第2期間よりも短く、前記第2期間より前に実行される期間であり、
前記第1期間に含まれる周波数成分は、前記第2期間に含まれる周波数成分よりも少なく、
前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードの開始の際に、前記第1期間を実行し、前記第1期間の後に前記第2期間を実行し、
前記制御信号は、前記第1期間の終了時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近くなるように、前記第1期間の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を設定
し、
前記第1期間は、前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値で一定となるようにした期間であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
照明光を照射する照明部と、
前記照明部から照射される前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンのゆらぎ照明モードを実行するための制御信号を記憶した記憶部と、
前記記憶部から前記制御信号を読み取り、前記制御信号に基づいて前記照明部からの前記照明光の照射を制御することにより、前記ゆらぎ照明モードを実行する制御部と、
を備え、
前記制御信号は、所定の時間分の前記照明光における光束値及び色温度の少なくとも一方を表現した信号であり、第1期間と、第2期間と、を有し、
前記第2期間は、複数の周波数成分を含み、前記ゆらぎパターンを表現した期間であり、
前記第1期間は、前記第2期間よりも短く、前記第2期間より前に実行される期間であり、
前記第1期間に含まれる周波数成分は、前記第2期間に含まれる周波数成分よりも少なく、
前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードの開始の際に、前記第1期間を実行し、前記第1期間の後に前記第2期間を実行し、
前記制御信号は、前記第1期間の終了時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近くなるように、前記第1期間の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を設定し、
前記第1期間は、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる期間であり、
前記第1期間は、
前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる前期間と、
前記前期間の後に実行され、前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変化が前記前期間よりも小さい後期間と、
を有することを特徴とす
る照明装置。
【請求項3】
照明光を照射する照明部と、
前記照明部から照射される前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンのゆらぎ照明モードを実行するための制御信号を記憶した記憶部と、
前記記憶部から前記制御信号を読み取り、前記制御信号に基づいて前記照明部からの前記照明光の照射を制御することにより、前記ゆらぎ照明モードを実行する制御部と、
を備え、
前記制御信号は、所定の時間分の前記照明光における光束値及び色温度の少なくとも一方を表現した信号であり、第1期間と、第2期間と、を有し、
前記第2期間は、複数の周波数成分を含み、前記ゆらぎパターンを表現した期間であり、
前記第1期間は、前記第2期間よりも短く、前記第2期間より前に実行される期間であり、
前記第1期間に含まれる周波数成分は、前記第2期間に含まれる周波数成分よりも少なく、
前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードの開始の際に、前記第1期間を実行し、前記第1期間の後に前記第2期間を実行し、
前記制御信号は、前記第1期間の終了時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近くなるように、前記第1期間の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を設定し、
前記制御信号は、第3期間をさらに有し、
前記第3期間は、前記第2期間よりも短く、前記第2期間より後に実行される期間であり、
前記第3期間に含まれる周波数成分は、前記第2期間に含まれる周波数成分よりも少なく、
前記制御信号は、前記第3期間の開始時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、前記第2期間の終了時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に設定するとともに、前記第3期間の終了時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、前記第2期間の開始時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に設定し、
前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードを開始し、前記第1期間を実行し、前記第2期間を実行し、前記第3期間を実行した後、前記第2期間と前記第3期間とを繰り返し実行することを特徴とす
る照明装置。
【請求項4】
前記第2期間の前記ゆらぎパターンは、1/fゆらぎの特性に基づく1/fゆらぎパターンであることを特徴とする
請求項1~3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1期間の長さは、0.01秒以上3秒以下であることを特徴とする
請求項1~4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードを開始し、前記第1期間を実行し、前記第2期間を実行した後、前記第2期間を繰り返し実行することを特徴とする
請求項1~5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記制御信号は、前記第1期間の終了時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じにすることを特徴とする
請求項1~6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記制御信号は、前記ゆらぎ照明モードにおいて前記照明部から照射される前記照明光の色温度を1800K以上2300K以下に設定することを特徴とする
請求項1~7のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
前記制御信号は、前記第2期間において前記照明部から照射される前記照明光の光束値の変動の範囲を基準値に対して0.5倍以上1.5倍以下の範囲に設定することを特徴とする
請求項1~8のいずれか1つに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明部から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンの照明モードを有する照明装置が知られている。例えば、光束値及び色温度の少なくとも一方を変動させ、ろうそくなどの炎のゆらぎを模擬する。こうした光のゆらぎは、利用者(光の鑑賞者)をリラックスさせる効果があると考えられている。
【0003】
このような照明装置では、照明部を消灯させた状態からゆらぎパターンの照明モードに切り替える際、あるいは光束値及び色温度を実質的に一定とした別の照明モードからゆらぎパターンの照明モードに切り替える際に、ゆらぎパターンの開始時における光束値や色温度の変動の具合によっては、光束値(明るさ)や色温度が一時的に大きく変化し、いわゆるチラツキとなって利用者に観察されてしまう場合がある。ここで、チラツキとは、光の急激な変化、又は、光の一時的な大きな変化によるものである。
【0004】
例えば、消灯した状態からゆらぎパターンの照明モードへの切り替えによって光束値が急激に大きくなり、その後、ゆらぎパターンに応じて光束値が小さくなる場合には、照明部から照射される光が、一瞬だけ明るくなったように見えてしまう。光束値及び色温度を実質的に一定とした別の照明モードからゆらぎパターンの照明モードへの切り替えによって光束値が急激に小さくなり、その後、ゆらぎパターンに応じて光束値が大きくなる場合には、照明部から照射される光が、一瞬だけ暗くなったように見えてしまう。ゆらぎパターンの照明モードへの切り替えによって色温度が急激に変化した場合には、色温度が一瞬だけ急に変化したように見えてしまい、利用者がチラツキと認識してしまう場合がある。
【0005】
こうした光束値や色温度のチラツキは、利用者の瞳孔を刺激し、利用者のリラックスを阻害してしまう可能性がある。このため、ゆらぎパターンの照明モードを有する照明装置では、ゆらぎパターンの照明モードへの切り替えの際の光のチラツキを抑制し、より自然にゆらぎパターンの照明モードに移行できるようにすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、ゆらぎパターンの照明モードへの切り替えの際の光のチラツキを抑制できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、照明光を照射する照明部と、前記照明部から照射される前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンのゆらぎ照明モードを実行するための制御信号を記憶した記憶部と、前記記憶部から前記制御信号を読み取り、前記制御信号に基づいて前記照明部からの前記照明光の照射を制御することにより、前記ゆらぎ照明モードを実行する制御部と、を備え、前記制御信号は、所定の時間分の前記照明光における光束値及び色温度の少なくとも一方を表現した信号であり、第1期間と、第2期間と、を有し、前記第2期間は、複数の周波数成分を含み、前記ゆらぎパターンを表現した期間であり、前記第1期間は、前記第2期間よりも短く、前記第2期間より前に実行される期間であり、前記第1期間に含まれる周波数成分は、前記第2期間に含まれる周波数成分よりも少なく、前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードの開始の際に、前記第1期間を実行し、前記第1期間の後に前記第2期間を実行し、前記制御信号は、前記第1期間の終了時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近くなるように、前記第1期間の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を設定することを特徴とする照明装置である。
【0009】
この照明装置によれば、ゆらぎパターンを表現する第2期間の前に、周波数成分の少ない第1期間を実行することにより、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキを抑制し、利用者の瞳孔の刺激を軽減することができる。また、第1期間の時間的長さを、ゆらぎパターンを表現した第2期間の時間的長さより短くすることで、制御信号を実行しても、利用者にゆらぎのない照明光を感じ難くすることができる。例えば、第1期間がリラックス効果の妨げとなってしまうことを抑制することができる。従って、ゆらぎパターンの照明モードへの切り替えの際の光のチラツキを抑制できる照明装置を提供することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記第2期間の前記ゆらぎパターンは、1/fゆらぎの特性に基づく1/fゆらぎパターンであることを特徴とする照明装置である。
【0011】
この照明装置によれば、1/fゆらぎパターンの光を鑑賞させることで、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第1期間の長さは、0.01秒以上3秒以下であることを特徴とする照明装置である。
【0013】
この照明装置によれば、第1期間の時間的長さを規定の範囲に設定することで、利用者にゆらぎのない照明光を感じ難くし、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0014】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記第1期間は、前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値で一定となるようにした期間であることを特徴とする照明装置である。
【0015】
この照明装置によれば、第1期間を照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を一定となるようにした期間とすることにより、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキをより適切に抑制することができる。
【0016】
第5の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記第1期間は、前記ゆらぎ照明モードの開始直前における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる期間であることを特徴とする照明装置である。
【0017】
この照明装置によれば、第1期間を照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる期間とすることにより、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキをより適切に抑制することができる。
【0018】
第6の発明は、第5の発明において、前記第1期間は、前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる前期間と、前記前期間の後に実行され、前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変化が前記前期間よりも小さい後期間と、を有することを特徴とする照明装置である。
【0019】
この照明装置によれば、前期間の後に実行され、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変化が前期間よりも小さい後期間を設けることにより、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキをより適切に抑制することができる。
【0020】
第7の発明は、第1~第6のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードを開始し、前記第1期間を実行し、前記第2期間を実行した後、前記第2期間を繰り返し実行することを特徴とする照明装置である。
【0021】
この照明装置によれば、ゆらぎ照明モードの開始時のみに第1期間を実行し、以降は第2期間を繰り返し実行することにより、利用者にゆらぎパターンの照明光をより適切に鑑賞させることができ、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0022】
第8の発明は、第1~第6のいずれか1つの発明において、前記制御信号は、第3期間をさらに有し、前記第3期間は、前記第2期間よりも短く、前記第2期間より後に実行される期間であり、前記第3期間に含まれる周波数成分は、前記第2期間に含まれる周波数成分よりも少なく、前記制御信号は、前記第3期間の開始時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、前記第2期間の終了時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に設定するとともに、前記第3期間の終了時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、前記第2期間の開始時の前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に設定し、前記制御部は、前記ゆらぎ照明モードを開始し、前記第1期間を実行し、前記第2期間を実行し、前記第3期間を実行した後、前記第2期間と前記第3期間とを繰り返し実行することを特徴とする照明装置である。
【0023】
この照明装置によれば、制御信号が、第3期間をさらに有し、ゆらぎ照明モードの開始時のみに第1期間を実行し、以降は第2期間と第3期間とを繰り返し実行することにより、利用者にゆらぎパターンの照明光をより適切に鑑賞させることができ、リラックス効果をより高めることができる。また、第3期間を設けることにより、例えば、第2期間を繰り返す際に、次の第2期間の開始のタイミングで照明光にチラツキが生じてしまうことを抑制し易くすることができる。例えば、第2期間の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値が、次の第2期間の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と異なる場合などでも、間に第3期間を設けることにより、次の第2期間の開始のタイミングで照明光にチラツキが生じてしまうことを抑制し易くすることができる。これにより、例えば、第2期間におけるゆらぎパターンの設計の自由度を高めることができる。
【0024】
第9の発明は、第1~第8のいずれか1つの発明において、前記制御信号は、前記第1期間の終了時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、前記第2期間の開始時における前記照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じにすることを特徴とする照明装置である。
【0025】
この照明装置によれば、第1期間と第2期間とを途切れることなく連続したものとすることができ、照明光の途切れや色飛びを抑制することができる。第1期間から第2期間に切り替わるタイミングでの照明光のチラツキをより適切に抑制することができ、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0026】
第10の発明は、第1~第9のいずれか1つの発明において、前記制御信号は、前記ゆらぎ照明モードにおいて前記照明部から照射される前記照明光の色温度を1800K以上2300K以下に設定することを特徴とする照明装置である。
【0027】
この照明装置によれば、ゆらぎパターンの光の色温度をリラックス効果のあるろうそくなどの炎の色に近付けることができ、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0028】
第11の発明は、第1~第10のいずれか1つの発明において、前記制御信号は、前記第2期間において前記照明部から照射される前記照明光の光束値の変動の範囲を基準値に対して0.5倍以上1.5倍以下の範囲に設定することを特徴とする照明装置である。
【0029】
この照明装置によれば、ゆらぎパターンの光の明るさの変動の範囲を、人が明るさの変化を認識可能な範囲とすることができ、ゆらぎパターンの光を認識し易くし、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の態様によれば、ゆらぎパターンの照明モードへの切り替えの際の光のチラツキを抑制できる照明装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】実施形態に係る浴室ユニット及び照明装置を模式的に表す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る浴室ユニット及び照明装置を模式的に表す正面図である。
【
図3】実施形態に係る照明装置の電気的構成を模式的に表すブロック図である。
【
図4】制御部の動作の一例を模式的に表す表である。
【
図5】制御信号の一例を模式的に表す説明図である。
【
図6】制御信号の一例を模式的に表す説明図である。
【
図7】制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
【
図8】制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
【
図9】制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
【
図10】制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
【
図11】制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴室ユニット及び照明装置を模式的に表す斜視図である。
図2は、実施形態に係る浴室ユニット及び照明装置を模式的に表す正面図である。
図1及び
図2に表したように、浴室ユニット2は、照明装置10を備える。照明装置10は、第1照明部21と、第2照明部22と、第3照明部23(照明部)と、第4照明部24と、制御部30と、を備える。
【0033】
第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24は、照明光を照射する。制御部30は、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれからの照明光の照射を制御する。
【0034】
浴室ユニット2は、例えば、第1カウンター11と、第2カウンター12と、浴槽40と、洗い場床42と、壁部44と、天井部46と、鏡48と、をさらに備える。
【0035】
洗い場床42は、浴槽40に隣接して設けられる。浴室ユニット2は、例えば、複数の壁部44を有する。各壁部44は、浴槽40及び洗い場床42を囲むように設けられる。天井部46は、各壁部44の上に設けられ、各壁部44で囲まれた空間の上部を塞ぐ。浴室ユニット2は、複数枚の天井部46を有してもよい。浴室ユニット2は、1枚の天井部46で各壁部44の上部を塞いでもよいし、複数枚の天井部46で各壁部44の上部を塞いでもよい。壁部44は、換言すれば、壁パネルである。天井部46は、換言すれば、天井パネルである。
【0036】
浴室ユニット2は、例えば、浴槽40、洗い場床42、周囲の各壁部44、及び天井部46などをユニット化した、いわゆるユニットバスやシステムバスなどである。浴室ユニット2は、建築躯体の内部に設置され、建築躯体の内部に浴室BRを形成する。洗い場床42は、浴室BRの床面42aを形成する。各壁部44は、浴室BRの浴室壁44aを形成する。
【0037】
照明装置10は、浴室ユニット2に設けられ、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される照明光により、浴室BR内の照明を行う。換言すれば、照明装置10は、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される照明光により、浴室BR内を明るくする。
【0038】
浴室ユニット2は、例えば、浴室BR内に出入りするためのドア部材などをさらに備えてもよい。また、浴室ユニット2において、第1カウンター11、第2カウンター12、浴槽40、洗い場床42、各壁部44、天井部46、及び鏡48などは、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0039】
洗い場床42は、床面42aに流れた湯水を外部に排出するための排水口部42bを有する。排水口部42bは、例えば、浴槽40と隣接して設けられる。排水口部42bは、例えば、浴室BRの中心付近に設けられる。
【0040】
第1カウンター11及び第2カウンター12は、壁部44の浴室壁44aに取り付けて使用される。第1カウンター11及び第2カウンター12は、例えば、洗い場床42の床面42aと連続する浴室壁44aに取り付けられる。
【0041】
この例において、第1カウンター11及び第2カウンター12は、浴槽40と洗い場床42とが並ぶ方向に延びる浴室壁44aに取り付けられている。第2カウンター12は、洗い場床42の上方に位置するように浴室壁44aに取り付けられている。第1カウンター11は、浴槽40及び洗い場床42の上方に位置にするように浴室壁44aに取り付けられている。換言すれば、第1カウンター11は、浴槽40及び洗い場床42に跨るように浴室壁44aに取り付けられている。
【0042】
第1カウンター11は、必ずしも浴槽40側まで延びていなくてもよい。第1カウンター11は、少なくも洗い場床42の上方に配置されていればよい。第1カウンター11及び第2カウンター12を取り付ける浴室壁44aは、上記に限ることなく、浴室BRの任意の浴室壁44aでよい。
【0043】
第1照明部21は、天井部46に設けられている。第1照明部21は、例えば、天井部46から下方に向かって照明光を照射することにより、浴室BR内を照明する。第1照明部21は、いわゆるダウンライトである。浴室ユニット2は、例えば、複数の第1照明部21を有する。この例において、浴室ユニット2は、矩形状の天井部46の四隅付近に配置された4つの第1照明部21を有する。第1照明部21の数は、複数に限ることなく、1つでもよい。また、第1照明部21は、ダウンライトに限ることなく、例えば、壁部44に取り付けて使用される照明器具などでもよい。第1照明部21は、浴室BR内を明るくすることができる任意の照明器具でよい。
【0044】
第1カウンター11は、第1照明部21よりも下方に配置される。第1カウンター11は、カウンター本体60と、吐水部61と、を有する。カウンター本体60は、シャンプーボトルなどの物品を上部に載置できるように棚形状に形成された上面60aを有する。吐水部61は、カウンター本体60の下部に設けられ、湯水を吐水する吐水口61aを有する。吐水部61は、換言すれば、スパウトである。このように、第1カウンター11は、物品を載置可能なカウンターとして機能するとともに、湯水を吐出する水栓としても機能する。第1カウンター11は、換言すれば、水栓カウンターである。但し、第1カウンター11は、必ずしも水栓の機能を有していなくてもよい。
【0045】
第2照明部22は、第1カウンター11の下方に向かって照明光を照射する。第2カウンター12は、第1カウンター11及び第2照明部22の下方に配置される。第2照明部22は、例えば、第2カウンター12の上面80aに向かって照明光を照射する。これにより、第1カウンター11の下方の空間を明るくすることができる。例えば、第1カウンター11から吐水された吐水流や第2カウンター12の上面80aなどを明るくすることができる。
【0046】
第2カウンター12は、例えば、第1カウンター11の下方において、浴槽40と壁部44との間に設けられる。第2カウンター12は、例えば、洗い場床42に置かれた風呂椅子などに腰掛けた状態の使用者に対し、載置した洗面器などが使用し易い高さに設けられる。
【0047】
第2カウンター12は、棚部80と、支持部81と、を有する。棚部80は、洗面器などの物品を載置可能な上面80aを有する。支持部81は、棚部80と浴室壁44aとを接続し、棚部80を浴室壁44aに支持する。
【0048】
このように、第2カウンター12は、第1カウンター11の下方に洗面器を載置可能とすることにより、第1カウンター11から吐水された湯水を洗面器で受けられるようにする。第2カウンター12は、換言すれば、洗面カウンターである。第2カウンター12の構成は、棚部80及び支持部81を有する構成に限ることなく、少なくとも洗面器を載置可能な任意の構成でよい。
【0049】
鏡48は、例えば、第1カウンター11よりも上方に設けられ、洗い場床42に置かれた風呂椅子などに腰掛けた状態の使用者が、自身の顔などを確認できるようにする。
【0050】
第3照明部23は、第2カウンター12の下方に向かって照明光を照射する。より詳しくは、第3照明部23は、第2カウンター12の下方の床面42aに向かって照明光を照射する。第3照明部23は、第2カウンター12の下方の洗い場床42に向かって直接光を照射する。これにより、第2カウンター12の下方の空間及び床面42aなどを明るくすることができる。
【0051】
図2に表したように、第1照明部21及び第2照明部22は、浴槽40の上面40aよりも上方に位置する。一方、第3照明部23は、浴槽40の上面40aよりも下方に位置する。第3照明部23からの直接光は、浴槽40の上面40aよりも下方に照射される。換言すれば、第3照明部23は、浴槽40の上面40aよりも下方に位置し、浴槽40の上面40aよりも下方に直接光を照射する。
【0052】
浴槽40は、例えば、浴槽40内に湯水を吐出する吐水装置(図示は省略)を有する。吐水装置は、例えば、吐水口から背もたれ面に背中を当接させた入浴者の首や肩に向けて湯水を吐出する。これにより、例えば、入浴者の首や肩をより温めたり、入浴者の首や肩にマッサージ効果を付与したりすることができ、入浴時のリラクゼーション効果をより高めることができる。
【0053】
第4照明部24は、浴槽40に設けられる。第4照明部24は、例えば、浴槽40の上縁部に設けられる。第4照明部24は、例えば、浴槽40や吐水装置から浴槽40内に吐出される湯水などを照らす。これにより、浴槽40の外観を向上させることができる。また、例えば、浴槽40の背もたれ面に背中を当接させた入浴者の後方側から照明光を照射することで、入浴者の目に直接光が入射することを抑制しつつ入浴者の周囲を明るくすることができ、入浴者のリラックス効果をより高めることができる。
【0054】
図3は、実施形態に係る照明装置の電気的構成を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、照明装置10において、制御部30は、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、第4照明部24のそれぞれと電気的に接続されている。
【0055】
制御部30は、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれの点灯及び消灯を制御するとともに、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方を制御する。
【0056】
第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24は、例えば、色温度の異なる複数の発光素子を有する。制御部30は、例えば、各発光素子に流れる電流の大きさを制御することにより、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方を制御する。
【0057】
制御部30は、例えば、天井部46の上に設けられる(
図1、
図2参照)。換言すれば、制御部30は、天井部46と建築躯体との間の空間に設けられる。制御部30の位置は、上記に限ることなく、各照明部の点灯及び消灯を制御可能な任意の位置でよい。
【0058】
図4は、制御部の動作の一例を模式的に表す表である。
図4に表したように、制御部30は、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれの点灯状態を変化させた複数の照明モードを有する。制御部30は、例えば、明モードと、中モードと、暗モードと、瞑想モードと、超瞑想モードと、ゆらぎ照明モードと、消灯モードと、を有する。
【0059】
明モードは、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれを点灯させる照明モードである。
【0060】
制御部30は、明モードにおいて、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を4700K程度(例えば4500K以上5000K以下)に設定する。換言すれば、制御部30は、明モードにおいて、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を昼白色に設定する。
【0061】
図4では、1つの照明モード内において、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値の最も大きいものを「1」、次に大きいものを「2」、次に大きいものを「3」、最も小さいものを「4」、消灯させるものを「消灯」として表している。
【0062】
制御部30は、明モードにおいては、第1照明部21から照射される光の光束値を第2照明部22から照射される光の光束値よりも大きくし、第2照明部22から照射される光の光束値を第3照明部23から照射される光の光束値よりも大きくし、第3照明部23から照射される光の光束値を第4照明部24から照射される光の光束値よりも大きくする。
【0063】
このように、明モードでは、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を4700K程度に設定するとともに、設置高さの高い第1照明部21から照射される光の光束値を最も大きくする。これにより、明モードでは、例えば、日中の太陽高度と明るさを模擬し、入浴者のリフレッシュ効果を高めることができる。
【0064】
中モードは、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれを点灯させ、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を、明モードにおいて第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度よりも低くした照明モードである。
【0065】
制御部30は、中モードにおいて、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を3500K程度(例えば3000K以上4000K以下)に設定する。換言すれば、制御部30は、中モードにおいて、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を温白色に設定する。
【0066】
制御部30は、中モードにおいては、第1照明部21から照射される光の光束値を第2照明部22から照射される光の光束値よりも大きくし、第2照明部22から照射される光の光束値を第3照明部23から照射される光の光束値よりも大きくし、第3照明部23から照射される光の光束値を第4照明部24から照射される光の光束値よりも大きくする。
【0067】
また、制御部30は、中モードにおいては、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、明モードにおいて第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも小さくする。制御部30は、中モードにおいては、例えば、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、明モードにおいて第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも50%以上小さくする。
【0068】
このように、中モードでは、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を3500K程度に設定するとともに、各照明部21~24から照射される光の光束値を明モードよりも小さくする。これにより、中モードでは、例えば、夕日の太陽高度と明るさを模擬し、入浴者のリラックス効果を高めることができる。
【0069】
暗モードは、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれを点灯させ、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を、中モードにおいて第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度よりも低くした照明モードである。
【0070】
制御部30は、暗モードにおいて、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を2700K程度(例えば2500K以上3000K以下)に設定する。換言すれば、制御部30は、暗モードにおいて、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を電球色に設定する。
【0071】
制御部30は、暗モードにおいては、第1照明部21から照射される光の光束値を第2照明部22から照射される光の光束値よりも大きくし、第2照明部22から照射される光の光束値を第3照明部23から照射される光の光束値よりも大きくし、第3照明部23から照射される光の光束値を第4照明部24から照射される光の光束値よりも大きくする。
【0072】
また、制御部30は、暗モードにおいては、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、中モードにおいて第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも小さくする。制御部30は、暗モードにおいては、例えば、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、中モードにおいて第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも50%以上小さくする。
【0073】
このように、暗モードでは、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を2700K程度に設定するとともに、各照明部21~24から照射される光の光束値を中モードよりも小さくする。これにより、暗モードでは、例えば、夕暮れの太陽高度と明るさを模擬し、入浴者のリラックス効果をより高めることができる。
【0074】
瞑想モードは、第1照明部21を消灯させ、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれを点灯させる照明モードである。
【0075】
制御部30は、瞑想モードにおいて、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を2400K程度(例えば2200K以上2500K以下)に設定する。換言すれば、制御部30は、瞑想モードにおいて、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を朝日や夕日の色に近い色に設定する。
【0076】
制御部30は、瞑想モードにおいては、第2照明部22から照射される光の光束値を第3照明部23から照射される光の光束値よりも大きくし、第3照明部23から照射される光の光束値を第4照明部24から照射される光の光束値よりも大きくする。
【0077】
また、制御部30は、瞑想モードにおいては、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、暗モードにおいて第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも小さくする。制御部30は、瞑想モードにおいては、例えば、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、暗モードにおいて第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも50%以上小さくする。
【0078】
制御部30は、明モードにおいて第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を、瞑想モードにおいて第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度よりも高くする。
【0079】
このように、瞑想モードでは、第1照明部21を消灯させ、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を2400K程度に設定するとともに、各照明部22~24から照射される光の光束値を暗モードよりも小さくする。これにより、瞑想モードでは、例えば、日没の太陽高度と明るさを模擬し、入浴者のリラックス効果をより高めることができる。
【0080】
超瞑想モードは、第1照明部21を消灯させ、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24を点灯させ、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を、瞑想モードにおいて第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度よりも低くした照明モードである。
【0081】
制御部30は、超瞑想モードにおいて、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を2000K程度(例えば1800K以上2300K以下)に設定する。換言すれば、制御部30は、超瞑想モードにおいて、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度をろうそくなどの炎の色に近い色に設定する。
【0082】
制御部30は、超瞑想モードにおいては、第2照明部22から照射される光の光束値を第3照明部23から照射される光の光束値よりも大きくし、第3照明部23から照射される光の光束値を第4照明部24から照射される光の光束値よりも大きくする。
【0083】
また、制御部30は、超瞑想モードにおいては、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、瞑想モードにおいて第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも小さくする。制御部30は、超瞑想モードにおいては、例えば、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を、瞑想モードにおいて第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値よりも50%以上小さくする。
【0084】
このように、超瞑想モードでは、第1照明部21を消灯させ、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の色温度を2000K程度に設定するとともに、各照明部22~24から照射される光の光束値を瞑想モードよりも小さくする。これにより、超瞑想モードでは、例えば、日の入りや日の出の太陽高度と明るさを模擬し、入浴者のリラックス効果をより高めることができる。
【0085】
ゆらぎ照明モードは、第3照明部23を点灯させ、第1照明部21、第2照明部22、及び第4照明部24を消灯させるとともに、第3照明部23から照射される照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンの照明モードである。
【0086】
なお、ゆらぎ照明モードにおいては、第1照明部21、第2照明部22、及び第4照明部24を必ずしも消灯させなくてもよい。ゆらぎ照明モードは、第3照明部23を点灯させ、第1照明部21、第2照明部22、及び第4照明部24のそれぞれから照射される光の光束値を第3照明部23から照射される光の光束値よりも小さくするとともに、第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンの照明モードとしてもよい。
【0087】
照明装置10は、必ずしも第1照明部21、第2照明部22、及び第4照明部24を有しなくてもよい。照明装置10は、ゆらぎ照明モードを実行するための第3照明部23を少なくとも有していればよい。第1照明部21、第2照明部22、及び第4照明部24は、例えば、照明装置10とは別に浴室ユニット2に設けられた照明器具としてもよい。
【0088】
消灯モードは、第1照明部21、第2照明部22、第3照明部23、及び第4照明部24のそれぞれを消灯させた照明モードである。
【0089】
図3に表したように、照明装置10は、例えば、スイッチ32と、照明スイッチ34と、記憶部36と、をさらに備える。スイッチ32は、制御部30と電気的に接続されている。スイッチ32は、例えば、浴室BRの外側の壁面(例えば脱衣室の壁面)、又は浴室BR内の浴室壁44aに取り付けられる。スイッチ32は、各照明部21~24の点灯及び消灯の切り替えを制御部30に指示する。制御部30は、スイッチ32からの点灯の指示応じて各照明部21~24のそれぞれを点灯させる。制御部30は、例えば、スイッチ32からの点灯の指示応じて、明モードで各照明部21~24のそれぞれを点灯させる。また、制御部30は、スイッチ32からの消灯の指示応じて各照明部21~24のそれぞれを消灯させる。
【0090】
照明スイッチ34は、制御部30と電気的に接続されている。照明スイッチ34は、例えば、浴室BR内の浴室壁44a又は浴槽40の内壁に取り付けられる。照明スイッチ34は、複数の照明モードを切り替えるためのスイッチである。
【0091】
制御部30は、照明スイッチ34の操作に応じて、光束値及び色温度の少なくとも一方の高い側から順に、又は光束値及び色温度の少なくとも一方の低い側から順に、複数の照明モードを順次切り替える。
【0092】
照明スイッチ34は、暗い方向への切り替えを指示するための第1操作部と、明るい方向への切り替えを指示するための第2操作部と、調光制御の停止を指示するための第3操作部と、を有する。
【0093】
制御部30は、例えば、照明スイッチ34の第1操作部の操作に応じて、明モード、中モード、暗モード、瞑想モード、超瞑想モード、ゆらぎ照明モード、消灯モードの順に、複数の照明モードを順次切り替える。
【0094】
制御部30は、例えば、照明スイッチ34の第2操作部の操作に応じて、上記と反対に、消灯モード、ゆらぎ照明モード、超瞑想モード、瞑想モード、暗モード、中モード、明モードの順に、複数の照明モードを順次切り替える。
【0095】
制御部30は、例えば、照明スイッチ34の第3操作部が操作された場合には、複数の照明モードのどの照明モードに設定されていたとしても、現在の照明モードから明モードに切り替える。これにより、例えば、ゆらぎ照明モードなどに設定した状態から浴室BRからの退室などで部屋を明るくしたい場合に、第2操作部を何度も操作しなければならないという手間を抑制することができる。
【0096】
記憶部36は、第3照明部23(照明部)から照射される照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけたゆらぎパターンのゆらぎ照明モードを実行するための制御信号38を記憶している。制御部30は、記憶部36から制御信号38を読み取り、制御信号38に基づいて第3照明部23からの照明光の照射を制御することにより、ゆらぎ照明モードを実行する。
【0097】
図5は、制御信号の一例を模式的に表す説明図である。
図5は、照明スイッチ34から制御部30に入力される信号の一例、第2照明部22に対して設定された制御信号の一例、及び第3照明部23に対して設定された制御信号(制御信号38)の一例を模式的に表している。記憶部36には、例えば、各照明部21~24毎、及び各照明モード毎に設定された複数の制御信号が記憶されている。制御部30は、例えば、照明スイッチ34の操作に応じて記憶部36を参照し、設定された照明モードに対応する各照明部21~24の制御信号を記憶部36から読み出し、読み出した制御信号に基づいて各照明部21~24からの照明光の照射を制御する。これにより、設定された照明モードに応じて、各照明部21~24のそれぞれの点灯及び消灯を制御するとともに、各照明部21~24のそれぞれから照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方を制御することができる。
【0098】
図5は、照明スイッチ34の操作に応じて照明モードを消灯モードからゆらぎ照明モードに切り替える場合の各制御信号の一例を模式的に表している。
図5に表したように、ゆらぎ照明モードを実行するための制御信号38は、所定の時間分の照明光における光束値及び色温度の少なくとも一方を表現した信号である。
【0099】
制御信号38は、第1期間P1と、第2期間P2と、を有する。第2期間P2は、複数の周波数成分を含み、ゆらぎパターンを表現した期間である。第2期間P2は、換言すれば、互いに周波数が異なる複数の波を合成した合成波によって、ゆらぎパターンを表現した期間である。
【0100】
第1期間P1は、第2期間P2よりも短く、第2期間P2より前に実行される期間である。第1期間P1に含まれる周波数成分は、第2期間P2に含まれる周波数成分よりも少ない。第1期間P1の長さは、例えば、0.01秒以上3秒以下である。
【0101】
制御部30は、ゆらぎ照明モードの開始の際に、第1期間P1を実行し、第1期間P1の後に第2期間P2を実行する。制御信号38は、第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近くなるように、第1期間P1の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を設定する。
図5に表した例では、制御信号38は、第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、消灯モードにおける照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近くなるように、第1期間P1の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を設定する。
【0102】
第1期間P1は、例えば、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる期間である。
図5に表した例では、第1期間P1は、消灯モードにおける照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる。消灯モードにおける照明光の光束値とは、例えば、0lm(ルーメン)である。消灯モードにおける照明光の色温度とは、例えば、0K(ケルビン)である。
【0103】
制御信号38は、例えば、第1期間P1の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、消灯モードの終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じにする。また、制御信号38は、例えば、第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じにする。
【0104】
制御信号38は、第1期間P1においては、例えば、消灯モードの終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値に、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる。これにより、消灯モードからゆらぎ照明モードに切り替える際の第3照明部23の照明光のチラツキを抑制することができる。
【0105】
制御信号38は、例えば、第1期間P1において、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を線形に変化させる。換言すれば、制御信号38は、第1期間P1において、消灯モードの終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値に、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を直線状に変化させる。ここで、「線形に変化」または「直線状に変化」とは、第1期間P1全体で見た場合の時間的変化であり、微小時間で見た場合に、段階的(ステップ状)に時間的変化する形態を含むことは言うまでもない。
【0106】
第1期間P1は、例えば、実質的に周波数成分を含まない。但し、第1期間P1における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変化は、線形状の変化に限定されるものではない。制御信号38は、例えば、第1期間P1において、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を段階的(ステップ状)に変化させてもよい。制御信号38は、例えば、第1期間P1において、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を曲線状に変化させてもよい。制御信号38は、例えば、第1期間P1において、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を波状に変化させてもよい。第1期間P1は、例えば、第2期間P2に含まれる周波数成分よりも少ない周波数成分を含んでもよい。具体的には、1つの周波数成分で構成するようにしても良く、その際の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変動の範囲は、第2期間P2の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変動の範囲より小さいことが好ましく、1つの周波数成分の周期は、第1期間P1と同じか、第1期間P1より長いことが好ましい。また、第1期間P1は、例えば、計測誤差などに基づく変動の成分を含んでもよい。
【0107】
また、第1期間P1の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値は、必ずしも消灯モードの終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じでなくてもよい。第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値は、必ずしも第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じでなくてもよい。
【0108】
第1期間P1における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変化は、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる任意の変化でよい。
【0109】
図6は、制御信号の一例を模式的に表す説明図である。
図6は、照明スイッチ34の操作に応じて照明モードを超瞑想モードからゆらぎ照明モードに切り替える場合の各制御信号の一例を模式的に表している。
【0110】
図6に表した例では、第1期間P1は、超瞑想モードにおける照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる。
【0111】
制御信号38は、例えば、第1期間P1の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、超瞑想モードの終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じにする。また、制御信号38は、例えば、第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じにする。
【0112】
制御信号38は、第1期間P1においては、例えば、超瞑想モードの終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値に、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる。これにより、超瞑想モードからゆらぎ照明モードに切り替える際にも、第3照明部23の照明光のチラツキを抑制することができる。
【0113】
このように、第1期間P1において照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を変化させる場合には、第1期間P1の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値が、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度に応じて変化する可能性がある。
【0114】
この場合には、例えば、超瞑想モード用の制御信号38と、消灯モード用の制御信号38と、を予め記憶部36に記憶させておけばよい。または、例えば、超瞑想モード用の第1期間P1と、消灯モード用の第1期間P1と、を予め記憶部36に記憶させてもよい。
【0115】
なお、ゆらぎ照明モードの前に実行される照明モードは、超瞑想モードに限ることなく、任意の照明モードでよい。このように、制御部30は、消灯モードからゆらぎ照明モードへの切り替えの際、又は別の照明モードからゆらぎ照明モードへの切り替えの際に、第1期間P1を実行する。別の照明モードは、例えば、第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変動をゆらぎ照明モードの第2期間P2における変動よりも小さくするか、もしくは変動を停止した照明モードである。別の照明モードは、例えば、第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度を実質的に一定にした照明モードである。制御信号38は、例えば、第1期間P1においては、別の照明モードの終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる。
【0116】
なお、ゆらぎ照明モードの前に実行される照明モードの第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、第2期間P2開始時における第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方と異なる場合を説明したが、ゆらぎ照明モードの前に実行される照明モードの第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方が、第2期間P2開始時における第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方と同じである場合は、第1期間P1における第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方は一定であってもよい。
【0117】
また、ゆらぎ照明モードの開始直前の状態は、照明スイッチ34の操作に基づく消灯モードに限ることなく、例えば、スイッチ32の操作に基づく消灯状態などでもよい。制御部30は、例えば、各照明部21~24を消灯させた消灯状態からゆらぎ照明モードを開始する際に、第1期間P1を実行してもよい。
【0118】
制御信号38は、ゆらぎ照明モードにおいて、第3照明部23から照射される光の色温度を1800K以上2300K以下に設定する。換言すれば、制御信号38は、ゆらぎ照明モードにおいて、第3照明部23から照射される光の色温度を1800K以上2300K以下の範囲で変動させる。これにより、ゆらぎ照明モードでは、例えば、ろうそくなどの炎のゆらぎを模擬することができる。
【0119】
制御信号38は、ゆらぎ照明モードにおいて第3照明部23から照射される光の光束値の変動の範囲を基準値に対して0.5倍以上1.5倍以下の範囲に設定する。基準値は、例えば、超瞑想モードにおいて第3照明部23から照射される光の光束値と実質的に同じである。
【0120】
制御信号38は、例えば、第1期間P1の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の0.5倍以上1.5倍以下の範囲に設定する。制御信号38は、例えば、第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値の0.5倍以上1.5倍以下の範囲に設定する。これにより、第1期間P1の開始時及び第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の急激な変化を抑制し、第1期間P1の開始時及び第1期間P1の終了時における照明光のチラツキを抑制することができる。
【0121】
ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値に近い値とは、例えば、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値の0.5倍以上1.5倍以下の範囲の光束値の値である。ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の色温度に近い値とは、例えば、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の色温度の0.5倍以上1.5倍以下の範囲の色温度の値である。
【0122】
第2期間P2の開始時における照明光の光束値に近い値とは、例えば、第2期間P2の開始時における照明光の光束値の0.5倍以上1.5倍以下の範囲の光束値の値である。第2期間P2の開始時における照明光の色温度に近い値とは、例えば、第2期間P2の開始時における照明光の色温度の0.5倍以上1.5倍以下の範囲の色温度の値である。
【0123】
また、ゆらぎ照明モードの第2期間P2のゆらぎパターンは、例えば、1/fゆらぎの特性に基づく1/fゆらぎパターンである。制御信号38は、例えば、第2期間P2のゆらぎパターンを、1/fゆらぎの特性に基づく1/fゆらぎパターンに設定する。1/fゆらぎパターンとは、例えば、第3照明部23から照射される光の光量が時間的に不規則に変化し、かつ高い周波数成分ほどエネルギーが小さい(1/f傾きを持つ)ゆらぎである。
【0124】
図7は、制御部の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図7に表したように、制御信号38及び制御部30は、例えば、第3照明部23から照射される光の周波数成分fを横軸、第3照明部23から照射される光の照度(エネルギー)Pを縦軸とするエネルギー分布(スペクトル密度)の回帰直線の傾きがP=1/fの関係を満たすようにする。制御信号38及び制御部30は、例えば、エネルギー分布の回帰直線の傾きを-1±0.5に設定する。これにより、第2期間P2のゆらぎパターンを、1/fゆらぎの特性に基づく1/fゆらぎパターンに設定することができる。換言すれば、1/fゆらぎパターンとは、エネルギー分布の回帰直線の傾きが、-1±0.5の範囲に設定されている状態である。
【0125】
制御信号38の第2期間P2は、例えば、乱数によってランダムな波形を生成した後、高周波成分ほどエネルギー(照度)を減衰させるように波形処理を行うことにより、上記の1/fゆらぎの特性を有する波形に生成される。制御部30は、上記のように生成された制御信号38の波形に基づいて第3照明部23からの光の照射を制御する。これにより、制御部30は、第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の少なくとも一方に強弱をつけた1/fゆらぎパターンの照明モードを実現する。
【0126】
制御部30は、例えば、第3照明部23の複数の発光素子のそれぞれに対して、制御信号38を基に、1/fゆらぎの特性を有する波形に応じた大きさの電流を供給する。これにより、第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度のそれぞれを1/fゆらぎのパターンで変動させることができる。
【0127】
例えば、第3照明部23の複数の発光素子のそれぞれに対応した複数の制御信号38を予め記憶部36に記憶させ、複数の制御信号38を基に、色温度の異なる発光素子毎に異なる波形の電流を供給できるようにしてもよい。これにより、例えば、第3照明部23から照射される光の光束値及び色温度の変動の制御性をより高めることができる。
【0128】
なお、制御部30に設定される複数の照明モードは、必ずしも上記に限定されるものではない。複数の照明モードは、各照明部21~24のそれぞれの点灯状態を変化させたより多くの照明モードを有してもよい。複数の照明モードは、少なくともゆらぎ照明モードを有していればよい。
【0129】
以上、説明したように、本実施形態に係る浴室ユニット2及び照明装置10では、ゆらぎパターンを表現する第2期間P2の前に、周波数成分の少ない第1期間P1を実行することにより、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキを抑制し、利用者(入浴者)の瞳孔の刺激を軽減することができる。また、第1期間P1の時間的長さを、ゆらぎパターンを表現した第2期間P2の時間的長さより短くすることで、制御信号38を実行しても、利用者にゆらぎのない照明光を感じ難くすることができる。例えば、第1期間P1がリラックス効果の妨げとなってしまうことを抑制することができる。従って、ゆらぎパターンの照明モードへの切り替えの際の光のチラツキを抑制できる照明装置10を提供することができる。
【0130】
浴室ユニット2及び照明装置10では、第2期間P2のゆらぎパターンが、1/fゆらぎの特性に基づく1/fゆらぎパターンである。このように、1/fゆらぎパターンの光を鑑賞させることで、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0131】
浴室ユニット2及び照明装置10では、第1期間P1の長さが、0.01秒以上3秒以下である。このように、第1期間P1の時間的長さを規定の範囲に設定することで、利用者にゆらぎのない照明光を感じ難くし、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0132】
浴室ユニット2及び照明装置10では、第1期間P1が、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる期間である。このように、第1期間P1を照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる期間とすることにより、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキをより適切に抑制することができる。
【0133】
浴室ユニット2及び照明装置10では、制御信号38が、第1期間P1の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と同じにする。これにより、第1期間P1と第2期間P2とを途切れることなく連続したものとすることができ、照明光の途切れや色飛びを抑制することができる。第1期間P1から第2期間P2に切り替わるタイミングでの照明光のチラツキをより適切に抑制することができ、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0134】
浴室ユニット2及び照明装置10では、制御信号38が、ゆらぎ照明モードにおいて照明部から照射される照明光の色温度を1800K以上2300K以下に設定する。これにより、ゆらぎパターンの光の色温度をリラックス効果のあるろうそくなどの炎の色に近付けることができ、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0135】
浴室ユニット2及び照明装置10では、制御信号38が、第2期間P2において第3照明部23から照射される照明光の光束値の変動の範囲を基準値に対して0.5倍以上1.5倍以下の範囲に設定する。これにより、ゆらぎパターンの光の明るさの変動の範囲を、人が明るさの変化を認識可能な範囲とすることができ、ゆらぎパターンの光を認識し易くし、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0136】
図8は、制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
図8は、照明スイッチ34の操作に応じて照明モードを超瞑想モードからゆらぎ照明モードに切り替える場合の制御信号38の変形例を模式的に表している。
【0137】
図8に表したように、この例では、制御信号38の第1期間P1が、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値で一定となるようにした期間である。
【0138】
第1期間P1は、例えば、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、超瞑想モードにおける照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方、及び消灯モードにおける照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値で一定となるようにした期間である。
【0139】
このように、第1期間P1における照明光の光束値及び色温度を一定となるようにした場合には、例えば、消灯モード(消灯状態)から切り替える場合、及び超瞑想モード(別の照明モード)から切り替える場合のそれぞれに対して、1つの制御信号38を共通に用いることができる。但し、第1期間P1における照明光の光束値及び色温度を一定となるようにした場合においても、消灯モード用の制御信号38と、超瞑想モード用の制御信号38と、を設けてもよい。
【0140】
制御信号38は、例えば、第1期間P1における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と同じ値で実質的に一定にする。より詳しくは、制御信号38は、第1期間P1における照明光の光束値を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値と同じ値で実質的に一定にするとともに、第1期間P1における照明光の色温度を、第2期間P2の開始時における照明光の色温度と同じ値で実質的に一定にする。
【0141】
但し、第1期間P1における照明光の光束値及び色温度の値は、上記に限ることなく、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い任意の値でよい。
【0142】
また、第1期間P1における照明光の光束値及び色温度の値は、例えば、計測誤差などにともなう変動の成分を含んでもよい。照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を一定となるようにした期間とは、例えば、第1期間P1における照明光の光束値が、第1期間P1における照明光の光束値の平均値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲内にあり、かつ第1期間P1における照明光の色温度が、第1期間P1における照明光の色温度の平均値の0.8倍以上1.2倍以下の範囲内にある状態である。
【0143】
このように、第1期間P1は、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方よりも、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値で一定となるようにした期間としてもよい。この場合にも、照明光の光束値や色温度が一瞬だけ急に変化してしまうことを第1期間P1によって抑制することができる。第1期間P1における照明光の光束値及び色温度を上記のように一定となるようにした場合には、例えば、ゆらぎ照明モードへの切り替えにともなって照明光の光束値や色温度が変化した後、第1期間P1において利用者の目を慣らすことができる。従って、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキをより適切に抑制することができる。
【0144】
図9は、制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
図9は、照明スイッチ34の操作に応じて照明モードを超瞑想モードからゆらぎ照明モードに切り替える場合の制御信号38の変形例を模式的に表している。
【0145】
図9に表したように、この例では、第1期間P1が、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる前期間P1aと、前期間P1aの後に実行され、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の変化が前期間P1aよりも小さい後期間P1bと、を有する。
【0146】
前期間P1aは、例えば、
図5及び
図6に関して説明した第1期間P1と同様の期間である。前期間P1aは、例えば、ゆらぎ照明モードの開始直前における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に近付くように、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させる期間である。
【0147】
後期間P1bは、例えば、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、前期間P1aの終了時の値で実質的に一定となるようにした期間である。但し、後期間P1bは、前期間P1aよりも小さい範囲で、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を変化させる期間としてもよい。
【0148】
このように、前期間P1aと後期間P1bとを設けることにより、例えば、ゆらぎ照明モードに切り替えた際の照明光の光束値や色温度のチラツキをより適切に抑制することができる。
【0149】
図10は、制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
図10は、照明スイッチ34の操作に応じて照明モードを超瞑想モードからゆらぎ照明モードに切り替える場合の制御信号38の変形例を模式的に表している。
【0150】
図10に表したように、この例では、制御部30が、ゆらぎ照明モードを開始し、第1期間P1を実行し、第2期間P2を実行した後、第2期間P2を繰り返し実行する。換言すれば、制御部30は、ゆらぎ照明モードを開始に応じて第1期間P1を一度実行した後は、第2期間P2のみを繰り返し実行する。
【0151】
このように、ゆらぎ照明モードの開始時のみに第1期間P1を実行し、以降は第2期間P2を繰り返し実行することにより、利用者にゆらぎパターンの照明光をより適切に鑑賞させることができ、利用者のリラックス効果をより高めることができる。
【0152】
第2期間P2を繰り返し実行する場合、制御信号38は、例えば、第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と同じ値とする。これにより、第2期間P2を繰り返し実行する場合にも、第2期間P2が終了し、次の第2期間P2を開始するタイミングで、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方が急激に変化してしまうことを抑制することができる。換言すれば、次の第2期間P2を開始するタイミングでの照明光のチラツキを抑制することができる。
【0153】
なお、第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方は、必ずしも第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と同じ値でなくてもよい。但し、次の第2期間P2を開始するタイミングでの照明光のチラツキを抑制するため、第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方は、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値になるべく近い値とすることが好ましい。第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方は、例えば、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値の0.5倍以上1.5倍以下とすることが好適である。
【0154】
図11は、制御信号の変形例を模式的に表す説明図である。
図11は、照明スイッチ34の操作に応じて照明モードを超瞑想モードからゆらぎ照明モードに切り替える場合の制御信号38の変形例を模式的に表している。
【0155】
図11に表したように、この例では、制御信号38が、第3期間P3をさらに有する。第3期間P3は、第2期間P2よりも短く、第2期間P2より後に実行される期間である。第3期間P3の時間的長さは、例えば、第1期間P1の時間的長さよりも短い。また、第3期間P3に含まれる周波数成分は、第2期間P2に含まれる周波数成分よりも少ない。
【0156】
制御信号38は、第3期間P3の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に設定するとともに、第3期間P3の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方に近い値に設定する。
【0157】
制御部30は、ゆらぎ照明モードを開始し、第1期間P1を実行し、第2期間P2を実行し、第3期間P3を実行した後、第2期間P2と第3期間P3とを繰り返し実行する。換言すれば、制御部30は、ゆらぎ照明モードを開始し、第1期間P1を一度実行した後は、第2期間P2と第3期間P3とを交互に繰り返し実行する。
【0158】
制御信号38は、例えば、第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と同じ値とする。また、制御信号38は、例えば、第3期間P3における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の開始時及び終了時の値で実質的に一定の値とする。これにより、第2期間P2と第3期間P3とを交互に繰り返す場合に、第3期間P3の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と実質的に同じ値に設定するとともに、第3期間P3の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を、第2期間P2の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と実質的に同じ値に設定することができる。
【0159】
但し、第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値は、必ずしも第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と同じ値でなくてもよい。第3期間P3の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値は、必ずしも第2期間P2の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と実質的に同じ値でなくてもよい。第3期間P3の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値は、必ずしも第2期間P2の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方と実質的に同じ値でなくてもよい。
【0160】
例えば、第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値が、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と異なる場合には、第3期間P3は、例えば、第2期間P2の終了時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値から、第2期間P2の開始時における照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値に近付くように、照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方を徐々に変化させてもよい。
【0161】
このように、制御信号38が、第3期間P3をさらに有し、ゆらぎ照明モードの開始時のみに第1期間P1を実行し、以降は第2期間P2と第3期間P3とを繰り返し実行することにより、利用者にゆらぎパターンの照明光をより適切に鑑賞させることができ、リラックス効果をより高めることができる。また、第3期間P3を設けることにより、例えば、第2期間P2を繰り返す際に、次の第2期間P2の開始のタイミングで照明光にチラツキが生じてしまうことを抑制し易くすることができる。例えば、第2期間P2の終了時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値が、次の第2期間P2の開始時の照明光の光束値及び色温度の少なくとも一方の値と異なる場合などでも、間に第3期間P3を設けることにより、次の第2期間P2の開始のタイミングで照明光にチラツキが生じてしまうことを抑制し易くすることができる。これにより、例えば、第2期間P2におけるゆらぎパターンの設計の自由度を高めることができる。
【0162】
上記各実施形態では、照明装置10を浴室ユニット2に適用した例を示している。照明装置10は、浴室ユニット2に限ることなく、他のいかなる装置に適用してもよい。また、照明装置10は、他の装置に組み込んで使用されるものに限ることなく、単独で室内などの照明に用いられるものなどでもよい。照明装置10の構成は、少なくとも1つの照明部と、記憶部と、制御部と、を備えた任意の構成でよい。
【0163】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴室ユニット2及び照明装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0164】
2 浴室ユニット、10 照明装置、11 第1カウンター、12 第2カウンター、21 第1照明部、22 第2照明部、23 第3照明部(照明部)、24 第4照明部、30 制御部、32 スイッチ、34 照明スイッチ、36 記憶部、38 制御信号、40 浴槽、42 洗い場床、44 壁部、46 天井部、48 鏡、60 カウンター本体、61 吐水部、80 棚部、81 支持部、P1 第1期間、P1a 前期間、P1b 後期間、P2 第2期間、P3 第3期間