(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】接点装置
(51)【国際特許分類】
H01H 50/64 20060101AFI20240112BHJP
H01H 50/54 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H01H50/64 E
H01H50/54 S
(21)【出願番号】P 2020018308
(22)【出願日】2020-02-05
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 亮太
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-54942(JP,A)
【文献】特開昭62-222530(JP,A)
【文献】米国特許第5554962(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 50/54
H01H 50/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定接点と、
所定方向において前記固定接点に対向する可動接点を含み、可動部材からの力を受けて、前記可動接点が前記固定接点から離れている第1状態と前記可動接点が前記固定接点に接触している第2状態との間で変形する接点ばねと、
を備え、
前記接点ばねは、
前記可動接点が固定される固定部と、前記可動部材からの力に応じて前記固定部に対する位置が変化する可動部と、を含
む第1ばねと、
前記第1ばねを介して前記可動部材からの力を受けて前記可動接点を前記固定接点に対して移動させる第2ばねと、
を備え、
前記固定部は、第1衝突部を含み、
前記可動部は、前記接点ばねが前記第1状態である場合に前記所定方向において前記固定部の第1衝突部と接触可能に重なる第2衝突部を含む、
接点装置。
【請求項2】
前記第1ばねは、前記所定方向において前記第2ばねよりも前記固定接点に近い位置にある、
請求項1の接点装置。
【請求項3】
前記第1ばねは、前記固定部が前記所定方向において前記第2ばねと重なった状態で前記第2ばねに固定される、
請求項1又は2の接点装置。
【請求項4】
前記固定部は、第1取付孔を含み、
前記第2ばねは、前記所定方向において前記第1取付孔と重なる第2取付孔を含み、
前記可動接点は、前記固定部の第1取付孔及び前記第2ばねの第2取付孔に前記可動接点を通すことで、前記可動接点及び前記固定部が前記第2ばねに固定される、
請求項3の接点装置。
【請求項5】
前記第1ばねは、前記第2ばねより厚い、
請求項1~4のいずれか一つの接点装置。
【請求項6】
固定接点と、
所定方向において前記固定接点に対向する可動接点を含み、可動部材からの力を受けて、前記可動接点が前記固定接点から離れている第1状態と前記可動接点が前記固定接点に接触している第2状態との間で変形する接点ばねと、
を備え、
前記接点ばねは、
前記可動接点が固定される固定部と、
前記可動部材からの力に応じて前記固定部に対する位置が変化する可動部と、
前記固定部と前記可動部とを連結する連結部と、
を含み、
前記固定部は、第1衝突部を含み、
前記可動部は、
前記接点ばねが前記第1状態である場合に前記所定方向において前記固定部の第1衝突部と接触可能に重なる第2衝突部を含み、
前記可動部材からの力に応じて前記連結部を支点にして弾性的に変形することで前記固定部に対する位置が変化する、
接点装置。
【請求項7】
前記可動部は、前記可動接点に対して前記連結部とは反対側で前記可動部材からの力を受ける、
請求項6の接点装置。
【請求項8】
前記固定部は、前記連結部に連結される第1湾曲部を含み、
前記可動部は、前記連結部に連結される第2湾曲部を含む、
請求項6又は7の接点装置。
【請求項9】
前記第2湾曲部は、前記第1湾曲部よりも曲率半径が小さい、
請求項8に記載の接点装置。
【請求項10】
前記可動部は、前記所定方向において前記固定部よりも前記固定接点に近い位置にある、
請求項1~9のいずれか一つの接点装置。
【請求項11】
前記可動接点は、前記固定接点と接触する部位が前記所定方向において前記可動部よりも前記固定接点に近い位置にある、
請求項1~10のいずれか一つの接点装置。
【請求項12】
前記固定部と前記可動部とは、同じ材料である、
請求項1~11のいずれか一つの接点装置。
【請求項13】
前記固定部と前記可動部とは、同じ厚さである、
請求項1~12のいずれか一つの接点装置。
【請求項14】
前記固定部と前記可動部とは連続一体である、
請求項1~13のいずれか一つの接点装置。
【請求項15】
前記第2衝突部は、前記第1状態では前記第1衝突部に接触する、
請求項1~14のいずれか一つの接点装置。
【請求項16】
前記第2衝突部は、前記接点ばねが前記第1状態から前記第2状態になる過程で、前記第1衝突部から離れる、
請求項15の接点装置。
【請求項17】
前記第2衝突部は、前記第2状態では前記第1衝突部から離れる、
請求項1~16のいずれか一つの接点装置。
【請求項18】
前記第1状態は、前記可動接点が前記固定接点から離れた初期位置にある状態であり、
前記第2衝突部は、前記接点ばねが前記第2状態から前記第1状態になる過程で、前記第1衝突部に接触する、
請求項17の接点装置。
【請求項19】
駆動装置を更に備え、
前記駆動装置は、コイルと、前記コイルが発生する磁力により移動するアーマチュアと、前記アーマチュアの移動に応じて移動する前記可動部材と、を含む、
請求項1~18のいずれか一つの接点装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、接点装置に関する。特に、本開示は、固定接点に対して可動接点が接触及び離間する接点装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、接点装置を開示する。特許文献1の接点装置は、アーマチュアと、アーマチュアを駆動する駆動部と、固定接点と、固定接点に接離する可動接点と、可動接点を固定接点と接離可能に支持する接点ばねと、アーマチュアと接点ばねとを連結するカードとを備える。カードは、ばね性を有する材料で形成され、かつアーマチュア並びに接点ばねにそれぞれ固定される。
【0003】
特許文献1では、接点ばねは、複数枚の板ばねと、複数枚の板ばねとカード(可動部材)とを連結する連結部材とを有している。連結部材は、可動部材からの力をそのまま複数枚のばねに伝達する。接点ばねは、複数枚の板ばね自体が変形することで、可動接点を固定接点に接離させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
課題は、可動接点が固定接点に溶着する可能性を低減できる接点装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の接点装置は、固定接点と、接点ばねとを備える。前記接点ばねは、所定方向において前記固定接点に対向する可動接点を含む。前記接点ばねは、可動部材からの力を受けて、前記可動接点が前記固定接点から離れている第1状態と前記可動接点が前記固定接点に接触している第2状態との間で変形する。前記接点ばねは、第1ばねと、第2ばねと、を備える。前記第1ばねは、前記可動接点が固定される固定部と、前記可動部材からの力に応じて前記固定部に対する位置が変化する可動部とを含む。前記第2ばねは、前記第1ばねを介して前記可動部材からの力を受けて前記可動接点を前記固定接点に対して移動させる。前記固定部は、第1衝突部を含む。前記可動部は、前記接点ばねが前記第1状態である場合に前記所定方向において前記固定部の第1衝突部と重なる第2衝突部を含む。
本開示の一態様の接点装置は、固定接点と、接点ばねとを備える。前記接点ばねは、所定方向において前記固定接点に対向する可動接点を含む。前記接点ばねは、可動部材からの力を受けて、前記可動接点が前記固定接点から離れている第1状態と前記可動接点が前記固定接点に接触している第2状態との間で変形する。前記接点ばねは、前記可動接点が固定される固定部と、前記可動部材からの力に応じて前記固定部に対する位置が変化する可動部と、前記固定部と前記可動部とを連結する連結部とを含む。前記固定部は、第1衝突部を含む。前記可動部は、前記接点ばねが前記第1状態である場合に前記所定方向において前記固定部の第1衝突部と重なる第2衝突部を含む。前記可動部は、前記可動部材からの力に応じて前記連結部を支点にして弾性的に変形することで前記固定部に対する位置が変化する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の態様は、可動接点が固定接点に溶着する可能性を低減できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の接点装置の斜視図である。
【
図3】
図3は、上記接点装置の回路ブロックの分解斜視図である。
【
図4】
図4は、上記回路ブロックの接点ばねの分解斜視図である。
【
図5】
図5は、上記接点ばねの第1ばねの製造過程の状態の斜視図である。
【
図7】
図7は、上記第1ばねの製造過程の別の状態の斜視図である。
【
図9】
図9は、上記第1ばねの製造過程の更に別の状態の斜視図である。
【
図13】
図13は、上記回路ブロックの平面図であり、ここでは上記回路ブロックはオフ状態である。
【
図14】
図14は、上記回路ブロックの平面図であり、ここでは上記回路ブロックはオン状態である。
【
図15】
図15は、上記接点装置のオフ状態からオン状態への遷移の説明図である。
【
図16】
図16は、上記接点装置のオン状態からオフ状態への遷移の説明図である。
【
図17】
図17は、変形例の接点装置のオン状態からオフ状態への遷移の説明図である。
【
図18】
図18は、別の変形例の接点装置のオフ状態からオン状態への遷移の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
1.実施形態
1.1 概要
図1は、一実施形態の接点装置10を開示する。接点装置10は、
図2に示すように、回路ブロック20を備える。回路ブロック20は、固定接点41と、接点ばね60とを備える。接点ばね60は、所定方向において固定接点41に対向する可動接点61を含む。接点ばね60は、可動部材73からの力を受けて、可動接点61が固定接点41から離れている第1状態と可動接点61が固定接点41に接触している第2状態との間で変形する。接点ばね60は、可動接点61が固定される固定部621と、可動部材73からの力に応じて固定部621に対する位置が変化する可動部622とを含む。固定部621は、第1衝突部6211を含む。可動部622は、接点ばね60が第1状態である場合に所定方向において固定部621の第1衝突部6211と接触可能に重なる第2衝突部6224を含む。
【0010】
接点装置10では、可動部622が、接点ばね60が第1状態である場合に所定方向において固定部621の第1衝突部6211と接触可能に重なる第2衝突部6224を含む。そのため、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程では、可動部622の位置の変化によって、可動部622の第2衝突部6224が固定部621の第1衝突部6211に接触(衝突)し得る。この接触(衝突)によって、固定接点41から離れる方向への可動接点61の移動が加速される。これによって、接点ばね60が第2状態から第1状態に移行する際に、より短い時間で可動接点61を固定接点41から所定位置まで離すことができて、可動接点61が固定接点41に溶着する可能性を低減できる。
【0011】
1.2 詳細
以下、
図1に示す本実施形態の接点装置10について更に詳細に説明する。接点装置10は、電磁石により可動接点を物理的に動かし、開閉する継電器であり、いわゆる、電磁継電器である。接点装置10は、
図2に示すように、回路ブロック20と、ケース30と、を備える。
【0012】
回路ブロック20は、
図3に示すように、第1端子40と、第2端子50と、接点ばね60と、駆動装置70と、ホルダ80と、消弧部材90と、を含む。
【0013】
第1端子40は、
図3に示すように、固定接点41と、端子板42と、を備える。固定接点41及び端子板42は導電性を有する。固定接点41及び端子板42はいずれも金属製である。端子板42は、保持片421と、端子片422と、連結片423とを有する。保持片421は、矩形の板状である。保持片421の中央には、固定接点41が取り付けられる。本実施形態では、固定接点41は、かしめ固定によって、保持片421に取り付けられる。端子片422は、矩形の板状である。端子片422は、外部回路との接続のための端子として利用される。連結片423は、保持片421と端子片422とを連結する。本実施形態では、保持片421と端子片422とは厚さ方向が互いに直交している。保持片421、端子片422、及び連結片423は連続一体に形成されている。
【0014】
第2端子50は、導電性を有する。第2端子50は金属製である。第2端子50は、
図3に示すように、固定片501と、端子片502と、連結片503とを有する。固定片501は、矩形の板状である。固定片501の厚さ方向の一面には一対の突起504が設けられている。一対の突起504は、接点ばね60の第2端子50への固定に利用される。端子片502は、矩形の板状である。端子片502は、外部回路との接続のための端子として利用される。連結片503は、固定片501と端子片502とを連結する。本実施形態では、固定片501と端子片502とは厚さ方向が互いに直交している。固定片501、端子片502、及び連結片503は連続一体に形成されている。
【0015】
接点ばね60は、
図13及び
図14に示すように、所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において固定接点41に対向する可動接点61を有する。接点ばね60は、後述する可動部材73からの力を受けて、可動接点61が固定接点41から離れている第1状態(
図13参照)と可動接点61が固定接点41に接触している第2状態(
図14参照)との間で変形する。本実施形態では、第1状態は、可動接点61が固定接点41から離れた初期位置にある状態である。初期位置は、固定接点41から一定距離離れた位置である。本実施形態では、初期位置は、駆動装置70を駆動していないときの、可動接点61の位置である。接点ばね60が第1状態であれば、可動接点61が固定接点41から離れているから、接点装置10はオフ状態である。接点ばね60が第2状態であれば、可動接点61が固定接点41に接触しているから、接点装置10はオン状態である。接点ばね60は、
図4に示すように、可動接点61と、第1ばね62と、第2ばね63とを有する。
【0016】
第2ばね63は、可動接点61を保持する。第2ばね63は、第1ばね62を介して可動部材73からの力を受けて可動接点61を固定接点41に対して移動させる。第2ばね63は、導電性及び弾性を有する。第2ばね63は、長さ方向、幅方向、及び厚み方向を有する長尺の部材である。第2ばね63は、複数枚(本実施形態では3枚)の板ばね630の積層体である。各板ばね630は、弾性を有する金属材料で形成される。第2ばね63は、基部631と、保持部632と、腕部633とを有する。基部631は、第2ばね63において第2端子50に固定される部位である。基部631は、接点ばね60の第1状態と第2状態との間で変位しない。ここで、「変位しない」とは、厳密な意味で変位しない状態、またはほとんど変位しないという状態を含む。基部631は、一対の孔631aを有する。基部631の一対の孔631aには、第2端子50の固定片501の一対の突起504がそれぞれ挿入される。その後、一対の突起504の先端を平たくつぶすことで、第2ばね63の基部631が第2端子50の端子片502に固定される。例えば、第2ばね63が第2端子50にかしめ固定される。保持部632は、可動接点61を保持する部位である。保持部632には、可動接点61が第1ばね62とともに固定される。保持部632は、(第2)取付孔632aを有している。第2取付孔632aは、保持部632の中央にある。第2取付孔632aは、可動接点61の取り付けに利用される。腕部633は、基部631と保持部632とを一体に連結する。腕部633は、部分的に折れ曲がった形状である。第2ばね63では、腕部633が基部631及び保持部632よりもばねとして機能する。このように、第2ばね63は、第1端に基部631を有し、第2端に保持部632を有する。第2ばね63において基部631と保持部632との間の部位が、腕部633となる。第2ばね63は、長さ方向が所定方向に交差するように配置される。第1端及び第2端は、第2ばね63の長さ方向の両端である。
【0017】
第1ばね62は、
図4~
図12に示すように、固定部621と、可動部622と、連結部623とを有する。第1ばね62は、導電性及び弾性を有する。第1ばね62は、第2ばね63より厚い。本実施形態では、第2ばね63は複数枚(本実施形態では3枚)の板ばね630の積層体である。この場合に、第2ばね63の厚さは、複数枚の板ばね630の厚さの合計で定義され得る。
【0018】
固定部621は、第1ばね62において第2ばね63(保持部632)に固定される部位である。固定部621は、矩形の板状である。
図12に示すように、固定部621は、長さ方向の第1端(
図12の下端)に第1衝突部6211を有し、長さ方向の第2端(
図12の上端)に第1湾曲部6212を有する。第1衝突部6211は、固定部621において可動部622に接触可能な部位である。特に、第1衝突部6211は、後述する可動部622の第2衝突部6224に接触可能である。第1湾曲部6212は、固定部621において連結部623に連結される部位である。第1湾曲部6212は、湾曲した形状であって、第1曲率半径を有する。
【0019】
固定部621は、可動接点61を取り付けるための(第1)取付孔621aを有する。可動接点61は、固定部621の第1取付孔621a及び第2ばね63の第2取付孔632aに可動接点61を通すことで、可動接点61及び固定部621が第2ばね63に固定される。より詳細には、固定部621は、保持部632において固定接点41と対向する面に配置される。このとき、第2取付孔632aは、所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において第1取付孔621aと重なる。その後、固定部621の第1取付孔621a及び保持部632の第2取付孔632aに可動接点61を通し、可動接点61の固定接点41とは反対側の端部を平たくつぶすことで、可動接点61及び第1ばね62が第2ばね63に固定される。例えば、可動接点61及び第2ばね63が第2ばね63にかしめ固定される。したがって、固定部621(第1ばね62)は、所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において第2ばね63(本実施形態では、第2ばね63の保持部632)よりも固定接点41に近い位置にあり第2ばね63(保持部632)に固定される。
【0020】
可動部622は、可動部材73からの力に応じて固定部621に対する位置が変化する部位である。可動部622は、
図4及び
図11に示すように、一対の腕部6221,6221と、第1連結部6222と、一対の第2湾曲部6223,6223と、第2衝突部6224と、受圧部6225と、第2連結部6226とを有する。
【0021】
一対の腕部6221,6221は、固定部621の両側(第2ばね63の幅方向に対応する方向の両側)に位置する。一対の腕部6221,6221は同じ形状である。一対の腕部6221,6221は互いに平行である。
【0022】
第1連結部6222は、一対の腕部6221,6221の第1端(
図11の下端)同士を連結する。
【0023】
一対の第2湾曲部6223,6223は、可動部622において連結部623に連結される部位である。より詳細には、一対の第2湾曲部6223,6223は、一対の腕部6221,6221の第2端を連結部623に連結する。つまり、一対の第2湾曲部6223,6223は、それぞれ一対の腕部6221,6221の第2端から延びる。一対の腕部6221,6221は同じ形状である。一対の第2湾曲部6223,6223の各々は、湾曲した形状であって、第2曲率半径を有する。ここで、第2曲率半径は、第1曲率半径より小さい。つまり、第2湾曲部6223は、第1湾曲部6212よりも曲率半径が小さい(
図12参照)。
【0024】
一対の腕部6221,6221と、第1連結部6222と、一対の第2湾曲部6223,6223とは、第1ばね62において、固定部621の3辺を囲うU字状の部位を構成する。一対の腕部6221,6221と、第1連結部6222と、一対の第2湾曲部6223,6223とは、固定部621を露出させる開口6203を形成する。可動接点61は固定部621に取り付けられることから、開口6203からは可動接点61も露出することになる。ここで、可動部622の厚さは、可動接点61において固定接点41と接触する部位が所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において可動部622よりも固定接点41に近い位置にあるように設定される。つまり、可動接点61は、固定接点41と接触する部位が所定方向において可動部622よりも固定接点41に近い位置にある。
【0025】
第2衝突部6224は、接点ばね60が第1状態である場合に所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において固定部621の第1衝突部6211と接触可能に重なる部位である。つまり、第1衝突部6211と第2衝突部6224とは接触可能に重なり合う。第2衝突部6224は、第1連結部6222の固定部621側から延びる。つまり、第2衝突部6224は、第1連結部6222から開口6203に突出する。これによって、第2衝突部6224は、接点ばね60が第1状態である場合に所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において固定部621の第1衝突部6211と接触可能に重なる。本実施形態では、第1状態では、第2衝突部6224は、第1衝突部6211に接触する。
【0026】
受圧部6225は、可動部材73からの力を受けるための部位である。受圧部6225は、矩形の板状である。受圧部6225は、所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において第2ばね63と重ならない位置にある。受圧部6225は、所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において第2ばね63よりも固定接点41から遠い位置にある。なお、受圧部6225は、一対の腕部6221と平行に配置されている。
【0027】
第2連結部6226は、受圧部6225と第1連結部6222とを一体に連結する。より詳細には、第2連結部6226は、第1連結部6222の、固定部621とは反対側から、固定接点41と離れる方向に延びている。第2連結部6226は、その先端で、受圧部6225に連結される。
【0028】
連結部623は、固定部621と可動部622とを連結する部位である。連結部623は、矩形の板状である。
図11では、第1ばね62における固定部621及び可動部622と連結部623との仮想的な境界線をB1で示している。固定部621と可動部622とは、連結部623の幅方向の同じ側に連結されている。ここで、可動部622の一対の第2湾曲部6223,6223が連結部623の長さ方向の両端に連結され、固定部621の第1湾曲部6212が連結部623の長さ方向の中央に連結される。これによって、固定部621が可動部622の開口6203内に位置する。第1湾曲部6212は、固定部621が連結部623の厚さ方向に沿って延びるように湾曲している。また、一対の第2湾曲部6223,6223は、可動部622の一対の腕部6221,6221が連結部623の厚さ方向に沿って延びるように湾曲している。第1湾曲部6212及び一対の第2湾曲部6223,6223は、可動部622が所定方向(
図13及び
図14での左右方向)において固定部621よりも固定接点41に近い位置にあるように形成されている。これによって、可動部622の一対の腕部6221,6221が固定部621よりも固定接点41に近い位置に位置する。よって、可動部622(特に、一対の腕部6221,6221)が固定接点41と可動接点61との間に生じるアークを受けるための部位として機能する。固定部621の第1衝突部6211よりも可動部622の第2衝突部6224が固定接点41に近い位置に位置する。
【0029】
第1ばね62では、可動部622は、第1状態では固定部621に接触し第2状態では固定部621から離れる。より詳細には、第1状態では、可動部622の第2衝突部6224が固定部621の第1衝突部6211に接触する。一方で、第2状態では、可動部622の第2衝突部6224が固定部621の第1衝突部6211から離れる。つまり、可動部622は、接点ばね60が変形して、可動接点61が固定接点41に接触した状態から、更に、可動接点61が固定接点41に向かう方向に移動する部位(オーバートラベル部)である。可動部622では、主に、一対の腕部6221,6221及び一対の第2湾曲部6223,6223が弾性的に変形することで、固定部621に対する位置が変化する。特に、一対の腕部6221,6221は一対の第2湾曲部6223,6223で連結部623に連結される。よって、可動部622は、可動部材73からの力に応じて連結部623を支点にして弾性的に変形することで固定部621に対する位置が変化する。
【0030】
本実施形態では、第1ばね62は、弾性を有する金属材料で形成される。特に、第1ばね62は、厚さが一様な金属板に、打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことで、形成され得る。よって、固定部621、可動部622、及び連結部623は、連続一体に形成されている。また、固定部621、可動部622及び連結部623は、同じ材料である。固定部621、可動部622及び連結部623は、同じ厚さである。
【0031】
ここで、第1ばね62の製造方法の一例について、
図5~
図12を参照して説明する。
図5及び
図6に示すように、第1ばね62の材料となる金属板に、打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施し、固定部621、可動部622、及び連結部623となる部分を形成する。ここで、固定部621と一対の腕部6221,6221との間には、開口6201,6201が形成され、開口6201,6201同士は、スリット6202によってつながっている。次に、固定部621を、直線L1で折り曲げる。特に、固定部621を、直線L1で第2ばね63側(
図6の右側)に折り曲げる。直線L1は、連結部623の長さ方向に沿った直線である。このとき、可動部622は折り曲げない。これによって、
図7及び
図8に示すように、可動部622に開口6203が形成される。次に、
図9及び
図10に示すように、可動部622を、直線L2で折り曲げる。特に、可動部622を、直線L2で第2ばね63側(
図10の右側)に折り曲げる。直線L2は、連結部623の長さ方向に沿った直線であるが、直線L1よりも、連結部623から遠い位置にある。このように、固定部621と可動部622とをそれぞれ互いに平行な直線L1,L2で折り曲げる。ここで、直線L2は、直線L1よりも連結部623から遠い位置にあるため、固定部621が可動部622よりも第2ばね63側に位置することになる。これによって、固定部621の第1衝突部6211が可動部622の第2衝突部6224における第2ばね63側の面に当たる。ここから更に可動部622を直線L2で折り曲げていくと、固定部621も可動部622と一緒に折り曲がっていく。その結果、
図11及び
図12に示すような、第1ばね62が得られる。このように、本実施形態では、金属板に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことで、固定部621に第1衝突部6211を、可動部622に第2衝突部6224を備える第1ばね62を容易に製造することが可能となる。
【0032】
接点ばね60では、第2ばね63は、第1状態と第2状態との間で変位しない基部631を有しており、可動接点61は、接点ばね60において、基部631と受圧部6225との間にある。そのため、受圧部6225で可動部材73から力を受けた際には、接点ばね60によって可動接点61に効率良く力をかけることができる。更に、第2ばね63は、1以上の板ばね630により構成され、第1端に基部631を有する。第1ばね62は、第2ばね63の第2端に固定される。可動接点61は、固定部621を介して第2ばね63に保持される。受圧部6225は、可動接点61に対して連結部623とは反対側にある。すなわち、可動部622は、可動接点61に対して連結部623とは反対側で可動部材73からの力を受ける。すなわち、所定方向(つまり、固定接点41と可動接点61が対向する方向)から見て、固定部621は受圧部6225と基部631との間にある。そのため、受圧部6225で可動部材73から力を受けた際には、接点ばね60によって可動接点61により効率良く力をかけることができる。
【0033】
駆動装置70は、
図2、
図3、及び
図13に示すように、電磁石装置71と、アーマチュア(armature)72と、可動部材73と、ヒンジばね74と、一対の接続線75と、コネクタ76とを有する。駆動装置70は、接点装置10のオン状態とオフ状態とを切り替えるための装置である。
【0034】
電磁石装置71は、ボビン711と、ボビン711に巻線が巻回されてなるコイル712と、ボビン711の中心に配置される鉄心713と、ヨーク714とを有する。ボビン711は、
図13に示すように、コイル712が巻回されている筒状の胴部711aを有する。ボビン711は、更に、胴部711aの軸方向の一端側(
図13の左側)に設けられる第1鍔部711bと、胴部711aの軸方向の他端側(
図13の右側)に設けられる第2鍔部711cとを有する。本実施形態では、ボビン711は、絶縁性を有する樹脂材料の成形品であり、胴部711a、第1鍔部711b、及び第2鍔部711cが一体に形成されている。第1鍔部711bは、矩形の板状である。第1鍔部711bには、コイル712の両端とそれぞれ電気的に接続されている一対のコイル端子が設けられる。一対の接続線75は、それぞれの第1端で一対のコイル端子に電気的に接続され、それぞれの第2端でコネクタ76に電気的に接続されている。第2鍔部711cは、矩形の板状である。第2鍔部711cは、ヨーク714を保持する。ヨーク714は、第2鍔部711cから第1鍔部711bに向かって、延びる。
【0035】
アーマチュア72は、長さを有する板状である。アーマチュア72は、
図3に示すように、長さ方向の一端に、吸着片721を有し、長さ方向の他端に、駆動片722を有する。アーマチュア72は、磁性材料により形成されている。アーマチュア72は、ヒンジばね74によって、ヨーク714に取り付けられる。より詳細には、アーマチュア72は、
図3に示すように、吸着片721が鉄心713の一端(
図3での左端)の吸着部に対向するようにして、ヨーク714に取り付けられる。更に、アーマチュア72の長さ方向の中央部分はヨーク714の端部に接しており、アーマチュア72はヨーク714の端部を支点として揺動可能である。特に、アーマチュア72は、吸着片721が鉄心713の吸着部から離れている第1位置(
図13参照)と吸着片721が鉄心713の吸着部に接触する第2位置(
図14参照)との間で揺動可能に、ヨーク714に取り付けられる。ヒンジばね74は、アーマチュア72を鉄心713に対して揺動可能に保持させる。ヒンジばね74は、ヒンジばね74の弾性によって、アーマチュア72を第1位置に保持する。電磁石装置71のコイル712に電流が流れると、コイル712が磁束を発生する。これによって、アーマチュア72の吸着片721は、鉄心713の吸着部に引き寄せられる。その結果、アーマチュア72は、ヨーク714の端部を支点として回転し、第1位置から第2位置に移動する。電磁石装置71のコイル712に電流が流れなくなると、コイル712が磁束を発生しなくなる。これによって、アーマチュア72の吸着片721は、鉄心713の吸着部に引き寄せられなくなる。その結果、ヒンジばね74の弾性によって、アーマチュア72は、第2位置から第1位置に戻る。このように、アーマチュア72は、コイル712が発生する磁束に応じて移動する。
【0036】
可動部材73は、
図3に示すように、長さを有する板状である。可動部材73は、いわゆる、カードである。本実施形態では、可動部材73は、弾性を有している。可動部材73は、弾性を有する材料(金属材料)により形成される。可動部材73は、第1固定片731と、第2固定片732と、第1固定片731と第2固定片732とを連結する連結片733とを有する。第1固定片731は、アーマチュア72の駆動片722に固定される。第2固定片732は、第2ばね63の可動部622に固定される。可動部材73のアーマチュア72及び可動部622への固定は、かしめ固定等によって行えばよい。このように、可動部材73は、アーマチュア72と可動部622とを連結する。可動部材73は、アーマチュア72に第1固定片731で固定されていることから、アーマチュア72の移動に応じて移動する。したがって、第2ばね63の可動部622は、アーマチュア72の移動に応じて、可動部材73から力を受ける。本実施形態では、可動部材73は、弾性(ばね性)を有し、アーマチュア72と接点ばね60の可動部622とを連結する。そのため、可動部材73がアーマチュア72及び接点ばね60の可動部622に対して摺動自在に引っ掛けられる場合に比べて、摺動によって磨耗粉が生じることがない。その結果、本実施形態の接点装置10は、信頼性の向上を図ることができる。
【0037】
ホルダ80は、第1端子40と、第2端子50(及び第2端子50に固定される接点ばね60)と、駆動装置70とを保持するように構成されている。つまり、ホルダ80によって、第1端子40、第2端子50、及び駆動装置70の位置関係が決定される。ホルダ80は、絶縁性を有する樹脂材料の成形品である。ホルダ80は、
図13に示すように、底壁81、第1縦壁82、第2縦壁83、第3縦壁84、第4縦壁85、及び第5縦壁86を有する。底壁81は、長方形の平板状である。第1縦壁82~第5縦壁86は、いずれも概ね矩形平板状であり、底壁81の厚さ方向の一面から同一方向に突出している。第1縦壁82と第2縦壁83と第3縦壁84は、底壁81の長さ方向の第1端に、底壁81の幅方向に平行かつ間隔を空けて並んでいる。第4縦壁85と第5縦壁86は、底壁81の長さ方向の第2端に、底壁81の長さ方向に沿って平行かつ間隔を空けて並んでいる。
図13に示すように、ホルダ80は、第1縦壁82と第2縦壁83とで、駆動装置70のヨーク714を挟むことで、駆動装置70を保持する。また、ホルダ80は、第2縦壁83と第3縦壁84とで、第1端子40の連結片423を挟むことで、第1端子40を保持する。ホルダ80は、第4縦壁85と第5縦壁86とで、第2端子50の連結片503を挟むことで、第2端子50を保持する。これによって、
図13に示すように、ホルダ80は、第1端子40の固定接点41が、第2端子50に固定される接点ばね60の可動接点61に所定方向で対向するように、第1端子40及び第2端子50を保持する。更に、ホルダ80は、アーマチュア72と第2端子50との間にコイル712が位置するように、駆動装置70を保持する。
【0038】
消弧部材90は、固定接点41と可動接点61との間に生じ得るアークの消弧を促進するための部材である。消弧部材90は、
図3に示すように、永久磁石91と、ヨーク92とを備える。消弧部材90は、永久磁石91とヨーク92によって、固定接点41と可動接点61の周囲に磁束を形成し、当該磁束とアークとの相互作用で生じる電磁力でアークを引き延ばすことにより、アークを消弧する。永久磁石91は、矩形の平板状である。永久磁石91は、厚さ方向の両側で磁極が異なっている。ヨーク92は、第1片921と、第1片921の一端から直角に突出する第2片922とを有する。ヨーク92は、L字形である。永久磁石91は、ヨーク92の第1片921に固定される。第1片921に対して、永久磁石91は、第2片922と同じ側にある。
【0039】
ケース30は、回路ブロック20を収容するように構成される。ケース30は、
図1及び
図2に示すように、ボディ31と、カバー32とを有する。ボディ31及びカバー32は絶縁性を有している。本実施形態では、ボディ31及びカバー32は、絶縁性を有する樹脂材料の成形品である。ボディ31は、矩形の箱状である。ボディ31は、一面の全体に開口を有している。ボディ31は、第1端子40の端子片422及び第2端子50の端子片502を外部に突出させるための開口311,312を有する。更に、ボディ31は、駆動装置70のコイル712に接続される一対の接続線75を外部に突出させるための一対の孔313を有する。カバー32は、矩形の箱状である。カバー32は、ボディ31の開口全体を覆うようにしてボディ31に取り付けられる。ボディ31とカバー32との間の空間が回路ブロック20を収容する空間となる。本実施形態では、カバー32は、ボディ31とは反対側の面に、収容部321を有する。収容部321は、消弧部材90を収容するための部位である。収容部321は、
図5に示すように、アーマチュア72と、ヨーク714と、接点ばね60と、可動部材73とで囲まれる空間内に、消弧部材90が位置するように、カバー32に形成されている。ただし、収容部321内の空間は、ボディ31とカバー32との間の空間とはつながっていない。つまり、消弧部材90は、第1端子40、第2端子50、接点ばね60、駆動装置70、及びホルダ80とは電気的に絶縁された空間に配置される。
【0040】
1.3 動作
次に、
図13~
図16を参照して、接点装置10の動作について説明する。ここで、
図13では、接点装置10は、可動接点61が固定接点41から離れているオフ状態である。オフ状態では、駆動装置70のコイル712は励磁されておらず、アーマチュア72は第1位置にあり、接点ばね60は第1状態である。
図14では、接点装置10は、可動接点61が固定接点41に接触しているオン状態である。オン状態では、駆動装置70のコイル712は励磁され、アーマチュア72は第2位置にあり、接点ばね60は第2状態である。
【0041】
まず、接点装置10がオフ状態からオン状態になる動作を説明する。接点装置10がオフ状態(
図13参照)である場合に、駆動装置70のコイル712に電流を流してコイル712を励磁すると、アーマチュア72が第1位置から第2位置に移動する。これに伴って、可動部材73が、可動接点61から固定接点41に向かう方向(
図13の左方向)に移動する。可動部材73の移動によって、第1ばね62の受圧部6225は、
図15に黒矢印で示すように、可動接点61から固定接点41に向かう向きの力を可動部材73から受ける。
図15において、左の図は、接点ばね60が第1状態である様子を示し、右の図は、接点ばね60が第2状態である様子を示し、中央の図は、接点ばね60が第1状態から第2状態に遷移する途中の様子を示す。第1ばね62は固定部621で第2ばね63の保持部632に固定されているため、第1ばね62の可動部622が固定接点41側に移動すると、第2ばね63の保持部632が第1ばね62に引っ張られる。これにより、第2ばね63は保持部632が固定接点41側に移動するように変形して、可動接点61が固定接点41に接近する。第1ばね62では、可動部622は連結部623を介して固定部621に連結されていることから、接点ばね60が第1状態から第2状態になる過程では、可動部622が固定部621から離れるように変形する。なお、接点ばね60が第1状態から第2状態になる過程では、可動接点61が固定接点41から離れている状態で、可動部622(第2衝突部6224)が固定部621(第1衝突部6211)と接触していてもよい。接点ばね60が第2状態になった場合、可動部622が固定部621から離れた位置にある。このようにして、接点装置10はオフ状態からオン状態になる。このように、接点ばね60は、可動部材73からの力を受けて、第1状態から第2状態に移行するため、接点装置10は、常開型の接点装置である。接点装置10では、可動部材73からの力は、第1ばね62で一部吸収されて、第2ばね63に伝達される。つまり、第1ばね62と第2ばね63との二つのばねが変形することで、可動接点61が固定接点41に接触する。これによって、接点ばね60では、第1ばね62及び第2ばね63が不可逆的に歪む可能性が低減される。そのため、可動接点61の固定接点41への接離が正しく行われなくなる可能性も低減される。したがって、接点装置10によれば、接点の接離動作の信頼性を向上できる。
【0042】
次に、接点装置10がオン状態からオフ状態になる動作を説明する。接点装置10がオン状態(
図14参照)である場合に、駆動装置70のコイル712に電流を流すのを中止すると(コイル712の励磁を中止すると)、アーマチュア72が第2位置から第1位置に移動する。これに伴って、可動部材73が、固定接点41から可動接点61に向かう方向(
図14の右方向)に移動する。可動部材73の移動によって、第1ばね62の受圧部6225は、
図14に黒矢印で示すように、固定接点41から可動接点61に向かう向きの力を可動部材73から受ける。
図14において、左の図は、接点ばね60が第2状態である様子を示し、右の図は、接点ばね60が第1状態である様子を示し、中央の図は、接点ばね60が第2状態から第1状態に遷移する途中の様子を示す。特に、可動部材73から可動接点61から固定接点41に向かう向きの力を受圧部6225が受けなくなると、接点ばね60では、第2ばね63がその弾性によって元の形に戻ろうとする。したがって、第2ばね63は保持部632が固定接点41から離れるように変形して、可動接点61が固定接点41から離れていく。第1ばね62では、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程では、可動部622がその弾性によって元の形に戻ろうとする。よって、可動部622は、固定部621側(つまり、保持部632側)に近付くように変形する。これによって、可動部622の第2衝突部6224が固定部621の第1衝突部6211に衝突する。この衝突によって、固定接点41から離れる方向への保持部632の移動が加速される。特に、本実施形態では、第1ばね62が第2ばね63よりも厚いから、効率良く衝撃を与えることができる。更に、本実施形態では、
図16に示すように、可動部622(第2衝突部6224)は、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程において可動接点61が固定接点41から離れた後に固定部621(第1衝突部6211)に接触する。要するに、可動接点61が固定接点41から離れて初期位置まで移動する前に、第2衝突部6224が第1衝突部6211に接触する。したがって、接点ばね60が第2状態から第1状態に移行する際に、より短い時間で可動接点61を固定接点41から所定位置まで離すことができて、可動接点61が固定接点41に溶着する可能性を低減できる。なお、所定位置は、可動接点61と固定接点41との間に発生したアークが消滅する位置を想定している。所定位置は、初期位置よりも固定接点41に近い。このようにして、接点装置10はオン状態からオフ状態になる。接点装置10では、可動部材73からの力は、第1ばね62で一部吸収されて、第2ばね63に伝達される。つまり、第1ばね62と第2ばね63との二つのばねが変形することで、可動接点61が固定接点41から離間する。これによって、接点ばね60では、第1ばね62及び第2ばね63が不可逆的に歪む可能性が低減される。そのため、可動接点61の固定接点41への接離が正しく行われなくなる可能性も低減される。したがって、接点装置10によれば、接点の接離動作の信頼性を向上できる。
【0043】
2.変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
【0044】
上記実施形態において、「接触」は、「直接接触」を意味する。ただし、本開示において、「接触」は、「直接接触」に限らず、直接接触と同等な「間接接触」を含み得る。
【0045】
一変形例では、接点装置10では、必ずしも、可動部622(第2衝突部6224)は、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程において可動接点61が固定接点41から離れた後に固定部621(第1衝突部6211)に接触しなくてもよい。例えば、
図17は、変形例の接点装置10の動作を示す。
図17において、左の図は、接点ばね60が第2状態である様子を示し、右の図は、接点ばね60が第1状態である様子を示し、中央の図は、接点ばね60が第2状態から第1状態に遷移する途中の様子を示す。
図17では、可動部622(第2衝突部6224)は、可動接点61が固定接点41に接触している状態で、固定部621(第1衝突部6211)に衝突する。この衝突によって、固定接点41から離れる方向への固定部621の移動が加速される。つまり、可動部622(第2衝突部6224)は、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程において可動接点61が固定接点41から離れる前に固定部621(第1衝突部6211)に接触してよい。この場合であっても、接点ばね60が第2状態から第1状態に移行する際に、より短い時間で可動接点61を固定接点41から所定位置まで離すことができて、可動接点61が固定接点41に溶着する可能性を低減できる。可動部622(第2衝突部6224)は、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程において、固定部621(第1衝突部6211)に接触すればよく、そのタイミングは特に限定されない。したがって、可動部622(第2衝突部6224)は、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程において可動接点61が固定接点41から離れるタイミングで固定部621(第1衝突部6211)に接触してもよい。
【0046】
図18は、別の変形例の接点装置10の要部を示す。
図18において、左の図は、接点ばね60が第1状態である様子を示し、右の図は、接点ばね60が第2状態である様子を示し、中央の図は、接点ばね60が第1状態から第2状態に遷移する途中の様子を示す。
図18では、第2ばね63の可動部622は、駆動装置70の可動部材73Aによって可動接点61が固定接点41に近付く方向に押圧されるようになっている。すなわち、第2ばね63の可動部622は、可動部材73Aに物理的に連結されていなくてよく、単に接触するようになっていてもよい。
【0047】
図18において、接点装置10がオフ状態である場合に、駆動装置70のコイル712に電流を流してコイル712を励磁すると、アーマチュア72が第1位置から第2位置に移動する。これに伴って、可動部材73Aが、可動接点61から固定接点41に向かう方向に移動する。可動部材73Aの移動によって、第1ばね62の受圧部6225は、
図18に黒矢印で示すように、可動接点61から固定接点41に向かう向きの力を可動部材73Aから受ける。第1ばね62では、可動部622は連結部623を介して固定部621に連結され、第1ばね62は固定部621で第2ばね63の保持部632に固定されている。そのため、第1ばね62の可動部622が固定接点41側に移動すると、第2ばね63の保持部632が第1ばね62に引っ張られる。これにより、第2ばね63は保持部632が固定接点41側に移動するように変形して、可動接点61が固定接点41に接近する。接点ばね60が第1状態から第2状態になる過程では、可動部622が第2ばね63の保持部632から離れるように変形する。接点ばね60が第2状態になった場合、可動部622(第2衝突部6224)が固定部621(第1衝突部6211)から離れた位置にある。このようにして、接点装置10はオフ状態からオン状態になる。接点装置10では、可動部材73からの力は、第1ばね62で一部吸収されて、第2ばね63に伝達される。つまり、第1ばね62と第2ばね63との二つのばねが変形することで、可動接点61が固定接点41に接触する。これによって、接点ばね60では、第1ばね62及び第2ばね63が不可逆的に歪む可能性が低減される。そのため、可動接点61の固定接点41への接離が正しく行われなくなる可能性も低減される。したがって、接点装置10によれば、接点の接離動作の信頼性を向上できる。
【0048】
図18において、接点装置10がオン状態である場合に、駆動装置70のコイル712に電流を流すのを中止すると(コイル712の励磁を中止すると)、アーマチュア72が第2位置から第1位置に移動する。これに伴って、可動部材73Aが、固定接点41から可動接点61に向かう方向に移動する。可動部材73Aの移動によって、第1ばね62の可動部622は、固定接点41から可動接点61に向かう向きの力を可動部材73Aから受けなくなる。そうすると、接点ばね60では、第2ばね63がその弾性によって元の形に戻ろうとする。したがって、第2ばね63は保持部632が固定接点41から離れるように変形して、可動接点61が固定接点41から離れていく。第1ばね62では、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程では、可動部622がその弾性によって元の形に戻ろうとする。よって、可動部622は、固定部621に近付くように変形する。これによって、可動部622(第2衝突部6224)が固定部621(第1衝突部6211)に衝突する。この衝突によって、固定接点41から離れる方向への保持部632の移動が加速される。これによって、接点ばね60が第2状態から第1状態に移行する際に、より短い時間で可動接点61を固定接点41から所定位置まで離すことができて、可動接点61が固定接点41に溶着する可能性を低減できる。このようにして、接点装置10はオフ状態からオン状態になる。接点装置10では、可動部材73Aからの力は、第1ばね62で一部吸収されて、第2ばね63に伝達される。つまり、第1ばね62と第2ばね63との二つのばねが変形することで、可動接点61が固定接点41から離間する。これによって、接点ばね60では、第1ばね62及び第2ばね63が不可逆的に歪む可能性が低減される。そのため、可動接点61の固定接点41への接離が正しく行われなくなる可能性も低減される。したがって、接点装置10によれば、接点の接離動作の信頼性を向上できる。
【0049】
一変形例では接点装置10は、駆動装置70を備えていなくてもよい。例えば、接点装置10は、手動操作によって、接点ばね60を第1状態と第2状態との間で変形可能とする操作部を備えていてよい。一変形例では、接点装置10は、ホルダ80を備えていなくてもよい。例えば、回路ブロック20の第1端子40、第2端子50、及び駆動装置70は、ケース30で保持されてもよい。つまり、ケース30がホルダ80としての役割を果たしてもよい。一変形例では、接点装置10は、消弧部材90を備えていなくてもよい。
【0050】
その他の変形例では、接点装置10の各部材の形状及び数は適宜変更可能である。例えば、ケース30は、矩形の箱状でなくてもよく、円形の箱状その他の箱状であってよい。例えば、第1端子40では、固定接点41は、端子板42とは別体であるが、端子板42の一部を固定接点41として用いてもよい。端子板42の形状(例えば、端子片422の形状)も適宜変更可能である。例えば、第2端子50では、その形状(特に、端子片502の形状)も適宜変更可能である。
【0051】
一変形例では、第2ばね63において、板ばね620の数は特に限定されない。接点ばね60は、必ずしも、第2ばね63を有していなくてもよい。
【0052】
一変形例では、第1ばね62は、必ずしも、弾性を有する金属材料で形成される必要はなく、弾性及び導電性を有する樹脂材料で形成されていてもよい。固定部621、可動部622、及び連結部623は、連続一体に形成されていなくてもよい。例えば、可動部622と固定部621とは別部品であって、接合等によって結合されていてよい。固定部621、可動部622及び連結部623は、同じ材料でなくてもよい。固定部621、可動部622及び連結部623は、同じ厚さでなくてもよい。第1ばね62は、必ずしも、第2ばね63よりも厚くなくてもよい。
【0053】
一変形例では、第2衝突部6224は、必ずしも、第1状態では第1衝突部6211に接触していなくてもよい。第2衝突部6224は、必ずしも、接点ばね60が第1状態から第2状態になる過程で、第1衝突部6211から離れなくてもよい。第2衝突部6224は、必ずしも、第2状態では第1衝突部6211から離れていなくてもよい。第2衝突部6224は、必ずしも、接点ばね60が第2状態から第1状態になる過程で、第1衝突部6211に接触しなくてもよい。
【0054】
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。
【0055】
第1の態様は、接点装置(10)であって、固定接点(41)と、接点ばね(60)とを備える。前記接点ばね(60)は、所定方向において前記固定接点(41)に対向する可動接点(61)を含む。前記接点ばね(60)は、可動部材(73)からの力を受けて、前記可動接点(61)が前記固定接点(41)から離れている第1状態と前記可動接点(61)が前記固定接点(41)に接触している第2状態との間で変形する。前記接点ばね(60)は、前記可動接点(61)が固定される固定部(621)と、前記可動部材(73)からの力に応じて前記固定部(621)に対する位置が変化する可動部(622)とを含む。前記固定部(621)は、第1衝突部(6211)を含む。前記可動部(622)は、前記接点ばね(60)が前記第1状態である場合に前記所定方向において前記固定部(621)の第1衝突部(6211)と接触可能に重なる第2衝突部(6224)を含む。この態様によれば、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0056】
第2の態様は、第1の態様に基づく接点装置(10)である。第2の態様では、前記可動部(622)は、前記所定方向において前記固定部(621)よりも前記固定接点(41)に近い位置にある。この態様によれば、可動部(622)でアークを受けてアークをより早く消すことができて、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0057】
第3の態様は、第1又は第2の態様に基づく接点装置(10)である。第3の態様では、前記可動接点(61)は、前記固定接点(41)と接触する部位が前記所定方向において前記可動部(622)よりも前記固定接点(41)に近い位置にある。この態様によれば、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0058】
第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第4の態様では、前記固定部(621)と前記可動部(622)とは、同じ材料である。この態様によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【0059】
第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第5の態様では、前記固定部(621)と前記可動部(622)とは、同じ厚さである。この態様によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【0060】
第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第6の態様では、前記固定部(621)と前記可動部(622)とは連続一体である。この態様によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【0061】
第7の態様は、第1~第6の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第7の態様では、前記接点ばね(60)は、第1ばね(62)と、第2ばね(63)とを備える。前記第1ばね(62)は、前記固定部(621)と前記可動部(622)とを含む。前記第2ばね(63)は、前記第1ばね(62)を介して前記可動部材(73)からの力を受けて前記可動接点(61)を前記固定接点(41)に対して移動させる。この態様によれば、接点の接離動作の信頼性を向上できる。
【0062】
第8の態様は、第7の態様に基づく接点装置(10)である。第8の態様では、前記第1ばね(62)は、前記所定方向において前記第2ばね(63)よりも前記固定接点(41)に近い位置にある。この態様によれば、接点の接離動作の信頼性を向上できる。
【0063】
第9の態様は、第7又は第8の態様に基づく接点装置(10)である。第9の態様では、前記第1ばね(62)は、前記固定部(621)が前記所定方向において前記第2ばね(63)と重なった状態で前記第2ばね(63)に固定される。この態様によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【0064】
第10の態様は、第9の態様に基づく接点装置(10)である。第10の態様では、前記固定部(621)は、第1取付孔(621a)を含む。前記第2ばね(63)は、前記所定方向において前記第1取付孔(621a)と重なる第2取付孔(632a)を含む。前記可動接点(61)は、前記固定部(621)の第1取付孔(621a)及び前記第2ばね(63)の第2取付孔(632a)に前記可動接点(61)を通すことで、前記可動接点(61)及び前記固定部(621)が前記第2ばね(63)に固定される。この態様によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【0065】
第11の態様は、第7~第10の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第11の態様では、前記第1ばね(62)は、前記第2ばね(63)より厚い。この態様によれば、接点ばね(60)が第2状態から第1状態に移行する際に、より短い時間で可動接点(61)を固定接点(41)から所定位置まで離すことができて、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0066】
第12の態様は、第1~第11の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第12の態様では、前記第2衝突部(6224)は、前記第1状態では前記第1衝突部(6211)に接触する。この態様によれば、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0067】
第13の態様は、第12の態様に基づく接点装置(10)である。第13の態様では、前記第2衝突部(6224)は、前記接点ばね(60)が前記第1状態から前記第2状態になる過程で、前記第1衝突部(6211)から離れる。この態様によれば、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0068】
第14の態様は、第1~第13の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第14の態様では、前記第2衝突部(6224)は、前記第2状態では前記第1衝突部(6211)から離れる。この態様によれば、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0069】
第15の態様は、第14の態様に基づく接点装置(10)である。第15の態様では、前記第1状態は、前記可動接点が前記固定接点から離れた初期位置にある状態である。前記第2衝突部(6224)は、前記接点ばね(60)が前記第2状態から前記第1状態になる過程で、前記第1衝突部(6211)に接触する。この態様によれば、接点ばね(60)が第2状態から第1状態に移行する際に、より短い時間で可動接点(61)を固定接点(41)から所定位置まで離すことができて、可動接点(61)が固定接点(41)に溶着する可能性を低減できる。
【0070】
第16の態様は、第1~第15の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第16の態様では、前記接点ばね(60)は、前記固定部(621)と前記可動部(622)とを連結する連結部(623)を更に含む。前記可動部(622)は、前記可動部材(73)からの力に応じて前記連結部(623)を支点にして弾性的に変形することで前記固定部(621)に対する位置が変化する。この態様によれば、構造の簡素化を図ることができる。
【0071】
第17の態様は、第16の態様に基づく接点装置(10)である。第17の態様では、前記可動部(622)は、前記可動接点(61)に対して前記連結部(623)とは反対側で前記可動部材(73)からの力を受ける。この態様によれば、可動部(622)で可動部材(73)から力を受けた際には、接点ばね(60)によって可動接点(61)に効率良く力をかけることができる。
【0072】
第18の態様は、第16又は第17の態様に基づく接点装置(10)である。第18の態様では、前記固定部(621)は、前記連結部(623)に連結される第1湾曲部(6212)を含む。前記可動部(622)は、前記連結部(623)に連結される第2湾曲部(6223)を含む。この態様によれば、可動部(622)の弾性的な変化を起きやすくすることができる。
【0073】
第19の態様は、第18の態様に基づく接点装置(10)である。第19の態様では、前記第2湾曲部(6223)は、前記第1湾曲部(6212)よりも曲率半径が大きい。この態様によれば、可動部(622)の弾性的な変化を起きやすくすることができる。
【0074】
第20の態様は、第1~第19の態様のいずれか一つに基づく接点装置(10)である。第20の態様では、前記接点装置(10)は、駆動装置(70)を更に備える。前記駆動装置(70)は、コイル(712)と、前記コイル(712)が発生する磁束に応じて移動するアーマチュア(72)と、前記アーマチュア(72)の移動に応じて移動する前記可動部材(73)と、を含む。この態様によれば、接点装置(10)の電気制御が可能になる。
【0075】
なお、第2~第20の態様は、必須ではなく、適宜省略し得る。
【符号の説明】
【0076】
10 接点装置
41 固定接点
60 接点ばね
61 可動接点
62 第1ばね
621 固定部
621a 第1取付孔
6211 第1衝突部
6212 第1湾曲部
622 可動部
6223 第2湾曲部
6224 第2衝突部
623 連結部
63 第2ばね
632a 第2取付孔
70 駆動装置
712 コイル
72 アーマチュア
73 可動部材