IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図1
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図2
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図3
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図4
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図5
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図6
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図7
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図8
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図9
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図10
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図11
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図12
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図13
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図14
  • 特許-制御システム、及び、制御方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】制御システム、及び、制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240112BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
H04M11/00 301
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019180054
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021057800
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松浪 幸誠
(72)【発明者】
【氏名】城戸 清規
(72)【発明者】
【氏名】古賀 義宏
(72)【発明者】
【氏名】廣木 誠
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-007157(JP,A)
【文献】特開2008-283433(JP,A)
【文献】特開2006-350819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付ける入力受付部と、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する制御部とを備え
前記制御部は、
前記実行指示が受け付けられた直後に、事前通知を行わずに前記第一の機器の制御を実行し、
前記実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に、事前通知を行った上で前記第二の機器の制御を実行する
制御システム。
【請求項2】
前記入力受付部は、さらに、前記シーン制御の実行指示を受け付ける前に、前記第一の機器の制御の実行タイミング、及び、前記第二の機器の制御の実行タイミングの少なくとも一方の設定を受け付け、
前記制御部は、前記実行指示が受け付けられた場合に、前記設定に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する
請求項に記載の制御システム。
【請求項3】
前記入力受付部は、さらに、前記シーン制御の実行指示を受け付けるときに、前記第一の機器の制御の実行タイミング、及び、前記第二の機器の制御の実行タイミングの少なくとも一方の設定を合わせて受け付け、
前記制御部は、前記実行指示が受け付けられた場合に、前記設定に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する
請求項に記載の制御システム。
【請求項4】
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付ける入力受付部と、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記実行指示が受け付けられた時間帯に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する制御部とを備える
制御システム。
【請求項5】
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付ける入力受付部と、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記実行指示が受け付けられたときの前記第一の機器及び前記第二の機器の周囲の環境に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する制御部とを備える
制御システム。
【請求項6】
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付ける入力受付部と、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第一の機器及び前記第二の機器のいずれとも異なる第三の機器の状態の変化に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する制御部とを備える
制御システム。
【請求項7】
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付ける入力受付部と、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する制御部とを備え、
前記制御部は、さらに、外出シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示が受け付けられた場合に、ユーザが外出する時間の長さに基づいて空調機器をオフするか否かを決定す
御システム。
【請求項8】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付け、
前記実行指示が受け付けられた直後に、事前通知を行わずに前記第一の機器の制御を実行し、
前記実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に、事前通知を行った上で前記第二の機器の制御を実行する
制御方法。
【請求項9】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付け
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記実行指示が受け付けられた時間帯に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する
制御方法。
【請求項10】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付け
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記実行指示が受け付けられたときの前記第一の機器及び前記第二の機器の周囲の環境に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する
制御方法。
【請求項11】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付け
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第一の機器及び前記第二の機器のいずれとも異なる第三の機器の状態の変化に基づいて、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する
制御方法。
【請求項12】
コンピュータによって実行される制御方法であって、
第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付け、
前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行し、
外出シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示が受け付けられた場合に、ユーザが外出する時間の長さに基づいて空調機器をオフするか否かを決定する
制御方法。
【請求項13】
請求項8~12のいずれか1項に記載の制御方法を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、及び、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅へのHEMS(Home Energy Management System)の導入が進んでいる。HEMSによれば、住宅で使う電気またはガスなどのエネルギーの使用量をモニタに表示する「見える化」が実現される。また、HEMSは、住宅内に設置された家電機器の制御を行う制御システムとしても利用できる。特許文献1には、HEMSを利用して情報機器の遠隔操作を行うことができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-203411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、柔軟な機器制御を実現することができる制御システム、及び、制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る制御システムは、第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付ける入力受付部と、前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る制御方法は、コンピュータによって実行される制御方法であって、第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付け、前記実行指示が受け付けられた場合に、前記第一の機器の制御と前記第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の制御システム、及び、制御方法は、柔軟な機器制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、シーン制御を実行するための制御情報の一例を示す図である。
図3図3は、実施の形態に係る制御システムの動作例1のフローチャートである。
図4図4は、制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係る制御システムの動作例2のフローチャートである。
図6図6は、動作例2における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態に係る制御システムの動作例3のフローチャートである。
図8図8は、動作例3における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態に係る制御システムの動作例4のフローチャートである。
図10図10は、動作例4における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
図11図11は、実施の形態に係る制御システムの動作例5のフローチャートである。
図12図12は、動作例5における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
図13図13は、実施の形態に係る制御システムの動作例6のフローチャートである。
図14図14は、動作例6における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
図15図15は、外出時間の入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
また、以下の実施の形態における「直後」及び「即座」などのタイミングを表す用語については、厳密な意味に解釈されるべきではない。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る制御システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る制御システムの機能構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示されるように、制御システム10は、制御装置20と、機器30と、環境センサ40と、サーバ装置50とを備える。
【0015】
図1に示される建物80は、例えば、集合住宅または戸建住宅などの住宅である。建物80内には、制御装置20及び機器30が設置されている。サーバ装置50は、クラウド(言い換えれば、クラウドサーバ)として実現される。
【0016】
まず、制御装置20について説明する。制御装置20は、例えば、エネルギーマネジメント機能を有するHEMSコントローラであり、建物80内に設置され、建物80内に設置された機器30の消費電力を管理する。また、制御装置20は、機器30の状態の取得及び表示、並びに、建物80内(あるいは、建物80の敷地内)に設置された機器30の制御などを行う。制御装置20は、HEMSコントローラに限定されず、エネルギーマネジメント機能を有しない他のホームコントローラ、または、ゲートウェイ装置であってもよい。
【0017】
なお、機器30は、例えば、照明機器31及び空調機器32などの家電機器であり、機器30の状態とは、例えば、機器30の動作状態、及び、機器30の消費電力の状態を意味する。動作状態には、具体的には、電源オン状態、電源オフ状態、及び、設定状態(機器30が空調機器であれば設定温度、機器30が照明機器であれば明るさなど)などが含まれる。
【0018】
制御装置20は、具体的には、タッチパネル21と、表示部22と、マイクロフォン23と、制御部24と、記憶部25と、第一通信部26と、第二通信部27と、スピーカ28とを備える。タッチパネル21、表示部22、及び、マイクロフォン23は、入力受付部29を構成する。
【0019】
タッチパネル21は、ユーザの操作入力を受け付ける。タッチパネル21は、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。
【0020】
表示部22は、制御部24の制御に基づいて、画像を表示する。表示部22は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルである。
【0021】
マイクロフォン23は、ユーザの音声入力を受け付ける。マイクロフォン23は、音声取得部の一例である。
【0022】
制御部24は、表示部22への画像の表示制御、及び、マイクロフォン23へ入力された音声の音声認識処理などを行う。制御部24は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。
【0023】
記憶部25は、制御部24が実行する制御プログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部25は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0024】
第一通信部26は、制御装置20がサーバ装置50とインターネットなどの広域通信ネットワーク70を介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第一通信部26によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0025】
第二通信部27は、制御装置20が、機器30と局所通信ネットワークを介して通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第二通信部27によって行われる通信は、例えば、無線通信であるが、有線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても、特に限定されない。なお、第二通信部27と機器30との間の通信は、例えば、ECHONET Lite登録商標に準拠する。
【0026】
スピーカ28は、制御部24の制御に基づいて音声を出力する。スピーカ28は、音声出力部の一例である。
【0027】
次に、機器30及びセンサ40について説明する。機器30は、制御装置20の制御対象の機器である。機器30は、例えば、制御装置20と通信を行うための通信モジュール(通信回路)を備え、制御装置20から受信した制御信号にしたがって動作する。機器30には、例えば、照明機器31、空調機器32、電気錠33、及び、電動シャッター34などが含まれる。
【0028】
機器30には、これ以外の機器が含まれてもよい。例えば、機器30には、建物80における消費電力を計測する分電盤またはスマートメータなどの機器が含まれてもよく、このような機器によって計測された消費電力は、記憶部25に消費電力の履歴情報として記憶される。
【0029】
照明機器31は、建物80の中(室内)を照明する。照明機器31は、例えば、シーリングライトであるが、照明機器31の具体的態様は、特に限定されない。照明機器31は、ダウンライト、ペンダントライト、スポットライト、または、ブラケットライトなどであってもよい。また、照明機器31は、建物80の外(室外)を照明する機器であってもよい。
【0030】
空調機器32は、一般家庭用の空調機器である。空調機器32は、熱交換器(図示せず)などを有することにより、空調機器32から送出される風の温度の調整が可能な空調機器である。つまり、空調機器32は、温度調整機能(送風機能及び冷暖房機能)を有する。空調機器32は、一般家庭用の空調機器に限定されず、産業用の空調機器であってもよい。
【0031】
電気錠33は、建物80が有するドア(または窓など)の開錠及び施錠を制御する防犯機器である。電気錠33は、例えば、カードキーなどから鍵情報を取得するRFIDリーダを備える。また、電気錠33は、指紋などの生体情報を鍵情報として取得する生体センサを備えてもよい。以下の実施の形態では、電気錠33は、玄関のドアに設けられた電気錠であるものとして説明される。
【0032】
電動シャッター34は、建物80が有する窓の外側(または内側)に配置され、建物80内への外光の取り入れ量を調整する。電動シャッター34は、例えば、電動ブラインドなどであり、物理的に光の遮蔽物が開閉する構成を有する。電動シャッター34は、液晶パネルなどを備え、物性的に光の透過率が変化する構成であってもよい。
【0033】
環境センサ40は、建物80の中または建物80の外の環境をセンシングする。環境センサ40は、例えば、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、または、微粒子濃度センサなどである。
【0034】
[シーン制御]
次に、制御装置20によって行われるシーン制御について説明する。シーン制御は、建物80内を所定の室内環境に近づけるために、建物80内に配置された2以上の機器30部を一括して動作させる制御である。図2は、シーン制御を実行するための制御情報の一例を示す図である。
【0035】
シーン制御の制御情報においては、起床、外出、及び、就寝などの生活シーン(シーン名称)のそれぞれに対して、機器30の制御内容が紐づけられている。例えば、ユーザは、タッチパネル21に対して「起床」のシーン制御の実行を指示する操作を行うと、制御装置20は、図2の制御情報を参照して機器30を制御し、この結果、照明機器31及び空調機器32があらかじめ登録された設定(明るさ、設定温度など)でオンし、電動シャッター34が開く。「起床」のシーン制御の実行が指示されたときに、どのような機器30がどのような動作を行うかは、ユーザがあらかじめ登録することができる。
【0036】
このようなシーン制御によれば、ユーザは1つのアクション(例えば、ワンタッチ)で2以上の機器を動作させることができる。
【0037】
[動作例1]
一般的には、上記シーン制御の実行が指示されると、制御装置20は、制御対象となる2以上の機器の制御を同時に開始する。これに対し、制御システム10は、2以上の機器の制御を異なるタイミングで開始することができる。この場合の「異なるタイミング」とは、実質的に異なるタイミング(有意に異なるタイミング)を意味する。つまり、「タイミングが異なる」とは、通信の遅延、及び、機器30のレスポンス速度などに起因して生じる制御タイミングのわずかな差を上回る大きな差があることを意味する。
【0038】
以下、このような制御システム10の動作例1について説明する。図3は、制御システム10の動作例1のフローチャートである。
【0039】
なお、以下の動作例1の説明では、シーン制御の実行指示が行われた直後に制御が開始される制御対象機器は第一の機器とも記載され、シーン制御の実行指示が行われてから所定時間の経過後に制御が開始される制御対象機器は第二の機器とも記載される。
【0040】
まず、制御装置20のタッチパネル21は、ユーザから、シーン名称、制御対象機器、及び、制御の内容の設定を受け付ける(S11)。このような設定の受け付けにより、記憶部25に記憶された制御情報(図2)が生成される。上記図2に示されるように、例えば、「外出」のシーン制御の制御情報においては、シーン名称「外出」に対して、照明機器31及び空調機器32をオフする制御、電気錠33が施錠される制御、並びに、電動シャッター34が閉じられる制御が紐づけられる。
【0041】
次に、制御装置20のタッチパネル21は、シーン制御の制御タイミングの設定を受け付ける(S12)。このとき、制御部24は、表示部22に図4のような設定画面を表示させる。図4は、制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。図4に示されるように、ユーザは、2以上の制御対象機器のそれぞれについて制御タイミング(言い換えれば、制御の実行タイミング、制御開始タイミング、または、遅延時間)を設定することができる。設定された制御タイミングは、例えば、制御情報の一部として、記憶部25に記憶される。
【0042】
例えば、上記「外出」のシーン制御は、ユーザが外出する直前に使用される。したがって、「外出」のシーン制御において、玄関のドアに設けられた電気錠33は、ユーザが建物80内の制御装置20(タッチパネル21)を操作して「外出」のシーン制御の実行を指示した直後に施錠されるのではなく、建物80の外に出た後に電気錠33が施錠されるほうがよい。そこで、ユーザは、例えば、電気錠33の制御タイミングを他の機器30よりも所定時間遅らせる設定を行う。ここでの所定時間は、0よりも大きい時間であり、例えば、1分以上10分以下の時間(図4の例では、5分)であるが、ユーザによって任意に設定されればよく、特に限定されない。
【0043】
その後、タッチパネル21は、ユーザから、シーン制御の実行指示を受け付ける(S13)。制御部24は、ステップS12で設定された制御タイミング(言い換えれば、記憶部25に記憶された制御情報)に基づいて、実行指示が受け付けられた直後に、第一の機器の制御を実行する(S14)。例えば、ステップS13において上記「外出」のシーン制御の実行指示が受け付けられた場合、制御部24は、第二通信部27に、照明機器31、空調機器32、及び、電動シャッター34のそれぞれへ制御信号を送信させる。これにより、照明機器31及び空調機器32はオフし、電動シャッター34は閉じる。
【0044】
また、制御部24は、実行指示が受け付けられてから所定時間が経過する少し前(例えば、1分前など)に、第一の機器と異なる第二の機器の制御が開始されることを通知する(S15)。例えば、ステップS13において上記「外出」のシーン制御の実行指示が受け付けられた場合、制御部24は、スピーカ28に「間もなく電気錠が施錠されます」といった音声(メッセージ)を出力させることで通知を行う。制御部24は、表示部22に画像を表示させることで通知を行ってもよい。また、このような通知は省略されてもよい。
【0045】
そして、制御部24は、ステップS12で設定された制御タイミング(言い換えれば、記憶部25に記憶された制御情報)に基づいて、実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に、第二の機器の制御を実行する(S16)。例えば、ステップS13において上記「外出」のシーン制御の実行指示が受け付けられた場合、制御部24は、実行指示が受け付けられてから5分後に、第二通信部27に電気錠33へ制御信号を送信させる。これにより、電気錠33が施錠される。なお、ステップS12の制御タイミングの設定の結果、第二の機器が存在しない場合などには、ステップS15及びステップS16は省略される。
【0046】
以上説明したように、動作例1では、制御システム10は、生活シーンに紐づけられたシーン制御の実行指示が受け付けられた場合に、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。制御システム10は、具体的には、シーン制御の実行指示が受け付けられた直後に、第一の機器の制御を実行し、シーン制御の実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に、第二の機器の制御を実行する。動作例1では、シーン制御の実行指示が受け付けられる前に、第一の機器の制御の実行タイミング、及び、第二の機器の制御の実行タイミングの少なくとも一方の設定が受け付けられる。
【0047】
このような制御システム10は、柔軟な機器制御を実現することができ、柔軟な機器制御によりユーザの利便性を高めることができる。
【0048】
[動作例2]
動作例1では、制御タイミングの設定は、シーン制御の実行指示が受け付けられる前に行われたが、シーン制御の実行指示に制御タイミングの設定が含まれてもよい。図5は、制御システム10の動作例2のフローチャートである。なお、以下の動作例2の説明では、動作例1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明は適宜省略または簡略化される。
【0049】
まず、制御装置20のタッチパネル21は、ユーザから、シーン名称、制御対象機器、及び、制御の内容の設定を受け付ける(S21)。その後、タッチパネル21は、ユーザから、制御タイミングの指示を含むシーン制御の実行指示を受け付ける(S22)。
【0050】
動作例2では、シーン制御の実行指示は、(1)シーン制御の選択、及び、(2)選択されたシーン制御の制御対象機器の制御タイミングの設定、の2つのフェーズに分かれる。例えば、タッチパネル21によりユーザのシーン制御の選択が受け付けられた後、制御部24は、選択されたシーン制御を実行する前に、表示部22に制御タイミングの設定画面を表示させる。図6は、動作例2における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
【0051】
図6に示されるように、動作例2においては、ユーザがシーン制御の実行を指示するための操作に、制御タイミングの設定操作が含まれる。シーン制御の実行指示は、図6の画面で「実行」ボタンが操作されることで完了する。
【0052】
シーン制御の実行指示が完了すると、制御部24は、ステップS22で設定された制御タイミングに基づいて、実行指示が完了した直後に、第一の機器の制御を実行する(S23)。例えば、ステップS22において上記「外出」のシーン制御の実行指示が受け付けられた場合、制御部24は、第二通信部27に、照明機器31、空調機器32、及び、電動シャッター34のそれぞれへ制御信号を送信させる。
【0053】
また、制御部24は、ステップS22で設定された制御タイミングに基づいて、第二の機器の制御がこれから開始されることを通知した上で(S24)、実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に、第二の機器の制御を実行する(S25)。なお、ステップS22の制御タイミングの設定の結果、第二の機器が存在しない場合などには、ステップS24及びステップS25は省略される。
【0054】
以上説明したように、動作例2では、制御システム10は、シーン制御の実行指示が受け付けられたときに、第一の機器の制御の実行タイミング、及び、第二の機器の制御の実行タイミングの少なくとも一方の設定を合わせて受け付ける。動作例2によれば、ユーザは、シーン制御を行う直前に制御タイミングを指示できる。つまり、ユーザは、現在の状況を考慮して制御タイミングを指示することができる。
【0055】
[動作例3]
上記動作例1における制御タイミングの設定には、実行指示が行われたときの時間帯に応じて制御タイミングを異ならせる設定が含まれてもよい。図7は、このような制御システム10の動作例3のフローチャートである。なお、以下の動作例3の説明では、動作例1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明は適宜省略または簡略化される。
【0056】
まず、制御装置20のタッチパネル21は、ユーザから、シーン名称、制御対象機器、及び、制御の内容の設定を受け付ける(S31)。次に、制御装置20のタッチパネル21は、シーン制御の制御タイミングの設定を受け付ける(S32)。このとき、制御部24は、表示部22に図8のような設定画面を表示させる。図8は、動作例3における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
【0057】
図8に示されるように、動作例3では、制御対象機器は、照明機器31、電気錠33、及び、電動シャッター34の3つである。設定画面において、照明機器31の制御タイミングは、時間帯に依存する設定となっている。照明機器31は、実行指示が行われたタイミングが属する時間帯が6:00~18:00の外が明るい時間帯であれば実行指示の直後にオフされるように設定されている。また、照明機器31は、実行指示が行われたタイミングが属する時間帯が18:00~6:00(以下、所定の時間帯とも記載される)の外が暗い時間帯であれば、実行指示から所定時間の経過後にオフされるように設定されている。設定された制御タイミングは、例えば、制御情報の一部として、記憶部25に記憶される。所定の時間帯、及び、所定時間の長さは、ユーザによって任意に設定可能である。
【0058】
その後、タッチパネル21は、ユーザから、シーン制御の実行指示を受け付ける(S33)。制御部24は、現在時刻を計測することにより、実行指示が受け付けられた時間帯が18:00~6:00の所定の時間帯に属するか否かを判定する(S34)。制御部24は、実行指示が受け付けられた時間帯が所定の時間帯に属すると判定すると(S34でYes)、時間帯に依存する設定が行われている照明機器31を第二の機器に含める(S35)。一方、制御部24は、実行指示が受け付けられた時間帯が所定の時間帯に属さないと判定すると(S34でNo)、時間帯に依存する設定が行われている照明機器31を第一の機器に含める(S36)。
【0059】
制御部24は、ステップS32で設定された制御タイミングに基づいて、実行指示が受け付けられた直後に、第一の機器の制御を実行する(S37)。また、制御部24は、ステップS32で設定された制御タイミングに基づいて、第二の機器の制御が開始されることを通知した上で(S38)、実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に第二の機器の制御を実行する(S39)。なお、第二の機器が存在しない場合などには、ステップS38及びステップS39は省略される。
【0060】
この結果、照明機器31は、ユーザが建物80の外が明るいときに「外出」のシーン制御の実行が指示されたときには即座にオフされるが、ユーザが建物80の外が暗いときに「外出」のシーン制御の実行が指示されたときには、遅れてオフされる。
【0061】
以上説明したように、動作例3では、制御システム10は、実行指示が受け付けられた場合に、実行指示が受け付けられた時間帯に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。動作例3によれば、制御システム10は、シーン制御の実行が指示された時間帯に応じて照明機器31の制御タイミングを適応的に変更することができる。
【0062】
[動作例4]
上記動作例1における制御タイミングの設定には、実行指示が行われたときの建物80の周囲の環境に応じて制御タイミングを異ならせる設定が含まれてもよい。図9は、このような制御システム10の動作例4のフローチャートである。なお、以下の動作例4の説明では、動作例1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明は適宜省略または簡略化される。
【0063】
まず、制御装置20のタッチパネル21は、ユーザから、シーン名称、制御対象機器、及び、制御の内容の設定を受け付ける(S41)。次に、制御装置20のタッチパネル21は、シーン制御の制御タイミングの設定を受け付ける(S42)。このとき、制御部24は、表示部22に図10のような設定画面を表示させる。図10は、動作例4における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
【0064】
図10に示されるように、動作例4では、制御対象機器は、照明機器31、電気錠33、及び、電動シャッター34の3つである。設定画面において、照明機器31の制御タイミングは、環境センサ40(この場合、照度センサ)のセンシング結果(環境)に依存する設定となっている。つまり、照明機器31の制御タイミングは、建物80の周囲の環境に依存する設定となっている。照明機器31は、実行指示が行われたタイミングにおける建物80の周囲(屋外)の照度が所定値以上(つまり、建物80の外が明るい)であれば実行指示の直後にオフされるように設定されている。また、照明機器31は、実行指示が行われたタイミングにおける建物80の周囲の照度が所定値未満(つまり、建物80の外が暗い)であれば、実行指示から所定時間の経過後にオフされるように設定されている。設定された制御タイミングは、例えば、制御情報の一部として、記憶部25に記憶される。所定値、及び、所定時間の長さは、ユーザによって任意に設定可能である。
【0065】
その後、タッチパネル21は、ユーザから、シーン制御の実行指示を受け付ける(S43)。制御部24は、環境センサ40から環境のセンシング結果を取得し、実行指示が受け付けられたタイミングにおける建物80の周囲の環境が所定の要件を満たすか否かを判定する(S44)。制御部24は、具体的には、環境センサ40から照度のセンシング結果を取得し、実行指示が受け付けられたタイミングにおける建物80の周囲の照度が所定値未満である、という要件を満たすか否かを判定する。制御部24は、実行指示が受け付けられたタイミングにおける建物80の周囲の環境が所定の要件を満たすと判定すると(S44でYes)、環境に依存する設定が行われている照明機器31を第二の機器に含める(S45)。一方、制御部24は、実行指示が受け付けられたタイミングにおける建物80の周囲の環境が所定の要件を満たさないと判定すると(S44でNo)、環境に依存する設定が行われている照明機器31を第一の機器に含める(S46)。
【0066】
制御部24は、ステップS42で設定された制御タイミングに基づいて、実行指示が受け付けられた直後に、第一の機器の制御を実行する(S47)。また、制御部24は、ステップS42で設定された制御タイミングに基づいて、第二の機器の制御が開始されることを通知した上で(S48)、実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に第二の機器の制御を実行する(S49)。なお、第二の機器が存在しない場合などには、ステップS48及びステップS49は省略される。
【0067】
この結果、照明機器31は、ユーザが建物80の外が明るいときに「外出」のシーン制御の実行を指示したときには即座にオフされるが、ユーザが建物80の外が暗いときに「外出」のシーン制御の実行を指示したときには、遅れてオフされる。
【0068】
以上説明したように、動作例4では、制御システム10は、実行指示が受け付けられた場合に、実行指示が受け付けられたときの第一の機器及び第二の機器の周囲の環境に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。動作例4によれば、制御システム10は、シーン制御の実行が指示されたタイミングにおける周囲の環境に応じて照明機器31の制御タイミングを適応的に変更することができる。
【0069】
なお、周囲の環境は、明るさ(光環境)に限定されない。周囲の環境には、温度環境、湿度環境、及び、空気質環境などが含まれる。例えば、空調機器32の制御タイミングが、建物80外の温度環境、建物80内の温度環境、建物80外の湿度環境、及び、建物80内の湿度環境の少なくとも一つに応じて決定されてもよい。
【0070】
[動作例5]
上記動作例1における制御タイミングの設定には、シーン制御の制御対象外の機器(以下、第三の機器とも記載される)の状態に応じて制御タイミングを異ならせる設定が含まれてもよい。図11は、このような制御システム10の動作例5のフローチャートである。なお、以下の動作例5の説明では、動作例1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明は適宜省略または簡略化される。
【0071】
まず、制御装置20のタッチパネル21は、ユーザから、シーン名称、制御対象機器、及び、制御の内容の設定を受け付ける(S51)。次に、制御装置20のタッチパネル21は、シーン制御の制御タイミングの設定を受け付ける(S52)。このとき、制御部24は、表示部22に図12のような設定画面を表示させる。図12は、動作例5における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
【0072】
図12に示されるように、動作例5では、制御対象機器は、照明機器31、空調機器32、及び、電動シャッター34の3つである。設定画面において、照明機器31の制御タイミングは、玄関のドアに設けられた電気錠33(第三の機器の一例)の状態に依存する設定となっている。照明機器31は、実行指示が行われた後で、かつ、電気錠33の状態が解錠から施錠に変更されたタイミングでオフされるように設定されている。設定された制御タイミングは、例えば、制御情報の一部として、記憶部25に記憶される。照明機器31(第二の機器)を機器30のうちどの機器と連動させるか(どの機器を第三の機器とするか)は、ユーザによって任意に設定可能である。
【0073】
その後、タッチパネル21によってシーン制御の実行指示が受け付けられると(S53)、制御部24は、ステップS52で設定された制御タイミングに基づいて、実行指示が受け付けられた直後に、第一の機器の制御を実行する(S54)。
【0074】
また、制御部24は、第三の機器の状態を定期的に取得し、第三の機器が所定状態に変化したか否かを判定する(S55)。制御部24は、具体的には、電気錠33が解錠状態から施錠状態に変化したか否かを判定する。この判定は、第三の機器が所定状態に変化するまで継続される(S55でNo)。制御部24は、第三の機器が所定状態に変化したと判定すると(S55でYes)、第二の機器の制御を実行する(S56)。つまり、制御部24は、照明機器31をオフする。
【0075】
この結果、照明機器31は、ユーザがシーン制御「外出」を指示し、かつ、建物80の外へ出て電気錠33を施錠したときにオフされる。
【0076】
以上説明したように、動作例5では、制御システム10は、実行指示が受け付けられた場合に、第一の機器及び第二の機器のいずれとも異なる第三の機器の状態の変化に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。動作例5によれば、制御システム10は、照明機器31の制御タイミングを電気錠33の施錠に連動させることができる。なお、動作例5は、動作例2と組み合わされてもよい。
【0077】
[動作例6]
ところで、近年、空調機器32の性能の向上により、短期間の外出であれば空調機器32をオフせずにオンのままにしておいたほうが、空調機器32の消費電力は少なくなることが知られている。そうすると、ユーザは、外出時に空調機器32をオフするかどうか迷ってしまう場合がある。そこで、制御システム10では、「外出」のシーン制御の実行が指示された際に、空調機器32をオフするか否かを自動的に決定してもよい。図13は、このような制御システム10の動作例6のフローチャートである。なお、以下の動作例6の説明では、動作例1との相違点を中心に説明が行われ、既出事項の説明は適宜省略または簡略化される。
【0078】
まず、制御装置20のタッチパネル21は、ユーザから、「外出」のシーン制御に関する、シーン名称、制御対象機器、及び、制御の内容の設定を受け付ける(S61)。次に、制御装置20のタッチパネル21は、「外出」のシーン制御における制御タイミングの設定を受け付ける(S62)。このとき、制御部24は、表示部22に図14のような設定画面を表示させる。図14は、動作例6における制御タイミングの設定画面の一例を示す図である。
【0079】
図14に示されるように、動作例6では、制御対象機器は、照明機器31、空調機器32、及び、電動シャッター34の3つである。設定画面において、空調機器32の制御内容及び制御タイミングは、自動(おまかせ)に設定されている。この場合、ユーザが「外出」のシーン制御の実行指示を行った場合に空調機器32がオフされるか否かは、制御部24によって決定される。
【0080】
その後、タッチパネル21は、ユーザから「外出」のシーン制御の実行指示を受け付ける(S63)。動作例6では、ユーザが行うシーン制御の実行指示操作には、外出時間の入力操作が含まれる。例えば、タッチパネル21によりユーザの「外出」のシーン制御の選択操作が受け付けられた後、制御部24は、「外出」のシーン制御を実行する前に、表示部22に外出時間の入力画面を表示させる。図15は、外出時間の入力画面の一例を示す図である。
【0081】
外出時間は、ユーザが建物80の外に出てから再び建物80に戻ってくるまでの時間を意味する。タッチパネル21によってユーザの外出時間の入力操作が受け付けられると、制御部24は、入力された外出時間に基づいて、空調機器32をオフするか否かを決定する(S64)。例えば、制御部24は、入力された外出時間の長さが所定時間以上である場合には空調機器32をオフすると決定し、入力された外出時間の長さが所定時間未満である場合には空調機器32をオフしない(現状の動作を維持する)と決定する。
【0082】
なお、空調機器32をオフするか否かは、外出時間に加えて、建物80内の温度、建物80外の温度、空調機器32の設定(設定温度、運転モード、風量など)、消費電力の履歴情報、及び、電気料金情報などの少なくとも1つをさらに用いて総合的に判断されてもよい。
【0083】
例えば、空調機器32をオフするか否かは、あらかじめ構築された機械学習モデルを用いて判定されてもよい。この機械学習モデルは、例えば、建物80内の温度、建物80外の温度、空調機器32の設定(設定温度、運転モード、風量など)、消費電力の履歴情報、電気料金情報、及び、ユーザの外出時間などの1つ以上の情報を入力情報とし、消費電力(または電気料金)を最小化するという観点(価値)に基づいて空調機器32をオフするべきか否かを示す情報を出力する。機械学習モデルが用いられる場合には、ステップS62において外出時間が入力されることは必須ではない。例えば、外出時間に代えて、「外出」のシーン制御の実行指示が行われた時刻が入力情報として使用されることにより外出時間が推定されてもよい。つまり、外出時間が間接的に特定されてもよい。
【0084】
そして、制御部24は、「外出」のシーン制御を実行する(S65)。「外出」のシーン制御において、空調機器32は、ステップS64の決定にしたがって制御される。空調機器32以外の機器は、ステップS61及びステップS62の設定にしたがって制御される。
【0085】
以上説明したように、動作例6では、制御システム10は、外出シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示が受け付けられた場合に、ユーザが外出する時間の長さに基づいて空調機器32をオフするか否かを決定する。動作例6によれば、制御システム10は、ユーザが外出するときに、空調機器32をオフするか否かを自動的に決定することができる。
【0086】
[変形例]
上記実施の形態では、制御システム10が、シーン制御の実行指示が受け付けられた直後に第一の機器の制御を実行し、実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に、第二の機器の制御を実行する例について説明された。しかしながら、制御システム10においては、シーン制御において少なくとも2つの機器の制御タイミングが異なればよい。例えば、制御システム10は、シーン制御において、3つ以上の機器を互いに異なるタイミングで制御開始してもよい。また、シーン制御において、シーン制御の実行指示が受け付けられた直後に制御が開始される機器は無くてもよい。つまり、シーン制御において全ての機器がシーン制御の実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に制御開始されてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、シーン制御の実行指示は、タッチパネル21への手動入力(操作入力)によって行われたが、マイクロフォン23への音声入力によって行われてもよい。
【0088】
また、上記実施の形態で制御装置20が実行する処理の一部または全部は、サーバ装置50によって実行されてもよい。例えば、制御装置20は、主としてユーザインターフェース装置として機能し、シーン制御に関する実質的な情報処理はサーバ装置50によって行われてもよい。
【0089】
[効果等]
制御システム10は、第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付ける入力受付部29と、実行指示が受け付けられた場合に、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する制御部24とを備える。
【0090】
このような制御システム10は、シーン制御における第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行することで、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0091】
また、動作例1では、制御部24は、実行指示が受け付けられた直後に、第一の機器の制御を実行し、実行指示が受け付けられてから所定時間の経過後に、第二の機器の制御を実行する。
【0092】
このような制御システム10は、第二の機器の制御を第一の機器の制御よりも遅らせることで、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0093】
また、動作例1では、制御部24は、第二の機器の制御を実行する前に、第二の機器の制御が開始されることを通知する。
【0094】
このような制御システム10は、第二の機器の制御を実行する前に、第二の機器の制御が開始されることを通知することができる。
【0095】
また、動作例1では、入力受付部29は、さらに、シーン制御の実行指示を受け付ける前に、第一の機器の制御の実行タイミング、及び、第二の機器の制御の実行タイミングの少なくとも一方の設定を受け付ける。制御部24は、実行指示が受け付けられた場合に、上記設定に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。
【0096】
このような制御システム10は、機器の制御の実行タイミングの設定をユーザから受け付けるため、ユーザの所望の柔軟な機器制御を実現することができる。
【0097】
また、動作例2では、入力受付部29は、さらに、シーン制御の実行指示を受け付けるときに、第一の機器の制御の実行タイミング、及び、第二の機器の制御の実行タイミングの少なくとも一方の設定を合わせて受け付ける。制御部24は、実行指示が受け付けられた場合に、上記設定に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。
【0098】
このような制御システム10は、シーン制御を行う直前に機器の制御の実行タイミングの設定を受け付けるため、ユーザは、現在の状況を考慮して制御の実行タイミングを指示することができる。つまり、制御システム10は、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0099】
また、動作例3では、制御部24は、実行指示が受け付けられた場合に、実行指示が受け付けられた時間帯に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。
【0100】
このような制御システム10は、シーン制御の実行が指示された時間帯に応じて第一の機器または第二の機器の制御タイミングを適応的に変更することができる。つまり、制御システム10は、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0101】
また、動作例4では、制御部24は、実行指示が受け付けられた場合に、実行指示が受け付けられたときの第一の機器及び第二の機器の周囲の環境に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。
【0102】
このような制御システム10は、シーン制御の実行が指示されたときの周囲の環境に基づいて第一の機器または第二の機器の制御タイミングを適応的に変更することができる。つまり、制御システム10は、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0103】
また、動作例5では、制御部24は、実行指示が受け付けられた場合に、第一の機器及び第二の機器のいずれとも異なる第三の機器の状態の変化に基づいて、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。
【0104】
このような制御システム10は、照明機器31の制御タイミングを電気錠33の施錠に連動させることができる。つまり、制御システム10は、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0105】
また、動作例6では、制御部24は、さらに、外出シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示が受け付けられた場合に、ユーザが外出する時間の長さに基づいて空調機器32をオフするか否かを決定する。
【0106】
このような制御システム10は、ユーザが外出する時間の長さに基づいて、空調機器32をオフするか否かを決定することができる。つまり、制御システム10は、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0107】
また、制御システム10などのコンピュータによって実行される制御方法は、第一の機器の制御、及び、第二の機器の制御を含む、生活シーンに関連付けられたシーン制御の実行指示を受け付け、実行指示が受け付けられた場合に、第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行する。
【0108】
このような制御方法は、シーン制御における第一の機器の制御と第二の機器の制御とを異なるタイミングで実行することで、柔軟な機器制御を実現することができる。
【0109】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0110】
例えば、上記実施の形態では、「外出」のシーン制御における制御タイミングの変更について具体的に説明されたが、本発明は、「外出」以外のシーン制御における制御タイミングの変更に適用されてもよい。
【0111】
また、上記実施の形態では、制御システムは、複数の装置によって実現されたが、単一の装置として実現されてもよい。例えば、制御システムは、制御装置に相当する単一の装置として実現されてもよいし、制御装置と同様の処理を行うサーバ装置に相当する単一の装置として実現されてもよい。制御システムが複数の装置によって実現される場合、制御システムが備える構成要素は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0112】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0113】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、上記実施の形態の動作例1~動作例6、及び、変形例は任意に組み合わされてよい。
【0114】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0115】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0116】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0117】
例えば、本発明は、制御システムなどのコンピュータが実行する制御方法として実現されてもよいし、このような制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0118】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0119】
10 制御システム
24 制御部
29 入力受付部
30 機器
32 空調機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15