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特許7417949同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォーム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20240112BHJP
   G06Q 20/32 20120101ALI20240112BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240112BHJP
   H04M 1/56 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H04M3/42 B
G06Q20/32 300
H04M11/00 302
H04M1/56
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020531725
(86)(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 US2018061450
(87)【国際公開番号】W WO2019133152
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】62/611,690
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/176,113
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520192577
【氏名又は名称】ニティッドハーマタット,トリシット
(73)【特許権者】
【識別番号】520192588
【氏名又は名称】マスリン,ティモシー
(73)【特許権者】
【識別番号】520192599
【氏名又は名称】インタナテ,ビラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニティッドハーマタット,トリシット
(72)【発明者】
【氏名】マスリン,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】インタナテ,ビラ
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-092620(JP,A)
【文献】特開2008-236323(JP,A)
【文献】国際公開第2017/079214(WO,A1)
【文献】特表2016-530818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00-11/00
G06Q 10/00-50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ダイヤラ識別子を有するダイヤラデバイスと、
着信者識別子を有する着信者デバイスと、
前記ダイヤラデバイスと前記着信者デバイスとの間で前記着信者識別子を使用して通話を開始するようにプログラムされている、ダイヤラと、
サーバと、
データベースと、
(i)前記ダイヤラデバイスに格納され、かつ(ii)第1のインタラクションデータ集合を前記データベースに前記通話中に送信するようにプログラムされている、第1のインタラクションマネージャと、
(i)前記着信者デバイスに格納され、かつ(ii)第2のインタラクションデータ集合を前記データベースに前記通話中に送信するようにプログラムされている、第2のインタラクションマネージャと、を備え、
前記サーバが、
前記第1のインタラクションデータ集合および前記第2のインタラクションデータ集合の両方からのデータを前記データベースに、前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子の両方に関連付けて格納し、
前記データベースから前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子の両方を使用して前のインタラクションデータを取得し、かつ、
前記前のインタラクションデータを通話中に前記着信者デバイスおよび前記ダイヤラデバイスの少なくとも1つに送信するするようにプログラムされ、
前記前のインタラクションデータは、少なくとも1つの前の通話中に前記データベースに格納されたデータであり、および、前記前のインタラクションデータは、前記第1のインタラクションマネージャからの少なくとも1つの、前の第1のインタラクションデータ集合と、前記第2のインタラクションマネージャからの少なくとも1つの、前の第2のインタラクションデータの集合と、を含んでいる、システム。
【請求項2】
分散台帳ネットワークの分散台帳をさらに備え、
前記サーバが、前記分散台帳ネットワークに通信可能に接続され、
前記分散台帳が、前記サーバおよび分散台帳技術を使用して前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子の両方に関連付けられた前記第1のインタラクションデータ集合および前記第2のインタラクションデータ集合を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1のインタラクションデータ集合が購入オーダーを含み、
前記第2のインタラクションデータ集合がインボイスを含み、
前記サーバが、(i)前記購入オーダーを前記データベースから取得し、(ii)前記インボイスを前記データベースから取得し、かつ(iii)支払処理要求を前記購入オーダーおよび前記インボイスを使用して作成するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記サーバが、(i)ダイヤラの口座の借方に第1の通貨で、前記支払処理要求を使用して記入し、かつ(ii)着信者の口座の貸方に第2の通貨で前記支払処理要求を使用して記入するようにプログラムされており、
前記第1の通貨および前記第2の通貨は、格納されている銀行口座ファンド、仮想通貨ファンド、およびクレジットカードファンドから選択される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記サーバが、
前記第1のインタラクションデータ集合の少なくとも一部分を前記着信者デバイスに前記通話中に送信し、かつ
前記第2のインタラクションデータ集合の少なくとも一部分を前記ダイヤラデバイスに前記通話中に送信するようにさらにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ダイヤラデバイスに格納されるローカルデータベースと、
ローカルデータベースマネージャであって、(i)前記ダイヤラデバイスに格納され、かつ(ii)前記ダイヤラが新規通話を前記ダイヤラデバイスと前記着信者デバイスとの間で開始するときに、前記データベースの前記第1のインタラクションデータ集合および前記第2のインタラクションデータ集合の両方からデータを取得するようにプログラムされている、ローカルデータベースマネージャと、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
ディスプレイマネージャであって、(i)前記ダイヤラデバイスに格納され、かつ(ii)表示コンテンツを前記ダイヤラデバイスのディスプレイに前記第2のインタラクションデータ集合の少なくとも一部分を使用して生成するようにプログラムされている、ディスプレイマネージャをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のインタラクションデータ集合の前記一部分は、前記着信者デバイスで生成されて前記ダイヤラデバイスに配信される販売提供物を含み、
前記表示コンテンツは、画像および前記販売提供物を含み、
前記画像は、前記データベースに前記着信者識別子に関連付けして格納される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイマネージャが、過去のインタラクション表示コンテンツを前記ダイヤラデバイスの前記ディスプレイに前記前のインタラクションデータを使用して生成するよ
うにプログラムされている、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
ディスプレイマネージャであって、(i)前記着信者デバイスに格納され、かつ(ii)表示コンテンツを前記着信者デバイスのディスプレイに前記第1のインタラクションデータ集合の少なくとも一部分を使用して生成するようにプログラムされている、ディスプレイマネージャをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のインタラクションデータ集合の前記一部分が、前記ダイヤラデバイスで生成されて前記着信者デバイスに配信される購入オーダーおよびレシートを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ディスプレイマネージャが、過去のインタラクション表示コンテンツを前記着信者デバイスの前記ディスプレイに前記前のインタラクションデータを使用して生成するようにプログラムされており、
前記前のインタラクションデータが、サードパーティに対して前記ダイヤラにより、前記サードパーティとの前の通話中に発注される購入オーダーである、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ダイヤラデバイスおよび前記着信者デバイスを接続するデータチャネルであって、前記第1のインタラクションデータ集合および前記第2のインタラクションデータ集合が、前記データチャネルを介して供給される、データチャネルと、
前記ダイヤラデバイスおよび前記着信者デバイスを接続する音声チャネルであって、前記通話が前記音声チャネルを介して行われる、音声チャネルと、
前記ダイヤラデバイスのダイヤラアプリケーション画面内のオーバーレイ部と、
前記着信者デバイスの着信者アプリケーション画面内の第2のオーバーレイ部と、をさらに備え、
前記表示コンテンツが、前記オーバーレイ部に提示され、
前記ディスプレイマネージャが、前記データチャネルのコントロールを前記オーバーレイ部に生成し、前記ダイヤラアプリケーション画面が、前記ダイヤラデバイスにより、前記音声チャネルの形成時に、前記データチャネルの形成とは関係なく提示され、
前記着信者アプリケーション画面が、前記着信者デバイスにより、前記音声チャネルの前記形成時に、前記データチャネルの前記形成とは関係なく提示される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
第1のディスプレイマネージャであって、(i)前記ダイヤラデバイスに格納され、かつ(ii)表示コンテンツを前記ダイヤラデバイスのディスプレイに前記第2のインタラクションデータ集合の少なくとも一部分を使用して生成するようにプログラムされている、第1のディスプレイマネージャと、
第2のディスプレイマネージャであって、(i)前記着信者デバイスに格納され、かつ(ii)表示コンテンツを前記着信者デバイスのディスプレイに前記第1のインタラクションデータ集合の少なくとも一部分を使用して生成するようにプログラムされている、第2のディスプレイマネージャと、をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記サーバが、前記データベースから、前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子の両方を使用して着信者コンテンツデータを取得するようにプログラムされ、
前記着信者コンテンツデータが、着信者プロファイルを記述し、
前記着信者プロファイルが、会社名、プロファイル画像、ならびに前記ダイヤラ識別子との関係の割り当て評価を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記サーバが、着信者コンテンツデータを前記データベースから前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子の両方を使用して取得するようにプログラムされており、
前記着信者コンテンツデータが、着信者プロファイルを記述し、
前記着信者プロファイルが、前記ダイヤラに関してカスタマイズされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記サーバが、
前記データベースから、前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子の両方を使用して着信者コンテンツデータを取得し、
前記着信者コンテンツデータが前記データベース中にないことを特定し、かつ
前記着信者コンテンツデータを、ウェブ検索を使用して、または前記着信者識別子を使用するサードパーティAPIを使用して動的に生成するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記サーバが、前記データベースから、前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子の両方を使用してダイヤラコンテンツデータを取得するようにプログラムされ、
前記ダイヤラコンテンツデータが、ダイヤラプロファイルを記述し、および
前記ダイヤラプロファイルが、ユーザ名、プロファイル画像、ならびに前記着信者デバイスとの関係の割り当て評価および前記着信者デバイスに関する割り当て評価を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記サーバがダイヤラコンテンツデータを前記データベースから前記着信者識別子および前記ダイヤラ識別子を使用して取得するようにプログラムされ、
前記ダイヤラコンテンツデータが、ダイヤラプロファイルを記述し、
前記ダイヤラプロファイルを、ダイヤラ構成可能な設定、および前記着信者デバイスに関連する信頼度を使用して制限する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記ダイヤラデバイスに格納されるアプリケーションをさらに備え、
前記ダイヤラデバイスが、オペレーティングシステムを備える携帯電話であり、
前記アプリケーションが、前記オペレーティングシステムで行う電話状態読み出し許可を有し、
前記アプリケーションは、
前記ダイヤラが通話を開始していることを示す放送を受信し、
前記着信者識別子を前記放送から取得し、かつ
前記着信者識別子を前記サーバに送信するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記ダイヤラデバイスに格納されるアプリケーションをさらに備え、
前記ダイヤラデバイスが携帯電話であり、
前記ダイヤラが、前記アプリケーションのモジュールであり、
前記アプリケーションが、
前記通話を開始する前に、前記着信者識別子を受信し、かつ
前記着信者識別子を前記サーバに送信するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記通話が、回路交換ネットワークを介して保持され、
前記第1のインタラクションデータ集合および前記第2のインタラクションデータ集合が、パケット交換ネットワークを介して送信され、
前記第1のインタラクションマネージャおよび前記第2のインタラクションマネージャが、前記ダイヤラデバイスと前記着信者デバイスとの間の少なくとも2つのインタラクションスレッドを管理する、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記通話が、パケット交換ネットワークを介して保持され、
前記第1のインタラクションデータ集合および前記第2のインタラクションデータ集合が、前記パケット交換ネットワークまたは第2のパケット交換ネットワークの一方を介して送信され、
前記第1のインタラクションマネージャおよび前記第2のインタラクションマネージャが、前記ダイヤラデバイスと前記着信者デバイスとの間の少なくとも2つのインタラクションスレッドを管理する、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記サーバが、
前記ダイヤラデバイスからのコマンドに応答して、テキストメッセージを前記着信者デバイスに送信するようにさらにプログラムされており、
前記テキストメッセージが、アプリケーションを前記着信者デバイスにダウンロードするためのリンクを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記ダイヤラデバイスに格納されるアプリケーションをさらに備え、
前記アプリケーションが、(i)ユーザインターフェース要素を前記ダイヤラデバイスのディスプレイに前記通話中に提示し、かつ(ii)前記ユーザインターフェース要素の選択に応答して、前記コマンドを前記サーバに送信するようにプログラムされている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
ダイヤラコンテンツデータがダイヤラプロファイルを記述し、
前記ダイヤラプロファイルが、ダイヤラ名、ダイヤラプロファイル画像、ならびに前記着信者識別子との関係の割り当て評価および前記着信者識別子に関する割り当て評価を含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月31日に出願された米国特許出願第16/176,113号および2017年12月29日に出願された米国仮出願第62/611,690号の利益を主張する。
【0002】
情報化時代では毎年、人々が情報を伝達し、広めることを可能にするためにより多くの方法が開発され続けているのを目の当たりにしている。しかしながら、電話による個人間の音声通信は、人々が通信するための最も効果的で好ましい方法の1つであり続けている。人々がインターネットを使用して検索を行う場合でも、人々は多くの場合、人々の検索を電話(phone call)で追跡調査する。実際、市場アナリストは、ローカルモバイルウェブ検索の48%が電話(telephone call)で終わっていることを見出している。さらに、人々は、商品またはサービスの購入を行う準備がほぼ整ったときにのみ取引の電話をかける傾向があるので、着信電話は最高の品質形態のセールスリード(見込み客の情報)として評価される。したがって、電話は、企業にとっては価値の高い潜在的な販売チャネルであり、個人にとっては価値の高い情報チャネルである。
【0003】
顧客および企業の両方のための音声インタラクションにより生成される情報の価値が高いにもかかわらず、音声インタラクションに関連する有用なデータは普通、一旦通話が終了すると失われる。これは、企業並みの通話管理システムを購入する余裕がない個人および中小企業に特に当てはまる。さらに、音声インタラクションの全ての利点に関して、音声インタラクションは、特定のタスクにおいては不十分である可能性があり、データコンテンツを同時に共有することにより強化される可視光通信は、より効率的となり得るものであり、例えば人の名前、レストランのオーダー、製品提供物の画像、または情報を使用して取引を完了させている人のクレジットカード番号を表示することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、商取引データプラットフォームに関する。プラットフォームは、音声通信にほぼ基づいているが、この音声通信を当該音声通信に関する貴重なデータを配信するとともに保持しながら強化する。複数のパーティがリアルタイムの商取引および個人的なインタラクションをコンテンツが豊富な音声対応ネットワーク環境で、コンテンツ/データを専用および公開ウェブベースおよびクラウドベースコンピューティング環境から取得し、コンテンツ/データを専用および公開ウェブベースおよびクラウドベースコンピューティング環境に能動的に書き込むデバイスを使用して行うことができる方法およびシステムが開示される。デバイスは、コンテンツをデバイスのユーザに対して表示する機能を備える携帯電話とすることができる。同じコンテンツ/データを用いて、プラットフォームを使用する能動的な将来のインタラクションを強化および個人化することにより、強力で持続的な相互に有益な個人企業間、企業間、および個人間の社会的関係を構築するエコシステムを提供して、これらのパーティ間の進行中の商取引およびインタラクションをさらに促進および推進する。
【0005】
現在、見込み顧客(ダイヤラ)が企業(着信者)に電話をかける場合、顧客は普通、音声通話全体を通じて表示される電話先の企業の電話番号だけを見ることになる。同様に、企業は、電話をかけてきた発信者の電話番号を企業のデバイスで見ることになる。現在、顧客または企業のいずれも、音声通話中にデータコンテンツを互いに同時に送信して通話体験を、互いに関する情報、現在の顧客のニーズ、および/または企業の提供物に関する情報、または顧客および企業が互いに対して行った可能性がある過去のインタラクションに関する任意の情報を視覚表示することにより充実させる機会をもつことができない。ダイヤラおよび着信者が音声通話自体の間に、ダイヤラおよび着信者それぞれのデバイスで貴重なデータコンテンツを共有して当該データコンテンツとのインタラクションを行って、両方のパーティの通話体験を充実させて任意の潜在的な取引を容易にする機能を実現する方法およびシステムが開示される。これは、例えばデータコンテンツをリアルタイムで共有し、過去のインタラクションデータを閲覧し、進行中のインタラクションを通話中に格納して、パーティ間の現在および将来のインタラクションをさらに強化することを含む。このように、これらのアプローチは、通話目的に関連するデータコンテンツがほぼ全くない現在の音声通話と、我々の体験を視覚的に充実させるデータコンテンツが表示される現代のインターネット時代とのギャップを埋める。また、通話中に授受されるインタラクションおよびデータコンテンツを格納することにより、本発明は、発信者および着信者の両方にパーティ間の関係の「記憶」を呼び起こすことができ、個人間のインタラクションをもつための次善の策となる。
【0006】
本開示は、商取引データプラットフォームを可能にするシステムを含む。システムは、ダイヤラデバイスと、着信者デバイスと、当該ダイヤラデバイスと着信者デバイスとの間で着信者の電話番号を使用して通話を開始するようにプログラムされている、ダイヤラと、サーバと、データベースと、を含む。システムはまた、ダイヤラデバイスに格納され、第1のインタラクションデータ集合をデータベースに通話中に送信するようにプログラムされている、第1のインタラクションマネージャを含む。システムはまた、着信者デバイスに格納され、第2のインタラクションデータ集合をデータベースに通話中に送信するようにプログラムされている、第2のインタラクションマネージャを含む。サーバは、着信者コンテンツデータをデータベースから着信者電話番号および/または他の固有識別子を使用して取得し、着信者コンテンツデータをダイヤラデバイスに送信し、ダイヤラコンテンツデータをデータベースからダイヤラ電話番号および/または他の固有識別子を使用して取得し、ダイヤラコンテンツデータを着信者デバイスに送信し、第1のインタラクションデータ集合および第2のインタラクションデータ集合の両方からのデータをデータベースに、着信者電話番号および/または他の固有識別子、ならびにダイヤラ電話番号および/または他の固有識別子に関連付けて格納するようにプログラムされている。本明細書において、および添付の特許請求の範囲に使用されるように、「識別子」という用語は、電話番号または他の固有識別子の両方を含む。
【0007】
本明細書において開示される同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームは、同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームを使用する消費者の関係マネージャを効果的に可能にすることにより、消費者を、複雑な関係管理ソフトウェアを有し、データマイニングを行う大企業と同じ立場に置くことができる。しかしながら、本明細書において開示される同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームを使用して、消費者は、様々なベンダーとの消費者の関係を管理して、大規模な消費者の商取引努力全体を、これらのベンダーとの効果的な通信チャネルの使用の他に、ほとんど労力を消費者の側で必要とすることなく追跡し続けることができる。実際、本明細書において開示される同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームは、企業並みの顧客関係マネージャが提供する機能以上の、かつ当該機能を超える追加機能を可能にし、当該商取引データプラットフォームにより、商取引データの管理が所定の関係にある消費者側およびベンダー側の両方で可能になるということから、商取引データプラットフォームではなく、商取引関係マネージャ(commercial relationship managers)と表記される必要がある。このようなことから、CRMという用語が本明細書において、単に消費者関係だけでなく、商取引関係を広く管理するプラットフォームの機能を指すために使用される。
【0008】
既に説明したように、本明細書において開示される同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームは、CRMの使用を、所定の関係にある消費者側およびベンダー側の両方で可能にし、CRMの使用を、消費者とベンダーとの間の効果的な通信チャネルを容易にすることにより行う。単にフラットなブランクの通話画面を提供するのではなく、本明細書において開示されるアプローチのうちいくつかのアプローチは、可視光通信レイヤを標準的な音声通信に付加する。消費者および/またはベンダーが表示画面を有するスマートフォンを使用して通信している本明細書において開示されるアプローチでは、商取引データプラットフォームは、情報をデバイスの画面に通話中に表示するのを可能にする。画面を使用して、ベンダーの施設および提供物に関する情報、一般的には、現在の通話の対象である特定の商品またはサービス、消費者とベンダーの過去の関係に関する情報、および消費者とベンダーとの間の効果的なインタラクションを容易にして、信頼関係を構築し、消費者およびベンダーの取引関係を向上させることができる任意の他の情報を表示することができる。
【0009】
上に説明した特徴の多くの特定の例が、以下の詳細な説明において提供される。しかしながら、開示される同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームの2要素からなる利点を説明するために、ピザオーダーに関する消費者の選択肢が電話の画面に音声通話中に表示される状況を考える。選択肢の表示は、消費者の選択過程を促進するが、これは、ピザの画像をベンダーがキュレートしてピザを魅力的に見せることができ、話し言葉だけでは伝わらない情報を供給することができるからである。可視光通信チャネルを含めることにより、オーダーの内容に関する誤伝達を防止することもできるが、これは、オーダーを消費者およびベンダーに対して同時に可視表示することができるからである。伝達見込みによる非常に多くの他の利点は、情報がプラットフォームにより実現される可視光チャネルを使用して提示されるという点で実現される。この情報がユーザに、同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームを介して供給されたという事実により、情報を格納して後の時点で使用することができる。消費者が当該ベンダーに電話をかける次の機会に、消費者の前のオーダーを入手してディスプレイに提示することになる、または非常に便利な方法で再オーダーすることになる。継続的な愛用に基づいて獲得したどのインセンティブまたはクーポンも、データを使用して追跡することもできる。さらに、インタラクションの履歴をベンダーが使用して、所定の支払期日が来たときのリピート顧客の注意度および大切な遵守事項を提供することができる、または特定の消費者にとって魅力的な追加の提供物を提案することができる。したがって、単に消費者およびベンダーがプラットフォームを使用してピザの画像、および当該ピザのオーダーのレシートを共有することを可能にすることにより、消費者およびベンダーの商取引関係を充実させる非常に多くの機会が生じる。
【0010】
上に説明したCRMの利点は大企業に限定されない。本明細書において開示される同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームを使用して、中小企業および個人は、貴重な商取引インタラクションデータに同じようにアクセスして商取引を充実させることができる。プラットフォームのユーザが使用するデバイスは、内蔵電話ダイヤラを備える基本パーソナルコンピュータ、スマートフォン、ダイヤラ接続機能を備えるウェアラブル、およびVoIPメッセージングアプリケーションを介して電話または音声通話を行うとともに、インタラクションデータをユーザに対して提示するために使用することができる任意の他のデバイスを含むことができる。実際、特定のアプローチでは、ユーザの1つのユーザだけが、インタラクションデータにアクセスする必要があり、他のユーザはプラットフォームに、他のユーザを介して間接的にのみ接続することができる。これらの例では、1つのユーザが基本電話機を利用することができ、インタラクションデータを他のユーザのデバイスからプラットフォームに送信することができる。例えば、1つのユーザがスマートフォンを操作することができ、データをプラットフォームにユーザのデバイスのアプリケーションを使用して、基本電話機を操作しているユーザと話しながら入力することができる。さらに、システムは、両方のユーザが音声およびデータをプラットフォームに供給することができるデバイスを有する状況から恩恵を受けるが、システムは両方のユーザが同じタイプのデバイスにアクセスする必要はない。
【0011】
同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームを使用することによりマイニングされ、人工知能および機械学習でさらに処理されたデータは、非常に多くのベンダーが使用して企業ネットワークおよびエコシステム全体をプラットフォームにほぼ基づいて容易にすることもできる。例えば、補完的なサービスを提供するベンダーは、インセンティブおよびプロモーションをユーザに、補完的な商品およびサービスの当該顧客による消費に関する知識に基づいて提供することができる。ベンダーは、全てのカテゴリーにわたる顧客消費の増加と引き換えに、団結してこれらのインセンティブのコストを分担することができる。データを使用して、プラットフォーム中心の流動性の通貨を、商取引データプラットフォームを使用する消費者に、プラットフォーム管理者またはプラットフォームを使用するベンダーのいずれかにより容易に提供することもできる。プラットフォームは通貨の使用の追跡を、当該通貨がプラットフォーム上のユーザ間取引に使用されたときに行うことができる。プロモーションの提供とは別に、特定の消費者の消費パターンに関する知識は、特定のベンダーが当該クライアントとのインタラクションを以前に行っておらず、逆に行っていた場合には、クライアントが、重要度の高い潜在的な取引関係における代表者であったことを知ることがなかったであろう場合でも、重要度の高い潜在的なクライアントに、所定の支払期日が来たときのクライアントの注意度および大切な遵守事項を提供するという点で有益となり得る。マイニングされ、人工知能および機械学習でさらに処理されたデータは、消費者が使用して、プラットフォームを大量または定期的に使用する他の消費者により消費されている特定の商品およびサービスのベンダーに関する、またはベンダーによる推奨を取得することもできる。これらの利点のより具体的な例、およびマイニングされたデータをどのようにして利用することができるかについては、以下の詳細な説明で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の特定の実施形態による、通話をダイヤラデバイスと着信者デバイスとの間で行って、音声およびデータコンテンツの同時転送を容易にする商取引データプラットフォームシステムを示す。
図2】本発明の特定の実施形態による、商取引データプラットフォームのデータモデルに関するデータベースによりインスタンス化することができるデータテーブルを提供する。図示のテーブルは、非限定的であり、例示目的である。
図3】本発明の特定の実施形態による、通話前に、および通話中に、ならびにデバイスがコンテンツをサーバから受信した後に情報を表示するダイヤラディスプレイを備えるダイヤラデバイス、および着信者ディスプレイを備える着信者デバイスを示す。
図4】本発明の特定の実施形態による、音声通話中に、および新規コンテンツをサーバから受信した後に情報を表示する図3のデバイスを示す。
図5】本発明の特定の実施形態による、音声通話の終了中に、および新規コンテンツをサーバから受信した後に情報を表示する図3のデバイスを示す。
図6】本発明の特定の実施形態による図1のシステムを使用する方法のフローチャートおよびブロック図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下は、同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームを容易にするシステムおよび方法の詳細な説明であり、システムおよび方法の詳細な説明の後には、このような同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームにより可能になる様々な機能の説明が続く。これらの例は非限定的であり、例示目的に提供される。例えば、この説明における多くの例は、会話の両方のパーティがスマートフォンまたは他のモバイルデバイスを利用している場合に限定されるが、本明細書において説明されるプラットフォームは、プラットフォームにアクセスするために使用されているデバイスがいずれの種類であるかに関係なく機能する。さらに、この説明における多くの例は、2つのパーティがプラットフォームをデータチャネルならびに音声チャネルと組み合わせて使用している場合に限定される。しかしながら、本明細書において開示されるアプローチは、一方のパーティのみがプラットフォームにデータチャネルまたは音声チャネルを介して接続されるかどうかに関係なく、特定の有益な機能を提供する。例えば、一方のパーティは音声チャネルにのみアクセスすることができ、データをプラットフォームに他方のユーザデバイスを介して間接的に供給することができる。別の例として、一方のパーティが音声チャネルを介して接続されない可能性があり、データチャネルを介してのみアクセスすることができる可能性がある。具体的には、ベンダーは、IVRシステムを確立して、全ての着信トラフィック通話を、デバイスをデータチャネルに音声チャネルを再び確立することなくルーティングすることにより処理することができる。
【0014】
図1は、同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームを容易にするために使用することができるシステム100を示している。システム100は、ダイヤラデバイス101および着信者デバイス102をほぼベースにしている。特定のアプローチでは、ダイヤラデバイス101および着信者デバイス102は、音声チャネルおよびデータチャネルの両方を介して接続される。音声チャネルは、2つのデバイスの間に接続され、回線交換ネットワークにより容易にすることができる標準的な音声通話とすることができる。しかしながら、パケット交換ネットワーク103により容易になるIP電話接続のような、2つのデバイスの間の任意の音声接続を利用することができる。パケット交換ネットワーク103は、VoIPまたは他のプロトコルを利用することができる。データチャネルは、パケット交換ネットワーク103とすることができ、プラットフォームにより管理されるサーバ104およびデータベース105を含むことができる。ネットワークはインターネットを含むことができる。ダイヤラデバイスおよび着信者デバイスは、音声通話をサポートすることができる任意のデバイスとすることができる。同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームは、音声チャネルおよびデータチャネルにアクセスする個別のデバイスを使用しているユーザと連携して機能することができるが、図1に示すシステムでは、両方のユーザが両方のチャネルにアクセスすることができるデバイスを使用している。例えば、デバイスは、音声を利用した電話機を、プラットフォームにインターネットのようなデータ接続を介してアクセスしながらサポートすることができるスマートフォンとすることができる。データチャネルは、通話中に表示されるスマートフォンのタッチ画面に提示されるインターフェースからアクセスすることができる。データチャネルインターフェースは、ダイヤラアプリケーションと一緒に表示することができ、個別のアプリケーションにより実現することができる、またはダイヤラアプリケーションは、データチャネルインターフェースの統合ウィンドウを含むことができる。データチャネルインターフェースは、データチャネルインターフェースの場合、通話期間中に普通未使用であり、不変であるダイヤラアプリケーション画面の画面オーバーライトまたは画面オーバーレイとすることができる、ダイヤラアプリケーション画面の内部に存在することができる、ダイヤラアプリケーション画面の一部として存在することができる、またはダイヤラアプリケーション画面上に存在することができる。デバイスは、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル、標準的な電話機、またはプラットフォーム固有の端末とすることもできる。図示の状況におけるユーザは、Jill Smithという名前の消費者、およびMario´s Pizzaという名称のベンダーである。しかしながら、プラットフォームは、ピア間通信および企業間通信を容易にするために使用することもできる。
【0015】
ダイヤラデバイスは、ダイヤラであって、当該ダイヤラと着信者デバイスとの間で着信者電話番号および/または他の固有の識別子を使用して通話を開始するようにプログラムされている、ダイヤラを含む。ダイヤラデバイスは、コマンドをユーザから従来のキーボード、音声のような可聴入力を使用してマイクロホンを介して受信し、タッチ入力を、タッチ画面を介して受信し、光センサまたは非可視光センサ、およびユーザ入力を供給する任意の他の手段により検出されるジェスチャを受信することができる。ダイヤラは、スマートフォンまたはコンピュータのアプリケーションである。アプリケーションは、コンピューティングデバイスのオペレーティングシステムの開発者により開発されたスマートフォンのようなコンピューティングデバイスの内蔵ダイヤラとすることができる。代替的には、アプリケーションは、プラットフォームで開発することができ、本明細書において説明されるデータチャネルへのアクセスを可能にするような、電話を確立する電話ダイヤラとして機能する他に、複数の機能を含むことができる。代替的には、アプリケーションは、2つのパーティの間の音声チャネルの形式化を、着信者電話番号および/またはこれらのパーティの1つのパーティに関連する他の固有識別子を使用して可能にするように構成されるソーシャルネットワーキングアプリケーションのようなサードパーティアプリケーションに統合することができる。ダイヤラは、着信者電話番号および/または他の固有識別子を音声コマンド、ハイパーリンクの選択、電話番号および/または他の固有識別子の手動入力、QRコード(登録商標)のスキャン、または番号をアプリケーションに供給する任意の他の方法により受信することができる。ダイヤラは、プラットフォームに使用されるために拡張された従来の電子電話のアプリケーションとすることもできる。ダイヤラアプリケーションは、音声通話を従来の回線交換ネットワークまたはボイスオーバーインターネットプロトコル(Voice over Internet Protocol:VoIP)のようなパケット交換ネットワークを介して確立することができる。これらの状況のいずれの状況においても、どのようにしてダイヤラが通話をダイヤラと着信者デバイスとの間で開始するかに関係なく、着信者電話番号および/または他の固有識別子が傍受されて、プラットフォームで使用されることになる。着信者電話番号および/または他の固有識別子を傍受する様々なアプローチが、以下により詳細に説明される。
【0016】
商取引データプラットフォームはまた、サーバおよびデータベースを含む。図示の通り、図1では、サーバおよびデータベースは、ダイヤラデバイスおよび着信者デバイスにネットワークを介して接続することができる。ネットワークはパケット交換ネットワークとすることができる。ネットワークはインターネットとすることができる。着信者デバイスとダイヤラデバイスとの間のデータチャネルは、着信者デバイスおよびダイヤラデバイス、ネットワーク、サーバ、およびデータベースのソフトウェアでサポートすることができる。データチャネルは、ダイヤラデバイスに格納されている第1のインタラクションマネージャ(IM)、および着信者デバイスに格納されている第2のインタラクションマネージャ(IM)でサポートすることができる。ダイヤラデバイスのインタラクションマネージャは、第1のインタラクションデータ集合(ID)をデータベースに通話中に送信するようにプログラムすることができる。着信者デバイスのインタラクションマネージャは、第2のインタラクションデータ集合(ID)をデータベースに通話中に送信するようにプログラムすることができる。デバイスが、プラットフォームで開発されて実現されるアプリケーションを含むアプローチでは、インタラクションマネージャは、これらのアプリケーションに含めることができる。プラットフォームで実現されるアプリケーションを備えるスマートフォンの特定の事例では、インタラクションマネージャは、ダイヤラデバイスのダイヤラと同じアプリケーションの一部とすることができる。
【0017】
サーバおよびデータベースは、クラウドベースプラットフォームの一部とすることができる。サーバは、ソフトウェアと、要求にネットワークを介して応答してネットワークサービスを供給することができる適切なコンピュータハードウェアと、からなる任意のシステムとすることができる。サーバは物理ハードウェアの単一ユニットとして図示されているが、サーバは複数の物理ハードウェアユニットを含むことができる。物理ハードウェアユニットは、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、および専用エンタープライズサーバブレードを含むことができる。物理ハードウェアユニットは、オフィスまたはデータセンターのような単一の物理的な場所に置くことができるが、これらのユニットは、個別のデータセンターまたはオフィスに配置してもよい。サーバは仮想サーバとすることができる。個々のネットワークサービスは、個々のサーバまたは複数のサーバ、ならびに物理ハードウェアの個々のユニットまたは物理ハードウェアの複数のユニットから供給することができる。サーバという用語は、本開示の特定の部分における複数のネットワークサービスを供給するシステムを記述するために使用されるので、複数のネットワークサービスが必ずしも、物理ハードウェアの単一ユニットから供給されている訳ではないことを意味している。データベースは独自仕様のデータベースとすることができ、以下の詳細な説明によるデータモデルを有することができる。このデータモデルは例示であり、より複雑なデータモデルは、データにアクセスするための異なるキーを含む数百のテーブルに使用することができる。データベースは、リレーショナルデータベースもしくは非リレーショナル(例えば、NoSQL)データベースとすることができる、または高速のリアルタイム挿入、更新、読み取りをサポートする任意の他のデータベース技術とすることができる。
【0018】
商取引データプラットフォームのデータモデルは、データベースでインスタンス化される複数のデータテーブルを含むことができる。テーブルは、ユーザ識別情報テーブル、ユーザ関係テーブル、コンテンツテーブル、インタラクションタイプテーブル、およびインタラクション事例テーブルを含むことができる。図2は、テーブル201、202、203、204、および205を含む商取引データプラットフォームの例示的なデータモデルを示している。図から分かるように、これらのテーブルを相互に関連付けて、商取引データプラットフォームを使用して行われる全てのインタラクションの完全なレコードを供給することができ、完全なレコードに後の時点でアクセスすることができ、完全なレコードを後の時点でマイニングすることができ、人工知能、機械学習、およびディープラーニングでさらに処理して、消費者およびベンダーの両方に豊富なデータを供給して、消費者およびベンダーによる後の時点のインタラクションを推進することができる。図示のように、着信者とダイヤラとの間のインタラクションデータは、ダイヤラおよび着信者の両方の電話番号または他の固有識別子に関連付けて格納することができる。さらに、いずれのデバイスのIMもプラットフォームに要求して情報を代替データベースから取得することができ、この情報を次に、プラットフォームのコンテンツテーブルに格納することになるので、商取引データプラットフォームのデバイスは、ソーシャルメディアデータベースのようなサードパーティデータベースに直接アクセスするか、または商取引データプラットフォームのデータベースを介してアクセスすることになる。代替的には、または組み合わせて、IMから要求されるコンテンツがデータベースに格納されていない場合、プラットフォームは、コンテンツをサードパーティデータベースに対して要求し、応答を動的に生成するように構成することができる。
【0019】
商取引データプラットフォームのデータベースは、着信者コンテンツ、ダイヤラコンテンツ、およびインタラクションデータを含むことができる。このデータには、様々な方法でアクセスして、プラットフォームを使用しているダイヤラと着信者との間の多数のインタラクションを容易にすることができる。図1に示すように、一旦、着信者電話番号または他の固有識別子がダイヤラからサーバに送信されると、サーバは着信者電話番号または他の固有識別子を使用して、着信者コンテンツデータをデータベースから取得し、当該着信者コンテンツデータをダイヤラデバイスに返送することができる。着信者コンテンツデータは、着信者のプロファイルを含むことができる。例えば、プロファイルは、ベンダーの提供物を宣伝する音声付きの静止画像、またはアニメーション画像および動画を含むカンパニーストアフロントとすることができる。ストアフロントは、会社名およびプロファイル画像を含むことができる。代替的には、着信者コンテンツデータは、データベースのインタラクションデータ集合へのリンクを含むことができ、通話が2つのデバイスの間で確立される前にダイヤラが着信者とのインタラクションを、プラットフォームを使用して開始することができるようにする。着信者番号は、以下により詳細に説明されるように、サーバに任意の数の方法で供給することができる。一旦、通話が確立されると、ダイヤラコンテンツデータを着信者デバイスに配信することができる。ダイヤラコンテンツデータも同様に、ダイヤラのプロファイルとすることができる。プロファイルは、ユーザ名およびプロファイル画像を含むダイヤラプロファイルとすることができる。ダイヤラコンテンツデータおよび着信者コンテンツデータの両方をプラットフォームのデータベースから直接プルすることができる、または両方のデータは、プラットフォームにより、他の情報ソースにインターネットを使用してアクセスすることにより、例えばサードパーティAPIを介して、着信者またはダイヤラ電話番号および/または他の固有識別子を使用してアクセスすることにより動的に生成することができる。例えば、着信者が依然としてプロファイルを有していない場合、着信者の電話番号をインターネット検索に使用して、企業の名称、場所、および企業のいくつかの画像を取得してプロファイルを生成してダイヤラデバイスに表示することができる。サーバは、プロファイルデータがないことを検出してプロファイルのこの動的な生成を開始するようにプログラムすることができる。
【0020】
プラットフォームを使用してインタラクション中にカウンターパーティに対して表示されるプロファイルデータは、構成可能とすることができ、カウンターパーティの識別情報に固有とすることができる。例えば、ユーザに選択肢を与えて、画像および他の情報を選択してユーザの識別情報として提示させることができる。プロファイルは、ユーザのストアフロントとすることができる。このプロファイルを生成することができることは、選択肢を選択することと、テンプレートに関する情報を入力することと、を含むことができる、またはこのプロファイルを生成する機能は、ドラッグアンドドロップWYSIWYGインターフェースのようなコンテンツを設計するよりフレキシブルなツールを関与させることができる。ユーザは、複数のプロファイルを構成し、システムを使用して表示することもでき、異なるルールをこれらの複数のプロファイルを表示する相手に関して設定することができる。ユーザは、コマーシャル用途の特定のプロファイルおよび個人向けの特定のプロファイルを設定することができる。ユーザは、プロファイル付き履歴を有する通話者に関する特定のプロファイル、およびプロファイル付き履歴を持っていない通話者に関する別のプロファイルを設定することができる。いずれのプロファイルコンテンツを配信する必要があるかを判断するために、プラットフォームはダイヤラの電話番号および/または他の固有識別子、ならびに着信者の電話番号および/または他の固有の識別子の両方を利用することができる。カスタマイゼーションのレベルは、個々の通話者のレベルまで、およびこれらの通話者の特定の関係および/または認証/許可レベルまでずっと低下する可能性がある。このレベルのカスタマイゼーションは、ユーザが自動ストアフロントをさらに一層カスタマイズすることができながら、プラットフォームにより自動的に実現することができる。例えば、Mario(マリオ)のピザからJill Smith(ジルスミス)に供給されるストアフロントは、プラットフォームにより自動的に設定されて、Jill(ジル)がMario(マリオ)に対して最後に発注したオーダー、およびジルがマリオに対してオーダーを普通に発注した回数を表示することができるが、ジルに選択肢を与えて、ジルがマリオに電話をかけたときのカスタマイズされた写真、例えばジルがマリオのレストランを訪れた最後に撮った写真をマリオに対して表示することができる。別の例として、プラットフォームは、人々が到達することができる各番号の信頼レベルを追跡し続けることができる。信頼レベルは、どのくらい多くの回数、インタラクションがプラットフォームを使用して当該ユーザとの間で行われたかに基づいて、および当該回数に基づいて、ならびにこれらのインタラクションが肯定的であったかどうかに基づいて上昇し続ける可能性がある。次に、ユーザは、表示対象の異なるプロファイルを、例えば信頼レベルが低すぎた場合に個人情報が表示されないままになっていた場合のこれらの信頼レベルに基づいて設定することができる。別の例として、プロファイルに表示される表示情報は、通話のカウンターパーティとの関係の割り当て評価を含むこともできる。割り当て評価は、プラットフォームにより、通話のパーティの間の前のインタラクションに由来する、プラットフォームに格納されている蓄積データに基づいて動的に生成することができる。より具体的には、ジルとマリオとの間の通話に戻ると、プラットフォームのデータを使用してグレード「A+」を生成し、マリオに対して表示してマリオにジルが、特別な配慮および注意を払って扱う必要があるリピート顧客であることを思い出させることができる。
【0021】
図3は、図1に示すように、発信操作前および発信操作中、ならびにサーバ104が着信者コンテンツおよびダイヤラコンテンツをそれぞれのデバイスに配信した後に情報を表示するダイヤラディスプレイ30を備えるダイヤラデバイス30、および着信者ディスプレイ30を備える着信者デバイス30の特定の例を示している。図から分かるように、デバイスの各デバイスに配信されるプロファイルは、着信者およびダイヤラの両方に固有である。この状況では、ユーザの各ユーザに配信されるプロファイル、例えばMario(マリオ)のプロファイル305およびJill(ジル)のプロファイル306も、プラットフォームまたは個々のユーザのいずれかがキュレートして、ユーザ間に既に確立されている関係を反映している。この図は、商取引データプラットフォームがどのようにして表示用データを生成することができるかの例を、前の(先の、以前の)インタラクションデータを使用して与えることもできる。ディスプレイ302および304の各ディスプレイでは、カウンターパーティは、どのくらいの頻度で前の(先の、以前の)インタラクションが行われてカウンターパーティとのユーザの関係にユーザが置くべき価値をユーザに思い出させるラベル「A+」を生成するようにランキングが割り当てられている。
【0022】
インタラクションデータを取得してプラットフォームが使用するようにする方法は、図1を参照して説明することもできる。インタラクションデータは、ダイヤラおよび着信者デバイスに供給して、ダイヤラおよび着信者デバイスから商取引データプラットフォームのサーバに、デバイスに格納されているインタラクションマネージャソフトウェアを使用して供給することができる。インタラクションマネージャは、情報をデータベースに対して要求し、情報をデータベースから受信することになる。インタラクションマネージャは、情報をサーバがアクセスする外部データベースから受信することもできる。インタラクションマネージャは、要求を送信することなくデータベースからプッシュされるデータを受信することができる。このようなことから、プラットフォームのデータチャネルに沿った2つのデバイスの間のインタラクションを容易にするソフトウェアは、サーバ、ダイヤラデバイス、および着信者デバイスの間で分散させることができる。第1および第2のインタラクションマネージャは第1および第2のインタラクションデータ集合をデータベースにダイヤラデバイスと着信者デバイスとの間の通話中に送信するようにプログラムすることができる。インタラクションデータは、データベースに格納して後の時点で使用することができる。インタラクションデータは、通話中のダイヤラと着信者との間のインタラクションに関連する任意のデータとすることができる。例えば、第2のインタラクションデータ集合は、着信者からダイヤラにデータチャネルを介してプッシュされるメニューを含むことができ、第1のインタラクションデータ集合は、ダイヤラにより選択される当該メニューのアイテムを含むことができる。これらの状況では、インタラクションデータはデータベースに格納されており、プラットフォームを介して1つのデバイスから別のデバイスに渡されて、デバイス間の現在のインタラクションを容易にし、サーバおよびデータベースが2つのデバイスの間のデータチャネルの一部として機能するようになる。例えば、ベンダー着信者から消費者ダイヤラに送信されるインタラクションデータはセールスオファーとすることができるのに対し、消費者ダイヤラからベンダー着信者に返送されるインタラクションデータは、当該オファーに応答して生成される購入オーダーとすることができる。任意のコマーシャルインタラクションは、このデータチャネルを介して、様々なタイプのデータを送信することにより容易にすることができる。前の例に従って、インタラクションは、追加のインタラクションデータを付加してベンダー着信者から消費者ダイヤラに送信されるレシートの形式で継続することができる。データを、プラットフォームを介してチャネリングするとともに、プラットフォームにより格納して後の時点で使用する。インタラクションデータは、ダイヤラデバイスからプラットフォームに供給されて支払プロセッサに転送される支払情報のような、1つのデバイスから他のデバイスに供給されない情報を含むこともできる。支払情報が着信者デバイスに供給されない場合でも、支払情報がダイヤラと着信者との間のインタラクションに関連し、支払情報が最終的にデバイスのうち1つのデバイスに供給されるので、支払情報は、本明細書においては、依然としてインタラクションデータと表記することができる。
【0023】
通話中に供給されるインタラクションデータは、デバイスの各デバイスによりサーバにプッシュされるインタラクションデータ部分集合とすることができる。デバイス間で送信されるインタラクションデータは、着信者とダイヤラとの間の高レベルのインタラクションを容易にすることができる。特定のアプローチでは、商取引データプラットフォームのデータチャネルが仮想テーブル面として機能して、ダイヤラおよび着信者が連携することができ通話中に送信されるインタラクションデータは、このテーブル面に表示される。ダイヤラと着信者との間で授受されるインタラクションデータはデータベースに保存され、次に利用可能となって現在の音声通話だけでなく任意の将来の通話を充実させることができる。経時的に、全ての過去のインタラクションの豊富な履歴が取得され、履歴を両方のパーティが容易に利用可能となって、パーティ間の長期的な関係をさらに充実させることができる。
【0024】
Jill(ジル)およびMario(マリオ)の例では、マリオがジルのオーダーを受けると、マリオがテーブルを使用してクーポンまたはお買い得品をジルにリアルタイムで提示することができる。マリオは、ジルが以前にテーブルを予約してジルに今年再びマリオで祝う機会を与える特別イベントの到来記念日のようなジルに関する情報をデータベースからプルすることもできる。ジルは、マリオがマリオとジルの通話中にリアルタイムで供給することができる、大規模なパーティのためのレストランの新しいエグゼクティブプライベートルームの内部の写真のような追加情報を要求することもできる。データチャネルを使用して、マリオがジルに、マリオおよびジルの通話の終わりに次のオーダーのクーポンを与えることもでき、クーポンの画像がジルの電話にインタラクションデータの形式で供給され、データベースに格納されてジルにより、マリオに電話をかける次の機会に使用された。データチャネルを使用して、プラットフォームに参加する全てのベンダーが使用することができる特殊通貨のようなプラットフォーム全体のインセンティブを与えることもできる図4に示すように、音声通話中に、および新規コンテンツをサーバ104から受信した後に、ジルの電話のディスプレイ304は、着信者デバイスが情報307を受信しているのを表示することができ、情報307は、例えばジルがジルの嗜好に従って受け取ることになる食品のオーダーを受ける準備を整えていることを示している。マリオの電話のディスプレイ302は、ダイヤラデバイスが情報308を受信しているのを表示することができ、情報308は、同じ例において、ジルがジルの食品の購入を確認したことを示している。図5に示すように、音声通話の終了中に、および新規コンテンツをサーバ104から受信した後に、デバイスは追加メッセージを表示することができる。このような追加メッセージの非限定的な例は、要約メッセージ309、推奨メッセージ310、およびデータ同期メッセージ311とすることができる。
【0025】
図6により与えられるシステム図に記載されているように、ダイヤラを備えるダイヤラデバイス501および着信者デバイス502は、商取引データプラットフォームの機能を容易にするのに役立つ追加ソフトウェア要素を含むことができる。例えば、各デバイスは、ディスプレイマネージャおよびデータベースを含むことができる。図6に示す1つの例では、ダイヤラデバイス501は、ディスプレイマネージャ503を有することができ、クラウドデータベース504に接続することができ、着信者デバイス502は、ディスプレイマネージャ505を有することができ、同じクラウドデータベース504に接続することができる。ディスプレイマネージャ503および505は、コンテンツをプラットフォームの全てのデータソースから継続的に受信することができ、コンテンツをプラットフォームで構成されるデバイス所有者のアカウントに基づいて表示することができる。ディスプレイマネージャ503および505は、これらのマネージャがインストールされているデバイスのローカルディスプレイ管理機能を実行する。クラウドデータベース504は、ローカルデータベース、プラットフォームデータベース、および商取引データプラットフォームに使用することができる他のデータベース構成の品質および機能を含むことができる。ディスプレイマネージャ503および505は、インタラクションマネージャと連携して動作してデータをクラウドデータベース504に対して要求し、当該データがデバイスに提示される前にサーバから配信されるデータをフィルタリングすることができる。例えば、インタラクションマネージャは、ユーザに一連の金貨が供給されていたことを示唆することができ、ディスプレイマネージャ503は、特定の画像をユーザが選択してこれらの硬貨を表示していた当該特定の画像をクラウドデータベース504から選択することができる。ディスプレイマネージャ503および505は、表示コンテンツをデバイス501および502のディスプレイに、クラウドデータベース504のインタラクションデータを使用して生成するようにプログラムすることができる。例えば、インタラクションデータは、表示コンテンツが販売提供物を視覚に訴えるようにするために使用される画像を構成しながら着信者により生成されてダイヤラデバイス501にデータベースおよびサーバを介して配信される販売提供物を含むことができる。画像は、クラウドデータベース504に着信者の電話番号および/または固有識別子に関連付けて格納することができる。ディスプレイマネージャ503および505は普通、それぞれのデバイス501および502のディスプレイのインタラクションマネージャにより供給されるコンテンツをフォーマット化することができる。このようなことから、インタラクションマネージャが異なる実施態様で比較的安定したままになった状態でディスプレイマネージャ503および505を大幅に変更することができるので、クロスプラットフォームを実施することに関連する開発労力を減らすことができる。クラウドデータベース504は、システムデバイスにローカルにインストールされているローカルデータベースマネージャにより管理することができる。例えば、ダイヤラデバイス501はローカルデータベースマネージャ506を有することができ、着信者デバイス502はローカルデータベースマネージャ507を有することができる。代替的には、システムデバイスは、当該システムデバイスにインストールされてローカルデータストレージを各デバイス上で可能にするローカルデータベース要素を有することができる。ローカルデータベースを備えるデバイスは、個別に動作することができる、またはクラウドデータベース504と連携してデータベースネットワークの一部として動作することができ、ローカルデータベースマネージャ506および507のようなそれぞれのデバイスのローカルデータベースマネージャにより管理することができる。ダイヤラデバイス501のデータベースマネージャ506は、データを、ダイヤラが新規通話をダイヤラデバイス501と着信者デバイス502との間で開始するときには必ず、特定のダイヤラと着信者との間の過去のインタラクションに関するインタラクションデータから取得するようにプログラムすることができる。データベースに格納されている過去のインタラクションは、図6に示す例示的なデバイスディスプレイに表示されるように、通信パーティのトランザクション履歴、または通信パーティに関する注記を含むことができる。クラウドデータベース504を使用して、サーバとダイヤラデバイス501との間のネットワークのトラフィック量を、特定のデバイスのディスプレイマネージャ503により頻繁にアクセスされたデータを格納することにより制限することができる。例えば、Jill(ジル)がMario(マリオ)の常連の顧客だった場合、マリオのロゴをジルのデバイスに格納して、ジルが電話でマリオのプロファイルを読み込むたびに取り出すことができる。ローカルデータベースマネージャは、特定のダイヤラ、着信者、またはインタラクションコンテンツデータが、デバイスにインタラクションの間にこの目的で存在することを確実にすることができる。
【0026】
ユーザに提示されるユーザインターフェースは、多くの形態を採ることができる。ユーザインターフェースは、データチャネルおよび音声チャネルのコントロールおよび情報を個別に、または同時に表示することができる。データチャネルインターフェースは、ダイヤラアプリケーションと一緒に表示することができ、個別のアプリケーションにより実現することができる、またはダイヤラアプリケーションは、データチャネルインターフェースの統合ウィンドウを含むことができる。データチャネルインターフェースは、データチャネルインターフェースの場合、通話期間中に普通未使用であり、不変であるダイヤラアプリケーション画面の画面オーバーライトまたは画面オーバーレイとすることができる、ダイヤラアプリケーション画面の内部に存在することができる、ダイヤラアプリケーション画面の一部として存在することができる、またはダイヤラアプリケーション画面上に存在することができる。ダイヤラアプリケーション画面は、ダイヤラデバイス501の内蔵ダイヤラアプリケーションの通話画面とすることができ、通話終了ボタンまたはミュートボタンのような標準コントロールを表示することができる。個別のダイヤラと連携して動作する個別のプラットフォームアプリケーションにより管理されているデータチャネルの特定の例では、プラットフォームアプリケーションは、データチャネルおよび音声チャネルの両方を処理するために十分なコントロールを提示することができる。例えば、通話を傍受した後、音声チャネルは開放されたままであり、プラットフォームアプリケーションは画面に完全に重なって、データチャネルとのユーザインターフェースを表示し、インタラクティブデータコンテンツは、外部の追加アプリケーションに切り替わる必要を伴うことなく現われる。「ミュート」および「スピーカフォン」のようなコントロールはこの時点で、同じユーザインターフェース内で利用可能となり、元のダイヤラアプリケーションインターフェースに戻る必要がなくなる。通話中、ユーザが通話を開始した元のダイヤラアプリケーションインターフェースに戻りたいと考える場合にはいつでも、ユーザはユーザインターフェースのアイコンを叩いて元のダイヤラ画面に戻ることができる。
【0027】
プラットフォームと連携して使用されるデバイスは、リアルタイムインタラクションマネージャおよび通話マネージャ508を含むこともできる通話マネージャ508は、音声通話の継続および音声通話自体をサポートすることができ、ユーザは必要に応じて、ダイヤラおよび電話コントロールにアクセスすることができる。通話マネージャ508は、音声チャネルをデータチャネルとは無関係にサポートすることもできる。リアルタイムインタラクションマネージャは、発信者と着信者との間のインタラクションを継続的に管理して、発信者および着信者の全てのインタラクションがクラウドデータベース504に記録されるのを確認することができる。リアルタイムインタラクションマネージャは、データをクラウドデータベース504および外部サードパーティデータベースに書き込み、クラウドデータベース504および外部サードパーティデータベースから読み出すことができる。2つのコンポーネントは一体となって、複数のデバイスを音声チャネルおよびデータチャネルに同時に使用するのをサポートすることができる。インタラクションマネージャは、全てのインタラクションスレッド510およびアクティビティを、データチャネルを介して進行中の通信の間に管理および格納することもできる。リアルタイムインタラクションマネージャは、上に説明したインタラクションマネージャを含むいずれのデバイスにも格納されているソフトウェア、ならびにプラットフォームのサーバのソフトウェアを含むことができる。インタラクションマネージャは、ダイヤラデバイスと着信者デバイスとの間の少なくとも2つのインタラクションスレッド510を管理することができ、データチャネルを介して実現されるインタラクティビティレベルに応じて、さらに多くのインタラクションスレッドを管理することができる可能性がある。代替的には、および上に説明した実施形態に関して、インタラクションマネージャおよびリアルタイムインタラクションマネージャの機能は、商取引データプラットフォームシステムにおいて、インタラクション管理システム509により実行することができる。インタラクション管理システム509は、クラウドベースシステムを使用して遠く離れた場所で操作することができ、ダイヤラデバイス501および着信者デバイス502の両方と通信接続して、両方のデバイスのインタラクションマネージャ機能を実行することができる。
【0028】
ディスプレイマネージャ503および505、ならびにインタラクションマネージャのような、上に説明したデータチャネルに関与するデバイスのソフトウェアモジュールおよびコンポーネントは、単一のアプリケーションまたは複数のアプリケーションにより管理することができる。また、音声チャネルに関与するダイヤラおよび通話マネージャ508は、単一のアプリケーションまたは複数のアプリケーションにより管理することができる。さらに、いずれのチャネルにも関連するコンポーネントは、単一のアプリケーションまたは複数のアプリケーションにより管理することができる。1つのアプローチでは、プラットフォーム管理者により供給され、ダイヤラのスマートフォンのようなデバイスに格納される単一のアプリケーションは、統合ダイヤラを含むことができ、アプリケーションが電話を開始すること、プラットフォームに警告してデータチャネルを開放させること、両方のチャネルを通話中に管理することが同時に行われるようにした。当該アプリケーションのモジュールとしてのダイヤラは、通話を開始する前に着信者電話番号および/または他の固有識別子を受信し、着信者電話番号および/または他の固有識別子をサーバに送信して着信者コンテンツを取得してダイヤラに対して表示し、データチャネルを確立させるようにプログラムされている。別のアプローチでは、2つの個別のアプリケーションに、プラットフォームとの通話および通信を行わせることができる。ダイヤラは、スマートフォンオペレーティングシステムの内蔵ダイヤラアプリケーションとすることができる。代替的には、ダイヤラは、スマートフォンにインストールされる、またはソーシャルネットワーキングアプリケーションの統合ダイヤラのような他のコンピューティングデバイスのオペレーティングシステムにインストールされる別のサードパーティアプリケーションのモジュールとすることができる。スマートフォン実施態様では、プラットフォームに代わって着信者電話番号および/または固有識別子を傍受するために使用される個別のアプリケーションは、電話状態読み出し許可を行うスマートフォンオペレーティングシステムの別のアプリケーションとすることができる。次に、個別のアプリケーションは、ダイヤラが通話を開始したことを示す放送を受信し、着信者電話番号を放送から取得し、着信者電話番号および/または他の固有識別子をサーバに送信することができる。いずれの場合においても、着信者電話番号および/または他の固有識別子をプラットフォームに渡すために使用されるアプリケーションは、プラットフォーム管理者により、アプリケーションストアのようなネットワークコンテンツ配信システムを介して供給することができる。
【0029】
アプリケーションは、ユーザのデバイスにインストールして維持することができる。1つのシナリオでは、潜在的なユーザはプラットフォームアプリケーションをユーザのモバイルデバイスにダウンロードし、当該アプリケーションをインストールする。同時に、ユーザは、ユーザのモバイルデバイスを構成して、アプリケーションのアップグレードを経時的に受信することができるようにする。次に、ユーザは、ユーザのプラットフォームアプリケーションを、例えばユーザプロファイルを設定する、ストアフロントをカスタマイズする、いずれのプロファイルをいずれのユーザに対して表示するかについて、および他の選択肢を構成することにより構成することができる。ユーザは、招待状をアプリケーションインターフェース内から送信することにより、他のユーザを招待してプラットフォームに参加させることができる。ユーザは、招待状を特定の人々に送信するコマンドを、例えばユーザの電話番号をアプリケーションに入力することにより供給することができる。次に、プラットフォームは、テキストメッセージをこれらのユーザに、アプリケーションをダウンロードするためのリンクを添付して発送する。
【0030】
ユーザを招待してプラットフォームに参加させる別の方法は、単にユーザに電話をかけることである。ユーザは、通話を誰かのユーザから受信するためにプラットフォームアプリケーションをインストールする必要はない。着信者は通話を、着信者が普段行っているのと同じ方法で受信することができ、次に通話中に招待されてプラットフォームに参加することができる。しかしながら、ダイヤラデバイスのアプリケーションは、着信者がまだシステム内に居なかった旨の応答をプラットフォームから受信することができる。次に、ユーザインターフェース要素をダイヤラデバイスのディスプレイに、場合によっては動的に生成された着信者の一時的なプロファイルと一緒に提示してダイヤラに、着信者を招待することができることを通知することができる。このユーザインターフェース要素を選択すると、プラットフォームは、テキストメッセージを着信者デバイスに、プラットフォームアプリケーションをダウンロードするためのリンクを添付して送信することができる。ダイヤラに対して、着信者をプラットフォーム、クーポン、または他のインセンティブを伴う通貨のようなインセンティブのユーザを介して招待するように動機を与えることができる。プラットフォームは、インセンティブをカスタマイズすることができ、当該インセンティブをユーザインターフェース要素と一緒に、着信者またはダイヤラの識別情報に基づいて表示することができる。採択を確実に行うために、ダイヤラに可聴キューを電話で与えて、着信者が実際にテキストメッセージを受信した、またはアプリケーションを着信者のデバイスにインストールしたことを示すことができる。着信者がプラットフォームに参加するための措置を講じた場合、可聴キューを、音声チャネルを介して与えて、ダイヤラおよび着信者の両方が確実に聴取することができるようにする。
【0031】
上に説明したように、商取引データプラットフォームは、サードパーティデータベースのような追加のデータソースにアクセスすることにより拡張可能とすることができる。さらに、商取引データプラットフォームは、個別のプラットフォーム全体とのインタラクションを行うために使用されるAPIを使用することにより拡張可能とすることができる。1つの特定の例では、プラットフォームデータベースは、外部インセンティブプラットフォームの実ソースとして使用することができる。商取引データプラットフォームのリアルタイムインタラクションマネージャを使用して、商取引データプラットフォームデータベースの特定部分を外部データベースとAPIを使用することにより同期させることができる。1つのタイプの同期用APIは、分散台帳技術(distributed ledger technology)とすることができる。分散台帳は、複数のストレージロケーションを介して格納および同期されるデータ集合を含むことができる。分散台帳、および分散台帳に相当する分散台帳を構成するデータは、分散台帳ネットワークと呼ばれるデバイスのネットワークに格納することができる。分散台帳データの1つの例は、インセンティブプラットフォームの台帳テーブル集合とすることができ、ベンダーおよび顧客は、硬貨またはカードを商品およびサービスに関して授受することができる。分散台帳データの別の例は、商取引を形成し、取引の2つのパーティに関連付けて格納される第1のインタラクションデータ集合および第2のインタラクションデータ集合とすることができる。例えば、第1および第2のインタラクションデータ集合は、購入オーダーおよびインボイスを含むことができる。商取引データプラットフォームで行われるインタラクションは、データをこれらの外部プラットフォームから取り出すことができる、またはこれらの外部プラットフォームにプッシュすることができるという意味でこれらの外部プラットフォームを関与させることができる。この状況では、顧客は、インセンティブの報酬を売り手から受け取って、別の顧客に売り手を紹介する。当該一連の取引に関連する多くのインタラクションの全てが容易になり、商取引データプラットフォームにより記録され、外部インセンティブプラットフォームを更新するために使用される。したがって、APIおよびリアルタイムインタラクションマネージャを使用することにより、任意の数の外部サービスをサービスとして商取引データプラットフォームに追加することができ、基本的にデータを、当該プラットフォームで行われるインタラクションの全てからマイニングして、いずれのベンダー小売店についても完全な商取引追跡可能性およびトレーサビリティを保証する単一のフリクションレスシステムに送り込むことができ、顧客付加価値を一連のインタラクションに付けて、例えば金貨および見込みインセンティブで支払うことができる合意された報酬で補償される。
【0032】
同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォーム(Simultaneous Voice and Data Content Driven Commercial Data Platform)は、最大限に可能な詳細レベルで、企業取引を行う非常に多くのエンティティの間で行われる包括的な一連の全インタラクションを追跡し、これらのインタラクションは、エンティティのネットワークとエンティティ自体、または他のエンティティとの間で、確実に、安全に、および上の全信頼度で行われるインタラクションを含む。 これらのトランザクション、および任意のインセンティブおよび報酬システムをサポートするためには、国固有の従来の通貨、プラットフォーム専用通貨、および任意の許可されている外部承認暗号通貨を含む任意の種類の通貨のサポートを必要とする。商取引データプラットフォームは、これらの通貨間の兌換性を容易にする、例えば異なる通貨を使用する一連の連続するデビット取引およびクレジット取引により容易にし、通貨取引所として機能する。商取引データプラットフォームで使用可能な通貨は、グローバルバンキングシステムの様々な国の事業体により裏付けられて格納されている銀行口座ファンド、仮想通貨ファンド、クレジットカードファンドを含むことができる。通貨に関係なく、全ての取引を表わす取引の台帳は、改ざん防止を必要とするので、商取引データプラットフォームは、任意の現在または将来の機構、システム、プロセス、および技術の能力範囲を最大限に活用して、進行中の高信頼度のセキュアで拡張可能な保護対象商取引データプラットフォーム完全性を構築して確実にし、商取引データプラットフォーム完全性は、これに限定されないが、BlockchainおよびHolochainと同様の分散台帳技術(DLT)のような技術の使用により構成される。
【0033】
上に説明した商取引データプラットフォームおよび技術の使用により、消費者間取引関係、企業消費者間取引関係、および企業間取引関係を強化する多数の機会が生み出される。パーティ間のデータフローは、当該データをマイニングしているマイニング先の現在のインタラクション、およびパーティがより強力な提携および取引関係を構築するときのパーティ間の将来のインタラクションの両方を充実させる。この目標を促進するために、データをマイニングして、ビッグデータ分析、人工知能、自然言語処理(NLP)、機械学習、ディープラーニング、ディープ人工ニューラルネットワークでさらに処理することができる。これらの利点は、商取引データプラットフォームが提供する豊富なコンテンツおよびインタラクティビティのいくつかを示す複数のシナリオで以下に説明される。シナリオは、上位で、2つのシナリオ集合に分解することができる。一方のシナリオ集合では、ダイヤラは着信者とのインタラクションを、上に説明した音声チャネルおよびデータチャネルの両方を使用して行う。他方のシナリオ集合では、ダイヤラは着信者とのインタラクションをデータチャネルのみを使用して行う。シナリオは、本開示によるシステムの使用の特定の例であり、添付の特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。Phonefullyは、同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームの例として提供され、Phonefully専用データストア(PPDS)は、同時音声およびデータコンテンツ主導型商取引データプラットフォームのデータベースの例として提供され、Phonefully Appは、プラットフォームアプリケーションの例として提供され、発信者は顧客ダイヤラの例として提供され、Mario(マリオ)はベンダー着信者の例として提供される。
【0034】
本明細書は、本発明の特定の実施形態に関して詳細に説明されているが、当業者であれば、これまでの説明の理解を得ると、これらの実施形態の変更、変形、および均等物を容易に想到することができることを理解できるであろう。上に説明した方法ステップのいずれも、これらの方法ステップの命令を格納する非一時的なコンピュータ可読媒体で動作するプロセッサにより行うことができる。コンピュータ可読媒体は、パーソナルユーザデバイス内のメモリまたはネットワークアクセス可能なメモリとすることができる。本発明のこれらの修正および変形、ならびに他の修正および変形は、当業者により、添付の特許請求の範囲にさらに具体的に示される本発明の範囲から逸脱することなく実施することができる。
図1
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図6