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特許7417951リチウムイオン伝導性固体電解質材料、およびこれを用いた電池
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  • 特許-リチウムイオン伝導性固体電解質材料、およびこれを用いた電池 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】リチウムイオン伝導性固体電解質材料、およびこれを用いた電池
(51)【国際特許分類】
   H01B 1/06 20060101AFI20240112BHJP
   H01M 10/0562 20100101ALI20240112BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240112BHJP
【FI】
H01B1/06 A
H01M10/0562
H01M10/052
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020562359
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(86)【国際出願番号】 JP2019037203
(87)【国際公開番号】W WO2020137043
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】P 2018248584
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107641
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 耕一
(74)【代理人】
【識別番号】100143236
【弁理士】
【氏名又は名称】間中 恵子
(72)【発明者】
【氏名】境田 真志
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 晃暢
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-257241(JP,A)
【文献】国際公開第2015/079509(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 1/06
H01M 10/0562
H01M 10/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン伝導性固体電解質材料であって、
Li、La、O、およびXから構成され、
ここで、
Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、
前記リチウムイオン伝導性固体電解質材料は、以下の組成式(1)により表され、
Li 2+b-3a La a OX b ・・・(1)
ここで、以下の数式
1.0≦a≦2.0、および
1.5≦b≦6.0、
が充足される、
リチウムイオン伝導性固体電解質材料。
【請求項2】
請求項1に記載のリチウムイオン伝導性固体電解質材料であって、
Xは、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む、
リチウムイオン伝導性固体電解質材料。
【請求項3】
電池であって、
正極、
負極、および
前記正極および前記負極の間に配置されている電解質層、
を備え、
前記正極、前記負極、および前記電解質層からなる群より選択される少なくとも1つは、請求項1または2に記載のリチウムイオン伝導性固体電解質材料を含有する、
電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウムイオン伝導性固体電解質材料、およびこれを用いた電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、硫化物固体電解質材料が用いられた全固体電池を開示している。特許文献2は、インジウムを含有するハロゲン化物固体電解質材料が用いられた全固体電池を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-129312号公報
【文献】特開2006-244734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、高いリチウムイオン伝導度を有する固体電解質材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のリチウムイオン伝導性固体電解質材料は、Li、La、O、およびXから構成され、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。
【発明の効果】
【0006】
本開示は、高いリチウムイオン伝導度を有する固体電解質材料を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第2実施形態による電池1000の断面図を示す。
図2図2は、第2実施形態による電極材料1100の断面図を示す。
図3図3は、固体電解質材料のイオン伝導度を評価するために用いられる加圧成形ダイス300の模式図を示す。
図4図4は、実施例1による固体電解質材料のインピーダンス測定結果のCole-Cole線図を示すグラフである。
図5図5は、実施例1による二次電池の初期充放電特性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態が、図面を参照しながら説明される。
【0009】
(第1実施形態)
第1実施形態によるリチウムイオン伝導性固体電解質材料(以下、「第1実施形態による固体電解質材料」と呼ばれる)は、Li、La、O、およびXから構成される。Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素である。第1実施形態による固体電解質材料は、高いリチウムイオン伝導度を有する。
【0010】
第1実施形態による固体電解質材料は、充放電特性に優れた電池を得るために用いられ得る。当該電池の例は、全固体二次電池である。
【0011】
第1実施形態における固体電解質材料は、硫黄を含有しないので、大気に暴露されても、硫化水素が発生しない。その結果、第1実施形態による固体電解質材料は、安全性に優れる。このような固体電解質材料は、安全性に優れた電池を得るために用いられ得る。特許文献1に開示された硫化物固体電解質が大気中に曝露されると、硫化水素が発生し得ることに留意せよ。
【0012】
第1実施形態による固体電解質材料において、当該固体電解質材料を構成する元素Xのモル量(すなわち、Xの含有モル量)は、当該固体電解質材料を構成するO(すなわち、酸素)のモル量(すなわち、Oの含有モル量)より多くてもよい。このような固体電解質材料は、高いリチウムイオン伝導度を有する。
【0013】
第1実施形態による固体電解質材料は、以下の組成式(1)により表される材料であってもよい。
Li2+b-3aLaOX ・・・(1)
ここで、以下の数式
1.0≦a≦2.0、および
1.5≦b≦6.0、
が充足される。
【0014】
組成式(1)により表される固体電解質材料は、高いリチウムイオン伝導度を有する。
【0015】
固体電解質材料のイオン伝導度をさらに高めるために、Xは、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含んでもよい。
【0016】
第1実施形態による固体電解質材料は、結晶質であってもよく、あるいは非晶質であってもよい。
【0017】
第1実施形態による固体電解質材料の形状は、限定されない。当該形状の例は、針状、球状、または楕円球状である。第1実施形態による固体電解質材料は、粒子であってもよい。第1実施形態による固体電解質材料は、ペレットまたは板の形状を有するように形成されてもよい。
【0018】
第1実施形態による固体電解質材料の形状が粒子状(例えば、球状)である場合、第1実施形態による固体電解質材料は、0.1μm以上100μm以下のメジアン径を有していてもよい。望ましくは、0.5μm以上10μm以下のメジアン径を有していてもよい。メジアン径は、体積基準の粒度分布における累積体積が50%に等しい場合の粒径を意味する。体積基準の粒度分布は、レーザー回折式測定装置または画像解析装置により測定され得る。
【0019】
第1実施形態による固体電解質材料および活物質を良好に分散させるために、第1実施形態による固体電解質材料は、活物質より小さいメジアン径を有していてもよい。
【0020】
<固体電解質材料の製造方法>
第1実施形態による固体電解質材料は、下記の方法により、製造され得る。
【0021】
目的の組成を有するように、例えば、ハロゲン化物の原料粉が混合される。一例として、目的とされる組成がLi0.8La1.4OCl1.5Br1.5である場合、LiCl原料粉、LiBr原料粉、LaOBr原料粉、およびLaCl原料粉が、0.3:0.5:1.0:0.4のLiCl:LiBr:LaOBr:LaClモル比で混合される。LaOBrは、La原料粉およびNHBr原料粉が1:2のLa:NHBrモル比で混合され、次いで400℃で5時間焼成されることにより得られる。合成過程において生じ得る組成変化を相殺するように、あらかじめ調整されたモル比で原料粉が混合されてもよい。
【0022】
原料粉は、遊星型ボールミルのような混合装置内でメカノケミカル的に(メカノケミカルミリング処理の方法により)互いに反応し、反応物が得られる。反応物は、真空中または不活性雰囲気中(例えば、アルゴン雰囲気または窒素雰囲気)で焼成されてもよい。あるいは、反応物の混合物が真空中または不活性雰囲気中で焼成され、反応物を得てもよい。
【0023】
焼成は、100℃以上400℃以下で、1時間以上行われてもよい。焼成による組成変化を抑えるために、石英管のような密閉容器内で焼成が行われてもよい。
【0024】
これらの方法により、第1実施形態による固体電解質材料が得られる。
【0025】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態が説明される。第1実施形態において説明された事項は、適宜、省略され得る。
【0026】
第2実施形態による電池は、正極、電解質層、および負極を備える。電解質層は、正極および負極の間に配置されている。正極、電解質層、および負極からなる群より選択される少なくとも1つは、第1実施形態による固体電解質材料を含有する。第2実施形態による電池は、優れた充放電特性を有する。
【0027】
図1は、第2実施形態による電池1000の断面図を示す。
【0028】
第2実施形態による電池1000は、正極201、電解質層202、および負極203を備える。電解質層202は、正極201および負極203の間に配置されている。
【0029】
正極201は、正極活物質粒子204および固体電解質粒子100を含有する。
【0030】
電解質層202は、電解質材料(例えば、固体電解質材料)を含有する。
【0031】
負極203は、負極活物質粒子205および固体電解質粒子100を含有する。
【0032】
固体電解質粒子100は、第1実施形態による固体電解質材料を主たる成分として含む粒子である。第1実施形態による固体電解質材料を主たる成分として含む粒子とは、最も多く含まれる成分が第1実施形態におる固体電解質材料である粒子を意味する。固体電解質粒子100は、第1実施形態による固体電解質材料からなる粒子であってもよい。
【0033】
正極201は、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵および放出可能な材料を含有する。正極201は、例えば、正極活物質(例えば、正極活物質粒子204)を含有する。
【0034】
正極活物質の例は、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属フッ化物、ポリアニオン材料、フッ素化ポリアニオン材料、遷移金属硫化物、遷移金属オキシフッ化物、遷移金属オキシ硫化物、または遷移金属オキシ窒化物である。
【0035】
リチウム含有遷移金属酸化物の例は、LiNi1-d-fCoAl(ここで、0<d、0<f、かつ0<(d+f)<1)またはLiCoOである。
【0036】
電池のコストおよび安全性の観点から、正極活物質としてリン酸リチウムが使用されてもよい。
【0037】
正極201が第1実施形態による固体電解質材料を含有し、かつ、XがI(すなわち、ヨウ素)を含む場合、正極活物質としてリン酸鉄リチウムが使用されてもよい。Iを含む第1実施形態による固体電解質材料は酸化されやすい。正極活物質としてリン酸鉄リチウムを用いれば、固体電解質材料の酸化反応が抑制される。すなわち、低いリチウムイオン伝導性を有する酸化層が形成されることが抑制される。その結果、電池が高い充放電効率を有する。
【0038】
正極201は、第1実施形態による固体電解質材料だけでなく、正極活物質として、遷移金属オキシフッ化物をも含有していてもよい。第1実施形態による固体電解質材料は、遷移金属オキシフッ化物によりフッ化されても、抵抗層が形成されにくい。その結果、電池が高い充放電効率を有する。
【0039】
遷移金属オキシフッ化物は、酸素およびフッ素を含有する。一例として、遷移金属オキシフッ化物は、LiMe’により表される化合物であってもよい。ここで、Me’は、Mn、Co、Ni、Fe、Al、Cu、V、Nb、Mo、Ti、Cr、Zr、Zn、Na、K、Ca、Mg、Pt、Au、Ag、Ru、W、B、Si、およびPからなる群より選択される少なくとも1つの元素であり、かつ、以下の数式:0.5≦p≦1.5、0.5≦q≦1.0、1≦m<2、および0<n≦1が充足される。このような遷移金属オキシフッ化物の例は、Li1.05(Ni0.35Co0.35Mn0.30.951.90.1である。
【0040】
正極活物質粒子204は、0.1μm以上100μm以下のメジアン径を有していてもよい。正極活物質粒子204が0.1μm以上のメジアン径を有する場合、正極において、正極活物質粒子204および固体電解質粒子100が、良好に分散し得る。これにより、電池の充放電特性が向上する。正極活物質粒子204が100μm以下のメジアン径を有する場合、正極活物質粒子204内のリチウム拡散速度が向上する。これにより、電池が高出力で動作し得る。
【0041】
正極活物質粒子204は、固体電解質粒子100より大きいメジアン径を有していてもよい。これにより、正極活物質粒子204および固体電解質粒子100が、良好に分散し得る。
【0042】
電池のエネルギー密度および出力の観点から、正極201において、正極活物質粒子204の体積および固体電解質粒子100の体積の合計に対する、正極活物質粒子204の体積の比は、0.30以上0.95以下であってもよい。
【0043】
図2は、第2実施形態による電極材料1100の断面図を示す。電極材料1100は、例えば、正極201に含まれる。電極活物質粒子206が固体電解質粒子100と反応するのを防ぐために、電極活物質粒子206の表面には、被覆層216が形成されてもよい。これにより、電池の反応過電圧の上昇を抑制できる。被覆層216に含まれる被覆材料の例は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、またはハロゲン化物固体電解質である。
【0044】
固体電解質粒子100が硫化物固体電解質である場合、被覆材料は、第1実施形態による固体電解質材料であり、かつXはClおよびBrからなる群より選択される少なくとも1種の元素であってもよい。このような第1実施形態による固体電解質材料は、硫化物固体電解質よりも酸化されにくい。その結果、電池の反応過電圧の上昇を抑制できる。
【0045】
固体電解質粒子100が、第1実施形態による固体電解質材料であり、かつXがIを含む場合、被覆材料は、第1実施形態における固体電解質材料であり、かつXはClおよびBrからなる群より選択される少なくとも1種の元素であってもよい。Iを含まない第1実施形態による固体電解質材料は、Iを含む第1実施形態による固体電解質材料よりも酸化されにくい。このため、電池が高い充放電効率を有する。
【0046】
固体電解質粒子100が第1実施形態による固体電解質材料であり、かつXがIを含む場合、被覆材料は、酸化物固体電解質であってもよい。当該酸化物固体電解質は、高電位でも優れた安定性を有するニオブ酸リチウムであってもよい。これにより、電池が高い充放電効率を有する。
【0047】
正極201は、第1正極活物質を含有する第1正極層および第2正極活物質を含有する第2正極層からなっていてもよい。ここで、第2正極層は、第1正極層および電解質層202の間に配置され、第1正極層および第2正極層は、Iを含まない第1実施形態による固体電解質材料を含有し、電解質層202は、Iを含む第1実施形態による固体電解質材料を含有し、かつ第2正極活物質の表面には、被覆層が形成される。以上の構成によれば、電解質層202に含まれる第1実施形態による固体電解質材料が、第2正極活物質により酸化されるのを抑制できる。その結果、電池が高い充電容量を有する。上記被覆層に含まれる被覆材料の例は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、高分子固体電解質、またはハロゲン化物固体電解質である。ただし、被覆材料がハロゲン化物固体電解質である場合、ハロゲン元素としてIは含まない。第1正極活物質は、第2正極活物質と同じ材料であってもよく、第2正極活物質と異なる材料であってもよい。
【0048】
電池のエネルギー密度および出力の観点から、正極201の厚みは、10μm以上かつ500μm以下であってもよい。
【0049】
電解質層202は、電解質材料を含有する。当該電解質材料は、例えば、固体電解質材料である。電解質層202は、固体電解質層であってもよい。
【0050】
電解質層202は、第1実施形態における固体電解質材料のみから構成されてよい。
【0051】
電解質層202は、第1実施形態における固体電解質材料とは異なる固体電解質材料のみから構成されていてもよい。
【0052】
第1実施形態における固体電解質材料とは異なる固体電解質材料の例は、LiMgX、LiFeX、Li(Al、Ga、In)X、Li(Al、Ga、In)X、またはLiIである。ここで、Xは、F、Cl、Br、およびIからなる群より選択される少なくとも1つの元素である。
【0053】
以下、第1実施形態による固体電解質材料は、第1固体電解質材料と呼ばれる。第1実施形態による固体電解質材料とは異なる固体電解質材料は、第2固体電解質材料と呼ばれる。
【0054】
電解質層202は、第1固体電解質材料だけでなく、第2固体電解質材料を含有していてもよい。電解質層202において、第1固体電解質材料および第2固体電解質材料は、均一に分散していてもよい。
【0055】
電解質層202は、1μm以上100μm以下の厚みを有していてもよい。電解質層202が1μm以上の厚みを有する場合、正極201および負極203が短絡しにくくなる。電解質層202が100μm以下の厚みを有する場合、電池が高出力で動作し得る。
【0056】
負極203は、金属イオン(例えば、リチウムイオン)を吸蔵および放出可能な材料含有する。負極203は、例えば、負極活物質(例えば、負極活物質粒子205)を含有する。
【0057】
負極活物質の例は、金属材料、炭素材料、酸化物、窒化物、錫化合物、または珪素化合物である。金属材料は、単体の金属であってもよく、合金であってもよい。金属材料の例は、リチウム金属またはリチウム合金である。炭素材料の例は、天然黒鉛、コークス、黒鉛化途上炭素、炭素繊維、球状炭素、人造黒鉛、または非晶質炭素である。容量密度の観点から、負極活物質の好適な例は、珪素(すなわち、Si)、錫(すなわち、Sn)、珪素化合物、または錫化合物である。
【0058】
負極活物質は、負極203に含まれる固体電解質材料の耐還元性をもとに選択されてもよい。負極203が第1実施形態による固体電解質材料を含有する場合、負極活物質として、リチウムに対して0.27V以上でリチウムイオンを吸蔵かつ放出可能な材料が使用されてもよい。負極活物質がこのような材料であれば、負極203に含まれる第1実施形態による固体電解質材料が還元されるのを抑制できる。その結果、電池が高い充放電効率を有する。当該材料の例は、チタン酸化物、インジウム金属、またはリチウム合金である。チタン酸化物の例は、LiTi12、LiTi、またはTiOである。
【0059】
負極活物質粒子205は、0.1μm以上100μm以下のメジアン径を有していてもよい。負極活物質粒子205が0.1以上のメジアン径を有する場合、負極において、負極活物質粒子205および固体電解質粒子100が、良好に分散し得る。これにより、電池の充放電特性が向上する。負極活物質粒子205が100μm以下のメジアン径を有する場合、負極活物質粒子205内のリチウム拡散速度が向上する。これにより、電池が高出力で動作し得る。
【0060】
負極活物質粒子205は、固体電解質粒子100よりも大きいメジアン径を有していてもよい。これにより、負極活物質粒子205および固体電解質粒子100が良好に分散し得る。
【0061】
電池のエネルギー密度および出力の観点から、負極203において、負極活物質粒子205の体積および固体電解質粒子100の体積の合計に対する、負極活物質粒子205の体積の比は、0.30以上0.95以下であってもよい。
【0062】
図2に示される電極材料1100は、負極202に含まれてもよい。固体電解質粒子100が負極活物質(すなわち、電極活物質粒子206)と反応するのを防ぐために、電極活物質粒子206の表面には、被覆層216が形成されてもよい。これにより、電池が高い充放電効率を有する。被覆層216に含まれる被覆材料の例は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、高分子固体電解質、またはハロゲン化物固体電解質である。
【0063】
固体電解質粒子100が第1実施形態による固体電解質材料である場合、被覆材料は硫化物固体電解質または高分子固体電解質であってもよい。硫化物固体電解質の例は、LiS-Pまたはリン酸三リチウムである。高分子固体電解質の例は、ポリエチレンオキシドおよびリチウム塩の複合化合物である。このような高分子固体電解質の例は、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドである。
【0064】
電池のエネルギー密度および出力の観点から、負極203は、10μm以上500μm以下の厚みを有していてもよい。
【0065】
正極201、電解質層202、および負極203からなる群より選択される少なくとも1つは、イオン伝導性、化学的安定性、および電気化学的安定性を高める目的で、第2固体電解質材料を含有していてもよい。第2固体電解質材料の例は、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質材料、または有機ポリマー固体電解質である。
【0066】
本開示において、「硫化物固体電解質」は、硫黄を含有する固体電解質を意味する。「酸化物固体電解質」は、酸素を含有する固体電解質を意味する。酸化物固体電解質は、酸素以外のアニオン(ただし、硫黄アニオンおよびハロゲンアニオンは除く)を含有していてもよい。「ハロゲン化物固体電解質」は、ハロゲン元素を含有し、かつ、硫黄を含有しない固体電解質を意味する。ハロゲン化物固体電解質は、ハロゲン元素だけでなく、酸素を含有していてもよい。
【0067】
硫化物固体電解質の例は、LiS-P、LiS-SiS、LiS-B、LiS-GeS、Li3.25Ge0.250.75、またはLi10GeP12である。
【0068】
酸化物固体電解質の例は、
(i) LiTi(POまたはその元素置換体のようなNASICON型固体電解質、
(ii) (LaLi)TiOのようなペロブスカイト型固体電解質、
(iii) Li14ZnGe16、LiSiO、LiGeOまたはその元素置換体のようなLISICON型固体電解質、
(iv) LiLaZr12またはその元素置換体のようなガーネット型固体電解質、または
(v) LiPOまたはそのN置換体
である。
【0069】
ハロゲン化物固体電解質材料の例は、LiMeにより表される化合物である。ここで、a+mb+3c=6、およびc>0が充足される。Meは、LiおよびY以外の金属元素および半金属元素からなる群より選択される少なくとも1つの元素である。mの値は、Meの価数を表す。
「半金属元素」は、B、Si、Ge、As、Sb、およびTeを表す。
「金属元素」は、周期表第1族から第12族中に含まれるすべての元素(ただし、水素を除く)、および、周期表第13族から第16族に含まれるすべての元素(ただし、B、Si、Ge、As、Sb、Te、C、N、P、O、S、およびSeを除く)を表す。
Meは、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Sc、Al、Ga、Bi、Zr、Hf、Ti、Sn、Ta、およびNbからなる群より選択される少なくとも1つの元素であってもよい。
ハロゲン化物固体電解質の例は、LiYClまたはLiYBrである。
【0070】
電解質層202が第1実施形態による固体電解質材料を含有する場合、負極203は硫化物固体電解質を含有していてもよい。これにより、負極活物質に対して電気化学的に安定な硫化物固体電解質が、第1実施形態による固体電解質材料および負極活物質が互いに接触することを抑制する。その結果、電池の内部抵抗が低減される。
【0071】
有機ポリマー固体電解質の例は、高分子化合物およびリチウム塩の化合物である。高分子化合物は、エチレンオキシド構造を有していてもよい。エチレンオキシド構造を有する高分子化合物は、リチウム塩を多く含有できるため、イオン導電率をより高めることができる。
【0072】
リチウム塩の例は、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、またはLiC(SOCFである。これらから選択される1種のリチウム塩が単独で使用されてもよい。あるいは、これらから選択される2種以上のリチウム塩の混合物が使用されてもよい。
【0073】
正極201、電解質層202、および負極203からなる群より選択される少なくとも1つは、リチウムイオンの授受を容易にし、電池の出力特性を向上する目的で、非水電解液、ゲル電解質、またはイオン液体を含有していてもよい。
【0074】
非水電解液は、非水溶媒および当該非水溶媒に溶けたリチウム塩を含む。
【0075】
非水溶媒の例は、環状炭酸エステル溶媒、鎖状炭酸エステル溶媒、環状エーテル溶媒、鎖状エーテル溶媒、環状エステル溶媒、鎖状エステル溶媒、またはフッ素溶媒である。
【0076】
環状炭酸エステル溶媒の例は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、またはブチレンカーボネートである。
【0077】
鎖状炭酸エステル溶媒の例は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、またはジエチルカーボネートである。
【0078】
環状エーテル溶媒の例は、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、または1,3-ジオキソランである。
【0079】
鎖状エーテル溶媒の例は、1,2-ジメトキシエタン、または1,2-ジエトキシエタンである。
【0080】
環状エステル溶媒の例は、γ-ブチロラクトンである。
【0081】
鎖状エステル溶媒の例は、酢酸メチルである。
【0082】
フッ素溶媒の例は、フルオロエチレンカーボネート、フルオロプロピオン酸メチル、フルオロベンゼン、フルオロエチルメチルカーボネート、またはフルオロジメチレンカーボネートである。
【0083】
これらから選択される1種の非水溶媒が単独で使用されてもよい。あるいは、これらから選択される2種以上の非水溶媒の混合物が使用されてもよい。
【0084】
リチウム塩の例は、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiSOCF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiN(SOCF)(SO)、またはLiC(SOCFである。これらから選択される1種のリチウム塩が単独で使用されてもよい。あるいは、これらから選択される2種以上のリチウム塩の混合物が使用されてもよい。リチウム塩の濃度は、例えば、0.5mol/リットル以上かつ2mol/リットル以下であってもよい。
【0085】
ゲル電解質は、非水電解液に含侵しているポリマー材料が使用され得る。ポリマー材料の例は、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、またはエチレンオキシド結合を有するポリマーである。
【0086】
イオン液体に含まれるカチオンの例は、
(i) テトラアルキルアンモニウムまたはテトラアルキルホスホニウムのような脂肪族鎖状4級塩類、
(ii) ピロリジニウム類、モルホリニウム類、イミダゾリニウム類、テトラヒドロピリミジニウム類、ピペラジニウム類、またはピペリジニウム類のような脂肪族環状アンモニウム、または
(iii) ピリジニウム類またはイミダゾリウム類のような含窒ヘテロ環芳香族カチオン、
である。
【0087】
イオン液体に含まれるアニオンの例は、PF 、BF 、SbF6- 、AsF 、SOCF 、N(SOCF 、N(SO 、N(SOCF)(SO、またはC(SOCF である。
【0088】
イオン液体はリチウム塩を含有してもよい。
【0089】
正極201、電解質層202、負極203からなる群より選択される少なくとも1つは、粒子同士の密着性を向上する目的で、結着剤を含有していてもよい。
【0090】
結着剤の例は、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリルニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチルエステル、ポリアクリル酸エチルエステル、ポリアクリル酸ヘキシルエステル、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステル、ポリメタクリル酸ヘキシルエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル、ポリエーテルサルフォン、ヘキサフルオロポリプロピレン、スチレンブタジエンゴム、またはカルボキシメチルセルロースである。
【0091】
共重合体もまた、結着剤として使用され得る。このような結着剤の例は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ペンタフルオロプロピレン、フルオロメチルビニルエーテル、アクリル酸、およびヘキサジエンからなる群より選択された2種以上の材料の共重合体である。上記の材料から選択された2種以上の混合物が、結着剤として用いられてもよい。
【0092】
正極201および負極203から選択される少なくとも1つは、電子伝導性を高める目的で、導電助剤を含有していてもよい。
【0093】
導電助剤の例は、
(i) 天然黒鉛または人造黒鉛のようなグラファイト類、
(ii) アセチレンブラックまたはケッチェンブラックのようなカーボンブラック類、
(iii) 炭素繊維または金属繊維のような導電性繊維類、
(iv) フッ化カーボン、
(v) アルミニウムのような金属粉末類、
(vi) 酸化亜鉛またはチタン酸カリウムのような導電性ウィスカー類、
(vii) 酸化チタンのような導電性金属酸化物、または
(viii) ポリアニリン、ポリピロール、またはポリチオフェンのような導電性高分子化合物、
である。
【0094】
低コスト化のために、上記(i)または(ii)の導電助剤が使用されてもよい。
【0095】
第2実施形態による電池の形状の例は、コイン型、円筒型、角型、シート型、ボタン型、扁平型、または積層型である。
【0096】
(実施例)
本開示が、実施例を参照しながら、より詳細に説明される。
【0097】
(実施例1)
[固体電解質材料の作製]
-60℃以下の露点を有するアルゴン雰囲気(以下、「乾燥アルゴン雰囲気」という)中で、原料粉としてLiCl、LiBr、LaOBr、およびLaClが、0.3:0.5:1.0:0.4のLiCl:LiBr:LaOBr:LaClモル比を有するように用意された。これらの原料粉が乳鉢中で粉砕され、混合された。このようにして、混合物が得られた。次いで、遊星型ボールミルを用い、12時間、500rpmで混合物がミリング処理された。このようにして、実施例1による固体電解質材料の粉末が得られた。実施例1による固体電解質材料は、Li0.8La1.4OCl1.5Br1.5により表される組成を有していた。
【0098】
[イオン伝導度の評価]
図3は、固体電解質材料のイオン伝導度を評価するために用いられた加圧成形ダイス300の模式図を示す。
【0099】
加圧成形ダイス300は、枠型301、パンチ下部302、およびパンチ上部303を具備していた。枠型301は、絶縁性ポリカーボネートから形成されていた。パンチ下部302およびパンチ上部303は、いずれも電子伝導性のステンレスから形成されていた。
【0100】
図3に示される加圧成形ダイス300を用いて、下記の方法により、実施例1による固体電解質材料のイオン伝導度が測定された。
【0101】
-30℃以下の露点を有するドライ雰囲気中で、実施例1による固体電解質材料の粉末(すなわち、図3において、固体電解質材料の粉末101)が、加圧成形ダイス300の内部に充填された。加圧成形ダイス300の内部で、実施例1による固体電解質材料の粉末に、パンチ上部303を用いて、400MPaの圧力が印加された。
【0102】
圧力が印加されたまま、パンチ下部302およびパンチ上部303が、周波数応答アナライザを搭載したポテンショスタット(Princeton Applied Research社、VersaSTAT4)に接続された。パンチ上部303は、作用極および電位測定用端子に接続された。パンチ下部302は、対極および参照極に接続された。固体電解質材料のイオン伝導度は、室温において、電気化学インピーダンス測定法により測定された。
【0103】
図4は、実施例1による固体電解質材料のインピーダンス測定結果のCole-Cole線図を示す。
【0104】
図4において、複素インピーダンスの位相の絶対値が最も小さい測定点でのインピーダンスの実数値が、固体電解質材料のイオン伝導に対する抵抗値とみなされた。当該実数値は、図4に示される矢印RSEを参照せよ。
【0105】
当該抵抗値を用いて、以下の数式(2)に基づいて、イオン伝導度が算出された。
σ=(RSE×S/t)-1 ・・・(2)
ここで、σは、イオン伝導度を表す。Sは、固体電解質材料のパンチ上部303との接触面積(図3において、枠型301の中空部の断面積に等しい)を表す。RSEは、インピーダンス測定における固体電解質材料の抵抗値を表す。tは、圧力が印加された固体電解質材料の厚み(図3において、固体電解質材料の粉末101から形成される層の厚みに等しい)を表す。
23℃で測定された実施例1による固体電解質材料のイオン伝導度は、3.58×10-5S/cmであった。
【0106】
[二次電池の作製]
乾燥アルゴン雰囲気中で、実施例1による固体電解質材料およびLiCoOが、40:60の体積比率で用意された。これらの材料が、乳鉢中で混合され、混合物が得られた。
【0107】
原料粉としてLiClおよびYClが、3:1のLiCl:YClモル比を有するように用意された。これらの材料が、乳鉢中で粉砕され、混合された。次いで、遊星ボールミルを用い、12時間、500rpmで、これらのLiClおよびYClがミリング処理された。このようにして、ハロゲン化物固体電解質が得られた。当該ハロゲン化物固体電解質は、LiYClにより表される組成を有していた。
【0108】
9.5mmの内径を有する絶縁性の筒の中で、LiYCl(80mg)および上述の混合物(11.7mg)が積層され、積層体が得られた。この積層体に300MPaの圧力が印加され、第1電極および固体電解質層が形成された。当該固体電解質層は、700μmの厚みを有していた。
【0109】
次に、固体電解質層に、金属In(厚さ:200μm)が積層された。この積層体に80MPaの圧力が印加され、第2電極が形成された。第1電極は正極であり、第2電極は負極であった。
【0110】
ステンレス鋼から形成された集電体が、第1電極および第2電極に取り付けられ、当該集電体に集電リードが取り付けられた。
【0111】
最後に、絶縁性フェルールを用いて、絶縁性の筒の内部が外気雰囲気から遮断され、密閉された。
【0112】
このようにして、実施例1による二次電池が得られた。
【0113】
[充放電試験]
得られた二次電池は、25℃の恒温槽に、配置された。
【0114】
27.1μA/cmの電流密度で3.6Vの電圧に達するまで、実施例1による電池が充電された。当該電流密度は、0.02Cレートに相当する。
【0115】
次いで、27.1μA/cmの電流密度で2.0Vの電圧に達するまで、実施例1による電池が放電された。当該電流密度は、0.02Cレートに相当する。
【0116】
充放電試験の結果、実施例1による二次電池は、727μAhの初期放電容量を有していた。
【0117】
(実施例2~14)
【0118】
実施例2~4では、原料粉としてLiCl、LaOCl、およびLaClが、(2+b-3a):1.0:(a-1)のLiCl:LaOCl:LaClモル比を有するように用意された。
【0119】
実施例5では、原料粉としてLiOおよびLaClが、1.0:2.0のLiO:LaClモル比を有するように用意された。
【0120】
実施例6~9では、原料粉としてLiBr、LaOBr、およびLaBrが、(2+b-3a):1.0:(a-1)のLiBr:LaOBr:LaBrモル比を有するように用意された。
【0121】
実施例10~11では、原料粉としてLiBrおよびLaOClが、(2+b-3a):1.0のLiBr:LaOClモル比を有するように用意された。
【0122】
実施例12では、原料粉としてLiI、LaOCl、およびLaClが、0.8:1.0:0.4のLiI:LaOCl:LaClモル比を有するように用意された。
【0123】
実施例13では、原料粉としてLiIおよびLaOBrが、0.5:1.0のLiI:LaOBrモル比を有するように用意された。
【0124】
実施例14では、原料粉としてLiI、LaOBr、およびLaClが、0.8:1.0:0.4のLiI:LaOBr:LaClモル比を有するように用意された。
【0125】
上記の事項以外は、実施例1と同様の実験により、実施例2~14による固体電解質材料が得られた。aおよびbの値は、表1に示される。
【0126】
実施例2~14による固体電解質材料のイオン伝導度が、実施例1と同様にして、イオン伝導度が測定された。測定結果は表1に示される。
【0127】
実施例2~14による固体電解質材料を用いて、実施例1と同様にして、二次電池が得られた。実施例2~14による二次電池は、実施例1と同様に、良好な充放電特性を有していた。
【0128】
【表1】
【0129】
(考察)
表1から明らかなように、実施例1~14による固体電解質材料は、室温において、1×10-6S/cm以上の高いリチウムイオン伝導性を有する。
【0130】
実施例1および6を実施例2と比較する、あるいは実施例9~11を実施例4と比較すると明らかなように、XがBrを含む場合、イオン伝導度はより高くなる。
【0131】
実施例12を実施例2と比較すると明らかなように、XがIを含む場合、イオン伝導度はより高くなる。
【0132】
全ての実施例1~14において、室温において電池は充電および放電された。
【0133】
実施例1~14による固体電解質材料は、硫黄を含有しないため、硫化水素が発生しない。
【0134】
以上のように、本開示による固体電解質材料は、硫化水素を発生せず、高いリチウムイオン伝導度を有し、かつ良好に充電および放電可能な電池を提供するために適切である。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本開示による固体電解質材料は、例えば、全固体リチウムイオン二次電池のために利用される。
【符号の説明】
【0136】
100 固体電解質粒子
101 固体電解質材料の粉末
201 正極
202 電解質層
203 負極
204 正極活物質粒子
205 負極活物質粒子
300 加圧成形ダイス
301 枠型
302 パンチ下部
303 パンチ上部
1000 電池
1100 電極材料
図1
図2
図3
図4
図5