(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20240112BHJP
B65D 25/04 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D6/18 D
B65D25/04 Z
(21)【出願番号】P 2019167479
(22)【出願日】2019-09-13
【審査請求日】2022-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】籔田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】和田 吉弘
【審査官】小原 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-077454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0000796(US,A1)
【文献】米国特許第04436215(US,A)
【文献】特開2019-094084(JP,A)
【文献】特開2017-052554(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0188303(US,A1)
【文献】特開2019-001513(JP,A)
【文献】特開2002-145260(JP,A)
【文献】特開2010-006421(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109515936(CN,A)
【文献】特開2005-280745(JP,A)
【文献】実開平02-031829(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/00-13/02
B65D 23/00-25/56
B65D 88/00-90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形の底壁部と、
前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延びる側壁部とを備える容器において、
前記側壁部のうちの相対する少なくとも一対には仕切板保持部が形成され、
前記仕切板保持部は、前記側壁部の内面から前記容器の内方へ突出する左右の凸部、および前記左右の凸部の間に形成され、前記側壁部の内面から外面へ貫通または非貫通の凹部を有し、前記左右の凸部の相対する一対の内面および前記凹部の相対する一対の内面によって前記仕切板保持部に対応する位置に保持凸部を有する仕切板を保持可能であり、
前記凹部は、前記凹部の上方への前記仕切板の移動を規制する規制壁を上端部に有
し、
前記容器は、前記容器を箱型とした組立状態と、前記容器を折り畳んだ折畳状態との状態変更が可能である、ことを特徴とする容器。
【請求項2】
前記凸部は上端部が前記凹部の上端部よりも上方に位置し、前記凸部の前記凹部の上端部よりも上の部分は、対向する前記凸部同士の間隔が上端部へ向って広がった形状の装着案内部となっていることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記側壁部は、相対する一対の第1側壁部および相対する一対の第2側壁部を含み、
前記仕切板保持部は前記第1側壁部に形成され、
前記第2側壁部は、前記折畳状態へ状態変更する場合に前記凸部との干渉を回避する凸部回避部を備えている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
平面視略矩形の底壁部と、
前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延びる側壁部とを備える容器において、
前記側壁部のうちの相対する少なくとも一対には仕切板保持部が形成され、
前記仕切板保持部は、前記側壁部の内面から前記容器の内方へ突出する左右の凸部、および前記左右の凸部の間に形成され、前記側壁部の内面から外面へ貫通または非貫通の凹部を有し、前記左右の凸部の相対する一対の内面および前記凹部の相対する一対の内面によって前記仕切板保持部に対応する位置に保持凸部を有する仕切板を保持可能であり、
前記側壁部の上辺部に沿って設けられた矩形枠状の上枠部を前記側壁部の上に備え、
前記側壁部は、相対する一対の第1側壁部および相対する一対の第2側壁部を含み、
前記第1側壁部は、下辺部が底壁部の側辺部に対して回動可能に連結された下側壁部と、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結された上側壁部とを有し、
前記第2側壁部は、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結されており、
箱型とした組立状態と、前記組立状態から、前記第1側壁部の前記下側壁部、前記第1側壁部の前記上側壁部および前記第2側壁部を前記容器の内側に回動変位させて折り畳んだ折畳状態との状態変更が可能であり、
前記仕切板保持部は前記第1側壁部に備えられ、
前記凸部は、前記第2側壁部の回動領域以外の領域に設けられていることを特徴とする容器。
【請求項5】
平面視略矩形の底壁部と、
前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延びる側壁部とを備える容器において、
前記側壁部のうちの相対する少なくとも一対には仕切板保持部が形成され、
前記仕切板保持部は、前記側壁部の内面から前記容器の内方へ突出する左右の凸部、および前記左右の凸部の間に形成され、前記側壁部の内面から外面へ貫通または非貫通の凹部を有し、前記左右の凸部の相対する一対の内面および前記凹部の相対する一対の内面によって前記仕切板保持部に対応する位置に保持凸部を有する仕切板を保持可能であり、
前記側壁部の上辺部に沿って設けられた矩形枠状の上枠部を前記側壁部の上に備え、
前記側壁部は、相対する一対の第1側壁部および相対する一対の第2側壁部を含み、
前記第1側壁部は、下辺部が底壁部の側辺部に対して回動可能に連結された下側壁部と、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結された上側壁部とを有し、
前記第2側壁部は、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結されており、
箱型とした組立状態と、前記組立状態から、前記第1側壁部の前記下側壁部、前記第1側壁部の前記上側壁部および前記第2側壁部を前記容器の内側に回動変位させて折り畳んだ折畳状態との状態変更が可能であり、
前記仕切板保持部は前記第1側壁部に備えられ、
前記第2側壁部は、回動した場合に前記凸部との干渉を回避する凸部回避部を備えていることを特徴とする容器。
【請求項6】
前記凸部は、前記容器が前記折畳状態である場合に、折り畳まれた前記一対の第2側壁部の下辺部の間に位置することを特徴とする請求項4または5に記載の容器。
【請求項7】
前記下側壁部は、左右両側の側部に、前記組立状態の場合に前記第2側壁部方向へ突出し、前記容器を組立状態とした場合に前記第2側壁部の外面と当接または近接する受壁部と、前記組立状態の場合に前記受壁部の先端部から前記第1側壁部の横幅方向中央部に向って突出する係止突起とを有し、
前記第2側壁部は、前記組立状態の場合に、前記係止突起が挿入される被係止部を有し、
前記仕切板保持部は前記下側壁部に形成され、
前記下側壁部の前記仕切板保持部の前記凸部の突出長は、前記下側壁部の内面から前記係止突起の先端までの長さ以下であることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側壁部の内面に仕切板保持部を有する容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、側壁部の内面に仕切板保持部を有する容器が市販されている。特許文献1に開示されている容器は、矩形の底壁部および4つの側壁部を有し、各側壁部の内面に仕切板保持部を有する。この仕切板保持部は、容器の内方に突出し、上下方向に延びる2本の凸部(凸条)、および2本の凸部の間の縦溝を有する。縦溝は、2本の凸部によって形成され、仕切板を保持するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、次のような問題がある。すなわち、仕切板保持部による仕切板の保持強度を高めるためには、容器内方への凸部の突出長を長くして仕切板のかかり量を増やす必要がある。しかしながら、このようにすれば、凸部が内容物の邪魔になる、凸部が内容物を傷つける、凸部の存在により容器の実質的な容量が減少する等の問題を生じる。
【0005】
本発明の一態様は、仕切板保持部の凸部の突出長を抑制し、かつ仕切板の保持強度を高めることができる容器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る容器は、平面視略矩形の底壁部と、前記底壁部の各側辺部からそれぞれ上方に延びる側壁部とを備える容器において、前記側壁部のうちの相対する少なくとも一対には仕切板保持部が形成され、前記仕切板保持部は、前記側壁部の内面から容器の内方へ突出する左右の凸部、および前記左右の凸部の間に形成され、前記側壁部の内面から外面へ貫通または非貫通の凹部を有し、前記左右の凸部の相対する一対の内面および前記凹部の相対する一対の内面によって仕切板を保持可能である。
【0007】
上記の容器において、前記凹部は、前記凹部の上方への前記仕切板の移動を規制する規制壁を上端部に有し、前記凸部は上端部が前記凹部の上端部よりも上方に位置し、前記凸部の前記凹部の上端部よりも上の部分は、対向する前記凸部同士の間隔が上端部へ向かって広がった形状の装着案内部となっている構成としてもよい。なお、上記の容器は、樹脂製の容器であり、前記仕切板保持部は、容器の上下方向の中央位置より上方位置に形成されている構成としてもよい。
【0008】
上記の容器は、前記側壁部の上辺部に沿って設けられた矩形枠状の上枠部を前記側壁部の上に備え、前記側壁部は、相対する一対の第1側壁部および相対する一対の第2側壁部を含み、前記第1側壁部は、下辺部が底壁部の側辺部に対して回動可能に連結された下側壁部と、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結された上側壁部とを有し、前記第2側壁部は、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結されており、箱型とした組立状態と、前記組立状態から、前記第1側壁部の前記下側壁部、前記第1側壁部の前記上側壁部および前記第2側壁部を前記容器の内側に回動変位させて折り畳んだ折畳状態との状態変更が可能であり、前記仕切板保持部は前記第1側壁部に備えられ、前記凸部は、前記第2側壁部の回動領域以外の領域に設けられている構成としてもよい。
【0009】
上記の容器は、前記側壁部の上辺部に沿って設けられた矩形枠状の上枠部を前記側壁部の上に備え、前記側壁部は、相対する一対の第1側壁部および相対する一対の第2側壁部を含み、前記第1側壁部は、下辺部が底壁部の側辺部に対して回動可能に連結された下側壁部と、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結された上側壁部とを有し、前記第2側壁部は、上辺部が前記上枠部に対して回動可能に連結されており、箱型とした組立状態と、前記組立状態から、前記第1側壁部の前記下側壁部、前記第1側壁部の前記上側壁部および前記第2側壁部を前記容器の内側に回動変位させて折り畳んだ折畳状態との状態変更が可能であり、前記仕切板保持部は前記第1側壁部に備えられ、前記第2側壁部は、回動した場合に前記凸部との干渉を回避する凸部回避部を備えている構成としてもよい。
【0010】
上記の容器において、前記凸部は、容器が前記折畳状態である場合に、折り畳まれた前記一対の第2側壁部の下辺部の間に位置する構成としてもよい。
【0011】
上記の容器において、前記下側壁部は、左右両側の側部に、前記組立状態の場合に前記第2側壁部方向へ突出し、容器を組立状態とした場合に前記第2側壁部の外面と当接または近接する受壁部と、前記組立状態の場合に前記受壁部の先端部から前記第1側壁部の横幅方向中央部に向って突出する係止突起とを有し、前記第2側壁部は、前記組立状態の場合に、前記係止突起が挿入される被係止部を有し、前記仕切板保持部は前記下側壁部に形成され、前記下側壁部の前記仕切板保持部の前記凸部の突出長は、前記下側壁部の内面から前記係止突起の先端までの長さ以下である構成としてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、仕切板保持部の凸部の突出長を抑制し、かつ仕切板の保持強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態の容器である組立状態の折畳コンテナに仕切板を装着した状態の斜視図、および前記折畳コンテナから仕切板を抜脱した状態の斜視図である。
【
図2】
図1に示した折畳コンテナの折り畳み途中の状態を示す斜視図、および前記折畳コンテナの折畳状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示した仕切板保持部の斜視図、前記斜視図におけるE-E断面図(仕切板が無の状態)、前記斜視図におけるE-E断面図(仕切板が有の状態)、前記斜視図におけるF-F断面図(仕切板が無の状態)、および前記斜視図におけるF-F断面図(仕切板が有の状態)である。
【
図4】
図1におけるA-A断面図およびB-B断面図である。
【
図6】
図2に示した折畳コンテナの折畳状態におけるD-D断面図である。
【
図7】
図1に示した仕切板の斜視図、および仕切板の左右の一方の側部の拡大図である。
【
図8】上段の図は、本発明の他の実施形態の容器である組立状態の折畳コンテナの
図4の右側の図に対応する位置の縦断面、下段の左側の図は、この折畳コンテナの正面の模式図および正面の縦断面の模式図、下段の右側の図は、第2側壁部の正面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
図1は、本実施形態の容器である組立状態の折畳コンテナ1に仕切板2を装着した状態の斜視図、および折畳コンテナ1から仕切板2を抜脱した状態の斜視図である。
図2は、
図1に示した折畳コンテナ1の折り畳み途中の状態を示す斜視図、および折畳コンテナ1の折り畳みを完了した折畳状態を示す斜視図である。
【0015】
(折畳コンテナ1の概要)
図1に示すように、折畳コンテナ1は、上面が開口した直方体形状であり、仕切板2を装着することにより内部を区画可能である。また、折畳コンテナ1は、組立状態かつ仕切板2を抜脱した状態から、
図2に示すように、折畳状態に折り畳み可能である。折畳コンテナ1および仕切板2は、例えばポリプロピレンからなる樹脂製である。
【0016】
折畳コンテナ1は、底壁部11、第1側壁部12、第2側壁部13および上枠部14を備えている。底壁部11は、平面視略矩形であり、折畳コンテナ1の底部に位置する。第1側壁部12および第2側壁部13は、相対する一対が底壁部11の側辺部からそれぞれ上方に延びている。第1側壁部12は、折畳コンテナ1の長手方向に沿う側壁部であり、第2側壁部13は折畳コンテナ1の幅方向に沿う側壁部である。上枠部14は、矩形枠状であり、第1側壁部12および第2側壁部13の上辺部に沿って設けられている。
【0017】
(上枠部14)
図1に示すように、上枠部14は、一対の長辺部141および一対の短辺部142を有する。長辺部141における仕切板2の装着領域の近辺部分は、仕切板2を折畳コンテナ1の上方から折畳コンテナ1の内部へ装着可能なように、第1側壁部12の内面よりも折畳コンテナ1の内方へ張り出さないように形成されている。また、上枠部14は、長辺部141と短辺部142とが交わるコーナー部に、コーナー凹部143を有する。コーナー凹部143には、折畳コンテナ1を積み上げたときに、上側の折畳コンテナ1の下面のコーナー凸部(図示せず)が嵌合される。
【0018】
(第1側壁部12)
図1に示すように、第1側壁部12は、本実施形態において、上下方向の略中央で上第1側壁部(上側壁部)121と下第1側壁部(下側壁部)122とに2分割されている。なお、第1側壁部12は、3分割以上に分割されていてもよい。
【0019】
上第1側壁部121は上枠部14に上ヒンジ部123により回動可能に連結され、下第1側壁部122は底壁部11に下ヒンジ部124により回動可能に連結されている。上第1側壁部121と下第1側壁部122とは、中間ヒンジ部125により回動可能に連結されている。
【0020】
上第1側壁部121および下第1側壁部122には、例えば長手方向の中央部に、仕切板保持部15が形成されている。仕切板保持部15は、仕切板2を保持可能なように、相対する左右の上第1側壁部121、および相対する左右の下第1側壁部122において、折畳コンテナ1を横切る同一平面内に位置している。なお、仕切板保持部15は、上第1側壁部121と下第1側壁部122の少なくとも一方に形成されていればよい。さらに、仕切板保持部15は、一対の第2側壁部13にも形成されていてもよい。
【0021】
図2および後述の
図5に示すように、本実施形態において、上第1側壁部121および下第1側壁部122は、左右両側の側部に、受壁部126および係止突起127を有している。受壁部126は、第2側壁部13方向へ突出し、折畳コンテナ1を組立状態とした場合に第2側壁部13の外面と当接または近接する。上第1側壁部121の係止突起127は、上第1側壁部121の受壁部126の先端部から上第1側壁部121の横幅方向中央部に向って突出している。同様に、下第1側壁部122の係止突起127は、下第1側壁部122の受壁部126の先端部から下第1側壁部122の横幅方向中央部に向って突出している。なお、受壁部126および係止突起127は、下第1側壁部122のみが有していてもよい。
【0022】
(仕切板保持部15)
図3は、
図1に示した仕切板保持部15の斜視図、前記斜視図におけるE-E断面図(仕切板2が無の状態)、前記斜視図におけるE-E断面図(仕切板2が有の状態)、前記斜視図におけるF-F断面図(仕切板2が無の状態)、および前記斜視図におけるF-F断面図(仕切板2が有の状態)である。
【0023】
図3に示すように、仕切板保持部15は、上下方向に延びる左右の凸部151、およびこれら凸部151の間の凹部152を有している。凸部151は、上第1側壁部121および下第1側壁部122の内面から折畳コンテナ1の内方へ突出し、内方への突出長が凹部152から左右へ離れるにしたがって漸次短くなっている。
【0024】
凸部151は上端部が凹部152の上端部よりも上方に位置し、凸部151の凹部152の上端部よりも上の部分は、対向する凸部151同士の間隔が上端部へ向かって漸次広がった形状の装着案内部153となっている。これにより、折畳コンテナ1の上方から仕切板2を仕切板保持部15に装着する場合、仕切板2は装着案内部153に案内されて容易に仕切板保持部15に装着することができる。
【0025】
凹部152は、折畳コンテナ1の内面から外面へ向かって凹状となっている。
図1に示すように、凹部152の形成位置の折畳コンテナ1の外面は、膨出した状態となっている。凹部152は、凹部152の上方への仕切板2の移動を規制する規制壁154を上端部に有している。本実施形態において、規制壁154は、凹部152の上下方向中央部の最も深い部分に向って緩やかに傾斜している。なお、本実施形態において、凹部152は上第1側壁部121および下第1側壁部122を非貫通であるが、貫通していてもよい。
【0026】
仕切板保持部15は、上記の構成により、左右の凸部151の相対する一対の内面および凹部152の相対する一対の内面によって仕切板2を保持可能である。したがって、折畳コンテナ1は、収容物等への影響を極力抑えつつ、仕切板2の保持量(かかり量)を増やすことができる。これにより、折畳コンテナ1は、仕切板保持部15の凸部151の突出長を抑制し、かつ仕切板2の保持強度を高めることができる。すなわち、折畳コンテナ1は、内容物への傷つけを防止し、内容量の減少を抑えつつ仕切板2の取付強度を高めることができる。
【0027】
(第2側壁部13)
図4は、
図1におけるA-A断面図およびB-B断面図である。
図5は、
図1におけるC-C断面図である。なお、
図5では、下第1側壁部122の受壁部126および係止突起127とそれら受壁部126および係止突起127に対応する被係止部132を示している。
【0028】
図4に示すように、第2側壁部13は上枠部14に上ヒンジ部131により回動可能に連結されている。これにより、折畳コンテナ1を折畳状態とする場合に、第2側壁部13を回動させ、
図2に示すように、左右の第2側壁部13を水平状態に配置できるようになっている。
【0029】
図4に示すように、仕切板保持部15の凸部151は、第2側壁部13の回動領域以外の領域に設けられている。したがって、折畳コンテナ1は、折畳状態とする場合に、第2側壁部13が凸部151と干渉することが無く、円滑に折畳状態とすることができる。
【0030】
図5に示すように、第2側壁部13は、上第1側壁部121および下第1側壁部122の受壁部126および係止突起127に対応して、被係止部132を有している。被係止部132は、第2側壁部13の内面側から外面方向へ受壁部126および係止突起127と係合するように突出している。したがって、折畳コンテナ1が組立状態の場合、被係止部132は受壁部126および係止突起127と係合する。これにより、折畳コンテナ1は、組立状態を安定に維持することができる。なお、第2側壁部13は、下第1側壁部122のみが受壁部126および係止突起127を有している場合、それら受壁部126および係止突起127のみに対応して被係止部132を有していればよい。
【0031】
(折畳状態での左右の第2側壁部13と仕切板保持部15の凸部151との関係)
図6は、
図2に示した折畳コンテナ1の折畳状態におけるD-D断面図である。
図6に示すように、折畳コンテナ1の折畳状態において、仕切板保持部15の凸部151は、左右の第2側壁部13の下辺部の間に位置する。したがって、折畳コンテナ1の折畳状態において、第2側壁部13と仕切板保持部15の凸部151とは干渉することがない。これにより、折畳コンテナ1は、折畳状態において、高さが高くなって嵩張る事態を回避することができる。
【0032】
(折畳状態での仕切板保持部15の凸部151と係止突起127との関係)
下第1側壁部122が受壁部126および係止突起127を有する場合、これら受壁部126および係止突起127に対応して、第2側壁部13は被係止部132を有する。この場合、
図6に示すように、折畳コンテナ1の折畳状態において、下第1側壁部122の仕切板保持部15の凸部151の突出長は、下第1側壁部122の内面から係止突起127の先端までの長さ以下である。したがって、折畳コンテナ1の折畳状態において、仕切板保持部15の凸部151が係止突起127よりも長く突出して底壁部11に当接することがない。これにより、折畳コンテナ1は、折畳状態において、高さが高くなって嵩張る事態を回避することができる。
【0033】
(底壁部11)
図1に示すように、底壁部11は、上面に2個の仕切板保持部16を有している。仕切板保持部16は、仕切板2を保持可能なように、折畳コンテナ1を横切り、仕切板保持部15が存在する平面と同一平面内に位置している。
【0034】
(仕切板2)
図7は、
図1に示した仕切板2の斜視図、および仕切板2の左右の一方の側部の拡大図である。
【0035】
図7に示すように、仕切板2は、横方向へ突出する上保持凸部21および下保持凸部22を左右の側縁部に有し、下方へ突出する2個の下保持凸部23を下縁部に有している。上保持凸部21は、上第1側壁部121の仕切板保持部15に対応し、下保持凸部22は、下第1側壁部122の仕切板保持部15に対応し、下保持凸部23は、底壁部11の仕切板保持部16に対応する。下保持凸部22の突出長は、上保持凸部21よりも短くなっている。これにより、仕切板2を折畳コンテナ1の上方から下方へ移動させて仕切板保持部15に装着する場合、仕切板2の移動を円滑に行うことができ、仕切板保持部15すなわち折畳コンテナ1に対して仕切板2を容易に装着することができる。
【0036】
(折畳コンテナ1の折り畳み)
折畳コンテナ1を折り畳む場合には、仕切板2を抜脱し、組立状態から、
図2に示すように、一対の第2側壁部13を内側に(回動変位させて)押し込み、上枠部14内に折り畳む。次に、第1側壁部12を内側に(回動変位させて)二つ折りに折り畳む。これにより、折畳コンテナ1は折畳状態となる。
【0037】
(折畳コンテナ1の組み立て)
折畳コンテナ1を組み立てる場合には、折畳状態から、上枠部14を底壁部11に対して上方に持ち上げる。これにより、一対の第1側壁部12の上第1側壁部121および下第1側壁部122が開き、一対の第2側壁部13が自重で下方に回動して一対の第1側壁部12の間に入り込む。次に、一対の第2側壁部13を内側から押して下方まで回動させると、上第1側壁部121および下第1側壁部122の受壁部126および係止突起127に第2側壁部13の被係止部132が係合する。これにより、折畳コンテナ1は組立状態となる。つまり、折畳コンテナ(容器)1は、組立状態と折畳状態との状態変更が可能である。
【0038】
(折畳コンテナ1への仕切板2の装着)
仕切板2は、組立状態の折畳コンテナ1に対して、必要に応じて装着することができる。仕切板2を装着する場合には、折畳コンテナ1の上方から仕切板2を折畳コンテナ1の内部に挿入し、上第1側壁部121および下第1側壁部122の仕切板保持部15に仕切板2の上保持凸部21および下保持凸部22を装着し、底壁部11の仕切板保持部16に仕切板2の下保持凸部23を装着する。これにより、上第1側壁部121および下第1側壁部122の仕切板保持部15、ならびに底壁部11の仕切板保持部16によって仕切板2を保持する。この場合、仕切板2の下方への移動、すなわち仕切板保持部15の凹部152に対する仕切板2の上保持凸部21および下保持凸部22の移動は、仕切板保持部15の装着案内部153によって案内される。
【0039】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について以下に説明する。
図8は、本実施形態の容器である組立状態の折畳コンテナ3の
図4に対応する位置の縦断面、折畳コンテナ3の正面および正面の縦断面の模式図、ならびに第2側壁部33の正面の模式図である。
【0040】
図8に示すように、折畳コンテナ3は、折畳コンテナ1の第2側壁部13に代えて第2側壁部33を備えている。第2側壁部33は、切欠き状の凸部回避部331を有する。凸部回避部331は、例えば下第1側壁122に設けられた仕切板保持部15の凸部151が第2側壁部33の回動領域内に存在する場合、回動する第2側壁部33と凸部151との干渉を回避する位置に形成される。これにより、折畳コンテナ3は、第2側壁部33が凸部151と干渉することなく、円滑に折畳状態とすることができる。
【0041】
なお、折畳コンテナ3を組立状態とした場合に、凸部回避部331によって第2側壁部33に生じる孔は、第2側壁部33の面方向への受壁部126の突出長を長くすることにより、受壁部126によって塞ぐことができる。折畳コンテナ3のその他の構成は、折畳コンテナ1と同様である。
【0042】
また、折畳コンテナ3においても、例えば上第1側壁部121の長手方向の中央部に仕切板保持部15が形成されている場合、その仕切板保持部15の凸部151は、
図6に示した折畳コンテナ1の場合と同様、折畳状態において左右の第2側壁部33の下辺部の間に位置する。この場合にも、折畳コンテナ3は、折畳状態において、高さが高くなって嵩張る事態を回避することができる。
【0043】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1,3 折畳コンテナ(容器)
2 仕切板
11 底壁部
12 第1側壁部
13,33 第2側壁部
14 上枠部
15,16 仕切板保持部
21 上保持凸部
22 下保持凸部
23 下保持凸部
121 上第1側壁部(上側壁部)
122 下第1側壁部(下側壁部)
126 受壁部
127 係止突起
132 被係止部
151 凸部
152 凹部
153 装着案内部
154 規制壁
331 凸部回避部