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特許7418000バッチャープラントおよびバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法ならびにバッチャープラントのエア抜き部のセメント除去方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】バッチャープラントおよびバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法ならびにバッチャープラントのエア抜き部のセメント除去方法
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/06 20060101AFI20240112BHJP
   B01F 35/11 20220101ALI20240112BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240112BHJP
【FI】
B28C7/06
B01F35/11
B01F35/71
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020044916
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021146502
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000177416
【氏名又は名称】三和機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】関根 延明
【審査官】永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-63806(JP,U)
【文献】特開2003-103510(JP,A)
【文献】特開2001-293349(JP,A)
【文献】特開平4-161303(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C1/00-9/04
B01F35/00-35/95
B01F27/00-27/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水とセメントとを撹拌してセメントミルクを製造するミキサー3をフレーム2に取付け、ミキサー3の近傍に、セメントを貯留するセメントサイロ5とセメントに加える水を貯留する貯水タンク6とをそれぞれ設け、ミキサー3内には水とセメントとを撹拌する縦軸回転の撹拌翼12を設け、ミキサー3の上部所定位置には、セメントサイロ5から搬送ホース8により搬送されたセメントを投入する開口部24を設け、開口部24より所定間隔をおいた上方のフレーム2には搬送ホース8の先側所定部分を取付けるホース支持部20を設け、ホース支持部20と開口部24との間に位置する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、投入筒22の上部はフレーム2側に取付け、投入筒22の下端は自由端としつつ、開口部24よりミキサー3内に挿入し、ホース支持部20と開口部24との間には投入筒22を変形及び/又は振動させて投入筒22に付着するセメントを除去するセメント除去装置21を設けたバッチャープラント。
【請求項2】
請求項1において、セメント除去装置21は、投入筒22を、投入筒22より大径の包囲筒部26により包囲し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を噴射させて投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22に付着するセメントを除去する構成としたバッチャープラント。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22の周囲を包囲する投入筒22より大径の包囲筒部26を有し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を注入して投入筒22を変形させて投入筒22の下端投入口23に付着するセメントを除去する構成としたバッチャープラント。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れかにおいて、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22の周囲を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27内に水を噴射供給する噴射ノズル30を設けて構成したバッチャープラント。
【請求項5】
請求項1~請求項3の何れかにおいて、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22の周囲を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の周の間の空間部27内に気体により膨らむ膨張体45を設けて構成したバッチャープラント。
【請求項6】
請求項1~請求項3の何れかにおいて、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22の周囲を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の下部外周と包囲筒部26の下部周の間の空間部27に気体により膨らむ膨張体45を設け、膨張体45よりも上方の空間部27内に水を噴射供給する噴射ノズル30を設けて構成したバッチャープラント。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れかにおいて、ミキサー3の天板14には、ミキサー3内のエアを逃がすエア抜き部40を設け、エア抜き部40の開口部24Aには水を噴射供給する噴射ノズル30を設けたバッチャープラント。
【請求項8】
ミキサー3にセメントをセメントサイロ5から搬送供給する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、上部をフレーム2側に取付け支持させた状態で投入筒22の自由端となっている下端をミキサー3の開口部24よりミキサー3内に挿入し、セメントサイロ5からセメントを供給搬送する前に、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた噴射ノズル30から投入筒22の側面に水を噴射して、投入筒22を変形または振動の何れか一方または両方をさせて、投入筒22に付着しているセメントを除去するバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法。
【請求項9】
請求項8において、噴射ノズル30による水の噴射は、セメントミルク製造用の水の一部を、利用して行うバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法。
【請求項10】
ミキサー3にセメントをセメントサイロ5から搬送供給する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、上部をフレーム2側に取付け支持させた状態で投入筒22の自由端となっている下端をミキサー3の開口部24よりミキサー3内に挿入し、セメントサイロ5からセメントを供給搬送する前に、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた気体により膨らむ膨張体45を適宜膨張させることにより投入筒22を変形または振動の何れか一方または両方をさせて、投入筒22の下端投入口23に付着しているセメントを除去するバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法。
【請求項11】
ミキサー3にセメントをセメントサイロ5から搬送供給する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、上部をフレーム2側に取付け支持させた状態で投入筒22の自由端となっている下端をミキサー3の開口部24よりミキサー3内に挿入し、セメントサイロ5からセメントを供給搬送する前に、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた気体により膨らむ膨張体45の膨張および噴射ノズル30から水の噴射により行うバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法。
【請求項12】
請求項8~請求項11の何れかにおいて、ミキサー3の天板14の所定位置にミキサー3内のエアを逃がすエア抜き部40を設け、エア抜き部40とミキサー3とを連通させる連通開口部24Aに向けて噴射ノズル30から水を噴射して、連通開口部24Aに付着するセメントを除去するバッチャープラントのエア抜き部のセメント除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッチャープラントおよびバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法ならびにバッチャープラントのエア抜き部のセメント除去方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水とセメントとを撹拌してセメントミルクを製造するミキサー内に、ミキサーの内周面に付着するセメントを除去する洗浄水を噴射するノズルを設けた構成は、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017ー217586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例では、ミキサーの内周面に付着したセメントを洗浄する構成のため、ミキサーに接続したセメントサイロの搬送ホースに付着したセメントを除去できないという課題がある。
すなわち、ミキサーにセメントサイロからセメントを、貯水タンクから水をそれぞれ供給し、撹拌翼により混練してセメントミルクを製造するが、撹拌翼による混練によりミキサー内の水位が上昇し、上昇した水位がセメントの搬送ホースの開口部に付着し、この水にセメントが付着し、付着したセメントは固化してやがてセメント塊になってセメントホースの開口部を閉塞し、結果、セメントミルクの計量不良や、最悪、搬送ホースを固定しているホースバンドが圧力に耐えられずに破損して周囲にセメントを飛散させることになる。
本発明は、セメントサイロからのセメントをミキサーに供給するセメントホースの開口部の閉塞を防止できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、水とセメントとを撹拌してセメントミルクを製造するミキサー3をフレーム2に取付け、ミキサー3の近傍に、セメントを貯留するセメントサイロ5とセメントに加える水を貯留する貯水タンク6とをそれぞれ設け、ミキサー3内には水とセメントとを撹拌する縦軸回転の撹拌翼12を設け、ミキサー3の上部所定位置には、セメントサイロ5から搬送ホース8により搬送されたセメントを投入する開口部24を設け、開口部24より所定間隔をおいた上方のフレーム2には搬送ホース8の先側所定部分を取付けるホース支持部20を設け、ホース支持部20と開口部24との間に位置する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、投入筒22の上部はフレーム2側に取付け、投入筒22の下端は自由端としつつ、開口部24よりミキサー3内に挿入し、ホース支持部20と開口部24との間には投入筒22を変形及び/又は振動させて投入筒22に付着するセメントを除去するセメント除去装置21を設けたバッチャープラントとしたものである。
請求項の発明は、セメント除去装置21は、投入筒22を、投入筒22より大径の包囲筒部26により包囲し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を噴射させて投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22に付着するセメントを除去する構成としたバッチャープラントとしたものである。
請求項の発明は、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22の周囲を包囲する投入筒22より大径の包囲筒部26を有し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を注入して投入筒22を変形させて投入筒22の下端投入口23に付着するセメントを除去する構成としたバッチャープラントとしたものである。
請求項の発明は、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22の周囲を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27内に水を噴射供給する噴射ノズル30を設けて構成したバッチャープラントとしたものである。
請求項の発明は、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22の周囲を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の周の間の空間部27内に気体により膨らむ膨張体45を設けて構成したバッチャープラントとしたものである。
請求項の発明は、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22の周囲を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の下部外周と包囲筒部26の下部周の間の空間部27に気体により膨らむ膨張体45を設け、膨張体45よりも上方の空間部27内に水を噴射供給する噴射ノズル30を設けて構成したバッチャープラントとしたものである。
請求項の発明は、ミキサー3の天板14には、ミキサー3内のエアを逃がすエア抜き部40を設け、エア抜き部40の開口部24Aには水を噴射供給する噴射ノズル30を設けたバッチャープラントとしたものである。
請求項の発明は、ミキサー3にセメントをセメントサイロ5から搬送供給する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、上部をフレーム2側に取付け支持させた状態で投入筒22の自由端となっている下端をミキサー3の開口部24よりミキサー3内に挿入し、セメントサイロ5からセメントを供給搬送する前に、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた噴射ノズル30から投入筒22の側面に水を噴射して、投入筒22を変形または振動の何れか一方または両方をさせて、投入筒22に付着しているセメントを除去するバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法としたものである。
請求項の発明は、噴射ノズル30による水の噴射は、セメントミルク製造用の水の一部を、利用して行うバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法としたものである。
請求項10の発明は、ミキサー3にセメントをセメントサイロ5から搬送供給する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、上部をフレーム2側に取付け支持させた状態で投入筒22の自由端となっている下端をミキサー3の開口部24よりミキサー3内に挿入し、セメントサイロ5からセメントを供給搬送する前に、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた気体により膨らむ膨張体45を適宜膨張させることにより投入筒22を変形または振動の何れか一方または両方をさせて、投入筒22の下端投入口23に付着しているセメントを除去するバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法としたものである。
請求項11の発明は、ミキサー3にセメントをセメントサイロ5から搬送供給する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、上部をフレーム2側に取付け支持させた状態で投入筒22の自由端となっている下端をミキサー3の開口部24よりミキサー3内に挿入し、セメントサイロ5からセメントを供給搬送する前に、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた気体により膨らむ膨張体45の膨張および噴射ノズル30から水の噴射により行うバッチャープラントのセメント投入筒のセメント除去方法としたものである。
請求項12の発明は、ミキサー3の天板14の所定位置にミキサー3内のエアを逃がすエア抜き部40を設け、エア抜き部40とミキサー3とを連通させる連通開口部24Aに向けて噴射ノズル30から水を噴射して、連通開口部24Aに付着するセメントを除去するバッチャープラントのエア抜き部のセメント除去方法。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、フレーム2のホース支持部20と開口部24との間に位置する搬送ホース8または搬送ホース8の先端に接続した投入ホース8Aを、可撓性部材により形成した投入筒22とし、開口部24よりミキサー3内に挿入した投入筒22を変形させて投入筒22に付着するセメントを除去する構成としているので、セメント除去装置21により投入筒22がセメントにより閉塞するのを防止でき、結果、投入筒22に接続している搬送ホース8が外れることによるセメント飛散事故発生を未然に防止でき、また、セメント除去装置21により投入筒22の下端投入口23の洗浄を自動化できて作業者の洗浄作業を不要あるいは洗浄作業回数を減少させることができ、また、ミキサー3内の撹拌翼12の撹拌による水位上昇による投入筒22の下端投入口23のセメント付着を防止できことにより、ミキサー3の高さを低くでき、バッチャープラントの小型化を図ることができる。
請求項の発明では、セメント除去装置21を、投入筒22を、投入筒22より大径の包囲筒部26により包囲し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を噴射させて投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22に付着するセメントを除去する構成としているので、液体または気体を噴射して投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22の付着セメントを除去することにより、投入筒22がセメントにより閉塞するのを防止できる。
請求項の発明では、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22の周囲を包囲する投入筒22より大径の包囲筒部26を有し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を噴射して投入筒22を変形させて投入筒22の下端投入口23に付着するセメントを除去する構成としているので、液体または気体を噴射して投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22の付着セメントを除去することにより、投入筒22がセメントにより閉塞するのを防止できる。
請求項の発明では、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22の周囲を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に水を噴射供給する噴射ノズル30を設けて構成しているので、噴射ノズル30により噴射する洗浄水により投入筒22を噴射水および投入筒22の振動により付着セメントを除去でき、投入筒22が閉塞するのを防止でき、また、既存のバッチャープラントであっても、投入筒22の交換と包囲筒部26の設置により、噴射ノズル30を設けることができるので、後付けが可能となる。
請求項の発明では、投入筒22の外周と包囲筒部26の周の間の空間部27に気体により膨らむ膨張体45を設けているので、膨張体45に圧縮空気を送ることで膨張体45を膨張させることにより投入筒22を変形および/または振動させて付着セメントを除去でき、また、既存のバッチャープラントであっても、投入筒22の交換と包囲筒部26の設置によりセメント除去装置21を設置できるので、後付けが可能となる。
請求項の発明では、膨張体45と噴射ノズル30を設けているので、膨張体45の膨張により投入筒22を変形させて付着セメントを除去し、さらに、噴射ノズル30により噴射する洗浄水により洗浄でき、結果、投入筒22が閉塞するのを防止でき、また、既存のバッチャープラントであっても、投入筒22の交換と包囲筒部26の設置によりセメント除去装置21を設置できるので、後付けが可能となる。
請求項の発明では、ミキサー3の天板14に設けたエア抜き部40の開口部24Aには、水を噴射供給する噴射ノズル30を設けているので、噴射ノズル30により噴射する洗浄水によりエア抜き部40内を洗浄でき、エア抜き部40が閉塞するのを防止できる。
請求項の発明では、セメントサイロ5からセメントを供給搬送する前に、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた噴射ノズル30から投入筒22の側面に水を噴射して、投入筒22を変形または振動の何れか一方または両方をさせるので、投入筒22の下端投入口23の付着セメントを除去することができる。
請求項の発明では、噴射ノズル30による水の噴射は、セメントミルク製造用の水の一部を、利用して行うので、ミキサー3内の水の重量計測中に投入筒22の付着セメント除去しつつ、セメントミルクの品質に悪影響を与えずに、除去作業を行って投入筒22が閉塞するのを防止できる。
請求項10の発明では、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に設けた気体により膨らむ膨張体45を適宜膨張させることにより投入筒22を変形させるので、投入筒22の付着セメントを除去することができる。
請求項11の発明では、気体により膨らむ膨張体45の膨張および噴射ノズル30から水の噴射により投入筒22の付着セメントを除去でき、これにより、正確な水およびセメント重量の計量ができ、セメントと水の混合比率の精度を向上させることができて均一なセメントミルクの製造が可能となり、また、水供給する度に開口部24を洗浄できるため、洗浄を行う手間を省くことができ、セメントの固化固着も防止できることから、メンテナンスの容易化も図ることができる。
請求項12の発明では、噴射ノズル30から水を噴射して、エア抜き部40の連通開口部24Aの付着セメントを除去することができ、噴射ノズル30による水の噴射を、ミキサー3にセメントの混練用の水を供給する際に、この供給水を利用して行うので、ミキサー3内の水の重量計測中にエア抜き部40内の洗浄することができ、セメントミルクの品質に悪影響を与えずに、洗浄作業を行ってエア抜き部40が閉塞するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】バッチャープラントとセメントサイロと貯水タンクの概略図。
図2】ミキサーの縦断面図。
図3】同平面図。
図4】セメント付着防止装置の拡大断面図。
図5】同平面模式図。
図6】エア抜き部の拡大断面図。
図7】セメント付着防止装置の他の実施形態の断面図。
図8】セメント付着防止装置の他の実施形態の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図により説明すると、1は可搬式のバッチャープラントであり、バッチャープラント1の構成は任意であり、以下、その一例について説明する。
バッチャープラント1のプラントフレーム2には水とセメントとを撹拌してセメントミルクを製造するミキサー3と、このミキサー3で製造したセメントミルクを固まらないようにかき回しながら一時貯留するアジテータ4等を備えている(図1)。
バッチャープラント1の近傍にはミキサー3に供給するセメントを貯留するセメントサイロ5と、セメントに加える水を貯留する貯水タンク6とを設けている。
前記貯水タンク6の構成は任意であり、貯水タンク6は水を貯留できればよく、貯水タンク6は駆動源(図示省略)により送水ホース6Aを介してバッチャープラント1(ミキサー3)に水を供給する構成としている(図1)。
【0009】
前記セメントサイロ5の構成は任意であり、セメントサイロ5はセメントを貯留できればよく、セメントサイロ5は駆動源7により搬送ホース8を介してバッチャープラント1(ミキサー3)にセメントを送れるように構成する(図1)。
前記ミキサー3は、混練用樋10をプラントフレーム2内に上下動自在に吊設し、混練用樋10には重量計測器(ロードセル)11を取付ける(図1)。重量計測器11はミキサー3の重量を正確に計測しうるように、ミキサー3の重量バランスを考慮して複数箇所に設置して計測する構成としている。
混練用樋10内には縦軸回転の撹拌翼12を設ける(図2)。撹拌翼12は撹拌翼12の撹拌軸13の上部を混練用樋10の天板14に軸装し、天板14より上方に突出する撹拌軸13にはプーリーまたは歯車で形成した回転入力部材15を設ける。16はミキサー3のセメントミルクを排出する排出部である。
【0010】
ミキサー3の天板14には、セメントサイロ5の搬送ホース8により搬送されたセメントを投入する開口部24を設け、開口部24より所定間隔をおいた上方のフレーム2にはホース支持部20を設け、ホース支持部20には搬送ホース8の先側所定部分を取付ける(図2)。搬送ホース8の先端(下端)はホース支持部20より下方に垂らし、搬送ホース8の先端は開口部24に挿入する。
このホース支持部20と開口部24との間の搬送ホース8自体を投入筒22とし、少なくとも、投入筒22は可撓性部材により形成し、かつ、投入筒22の下端は自由端とする。
【0011】
そのため、投入筒22の重量はホース支持部20(フレーム2)で支持され、ミキサー3の重量に影響せず、ミキサー3の計量精度を低下させない。
なお、実施形態では、ホース支持部20と開口部24との間の搬送ホース8自体を投入筒22としているが、ホース支持部20に搬送ホース8の先端を取付け、搬送ホース8とは別体の可撓性部材により形成した投入ホース8Aの上部を、搬送ホース8の先端に連通するようにホース支持部20に取付けて投入筒22としてもよい(図4)。
ホース支持部20と開口部24との間には投入筒22を変形させて投入筒22の下端投入口23に付着するセメントを除去するセメント除去装置21を設ける(図2)。
【0012】
すなわち、ミキサー3にセメントサイロ5からセメントを、貯水タンク6から水を供給し、撹拌翼12により混練すると、ミキサー3の混練用樋10内の水位Wが上昇し、投入筒22の下端投入口23にセメントが付着し、この付着セメントが投入筒22の下端投入口23を閉塞し、セメントミルクの計量不良や、最悪、搬送ホース8の先端を固定しているホースバンド(図示省略)が圧力に耐えられずに破損して周囲にセメントを飛散させることになる。
本発明では、投入筒22の上部はフレーム2側に取付け、投入筒22の下端は自由端としつつ、開口部24よりミキサー3内に挿入し、ホース支持部20と開口部24との間には投入筒22を変形させて投入筒22に付着するセメントを除去するセメント除去装置21を設ける。
【0013】
そのため、仮に、撹拌翼12による混練作業中に水位Wが上昇し、投入筒22の下端投入口23にセメントが付着しても、この付着セメントの除去が可能になる。
また、セメント除去装置21は、投入筒22を変形または振動させて投入筒22に付着するセメントを除去する構成とする。
そのため、投入筒22が変形または振動することにより、投入筒に付着するセメントを除去する。
この場合、投入筒22が変形または振動して付着セメントを除去するように構成すればよく、投入筒22が変形または振動の何れか一方作用のみによって、付着セメントを除去する場合でも、また、変形と振動の両作用によって除去する構成としてもよい。
【0014】
具体的には、セメント除去装置21は、投入筒22を、少なくとも、投入筒22より大径の包囲筒部26により包囲し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を噴射させて投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22に付着するセメントを除去する構成としている。
また、セメント除去装置21は、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22の周囲を包囲する投入筒22より大径の包囲筒部26を有し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を注入(噴射)して投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22の下端投入口23に付着するセメントを除去する構成としてもよい。
【0015】
そのため、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を注入(供給・噴射)して投入筒22を変形および/または振動させて投入筒22の付着セメントを除去することにより、投入筒22がセメントにより閉塞するのを防止する。
本実施形態の一例を示すと、セメント除去装置21は、搬送ホース8自体または投入ホース8Aからなる投入筒22と、投入筒22よりも大径で投入筒22の外周を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体(水)を噴射供給する噴射ノズル30を設けて構成している。
そのため、噴射ノズル30により噴射する噴流水および投入筒22の振動により投入筒22に付着する付着セメントを除去できる。
【0016】
この場合、任意の構成により、噴射ノズル30からの噴射水(噴流水)は、投入筒22に付着する付着セメントを除去しうる所定圧力で噴射し、また、噴流水を噴射させることにより、投入筒22に付着する付着セメントが剥がれ落ちる程度に投入筒22が変形振動するように構成する。
また、投入筒22の洗浄は、適宜行えばよいが、例えば、セメントミルク製造の毎バッチごとに、噴射ノズル30にて水を噴射して、投入筒22の下端投入口23を洗浄すると、投入筒22およびミキサー3の開口部24にセメントが付着固化するのを防止でき、好適である。
【0017】
セメント付着防止装置21の投入筒22と包囲筒部26との材質は問わないが、少なくとも、投入筒22は噴射ノズル30からの噴流水により振動および変形可能な程度の可撓性部材により変形振動自在に構成する。
そのため、投入筒22は変形振動することにより付着セメントの除去を可能にする。
そして、噴射ノズル30は投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に水を噴射して、投入筒22および包囲筒部26の下部の付着セメントを除去すると共に、噴射ノズル30の水の噴射水流により投入筒22を振動変形させて投入筒22の下部のセメント塊を落下除去する。
31は搬送ホース8先端部付近をプラントフレーム2のホース支持部20に固定状態に取付ける止着具である(図2)。
【0018】
また、包囲筒部26の外周には面状のヒーター部材33を被覆させ(図4)、投入筒22の下端投入口23の水による洗浄後に加温してホース支持部20内を乾燥させるようにしてもよい。
そのため、ホース支持部20内を乾燥させることができ、セメントの付着を抑制できる。
噴射ノズル30への水の供給源は任意であるが、本実施形態では、噴射ノズル30には水供給ホース35を接続し、水供給ホース35は天板14に設けた貯水タンク6の送水ホース6Aを接続した給水管36を接続する水供給部37から分岐させると、構成を簡素にでき、好適である(図2)。
【0019】
図示は省略するが、図に示した水供給部37の下方に、貯水タンク6からの給水をミキサー3内に供給する供給口を設けている。
投入筒22はミキサー3の天板14の上方に複数箇所設けている(図3)。
混練用樋10の天板14の所定位置には、混練用樋10内にセメントを供給した際の、混練用樋10内の空気を抜くエア抜き部40を設ける。エア抜き部40は所定径の筒部材41の基部を天板14に起立させて接続し、筒部材41の上部先端は開放構成に形成し、エア抜き部40とミキサー3とを連通させる連通開口部24Aの上方には水を噴射する噴射ノズル30を設け、噴射ノズル30には水供給ホース35を接続する。噴射ノズル30を設けたエア抜き部40の筒部材41内には、噴射ノズル30の噴流水を下方に案内する円筒状のガイド体42を設ける。
【0020】
図7は、セメント除去装置21の他の実施形態であり、投入筒22の下部外周と包囲筒部26の下部外周の間の空間部27にエア(気体・空気)により膨らむ膨張体45を設け、膨張体45にエア供給管46の先端を接続し、エア供給管46の基部はコンプレッサー47に接続する。
膨張体45とコンプレッサー47の間には切替バルブ48を設け、毎バッチごとに、コンプレッサー47にて膨張体45を膨張させ、これにより、投入筒22を変形させて、下端投入口23に付着している付着セメントを落下させ、下端投入口23にセメントが付着固化するのを防止する。
図示は省略するが、膨張体45は投入筒22の放射方向に複数配置し、投入筒22を締め付け変形と締め付けの解放とを適宜反復して、投入筒22に振動付与するようにしてもよい。
【0021】
図8はセメント除去装置21の他の実施形態であり、ホース支持部20の下方の搬送ホース8自体または搬送ホース8に接続した投入ホース8Aからなる投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27内の上部に水を噴射供給する噴射ノズル30を設けると共に、投入筒22の下部外周と包囲筒部26の下部外周の間の空間部27にエアにより膨らむ膨張体45を設け、膨張体45にエア供給管46の先端を接続し、エア供給管46の基部はコンプレッサー47に接続する。
【0022】
そのため、エアにより膨らむ膨張体45の膨張および噴射ノズル30から水の噴射により投入筒22の付着セメントを除去でき、これにより、正確な水およびセメント重量の計量ができ、セメントと水の混合比率の精度を向上させることができて均一なセメントミルクの製造が可能となり、また、水供給する度に開口部24を洗浄できるため、洗浄を行う手間を省くことができ、セメントの固化固着も防止できることから、メンテナンスの容易化も図ることができる。
【0023】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、杭打ちあるいは地盤改良の作業現場、あるいは、作業現場近傍にバッチャープラント1を運搬して設置し、バッチャープラント1の近傍にセメントサイロ5と貯水タンク6とを設置し、セメントサイロ5の搬送ホース8とバッチャープラント1のミキサー3とを接続し、貯水タンク6の給水ホースをプラントフレーム2の内部給水管に接続する。
セメントサイロ5の搬送ホース8とバッチャープラント1のミキサー3との接続は、ミキサー3の天板14にセメントサイロ5の搬送ホース8により搬送されたセメントを投入する開口部24を設け、開口部24より所定間隔をおいた上方のフレーム2にはホース支持部20を設け、ホース支持部20には搬送ホース8の先側所定部分を取付ける。搬送ホース8の先端(下端)はホース支持部20より下方に垂らし、搬送ホース8の先端は開口部24に挿入する。
【0024】
このホース支持部20と開口部24との間の搬送ホース8自体を投入筒22とし、少なくとも、投入筒22は可撓性部材により形成し、かつ、投入筒22の下端は自由端としているので、投入筒22の重量はホース支持部20で支持され、ミキサー3の重量に影響せず、ミキサー3の計量精度を低下させない。
バッチャープラント1のミキサー3に水とセメントを投入して混練すると、セメントミルクとなるが、混練作業中に、撹拌翼12の撹拌による遠心力の作用で混練用樋10内の水位Wが上昇し、この水が搬送ホース8とミキサー3との接続部分である投入筒22に付着し、投入筒22に付着した水分に搬送ホース8から供給されたセメントが付着し、投入筒22の下端投入口23に付着したセメント塊が固化して投入筒22の下端投入口23を閉塞し、セメントミルクの計量不良や、最悪、搬送ホース8の先端を固定しているホースバンド(図示省略)が圧力に耐えられずに破損して周囲にセメントを飛散させることになる。
【0025】
本発明は、セメント除去装置21を、ミキサー3にセメントを投入する投入筒22の周囲を包囲する投入筒22より大径の包囲筒部26を有し、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を注入して投入筒22を変形させて投入筒22の下端投入口23に付着するセメントを除去する構成としているので、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体または気体を注入して投入筒22を変形させて投入筒22の付着セメントを除去することにより、投入筒22がセメントにより閉塞するのを防止できる。
【0026】
本実施形態では、セメント除去装置21は、搬送ホース8自体または投入ホース8Aからなる投入筒22と、投入筒22よりも大径で投入筒22の外周を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27に液体(水)を噴射供給する噴射ノズル30を設けて構成しているので、噴射ノズル30により噴射する噴流水および投入筒22の振動により投入筒22に付着する付着セメントSを除去できる。
また、投入筒22の洗浄は、適宜行えばよいが、例えば、毎バッチごとに、噴射ノズル30にて水を噴射して、投入筒22の下端投入口23を洗浄すると、投入筒22およびミキサー3の開口部24に付着したセメントがセメント塊状態になって硬化固着するのを防止できる。
【0027】
セメント除去装置21の投入筒22と包囲筒部26との材質は問わないが、少なくとも、投入筒22は噴射ノズル30からの噴流水により振動および変形可能な程度の可撓性部材により変形自在に構成しているので、投入筒22は変形または振動の何れか一方または両方をすることにより付着セメントSの除去を可能にする。
噴射ノズル30は投入筒22の周囲の空間部27内に円周方向に複数並設する(図4)。
噴射ノズル30への水の供給源は任意であるが、噴射ノズル30には水供給ホース35を接続し、水供給ホース35は天板14に設けた貯水タンク6の給水管36を接続する水供給部37から分岐させているので、貯水タンク6内の水が給水管36を介して水供給部37から水供給ホース35により噴射ノズル30へ供給される。
投入筒22は天板14の上方に複数設けているので、セメントミルク製造時に、大量のセメントをミキサー3に供給でき、セメントミルク製造時間を短縮する。
【0028】
しかして、混練用樋10の天板14の所定位置には、混練用樋10内にセメントを供給した際の、混練用樋10内の空気を抜くエア抜き部40を設けているが、エア抜き部40は所定径の筒部材41の基部を天板14に起立させて接続しているので、エア抜き部40の開口部24にもホース支持部20と同様に、混練作業中の撹拌翼12の撹拌による遠心力の作用でミキサー3の混練用樋10内の水位Wが上昇し、この水分に搬送ホース8から供給されたセメントが付着し、エア抜き部40の連通開口部24Aを閉塞ことがあるが、本発明では、エア抜き部40の連通開口部24A上方に噴射ノズル30を設け、噴射ノズル30には水供給ホース35を接続しているので、噴射ノズル30にて水を噴射して、エア抜き部40の連通開口部24Aを洗浄することで、連通開口部24Aにセメントが付着固化するのを防止する。
【0029】
そして、投入筒22と同様に、エア抜き部40でも、毎バッチごとの、ミキサー3に供給する水を利用して噴射ノズル30にてエア抜き部40内に水を噴射するので、エア抜き部40の連通開口部24Aの洗浄効率が向上し、連通開口部24Aにセメントが付着固化するのを防止する。
噴射ノズル30を設けたエア抜き部40の筒部材41内には、噴射ノズル30の噴流水を下方に案内する円筒状のガイド体42を設けているので、噴射ノズル30からの噴流水をエア抜き部40の連通開口部24Aに向けて案内誘導して、連通開口部24Aの付着セメントSを効率よく除去する。
【0030】
しかして、包囲筒部26の外周には面状のヒーター部材33を被覆させ、投入筒22の下端投入口23の水による洗浄後に加温してホース支持部20内を乾燥させるようにすると、ホース支持部20内を乾燥させることができ、セメントの付着を一層抑制できる。
図7のセメント除去装置21の他の実施形態では、投入筒22の下部外周と包囲筒部26の下部外周の間の空間部27にエアにより膨らむ膨張体45を設け、膨張体45にエア供給管46の先端を接続し、エア供給管46の基部はコンプレッサー47に接続しているので、適宜、コンプレッサー47にて膨張体45を膨張させ、これにより、投入筒22を変形させて、下端投入口23に付着している付着セメントSを落下させ、下端投入口23にセメントが付着固化するのを防止する。
この場合も、毎バッチごとに、コンプレッサー47にて膨張体45を膨張させて付着セメントSを定期的に除去すると、一層、セメントが付着固化するのを防止する。
【0031】
図8のセメント除去装置21の他の実施形態では、ホース支持部20の下方の搬送ホース8自体または搬送ホース8に接続した投入ホース8Aからなる投入筒22と、投入筒22より大径で投入筒22を包囲する包囲筒部26との二重筒構成とし、投入筒22の外周と包囲筒部26の内周との間の空間部27内の上部に水を噴射供給する噴射ノズル30を設けると共に、投入筒22の下部外周と包囲筒部26の下部外周の間の空間部27にエアにより膨らむ膨張体45を設け、膨張体45にエア供給管46の先端を接続し、エア供給管46の基部はコンプレッサー47に接続しているので、エアにより膨らむ膨張体45の膨張および噴射ノズル30から水の噴射により投入筒22の付着セメントSを除去でき、これにより、正確な水およびセメント重量の計量ができ、セメントと水の混合比率の精度を向上させることができて均一なセメントミルクの製造が可能となり、また、水供給する度に開口部24を洗浄できるため、洗浄を行う手間を省くことができ、セメントの固化固着も防止できることから、メンテナンスの容易化も図ることができる。
この場合、水により洗浄と膨張体45の膨張作業との順序は任意であり、先に膨張体45の膨張作業を行ってから、水により洗浄してもよい。
【符号の説明】
【0032】
1…バッチャープラント、2…プラントフレーム、3…ミキサー、4…アジテータ、5…サイロ、6…貯水タンク、6A…送水ホース、7…駆動源、8…搬送ホース、8A…投入ホース、10…混練用樋、11…重量計測器、12…撹拌翼、13…撹拌軸、14…天板、15…回転入力部材、16…排出部、20…ホース支持部、21…セメント除去装置、22…投入筒、23…下端投入口、24…投入口、24A…開口部、26…包囲筒部、27…空間部、30…噴射ノズル、31…止着具、33…ヒーター部材、35…水供給ホース、36…給水管、37…水供給部、40…エア抜き部、41…筒部材、42…ガイド体、45…膨張体、46…エア供給管、47…コンプレッサー、48…切替バルブ、S…セメント、W…水位。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8