IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 安瑞医療器械(杭州)有限公司の特許一覧

<>
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図1
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図2
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図3
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図4
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図5
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図6
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図7
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図8
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図9
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図10
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図11
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図12
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図13
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図14
  • 特許-クランプ装置及びその挟持部 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】クランプ装置及びその挟持部
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/122 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A61B17/122
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021577444
(86)(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 CN2019126560
(87)【国際公開番号】W WO2021000533
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2022-01-04
(31)【優先権主張番号】201910595081.7
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518211624
【氏名又は名称】安瑞医療器械(杭州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】胡 暁剛
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-507307(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108013914(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0150929(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-18/00
A61F 2/01
A61N 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
挟持片(1)と、挟持管(2)と、挟持片固定座(3)と、マンドレル(7)に連結するための連結管(4)とを含み、
前記挟持片固定座(3)は、挟持管(2)内に前後に移動可能に設けられ、
前記連結管(4)は、挟持片固定座(3)の後端に固定され、
挟持片(1)は、弾性金属片であり、2つの挟持片(1)の尾部(140)は、挟持管(2)内に収容され、
挟持片(1)の尾部(140)には、開口する変形孔(141)と、外方に突出する突出部(142)が設けられ、
挟持片(1)の尾部(140)は、変形孔(141)を介して挟持片固定座(3)の先端に可動に連結され、
前記挟持管(2)の尾部内壁に停止段(220)が設けられ、
2つの挟持片の挟み込み時に、挟持片(1)の尾部(140)の突出部(142)は、停止段(220)に係合する、内視鏡に合わせて使用され、
挟持片固定座(3)の先端に連結部(300)が設けられ、
連結部(300)の前部には、径方向ピン部(310)が左右両側にそれぞれ突出するように形成され、
2つの挟持片(1)の尾部がそれぞれ変形孔(141)を介して2つの径方向ピン部(310)に外嵌されて、挟持片(1)と挟持片固定座(3)との間の可動連結を実現し、
挟持片固定座(3)に2つの保護翼部(320)が設けられ、2つの保護翼部(320)がそれぞれ連結部(300)の後部の左右側に位置することにより、保護翼部(320)と連結部(300)との間に、挟持片(1)の尾部を収容するための第1隙間(321)が形成され、
挟持片固定座(3)の先端面と径方向ピン部(310)とにより、挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の前後移動範囲を規制し、
連結部(300)と保護翼部(320)とにより、挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の左右移動範囲を規制することを特徴とする、内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【請求項2】
挟持片固定座(3)の先端が前方に延びて前記保護翼部(320)が形成され、
保護翼部(320)と径方向ピン部(310)との間には、挟持片(1)の尾部が挿入される第2隙間(322)が形成されていることを特徴とする請求項に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【請求項3】
径方向ピン部(310)の外側端が後方に延びて前記保護翼部(320)が形成され、
保護翼部(320)と挟持片固定座(3)の先端面との間に第3隙間(323)が形成されていることを特徴とする請求項に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【請求項4】
挟持片(1)の尾部には、外方に突出する2つの突出部(142)が設けられ、
挟持片(1)の尾部が第1隙間(321)に収容されると、2つの突出部(142)がそれぞれ保護翼部(320)の両側に位置して挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の回転範囲を規制することを特徴とする請求項に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【請求項5】
前記径方向ピン部(310)の断面形状は、非円形であり、
挟持片(1)の尾部の変形孔(141)は、径方向ピン部(310)に適合する形状を有し、
それにより、挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の回転範囲を規制することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【請求項6】
挟持管(2)の前部には、挟持管(2)からの挟持片固定座(3)のスライドを規制するストッパ部(230)が設けられ、
ストッパ部(230)は、挟持管(2)の先端から延出する部分壁が折り曲げられて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【請求項7】
前記挟持片(1)は、先端アーム(120)と後端アーム(130)とを含み、
前記先端アーム(120)の端部は、爪端(110)であり、
先端アーム(120)の両翼には肩部(121)が設けられ、
2つの挟持片(1)の挟み込み時に爪端(110)が互いにかみ合い、
前記挟持片(1)の先端アーム(120)と後端アーム(130)との間は、アーチ状連結部(131)によって連結され、
前記後端アーム(130)の端部は、挟持片(1)の尾部(140)であり、
前記挟持片(1)の尾部(140)の変形孔(141)は、「C」型の開口で、かつ開口方向が後端に向き、
前記挟持片(1)の後端アーム(130)は、挟持管(2)に収容可能であり、
ストッパ部(230)は、2つの挟持片(1)の間に位置することを特徴とする請求項に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【請求項8】
操作部と、解除部と、請求項1~7のいずれか一項に記載の挟持部とを備え、
前記操作部におけるマンドレル(7)の遠位端は、挟持部における連結管(4)に固定的に連結され、
マンドレル(7)には、解除部におけるスプリングホース(9)が外嵌され、
スプリングホース(9)の近位端は、操作部に連結され、
スプリングホース(9)の遠位端は、解除部における回転リング座(6)を固定し、
前記回転リング座(6)に回転リング(5)が取り付けられ、
回転リング(5)は、挟持部における挟持管(2)に着脱可能に連結され、
操作部は、芯軸(7)を引っ張って挟持片固定座(3)を後方に移動させて挟持片(1)を挟み込ませ、挟持片(1)が挟持管(2)によって規制され、
引き続きマンドレル(7)を引っ張ると、挟持片固定座(3)の径方向ピン部(310)は、挟持片(1)の尾部(140)の変形孔(141)を変形させて両者が分離し、挟持片(1)の尾部(140)が弾性的に開き、挟持片(1)の尾部(140)の突出部(142)が挟持管(2)の停止段(220)に係止され、
前記操作部は、マンドレル(7)と、ロータ(10)と、プッシャパイプ(11)と、ハンドル(13)と、ハンドル(13)上を摺動可能なスライドハンドル(14)とを含み、
スライドハンドル(14)は、プッシャパイプ(11)を介してマンドレル(7)の近位端に連結され、
前記ロータ(10)は、マンドレル(7)に外嵌されてマンドレル(7)を回転させることができ、
スピンドル(7)は、ロータ(10)の平孔内を前後に移動可能であり、
解除部におけるスプリングホース(9)の近位端は、ハンドル(13)に固定的に連結され、
前記解除部は、回転リング(5)と、回転リング座(6)と、フック(8)と、スプリングホース(9)とを含み、
前記回転リング(5)は、位置決め段によって回転リング座(6)に設置され、
前記挟持管(2)の尾部に少なくとも2つの第1フック孔が設けられ、
前記回転リング(5)の前部に、少なくとも2つの第2フック孔が設けられ、
前記フック(8)は、マンドレル(7)に嵌設され、かつマンドレル(7)に摺動自在であり、
前記フック(8)は、少なくとも2つのフックアームを含み、
フックアームの先端にフック爪が設けられ、
前記フック(8)のフック爪は、互いに対応する第1フック孔と第2フック孔を貫通してから挟持管(2)と回転リング(5)を固定し、
マンドレル(7)は、フック(8)から外すことができるように連結管(4)又は挟持片固定座(3)を動かして、挟持管(2)を回転リング(5)から分離させ、
前記フック(8)の中部にフック中間孔が設けられ、かつフック中間孔の孔径は、マンドレル(7)の外径よりも大きく、フック中間孔の孔径は、連結管(4)の外径又は挟持片固定座(3)の最大外径よりも小さいことを特徴とする内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置及びその挟持部に係り、具体的には、内視鏡下の手術創縫合の止血や遅発血防止に用いられ、又は、組織を一時的に挟み込んで他の器械を固定するために用いられ、又は、位置標示等の用途に用いられる。
【背景技術】
【0002】
内視鏡技術及び他の関連技術の発展に伴い、内視鏡下の止血は、現在の消化管出血治療の第1選択肢の治療方法になっている。現在よく使われている内視鏡止血法には、レーザー凝固法、電気凝固法、局所の薬物注射による止血法、薬物散布法及び止血クランプによる挟み込み法などがある。その中で、止血クランプによる挟み込み法は、その創傷性が小さく、止血速度が速く、再出血の発生率が低く、合併症が少なく、治療効果が確実であるなどの特徴から、消化管出血の非手術治療で最も有効で、最も臨床応用価値のある方法になっている。しかし、現在の止血クランプの開口幅と挟み込み後の長さは、基本的に1:1であり、即ち開口12mmの止血クランプの場合、最終的な挟み込み後の保留長さは、12mm以上になる。保留長さが長いほど、消化管粘膜を損傷するリスクが高く、また、部品が多く、構造とプロセスが複雑であり、信頼性が低い。
【0003】
従来技術では、以下のようなクランプ装置又は止血鉗子を使用して、組織を挟持して傷口を閉じ、止血又は遅発血防止の目的を達成している。
【0004】
中国で公開された特許出願番号CN201310272522.2の特許文献には、連結具の破裂による解除方式の止血クランプであって、挟持片固定座と挟持片を挟持管壁の弾性リードによって固定する固定方式の止血クランプが開示されている。この器械は、挟持片固定方式の解除が露出し、緩んで脱離するリスクがあり、挟持片の解除過程が面倒である。
【0005】
中国で公開された特許出願番号CN201220250652.7の特許文献には、フェルール付き分離リングが弾力性係止爪に串刺しされ、解除時に分離リングがまっすぐになることで解除目的が達成され、弾力性係止爪のフランジが収納管の凹環に係止する固定方式の止血クランプが開示されている。この器械は、分離リングを開口させる力と、分離リングが受ける力とが互いに直交するため、分離リングと挟持片とを緩めて脱離させるのに手間がかかる。しかも収納管とハンドルは、係止爪を押圧して広げる方式で解除されるため、構造が複雑で操作に手間がかかる。
【0006】
中国で公開された特許出願番号CN201410222753.7の特許文献には、挟持アームの中央部にスライド溝を設け、スライド溝に沿って往復運動することによりクランプ本体の開閉を形成し、スライド溝の末端折曲構造でロックする止血クランプが開示されている。この器械は、挟持アームに溝を入れるため、加工難度及びコストが大きくなり、且つ挟持アームの特殊形状により、挟持アームの弾性が小さく、確実に挟持できない。また、この器械は、ワイヤバックルの変形によりワイヤバックルと挟持アームを緩めて脱離させるが、ワイヤバックルには開口隙間があるため、クランプ本体を繰り返し押し込む際に意図しない緩みや脱離が生じ、使用安定性に影響する可能性がある。
【0007】
米国で公開された特許出願番号US8062311B2号の特許文献には、挟持片の前進と停止を拘束するためにヨークを必要とし、かつヨークが患者の体内に残り、挟持管に返し孔を有する止血クランプが開示されている。この器械も、使い勝手が悪いという問題がある。
【0008】
以上のことから、従来のクランプ装置の解除は、いずれも連結具や連結片、又は他の構成部品の破断によって挟持部と解除部との分離が図られ、破断残りや破片の飛散があり、又は部品が多くて構造が比較的複雑で、各種機能が異なる部品に分散しているため、プロセスの信頼性が悪く、患者の体内に残る部品が比較的多く、しかも挟み込み後の総延長が比較的長い。そこで、公開番号CN108013914Aの特許文献には、内視鏡下で使用される改良型止血クランプが開示されている。その挟持部は、挟持片と、挟持管と、ストッパピンと、連結ピンと、挟持片固定座と、マンドレルに連結するための連結管とを含む。前記挟持片固定装置は、挟持管内に前後移動可能に設けられている。前記連結管は、挟持片固定座の後端に固定されている。前記挟持片は、弾性金属片である。前記挟持片の尾部には、開口する変形孔が設けられている。前記連結ピンは、2つの挟持片の変形孔を貫通して挟持片固定座の先端に固定される。前記挟持片の尾部の変形孔の片側に、外向きに折り返す突出部が設けられている。前記挟持管内壁の尾部に1周の停止段が設けられている。2つの挟持片の挟み込み時に、挟持片の尾部の突出部が停止段に係合する。前記ストッパピンは、挟持管の前部に固定され、挟持管からの挟持片固定座のスライドを規制する。この構造では、挟持片に補強リブがあり、挟持力が大きく、解除中に破断破片がなく、より大きな開口を実現すると同時に保留長さを小さくすることができるという特徴がある。しかし、発明者は、この構造について、部品が多く、組立構造が複雑で、プロセスステップが多く、かつ挟持片と挟持片固定座との間の可動的位置決めが信頼性に欠け、手術操作の便利さや信頼性に欠け、さらなる改善による製造コストの低減が求められていると考える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の技術課題を解決するためになされたものであり、その目的は、構造が信頼可能で、解除が容易で、部品点数がより少なく、製造がより容易で、より低コストな内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置及びその挟持部を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の技術手段を採用する。
内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部は、挟持片と、挟持管と、挟持片固定座と、マンドレルに連結するための連結管とを含む。前記挟持片固定座は、挟持管内に前後に移動可能に設けられている。前記連結管は、挟持片固定座の後端に固定されている。挟持片は、弾性金属片である。2つの挟持片の尾部は、挟持管内に収容される。挟持片の尾部には、開口する変形孔と、外方に突出する突出部が設けられている。挟持片の尾部は、変形孔を介して挟持片固定座の先端に可動に連結される。前記挟持管の尾部内壁に停止段が設けられている。2つの挟持片の挟み込み時に、挟持片の尾部の突出部は、停止段に係合する。挟持片固定座の先端に連結部が設けられている。連結部の前部には、径方向ピン部が左右両側にそれぞれ突出するように形成される。2つの挟持片の尾部がそれぞれ変形孔を介して2つの径方向ピン部に外嵌されて、挟持片と挟持片固定座との間の可動連結を実現する。
【0011】
説明の便宜のために、本開示は、挟持管の軸方向の2つの挟持片が伸びて拡張する方向を前方と見なし、その逆方向を後方とする。同様に、他の部材の場合、挟持部に近い方を先端又は遠位端とし、その逆の方を後端又は近位端とする。
【0012】
好ましくは、挟持片固定座に2つの保護翼部が設けられ、2つの保護翼部がそれぞれ連結部の後部の左右側に位置することにより、保護翼部と連結部との間に、挟持片の尾部を収容するための第1隙間が形成され、挟持片固定座の先端面と径方向ピン部との係合により、挟持片固定座に対する挟持片の尾部の前後移動範囲を規制し、連結部と保護翼部との係合により、挟持片固定座に対する挟持片の尾部の左右移動範囲を規制する。このように、保護翼部を設けることによって挟持片の尾部の可動範囲を規制し、挟持片の取りつけを容易にすると共に、手術操作を容易にする。
【0013】
好ましくは、挟持片固定座の先端が前方に延びて前記保護翼部が形成され、保護翼部と径方向ピン部との間には、挟持片の尾部が挿入される第2隙間が形成されている。このように、構造が簡単で、挟持片の取り付けを容易にする。
【0014】
好ましくは、径方向ピン部の外側端が後方に延びて前記保護翼部が形成され、保護翼部と挟持片固定座の先端面との間に第3隙間が形成されている。このように、保護翼部を径方向ピン部に形成することにより、挟持片の尾部の長さを更に短くすることができ、それにより、挟持片と挟持管の長さ、及び患者の体内に残されるクランプの長さを短くすることができる。
【0015】
好ましい手段のその1として、挟持片の尾部には、外方に突出する2つの突出部が設けられ、挟持片の尾部が第1隙間に収容されると、2つの突出部がそれぞれ保護翼部の両側に位置して挟持片固定座に対する挟持片の尾部の回転範囲を規制する。
【0016】
好ましい手段のその2として、前記径方向ピン部の断面形状を非円形とし、挟持片の尾部の変形孔を径方向ピン部に合わせた形状とすることによって、挟持片固定座に対する挟持片の尾部の回転範囲を規制する。このように、挟持片固定座の径方向ピン部は、楕円や菱形等のような非円形であり、挟持片の回転を規制することができる。これにより、挟持片と挟持片固定座との三次元的な位置決めが実現され、構造が簡単で確実であり、挟持片の動作精度がより高く、手術操作が容易であり、2つの挟持片の挟み込み時に、各挟持片が2つの突出部を介して挟持管の尾部の内壁の停止段に係合し、より安定して確実に挟み込むことができる。
【0017】
好ましくは、挟持管の前部には、挟持管からの挟持片固定座のスライドを規制するストッパ部が設けられ、ストッパ部は、挟持管の先端から延出する部分壁が折り曲げられて形成されている。これにより、溶接プロセスを節約し、製造コストを削減することができる。
【0018】
好ましくは、前記挟持片は、先端アームと後端アームとを含む。前記先端アームの端部は、爪端である。先端アームの両翼には肩部が設けられる。前記爪端は、鋸歯状又は非鋸歯状(例えば平坦口等)であり、かつ2つの挟持片の挟み込み時に爪端が互いにかみ合い、前記挟持片の先端アームと後端アームとの間は、アーチ状連結部によって連結される。前記後端アームの端部は、挟持片の尾部である。前記挟持片の尾部の変形孔は、「C」型の開口で、かつ開口方向が後端に向く。前記挟持片の後端アームは、挟持管に収容可能である。ストッパ部は、2つの挟持片の間に位置する。挟持片固定座は、鋳物で作られていることが好ましく、他の機械的加工方法で作ることもできる。前記径方向ピン部の断面形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、多角形、又はその他の特殊な形状等であってもよいが、挟持片の回転を制限する効果を達成するために非円形であることが好ましい。更に、挟持管と挟持片は、金属製のブランキング部品でできることが好ましく、挟持管のストッパ部は、後から折り曲げられて形成される。挟持片の突出部は、挟持片と一緒に成形するか、後から折り曲げられて形成される。
【0019】
内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置は、操作部と、解除部と、上述した挟持部とを含む。
【0020】
好ましくは、前記操作部におけるマンドレルの遠位端は、挟持部における連結管に固定的に連結される。マンドレルには、解除部におけるスプリングホースが外嵌される。スプリングホースの近位端は、操作部に連結される。スプリングホースの遠位端は、解除部における回転リング座を固定する。前記回転リング座に回転リングが取り付けられている。回転リングは、挟持部における挟持管に着脱可能に連結される。操作部は、芯軸を引っ張って挟持片固定座を後方に移動させて挟持片を挟み込ませ、挟持片の肩部が挟持管によって位置決められる。引き続きマンドレルを引っ張ると、挟持片固定座の径方向ピン部は、挟持片の尾部の変形孔を変形させて両者が分離し、挟持片の尾部が弾性的に開き、挟持片の尾部の突出部が挟持管の停止段に係止され、クランプの解除とロックが実現される。
【0021】
好ましくは、前記操作部は、マンドレルと、ロータと、プッシャパイプと、ハンドルと、ハンドル上を摺動可能なスライドハンドルとを含む。スライドハンドルは、プッシャパイプを介してマンドレルの近位端に連結される。前記ロータは、マンドレルに外嵌されてマンドレルを回転させることができる。スピンドルは、ロータの平孔内を前後に移動可能である。解除部におけるスプリングホースの近位端は、ハンドルに固定的に連結される。前記解除部は、回転リングと、回転リング座と、フックと、スプリングホースとを含む。前記回転リングは、位置決め段によって回転リング座に設置される。前記挟持管の尾部に少なくとも2つの第1フック孔が設けられ、前記回転リングの前部に、少なくとも2つの第2フック孔が設けられている。前記フックは、マンドレルに嵌設され、かつマンドレルに摺動自在である。前記フックは、少なくとも2つのフックアームを含む。フックアームの先端にフック爪が設けられる。前記フックのフック爪は、互いに対応する第1フック孔と第2フック孔を貫通してから挟持管と回転リングを固定する。マンドレルは、フックから外すことができるように連結管又は挟持片固定座を動かして、挟持管を回転リングから分離させる。前記フックの中部にフック中間孔が設けられ、かつフック中間孔の孔径は、マンドレルの外径よりも大きく、フック中間孔の孔径は、連結管の外径又は挟持片固定座の最大外径よりも小さい。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上記の技術方案を採用して以下の効果を達成することができる。
1、分離過程において、挟持片の尾部が対称的に跳ね返り、最初から最後まで部品の破断が発生せず、破片の残留がない。
2、挟持片の尾部と解除部が連結し、空間の最大化利用を得て、挟み込みが解除された後、全長が最短になる。
3、挟持片にアーチ状連結部を設け、挟持力を高め、確実に挟持することができる。
4、挟持管が挟持片の尾部の鋭い部位を被覆し、患者の体内に残る部分は滑らかで角がなく、患者の組織の損傷を防止する。
5、連結ピンとストッパピンがなく、部品がより少なく、構造がより安定している。
6、挟持片の尾部に対称的に突出する2つの突出部の返しは、安定性がより高い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施例1に係るクランプの挟み込み前の構成を示す図である。
図2】実施例1に係るクランプの挟み込み後の未解除の構成を示す図である。
図3】実施例1に係るクランプの解除後の構成を示す図である。
図4】実施例1に係るクランプの解除後の回転リング、回転リング固定座、挟持片固定座、挟持管及び挟持片の構成を示す図である。
図5】実施例1に係るクランプの解除後の挟持管及び挟持片の構成を示す図である。
図6】実施例1に係る挟持管の構成を示す図である。
図7】実施例1に係る挟持管の断面図である。
図8】実施例1に係る挟持片の構成を示す図である。
図9】実施例1に係る挟持片固定座の斜視図である。
図10】実施例1に係る挟持片固定座の構成を示す図である。
図11】実施例1に係るクランプの挟持片と挟持片固定座との係合構造を示す図である。
図12】実施例1に係る挟持片の装着を示す図である。
図13】実施例2に係る挟持片固定座の構成を示す図である。
図14】実施例2に係る挟持片固定座の斜視図である。
図15】実施例2に係る挟持片と挟持片固定座との係合構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施例は、以下に詳細に説明される。記載される実施例は、添付の図面に示され、同じ又は類似の参照番号は、同じ又は類似の要素、或いは、同じ又は類似の機能を有する要素を示す。図面を参照して以下に説明する実施例は、例示的なものであり、本発明を説明することを意図しているが、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0025】
本発明の説明において、「中心」、「縦」、「横」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内側」、「時計回り」、「反時計回り」で示される向き又は位置の関係は、図に示されている向き又は位置の関係に基づくものであり、本発明を説明し、説明を簡略化するための便宜のためだけのものであり、言及される装置又は要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成・操作されることを示したり示唆したりするものではないので、本発明に対する制限として理解することはできない。
【0026】
更に、「第1」及び「第2」という用語は、説明目的でのみ使用され、相対的な重要性を示したり示唆したり、示された技術的特徴の数を示唆したりするものとして理解することはできない。したがって、「第1」及び「第2」で定義された機能には、これらの機能の1つ以上が明示的又は暗黙的に含まれる場合がある。本発明の説明において、他に特定されない限り、「複数」は、他に明確に定義されない限り、2つ以上を意味する。
【0027】
本発明において、他に明確に特定及び限定されない限り、「取り付けられる」、「連結される」、「接続される」、「固定される」及び他の用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば固定的に連結されたり、取り外し可能な連結だったり、又は一体的に連結されたりする。機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよい。直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して接続されてもよく、2つの素子間の内部接続であってもよい。当業者にとって、本発明における上記の用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0028】
本発明において、他に明示的に規定及び定義されない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含み、第1特徴と第2特徴とは直接接触ではなく、それらの間の別の特徴を介して接触することも含む。更に、第1特徴が第2特徴の「上」及び「上方」は、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあること、又は単に第1特徴の水平の高さが第2特徴よりも高いことを含む。第1特徴が第2特徴の「下」及び「下方」は、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあること、又は単に第1特徴の水平の高さが第2特徴よりも低いことを含む。
【0029】
説明の便宜のために、本開示は、挟持管の軸方向の2つの挟持片が伸びて拡張する方向を前方と見なし、その逆方向を後方とする。同様に、他の部材の場合、挟持部に近い方を先端又は遠位端とし、その逆のほうを後端又は近位端とする。
【0030】
(実施例1)
図1~3に示す内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置は、操作部と、解除部と、挟持部とを含む。前記操作部及び解除部の構造及び操作は、公開番号CN108013914Aの特許文書を参照することができる。具体的に以下に説明する。
【0031】
前記操作部におけるマンドレル7の遠位端は、挟持部における連結管4に固定的に連結される。マンドレル7には、解除部におけるスプリングホース9が外嵌される。スプリングホース9の近位端は、操作部に連結される。スプリングホース9の遠位端は、解除部における回転リング座6を固定する。前記回転リング座6に回転リング5が取り付けられる。回転リング5は、挟持部における挟持管2に着脱可能に連結される。操作部は、芯軸7を引っ張って挟持片固定座3を後方に移動させて挟持片1を挟み込ませ、挟持片1の肩部が挟持管2によって位置決められる。引き続きマンドレル7を引っ張ると、挟持片固定座3の径方向ピン部310は、挟持片1の尾部140の変形孔141を変形させて両者が分離し、挟持片1の尾部140が弾性的に開き、挟持片1の尾部140の突出部142が挟持管2の停止段220に係止する。クランプの解除とロックが実現される。
【0032】
前記操作部は、マンドレル7と、ロータ10と、プッシャパイプ11と、ハンドル13と、ハンドル13上を摺動可能なスライドハンドル14とを含む。スライドハンドル14は、プッシャパイプ11を介してマンドレル7の近位端に連結される。前記ロータ10は、マンドレル7に外嵌されてマンドレル7を回転させることができる。スピンドル7は、ロータ10の平孔内を前後に移動可能である。解除部におけるスプリングホース9の近位端は、ハンドル13に固定的に連結される。前記解除部は、回転リング5と、回転リング座6と、フック8と、スプリングホース9とを含む。前記回転リング5は、位置決め段によって回転リング座6に設置される。図4図5に示すように、前記挟持管2の尾部に少なくとも2つの第1フック孔210が設けられ、前記回転リング5の前部に、少なくとも2つの第2フック孔510が設けられる。前記フック8は、マンドレル7に嵌設され、かつマンドレル7に摺動自在である。前記フック8は、少なくとも2つのフックアームを含む。フックアームの先端にフック爪が設けられる。前記フック8のフック爪は、互いに対応する第1フック孔と第2フック孔を貫通してから挟持管2と回転リング5を固定する。マンドレル7は、フック8から外すことができるように連結管4又は挟持片固定座3を動かして、挟持管2を回転リング5から分離させる。前記フック8の中部にフック中間孔が設けられ、かつフック中間孔の孔径は、マンドレル7の外径よりも大きく、フック中間孔の孔径は、連結管4の外径又は挟持片固定座3の最大外径よりも小さい。前記マンドレル7は、金属モノフィラメント又はロープであり、また、マルチストランド金属ワイヤ又はロープであってもよい。
【0033】
前記挟持部は、挟持片1と、挟持管2と、挟持片固定座3と、マンドレル7に連結するための連結管4とを含む。前記挟持片固定座3は、挟持管2内に前後に移動可能に設けられている。前記連結管4は、挟持片固定座3の後端に固定されている。挟持片1は、弾性金属片である。2つの挟持片1の尾部140は、挟持管2内に収容される。挟持片1の尾部140には、開口する変形孔141と、外方に突出する突出部142が設けられる。挟持片1の尾部140は、変形孔141を介して挟持片固定座3の先端に可動に連結される。前記挟持管2の尾部内壁に停止段220が設けられる。2つの挟持片の挟み込み時に、挟持片1の尾部140の突出部142は、停止段220に係合する。挟持片固定座3の先端が前方に延びて連結部300が形成される。連結部300の前部には、径方向ピン部310が左右両側にそれぞれ突出するように形成される。2つの挟持片1の尾部がそれぞれ変形孔141を介して2つの径方向ピン部310に外嵌されて、挟持片1と挟持片固定座3との間の可動連結を実現する。
【0034】
図9図10図11に示すように、挟持片固定座3に2つの保護翼部320が設けられ、2つの保護翼部320がそれぞれ連結部300の後部の左右側に位置することにより、保護翼部320と連結部300との間に、挟持片1の尾部を収容するための第1隙間321が形成される。挟持片固定座3の先端面と径方向ピン部310とにより、挟持片固定座3に対する挟持片1の尾部の前後移動範囲を規制し、連結部300と保護翼部320とにより、挟持片固定座3に対する挟持片1の尾部の左右移動範囲を規制する。
【0035】
図11に示すように、挟持片1の尾部には、外方に突出する2つの突出部142が設けられ、挟持片1の尾部が第1隙間321に収容されると、2つの突出部142がそれぞれ保護翼部320の両側に位置して挟持片固定座3に対する挟持片1の尾部の回転範囲を規制する。これにより、挟持片と挟持片固定座の三次元的な位置決めが実現され、構造がシンプルで信頼性が高く、手術操作が便利である。2つの挟持片の挟み込み時に、各挟持片が2つ突出部を介して挟持管の尾部内壁の停止段220に係合し、より安定して信頼可能に挟持することができる。
【0036】
図6図7に示されるように、挟持管2の前部には、挟持管2からの挟持片固定座3のスライドを規制するストッパ部230が設けられ、ストッパ部230は、挟持管2の先端から延出する部分壁が折り曲げられて形成されている。これにより、溶接プロセスを節約し、製造コストを削減することができる。
【0037】
図8に示すように、前記挟持片1は、先端アーム120と後端アーム130とを含む。前記先端アーム120の端部は、爪端110である。先端アーム120の両翼には肩部121が設けられる。前記爪端は、鋸歯状であり、かつ2つの挟持片1の挟み込み時に爪端110が互いにかみ合い、前記挟持片1の先端アーム120と後端アーム130との間は、アーチ状連結部131によって連結される。前記後端アーム130の端部は、挟持片1の尾部140である。前記挟持片1の尾部140の変形孔141は、「C」型の開口で、かつ開口方向が後端に向く。前記挟持片1の後端アーム130は、挟持管2に収容可能である。ストッパ部230は、2つの挟持片1の間に位置する。挟持片固定座は、鋳物で作られていることが好ましく、他の機械的加工方法で作ることもできる。前記径方向ピン部310の断面形状は、円形、楕円形、正方形、長方形、多角形、又はその他の特殊な形状等であってもよいが、挟持片の回転を制限する効果を達成するために非円形であることが好ましい。他の実施形態では、前後方向の径方向ピン部の外径(挟持片の尾部の変形孔の開口距離に適合する)は、他の方向の外径よりも大幅に小さいので、挟持片を取り付ける際に、挟持片の尾部の変形孔の開口を、前後方向に垂直な方向に径方向ピン部に挿入して90°回転させ、挟持片の爪端を前向きにし、挟持片の尾部の変形孔を径方向ピン部にスナップ連結することで、取り付け・製作が容易である。挟持管と挟持片は、金属製のブランキング部品で作製され、挟持管のストッパ部は、後から折り曲げられて形成される。挟持片の突出部は、挟持片と一緒に成形するか、後から折り曲げられて形成される。
【0038】
本実施例では、挟持片固定座3の先端が前方に延びて前記保護翼部320が形成され、保護翼部320と径方向ピン部310との間には、挟持片1の尾部が挿入される第2隙間322が形成されている。
【0039】
図12に示すように、前記挟持片1と挟持片固定座2を取り付けて連結する際に、挟持片1と挟持片固定座3が一定の角度で第2隙間に挿入され、挟持片の尾部の連結孔が挟持片固定座の径方向ピン部に入り、挟持片の尾部が挟持片固定座の第1隙間(二重U字型の溝)に入る。2つの挟持片は、両側で対称であり、挟持管に収納されて管内で径方向に規制される。
【0040】
前記挟持管を取り付ける場合、挟持片固定座で挟持管に挟持片を収納した後、2つの挟持片が閉鎖していない場合、両側のストッパを内側に折り曲げて遮断用のストッパ部を形成し、挟持片固定座が再び挟持管の前端から突き出ることを防止する。
【0041】
使用中、図1に示すように、スライドハンドル12は、ハンドル13のスライド溝内をスライドし、その前方への動きは、マンドレル7を押して、挟持片固定座3を前方に移動させ、挟持片1が挟持管2から延びるようにし、挟持片1が開く目的が達成される。図2に示すように、その後方への動きは、マンドレル7を引っ張って挟持片固定座3を後方に移動させ、挟持片1を挟持管2に引き込ませ、挟持片1が閉鎖して挟持する目的が達成される。図3に示すように、スライドハンドル12は、後方に動き続け、マンドレル7を引っ張って挟持片固定座3を後方に移動させ、挟持片固定座3の径方向ピン部310は、挟持片の尾部の変形孔141を変形させて分離させ、2つの挟持片1の尾部140及び挟持片固定座3は、分離後に弾性的に分離し、挟持片の尾部の突起142は、挟持管2の停止段220で停止し、マンドレル7は、後方に移動し続け、挟持片固定座3は、弾力性を有するフック8を外し、挟持管2を回転リング5から分離させ、クランプの解除を実現し、最初から最後まで部品の破断がなく、破片の残留がない。
【0042】
(実施例2)
内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置は、操作部と、解除部と、挟持部を含む。実施例1との唯一の違いは、挟持部の以下の構造である。
図13図14図15に示すように、径方向ピン部310の外側端が後方に延びて前記保護翼部320が形成され、保護翼部320と挟持片固定座3の先端面との間に第3隙間323が形成されている。このように、保護翼部を径方向ピン部に形成することにより、挟持片の尾部の長さを更に短くすることができ、それにより、挟持片と挟持管の長さ、及び患者の体内に残されるクランプの長さを短くすることができる。その他は、実施例1と同じである。
【0043】
本明細書の説明において、「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」などの用語を参照する説明は、その実施例又は例に関連して説明される具体的な構成、構造、材料、又は特徴が、本発明の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記の用語を用いた例示的な記載は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。更に、記載された具体的な構成、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で組み合わせることができる。
【0044】
本発明の実施例は、以上に示され、説明されたが、上記の実施例は、例示であり、本発明を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解される。当業者は、本発明の原理及び目的から逸脱せずに、本発明の範囲内で上記の実施例に対して変更、修正、置換、及び修正を行うことができる。本発明の精神及び原則の範囲内で行われた修正、同等の置換、改良などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0045】
(付記)
(付記1)
挟持片(1)と、挟持管(2)と、挟持片固定座(3)と、マンドレル(7)に連結するための連結管(4)とを含み、
前記挟持片固定座(3)は、挟持管(2)内に前後に移動可能に設けられ、
前記連結管(4)は、挟持片固定座(3)の後端に固定され、
挟持片(1)は、弾性金属片であり、2つの挟持片(1)の尾部(140)は、挟持管(2)内に収容され、
挟持片(1)の尾部(140)には、開口する変形孔(141)と、外方に突出する突出部(142)が設けられ、
挟持片(1)の尾部(140)は、変形孔(141)を介して挟持片固定座(3)の先端に可動に連結され、
前記挟持管(2)の尾部内壁に停止段(220)が設けられ、
2つの挟持片の挟み込み時に、挟持片(1)の尾部(140)の突出部(142)は、停止段(220)に係合する、内視鏡に合わせて使用され、
挟持片固定座(3)の先端に連結部(300)が設けられ、
連結部(300)の前部には、径方向ピン部(310)が左右両側にそれぞれ突出するように形成され、
2つの挟持片(1)の尾部がそれぞれ変形孔(141)を介して2つの径方向ピン部(310)に外嵌されて、挟持片(1)と挟持片固定座(3)との間の可動連結を実現することを特徴とする、内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0046】
(付記2)
挟持片固定座(3)に2つの保護翼部(320)が設けられ、2つの保護翼部(320)がそれぞれ連結部(300)の後部の左右側に位置することにより、保護翼部(320)と連結部(300)との間に、挟持片(1)の尾部を収容するための第1隙間(321)が形成され、
挟持片固定座(3)の先端面と径方向ピン部(310)との係合により、挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の前後移動範囲を規制し、
連結部(300)と保護翼部(320)との係合により、挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の左右移動範囲を規制することを特徴とする付記1に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0047】
(付記3)
挟持片固定座(3)の先端が前方に延びて前記保護翼部(320)が形成され、
保護翼部(320)と径方向ピン部(310)との間には、挟持片(1)の尾部が挿入される第2隙間(322)が形成されていることを特徴とする付記2に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0048】
(付記4)
径方向ピン部(310)の外側端が後方に延びて前記保護翼部(320)が形成され、
保護翼部(320)と挟持片固定座(3)の先端面との間に第3隙間(323)が形成されていることを特徴とする付記2に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0049】
(付記5)
挟持片(1)の尾部には、外方に突出する2つの突出部(142)が設けられ、
挟持片(1)の尾部が第1隙間(321)に収容されると、2つの突出部(142)がそれぞれ保護翼部(320)の両側に位置して挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の回転範囲を規制することを特徴とする付記2に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0050】
(付記6)
前記径方向ピン部(310)の断面形状は、非円形であり、
挟持片(1)の尾部の変形孔(141)は、径方向ピン部(310)に適合する形状を有し、
それにより、挟持片固定座(3)に対する挟持片(1)の尾部の回転範囲を規制することを特徴とする付記1に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0051】
(付記7)
挟持管(2)の前部には、挟持管(2)からの挟持片固定座(3)のスライドを規制するストッパ部(230)が設けられ、
ストッパ部(230)は、挟持管(2)の先端から延出する部分壁が折り曲げられて形成されていることを特徴とする付記1に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0052】
(付記8)
前記挟持片(1)は、先端アーム(120)と後端アーム(130)とを含み、
前記先端アーム(120)の端部は、爪端(110)であり、
先端アーム(120)の両翼には肩部(121)が設けられ、
2つの挟持片(1)の挟み込み時に爪端(110)が互いにかみ合い、
前記挟持片(1)の先端アーム(120)と後端アーム(130)との間は、アーチ状連結部(131)によって連結され、
前記後端アーム(130)の端部は、挟持片(1)の尾部(140)であり、
前記挟持片(1)の尾部(140)の変形孔(141)は、「C」型の開口で、かつ開口方向が後端に向き、
前記挟持片(1)の後端アーム(130)は、挟持管(2)に収容可能であり、
ストッパ部(230)は、2つの挟持片(1)の間に位置することを特徴とする付記7に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置の挟持部。
【0053】
(付記9)
操作部と、解除部と、付記1~8のいずれか一つに記載の挟持部とを含むことを特徴とする内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置。
【0054】
(付記10)
前記操作部におけるマンドレル(7)の遠位端は、挟持部における連結管(4)に固定的に連結され、
マンドレル(7)には、解除部におけるスプリングホース(9)が外嵌され、
スプリングホース(9)の近位端は、操作部に連結され、
スプリングホース(9)の遠位端は、解除部における回転リング座(6)を固定し、
前記回転リング座(6)に回転リング(5)が取り付けられ、
回転リング(5)は、挟持部における挟持管(2)に着脱可能に連結され、
操作部は、芯軸(7)を引っ張って挟持片固定座(3)を後方に移動させて挟持片(1)を挟み込ませ、挟持片(1)が挟持管(2)によって規制され、
引き続きマンドレル(7)を引っ張ると、挟持片固定座(3)の径方向ピン部(310)は、挟持片(1)の尾部(140)の変形孔(141)を変形させて両者が分離し、挟持片(1)の尾部(140)が弾性的に開き、挟持片(1)の尾部(140)の突出部(142)が挟持管(2)の停止段(220)に係止され、
前記操作部は、マンドレル(7)と、ロータ(10)と、プッシャパイプ(11)と、ハンドル(13)と、ハンドル(13)上を摺動可能なスライドハンドル(14)とを含み、
スライドハンドル(14)は、プッシャパイプ(11)を介してマンドレル(7)の近位端に連結され、
前記ロータ(10)は、マンドレル(7)に外嵌されてマンドレル(7)を回転させることができ、
スピンドル(7)は、ロータ(10)の平孔内を前後に移動可能であり、
解除部におけるスプリングホース(9)の近位端は、ハンドル(13)に固定的に連結され、
前記解除部は、回転リング(5)と、回転リング座(6)と、フック(8)と、スプリングホース(9)とを含み、
前記回転リング(5)は、位置決め段によって回転リング座(6)に設置され、
前記挟持管(2)の尾部に少なくとも2つの第1フック孔が設けられ、
前記回転リング(5)の前部に、少なくとも2つの第2フック孔が設けられ、
前記フック(8)は、マンドレル(7)に嵌設され、かつマンドレル(7)に摺動自在であり、
前記フック(8)は、少なくとも2つのフックアームを含み、
フックアームの先端にフック爪が設けられ、
前記フック(8)のフック爪は、互いに対応する第1フック孔と第2フック孔を貫通してから挟持管(2)と回転リング(5)を固定し、
マンドレル(7)は、フック(8)から外すことができるように連結管(4)又は挟持片固定座(3)を動かして、挟持管(2)を回転リング(5)から分離させ、
前記フック(8)の中部にフック中間孔が設けられ、かつフック中間孔の孔径は、マンドレル(7)の外径よりも大きく、フック中間孔の孔径は、連結管(4)の外径又は挟持片固定座(3)の最大外径よりも小さいことを特徴とする付記9に記載の内視鏡に合わせて使用されるクランプ装置。
【符号の説明】
【0055】
1:挟持片、2:挟持管、3:挟持片固定座、4:連結管、5:回転リング、6:回転リング座、7:マンドレル、8:フック、9:スプリングホース、10:ロータ、11:プッシャパイプ、14:スライドハンドル、13:ハンドル、
110:爪端、120:先端アーム、121:肩部、130:後端アーム、131:アーチ状連結部、140:尾部、141:変形孔、142、突出部、
210:第1フック孔、220:停止段、230:ストッパ部、510:第2フック孔、
300:連結部、310:径方向ピン部、320:保護翼部、321:第1隙間、322:第2隙間、323:第3隙間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15