(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】浄水装置および浄水装置における少なくとも1つの流体特性を制御する方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/44 20230101AFI20240112BHJP
A61M 1/28 20060101ALI20240112BHJP
B01D 61/12 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
C02F1/44 H
A61M1/28 105
A61M1/28 130
B01D61/12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022148331
(22)【出願日】2022-09-16
(62)【分割の表示】P 2019562288の分割
【原出願日】2018-06-13
【審査請求日】2022-10-17
(32)【優先日】2017-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, オーロフ
(72)【発明者】
【氏名】センデリアス, ピーター
(72)【発明者】
【氏名】リンドグレーン, ヘンリック
(72)【発明者】
【氏名】ハルストレム, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】オルンダル, カール-ヘンリー
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-279472(JP,A)
【文献】特開2011-224465(JP,A)
【文献】特開2001-293471(JP,A)
【文献】特開2014-104400(JP,A)
【文献】特開2010-279423(JP,A)
【文献】特開2000-126767(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01572328(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0295650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22,61/00-71/82
C02F 1/22,1/44,1/46-1/48
A61M 1/00-1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浄水装置(300)であって、
浄水を生産するように
構成された逆浸透装
置(301)であって、供給水を受け入れるように配置された供給口(301a)
及び浄水出口(301b)を含む
逆浸透装置(301)と、
供給水を前記供給口(301a)に送り出すように
構成された
逆浸透ポンプ(450)と、
前記浄
水の一部を前記
逆浸透装置(301)の下流の第1点から前記
逆浸透装置(301)の上流の第2点まで再循環させるように
構成された再循環経路(375)と、
浄水を前記浄水出口(301b)から
行先に搬送するように
構成された浄水経路(371)であって、
(i)前記再循環経路(375)の上流に配置された浸透水経路(371a)と、(ii)製品水を前記行先に搬送するように前記再循環経路(375)の下流に配置された製品水経路(371c)と、を含み、前記浸透水経路(371a)は前記第1点において前記再循環経路(375)と前記製品水経路(371c)とに分かれる、浄水経路(371)と、
前記浸透水経路(371a)内の浄水の流速を検出するように構成された流量センサ(410)と、
前記逆浸透ポンプ(450)を、前記浸透水経路(371a)を通る浄水のある流速に対応する、あるポンプ速度に制御するように構成された制御部(112)と、
を備える浄水装置(300)。
【請求項2】
前記流量センサ(410)は第1の流量センサであり、前記製品水経路(371c)内の製品水の流速を検出するように構成された第2の流量センサ(309)を含む、請求項1に記載の浄水装置(300)。
【請求項3】
ヒータ(302)をさらに備え、前記浄水経路(371)を流れる前記浄水を加熱するように、前記ヒータ(302)は前記逆浸透装置(301)の下流に配置される、請求項1に記載の浄水装置(300)。
【請求項4】
前記ヒータ(302)の下流の前記
浄水の温度を測定するように配置された温度センサ(303)を
含み、前記制御部(112)は、前記温度センサ(303)によって検出された前記温度に基づいて、前記
逆浸透装置(301)の
逆浸透膜(324)を通って流れる
供給水
の温度を制御するように
構成される、請求項
3に記載の浄水装置(300)。
【請求項5】
前記浄水経路(371)内の浄水の圧力を検出するように配置され及び構成された少なくとも1つの圧力センサ(308)を含み、前記制御部(112)は、(i)所定の上側圧力レベルより下にとどまり、又は(ii)所定の圧力を達成することを試みるように、前記浄水の前記圧力を制御するために、前記検出された圧力を用いるように構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の浄水装置(300)。
【請求項6】
外部の水源から水を受け入れ、
前記逆浸透装置(301)の前記供給口(301a)に
供給水を供給するように
構成されたタンク(350)
をさらに備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の浄水装置(300)。
【請求項7】
前記外部の水源からの水は、前記タンク(350)に到達する前に、フィルタパッケージ(331)を通って流れる、請求項6に記載の浄水装置(300)。
【請求項8】
前記再循環経路(375)についての前記逆浸透装置(301)の上流の前記第2点が前記タンク(350)に設けられる、請求項6に記載の浄水装置(300)。
【請求項9】
前記タンク(350)の上部から伸びるエアベントライン(325)を含む、請求項6に記載の浄水装置(300)。
【請求項10】
前記浄水経路(371)において、前記逆浸透装置(301)の下流に配置されたポリッシャー装置(306)をさらに備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の浄水装置(300)。
【請求項11】
前記浸透水経路(371a)が、前記
逆浸透装置(301)の前記浄水出口(301b)から前記ポリッシャー
装置(306)の入口まで
浄水を搬送するように配置され
ている、請求項10に記載の浄水装置(300)。
【請求項12】
前記製品水経路
(371c)が、前記ポリッシャー
装置(306)の出口から前記
行先に浄水を搬送するように配置され
及び構成されている、請求項
10又は11に記載の浄水装置(300)。
【請求項13】
前記再循環経路(375)に沿って配置された流量制御装置(305a)を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の浄水装置(300)。
【請求項14】
前記行先が製品水ポート(128)を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の浄水装置(300)。
【請求項15】
前記製品水経路(371c)内の流体特性を検出するように構成された検出器(308,309,313)と、前記再循環経路(375)に沿って位置する流量制御装置(305a)とを含み、前記制御部(112)は、前記検出器(308,309)によって検出された前記流体特性に基づいて前記流量制御装置(305a)を制御するように構成されている、請求項1から14のいずれか1項に記載の浄水装置(300)。
【請求項16】
前記流体特性は、流体圧力、流体流速、又は流体温度を含む、請求項15に記載の浄水装置(300)。
【請求項17】
腹膜透析システムであって、
浄水装置であって、
浄水を生産するように構成された逆浸透装置(301)であって、供給水を受け入れるように配置された供給口(301a)及び浄水出口(301b)を含む逆浸透装置(301)と、
供給水を前記供給口(301a)に送り出すように構成された逆浸透ポンプ(450)と、
前記浄水の一部を前記逆浸透装置(301)の下流の第1点から前記逆浸透装置(301)の上流の第2点まで再循環させるように構成された再循環経路(375)と、
浄水を前記浄水出口(301b)から行先に搬送するように構成された浄水経路(371)であって、(i)前記再循環経路(375)の上流に配置された浸透水経路(371a)と、(ii)製品水を前記行先に搬送するように前記再循環経路(375)の下流に配置された製品水経路(371c)と、を含み、前記浸透水経路(371a)は前記第1点において前記再循環経路(375)と前記製品水経路(371c)とに分かれる、浄水経路(371)と、
前記浸透水経路(371a)内の浄水の流速を検出するように構成された流量センサ(410)と、
前記逆浸透ポンプ(450)を、前記浸透水経路(371a)を通る浄水のある流速に対応する、あるポンプ速度に制御するように構成された制御部(112)と、
を含む浄水装置と、
腹膜透析(PD)サイクラであって、PD治療の間にPD流体を用いるように配置され及び構成され、前記PD流体は前記浄水装置(300)からの製品水を用いて混合される、PDサイクラと、
を備える腹膜透析システム。
【請求項18】
前記行先は製品水ポート(128)を含む、請求項17に記載の腹膜透析システム(300)。
【請求項19】
浄水装置において少なくとも1つの流体特性を制御する方法であって、前記浄水装置(300)は、浄水を生産するように配置された逆浸透装置(301)と、前記浄水の一部を前記逆浸透装置(301)の下流の第1点から前記逆浸透装置(301)の上流の第2点まで再循環させるように構成された再循環経路(375)と、を含み、前記方法は、
浄水経路(371)を、(i)前記再循環経路(375)の上流に配置された浸透水経路(371a)と、(ii)前記再循環経路(375)の下流に配置された製品水経路(371c)と、を含むように構成することと、
前記浸透水経路(371a)を、前記第1点において前記再循環経路(375)と前記製品水経路(371c)とに分かれさせることと、
逆浸透ポンプ(450)を、前記浸透水経路(371a)を通る浄水のある流速に対応する、あるポンプ速度に制御することと、
を含む、方法。
【請求項20】
生産時間帯の間に生産された製品水の量を、前記生産時間帯の
長さ及び前記生産時間帯の間に検出された対応する前記浄水の流量に基づいて推定する
ことを
さらに含む
、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
量が所定の生産量に達したときに所定の動作を引き起こす
ことをさらに含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記浄水経路(371)内の浄水の圧力を検出するように配置され及び構成された少なくとも1つの圧力センサ(308)を監視することと、(i)所定の上側圧力レベルより下にとどまり、又は(ii)所定の圧力を達成することを試みるように、前記浄水の前記圧力を制御するために、前記検出された圧力を用いることと、を含む、請求項19から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記浄水の温度を検出するように配置された温度センサ(303)を監視することと、前記温度センサ(303)によって検出された前記温度に基づいて、前記逆浸透装置(301)の逆浸透膜(324)を通って流れる水の温度を制御することと、を含む、請求項19から22のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、浄水装置および浄水装置における少なくとも1つの流体特性を制御するための対応する方法に関する。本開示はまた、この方法を実施するコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
急性又は慢性の腎不全に苦しむ患者の治療では、透析療法が用いられる。透析療法の一般的な3つのカテゴリーは、血液透析(HD)、腹膜透析(PD)、持続的腎代替療法(CRRT)である。
【0003】
血液透析では、患者の血液は、透析器に組み込んだ体外膜システムで人工腎臓を通る通路によって浄化される。血液処理は、患者の血液を膜の一方の側で循環させる半透膜(ダイアライザー)及びを有する交換器を介した体外循環を含み、健常者の血液中に近い濃度の血液の主な電解質を含む透析液をもう一方で循環させる。さらに、半透膜によって区切られたダイアライザーの2つのコンパートメントの間に圧力差が生み出され、その結果、少量の血漿液が限外濾過によって膜を通過して透析液を含むコンパートメントに入る。
【0004】
CRRTは、標準的な血液透析のために病状が悪すぎる又は不安定な患者に対する代替療法として用いられる。これは血液透析に類似しており、拡散といくらかの程度の対流のために半透膜を利用している。しかし、血液透析よりも緩徐な血液治療であり、数時間から数日まで持続的に進行することがある。
【0005】
腹膜透析では、透析液を患者の腹腔内に注入する。この腔は血管が高度に血管新生化された腹膜によって裏打ちされている。代謝産物は、腹膜をまたいで透析液中に拡散することにより、患者の血液から除去される。過剰な液体、すなわち水分は高張透析液によって誘発される浸透によっても除去される。拡散と浸透限外濾過というこれらの2つのプロセスを通して、患者の体液量と組成物を適切な限界内に維持するためには、適切な量の溶質代謝産物と液体を除去する必要がある。
【0006】
腹膜透析療法には、持続的携行式型腹膜透析(CAPD)、自動腹膜透析(APD)など様々な種類があり、これには潮流APD、持続注入腹膜透析(CFPD)などがある。
【0007】
CAPDは手動の透析治療である。患者は手動で埋め込まれたカテーテルをドレンに接続し、使用済み透析液を腹腔から排出させる。その後、患者はカテーテルを新しい透析液のバッグに接続し、カテーテルを通して新しい透析液を患者に注入する。患者は、カテーテルを新鮮な透析液バッグから切り離し、透析液が腹腔内に滞留することを可能にし、そこで廃棄物、毒素および過剰な水の転送が行われる。
【0008】
自動腹膜透析(APD)は、透析治療にドレン、充填、および滞留サイクルが含まれる点でCAPDと類似している。しかしながら、APD装置は、典型的には患者が眠っている間に、自動的にサイクルを実行する。APD装置は、患者が治療サイクルを手動で行わなければならないことから解放され、日中に供給品を搬送しなければならないことからも解放される。APD装置は、埋め込まれたカテーテル、新鮮な透析液の供給源又はバッグ、および液体ドレンに流体的に接続する。APD装置は、カテーテルを介して透析液源から新鮮な透析液を患者の腹腔内に送り込み、透析液が腔内に滞留し、廃棄物、毒素および過剰な水分の転送を可能にする。APD装置は、使用済み透析液を腹腔からカテーテルを通してドレンに送り出す。手動プロセスと同様に、APD中にドレン、充填および滞留サイクルが数回発生する。CAPDとAPDの最後に”最後の充填”がしばしば起こり、それは次の治療まで患者の腹腔内に残る。
【0009】
CAPDとAPDの両方は、使用済み透析液をドレンに送るバッチ型システムである。潮流システムは修正バッチシステムである。潮流では、より長い期間にわたって患者から全ての液体を除去する代わりに、少しの時間の経過後に液体の一部を除去し、交換する。
【0010】
持続的流量又はCFPDシステムは、使用済み透析液を廃棄する代わりに洗浄又は再生する。CFPDシステムは、バッチシステムよりも一般的に複雑である。
【0011】
CAPD、APD(潮流を含む)およびCFPDシステムは、ポンピングカセットを用いることができる。ポンピングカセットは、典型的には、透析液をカセットから出入りするように機械的に移動して押し引きする柔軟な膜を含む。
【0012】
腹膜透析の1つの形成では、自動サイクラーを用いて透析液を注入し、排出する。この治療の形態は、患者が眠っている夜間に自動的に行われる場合がある。サイクラーは、注入された液体の量と除去された量を測定して、正味の液体除去を計算する。治療手順は通常、使用済み透析液の腹腔を空にするための最初のドレンサイクルから始まる。その後、サイクラーは一連の充填サイクル、滞留サイクル、ドレンサイクルを実施し、典型的には充填サイクルで終了する。
【0013】
腹膜透析は一般に大量の透析液を必要とする。一般に、各アプリケーション、又は交換で、所定の患者は、2~3リットルの透析液を腹腔内に注入するだろう。透析液は約1~3時間滞留させ、その時点で排出し、新鮮な透析液と交換する。一般に、このような交換は毎日4回行われる。したがって、各患者に1日あたり約8~20リットルの透析液が、週7日、年365日必要となる。
【0014】
透析液は、上記の治療に使用するために、従来、密封容器バッグに入れて提供され、使用の準備がされる。例えば、腹膜透析は、典型的には、3種類の異なる濃度のブドウ糖を含むバッグを用いて行われる。このバッグは、ブドウ糖濃度の異なる1リットルから6リットルのバッグとして、患者の自宅に届けられている。通常の1日の消費量は、PD透析液8~20リットル程度である。液体は、最大6リットルのサイズの滅菌バッグに入れられ、箱に詰められ、例えば毎月、患者の自宅に使用するために配送されて提供される。液体の箱は、PD患者が取り扱うのが煩雑で重く、自宅の部屋で実質的なスペースを消費することがある。また、バッグや箱は、週又は月単位で比較的大量に処理される廃棄物を発生させている。
【0015】
上記を踏まえて、いくつかの問題が明らかになる。大量の液体の出荷と保管はスペースの消費が必要である。さらに、複数の予め充填されたバッグを使用すると、空の容器や包装の形で廃棄物が発生する。
【0016】
従って、使用場所、例えばPD装置で透析溶液を作り出す腹膜透析(PD)システム全体のためのサブシステムが必要である。
【0017】
PD透析液は患者の腹腔に直接届けられる。したがって、PD液には、患者の腹膜に導入するのに適した滅菌レベルが必要である。それに応じて、典型的には使用場所、通常患者の自宅、への配送前に、PD透析液は予め混合され、滅菌される。
【0018】
また、血液透析やCRRTでは、例えば血液透析装置又はCRRT装置など、使用時点で透析液を作り出すシステムがしたがって必要となる。
【0019】
いくつかの実施形態において、血液透析、PD又はCRRTのための全体システムは、3つの主要コンポーネント、すなわち、透析装置、浄水器および透析装置と浄水器の両方と作動する給水セットを含む。透析装置は、例えば、PDサイクラー、血液透析装置又はCRRT装置である。透析装置は、浄水器から精製された水から透析液を準備し、濃縮する。
【0020】
浄水器は、浄水を使用する時点で、例えば水道水などから浄水を生産している。
【発明の概要】
【0021】
一定の状況下では、一定の大きさの製品水流量を配送することが望ましい。例えば、適時一定量の浄水を届けること、又は浄水装置の下流に配置されたフィルタによって引き起こされる圧力低下を克服することができる。しかし、浄水装置やフィルタのハードウエアは経時的に劣化する可能性がある。例えば、殺菌グレードのフィルタは、細菌およびエンドトキシン、そしておそらく他の物質によってブロックされ得る。これは、浄水装置からの製品水流量に影響を及ぼす可能性がある。その結果、一定の圧力に対する処理能力は、時間の経過とともに低下するであろう。このように、浄水装置によって生産される浄水の量が不確実である可能性がある。従って、開示の1つの目的は、製品水流の特性を制御して、例えば一定の(又はかなり一定の)流量又は圧力を維持することである。他の目的は、浄水装置内のコンポーネントの作動点(例えば、圧力、温度又は流量)を一定の間隔内に保つことである。
【0022】
これらのオブジェクトおよび他のものは、独立クレームによる装置および方法、ならびに従属クレームの実施形態によって少なくとも部分的に達成される。
【0023】
第1の態様によれば、開示は浄水を生産するための浄水装置に関するものである。浄水装置は、逆浸透(RO)装置、ROポンプ、再循環経路、浄水経路、浄水経路、制御装置、少なくとも1つの検出器および制御部を含む。逆浸透(RO)装置は、浄水流を生産するように配置され、RO装置は、給水を受け入れるように配置された供給口および浄水流出口を含む供給口を含み、ROポンプは、供給口に給水を送り出すように配置される。さらに、RO装置の下流の第1点からRO装置の上流の第2点まで浄水流の一部を再循環させるように再循環経路を配置し、浄水流路を配置して浄水流出口から製品水ポートに浄水を搬送する。浄水経路は、製品水を製品水ポートに搬送するために、再循環経路の下流に配置された製品水経路を含む。制御部は、少なくとも1つの検出器によって検出された流体特性に基づいて、再循環経路における浄水の流量を調節するように制御装置を制御するように構成されている。製品水経路における製品水の製品流体特性を検出するために、少なくとも1つの検出器が配置されている。また、制御部は、少なくとも1つの検出器によって検出された生産物流動特性に基づいて、1つ以上の所定の製品水基準を満たすように、製品水経路における製品水の生産物流動特性を制御するように、制御装置を制御するように構成されている。少なくとも1つの検出器は、流量センサを含み、流量センサによって検出される製品流体特性は、生産物流路における製品水の流量である。また、1つ以上の所定の製品水基準は、製品水経路における製品水の流量が所定の流量に相当することを含む。
【0024】
したがって、浄水装置の浄水経路における1つ又は複数の流体特性を制御することができる。より具体的には、望ましい製品流体特性が生産中を通して維持され、また、例えば、始動および停止の間にも維持されるように、透析装置の製品水の1つ又は複数の製品流体特性が制御され得る。ここで、製品水の所望の流量を経時的に維持することができる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの検出器が、圧力センサを備え、圧力センサによって検出される製品流体特性が、製品水経路内の流体の圧力であり、1つ以上の所定の製品水基準が、製品水経路内の製品水の圧力が所定の上圧レベル未満に留まること、及び/又は製品水経路内の製品水の圧力が所定の圧力に対応することを含む。従って、製品水経路における製品水の圧力は、最適な動作のために望ましい範囲内に留まるように制御され得る。したがって、製品水経路の圧力が高すぎるために、コンポーネントが破損したり、劣化したりすることを避けることができる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つのフィルタは、製品水経路を流れる製品水を濾過するように配置され、前記所定の上圧レベルは、製品水経路に配置された少なくとも1つのフィルタ又は任意の他のコンポーネントの圧力許容レベルに対応する。
【0027】
フィルタ、細菌及びエンドトキシンを通して水が送り出されるので、おそらく他の物質は製品水経路に関連して配置されたフィルタの浸透性を低下させる可能性がある。これは、ある圧力に対する処理能力が経時的に低下するであろうことを意味する。提案手法を用いることにより、製品水経路内の製品水の圧力を、最大許容レベルまで増加させて、そのような挙動を補償することができる。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、制御部は、少なくとも1つの検出器によって検出された少なくとも1つの製品流体特性の変化に応答してアラーム機能を起動させるように構成される。したがって、疑わしいエラーが検出された場合、操作者又は患者に警告する可能性がある。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、制御部は、所定量の水を生産するために、所定の時間帯の間に製品水ポートを通る所定の流量を得るように制御装置を制御するように構成されている。従って、透析装置が要求する量の生産物を生産することができる。要求される量は、典型的には0.5~400リットル、例えば1、2、5、10、20、50、70、90、150、200又は300リットルである。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、浄水装置は、製品水経路内を流れる製品水を加熱するように配置されたヒータを含む。従って、透析装置が要求する温度の製品水を生産することができる。ヒータはまた、RO装置のRO-膜の温度を制御するために使用することができる。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、浄水装置は、ヒータの下流の浄水経路内の水温を測定するように配置された温度センサを備える。これらの実施形態によれば、制御部は、温度センサによって検出された温度に基づいて、RO装置のRO膜を通って流れる水の温度を制御するように制御装置を制御するように構成されている。従って、RO膜の温度はかなり一定に保たれている可能性があり、これは動作に望ましいだろう。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、浄水装置は、外部水源から水を受け入れ、供給口に水を供給するように配置されたタンクを含む。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、浄水装置は、浄水経路内の再循環回路の下流に配置されたポリッシャーを含む。例えば、ポリッシャーは、電気脱イオン化装置(EDI)を含む。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、浄水装置は、RO装置の浄水出口からポリッシャーの入口まで浄水を搬送するように配置された浸透水経路を含む。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、製品水経路は、浄水をポリッシャーの出口から製品水ポートに搬送するように配置されている。
【0036】
第2の態様によれば、開示は、浄水を生産する浄水装置において少なくとも1つの流体特性を制御するための対応する方法に関する。浄水装置は、逆浸透装置(RO装置)を備え、浄水流を生産し、RO装置の下流の点からRO装置の上流の点まで浄水流の一部を再循環するように配置された再循環経路を備える。本方法は、浄水経路における浄水の少なくとも1つの流体特性を検出することを備え、浄水経路の製品水経路で浄水の少なくとも1つの流体特性を検出することを含み、ここで、製品水経路が再循環経路の下流に配置され、かつ、浄水経路における精製された水の1つ以上の所定の基準を満たすために再循環経路における水の流動速度を調節することを含む、浄水経路における製品水の流動特性を検出することを含む、本方法は、製品水経路の製品水経路における製品水の流動特性を検出することを含む。少なくとも1つの製品流体特性は、製品水経路における製品水の流量を含み、前記1つ以上の所定の製品水基準は、製品水経路における水の流量が所定の流量に対応することを含む。
【0037】
従って、上述のように、製品流体特性は、例えば生産業者又は使用者によって定義される一定の基準を満たすように制御される可能性がある。したがって、水の生産はより効果的である可能性があり、透析治療は安全である可能性がある。この方法はまた、RO装置に水を供給するために使用されるポンプ出現頻度を調整する場合にのみ、より小さく、より迅速に製品水流量に変更させることを可能にする。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、生産時間帯の持続時間に基づいて生産時間帯の間に生産される製品水の量を推定することと、生産時間帯の間に検出された浄水の対応する流量を推定することとを含む。圧力を制御する可能性により、最悪の場合に破損を引き起こす可能性がある製品水経路の高圧を避けることが可能になる。
【0039】
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、前記量が所定の生産量に達したときに所定の処置をトリガすることを含む。例えば、アラート信号又は処置(例えば、透析装置に送られるメッセージ)は、要求されたボリュームが生産されたときにトリガされる可能性がある。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの生産流体特性は、製品水経路内の圧力を含み、1つ以上の所定の製品水基準は、製品水経路内の製品水の圧力が所定の上限圧力レベル未満に留まることを含む。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、浄水経路内に配置されたヒータの下流の浄水経路内の水温を測定することを含む。これらの実施形態によれば、前記調節は、次いで、前記温度センサによって検出される温度に基づいて、前記RO装置のRO膜を通って流れる水の温度が所定の温度基準を満たすように、再循環経路内の水の流量を調節することを含む。
【0042】
それによって、RO膜に入る水の温度範囲は、加熱浄水の戻り流量が利用可能でありタンク内の水温を上昇させることができるので、入ってくる水の温度および周囲温度にあまり依存しないだろう。結果的に、膜のろ過挙動はより安定になるであろう。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、浄水装置が浄水を生産している間に、検出および調節を継続的に行うことを含む。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、前記方法は、少なくとも1つの検出された製品流体特性の変化に応じてアラーム機能を起動させることを含む。このように、これらの実施形態に従う提案された方法はまた、浄水器が、より低い圧力低下を意味するフィルタの破損、それによって、より低い圧力および製品水経路における増加した流量などの圧力の急激な変化を検出することを可能にする。あるいは、浄水器とフィルタの間に漏れが生じると、圧力低下に帰着し、アラームが鳴る。
【0045】
いくつかの実施形態によれば、所定の上部圧力レベルは、製品水経路の下流にある製品水又は製品水経路の中又は浄水経路から所定の距離内に配置された他のいずれかのコンポーネントをろ過するように配置された少なくとも1つのフィルタの圧力許容レベルに対応する。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、前記制御は、所定量の水を生産するために、所定の時間帯の間に所定の流量を得るために、製品水の流体特性を制御することを含む。さらに、浄水器は、透析装置への通信が失われた場合であっても、必要な量を透析装置に送り続ける可能性がある。所定の量は、典型的には0.5~400リットルである。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、製品水経路内を流れる製品水の温度を制御することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態によれば、浄水流中の再循環回路の下流にポリッシャーが配置され、その後、製品水経路が、ポリッシャーの出口から製品水ポートに製品水を搬送するように配置される。
【0049】
第3の態様によれば、開示は、指示を含むコンピュータプログラムに関するものであり、これは、プログラムがコンピュータによって実行されたときに、コンピュータに上述および下記の方法を実行させる。
【0050】
第4の態様によれば、開示は、指示を含むコンピュータ読取可能な媒体に関するものであり、コンピュータによって実行されたときに、コンピュータに上述および下記の方法を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
本発明の実施形態は、以下に示す本発明の実施形態の例を示す添付の図面を参照して、より詳細に記載される。
【
図1】浄水装置からの浄水を用いたケア透析液生産のポイントを有するPD透析システムの一実施形態の正面立面図である。
【
図2】
図1に図示されるシステムと共に使用されるディスポーザブルセットの一実施形態の立面図である。
【
図3】浄水装置のいくつかの機能的部分の模式図である。
【
図4a】RO装置301を含む浄水装置300の第1の例示的な実施形態を示す。
【
図5】透析装置に使用する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
例えばポイントオブケアのような浄水装置を使用する場合には、浄水、すなわち製品水の流量を制御できることが望ましいであろう。製品水の流量が一定であったり、少なくとも知られていたりする場合には、一定の生産時間中に生産される水の量を予測することができる。
【0053】
一般に、できるだけ早く所望量の製品水を生産することが望ましい。ただし、製品水流量が多すぎると、浄水装置内の水圧が高すぎることがあり、浄水装置内又はそれに関連して、流体システムやその他のハードウエアに損傷を与える可能性がある。さらに、製品水流量又は圧力が高すぎる場合、例えば透析装置に製品水を供給するように配置された専用線セット内のフィルタが破損する可能性があり、細菌およびエンドトキシンが患者に到達するリスクを引き起こす可能性がある。
【0054】
したがって、提案手法は、製品水経路における製品水の流量、圧力又は温度などの1つ以上の製品水流体特性又はパラメータに基づいて、浄水装置からの製品水流量を制御する方法を提案する。制御は、例えば、浄水装置の再循環経路において電気的に制御された比例弁を用いて実施される。電気的に制御可能な弁は、圧力又は温度のような浄水の他の流体特性を制御するために使用することもできる。
【0055】
提案手法をより深く理解するために、提案手法を実施することができる浄水装置を、腹膜透析システムに含まれる部分として以下に説明する。しかしながら、提案された技術は、他の種類の透析システム、例えば、血液透析又はCRRTシステムに浄水を生産するために使用される浄水装置において、血液透析で使用される透析液の生産に使用するために、又はケア時点又は使用時点でシステムによって実施されるCRRT治療に使用するために実施することもできる。
【0056】
ここで、図面、特に
図1を参照し、透析液生産の使用点を有する腹膜透析システムをシステム10aによって図示する。システム10aは、サイクラー20と浄水装置300とを備える。サイクラー20に適したサイクラーは、例えば、Baxter International Inc.によって市販されているAmia(登録商標)又はHomeChoice(登録商標)サイクラーを含み、それらのサイクラーは、システム10aに従って生産された透析液の使用点を実行し使用するために、更新されたプログラミングを必要とすることを理解する。この目的のために、サイクラー20は、少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを有する制御部22を含む。制御部22はさらに、浄水装置300に情報を送信及び情報を受信するための有線又は無線のトランシーバを備える。浄水装置300はまた、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを有する制御部112を含む。制御部112はさらに、サイクラー20の制御部22に情報を送信し、情報を受信するための有線又は無線のトランシーバーを含む。有線通信は、例えば、Ethernet接続を介してもよい。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(TM)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、無線Universal Serial Bus (”USBus”)、又は赤外線プロトコルのいずれかを介して、又は他の適切な無線通信技術を介して行うことができる。制御部22は、制御部22によってプログラムが実行されると、制御部22および浄水装置に本明細書に開示された実施形態のいずれか1つに従った方法およびプログラムのいずれか1つ又は複数を実行させる指示を含むコンピュータプログラムを含む。これらの指示は、携帯型メモリデバイス、例えば、USBメモリ、携帯型コンピュータ、又は類似のようなコンピュータ読取可能な媒体上に保存され、制御部22内にロードされ得る。
【0057】
サイクラー20は、ハウジング24を含み、これは、使用時点で新鮮な透析液を調製し、新鮮な調製した透析液を患者Pに送り出し、透析液が患者P内に滞留し、次に使用した透析液をドレンに送り出すために、制御部22を介してプログラムされた装置を保持する。
図1では、浄水装置300は、第1ドレン経路384を含み、ハウジングドレン又はドレン容器であり得るドレン339につながる。使用時点で新鮮な透析液を調製するために制御部22を介してプログラムされた装置は、(i)1つ以上の陽圧リザーバ、(ii)1つ以上の陰圧リザーバ、(iii)陽圧及び陰圧が提供されて1つ以上の陽圧及び陰圧リザーバに貯蔵されるための、制御部22の制御下にある圧縮機及び真空ポンプ、又は制御部22の制御下に陽圧と陰圧の両方を作り出す単一のポンプ、(iv)複数の流体弁チャンバに陽圧及び陰圧を送るための複数の空気圧弁チャンバ、(v)複数の流体ポンプチャンバに陽圧及び陰圧を送るための複数の空気圧ポンプチャンバ、(vi)制御部22の制御下にあり、複数の空気圧弁チャンバと複数の流体弁チャンバの間に位置する複数の電気的に作動するソレノイド空気圧弁、(vii)制御部22の制御下にあり、複数の空気圧ポンプチャンバの間に位置する複数の電気的に作動する可変空気圧弁、(viii)1つの実施形態において混合されているように透析液を加熱するための制御部22の制御下のヒータ、および(viii)アラームおよびその他の状況において患者およびドレンラインを閉鎖するための制御部22の制御下の閉塞器26、を含むがこれに限定されない。。
【0058】
1つの実施形態において、複数の空気圧弁チャンバおよび複数の空気圧ポンプチャンバは、サイクラー20のハウジング24の前面又は表面に位置する。ヒータは、ハウジング24の内部に位置し、いくつかの実施形態では、加熱蓋(
図1には見られない)の下に、ハウジング24の頂部に位置する加熱パンに接触する加熱コイルを含む。
【0059】
図1のサイクラー20は、ユーザインターフェース30も含む。一実施形態の制御部22は、ビデオコントローラを含み、これは、制御部22の主制御処理およびメモリと相互動作するための自身の処理およびメモリを有し得る。ユーザインターフェース30は、ビデオモニタ32を含み、これは、ユーザインターフェース30を介して制御部22に指令を入力するために、ビデオモニタ32上に置かれたタッチスクリーンオーバーレイで作動することができる。ユーザインターフェース30は、膜スイッチ又は他のボタンのような1つ以上の電気機械的入力装置も含むことができる。
【0060】
図1の浄水装置300は、ユーザインターフェース120も含む。次に、浄水装置300の制御部112は、ビデオコントローラを備えることができるが、これは、制御部112の主制御処理およびメモリと相互動作するための自身の処理およびメモリを備えることができる。ユーザインターフェース120は、ビデオモニタ122を含み、これも同様に、制御部112に指令を入力するためにビデオモニタ122上に置かれたタッチスクリーンオーバーレイで作動することができる。ユーザインターフェース120はまた、膜スイッチ又は他のボタンのような1つ以上の電気機械的入力装置を含むこともできる。制御部112はさらに、浄水装置300の1つ又は複数のスピーカ124において、アラーム又はアラート音などの音ファイルを再生するための音声制御部を備えることができる。
【0061】
図2を追加的に参照し、ディスポーザブルセット40を示す。ディスポーザブルセット40は、
図1にも示されており、サイクラー20に結合されて、ディスポーザブルセット40内の液体を移動させ、例えば本明細書で議論されているように透析液を混合する。図示の実施例におけるディスポーザブルセット40は、ディスポーザブルカセット42を含み、これは、柔軟性のある膜によって片側又は両側に覆われた平面硬質性プラスチック片を含み得る。サイクラー20のハウジング24に圧着された膜は、ポンプ及び弁膜を形成する。
図2は、ディスポーザブルカセット42が、サイクラー20のハウジング24に位置する空気圧ポンプチャンバと共に作動する流体ポンプチャンバ44と、サイクラー20のハウジング24に位置する空気圧弁チャンバと共に作動する流体弁チャンバ46とを備えることを示す。
【0062】
図1および2は、ディスポーザブルセット40が、カセット42の患者線ポートから延びて、患者ラインコネクタ52で終了する患者ライン50を含むことを示す。
図1は、患者ラインコネクタ52が患者転送セット54に接続し、これが次に患者Pの腹腔内に位置する滞留カテーテルに接続されることを示している。ディスポーザブルセット40は、カセット42のドレンラインポートから延び、ドレンラインコネクタ58で終了するドレンライン56を備えている。
図1は、使用された透析液をサイクラー20から受け取るために、ドレンラインコネクタ58が、浄水装置300のドレンポート118に取り外し可能に接続されていることを示す。
【0063】
図1および2は、さらに、ディスポーザブルセット40が、カセット42のヒータ/混合ラインポートから延びて、後述するヒータ/混合バッグ62で終了するヒータ/混合ライン60を含むことを例示する。ディスポーザブルセット40は、水用アキュムレータ66の水入口に延びる上流水線セグメント64aを含む。下流水線セグメント64bは、水用アキュムレータ66の水出口66bからカセット42まで延びる。図示の実施例では、上流水線セグメント64aは、水線コネクタ68から始まり、水用アキュムレータ66から上流に位置する。
図1は、水線コネクタ68が、浄水器110の製品水ポート128に取り外し可能に接続されていることを示す。
【0064】
浄水装置300は、例えば腹膜透析(「WFPD」)に適した浄水及び水を出力する。WFPDは、患者Pの腹腔へ送達する透析液を作るのに適した水であり、例えば、透析用水又は注射用水である。
【0065】
1つの実施形態において、殺菌滅菌グレードフィルタ70aは、下流の殺菌滅菌グレードフィルタ70bから上流に配置される。フィルタ70a及び70bは、水用アキュムレータ66の上流の水線セグメント64aに配置することができる。滅菌された滅菌グレードのフィルタ70a及び70bは、廃棄ラインを持たない通過フィルタであってもよい。滅菌フィルタの孔径は、例えば、0.1又は0.2ミクロンのようなミクロン未満であってもよい。適切な殺菌滅菌グレードフィルタ70aおよび70bは、例えばPall IV-5又はGVS Speedflowフィルタであってもよいし、本開示の担当者によって提供されるフィルタであってもよい。代替の実施形態では、水用アキュムレータ66の上流の水線セグメント64aに、1つ又は2つ以上の殺菌滅菌グレードフィルタのみを配置する。1つ又は複数の殺菌滅菌グレードフィルタは、ディスポーザブルセット40が折りたたまれやすくなるように、水用アキュムレータ66の近くに配置されることができる。さらなる代替の実施形態では、水線セグメント64aに殺菌無菌グレードフィルタは存在しない。無菌滅菌グレードフィルタは、例えば、浄水装置300の製品水経路に位置する1つ又は数個の限外フィルタに置き換えることができる。
【0066】
図2は、さらに、最後のバッグ又は試料ライン72が、カセット42の最後のバッグ又は試料ポートから延びるように設けられてもよいことを示す。最後のバッグ又は試料ライン72は、予め混合された透析液の最後の充填バッグの結合されたコネクタ、又は試料バッグ又は他の試料回収容器に接続することができるコネクタ74で終了する。最後のバッグ又は試料ライン72およびコネクタ74は、所望であれば、第3のタイプの濃縮物のために代替的に使用してもよい。
【0067】
図1及び2は、ディスポーザブルセット40が、カセット42の第1濃縮ポートから延びて第1カセット濃縮コネクタ80aで終了する第1濃縮ライン76を含むことを示す。第2濃縮ライン78は、カセット42の第2濃縮ポートから延び、第2カセット濃縮コネクタ82aで終了する。
【0068】
図1は、第1濃縮容器84aが第1、例えばグルコース濃縮物を保持しており、これが容器84aから容器ライン86を介して第1容器濃縮コネクタ80bに送り出され、これが第1カセット濃縮コネクタ80aと結合することを示している。第2濃縮容器84bは、第2、例えば、緩衝液、濃縮液を保持しており、これは、容器84bから容器ライン88を介して第2容器濃縮コネクタ82bに送り出され、第2カセット濃縮コネクタ82aと連結する。
【0069】
治療を開始するために、患者Pは、典型的には、サイクラーにカセット42を装填し、無作為又は指定された順序で、(i)ヒータ/ミキシングバッグ62をサイクラー20上に置き、(ii)上流水線セグメントを浄水装置300の製品水ポートに接続し、(iii)浄水装置300のドレンライン56をドレンポート118に接続し、(iv)第1カセット濃縮コネクタ80aを第1容器濃縮コネクタ80aに接続し、(v)第2カセット濃縮コネクタ82aを第2容器濃縮コネクタ82bに接続する。この時点で、患者コネクタ52はなおキャップされている。新鮮な透析液が調製され、検証されると、患者ライン50は新鮮な透析液でプライムされ、その後、患者Pは、患者ラインコネクタ52を治療用の移送セット54に接続することができる。上記ステップの各々は、ビデオモニタ32でグラフィカルに図示されてもよく、かつ/又はスピーカ34からの音声ガイダンスを介して提供されてもよい。
【0070】
ここでは、浄水装置300についてより詳細に説明する。
【0071】
図3は、前処理モジュール160、逆浸透(RO)モジュール170および後処理モジュール180を含む、浄水装置300の機能的部分の模式図である。浄水装置300は、水の浄化のために、水源398、例えば水道水から浄水装置300に水を供給するための流入口399を備える。水源からの入ってくる水は、流入口399を介して前処理モジュール160に供給される。
【0072】
前処理モジュール
前処理モジュール160は、流入する水を粒子フィルタおよび活性炭のベッドで処理する。
【0073】
粒子フィルタは、流入する水から粘土、沈泥およびケイ素などの粒子を除去するように配置されている。粒子フィルタは、マイクロメートルの大きさの粒子、任意にはより大きなエンドトキシン分子も流入する水から禁止するように配置されている。
【0074】
活性炭のベッドは、流入する水から塩素や塩素を含む組成物を取り除き、有毒物質や殺虫剤を吸収するように配置されている。一実施形態では、活性炭のベッドは、次亜塩素酸塩、クロラミンおよび塩素の1つ又は複数を除去するように配置されている。さらなる実施形態では、活性炭の床もまた、流入する水の殺虫剤を含む有機化合物(TOC全有機炭素)を低減するように配置される。
【0075】
いくつかの実施形態において、粒子フィルタおよび活性炭のベッドは、1つの消耗品に一体化される。例えば、消耗品は、入ってくる水質に依存して、所定の間隔で交換される。例えば、流入する水の品質は、ケアの時点で浄水装置300を最初に使用する前に、有資格者によって検査され、決定される。
【0076】
任意に、前処理モジュール160は、逆浸透(RO)膜およびポリッシュ剤などの下流に置かれた装置を保護するためのイオン交換装置を備える。
【0077】
このように、前処理部160は、流入する水をろ過し、下流に位置するRO部170に前処理された水を供給する。
【0078】
ROモジュール
ROモジュール170は、逆浸透の影響により、前処理された水から微生物、発熱物質およびイオン性物質などの不純物をろ過された水から除去する。前処理された水はポンプによって加圧され、浸透圧を克服するためにRO膜を強制的に通過する。RO膜は、例えば半透膜である。これにより、給水とよばれる前処理された水の流れは、排水の流れと浸透水の流れに分けられる。一実施形態では、廃棄水を、第一廃棄経路および第二廃棄経路の一方又は両方を介して通すことができる。最初の廃棄経路は、RO装置に再びフィードバックされるために、ROポンプのフィードウォーター経路に戻る水を廃棄する。再循環した廃棄水はRO‐装置への供給流を増加させ、RO‐膜のスケーリングと汚れを最小限にするためにRO‐膜の廃棄側を通過する十分な流量を得る。2番目の廃棄経路は、排水を廃棄するよう導く。これにより、廃棄側の濃度レベルは、適切で必要な浸透液濃度を得るのに十分に低くなる。供給水が溶質の含有量が低い場合には、ドレン流の一部をRO膜の入口側にも還流させることができ、それによって浄水装置300の水効率を高めることができる。
【0079】
このようにして、RO部170は、前処理水を処理し、後処理モジュール180に位置する下流に浸透水を送る。
【0080】
後処理モジュール
後処理モジュール180は、浸透水からさらにイオンを除去するために、浸透水をポリッシュする。浸透水は、電気脱イオン(EDI)装置又は混合床フィルタ装置などのポリッシャーを用いてポリッシュする。
【0081】
EDI装置は、RO膜を浸透したアルミニウム、鉛、カドミウム、クロム、ナトリウム及び/又はカリウムなどの浸透水からイオンを除去するために電気脱イオン化を利用している。EDI装置は、浸透水を脱イオン化し、浸透水から溶存イオン、すなわち不純物を分離するために、電気、イオン交換膜および樹脂を利用する。EDI装置はポリッシュされた水を生産し、EDI装置により浸透水の純度レベルより高い純度レベルまでポリッシュされる。EDI装置は、製品水の抗菌作用を有し、とりわけEDI装置内の電界により、水中の細菌およびエンドトキシンの量を減少させることができる。1つの実施形態において、EDI装置は、70~210ml/分の製品水を生産する容量を有する。したがって、EDI装置の容量は、生産された水の流量の限界を設定する。
【0082】
混合床フィルタ装置は、混合床イオン交換材料を有する列又は容器を含む。
【0083】
本明細書では、製品水とも呼ばれるポリッシュされた水は、その後、浄水装置300の製品水ポート128から製品水の使用点まで送達される準備が整う。製品水は透析、すなわち透析用水に適している。1つの実施形態において、製品水は注射用水である。一実施形態では、ウォーターライン56を含むディスポーザブルセット40が、製品水を使用点まで搬送するための浄水装置300に配置されている。任意に、浄水装置300は、ドレンポート118を備える。1つの例示的な実施形態において、ドレンポート118は、浄水装置300内の第1ドレン経路384を介して浄水装置300のドレン339にさらに搬送するために、例えばPD患者からドレンライン64を介して液体を受け取るために使用される。さらなる選択肢として、ドレンポート118は、浄水装置300内、例えば第1ドレン経路384に配置された導電率センサにさらに搬送するために、調製済み混合溶液の試料を受け取る。ディスポーザブルセット40は、ここに滅菌された滅菌フィルタ70a、70bが配置されており、浄水装置300から製品水をろ過し、注射用水としての製品水の品質を確保するためのものである。
【0084】
このように、蓄積バッグ66内に収集された製品水は、バクテリア及びエンドトキシンを除去するために、すなわち無菌製品水を生産するために、ディスポーザブルセット40の1つ又は複数の無菌化グレードフィルタを通過した。1つの実施形態によれば、滅菌滅菌グレードフィルタは余剰である。
【0085】
無菌製品水を蓄積バッグ66に集めることによって、浄水装置300とサイクラー20は圧力に関して分離され、その結果、無菌滅菌グレードフィルタを通して水を押し出すのに必要な高圧がサイクラー20に影響を及ぼさないようになる。
【0086】
浄水装置300の制御部112は、浄水装置300を異なる動作状態、例えば、スタンバイ、接続、アイドル、稼働及びメンテナンスに設定するように配置されている。浄水装置300は、サイクラー20からの指令に作用するように配置されている。
【0087】
浄水装置300は、使用していないが電源オンの場合、スタンバイ状態に設定される。
【0088】
スタンバイにおいて、浄水装置300は、接続又はメンテナンスの指令を待つ。
【0089】
異なる状態の主なステップが説明される。例えば、フローセンサーの比較、流路が漏れないことなどの試験のような、リスク軽減のために実行されるステップは省略される。
【0090】
接続状態
接続状態中、システムはセンサを試験し、EDI装置をチェックして、アイドル状態に進む命令が受信された時点でシステムが準備されていることを確認する。接続状態は、例えば治療前部160内の一定のコンポーネントのフラッシングも含むことができる。
【0091】
患者はまた、一般的に、前処理モジュール160の後に位置するサンプリングポートで、入ってくる水のサンプルを採取するように求められる。このサンプルでチェックされているのは、次亜塩素酸塩、クロラミン、塩素を含む塩素のレベルが許容レベル以下であることである。
【0092】
接続状態のすべてのステップが実行されると、システムは準備が整う。
【0093】
アイドル状態
この状態では、浄水装置300は、戻り流体導電率測定(新たに調製した透析液を試験する場合)又はサイクラー20からの新たな供給製品水要求のいずれかを待っている。
【0094】
この状態では、浄水装置300は、製品水を送達するために自身を準備することができる。その後、浄水装置300は、製品水の生産を開始するが、製品水を生産物ポート128から送り出す代わりに、製品水が安定した導電率レベルを得るまで、製品水をタンク350に再循環させ、RO装置はRO装置301にとっての所望の作業点で作動している。
【0095】
浄水装置300は、偶発的に水経路を再循環し、水生産段階の立ち上げ時間を最小限にする。
【0096】
アイドル状態は、例えば前処理モジュール160内の一定のコンポーネントのフラッシングも含むことができる。
【0097】
稼働状態
稼働状態では、浄水装置300は、ディスポーザブルセットの蓄積バッグ66に製品水(例えば、サイクラー20によって要求される容量)を供給する。
【0098】
提案された技術は、
図4a、
図4bおよび
図5を参照して、さらに詳細に記述されるであろう。
【0099】
図4aは、RO装置301を含む浄水装置300を示す。
図4aは概念図のみであり、浄水装置300の提案された技術に関連する部分のみを図示していることに留意されたい。
図6に関連して、例示的な浄水装置300およびその動作のより詳細な例示を提供する。
【0100】
図4aの浄水装置300は、RO装置301、タンク350、ROポンプ450、給水経路390、再循環経路375、浄水経路371、制御装置305a、温度センサ303、圧力センサ308、流量センサ309、ヒータ302、流量センサ380、製品水ポート128及び制御部112からなる。
【0101】
RO装置301は、浄水流と廃棄流を生産するように配置されている。より詳細には、RO装置301は、RO膜324、供給口301a、浄水出口301bおよび廃棄出口301cを含む。RO膜324は、供給口301aと廃棄出口301cを、浄水出口301bから分離する。廃棄流は、第1の廃棄経路385b内および/又は浄水装置300のドレン339内に向けられる。第1の廃棄経路385bは、廃棄出口301cおよび給水経路390に流体的に接続されている。
【0102】
給水経路390は、供給水を供給口301aに搬送するように配置されている。給水経路390は、供給口301aに流体的に接続されている。
【0103】
タンク350は、水を集めるための給水経路390内に配置される。より具体的には、タンク350は、外部水源から水を受け入れ、供給口301aに水を供給するように配置されている。いくつかの実施形態によれば、タンク350は任意であり、これは
図4aの破線で示されている。
【0104】
ROポンプ450は、給水経路390内に配置されており、給水を供給口301aに送り出す。ROポンプ450は、(存在する場合)タンク350の下流に配置される。ROポンプ450は、浸透水流の一定の流量に対応する一定のポンプ速度に制御されるように構成されている。RO膜324の浸透性は、供給水の温度が上昇するにつれて増大するので、ポンプ速度と流量と間の関係は、供給口301aに供給される水の温度、ひいてはRO膜324の温度に依存する。
【0105】
製品水ポート128は、例えば、専用のラインセットを介して、例えば透析装置に製品水を供給するように配置されている。滅菌グレードフィルタ(図示せず)は、典型的には、浄水装置300の外側に設定された線、製品水ポート128の下流に位置する。
【0106】
再循環経路375は、RO装置301の下流の第1点からRO装置301の上流の第2点まで、浄水流の一部を再循環するように配置されている。より具体的には、再循環経路375は、加熱浄水をRO装置301の下流の点から、浄水装置300の内側の給水経路390に循環させるように配置されている。浄水は、タンク350に再循環され、再びRO装置301の供給口301aに供給される、
図4aの例にある。しかしながら、精製された水は、ROポンプ450の上流の水管に直接再循環させてもよい。
【0107】
浄水経路371は、浄水出口301bおよび製品水口128に流体的に接続されている。浄水経路371は、浄水出口301bから製品水口128へ浄水を搬送するように構成されている。浄水経路371は、浸透水経路371aと製品水経路371cを含む。ここでの製品水経路とは、製品水口128に最も近い浄水経路371の一部を指し、ここでは、圧力および流量などの流体特性が製品水口128と同じ(又は類似している)である。
【0108】
ヒータ302は、製品水経路371c内を流れる製品水を加熱するように配置されている。ヒータ302は、例えば、RO装置301によって生産された浄水を加熱するように配置されたヒータである。さらに、
図4aの実施例では、RO装置301を離れた浄水はまた、浸透水経路371aに含まれる流量センサ410および温度センサ303を通過する。
【0109】
浄水経路371は、ポリッシャー306、例えば、電気脱イオン化(EDI)装置を含む。また或いは、ポリッシャー306は混合床フィルタ装置である。ポリッシャー306は、浄水経路371内の再循環回路374の下流に配置されている。このように、ポリッシャー306は、再循環経路375が浄水経路に接続されている点の下流の浄水経路371に配置されている。ポリッシャー306は、浸透水経路371aおよび製品水経路371cに流体的に接続されている。換言すれば、いくつかの実施形態によれば、浸透水経路371aはRO装置301の浄水出口301bからポリッシャー306の入口に浄水を搬送するように配置され、製品水経路371cはポリッシャー306の出口から製品水口128に浄水を搬送するように配置されている。
【0110】
この開示は、製品水経路371c内の製品水の圧力又は流量などの流体特性が、供給口301aに再循環されるRO装置によって生産される浸透流の部分を制御することによって制御され得るという洞察に基づいている。このような制御を可能にするために、電気的に制御可能な弁などの制御装置305aが配置されている。換言すれば、制御装置305aは、再循環経路375内の浄水の流量を調節するように配置されている。いくつかの実施形態によれば、制御装置305aは、制御データを受信し、制御データに基づいて再循環される浸透流の割合を調節するように構成される。制御データは、電気信号(アナログ又はデジタル)であってよい。制御装置305aは、典型的には、比例弁などの流量制御装置である。比例弁は、典型的には電気的に制御される。しかし、機械的比例弁を用いることもできる。一実施形態では、制御装置305aはポンプであり、例えば、容量ポンプ又はピストンポンプのようなポジティブ変位ポンプである。
【0111】
上述したように、提案手法は、浄水装置を操作する際に、製品水経路371c内の流量又は圧力などの少なくとも1つの流体特性の制御を可能にする。いくつかの実施形態によれば、提案技術は、RO膜324の温度又はRO装置の作動点などの他の特性、例えば浸透流体特性の制御を可能にする。このような制御を可能にするためには、関連する流体特性(又は特性)を測定するか、少なくとも何らかの方法で検出又は推定する必要がある。従って、少なくとも1つの検出器は、浄水経路371内の浄水の流体特性を検出するように配置される。
【0112】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの検出器は、製品水経路371c内の製品水の製品流体特性を検出するように配置されている。少なくとも1つの検出器は、複数の方法で実施することができる。いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの検出器は、少なくとも1つの製品流体特性を規定する、製品流体特性データを提供するように構成される。いくつかの実施形態によれば、制御は、浸透流体特性、例えば、浸透水経路371a内を流れる浄水流の温度などの他の特性に基づく。
【0113】
図4aにおいて、少なくとも1つの検出器は、流量センサ309および圧力センサ308である。そして、流量センサ309によって測定された製品流体特性は、製品水経路371c内の製品水の流量である。圧力センサ308によって検出される製品流体特性は、製品水経路371c内の圧力である。さらに、温度センサ303は、ヒータ302の下流である浸透水経路371a内の浄水の温度を測定するように配置されている。
【0114】
制御部112は、典型的には、1つ又は複数のマイクロプロセッサ1122及び/又は特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)などの1つ又は複数の回路を含む。
【0115】
制御部112はまた、非一時的記憶媒体(例えば、ハードドライブ、フラッシュメモリ、光ディスクなど)及び/又は揮発性記憶装置(例えば、ダイナミック・ランダムアクセスメモリ(DRAM))など)などの少なくとも1つのメモリ1123を含むこともできる。
【0116】
制御部112はさらに、浄水装置300の他のコンポーネントとの通信(例えば、制御データを送信してセンサデータを受信する)を可能にし、特に制御装置305aおよび少なくとも1つの検出器、例えば圧力センサ308及び/又は流量センサ309との通信を可能にするように構成されたインターフェース1121を備える。
【0117】
制御部112は、浄水装置300の機能を備えるように構成されている。特に、制御部112は、
図6に関連して記載される方法を含み、本明細書に記載される提案された技術の全ての実施形態を実施するように構成される。これを達成するために、制御部112は、少なくとも1つの検出器から流体特性データを受信し、制御データを制御装置305aに送信するように構成されている。より具体的には、制御部112は、少なくとも1つの検出器によって検出された流体特性に基づいて、例えば浄水経路371内の浄水の1つ以上の所定の基準を満たすように、再循環経路375内の浄水の流量を調節するように制御装置305aを制御するように構成されている。流体特性は、例えば、浄水経路371内の任意のセンサによって測定される。
【0118】
いくつかの実施形態によれば、制御部112は、少なくとも1つの検出器、例えば圧力センサ308及び/又は流量センサ309によって検出された流体特性に基づいて、1つ以上の所定の製品水基準を満たすように、製品水経路371cにおける製品水の製品流体特性を制御するように制御装置305aを制御するように構成される。換言すれば、制御部112は、製品水流において、一定の流体特性、例えば、一定の圧力又は流量を得るなどの1つ以上の基準を満たすために、再循環経路375内の水の流量を制御するように構成されている。
【0119】
上述したとおり、異なる製品流体特性が制御されうる。したがって、製品水の判定基準は、1つ以上のの規制条件を含んでいる可能性がある。ここではいくつかの例を挙げる。これらは単独又は組み合わせて使用され得ることが理解されなければならない。最も単純な形態では、少なくとも1つの製品水の判定基準は、1つの条件のみを含む。
【0120】
第1の例では、制御の目標は、一定の製品水流量を達成することである。制御基準は、次に、製品水ポート128を通る一定の製品水流量を維持するように試みるであろう。製品水ポート128を通る流量は、典型的には、製品水経路371c全体と同じ(又は少なくとも約同じ)である。従って、いくつかの実施形態によれば、所定の基準は、製品水経路371cにおける製品水の流量が、所定の流量、例えば150ml/min又は250ml/minに相当することを含む。製品水の一定流量が得られる可能性がある場合には、一定量の製品水を生産するのにどれくらいの時間がかかるかを推定することは容易である。
【0121】
例えば、浄水装置300は、所定の時間帯に一定の製品水流量を有する製品水を生産するように制御され得る。言い換えると、いくつかの実施形態によれば、制御回路は、所定量の水を生産するために、予め決定された時間帯に製品水ポート128を通る所定の流量を得るように制御装置305aを制御するように構成されている。所定の量は、例えば0.5~400リットルである。所定の量は、1回又は数回の透析治療に必要な量に相当し得る。例えば、浄水装置300は、0.5、1、2、5、10、20、50、70、90、150、200、250、300又は400リットルの浄水を生産するように制御され得る。
【0122】
第二の例では、制御の目標は、限定された又は制御された製品水圧力を達成することである。製品水経路371c内の製品水の圧力は、典型的には最大許容レベルを超えてはならない。最大許容レベルは、例えば、浄水装置又はポリッシャー306の内部又は関連しているフィルタなどのハードウエアが損傷していないことを保証するためであろう。言い換えると、いくつかの実施形態によれば、所定の上限圧力レベルは、少なくとも1つのフィルタ(例えば、滅菌グレードフィルタ)又は製品水経路371cに配置された他の任意のコンポーネントの圧力許容レベルに対応する。従って、いくつかの実施形態によれば、所定の基準は、製品水経路371c内の製品水の圧力が所定の上限圧力レベル未満に留まることを含む。
【0123】
所定の基準の典型的な実施は、例えば、制御装置305aを制御して、製品水経路371c内の製品水の圧力が所定の上限圧力レベルより低いままである限り、製品水経路371c内の製品水の所定の流量を得ることを試みることを含むことができる。圧力が所定の上限圧力レベルに達した場合、制御装置305aは、代わりに、制御装置を制御して、製品水経路内の製品水の流量が所定の流量を下回った場合であっても、圧力をそのレベルに保つようにする。
【0124】
上述のように、所定の製品水圧力に対する処理能力は、経時的に小さくなるであろう。再循環経路375内で浸透物のどれだけが再循環されるかを制御することによって、製品水圧力を連続的に増加させて、そのような挙動を補償することができる。言い換えると、いくつかの実施形態によれば、所定の製品水基準は、製品水経路371c内の製品水の圧力が圧力レベルに対応することを含む。製品水経路371c内の圧力レベルは、例えば、製品水ポート128を通る予想される処理能力に対応することができ、従って、経時的に変化する(典型的には増加する)ことがある。
【0125】
第3の例では、制御の目標は、例えば、RO装置301(少なくとも部分的に浸透水経路371aに含まれると考えられる)又はポリッシャー306のような、浸透水経路371a又はポリッシャー水経路371b(
図6)、内のハードウェアコンポーネントのような浄水装置300内の1つ以上のハードウェアコンポーネントの一定の作業点を維持することである。作動点は、例えば、一定の圧力、一定の流量又は一定の温度である。次に、作業点を一定の間隔内に保つために、作業点基準が典型的に定式化される。
【0126】
例えば、RO装置306の直接下流の浸透水経路371a内流量又は水圧は、流量センサ410を用いて測定(又は推定)される。原則として、浸透水経路371a又はポリッシャー水経路371bのいずれかの検出器を使用してもよい。
【0127】
次いで、RO装置内の圧力(特にRO膜の膜貫通圧力)又はポリッシャー306を通過する流量などの浸透流体特性が、制御装置305aを用いて制御され得る。
【0128】
換言すれば、いくつかの実施形態によれば、制御部112は、少なくとも1つの検出器、例えば温度センサ302又は流量センサ410によって検出された浸透流体特性に基づいて、浸透水経路371a内の浸透水の浸透流体特性(例えば、RO膜324又はポリッシャー306の作業点基準を満たすため)を制御して、1つ以上の所定の浸透水基準を満たすように制御装置305aを制御するように構成される。
【0129】
第4の例では、目標は、浄水装置300のRO膜324の作動温度を、例えば、流入口399を通して供給される流入水の温度(
図3)又は周囲の温度とは無関係に、一定の温度に保つことである。RO膜324の処理能力および精製特性のような作業特性は、典型的にはRO膜324の温度に依存するので、恒温が一般的に望ましい。RO膜324を通過する水の温度を一定に保つことによって、RO膜の恒常的な作動温度を達成することができる。RO膜324を通過する水の温度は、RO装置301の直接下流、すなわちヒータ302の上流の浸透水経路371a内の浄水の温度と(少なくとも基本的には)同じである。この温度は、流入ポート399に供給される入口水の温度(
図3)、再循環経路375内で再循環される加熱水の割合、および再循環水の温度、すなわちヒータ後の浄水の温度などのいくつかの要因に依存する。
【0130】
ヒータ302前の浄水の温度とヒータ302後の浄水の温度との関係は、熱力学と次式を用いて計算することができる。
【0131】
【0132】
式においてPはヒータ302の出力(ワット)であり、Qはヒータ302を通る流量[l/s] (これは、RO膜324を通る流量と同じである)であり、T2はヒータ302の下流の浄水の温度であり、T_ROはヒータ302の上流の温度である(すなわち、RO膜324を通る水の温度)。従って、ΔTは、ヒータ302の上流の水とヒータ302の下流の水との間の温度差、すなわちΔT = T2-T_ROである。さらに、cpは水の熱容量である。熱容量又は熱容量は、測定可能な物理量であり、温度変化を生じさせる、物体に加えられた(又は取り除かれた)熱の比に等しい。水の熱容量は4,19kJ/Kである。例えば、RO膜324を通る流量Qが210ml/分(すなわち、0.0035 l/秒)であり、浸透水経路における浄水の温度T2が85℃であり、加熱出力Pが200Wである場合、RO膜の得られる温度は次のように推定される。
【0133】
【0134】
浸透水経路371a内の浄水の温度T2は、温度センサ303を用いて測定してもよい。このように、ヒータ302の出力PとRO膜324を通る流量Qが知られていることから、RO膜324の温度、又はむしろRO膜324を通る水の温度を、浸透水経路における浄水の測定温度T2から推定することができる。
【0135】
例えば、ヒータ302の出力とヒータを通る流量Qが一定に保たれている間に、浸透水経路371a内の浄水の温度T2の変化が検出された場合、RO膜324を介する給水の温度が、例えば、流入水の温度の変化又は周囲の温度の変化に起因して変化したことは指標となる。
【0136】
一定に維持するという目標を達成する1つの方法は、次に、ヒータによって供給される出力Pを調節すること(すなわち、再循環水の温度を制御すること)、又は浸透水経路371a内の浄水の温度T2の測定変化に応じてヒータ302を通る流量Qを変化させることである。ヒータ302(およびRO膜324)を流れる水の流量Qは、ROポンプ450のポンプ周波数を変化させることによって制御され得る。しかしながら、いくつかの実施形態においては、水のバッチごとに1つのポンプ周波数を使用することが望ましい。
【0137】
T_ROを一定に維持するという目標を達成するもう一つの方法は、再循環経路375で再循環される加熱水の量を変化させることである。例えば、より加熱された水が再循環した場合、タンク350内の水の温度は上昇するであろう。これは、次に、供給口301aを介して供給される供給水の温度を上昇させ、その結果、RO膜324を通過する水の温度T_ROも上昇させるであろう。
【0138】
以上のことから、RO膜324を通過する水の温度T_ROは、式1を用いて、浸透水経路371a内の浄水の測定温度T2から推定することができる。次いで、制御装置305aを制御して、再循環経路内で再循環される浸透流の割合を調節することによって、RO膜324を通過する水の温度T_ROを一定に保つことができる。例えば、再循環経路で再循環される浸透流の割合は、RO膜324を通過する水の推定温度T_ROが一定に保たれるように持続的に調整してもよい。
【0139】
換言すれば、いくつかの実施形態によれば、制御部112は、温度センサ303によって検出された温度に基づいて、RO膜324を流れる水の温度T_ROを制御するように制御装置305aを制御するように構成されている。典型的には、制御部112は、予め定められた温度基準が満たされるように温度T_ROを制御するように制御装置305aを制御するように構成されている。基準は、例えば、RO膜324を流れる水の温度T_ROが所定の間隔内に保たれることを含む。
【0140】
このように、制御装置305aは、RO膜324後の水の温度を所定の温度又は所定の温度間隔内に保つように制御され得る。
【0141】
3番目および4番目の実施例は、上記実施形態と組み合わせて利用され得るとともに、製品水経路371cにおける製品水の製品流体特性を制御することを意図された製品水の基準に対応し得る。次に、最適な制御のために、圧力、流量および温度に関する異なる基準を組み合わせる必要がある(例えば、優先順位付けおよび重み付け)。
【0142】
代替の実施形態では、これらの(第3および第4の)実施形態は、上記の実施形態とは独立している。そして、制御部112は、その後、1つ以上の所定の製品水基準を満たすために(少なくとも同時にではない)製品水経路371c内の製品水の製品流体特性を制御するために制御装置305aを制御するように構成されず、代わりに、温度センサ303によって検出された温度に基づいて、RO膜324を流れる水の温度を制御するために例えば制御装置305aのみを制御するように構成されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態によれば、制御部は、少なくとも1つの検出器、例えば圧力センサ308及び/又は流量センサ309によって検出された少なくとも1つの製品流体特性の変化に応じてアラーム機能を起動させるように構成される。例えば、所定の上限圧力レベルを超えるというリスクを最小限にするために、制御部112は圧力センサによって測定された圧力が所定の上限圧力レベルを超えた場合にアラームをトリガするように構成されてもよい。
【0144】
アラームは重大な又は突然の圧力低下又はその類似に応じてトリガされ、これは不具合の指標として役立つであろう。例えば、滅菌グレードフィルタのようなフィルタにおけるブレークスルーは、圧力低下をもたらし、それによって、製品水経路371cにおける製品水の圧力低下および流量増加をもたらす可能性がある。これらの事象は整合しないため、制御部112はこのような状況でアラームを発すること可能性がある。
【0145】
別の例では、浄水装置300と滅菌グレードのフィルタ70a、70bとの間のシステムからの漏れは、製品水経路371c内の製品水の圧力の低下をもたらすことになる。漏れは、アラームのトリガとなるべき重度のエラーでもあるだろう。
【0146】
換言すれば、いくつかの実施形態によれば、制御部112は、圧力センサ308によって測定された圧力変化及び/又は流量センサ309によって測定された流量変化に応じてアラーム機能を起動するように構成されている。
【0147】
図4bは、一実施例による浄水装置300の制御部112の機能を示す。この例では、制御部は、流量制御器112aおよび圧力制御器112bを含むカスケード制御配列を含む。カスケード制御配列では、2つ(又はそれ以上)の制御器があり、そのうちの1つの制御器の出力が別の制御器の設定点を駆動する。
【0148】
この例では、流量制御器112aは、圧力制御器112bの設定点を駆動して、製品水経路371c内の製品水の所定の流量を得るものである。換言すれば、流量制御器112aは、流量センサ309によって測定された製品水経路371c内の製品水の流量と基準流量fref、例えば200ml/minとに基づいて、圧力制御器112bへの第1の制御データd1を生産する。
【0149】
圧力制御器112bは、圧力が予め定められた圧力レベル、例えば300kPaを超えない限り、流量制御器112aが要求している設定点と流量を一致させるように制御装置305aを順次駆動する。換言すれば、圧力制御器112bは、圧力センサ308によって測定された製品水経路301c内の製品水の圧力と第1の制御データd1に基づいて第2の制御データd2を生産する。次に、圧力制御器112bは、第2の制御データd2を用いて制御装置305aを制御する。
【0150】
設定点を駆動する制御器(上記例の流量制御器112a)は、プライマリ、アウター、又はマスタコントローラと呼ばれる。設定点(例では圧力制御器112b)を受信する制御器は、セカンダリ、インナー又はスレーブコントローラと呼ばれる。内側ループの制御ループ周波数は、典型的に外側ループよりも高いことができる。例えば、圧力制御器112bの制御ループ周波数は10Hzである。
【0151】
ここでは、
図5のフローチャート、および他の図の例示的な実施形態を参考にして、浄水を生産する浄水装置300内の少なくとも1つの流体特性を制御するための対応する方法について説明する。
【0152】
この方法は、典型的には、浄水装置300の制御部112で行われる。方法は、プログラムコードとして実装され、制御部112内のメモリ1123に保存されてもよい。このように、方法の工程は、命令を含むコンピュータプログラムの中で定義することができ、これは、プログラムがコンピュータ、例えば制御部112によって実行されると、コンピュータに方法を実行させる。従って、方法の工程は、コンピュータ読取可能な媒体、例えば、USBメモリスティックのような着脱可能なメモリ内にも定義することができる。コンピュータ読取可能な媒体は、次いで、命令を含み、コンピュータによって実行されると、コンピュータにその方法を実行させる。
【0153】
典型的なシナリオでは、浄水装置が稼働状態にあり、浄化装置が製品水を例えば透析装置に供給する場合に方法が実施される。しかしながら、提案された方法は、製品水が送達されない場合、接続又はアイドルの状態で実施されてもよいが、代わりに、
図6に記載されているように、追加の再循環経路381内で再循環されてもよいことを認識しなければならない。
【0154】
本方法は、浄水経路371において、浄水の少なくとも1つの流体特性を検出する工程S1を含む。
【0155】
いくつかの実施形態によれば、検出する工程S1は、浄水経路371の製品水経路371cにおける製品水の少なくとも1つの製品流体特性を検出することを含む。上述したように(
図4a)、製品水経路371cは、再循環経路375の下流に配置される。本工程は、製品水経路における製品水の圧力および流量のような製品流体特性が測定されることを示唆する。典型的には、対応するセンサ308、309は、方法を実行する制御部112に提供されるセンサデータを生産する。
【0156】
この方法はさらに、少なくとも1つの検出された流体特性に基づいて、浄水経路371内の浄水の1つ以上の所定の基準を満たすように、再循環経路375内の水の流量を調節する工程S2ことを含む。
【0157】
いくつかの実施形態によれば、調節する工程S2は、少なくとも1つの検出された製品流体特性に基づいて、製品水経路371c内の製品水の1つ以上の所定の製品水基準を満たすように、再循環経路375内の水の流量を調節することを含む。別の言い方をすると、一定の種の製品流体特性を制御するために、再循環経路375内の水の流量が調整される。
【0158】
代替的には、調節する工程S2は、少なくとも1つの検出された生産物流動特性に基づいて、浸透水経路371a内の浸透水の1つ以上の所定の浸透水基準を満たすように、再循環経路375内の水の流量を調節することを含む。浸透水の基準の一例は、浸透水が一定の圧力又は温度を有することである。
【0159】
例えば、再循環経路375内の水の流量は、製品水経路371c内の製品水の流量が一定又は所定間隔内になるように調整される。換言すれば、いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの製品流体特性は、製品水経路371c内の製品水の流量を含み、そのとき、所定の製品水基準は製品水経路371c内の製品水の流量が所定の流量に相当することを含む。
【0160】
別の例では、再循環経路375内の水の流量は、製品水経路371c内の製品水の圧力が閾値を超えないように調整される。言い換えると、いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの製品流体特性は、製品水経路371c内の製品水の圧力を含む。次に、所定の製品水基準は、製品水経路371c内の製品水の圧力が所定の上限圧力レベル以下に留まることを含む。
【0161】
検出する工程S1および調節する工程S2は、通常、稼働状態において持続的に実施される。従って、少なくとも1つの検出器、例えば圧力センサ308および流量センサ309によって検出される全ての変更は、調節する工程S2をトリガすることができる。別の言い方をすると、本方法は、浄水装置300が浄水を生産している間に、検出する工程S1および調節する工程S2を持続的に実行することを含む。所定の上限圧力レベルは、例えば、製品水経路371cを流れる製品水、又は製品水経路371c内に、又は製品水経路371cから所定の距離内に配置される他の任意のコンポーネントをろ過するように配置された少なくとも1つのフィルタの圧力許容レベルに相当する。
【0162】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの製品流体特性の変化に応じたアラーム機能を起動する工程S3を含む。言い換えれば、検出によって一定の変化、例えば、急激な圧力の増減が明らかになった場合、これは、
図4aに関連して上記に例示されているように、潜在的なエラーの指標と見なされ得る。このような状況では、潜在的なエラーについてユーザにアラートするアラーム機能がトリガされる可能性がある。アラームは、音、点滅しているライト、又はユーザに送られたり表示されたりするテキストメッセージである可能性がある。
【0163】
場合によっては、一定の温度の製品水を生産することが望ましいこともある。温度は、例えば、浄水装置300が浄水を送達することを要求される透析装置によって要求される。その後、製品水の温度を適宜制御することができる。従って、いくつかの実施形態によれば、本方法は、製品水経路371c内を流れる製品水の温度を制御する工程S4を含む。これは、ヒータ302を用いて加熱することによって行うことができる。温度は事実上どんなものにも設定できますが、範囲は20~35℃に制限されることがある。
【0164】
製品水の流量が持続的に検出された場合、その量が流量の積分値に相当するので、製品水経路371cを通過した水の量を計算することも可能である。いくつかの実施形態によれば、制御は、生産時間期間の持続時間と生産時間帯の間に検出された浄水の対応する流量に基づく生産時間期間中に生産される製品水の量を推定する工程S5を含む。生産時間帯は、典型的には、生産が開始された時点から生産が終了するまでの時間、又は生産が進行中の場合、すなわち生産が終了していない場合には、現在までの時間に相当するであろう。
【0165】
2つ目のシナリオ、すなわち生産が進行中の場合、望ましい量の製品水が生産されたときに、アラーム又は通知のような所定の処置がトリガされ得る。所望の量は、例えば、ユーザによって指定され、ユーザインターフェースを介して入力され得る。言い換えると、いくつかの実施形態によれば、本方法は、量が一定の生産量に達したときの所定の処置を引き起こす工程S6することを含む。処置としては、生産を停止する、添付の透析装置に知らせる、アラームを鳴らす、などが考えられる。
【0166】
いくつかの実施形態によれば、制御は、所定の量の水を生産するために所定の時間帯の間に所定の流量を得るために、製品水ポート128を通る浄水の流体特性を制御することを含む。予め定められた量は、例えば0.5~400リットルである。予め定められた量は、例えば、1回の透析治療に必要な量に相当する場合もあれば、複数回の治療に相当する場合もある。
【0167】
以上のように、RO膜324の作動温度をかなり一定に保つことも望ましいと考えられる。従って、幾つかの実施形態によれば、方法は、浄水経路に配置されたヒータ302の下流の浄水経路371内の水温を測定することを含む。そして、調節する工程S2は、温度センサ303によって検出された温度に基づいて、RO膜324を流れる水の温度T_ROが所定の温度基準を満たすように、再循環経路内の水の流量を調節することを含む。上述のように、いくつかの実施形態において、調節は、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせて、又は独立して、このようにして行うことができる。
【0168】
図6は、いくつかの実施形態による浄水装置300の実施例をより詳細に示す。他の実施形態では、浄水装置300は、より少ない又は多くのコンポーネント又はモジュールを含むことができる。
【0169】
図6の浄水装置300は、患者の家庭から携行可能又は飲むことが可能な水の持続的供給源などの水源398から水を受け取る(
図3)。様々な実施形態では、浄水装置300は、本明細書で議論されるように、水源398にアクセスできる部屋に設置してサイクラー20にWFPDを提供することができる。水は、浄水装置300に送達される前に、粒子プレフィルタ334を用いて任意にろ過され、汚物および沈殿物が除去される。水は、水流入口333を介して浄水装置300に入る。前述したように、浄水装置300は、前処理部160、RO部170および後処理モジュール180を含む。前処理モジュール160は、さらに汚染物および不純物を除去するために、粒子フィルタおよび活性炭フィルタ、すなわち活性炭床を含む。粒子フィルタ及び活性炭フィルタは、フィルタパッケージ331で具現化される。フィルタパッケージ331はディスポーザブルパッケージである。前処理モジュール160は、入口弁332と、フィルタパッケージ331の上流にある定常流装置330とを含む。入口弁332は、制御部112の制御下で、供給水流入を制御する。定常流装置330は、水圧が入口弁332のための最小圧力以上であることを提供して、タンク350に一定の流量を提供する。
【0170】
さらに、前処理モジュール160は、サンプリングポート出口329aを備えたサンプリング弁329、タンク弁328、前処理導電率センサ327、およびフィルタパッケージ331の下流にある給水温度センサ326を備える。サンプリングポート出口329aは、給水から試料を採取すること、例えば、塩素レベルを試験することを可能にする。タンク弁328は、ろ過された供給水のタンク350への流れを制御する。前処理導電率センサ327は、ろ過された給水の導電率を監視し、給水温度センサ326は、ろ過された給水の温度を監視する。例えば、濾過された給水の導電率測定をキャリブレーションするためには、濾過された給水の温度が必要である。記載されたコンポーネントは、給水経路390に含まれる。給水経路390は、水流入口333に接続され、タンク350で終わる。入口弁332及びタンク弁328は、浄水装置300の制御部112によって制御されるように構成されている。前処理モジュール160における水軟化は、石灰軟化、イオン交換樹脂、又は当技術分野で公知であるポリリン酸塩のような抗鱗屑剤を用いて、代替的に、又は追加的に達成することができる。フィルタパッケージ331は、いくつかの実施形態において、必要とされず、かつ存在しない可能性があることは認識されるべきである。
【0171】
上述したように、ROモジュール170は、タンク350、ROポンプ450およびRO装置301からなる。RO装置301は、
図4aを参照して、既に詳細に記載されており、さらなる説明のために、その説明を参照する。濾過された(又は濾過されていない)供給水は、例えば、タンク350の上部からタンク350に入る。給水はタンク350に蓄積され、ROポンプ450によってRO装置301の供給口301a(
図5-7参照)に送り込まれる。
【0172】
タンク350には空、低および高レベルスイッチ350a、350b、350cが設けられており、浄水装置300の制御部112上で稼働するコンピュータプログラムは、タンク350の充填時に開放される入口弁332およびタンク弁328の開閉を制御するように構成されており、タンク350内の水位が制御部112に接続されたその高レベルスイッチ350cを作動させると閉じられる。入口弁332は、水位がタンク350の低レベルスイッチ350b未満に下がると再び開くため、制御部112に接続された低レベルスイッチをトリップする。タンク350内の水位が高すぎる場合、過剰な水は、タンクエアベン線325およびタンクエアベント335(オーバーフロー接続)を介して、例えば、トレイ420又はドレン339に排出される。タンクエアベント335は、浄水装置300の外部からアクセス可能である。タンク通気孔335は、例えば、浄水装置300の搬送中に閉じてもよく、その結果、タンク350内の水がトレイ420に流れ、水を浄水装置300から流出するのを防ぐようにする。
【0173】
制御部112は、タンク350内の空レベルスイッチ350aが空又は危機的に低い水位を検出した場合、ROポンプ450にポンプ機能を停止させるように構成されている。ROポンプ450は、RO装置301で行われる逆浸透プロセスに必要な水流と圧力を提供するように構成されている。例えば、
図4aを参照して前述したように、RO装置301は、水を濾過して、その浸透水出口301bに浄水を供給する。排水口301cでRO装置301を離れる水を廃棄する(水消費を節約するためにROポンプ450にフィードバックされてもよいし、代わりにドレン339にポンプされてもよい)。
【0174】
RO装置301を出た浄水は、製品水ポート128を介して出力される前に、浄水装置300内の浄水経路371内で搬送される。浄水経路371は、(
図4aのように)浸透水経路371a、ポリッシャー水路371bおよび製品水経路371cからなる。ポリッシャー306はバイパス経路371dを介してバイパスしてもよい。バイパス経路371dは、ポリッシャー306の上流の水路、ここではEDI装置、およびEDI装置の下流の水路に接続される。RO装置301を離れる浄水は、流量センサ410、ヒータ302、および浸透水経路371aに含まれる浸透温度センサ303を通過する。流量センサ410は、RO装置301を離れる浄水の流量を監視する。ヒータ302は、制御部112の制御下で加熱し、RO装置301を離れる浄水である。浸透温度センサ303は、ヒータ302の直接下流にRO装置301を離れる浄水の温度を監視する。追加の導電率センサ304は、RO装置301を離れる浄水の導電率を監視する。
【0175】
ヒータ302、浸透温度センサ303および導電率センサ304の下流で、浄水はポリッシャー水路371bを介して後処理モジュール180に入る。後処理モジュール180は、ポリッシャー306を含む。三方弁305cは、制御部112によって制御されて、ポリッシャー306又はポリッシャー306をバイパスするためのバイパス経路371dのいずれかに浄水流を選択的に導くように配置されている。ポリッシャー306装置は、製品水を生産するように構成されている。製品チャネル弁307は、ポリッシャー306からの製品水経路371c内の製品水の流量を調節する。濃縮水径路377cは、ポリッシャー306から液体をタンク350に戻すように配置されている。
【0176】
製品水は、製品水ポート128に通され、さらに、それに接続されたディスポーザブルセット40のウォーターライン64(64a、64b)に通され、ケア地点まで搬送される。ディスポーザブルセット40は、2つの滅菌滅菌フィルタ70a、70bを備える。滅菌滅菌フィルタ70a、70bは、製品水ポート出口128を出た製品水をろ過して注射に適した滅菌済み製品水にする。いくつかの代替実施形態によれば、それらのフィルタは外されるか、又はフィルタの数が2以下又はそれ以上である。
【0177】
ドレンポート118は、ドレン339への第1ドレン経路384を規定する。ディスポーザブルセット40のドレンライン56は、使用されたPD流体などの水をドレンポート118からドレン339に通すために、ドレンポート118に接続されている。ここで第1のドレン経路384は、浄水装置300の内部に存在するサイクラードレン経路の一部を具体化する。第1ドレン経路384は、導電率センサ336、ドレン経路温度センサ315およびドレンライン弁341を含む。導電率センサ336は、ドレン経路内の水の導電率を測定するように構成されている。温度センサ315は、第1ドレン経路384内の水の温度を測定するように配置されている。ドレンライン弁341は、制御部112の制御下にあり、導電率センサ336を介して第1ドレン経路384内の流量を調節するように配置されている。第1ドレン経路384は、導電率センサ336、ドレン経路温度センサ315およびドレンライン弁341をバイパスするように配置されたバイパス経路384aをさらに含む。バイパス経路384aは、弁340を含む。弁340は、バイパス経路384aを通る流れを調節するように配置されている。
【0178】
図4aのように、制御装置305aは、ヒータ302、浸透温度センサ303および追加の導電率センサ304の下流の点から配置された再循環経路375内の浄水の流量を制御し、タンク350に戻るように構成されている。製品水圧力センサ308は、ポリッシャー306の下流の製品水経路301c内の製品水の圧力を監視するように配置されている。
図4aのように、流量センサ309は、ポリッシャー306の下流にある製品水の流量を監視するように配置されている。製品水の圧力および流量は、制御部112に供給される。制御部112は、制御装置305aの動作を制御するように構成されている。より具体的には、制御部は、製品水の流量を所望の流量に、製品水の圧力を所望の圧力に制御するために、製品水の圧力および流量に基づいて、再循環経路375内の水の流量を調節するように構成されている。制御装置305aは、例えば、再循環経路375内の水の流量を細かく調節するように構成された電動式流量制御弁である。
【0179】
製品水弁305dは、制御部112の制御下で、生産物の流量を、製品水ポート128に行くか、又は追加の再循環経路381を介してタンク350に戻るかを制御するように配置されている。排出弁396は、追加の再循環経路381内の水の流量を制御するように配置されている。追加の再循環経路381は、エアトラップチャンバ319を介して製品水経路371cに流体的に接続されている。製品水導電率センサ312は、エアトラップチャンバ319の上流にある製品水の導電率を監視するように配置されている。製品水温センサ313は、エアトラップチャンバ319の上流にある製品水の温度を監視するように構成されている。
【0180】
動作において、流体経路385aを介してRO装置301を出る廃棄水の一部は補助定常流装置318を通過し、これは制御部112の制御下にある三方弁305b(例えば、三方ソレノイド弁)に廃棄された水の定常流を提供する。廃棄された水の残りの部分は、第一廃棄経路385b内の弁320(例えば、手動のニードルバルブ)を介してROポンプ450に戻る。三方弁305bは、ドレン339か、又は第2のドレン経路388を介してタンク350に戻すか、又は第2の排水経路389を介してタンク350に戻すかのいずれかに、廃棄された水を選択的に切り換えるように構成されている。バイパス経路385fは、補助定常流装置318をバイパスするように配置されている。流量制御装置321は、制御装置112の制御によってバイパス経路385f内の流量を制御するように配置されている。
【0181】
処理が完了すると、浄水装置300は、ディスポーザブルラインセット40の接続外れ(例えば、サイクラー20が受け取ったメッセージに応じて)の準備を整え、製品水ポート128とドレンポート118を外側から覆い、同時に製品水ポート128とドレンポート118を経路401aで接続する蓋(図示せず)を閉じ、加熱された流体が製品水ポート128からドレンポート118に流入し、さらに第1ドレン経路384を介してドレン339に流入することができるようにする。
【0182】
図6の浄水装置300に関連して記載された全てのメータおよびセンサは、制御部112にそれらに対応する信号を送るように構成された幾つかの実施形態にある。
【0183】
可能な限り、浄水装置300のコンポーネントを保護し、信頼性を高め、細菌の増殖を防止するために、浄水装置300によって洗浄のためのハードウエア及びプログラムが提供される。
【0184】
浄水装置300はまた、微生物増殖阻害薬剤を含む容器392を含む。微生物学増殖阻害薬剤は、クエン酸のような洗浄液を調製するために使用され、いくつかの実施形態において水路に導入される。図示のように、容器392は、浄水装置300の入口392aと流体連絡している。
図6では、ライン382は、浄水装置300の水路に容器392を接続する。代替的に、容器392は、サイクラー20で作動するディスポーザブルカセット42に直接つながるライン(図示せず)を介して接続されてもよいし、ウォーターライン64に接続されてもよいし、ドレンライン56に接続してもよい。
【0185】
容器392内の微生物学的増殖を阻害する薬剤は、クエン酸、クエン酸、乳酸、酢酸、又は塩酸(又はそれらの組合せ)のような、適切な生理学的に安全な酸であってよい。一実施形態では、容器392は、クエン酸、クエン酸塩又はその誘導体を含む。容器392はまた、酸と一緒に提供される添加物(クエン酸と一緒など)を含み得ることに留意される。化学注入口392aは、例えば、浄水装置300の前部に位置する。有無センサ(図示せず、例えば光センサ)は、容器392が化学注入口392aに接続されたときを感知するように配置されている。制御部112の制御下にある三方弁317は、化学薬品注入口392aにおいて、化学薬品注入ポンプ316である第2のポンプ、およびタンク350に向かって開くように配置されている。化学薬品注入ポンプ316は、消毒液をタンク350に供給するように配置されている。光センサは、洗浄又は消毒液の供給源が接続されているか、又は接続されていないかを検出するために配置されている。容器392が外されるか、又は光センサによって検出されない場合、化学薬品注入ポンプ316は停止するか、又は活性化されず、三方弁317は化学物質入口392aの方に閉じられる。制御部112の制御下にある三方弁317は、化学的消毒、洗浄および/又はリンスの段階の間に、水および消毒剤をタンク350からおよびそれへ再循環させるために使用することもできる。化学薬品注入ポンプ316と弁310は、三方弁317と製品水経路371cを流体的に接続する経路379内に配置されている。弁310は、経路379内の流れを制御するように配置されている。
【0186】
より詳細な消毒段階の例では、化学消毒が開始されると、タンク350内のレベルは低レベルスイッチ350bの直上のレベルに調整される。制御部112は、空レベルスイッチ350aが空気の存在を示すまでROポンプ450を開始させ、稼働させる。次に、ROポンプ450が停止され、入口弁332が開放される。入口弁332は、空レベルスイッチ350aが水があることを示すまで開いたままである。その後、化学薬品注入ポンプ316は、予め設定された量の化学物質溶液がタンク350に挿入されるまで実行される。タンク350内のレベルが予め決定されたレベルに達すると、三方弁317がドレン339を開く。ROポンプ450は、化学物質摂取段階の間に流路内の水を循環させ、乱流を作り出し、消毒時間および接触を増加させるために2方向に作動することができる。摂取段階の終わりに、廃棄バイパス弁321が開放され、三方弁305bが作動して、第二ドレン経路388を開いてドレン339を排出し、ローレベルスイッチ350bでタンク350内の水位をそのローレベルまで排出する。
【0187】
記載された前処理モジュール160、ROモジュール170および後処理モジュール180は、単一の浄水キャビネット110aの外側に例えばヒンジ付きで取外し可能に配置されているフィルタパッケージ331を除き、単一の浄水キャビネット110aの内側に囲まれる。その後、フィルタパッケージ331は、消耗したときに交換され得る。代替の実施形態では、モジュールを別々のユニットに配置することができる。上述のように、浄水は、浄水装置300からウォーターライン64を介してディスポーザブルセット40に送られる。
図1を参照すると、ウォーターライン64は、ディスポーザブルセット40のカセット42のウォーターポート282に浄水を供給する。水線64は、一実施形態では、浄水装置300の製品水ポート128に接続された第一端と、サイクラー20のウォーターポート282に接続された第二端とを有する柔軟な管である。水管64は、長さが少なくとも2メートルであり、1つの実施形態においては、4メートルよりも長いことができる。水管64は、浄水装置300を、利用可能な水源を有する部屋に設置し、一方、サイクラー20は、患者が居住する異なる部屋、例えば寝室に設置することを可能にする。水管64は、それに応じて、浄水装置300をサイクラー20に接続するのに必要な限り長くてもよい。
【0188】
図6はまた、ディスポーザブルセット40が、浄水装置300のドレン339に、使用された透析液などの水を導くように配置されたドレンライン56の構成を含むことを示す。ドレンライン56は、例えば、サイクラー20のカセット42に接続された第一端と、浄水装置300のドレンポート118に接続されたドレンラインコネクタ58(
図1)を含む第二端とを有するチューブである。ドレンライン56は、代替的に、長さが2メートルを超えてもよく、4メートルを超えているいくつかの実施形態では、柔軟なチューブであってもよい。ドレンライン56は、浄水装置300とサイクラー20との間を接続するために必要な限り長くてもよい。図示の実施形態におけるウォーターライン64およびドレンライン56は、デュアルルーメンチューブを用いて平行に走る。また、浄水装置300とサイクラー20は、水路64とドレンライン56を含む同一の2ライン水路が例えば0.5メートル未満になるように、近接して配置されることも可能である。さらに、デュアルルーメン水線64とドレンライン56が図示されている間に、水線64とドレンライン56が別々であることが可能である。
【0189】
水トレイ420は、浄水装置300の下に配置される。水トレイ420の底部に液体センサ370が配置され、浄水装置300からの漏れを検出する。
【0190】
本開示は、上記の好ましい実施態様に限定されるものではない。種々の代替、改変および等価物が使用され得る。したがって、上記の実施形態は、添付の請求項によって定義される開示の範囲を限定するものとはみなされるべきではない。