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特許7418046スライディング窓戸の2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分でのウィンドウフレームサッシの断熱及びガラスパネル支持構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】スライディング窓戸の2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分でのウィンドウフレームサッシの断熱及びガラスパネル支持構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/26 20060101AFI20240112BHJP
   E06B 3/58 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
E06B3/26
E06B3/58 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022506459
(86)(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-05
(86)【国際出願番号】 KR2019009551
(87)【国際公開番号】W WO2021020626
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】520460258
【氏名又は名称】フィローブ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,クァン-ソク
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0049763(KR,A)
【文献】実開昭57-124585(JP,U)
【文献】登録実用新案第3135224(JP,U)
【文献】特開平8-68267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/04-3/30
E06B 3/54-3/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓システムにおいて、スライディング窓(10、20)が閉められるとき、2辺支持フレームウィンドウサッシ(11、21)が相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシ(11、21)の断熱及びガラスパネル支持構造であって、
それぞれのガラスパネル(10g、20g)の側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケット(10a、20a)と、
前記ガラス支持断熱ブラケット(10a、20a)を内外面で支持可能に提供されるアルミニウム素材の側面サッシ部(11a、21a)と、
前記側面サッシ部(11a、21a)から前記センターバー部分に延びる内側延長支持端(11a1、21a1)に提供される突出エッジ部(11ae、21ae)及び第1嵌合スロット(11a1s、21a1s)と、
前記第1嵌合スロット(11a1s、21a1s)にスライディング結合される第1プレート(11b1、21b1)、前記第1プレート(11b1、21b1)からガラスパネルの側面方向に離隔して配置され、前記ガラス支持断熱ブラケット(10a、20a)の側面を支持可能に提供される第2プレート(11b2、21b2)、及び第1プレート(11b1、21b1)と第2プレート(11b2、21b2)との間に結合される弾性素材の断熱連結体(11b3、21b3)を含んでなる側面弾性断熱支持具アセンブリ(11b、21b)と、
断熱性能を維持しながらもガラスパネル(10g、20g)を側面から把持する力を増大させるため、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ(11b、21b)の変位または変形幅を制御できるように、強化合成樹脂素材からなり、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ(11b、21b)の側面のそれぞれからウィンドウサッシ(11、21)が相互に重なる対称的な方向に、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ(11b、21b)の第1プレート(11b1、21b1)及び前記側面サッシ部(11a、21a)の前記突出エッジ部(11ae、21ae)に同時に楔方式でさらに嵌合されるように形成される剛体支持具(11c、21c)と、を含んでなることを特徴とする、スライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造。
【請求項2】
前記剛体支持具(11c、21c)は、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ(11b、21b)の第2プレート(11b2、21b2)の延長端(11b2a、21b2a)が嵌められて結合される第2嵌合スロット(11c1s、21c1s)と、前記側面サッシ部(11a、21a)から前記センターバー部分に延びる内側延長支持端(11a1、21a1)に提供される前記突出エッジ部(11ae、21ae)に係合される段差エッジ部(11c1e、21c1e)と、前記第2嵌合スロット(11c1s、21c1s)と前記段差エッジ部(11c1e、21c1e)との間の突出側面支持段(11c1、21c1)と、を含んで形成されることを特徴とする、請求項1に記載のスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造。
【請求項3】
前記第2嵌合スロット(11c1s、21c1s)と前記側面弾性断熱支持具アセンブリ(11b、21b)の第2プレート(11b2、21b2)の延長端(11b2a、21b2a)との間には、設定範囲の間隙(t)を設けて、第2プレート(11b2、21b2)の設定範囲以内の弾性的な移動や変形を可能にすることで、ガラスパネルを支持している前記ガラス支持断熱ブラケット(10a、20a)の側面を弾性的に支持することを特徴とする、請求項2に記載のスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造。
【請求項4】
前記第1プレート(11b1、21b1)と前記第2プレート(11b2、21b2)との対向面のそれぞれには、間に結合される前記断熱連結体(11b3、21b3)の両端部が嵌められる突出嵌め段が提供され、前記突出嵌め段は、前記剛体支持具(11c、21c)の前記突出側面支持段(11c1、21c1)に当接して支持されるように形成されることを特徴とする、請求項2に記載のスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造。
【請求項5】
前記側面サッシ部(11a、21a)の内側延長支持端(11a1、21a1)の一面に第1嵌合スロット(11a1s、21a1s)を形成する外側突出端(11a2、21a2)に隣接した凹部には、ガラス支持断熱ブラケット(10a、20a)を内側と外側で同じ高さで支持しながら断熱機能を提供できるように左右高さ補正断熱支持部(11d、21d)を設け、
前記剛体支持具(11c、21c)には、第2突出側面支持段(11c2、21c2)がさらに延設され、前記第2突出側面支持段(11c2、21c2)とガラスパネル(10g、20g)との間には発泡ゴム断熱ガスケット(11e、21e)がさらに提供されることを特徴とする、請求項4に記載のスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造。
【請求項6】
前記剛体支持具(11c、21c)は、対称的に重なる他のウィンドウサッシに対向する方向の遮断部材として弾性ガスケット(12、22)が結合されるガスケット溝(11c3、21c3)を備えることを特徴とする、請求項1から4のうちいずれか一項に記載のスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造。
【請求項7】
前記遮断部材に提供される弾性ガスケット(12、22)としては、前記ガスケット溝(11c3、21c3)に嵌められてスライディング窓に固定される固定端、及び対向する他のウィンドウサッシの剛体支持具に接触して外側に弾性変形する弾性変形端を備えるものが使用されることを特徴とする、請求項6に記載のスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライディング窓戸システムを構成する移動窓(スライディング窓)と固定窓との間、または、移動窓と他の移動窓との間の断熱及び支持構造に関し、より詳しくは、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面を支持する2辺支持フレームウィンドウ(two-side supporting frame window)タイプのスライディング窓を閉めるとき、移動窓と固定窓(または他の移動窓)とのウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スライディング窓戸システムを構成する移動窓(スライディング窓)及び固定窓としてガラス窓の4辺を厚い支持フレームでそれぞれ支持するフォーサイド支持フレームウィンドウ(four-side supporting frame window、以下、「4辺支持フレームウィンドウ」と称する)タイプのスライディング窓(移動窓)及び固定窓が用いられる場合(図1aを参照)は、図1bのa-a’に沿った断面図(縦断面図)に示されたように、スライディング窓戸システムの窓枠フレーム1の内側でガラスが嵌められたウィンドウサッシ2aの下部に取り付けられるローラを備え、窓枠フレーム1上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有している。4辺支持フレームウィンドウタイプであるため、図1bのb-b’に沿った断面図(横断面図)に示されたように、ガラス(ガラスパネル)が嵌められて固定される部分、及びスライディング窓(移動窓)と固定窓とが相互に重なるときにガラスの支持とともに断熱及び密閉機能を提供するウィンドウサッシ2aの厚い(80~100mm)センターバー部分の形状と構造を通じて、ガラスを堅固に支持すると同時に良好な断熱機能を容易に果たすことができる。
【0003】
しかし、近年、窓戸の開放性が強調されるにつれて、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持するツーサイド支持フレームウィンドウ(two-side supporting frame window、以下、「2辺支持フレームウィンドウ」と称する)タイプのスライディング窓(図2aを参照)の使用が増加している。このような2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の一例(ドイツのSchueco社製品の例)においては、ガラス2gが嵌められるウィンドウサッシ2bがガラス2gの両側面のみに存在し、広い開放性のため、約40mmの狭いサッシ幅を有する。また、図2bのa-a’に沿った断面図に示されたように、ガラス2gの下部では、アルミニウム材質のサッシを設けず、破損防止と緩衝及び断熱を目的でガラス端部を囲む部材(ポリアミドまたはPVC(polyvinyl chloride)のような有機材料から形成される)としての下部のガラス支持断熱ブラケット2pにローラ2rが直接結合され、窓枠フレーム1上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有する。さらに、図2cの開かれた(open)状態のb-b’に沿った断面図、及び図2dの閉められた(closed)状態のb-b’に沿った断面図と要部拡大図に示されたように、ガラス2gの側面に取り付けられる側面のガラス支持断熱ブラケット2gbを内外面から支持するように提供される薄い側面サッシ部2b1、2b2のうち、固定支持力が相対的に強いアルミニウム金属製の外部キャップ2b1は、断熱性能向上のため、スライディング窓が重ねられる(閉められたとき)部分CNにまで「コ」字状に延長せず(内部アルミニウムが「コ」字状に外部にまで延びれば、急激な熱損失のためエネルギー効率が低下し、さらに結露現象が起きる問題が生じる)、合成樹脂製(または炭素繊維製)の内部キャップ2b2及び前記ガラス支持断熱ブラケット2gb部分のみを相互に隣接して配置することで、センターバー部分を形成する構造を有している。そこに、防風/防塵のためのモヘア、または、断熱のための外部弾性ガスケットg-out及び内部弾性ガスケットg-inが対称的に取り付けられる断熱構造及び防風構造を有する。
【0004】
このような構造により、一定水準の断熱成果は達成できるが、スライディング窓が閉められたとき、重なる部分CNでガラス2gを把持する力が弱く、強風がガラスに当たる環境では、合成樹脂製のガラス支持断熱ブラケット2gbが過度に変形して構造的な短所を露出させるという問題がある。
【0005】
一方、上述した構造とは異なる構造の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓(図2a参照)の一例である図3a~図3dに示された例(スイスのSky-frame社製品の例)においても、ガラス2gが嵌められるウィンドウサッシ2bがガラス2gの両側面のみに存在し、図3aのa-a’に沿った断面図に示されたように、ガラス2gの下部にはアルミニウム材質のサッシが設けられない。また、図3bの一般型(Aタイプ)ウィンドウ、図3cの両開型(Bタイプ)ウィンドウの開かれた状態のb-b’に沿った断面図、及び図3dの両開型ウィンドウの閉められた状態のb-b’に沿った断面図及び要部拡大図に示されたように、ガラス2gの側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケット2gbを側面から支持するように提供される薄い側面サッシ部2b1、2b2のうち、固定支持力が相対的に強いアルミニウム金属製の外部キャップ2b1は、断熱性能向上のため、スライディング窓が重ねられる(閉められたとき)部分CNに至るまで延長せず、合成樹脂製の内部キャップ2b2及び前記ガラス支持断熱ブラケット2gb部分のみが相互に隣接するように配置される。そこに、スライディング窓が閉められたときに重なる部分CNで材料が有する属性による剛性不足(過度変形)の問題を解決するため、ガラス2gが組み立てられた状態で内部キャップ2b2と前記ガラス支持断熱ブラケット2gbとの間のギャップ部分に楔状で嵌め込むことで遊隔の発生をある程度防止するように、別途に嵌め込まれるキャップ2gcを備える構造である。
【0006】
しかし、ガラス2gを組み立てる前に、図3dに示されたように、アルミニウム金属製の外部キャップ2b1に合成樹脂製の内部キャップ2b2を結合する過程でローラ圧着(roller compression)加工によって両者を連結する必要があるが、このとき、外部キャップ2b1の突出した外側顎部2b1aのためローラを押し込み難く、その加工が困難である。さらに、これによって一定水準の剛性増大成果は達成できるものの、合成樹脂製の内部キャップ2b2の高い変形率及び柔軟性により、スライディング窓が閉められたときに重なる部分CNでガラス2gを側面から把持する力自体が増大するわけではないため、強風がガラスに当たる環境では、合成樹脂製の内部キャップ2b2及びガラス支持断熱ブラケット2gbで発生する変形による構造的な短所を完全に解消できないという問題がある。
【0007】
さらに他の構造の2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓(図2aを参照)の一例である図4a~図4cに示された例(スイスのPanoramah社製品の例)においても、スライディング窓が閉められたときに重なる部分CNでガラス2gを側面から把持する部分に該当するガラス支持断熱ブラケット2gbを内側で支持する内部キャップ2b2の素材が軟質の合成樹脂材料であるため、同様の構造的な短所を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した従来技術の共通的な問題点を解決するためのものであって、本発明の技術的課題は、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓において、ガラス2gの両側面のみに存在する狭幅のウィンドウサッシ2bを構成する際、良好な断熱機能を維持でき、且つ、より優れたガラスパネル固定機能を確保できるように、ガラス2gの側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケット2gbを内外面で支持するように提供される側面サッシ部2b1、2b2のうち、固定支持力が相対的に優れたアルミニウム金属製の外部キャップ2b1に、断熱性能の向上のため、スライディング窓が重なる(閉められたとき)部分CNまでには延びない構造が採択されても、ガラス支持断熱ブラケット2gbの変形を制御できるように、従来技術における内部キャップ2b2に該当する構成品に対する改善された構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した技術的課題を解決するため、
スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓システムにおいて、スライディング窓が閉められるときに2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造であって、
ガラスパネルの下部にアルミニウム材質のサッシが設けられず、下部ガラス支持断熱ブラケット(軟性材質)にローラが直接結合されて窓枠フレーム上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有し、
それぞれのガラスパネルの側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケットと、
前記ガラス支持断熱ブラケットを内外面で支持可能に提供されるアルミニウム素材の側面サッシ部と、
前記側面サッシ部から前記センターバー部分に延びる内側延長支持端に提供される突出エッジ部及び第1嵌合スロットと、
前記第1嵌合スロットにスライディング結合される第1プレート、前記第1プレートからガラスパネルの側面方向に離隔して配置され、前記ガラス支持断熱ブラケットの側面を支持可能に提供される第2プレート、及び第1プレートと第2プレートとの間に結合される弾性素材の断熱連結体を含んでなる側面弾性断熱支持具アセンブリと、
ガラスパネルを側面から把持する力を増大させるため、前記側面弾性断熱支持具アセンブリの変位または変形幅を制御できるように、強化合成樹脂素材からなり、前記側面弾性断熱支持具アセンブリの側面のそれぞれからウィンドウサッシが相互に重なる対称的な方向に、前記側面弾性断熱支持具アセンブリの第1プレート及び前記側面サッシ部の前記突出エッジ部に同時に楔方式でさらに結合されるように形成される剛体支持具と、を含んでなることを特徴とするスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造を提供する。
【0010】
ここで、前記剛体支持具は、前記側面弾性断熱支持具アセンブリの第2プレートの延長端が嵌められて結合される第2嵌合スロットと、前記側面サッシ部から前記センターバー部分に延びる内側延長支持端に提供される前記突出エッジ部に係合される段差エッジ部と、前記第2嵌合スロットと前記段差エッジ部との間の突出側面支持段と、を含んで形成されることが望ましい。
【0011】
また、前記第1プレートと前記第2プレートとの対向面のそれぞれには、間に結合される前記断熱連結体の両端部が嵌められる突出嵌め端が提供され、前記突出嵌め端は、前記剛体支持具の前記突出側面支持段に当接して支持されることが望ましい。
【0012】
望ましくは、前記剛体支持具は、対称的に重なる他のウィンドウサッシに対向する方向の遮断部材として弾性ガスケットが結合されるガスケット溝を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明のスライディング窓戸で2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造によれば、前記側面サッシ部からセンターバー部分に延びる内側延長支持端にスライディング結合される側面弾性断熱支持具アセンブリを構成する第1プレートと第2プレートとの間に結合される弾性素材の断熱連結体を通じて基本的な断熱機能を確保することができるとともに、前記側面弾性断熱支持具アセンブリの第1プレート及び前記側面サッシ部の前記突出エッジ部に同時に楔方式で結合されるように提供される剛体支持具を通じてガラスパネルを側面から把持する力を増大させることができる。
【0014】
このような本発明による構造を採用したスライディング窓戸システムでは、良好な断熱性能を維持しながらも、ガラスパネルを側面から把持する力を増大させることで、風圧によって発生するガラスパネル支持ブラケット(柔軟な素材のガラス支持断熱ブラケット)の変位または変形に対するより安定的な緩衝吸収力を有し、さらに変位または変形の幅を適切な範囲で統制可能にすることで、過度な変形によって発生し得る危険性を緩和して優れた安定性を確保できるという効果も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1a】従来の一般的なスライディング窓戸システムを示した図であって、ガラスを4辺で支持するドアサッシを備えたスライディング窓を示している。
図1b】従来の一般的なスライディング窓戸システムを示した図であって、ガラスを4辺で支持するドアサッシを備えたスライディング窓を示している。
図1c】従来の一般的なスライディング窓戸システムを示した図であって、ガラスを4辺で支持するドアサッシを備えたスライディング窓を示している。
図2a図1a~図1cに示された一般的なスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図2b図1a~図1cに示された一般的なスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図2c図1a~図1cに示された一般的なスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図2d図1a~図1cに示された一般的なスライディング窓戸システムを改良したスライディング窓であって、窓戸の開放性が強調されながら、スライディング窓戸を構成するガラス窓の両側面のみを支持する2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の下部にアルミニウムウィンドウサッシを設けず、ガラスをローラの上部に直接載置して使用するスライディング窓取付け構造の一例を示した図である。
図3a】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の他の例を示した図である。
図3b】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の他の例を示した図である。
図3c】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の他の例を示した図である。
図3d】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の他の例を示した図である。
図3e】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓の他の例を示した図である。
図4a】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓のさらに他の例を示した図である。
図4b】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓のさらに他の例を示した図である。
図4c】2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓のさらに他の例を示した図である。
図5a】本発明によるスライディング窓戸取付け構造(2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造)を示した正面図である。
図5b図5aのa1-a1’に沿った断面図及びa2-a2’に沿った断面図である。
図5c図5aのb-b’に沿った断面図であって、スライディング窓が開かれた状態と閉められた状態との間の変化作動を示した図である。
図5d図5cの[Part-C]の拡大図である。
図6a】本発明によるスライディング窓戸取付け構造を達成するため、2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造が組み立てられる状態を段階毎に示した図である。
図6b】本発明によるスライディング窓戸取付け構造を達成するため、2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造が組み立てられる状態を段階毎に示した図である。
図6c】本発明によるスライディング窓戸取付け構造を達成するため、2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造が組み立てられる状態を段階毎に示した図である。
図6d】本発明によるスライディング窓戸取付け構造を達成するため、2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造が組み立てられる状態を段階毎に示した図である。
図6e】本発明によるスライディング窓戸取付け構造を達成するため、2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの断熱及びガラスパネル支持構造が組み立てられる状態を段階毎に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態を、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な相異なる形態で具現でき、後述される実施形態によって限定されるものではない。
【0017】
本発明は、上述したように、窓戸の開放性を高めるように改良されたスライディング窓において、4辺支持ウィンドウサッシに比べて相対的に狭いフレーム幅を有する2辺支持フレームウィンドウサッシが相互に重なるセンターバー部分におけるウィンドウサッシの新たな断熱及びガラスパネル支持構造を提供する。図5a~図6eに示された図面を通じて例示される本発明の望ましい実施形態によれば、スライディング窓戸を構成する固定窓10または移動窓20を形成するガラスパネル10g、20gの両側面のみをアルミニウム材質のサッシで支持し、ガラスパネル10g、20gの下部にはアルミニウム材質のサッシを設けず、下部ガラス支持断熱ブラケットにローラが直接結合されて窓枠フレーム100上のローラガイドレールに沿ってスライディングする構造を有する。
【0018】
このような本発明の望ましい一実施形態によれば、2辺支持フレームウィンドウタイプのスライディング窓システムにおいて、スライディング窓10、20が閉められるとき(図5cの上段図の状態)、2辺支持フレームウィンドウサッシ11、21が相互に重なるセンターバー部分[Part-C]でのウィンドウサッシ11、21の断熱及びガラスパネル支持構造であって、
図5c及びその要部拡大図である図5dに示されたように、スライディング窓10、20を構成するそれぞれのガラスパネル10g、20gの側面に取り付けられるガラス支持断熱ブラケット10a、20aと、
前記ガラス支持断熱ブラケット10a、20aを内外面で支持可能に提供されるアルミニウム素材の側面サッシ部11a、21aと、
前記側面サッシ部11a、21aから前記センターバー部分に延びる内側延長支持端11a1、21a1(図6aを参照)に提供される突出エッジ部11ae、21ae及び第1嵌合スロット11a1s、21a1sと、
前記第1嵌合スロット11a1s、21a1sにスライディング結合される第1プレート11b1、21b1、前記第1プレート11b1、21b1からガラスパネルの側面方向に離隔して配置され、前記ガラス支持断熱ブラケット10a、20aの側面を支持可能に提供される第2プレート11b2、21b2、及び第1プレート11b1、21b1と第2プレート11b2、21b2との間に結合される弾性素材の断熱連結体11b3、21b3と、を含んでなる側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bと、
断熱性能を維持しながらもガラスパネル10g、20gを側面から把持する力を増大させるため、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの変位または変形幅を制御できるように、断熱性強化合成樹脂(断熱性/硬化性樹脂など)素材からなり、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの側面のそれぞれからウィンドウサッシ11、21が相互に重なる対称的な方向に、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの第1プレート11b1、21b1及び前記側面サッシ部11a、21aの前記突出エッジ部11ae、21aeに同時に楔方式でさらに嵌合されるように形成される剛体支持具11c、21cと、を含んでなる。
【0019】
ここで、前記剛体支持具11c、21cは、前記側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの第2プレート11b2、21b2の延長端11b2a、21b2aが嵌められて結合される第2嵌合スロット11c1s、21c1sと、前記側面サッシ部11a、21aから前記センターバー部分に延びる内側延長支持端11a1、21a1に提供される前記突出エッジ部11ae、21aeに係合される段差エッジ部11c1e、21c1eと、前記第2嵌合スロット11c1s、21c1sと前記段差エッジ部11c1e、21c1eとの間の突出側面支持段11c1、21c1と、を含んで形成されることが望ましい。
【0020】
一方、図6cに示されたように、前記第2嵌合スロット11c1s、21c1sと前記側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの第2プレート11b2、21b2の延長端11b2a、21b2aとの間には、設定遊隔の間隙tを設けて、第2プレート11b2、21b2の設定範囲以内の弾性的な移動(変位)や変形を可能にすることで、ガラスパネル10g、20gを支持している前記ガラス支持断熱ブラケット10a、20aの側面を設定変位または変形範囲以内で弾性的に支持できるようにしてガラス破損などを防止可能に緩衝することがさらに望ましい。
【0021】
また、前記第1プレート11b1、21b1と前記第2プレート11b2、21b2との対向面のそれぞれには、間に結合される前記断熱連結体11b3、21b3の両端部が嵌められる突出嵌め段が提供され、前記突出嵌め段(堅固な結合のため、両側ローリング圧着工程を経てもよい)は、前記剛体支持具11c、21cの前記突出側面支持段11c1、21c1に当接して支持されるようにすることが望ましい。
【0022】
望ましくは、前記剛体支持具11c、21cは、対称的に重なる他のウィンドウサッシに対向する方向の遮断部材(気密部材)として弾性ガスケット12、22が結合されるガスケット溝11c3、21c3を備える。
【0023】
また、前記遮断部材として提供される弾性ガスケット12、22としては、前記ガスケット溝11c3、21c3に嵌められてスライディング窓に固定される固定端、及び対向する他のウィンドウサッシの剛体支持具に接触して外側に弾性変形する弾性変形端を備えるものを使用できる。
【0024】
一方、上述したように構成された2辺支持フレームウィンドウサッシ11、21が相互に重なるセンターバー部分[Part-C]におけるウィンドウサッシ11、21の断熱及びガラスパネル支持構造は、図6a~図6eに示した組み立て段階を経て完成されてスライディング窓戸システムに具現される。
【0025】
まず、図6aに示されたように、アルミニウム素材の側面サッシ部11a、21aの内側延長支持端11a1、21a1の一面に形成された第1嵌合スロット11a1s、21a1sに、側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの第1プレート11b1、21b1を長手方向の溝に沿ってスライディング方式で嵌合して組み立てるが、第1嵌合スロット11a1s、21a1sの両側顎を提供する突出エッジ部11ae、21aeの後面と外側突出端11a2、21a2の後面とによって第1プレート11b1、21b1の側端が弾性変形して堅固に嵌められて固定されるようにする。
【0026】
その後、図6bに示されたように、側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの一側面にシーラントを塗布し、剛体支持具11c、21cを楔方式で押し込んで側面支持を強化し、構造的に「コ」字状を完成する。ここで、剛体支持具11c、21cの第2嵌合スロット11c1s、21c1sに側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの第2プレート11b2、21b2の延長端11b2a、21b2aが嵌められて結合されながら、同時に段差エッジ部11c1e、21c1eは前記側面サッシ部11a、21aから前記センターバー部分に延びる内側延長支持端11a1、21a1に提供される前記突出エッジ部11ae、21aeに係合され、突出側面支持段11c1、21c1は前記第2嵌合スロット11c1s、21c1sと前記段差エッジ部11c1e、21c1eとの間の空間に挿入されるようになる。これにより、段差エッジ部11c1e、21c1eと突出エッジ部11ae、21aeとが係合による楔方式で押し込まれた状態では、図6cの上側に矢印で示した方向への剛体支持具11c、21cの回転又は変形に強力に抵抗できるようにすることで、外側では一つの強力な支持構造体を形成するとともに、内側では側面弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの第2プレート11b2、21b2の延長端11b2a、21b2aが第2嵌合スロット11c1s、21c1sに適切な遊隔tを有した状態で結合されるようにすることで、組立公差の問題を解決できるだけでなく、強風がガラスパネルに圧力を加え続けてガラスパネル10g、20g及びそれを支持するガラス支持断熱ブラケット10a、20aが設定範囲内で変位するしかない状況でも、このような変位を弾性的に吸収可能にする。また、ガラスパネル支持具としての機能に必要な所定の剛性と弾性を有するように、弾性断熱支持具アセンブリ11b、21bの第1プレート11b1、21b1と第2プレート11b2、21b2がアルミニウム材料で成形されても、その間でこれらを相互に連結する弾性素材の断熱連結体11b3、21b3によって、熱損失を防止(熱の流れを遮断)することもできる。
【0027】
図6cの状態で、図6dに示されたように、アルミニウム素材の側面サッシ部11a、21aの内側延長支持端11a1、21a1の一面に第1嵌合スロット11a1s、21a1sを形成する外側突出端11a2、21a2に隣接した凹部には、ガラス支持断熱ブラケット10a、20aを内側と外側で同じ高さで支持しながら断熱機能を提供できるように左右高さ補正断熱支持部11d、21dを設け、シーラントをさらに塗布した後、ガラスパネル10g、20gを支持するガラス支持断熱ブラケット10a、20aがガラスパネル10g、20gとともに嵌められるが、このとき、内部の空間部11ds、21dsにはシリコーンが充填される。また、これに付け加えて図6eに示されたように、前記剛体支持具11c、21cには第2突出側面支持段11c2、21c2がさらに延設され、前記第2突出側面支持段11c2、21c2とガラスパネル10g、20gとの間には発泡ゴム断熱ガスケット11e、21eがさらに提供されることで、仕上げ作業が完了する。これにより、剛体支持具11c、21cの図6dの矢印方向と逆方向への回転(図6dで説明した防止される回転と逆方向の回転)も、組み立てられたガラスパネル10g、20g及びガラス支持断熱ブラケット10a、20aによって制御されて防止され、装置全体の安定性を一層補完し維持することができる。
【0028】
以上、本発明が適用されるスライディング窓に対する本発明の望ましい実施形態を説明した。図面においては、複数のガラスパネル10g、20gを一定間隔で離隔して重ねて形成し、間隙部の真空を具現するようにシーリング部材で接合して形成されるペアガラスを備えた窓戸に適用することを例示して説明したが、本発明の権利範囲がこれに限定されるものではなく、多様な類型のスライディング窓戸(ドアまたは窓)に適用される場合を含み、下記の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多用な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属するものである。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e