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特許7418057蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20240112BHJP
   B65D 53/04 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65D77/20 E
B65D53/04
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2023101454
(22)【出願日】2023-06-21
【審査請求日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】63/354,278
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】P 2022140414
(32)【優先日】2022-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320007734
【氏名又は名称】株式会社KY7
(72)【発明者】
【氏名】林 裕義
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-280419(JP,A)
【文献】特開2005-271999(JP,A)
【文献】実開昭59-129752(JP,U)
【文献】特開2003-137324(JP,A)
【文献】特開2007-204148(JP,A)
【文献】特開2000-43938(JP,A)
【文献】米国特許第3057537(US,A)
【文献】米国意匠特許発明第700513(US,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 39/00-55/16
B65D 77/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部を有する容器に接合可能に形成され、
前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と、前記接合領域対応部から内側の部分で構成される蓋領域対応部とを有し、前記蓋領域対応部は、該蓋領域対応部の周端縁から内側に延び出た部分として形成された邪魔部を有し、且つ、前記邪魔部の内縁から内側の少なくとも一部に、高低差部と貫通部とを有し、
前記接合領域対応部は、前記周端縁から前記邪魔部が形成されている箇所までの高さ方向の位置が同じに形成されており、
前記高低差部は、溝部と壁部とを有し、
前記溝部は、外壁部と内壁部とを有し、これら前記外壁部の下端と前記内壁部の下端とにより前記溝部の底部が形成され、前記底部は前記邪魔部よりも低い位置に形成され、前記内壁部の上端は、高さ方向の位置が前記邪魔部と同じか、又は前記接合領域対応部が形成されている箇所よりも高い位置となるように形成されている、
蓋体。
【請求項2】
前記蓋領域対応部には、前記高低差部の内部及び/又は内側に前記貫通部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項3】
前記貫通部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が異なる、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項4】
前記高低差部は、前記貫通部の周囲を取り巻くように形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項5】
前記高低差部の内側に平面部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項6】
前記平面部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が異なる、
請求項5に記載の蓋体。
【請求項7】
前記貫通部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が同じ、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項8】
前記高低差部の内側に傾斜部が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項9】
前記高低差部における壁部の少なくとも一部が波型形状をしている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項10】
前記高低差部は、複数の溝部を有し、
複数の前記溝部の底部は、同心状に配置されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項11】
前記高低差部は、溝部を有し、
前記溝部に凹凸構造が形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項12】
前記高低差部は、溝部を有し、
前記蓋領域対応部の平面視上、前記溝部の幅が部分的に異なっている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項13】
前記高低差部は、段差部を有する、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項14】
前記段差部は、溝部を形成している、
請求項13に記載の蓋体。
【請求項15】
前記蓋領域対応部に、前記蓋領域対応部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、
前記脆弱化部は、複数の前記貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも1つの連続部とを有する、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項16】
前記脆弱化部は、前記連続部の周囲に放射状に複数の前記貫通部を形成している、
請求項15に記載の蓋体。
【請求項17】
前記蓋領域対応部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、
前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、
少なくとも一部の前記貫通部が、前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の開口縁との境界位置に形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項18】
前記貫通部の少なくとも一部が、前記高低差部に形成されている、
請求項17に記載の蓋体。
【請求項19】
紙系素材で形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項20】
前記邪魔部と前記高低差部の境界から前記高低差部に向かった部分に、前記紙系素材を構成する繊維の密度が前記邪魔部よりも低い低密度部が形成されている、
請求項19に記載の蓋体。
【請求項21】
前記邪魔部と前記高低差部は、連続的に形成されている、
請求項1に記載の蓋体。
【請求項22】
請求項1から21のいずれか1項に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有し、
前記蓋体を前記容器に接合した、
蓋体付き容器。
【請求項23】
請求項1から21のいずれか1項に記載の蓋体と、
上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有する、
蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
上端に開口部を形成した容器に飲食料品等(以下においては「内容物」とも言う。)を収容して蓋体を取り付けることで容器内を閉じた状態で提供することが広く行われている。
【0003】
容器に取り付けられる蓋体としては、環境負荷軽減の観点から、紙系素材を用いたものを用いることが求められている。容器に蓋体を取り付ける方法としては、熱プレス等の方法を用いて蓋体を容器の上端の開口部の外周を形成する縁部に接合する方法(シール法)が知られている。蓋体を取り付けられた容器(蓋体付き容器)から内容物を摂取するための構造としては、特許文献1に示すように、容器の縁部から蓋体を剥がし取る(取り除く)構造や、蓋体に貫通部を設け、貫通部に内容物を取り出すための部材(例えばストロー等)を差し込む構造が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-84128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
蓋体が貫通部を有し且つ紙系素材で形成されている場合に、蓋体で容器の開口部を被覆した状態で内容物が貫通部から蓋体上へ飛び出すことを抑制する点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次の(1)から(23)にかかる発明を要旨としている。
【0007】
(1)上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部を有する容器に接合可能に形成され、前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と、前記接合領域対応部から内側の部分で構成される蓋領域対応部とを有し、前記蓋領域対応部は、該蓋領域対応部の周端縁から内側に延び出た部分として形成された邪魔部を有し、且つ、前記邪魔部の内縁から内側の少なくとも一部に、高低差部と貫通部とを有し、前記接合領域対応部は、前記周端縁から前記邪魔部が形成されている箇所までの高さ方向の位置が同じに形成されており、前記高低差部は、溝部と壁部とを有し、前記溝部は、外壁部と内壁部とを有し、これら前記外壁部の下端と前記内壁部の下端とにより前記溝部の底部が形成され、前記底部は前記邪魔部よりも低い位置に形成され、前記内壁部の上端は、高さ方向の位置が前記邪魔部と同じか、又は前記接合領域対応部が形成されている箇所よりも高い位置となるように形成されている、蓋体。
(2)前記蓋領域対応部には、前記高低差部の内部及び/又は内側に前記貫通部が形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(3)前記貫通部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が異なる、上記(1)に記載の蓋体。
(4)前記高低差部は、前記貫通部の周囲を取り巻くように形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(5)前記高低差部の内側に平面部が形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(6)前記平面部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が異なる、上記(5)に記載の蓋体。
(7)前記貫通部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が同じ、上記(1)に記載の蓋体。
(8)前記高低差部の内側に傾斜部が形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(9)前記高低差部における壁部の少なくとも一部が波型形状をしている、上記(1)に記載の蓋体。
(10)前記高低差部は、複数の溝部を有し、複数の前記溝部の底部は、同心状に配置されている、上記(1)に記載の蓋体。
(11)前記高低差部は、溝部を有し、前記溝部に凹凸構造が形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(12)前記高低差部は、溝部を有し、前記蓋領域対応部の平面視上、前記溝部の幅が部分的に異なっている、上記(1)に記載の蓋体。
(13)前記高低差部は、段差部を有する、上記(1)に記載の蓋体。
(14)前記段差部は、溝部を形成している、上記(13)に記載の蓋体。
(15)前記蓋領域対応部に、前記蓋領域対応部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、前記脆弱化部は、複数の前記貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも1つの連続部とを有する、上記(1)に記載の蓋体。
(16)前記脆弱化部は、前記連続部の周囲に放射状に複数の前記貫通部を形成している、
上記(15)に記載の蓋体。
(17)前記蓋領域対応部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、少なくとも一部の前記貫通部が、前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の開口縁との境界位置に形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(18)前記貫通部の少なくとも一部が、前記高低差部に形成されている、上記(17)に記載の蓋体。
(19)紙系素材で形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(20)前記邪魔部と前記高低差部の境界から前記高低差部に向かった部分に、前記紙系素材を構成する繊維の密度が前記邪魔部よりも低い低密度部が形成されている、
上記(19)に記載の蓋体。
(21)前記邪魔部と前記高低差部は、連続的に形成されている、上記(1)に記載の蓋体。
(22)上記(1)から(21)のいずれか1項に記載の蓋体と、上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有し、前記蓋体を前記容器に接合した、蓋体付き容器。
(23)上記(1)から(21)のいずれか1項に記載の蓋体と、上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有する、蓋体と容器の組み合わせ。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、蓋体が貫通部を有し且つ紙系素材で形成されている場合に、蓋体で容器の開口部を被覆した状態で内容物が貫通部から蓋体上へ飛び出すことを抑制することが可能な蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは、第1の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図1Bは、図1AのA-A線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図2図2Aは、第2の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図2Bは、図2AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図3図3Aは、第2の実施形態の変形例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図3Bは、図3AのC-C線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図4図4Aは、第2の実施形態の変形例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図4Bは、図4AのB-B線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図5図5A図5Bは、第1の実施形態の変形例1にかかる蓋体の一実施例を表す断面図である。
図6図6Aは、第2の実施形態の変形例3にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図6Bは、図6AのD-D線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図7図7Aは、第2の実施形態の変形例4にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図7Bは、図7AのE-E線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図8図8Aは、第2の実施形態の変形例5にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図8Bは、図8AのF-F線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図8Cは、図8CのG-G線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図8Dは、第2の実施形態の変形例5の他の実施例において図8Cに対応する部分の縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図9図9は、第4の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図10図10Aは、第2の実施形態の変形例6にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図10Bは、図10AのH-H線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図10Cは、図10AのI-I線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図11図11Aは、第2の実施形態の変形例7にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図11Bは、図11AのJ-J線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図12図12は、第2の実施形態の変形例9にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図13図13Aは、第2の実施形態の変形例8にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図13Bは、第2の実施形態の変形例8にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。
図14図14Aは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図14Bは、図14AのK-K線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図15図15Aは、第3の実施形態の変形例1にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図15Bは、図15AのL-L線縦断面の状態を模式的に示す断面図と一点鎖線の部分の部分拡大図である。
図16図16Aは、第3の実施形態の変形例2にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図16Bは、図16AのM-M線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図17図17Aは、蓋体付き容器の一実施例を表す平面図である。図17Bは、図17AのN-N線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図18図18A図18Bは、邪魔部と高低差部の境界部分を説明するための図である。
図19図19Aは、第2の実施形態の変形例10にかかる蓋体の一実施例を表す断面図である。図19B及び図19Cは、第2の実施形態の変形例11にかかる蓋体の一実施例を表す断面図である。
図20図20Aは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図20Bは、図20AのO-O線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図21図21Aは、第6の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図21Bは、図21AのP-P線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図22図22Aは、第7の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図22Bは、図22AのQ-Q線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図23図23Aは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図23Bは、図23AのR-R線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図24図24Aは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図24Bは、図24AのS-S線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
図25図25A及び図25Bは、第5の実施形態にかかる蓋体を製造するためのブランク材の一実施例を表す平面図である。
図26図26は、蓋体付き容器の一実施例を模式的に示す断面図である。
図27図27Aは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を表す平面図である。図27Bは、図27AのT-T線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る蓋体について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明に係る蓋体は、コーヒーカップのような各種の飲料物を入れる容器(カップ)に対して用いられる蓋体を例として挙げて説明するが、飲料物を入れる容器の蓋体に限定されるものではなく、飲料物以外の食料品を収容する容器の蓋体としても適用することが可能である。また、本発明に係る蓋体は、飲食物以外の各種物品、例えばボルトやナット等といった部品や、上記した以外の物品を収容することのできる容器にも適用することができる。さらに、本発明に係る蓋体は、平面視したときの形状が円形状であるものの例を用いて以下においては説明するが、蓋体の形状は平面視したときに円形状であるものに限定されることはなく、楕円形状、矩形状、三角形状などの多角形状、面取り矩形状、面取り多角形状等、円形状以外の各種の形状にも適用することができる。
【0011】
以下、本発明に関係した第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、第4の実施形態、第5の実施形態、第6の実施形態、第7の実施形態及び適用例について、順次、図面を参照しながら説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
以下の説明は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容は、これらの実施の形態等に限定されるものではない。また、以下の説明において、説明の便宜を考慮して、前後、左右、上下等の方向及び水平面の方向を示すが、本発明の内容はこれらの方向に限定されるものではない。図1から図27の例では、Z軸方向を上下方向(上側が+Z方向、下側が-Z方向)、X軸方向を前後方向(後側が+X方向、前側が-X方向)であるものとし、Z軸方向を法線とする平面上に定められた互いに直交するX軸及びY軸に沿った方向をX軸方向及びY軸方向とし、さらにX軸とY軸で貼られた平面であるXY平面が水平面であるものとし、これらに基づき説明を行う。図1から図27の各図に示す大きさ等の相対的な大小比率は便宜上の記載であり、特に限定しない限り、実際の大小比率を限定するものではない。
【0013】
[1 第1の実施形態]
[1-1. 構造]
第1の実施形態にかかる蓋体1は、開口部502を有する容器に対して開口部502を被覆した状態を形成し且つ容器501を接合することが可能となるように形成される。蓋体1は、図17A図17B等を用いて後述するように、上端に形成された開口部502と開口部502の外周を形成する上端縁部となる縁部503とを有する容器に接合可能に形成されている。図17A図17Bは、図1に示す蓋体1を容器501に接合した蓋体付き容器500の例を示す斜視図、断面図である。蓋体1は、縁部503に沿って接合されて用いることができるものである。蓋体1において、蓋体1の平面視上、縁部503に接合される領域を接合領域Rと呼ぶ。図1は、蓋体1の一実施例を示す平面図である。なお、容器501としては、開口部502の縁部503に可撓性を有するものがより好ましく用いられる。ただし、これらのことは容器501が、金属製の容器など可撓性の少ないあるいはほとんど認められないような容器であることを禁止するものではない。
【0014】
接合領域Rは、図1の例では、容器501の開口部502に応じた形状で開口部502に沿っておおむね環状に形成される領域に対応している。
【0015】
蓋体1は、紙系素材を含む又は紙系素材から形成されることが好適である。
【0016】
(紙系素材)
紙系素材としては、パルプだけからなるもののほか、非パルプ系の天然繊維や合成繊維、再生繊維等の繊維を含むものであっても良いが、パルプを50質量%以上含むことが好ましく、70質量%以上含むものがより好ましく、更に80質量%以上含むものが好ましいが、特にパルプ100質量%からなるものが好ましい。紙系素材は、合成樹脂や天然樹脂のフィルムや不織布、木箔等の木質系素材等、さらにはアルミ箔等の素材との複合材料も用いることができるが、複合材料とする場合、複合材料全体としてパルプを50質量%以上含有することが好ましく、特に80質量%以上のパルプを含むものが好ましい。パルプ含有分の高いほど、紙系素材が生分解されやすくなるため好ましい。
【0017】
蓋体1は、接合領域対応部5Aを有する。また、蓋体1は、図1に示すように、蓋領域対応部5Bと外側領域対応部5Cと、を有している。蓋領域対応部5Bは、開口部502を被覆する部分で構成される。外側領域対応部5Cは、蓋領域対応部5Bよりも外側部分で構成される。
【0018】
(接合領域対応部)
接合領域対応部5Aは、蓋体1のうち容器501の縁部503に沿って容器501に接される領域に対応する部分である。すなわち、接合領域対応部5Aは、接合領域R(容器501の縁部503に向かい合う領域且つ容器501に接合される領域)に対応した蓋体1の部分である。接合領域対応部5Aは、蓋体付き容器500においては、蓋体1のうち蓋体1と容器501との接合部651を形成する部分である。具体的には、蓋体1の平面視上(図1の例ではZ軸方向(上下方向)を視線方向とした場合)、接合領域Rを形成する部分が接合領域対応部5Aとして定められる。接合領域対応部5Aは、通常、図1に示すように環状に形成されている。特に、図1に示すように、容器501の縁部503がおおむね円環状に形成されている場合には、接合領域Rが円環状となり、接合領域対応部5Aについても蓋体1の平面視上、おおむね円環状となる。接合領域対応部5Aの外縁は、接合領域Rの外縁の位置に応じて定められる。接合領域対応部5Aの外縁は、蓋体1の外周縁に位置していてもよいし、図1の例に示すように蓋体1の外周縁よりも内側に位置してもよい。蓋体1と容器501との接合領域Rが連続的に形成されていない場合には、隣り合う接合領域Rで挟まれた部分且つ縁部503に向かい合う部分についても後述する接合領域対応部5Aに含まれるものとする。
【0019】
(蓋領域対応部)
蓋領域対応部5Bは、開口部502を被覆する部分で構成される部分である。蓋領域対応部5Bは、図1の例では、蓋体1のうち接合領域対応部5Aから内側の部分となっており、蓋領域対応部5Bの中心CTが蓋体1の中心となっている。蓋領域対応部5Bは、蓋体付き容器500において開口部502を覆う部分となっている。なお、開口部502を覆う部分とは、開口部502の少なくとも一部を覆う部分であり、第2の実施形態等でも説明するように小開口部6を有する場合等が含まれる。
【0020】
(外側領域対応部)
なお、図1の例に示すように、蓋体1の蓋領域対応部5Bの外側の部分は、外側領域対応部5Cであり、接合領域対応部5Aと同じ部分又は接合領域Rを含む部分(接合領域対応部5Aを含む部分)となる。
【0021】
蓋体1においては、蓋領域対応部5Bは、蓋領域対応部5Bの外周縁である周端縁74から内側に邪魔部8を有し、且つ、蓋体1の平面視上(図1Bでは、Z軸方向を視線方向とした場合)、邪魔部8の内縁(内側端8A)から内側の少なくとも一部に、高低差部9と貫通部10とを有する。
【0022】
(邪魔部)
邪魔部8は、蓋体付き容器500内に内容物として液体が注入されている場合において、例えば強く容器501が振られた場合に液体の高さ方向(図1BにおいてはZ軸方向)の進行等の動きを邪魔する部分となっている。邪魔部8は、容器501が振られて液体の液面に波を生じた場合に、液体の波の振幅の拡大を抑制する(邪魔する)規制部分となっている。邪魔部8は、蓋領域対応部5Bの周端縁74の少なくとも一部から内側方向(図1の例では、平面視上の蓋体1の中心方向)に延び出た部分として形成されている。図1の例では、邪魔部8は、蓋領域対応部5Bの周端縁74の全周から内側方向に延び出た部分として形成されている。
【0023】
邪魔部8は、蓋体1を用いた蓋体付き容器500の状態で、容器501の内周面から離間していることが好ましい。すなわち、邪魔部8は、蓋領域対応部5Bの周端縁74から所定の幅を有することが好ましく、また環状に形成されていることが好ましい。邪魔部8の幅(図1B等において符号HSを付して示す)は、蓋領域対応部5Bの周端縁74の位置を基準とした高低差部9の位置との差(図1B等において符号HWを付して示す)以下となるような大きさであることが好ましい。邪魔部8の幅の大きさがこの範囲にあることで、邪魔部8がある程度の幅の細さを有する部分となり、容器501の内周面と邪魔部8と高低差部9とによる波の干渉を生じさせやすくなり、邪魔部8による容器501の内容物としての液体による波を減衰させる効果が得やすくなる。なお、これと同様の効果を得やすくする観点から、後述するように高低差部9が外側に溝部91を形成している場合(後述する図2A図2B図6A図6B等に示すように蓋領域対応部5Bの中央と邪魔部8との間に溝部91が形成されている場合)においては、邪魔部8の幅(HS)は、蓋領域対応部5Bの周端縁74の位置を基準とした溝部91の位置(底部91Cの位置)との差(図6B等において符号HWAを付して示す)以下となるような大きさであることが好ましい。
【0024】
(高低差部)
高低差部9は、蓋領域対応部5Bにおいて邪魔部8の内側端8Aから内側に形成され、且つ、上下方向に位置の異なる部分を形成する。図1A図1Bの例では、高低差部9は、段差部90である。段差部90は、邪魔部8の内側端から上方向又は下方向に延びる壁部90Aを有する。壁部90Aは邪魔部8の内側端を基端としており、高低差部9が段差部90である場合には、壁部90Aの他方端(基端部とは逆端側)が平面部11の外縁部11Aに繋がっている。邪魔部8と高低差部9は、連続的に形成されていることが好ましい。段差部90を形成する壁部90Aと邪魔部8のなす角度としての邪魔部8を基準とした壁部90Aが延びる方向の角度は特に限定されないが、30度から90度程度であることが好適である。図1等においては、邪魔部8を基準とした壁部90Aが延びる方向の角度は、邪魔部8に沿った面(図1等ではXY平面)に対する壁部90Aの延びる方向の角度(角度α)となっており、角度αが、30度から90度程度であることが好適である。なお、邪魔部8と高低差部9の境界部分は屈曲してもよいし滑らかに湾曲してもよい。
【0025】
(平面部)
蓋体1においては、図1の例では、蓋領域対応部5Bにおいて、高低差部9の内側に平面部11が形成されている。ただしこれは一例である。図1の例では、平面部11と邪魔部8は、互いに高さ方向の位置が異なっており、平面部11の位置の方が邪魔部8の位置よりも高い位置に配置されている。
【0026】
図1の例では、平面部11の外周の全体が壁部90Aに繋がっており、蓋体1の平面視上、平面部11を取り巻くように高低差部9が形成されている。
【0027】
(貫通部)
蓋領域対応部5Bには、高低差部9の内部及び/又は内側に貫通部10が形成されている。図1の例では、貫通部10は高低差部9の内側に形成された平面部11に形成されている。ただしこれは一例であり、貫通部10の位置はこれに限定されるものではない。
【0028】
貫通部10は、蓋体1の一方面から他方面まで(露出面72から対向面73)上下方向(厚み方向)に切り込まれた構造(貫通させた構造)を有しており、いわゆる切り込み部ある。貫通部10の形状は、特に限定されず、図1の例では十字形状に形成されているが、これらは、一例であり、貫通部10の形状を限定するものではない。
【0029】
貫通部10は、外部からストローなどを差し込む差し込み口12として機能させることができる。
【0030】
図1Aの例に示す蓋体1では、貫通部10と邪魔部8は、互いに高さ方向の位置が異なっており、貫通部10の位置の方が邪魔部8の位置よりも高い位置(+Z方向)に配置されている。すなわち貫通部10が平面部11に形成されている場合には、貫通部10と邪魔部8の位置に差に対応して、貫通部10の位置の方が邪魔部8の位置よりも高い位置に配置されている。また、この例では、高低差部9は、貫通部10の周囲を取り巻くように形成されている。
【0031】
[1-2. 製造方法]
蓋体1の製造方法としては例えば、蓋体1の材質に応じた材料で形成されたシート材料(原反シート)を蓋体1の形状に応じて打ち抜き形成されたブランク材30に賦形処理を行うことを経て、蓋体1を製造することができる。この場合、蓋体1を構成する紙系素材が部分的に引き延ばされる。特に、蓋体1においては、図18Aに示すように、邪魔部8と高低差部9の境界や境界から高低差部9に向かった部分に、紙系素材を構成する繊維の密度が邪魔部8よりも低い低密度部13が形成される。図18Aの例では、蓋体1のうち、低密度部13は破線で囲まれている部分に形成されている。また、このような低密度部13が形成されていることで、低密度部13の緩衝性により、蓋体1全体に緩衝性を付与することができ、蓋体付き容器500を上下方向に振るなどの力が加えられ、図18Bに示すように内容部が矢印N方向に邪魔部8に接触しても(衝突しても)、内容物の衝突力を和らげることができるものと考えられる。
【0032】
なお、ブランク材30に賦形処理を行うことを経るとは、蓋体1がブランク材30のみで形成されている場合に限定されず、蓋体1がブランク材30にタブ部材22等の部材を取り付けられた構造を有している場合を含むものとする。賦形処理としては、ブランク材30をエンボスロールに通じることでブランク材30に高低差部9に対応する凹凸構造を設ける処理を例示することができる。
【0033】
原反シートは、紙系素材を含む繊維シート31で構成されていることが好適である。
【0034】
(紙系素材を含む繊維シート)
紙系素材を含む繊維シート31としては、繊維原料のスラリーを網上に抄き取り、乾燥ないし押圧乾燥、抄紙してシート状にして得られる、いわゆる紙や、パルプ系繊維等からなる原料シートを粉砕機で粉砕して得られる粉砕パルプ等の開繊繊維原料を空気流によって積繊し、積繊体の繊維相互をバインダーで固定して得られるいわゆるエアレイドシート等、植物繊維、その他の繊維を膠着させて製造される所謂紙類を挙げることができる。また、紙系素材を含む繊維シートには、上記したような紙類を複数枚積層した積層構造を有するものが含まれる。また、繊維シート31には、紙系素材の他、化学繊維や、耐水性等の機能を付与された繊維、金属繊維、ガラス繊維等のパルプ以外の繊維を有するシート材料が含まれる。
【0035】
繊維シート31は、繊維31Aのみで構成されていてもよいし、複数の繊維31Aを架橋剤等で架橋した構造を有していてもよく、後述する樹脂材料を除く他の添加物を含むものでもよい。繊維シート31において、複数の繊維31Aが架橋剤で相互に架橋されていることで、繊維シート31の形状が安定化し、解繊された状態が形成されにくくなる。
【0036】
(繊維)
繊維シート31を構成する繊維31Aは、1つの単位繊維で構成されてもよいし、複数の単位繊維を交絡させた構造を有してもよく、いずれの構造を有する繊維31Aについても繊維シート31に含まれてよい。繊維シート31は、このような構造を有する複数の繊維がさらに交絡した状態で形成されていることが好適である。
【0037】
[1-3. 変形例]
(変形例1)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、平面部11は、図5Aに示すように、蓋領域対応部5Bにおける高低差部9の内側に傾斜面部15を形成していてもよい。また、図5Bに示すように、第1の実施形態にかかる蓋体1においては、平面部11に変えて、蓋領域対応部5Bにおける高低差部9の内側に湾曲面部18が形成されていてもよい。これは、第2の実施形態から第4の実施形態においても同様である。図5Bの例では、湾曲面部18と高低差部9の上端(壁部90Aの他方端97)との境界で屈曲しているが、これは一例であり、なめらかに曲がっていてもよい。
【0038】
(変形例2)
第1の実施形態にかかる蓋体1においては、平面部11は、省略されてもよい。このような実施形態を第1の実施形態の変形例2と称呼する。第1の実施形態の変形例2としては、例えば、図19Bを参照して、図19Bにおける高低差部9を形成する溝部91に変えて段差部90とした構造を例示することができる。
【0039】
[1-4. 作用及び効果]
蓋体付き容器においては、蓋体が貫通部を有する場合で、且つ、蓋体付き容器の内部に収容された内容物が液体である場合、蓋体の貫通部から液体が漏れ出る虞を抑制することが要請される。特に、蓋体付き容器が、ヒートシール法等のシール法等で蓋体を容器に接合することにより形成されている場合には、蓋体の貫通部から液体が漏れる可能性を抑制することが要請される。すなわち、シール法で蓋体と容器とを接合させている場合、接合領域で蓋体を容器に密着させた状態を形成することができるため、蓋体に貫通部が形成されていると、内容物としての液体の出口が貫通部に限定されやすくなるため、貫通部から液体が収集的に外部に出やすくなる可能性があり、貫通部からの漏れ出しを抑制することへの要請が高まる。例えば、蓋体付き容器の状態で使用者が容器を左右に振った場合、容器内で液体が左右にゆすられる。このような容器内での液体の動きに伴って液体の液面が波立つことがある。蓋体と隙間との隙間が存在していると、液体の液面が波立ちながら液体が容器や蓋体の隙間に衝突し、その隙間から液体が漏出するとともに液体の波(液面に形成された波)が崩れやすいが、容器と蓋体との隙間が閉鎖されて接合部分が形成されていると、容器と蓋体との接合部分に液体の波が衝突して自由端反射し、反射した液体の波が接合部分から離れる方向に進みうる。液体の波と反射した液体の波が共振した場合にはある程度大きな振幅の波となる可能性がある。液体の波の振幅が維持される場合に、液体の波の波頭が貫通部に到達して、貫通部から外部に液体が漏出される可能性がある。
【0040】
蓋体が紙系素材で形成されている場合には、蓋体の貫通部から外部に液体が漏れ出る課題にあわせて、貫通部に接触した液体による紙系素材へのしみ込みの課題も生じる可能性がある。そこで、蓋体が紙系素材で形成されている場合には、特に、蓋体で容器の開口部を被覆した状態(すなわち蓋体付き容器の状態)で内容物が貫通部を通って蓋体の露出面側へ飛び出ることを抑制することが要請される。
【0041】
この点、第1の実施形態にかかる蓋体1は、邪魔部8と高低差部9とが形成されているため、液体の波の大きさが更に拡大した場合に、邪魔部8と高低差部9の境界近傍に液体が衝突することができる。蓋体1では邪魔部8と高低差部9とで高低差が生じているため、邪魔部8と高低差部9の境界近傍に液体の波が衝突すると、液体の波が様々な位相と進行方向を持った波を合成した状態となりやすく、液体の波が打ち消されやすくなることが考えられ、貫通部10からの液体の漏出を抑制することが容易となりうる。
【0042】
[2 第2の実施形態]
[2-1. 構造]
第1の実施形態においては、図2A図2Bに示すように、高低差部9は溝部91を有してもよい(第2の実施形態と呼ぶ)。図2Aは、第2の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を模式的に示すための平面図である。図2Bは、図2AのB-B線縦断面の状態の一例を模式的に示すための断面図である。第2の実施形態の蓋体1では、高低差部9は、壁部90Aとして溝部91を構成する外側壁91Aと内側壁91Bを有する。段差部90は、邪魔部8に繋がる溝部91の側壁(外側壁91A)に対応し、段差部90は、溝部91を構成する一部をなしている。第1の実施形態における段差部90における壁部は、外側壁91Aとなっている。
【0043】
図2Aの例では、溝部91を形成する側壁のうち内側(蓋領域対応部5Bの中心寄り)に位置している側壁(内側壁91B)は、その上端部が平面部11の外周縁に繋がっている。高低差部9は、溝部91の底面(底部91C)と邪魔部8との高さ方向(Z軸方向)の位置の差を形成している。また、図2Aの例では、高低差部9は、溝部91の底部91Cと、内側壁91Bの上端との高さ方向の位置の差も形成している。このような溝部91の形成に伴い、平面部11と邪魔部8との高さ方向の位置の差が形成されている。溝部91は、外壁部(外側壁91A)と内壁部(内側壁91B)の高さ(下端から上端までの高さ方向の位置の差の大きさ)が相違し、外壁部(外側壁91A)の高さよりも内壁部(内側壁91B)の高さの方が大きいが、これは一例である。ただし、貫通部に近い位置での液体の波をより崩しやすくする点では、内側壁91Bの上端の高さが外側壁91Aの上端の高さよりも高いことが好ましい。なおここにいう外側壁91Aの上端の高さは、溝部91が同心状に複数設けられている場合には、最も外側で邪魔部8に繋がる溝部91についての外側壁91Aの上端の高さを示す。溝部91が同心状に複数設けられている場合には、内側壁91Bの上端の高さは、最も内側の溝部91についての内側壁91Bの上端の高さ(最も蓋領域対応部5Bの中心寄りに位置する内側壁の高さ)を示す。
【0044】
また、溝部91は、邪魔部8の内縁の全周にわたって形成されており、環状に形成される。
【0045】
第2の実施形態にかかる蓋体1は、第1の実施形態と同様の方法を用いて製造することができる。また、第2の実施形態にかかる蓋体1は、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、第2の実施形態にかかる蓋体1は、邪魔部8よりも下側に底部91Cが形成されるように溝部91が設けられているため溝部91による液体の波を抑える効率を高めることができる。
【0046】
[2-2. 変形例]
(変形例1)
上記した第2の実施形態にかかる蓋体1においては、溝部91は、底部91Cに底面98を形成するような形状に形成されていたが、これに限定されず、図3A図3Bに示すように、溝部91は、下方向(-Z方向)に向かって突出する頂部99を形成するような形状に形成されていてもよい。このような形態を、第2の実施形態の変形例1と称呼する。図3A図3Bは、第2の実施形態の変形例1にかかる蓋体の一実施例を示す図である。図3Aの例では、頂部99は、溝部91の底部91Cの全体に形成されているが、これは一例であり一部に形成されてもよい。
【0047】
(変形例2)
第2の実施形態にかかる蓋体1では、平面部11の位置は、邪魔部8よりも高さ方向の位置で上側に位置している場合に限定されず、図4Aに示すように、平面部11と邪魔部8は、互いに高さ方向の位置が同じであってもよい。この場合、平面部11に貫通部10が形成されていれば、貫通部10の位置は、邪魔部8と高さ方向の位置で同じ位置となる。また、図4Bに示すように、平面部11の位置が、邪魔部8よりも、高さ方向の位置で下側に位置してもよい。この場合、平面部11に貫通部10が形成されていれば、貫通部10の位置は、邪魔部8よりも高さ方向の位置で下側に位置している。
【0048】
(変形例3)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図6A図6Bに示すように、溝部91は、内側壁91Bの下端から上端までの間にクランク状の段差(側壁内段差部14)が形成されていてもよい。このような形態を、第2の実施形態の変形例3と称呼する。図6A図6Bは、第2の実施形態の変形例3にかかる蓋体の一実施例を示す図である。図6Bの例では、側壁内段差部14について、段差の形成される位置が、邪魔部8の位置に対して高さ方向の位置を同じくしており、蓋体1は、その平面視上、側壁内段差部14よりも外側に溝部が形成されている構成と同様の構成となっている。なお、側壁内段差部14については、例えば、段差の形成される位置が、邪魔部8の位置よりも高さ方向の位置で高い位置に形成されてもよいし、低い位置に形成されてもよい。第2の実施形態にかかる蓋体1においては、側壁内段差部14が形成されていると、蓋体付き容器500に収められた内容物が液体である場合に、液体の波が内側壁91Bにおける側壁内段差部14の位置に衝突した際に、波がより一層崩されやすくなるものと考えられる。
【0049】
(変形例4)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図7A図7Bに示すように、高低差部9は、複数の溝部91を有してもよい。このような形態を、第2の実施形態の変形例4と称呼する。図7A図7Bは、第2の実施形態の変形例4にかかる蓋体の一実施例を示す図である。図7Aの例では、複数の溝部91の底部91Cは、同心状に配置されている。この場合、外側壁91Aは、最も外側に形成された溝部91について、邪魔部8に繋がっている。内外方向に隣り合う溝部91について、内側に設けられた溝部91の外側壁91Aは、外側に設けられた内側壁91Bに繋がっている。また、内側壁91Bは、最も内側に形成された溝部91について、平面部11に繋がっている。図7Aの例では、溝部91は、2本形成されているが、3本以上形成されてもよい。
【0050】
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、複数の溝部91が形成されていると、蓋体付き容器500に収められた内容物が液体である場合に、液体の波が溝部91を形成するそれぞれの内側壁と底部の境界近傍や外側壁と底部の境界近傍に衝突しやすくなり、邪魔部8と外側壁との境界近傍に液体の波が衝突する場合と同様に、波がより一層崩されやすくなるものと考えられる。
【0051】
(変形例5)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図8A図8B図8Cに示すように、溝部91に凹凸を形成する凹凸構造が形成されていてもよい。このような形態を、第2の実施形態の変形例5と称呼する。図8A図8B図8Cは、第2の実施形態の変形例5にかかる蓋体の一実施例を示す図である。なお、ここにいう凹凸とは、蓋体1のうち容器501との接触面側(対向面73側)での突出の大きさについて大きく突出した部分(図8Bでは-Z方向に突出した部分)(第1の部分92)と第1の部分92よりも突出の度合いが小さい部分(図8Bでは-Z方向に突出した部分)(第2の部分93)が存在することを示すものとする。図8Bに示す例では第1の部分92は、溝部91の底部91Cは、頂部99を形成しており、図8Cに示す例では、第2の部分93は、4か所に形成されており、溝部91の底部91Cは、底面98を形成している。第1の部分92と第2の部分93は、このように異なる形状でもよいが、いずれについても頂部99を形成してもよいし、いずれについても底面98を形成してもよい。図8B図8Cに示すように、第1の部分92と第2の部分93が異なる形状(頂部99、底面98)を形成している場合においては、蓋体付き容器500に収められた内容物が液体である場合に、液体の波がより一層崩されやすくなるものと考えられる。
【0052】
なお、変形例5においては、第2の部分93については、図8Dに示すように、省略されてもよい。この場合、溝部91が、邪魔部8の内周縁(内側端8A)に沿って不連続に形成されていることになる。
【0053】
(変形例6)
第2の実施形態にかかる蓋体1の例では、図10A図10B図10Cに示すように、蓋領域対応部5Bの平面視上、溝部91の幅が部分的に異なっていてもよい。このような形態を、第2の実施形態の変形例6と称呼する。図10A図10B図10Cは、第2の実施形態の変形例6にかかる蓋体の一実施例を示す図である。ここで溝部91の幅とは、水平方向を視線方向とした場合に溝部91の外側壁91Aと内側壁91Bとが互いに向かい合う部分の上端位置における幅を示すものとする。図10Aに示す溝部91では、幅太部94と、幅細部95が形成されている。幅太部94の幅WAは、幅細部95の幅WBよりも大きい。幅太部94では、図10Aに示すように、蓋体1の平面視上、外側壁91Aと内側壁91Bが凹状に湾曲している。したがって、蓋体1のうち容器501との接触面(対向面73)側から見た場合には幅太部94では、外側壁91Aと内側壁91Bが凸状に突出した形状となっている。
【0054】
(変形例7)
第2の実施形態にかかる蓋体1の例では、図11A図11Bに示すように、高低差部9における壁部90Aの少なくとも一部が波型形状を有していてもよい。このような形態を、第2の実施形態の変形例7と称呼する。図11A図11Bは、第2の実施形態の変形例7にかかる蓋体の一実施例を示す図である。図11Aの例では、溝部91のうち内側壁91Bが波型に賦形されている。蓋体1の製造時にブランク材30の賦形処理を行う際に紙系素材が引き延ばされたことにともなう紙系素材の寸法変化によってブランク材30にしわが生じるおそれを抑制することができる。また、溝部91のうち内側壁91Bが波型に賦形されている場合においては、蓋体付き容器500に収められた内容物が液体である場合に、液体の波がより一層崩されやすくなるものと考えられる。
【0055】
(変形例8)
第2の実施形態にかかる蓋体1の例では、図2等に示すように、差し込み口12として、貫通部10が十字形状に形成されることに限定されず、例えば、図13Aに示すように、C字形状に貫通部10を形成してよい。これは、第1の実施形態に対しても同様に適用される。なお、図13Aでは、説明の便宜上、溝部91の記載を省略している。
【0056】
(変形例9)
第2の実施形態にかかる蓋体1の例では、図12に示すように、差し込み口12は貫通部10で形成されることに限定されず、差し込み口12が脆弱化部16で形成されてもよい。すなわち、蓋体1においては、蓋領域対応部5Bに、蓋領域対応部5Bにおける分断位置を案内する脆弱化部16が設けられてよい。脆弱化部16は、複数の貫通部10と、少なくとも2つの貫通部10の間に形成された少なくとも一つの連続部17とを有してよい。図12の例では、脆弱化部16は、連続部17の周囲に放射状に複数の貫通部10を形成している。これは、第1の実施形態に対しても同様に適用される。なお、図12では、説明の便宜上、溝部91の記載を省略している。
【0057】
第2の実施形態の変形例9にかかる蓋体1の例は、差し込み口12が十字形状とは異なる場合例えば、差し込み口12がC字形状に形成される場合にも適用することができる。
この場合、図13Bに示すように、脆弱化部16は、C字形状に沿って貫通部10と連続部17を配置した構造を有する。なお、図13Bでは、説明の便宜上、溝部91の記載を省略している。
【0058】
(変形例10)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図19Aに示すように、溝部91の少なくとも一部が湾曲面で形成されてもよい。このような実施形態を第1の実施形態の変形例2と称呼する。図19Aは、第2の実施形態の変形例10にかかる蓋体1の一実施例を示す断面図である。図19Aの例では、溝部91を構成する外側壁91A及び内側壁91Bのいずれについても湾曲面を形成している。ただしこれは一例であり、第2の実施形態の変形例10にかかる蓋体1には、溝部91を構成する外側壁91A及び内側壁91Bの少なくともいずれか一方について湾曲面を形成している場合が含まれる。
【0059】
(変形例11)
第2の実施形態にかかる蓋体1においては、図19Bに示すように、平面部11は、省略されてもよい。このような実施形態を第1の実施形態の変形例11と称呼する。図19Aは、第2の実施形態の変形例10にかかる蓋体1の一実施例を示す断面図である。図19Bの例では、溝部91を構成する内側壁91Bが蓋体1の内側に向かって伸び続けている。なお、図19Bの図面上では、高低差部9が貫通部10の中央から外方向に分離しているように形成されているように図示されているが、このことは蓋体1の中心が高低差部9に含まれることを禁止するものではない。すなわち、蓋体1では、蓋体1の中心まで高低差部9に含まれ、溝部91の外側壁91Aから内側の部分の全体が高低差部9を形成してよい。これは、第2の実施形態に限定されず、第1の実施形態等、他の実施形態についても同様である。
【0060】
また、第2の実施形態の変形例11にかかる蓋体1においては、図19Cに示すように、上記した第2の実施形態の変形例10と組み合わされてもよい。図19Cの例では、高低差部9の全体が湾曲面で形成されている。この例では、内側壁91Bで釣鐘形状の部分を形成し、その外周縁から外方向に、外側壁91Aを、外側に湾曲するような形状にて形成することで溝部91を形成した構造を有している。
【0061】
[3 第3の実施形態]
[3-1. 構造]
第1の実施形態又は第2の実施形態においては、貫通部10が、差し込み口12を形成している場合に限定されない蓋体1は、図14A図14Bに示すように、蓋領域対応部5Bに、貫通部10が形成されてもよい(第3の実施形態)。第3の実施形態においては、蓋領域対応部5Bは、容器501の開口部502よりも小さな開口面積を有する小開口部6を有するベース部2と、小開口部6を開閉する小蓋部3と、ベース部2と小蓋部3とを繋げるヒンジ部4とを備え、小蓋部3は、ヒンジ部4を軸としてベース部2に対して回動可能に構成されており、少なくとも一部の貫通部10が、小蓋部3の外周縁3Aと小開口部6の開口縁6Aとの境界位置に形成されている。このような貫通部10は、差し込み口12として機能するように構成された貫通部(他の貫通部)と併用されてよい。
【0062】
図14Aでは、ベース部2は、蓋体1から小蓋部3を除く部分で構成されている。ベース部2は、蓋領域対応部5Bから小蓋部3を除く部分と、外側領域対応部5Cとを合わせた部分で構成される。小蓋部3はベース部2とは異なる部材をヒンジ部4で連結させた構造を有してもよいが、図14Aの例に示すように小蓋部3とベース部2が連続一体的に形成されてもよい。ただし、連続一体的という場合には、小蓋部3とベース部2とがわずかでも連続する部分が存在する場合を含み、ヒンジ部4で部分的に切断されている場合を含む。図14A図14Bは、第3の実施形態にかかる蓋体の一実施例を示す平面図、断面図(図14AのK-K線縦断面図)である。なお、図14Aでは、第2の実施形態にかかる蓋体1においてベース部2、小蓋部3、小開口部6及びヒンジ部4を設けた場合の例について図示されている。
【0063】
図14Aの例では、貫通部10は、内側壁91Bの上端またはその近傍(内側壁91Bと平面部11との境界またはその近傍)に形成されており、この場合、貫通部10は、おおむね高低差部9の端部(基端96に対する他方端97の部分)の近傍(中心CT(図1等では蓋領域対応部5Bの中心に対応する)よりも他方端97に寄った位置)に形成されている。このように貫通部10が形成されていると、小蓋部3を上方向(図14Bにおいて矢印F方向)に引きあげることで、小開口部6を開くことができる。ただし、これは一例であり、貫通部10の一部が、内側壁91Bの中まで延び出ていてもよい。この場合、小蓋部3を引き上げた時に、小開口部6が内側壁91Bの一部の中まで形成される状態となる。
【0064】
[3-2.変形例]
(変形例1)
第2の実施形態の蓋体1においては、小蓋部3の外周縁3Aと小開口部6の開口縁6Aとの境界位置は、高低差部9の内部及び/又は内側に形成されていなくてもよい。例えば、図15Aに示すように、小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁との境界位置(より詳しくは、小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁との境界位置となることが予定された位置)は、邪魔部に定められてもよい。ただし、この場合、貫通部10が小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁との境界位置に形成されていないことが好ましい。図15の例では、小蓋部の外周縁と前記小開口部の前記開口縁との境界位置には、図15Bに示すように、ハーフカット部が形成されている。このようにハーフカット部19が形成されていることで、蓋体付き容器500の状態で、小蓋部3を持ち上げていない状態(未使用時)においては、邪魔部8は、蓋領域対応部5Bの周端縁74から邪魔部の内側端8Aまで孔やスリット状の構造の非形成状態を形成することができる。なお、蓋体付き容器500の状態で、小蓋部3を持ち上げた場合には、ハーフカット部19の破壊をとともに、小開口部6が開かれた状態(小蓋部3の外周縁3Aと小開口部6の開口縁6Aが分離された状態、且つ、外周縁3Aと開口縁6Aが形成された状態)となり、小開口部6を介して蓋体付き容器500の内部に収容された内容物を取り出すことができる。また、図15Aの例の場合、貫通部10は、差し込み口12となる部分に形成されている(他の貫通部のみが形成されている)。なお、図15A図15Bでは、第1の実施形態にかかる蓋体1においてベース部2、小蓋部3、小開口部6及びヒンジ部4を設けた場合の例について図示されている。
【0065】
(変形例2)
第2の実施形態の蓋体1においては、図16A図16Bに示すように、小蓋部3の上面側に摘み部21が設けられていてもよい。図16A図16Bの例では、小蓋部3で小開口部6を閉鎖した状態において、小蓋部3の露出面(蓋体1の露出面72)側である上面側に摘み部21が設けられている。摘み部21の構造は、ヒンジ部4を軸として小蓋部3を回動させることができるものであれば特に限定されないが、図16A図16Bの例では、摘み部21としてタブ部材22が設けられている。図16A図16Bの例は、図15Aの例に基づき摘み部21を設けた場合を例としている。
【0066】
タブ部材22を小蓋部3に接合するための方法は、超音波接合やヒートシール、接着剤による接合などといった各種の方法を例示することができるが、上記したもののうち接合のしやすさや接合の強度等といった観点から、超音波接合が好ましい。小蓋部3におけるタブ部材22と小蓋部3と接合位置は、タブ部材22を持ち上げることで小蓋部3を立ち上げる(小蓋部3を回動させる)ことの可能な位置であれば特に限定されない。
【0067】
[4 第4の実施形態]
[4-1. 構造]
第1の実施形態においては、高低差部9が段差部90である場合において、図9に示すように、高低差部9は、邪魔部8に繋がるほうの端部を一方端(基端96)とした場合に、他方端97のほうが高さ方向の位置において低い位置となっている場合(このような蓋体を第4の実施形態と称呼する)を排除しない。図9は、第4の実施形態にかかる蓋体1の一実施例を示す図である。
【0068】
図9の例では、高低差部9の他方端97は、平面部11に繋がっており、平面部11に貫通部10が形成されている。この場合においても、邪魔部8と高低差部9の境界から高低差部9に向かった部分に、紙系素材を構成する繊維の密度が邪魔部8よりも低い低密度部13が形成される。ただし、貫通部10の位置と邪魔部8との高さ方向の位置の観点からは、第4の実施形態の図9の例よりも第1の実施形態の図1の例の方が好ましい。
【0069】
上述した、蓋体の第1の実施形態から第4の実施形態では、後述する蓋体付き容器500の状態で、蓋体1が容器501に対して接合され、接合部651を形成する。接合部651は、容器501と蓋体1とが相互に接着(粘着を含む)される部分となっていており、蓋体1と容器501とを分離するためには接合部651で蓋体1と容器501と剥離することになる。蓋体1としては、このようなものに限定されず、次の第5の実施形態から第7の実施形態の説明で述べるように、容器501に対して嵌合する蓋体201が蓋体付き容器500に適用されてもよい。
【0070】
第5の実施形態から第7の実施形態に説明される各蓋体は、いずれも後述するように天蓋部202と側壁部203を有しており、少なくとも天蓋部202が第1の実施形態から第4の実施形態にかかる蓋体1で説明された構成を適用されることができるものである。第5の実施形態から第7の実施形態の各蓋体について図面を用いて説明を続ける。
【0071】
[5 第5の実施形態]
[5-1. 構成]
本発明にかかる蓋体201は、図20A図20Bに例示するように、天蓋部202と側壁部203を有する(第5の実施形態)。この形態を、第5の実施形態と称呼する。第5の実施形態にかかる蓋体201は、図26等を用いて後述するように、上端に形成された開口部502と開口部502の外周を形成する上端縁部となる縁部503とを有する容器に接触可能に形成されている。蓋体201と容器501との接触する状態に関して、蓋体201は、上端に形成された開口部502と開口部502の外周を形成する上端縁部となる縁部503とを有する容器に嵌合可能に形成されている。図20Aは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を模式的に示す斜視図である。図20Bは、第5の実施形態にかかる蓋体の一実施例を模式的に示す断面図である。なお、図20Bは、図20AのO-O線縦断面の状態を示す。図26は、図20A図20Bに示す蓋体201を容器501に接合した蓋体付き容器500の例を示す断面図である。
【0072】
図20A図20Bの例に示すように、蓋体201は、曲がり部204を有していることが好ましい。曲がり部204は、天蓋部202と側壁部203とを繋ぐ部分となっており、図20A図20Bの例では、曲がり部204と側壁部203とが連続的(一体的)に形成されている。
【0073】
(天蓋部)
天蓋部202は、図26に示すように、蓋体201を容器501に取り付けた(装着した)場合に、容器501の開口部502を覆う部分となる。天蓋部202の形状は、容器501の形状に応じて定められてよく、円形状、楕円形状、三角形状、矩形状、多角形状、面取り形状などを例示することができる。
【0074】
(曲がり部)
曲がり部204は、天蓋部202の外周縁を取り巻くように形成されており、天蓋部202と側壁部203の境界を形成する部分となっている。曲がり部204は、蓋体201を容器501に取付けた場合に側壁部203が容器501の側壁504や縁部503に対向するように形成されている。図20Aから図20Bの例では、曲がり部204は、折れ曲がり構造を有しているが、後述するように曲がり部204は、折り曲がり構造を有する場合に限定されない。また、「天蓋部202と側壁部203の境界を形成する部分」には、その部分自体が境界をなす場合、その部分の内部や端部に境界が定められる場合(天蓋部202及び/又は側壁部203の一部が曲がり部204を兼ねる場合)のいずれも含むものとする。天蓋部202と側壁部203の境界は、曲がり部204の中央に定められる。曲がり部204が湾曲構造を有する場合(例えば、後述する第5の実施形態の変形例4の一実施例を示す図24Aから図24B)には、曲がり部204は、湾曲した範囲で特定される部分で構成され、天蓋部202と側壁部203の境界は、曲がり部204のおおむね中央で定められる。
【0075】
(側壁部)
側壁部203は、天蓋部202の外周端に沿って、環状に形成されている。
【0076】
第7例にかかる蓋体201は、蓋体201を形成するためのブランク材250を一体成型することによって天蓋部202と曲がり部204と側壁部203と天蓋部202を一体的に形成することで、得ることができる。
【0077】
(ブランク材)
第5の実施形態にかかる蓋体201では、ブランク材250は、蓋体の第1例等の説明において示したブランク材30と同様に形成されてよい。すなわち、ブランク材250が、紙系素材から形成される。第5の実施形態で使用可能な紙系素材は、第1の実施形態で説明された紙系素材と同様であるから詳細な説明を省略する。なお、第1の実施形態で説明した紙系素材を採用することができる点については、後述する第6の実施形態及び第7の実施形態についても同様であるからこれらの実施形態の説明においても紙系素材の詳細な説明を省略する。
【0078】
(接触部)
蓋体201は、容器501に嵌合させた状態で容器501に接する接触部274を有する。接触部274は、側壁部203の所定の部分(第1の接触部274A)に形成されている。さらに、接触部274は、図20Bに示すように、天蓋部202のうち対向面273側の所定の領域に対応する部分(第2の接触部274B)に形成されていることが好ましい。蓋体201を容器501に嵌合させた場合に、接触部274が形成されていることで、容器501の内容物が外部に漏れる虞を抑制することができる。第1の接触部274Aは、おおむね容器の縁部503の外面端全周にわたり形成されていることが好適であり、また環状に形成されていることが好適である。第2の接触部274Bは、おおむね容器の縁部503の上端全周にわたり形成されていることが好適であり、また環状に形成されていることが好適である。第1の接触部274Aと第2の接触部274Bは、互いに離れていてもよいし、繋がっていてもよい。第5の実施形態に示す接触部274(第1の接触部274Aと第2の接触部274Bを含む)については、後述する第6の実施形態、及び第7の実施形態についても同様である。
【0079】
なお、天蓋部202を第1の実施形態から第4の実施形態の蓋領域対応部50Bに対応させた場合において、第2の接触部274Bは、第1の実施形態から第4の実施形態の接合領域対応部50Aとおおむね同様の位置に形成されてもよい。
【0080】
また、図20A図20Bの例では、天蓋部202の所定の位置に貫通部210が形成されている。この貫通部210として差し込み口219が形成されている。貫通部210は切り込み部208で形成されている。切り込み部208は、図20の例では、十字の切り込みとなっている。差し込み口219や貫通部210は、第1の実施形態等で説明した差し込み口12や貫通部10と同様に形成されてよい。貫通部210は、露出面272から対向面273まで天蓋部202を貫通する部分となっている。
【0081】
(邪魔部及び高低差部)
蓋体1においては、天蓋部202は、第1の実施形態から第4の実施形態およびそれらの変形例で示した蓋領域対応部5Bと同様に構成されてよい。例えば第5の実施形態にかかる蓋体201の一実施例としての図20A図20Bの例では、天蓋部202のうち接触部274の内周端縁から内側に邪魔部288を有し、且つ、蓋体201の平面視上(図20Bでは、Z軸方向を視線方向とした場合)、邪魔部288の内縁(内側端288A)から内側の少なくとも一部に、高低差部289と貫通部210とを有する。邪魔部288及び高低差部289は、第1の実施形態で示した邪魔部8及び高低差部9とそれぞれ同様であるから詳細な説明を省略する。邪魔部288及び高低差部289は、後述する第6の実施形態及び第7の実施形態についても同様であるからこれらの実施形態の説明においてもこれらの構成の詳細な説明を省略する。
【0082】
[5-2 作用及び効果]
蓋体付き容器においては、容器の内容物が液体であるような場合(液体を含む場合)、使用者や配送業者などによる持ち運び(バイクによる輸送等)時における振動で蓋体付き容器に取り付けられた蓋体の貫通部から内容物が漏出することが課題とされていた。すなわち、容器501内での液体の動きに伴って液体の液面が波立つことがあり、液体の波の波頭が貫通部に到達して、貫通部から外部に液体が漏出される可能性がある。
【0083】
蓋体が紙系素材で形成されている場合には、蓋体の貫通部から外部に液体が漏れ出る課題にあわせて、貫通部に接触した液体による紙系素材へのしみ込みの課題も生じる可能性がある。
【0084】
第4の実施形態にかかる蓋体201は、第1の実施形態と同様に邪魔部288と高低差部289とが形成されているため、貫通部10からの液体の漏出を抑制することが容易となり、貫通部10への液体のしみ込みを軽減することが可能となる。
【0085】
[5-3 変形例]
(第5の実施形態の変形例1)
第5の実施形態にかかる蓋体201においては、図23A図23B等に示すように、天蓋部202と側壁部203とが別体の部材で形成されてもよい。この形態を第5の実施形態の変形例1と称呼する。第5の実施形態の変形例1には、天蓋部202を形成する部材の一部が側壁部203の一部を形成している場合、及び、側壁部203を形成する部材の一部が天蓋部202の一部を形成している場合が含まれる。図23A図23Bは、天蓋部202を形成する部材の一部が側壁部203の一部を形成している場合の一例を示す。
【0086】
図23A図23B等に示す第5の実施形態の変形例1の蓋体201を形成する方法について説明する。例えば、図23B図25A図25Bに示すような天蓋部202を形成するための第1の部分231を有する天蓋部形成部材222と、側壁部203を形成するための側壁部形成部材223とが準備される。天蓋部形成部材222の第1の部分231外端部(外縁端部)に第2の部分232として側壁部形成部材223に接合可能に構成された接合代230が延設されている。天蓋部形成部材222の接合代230を側壁部形成部材223の上端部に接着することで、天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223を接合することによって、曲がり部204を形成する。このとき蓋体201が形成される。この場合、ブランク材としては、図25A図25B等に示すように、天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223を形成するためのブランク材(それぞれ第1のブランク材251、第2のブランク材252と称呼する)を用いることができる。天蓋部形成部材222を形成するための第1のブランク材251は、天蓋部202の形状に接合代230を合わせた形状に形成されたシート材が用いられてよい。第2のブランク材252は、側壁部203の形状に応じた形状とされ、例えば側壁部203が先端に向かって縮径または拡径する形状である場合、扇状に形成された(部分扇型形状に形成された)シート材が用いられてよい。第2のブランク材252の両端の端縁部253、253を接合して、側壁部203を形成する側壁部形成部材223を得ることができる。
【0087】
第5の実施形態の変形例1では、第1のブランク材251及び第2のブランク材252からなぐ群から選ばれた少なくとも1つのブランク材が、上述したブランク材30と同様に形成されてよい。すなわち、第1のブランク材251及び第2のブランク材252からなる群から選ばれた少なくとも1つのブランク材が、ブランク材30と同様に紙系素材を適用して形成される。図23A図23B図25A図25Bの例では、第1のブランク材及び第2のブランク材が紙系素材を適用されている。
【0088】
第1のブランク材251及び第2のブランク材252を用いることで例えば蓋体201を次のように製造することが可能である。第1のブランク材251は、接合代230を下方向に折り曲げ加工される。また、第1のブランク材251の第1の部分231は、邪魔部288及び高低差部289に応じた形状を賦形され賦形体を形成する。また、第1のブランク材251は、第1の部分231に貫通部210を形成される。第2のブランク材252は、その両端の端縁部253、253を接合されて環状体を形成する。第1ブランク材から形成された賦形体の接合代230と、第2のブランク材から形成された環状体の内周面の上端近傍をヒートシール等で接合することで、蓋体201が得られる。
【0089】
(第5の実施形態の変形例2)
図20A図20Bの例では、側壁部203は、下側に向かって(-Z方向に向かって)先細りする(横断面内径が小さくなる(縮径する))ように形成されているが、これは好ましい一例であり、側壁部203は、下側に向かって先太り(横断面内径が大きくなる(拡径する))するように形成されていてもよい。また側壁部203は、下側に向かって先太りも先細りもしない(横断面内径が一定となる)するように形成されていてもよく、側壁部203は、下側に向かって先太りや先細りする部分(断面内径が変化する部分)を有するように形成されていてもよい(第7例の変形例2)。第7例の変形例2に示すことは、後述する第6の実施形態から第7の実施形態についても同様である。なお、横断面は、上下方向を法線とする平面で側壁部203を切断した状態を想定した場合に認められる側壁部203の切断面を示す。横断面内径は、その切断面(横断面)がおおむね環状となる場合に、内周面側の径を示す。
【0090】
(第5の実施形態の変形例3)
第5の実施形態にかかる蓋体201の天蓋部202は、第1の実施形態や、第2の実施形態から第4の実施形態で説明したような構成を更に備えてもよい。従って、例えば、第5の実施形態の変形例3においては、図27A図27Bに示すように、天蓋部202には、溝部291が形成されてもよい。図27A図27Bは、第5の実施形態の変形例3にかかる蓋体201の一実施例を模式的に示す斜視図及び断面図である。図27A図27Bで示す蓋体201の例において、溝部291は、第2の実施形態で説明した溝部91と同様でよいため詳細な説明を省略する。また、天蓋部202には、小開口部6と小蓋部3とヒンジ部4とベース部2で構成される構造に対応する構成が存在してもよい。また、第5の実施形態にかかる蓋体201には、第1の実施形態から第4の実施形態で示した各変形例に対応する構成を設けることが禁止されない。第5の実施形態の変形例3にかかる蓋体201では、貫通部210に対応する構成が存在すれば、差し込み口219の構成を省略されてもよい。貫通部210に対応する構成が存在する場合としては、例えば、空気抜き孔となるような小さな貫通孔が貫通部210として天蓋部202に設けられている場合を例示することができる。第5の実施形態の変形例3に示すことは、後述する第6の実施形態から第7の実施形態についても同様である。
【0091】
(第5の実施形態の変形例4)
第5の実施形態にかかる蓋体201においては、図24Aから図24Bに示すように、曲がり部204が張出部226で構成されてもよい。また、張出部226の端部(内端部228A、外端部228B)のうち側壁部203に近いほうの端部(外端部228B)またはその近傍で凸部225が形成されていてもよい。
【0092】
(張出部)
図24Aから図24Bに示す第7例の変形例4にかかる蓋体201の一例では、天蓋部202の外周端側の所定の領域が斜め上方向に突出した構造(張り出した構造)として張出部226が形成されているが、張出部226の張出方向は、上方向でもよいし、横方向(天蓋部202の平面方向)であってもよい。また、張出部226の内面226A側は、没入した部分(没入部227)となっている。没入部227がおおむね接触部274に対応する構成となる。没入部227の形状は、張出部226の形状に対応した形状となっている。これは、ブランク材250から蓋体201を形成する際の金型の形状に応じて実現することができる。没入部227の大きさは、容器501の縁部503を嵌め合わることができる程度の大きさであることが好ましい。没入部227の大きさがこのような大きさであると、蓋体付き容器500として蓋体201を用いた場合に、縁部503が没入部227におおむね入り込み、縁部503の外側端部分(図24A図24Bの例では縁部503のうちの外側周面部511)を没入部227に面接触させることが可能であり、容器501の縁部503にてしっかりと蓋体201を装着することが容易となる。
【0093】
(凸部)
図24Aから図24Bの例に示すように、側壁部203に凸部225が形成されていてもよい。凸部225は、例えば、側壁部203の所定の位置に内側方向(中心CT方向、側壁部203の外周面203Bから内周面203Aに向かう方向)に突出した部分として定められる。凸部225は、側壁部203の内周面を周回するように条状に形成されている凸条部であることが好ましい。側壁部203の内周面側で凸部225の凸型構造が形成され、側壁部203の外周面203B側では凸型構造の形成された位置に対応する位置に凹部224が形成されてよい。このような構造が形成されていることで、側壁部203の形状をより安定化させることができる。
【0094】
[6 第6の実施形態]
[6-1 構成]
第6の実施形態にかかる蓋体201は、図21A図21Bに示すように、天蓋部202と側壁部203とを有する点及び容器501に嵌合可能である点では第5の実施形態と同様である。また、第6の実施形態において、天蓋部202には、貫通部210、邪魔部288、及び高低差部289が設けられているが、第1の実施形態から第5の実施形態と同様でよいため、説明を省略する。図21A図21Bは、第6の実施形態にかかる蓋体の一実施例を示す斜視図、断面図である。
【0095】
第6の実施形態にかかる蓋体201は、側壁部203の一部が天蓋部202の上側と下側に延び出た構成を有している。側壁部203は、環状(筒状を含む)の形状を有し、上部壁205と下部壁206とを有している。下部壁206は、天蓋部202の下側(天蓋部202と側壁部203との接合部分の下端に対して下側)に延び出た部分であり、上部壁205は、側壁部203のうち下部壁206を除く部分で構成される。図21A図21Bの例では、側壁部203は、下側に向かって先細りするように形成されている。また、図21A図21Bの例では、天蓋部202の所定の位置(図21Aの例ではおおむね天蓋部202の中央)に貫通部210が形成されているがこれは一例である。
【0096】
(天蓋部と側壁部それぞれを形成する部材)
第6の実施形態では、第2の実施形態にも示したように、天蓋部202と側壁部203とが別体の部材で形成されている。蓋体201は、図21A図21Bの例では、上述した別体の部材として天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223を有し、天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223とを接合する接合部を有する。
【0097】
(天蓋部形成部材)
天蓋部形成部材222は、天蓋部202に対応する第1の部分(天蓋部形成部材222の第1の部分231)と、第1の部分231の外周端から延び出た第2の部分(天蓋部形成部材222の第2の部分232)とを有しており、第2の部分232は、第2の実施形態に示した接合代230となっている。図21Aの例では、天蓋部形成部材222の第2の部分232は、蓋体201の状態で第1の部分231の外周端から斜め上方向又は直上方向に立ち上がる部分(立ち上がり部)となっており、側壁部形成部材223に第2の部分232が接合された状態で第2の部分232は側壁部203の一部となっている。
【0098】
(側壁部形成部材)
側壁部形成部材223は、環状(筒状を含む)に形成されており、上部壁205を形成する部分(上部形成部)と下部壁206を形成する部分(下部形成部)とを有する。上部形成部は、天蓋部形成部材222の第2の部分232となる接合代230に対して少なくとも外面側で接する部分(第1接触壁部233)を有する。
【0099】
図21A図21Bの例では、上部壁205(上部形成部)は、第1接触壁部233と、天蓋部形成部材222の第2の部分232となる接合代230に対して内面側で接する部分(第2接触壁部234)と、さらに第1接触壁部233及び第2接触壁部234を繋ぐ連続部235とを有し、連続部235は、天蓋部形成部材222の第2の部分となる接合代230の上端面を覆っている。第2接触壁部234の下端は、天蓋部形成部材222の第1の部分231の上面側に位置しており、図21A図21Bの例では、第1の部分231からやや離間している。ただし、これは、一例であり、第2接触壁部234の下端は、天蓋部形成部材222の第1の部分231の上面側に接触していてもよい。
【0100】
図21A図21Bの例では、下部壁206(下部形成部)は、第1接触壁部233の下端を基端として下方向(図21A図21Bでは斜め下方向)に延び出た部分となっている。下部壁206(下部形成部)は、例えば、上下方向の位置に関して天蓋部形成部材222の第1の部分231の下面の下側に位置していることが好適である。
【0101】
(ブランク材)
第6の実施形態にかかる蓋体201は、ブランク材の加工によって形成することができる。ブランク材としては、天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223を形成するためのブランク材(第5の実施形態で上述したようにそれぞれ第1のブランク材、第2のブランク材と称呼する)を用いることができる。
【0102】
天蓋部形成部材222を形成するための第1のブランク材は、第5の実施形態で上述した第1のブランク材251と同様のものを用いられよく、天蓋部202の形状にさらに接合代230を合わせた形状に形成されたシート材が用いられてよい。天蓋部形成部材222は、第1のブランク材を折り曲げ成形することによって、天蓋部202に対応する第1の部分231と立ち上がり部(接合代となる第2の部分232)とを形成することが好ましい。すなわち、第2の部分232は、第1のブランク材を第1の部分231の周縁の位置(接合代230の基端)で上側に曲げることで形成されていることが好ましい。このとき、第1のブランク材は、邪魔部288と高低差部289に対応した形状を賦形されてよく、また、貫通部210に対応する構造を設けられてよい。
【0103】
側壁部形成部材223を形成するための第2のブランク材は、第2の実施形態で上述した第2のブランク材252と同様のものを用いられてよく、扇状に形成されたシート材が用いられてよい。第2のブランク材の端縁部を接合して環状体を形成し、環状体の上端側の部分を、連続部235に対応する位置で内側に折り返すことで、第1接触壁部233と第2接触壁部234と連続部235を形成するとともに、上部形成部(上部壁205に対応する構造部)を形成することができ、さらに下部形成部(下部壁206に対応する構造部)を形成することができる。上部形成部と下部形成部の形成により、側壁部形成部材223が形成される。なお、少なくとも第1接触壁部233と第2接触壁部234では、接合代230に接着される。図21Bの例では、第1接触壁部233と第2接触壁部234と連続部235が接合代230に接着され、接着部が形成される。
【0104】
なお、蓋体201の製造のあたっては、第2のブランク材から形成された上述した環状体の状態で天蓋部形成部材222との接合を行うことが好ましい。すなわち天蓋部形成部材222の接合代230(第2の部分232)の下端が、環状体の内周面のうち、下部形成部と上部形成部の境界位置(上部壁205と下部壁206の境界位置)に位置合わせされ、接合代230を環状体の内周面に対面させる。さらに、上述したように環状体における連続部235に対応する位置で環状体の上端側の部分を内側に折り返すことで、接合代230を上端側から被覆する。そして、第1接触壁部233と第2接触壁部234に挟まれるように接合代230を側壁部形成部材223となる環状体に接合する。これにより、側壁部形成部材223が形成されるとともに蓋体201が得られる。
【0105】
[6-2 作用及び効果]
第6の実施形態にかかる蓋体201によれば、第1の実施形態から第5の実施形態と同様に、貫通部210からの液体の漏れ出しを抑制できる蓋体を得ることができる。
【0106】
[7 第7の実施形態]
[7-1 構成]
第7の実施形態にかかる蓋体201は、図22A図22Bに示すように、天蓋部202と側壁部203とを有する点及び容器501に嵌合可能である点では第5の実施形態及び第6の実施形態と同様である。また、第7の実施形態において、天蓋部202には、貫通部210、邪魔部288及び高低差部289が設けられているが、第1の実施形態から第6の実施形態と同様でよいため、説明を省略する。図22A図22Bは、第7の実施形態にかかる蓋体の一実施例を示す斜視図、断面図である。
【0107】
第7の実施形態にかかる蓋体201は、側壁部203の一部が天蓋部202の上側と下側に延び出た構成を有している。側壁部203は、環状(筒状を含む)の形状を有し、上部壁205と下部壁206とを有している。下部壁206は、天蓋部202の下側(天蓋部202と側壁部203との接合部分の下端に対して下側)に延び出た部分であり、上部壁205は、側壁部203のうち下部壁206を除く部分で構成される。図22A図22Bの例では、側壁部203は、下側に向かって先細りするように形成されている。また、図22A図22Bの例では、天蓋部202の所定の位置(図22Aの例では、天蓋部202のおおむね中央の位置)に貫通部210が形成されているがこれは一例である。
【0108】
(天蓋部と側壁部それぞれを形成する部材)
第7の実施形態では、第5の実施形態や第6の実施形態でも説明したように、天蓋部202と側壁部203とが別体の部材で形成されている。蓋体201は、図22A図22Bの例では、上述した別体の部材として天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223を有し、天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223とを接合する接合部を有する。
【0109】
(天蓋部形成部材)
天蓋部形成部材222は、天蓋部202に対応する第1の部分(天蓋部形成部材222の第1の部分231)と、第1の部分231の外周端から延び出た第2の部分(天蓋部形成部材222の第2の部分232)とを有しており、第2の部分232は、第5の実施形態や第6の実施形態でも説明したように接合代230となっている。図22Aの例では、天蓋部形成部材222の第2の部分は、第1の部分231の外周端から斜め下方向又は直下方向に延びる部分(垂れ下がり部)となっており、側壁部形成部材223に第2の部分232が接合された状態で第2の部分232は側壁部203の一部となっている。
【0110】
(側壁部形成部材)
側壁部形成部材223は、環状(筒状を含む)に形成されており、上部壁205を形成する部分(上部形成部)と下部壁206を形成する部分(下部形成部)とを有する。下部形成部は、天蓋部形成部材222の第2の部分232となる接合代230に対して少なくとも外面側で接する部分(下部第1接触壁部237)を有する。
【0111】
図22A図22Bの例では、下部形成部は、下部第1接触壁部237と、天蓋部形成部材222の第2の部分232となる接合代230に対して内面側で接する部分(下部第2接触壁部238)と、さらに下部第1接触壁部237及び下部第2接触壁部238を繋ぐ下端側連続部239とを有し、下端側連続部239は、天蓋部形成部材222の第2の部分232となる接合代230の下端面を覆っている。下部第2接触壁部238の上端は、天蓋部形成部材222の第1の部分231の下面(対向面73)側に位置しており、図22A図22Bの例では、第1の部分231から離間していることが好ましい。また、第1の部分と下部第2接触壁部238の上端との間に、容器501の縁部503(例えば、カール部508の外周面の一部)が入り込むことが可能であることが好ましい。
【0112】
図22A図22Bの例では、上部壁205(上部形成部)は、下部第1接触壁部237の上端を基端として上方向(図22Bでは、ななめ上方向)に延び出た部分となっている。上部壁205(上部形成部)は、例えば、上下方向の位置に関して天蓋部形成部材222の第1の部分231の上面の上側に位置していることが好適である。図22A図22Bの例に示すように、上部形成部は、その上端側にカール部(側壁上端カール部236)が形成されていることが好ましい。この場合、上部形成部の上端に、ブランク材(側壁部形成部材223を形成するための第2ブランク材)の端面が露出した状態が形成されることを抑制することができ、使用者がブランク材の端面に口を添えて、容器501内の内容物を摂取する場合にあっても、使用者がブランク材の端面に口を接触させることに伴う不快感を抑制することができる。また、側壁上端カール部236が形成されていることで、側壁部203におけるブランク材の端面に対応する部分に液体が接触しにくくなる。
【0113】
(ブランク材)
第7の実施形態にかかる蓋体201は、ブランク材の加工によって形成することができる。ブランク材としては、天蓋部形成部材222と側壁部形成部材223を形成するためのブランク材(第5の実施形態及び第6の実施形態で上述したようにそれぞれ第1のブランク材、第2のブランク材と称呼する)を用いることができる。第1のブランク材及び第2のブランク材からなる群から選ばれた少なくとも1つのブランク材は、第5の実施形態等でも説明したように、上述したブランク材と同様に形成されてよい。
【0114】
天蓋部形成部材222を形成するための第1のブランク材は、第5の実施形態及び第6の実施形態で上述した第1のブランク材251と同様のものを用いられてよく、天蓋部202の形状にさらに接合代230を合わせた形状に形成されたシート材が用いられてよい。天蓋部形成部材222は、第1のブランク材を折り曲げ成形することによって、天蓋部202に対応する第1の部分231と、接合代230となる第2の部分232とを形成することが好ましい。すなわち、第2の部分232は、第1のブランク材を第1の部分231の周縁の位置で下方向に曲げることで形成されていることが好ましい。このとき、第1のブランク材は、邪魔部288と高低差部289に対応した形状を賦形されてよく、また、貫通部210に対応する構造を設けられてよい。
【0115】
側壁部形成部材223を形成するための第2のブランク材は、第2の実施形態で上述した第2のブランク材252と同様のものを用いられてよく、扇状に形成されたシート材が用いられてよい。第2のブランク材の端縁部を接合して環状体を形成する。そして環状体の下端側の部分を、下端側連続部239に対応する位置で内側に折り返すことで、下部第1接触壁部237と下部第2接触壁部238と下端側連続部239を形成するとともに、下部形成部(下部壁206)を形成することができ、さらに上部形成部(上部壁205)を形成することができる。下部形成部と上部形成部の形成により、側壁部形成部材223が形成される。
【0116】
なお、蓋体201の製造にあたっては、第2のブランク材から形成された上述した環状体の状態で天蓋部形成部材222との接合を行うことが好ましい。天蓋部形成部材222の接合代230(第2の部分232)の上端が、環状体の内周面のうち、下部形成部と上部形成部の境界位置(上部壁205と下部壁206の境界位置)に位置合わせされ、接合代230を環状体の内周面に対面させる。さらに、上述したように環状体における下端側連続部239に対応する位置で環状体の下端側の部分を内側に折り返すことで、接合代230を下端側から被覆する。そして、下部第1接触壁部237と下部第2接触壁部238に挟まれるように接合代230を下部形成部(側壁部形成部材223を形成する環状体)に接合する(接着する)。これにより、側壁部形成部材223が形成されるとともに蓋体201が得られる。
【0117】
[7-2 作用及び効果]
第7の実施形態にかかる蓋体201によれば、第1の実施形態から第6の実施形態と同様に、貫通部210からの液体の漏れ出しを抑制できる蓋体を得ることができる。
【0118】
次に、蓋体の適用例について説明を続ける。
【0119】
[8 適用例]
(適用例1)
上記蓋体の第1の実施形態から第4の実施形態に示すような蓋体1は、図17A図17Bに示すように蓋体付き容器500に用いることができる(適用例1)。図17Aは、第1の実施形態にかかる蓋体1を、上端に形成された開口部502を有する容器501の開口部502の外周を形成する縁部503に接合させた実施例を示す斜視図である。図17Bは、図17AのN-N線縦断面の状態を模式的に示す断面図である。図17A図17Bを用いて蓋体付き容器500について説明を続ける。
【0120】
(蓋体付き容器)
蓋体付き容器500として、第1の実施形態にかかる蓋体1を容器501に取り付けたものを例として説明する。蓋体付き容器500は、容器501を蓋体1に取り付けられることで接触部が形成される。適用例1では、容器501に蓋体1を接合させることで形成される接合部651が接触部として形成され、接合部651を形成する蓋体1の領域が接合領域Rとなる。蓋体1と容器501との接合方法は特に限定されず、圧着法や、熱融着法(ヒートシール)等の接合方法と適宜用いることができる。
【0121】
図17A図17Bに示す例では、容器501は、上方向にむかって径が太くなるような(下方向に向かって先細りするような)筒状の側壁504と底部507を有し内部に空間部505を形成する容器本体510と、容器本体510の上端(側壁504の上端)で開口した開口部502を有する。図示しないが、容器501の開口部502は円形状に形成されている。ただし、ここに示す容器501は一例であり、容器501の構成を限定するものではない。たとえば、容器501は開口部502を矩形状に形成されてもよい。容器501は、蓋体1で開口部502を被覆できるものであればよい。また、容器501の内部(空間部505)に収納されるものは、特に限定されず、例えば液体状のもの、固形状のもの、またはそれらの組み合わせなどを例示することができる。
【0122】
図17A図17Bに示す容器では、開口部502の縁部503は、フランジ部を有している。フランジ部は、図17A図17B等に示すように容器本体510を形成する部材を外向きに巻きまわされたカール部508であってもよいし、外側方向に平面上に延びる部分(つば部)として形成されてもよい。
【0123】
また、蓋体1は、開口部502を有する容器501との組み合わせとされてもよい。
【0124】
(適用例2)
上記第5の実施形態から第7の実施形態に示されるような蓋体201は、図26に示すように蓋体付き容器500に用いることができる(適用例2)。図26は、第5の実施形態にかかる蓋体201を、上端に形成された開口部502を有する容器501の開口部502の外周を形成する縁部503に嵌合させた実施例を示す断面図である。図26を用いて適用例2にかかる蓋体付き容器500について説明を続ける。
【0125】
蓋体201を、上端に形成された開口部502を有する容器501の開口部502の外周を形成する縁部503に嵌合することで容器501に蓋体201を取り付けることができる。この場合、容器501と蓋体201とを接触させた(縁部503と天蓋部202の部分とを接触させた)部分として接触部を形成することができる。なお、容器501の構成は、適用例1で上述した容器と同様でよいため詳細な説明を省略する。
【0126】
また、第5実施形態にかかる蓋体201は、開口部502を有する容器501との組み合わせとされてもよい。
【0127】
上記した[8 適用例]で示したことは、第1実施形態にかかる蓋体1や第5の実施形態にかかる蓋体201を用いる場合に限定されない。第2の実施形態から第4の実施形態についても、第1の実施形態にかかる蓋体1と同様に容器501に接合した蓋体付き容器500に用いることができる(図示せず)。また、第6の実施形態から第7の実施形態についても、第5の実施形態にかかる蓋体201と同様に容器501に接合した蓋体付き容器500に用いることができる(図示せず)。
【0128】
これまで説明したように、本発明に係る蓋体1、201は、このような多くの態様の蓋体1に対して適用することができる。また、上記した以外の態様の蓋体1、201に対しても適用することが可能である。以上、本発明に係る蓋体について詳細に説明したが、上記したのは本発明係る蓋体を例示したに過ぎず、これらに限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更してよい。また、上記した蓋体の構成は、それぞれの例の蓋体の構成を独立して用いてもよいし、それぞれの例の蓋体の構成を適宜組み合わせて適用してもよい。
【0129】
以上の本明細書の説明に基づき、本発明は、次に示す[E1]から[E25]の構成を採用されてよい。
[E1]上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成され、前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と、前記接合領域対応部から内側の部分で構成される蓋領域対応部とを有し、前記蓋領域対応部は、該蓋領域対応部の周端縁から内側に邪魔部を有し、且つ、前記邪魔部の内縁から内側の少なくとも一部に、高低差部と貫通部とを有する、蓋体。
[E2]前記蓋領域対応部には、前記高低差部の内部及び/又は内側に前記貫通部が形成されている、上記[E1]に記載の蓋体。
[E3]前記貫通部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が異なる、上記[E1]または[E2]に記載の蓋体。
[E4]前記高低差部は、前記貫通部の周囲を取り巻くように形成されている、上記[E1]から[E3]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E5]前記高低差部の内側に平面部が形成されている、上記[E1]から[E4]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E6]前記平面部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が異なる、上記[E5]に記載の蓋体。
[E7]前記貫通部と前記邪魔部は、互いに高さ方向の位置が同じ、上記[E1]から[E6]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E8]前記高低差部の内側に傾斜部が形成されている、上記[E1]から[E7]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E9]前記高低差部における壁部の少なくとも一部が波型形状を有している、上記[E1]から[E8]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E10]前記高低差部は、複数の溝部を有し、複数の前記溝部の底部は、同心状に配置されている、上記[E1]から[E9]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E11]前記高低差部は、溝部を有し、前記溝部に凹凸構造が形成されている、上記[E1]から[E10]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E12]前記高低差部は、溝部を有し、前記蓋領域対応部の平面視上、前記溝部の幅が部分的に異なっている、上記[E1]から[E11]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E13]前記高低差部は、段差部を有する、上記[E1]から[E12]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E14]前記段差部は、溝部を形成している、上記[E13]に記載の蓋体。
[E15]前記蓋領域対応部に、前記蓋領域対応部における分断位置を案内する脆弱化部が設けられており、前記脆弱化部は、複数の前記貫通部と、少なくとも2つの前記貫通部の間に形成された少なくとも一つの連続部とを有する、上記[E1]から[E14]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E16]前記脆弱化部は、前記連続部の周囲に放射状に複数の前記貫通部を形成している、上記[E15]に記載の蓋体。
[E17]前記蓋領域対応部は、前記容器の前記開口部よりも小さな開口面積を有する小開口部を有するベース部と、前記小開口部を開閉する小蓋部と、前記ベース部と前記小蓋部とを繋げるヒンジ部とを備え、前記小蓋部は、前記ヒンジ部を軸として前記ベース部に対して回動可能に構成されており、少なくとも一部の前記貫通部が、前記小蓋部の外周縁と前記小開口部の開口縁との境界位置に形成されている、上記[E1]から[E16]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E18]前記貫通部の少なくとも一部が、前記高低差部に形成されている、上記[E17]に記載の蓋体。
[E19]前記小蓋部の上面側に摘み部が設けられている、上記[E17]又は[E18]に記載の蓋体。
[E20]前記摘み部は、タブ部材を有しており、前記タブ部材は、前記小蓋部の上面側に接合されている、上記[E19]に記載の蓋体。
[E21]紙系素材で形成されている、上記[E1]から[E20]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E22]前記邪魔部と前記高低差部の境界から前記高低差部に向かった部分に、前記紙系素材を構成する繊維の密度が前記邪魔部よりも低い低密度部が形成されている、上記[E21]に記載の蓋体。
[E23]前記邪魔部と前記高低差部は、連続的に形成されている、上記[E1]から[E22]のいずれか1つに記載の蓋体。
[E24]上記[E1]から[E23]のいずれか1つに記載の蓋体と、上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有し、前記蓋体を前記容器に接合した、蓋体付き容器。
[E25]上記[E1]から[E23]のいずれか1つに記載の蓋体と、上端に形成された前記開口部を有する前記容器と、有する、蓋体と容器の組み合わせ。
【符号の説明】
【0130】
1 :蓋体
2 :ベース部
3 :小蓋部
3A :外周縁
4 :ヒンジ部
5A :接合領域対応部
5B :蓋領域対応部
5C :外側領域対応部
6 :小開口部
6A :開口縁
8 :邪魔部
8A :内側端
9 :高低差部
10 :貫通部
11 :平面部
11A :外縁部
12 :差し込み口
13 :低密度部
14 :側壁内段差部
15 :傾斜面部
16 :脆弱化部
17 :連続部
18 :湾曲面部
19 :ハーフカット部
21 :摘み部
22 :タブ部材
30 :ブランク材
31 :繊維シート
31A :繊維
50A :接合領域対応部
50B :蓋領域対応部
72 :露出面
73 :対向面
74 :周端縁
90 :段差部
90A :壁部
91 :溝部
91A :外側壁
91B :内側壁
91C :底部
92 :第1の部分
93 :第2の部分
94 :幅太部
95 :幅細部
96 :基端
97 :他方端
98 :底面
99 :頂部
201 :蓋体
202 :天蓋部
203 :側壁部
203A :内周面
203B :外周面
204 :曲がり部
205 :上部壁
206 :下部壁
208 :切り込み部
210 :貫通部
219 :差し込み口
222 :天蓋部形成部材
223 :側壁部形成部材
224 :凹部
225 :凸部
226 :張出部
226A :内面
227 :没入部
228A :内端部
228B :外端部
230 :接合代
231 :第1の部分
232 :第2の部分
233 :第1接触壁部
234 :第2接触壁部
235 :連続部
236 :側壁上端カール部
237 :下部第1接触壁部
238 :下部第2接触壁部
239 :下端側連続部
250 :ブランク材
251 :第1のブランク材
252 :第2のブランク材
253 :端縁部
272 :露出面
273 :対向面
274 :接触部
274A :第1の接触部
274B :第2の接触部
288 :邪魔部
288A :内側端
289 :高低差部
291 :溝部
500 :蓋体付き容器
501 :容器
502 :開口部
503 :縁部
504 :側壁
505 :空間部
507 :底部
508 :カール部
510 :容器本体
511 :外側周面部
651 :接合部
CT :中心
R :接合領域
α :角度

【要約】
【課題】 蓋体が貫通部を有し且つ紙系素材で形成されている場合に、蓋体で容器の開口部を被覆した状態で内容物が貫通部から蓋体上への飛び出すことを抑制することが可能な蓋体、蓋体付き容器、及び蓋体と容器の組み合わせを提供する。
【解決手段】 蓋体は、上端に形成された開口部と前記開口部の外周を形成する縁部とを有する容器に接合可能に形成され、前記容器の前記縁部に沿って前記容器に接合される領域に対応する接合領域対応部と、前記接合領域対応部から内側の部分で構成される蓋領域対応部とを有し、前記蓋領域対応部は、該蓋領域対応部の周端縁から内側に邪魔部を有し、且つ、前記邪魔部の内縁から内側の少なくとも一部に、高低差部と貫通部とを有する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27