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特許7418087制御装置、方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】制御装置、方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20210101AFI20240112BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240112BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20240112BHJP
   G03B 17/14 20210101ALI20240112BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G03B17/56 B
G03B15/00 P
G03B17/00 B
G03B17/14
H04N7/18 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019223285
(22)【出願日】2019-12-10
(65)【公開番号】P2021092666
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】横溝 剛
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-212576(JP,A)
【文献】特開2006-345164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56-17/58
G03B 15/00-15/035
G03B 15/06-15/16
G03B 17/00
G03B 17/26-17/34
G03B 17/38-17/46
G03B 17/04-7/17
H04N 7/18-7/18
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交換式レンズを着脱可能なカメラ本体を支持する駆動可能な雲台を制御する制御装置であって、
前記雲台を駆動させるためのコマンドを受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記コマンドに基づいて、前記雲台を駆動する駆動手段と、
前記交換式レンズの前記カメラ本体への装着の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段により前記交換式レンズが未装着であると判定された場合に、前記駆動手段による前記雲台の駆動を制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、前記判定手段により前記交換式レンズが未装着であると判定された場合には、前記駆動手段による前記雲台の駆動速度が所定速度よりも遅くなるように制御することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記カメラ本体に設けられた操作部への操作を検知する検知手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記検知手段が前記操作部への操作を検知した場合に、前記駆動手段による前記雲台の駆動を制限するように制御することを特徴とする制御装置。
【請求項3】
請求項に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記検知手段が前記操作部への操作を検知してから経過した時間が所定時間以内の場合に、前記駆動手段による前記雲台の駆動を禁止するように制御することを特徴とする制御装置。
【請求項4】
請求項に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記検知手段が前記操作部への操作を検知してから経過した時間が所定時間以内の場合に、前記駆動手段による前記雲台の駆動速度が所定速度よりも遅くなるように制御することを特徴とする制御装置。
【請求項5】
請求項からのいずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記検知手段が前記操作部への操作を検知してから所定時間が経過した場合に、前記駆動手段による前記雲台の駆動を許可するように制御することを特徴とする制御装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記判定手段により前記交換式レンズが前記カメラ本体に装着されていると判定された場合に、前記交換式レンズが前記カメラ本体に装着されてから所定時間が経過した後に、前記駆動手段による前記雲台の駆動を許可するように制御することを特徴とする制御装置。
【請求項7】
交換式レンズを着脱可能なカメラ本体を支持する駆動可能な雲台を制御する方法であって、
雲台を駆動させるためのコマンドを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記コマンドに基づいて、前記雲台を駆動する駆動ステップと、
交換式レンズのカメラ本体への装着の有無を判定する判定ステップと、
前記判定ステップおいて前記交換式レンズが未装着であると判定された場合に、前記駆動ステップおいて前記雲台の駆動速度が所定速度よりも遅くなるように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項8】
コンピュータに、交換式レンズを着脱可能なカメラ本体を支持する駆動可能な雲台を制御する方法を実行させるためのプログラムであって、前記方法は、
雲台を駆動させるためのコマンドを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した前記コマンドに基づいて、前記雲台を駆動する駆動ステップと、
交換式レンズのカメラ本体への装着の有無を判定する判定ステップと、
前記判定ステップおいて前記交換式レンズが未装着であると判定された場合に、前記駆動ステップおいて前記雲台の駆動速度が所定速度よりも遅くなるように制御する制御ステップと、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項に記載のプログラムを記憶したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、方法、プログラム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、近接物を検出した場合に、旋回動作を禁止するリモコン雲台の技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-92606
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、カメラの状態に応じて、カメラに接続された外部雲台を適切に制御することを可能とする制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。
【0006】
本発明に係る制御装置は、交換式レンズを着脱可能なカメラ本体を支持する駆動可能な雲台を制御する制御装置であって、前記雲台を駆動させるためのコマンドを受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記コマンドに基づいて、前記雲台を駆動する駆動手段と、前記交換式レンズの前記カメラ本体への装着の有無を判定する判定手段と、前記判定手段により前記交換式レンズが未装着であると判定された場合に、前記駆動手段による前記雲台の駆動を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記判定手段により前記交換式レンズが未装着であると判定された場合には、前記駆動手段による前記雲台の駆動速度が所定速度よりも遅くなるように制御することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係るネットワークカメラおよび雲台の構成を含むネットワーク構成図である。
図2】本実施形態に係るネットワークカメラとクライアント装置の機能ブロック図及びシステム構成図である。
図3】第1の実施形態に係るネットワークカメラにおいて、レンズが取り外されたときのフローチャートである。
図4】第2の実施形態に係るネットワークカメラにおいて、レンズが取り外されたときや背面ボタンが操作されたときのフローチャートである。
図5】第3の実施形態に係るネットワークカメラにおいて、レンズが取り外されたときや背面ボタンが操作されたときのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
図1(a)は、ネットワークカメラ1000と外部雲台1400とが接続された状態を示す図である。ネットワークカメラ1000(カメラ本体)には、交換式レンズ1100が着脱可能に設けられている。交換式レンズ1100のズーム機構によりネットワークカメラ1000の画角を変更可能である。
【0009】
1400は、ネットワークカメラ1000をパン・チルト動作させるための雲台である。外部雲台1400は、チルト方向に移動させる支軸1401と、パン方向に移動させる支軸1402、カメラを設置する台座1403からなる。つまり、外部雲台1400は、台座1403を介してネットワークカメラ1000(カメラ本体)を支持している。そして、外部雲台1400は、パン・チルト方向に駆動可能となっている。
【0010】
ネットワークカメラ1000と雲台1400は、シリアルケーブルなどによって接続され、ネットワークカメラ1000からの指示によって雲台1400がパン・チルト動作する。
【0011】
尚、雲台1400は、パン、チルト動作後に、動作後の位置情報等をネットワークカメラ1000に通知してもよい。また、ネットワークカメラ1000と雲台1400の間に別の通信機器等が入ってもよい。
【0012】
図1(b)は、ネットワークカメラ1000を含むシステム構成図である。
【0013】
ネットワークカメラ1000と交換式レンズ1100の間でレンズ制御コマンドとレスポンスの交信が行われる。
【0014】
1200は、本発明における外部機器を示すクライアント装置である。ネットワークカメラ1000とクライアント装置1200は、ネットワーク1300を介して相互に通信可能な状態に接続されている。クライアント装置1200は、ネットワークカメラ1000に対して、各種コマンドを送信する。ネットワークカメラ1000は、それらのコマンドに対するレスポンスをクライアント装置1200に送信し、コマンドに対するカメラの状態を通知する。
【0015】
また、ネットワークカメラ1000は、クライアント装置1200から受信したパン・チルト指示コマンドを、雲台1400が解釈可能なコマンドに変換し、雲台1400に通知することで、雲台1400をパン・チルト動作させる。
【0016】
図2は、本実施形態に係るネットワークカメラとクライアント装置の機能構成図である。
【0017】
撮像部1001は、撮像素子から構成され、被写体の撮像及び電気信号への変換を行う。
【0018】
画像処理部1002は、撮像部1001において撮像、光電変換された信号の所定の画像処理、圧縮符号化処理を行い、画像データを生成する。
【0019】
システム制御部1003は、伝達されたカメラ制御コマンドを解析し、コマンドに応じた処理を行う。また、システム制御部1003は、レンズ接続部1005に対してズームやフォーカス制御の指示を行う。また、システム制御部1003は、雲台接続部1007に対して雲台のパン、チルト制御の指示を行う。また、システム制御部1003は、クライアント装置1200からのユーザによる指示や記憶部1008に保存されている時刻情報によるタイマー起動等から、記憶部1008に保存されたプリセットを読み出す。そして、システム制御部1003は、レンズ接続部1005や雲台接続部1007にプリセット制御の指示を行う。また、システム制御部1003は、画像処理部1002から取得した画像データに対して動体検出処理を行い、取得した動体の位置情報から、動体を追尾するのに必要なパン、チルト、ズーム量を算出することができる。そして、雲台接続部1007およびレンズ接続部1005に対してパン、チルト、ズーム制御を指示することで、物体の追尾を行う。
【0020】
スイッチ入力部1004は、ネットワークカメラ1000に搭載される各種スイッチに対する入力を受け付ける。ユーザがカメラの背面などに取り付けられたボタンを押下すると、スイッチ入力部1004は、そのボタンに割り当てられたカメラ制御情報をシステム制御部1003へ伝達する。
【0021】
レンズ接続部1005は、システム制御部1003から伝達されたレンズ制御命令を、交換式レンズ1100のレンズ接続部1103に伝達する。
【0022】
通信部1006は、ネットワーク1300を介して、生成した画像データをクライアント装置1200に配信する。また通信部1006は、クライアント装置1200から送信されるカメラ制御コマンドを受信し、システム制御部1003へ伝達する。
【0023】
続いて交換式レンズ1100の各部構成と機能について説明する。
【0024】
レンズ制御部1101は、レンズ接続部1103から伝達された指示に基づいてレンズ駆動部1102の制御を行う。
【0025】
レンズ駆動部1102は、フォーカスレンズ及びズームレンズの駆動系及びその駆動源のモータにより構成され、その動作はレンズ制御部1101により制御される。
【0026】
レンズ接続部1103は、ネットワークカメラ1000のレンズ接続部1005と接続され、システム制御部1003から伝達されるレンズ制御命令をレンズ制御部1101に伝達する。
【0027】
続いて、クライアント装置1200の各部構成と機能について説明する。
【0028】
クライアント装置1200は典型的にはパーソナルコンピュータなどの汎用コンピュータが用いられる。
【0029】
表示部1201は、液晶表示装置などが使用され、ネットワークカメラから取得した画像の表示や、カメラ制御を行うためのグラフィックユーザーインターフェース(以下、GUIと称する)を表示する。
【0030】
入力部1202は、キーボード、マウスなどのポインティング・デバイスなどが使用され、クライアント装置のユーザは、入力部1202を介してGUIを操作する。
【0031】
システム制御部1203は、ユーザのGUI操作に応じてカメラ制御コマンドを生成し、通信部1204を介してネットワークカメラ1000へ送信する。また、システム制御部1203は、通信部1204を介して受信したネットワークカメラ1000からの画像データも表示部1201に表示する。
【0032】
このようにクライアント装置1200は、ネットワーク1300を介して、ネットワークカメラ1000の撮影画像の取得や各種のカメラ制御を行うことができる。
【0033】
続いて、雲台1400の各部構成と機能について説明する。
【0034】
雲台制御部1410は、雲台接続部1412から伝達された指示に基づいて雲台駆動部1411の制御を行う。
【0035】
雲台駆動部1411は、支軸1401および支軸1402を動作させることでパン・チルト動作を行い、その動作は雲台制御部1410により制御される。
【0036】
雲台接続部1412は、ネットワークカメラ1000の雲台接続部1407とRS-422A、RS-232C等のシリアル通信によって接続され、システム制御部1003から伝達される雲台制御命令を雲台制御部1410に伝達する。尚、雲台接続部1407、1412間は、シリアル通信ではなく、USB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)等で通信してもよい。
【0037】
図3(a)は、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されたときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0038】
まず、ステップS2001において、システム制御部1003は、レンズ接続部1005からの通知によって、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されたかどうかを判定する。換言すると、システム制御部1003は、交換式レンズ1100のネットワークカメラ1000(カメラ本体)への装着の有無を判定する。ステップS2001において、交換式レンズ1100が取り外されていなければ、フローを終了する。ステップS2001において、交換式レンズ1100が取り外されたことを検出した場合は、ステップS2002に進む。
【0039】
ステップS2002において、システム制御部1003は、雲台接続部1007に対して雲台のパン、チルト動作を停止させるコマンドを送信する。雲台制御部1410は、雲台接続部1412を介してパン、チルト動作停止コマンドを受信すると、雲台駆動部1411に対してパン、チルト動作を停止させる処理を実行することで、雲台動作を停止させる。すなわち、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を制限するように制御する。本実施形態では、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を禁止するように制御する。
【0040】
図3(b)は、PT制御コマンドを受信したときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0041】
まず、ステップS3001において、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200からPT制御コマンドを受信したか否かを判定する。PT制御コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS3002に進む。一方、PT制御コマンドを受信していないと判定した場合には、処理を終了する。
【0042】
ステップS3002において、システム制御部1003は、交換式レンズ1100が装着されているか否かを判定する。これはレンズ接続部1005を介して交換レンズ1100から情報を取得したか否かによって判定できる。交換レンズ1100が装着されていると判定した場合には、ステップS3003に進む。一方、交換レンズ1100が装着されていないと判定した場合には、ステップS3005に進む。
【0043】
ステップS3003において、システム制御部1003は、雲台のパン、チルト制御を許可する。そして、システム制御部1003は、雲台接続部1007に雲台のパン、チルト制御を指示する。そして、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が移動中の状態であることを通知する。
【0044】
次いで、ステップS3004において、システム制御部1003は、雲台接続部1007による雲台のパン、チルト動作が完了して雲台が停止状態に移行すると、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が停止状態であることを通知する。
【0045】
一方、ステップS3005では、システム制御部1003は、雲台接続部1007に雲台のパン、チルト制御の指示を行わない。すなわち、システム制御部1003は、雲台のパン、チルト制御を制限するように制御する。本実施形態では、システム制御部1003は、雲台のパン、チルト制御を禁止するように制御する。
【0046】
そして、ステップS3006において、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が停止状態であることを通知する。
【0047】
以上、説明したように、第1の実施形態では、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000に装着されていない場合には、雲台1400のパン、チルト動作を禁止するように構成した。これにより、交換レンズ1100がネットワークカメラ1000に装着されていない状態でも、交換式レンズ1100の取り付け時などに不用意にパン、チルト動作してしまうということを防ぐことができる。すなわち、交換レンズ1100のネットワークカメラ1000への取り付け作業を容易にすることができる。
【0048】
(第2の実施形態)
図4(a)は、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されたときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0049】
まず、ステップS4001において、システム制御部1003は、レンズ接続部1005からの通知によって、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されたかどうかを判定する。換言すると、システム制御部1003は、交換式レンズ1100のネットワークカメラ1000(カメラ本体)への装着の有無を判定する。ステップS4001において、交換式レンズ1100が取り外されていなければ、フローを終了する。一方、ステップS4001において、交換式レンズ1100が取り外されたことを検出した場合は、ステップS4002に進む。
【0050】
ステップS4002において、システム制御部1003は、雲台接続部1007に対して雲台のパン、チルト動作を停止させるコマンドを送信する。雲台制御部1410は、雲台接続部1412を介してパン、チルト動作停止コマンドを受信すると、雲台駆動部1411に対してパン、チルト動作を停止させる処理を実行することで、雲台動作を停止させる。すなわち、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を制限するように制御する。本実施形態では、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を禁止するように制御する。
【0051】
図4(b)は、背面ボタン(操作部)が押下されたときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0052】
ステップS4101において、システム制御部1003は、スイッチ入力部1004からの通知によって、背面ボタン(操作部)が押下(操作)されたかどうかを判定する。ステップS4101において、背面ボタンが押下されていなければフローを終了する。一方、ステップS4101において、背面ボタンが押下されたと判定された場合、ステップS4102に進む。
【0053】
ステップS4102において、システム制御部1003は、記憶部1008に背面ボタン押下時の時刻情報を記憶部1008に保持する。
【0054】
そして、ステップS4103において、システム制御部1003は、雲台接続部1007に対して雲台のパン、チルト動作を停止させるコマンドを送信する。雲台制御部1410は、雲台接続部1412を介して、パン、チルト動作停止コマンドを受信すると雲台駆動部1411による雲台動作を停止させる。すなわち、背面ボタンを操作された場合には、システム制御部1003は、雲台動作を制限するように制御する。本実施形態では、システム制御部1003は、雲台動作を禁止するように制御する。
【0055】
図4(c)は、PT制御コマンドを受信したときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0056】
まず、ステップS5001において、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200からPT制御コマンドを受信したか否かを判定する。PT制御コマンドを受信したと判定した場合には、ステップS5002に進む。一方、PT制御コマンドを受信していないと判定した場合には、フローを終了する。
【0057】
ステップS5002において、システム制御部1003は、交換式レンズ1100が装着されているか否かを判定する。すなわち、システム制御部1003は、交換式レンズ1100のネットワークカメラ1000(カメラ本体)への装着の有無を判定する。これはレンズ接続部1005を介して交換レンズ1100から情報を取得したか否かによって判定できる。交換レンズ1100が装着されていると判定した場合には、ステップS5003に進む。一方、交換レンズ1100が装着されていないと判定した場合には、ステップS5006に進む。
【0058】
ステップS5003において、システム制御部1003は、S4003で記憶部1008に保存された時刻情報を確認し、背面ボタンが操作されてから経過した時間が一定時間以下(所定時間以内)であるかどうかを判定する。背面ボタンが押下されてから経過した時間が一定時間を超えている場合には、ステップS5004に進む。また、背面ボタンを一度も操作されていない場合も、ステップS5004に進む。一方、背面ボタンが押下されてから経過した時間が一定時間以下の場合には、ステップS5006に進む。
【0059】
ステップS5004において、システム制御部1003は、パン、チルト制御を許可する。そして、システム制御部1003は、雲台接続部1007に雲台のパン、チルト制御を指示する。そして、システム制御部1003は、記憶部1008に保存されている背面ボタン押下時の時刻情報を削除する。
【0060】
続いて、ステップS5005において、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が移動中の状態であることを通知する。そして、雲台接続部1007を介して雲台のパン、チルト動作の停止を検知すると、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が停止したことを通知する。
【0061】
一方、ステップS5006において、システム制御部1003は、雲台接続部1007に雲台のパン、チルト制御の指示を行わない。すなわち、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を制限するように制御する。本実施形態では、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を禁止するように制御する。
【0062】
ステップS5007において、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が停止状態であることを通知する。
【0063】
以上、説明したように、第2の実施形態では、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外された場合だけでなく、背面ボタンが押下された場合にも、雲台1400のパン、チルト動作を禁止するように構成した。ネットワーク1300を介して通知されたパン、チルト制御コマンドを実行しないため、交換式レンズ1100の取り付け時や背面ボタン操作中などに不用意にパン、チルト動作してしまうということを防ぐことができる。すなわち、ネットワークカメラ1000への交換レンズ1100の取り付けや、ネットワークカメラ1000の背面ボタンの操作を容易にすることができる。
【0064】
なお、本実施形態では、ステップS5001で、システム制御部1003がクライアント装置1200からPT制御コマンドを受信したときの処理を示したが、これに限定されない。例えば、ユーザ指定やタイマー指定によるプリセット移動や自動追尾によるPT制御コマンドの実行においても、同様の処理とすることができる。
【0065】
また、本実施形態では、ステップS5006でシステム制御部1003が、雲台接続部1007に雲台のパン、チルト制御を禁止したが、他の制限の方法であってもよい。例えば、雲台接続部1007に対して例えば雲台が持つ最も遅い駆動速度(あるいは、所定速度よりも遅い駆動速度)に変更するコマンドを送信してからパン、チルト制御の指示を送信しても構わない。その場合、ステップS5007において、システム制御部1003は、クライアント装置1200に対してすぐに停止状態のレスポンスを返すのではなく、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が移動中の状態であることを通知する。そして、雲台接続部1007から雲台のパン、チルト動作の停止を検知すると、システム制御部1003は、通信部1006を介してクライアント装置1200に雲台が停止したことを通知する。
【0066】
また、本実施形態では、レンズを取り外したときや背面ボタン押下時に雲台を停止させ、ネットワーク経由で雲台制御を行わせないようにしたが、ユーザによっては、そういった場合も一時的に雲台制御を行いたいことも考えられる。そこで、システム制御部1003は、雲台制御モードを用意し、当該モードが有効になっているか否かを記憶部1008に保持するようにしてもよい。クライアント装置1200によって通信部1006を介して雲台制御モードを有効にされた場合は、レンズ未装着時や背面ボタン押下時も一定時間はネットワーク1300経由で雲台制御が可能となる。
【0067】
また、本実施形態では、レンズを取り外したときや背面ボタン押下時に雲台を停止させ、ネットワーク経由で雲台制御を行わせないようにしたが、ユーザによっては、そういった場合も一時的に雲台制御を行いたいことも考えられる。そこで、システム制御部1003は、ステップS4001においてレンズが取り外された時刻情報を記憶部1008に保持する。そして、S5002においてその時刻情報を参照することで、レンズが取り外された状態であっても一定時間を経過した場合は雲台のPT制御を許可してもよい。
【0068】
また、本実施形態では、ステップS5002でシステム制御部1003は、レンズが装着されていれば雲台のPT制御を許可したが、これに限定されない。例えば、レンズ装着時の時刻情報を記憶部1008に保持し、その時刻情報を参照することで、レンズ装着時から一定時間は雲台のPT制御を禁止するようにしてもよい。こうすることで、レンズ装着直後に雲台制御されてしまうことを防止できる。
【0069】
(第3の実施形態)
図5(a)は、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されたときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0070】
まず、ステップS6001において、システム制御部1003は、レンズ接続部1005からの通知によって、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されたかどうかを判定する。換言すると、システム制御部1003は、交換式レンズ1100のネットワークカメラ1000(カメラ本体)への装着の有無を判定する。交換レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されたと判定した場合には、ステップS6002に進む。一方、交換レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外されていないと判定した場合には、フローを終了する。
【0071】
ステップS6002において、システム制御部1003は、雲台接続部1007に対して雲台のパン、チルト動作を停止させるコマンドを一定時間おきに定期的に送信する。そして、ユーザ指定やタイマー指定による自動的にパン、チルト動作させるプリセット移動の機能や自動追尾の機能を停止する。雲台制御部1410は、雲台接続部1412を介してパン、チルト動作停止コマンドを受信すると、雲台駆動部1411に対してパン、チルト動作を停止させる処理を実行することで、雲台動作を停止させる。すなわち、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を禁止するように制御する。
【0072】
図5(b)は、背面ボタンが押下されたときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0073】
まず、ステップS6101において、システム制御部1003は、スイッチ入力部1004からの通知によって、背面ボタンが押下されたかどうかを判定する。背面ボタンが押下されたと判定した場合には、ステップS6102に進む。一方、背面ボタンが押下されていなければフローを終了する。
【0074】
ステップS6102において、システム制御部1003は、記憶部1008に背面ボタン押下時の時刻情報を保持する。
【0075】
ステップS6103において、システム制御部1003は、雲台接続部1007に対して雲台のパン、チルト動作を停止させるコマンドを一定時間おきに定期的に送信する。そして、ユーザ指定やタイマー指定による自動的にパン、チルト動作させるプリセット移動や自動追尾の機能を停止する。雲台接続部1412を介してパン、チルト動作停止コマンドを受信すると、雲台制御部1410は、雲台駆動部1411に対してパン、チルト動作を停止させる処理を実行することで、雲台動作を停止させる。すなわち、システム制御部1003は、雲台駆動部1411による雲台動作を禁止するように制御する。
【0076】
図5(c)は、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000に装着されたときもしくは背面ボタンが押下されてから一定時間経過したときのネットワークカメラ1000の処理を示したフローチャートである。
【0077】
まず、ステップS7001において、システム制御部1003は、レンズ接続部1005からの通知によって、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000に装着されたかどうかを判定する。すなわち、システム制御部1003は、交換式レンズ1100のネットワークカメラ1000(カメラ本体)への装着の有無を判定する。交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000に装着されたと判定した場合には、ステップS7002に進む。一方、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000に装着されていないと判定した場合には、フローを終了する。
【0078】
ステップS7002において、システム制御部1003は、記憶部1008に保存されている背面ボタンが押下された時刻情報を確認し、背面ボタンが押下されてから一定時間(所定時間)以上経過したかどうかを判定する。背面ボタンが押下されてから一定時間以上経過したと判定した場合には、ステップS7003に進む。一方、背面ボタンが押下されてから一定時間以内(所定時間以内)であればフローを終了する。
【0079】
ステップS7003において、システム制御部1003は、記憶部1008に保存されている背面ボタン押下時の時刻情報を削除する。そして、ステップS7004に進む。
【0080】
ステップS7004において、システム制御部1003は、雲台接続部1007に対して定期的に送信していた雲台のパン、チルト動作を停止させるコマンドの送信を停止する。そして、システム制御部1003は、ユーザ指定やタイマー指定によるプリセット移動や自動追尾によるPT制御コマンドの実行を有効にする。なお、PT制御コマンドを受信したときのネットワークカメラ1000の処理については、図4(c)のフローチャートにしたがう。
【0081】
以上、説明したように、第3の実施形態では、交換式レンズ1100がネットワークカメラ1000から取り外された場合や、背面ボタンが押下された場合に、雲台1400のパン、チルト動作を停止するコマンドを定期的に送信する。これにより、ネットワーク経由以外の方法で雲台を動作させることができる場合も、不用意にパン、チルト動作してしまうということを防ぐことができる。
【0082】
なお、本実施形態では、ステップS7004でシステム制御部1003は、レンズが装着された直後に雲台へのパン、チルト動作停止コマンドの送信を停止したが、これに限定されない。例えば、レンズ装着時の時刻情報を記憶部1008に保持し、その時刻情報を参照する。そして、レンズ装着時から一定時間は雲台へのパン、チルト停止コマンドの送信を停止しないようにしてもよい。こうすることで、レンズ装着直後に雲台がパン、チルト動作してしまうことを防止できる。
【0083】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上記実施形態では、ネットワーク1300経由で受信したPT制御コマンドに対して種々の処理を行ったが、赤外リモコンといった別の通信方法によってPT制御コマンドを受信した場合も同様の処理をおこなってよい。また、上述した各実施形態は、適宜組み合わせて用いることもできる。
【0084】
また、本発明における制御の一部または全部を上述した実施形態の機能を実現するプログラム(ソフトウェア)をネットワーク又は各種記憶媒体を介して撮像装置(ネットワークカメラ)や情報処理装置(クライアント装置)に供給するようにしてもよい。そして、その撮像装置や情報処理装置におけるコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。その場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することとなる。
【符号の説明】
【0085】
1000 ネットワークカメラ
1003 システム制御部
1100 交換式レンズ
1200 クライアント装置
1300 ネットワーク
1400 雲台
図1
図2
図3
図4
図5