(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】トレンチ形成されたキュービットのための電気リード線
(51)【国際特許分類】
H10N 60/12 20230101AFI20240112BHJP
H10N 60/01 20230101ALI20240112BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20240112BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H10N60/12 A
H10N60/01 J
H01L27/04 A
H01L27/04 F
H01L27/04 U
H01L27/04 Z
(21)【出願番号】P 2021513937
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2019082186
(87)【国際公開番号】W WO2020109153
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-04-18
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(72)【発明者】
【氏名】ヴィヴェーカーナンダ、アディガ
(72)【発明者】
【氏名】サンドバーグ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、ジェリー
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0093790(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H10N 60/01
H10N 60/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路を製造する方法であって、
誘電材料および前記誘電材料に隣接した導電材料の一部をエッチングして、トレンチを形成することと、及び、
材料の第1の部分を第1の方向に沿って第1の蒸着をさせ、かつ前記材料の第2の部分を第2の方向に沿って第2の蒸着をさせることにより、前記回路のジョセフソン接合コンポーネントと、回路コンポーネントを前記ジョセフソン接合コンポーネントに接続する複数の電気リード線とを形成することと
を含み、
前記第1の部分の前記第1の蒸着と前記第2の部分の前記第2の蒸着との間に酸化が実行され、前記第1の方向が前記第2の方向とは異なり、
前記トレンチが、第1の極および第2の極を含む電気双極子の極を画定および分離し、前記第1の極が前記第1の極の端部に第1のナッブ・コンポーネントを含み、前記第2の極が前記第2の極の端部に第2のナッブ・コンポーネントを含み、前記第1のナッブ・コンポーネントは、該第1のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びる延長部を含む第1の補償ナッブ・コンポーネントであり、前記第2のナッブ・コンポーネントは、該第2のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びる延長部を含む第2の補償ナッブ・コンポーネントであり、前記第1の
ナッブ・コンポーネントが前記複数の電気リード線のうちの第1の電気リード線を介して前記ジョセフソン接合コンポーネントに接続されており、前記第2の
ナッブ・コンポーネントが前記複数の電気リード線のうちの第2の電気リード線を介して前記ジョセフソン接合コンポーネントに接続されており、
前記第1の方向が前記第1の極から前記第2の極へ向かう方向であり、前記第2の方向が前記第2の極から前記第1の極へ向かう方向であ
り、
前記第1の方向における前記材料の前記第1の部分の前記第1の蒸着が、前記第1のナッブ・コンポーネント及び前記第2のナッブ・コンポーネントのある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
前記第2の方向における前記材料の前記第2の部分の前記第2の蒸着が、前記第2のナッブ・コンポーネント及び前記第1のナッブ・コンポーネントのある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
前記方法。
【請求項2】
前記ジョセフソン接合コンポーネントと前記電気リード線とを形成することが、前記第1の蒸着及び前記第2の蒸着を含む蒸着手法を使用する単一の製作動作において実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トレンチを形成することが、単一のリソグラフィ動作によって行われる、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記回路コンポーネントが、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、および共振器からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記導電材料上に前記回路コンポーネントが
単一のリソグラフィ動作によって作製される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のナッブ・コンポーネントが前記第1のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びる複数の延長部を含
み、前記複数の延長部が、互いに向かい合うように、または前記第1の極のブリッジ部に対して互いに向かい合うように配置されて、1つまたは複数の凹部領域を形成する、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の極に対する規定の第1の角度における第1の浅い角度の蒸着により、前記材料の第3の部分を第3の方向に沿って蒸着させることと、ここで、前記第1の浅い角度が45度以下である、
前記第2の極に対する規定の第2の角度における第2の浅い角度の蒸着により、前記材料の第4の部分を第4の方向に沿って蒸着させることと、ここで、前記第1の浅い角度が45度以下である、
をさらに含み、
前記第3の方向における前記材料の前記第3の部分
の第3の蒸着が、前記第1のナッブ・コンポーネント若しくは前記第2のナッブ・コンポーネント又はその両方の、キュービットのある回路コンポーネントを位置させるある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
前記第4の方向における前記材料の前記第4の部分
の第4の蒸着が、前記第1のナッブ・コンポーネント若しくは前記第2のナッブ・コンポーネント又はその両方の、キュービットのある回路コンポーネント及び接合コンポーネントを位置させるある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記トレンチの前記形成に基づいて、前記第1の極、前記第2の極、第3の極、および第4の極
が形成
され、前記第3の極が前記第3の極の端部に第3のナッブ・コンポーネントを含み、前記第4の極が前記第4の極の端部に第4のナッブ・コンポーネントを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記材料の第3の部分
が第3の方向に沿って蒸着
され、
前記材料の第4の部分
が第4の方向に沿って蒸着
される、
請求項
1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
製作動作中、前記ジョセフソン接合コンポーネントに接続する前記電気リード線が、前記ジョセフソン接合コンポーネントの形成と共に形成される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記トレンチが、前記誘電材料内に50ナノメートル~500ナノメートルの深さを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記導電材料が超伝導材料である、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記回路が量子コンピューティング回路である、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記トレンチの前記形成が、前記ジョセフソン接合コンポーネントの前記材料と前記誘電材料とのインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷の量の低減を可能にする、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ・プログラムであって、
請求項1ないし14のいずれか一項に記載の方法のステップをプロセッサに実行させる、前記コンピュータ・プログラム。
【請求項16】
システムであって、
請求項1ないし14のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させるコンピュータ・プログラムを記憶するメモリと、
前記メモリに動作可能に結合され、前記コンピュータ・プログラムを実行するプロセッサと
を備えている、前記システム。
【請求項17】
量子コンピューティング回路を製造する方法であって、
誘電材料および前記誘電材料に隣接した超伝導材料の一部をエッチングして、トレンチを形成することと、及び、
材料の第1の部分を第1の方向に沿って第1の蒸着をさせ、かつ前記材料の第2の部分を第2の方向に沿って第2の蒸着をさせることにより、量子コンピューティング回路のジョセフソン接合コンポーネントと
、回路コンポーネントを前記ジョセフソン接合コンポーネントに接続する複数の電気リード線とを形成することと
を含み、
前記材料の前記第1の部分の前記第1の蒸着と前記材料の前記第2の部分の前記第2の蒸着との間に酸化が実行され、前記第1の方向が前記第2の方向とは異なり、
前記トレンチが、第1の極および第2の極を含む電気双極子の極を画定および分離し、前記第1の極が前記第1の極の端部に第1のナッブ・コンポーネントを含み、前記第2の極が前記第2の極の端部に第2のナッブ・コンポーネントを含み、前記第1のナッブ・コンポーネントは、該第1のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びる延長部を含む第1の補償ナッブ・コンポーネントであり、前記第2のナッブ・コンポーネントは、該第2のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びる延長部を含む第2の補償ナッブ・コンポーネントであり、前記第1の
ナッブ・コンポーネントが前記複数の電気リード線のうちの第1の電気リード線を介して前記ジョセフソン接合コンポーネントに接続されており、前記第2の
ナッブ・コンポーネントが前記複数の電気リード線のうちの第2の電気リード線を介して前記ジョセフソン接合コンポーネントに接続されており、
前記第1の方向が前記第1の極から前記第2の極へ向かう方向であり、前記第2の方向が前記第2の極から前記第1の極へ向かう方向であ
り、
前記第1の方向における前記材料の前記第1の部分の前記第1の蒸着が、前記第1のナッブ・コンポーネント及び前記第2のナッブ・コンポーネントのある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
前記第2の方向における前記材料の前記第2の部分の前記第2の蒸着が、前記第2のナッブ・コンポーネント及び前記第1のナッブ・コンポーネントのある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
前記方法。
【請求項18】
前記材料の第3の部分を第3の方向に沿って蒸着させ、前記材料の第4の部分を第4の方向に沿って蒸着させることと
前記第1の方向に沿った前記材料の前記第1の部分の前記第1の蒸着に応えて、前記酸化を実行させることと
前記材料の前記第2の部分を前記第2の方向に沿って前記第2の蒸着をさせることと
を更に含み、
前記第3の方向における前記材料の前記第3の部分
の第3の蒸着が、前記第1のナッブ・コンポーネント若しくは前記第2のナッブ・コンポーネント又はその両方の、キュービットのある回路コンポーネントを位置させるある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
前記第4の方向における前記材料の前記第4の部分
の第4の蒸着が、前記第1のナッブ・コンポーネント若しくは前記第2のナッブ・コンポーネント又はその両方の、キュービットのある回路コンポーネント及び接合コンポーネントを位置させるある領域上に、又はそれに近接して、該材料を蒸着又は付着させる、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
コンピュータ・プログラムであって、
請求項17または18のいずれか一項に記載の方法のステップをプロセッサに実行させる、前記コンピュータ・プログラム。
【請求項20】
量子コンピューティング回路であって、
請求項17または18のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させるコンピュータ・プログラムを記憶するメモリと、
前記メモリに動作可能に結合され、前記コンピュータ・プログラムを実行するプロセッサと
を備えている、前記量子コンピューティング回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子回路、例えば、量子回路設計に関する。量子コンピューティングは、情報を符号化および処理するために、トランジスタに基づく2値デジタル技法ではなく、量子物理学を使用する。量子コンピューティング・デバイスは、量子ビット(キュービットとも称する)を使用し、量子ビットは、量子物理学の法則に従って動作し、重ね合わせおよびエンタングルメントなどの現象を示すことができる。量子物理学の重ね合わせの原理により、キュービットは、「1」の値と「0」の値との両方を部分的に同時に表す状態になることができる。量子物理学のエンタングルメントの原理により、キュービットは、キュービットの組合せ状態が個々のキュービットの状態に分解される(factored)ことがないようにして相互に関連することができる。例えば、第1のキュービットの状態が第2のキュービットの状態に依存することができる。このようにして、量子回路は、キュービットを使用して、トランジスタに基づく2値デジタル技法とは大きく異なり得る方式で、情報を符号化およびプロセスすることができる。
【背景技術】
【0002】
例えば、トランスモン・キュービットなどのキュービットは、従来、ジョセフソン接合により相互接続された2つのキャパシタ・パッドを備えることができる。キュービット(例えば、トランスモン・キュービット)および量子回路の形成(例えば、超伝導回路のための微細加工技法を使用する)に関し、量子回路の重要な態様は、高コヒーレンスまたは高Q値キュービットであり得る。量子回路の高コヒーレンスおよび高Q値キュービットを実現するために使用可能なプロセスは、深いトレンチの作製(例えば、誘電体基板材料のエッチングまたは除去あるいはその両方による)を伴うことがある。非常に等方的なエッチングまたはある異方性により、下にある基板の結晶面をなぞるトレンチが作製されると、超伝導材料のオーバハングが生じ得る。超伝導材料のオーバハングは、トレンチ形成領域に形成され得る、キャパシタ・パッドとジョセフソン接合との電気接続を形成しようとするときに、キュービット(例えば、トランスモン・キュービット)の問題を引き起こすことがある。接続が妨げられるおそれがある理由は、ジョセフソン接合の蒸着金属を妨げ得るオーバハングがトレンチ側壁まで上ってキャパシタ・パッドに接続することによる自己遮蔽である。
【発明の概要】
【0003】
以下に、本発明の実施形態の基本的な理解をもたらす概要を提示する。この概要は、重要な要素もしくは不可欠な要素を識別することも、特定の実施形態のいかなる範囲もしくは特許請求の範囲のいかなる範囲を線引きすることも意図してない。この概要の唯一の目的は、後段で提示されるより詳細な説明の前置きとして概念を簡略化された形態で提示することである。本明細書に記載の発明の1つまたは複数の実施形態において、キュービットの極に関連する回路コンポーネントの効率的な形成、接合コンポーネントの形成、ならびに回路コンポーネントと接合コンポーネントとの間のリード線(例えば、電気リード線)の形成および接続を容易にすることのできる、システム、デバイス、構造、コンピュータ実装方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組合せについて説明する。
【0004】
本発明の実施形態によれば、システムは、コンピュータ実行可能コンポーネントを記憶するメモリと、メモリに動作可能に結合され、コンピュータ実行可能コンポーネントを実行するプロセッサとを備える。コンピュータ実行可能コンポーネントは、トレンチを誘電材料に形成して、回路の回路コンポーネントの作製を可能にするエッチング・コンポーネントを含むことができる。コンピュータ実行可能コンポーネントはまた、第1の方向に沿った材料の第1の部分の第1の蒸着および第2の方向に沿った材料の第2の部分の第2の蒸着に基づいて、回路の接合コンポーネントと、回路コンポーネントを接合コンポーネントに接続する導電リード線とを形成する蒸着コンポーネントを含むことができ、第1の蒸着と第2の蒸着との間に酸化が実行され、第1の方向は第2の方向とは異なる。システムは、より効率的に、回路コンポーネント、接合コンポーネント、および導電リード線を形成することができ、かつ導電リード線を回路コンポーネントから回路の接合コンポーネントに接続することができることを含む、いくつかの利点を有することができる。
【0005】
本発明の一部の実施形態において、第1のナッブ・コンポーネントは、第1のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びる延長部を含む補償ナッブ・コンポーネントであってよく、延長部は、互いに対して、または第1の極のブリッジ部に対して配置されて、1つまたは複数の凹部領域を形成することにより、第1のナッブ・コンポーネント上もしくは第1のナッブ・コンポーネントに近接した第1の材料の第1の蒸着または第2の材料の第2の蒸着に基づいて、導電リード線の形成、および回路コンポーネントと接合コンポーネントとの間の導電リード線の接続を容易にすることができる。蒸着コンポーネントは、材料を4方向に沿って蒸着させることにより、接合コンポーネントと、回路コンポーネントを接合コンポーネントに接続する導電リード線とを形成することができ、材料の第3の部分の第3の蒸着は、4方向のうちの第3の方向に沿って実行され、材料の第4の部分の第4の蒸着は、4方向のうちの第4の方向に沿って実行され、第3の蒸着と第4の蒸着とは、第1の極および第2の極に対して規定の角度で実行される浅い角度の蒸着である。このようなシステムの実施形態は、システムが、アルミニウム/誘電材料のインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷を低減させることができること、または接合コンポーネントとの望ましい(例えば、適切な)接続性を維持しながら、誘電材料のより深いトレンチ形成を可能にすることができること、または極のナッブ・コンポーネントに形成された回路コンポーネントに近接して、導電材料に対して下にある誘電材料のアンダカットの量を減少させて、回路コンポーネントから接合コンポーネントへの導電リード線の望ましい接続性を可能にすることができること、あるいはその組合せを含むいくつかの利点を提供することができる。
【0006】
本発明の別の実施形態は、プロセッサに動作可能に結合されたシステムによって、トレンチを誘電材料に形成して、回路の回路コンポーネントの作製を可能にすることを含む、コンピュータ実装方法に関する。方法はまた、システムによって、材料の第1の部分を第1の方向に沿って蒸着させ、かつ材料の第2の部分を第2の方向に沿って蒸着させることにより、回路の接合コンポーネントと、回路コンポーネントを接合コンポーネントに接続する電気リード線とを形成することを含み、第1の部分の蒸着と第2の部分の蒸着との間に酸化が実行され、第1の方向は第2の方向とは異なる。方法は、方法が、より効率的に、回路コンポーネント、接合コンポーネント、および電気リード線を形成することができ、かつ電気リード線を回路コンポーネントから回路の接合コンポーネントに接続することができることを含む、いくつかの利点を有することができる。
【0007】
方法はまた、システムによって、第1のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びることのできる延長部を含む第1のナッブ・コンポーネントを形成することを含むことができ、延長部は、互いに対して、または第1の極のブリッジ部に対して配置されて、1つまたは複数の凹部領域を形成することにより、回路コンポーネントのうちの1つの回路コンポーネント上もしくは1つの回路コンポーネントに近接した第1の材料の第1の蒸着または第2の材料の第2の蒸着を容易にすることができる。本発明の他の実施形態において、方法は、システムによって、第1の極に対する規定の第1の角度における第1の浅い角度の蒸着により、材料の第3の部分を第3の方向に沿って蒸着させることと、システムによって、第2の極に対する規定の第2の角度における第2の浅い角度の蒸着により、材料の第4の部分を第4の方向に沿って蒸着させることとを含むことができる。そのような方法の実施形態は、方法が、アルミニウム/誘電材料のインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷を低減させることができること、または接合コンポーネントとの望ましい(例えば、適切な)接続性を維持しながら、誘電材料のより深いトレンチ形成を可能にすることができること、または極のナッブ・コンポーネントに形成された回路コンポーネントに近接して、導電材料に対して下にある誘電材料のアンダカットの量を減少させて、回路コンポーネントから接合コンポーネントへの電気リード線の望ましい接続性を可能にすることができること、あるいはその組合せを含むいくつかの利点を提供することができる。
【0008】
本発明のさらなる実施形態は、プログラム命令を具現化させたコンピュータ可読記憶媒体を備える、量子コンピューティング回路の形成を容易にするコンピュータ・プログラム製品に関する。プログラム命令は、プロセッサに、トレンチを誘電材料に形成させて、量子コンピューティング回路の回路コンポーネントの作製を可能にするように、プロセッサによって実行可能である。プログラム命令はまた、材料の第1の部分を第1の方向に沿って蒸着させ、かつ材料の第2の部分を第2の方向に沿って蒸着させることにより、回路の接合コンポーネントと、回路コンポーネントを接合コンポーネントに接続する導電リード線とを作製するように、プロセッサによって実行可能であり、第1の部分の蒸着と第2の部分の蒸着との間に酸化が実行され、第1の方向は第2の方向とは異なる。コンピュータ・プログラム製品は、コンピュータ・プログラム製品が、より効率的に、回路コンポーネント、接合コンポーネント、および導電リード線を形成することができ、かつ導電リード線を回路コンポーネントから回路の接合コンポーネントに接続することができることを含む、いくつかの利点を有することができる。
【0009】
本発明の一部の実施形態において、プログラム命令は、プロセッサに、材料の第3の部分を第3の方向に沿って蒸着させ、材料の第4の部分を第4の方向に沿って蒸着させ、第1の方向に沿った材料の第1の部分の蒸着に応えて、酸化を実行させ、材料の第2の部分を第2の方向に沿って蒸着させるように、プロセッサによって実行可能であってよい。このようなコンピュータ・プログラム製品の実施形態は、コンピュータ・プログラム製品が、アルミニウム/誘電材料のインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷を低減させることができること、または接合コンポーネントとの望ましい(例えば、適切な)接続性を維持しながら、誘電材料のより深いトレンチ形成を可能にすることができること、あるいはその両方を含むいくつかの利点を提供することができる。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態によれば、デバイスは、誘電材料に形成されたトレンチを備え、トレンチは、第1の極および第2の極を含む電気双極子の極を画定および分離し、第1の極は、第1のナッブ・コンポーネントに関連する第1のキャパシタ・パッドを含み、第2の極は、第2のナッブ・コンポーネントに関連する第2のキャパシタ・パッドを含む。デバイスはまた、第1の方向に沿った材料の第1の部分の第1の蒸着および第2の方向に沿った材料の第2の部分の第2の蒸着に基づいて形成された、接合コンポーネントと電気リード線とを備え、第1の蒸着と第2の蒸着との間に酸化が実行され、第1の方向は第2の方向とは異なり、電気リード線は、接合コンポーネントを第1のキャパシタ・パッドおよび第2のキャパシタ・パッドに接続する。デバイスは、システムが、より効率的に、回路コンポーネント、接合コンポーネント、および電気リード線を形成することができ、かつ電気リード線を回路コンポーネントから回路の接合コンポーネントに接続することができることを含む、いくつかの利点を有することができる。
【0011】
第1のナッブ・コンポーネントは、第1のナッブ・コンポーネントのナッブ・ベース部から離れて延びる延長部を含むことができ、延長部は、互いに対して、または第1の極のブリッジ部に対して配置されて、1つまたは複数の凹部領域を形成することにより、第1のナッブ・コンポーネント上もしくは第1のナッブ・コンポーネントに近接した第1の材料の第1の蒸着または第2の材料の第2の蒸着に基づいて、電気リード線のうちの1本の電気リード線の形成、および接合コンポーネントと第1のキャパシタ・パッドとの間の電気リード線の接続を容易にすることができる。このようなデバイスの実施形態は、デバイスが、アルミニウム/誘電材料のインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷を低減させることができること、または接合コンポーネントとの望ましい(例えば、適切な)接続性を維持しながら、誘電材料のより深いトレンチ形成を可能にすることができること、または極のナッブ・コンポーネントに形成された回路コンポーネントに近接して、導電材料に対して下にある誘電材料のアンダカットの量を減少させて、回路コンポーネントから接合コンポーネントへの電気リード線の望ましい接続性を可能にすることができること、あるいはその組合せを含むいくつかの利点を提供することができる。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態は、プログラム命令を具現化させたコンピュータ可読記憶媒体を備える、量子コンピューティング回路の作製を容易にするコンピュータ・プログラム製品に関する。プログラム命令は、プロセッサに、超伝導材料と超伝導材料に関連する誘電材料とをエッチングさせて、チャネルを誘電材料に形成し、超伝導材料上に量子コンピューティング回路の回路コンポーネントを作製するように、プロセッサによって実行可能である。プログラム命令はまた、材料の第1の部分を第1の方向に沿って蒸着させ、かつ材料の第2の部分を第2の方向に沿って蒸着させることにより、回路の接合コンポーネントと、回路コンポーネントを接合コンポーネントに接続する電気リード線とを形成するように、プロセッサによって実行可能であり、材料の第1の部分の蒸着と材料の第2の部分の蒸着との間に酸化が実行され、第1の方向は第2の方向とは異なる。コンピュータ・プログラム製品は、より効率的に、回路コンポーネント、接合コンポーネント、および電気リード線を形成することができ、かつ電気リード線を回路コンポーネントから回路の接合コンポーネントに接続することができることを含む、いくつかの利点を有することができる。
【0013】
プログラム命令は、プロセッサに、材料の第3の部分を第3の方向に沿って蒸着させ、材料の第4の部分を第4の方向に沿って蒸着させ、第1の方向に沿った材料の第1の部分の蒸着に応えて、酸化を実行させ、材料の第2の部分を第2の方向に沿って蒸着させるように、プロセッサによって実行可能であってよい。
【0014】
このような本発明の実施形態は、コンピュータ・プログラム製品が、アルミニウム/誘電材料のインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷を低減させることができること、または接合コンポーネントとの望ましい(例えば、適切な)接続性を維持しながら、誘電材料のより深いトレンチ形成を可能にすることができること、あるいはその両方を含むいくつかの利点を提供することができる。
【0015】
これらおよびその他の特徴は、本発明の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を添付図面と共に読めば明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態による、量子回路のキュービットのための電気リード線および接合コンポーネントを効率的に形成するために使用可能なシステムのブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態による、通常ナッブ・コンポーネントを含む極を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態による、補償ナッブ・コンポーネントを含み得る極を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態による、極が補償ナッブ・コンポーネントを有し、接合コンポーネントと、通常ナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントと接合コンポーネントとを接続するための電気リード線とを形成することができる、キュービットの双極子を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態による、極が補償ナッブ・コンポーネントを有し、接合コンポーネントと、通常ナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントと接合コンポーネントとを接続するための電気リード線とを形成することができる、キュービットの双極子を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態による、極が通常ナッブ・コンポーネントを有し、浅い角度の蒸着と他の蒸着技法とを使用して、接合コンポーネントと、通常ナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントと接合コンポーネントとを接続するための電気リード線との形成を容易にすることができる、キュービットの双極子を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態による、極が通常ナッブ・コンポーネントを有し、浅い角度の蒸着と他の蒸着技法とを使用して、接合コンポーネントと、通常ナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントと接合コンポーネントとを接続するための電気リード線との形成を容易にすることができる、キュービットの別の双極子を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態による、接合コンポーネントと、通常ナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントと接合コンポーネントとを接続するための電気リード線とを形成することができる、キュービットの四極子を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態による、双極子キュービットのリード線および接合形成を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態による、双極子キュービットのリード線および接合形成の側断面図である。
【
図11】本発明の実施形態による、四極子キュービットのリード線および接合形成を示す図である。
【
図12】本発明の実施形態による、量子回路のキュービットのための電気リード線および接合コンポーネントを効率的に形成するために使用可能なシステムのブロック図である。
【
図13】本発明の実施形態による、量子回路のキュービットの、接合コンポーネントと、接合コンポーネントを回路コンポーネントに接続する電気リード線とを形成する方法のフロー図である。
【
図14】本発明の実施形態による、通常ナッブの実装に関する、双極子キュービットに関連する電気リード線および接合コンポーネントを製作する方法のフロー図である。
【
図15】本発明の実施形態による、補償ナッブの実装に関する、双極子キュービットに関連する電気リード線および接合コンポーネントを製作する方法のフロー図である。
【
図16】本発明の実施形態による、補償ナッブの実装に関する、四極子キュービットに関連する電気リード線および接合コンポーネントを製作する方法のフロー図である。
【
図17】本明細書に記載の本発明の実施形態を容易にすることができる動作環境のブロック図である。
【
図18】導電材料が付加された基板のトレンチ形成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の実施形態、またはその応用もしくは使用、あるいはその両方を限定することを意図するものではない。さらに、上記の「背景技術」または「発明の概要」の欄、または「発明を実施するための形態」の欄に提示される、いずれかの明示または暗示される情報によって束縛されることを意図するものではない。
【0018】
以下で、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。全体を通じて、同一の参照符号を使用して同一の要素を指す。以下の説明において、説明の目的で、本発明の実施形態についてのより完全な理解をもたらすために多数の具体的詳細が示される。しかしながら、様々なケースにおいて、本発明の実施形態は、これらの具体的詳細がなくても実践され得ることは明らかである。
【0019】
量子コンピューティングは、情報を符号化および処理するために、トランジスタに基づく2値デジタル技法ではなく、量子物理学を使用する。本明細書で説明したように、量子コンピューティング・デバイスは、量子ビット(キュービットとも称する)を使用し、量子ビットは、量子物理学の法則に従って動作し、重ね合わせおよびエンタングルメントなどの現象を示すことができる。量子コンピューティング回路は、キュービットを生成する際に超伝導材料を使用することができる。超伝導量子コンピューティング回路動作は、共振カプラ(例えば、「バス」)の接続性または容量カプラの接続性を利用して、量子回路設計内に固定可能な量子ビットを直接結合することができる。
【0020】
量子プロセッサは、微細加工された超伝導回路に対して、光子移動からイオン捕捉に至るいくつかの異なる物理システムを使用して実装することができる。超伝導回路のための微細加工技法を使用する量子回路の形成は、開示された主題に関して考慮すべき重要な点であり得る。
【0021】
超伝導回路を使用して、いくつかの種類の超伝導量子ビット(例えば、チャージ・キュービット、フラックス・キュービット、フェーズ・キュービットなど)を製作することができる。本開示は、主にトランスモン・キュービットについて記述する。しかしながら、本発明は任意の種類の超伝導キュービット・アーキテクチャに適用可能であることを認識および理解されたい。トランスモン・キュービットは、従来、ジョセフソン接合により相互接続可能な2つのキャパシタ・パッドを備えるが、本明細書でより十分に説明するように、トランスモン・キュービットを、多極幾何形状の複数のパッド(例えば、3つ以上のパッド)を有するように拡張してもよい。
【0022】
キュービットおよび量子回路の形成に関し、量子回路の重要な態様は、高コヒーレンスまたは高Q値キュービットであり得る。コヒーレンス時間は、キュービットが、外部環境による影響を受ける前に、エンタングル状態を含むその量子状態にとどまることのできる時間を特徴付けることができる。量子回路の高コヒーレンスまたは高Q値キュービットを実現しようとするために使用可能なあるプロセスは、深いトレンチの作製(例えば、誘電体基板材料のエッチングまたは除去による)を伴うことがある。トレンチを作製するためのこのようなエッチングのうちのいくつかは、下にある基板の結晶面をなぞることがある。例えば、非常に等方的なエッチングまたはある異方性により、下にある基板の結晶面をなぞるトレンチが作製されると、超伝導材料のオーバハングが生じ得る。
【0023】
図18を簡単に参照すると、導電材料(例えば、超伝導材料)が付加された基板のトレンチ形成1800の一例が示される。これは、誘電材料をエッチングまたは他の方法で除去してトレンチを作製することによって生じ得る、オーバハングの問題を示すことができる。トレンチ形成1800の例において、誘電体基板1802およびそれに付加された(例えば、付着された)導電材料1804のエッチングを実行して、導電材料1804の一部および誘電体基板1802の一部を除去することにより、トレンチ1806を誘電体基板1802に形成することができる。1808および1810で示すように、トレンチ1806を形成するときに、エッチングにより、誘電材料1802に対して導電材料1804の露出した角部をアンダカットすることがあり、これにより、トレンチ形成プロセスの実行後に、導電材料1804の一部が、残りの誘電材料1802を越えてトレンチ1806上に延び得るオーバハングを形成することがある。導電材料1804のアンダカットの一部は、他の面よりも比較的高速にエッチングされ得る、望ましくない露出した垂直面に部分的に起因し得る。また、露出した角部は、通常、露出した、より高速なエッチング面に部分的に起因して、他の領域よりも比較的高速にアンダカットされ得る。そのような導電材料1804の露出した角部のアンダカットまたはオーバハングあるいはその両方によって、導電材料1804に接触すること(例えば、回路コンポーネントとジョセフソン接合との接続を形成可能な電気リード線を形成すること)が困難になる可能性があるため、望ましくない。トレンチ1806の形成中のエッチングは、導電材料1804の露出した角部をアンダカットすることがあるが、通常、導電材料1804の閉じ込められた角部をアンダカットしない、または少なくとも大きくはアンダカットしないことに留意されたい。
【0024】
超伝導材料のオーバハングは、トレンチ形成領域に形成され得る、キャパシタ・パッドとジョセフソン接合との電気接続を形成しようとするときに、トランスモン・キュービットの問題を引き起こすことがある。キャパシタ・パッドとジョセフソン接合との接続が妨げられる、または少なくとも他の方法で悪影響を受けるおそれがある理由は、ジョセフソン接合の蒸着金属を妨げ得る超伝導材料のオーバハングがトレンチ側壁までずっと上ってキャパシタ・パッドに接続することによる自己遮蔽であり得る。従来のトランスモン幾何形状において、ナッブまたはコンタクト・ナッブと称することのできる、キャパシタ・パッドから突出する小さい接触域を使用して、キャパシタ・パッドへのジョセフソン接合の接続を容易にすることができる。通常、2角度蒸着を使用してジョセフソン接合を形成することができるので、ナッブの目的は、2方向からのステップ・カバレッジを可能にすることであり得る。しかしながら、トレンチを形成するため、極に回路コンポーネントを形成するため、ジョセフソン接合を形成するため、または回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド)とジョセフソン接合との接続を形成するため、あるいはその組合せのための従来の技法を使用してキュービットを生成することは不十分であり得る。
【0025】
ジョセフソン接合を製作するための1つの従来の技法は、互いに反対であり得る2つの異なる方向において、キュービットの極に材料を蒸着させることを伴うことができるドラン(Dolan)法であってよい。第1の方向における材料の蒸着と第2の方向における材料の蒸着との間に酸化を実行することができ、酸化はジョセフソン接合の形成を容易にすることができる。
【0026】
ジョセフソン接合を製作するための別の従来の技法は、互いに垂直であり得る2つの異なる方向において、キュービットの極に材料を蒸着させることを伴うことができるマンハッタン(Manhattan)法であってよい。第1の方向における材料の蒸着と第2の方向における材料の蒸着との間に酸化を実行して、ジョセフソン接合の形成を容易にすることができる。
【0027】
しかしながら、量子回路の高コヒーレンスまたは高Q値キュービットを実現しようとするために、深いトレンチを作製するとき、ドラン法およびマンハッタン法はそれぞれ、例えば、ジョセフソン接合を伴う量子回路の部分(例えば、キャパシタ・パッド)への接続が妨げられるおそれがある、または少なくとも望ましくない悪影響を受けるおそれがあるので、不十分であり得る。キュービットおよび量子回路の形成(例えば、量子回路の部分への接続)のための従来の技法のこれらおよびその他の欠陥により、非効率的なもしくは非効果的なまたはその両方のキュービットおよび量子回路、またはキュービットおよび量子回路の非効率的な性能、あるいはその両方が生じ得る。
【0028】
したがって、トレンチ、電気リード線、キュービット、および量子回路(例えば、量子コンピューティング回路)を形成し、電気リード線をジョセフソン接合に接続するための従来の技法は、不十分であり得、電気リード線の作製およびキュービットのジョセフソン接合とのリード線の適切な接続性を可能にしながら、適切な高コヒーレンスまたは高Q値キュービットを実現するためにキュービットの基板に十分に深いトレンチを効率的または効果的に形成することが困難であるため望ましくないこと、基板にトレンチを形成した後に、上にある導電材料に対して基板のアンダカットの量が望ましくないことを含む、前述したようないくつかの問題があり得る。
【0029】
本発明は、接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)との望ましい(例えば、適切な)接続性を維持しながら、望ましくはより深いトレンチをキュービットに形成すること、キュービットの極に補償ナッブ・コンポーネントを形成して、上にある導電材料に対して基板(例えば、誘電材料)のアンダカットの量を減少させることにより、そのようなより深いトレンチを望ましくは形成可能にすること、または2方向もしくは4方向において蒸着を実行すること(4方向の場合、例えば、4方向のうちの2方向において浅い蒸着技法を使用し、他の2方向において他の蒸着技法を使用して、アルミニウムなどの所望の材料の蒸着を実行すること)の形の、トレンチ、電気リード線、キュービット、および量子回路の形成、ならびにジョセフソン接合への電気リード線の接続に関して、これらおよびその他の従来の技法より優れたいくつかの利点を有することができ、これらおよびその他の従来の技法に関するこれらの問題または他の問題あるいはその両方のすべてまたは少なくとも一部に対する解決策を生み出すように実装することができる。これらおよびその他の特徴により、本発明は、キュービットのコヒーレンスまたはQ値を望ましくは高レベルに高める(例えば、向上させる、増加させる)ことができ、より効率的にキュービット(例えば、トレンチ、回路コンポーネント、電気リード線、ジョセフソン接合、…)を生成することができ、キュービットの接合コンポーネントとの望ましい(例えば、適切な)接続性を維持しながら、アルミニウム/基板(例えば、誘電材料)のインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷を低減させる、もしくは誘電材料のより深いトレンチ形成(例えば、50ナノメートル(nm)~500nm、もしくは500nm超)を可能にすることができ、またはその両方を行うことができ、極のナッブ・コンポーネントに形成された回路コンポーネントに近接して、上にある導電材料に対して下にある誘電材料のアンダカットの量を減少させることにより、回路コンポーネントから接合コンポーネントへの電気リード線の望ましい接続性を可能にすることができ、または、多極キュービットに関して、同じ極性のパッド(例えば、回路コンポーネントパッド)間に低損失の超伝導接触を望ましくは生じさせることができる、あるいはその組合せを行うことができる。
【0030】
そのために、本発明の様々な実施形態は、量子回路のコンポーネント間の接続を含む、量子回路を形成するための技法に関する。導電材料(例えば、超伝導材料)を、誘電体基板に付加する、または付着させることができる。誘電材料の一部および誘電材料の上に重なる導電材料の一部を除去することによって、トレンチを誘電材料に形成して、量子回路の回路コンポーネント(例えば、キャパシタ、ジョセフソン接合)の作製を可能にすることができる。トレンチは、通常ナッブまたは補償ナッブを形成または画定することができ、このようなナッブを使用して、ナッブ(例えば、通常ナッブまたは補償ナッブ)上の導電材料により、電気リード線(例えば、キャパシタ・パッドとジョセフソン接合との間の電気リード線)の作製を容易にすることができる。トレンチにより形成または画定されるナッブは、共振器(例えば、バスまたは表示器(readout))、カップリング・パッド、もしくはキャパシタ・パッド、またはその組合せであってよく、これらを含んでよく、これらに関連付けられてよく、あるいはこれらを形成または画定してもよい。補償ナッブは、本明細書でより十分に説明するように、蒸着中に材料の付着を容易にして電気リード線を形成することのできる、1つまたは複数の凹部領域を含むことができる。本発明の他の実施形態において、トレンチによって形成または画定されたナッブは、そのような凹部領域を含まない通常ナッブであってよい。
【0031】
単一のリソグラフィ動作において、トレンチを形成することができ、共振器、カップリング・パッド、またはキャパシタ・パッド、あるいはその組合せを形成または画定することができる。例えば、リソグラフィにより画定される機構(例えば、トレンチ、共振器、カップリング・パッド、またはキャパシタ・パッド、あるいはその組合せ)は、導電材料が上に位置する誘電体基板から導電材料の一部をエッチングまたはリフト・オフすることによって、形成することができる。リソグラフィにより画定される機構は、例えば50nm~500nm以上の深さを有する望ましくは深いトレンチを誘電材料に形成することができるように、エッチングまたはリフト・オフすることができる。
【0032】
第2のリソグラフィ動作(例えば、電子ビームまたは光リソグラフィ動作)を実行して、ジョセフソン接合に接続するリード線を画定することができる。材料(例えば、アルミニウム)を2方向または4方向に沿って蒸着させ、2つまたは4つの蒸着動作のうちの2つの間に酸化割込を実行して、接合を形成することができる。補償ナッブの実装の場合、双極子キュービットに関して、材料を第1の方向および第2の方向に蒸着させ、第1の蒸着と第2の蒸着との間に酸化動作(例えば、酸化割込)を実行して、電気リード線(例えば、キャパシタ・リード線)に接触し、ジョセフソン接合を形成することができる。本発明の他の実施形態において、補償ナッブの実装の場合、高次極(例えば、四極子)キュービットに関し、材料を4方向に蒸着させ、第2の方向における材料の第2の蒸着と第3の方向における材料の第3の蒸着との間に酸化動作を実行して、電気リード線との接触およびジョセフソン接合の形成を容易にすることができる。
【0033】
通常ナッブの実装の場合、双極子キュービットに関し、材料を4方向に蒸着させることができる。第1の方向における材料の第1の蒸着および第2の方向における材料の第2の蒸着は、電気リード線(例えば、キャパシタの電気リード線)との接触を容易にすることのできる浅い角度の蒸着であってよい。材料の第3の蒸着を第3の方向において実行し、材料の第4の蒸着を第4の方向において実行し、第3の蒸着と第4の蒸着との間に酸化動作を実行して、電気リード線との接触およびジョセフソン接合の形成を容易にすることができる。通常ナッブの実装の場合、トレンチが形成されていない高次極(例えば、四極子)キュービットに関し、材料を4方向に蒸着させ、第2の蒸着と第3の蒸着との間に酸化動作を実行して、電気リード線との接触およびジョセフソン接合の形成を容易にすることができる。
【0034】
図1を参照すると、システム100を使用して、例えば、量子回路のキュービットの性能を向上させながら、シャドウ蒸着または浅い角度の蒸着を使用することによって、キュービットのための電気リード線および接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)を形成することができる。
【0035】
システム100は、キュービットを含む、量子回路のコンポーネントを形成することができ、キュービットは、望ましいキャパシタ接合接続設計を有することができる。望ましいキャパシタ接合接続設計により、トレンチ、電気リード線、および接合を形成するための従来の技法と比較して、アルミニウム/シリコンのインターフェースにおけるイオン・ビーム損傷を低減させることができ、望ましい(例えば、十分な、許容される、または適切な)接合接続性を維持しながら、シリコンのより深いトレンチ形成を可能にすることができる。システム100は、効率的な4角度の蒸着手法を実行して、様々な(例えば、複数の)蒸着手法を使用する単一の製作動作において、ジョセフソン接合を形成し、電気リード線(例えば、キャパシタのパッドの電気リード線)をジョセフソン接合に接触させる(例えば、接続する)ことができる。
【0036】
システム100は、導電コンポーネント104の導電材料および基板コンポーネント106の誘電材料などの材料を処理(例えば、エッチング)することのできるエッチング・コンポーネント102を備えることができる。導電コンポーネント104の導電材料を、基板コンポーネント106の誘電材料の上に付加する、または重ねることができる。導電コンポーネント104の導電材料は、所望の超伝導材料であってよい。誘電材料はシリコン(例えば、シリコン・ベースの材料)を含むことができる。一部の実施形態において、エッチング・コンポーネント102を使用して、導電コンポーネント104の導電材料の一部および基板コンポーネント106の誘電材料の一部などの材料の所望の部分をエッチングまたは他の方法で除去することにより、トレンチを誘電材料に形成する。このトレンチは、キュービットの極、極のナッブ・コンポーネント、またはキュービットの関連するキャパシタ・パッド、カップリング・パッド、もしくは共振器(例えば、バスもしくは表示器)、あるいはその組合せを画定または形成することができる。
【0037】
エッチング・コンポーネント102は、例えば、リソグラフィ技法もしくはプロセス、エッチング技法もしくはプロセス、または別の技法もしくはプロセス、あるいはその組合せなどの1つもしくは複数の所望の技法またはプロセスを使用して、導電コンポーネント104の導電層から導電材料の所望の部分を除去し、基板コンポーネント106から誘電材料の所望の部分を除去することができる。エッチング・コンポーネント102は、例えば、50nm~少なくとも500nm以上であり得る所望の深さを有するように、トレンチを誘電材料に形成することができ、かつ、システム100は、依然として、電気リード線(例えば、キャパシタ・パッドを接合コンポーネントに接続する電気リード線)の望ましい(例えば、十分な、許容できる、適切な)形成を提供し、キュービットの接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)の望ましい(例えば、十分な、許容できる、適切な)接続性を維持することができる。
【0038】
トレンチの形成により、キュービットの極、極のナッブ・コンポーネント、またはキュービットの回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、もしくは共振器、またはその組合せ)、あるいはその組合せを画定または形成することができ、回路コンポーネントは極のナッブ・コンポーネント上に位置することができる。本明細書でより十分に説明するように、キュービットに形成される極の数は、双極子キュービットを形成するように2つであってよい。本発明の他の実施形態において、本明細書でより十分に説明するように、キュービットに形成される極の数は、高次極キュービット(例えば、四極子キュービット)を形成するように2つ以上(例えば、4つ)であってよい。
【0039】
極のナッブ・コンポーネントに関し、エッチング・コンポーネント102は、導電材料の一部および誘電材料の一部をエッチングまたは除去して、通常ナッブ・コンポーネントまたは補償ナッブ・コンポーネントであり得るナッブ・コンポーネントを形成することができる。
図2を(
図1と共に)簡単に参照すると、例示的な極200が示される。エッチング・コンポーネント102は、導電コンポーネント104の導電材料の一部および基板コンポーネント106の誘電材料の一部をエッチングまたは除去して、通常ナッブ・コンポーネントであり得る、例示的な極200などの極のナッブ・コンポーネントを形成することができる。極200は、所望の大きさおよび形状(例えば、矩形)を有することのできる通常ナッブ・コンポーネント202を含むことができる。極200はブリッジ部204を有することができ、ブリッジ部204は、ブリッジ部204の一端部のベース部206からブリッジ部204の他端部の通常ナッブ・コンポーネント202へ延びることができる。ブリッジ部204は、所望の大きさおよび形状(例えば、矩形)を有することができ、例えば、ベース部206および通常ナッブ・コンポーネント202の幅よりも幅が小さくてよい。一部の実施形態において、ベース部206から通常ナッブ・コンポーネント202へ延びるブリッジ部204の長さは、ブリッジ部204の幅より大きくてよい。
【0040】
エッチング・コンポーネント102がトレンチ208を形成すると(トレンチ208は、キュービットの極200、通常ナッブ・コンポーネント202、および通常ナッブ・コンポーネント202上の、または通常ナッブ・コンポーネント202に関連する様々な回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、もしくは共振器)を形成および画定することもできる)、基板コンポーネント106の残りの誘電材料が、導電コンポーネント104の残りの導電材料をアンダカットすることがあり、またはこれに対応して、導電材料が、例えば、角部212、214、216、218のような通常ナッブ・コンポーネントの露出した角部に関して特に著しく、誘電材料の範囲(トレンチ形成後の誘電材料の例示的な範囲を示す点線210によって示される)を越えてオーバハングすることがある。
【0041】
図3を(
図1と共に)簡単に参照すると、例示的な極300が示される。エッチング・コンポーネント102は、導電コンポーネント104の導電材料の一部および基板コンポーネント106の誘電材料の一部をエッチングまたは除去してトレンチ302を形成することができ、トレンチ302は、補償ナッブ・コンポーネントであり得る、例示的な極300などの極のナッブ・コンポーネントを形成または画定することができる。例えば、極300は、所望の大きさおよび形状(例えば、矩形)を有することのできるナッブ・ベース部306を含み得る補償ナッブ・コンポーネント304を含むことができる。トレンチ302の形成により、ナッブ・ベース部306上に様々な回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、もしくは共振器)を形成または画定することもできる。
【0042】
極300はブリッジ部308を含むこともでき、ブリッジ部308は、ブリッジ部308の一端部のベース部310からブリッジ部308の他端部の補償ナッブ・コンポーネント304へ延びることができる。ブリッジ部308は、所望の大きさおよび形状(例えば、矩形)を有することができ、例えば、ベース部310および補償ナッブ・コンポーネント304の幅よりも幅が小さくてよい。ベース部310から補償ナッブ・コンポーネント304へ延びるブリッジ部308の長さは、ブリッジ部308の幅より大きくてよい。
【0043】
補償ナッブ・コンポーネント304は、例えば、延長部312、314、316、318を含む所望の数の延長部を含むことができ、これらの延長部は、ナッブ・ベース部306から所望の長さだけ延びることができ、互いに対して、または極300のブリッジ部308に対して配置されて、例えば、凹部領域320、322、324などの1つまたは複数の凹部(例えば、開)領域を形成することができる。この凹部領域により、本明細書でより十分に説明するように、誘電材料に対する導電材料のオーバハングの量、またはこれに対応して、上にある導電材料に対する誘電材料のアンダカットの量の低減を促進することができる。例えば、補償ナッブ・コンポーネント304は、延長部(例えば、312、314、316、318)をナッブ・ベース部306から延長させることによって、例えば、
図2の極200の通常ナッブ・コンポーネントと比較して、ナッブ・ベース部306に関し、導電材料(トレンチ形成後の誘電材料の例示的な範囲を示す点線326によって示される)に対する誘電材料のアンダカットの量、およびこれに対応して、下にある誘電材料の範囲に対する導電材料のオーバハングの量を大幅に低減させることができる。例えば、
図3に示す、ナッブ・ベース部306と接する凹部領域(例えば320、322、324)における導電材料(点線326で示される)に対する誘電材料のアンダカットの量は、
図2に示す、通常ナッブ・コンポーネント202の露出した角部(例えば、212、214、216、218)についての導電材料(点線210で示される)に対する誘電材料のアンダカットの量よりもはるかに少なくなり得ることが観察できる。むしろ、補償ナッブ・コンポーネント304に関し、延長部(例えば、312、314、316、318)は、延長部の露出した角部の導電材料に対して、誘電材料のアンダカットの量が比較的多くなり得る露出した角部(例えば、角部328)を有することができる。補償ナッブ・コンポーネント304の利点は、導電材料(点線326で示される)に対する誘電材料のアンダカットの量を減少させることによって、開示された主題(例えば、システム100)が、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)をナッブ・ベース部306上により効率的かつより効果的に蒸着または付着させて、接合コンポーネントの形成、およびキャパシタのパッドから接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続を容易にすることができることである。例えば、本明細書でより十分に説明するように、補償ナッブ・コンポーネント(例えば、304)に関し、下にある誘電材料に対して導電材料のオーバハングの量が比較的少ないため、蒸着プロセス中に、蒸着材料が伸張する、またはトレンチの側壁を上り、導電材料の比較的小さいオーバハングを乗り越えて、その周りに形成することにより、補償ナッブ・コンポーネント(例えば、304)の、または補償ナッブ・コンポーネントに関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)に接続して、トレンチの底部に形成された接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)を、補償ナッブ・コンポーネント(例えば、304)の、または補償ナッブ・コンポーネントに関連する回路コンポーネントに接続する電気リード線を形成することができる。
【0044】
システム100はまた、蒸着コンポーネント108を含むことができ、蒸着コンポーネント108は、1つまたは複数の所望の蒸着技法またはプロセスを使用して、所望の材料(例えば、アルミニウムもしくは他の所望の材料)をナッブ・コンポーネント(例えば、通常ナッブ・コンポーネントもしくは補償ナッブ・コンポーネント)上に2つ以上(例えば、4つの)所望の方向から蒸着または付着させることにより、接合コンポーネントの形成、および他の回路コンポーネント(例えば、キャパシタのパッド)から接合コンポーネントへの電気リード線の接続を容易にすることができる。
【0045】
システム100は、本明細書でより十分に説明するように、ナッブ・コンポーネント上への蒸着動作中の所望の時間に、酸化割込などの酸化動作またはプロセスを実行する(例えば、2つの異なる方向におけるナッブ・コンポーネント上への材料の2つの蒸着間に酸化動作を実行する)ことができる酸化コンポーネント110をさらに備えることができる。酸化動作またはプロセスにより、接合コンポーネントの接合の形成を容易にすることができる。例えば、酸化コンポーネント110は、酸化動作またはプロセスを実行して、酸素系または他の化学系の物質を、トレンチに付着された材料の所望の部分に付加して、材料のその部分の酸化および接合コンポーネントの接合の形成を容易にすることができる。
【0046】
エッチング・コンポーネント102、蒸着コンポーネント108、もしくは酸化コンポーネント110、またはその組合せにより実行されるそれぞれの動作は、半自動化または自動化することができ、あるいは、希望に応じて、いくつかの動作(例えば、あるエッチング動作、蒸着動作、もしくは酸化動作)またはその一部を手動で実行することができ、あるいはその両方が可能であることを認識および理解されたい。例えば、エッチング動作に関し、ユーザは、エッチング・コンポーネント102によるエッチング動作の態様を制御可能なあるエッチング関連パラメータを入力および特定することができ、半自動方式において、エッチング・コンポーネント102は、エッチング関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて(例えば、従って)、基板コンポーネント106の誘電材料、または誘電材料上の導電コンポーネント104の導電材料、あるいはその両方へのエッチング動作を実行することができる、
【0047】
図4を(
図1および
図3と共に)参照すると、キュービットの双極子400は、第1の極402と、ギャップ領域を挟んで第1の極402の向かいに位置し得る第2の極404とを含むことができる。第1の極402は第1の補償ナッブ・コンポーネント406を含むことができ、第2の極404は第2の補償ナッブ・コンポーネント408を含むことができる。エッチング・コンポーネント102は、所望の材料処理動作(例えば、リソグラフィまたはエッチング動作)を実行して、導電コンポーネント104の導電材料の一部および下にある基板コンポーネント106の誘電材料の一部をエッチングまたは他の方法で除去することにより、第1の極402および第2の極404を画定することのできるトレンチを誘電材料に形成することができる。そのようなトレンチの形成によって、第1の補償ナッブ・コンポーネント406および第2の補償ナッブ・コンポーネント408、ならびに、第1の補償ナッブ・コンポーネント406の第1のナッブ・ベース部および第2の補償ナッブ・コンポーネント408の第2のナッブ・ベース部に形成され、またはこれらにより画定され得る回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)を画定することもできる。
【0048】
第1の極402および第2の極404がそれぞれ補償ナッブ・コンポーネント(例えば、406、408)を有するので、蒸着コンポーネント108は、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)を2つの異なる方向に蒸着させることにより、接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)と、他の回路コンポーネントを接合コンポーネントに接続可能な電気リード線とを望ましくは形成することができる。蒸着コンポーネント108は、材料の第1の部分を第1の方向(410)に(例えば、第1の蒸着により)蒸着させることができ、第1の方向(410)は、第1の極402から第2の極404および第2の極404の端部における関連する第2の補償ナッブ・コンポーネント408に向かって(例えば、その方向において)、双極子キュービットの第1の極402に対応し(例えば、第1の極402のブリッジ部の長辺もしくは長さ側に平行または略平行であり)、かつ第2の極404に対応し(例えば、平行または略平行であり)得る。第1の方向(410)における材料の第1の部分の第1の蒸着は、第1の補償ナッブ・コンポーネント406および第2の補償ナッブ・コンポーネント408のある領域上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。例えば、そのような第1の方向(410)における材料の第1の部分の第1の蒸着は、材料の第1の部分の第1の蒸着に面した凹部領域(例えば、凹部領域320、322)に近接して(例えば、近くに)位置する、第1のナッブ・ベース部のある領域、または第1の補償ナッブ・コンポーネント406のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。そのような材料の第1の部分の第1の蒸着は、材料の第1の部分の第1の蒸着に面した凹部領域(例えば、凹部領域324)に近接して(例えば、近くに)位置する、第2のナッブ・ベース部のある領域、または第2の補償ナッブ・コンポーネント408のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることもできる。材料の第1の部分の第1の蒸着は、第2の補償ナッブ・コンポーネント408または第1の補償ナッブ・コンポーネント406あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、双極子キュービットのために形成され得る接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0049】
酸化コンポーネント110は、酸化動作またはプロセスを実行して、双極子キュービットのための接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)の形成を容易にすることができる。例えば、本明細書でより十分に説明するように、第1の方向における材料の第1の部分の第1の蒸着を実行した後、第2の方向における材料の第2の部分の第2の蒸着を実行する前に、酸化コンポーネント110は、酸化動作またはプロセス(例えば、酸化割込プロセス)を実行して、接合コンポーネントの形成を容易にすることができる。
【0050】
蒸着コンポーネント108は、材料の第2の部分を第2の方向(412)に(例えば、第2の蒸着により)蒸着させることもでき、第2の方向(412)は、第2の極404から第1の極402および第1の極402の端部における関連する第1の補償ナッブ・コンポーネント406に向かって(例えば、その方向において)、双極子キュービットの第2の極404に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第2の極404のブリッジ部の長辺もしくは長さ側に平行または略平行であり)、かつ第1の極402に対応し得る。第2の方向(412)における材料の第2の部分の第2の蒸着は、第2の補償ナッブ・コンポーネント408および第1の補償ナッブ・コンポーネント406のある領域上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。例えば、そのような材料の第2の部分の第2の蒸着は、材料の第2の部分の第2の蒸着に面した凹部領域(例えば、凹部領域320、322)に近接して(例えば、近くに)位置する、第2のナッブ・ベース部のある領域、または第2の補償ナッブ・コンポーネント408のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。そのような材料の第2の部分の第2の蒸着は、材料の第2の部分の第2の蒸着に面した凹部領域(例えば、凹部領域324)に近接して(例えば、近くに)位置する、第1のナッブ・ベース部のある領域、または第1の補償ナッブ・コンポーネント406のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることもできる。材料の第2の部分の第2の蒸着は、第1の補償ナッブ・コンポーネント406または第2の補償ナッブ・コンポーネント408あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、双極子キュービットのために形成され得る接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0051】
図5を(
図1および
図3と共に)参照すると、キュービットの双極子500は、第1の極502と、ギャップ領域を挟んで第1の極502の向かいに位置し得る第2の極504とを含むことができる。第1の極502は第1の補償ナッブ・コンポーネント506を含むことができ、第2の極504は第2の補償ナッブ・コンポーネント508を含むことができる。本明細書でより十分に説明するように、エッチング・コンポーネント102は、所望の材料処理動作(例えば、リソグラフィまたはエッチング動作)を実行して、第1の極502、関連する第1の補償ナッブ・コンポーネント506、第2の極504、および関連する第2の補償ナッブ・コンポーネント508の形成または画定を容易にすることができる。
【0052】
蒸着コンポーネント108は、例えば、第1の方向(410)における材料の第1の部分の第1の蒸着に関して
図4のキュービットの双極子400について本明細書で説明したものと同一または同様の方式で、材料の第1の部分を第1の方向(510)に蒸着させることができ、第1の方向(510)は、第1の極502から第2の極504および第2の極504の端部における関連する第2の補償ナッブ・コンポーネント508に向かって(例えば、その方向において)、双極子キュービットの第1の極502に対応し(例えば、第1の極502のブリッジ部の長辺もしくは長さ側に平行または略平行であり)、かつ第2の極504に対応し(例えば、平行または略平行であり)得る。第1の方向(510)における材料の第1の部分の第1の蒸着は、第2の補償ナッブ・コンポーネント508または第1の補償ナッブ・コンポーネント506あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、双極子キュービットのために形成され得る接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0053】
第1の方向における材料の第1の部分の第1の蒸着を実行した後、第2の方向における材料の第2の部分の第2の蒸着を実行する前に、酸化コンポーネント110は、例えば、酸化動作またはプロセスに関して
図4のキュービットの双極子400について本明細書で説明したものと同一または同様の方式で、酸化動作またはプロセス(例えば、酸化割込プロセス)を実行して、接合コンポーネントの形成を容易にすることができる。
【0054】
蒸着コンポーネント108は、材料の第2の部分を第1の補償ナッブ・コンポーネント506または第2の補償ナッブ・コンポーネント508あるいはその両方に第2の方向(512)に(例えば、第2の蒸着により)蒸着させることもでき、第2の方向(512)は、第1の極502および第2の極504に垂直または略垂直で、これらに近接し(例えば、第1の極502および第2の極504のブリッジ部の長辺もしくは長さ側に垂直または略垂直であり)得る。第2の方向(512)における材料の第2の部分の第2の蒸着は、第2の補償ナッブ・コンポーネント508および第1の補償ナッブ・コンポーネント506のある領域上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。例えば、そのような材料の第2の部分の第2の蒸着により、凹部領域(例えば、凹部領域320、322もしくは324またはその組合せ)に近接して(例えば、近くに)位置する、または第2の方向における材料の第2の部分の第2の蒸着に面した第2のナッブ・ベース部およびブリッジ部の側面に近接して位置する、あるいはその両方の、第2のナッブ・ベース部のある領域、または第2の補償ナッブ・コンポーネント508のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることもできる。そのような材料の第2の部分の第2の蒸着は、凹部領域(例えば、凹部領域320、322もしくは324またはその組合せ)に近接して(例えば、近くに)位置する、または第2の方向における材料の第2の部分の第2の蒸着に面した第1のナッブ・ベース部およびブリッジ部の側面に近接して位置する、あるいはその両方の、第1のナッブ・ベース部のある領域、または第1の補償ナッブ・コンポーネント506のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることもできる。材料の第2の部分の第2の蒸着は、第1の補償ナッブ・コンポーネント506または第2の補償ナッブ・コンポーネント508あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、双極子キュービットのために形成され得る接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0055】
図6を(
図1および
図2と共に)参照すると、キュービットの双極子600は、第1の極602と第2の極604とを含むことができる。第1の極602は、第1の極602の露出した端部に第1の通常ナッブ・コンポーネント606を含むことができる。第2の極604は、第2の極604の露出した端部に第2の通常ナッブ・コンポーネント608を含むことができ、第2の通常ナッブ・コンポーネント608の露出した端部は、第1の通常ナッブ・コンポーネント606の露出した端部に近接して位置することができ、またはこれに面することができ、あるいはその両方であり得る。エッチング・コンポーネント102は、所望の材料処理動作(例えば、リソグラフィまたはエッチング動作)を実行して、導電コンポーネント104の導電材料の一部および基板コンポーネント106の下にある誘電材料の一部をエッチングまたは他の方法で除去して、トレンチを誘電材料に形成することができ、トレンチは、第1の極602および第2の極604を画定または形成、第1の通常ナッブ・コンポーネント606および第2の通常ナッブ・コンポーネント608を画定または形成、ならびに第1の通常ナッブ・コンポーネント606および第2の通常ナッブ・コンポーネント608上の回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、もしくは共振器)を画定または形成することができる。
【0056】
第1の極602および第2の極604が通常ナッブ・コンポーネント(例えば、606、608)を有することにより、接合コンポーネントの形成ならびにキュービットのある回路コンポーネントと接合コンポーネントとの間の電気リード線の形成および接続を望ましく(例えば、最適に、許容できるように、または適切に)容易にするので、蒸着コンポーネント108は、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)を4つの別個の方向に蒸着させて、接合コンポーネントの形成およびキュービットのある回路コンポーネントと接合コンポーネントとの間の電気リード線の形成または接続を容易にすることができる。蒸着コンポーネント108は、第1の通常ナッブ・コンポーネント606および第2の通常ナッブ・コンポーネント608に対して、材料の第1の部分を第1の方向(610)に(例えば、第1の角度で)蒸着させることができる。例えば、蒸着コンポーネント108は、浅い角度の蒸着を実行して、材料の第1の部分を第1の方向(610)に(例えば、第1の蒸着により)蒸着させることができ、これは、キュービットの第1のベース部612から外方に向かう第1の極602の延長部と、キュービットの第2のベース部614から外方に向かう第2の極604の延長部とによって形成される、一般にキュービットの第1のベース部側から第2の通常ナッブ・コンポーネント608に向かう水平基準線に対して、所望の浅い角度(例えば、45度以下)であってよい。
【0057】
蒸着コンポーネント108は、第1の通常ナッブ・コンポーネント606および第2の通常ナッブ・コンポーネント608に対して、材料の第2の部分を第2の方向(616)に(例えば、第2の角度で)蒸着させることもできる。例えば、蒸着コンポーネント108は、浅い角度の蒸着を実行して、材料の第2の部分を第2の方向(616)に(例えば、第2の蒸着により)蒸着させることができ、これは、第1の極602および第2の極604に関連する、一般にキュービットの第2のベース部側から第1の通常ナッブ・コンポーネント606に向かう水平基準線に対して、所望の浅い角度(例えば、45度以下)であってよい。第1の蒸着および第2の蒸着は、ある回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から接合コンポーネントへの電気リード線の形成および接続(例えば、接触)を容易にすることができる。
【0058】
蒸着コンポーネント108はさらに、材料の第3の部分を第3の方向(618)に(例えば、第3の蒸着により)蒸着させることができ、第3の方向(618)は、第1の極602から第2の極604および第2の極604の端部における関連する第2の通常ナッブ・コンポーネント608に向かって(例えば、その方向において)、双極子キュービットの第1の極602に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第1の極602のブリッジ部の長辺もしくは長さ側に平行または略平行であり)、かつ第2の極604に対応し得る。第3の方向(618)における材料の第3の部分の第3の蒸着は、第1の通常ナッブ・コンポーネント606または第2の通常ナッブ・コンポーネント608あるいはその両方の、キュービットのある回路コンポーネントを位置させるある領域上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。材料の第3の部分の第3の蒸着は、材料の第1の部分の第1の蒸着および第2の部分の第2の蒸着と共に、第2の通常ナッブ・コンポーネント608または第1の通常ナッブ・コンポーネント606あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、双極子キュービットのために形成され得る接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0059】
酸化コンポーネント110は、酸化動作またはプロセスを実行して、双極子キュービットのための接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)の形成を容易にすることができる。例えば、本明細書でより十分に説明するように、第3の方向(618)における材料の第3の部分の第3の蒸着を実行した後、第4の方向(620)における材料の第4の部分の第4の蒸着を実行する前に、酸化コンポーネント110は、酸化動作またはプロセスを実行して、電気リード線を接続可能な接合コンポーネントの形成を容易にすることができる。
【0060】
蒸着コンポーネント108は、材料の第4の部分を第4の方向(620)に(例えば、第4の蒸着により)蒸着させることもでき、第4の方向(620)は、第2の極604から第1の極602および第1の極602の端部における関連する第1の通常ナッブ・コンポーネント606に向かって(例えば、その方向において)、双極子キュービットの第2の極604に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第2の極604のブリッジ部の長辺に平行または略平行であり)、かつ第1の極602に対応し得る。第4の方向(620)における材料の第4の部分の第4の蒸着は、第1の通常ナッブ・コンポーネント606または第2の通常ナッブ・コンポーネント608あるいはその両方の、キュービットのある回路コンポーネントおよび接合コンポーネントを位置させるある領域上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。材料の第4の部分の第4の蒸着は、第1の通常ナッブ・コンポーネント606または第2の通常ナッブ・コンポーネント608あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、双極子キュービットのために形成される接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0061】
図7を(
図1および
図2と共に)参照すると、キュービットの別の双極子700は、第1の極702、第2の極704、第1の極702の第1の通常ナッブ・コンポーネント706、および第2の極704の第2の通常ナッブ・コンポーネント708を含むことができる。
【0062】
キュービットの双極子700に関し、トレンチの形成、極(例えば、702、704)、通常ナッブ・コンポーネント(例えば、706、708)、および双極子キュービットのある回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、もしくは共振器)の形成または画定、電気リード線の形成、接合コンポーネントの形成、ならびにある回路コンポーネントと接合コンポーネントとの間の電気リード線の接続は、双極子700の場合、材料の第4の部分の第4の蒸着が
図6の双極子600について説明した材料の第4の蒸着の第4の方向とは異なる方向であってよいことを除いて、例えば、
図6のキュービットの双極子600に関して本明細書で説明した本発明の他の実施形態と同一または同様であってよい。例えば、双極子700に関し、蒸着コンポーネント108は、例えば、
図6のキュービットの双極子600に関して本明細書で説明したものと同一または同様の方式で、材料の第1の部分を第1の方向(710)に、材料の第2の部分を第2の方向(712)に、かつ材料の第3の部分を第3の方向(714)に蒸着させることができる。さらに双極子700に関し、酸化コンポーネント110が酸化動作またはプロセスを実行して、双極子キュービットの接合コンポーネントの(例えば、トレンチ内における)形成を容易にした後、蒸着コンポーネント108は、第4の材料の第4の部分を第4の方向(716)に(例えば、第4の蒸着により)蒸着させることができ、第4の方向(716)は、第1の極702および第2の極704に垂直または略垂直で、これらに近接し(例えば、第1の極702および第2の極704のブリッジ部の長辺もしくは長さ側に垂直または略垂直であり)、かつ双極子700に対して、材料の第3の部分の第3の蒸着の第3の方向(714)に垂直または略垂直であり得る。
【0063】
第4の方向(716)における材料の第4の部分の第4の蒸着は、回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)を位置させる、第2の通常ナッブ・コンポーネント708または第1の通常ナッブ・コンポーネント706あるいはその両方のある領域上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。材料の第4の部分の第4の蒸着は、第1の通常ナッブ・コンポーネント706または第2の通常ナッブ・コンポーネント708あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から双極子キュービットのために形成される接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0064】
図8を(
図1と共に)参照すると、キュービットの四極子800が示される。極は通常ナッブ・コンポーネントを備えることができ、トレンチは形成されていない。本発明の他の実施形態において、極は補償ナッブ・コンポーネントを備えることができ、トレンチが形成されて(例えば、エッチング・コンポーネント102により)、キュービットの様々な回路コンポーネントの画定または形成を容易にし、トレンチは所望の深さ(例えば、50nm~500nmの深さ)を有することができる。
【0065】
四極子800は、第1の極802、第2の極804、第3の極806、および第4の極808を含むことができ、第2の極804は第1の極802の向かいに位置し得、第4の極808は第3の極806の向かいに位置し得る。第3の極806および第4の極808は、第1の極802および第2の極804に垂直または略垂直であり得る。第1の極802は第1のナッブ・コンポーネント810を含むことができ、第2の極804は第2のナッブ・コンポーネント812を含むことができ、第3の極806は第3のナッブ・コンポーネント814を含むことができ、第4の極808は第4のナッブ・コンポーネント816を含むことができ、これらのナッブ・コンポーネントは、極の端部(例えば、露出した端部)に位置してよい。第1のナッブ・コンポーネント810の端部(例えば、露出したまたは外向きの端部)は、第2の極804の第2のナッブ・コンポーネント812の端部に面し、近接していてよい。第3のナッブ・コンポーネント814の端部(例えば、露出したまたは外向きの端部)は、第4の極808の第4のナッブ・コンポーネント816の端部に面し、近接していてよい。
【0066】
トレンチがキュービットに形成されていないとき、エッチング・コンポーネント102は、ナッブ・コンポーネント(例えば、810、812、814、816)を通常ナッブ・コンポーネントとして形成することができる。本発明の他の実施形態において、エッチング・コンポーネント102がトレンチをキュービットに形成したとき、エッチング・コンポーネント102は、ナッブ・コンポーネント(例えば、810、812、814、816)を補償ナッブ・コンポーネントとして形成または画定することができる。
【0067】
蒸着コンポーネント108は、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)を4つの異なる方向に蒸着させることにより、接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)と、他の回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)を接合コンポーネントに接続可能な電気リード線とを望ましくは形成することができる。蒸着コンポーネント108は、材料の第1の部分を第1の方向(818)に(例えば、第1の蒸着により)蒸着させることができ、第1の方向(818)は、第1の極802から第2の極804および第2の極804の端部における関連する第2のナッブ・コンポーネント812に向かって(例えば、その方向において)、四極子キュービットの第1の極802に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第1の極802のブリッジ部の長辺もしくは長さ側に平行または略平行であり)、かつ第2の極804に対応し得る。第1の方向(818)における材料の第1の部分の第1の蒸着は、第1のナッブ・コンポーネント810または第2のナッブ・コンポーネント812あるいはその両方のある領域上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。例えば、トレンチが形成されており、第1のナッブ・コンポーネントおび第2のナッブ・コンポーネント(例えば、806、808)が補償ナッブ・コンポーネントであるとき、そのような第1の方向(818)における材料の第1の部分の第1の蒸着は、材料の第1の部分の第1の蒸着に面した凹部領域(例えば、凹部領域320、322)に近接して(例えば、近くに)位置する、第1のナッブ・ベース部のある領域、または第1のナッブ・コンポーネント810のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。そのような材料の第1の部分の第1の蒸着は、材料の第1の部分の第1の蒸着に面した凹部領域(例えば、凹部領域324)に近接して(例えば、近くに)位置する、第2のナッブ・ベース部のある領域、または第2のナッブ・コンポーネント812のブリッジ部、あるいはその両方の上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることもできる。材料の第1の部分の第1の蒸着は、第2のナッブ・コンポーネント812または第1のナッブ・コンポーネント810あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から四極子キュービットのために形成され得る接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0068】
蒸着コンポーネント108は、材料の第2の部分を第2の方向(820)に(例えば、第2の蒸着により)蒸着させることもでき、第2の方向(820)は、第2の極804から第1の極802および第1の極802の端部における関連する第1のナッブ・コンポーネント810に向かって(例えば、その方向において)、四極子キュービットの第2の極804に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第2の極804のブリッジ部の長辺に平行または略平行であり)、かつ第1の極802に対応し得る。第2の方向(820)における材料の第2の部分の第2の蒸着は、材料の他の蒸着に関する説明と同一または同様であり得る方式で、第2のナッブ・コンポーネント812および第1のナッブ・コンポーネント810のある領域(例えば、回路コンポーネントの位置における、またはそれに近接した領域)上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。材料の第2の部分の第2の蒸着は、第1のナッブ・コンポーネント810または第2のナッブ・コンポーネント812あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、四極子キュービットのために形成され得る接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0069】
酸化コンポーネント110は、酸化動作またはプロセスを実行して、四極子キュービットのための接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)の形成を容易にすることができる。例えば、第2の蒸着を実行した後、第3の方向における材料の第3の部分の第3の蒸着を実行する前に、酸化コンポーネント110は、材料の所望の部分(例えば、トレンチの底部における材料の部分)において酸化動作またはプロセス(例えば、酸化割込プロセス)を実行して、トレンチの底部における接合コンポーネントの形成を容易にすることができる。
【0070】
蒸着コンポーネント108は、材料の第3の部分を第3の方向(822)に(例えば、第3の蒸着により)蒸着させることもでき、第3の方向(822)は、第3の極806から第4の極808および第4の極808の端部における関連する第4のナッブ・コンポーネント816に向かって(例えば、その方向において)、第3の極806に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第3の極806のブリッジ部の長辺に平行または略平行であり)、かつ第4の極808に対応し得る。第3の方向(822)における材料の第3の部分の第3の蒸着は、材料の他の蒸着に関する説明と同一または同様であり得る方式で、第4のナッブ・コンポーネント816または第3のナッブ・コンポーネント814あるいはその両方のある領域(例えば、回路コンポーネントの位置における、またはそれに近接した領域)上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。材料の第3の部分の第3の蒸着は、第4のナッブ・コンポーネント816または第3のナッブ・コンポーネント814あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から、四極子キュービットのために形成される接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0071】
蒸着コンポーネント108はさらに、材料の第4の部分を第4の方向(824)に(例えば、第4の蒸着により)蒸着させることもでき、第4の方向(824)は、第4の極808から第3の極806および第3の極806の端部における関連する第3のナッブ・コンポーネント814に向かって(例えば、その方向において)、第4の極808に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第4の極808のブリッジ部の長辺に平行または略平行であり)、かつ第3の極806に対応し得る。第4の方向(824)における材料の第4の部分の第4の蒸着は、材料の他の蒸着に関する説明と同一または同様であり得る方式で、第3のナッブ・コンポーネント814または第4のナッブ・コンポーネント816あるいはその両方のある領域(例えば、回路コンポーネントの位置における、またはそれに近接した領域)上に、またはそれに近接して、そのような材料を蒸着または付着させることを促進させることができる。材料の第4の部分の第4の蒸着は、第3のナッブ・コンポーネント814または第4のナッブ・コンポーネント816あるいはその両方に関連する回路コンポーネント(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)から接合コンポーネントへの電気リード線の形成または接続あるいはその両方を容易にすることができる。
【0072】
図9は、第1の極902および第2の極904を含むことができる双極子キュービットのリード線および接合形成900を示す。第1のナッブ・コンポーネント906を第1の極902の端部に(例えば、エッチング・コンポーネント102により)形成することができ、第2のナッブ・コンポーネント908を第2の極904の端部に形成することができ、第1の極902、第1のナッブ・コンポーネント906、第2の極904、および第2のナッブ・コンポーネント908は、誘電材料の所望の部分および誘電材料の上に重なる導電材料の所望の部分を除去またはエッチングすることにより、誘電材料に(例えば、エッチング・コンポーネント102により)形成されたトレンチ910によって画定され得る。本明細書に記載の所望の開示された技法(例えば、リソグラフィ、蒸着、および酸化技法)を使用して、本発明の実施形態(例えば、システム100)は、第1のナッブ・コンポーネント906および第2のナッブ・コンポーネント908上の回路コンポーネント912、914、接合コンポーネント916、回路コンポーネント912を接合コンポーネント916に接続可能な電気リード線918、ならびに回路コンポーネント914を接合コンポーネント916に接続可能な電気リード線920を作製または画定することができる。
【0073】
図10は、双極子キュービットのリード線および接合形成1000を示す。リード線および接合形成1000において、誘電体基板1002および誘電体基板1002に付加(例えば、付着)された導電材料1004のエッチングを(例えば、エッチング・コンポーネントにより)実行して、導電材料1004の一部および誘電体基板1002の一部を除去することにより、トレンチ1006を誘電体基板1002に形成することができる。トレンチ1006は、双極子キュービットの第1の極1008および第2の極1010を画定することができ、これは、第1の極1008の端部に形成された第1の補償ナッブ・コンポーネント1012および第2の極1010の端部に形成された第2の補償ナッブ・コンポーネント1014を画定すること、ならびに、第1の補償ナッブ・コンポーネント1012および第2の補償ナッブ・コンポーネント1014に関連し得る、またはそれらの一部であり得る回路コンポーネント1016、1018(例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器)を画定することを含む。
【0074】
明確にするために、
図10において、第1の補償ナッブ・コンポーネント1012および第2の補償ナッブ・コンポーネント1014の延長部(例えば、1020および1022)の一部が点線で示され、第1の補償ナッブ・コンポーネント1012および第2の補償ナッブ・コンポーネント1014の他の延長部は
図10には示されていない。本明細書でより十分に説明するように(例えば、
図3に関して)、第1の補償ナッブ・コンポーネント1012および第2の補償ナッブ・コンポーネント1014が、第1の補償ナッブ・コンポーネント1012および第2の補償ナッブ・コンポーネント1014のナッブ・ベース部から延び、かつ凹部領域(
図10には示さない)を形成することのできる延長部(例えば、1020および1022)を含むことに少なくとも部分的に起因して、トレンチ形成プロセスの実行後に、残りの誘電材料1002を越えてトレンチ1006上に延び得る導電材料1004のオーバハング(参照符号1024、1026で示す)がいくらか存在するが、そのようなオーバハング(例えば、1024、1026)の量は、(例えば、
図2および
図18に関して図示し本明細書で説明した)通常ナッブ・コンポーネントが形成されるときの導電材料のオーバハングの量と比較して、(特に、凹部領域に近接して)はるかに少なくなり得る。
【0075】
本明細書でより十分に説明するように、材料の第1の蒸着および第2の蒸着を、第1の方向および第2の方向に(例えば、蒸着コンポーネントにより)実行し、第1の蒸着と第2の蒸着との間に(例えば、酸化コンポーネントにより)酸化プロセスを実行して、接合コンポーネント1028(例えば、ジョセフソン接合)と、接合コンポーネント1028を回路コンポーネント1016、1018に接続可能な電気リード線1030、1032とを形成することができる。第1の補償ナッブ・コンポーネント1012および第2の補償ナッブ・コンポーネント1014は、オーバハング(例えば、1024、1026)の量を大幅に減少させることができるので、蒸着材料は伸張する、またはトレンチ1006の側壁1034、1036を上ることができ、導電材料1004の比較的小さいオーバハング(例えば、1024、1026)を乗り越えて、電気リード線1030、1032を回路コンポーネント1016、1018に接続することができる。
【0076】
図11は、四極子キュービットのリード線および接合形成1100を示す。リード線および接合形成1100は、第1の極1102、第2の極1104、第3の極1106、および第4の極1108を備えることができる。第1のナッブ・コンポーネント1110を第1の極1102の端部に(例えば、エッチング・コンポーネント102により)形成することができ、第2のナッブ・コンポーネント1112を第2の極1104の端部に形成することができ、第3のナッブ・コンポーネント1114を第3の極1106の端部に形成することができ、第4のナッブ・コンポーネント1116を第4の極1108の端部に形成することができる。極(例えば、1102、1104、1106、1108)およびナッブ・コンポーネント(例えば、1110、1112、1114、1116)は、誘電材料の所望の部分および誘電材料の上に重なる導電材料の所望の部分を除去またはエッチングすることにより、誘電材料に(例えば、エッチング・コンポーネント102により)形成されたトレンチ1118によって画定され得る。本明細書に記載の所望の開示された技法(例えば、リソグラフィ、蒸着、および酸化技法)を使用して、本発明の実施形態(例えば、システム100)は、ナッブ・コンポーネント(例えば、1110、1112、1114、1116)上の、例えば、キャパシタ・パッド、カップリング・パッド、または共振器などの回路コンポーネント(例えば、1120、1122、1124、1126)、接合コンポーネント1128、回路コンポーネント1120を接合コンポーネント1128に接続可能な電気リード線1130、回路コンポーネント1122を接合コンポーネント1128に接続可能な電気リード線1132、回路コンポーネント1124を接合コンポーネント1128に接続可能な電気リード線1134、ならびに回路コンポーネント1126を接合コンポーネント1128に接続可能な電気リード線1136を作製または画定することができる。
【0077】
図12は、本明細書でより十分に説明するように、それぞれのコンポーネント(例えば、それぞれの名称のコンポーネント)とそれぞれ同一もしくは同様であってよく、または同一もしくは同様の機能性を含むことができ、あるいはその両方であり得る、エッチング・コンポーネント1202、蒸着コンポーネント1204、および酸化コンポーネント1206を備えることができるシステム1200を示す。
【0078】
システム1200は、システム1200に関連する動作を制御(例えば、管理)可能な動作管理コンポーネント1208を備えることができる。例えば、動作管理コンポーネント1208は、システム1200のコンポーネントに動作を実行させる命令の生成を促進させることができ、命令をシステム1200のコンポーネント(例えば、エッチング・コンポーネント1202、蒸着コンポーネント1204、酸化コンポーネント1206、プロセッサ・コンポーネント1210、データ・ストア1212、…)に伝えて、少なくとも部分的に命令に基づき、規定の回路設計基準、規定の回路設計アルゴリズム(例えば、本明細書に記載の方法、システム、および技法により本明細書に開示、定義、列挙、具現化、または指示された回路設計アルゴリズム)に従って、システム1200のコンポーネントによる動作の実行を容易にすることができる。動作管理コンポーネント1208は、システム1200のコンポーネント間のデータ・フローの制御、ならびにシステム1200と、システム1200に関連する(例えば、接続された)別のシステム、コンポーネント、またはデバイス(例えば、コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、または他の種類のコンピューティング・デバイスまたは通信デバイスあるいはその両方、量子回路もしくは電子回路製作デバイスまたはシステム)との間のデータ・フローの制御を容易にすることもできる。
【0079】
プロセッサ・コンポーネント1210は、他のコンポーネント(例えば、エッチング・コンポーネント1202、蒸着コンポーネント1204、酸化コンポーネント1206、動作管理コンポーネント1208、またはデータ・ストア1212、…、あるいはその組合せ)と共に動作して、システム1200の様々な機能の実行を容易にすることができる。本明細書でより完全に開示するように、プロセッサ・コンポーネント1210は、システム1200の動作を容易にするための、アプリケーション、キュービット、材料処理プロセスもしくは技法、蒸着プロセスもしくは技法、酸化プロセスもしくは技法、回路形成プロセスもしくは技法、接合形成プロセスもしくは技法、規定の回路設計基準、規定の回路設計アルゴリズム、トラフィック・フロー、ポリシー、プロトコル、インターフェース、ツールに関連する情報、または他の情報、あるいはその両方などのデータを処理し、かつ、システム1200と、システム1200に関連する(例えば、接続された)他のコンポーネント(例えば、コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、または他のコンピューティング・デバイスもしくは通信デバイス、量子回路もしくは電子回路製作デバイスまたはシステム)との間のデータ・フローを制御することのできる、1つまたは複数のプロセッサ、マイクロプロセッサ、またはコントローラを使用することができる。
【0080】
データ・ストア1212は、システム1200に関連する動作の制御を容易にするための、データ構造(例えば、ユーザ・データ、メタデータ)、コード構造(例えば、モジュール、オブジェクト、ハッシュ、クラス、プロシージャ)もしくは命令、アプリケーション、キュービット、材料処理プロセスもしくは技法、蒸着プロセスもしくは技法、酸化プロセスもしくは技法、回路形成プロセスもしくは技法、接合形成プロセスもしくは技法、規定の回路設計基準、規定の回路設計アルゴリズム、トラフィック・フロー、ポリシー、プロトコル、インターフェース、ツールに関連する情報、または他の情報、あるいはその両方を記憶することができる。一態様において、プロセッサ・コンポーネント1210は、少なくとも部分的に、エッチング・コンポーネント1202、蒸着コンポーネント1204、酸化コンポーネント1206、動作管理コンポーネント1208、もしくはデータ・ストア1212、またはその組合せなど、またはシステム1200の実質的に任意の他の動作態様、あるいはその両方を動作させる、またはこれらに機能性を与える、あるいはその両方を行うのに望ましい情報、を記憶し、取り出すために、(例えば、メモリ・バスを介して)データ・ストア1212に機能的に結合することができる。
【0081】
図13は、例えば、エッチング・コンポーネント、蒸着コンポーネント、酸化コンポーネント、またはプロセッサ・コンポーネント、あるいはその組合せにより実行可能な方法1300のフロー図である。
【0082】
1302において、トレンチを誘電材料に形成して、量子回路の回路コンポーネントの作製を可能にすることができる。誘電材料(例えば、誘電体基板)は、誘電材料の表面(例えば、上面)に付加または付着された導電材料(例えば、超伝導材料)を有することができる。エッチング・コンポーネントは、導電材料の一部および誘電材料の一部(例えば、導電材料の一部の下)をエッチングまたは他の方法で除去して、トレンチを誘電材料に形成することにより、量子回路のキュービットの回路コンポーネントの作製を可能にすることができる。導電材料の一部および誘電材料の一部を除去してトレンチを形成することは、キュービットの極(例えば、2つの極もしくは4つの極)、極のナッブ・コンポーネント(例えば、通常ナッブ・コンポーネントもしくは補償ナッブ・コンポーネント)、ならびに、例えば、キュービットに関連する共振器、カップリング・パッド、もしくはキャパシタ・パッド、またはその組合せを含むある回路コンポーネントを画定または形成することができる。
【0083】
1304において、少なくとも、材料の第1の部分を第1の方向に沿って蒸着させ、材料の第2の部分を第2の方向に沿って蒸着させることにより、量子回路の接合コンポーネントと、接合コンポーネントを回路コンポーネントに接続可能な電気リード線とを形成することができ、第1の部分の蒸着と第2の部分の蒸着との間に酸化を実行することができ、第1の方向は第2の方向と異ならせることができる。蒸着コンポーネントおよび酸化コンポーネントを使用して、接合コンポーネントと、接合コンポーネントをキュービットの回路コンポーネントに接続可能な電気リード線とを形成することができる。蒸着コンポーネントは、少なくとも、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)の第1の部分を第1の方向に沿って蒸着させ、材料の第2の部分を第2の方向に沿って蒸着させることができ、酸化コンポーネントは、第1の部分の蒸着と第2の部分の蒸着との間に酸化動作を実行して、接合コンポーネントを形成することができ、第1の方向は第2の方向とは異ならせる(例えば、第1の方向と反対または第1の方向に垂直である)ことができる。材料の蒸着の回数(例えば、2回もしくは4回)および材料の蒸着を実行する方向の数(例えば、2つもしくは4つ)、ならびに材料の2回もしくは4回の蒸着の実行に関連する酸化(例えば、酸化動作)の実行のタイミングは、本明細書でより十分に説明するように、補償ナッブ・コンポーネントまたは通常ナッブ・コンポーネントがトレンチの形成に関連して極に形成されるかどうか、およびキュービットに関連する極の数(例えば、双極子もしくは高次極)に少なくとも部分的に基づいてよい。
【0084】
図14は、例えば、エッチング・コンポーネント、蒸着コンポーネント、酸化コンポーネント、またはプロセッサ・コンポーネント、あるいはその組合せにより実行可能な方法1400のフロー図である。
【0085】
1402において、トレンチを誘電材料に形成して、量子回路の双極子キュービットのナッブ・コンポーネントおよび回路コンポーネントの作製を可能にすることができる。誘電材料(例えば、誘電体基板)は、誘電材料の表面(例えば、上面)に付加または付着された導電材料(例えば、超伝導材料)を有することができる。エッチング・コンポーネントは、導電材料の一部および誘電材料の一部(例えば、導電材料の一部の下)をエッチングまたは他の方法で除去して、トレンチを誘電材料に形成することにより、キュービットのナッブ・コンポーネント(例えば、通常ナッブ・コンポーネント)および回路コンポーネントを含む双極子キュービットの極の作製または画定を可能にすることができ、ナッブ・コンポーネントの各々は、キュービットの極の各々の端部に形成することができる。導電材料の一部および誘電材料の一部を除去してトレンチを形成することは、ナッブ・コンポーネントを含む極を画定することができ、ナッブ・コンポーネントに形成され得る、共振器、カップリング・パッド、またはキャパシタ・パッド、あるいはその組合せを含むある回路コンポーネントを画定することができる。本明細書でより十分に説明するように、極のナッブ・コンポーネントは、通常ナッブ・コンポーネントであってよく、規定の形状(例えば、矩形)および規定の大きさを有することができる。
【0086】
1404において、材料の第1の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第1の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)の第1の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第1の方向に(例えば、所望の第1の角度で)蒸着させることができる。一部の実施形態において、蒸着コンポーネントは、浅い角度の蒸着を実行して、材料の第1の部分を、極に対して(例えば、そのような極のナッブ・コンポーネントに対して)比較的浅い角度(例えば、45度または約45度以下の角度)であり得る所望の第1の角度で蒸着させることにより、電気リード線の形成、およびナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントから接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)への電気リード線の接触を容易にすることができる。
【0087】
1406において、材料の第2の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第2の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第2の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第2の方向に(例えば、所望の第2の角度で)蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、浅い角度の蒸着を実行して、材料の第2の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して比較的浅い角度であり得る所望の第2の角度で蒸着させることにより、電気リード線の形成、およびナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントからジョセフソン接合への電気リード線の接触を容易にすることができる。第2の方向は、第1の方向に垂直または略垂直であってよい。
【0088】
1408において、材料の第3の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第3の方向に蒸着させることができる。本明細書でより十分に説明するように、蒸着コンポーネントは、材料の第3の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第3の方向に蒸着させることができ、例えば、第3の方向は、第1の極から第2の極および第2の極の端部における関連する第2のナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、キュービットの極に対応し(例えば、平行または略平行であり)得る。
【0089】
1410において、酸素系または他の化学系の物質を材料の一部に付加することにより材料の一部の酸化を促進させる酸化動作を実行することができる。酸化コンポーネントは、材料の一部の酸化およびトレンチの底部における接合コンポーネントの形成を容易にするそのような酸化動作を実行することができる。
【0090】
1412において、材料の第4の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第4の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第4の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第4の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第4の部分を、第2の極から第1の極および第1の極の端部における関連する第1のナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、キュービットの極に対応し(例えば、平行または略平行であり)得る方向(例えば、第4の方向)(例えば、第3の方向と反対の方向または略反対の方向)に蒸着させることにより、電気リード線の形成およびナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントから接合コンポーネントへの電気リード線の接触を容易にすることができる。本発明の他の実施形態において、代替的に、蒸着コンポーネントは、材料の第4の部分を、第3の方向に垂直または略垂直であり得る第4の方向に蒸着させることができる。
【0091】
図15は、例えば、エッチング・コンポーネント、蒸着コンポーネント、酸化コンポーネント、またはプロセッサ・コンポーネント、あるいはその組合せにより実行可能な方法1500のフロー図である。
【0092】
1502において、トレンチを誘電材料に形成して、量子回路の双極子キュービットのナッブ・コンポーネントおよび関連する回路コンポーネントの作製を可能にすることができる。誘電材料(例えば、誘電体基板)は、誘電材料に付加または付着された導電材料(例えば、超伝導材料)を有することができる。エッチング・コンポーネントは、導電材料の一部および誘電材料の一部をエッチングまたは他の方法で除去して、トレンチを誘電材料に形成することにより、ナッブ・コンポーネントおよび量子回路の回路コンポーネントを含む双極子キュービットの極の作製を可能にすることができ、ナッブ・コンポーネントの各々は、双極子キュービットの極の各々の端部に形成することができる。導電材料の一部および誘電材料の一部を除去してトレンチを形成することは、ナッブ・コンポーネントと、ナッブ・コンポーネントに形成され得るある回路コンポーネント(例えば、共振器、カップリング・パッド、またはキャパシタ・パッド)とを画定することができる。一部の実施形態において、本明細書でより十分に説明するように、極のナッブ・コンポーネントは補償ナッブ・コンポーネントであってよい。
【0093】
1504において、材料の第1の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第1の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)の第1の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第1の方向に蒸着させることができる。第1の方向は、第1の極から第2の極および第2の極の第2の補償ナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、キュービットの極に対応して(例えば、平行または略平行であって)、電気リード線の形成およびナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントから接合コンポーネントへの電気リード線の接触を容易にすることができる。
【0094】
1506において、酸素系または他の化学系の物質を材料の一部に付加することにより材料の酸化を促進させる酸化動作を実行することができる。酸化コンポーネントは、材料の一部の酸化およびトレンチの底部における接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)の形成を容易にするそのような酸化動作を実行することができる。
【0095】
1508において、材料の第2の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第2の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第2の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第2の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第2の部分を、第2の極から第1の極および第1の極の端部における関連する第1の補償ナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、キュービットの極に対応し(例えば、平行または略平行であり)得る方向(例えば、第2の方向)(例えば、第1の方向と反対の方向または略反対の方向)に蒸着させることにより、電気リード線の形成およびナッブ・コンポーネントの回路コンポーネントから接合コンポーネントへの電気リード線の接触を容易にすることができる。本発明の他の実施形態において、代替的に、蒸着コンポーネントは、材料の第2の部分を、第1の方向に垂直または略垂直であり得る方向(例えば、第2の方向)に蒸着させることができる。
【0096】
図16は、例えば、エッチング・コンポーネント、蒸着コンポーネント、酸化コンポーネント、またはプロセッサ・コンポーネント、あるいはその組合せにより実行可能な方法1600のフロー図である。
【0097】
1602において、トレンチを誘電材料に形成して、量子回路の四極子キュービットのナッブ・コンポーネントおよび関連する回路コンポーネントの作製を可能にすることができる。誘電材料(例えば、誘電体基板)は、誘電材料の表面(例えば、上面)に付加または付着された導電材料(例えば、超伝導材料)を有することができる。エッチング・コンポーネントは、導電材料の一部および誘電材料の一部をエッチングまたは他の方法で除去して、トレンチを誘電材料に形成することにより、ナッブ・コンポーネント(例えば、補償ナッブ・コンポーネント)および量子回路の関連する回路コンポーネントを含むキュービットの極(例えば、4つの極)の作製を可能にすることができ、ナッブ・コンポーネントの各々は、極の各々の端部に形成することができる。本明細書で説明したように、極の互いに対する構成は四極子構成であってよい。導電材料の一部および誘電材料の一部を除去してトレンチを形成することは、ナッブ・コンポーネントと、ナッブ・コンポーネントに形成され得るある回路コンポーネント、例えば、共振器、カップリング・パッド、およびキャパシタ・パッドとを形成または画定することができる。
【0098】
1604において、材料の第1の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第1の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料(例えば、アルミニウムまたは他の所望の材料)の第1の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第1の方向に蒸着させることができる。第1の方向は、第1の極(および関連する第1のナッブ・コンポーネント)から第2の極および第2の極の端部における関連する第2の補償ナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、第1の極および第2の極に対応し(例えば、平行または略平行であり)得る。
【0099】
1606において、材料の第2の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第2の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第2の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第2の方向に蒸着させることができる。第2の方向は、第2の極から第1の極および第1の極の端部における関連する第1のナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、キュービットの第1の極および第2の極に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第1の方向と反対の方向または略反対の方向であり)得る。
【0100】
1608において、酸素系または他の化学系の物質を材料の一部に付加することにより材料の一部の酸化を促進させる酸化動作を実行することができる。酸化コンポーネントは、材料を酸化してトレンチの底部に接合コンポーネント(例えば、ジョセフソン接合)を形成することを容易にするそのような酸化動作を実行することができる。
【0101】
1610において、材料の第3の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第3の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第3の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第3の方向に蒸着させることができる。第3の方向は、第3の極から第4の極および第4の極の端部における関連する第4のナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、キュービットの第3の極および第4の極に対応し(例えば、平行または略平行であり)得る。
【0102】
1612において、材料の第4の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第4の方向に蒸着させることができる。蒸着コンポーネントは、材料の第4の部分を、極および関連するナッブ・コンポーネントに対して第4の方向に蒸着させることができる。第4の方向は、第4の極(および関連する第4のナッブ・コンポーネント)から第3の極および第3の極の端部における関連する第3のナッブ・コンポーネントに向かって(例えば、その方向において)、キュービットの第3の極および第4の極に対応し(例えば、平行または略平行であり)(例えば、第3の方向と反対の方向または略反対の方向であり)得る。
【0103】
説明を簡単にするために、方法またはコンピュータ実装方法あるいはその両方が、一連の動作として図示および記載されている。開示された主題は図示した動作または動作の順序あるいはその両方によって限定されず、例えば、動作は様々な順序で、または並行して、あるいはその両方で、かつ本明細書に提示および記載されていない他の動作と共に行うことができることを理解および認識されたい。さらに、図示されるすべての動作が、開示された主題によるコンピュータ実装方法を実施するために必要とされ得るわけではない。加えて、当業者は、コンピュータ実装方法を、代替的に、状態図またはイベントを介して一連の相互に関連する状態として表すことができることを理解および認識するだろう。加えて、以下および本明細書全体にわたって開示されるコンピュータ実装方法は、そのようなコンピュータ実装方法をコンピュータに移送および転送することを容易にする製造品に記憶することができることをさらに認識されたい。製造品という用語は、本明細書で使用されるとき、任意のコンピュータ可読デバイスまたは記憶媒体からアクセス可能なコンピュータ・プログラムを包含することを意図する。
【0104】
開示された主題の様々な態様についての文脈を提供するために、
図17および以下の説明は、開示された主題の様々な態様を実施することができる適切な環境の全体的な説明を提供することを意図している。
図17は、本明細書に記載の1つまたは複数の実施形態を容易にすることができる例示的かつ非限定的な動作環境のブロック図である。本明細書に記載の他の実施形態で使用している同様の要素の繰り返しの説明は、簡潔にするために省略する、または省略してもよい。
図17を参照すると、本開示の様々な態様を実施するための適切な動作環境1700は、コンピュータ1712を含むこともできる。コンピュータ1712は、処理ユニット1714、システム・メモリ1716、およびシステム・バス1718を含むこともできる。システム・バス1718は、システム・メモリ1716を含むがこれに限定されないシステム・コンポーネントを処理ユニット1714に結合する。処理ユニット1714は、様々な利用可能なプロセッサのうちのいずれかであってよい。デュアル・マイクロプロセッサおよび他のマルチプロセッサ・アーキテクチャを処理ユニット1714として使用することもできる。システム・バス1718は、産業標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロ・チャネル・アーキテクチャ(MSA)、拡張ISA(EISA)、インテリジェント・ドライブ・エレクトロニクス(IDE)、VESAローカル・バス(VLB)、周辺構成要素相互接続(PCI)、カード・バス、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、アドバンスト・グラフィックス・ポート(AGP)、Firewire(IEEE1394)、および小型コンピュータ・システム・インターフェース(SCSI)を含むがこれらに限定されない任意の種類の利用可能なバス・アーキテクチャを使用した、メモリ・バスもしくはメモリ・コントローラ、周辺バスもしくは外部バス、またはローカル・バス、あるいはその組合せを含む任意のいくつかの種類のバス構造のうちのいずれかであってよい。システム・メモリ1716は、揮発性メモリ1720および不揮発性メモリ1722を含むこともできる。起動時などにコンピュータ1712内の要素間で情報を転送するための基本ルーチンを含む基本入出力システム(BIOS)は、不揮発性メモリ1722に記憶される。限定ではなく例として、不揮発性メモリ1722は、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含むことができる。揮発性メモリ1720は、外部キャッシュ・メモリとして動作するランダム・アクセス・メモリ(RAM)を含むこともできる。限定ではなく例として、RAMは、スタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、Synchlink DRAM(SLDRAM)、ダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM)、ダイレクト・ラムバス・ダイナミックRAM(DRDRAM)、およびラムバス・ダイナミックRAMなどの多くの形態で利用可能である。
【0105】
コンピュータ1712は、リムーバブル/非リムーバブルかつ揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体を含むこともできる。
図17は、例えば、ディスク・ストレージ1724を示す。ディスク・ストレージ1724は、磁気ディスク・ドライブ、フロッピ(R)・ディスク・ドライブ、テープ・ドライブ、Jazドライブ、Zipドライブ、LS-100ドライブ、フラッシュ・メモリ・カード、またはメモリ・スティック(R)などのデバイスを含むこともできるが、これらに限定されない。ディスク・ストレージ1724は、コンパクト・ディスクROMデバイス(CD-ROM)、CD記録可能ドライブ(CD-Rドライブ)、CD書換可能ドライブ(CD-RWドライブ)、またはデジタル多用途ディスクROMドライブ(DVD-ROM)などの光ディスク・ドライブを含むがこれらに限定されない他の記憶媒体とは別個に、または組み合わせて記憶媒体を含むこともできる。ディスク・ストレージ1724をシステム・バス1718に接続しやすくするために、典型的には、インターフェース1726などのリムーバブルまたは非リムーバブル・インターフェースが使用される。
図17はまた、ユーザと、適切な動作環境1700に記載された基本的なコンピュータ・リソースとの間の仲介として動作するソフトウェアを示す。そのようなソフトウェアは、例えば、オペレーティング・システム1728を含むこともできる。オペレーティング・システム1728は、ディスク・ストレージ1724に記憶することができ、コンピュータ1712のリソースを制御し割り当てるように動作する。システム・アプリケーション1730は、例えば、システム・メモリ1716内またはディスク・ストレージ1724上のいずれかに記憶されたプログラム・モジュール1732およびプログラム・データ1734を介してオペレーティング・システム1728によるリソースの管理を利用する。本開示は、様々なオペレーティング・システムまたはオペレーティング・システムの組合せによって実施可能であることを認識されたい。ユーザは、入力デバイス1736を介してコンピュータ1712にコマンドまたは情報を入力する。入力デバイス1736は、ポインティング・デバイス、例えば、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチ・パッド、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲーム・パッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナ・カード、デジタル・カメラ、デジタル・ビデオ・カメラ、ウェブ・カメラなどを含むが、これらに限定されない。これらおよび他の入力デバイスは、インターフェース・ポート1738を介してシステム・バス1718を経由して処理ユニット1714に接続する。インターフェース・ポート1738は、例えば、シリアル・ポート、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、およびユニバーサル・シリアル・バス(USB)を含む。出力デバイス1740は、入力デバイス1736と同じ種類のポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータ1712に入力を提供し、コンピュータ1712から出力デバイス1740に情報を出力することができる。出力アダプタ1742は、特別なアダプタを必要とする他の出力デバイス1740の中でも、モニタ、スピーカ、およびプリンタなどの一部の出力デバイス1740が存在することを示すために設けられている。出力アダプタ1742は、限定ではなく例として、出力デバイス1740とシステム・バス1718との間の接続方法を提供するビデオ・カードおよびサウンド・カードを含む。リモート・コンピュータ1744などの、他のデバイスまたはデバイスのシステムあるいはその両方が入力機能および出力機能の両方を提供することに留意されたい。
【0106】
コンピュータ1712は、リモート・コンピュータ1744などの1つまたは複数のリモート・コンピュータへの論理接続を使用するネットワーク環境において動作することができる。リモート・コンピュータ1744は、コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサ・ベースの機器、ピア・デバイス、または他の一般的なネットワーク・ノードなどであってよく、典型的には、コンピュータ1712に関して説明した要素のうちの多くまたはすべてを含むこともできる。簡潔にするために、メモリ・ストレージ・デバイス1746のみをリモート・コンピュータ1744と共に示す。リモート・コンピュータ1744は、ネットワーク・インターフェース1748を介してコンピュータ1712に論理的に接続され、次いで通信接続1750を介して物理的に接続される。ネットワーク・インターフェース1748は、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、セルラ・ネットワークなどの有線または無線あるいはその両方の通信ネットワークを包含する。LAN技術は、ファイバ分散データ・インターフェース(FDDI)、銅線分散データ・インターフェース(CDDI)、イーサネット(R)、トークン・リングなどを含む。WAN技術は、ポイント・ツー・ポイント・リンク、回線交換網、例えば、サービス総合デジタル網(ISDN)およびその変形、パケット交換網、ならびにデジタル加入者線(DSL)を含むが、これらに限定されない。通信接続1750は、ネットワーク・インターフェース1748をシステム・バス1718に接続するために使用されるハードウェア/ソフトウェアを指す。通信接続1750は、説明を明確にするためにコンピュータ1712の内部に図示されているが、コンピュータ1712の外部にあってもよい。ネットワーク・インターフェース1748に接続するためのハードウェア/ソフトウェアは、例示のみを目的として、通常の電話回線モデム、ケーブル・モデム、およびDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、ならびにイーサネット(R)・カードなどの内部技術および外部技術を含むこともできる。
【0107】
1つまたは複数の実施形態は、任意の可能な技術的詳細の統合レベルにおけるシステム、方法、装置、またはコンピュータ・プログラム製品、あるいはその組合せであってよい。コンピュータ・プログラム製品は、1つまたは複数の実施形態の態様をプロセッサに実行させるためのコンピュータ可読プログラム命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによる使用のために命令を保持し記憶することができる有形デバイスであってよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例の非網羅的リストは、ポータブル・コンピュータ・ディスケット、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM)、ポータブル・コンパクト・ディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリ・スティック(R)、フロッピ(R)・ディスク、命令が記録されたパンチ・カードまたは溝の隆起構造などの機械的に符号化されたデバイス、およびこれらの任意の適切な組合せを含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、本明細書で使用されるとき、電波もしくは他の自由に伝播する電磁波、導波管もしくは他の伝送媒体を伝播する電磁波(例えば、光ファイバ・ケーブルを通過する光パルス)、または電線を介して伝送される電気信号などの、それ自体が一過性の信号であると解釈すべきではない。
【0108】
本明細書に記載のコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれのコンピューティング/処理デバイスにダウンロードすることができ、あるいはネットワーク、例えば、インターネット、ローカル・エリア・ネットワーク、ワイド・エリア・ネットワーク、もしくはワイヤレス・ネットワーク、またはその組合せを介して外部コンピュータまたは外部記憶デバイスにダウンロードすることができる。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光伝送ファイバ、ワイヤレス伝送、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイ・コンピュータ、またはエッジ・サーバ、あるいはその組合せを含むことができる。各コンピューティング/処理デバイス内のネットワーク・アダプタ・カードまたはネットワーク・インターフェースは、コンピュータ可読プログラム命令をネットワークから受け取り、コンピュータ可読プログラム命令をそれぞれのコンピューティング/処理デバイス内のコンピュータ可読記憶媒体に記憶するように転送する。開示された主題の動作を実行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セット・アーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、集積回路用の構成データ、またはSmalltalk(R)、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは類似したプログラミング言語などの手続き型プログラミング言語を含む、1つもしくは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたソース・コードもしくはオブジェクト・コードであってよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上かつ部分的にリモート・コンピュータ上で、または完全にリモート・コンピュータもしくはサーバ上で実行することができる。完全にリモート・コンピュータもしくはリモート・サーバ上で実行されるシナリオにおいて、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)もしくはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを通じてユーザのコンピュータに接続することができ、または(例えば、インターネット・サービス・プロバイダを使用してインターネットを通じて)外部コンピュータに接続することができる。一部の実施形態において、例えば、プログラマブル論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、またはプログラマブル論理アレイ(PLA)を含む電子回路は、開示された主題の態様を実行するために、電子回路を個人向けにするコンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用することによってコンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0109】
開示された主題の態様は、主題の開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータ・プログラム製品のフローチャート図またはブロック図あるいはその両方を参照して本明細書で説明される。フローチャート図またはブロック図あるいはその両方の各ブロック、およびフローチャート図またはブロック図あるいはその両方のブロックの組合せは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施可能であることが理解されよう。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するための方法を作り出すべく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作り出すものであってよい。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作の態様を実施する命令を含んだ製造品を含むべく、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラム可能データ処理装置、または他のデバイス、あるいはその組合せに特定の方式で機能するように指示することができるものであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能装置、または他のデバイス上で実行される命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて指定された機能/動作を実施するように、コンピュータによって実施されるプロセスを作り出すべく、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、または他のデバイスにロードされ、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で一連の演算動作を実行させるものであってもよい。
【0110】
図中のフローチャートおよびブロック図は、開示された主題の様々な実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータ・プログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能性、および動作を示している。これに関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理的機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表すことができる。一部の代替実装形態において、ブロックに示す機能は、図に示す順序以外で行うことができる。例えば、連続して示す2つのブロックは、実質的に同時に実行することができ、またはそれらのブロックは、関与する機能性に応じて、場合により逆の順序で実行することができる。ブロック図またはフローチャート図あるいはその両方の各ブロック、およびブロック図またはフローチャート図あるいはその両方におけるブロックの組合せは、指定された機能または動作を実行する、あるいは専用ハードウェアとコンピュータ命令との組合せを実行する専用ハードウェア・ベースのシステムによって実施することができることにも留意されたい。
【0111】
本主題について、コンピュータ上で動作するコンピュータ・プログラム製品のコンピュータ実行可能命令またはコンピュータあるいはその両方の一般的な文脈で前述したが、当業者であれば、本開示を他のプログラム・モジュールと組み合わせて実施することができることを認識するだろう。一般に、プログラム・モジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装する、あるいはその両方を行うルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。さらに、当業者であれば、本明細書に開示されたコンピュータ実装方法が、シングル・プロセッサまたはマルチ・プロセッサ・コンピュータ・システム、ミニ・コンピューティング・デバイス、メインフレーム・コンピュータ、ならびにコンピュータ、携帯型コンピューティング・デバイス(例えば、PDA、電話)、マイクロプロセッサ・ベースのもしくはプログラム可能な消費者向けまたは産業用の電子機器などを含む他のコンピュータ・システム構成により実施することができることを認識するだろう。例示した態様は、通信ネットワークを通じてリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行される分散コンピューティング環境において実施することもできる。しかしながら、本開示のすべてではないとしてもいくつかの態様は、独立型コンピュータ上で実施することができる。分散コンピューティング環境において、プログラム・モジュールは、ローカルおよびリモートの両方のメモリ記憶デバイスに配置することができる。
【0112】
本出願で使用するとき、「コンポーネント」、「システム」、「プラットフォーム」、「インターフェース」などの用語は、1つもしくは複数の特定の機能性を有するコンピュータ関連エンティティ、もしくは演算マシンに関連するエンティティを指す、または含む、あるいはその両方を行うことができる。本明細書に開示されたエンティティは、ハードウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組合せ、ソフトウェア、または実行中のソフトウェアのいずれかであってよい。例えば、コンポーネントは、プロセッサ上で動作するプロセス、プロセッサ、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、プログラム、またはコンピュータ、あるいはその組合せであってよいが、これらに限定されない。例として、サーバ上で動作するアプリケーションおよびそのサーバの両方が、コンポーネントであってよい。1つまたは複数のコンポーネントが、プロセスまたは実行スレッドあるいはその両方に存在することができ、コンポーネントは、1つのコンピュータ上にローカライズする、または2つ以上のコンピュータ間に分散する、あるいはその両方を行うことができる。別の例において、それぞれのコンポーネントは、様々なデータ構造が記憶された様々なコンピュータ可読媒体から実行することができる。コンポーネントは、1つまたは複数のデータ・パケットを有する信号(例えば、ローカル・システム、分散システム内の別のコンポーネントと相互作用する、またはインターネットなどのネットワークを経由して他のシステムと信号を介して相互作用する、あるいはその両方を行う、あるコンポーネントからのデータ)に従うなどして、ローカルまたはリモートあるいはその両方のプロセスを介して通信することができる。別の例として、コンポーネントは、プロセッサによって実行されるソフトウェアまたはファームウェア・アプリケーションにより動作する、電気回路または電子回路により動作する機械部品によって提供される特定の機能性を有する装置であってよい。そのような場合、プロセッサは装置の内部にあっても外部にあってもよく、ソフトウェアまたはファームウェア・アプリケーションの少なくとも一部を実行することができる。さらに別の例として、コンポーネントは、機械部品なしで電子コンポーネントを介して特定の機能性を提供する装置であってよく、電子コンポーネントは、電子コンポーネントの機能性を少なくとも部分的に与えるソフトウェアまたはファームウェアを実行するプロセッサまたは他の方法を含むことができる。一態様において、コンポーネントは、例えばクラウド・コンピューティング・システム内の仮想マシンを介して電子コンポーネントをエミュレートすることができる。
【0113】
加えて、「または」という用語は、排他的な「または」ではなく包括的な「または」を意味するものとする。すなわち、別段の指定がない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを使用する」とは、自然な包含の順列のいずれかを意味するものとする。すなわち、XがAを使用する、XがBを使用する、またはXがAおよびBの両方を使用する場合、「XがAまたはBを使用する」が、これらの例のいずれでも満たされる。さらに、本明細書および添付図面で使用する冠詞「a」および「an」は、別段の指定がない限り、または文脈から単数形を対象とすることが明らかでない限り、一般に「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである。本明細書で使用されるとき、「例」という用語または「例示的」という用語あるいはその両方は、例、実例、または例示として機能することを意味するために使用される。誤解を避けるために、本明細書に開示された主題はそのような例によって限定されない。加えて、「例」または「例示的」あるいはその両方として本明細書に記載される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様もしくは設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではなく、当業者に知られている同等の例示的な構造および技術を排除することを意味するものでもない。
【0114】
本明細書で使用するとき、「プロセッサ」という用語は、シングル・コア・プロセッサ、ソフトウェア・マルチスレッド実行機能を有するシングル・プロセッサ、マルチ・コア・プロセッサ、ソフトウェア・マルチスレッド実行機能を有するマルチ・コア・プロセッサ、ハードウェア・マルチスレッド技術を有するマルチ・コア・プロセッサ、並列プラットフォーム、および分散共有メモリを有する並列プラットフォームを含むがこれに限定されない、実質的に任意のコンピューティング処理ユニットまたはデバイスを指すことができる。さらに、プロセッサは、本明細書に記載の機能を実行するように設計された集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)、複合プログラマブル・ロジック・デバイス(CPLD)、ディスクリート・ゲートもしくはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネント、またはこれらの任意の組合せを指すことができる。さらに、プロセッサは、空間使用量を最適化するまたはユーザ機器の性能を向上させるために、分子および量子ドット・ベースのトランジスタ、スイッチ、ならびにゲートなどであるがこれらに限定されないナノ・スケール・アーキテクチャを利用することができる。プロセッサは、コンピューティング処理ユニットの組合せとして実装することもできる。本開示において、「ストア」、「ストレージ」、「データ・ストア」、「データ・ストレージ」、「データベース」、ならびにコンポーネントの動作および機能性に関連する実質的に任意の他の情報記憶コンポーネントなどの用語は、「メモリ・コンポーネント」、「メモリ」内に含まれるエンティティ、またはメモリを備えるコンポーネントを指すために使用される。本明細書に記載のメモリまたはメモリ・コンポーネントあるいはその両方は、揮発性メモリまたは不揮発性メモリのいずれでもよく、あるいは揮発性および不揮発性メモリの両方を含むことができることを認識されたい。限定ではなく例として、不揮発性メモリは、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、または不揮発性ランダム・アクセス・メモリ(RAM)(例えば、強誘電体RAM(FeRAM))を含むことができる。揮発性メモリは、例えば外部キャッシュ・メモリとして動作可能なRAMを含むことができる。限定ではなく例として、RAMは、シンクロナスRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、シンクロナスDRAM(SDRAM)、ダブル・データ・レートSDRAM(DDR SDRAM)、エンハンストSDRAM(ESDRAM)、Synchlink DRAM(SLDRAM)、ダイレクト・ラムバスRAM(DRRAM)、ダイレクト・ラムバス・ダイナミックRAM(DRDRAM)、およびラムバス・ダイナミックRAM(RDRAM)などの多くの形態で利用可能である。加えて、本明細書のシステムまたはコンピュータ実装方法の開示したメモリ・コンポーネントは、これらおよび任意の他の適切な種類のメモリを含むものとするが、含むことに限定されない。
【0115】
上記で説明したものは、システムおよびコンピュータ実装方法の単なる例を含む。当然、本開示を説明する目的で、コンポーネントまたは方法の考えられるすべての組合せを説明することは不可能であるが、当業者であれば、本開示の多数のさらなる組合せおよび置換が可能であることを認識することができる。さらに、「含む」、「有する」、「所有する」などの用語を詳細な説明、特許請求の範囲、付録、および図面において使用する限りにおいて、そのような用語は、「備える」が請求項において移行語として使用される場合に解釈されるように、「備える」という用語と同様に包括的なものとする。様々な実施形態の説明は例示の目的で提示しているが、網羅的であることも、開示された実施形態に限定されることも意図するものではない。説明した実施形態の範囲および思想から逸脱することなく、多くの変更および変形形態が当業者には明らかであろう。本明細書で使用する用語は、実施形態の原理、実際の適用、または市場で見られる技術に対する技術的改良を最もよく説明するために、または当業者が本明細書に開示された実施形態を理解できるようにするために選択されている。