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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/18 20060101AFI20240112BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G03G21/18 121
G03G15/00 657
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019180285
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021056406
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 剛史
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 良太
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/117317(WO,A1)
【文献】特開2017-223952(JP,A)
【文献】特開2019-060997(JP,A)
【文献】特開2005-114159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において、
前記画像形成装置の装置本体であって、(i)先端にカップリング部が設けられ、外周にギア部が設けられた傾斜可能な駆動伝達部材と、(ii)前記駆動伝達部材を部分的に覆うカバーと、を備える装置本体と、
前記駆動伝達部材から駆動力を受けるように構成され、前記装置本体に着脱可能なカートリッジであって(i)感光体ドラムと、(ii)前記感光体ドラムに形成された潜像を現像するように構成された現像ローラと、(iii)前記感光体ドラムと同軸状に配置され、前記駆動伝達部材の前記カップリング部と係合可能なカートリッジ側カップリングと、(iv)前記現像ローラと同軸状に配置され前記駆動伝達部材の前記ギア部と係合可能なカートリッジ側ギアと、(v)前記駆動伝達部材の前記ギア部を押圧することによって前記駆動伝達部材の傾斜を小さくさせるように構成された作用部を備え、前記作用部と前記感光体ドラムの軸線の距離を変えるように移動可能な可動部材と、(vi)前記感光体ドラムを回転可能に支持する第1の枠体と、(vii)前記現像ローラを支持する第2の枠体と、を備えたカートリッジと、
を有し、
前記感光体ドラムの軸線方向における前記カートリッジの一方の側に、前記可動部材、前記カートリッジ側カップリング、前記カートリッジ側ギア及び前記第1の枠体の側面が配置されており、
記第1の枠体の側面は、前記軸線方向の外側に向かってせり出した第1のせり出し部及び第2のせり出し部備え、
前記前記駆動伝達部材が前記カートリッジに接続する際に、前記駆動伝達部材及び前記カバーの周囲に、前記カートリッジ側ギア、第1のせり出し部、第2のせり出し部及び前記可動部材が配置されていて、
前記カバーは、(i)前記カートリッジ側カップリングと対応する位置にある第1の開口と、(ii)前記カートリッジ側ギアと対応する位置にある第2の開口と、(iii)前記第1のせり出し部と対応する位置にある第3の開口と、(iv)前記作用部と対応する位置にある第4の開口と、を形成し、
前記第2のせり出し部は前記カバーと向き合うように配置され、前記第2のせり出し部のほうが前記第1のせり出し部よりも前記感光体ドラムの軸線から離れて位置する、
画像形成装置
【請求項2】
前記駆動伝達部材のギア部と前記カートリッジ側ギアとが係合した状態で前記駆動伝達部材が回転することによって前記駆動伝達部材が傾斜するように構成され、
前記第1のせり出し部は前記駆動伝達部材と接触して前記駆動伝達部材の傾斜を抑えるように構成されている、請求項1に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジおよびこれを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
ここでカートリッジとは画像形成装置の装置本体に対して着脱可能なものである。その一例としてプロセスカートリッジがある。プロセスカートリッジとは、感光体と、この感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、電子写真画像形成装置本体に対して取り外し可能に装着されるものである。
【0003】
例えば、感光体と、前記プロセス手段としての、現像手段、帯電手段、クリーニング手段の少なくとも一つを一体的にカートリッジ化したものが挙げられる。また、本願における画像形成装置は電子写真画像形成方式を用いて記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置である。
【0004】
電子写真画像形成装置の例としては、例えば、電子写真複写機、電子写真プリンタ(LEDプリンタ、レーザビームプリンタ等)、ファクシミリ装置及びワードプロセッサ等が含まれる。
【背景技術】
【0005】
電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」ともいう。)では、像担持体としての一般にドラム型とされる電子写真感光体、即ち、感光体ドラム(電子写真感光体ドラム)を一様に帯電させる。次いで、帯電した感光体ドラムを選択的に露光することによって、感光体ドラム上に静電潜像(静電像)を形成する。次いで、感光体ドラム上に形成された静電潜像を、現像剤としてのトナーでトナー像として現像する。そして、感光体ドラム上に形成されたトナー像を、記録用紙、プラスチックシートなどの記録材に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
【0006】
このような画像形成装置は、一般に、トナー補給や各種のプロセス手段のメンテナンスを必要とする。このトナー補給やメンテナンスを容易にするために、感光体ドラム、帯電手段、現像手段、クリーニング手段などを枠体内にまとめてカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとしたものが実用化されている。
【0007】
このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスの一部を、アフターサービスを担当するサービスパーソンに頼ることなく、ユーザ自身で行うことができる。そのため格段に装置の操作性を向上させることができ、ユーザビリティに優れた画像形成装置を提供することができる。そのため、このプロセスカートリッジ方式は画像形成装置において広く用いられている。
【0008】
また上述した画像形成装置およびカートリッジに関しては、特許文献1に記載されるものが知られている。特許文献1では、プロセスカートリッジに設けられた可動部材により、傾斜可能な駆動伝達部材の傾斜角度を制御し、駆動伝達部材をカートリッジに接続させる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第2019/117317号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記の従来構成をさらに改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願で開示される代表的な構成は、
カートリッジにおいて、
感光体ドラムと
現像ローラと、
前記感光体ドラムに駆動伝達可能に接続されたドラムカップリングと、
前記現像ローラに駆動伝達可能に接続され、少なくとも一部が露出した現像ローラギアと、
表面に作用部を有し、前記作用部と前記感光体ドラムの軸線の距離を変えるように移動可能な可動部材と、
前記感光体ドラムを回転可能に支持する第1の枠体と、
前記現像ローラを支持する第2の枠体と、
を有し、
前記感光体ドラムの軸線方向における前記カートリッジの一方の側に、前記可動部材、前記ドラムカップリング、前記現像ローラギア、および、前記第1の枠体の側面が配置されており、
前記軸線と直交する面の極座標系において、前記感光体ドラムの中心を原点とし、前記原点から前記現像ローラの中心に向かって延びる線を始線とし、角度座標をΘとし、画像形成時における前記感光体ドラムの回転方向を角度座標Θの正の方向とすると、角度座標Θが「190°<Θ<280°」を満たす範囲において、前記第1の枠体の側面は、前記軸線方向の外側に向かってせり出したせり出し部を有し、
前記感光体ドラムの軸線から前記現像ローラギアの歯先までの最短距離をR1とし、前記感光体ドラムの軸線から前記現像ローラの軸線までの距離をR2とすると、前記感光体ドラムの軸線から前記せり出し部までの最短距離Raが、「R1<Ra<R2」を満たしており、
前記可動部材が所定の位置に位置する際に、前記カートリッジの前記一方の側において、前記感光体ドラムの軸線の周囲を開放する空間が、前記現像ローラギア、前記せり出し部、および前記可動部材によって形成されており、
前記空間は、前記感光体ドラムの軸線を中心とした半径R1の円よりも大きく、
前記空間は、前記回転方向において前記せり出し部よりも下流側かつ前記現像ローラギアよりも上流側において、前記感光体ドラムの軸線からの距離がRaを超える領域を含んでいる。
【0012】
また本出願で開示される別の代表的な構成は、上記のカートリッジを備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来構成を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1に係る画像形成装置の装置本体及びカートリッジの断面図である。
図2】実施例1に係るカートリッジの断面図である。
図3】実施例1に係る開閉扉の開閉状態の画像形成装置の斜視図である。
図4】実施例1に係る開閉扉が閉じた状態の駆動伝達部材の断面図である。
図5】実施例1に係る開閉扉が開いた状態の円筒カム近傍の斜視図である。
図6】実施例1に係るカートリッジ装着時の画像形成装置の断面図である。
図7】実施例1に係るカートリッジの駆動側の斜視図である。
図8】実施例1に係るカートリッジ押圧部と位置決め部を示す画像形成装置の断面図である。
図9】実施例1に係る駆動伝達部材の斜視図である。
図10】実施例1に係るカップリング係合時の駆動伝達部材のスラスト方向の動作を示す断面図である。
図11】実施例1に係るカップリング係合時の駆動伝達部材周辺を示す断面図である。
図12】実施例1に係る駆動側の駆動伝達部材の軸受の支持構成を示す斜視図である。
図13】実施例1に係る駆動伝達部材の姿勢を示す断面図である。
図14】実施例1に係る開閉扉を開いた時の駆動伝達部材の姿勢を示す断面図である。
図15】実施例1に係るカートリッジの制御部材を示した斜視図である。
図16】実施例1に係るカートリッジ装着時の駆動伝達部材の傾斜動作を示す断面図である。
図17】実施例1に係る駆動伝達部材とカバー部を示す斜視図である。
図18】実施例1に係るカートリッジの装着時と取り外し時の制御部材の動作を示す断面図である。
図19】実施例1にかかるカートリッジの上面図。
図20】実施例1にかかるカートリッジの側面図。
図21】実施例1にかかるカートリッジの断面図。
図22】実施例1にかかるカートリッジの上面図。
図23】変形例にかかるカートリッジの斜視図。
図24】実施例1にかかるカートリッジおよび画像形成装置本体の断面図。
図25】実施例1にかかるカートリッジの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施例1>
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
なお、電子写真感光体ドラムの回転軸線方向を長手方向とする。
【0017】
また、長手方向において、画像形成装置本体から電子写真感光ドラムが駆動力を受ける側を駆動側とし、その反対側を非駆動側とする。
【0018】
図1および図2を用いて全体構成および画像形成プロセスについて説明する。
【0019】
図1は、実施例1にかかる電子写真画像形成装置の装置本体(電子写真画像形成装置本体、画像形成装置本体)A及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジBと記載する)の断面図である。
【0020】
図2は、カートリッジBの断面図である。
【0021】
ここで、装置本体Aとは、電子写真画像形成装置からカートリッジBを除いた部分である。
【0022】
<画像形成装置の全体構成>
図1に示す電子写真画像形成装置(画像形成装置)は、カートリッジBを装置本体Aに着脱自在とした電子写真技術を利用したレーザビームプリンタである。カートリッジBが装置本体Aに装着されたとき、カートリッジBの像担持体としての電子写真感光体ドラム62に潜像を形成するための露光装置3(レーザスキャナユニット)が配置される。また、カートリッジBの下側に画像形成対象となる記録媒体(以下、シート材PAと記載する)を収納したシートトレイ4が配置されている。電子写真感光体ドラム62は、電子写真画像形成用に用いられる感光体(電子写真感光体)である。
【0023】
更に、装置本体Aには、シート材PAの搬送方向Dに沿って、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5b、転写ガイド6、転写ローラ7、搬送ガイド8、定着装置9、排出ローラ対10、排出トレイ11等が順次配置されている。なお、定着装置9は、加熱ローラ9a及び加圧ローラ9bにより構成されている。
【0024】
<画像形成プロセス>
次に、画像形成プロセスの概略を説明する。プリントスタート信号に基づいて、電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラム62あるいは、単にドラム62と記載する)は矢印R方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0025】
バイアス電圧が印加された帯電ローラ(帯電部材)66は、ドラム62の外周面に接触し、ドラム62の外周面を一様均一に帯電する。
【0026】
図2に示すようにドラム62はクリーニング枠体71によって回転可能に支持される。またクリーニング枠体71には帯電ローラ66およびクリーニングブレード77が支持されている。
【0027】
露光装置3は、画像情報に応じたレーザ光Lを出力する。そのレーザ光LはカートリッジBに設けられたレーザ開口を通り、ドラム62の外周面を走査露光する。これにより、ドラム62の外周面には画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0028】
一方、図2に示すように、現像装置としての現像ユニット20において、現像枠体29の内部に形成されたトナー室29a内に収容されたトナーTは、マグネットローラ34(固定磁石)の磁力により、現像ローラ32の表面に担持される。現像ローラ32は、ドラム62に形成された潜像を現像するために、現像剤(トナーT)をその表面に担持する現像剤担持体である。
【0029】
現像ローラ32は現像枠体に回転可能に支持されており、画像形成時に図2の矢印R2方向に回転する。この回転に伴い、現像ローラ32の表面に付着したトナーTは、現像ブレード42によって摩擦帯電され、かつ、現像ローラ32周面上におけるトナーの層厚が一定の厚みに規制される。
【0030】
そのトナーTは、静電潜像に応じてドラム62へ供給され、潜像を現像する。これにより、潜像はトナー像として可視像化される。ドラム62はその表面に潜像や、トナーで形成される像(トナー像、現像剤像)を担持する像担持体である。また、図1に示すように、レーザ光Lの出力タイミングとあわせて、ピックアップローラ5a、給送ローラ対5bによって、装置本体Aの下部に収納されたシート材PAがシートトレイ4から送り出される。そして、そのシート材PAが転写ガイド6を経由して、ドラム62と転写ローラ7との間の転写位置へ搬送される。この転写位置において、トナー像はドラム62からシート材PAに順次転写されていく。
【0031】
トナー像が転写されたシート材PAは、ドラム62から分離されて搬送ガイド8に沿って定着装置9に搬送される。そしてシート材PAは、定着装置9を構成する加熱ローラ9aと加圧ローラ9bとのニップ部を通過する。このニップ部で加圧・加熱定着処理が行われてトナー像はシート材PAに定着される。トナー像の定着処理を受けたシート材PAは、排出ローラ対10まで搬送され、排出トレイ11に排出される。
【0032】
一方、図2に示すように、転写後のドラム62は、クリーニングブレード77により外周面上の残留トナーが除去されて、再び、画像形成プロセスに使用される。ドラム62から除去されたクリーニング枠体71の内部に形成された廃トナー室71aに貯蔵される。
【0033】
上記において、帯電ローラ66、現像ローラ32、転写ローラ7、クリーニングブレード77がドラム62に作用するプロセス手段である。
【0034】
このうち、帯電ローラ、クリーニングブレード77は、感光体ドラム62とともに、クリーニング枠体71に支持される。また、現像ローラ32は現像枠体29に支持される。クリーニング枠体71およびこれに支持される感光体ドラム62等の各部材を総称してクリーニングユニット60と呼ぶ。また現像枠体29およびこれに支持される現像ローラ32や現像ブレード42等の部材を総称して現像ユニット20と呼ぶ。本実施例のカートリッジBは、クリーニングユニット60と、これに連結された現像ユニット20と、を有する。
【0035】
クリーニング枠体71と現像枠体の29一方を第1の枠体(第1のケーシング)、他方を第2の枠体(ケーシング)と呼ぶことがある。また、クリーニング枠体71と現像枠体29を総称してカートリッジの枠体(ケーシング)と呼ぶことがある。
【0036】
<装置本体の開閉扉が開いた状態>
次にカートリッジの装着について、具体的に説明する。
【0037】
先ず、装置本体Aの開閉扉13が開いた状態から閉じる状態までの構成と動作を説明する。図3(a)は開閉扉が開いた状態の装置本体の斜視図で、図3(b)は開閉扉が閉じた状態の装置本体の斜視図である。図4は開閉扉が閉じた状態の駆動伝達部材の断面図である。
【0038】
図3に示すように、装置本体Aには開閉扉13と円筒カムリンク85と円筒カム86と、駆動側と非駆動側に押圧バネを含むカートリッジ押圧部材1、2とが設けられている。さらに、装置本体Aには駆動側に設けられた第1側板15と非駆動側に設けられた側板16が設けられている。また、図4に示すように、装置本体Aには駆動伝達部材81と駆動伝達部材の軸受94とが設けられている。装置本体Aの駆動側には第2側板93が設けられており、軸受94が第2側板93に取り付けられている。
【0039】
開閉扉13はカートリッジBを装着するための装着部(カートリッジを収容する空間)を開閉するための開閉部材である。開閉扉13は第1側板15と側板16に回動可能に取り付けられている。また、装置本体Aの開閉扉13が開いた状態において、カートリッジBをカートリッジ挿入口17から挿入する。
【0040】
図5は開閉扉が開いた状態の円筒カム近傍の斜視図である。円筒カム86は第1側板15に回転可能でかつ長手方向に移動可能に取り付けられており、3つの斜面部86a、86b、86cを有し、斜面に連続して長手方向の非駆動側に一端部86dを有している。第1側板15は、この3つの斜面部86a、86b、86cに対向して3つの斜面部15d、15e、15fと、円筒カム86の一端部86dに対向して端面15gを有している。図5に示すように、円筒カム86に設けられたボス86eと円筒カムリンク85に設けられた取付穴85bが回転可能に取り付けられている。また、円筒カムリンク85の他端部に設けられたボス85aと開閉扉13に設けられた取付穴13aが回転可能に取り付けられている。
【0041】
開閉扉13を回転して開くと、開閉扉13に連動して円筒カムリンク85が動く。その円筒カムリンク85の動きによって円筒カム86が時計方向Pに回転する。円筒カム86が回転すると、斜面部86a、86b、86cが斜面部15d、15e、15fに沿ってスライドすることで、円筒カム86が長手方向における駆動側に移動する。最終的に円筒カム86は、図5で示すように円筒カム86の一端部86dが第1側板15の端面15gに当接するまで移動する。
【0042】
ここで、図4に示すように、駆動伝達部材81は、軸線方向における駆動側の一端部(固定端81c)が軸受94に嵌合して、回転可能かつ軸線方向に移動可能に支持されている。また、駆動伝達部材81は突き当て面81eを有しており、円筒カム86はこの突き当て面81eに対向して突き当て部86fを有している。また、駆動伝達部材81は、長手方向における中央部81dが第1側板15と隙間をもっている。この隙間には、駆動伝達部材81を傾斜させるための傾斜付勢バネ98を含めた傾斜部材97が第1側板15に設けられている。傾斜部材97の詳細な説明については、後述する。
【0043】
前述のように円筒カム86が長手方向においてカートリッジから離れる側(駆動側)へ移動する。そうすることで、駆動伝達部材81の突き当て面81eは円筒カム86の突き当て部86fに押されて、駆動伝達部材81がカートリッジから離れる側に移動する。これによって駆動伝達部材81は退避位置をとる。つまりすなわち開閉扉13が開位置へ移動することに連動して駆動伝達部材81はカートリッジBの装着時の移動経路から退避する。これにより、カートリッジBを装着するスペースを装置本体A内に確保する。
【0044】
円筒カム86は、開閉扉13が開位置に移動することに連動して駆動伝達部材81を退避位置に移動させる退避部材(退避機構)である。
【0045】
<カートリッジの装着>
次に、カートリッジBの装着について図6を用いて説明をする。図6(a)は、カートリッジ装着時の駆動側から見た装置本体の断面図である。図6(b)は、カートリッジ装着時の非駆動側から見た装置本体の断面図である。
【0046】
図6に示すように、第1側板15は、ガイドとしてのガイドレール上15hとガイドレール下15iを有しており、側板16はガイドレール上16hとガイドレール下16iを有している。また、カートリッジBの駆動側に設けられたドラム軸受73は、被ガイド部73gと被回転止め部73cを有している。カートリッジBの装着方向(矢印C)において、被ガイド部73gと被回転止め部73cは、カップリング凸部63bの軸線よりも上流側に配置されている。また、クリーニング枠体71は長手方向において非駆動側に被位置決め部71dと被回転止め部71gを有している。
【0047】
なおカートリッジBの装着方向Cは、ドラム62の軸線と実質的に直交する方向である。また装着方向の上流もしくは下流といった場合、装置本体Aへの装着が完了する直前のカートリッジBの移動方向において、上流と下流を定義する。
【0048】
カートリッジBを装置本体Aのカートリッジ挿入口17から装着すると、カートリッジBの駆動側がカートリッジBの被ガイド部73gと被回転止め部73cとが装置本体Aのガイドレール上15hとガイドレール下15iにガイドされる。カートリッジBの非駆動側はカートリッジBの被位置決め部71dと被回転止め部71gとが装置本体Aのガイドレール上16hとガイドレール16iにガイドされる。これによって、カートリッジBは装置本体Aに装着される。
【0049】
図7はカートリッジの駆動側の斜視図である。図7に示すように、現像ローラ32の端部には現像ローラギア(現像ギア)30が設けられている。つまり、現像ローラ32の軸部(シャフト)に現像ローラギア30が連結されている。
【0050】
現像ローラ32と現像ローラギア30は同軸であり、図7に示した軸線Ax2を中心として回転する。現像ローラ32の軸線Ax2は、ドラム62の軸線の軸線Ax1と略平行になるように配置されている。そのため、現像ローラギア30の軸線方向は、ドラム62の軸線方向と略平行である。
【0051】
現像ローラギア30は、カートリッジBの外部(すなわち装置本体A)から駆動力(回転力)が入力される駆動入力ギア(カートリッジ側ギア、駆動入力部材)である。現像ローラギア30が受けた駆動力によって、現像ローラ32が回転するように構成されている。
【0052】
図7に示すように、カートリッジBの駆動側の側面には、現像ローラギア30よりもドラム62側には、現像ローラギア30やカップリング凸部63bを露出させるように開放されたスペース87を設けてある。
【0053】
カップリング凸部63bは、ドラムの端部に取り付けられた駆動側ドラムフランジ(カップリング部材、ドラムカップリング)63に形成される。カップリング凸部63bはカートリッジBの外部(すなわち装置本体A)から駆動力(回転力)が入力されるカップリング部(ドラム側カップリング部、カートリッジ側カップリング部、感光体側カップリング部、入力カップリング部、駆動入力部)である。カップリング凸部63bは、ドラム62と同軸上に配置される。つまりカップリング凸部63bは軸線Ax1を中心に回転する。
【0054】
また、カートリッジBの長手方向において、カップリング凸部63bが設けられた側が駆動側であり、その反対側が非駆動側に相当する。
【0055】
また、図7に示すように、現像ローラギア30は、ギア部(入力ギア部、カートリッジ側ギア部、現像側ギア部)30aとギア部の駆動側に設けられた端面30a1とを有す。ギア部30aの外周に形成された歯(ギア歯)は、現像ローラギア30の軸線に対して傾いたハス歯である。つまり現像ローラギア30はハス歯ギアである。
【0056】
ここで、「ハス歯」とは、ギアの軸線に対して傾いた線に沿って、複数の突起が配置されて、実質的にハス歯部を形成する形状も含む。
【0057】
図4に示すように、駆動伝達部材(駆動出力部材、本体側駆動部材)81は、現像ローラギア30を駆動するためのギア部(本体側ギア部、出力ギア部)81aを有する。ギア部81aは、その非駆動側の端部に端面81a1を有す。ギア部81aに形成される歯(ギア歯)も、駆動伝達部材81の軸線に対して傾いたハス歯である。つまり駆動伝達部材81にもハス歯ギアとなる部分が設けられている。
【0058】
また、駆動伝達部材81は、カップリング凹部81bを有する。カップリング凹部81bは、装置本体側に設けられたカップリング部(本体側カップリング部、出力カップリング部)である。カップリング凹部81bは、駆動伝達部材81の先端に設けられたカップリング円筒部81iに、ドラム側に設けられたカップリング凸部63bとカップリング可能な凹部を形成したものである。
【0059】
ギア部30aやカップリング凸部63bが露出するように構成されたスペース(空間)87は、カートリッジBが装置本体Aに装着された際に駆動伝達部材81のギア部81aを配置するためのものである。したがって、スペース87は、駆動伝達部材81のギア部81aより大きい。スペース87が存在することより、カートリッジBを装置本体Aに装着した際に駆動伝達部材81がカートリッジBに干渉することがない。スペース87は、その内部に駆動伝達部材81を配置させることで、装置本体Aに対するカートリッジBの装着を許容する。
【0060】
また、図7に示すように、ドラム62の軸線(カップリング凸部63bの軸線)に沿ってカートリッジBをみた際、ギア部30aに形成されたギア歯は、ドラム62の周面に近接した位置に配置されている。
【0061】
現像ローラギア30の軸線方向において、ギア部30aのギア歯はカートリッジBから露出した露出部30a3を有する。現像ローラギア30のギア部30aが駆動側現像サイド部材26から露出していれば、ギア部81aは駆動側現像サイド部材26に干渉することなくギア部30aに噛合い、駆動伝達可能となる。
【0062】
そして、このギア部30aの露出部の少なくとも一部が、カップリング凸部63bの先端63b1よりもさらにカートリッジBの外側(駆動側)に配置されていて、かつ、ドラムの軸線に面している。図7では、ギア部30aの露出部30a3に配置されたギア歯がドラム62の回転軸線(カップリング部63bの回転軸線)Ax1に面している状態を示している。ギア部30aの露出部30a3の上方にドラム62の軸線Ax1がある。
【0063】
図7において、ギア部30aの少なくとも一部が軸線方向においてカップリング凸部63bよりも駆動側にせり出しているため、軸線方向においてギア部30aが駆動伝達部材81のギア部81aと重なっている。そして、ギア部30aの一部がドラム62の軸線Ax1に面するように露出しているので、カートリッジBを装置本体Aに挿入する過程でギア部30aと、駆動伝達部材81のギア部81aが接触し得る。
【0064】
上記の配置関係により、現像ローラギア30のギア部30aと駆動伝達部材81のギア部81aとは、上述のカートリッジBを装置本体Aに装着する過程で噛み合うことが可能となる。
【0065】
なお、カートリッジBの装着方向Cにおいて、ギア部30aの中心(軸線)は、ドラム62の中心(軸線)よりも上流側に配置するようにしている。
【0066】
ドラム軸受73は長手方向(軸線方向)における被位置決め部(軸線方向被位置決め部)としての被嵌合部73hを有す。装置本体Aの第1側板15は、被嵌合部73hと嵌合可能な嵌合部15j(図17参照)を有す。カートリッジBの被嵌合部73hが、上述の装着する過程で、装置本体Aの嵌合部15jと嵌合することにより、カートリッジBの長手方向(軸線方向)の位置が決まる。なお、本実施例において被嵌合部73hはスリット(溝)である。
【0067】
<カートリッジ装着後の開閉扉を閉める動作>
次に、開閉扉13を閉じる状態を説明する。図8(a)は駆動側のカートリッジ押圧部と位置決め部を示す断面図であり、図8(b)は非駆動側のカートリッジ押圧部と位置決め部を示す断面図である。
【0068】
図8に示すように、第1側板15は、位置決めとしての位置決め部上15aと位置決め部下15bと回転止め部15cとを有しており、側板16は、位置決め部16aと回転止め部16cを有している。ドラム軸受73は、被位置決め部上(第1の被位置決め部、第1の突起、第1の張出部)73dと被位置決め部下(第2の被位置決め部、第2の突起、第2の張出部)73fとを有している。
【0069】
また、カートリッジ押圧部材1、2は、開閉扉13の軸線方向両端にスライド可能に取り付けられている。カートリッジ押圧バネ1a、2aは、カートリッジ押圧部材1、2に取り付けられている。カートリッジ側の付勢力受け部として、ドラム軸受73は駆動側にて被押圧部73eを有し、クリーニング枠体71は非駆動側にて被押圧部71oを有す。装置本体側の付勢力受け部として、第1側板15は被押圧部15kを有し、側板16は被押圧部16kを有す。
【0070】
開閉扉13を閉じることにより、カートリッジBの被押圧部73e、71oと装置本体Aの被押圧部15k、16kが、装置本体Aのカートリッジ押圧バネ1a、2aによって付勢されたカートリッジ押圧部材1、2によって押圧される。
【0071】
これによって、駆動側においては、カートリッジBの被位置決め部上73dと被位置決め部下73fと回転止め部73cとがそれぞれ装置本体Aの位置決め部上15aと位置決め部下15bと回転止め部15cとに当接する。この結果、カートリッジBやドラム62が駆動側で位置決めされる。また、非駆動側において、カートリッジBの被位置決め部71dと被回転止め部71gとがそれぞれ装置本体Aの位置決め部16aと回転止め部16cとに当接する。これによって非駆動側にてカートリッジBやドラム62が位置決めされる。
【0072】
被押圧部73e、71oは、それぞれ長手方向におけるカートリッジBの一端側(駆動側)と他端側(非駆動側)に配置されている。特に被押圧部73eはドラム軸受73に設けられている。被押圧部73e、71oは、カートリッジ押圧部材1、2の位置が決まるように凹形状(V字形状)となっており、被押圧部73e、71oによってカートリッジ押圧部材1、2が位置決めされる。
【0073】
図7に示すように、被位置決め部上73dと、被位置決め部下73fは、ドラム62の近傍に配置されている。また、被位置決め部上73dと、被位置決め部下73fは、ドラム62の回転方向に沿って並べられている。また、ドラム軸受73において、被位置決め部上73dと被位置決め部下73fの間には、転写ローラ7を配置するためのスペース(円弧状のくぼみ)73lを確保する必要がある。そのため、被位置決め部上73dと被位置決め部下73fは互いに離れて配置されている。また被位置決め部上73dと、被位置決め部下73fは、ドラム軸受73から軸線方向の内側に向けて突出している突起である。上述したように、カップリング凸部63bの周囲にはスペース87を確保する必要がある。そのため被位置決め部上73dと、被位置決め部下73fは軸線方向の外側に突出させず、その代りに内側に突出させることでスペース87を確保している。
【0074】
また、図7では、被位置決め部上73dと被位置決め部下73fが、感光体ドラム62の端部に設けられた駆動側ドラムフランジ63を一部覆うように配置されている。ドラム62の軸線に被位置決め部上73dと、駆動側ドラムフランジ63とを投影すると、被位置決め部上73dと駆動側ドラムフランジ63の互いの投影領域が少なくとも一部重なることになる。これに関しては、被位置決め部下73fも被位置決め部上73dと同様である。
【0075】
さらに、図4図5に示すように、開閉扉13を閉じることにより、円筒カムリンク85を介して、円筒カム86は、斜面部86a、86b、86cが第1側板15の斜面部15d、15e、15fに沿って回転しながら長手方向において非駆動側(カートリッジBに近づく側)に移動可能になる。これによって、退避位置にあった駆動伝達部材81は、長手方向において非駆動側(カートリッジBに近づく側)に移動可能になる。
【0076】
<駆動伝達部材の駆動開始動作>
次に、開閉扉を閉めた後の駆動伝達部材の駆動開始動作について、説明する。
【0077】
図9は駆動伝達部材の斜視図である。図9に示すように、駆動伝達部材81は、非駆動側にカップリング凹部81bとカップリング凹部81bの先端部81b1を有し、カップリング凹部81bの底に位置決めとしての底部81b2を有す。駆動伝達部材81のカップリング凹部81bは、断面が実質的に三角形状の穴である。カップリング凹部81bは、非駆動側(カートリッジ側、凹部81bの開口側)から見た場合に、駆動側(凹部81bの奥側)にいくに従い反時計方向Nにねじれた形状である。駆動伝達部材81のギア部81aはハス歯ギアであり、非駆動側(カートリッジ側)から見た時に駆動側に行くに従い反時計方向Nにねじれたギア歯を有する。
【0078】
駆動伝達部材81の軸線に、ギア部81aの軸線とカップリング凹部81bの軸線が重なるように、ギア部81aとカップリング凹部81bとが配置されている。つまりギア部81aとカップリング凹部81bは同軸状(同心状)に配置されている。
【0079】
図7に示すように、ドラム軸受73は凹底面73iを有し、駆動側ドラムフランジ63は駆動側にカップリング凸部63bと、カップリング凸部63bの先端に先端部63b1とを有す。駆動側ドラムフランジ63のカップリング凸部63bは断面が実質的に三角形状で凸形状(凸部、突起)である。カップリング凸部63bは、駆動側(カップリング凸部63bの先端側)から非駆動側(カップリング凸部63bの底側)に向かうにしたがって反時計方向にねじれた形状である。つまり、軸線方向におけるカートリッジの外側から内側に向かうにしたがって、カップリング凸部63bはドラムの回転方向Rに傾いて(捻じれて)いる。
【0080】
なお、カップリング凸部63bは、三角柱の角(三角形の頂点)を形成する部分(稜線)が、カップリング凹部81bから実際に駆動力(回転力)を受ける駆動力受け部となっている。この駆動力受け部が軸線方向におけるカートリッジの外側から内側に向かうにしたがって、ドラムの回転方向に向かって傾いている。また、カップリング凹部81bの内面(内周面)は、カップリング凸部63bに駆動力を与えるための駆動力付与部となる。
【0081】
なお、カップリング凸部63bや、カップリング凹部81bの断面の形状は、角が潰れているなど厳密な三角形(多角形)ではないが、実質的な三角形(多角形)と呼ぶこととする。つまり、カップリング凸部63bは実質的に三角柱(角柱)である突起を捻じった形状である。ただし、カップリング凸部63bの形状はこのようなものに限られるわけではない。カップリング凹部81bとカップリングできれば、つまり係合し駆動できれば、カップリング凸部63bの形状を変えてもよい。例えば、3つのボスが三角形の頂点にそれぞれ配置され、それぞれのボスがドラム62の軸線を中心として捻じれた形状などである。
【0082】
図7に示すように、現像ローラギア30のギア部30aはハス歯ギアであり、駆動側から非駆動側に向かうにしたがって時計方向にねじれた(傾いた)形状である。つまり、ギア部30aの軸線方向においてカートリッジの外側から内側に向かうにしたがって、ギア部30aのギア歯(ハス歯)は、時計方向(現像ローラや現像ローラギアの回転方向)に傾いて(捻じれて)いる。つまりギア30aは、軸線方向における外側から内側に向かうにしたがって、ドラム62の回転方向Rと反対向きに傾いて(捻じれて)いる。
【0083】
図10はカップリング係合時の駆動伝達部材のスラスト方向の動作を示す断面図である。図10に示すように、駆動伝達部材81がモーター(不図示)によって非駆動側(カートリッジ側)から見て時計方向(ドラム62の回転方向)に回転する。すると、駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aとのハス歯の噛み合いによってスラスト力(軸線方向に生じる力)が生じる。駆動伝達部材81には軸線方向(長手方向)の力FAが加わることになり、駆動伝達部材81は長手方向において非駆動側(カートリッジに近づく側)に移動しようとする。つまり駆動伝達部材81は、カップリング凸部63bに近づき接触する。
【0084】
そして、駆動伝達部材81が回転することによってカップリング凹部81bとカップリング凸部63bとの三角形状の位相が合った時、カップリング凸部63bとカップリング凹部81bが係合(カップリング)する。
【0085】
そして、凸部63bとカップリング凹部81bが係合すると、カップリング凹部81bとカップリング凸部63bが共に軸線に対してねじれて(傾いて)いるため、新たにスラスト力FCが生じる。
【0086】
つまり、駆動伝達部材81には長手方向の非駆動側(カートリッジに近づく側)に向かう力FCが働く。この力FCと、前述した力FAが合わさって駆動伝達部材81は長手方向において非駆動側(カートリッジに近づく側)にさらに移動する。つまり、カップリング凸部63は駆動伝達部材81をカートリッジBのカップリング凸部63bの側に近づける作用をする。
【0087】
カップリング凸部63bによって引き寄せられた駆動伝達部材81は、駆動伝達部材81の先端部81b1がドラム軸受73の凹底面73iに当接して長手方向(軸線方向)において位置決めされる。
【0088】
また、ドラム62には力FCの反作用力FBが働き、この反作用力(抗力)FBによって、ドラム62は長手方向において駆動側(駆動伝達部材81に近づく側、カートリッジBの外側)に移動する。つまりドラム62やカップリング凸部63bは駆動伝達部材81の側に引き寄せられる。これによって、ドラム62は、カップリング凸部63bの先端部63b1がカップリング凹部81bの底部81b2に当接する。これによってドラム62も軸線方向(長手方向)において位置決めされる。
【0089】
つまりカップリング凸部63bとカップリング凹部81bが互いに引き寄せあうことで、ドラム62と駆動伝達部材81の軸線方向における位置が定まる。
【0090】
この状態では、駆動伝達部材81は駆動位置(進出位置)を取っている。言い換えると駆動伝達部材81は、カップリング凸部63bおよび、ギア部30aに対してそれぞれ駆動力を伝達するための位置であって、カートリッジに向かって進出した位置にある。
【0091】
また、カップリング凹部81bの三角形状の調芯作用により駆動伝達部材81の先端の芯が駆動側ドラムフランジ63に対して決まる。つまり駆動伝達部材81がドラムフランジ63に対して調芯され、駆動伝達部材81と感光体が同軸になる。これにより駆動伝達部材81から、精度良く現像ローラギア30および駆動側ドラムフランジ63に駆動が伝達される。
【0092】
カップリング凹部81bと、これに係合するカップリング凸部63bとを調芯部とみなすこともできる。すなわちカップリング凹部81bとカップリング凸部63bとが係合することで、駆動伝達部材81とドラムとが互いに同軸になる。特にカップリング凹部81bは本体側調芯部(画像形成装置本体側調芯部)、カップリング凸部63bをカートリッジ側調芯部と呼ぶことにする。
【0093】
以上説明したように、駆動伝達部材81に働く非駆動側に向かう力FAおよび力FCによって、カップリングの係合がアシストされる。
【0094】
また、駆動伝達部材81をカートリッジBに設けられたドラム軸受(軸受部材)73によって位置決めすることにより、カートリッジBに対する駆動伝達部材81の位置精度を高めることができる。
【0095】
現像ローラギア30のギア部30aと駆動伝達部材81のギア部81aとの長手方向の位置精度が良くなるので、現像ローラギア30のギア部30aの幅を小さく押えることができる。カートリッジBや、カートリッジBを装着するための装置本体Aを小型化できる。
【0096】
以上本実施例をまとめると、駆動伝達部材81のギア部81aおよび現像ローラギア30のギア部30aがハス歯となっている。ハス歯の方が、平歯よりもギア同士の噛み合い率が高くなる。その結果、現像ローラ32の回転精度が向上し、現像ローラ32はなめらかに回転する。
【0097】
また、ギア部30aとギア部81aとが互いに引き会う力(力FAと力FB)が生じるように、ギア部30aとギア部81aのハス歯が傾く方向が規定されている。つまり、ギア部30aとギア部81aとがかみ合った状態で回転することで、駆動伝達部材81に設けられたカップリング凹部81bと、感光体ドラム62の端部に設けられたカップリング凸部63bとを近づけるような力が生じる。その結果、駆動伝達部材81がカートリッジBの側に向けて移動し、カップリング凹部81bもカップリング凸部63bに近づく。これにより、カップリング凹部81bとカップリング凸部63bの結合(カップリング)がアシストされる。
【0098】
<カップリング係合条件>
次にカップリングが係合する条件について、図11を用いて具体的に説明する。図11はカップリング係合時の駆動伝達部材周辺を駆動側から見た断面図である。
【0099】
図7図11に示すように、ドラム軸受73は、駆動伝達部材81の移動を規制して、駆動伝達部材81が傾くのを規制する(抑える)ための傾き規制部(移動規制部、位置規制部、ストッパ)としての規制部73jを有す。
【0100】
前述したように、駆動伝達部材81がドラム62の回転方向Rに回転を始めた段階では、駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aがかみ合う。その一方で、カップリング凹部81bとカップリング凸部63bはカップリングしていないか、あるいはカップリングが不十分である。この状態で、ギア部81aがギア部30aに駆動力を伝達すると、ギア同士の噛み合いによりギア部81aに噛み合い力FDが生じる。
【0101】
この噛み合い力FDが駆動伝達部材81に加わることで、駆動伝達部材81は傾いてしまう。つまり駆動伝達部材81は上述したように駆動側の端部である固定端81c(カートリッジBから遠い側の端部)のみが支持されているので、駆動側の端部81c(固定端)を支点として、駆動伝達部材81が傾く。すると駆動伝達部材81のカップリング凹部81bが設けられた側の端部(自由端、先端)が移動してしまう。
【0102】
駆動伝達部材81が大きく傾いてしまうと、カップリング凹部81bがカップリング凸部63bとカップリングできなくなる。これを避けるため、カートリッジBに規制部73jを設けることで駆動伝達部材81の傾きを一定の範囲内に抑えて(規制して)いる。つまり駆動伝達部材81が傾いたときに、規制部73jが駆動伝達部材81を支えることで、その傾きが大きくなることを抑える。
【0103】
ドラム軸受73の規制部73jは、ドラム62の軸線(カップリング凸部63bの軸線)に面するように配置されている円弧状の曲面部である。規制部73jはドラム軸線を覆うようにせり出しているせり出し部とみなすこともできる。規制部73jとドラム軸線の間は、プロセスカートリッジBの構成要素が配置されないスペース87となっており、このスペース87に駆動伝達部材81が配置されるように構成されている。規制部73jは、スペース87に面しており、規制部73jはスペース87の縁(外縁)を形成している。
【0104】
この規制部73jは、駆動伝達部材81が噛み合い力FDによって移動(傾斜)するのを抑えることができる位置に配置されている。
【0105】
図11に示すように、噛み合い力FDが生じる方向は、ギア部81aの正面圧力角α(すなわち現像ローラギア30の正面圧力角α)で定まる。噛み合い力FDが生じる方向は、ドラムの中心62a(つまり駆動伝達部材81の中心)から現像ローラギア30の中心30bに向かって延びる矢印(半直線)LNに対して、ドラム62の回転方向Rの上流に向けて(90+α)度傾いている。なお、必ずしも、この線FDaに規制部73jが配置されている必要はなく、半直線FDaの近くに規制部73jが配置されているとよい。
【0106】
また規制部73jは、カップリング凸部63bの中心(軸線)に対して、カートリッジ装着方向Cの上流側に配置されることが望ましい。カートリッジBの装着を規制部73jによって妨げないためである。
【0107】
<駆動伝達部材の傾斜構成>
次に、駆動伝達部材の傾斜構成について説明する。
【0108】
前述したように、駆動伝達部材81はその先端側にギア部81aとカップリング凹部81bを有している。そして、駆動伝達部材81は進退移動可能かつ、傾斜移動可能(傾動可能)である。駆動伝達部材81が回転しつつカートリッジ側に向かって進出して、カップリング凹部81bをカップリング凸部63bに係合させる際は、ドラム62に対する駆動伝達部材81の傾斜角度を小さくさせることが望ましい。そのため上記したように、カートリッジに規制部73jを設けて駆動伝達部材81の駆動時に、駆動伝達部材81の傾斜角度を抑えていた。
【0109】
その一方でカートリッジを装置本体から取り外すためには、駆動伝達部材81のギア部81aは現像ローラギア30のギア部30aとの噛み合いを解消する必要がある。この噛み合いの解消を円滑に行うため、駆動伝達部材81はギア部81aをギア部30aから離脱させられるように傾斜できると望ましい。したがって、駆動伝達部材81自体は円滑に傾斜可能に支持されていれば、よりカートリッジの取り外しが円滑になる。
【0110】
駆動伝達部材81を傾斜させてギア部81aをギア部30aから離脱させるためには、カートリッジ取り外し時に駆動伝達部材81を規制部73jと接触させないように傾斜させることが望ましい。
【0111】
またギア同士の噛み合いを解消させるために駆動伝達部材81を傾斜しやすくさせる一方で、カートリッジ装着時には、駆動伝達部材81のギア部81aが現像ローラギア30のギア部30aと確実に噛み合う必要がある。すなわちカートリッジ装着時には、ギア同士の噛み合いが確実に行われるように駆動伝達部材81を所定の傾斜角度に保持することが求められる。
【0112】
これらを踏まえて、駆動伝達部材81がより傾斜しやすいように駆動伝達部材81を支持しつつ、カートリッジの装着時や取り外す際には、それぞれ好適な姿勢、角度に駆動伝達部材81を傾斜させている。
【0113】
まず、駆動伝達部材81の支持構成の固定端81c側(後端側、駆動側)について説明する。図12は駆動側の駆動伝達部材の軸受の支持構成を示す斜視図である。
【0114】
装置本体Aの駆動側には第2側板(第2駆動側側板)93が設けられている。図12に示すように、第2側板93は板金(板状の金属)であり、この板金を絞り加工することにより穴部93aが設けられている。第2側板93の穴部93aには軸受94が嵌っている。そして、駆動伝達部材81は軸受94により回転可能に支持されている。つまり、駆動伝達部材81の固定端81cは軸受94によって支持されている。
【0115】
軸受94と駆動伝達部材81の固定端81cとの間にはガタ(隙間)がある。本実施例では0.9mm程度である。このガタにより駆動伝達部材81は傾くことができる。
【0116】
図12に示すように、軸受94の内周にはV字形状部94aが設けられている。V字形状部94aは、第1軸受94の内周部からせり出している2つのせり出し部(突起部)によって構成されている。2つのせり出し部によってV字形状が構成されるのでこれらをV字形状部94aと総称する。
【0117】
前述したように、軸受94と駆動伝達部材81の固定端81cとの間には隙間があって、駆動伝達部材81は傾斜可能になっている。しかしながら、駆動伝達部材81がカートリッジに駆動を伝達する際には、駆動伝達部材81の軸線と感ドラム62の軸線を揃える必要がある。すなわち駆動伝達部材81が駆動する際には、軸受94に対して傾斜することなく、精度よく支持される必要がある。そこで駆動伝達部材81が駆動する際には、駆動伝達部材81の後端側を2つのせり出し部(突起部)から成るV字形状部94aに接触させることで駆動伝達部材81を略水平な状態で精度よく支持させる。V字形状部94aは駆動伝達部材81の姿勢を保つ姿勢決め部(姿勢保持部)である。
【0118】
軸受94の位相を決めるため(すなわち軸受94が装置本体内で回転しないようにするため)に、軸受94には回転止めとしての凸部94bが設けられている。一方、第2側板93には穴部93bが設けられている。この凸部94bと穴部93bとが嵌ることにより、軸受94の位相が固定される。すなわち軸受94は、第2側板93に対して回転しないように固定されている。また、軸受94に設けられたV字形状部94aの位相も固定されることになる。
【0119】
第2側板93には、モータからの駆動を伝達する駆動アイドラギア(不図示)が設けられており、駆動アイドラギアから駆動伝達部材81の第2ギア部81jに駆動を伝達する。また、図10に示すように、軸線方向においてV字形状部94aは駆動伝達部材81の第2ギア部81j付近に設けられている。駆動伝達部材81は、駆動伝達部材81の固定端81cを支点に傾く。そのため、駆動伝達部材81の傾き支点と駆動伝達部材81の第2ギア部81jの軸線方向における位置が近い。したがって、駆動伝達部材81が傾いた場合の駆動アイドラギア96と駆動伝達部材81の第2ギア部81jとの軸間距離や歯すじのアライメントずれの変化を小さくすることができる。その結果、駆動し始めのギアの噛合いを安定させることができる。
【0120】
V字形状部94aの位相は、駆動アイドラギアと駆動伝達部材81の第2ギア部81jとの噛合いにより駆動伝達部材81を安定して保持し得る位置に配置されている。つまり、この噛合い力方向の下流側にV字形状部94aを配置することで、駆動伝達部材81の固定端81cを軸受94のV字形状部94aに突き当てる。これにより駆動伝達部材81が安定して保持されるように設定されている。また、V字形状部94aの径方向の位置は、駆動伝達部材81の後端側がV字形状部94aに当接した時に駆動アイドラギア96と駆動伝達部材81の第2ギア部81jとの軸間距離が適切となる位置である。つまりアイドラギア96と駆動伝達部材81が噛み合い可能な位置に駆動伝達部材81は保持される。
【0121】
これにより、駆動がかかっていない時には、駆動伝達部材81は駆動伝達部材81の後端側を支点としてガタの中で傾き可能である。また、駆動がかかっている時には、噛合い力によって駆動伝達部材81の後端側がV字形状部94aに付勢されて、駆動伝達部材81の第2ギア部81jと駆動アイドラギア96との軸間距離が精度よく決まる第1姿勢をとる。その結果、精度よく回転動力を伝えることができる。
【0122】
次に、駆動伝達部材81の支持構成のカップリング凹部81b側(先端側、自由端側、非駆動側)について説明する。図13(a)はカップリング係合時の駆動伝達部材の姿勢を示す断面図であり、図13(b)は開閉扉を開いた時の駆動伝達部材の姿勢を示す断面図であり、図14は開閉扉を開いた時の駆動伝達部材の姿勢を示す断面図である。
【0123】
図13(a)に示すように、カップリング係合時の駆動伝達部材81は、第1側板(第1駆動側側板)15に設けられたスペース15nによって、駆動伝達部材81にガタを有して支持されている。第1側板15のスペース15nは、現像ローラギア30のギア部30aと対向する位置に配置されている。また、第1側板15には、駆動伝達部材81を傾斜させるために、傾斜付勢バネ98を含めた傾斜部材97が設けられている。傾斜部材97の付勢方向は、駆動伝達部材81のギア部81aが現像ローラギア30から離れるように配置されている。
【0124】
次に、図13(b)に示すように、開閉扉を開いた時の駆動伝達部材81は、傾斜部材97によって駆動伝達部材81の軸線を傾けた第2姿勢をとることができる。第2姿勢の駆動伝達部材81は、傾斜部材97によって第1側板15のスペース15nを埋めるように駆動伝達部材81が傾いている。したがって、駆動伝達部材81のギア部81aが現像ローラギア30のギア部30aから離れるように傾いている。そのため、駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aの径方向に隙間が生じるようになる。
【0125】
なお、カップリング係合時の駆動伝達部材81は、傾斜部材97によって付勢力を受けているが、前述したカップリング凹部81bとカップリング凸部63bの調芯作用により駆動伝達部材81のカップリング凹部81bは位置が決まっている。
【0126】
図14に示すように、第1側板15のスペース15nには、カートリッジBが装着されていない時の駆動伝達部材81の軸受(保持部)としてのV字形状部15mが設けられている。V字形状部15mは、傾斜部材97によって傾斜する駆動伝達部材81を支えるために、第1側板15のスペース15nの傾斜を受ける位置に配置されている。つまり、このスペース15nのV字形状部15mに保持された駆動伝達部材81は、駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aの径方向に隙間を生じさせ、カートリッジBの装着や取り外しの際にギア同士の噛合いを解除可能となる。
【0127】
<カートリッジの制御部材の構成>
次に、駆動伝達部材81が傾動可能(傾斜可能)に構成された時に、制御部材(調芯補助部材、可動部材、付勢部材、調芯部材、レバー部材)101がカートリッジに設けられた構成について説明する。図15はカートリッジの制御部材を示した斜視図である。
【0128】
図15(a)に示すように、駆動伝達部材81の姿勢を制御する部材である制御部材101が、カートリッジの駆動側に配置されている。制御部材101は感光体ドラム62に対して移動可能な可動部材である。この制御部材101は、ドラム軸受73に対して支持ボス101aの軸線AAを中心に回転可能に取り付けられている。
【0129】
ドラム軸受73は、カートリッジの枠体の一部であって、感光体ドラム62を回転可能に支持する。ドラム軸受73は、カートリッジの駆動側の側面を形成する部分であり、クリーニング枠体71の駆動側の端部に取り付けられている。したがって、ドラム軸受73をクリーニング枠体71の一部とみなすこともできる。
【0130】
また、図15(b)に示すように、支持ボス101aには、ねじりコイルバネである付勢バネ102が取付けられている。制御部材101は、付勢バネ102の付勢力により矢印BB方向に付勢されている。一方、ドラム軸受73には制御部材101の回転範囲を規定する制御部材当接部(停止部)73aが設けられている。制御部材101は付勢バネ102により矢印BB方向に付勢されているため、制御部材101の被当接部101bは、制御部材当接部73aに当接した姿勢となる。つまり、制御部材当接部73aが制御部材101に当接することによって、制御部材101の移動が止められる。
【0131】
また、ドラム62の軸線方向に沿って見たとき、制御部材101の制御部(規制部、付勢部、作用部)101cはドラム62の表面(外周面)62bの近傍に配置されている。この状態の制御部材101の位置のことを制御部材の作用位置(通常位置)とよぶ。
【0132】
一方、制御部材101は、外部から力を受けるとドラム62から遠ざかるように作用位置から退避した退避位置(非作用位置)にも移動可能である。このような例を図22に示す。図22はカートリッジBの側面図である。制御部材101は、カートリッジBが装置本体Aに装着されることに伴って制御部材101が作用位置から退避位置に向かって一定の距離を移動するようになっている。これについては後述する。
【0133】
制御部材101の制御部101cはカップリング凸部63bに対して長手方向外側の位置に配置されている。
【0134】
図15(a)の上面図を図19に示す。図19において、矢印CC方向において制御部材101の被当接部101bより先端側は、ドラム軸受73の近接部73bに対してクリアランスWが設けられている。そのため、制御部材101の先端に力F1をかけると、制御部材101は矢印CD方向に撓むことができる。
【0135】
次に、カートリッジの装着時の制御部材の動作について、説明する。図16はカートリッジ装着時の駆動伝達部材の傾斜動作を示す断面図である。
【0136】
前述した通り、カートリッジBが装置本体Aに装着されていない時には、駆動伝達部材81は傾斜部材97によって傾斜して保持されている。駆動伝達部材81は傾斜部材97により付勢力FF2を受ける。ここからカートリッジBを挿入して、開閉扉13を閉じると、図16に示すように、制御部材101の制御部101cは駆動伝達部材81のギア部81aに当接する。そのため、駆動伝達部材81は制御部101cより付勢力FF1を受ける。
【0137】
したがって、駆動伝達部材81は制御部101cより矢印BB方向の付勢力FF1と傾斜部材97により付勢力FF2が作用する。この結果、駆動伝達部材81に作用するFF1>FF2となるため、駆動伝達部材81の傾斜が小さくなる。したがって、駆動伝達部材81が移動して、駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aが噛み合うようになる。
【0138】
以上より、本実施例における駆動伝達部材の傾斜状態からカートリッジを装着してカップリングの係合までをまとめると、以下のようになる。はじめに、カートリッジBの制御部材101によって駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aが噛み合う。駆動伝達部材81に駆動がかかると、現像ローラギア30のギア部30aのスラスト方向の噛合い力によって、駆動伝達部材81はドラム62側に移動する。さらに、カートリッジBの規制部73jで駆動伝達部材81の傾斜角度を規制する。これによって駆動伝達部材81が傾いている装置本体Aであっても、カップリング間の芯ずれを小さくして、両カップリングを係合可能な状態にできる。
【0139】
<カートリッジの取り外し>
装置本体Aの開閉扉13を閉じた状態から開く状態までの動作を説明する。図13(a)が開閉扉を閉じた状態であり、図13(b)が開閉扉を開いた状態である。
【0140】
まずは、カップリングの係合を外すまでについて説明する。開閉扉13を回転して開いた際、円筒カムリンク85を介して、円筒カム86が回転する。円筒カム86が回転すると、円筒カム86の斜面部86a、86b、86cが斜面部15d、15e、15fに沿ってスライドすることで、円筒カム86が駆動側に移動する(図5)。この移動により、カップリング凸凹63b、81bの係合が外れていく。さらに、開閉扉13を開くと、カップリング凸部63bと凹部81bが外れる。
【0141】
次に、カップリングの係合が外れてからカートリッジBを引き出すまでについて説明する。図13(b)で示すように、開閉扉13を開けると駆動伝達部材81が第2側板93の突出部93cに当接して傾く。駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aの径方向の噛合い以上に隙間が生じる。その結果、カートリッジBを装置本体Aから引き出す際、ギア81a、30a同士の噛合いはスムーズに解除される。つまり、カートリッジBを装置本体Aから容易に引き出すことできる。
【0142】
<駆動伝達部材のカバー部の構成>
装置本体Aの駆動伝達部材81を保護するカバー部105について、説明する。図17(a)はカップリング係合時の駆動伝達部材とカバー部を示す斜視図であり、図17(b)は開閉扉を開けた状態の駆動伝達部材とカバー部を示す斜視図である。図18はカートリッジの装着時と取り外し時の制御部材の動作を示す断面図である。
【0143】
図17に示すように、駆動伝達部材81を保護するカバー部105は、駆動伝達部材81を覆うように第1側板15に設けられている。カバー部105は、4つの開口部を有している。
【0144】
まず、第1開口部105aは、駆動状態における駆動伝達部材81のカップリング円筒部81iが突出する位置、カバー部105の非駆動側端面105eに配置されている。また、カバー部105の非駆動側端面105eの長手方向の位置は、駆動状態においては駆動伝達部材81のギア部端面81a1とドラム軸受73との間に配置される。さらに、カバー部105の非駆動側端面105eの長手方向の位置は、駆動状態においてはカップリング凹部の先端部81b1が突出するようになる。また、開閉扉13が開いた状態においては、駆動伝達部材81は退避位置となるため、カップリング凹部の先端部81b1がカバー部105の非駆動側端面105eよりも突出しないようになる。そのため、カバー部105はドラム62の軸方向において、カートリッジBの装着時に干渉しない配置となっている。
【0145】
次に、第2開口部105bは、駆動状態における駆動伝達部材81のギア部81aと現像ローラギア30のギア部30aが噛合う位置、カバー部105の側面の装着方向C上流側下方に配置される。また、開閉扉13が開いた状態の傾斜した駆動伝達部材81のギア部81aは、傾斜部材97によって現像ローラギア30のギア部30aから離れる方向に傾斜しているため、第2開口部105bから離れた位置に配置している。
【0146】
そして、第3開口部105cは、カップリング係合時における駆動伝達部材81の傾斜角度を規制するカートリッジBの規制部73jの位置、カバー部105の側面のカートリッジBの装着方向C上流側に配置される。また、開閉扉13が開いた状態の傾斜した駆動伝達部材81のギア部81aは、傾斜部材97によってカートリッジBの装着方向C下流側に傾斜しているため、第3開口部105cから離れた位置に配置している。
【0147】
さらに、第4開口部105dは、駆動状態におけるカートリッジBの制御部材101と駆動伝達部材81のギア部81aが近接する位置、カバー部105の側面のカートリッジBの装着方向C下流側上方(第2開口部の対向側)に配置される。
【0148】
また、図18に示すように、第3開口部105cと第4開口部105dの間のカバー部105は、カートリッジBの装着時と取り外し時において、制御部材101の動作させるガイドとなるガイド部105fを有している。カバー部105fは、制御部材101の先端部をガイドさせて、制御部材101を第4開口部105dへ導いている。
【0149】
前述した通り、カートリッジBが装置本体Aに装着された際に、カートリッジBのスペース87は、その内部に駆動伝達部材81のギア部81aとカバー部105を配置するためのものである。このスペース87が存在することより、カートリッジBを装置本体Aに装着する際に、駆動伝達部材81がカートリッジBに干渉することがなく、装置本体Aに対するカートリッジBの装着を許容する。
【0150】
以上のように本実施例では、装置本体Aの駆動伝達部材81を保護するカバー部105を設けた構成とした。このため、装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを装置本体から抜いた状態においても、画像形成装置の駆動伝達部材の出力カップリングおよび出力ギアに塗られた潤滑剤をユーザが触わりにくくなり、ユーザビリティを向上させることが可能となる。
【0151】
<カートリッジとカバー部の関係>
上記したように、カートリッジを装置本体Aに装着した際に、カートリッジBが、装置本体Aのカバー105aおよび駆動伝達部材81と干渉しないように、カートリッジBにはスペース87が設けられている(図7参照)。このスペース87は、カバー部105aや駆動伝達部材81の形状に合うように工夫されているので、以下に説明する。
【0152】
図20にカートリッジの側面図を示す。図20は、カートリッジの駆動側を示す図面であり、ドラム62の軸線と垂直な面である。また図20は制御部材101が作用位置に位置する状態を示している。
【0153】
クリーニング枠体71の側面を形成するドラム軸受73は、軸線方向の外側に向かってせり出した規制部(せり出し部)73jを有している。また、ドラム軸受73は、軸線方向の外側に向かってせり出しているせり出し部73mをさらに有している。ここで、規制部73jを第1のせり出し部、せり出し部73mを第2のせり出し部と呼ぶ場合がある。
【0154】
また上記したようにドラム軸受73の近傍には、規制部材101が配置されている。
【0155】
一方、現像枠体29によって支持される現像ローラ30には現像ローラギア32が支持されている。
【0156】
これらのせり出し部(73j、73m)、規制部材101、現像ローラギア32は、ドラム62に取り付けられたカップリング凸部63bよりもカップリング凸部63bよりも軸線方向において外側に配置されている(図7参照)。せり出し部(73j、73m)、規制部材101、現像ローラギア30は、軸線AX1の周囲を囲うように配置されている。せり出し部(73j、73m)、規制部材101、現像ローラギア30によって、周囲を囲われた空間がスペース87である(図7図25参照)。
【0157】
せり出し部(73j、73m)、規制部材101、現像ローラギア30の形状や配置を特定の条件を満たすようにすることで、スペース87をカバー部105aや駆動伝達部材81の形状に合うようにしている。以下、詳細に説明する。
【0158】
なお、以下の説明において、ドラム62の軸線AX1と平行な面における極座標(円座標)を用いる。この極座標系において、ドラム62の中心(軸線AX1)を原点(極)とし、ドラム62の中心(軸線AX1)から現像ローラギア30の中心(軸線AX2)へ延びる線を始線(極線)とする。始線は、ドラム62の中心から現像ローラの中心に向かって延びる線とみることもできる。感光体ドラムの回転方向Rを角度座標(偏角)Θの正方向とする。とくに断りがない場合、以下、感光体ドラムの中心(軸線AX1)からの距離について言及した場合には、この極座標系における距離を示す。つまり、ドラムの軸線AX1から軸線AX1に垂直な方向に沿って測った距離である。極座標系において、原点(ドラムの軸線AX1)からの距離を、動径座標rと呼ぶ場合がある。
【0159】
図20では、回転方向Rにおける、規制部(第1のせり出し部)73jの表面部の上流側端部の角度座標をα1で示し、下流側端部の角度座標をα2で示した。規制部73の表面部は、ドラム62の中心(AX2)に向かって面している。
【0160】
ここで、規制部73jの角度座標に関して好ましい範囲は「190°<α1<α2<280°」である。
【0161】
より詳細に好適な条件をいうと、「190°<α1<250°」かつ、「220°<α2<280°」である。
【0162】
本実施例においては、おおよそ
α1=216°
α2=227°
とした。
【0163】
ここで、上記の極座標系(図20)において、ドラム62の中心(軸線AX1)から規制部73jの表面部までの距離をRaとし、ドラム62の中心(軸線AX1)から現像ローラギア30の歯先円までの距離をR1とする。ドラム62の中心(軸線AX1)から現像ローラギア30の中心(軸線AX2)までの距離をR2とする。
【0164】
この時「R1<Ra<R2」の関係が満たされるようになっている。
【0165】
以上まとめると、極座標系における動径座標rと角度座標Θに関して「R1<r<R2、190°<Θ<280°」を満たす領域の内部に、規制部73jの表面部が配置されていると好適である。
【0166】
また、ドラム62の回転方向Rにおいて規制部73jよりも上流側かつ現像ローラギア30よりも下流側には、制御部材101の制御部101cが配置される。制御部101cは制御部材101の表面の一部であって、ドラム62の軸線AX1に向かって面している。
【0167】
本実施例では、極座標系において、制御部101cの下流側端部の角度座標をα4、上流側端部の角度座標をα3とする。α3、α4において好適な範囲を示すと「110°<α3<α4<225°」である。つまり、制御部101cは、角度座標Θが「110°<Θ<225°」を満たす範囲の内部に位置しているのが望ましい。ただし、上記したように規制部73jよりも、制御部101cが回転方向Rの上流側に位置するようにする。
【0168】
より詳細にα3、α4の好適な条件をいうと以下の通りである。
【0169】
110°<α3<170°
170°<α4<225°
本実施例ではおおよそ
α3=147°
α4=180°
とした。
【0170】
規制部73jの両端部の角度座標α1、α2、制御部101cの両端部の角度座標α3、α4に関して、「α3<α4<α1<α2」が満たされるようにする。
【0171】
また極座標系(図20)において、ドラム62の中心(軸線AX1)から制御部101cまでの最短距離をR3は、ドラム62の中心(軸線AX1)から現像ローラギア30の中心(軸線AX2)までの距離R2よりも小さい。また、R3は、ドラム62の中心(軸線AX1)から現像ローラギア30の歯先までの距離R1よりも大きい。つまり「R1<R3<R2」の関係が満たされるようになっている。
【0172】
また、ドラム62の中心(軸線AX1)から制御部101cまでの距離R3は、ドラム62の中心(軸線AX1)から規制部73jまでの距離Raに対してわずかに大きく設定されていることが望ましい。すなわち「Ra<R3」であると望ましい。
【0173】
なお、角度座標α4から角度座標α1の範囲において、制御部材101には、凹部(退避部)101dが設けられている。凹部101dはドラムの中心から遠ざかるように窪んだ窪みである。ドラム62の中心(軸線AX1)から凹部101dを形成する面101d1までの距離をL1とする。距離L1は、ドラム中心(軸線AX1)からせり出し部73jまでの距離Ra、ドラム中心(軸線AX1)から制御部101cとの距離R3に対して、「Ra<L1、R3<L1」の関係になっている。
【0174】
さらに、回転方向Rにおいて、規制部73jよりも下流側で現像ローラギア30よりも上流側には第2のせり出し部73mと、退避部73kと、が設けられている。第2のせり出し部73mの表面は、規制部73jの表面よりもドラム中心(軸線AX1)から離れて位置している。ここで、規制部73jを第2のせり出し部73mと区別して、第1のせり出し部と呼ぶ場合がある。
【0175】
つまり、規制部(第1のせりだし部)73kに対して、第2のせり出し部73mが、径方向における外側に向かって窪んでいる。退避部73kは、規制部73jと第2のせり出し部73mの段差によって生じる空間(スペース)である。カートリッジの枠体の側面において、せり出し部(73j、73m)が形成されていない部分が退避部73kである。
【0176】
ここで、図20において、ドラム62の軸線AX1から第2のせり出し部73mまでの距離L2は、軸線AX1からせり出し部73jまでの距離Raよりも大きい。つまり「Ra<L2」の関係になっている。
【0177】
まとめると、極座標系において角度座標Θが「α2<Θ<360°」かつ、動径座標rが「Ra<r<R2」を満たす領域の少なくとも一部に、退避部73kが配置されている。
【0178】
特に、角度座標Θに関しては、「282°<Θ<297°」が満たされる範囲の全域に、退避部73kがあることが好ましい。退避部73kがこの範囲を超えるように配置されていてもよい。
【0179】
なお、本実施例においては退避部73kに接するように第2のせり出し部73mが設けられているが、必ずしもその必要はない。例えば図23に示すように退避部73kが形成されていれば、第2のせり出し部73mがなくてもよい。図23は実施例1の構成を一部変更したカートリッジBの変形例を示す斜視図である。
【0180】
なお、図20のX1-X1断面図である図21に示すように、制御部材101の規制部101cおよびせり出し部(73j、73m)は、カップリング凸部63bに対して長手方向外側の位置に配置されている。
【0181】
前述したようにスペース87(図7)は制御部材101とせり出し部(73j、73m)、現像ローラギア30によって囲われることで、ドラム62の軸線A1の周囲に形成される空間である。カートリッジBが装置本体Aに装着されたときには、このスペース87に駆動伝達部材81および駆動伝達部材81を保護するカバー部105(図17参照)が進入可能になっている。
【0182】
図24では、カートリッジBを装置本体Aに装着した状態における、カートリッジと装置本体の断面図を示す。また、図25では、カートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態における、カートリッジの断面図を示す。図25は、現像ローラギア30を通り、感光体ドラムの軸線に垂直な断面である。
【0183】
図24を見るとわかるように、にカートリッジの側面に退避部73k、退避部101dを設けたことで、カバー部105とカートリッジの干渉を避けている。また、図25を見るとわかるように、感光体ドラムの軸線AXの周囲には、現像ローラギア30、せり出し部(73j、73m)、制御部材101によって囲われたスペース87が形成されている。特に退避部73kや退避部101dによって、このスペース87が拡張されているので、スペース87をカバー部105よりも大きくすることができている。スペース87の中にカバー部105を配置することができ、駆動伝達部材81とカートリッジBを接続させることが可能となる。
【0184】
図20に示されるように、スペース87は、ドラム62の軸線AX1を中心とした半径R1の円よりも大きい。半径R1は、ドラム62の軸線A1から現像ローラギア30の歯先までの距離である。つまり半径R1の円の内部は、駆動伝達部材81を収容するために必須な領域である。
【0185】
さらにスペース87は、退避部73k、凹部101dによって拡張された空間を含む。この領域にカバー部105が配置される。図24に示されるように、退避部73kに対応する領域には、カバー部105の部分105iが配置される。凹部101dには、カバー部105の部分105hが配置される。
【0186】
また、スペース87は、ドラム62の回転方向Rにおいて現像ローラギア30の下流側かつ、制御部101cよりも上流側の領域も含まれる。図24に示されるように、この領域にカバー部105の部分105gが配置される。少なくとも偏角座標Θが「63°<θ<109°」の全域において、部分105gを配置するためのスペース87が形成されているのが望ましい。本実施例では、現像ローラギア30よりも下流側かつ、制御部101cよりも上流側の領域において、スペース87は閉じられることなく開放している。つまりドラム軸受73は、現像ローラギア30と制御部101cの間に、スペース87を閉じるための構成要素を持っていない。
【0187】
現像ローラギア30よりも下流側かつ制御部101cよりも上流側の領域において、スペース87は、ドラム軸線AX1からの距離がRaを超える領域を有するようにする(図20参照)。
【0188】
本実施例によれば、スペース87の中にカバー部105を配置することができ、カバー部105によって保護された駆動伝達部材81を確実にカートリッジBに接続させることが可能となる。
【0189】
なお、図22を用いて前述したように、制御部材101に力F2を加えると、制御部材101は付勢バネ102の付勢力に抗して軸線AAを中心に矢印AB方向に回転し非作用位置(退避位置)に移動することができる。このとき、制御部材101の制御部101cと軸線AX1との距離R4(図22)は、作用位置における制御部101cと軸線AX1とのR3(図20)参照よりも大きい。つまり「R3<R4」の関係となっている。
【0190】
このように制御部材101が移動することによって、制御部101cとドラム軸線AX1との距離が変化する。制御部材101の移動によって、スペース87の大きさも変化する。
【0191】
そのため、必ずしも常にスペース87が、駆動伝達部材81とカバー部105を収容させるのに十分な大きさを持っている必要はない。つまり、カートリッジBが装置本体Aに装着される前には、十分なスペース87が形成されない場合も考えられる。
【0192】
この場合には、装置本体AにカートリッジBに装着されることに伴い、制御部材101を装置本体Aによって所定の位置に移動させることによって、カバー部105を収容させるのに十分なスペース87を制御部材101によって形成されるような構成であればよい。制御部材101の所定の位置とは、図22図24図25に示すような位置である。なお、本実施例では、カートリッジBが装置本体Aに装着されていない状態、つまり制御部材101が外力を受けていない状態において、制御部材101が図22図24図25に示すような所定の位置(作用位置)に位置するようにした。
【0193】
なお、本実施例ではカバー部の開口部が4つの構成とした。しかしながら、これらの開口部は開口の数や形状、配置を限定したものではない。例えは、これらの開口部が繋がったり、開口の数が増えたり、開口部の形状が変更したり、開口部の配置が移動した構成としてもよい。
【0194】
上述した本実施例に関して記載されている構成部品の機能、材質、形状その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【符号の説明】
【0195】
A 装置本体
B カートリッジ
30 現像ローラギア
32 現像ローラ(現像剤担持体)
62 ドラム(電子写真感光体ドラム)
73j 規制部
101 制御部材
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