(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】操作装置及び操作装置を備えた画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240112BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240112BHJP
H01H 9/04 20060101ALN20240112BHJP
【FI】
G03G15/00 550
G06F3/041 400
H01H9/04 A
(21)【出願番号】P 2019213740
(22)【出願日】2019-11-26
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】友野 俊郎
(72)【発明者】
【氏名】服部 真吾
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-282534(JP,A)
【文献】特開2002-307777(JP,A)
【文献】特開2017-085400(JP,A)
【文献】実開昭57-197149(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G06F 3/041
H01H 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成装置に用いられる操作装置であって、
ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネル部と、
前記操作装置の外装面の少なくとも一部を構成し、前記タッチパネル部を支持する支持部と、
前記タッチパネル部の板厚方向において前記支持部に対して前記タッチパネル部と反対側において前記操作装置の内部に設けられる表示部と、
前記操作装置の内部に設けられる基板と、
前記タッチパネル部に設けられ、前記基板と接続される接続線と、
前記支持部に設けられ、前記接続線が挿通される切り欠き部と、
前記タッチパネル部の前記板厚方向において前記支持部と前記表示部との間に設けられ、前記切り欠き部を封止するように前記支持部に取り付けられる封止材と、
を備え
、
前記支持部は、前記表示部の表示面を前記操作装置の外部から視認可能とする略矩形状の開口を有し、
前記切り欠き部は、前記開口に対して外側に向かって凹む凹形状を有する、
ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記切り欠きは、前記開口に対する凹み方向と前記開口の貫通方向とに直交する方向に延びる溝部を有する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記支持部は、
前記タッチパネル部を支持する支持面と、
前記タッチパネル部の板厚方向において前記支持面と反対側に設けられ、前記封止材がり付けられる封止材貼り付け面と、を有する
ことを特徴とする請求項1
又は2のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記切り欠きを挟むように設けられる縁部を有し、
前記封止材貼り付け面は、前記板厚方向における前記縁部の厚みが、前記支持部の他の部分の厚みよりも薄くなっている、
ことを特徴とする請求項
3に記載の操作装置。
【請求項5】
前記封止材貼り付け面は、前記タッチパネル部の前記板厚方向において前記縁部から徐々に厚みが増すように傾斜する傾斜部を有する、
ことを特徴とする請求項
4に記載の操作装置。
【請求項6】
前記タッチパネル部は、前記支持部に対して両面テープで接着される、
ことを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の操作装置。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成ユニットと、
前記画像形成ユニットを内部に収容する装置本体と、
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の操作装置であって、前記装置本体に対して回動可能な操作装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、およびこれらの機能を複合的に備えた画像形成装置に設けられる操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置には、画像形成装置に関する情報を表示可能な機能を備え、画像形成装置に関するユーザからの支持操作を受け付け可能な操作装置が設けられている。操作装置は、タッチパネル部と、タッチパネルを保持するタッチパネルホルダとを有している。ここで、タッチパネルは、両面接着テープを貼り付けることでタッチパネルホルダによって保持される。また、タッチパネル部の下側であって操作装置の内部には液晶パネル等のバックライト部が設置される。このような構成によって、操作装置は、バックライト部に画像形成装置に関する情報やユーザによって操作される操作キーを表示し、タッチパネル部によってユーザの操作を受け付けることが可能となっている。
【0003】
また、操作装置の技術分野においては、使用環境に対する適応性や耐久性が求められているため、長期に渡り視認性や密封性を維持させる必要がある。そこで、タッチパネル部とタッチパネルホルダとの間隙に両面テープを粘着することにより、バックライト部が収容される操作装置内部へ埃や塵等の異物が侵入することを防ぐ操作装置が知られている。一方、テープ端部の継ぎ目には隙間が生じることがあり、このような隙間から埃等の異物が侵入することがある。
【0004】
そこで、特許文献1では、継ぎ目となるテープの第1の端縁と第2の端縁とが、少なくとも一部において嵌合する形状とすることで、テープ端部の継ぎ目から埃等の異物が侵入することを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、タッチパネル部とバックライト部には、それぞれを動作させるために制御基板と電気的に接続するための束線がそれぞれ設けられている。ここで、制御基板は、バックライト部よりもさらに下方で操作装置の内部に位置しているため、タッチパネルホルダの外側からタッチパネル部を貼り付ける構成の場合は、タッチパネルホルダにタッチパネル部の束線を通すための切り欠き部を設ける必要がある。
【0007】
しかしながら、このような切り欠き部を設ける場合、タッチパネルホルダの切り欠き部以外の部分には両面テープを設けることができるが、切り欠き部には両面テープを設けることができない。これにより、埃等の異物が切り欠き部から操作装置の内部へと侵入してしまう恐れがあった。
【0008】
そこで本発明は、上記課題に鑑み、タッチパネルホルダの外部からタッチパネル部を貼りつける構成であっても、操作装置内部へ埃等の異物の侵入を抑制することができる操作装置及び操作装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、シートに画像を形成する画像形成装置に用いられる操作装置であって、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネル部と、前記操作装置の外装面の少なくとも一部を構成し、前記タッチパネル部を支持する支持部と、前記タッチパネル部の板厚方向において前記支持部に対して前記タッチパネル部と反対側において前記操作装置の内部に設けられる表示部と、前記操作装置の内部に設けられる基板と、前記タッチパネル部に設けられ、前記基板と接続される接続線と、前記支持部に設けられ、前記接続線が挿通される切り欠き部と、前記タッチパネル部の前記板厚方向において前記支持部と前記表示部との間に設けられ、前記切り欠き部を封止するように前記支持部に取り付けられる封止材と、を備え、前記支持部は、前記表示部の表示面を前記操作装置の外部から視認可能とする略矩形状の開口を有し、前記切り欠き部は、前記開口に対して外側に向かって凹む凹形状を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タッチパネルホルダの外部からタッチパネル部を貼りつける構成であっても、操作装置内部へ埃等の異物の侵入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図6】第1の実施形態における操作装置を示す斜視図及び断面図
【
図7】第2の実施形態におけるタッチパネルホルダを示す斜視図及び断面図
【
図8】第3の実施形態におけるタッチパネルホルダを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
(画像形成装置)
図1は、本実施形態における画像形成装置100の外観斜視図である。
【0014】
画像形成装置100は、記録紙の出力枚数やサイズ等といった各種出力条件が操作装置300からユーザによって入力されることで、ユーザの指示に基づく画像形成動作が可能となっている。つまり、操作装置300は、画像形成装置に関する入力操作を受け付け可能である。また、操作装置300は、画像形成装置100に対して回動可能となっており、画像形成装置100に対して任意の角度で保持される構成としている。
【0015】
そして、ユーザによってコピーモードの実行指示が操作装置300を介してなされた場合、画像読取装置101によって読み取られた画像が不図示の記憶部に格納され、次に装置本体102の下方に設けられたシート収容装置103a、bからシートが一枚ずつ送り出され、装置本体102内部の画像形成部(後述する)によって、シート状に画像が形成され、排紙トレイ104へと排出される。
【0016】
次に、装置本体102の内部構成について詳しく説明する。
図2は、画像形成装置100の概略断面図である。
【0017】
本実施形態における画像形成装置100は、
図2に示すように、装置本体40内に、中間転写ベルト265の面に沿って画像形成部1Y、1M、1C、1Kを配列したタンデム型中間転写方式の画像形成装置である。ここで、画像形成部1Y、1M、1C、1Kは、画像形成ユニットの一例である。
【0018】
画像形成部1Y、1M、1C、1Kは、それぞれの現像カートリッジ220で用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部1として、画像形成部1Y,1M,1C,1Kについて重複する説明を省略する。
【0019】
画像形成部1は、感光ドラム27を囲んで、帯電ローラ24、露光装置12、現像カートリッジ220、転写ローラ264、クリーニングブレード25を配置している。感光ドラム27は、所定のプロセススピードで回転する。
【0020】
ドラムカートリッジ270は、感光ドラム27と、感光ドラム27を一様な負極性の電位に帯電させる帯電ローラ24と、感光ドラム27に摺擦して転写残トナーを除去するクリーニングブレード25とを備えている。
【0021】
露光装置12は、送られてきた画像データを展開した走査線画像信号をON-OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、感光ドラム27の表面に画像の静電像を形成する。
【0022】
現像カートリッジ220は、現像スリーブ22によって感光ドラム27上にトナーを移動させ、静電像を現像剤像としてのトナー像に現像する。
【0023】
転写ローラ264には1次転写バイアスが印加され、感光ドラム27に担持されたトナー像を中間転写ベルト265へ一次転写する。クリーニングブレード25は、感光ドラム27に摺擦して転写残トナーを除去する。
【0024】
このようにして、画像形成部1Y,1M,1C,1Kで感光ドラム27Y、M,C,Kに形成された各職のトナー像は、転写ローラ261によって一次転写部TY、TM,TC,TKで中間転写ベルト265に転写される。
【0025】
各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト265上に一時転写された上流側のトナー像に重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、中間転写ベルト265上には、4色のトナー像が形成される。
【0026】
そして、中間転写ベルト265に転写されたトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ転写される。分離ローラ5は、記録材カセット103から引き出したシートSを1枚ずつに分離して、レジストローラ23へ送り出す。
【0027】
レジストローラ23は、中間転写ベルト265のトナー像が二次転写部T2へ移動するタイミングを合わせてシートSを二次転写部T2へ搬送する。そして、二次転写部t2でトナー像が転写されたシートSは、定着装置30で加熱加圧を受けて画像を定着された後、排出ローラ31によって排出トレイ104へ排出される。
【0028】
トナーカートリッジ221は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用に4つ設けられ、それぞれが各色の現像カートリッジ220へトナーを補給する。
【0029】
(操作装置)
次に、本実施形態における操作装置300について、
図3を用いて説明する。
図3は、本実施形態における操作装置300を正面側(ユーザが操作する操作面側)から見たときの分解斜視図である。
【0030】
操作装置300は、一部が外装面を形成する外装カバーを兼ねるタッチパネルホルダ53と、タッチパネルホルダ53に固定されるタッチパネル部55と、タッチパネルホルダ53に対してタッチパネル53が取り付けられる面と反対側に位置するように操作装置300内部に設けられるバックライト部5(
図6、7参照)とを備えている。ここで、タッチパネルホルダ53は支持部の一例であり、バックライト部5は表示部の一例である。
【0031】
バックライト部57は、液晶ディスプレイであり、画像形成装置100に関する情報や操作キーを画面上に表示することが可能となっている。そして、操作装置300は、バックライト部57に表示する画面に対応するユーザの操作をタッチパネル部55を介して受け付けることが可能となっている。
【0032】
また、タッチパネル部55は、操作装置300の内部に設けられる不図示の制御基板と接続される束線56を有している。束線56は、例えばフレキシブルフラットケーブル等の接続線である。
【0033】
タッチパネルホルダ53は、バックライト部57の表示面を操作装置300の外側に向けて視認可能とするための略矩形状の開口77を有している。
図3のように、本実施形態では、タッチパネルホルダ53に対して、タッチパネル部55が操作装置300の外側から取り付けられ、バックライト部57が操作装置300の内側に位置する構成となっている。
【0034】
バックライト部57の表示画面は、略矩形状の開口77を介して視認可能となっているため、略矩形状となっている。
【0035】
タッチパネルホルダ53は、開口77の周囲に外装面を形成しない縁部があり、縁部に両面テープ58が貼設される。そして、タッチパネル部55は、この両面テープ58に貼り付けられることで、タッチパネルホルダ53に保持される。
【0036】
両面テープ58は、略矩形状のタッチパネル部55の4つの辺に対応するように、タッチパネルホルダ53に貼り付けられている。両面テープ58は、1つの接着部材によって一体的に構成されてもよいが、各辺に分割された複数の両面テープを用いる等、複数の接着部材によってタッチパネル部55を固定するような構成であってもよい。
【0037】
タッチパネルホルダ53には、タッチパネル部55をタッチパネルホルダ53に貼りつける際に束線56を操作装置300の内部へ挿通するための切り欠き部75を有している。切り欠き部75は、両面テープ58が貼りつけられるタッチパネルホルダ53の縁部において、開口77に対して外側に凹むような形状となっている。
【0038】
両面テープ58は、タッチパネルホルダ53に対して切り欠き部75以外の領域に貼り付けられ、反対側の面にタッチパネル部55が貼りつけられる。
【0039】
このようにして、タッチパネル部55が操作装置300の最も外側に位置するように取り付けられている。つまり、タッチパネル部55は、ユーザによるタッチ操作が可能な位置に設けられている。ここで、タッチパネル部55は、タッチ操作、フリック操作、スワイプ操作やスクロール操作などが可能となっている。
【0040】
ここで、タッチパネルホルダ53とタッチパネル部55との間は、両面テープ58で封止されるため、隙間ができにくく、操作装置300の外側からの埃等の異物が侵入することを抑制することができる。
【0041】
図5に、タッチパネルホルダ53にタッチパネル部55を取り付けた状態の操作装置300を示す。操作装置300の内部であってタッチパネル部55の平面に垂直な方向においてタッチパネルホルダ53よりも下方にはバックライト部57が設けられている。尚、
図4において、バックライト部57は不図示となっている。
【0042】
このように、本実施形態では、両面テープ58が貼りつけられたタッチパネルホルダ53にタッチパネル部55を上(外側)から貼り付けている。この構成は、タッチパネルホルダ53にタッチパネル部55を下(内側)から貼り付ける構成と比較して操作装置300の外観面に段差を少なくすることができるためデザイン性に優れている。
【0043】
また、タッチパネルホルダ53にタッチパネル部55を上(外側)から貼り付けているため、ユーザがタッチパネル部55を操作する際に指等で押した力をタッチパネルホルダ53で受けることができる。これにより、バックライト部57にはユーザの押圧力が伝わりにくくなる。ここで、バックライト部57の液晶画面等は、力を加わることで破損しやすい構成となっている場合が多い。
【0044】
これに対し、本実施形態のように、タッチパネルホルダ53にタッチパネル部55を外側から貼り付ける構成であれば、タッチパネル部53をタッチパネルホルダ53に対して内側から貼り付ける構成に対して、バックライト部57の破損を抑制することができる。
【0045】
また、操作装置300の内部であって、タッチパネル部55の平面に垂直な方向においてバックライト部57よりも下方には、板金からなる不図示の支持フレームが設けられ、バックライト部57を支持している。この支持フレームは、タッチパネル部55の束線56が接続される制御基板を支持する構成でもある。尚、本実施形態では不図示としているが、バックライト部57にも制御基板と電気的に接続するための束線が設けられている。
【0046】
バックライト部57及び不図示の制御基板は、操作装置300の内部で束線が接続されることで電気的に接続されている。ここで、バックライト部57の束線は、タッチパネルホルダ53よりも操作装置300の内部に位置するため、前述した切り欠き部を形成することなく制御基板と接続されるようになっている。
【0047】
操作装置300においてタッチパネル55が設けられる面と反対側には、外装を形成する不図示の外装カバーが設けられ、制御基板や支持フレームなどを操作装置300の背面から覆う構成となっている。
【0048】
上述したように、タッチパネルホルダ53には、タッチパネル部55の束線56を内部に挿通させるための切り欠き部75が形成されている。この切り欠き部75には、両面テープ58が貼りつけられないため、従来は切り欠き部75を通って埃や塵等の異物が操作装置300内部に侵入する虞があった。
【0049】
このように、埃等の異物が操作装置300内部へ侵入すると、埃がバックライト部57の表面に存在することでバックライト部によって表示される表示画面の視認性が悪くなる場合がある。また、埃が操作装置300内部へ侵入すると、埃による束線の接触不良による故障が発生する場合がある。
【0050】
次に、
図5を用いて本実施形態における課題について詳しく説明をする。
図5は、本実施形態における塵埃対策を設けていない操作装置300の断面図であり、(a)は
図4におけるA-A’断面図を図中の矢印方向から見た図である。(b)は、
図4におけるB-B’断面図を矢印方向から見た図である。(c)は、
図4におけるC-C’断面図を矢印方向から見た図である。
【0051】
図5(a)に示すように、両面テープ58が貼りつけられている位置においては、タッチパネルホルダ53とタッチパネル部55との間の隙間が両面テープ58によって封止されるため、埃や塵等の異物60が操作装置300内部へ入り込みにくくなっている。
【0052】
しかし、
図5(b)及び(c)に示すように、タッチパネル部55の束線56が挿通される切り欠き部75の位置では、両面テープ58を貼りつけることができない。従って、タッチパネルホルダ53とタッチパネル55との微細な隙間から、切り欠き部75を通って埃や塵等の異物が操作装置300内部へと侵入する虞がある。
【0053】
そこで、本実施形態では、切り欠き部75を通じて埃等の異物が操作装置300の外部から内部へ侵入することを抑制するために、封止部材を設ける構成とした。
【0054】
図6に、本実施形態における塵埃対策の構成について、詳細に説明をする。
図6(a)は操作装置300の分解斜視図であり、
図6(b)は
図5のB-B’断面図を矢印方向から見た図であり、
図6(c)は
図5におけるC-C’断面図を矢印方向から見た図である。
【0055】
図6において、タッチパネルホルダ53の欠き部75が設けられていない領域、つまり両面テープ58が貼りつけられている領域は、タッチパネル部55を支持する支持面であり、
図5(a)で示した構成と略等しくなっている。従って、上述したように、タッチパネル部55とタッチパネルホルダ53との間の隙間が両面テープ58によって封止されるため、埃や塵等の異物が入り込みにくくなっている。
【0056】
本実施形態における塵埃対策では、
図6(a)に示したように、スポンジ等からなる封止材61をタッチパネル部55とバックライト部57との間に挟み込む構成としている。
【0057】
具体的には、
図6(b)及び(c)に示すように、封止材61は、切り欠き部75に対応する位置において両面テープ等の接着層61aによってタッチパネルホルダ53の裏面(封止材貼り付け面)及びタッチパネル部55の裏面(ユーザがタッチ操作する面と反対側)に貼りつけられる構成としている。これによって、タッチパネルホルダ53とタッチパネル部55との隙間から切り欠き部75を介して埃や塵等の異物が操作装置300内部へ侵入することを抑制する構成としている。
【0058】
本実施形態では、タッチパネル部55とバックライト部57との間の間隔Sが3mmとなっている。封止材61は、取り付け前の厚みが5mm程度のものであり、操作装置300の組み立て後にタッチパネル部55とバックライト部57とによって2mm程度圧縮された状態となっている。
【0059】
また、封止材61は、スポンジ等の弾性変形可能な材質で構成されるため、タッチパネル部55の束線56を座屈させることなく、切り欠き部75の隙間を埋めることが可能となっている。
【0060】
以上のように、本実施形態の操作装置300は、タッチパネルホルダ53とタッチパネルとの間の隙間を、両面テープ58と封止材61とによって封止するため、操作装置300の外部から内部へ埃や塵等の異物が侵入することを抑制することができる。これにより、操作装置300の内部においてタッチパネル部55の板厚方向におけるタッチパネル部55とバックライト部57との間の領域に埃や塵等の異物が入り込むことを抑制することができる。従って、異物がバックライト部57の表面に存在することでバックライト部によって表示される表示画面の視認性が悪化することや、異物による束線の接触不良による故障の発生などを抑制することができる。
【0061】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について、
図7を用いて説明する。尚、本実施形態において第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0062】
図7(a)は、第2の実施形態における操作装置300の斜視図である。
図7(b)は、
図7(a)における切り欠き部75近傍の拡大図である。
図7(c)は、
図7(a)におけるB-B’断面図を矢印方向から見た図である。尚、
図7(a)においては、切り欠き部75の構成を説明するため、タッチパネル部55を取り外した図となっている。
【0063】
図7(a)に示すように、切り欠き部75の近傍に位置する両面テープ58の端部58a,bは、切り欠き部75を形成するタッチパネルホルダ53の端部53a,bまでは、貼り付けることができない場合が多い。これは、操作装置300の組立者の貼り付け位置のばらつき等がある為である。
【0064】
従って、タッチパネルホルダ53の縁部53a,bと両面テープ58の端部58a,bとの間隔がそれぞれ3mm程度開いてしまう場合がある。つまり、切り欠き部75近傍には、両面テープ58が貼られない領域が生じうる。
【0065】
このような場合、タッチパネルホルダ53の縁部53a,bと両面テープ58の端部58a,bとの間の微細な隙間を介して、操作装置300の内部へ埃や塵等の異物が侵入する虞がある。
【0066】
そこで、本実施形態では、タッチパネルホルダ53の縁部53a,b近傍に両面テープ58が貼られない領域が生じたとしても、操作装置300の内部への異物の侵入を抑制するため、切り欠き部75近傍に溝部71を設ける構成としている。
【0067】
図7(a)~(c)に示すように、本実施形態では、タッチパネルホルダ53の縁部53a,bにそれぞれ凹形状の溝部71を形成する。ここで、溝部71は、切り欠き75から離れる方向に凹むような開口となっている。換言すると、溝部71は、開口77に対する凹み方向と開口77の貫通方向とに直交する方向に延びる。溝部71は、開口領域を大きくするほど異物を補集することができる。
【0068】
しかし、溝部71の開口を大きくしすぎるとタッチパネルホルダ53の強度が弱くなり溝部71の近傍においてタッチパネルホルダ53の端部53a,bが折れてしまう。
【0069】
そのため、本実施形態では、タッチパネルホルダ53の強度低下を抑制し、かつ異物を捕集することができるよう、タッチパネル部55の平面方向において幅2mm、高さ3mm程度の凹形状を有する溝部71を端部53a,bにそれぞれ1つずつ設けている。本実施形態では、溝部71の幅を、両面テープ58が貼り付けられる貼り付け面の幅に対して半分以下の大きさとしているため、タッチパネルホルダ53の強度低下を抑制することができる。
【0070】
図7(c)に示すように、タッチパネルホルダ53とタッチパネル部55の微細な隙間から、両面テープ58の端部58a,bとタッチパネルホルダ53の端部53a,bの隙間を介して埃や塵等の異物60が入り込んだ場合、異物60は操作装置300の内部において溝部71に落下する。
【0071】
そして、溝部71に落下した異物60は、溝部71と封止材61によって囲まれた空間において捕集される。これにより、操作装置300の内部においてタッチパネル部55の板厚方向におけるタッチパネル部55とバックライト部57との間の領域に埃や塵等の異物が入り込むことを抑制することができる。
【0072】
尚、タッチパネルホルダ53の強度低下を抑えることができるのであれば、溝部71を上述した大きさよりも大きくしたり、タッチパネルホルダ53の端部53a,bにそれぞれ複数個ずつ設ける構成であってもよい。
【0073】
この構成によれば、埃や塵等の異物が操作装置300の内部においてバックライト部57上に存在してしまうことをより効果的に抑制することができる。従って、異物がバックライト部57の表面に存在することでバックライト部によって表示される表示画面の視認性が悪化することや、異物による束線の接触不良による故障の発生などを抑制することができる。
【0074】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について、
図8を用いて説明する。尚、本実施形態において第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
図8(a)は、第3の実施形態において封止材61を貼りつける前の切り欠き部75近傍の拡大断面図である。
図8(b)は、
図8(a)におけるタッチパネルホルダ53の端部53a,bの拡大図である。
図8(c)は、
図7(a)に対して封止材61を貼り付けた状態の断面図である。尚、
図8(a)~(c)においては、切り欠き部75近傍の構成を説明するため、バックライト部57は不図示となっている。
【0076】
本実施形態では、封止材61の貼り付け字の作業性を向上させるため、タッチパネルホルダ53の端部53a,b近傍の形状を上述した実施形態と異なるものとしている。
【0077】
より具体的には、タッチパネルホルダ53の裏面である封止材61の貼り付け面に、切り欠き部75に向かうほど厚みが徐々に薄くなるような傾斜部53c,dを設けており、図中左右方向において5mmの距離で1mmの傾斜がつくような構成としている。
【0078】
このように、タッチパネルホルダ53の端部53a,bにそれぞれ傾斜部53c,dを備えることで、封止材61をタッチパネルホルダ53に貼り付ける作業時に、傾斜部53c,dの傾斜に倣って、タッチパネル部55の裏面へ封止材61の接着層61aが貼りつきやすくなる。また、傾斜部53c,dに倣って貼りつけることで、封止材61の接着層61aがタッチパネルホルダ53の端部53a,bの端面に貼りつきやすくなる。
【0079】
本実施形態では、端部53a,bに傾斜部53c,dを設ける構成としたが、端部53a,bの厚みが他の部分よりも薄くなるような構成であれば、曲面や他の形状であってもよい。
【0080】
図9に、傾斜部53c,dを設けない場合の封止材61近傍の断面図を示す。例えば、封止材61は、貼りつける作業者毎に封止材61をタッチパネル部55に向けて押圧する力が異なる。従って、作業者によっては、封止材61の接着層61aがタッチパネル部55の裏面に貼りつかない場合や、
図9に示すように接着層61aの貼りつく面積が小さくなってしまう場合がある。
【0081】
このような場合、封止材61のタッチパネルホルダ53及びタッチパネル部55の裏面への貼りつきが甘くなり、タッチパネルホルダ53と封止材61との間や、タッチパネル部55と封止材61との間に隙間ができる場合がある。隙間ができてしまうと、埃や塵等の異物が60が操作装置300の内部に侵入しやすくなってしまう。
【0082】
これに対し、本実施形態では、タッチパネルホルダ53の端部53a,bに傾斜部53c,dを設けるため、タッチパネルホルダ53に対する封止材61の貼り付く面積を増やすことができる。従って、タッチパネルホルダ53とタッチパネル部55との微細な隙間をより効果的に封止することができる。
【0083】
この構成によっても、埃や塵等の異物が操作装置300の内部においてバックライト部57上に存在してしまうことをより効果的に抑制することができる。従って、異物がバックライト部57の表面に存在することでバックライト部によって表示される表示画面の視認性が悪化することや、異物による束線の接触不良による故障の発生などを抑制することができる。
【0084】
<他の実施形態>
以上で説明した3つの実施形態に関して、それぞれを組み合わせた構成としてもよい。また、封止材61に予め切り欠き部75に対応する凸形状を設ける構成であってもよい。これによっても、封止材61による封止効果を高めることができる。従って、埃や塵等の異物が操作装置300の内部においてバックライト部57上に存在してしまうことをより効果的に抑制することができる。
【符号の説明】
【0085】
100 画像形成装置
300 操作装置
53 タッチパネルホルダ
55 タッチパネル部
56 束線
57 バックライト部
58 両面テープ
61 封止材
75 切り欠き部
77 開口