(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】通信装置、その制御方法、およびそのプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 48/16 20090101AFI20240112BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240112BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240112BHJP
【FI】
H04W48/16 110
H04W84/12
H04W48/16 131
H04W76/10
(21)【出願番号】P 2019214507
(22)【出願日】2019-11-27
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】大島 英明
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-140778(JP,A)
【文献】特開2008-141755(JP,A)
【文献】特許第5247923(JP,B1)
【文献】特開2018-022408(JP,A)
【文献】特開2015-211456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信する通信手段と、
記録手段と、
制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記通信手段を介して中継装置と接続を確立した場合、前記中継装置が形成するネットワークの情報を履歴情報として記録するよう前記記録手段を制御し、
前記制御手段は、ネットワークの識別子を含まないビーコンを前記通信手段を介して受信した場合、前記履歴情報にステルス設定が有効であるネットワークの情報が記録されていることに応じて、前記履歴情報に記録されているステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置と無線接続を開始するよう前記通信手段を制御
し、
前記履歴情報にステルス設定が有効であるネットワークの情報が記録されている場合において、ネットワークの識別子を含まないビーコンを前記通信手段を介して受信しなかった場合、前記履歴情報に記録されているステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置と無線接続を開始しないように前記通信手段を制御する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、他の通信装置と無線接続を確立する場合、中継装置からビーコンを受信するよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記履歴情報は、ネットワークの優先度を示すパラメータ、および前記中継装置がビーコンに前記ネットワークの識別子を含めるか否かに関する情報を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークを形成する中継装置に無線接続を開始するよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークのステルス設定が有効である場合、ネットワークの識別子が含まれないビーコンを受信したことに応じてステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置に無線接続を開始するよう前記通信手段を制御し、
前記制御手段は、前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークのステルス設定が無効である場合、前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークの識別子を含むビーコンを送信した中継装置に無線接続を開始するよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークのステルス設定が無効である場合、前記ネットワークの識別子を含まないビーコンを受信した場合においても、前記ステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置に無線接続を開始しないよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記制御手段は、受信したビーコンに、前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークの識別子が含まれないと判断した場合、再度ビーコンを受信するよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項3から
6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記制御手段は、ビーコンを受信するよう前記通信手段を制御した回数が所定回数を超えた場合、受信したビーコンに含まれるネットワークの識別子から、当該ネットワークの前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークを形成する中継装置に無線接続するよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項
7に記載の通信装置。
【請求項9】
表示手段を有し、
前記制御手段は、ビーコンを受信するよう前記通信手段を制御した回数が所定回数を超えた場合、受信したビーコンに含まれるネットワークの識別子の一覧を表示するよう前記表示手段を制御する
ことを特徴とする請求項
7に記載の通信装置。
【請求項10】
前記制御手段は、ステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置との無線接続の確立に失敗した場合、前記パラメータが最も高い優先度を示すネットワークを除外して、再度中継装置と無線接続を確立するよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項3から
9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記制御手段は、ステルス設定が無効である中継装置との無線接続の確立に失敗した場合、エラー処理を実行する
ことを特徴とする請求項1から
10のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記エラー処理はユーザにエラーを報知する処理であることを特徴とする請求項
11に記載の通信装置。
【請求項13】
撮像手段を有し、
前記制御手段は、無線接続を確立した中継装置を介して、他の通信装置と接続を確立し、
前記制御手段は、無線接続を確立した前記他の通信装置へ、前記撮像手段によって撮像した画像データを送信するよう前記通信手段を制御する
ことを特徴とする請求項1から
12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
無線通信する通信手段と、
記録手段と、を有する通信装置の制御方法であって、
前記通信手段を介して中継装置と接続を確立した場合、前記中継装置が形成するネットワークの情報を履歴情報として記録するよう前記記録手段を制御するステップと、
ネットワークの識別子を含まないビーコンを前記通信手段を介して受信した場合、前記履歴情報にステルス設定が有効であるネットワークの情報が記録されていることに応じて、前記履歴情報に記録されているステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置と無線接続を開始するよう前記通信手段を制御
し、
前記履歴情報にステルス設定が有効であるネットワークの情報が記録されている状態において、ネットワークの識別子を含まないビーコンを前記通信手段を介して受信しなかった場合、前記履歴情報に記録されているステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置と無線接続を開始しないように前記通信手段を制御するステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項15】
コンピュータを請求項1から
13のいずれか1項に記載の通信装置の各手段として機能させるための、コンピュータが読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信可能な通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PC、デジタルカメラ、およびスマートフォンなどの通信装置は、例えば無線LANのアクセスポイントを介して外部の通信装置と無線接続することができる。通信装置は一度接続したことのあるアクセスポイントのネットワーク情報を記録しておくことで、次にそのアクセスポイントに接続する際にその情報を用いて接続を確立することができる。
【0003】
ここで、例えば無線LANを形成するアクセスポイントは、セキュリティの向上のために、ステルス設定という、SSID等の識別子をビーコンに含めないように動作する機能を有する。このようなステルス設定が有効にされているアクセスポイントに接続する場合、例えばデジタルカメラはそのネットワークのSSIDを指定して接続要求を送信する必要がある。
【0004】
特許文献1では、ステルスモードが設定されているアクセスポイントに接続するPCが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ステルス設定が有効であるアクセスポイントに接続するために接続要求を送信し続けた場合、デジタルカメラ等の通信装置はアクセスポイントと無線接続を確立するまでその接続要求を送信し続けるために電力を常に消費することになる。一方で、ステルス設定が有効であるアクセスポイントに接続するために、ユーザが毎回アクセスポイントを指定してデジタルカメラ等の通信装置をアクセスポイントに無線接続させることは、通信装置のユーザビリティを低下させるおそれがあった。
【0007】
そこで本発明は、通信装置がステルス設定が有効であるアクセスポイントに効率よく接続できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信装置は、無線通信する通信手段と、記録手段と、制御手段とを有し、前記制御手段は、前記通信手段を介して中継装置と接続を確立した場合、前記中継装置が形成するネットワークの情報を履歴情報として記録するよう前記記録手段を制御し、前記制御手段は、ネットワークの識別子を含まないビーコンを前記通信手段を介して受信した場合、前記履歴情報にステルス設定が有効であるネットワークの情報が記録されていることに応じて、前記履歴情報に記録されているステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置と無線接続を開始するよう前記通信手段を制御し、前記履歴情報にステルス設定が有効であるネットワークの情報が記録されている状態において、ネットワークの識別子を含まないビーコンを前記通信手段を介して受信しなかった場合、前記履歴情報に記録されているステルス設定が有効であるネットワークを形成する中継装置と無線接続を開始しないように前記通信手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信装置がステルス設定が有効であるアクセスポイントに効率よく接続できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】(A)第一の実施形態におけるデジタルカメラの構成の一例を示すブロック図である。(B)第一の実施形態におけるデジタルカメラの正面の外観図の一例である。(C)第一の実施形態におけるデジタルカメラの背面の外観図の一例である。
【
図2】第一の実施形態における、デジタルカメラがアクセスポイントを検索した結果を表示する画面の一例である。
【
図3】第一の実施形態における、デジタルカメラが記録する履歴情報の一例である。
【
図4】第一の実施形態における、デジタルカメラの接続処理の一例である。
【
図5】(A)第一の実施形態におけるデジタルカメラが接続可能な接続機器の種類を表示する画面の一例である。(B)第一の実施形態におけるデジタルカメラが記録している通信装置の一覧を表示する画面の一例である。(C)第一の実施形態におけるデジタルカメラがアクセスポイントを検索中であることを示す画面の一例である。(D)第一の実施形態におけるデジタルカメラがアクセスポイントに接続中であることを示す画面の一例である。(E)第一の実施形態におけるデジタルカメラが通信装置に接続中であることを示す画面の一例である。(F)第一の実施形態におけるデジタルカメラが通信装置と接続を確立したことを示す画面の一例である。(G)第一の実施形態におけるデジタルカメラがアクセスポイントを検索した結果を表示する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の実現手段としての一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されてもよい。また、各実施の形態を適宜組み合せることも可能である。
【0012】
[第一の実施形態]
<デジタルカメラ100の構成>
図1(A)は、本実施形態の通信装置の一例であるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。なお、ここでは通信装置の一例としてデジタルカメラについて述べるが、通信装置はこれに限られない。例えば通信装置は携帯型のメディアプレーヤや、スマートフォン、いわゆるタブレットデバイス、パーソナルコンピュータなどの通信装置であってもよい。
【0013】
制御部101は、入力された信号や、後述のプログラムに従ってデジタルカメラ100の各部を制御する。なお、制御部101が装置全体を制御する代わりに、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体を制御してもよい。
【0014】
撮像部102は、例えば、光学レンズユニットと絞り・ズーム・フォーカスなど制御する光学系と、光学レンズユニットを経て導入された光(映像)を電気的な映像信号に変換するための撮像素子などで構成される。撮像素子としては、一般的には、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)や、CCD(Charge Coupled Device)が利用される。撮像部102は、制御部101に制御されることにより、撮像部102に含まれるレンズで結像された被写体光を、撮像素子により電気信号に変換し、ノイズ低減処理などを行い、デジタルデータを画像データとして出力する。本実施形態のデジタルカメラ100では、画像データは、DCF(Design rule for Camera File system)の規格に従って、記録媒体110に記録される。
【0015】
不揮発性メモリ103は、電気的に消去・記録可能な不揮発性のメモリであり、制御部101で実行される後述のプログラム等が格納される。
【0016】
作業用メモリ104は、撮像部102で撮像された画像データを一時的に保持するバッファメモリや、表示部106の画像表示用メモリ、制御部101の作業領域等として使用される。
【0017】
操作部105は、デジタルカメラ100に対する指示をユーザから受け付けるためのユーザインタフェース(UI)である。操作部105は、例えばユーザがデジタルカメラ100の電源のオン/オフを指示するための電源スイッチや、撮影を指示するためのレリーズスイッチ、画像データの再生を指示するための再生ボタン等を含むことができる。また、表示部106に形成されるタッチパネルも操作部105に含めることができる。なお、レリーズスイッチは、SW1およびSW2を有する。レリーズスイッチが、いわゆる半押し状態となることにより、SW1がオンとなる。これにより、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮像の準備動作を行うための準備指示を受け付ける。また、レリーズスイッチが、いわゆる全押し状態となることにより、SW2がオンとなる。このようなユーザ操作により、撮像動作を行うための撮像指示を受け付ける。
【0018】
表示部106は、撮影の際のスルー画像の表示、撮影した画像データの表示、対話的な操作のための文字表示などを行う。表示部106は例えば液晶ディスプレイやLEDディスプレイ等である。表示部106は必ずしもデジタルカメラ100に内蔵されていなくてもよく、デジタルカメラ100に外部接続される構成であってもよい。デジタルカメラ100は内部または外部の表示部106と接続することができ、表示部106の表示を制御する表示制御機能を少なくとも有していればよい。
【0019】
記録媒体110は例えば撮像部102から出力された画像データを記録することができる。記録媒体110は例えばSDカードやCFカードである。記録媒体110は、デジタルカメラ100に着脱可能なよう構成してもよいし、デジタルカメラ100に内蔵されていてもよい。すなわち、デジタルカメラ100は少なくとも記録媒体110にアクセスする手段を有していればよい。
【0020】
通信部111は、外部装置と接続するためのインターフェースである。本実施形態のデジタルカメラ100は、通信部111を介して、外部装置とデータのやりとりを行うことができる。例えば、撮像部102で生成した画像データを、通信部111を介して外部装置に送信することができる。なお、本実施形態では、通信部111は外部装置とIEEE802.11の規格に従った、いわゆる無線LANで通信するためのインターフェースを含む。制御部101は、通信部111を制御することで外部装置との無線通信を実現する。
【0021】
次に、デジタルカメラ100の外観について説明する。
図1(B)はデジタルカメラ100の正面の外観図である。
図1(C)はデジタルカメラ100の背面の外観図の一例を示す図である。レリーズスイッチ105aや再生ボタン105b、方向キー105c、タッチパネル105dは、前述の操作部105に含まれる操作部材である。また、表示部106には、撮像部102による撮像の結果得られた画像やメニュー画面等が表示される。
【0022】
以上、デジタルカメラ100の構成の一例について説明した。
【0023】
なお、本実施形態におけるデジタルカメラ100は、無線LANのインフラストラクチャモードにおけるスレーブ装置として動作することが可能である。デジタルカメラ100はスレーブ装置として動作する場合、周辺のアクセスポイント(以下、AP)に接続することで、APが形成するネットワークに参加できる。デジタルカメラ100はネットワークに参加した場合、そのネットワークの情報を履歴情報として不揮発性メモリ103に記録する。履歴情報については後述する。なお、本実施形態におけるAPは中継装置の一例である。
【0024】
ここで、APはネットワークを形成した場合、ステルス設定に応じてビーコンの発信方法を切り替える。ステルス設定が無効である場合、本実施形態のAPはネットワークの識別子であるESSID(Extended Service Set Identifier)をビーコンに含めて発信する。デジタルカメラ100等の通信装置は周囲のAPを検索する場合、所定時間APの発信するビーコンを受信する。そしてデジタルカメラ100等の通信装置はビーコンを受信した場合、ビーコンに含まれるESSID等のパラメータを表示することで、APが周囲に存在することをユーザに報知することができる。例えば本実施形態のデジタルカメラ100は周囲にあるAPを検索した場合、
図2に示すように検索結果を表示する。
図2において、デジタルカメラ100は項目201にESSIDが「NETWORK-101」であるネットワークを形成するAPが存在することを表示部106に表示する。また
図2において、制御部101は項目202にESSIDが「NETWORK-102」であるネットワークを形成するAPが存在することを表示部106に表示する。
【0025】
一方、ステルス設定が有効である場合、本実施形態のAPはネットワークのESSIDをビーコンに含めずに発信する。デジタルカメラ100等の通信装置はこのビーコンを受信した場合、ビーコンにESSIDが含まれないため、特定のAPが存在することをユーザに報知することができない。ただし、通信装置はこのビーコンを受信することにより、ステルス設定が有効なネットワークを形成するAPが周囲の存在することを検出できる。本実施形態のデジタルカメラ100はこの場合、ESSIDの不明なネットワークを形成するAPが周囲に存在することをユーザに報知する。例えば本実施形態のデジタルカメラ100はステルス設定が有効であるネットワークを形成するAPを検出した場合、
図2の項目203に示すようにAPの検索結果を表示する。
図2の項目203では、デジタルカメラ100はESSIDを表示する欄に「*************(ステルス)」と表示部106に表示することでステルス設定が有効であるネットワークを形成するAPが存在することをユーザに報知する。このように本実施形態のデジタルカメラ100はステルス設定が無効であるネットワークとステルス設定が有効であるネットワークとをユーザが区別できるように表示する。なお、デジタルカメラ100は他にも、例えばステルス設定が有効なESSIDを表示する欄を空欄にして表示する等して、ステルス設定が無効であるネットワークとステルス設定が有効であるネットワークとをユーザが区別できるように表示してもよい。
【0026】
また、本実施形態におけるデジタルカメラ100はAPとして動作することも可能である。この場合、本実施形態のデジタルカメラ100は通常のAPよりも機能が限定された簡易的なAP(以下、簡易AP)として動作する。デジタルカメラ100が簡易APとして動作する場合、デジタルカメラ100は自身でネットワークを形成する。デジタルカメラ100の周辺の通信装置は、デジタルカメラ100をAPと認識し、デジタルカメラ100が形成したネットワークに参加することができる。簡易APとして動作したデジタルカメラ100はネットワークを形成した場合、他の通信装置と無線接続を確立したことに応じてそのネットワークの情報を履歴情報として不揮発性メモリ103に記録する。なお、簡易APとして動作したデジタルカメラ100はネットワークを形成しても他の無線接続装置と接続を確立しなかった場合、そのネットワークの情報を記録しない。本実施形態では、デジタルカメラ100が簡易APとして動作するためのプログラムは不揮発性メモリ103に記録されている。
【0027】
なお、本実施形態における簡易APは、通常のAPとは異なりスレーブ装置から受信したデータをインターネットプロバイダなどに転送するゲートウェイ機能を有していない。したがって、簡易APであるデジタルカメラ100は自身の形成するネットワークに参加している他の通信装置から受信したデータを、インターネットなどの外部のネットワークへ転送できない。
【0028】
また、デジタルカメラ100は他の通信装置と接続する場合、まず外部のAPが形成するネットワークに参加するか、または自身が簡易APとして動作しネットワークを形成する。その後デジタルカメラ100はそのネットワークを介して他の通信装置との接続を確立する。デジタルカメラ100は他の通信装置と接続を確立した場合、接続を確立した他の通信装置の接続情報を履歴情報として不揮発性メモリ103に記録する。
【0029】
<履歴情報>
図3を用いて、本実施形態のデジタルカメラ100が記録する履歴情報について説明する。本実施形態では、デジタルカメラ100は参加したことのあるネットワークの情報、自身が形成したネットワークの情報、および他の通信装置の接続情報を、それぞれ独立した履歴情報として記録する。これらの履歴情報は、それぞれネットワーク参加パラメータ310、ネットワーク形成パラメータ320、および接続機器情報330に対応する。なお、これらの履歴情報はデジタルカメラ100の不揮発性メモリ103に記録される。以下、それぞれの履歴情報について説明する。
【0030】
ネットワーク参加パラメータ310は、外部のAPが形成するネットワークの情報をデジタルカメラ100が管理するための履歴情報である。デジタルカメラ100は外部のAPが形成するネットワークに参加した場合、そのネットワークの情報をネットワーク参加パラメータ310として記録する。ネットワーク参加パラメータ310には、「管理番号」、「接続順」、「ESSID」、「認証方式」、「暗号種別」、「暗号鍵」、「チャネル」、「IPアドレス取得方法」、「DNS取得方法」、および「ステルス設定」等が記録される。
【0031】
「接続順」は、デジタルカメラ100が当該ネットワークに、過去に参加した順番を示すパラメータである。本実施形態では、デジタルカメラ100はネットワークに参加した場合、この「接続順」の値を、他のネットワークの「接続順」の値よりも大きい値を上書き記録する。すなわち、「接続順」に記録されている値が大きい程、そのネットワークはデジタルカメラ100がより最近参加したネットワークである。本実施形態では、デジタルカメラ100はこの「接続順」の値が大きいネットワークを形成するAPほど接続を確立する優先度が高いAPであると判断する。
【0032】
「ESSID」、「認証方式」、「暗号種別」、「暗号鍵」、「チャネル」、「IPアドレス取得方法」、「DNS取得方法」は、デジタルカメラ100が当該ネットワークを形成するAPに無線接続する際に用いるパラメータである。
【0033】
「ステルス設定」は、そのネットワークを形成するAPのステルス設定が有効であるか無効であるかを示すパラメータである。本実施形態では、APのステルス設定が有効である場合、「ステルス設定」のパラメータは‘YES’が記録される。またAPのステルス設定が無効である場合、「ステルス設定」のパラメータは‘NO’が記録される。
【0034】
また、本実施形態では、デジタルカメラ100はネットワーク参加パラメータ310にネットワークの情報を最大M個記録できる。ネットワーク参加パラメータ310にネットワークの情報がM個記録されている状態において、新たに1つのネットワークの情報を記録する場合、デジタルカメラ100はネットワーク参加パラメータ310に記録されているネットワークの情報を1つ削除する。例えばこの場合、デジタルカメラ100は「接続順」に記録されている値が一番小さいネットワークの情報を削除し、新たにネットワークの情報を記録する。他にも例えばこの場合、デジタルカメラ100は操作部105を介してユーザ操作を受け付け、ユーザに指示されたネットワークの情報を削除し、新たにネットワークの情報を記録してもよい。
【0035】
ネットワーク形成パラメータ320は、簡易APとして動作したデジタルカメラ100が形成したネットワークの情報をデジタルカメラ100が管理するための履歴情報である。簡易APとして動作したデジタルカメラ100はネットワークを形成した場合、その簡易APの情報をネットワーク形成パラメータ320として記録する。ネットワーク形成パラメータ320には、「管理番号」、「ESSID」、および「暗号鍵」等が記録される。
【0036】
「ESSID」、「暗号鍵」は簡易APとして動作するデジタルカメラ100が、ネットワークを形成する場合に用いるパラメータである。
【0037】
また、本実施形態では、デジタルカメラ100はネットワーク形成パラメータ320に、ネットワークの情報を最大N個記録できる。
【0038】
なお、本実施形態では、簡易APとして動作するデジタルカメラ100はネットワークを形成する際に共通するパラメータをネットワーク形成パラメータ320には記録しない。このようなパラメータは例えば、認証方式、暗号種別、チャネル、IPアドレス取得方法、およびDNS取得方法であり、不揮発性メモリ103に記録される。
【0039】
接続機器情報330は、デジタルカメラ100がネットワークを介して接続したことのある他の通信装置の接続情報を管理するための履歴情報である。デジタルカメラ100は他の通信装置と接続を確立した場合、接続を確立した他の通信装置の接続情報を接続機器情報330として記録する。接続機器情報330には、「管理番号」、「接続順」、「機器種別」、「登録名」、「UUID」、「FTPサーバアドレス」、「FTPログイン名」、「FTPパスワード」、「ファイルの上書き」、および「ネットワーク形成パラメータの管理番号」等が記録される。
【0040】
「接続順」は、デジタルカメラ100が当該通信装置に、過去に接続した順番を示す。本実施形態では、デジタルカメラ100は通信装置と接続を確立した場合、この「接続順」の値を、他の通信装置の「接続順」の値よりも大きい値を上書き記録する。すなわち、「接続順」に記録されている値が大きい程、その通信装置はデジタルカメラ100がより最近接続を確立した通信装置である。
【0041】
「機器種別」は通信装置の分類を示す。例えば、接続した通信装置がスマートフォンであった場合、デジタルカメラ100は「機器種別」に‘携帯電話’と記録する。他にも例えば、接続した通信装置がパーソナルコンピュータであれば‘PC’と、接続した通信装置がFTPサーバであれば‘FTP’と、デジタルカメラ100は「機器種別」に記録する。
【0042】
「登録名」は接続を確立した通信装置の接続機器名が記録される。この「登録名」はユーザが任意に変更できるパラメータである。
【0043】
「UUID」は通信装置を一意に識別するための識別子である。UUIDはUniversally Unique Identifierの略称である。
【0044】
「FTPサーバアドレス」はFTPサーバのアドレスである。この項目は、デジタルカメラ100がFTPサーバと接続した場合に記録される。FTPサーバのアドレスは例えばIPアドレスである。また、「FTPログイン名」および「FTPパスワード」はそれぞれ、デジタルカメラ100がFTPサーバと接続を確立する際に利用するIDおよびパスワードである。
【0045】
「ファイルの上書き」はデジタルカメラ100が撮像した画像データをFTPサーバに転送をする場合、デジタルカメラ100がFTPサーバに記録されている同一のファイル名の画像データを上書きするか否かを示すパラメータである。デジタルカメラ100が同一ファイル名の画像データを上書きする場合、デジタルカメラ100は「ファイルの上書き」に‘YES’と記録する。デジタルカメラ100が同一ファイル名の画像データを上書きしない場合、デジタルカメラ100は「ファイルの上書き」に‘YES’と記録する。なお、デジタルカメラ100が同一ファイル名の画像データを上書きしない場合、デジタルカメラ100は、FTPサーバに送信する画像データのファイル名に‘_1’等の附番や識別子等を付加して転送する。
【0046】
「ネットワーク形成パラメータ番号」は、簡易APとして動作しているデジタルカメラ100に他の通信装置が接続した場合、デジタルカメラ100が形成したネットワークの情報と接続機器情報330を関連付けるためのパラメータである。本実施形態では、デジタルカメラ100はネットワーク形成パラメータ320の「管理番号」の値を「ネットワーク形成パラメータ番号」として記録する。
【0047】
また、本実施形態では、デジタルカメラ100は接続機器情報330に他の通信装置の接続情報を最大N個記録できる。接続機器情報330に他の通信装置の接続情報がN個記録されている状態において、新たに他の通信装置の接続情報を記録する場合、デジタルカメラ100は接続機器情報330に記録されている通信装置の接続情報を1つ削除する。例えばこの場合、デジタルカメラ100は「接続順」に記録されている値が一番小さい通信装置の接続情報を削除し、新たに通信装置の接続情報を記録する。他にも例えばこの場合、デジタルカメラ100は操作部105を介してユーザ操作を受け付け、ユーザに指示された通信装置の接続情報を削除し、新たに通信装置の接続情報を記録してもよい。
【0048】
また、ある接続機器情報330が削除された場合、1つのネットワーク形成パラメータ320はどの「ネットワーク形成パラメータ番号」とも関連がなくなる場合がある。この場合、デジタルカメラ100はそのネットワーク形成パラメータ320を削除してもよい。これにより、デジタルカメラ100はネットワーク形成パラメータ320をN個以上記録することがない。
【0049】
なお、デジタルカメラ100は「機器種別」、「登録名」、「UUID」を1つのIDとして記録してもよい。この場合、例えばデジタルカメラ100は「機器種別」、「登録名」、「UUID」を連結したIDを記録する。
【0050】
<接続処理>
次に、
図4、
図5(A)~(G)を用いて、本実施形態のデジタルカメラ100がAPに接続する接続処理について説明する。
図4は本実施形態のデジタルカメラ100の接続処理の一例を示すフローチャートである。このデジタルカメラ100の処理は、不揮発性メモリ103に記録されたソフトウェアを作業用メモリ104に展開して制御部101が実行することで実現する。また、制御部101は不揮発性メモリ103から作業用メモリ104に履歴情報を展開して本接続処理に利用する。この接続処理は、例えばユーザ操作に応じて
図5(A)に示すような接続機器の種類を表示する画面を表示したことをトリガに開始される。ユーザはタッチパネル等の操作部105を操作することにより、デジタルカメラ100と接続する通信装置を選択する。また、
図5(A)~(G)はデジタルカメラ100の表示部106に表示される画面の一例である。これらの図についての詳細は後述する。
【0051】
ステップS400において、制御部101は接続する通信装置をユーザによって選択されたか否かを判断する。本実施形態では、制御部101は接続機器情報331に記録されている通信装置が選択されたと判断する。制御部101は接続する通信装置をユーザによって選択されるまで待機する。ここで、ユーザがデジタルカメラ100と接続する通信装置を選択する方法の一例について説明する。
【0052】
例えば、デジタルカメラ100が
図5(A)の画面を表示している場合、ユーザは、接続機器の種類として表示されている、携帯電話501、FTP502、およびPC503のいずれか一つを操作部105を用いて選択する。本実施形態では、ユーザが携帯電話501を選択した場合について説明する。この場合、デジタルカメラ100は
図5(B)に示すように、接続機器の一覧を表示部106に表示する。ユーザが操作部105を用いて項目504を選択した場合、制御部101は新たに接続する通信装置の登録処理を開始する。また、項目505および項目506には、接続機器情報に記録されている当該機器種別の通信装置の「登録名」が表示されている。ユーザが操作部105を用いて項目505または項目506を選択した場合、制御部101はその「登録名」に対応する接続情報に記録されている通信装置に接続する。例えばユーザが操作部105を用いて項目505を選択した場合、制御部101は接続機器情報331に記録されている通信装置に接続する。また例えばユーザが操作部105を用いて項目506を選択した場合、制御部101は接続機器情報332に記録されている通信装置に接続する。
【0053】
本実施形態では、ステップS400において、ユーザが操作部105を用いて項目505を選択した場合について説明する。
【0054】
ステップS401において、制御部101は簡易APとして動作するか否かを判断する。例えば、制御部101は接続機器情報の「ネットワーク形成パラメータ番号」に値が記録されているか否かを判断する。制御部101が簡易APとして動作すると判断した場合、処理はステップS403に進む。制御部101が簡易APとして動作しないと判断した場合、処理はステップS420に進む。
【0055】
ステップS402において、制御部101は周囲に存在するAPを検索する。制御部101はAPの検索を開始した場合、例えば
図5(C)に示すように、APを検索中であることを示す画面を表示部106に表示する。制御部101が所定時間APを検索した場合、処理はステップS403に進む。なお、本実施形態ではデジタルカメラ100は本ステップにおいて少なくとも1つ以上のAPを検出するものとして説明する。
【0056】
ステップS403において、制御部101はステルス設定が有効であるAPが形成するネットワークが最も優先度の高いネットワークであるか否かを判断する。例えば制御部101はネットワーク参加パラメータ310に記録されている「接続順」が最も大きい値であるネットワークの「ステルス設定」が‘YES’と記録されているか‘NO’と記録されているかを判断する。制御部101がステルス設定が有効であるAPが形成するネットワークが最も優先度の高いネットワークであると判断した場合、処理はステップS404に進む。制御部101がステルス設定が有効であるAPが形成するネットワークが最も優先度の高いネットワークではないと判断した場合、処理はステップS411に進む。以降、本実施形態では、最も優先度の高いネットワークを「優先ネットワーク」と記載する。
【0057】
まずステップS403において、制御部101が優先ネットワークを形成するAPのステルス設定が有効であると判断した場合について説明する。例えばこの場合はネットワーク参加パラメータ314に記録されているネットワークが優先ネットワークである場合である。
【0058】
ステップS404において、制御部101はステップS402においてステルス設定が有効であるAPを検出した否か判断する。制御部101がステルス設定が有効であるAPを検出したと判断した場合、処理はステップS405に進む。制御部101がステルス設定が有効であるAPを検出していないと判断した場合、処理はステップS411に進む。
【0059】
ステップS405において、制御部101はステルス設定が有効であるAPに接続を開始する。例えば、ネットワーク参加パラメータ314に記録されているネットワークが優先ネットワークである場合、制御部101はネットワーク参加パラメータ314のパラメータを用いてネットワークに接続を開始する。すなわち、例えばこの場合、制御部101はESSIDが‘NETWORK-103’であるネットワークを形成するAPと接続を確立するための通信を通信部111を介して行う。またこの場合、例えば制御部101は
図5(D)に示すように、APに接続中であることを示す画面を表示部106に表示する。
【0060】
ステップS406において、制御部101はAPと接続を確立できたか否かを判断する。制御部101がAPと接続を確立した場合、処理はステップS407に進む。制御部101がAPとの接続の確立に失敗した場合、処理はステップS408に進む。
【0061】
ステップS407において、制御部101はステップS406において接続したAPが形成するネットワークから通信部111を介して通信装置と接続を確立する。通信装置との接続を確立したことに応じて、制御部101は本フローチャートの処理を終了する。本ステップにおいて、制御部101は通信装置との接続を試みている間、
図5(E)に示すように、通信装置と接続中であることを示す画面を表示部106に表示する。そして、制御部101は通信装置と接続を確立した場合、
図5(F)に示すように、通信装置と接続を確立したことを示す画面を表示部106に表示する。
【0062】
ステップS408において、制御部101はステップS405において接続を試みたAPのステルス設定が有効であるか否かを判断する。制御部101が接続を試みたAPのステルス設定が無効である場合、処理はステップS409に進む。制御部101が接続を試みたAPのステルス設定が有効である場合、処理はステップS410に進む。なお、制御部101が接続を試みたAPのステルス設定が無効である場合は、例えば、制御部101が後述のステップS412の処理を実行し、ステップS406においてAPと接続を確立できなかった場合である。
【0063】
ステップS409において、制御部101はエラー処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。例えば、制御部101は表示部106に、「APへの接続に失敗しました」等のユーザにエラーを報知するメッセージを表示する。
【0064】
ステップS410において、制御部101はステップS405において用いたネットワークの情報を本フローチャートの処理において利用するネットワークの情報から除外する。例えば制御部101は本フローチャートの処理を実行している間、ネットワーク参加パラメータ314の「接続順」の値を0にする。この場合、制御部101は本フローチャートの処理を終了したことに応じて、「接続順」の値を元の値に戻す。本ステップの処理の後、制御部101はステップS402の処理に戻り、再度APを検索する。
【0065】
次にステップS403において、制御部101が優先ネットワークを形成するAPのステルス設定が無効であると判断した場合について説明する。また、制御部101がステルス設定が有効であるAPを検出していないと判断した場合についても同様である。この場合、処理はステップS411に進む。
【0066】
ステップS411において、制御部101はステップS402において優先ネットワークを形成するAPを検出したか否かを判断する。例えば制御部101はステップS402において受信したパケットに含まれるESSIDが、有線ネットワークのESSIDと一致するか否かを判断する。制御部101が優先ネットワークを形成するAPを検出したと判断した場合、処理はステップS412に進む。制御部101が優先ネットワークを形成するAPを検出していないと判断した場合、処理はステップS413に進む。
【0067】
ステップS412において、制御部101は優先ネットワークを形成するAPに接続を開始する。なお、本ステップにおいて制御部101が接続を試みるAPはステルス設定が無効である。
【0068】
ステップS413において、制御部101はAPを検索した回数が所定回数を超えたか否かを判断する。例えば、制御部101はAPを検索した回数を作業用メモリ104に記録し、その回数が所定回数(例えば、10回)を超えたか否かを判断する。例えば制御部101がAPを検索した回数はカウンタ変数iとして作業用メモリ104に記録される。なおこの場合、本フローチャート開始時において、制御部101はカウンタ変数iの値を0にする。制御部101がAPを検索した回数が所定回数を超えていないと判断した場合、処理はステップS414に進む。制御部101がAPを検索した回数が所定回数を超えたと判断した場合、処理はステップS415に進む。
【0069】
ステップS414において、制御部101はAPを検索した回数を1回分増加させる。例えば、制御部101はカウンタ変数iの値を1増加させる。本ステップの処理の後、制御部101はステップS402において、再度APを検索する。
【0070】
ステップS415において、制御部101はステップS402においてAPを検索した結果、不揮発性メモリ103に記録されているネットワークを形成するAPを検出したか否かを判断する。例えば制御部101はネットワーク参加パラメータ310に記録されているネットワークを形成するAPを検出したか否かを判断する。この場合、制御部101はステップS402において受信したパケットに含まれるESSIDが、ネットワーク参加パラメータ310に記録されているネットワークのESSIDに含まれるか否かを判断する。制御部101が不揮発性メモリ103に記録されているネットワークを形成するAPを検出したと判断した場合、処理はステップS416に進む。制御部101が不揮発性メモリ103に記録されているネットワークを形成するAPを検出していないと判断した場合、処理はステップS417に進む。
【0071】
ステップS416において、制御部101は検出したAPのうち、最も優先度の高いネットワークを形成するAPに接続を開始する。例えば、例えば制御部101はネットワーク参加パラメータ310に記録されているネットワークの情報の中で、最も「接続順」の値が大きいネットワークを形成するAPに接続を開始する。本ステップの処理を実行した後、制御部101はステップS406の処理を実行する。
【0072】
ステップS417において、制御部101はステップS402においてAPを検索した結果を表示する。例えば、制御部101は
図5(G)に示すようにAPを検索した結果を表示する。
【0073】
ステップS418において、制御部101は接続するAPをユーザに指示されたか否かを判断する。例えば、表示部106においてあるAPが形成するネットワークのESSIDが表示されている部分に対応するタッチパネルの部分をユーザにタッチ操作された場合、制御部101は接続するAPをユーザに指示されたと判断する。制御部101は接続するAPをユーザに指示されるまで待機する。なお、制御部101はパスワード等のパラメータが必要であると判断した場合、本ステップにおいてユーザに入力させる。
【0074】
ステップS419において、制御部101はステップS418においてユーザに接続を指示されたAPに接続を開始する。本ステップの処理を実行した後、制御部101はステップS406の処理を実行する。
【0075】
ここでステップS401において、制御部101が簡易APとして動作すると判断した場合について説明する。例えば、ステップS400において、ユーザが操作部105を用いて項目506を選択した場合について説明する。この場合、処理はステップS420に進む。
【0076】
ステップS420において、制御部101は簡易APとしてネットワークを形成するよう通信部111を制御する。ここで、制御部101は接続機器情報332の「ネットワーク形成パラメータ番号」に記録されている値と対応する、ネットワーク形成パラメータ320の「管理番号」を有するネットワーク形成パラメータを参照する。本実施形態では制御部101はネットワーク形成パラメータ321に記録されている情報を用いてネットワークを形成する。本ステップの処理の後、処理はステップS407に進み、制御部101は通信装置と接続を確立する。
【0077】
以上、デジタルカメラ100の接続処理について説明した。本接続処理により、デジタルカメラ100はステルス設定が有効であるアクセスポイントに効率よく接続することができる。またデジタルカメラ100はステルス設定が無効であるAPにも効率よく接続することができる。
【0078】
なお、例えば
図5(A)において、制御部101は「MENU」ボタンがユーザによって選択された場合、本フローチャートの処理を終了する。
図5(B)、(C)、(G)における画面においても同様である。
【0079】
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0080】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。