(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
G03B 11/04 20210101AFI20240112BHJP
G03B 13/02 20210101ALI20240112BHJP
H04N 23/51 20230101ALI20240112BHJP
H04N 23/53 20230101ALI20240112BHJP
【FI】
G03B11/04 D
G03B13/02
H04N23/51
H04N23/53
(21)【出願番号】P 2020017482
(22)【出願日】2020-02-04
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】浅井 良和
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-075529(JP,A)
【文献】特開平09-166811(JP,A)
【文献】国際公開第2007/043540(WO,A1)
【文献】特開2008-175886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0033282(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0103585(KR,A)
【文献】特開2018-037807(JP,A)
【文献】特開2019-101327(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 11/04
G03B 13/02
H04N 23/51
H04N 23/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、撮影者が把持するグリップ部と、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向
と直交する方向に突出し、且つ撮像素子に導かれる被写体光束を観察するファインダーと、前記ファインダーの接眼窓を取り囲むように設けられたアイカップと、を有する撮像装置であって、
前記アイカップは、光軸方向に延伸した保持部と、前記保持部の一端に連結し、且つ前記保持部から光軸方向に対して前記保持部よりも撮影者の目に向かい傾斜している撓み部と、を備え、
前記保持部は、
前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向に沿って設けられた第1の保持部と、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向及び光軸方向の両方に直交する方向に沿って設けられた第2の保持部と、を備え、
前記第1の保持部と前記第2の保持部は、光軸と直交する面内において前記ファインダーの接眼窓を取り囲むように連結して形成されており、
前記撓み部は、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向に沿って設けられた第1の撓み部と、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向及び光軸方向の両方に直交する方向に沿って設けられた第2の撓み部と、を備え、
前記第1の撓み部と前記第2の撓み部は、光軸と直交する面内において前記ファインダーの接眼窓を取り囲むように連結して形成されており、
前記第2の保持部の光軸方向と垂直な方向の厚みは、前記第1の保持部の光軸方向と垂直な方向の厚みよりも大き
く、
前記第1の撓み部の光軸方向の長さは、前記第2の撓み部の光軸方向の長さよりも大きく、
光軸と直交する方向から見た場合、前記第2の撓み部は、撮影者側に向かって凸形状をなす凸部を備え、
光軸と直交する方向から見た場合、前記本体部から離れる方向に前記凸部の頂点から延びる前記凸部の傾斜面の傾斜角は、前記本体部から近づく方向に前記凸部の頂点から延びる前記凸部の傾斜面の傾斜角よりも小さいことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の撓み部の前記第1の撓み部の延伸する方向と直交する厚みは、前記第1の保持部の光軸方向と垂直な方向の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項
1に記載の撮像装置。
【請求項3】
光軸と直交する方向から見た場合、前記アイカップは、前記第2の保持部と前記第2の撓み部で形成される前記接眼窓に向かって凹んだ凹部を備え、
前記第2の撓み部は、前記本体部側の端部で前記アイカップの本体部の取り付け部と連結することを特徴とする請求項
1又は2に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置に関し、特にファインダー接眼部のアイカップを搭載した撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置には、撮像素子へ導かれた被写体光束などを観察できるファインダーが設けられている。
【0003】
ファインダー内部には、被写体画角や、設定情報、撮影画像などが表示される。撮影者は、ファインダーに接眼して覗き込み、前述した表示内容を確認する。
【0004】
通常、ファインダー接眼部には、撮影者が外光を遮断して覗きこみやすいように、アイカップが設けられる。
【0005】
アイカップは、通常、弾性部材で構成されることが多い。
【0006】
例えば、特許文献1のように、撮影者が長時間ファインダーに接眼しても痛くないように撓みやすい形状であり、かつ周囲からの外光を遮断してファインダー内表示の視認性を向上させる構成となっている。
【0007】
また、特許文献2では、アイカップが平らになっているため、撮像装置が背面方向で机上などに放置され、アイカップが机上などに当接された状態で放置されても、アイカップは変形しにくい構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2016-133694号公報
【文献】特開2005-49716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、撮像装置が背面方向で机上などに放置され、アイカップが圧縮または撓んだ状態で維持された時に、変形が残ってしまう懸念がある。
【0010】
また、特許文献2に開示された従来技術では、アイカップが平らであるとファインダー接眼時に撓みにくいため、撮影者は硬い感触を感じ、周囲からの外光を遮断する遮光性が悪化してしまう懸念がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、ファインダー接眼時に感触、遮光性が良く、アイカップを当接させた状態で放置した時に変形しにくいアイカップを備えた撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本体部と、撮影者が把持するグリップ部と、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向と直交する方向に突出し、且つ撮像素子に導かれる被写体光束を観察するファインダーと、前記ファインダーの接眼窓を取り囲むように設けられたアイカップと、を有する撮像装置であって、
前記アイカップは、光軸方向に延伸した保持部と、前記保持部の一端に連結し、且つ前記保持部から光軸方向に対して前記保持部よりも撮影者の目に向かい傾斜している撓み部と、を備え、
前記保持部は、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向に沿って設けられた第1の保持部と、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向及び光軸方向の両方に直交する方向に沿って設けられた第2の保持部と、を備え、
前記第1の保持部と前記第2の保持部は、光軸と直交する面内において前記ファインダーの接眼窓を取り囲むように連結して形成されており、
前記撓み部は、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向に沿って設けられた第1の撓み部と、前記本体部に対して前記グリップ部が位置する方向及び光軸方向の両方に直交する方向に沿って設けられた第2の撓み部と、を備え、
前記第1の撓み部と前記第2の撓み部は、光軸と直交する面内において前記ファインダーの接眼窓を取り囲むように連結して形成されており、
前記第2の保持部の光軸方向と垂直な方向の厚みは、前記第1の保持部の光軸方向と垂直な方向の厚みよりも大きく、
前記第1の撓み部の光軸方向の長さは、前記第2の撓み部の光軸方向の長さよりも大きく、
光軸と直交する方向から見た場合、前記第2の撓み部は、撮影者側に向かって凸形状をなす凸部を備え、
光軸と直交する方向から見た場合、前記本体部から離れる方向に前記凸部の頂点から延びる前記凸部の傾斜面の傾斜角は、前記本体部から近づく方向に前記凸部の頂点から延びる前記凸部の傾斜面の傾斜角よりも小さいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ファインダー接眼時に感触、遮光性が良く、アイカップを当接させた状態で放置した時に変形しにくいアイカップを備えた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルカメラを説明する斜視図である。
【
図2】本発明の撮像装置の実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施例におけるアイカップの背面図と側面図である。
【
図4】撮影者がカメラを構えて撮影している状態の側面図である。
【
図5】カメラを背面方向に置いた状態の側面図である。
【
図6】
図3のアイカップ上部のA-A断面図である。
【
図7】
図3のアイカップ左右部のB-B断面図である。
【
図8】
図3のアイカップの光軸方向に垂直なD-D断面図と、アイカップの斜視図である。
【
図9】第2の実施例におけるアイカップの背面図と側面図である。
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施例]
(撮像装置としてのデジタル一眼レフカメラの斜視図)
図1(a)は本発明の電子機器の第1の実施形態の一例であるデジタル一眼レフカメラを正面側(被写体側)から見た斜視図、
図1(b)は
図1(a)に示すデジタル一眼レフカメラを背面側から見た斜視図である。
【0017】
なお、本実施形態では、本発明の撮像装置として一例であるデジタルカメラを例示するが、これに限定されない。
【0018】
本発明の撮像装置は、本体部505と、撮影者が把持するグリップ部90を有する。
【0019】
また、本体部に対してグリップ部が位置する方向と異なる方向に突出し、且つ撮像素子に導かれる被写体光束を観察するファインダー16と、ファインダーの接眼窓を取り囲むように設けられたアイカップ500を有する。
【0020】
カメラの前方をFr、後方をRr、上側をT、下側をB、背面から見て左方向をL、右方向をRとしている。
【0021】
第1の実施形態のデジタルカメラ(以下、カメラ100という)は、
図1(a)に示すように、正面側に、不図示のレンズユニットが着脱可能に装着されるマウント部502が設けられている。
【0022】
マウント部502には、カメラ100とレンズユニット(不図示)との間で制御信号や状態信号及びデータ信号等の通信を可能にし、レンズユニット側に電力を供給する通信端子10が設けられている。
【0023】
また、カメラ100には、マウント部502の近接した位置に、解除ボタン504が設けられ、解除ボタン504を押下操作することで、レンズユニットを取り外すことができる。
【0024】
カメラ100の内部には、シャッター101が設けられており、撮像素子(不図示)に対して、撮影時に光が当たるように、撮影露光時間に応じて開閉可能な構成となっている。
【0025】
カメラ100の正面側から見て左側の側部には、グリップ部90が設けられ、グリップ部90には、撮影者がカメラ100に対して撮影を指示するためのシャッターボタン61が設けられている。
【0026】
カメラ100の上部には、フラッシュ取り付け用のシュー溝512及びフラッシュ接点513が設けられている。
【0027】
シュー溝512のR側に隣接するようにファインダー外表示部43が設けられている。ファインダー外表示部43は、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値を表示する。
【0028】
図1(b)に示すように、カメラ100の背面側には、LCD等の表示部28が設けられ、表示部28の上側には、撮像素子に導かれた被写体光束を観察できるファインダー16が設けられている。
【0029】
ファインダー16には、アイカップ500が取り付けられている。アイカップ500は、取り外し可能となっていてもよいし、カメラ100に固定されていてもよい。
【0030】
カメラ100の背面側から見て右側の側部には、メモリーカードが着脱可能に装着されるカードスロット等を開閉可能に覆うカード蓋202が設けられ、カメラ100の底部には、電池の収納部を開閉可能に覆う電池蓋531が設けられている。
【0031】
カメラ100の本体部505から上側に向かって、ファインダー16が突出している。
【0032】
撮影者がカメラ100を背面側から見た場合、右手でグリップ部90を持ち、カメラ100を構えたとき、表示部28の上部にファインダー28が位置することになる。
【0033】
(ブロック図)
図2は、本実施形態によるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
図2において、レンズユニット150は、交換可能な撮影レンズを搭載するレンズユニットである。
【0034】
レンズ103は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。
【0035】
通信端子6はレンズユニット150がデジタルカメラ100側と通信を行う為の通信端子であり、通信端子10はデジタルカメラ100がレンズユニット150側と通信を行う為の通信端子である。
【0036】
レンズユニット150は、この通信端子6,10を介してシステム制御部50と通信し、内部のレンズシステム制御回路4によって絞り駆動回路2を介して絞り1の制御を行う。
【0037】
そして、AF駆動回路3を介して、レンズ103の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0038】
撮影者は、ファインダー16を介して、電子ビューファインダ29(以下、EVF29)に表示された被写体像や、カメラの設定状態、撮影画像などを確認することが可能である。
【0039】
シャッター101は、システム制御部50の制御で撮像部22の露光時間を自由に制御できるフォーカルプレーンシャッターである。
【0040】
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。撮像素子22には、AEセンサ17及び焦点検出部11が接続されている。
【0041】
A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
【0042】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。
【0043】
また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。画像処理部24により得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。
【0044】
これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。
【0045】
画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0046】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。
【0047】
メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。
【0048】
メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0049】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器19は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。
【0050】
こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器19を介して表示部28により表示される。
【0051】
表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器19からのアナログ信号に応じた表示を行う。
【0052】
A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器19においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示する。
【0053】
よって、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示(ライブビュー表示(LV表示))を行える。以下、ライブビューで表示される画像をLV画像と称する。
【0054】
ファインダー外液晶表示部43には、ファインダー外表示部駆動回路44を介して、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。
【0055】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0056】
不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0057】
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーまたは回路からなる制御部であり、デジタルカメラ100全体を制御する。
【0058】
前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。
【0059】
システムメモリ52には、例えばRAMが用いられ、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等が展開される。
【0060】
また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器19、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0061】
AEセンサー17は、レンズユニット150を通した被写体の輝度を測光する。焦点検出部11は、システム制御部50にデフォーカス量情報を出力する。
【0062】
システム制御部50は、デフォーカス量情報に基づいてレンズユニット150を制御し、位相差AFを行う。焦点検出部11は、専用の位相差センサーでもよいし、撮像素子22の撮像面位相差センサーとして構成しても良い。
【0063】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0064】
モード切替スイッチ60、第1シャッタースイッチ62、第2シャッタースイッチ64、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0065】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。
【0066】
静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード、がある。
【0067】
また、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60より、ユーザーは、これらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。
【0068】
あるいは、モード切替スイッチ60で撮影モードの一覧画面に一旦切り換えた後に、表示された複数のモードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。
【0069】
同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0070】
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。
【0071】
第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作を開始する。
【0072】
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。
【0073】
システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0074】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。
【0075】
機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。
【0076】
例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。
【0077】
利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0078】
操作部70は、ユーザーからの操作を受け付ける入力部としての各種操作部材である。操作部70には、押しボタン、回転ダイヤル、タッチセンサなどが含まれ、少なくとも以下の操作部が含まれる。
【0079】
シャッターボタン61、メイン電子ダイヤル71、電源スイッチ72、サブ電子ダイヤル73、十字キー74、SETボタン75、LVボタン76、拡大ボタン77、縮小ボタン78、再生ボタン79。
【0080】
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。
【0081】
また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0082】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0083】
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0084】
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。
【0085】
通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。
【0086】
通信部54は撮像部22で撮像した画像(LV画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像やその他の各種情報を受信することができる。
【0087】
姿勢検知部55は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。
【0088】
姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像であるかを判別可能である。
【0089】
システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。
【0090】
姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。
【0091】
姿勢検知部55である、加速度センサーやジャイロセンサーを用いて、デジタルカメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止しているか否か等)を検知することも可能である。
【0092】
(アイカップ500の形状1)
図3から
図7において、第1の実施例におけるアイカップ500の詳細な形状を説明する。
【0093】
図3にカメラ100のアイカップ500の(a)背面図、(b)側面図を示す。アイカップ500は、撮影者がファインダーを覗く際に目の周囲と当たるため、通常、弾性部材で構成される。
【0094】
アイカップ500は、光軸方向に延伸した保持部La1、Lb1と、保持部La1、Lb1の一端に連結し、且つ保持部La1、Lb1から光軸方向に対して保持部よりも撮影者の目に向かい傾斜している撓み部La2、Lb2と、を備える。
【0095】
本体部505に対してグリップ部が位置する方向と異なる方向及び光軸方向の両方に直交する方向に沿って設けられた第1の保持部La1を備えている。
【0096】
本体部に対してグリップ部が位置する方向と異なる方向に沿って設けられた第2の保持部Lb1を備えている。
【0097】
第1の保持部La1と前記第2の保持部Lb1は、光軸と直交する面内においてファインダー16の接眼窓を取り囲むように連結して形成されており、
第2の保持部Lb1の光軸方向と垂直な方向の厚みTb1は、第1の保持部La1の光軸方向と垂直な方向の厚みTa1よりも大きい。
【0098】
第1の保持部La1と第2の保持部Lb1は、光軸と直交する面内においてファインダー16の接眼窓を取り囲むように連結して形成されている。
【0099】
第2の保持部Lb1の光軸方向と垂直な方向の厚みTb1は、第1の保持部La1の光軸方向と垂直な方向の厚みTa1よりも大きい。
【0100】
本体部に対してグリップ部が位置する方向と異なる方向及び光軸方向の両方に直交する方向に沿って設けられた第1の撓み部La2を備える。
【0101】
本体部に対してグリップ部が位置する方向と異なる方向に沿って設けられた第2の撓み部Lb2を備える。
【0102】
第1の撓み部La2と第2の撓み部Lb2は、光軸と直交する面内においてファインダー16の接眼窓を取り囲むように連結して形成されている。
【0103】
第1の撓み部La2の光軸方向の長さは、第2の撓み部Lb2の光軸方向の長さよりも大きい。
【0104】
第1の撓み部La2の第1の撓み部の延伸する方向と直交する厚みTa2は、第1の保持部La1の光軸方向と垂直な方向の厚みTa1よりも大きい。
【0105】
弾性部材は、例えば、熱可塑性エラストマーや、ゴムといった材料である。
【0106】
図3(a)に示すアイカップ500の上部のW範囲と左右部のSL、SR範囲で断面形状が異なる。左右部のSL、SR部は略同一形状である。
【0107】
それぞれの断面形状に関しては、後ほど説明するが、W範囲は接眼時の感触、遮光性を良化させる構成であり、SL、SR範囲は遮光性およびカメラ下側が放置された時の変形防止を目的とした構成である。
【0108】
図3(b)はアイカップ500をカメラ100のL側から見た側面図である。
図3(b)は、アイカップ500のSL範囲を示すが、Rr方向に凸部510を備え、上部のW範囲の中央の頂点よりもhだけ突出している。
【0109】
また、凸部からW部に向かう部位SL1は、図に示すように、角度θ1で傾斜している。
【0110】
これは、撮影者がファインダー16を覗いた時に、目の周りが密着しやすい形状であり、θ=5~15°であることが適正である。
【0111】
これにより、撮影者が眼鏡をかけている時でもファインダー16を覗きやすい角度となっている。
【0112】
また、凸部からB方向に向かい部位SL2は、角度θ2で傾斜している。SL2は、カメラを背面方向で放置した場合に当接する部位であり、本実施例においては、θ2=約25°となっている。
【0113】
図3(b)に示すように、θ1<θ2となっていることで、W部と凸部510の上側SL1で遮光性、凸部510の下側SL2でカメラ100を背面方向に放置した時の変形防止を成立させる形状となっている。
【0114】
光軸と直交する方向から見た場合、前記第2の撓み部Lb2は、撮影者側に向かって凸形状をなす凸部510を備えている。
【0115】
光軸と直交する方向から見た場合、本体部505から離れる方向に凸部510の頂点から延びる凸部510の傾斜面の傾斜角θ1は、本体部505から近づく方向に凸部510の頂点から延びる凸部510の傾斜面の傾斜角θ2よりも小さい。
【0116】
SL範囲の詳細形状に関しては後ほど説明する。
【0117】
(撮影者がカメラ100を構えている状態を示す側面図)
図4は、撮影者がカメラ100を構えている状態を示す側面図である。
【0118】
このように撮影者は、ファインダー16に取り付けられたアイカップ500に目を当てて、撮影を行う。
【0119】
撮影者は、目の上にアイカップ500の上部のW範囲を積極的に押し当ててカメラ100を安定させるように把持する。
【0120】
この時、アイカップ500の左右部のSL、SR範囲は、撮影者の目の側面周囲を覆うことで、目の側面から入射する光を遮光している。
【0121】
従って、アイカップ500には、上部のW範囲は接眼時の良好な感触である撓みやすさ、左右部のSL、SR範囲は撮影者の目の側面を覆う遮光性が要求される。
【0122】
SL、SR範囲の遮光性に関しては、
図3(b)で示した凸部510の上側SL1が主に機能している。
【0123】
(カメラ100を背面方向で置いた時の側面図)
図5は、カメラ100を背面方向で置いた時の側面図を示す。
図5では、例えば、机上などの平面に置いた状態を示している。
【0124】
図5においては、カメラ100を背面方向で置いた時にアイカップ500の左右部のSL、SR範囲が平面と当接する。
【0125】
アイカップ500がカメラ背面のLCD等の表示部28に対して凸になっていることにより、カメラ100は傾いた状態となる。
【0126】
従って、アイカップ500の当接箇所は、SL、SR範囲に備えられた凸部510よりも下側SL2が平面に当接している。
【0127】
アイカップ500は、弾性部材であるため、カメラ100を背面方向に長時間放置されると、SL、SR範囲は変形してしまう懸念がある。
【0128】
そこで、第1の実施例では、アイカップ500の上部のW範囲よりも左右部のSL、SR範囲を変形しにくい構成としている。
【0129】
特に、SL、SR範囲の凸部510の下側SL2を変形しにくい構成としている。上部のW範囲と左右部のSL、SR範囲の断面構成など詳細形状は、
図6、
図7にて説明する。
【0130】
(
図3のW範囲のA-A断面図)
図6は、
図3のW範囲のA-A断面図を示す。W範囲は、保持部La1、撓み部La2から構成されている。
【0131】
保持部La1は、略光軸方向であるRr方向に延伸して構成されている。撓み部La2は、保持部La1の終端からRr方向に対して傾いて構成される。
【0132】
接眼時には、保持部La1が積極的に曲がり、撓み部La2が凹部Cwに撓むことで、目の周囲に馴染みやすく、感触や遮光性を良化させることが可能となっている。
【0133】
W範囲において、保持部La1の厚みをTa1、撓み部La2の厚みをTa2とすると、Ta1<Ta2となっていることで保持部La1は屈曲しやすくなっている。
【0134】
また、Ta1<Ta2となることで、撓み部La2が凹部Cwに撓んだ時に、撮影者の目の周囲は撓み部Lb2に当接しているため、Ta2が厚いほうが接眼状態で感触が良く馴染みやすいため遮光性もよくなるためである。
【0135】
第2の撓み部Lb2は、本体部505に対してグリップ部90が位置する方向と異なる方向(光軸直交方向)に突出したファインダー16の短辺に沿って形成されている。第2の撓み部Lb2は、SL、SR範囲に形成されている。
【0136】
第2の保持部Lb1は、本体部505に対してグリップ部90が位置する方向と異なる方向に突出したファインダー16の短辺に沿って形成されている。第2の保持部Lb1は、SL、SR範囲に形成されている。
【0137】
また、第1の撓み部La2は、本体部505に対してグリップ部90が位置する方向と異なる方向(光軸直交方向)に突出したファインダー16の長辺に沿って形成されている。第1の撓み部La1は、W範囲に形成されている。
【0138】
第1の保持部La1は、本体部505に対してグリップ部90が位置する方向と異なる方向に突出したファインダー16の長辺に沿って形成されている。第1の保持部La1は、W範囲に形成されている。
【0139】
(
図3のSL、SR範囲のB-B断面図)
図7(a)は、
図3のSL、SR範囲のB-B断面図を示す。左右部のSL、SR範囲は略同一形状であるため、
図7(b)ではSL部のみ詳細を説明する。
【0140】
SL部は、保持部Lb1、撓み部Lb2から構成されている。保持部Lb1は、略光軸方向であるRr方向に延伸して構成されている。
【0141】
撓み部Lb2の厚みは、Tb2となっている。撓み部Lb2は、保持部Lb1の終端からRr方向に対して傾いて構成される。
【0142】
保持部Lb1の厚みは、図に示すように、Tb1<Tb3となっており、保持部Lb1と撓み部Lb2の境界で屈曲しやすい形状になっている。
【0143】
Tb3は、保持部Lb1の取付側の根元の厚みである。
【0144】
従って、接眼時には、保持部Lb1と撓み部Lb2の境界部が屈曲することで、撓み部Lb2は凹部Cslに撓み、感触を良化させることが可能である。
【0145】
次に、上部のW範囲と、左右部のSL、SR範囲の断面形状を比較する。
【0146】
図4、
図6、
図7に示すように、上部のW範囲に対して、左右部のSL、SR範囲のほうが、接眼時に撮影者の眼の周囲には当たりにくいため、撓み部が保持部まで変形する量は小さくなっている。
【0147】
つまり、Rr方向で、La2>Lb2となっており、撓み部Lb2のほうが変形量を小さくする構成となっている。これと関連して、保持部(La1、Lb1)は、Rr方向で、La1<Lb1とすることで、SL、SR範囲の撮影者の目の側面を覆う遮光性を向上させている。
【0148】
また、
図5で説明したように、カメラ100を背面方向に置いた時に、アイカップ500の左右部のSL、SR範囲は、置かれる面に当接する箇所になる。
【0149】
従って、上部のW範囲よりも左右部のSL、SR範囲のほうが変形しにくい構成となっているほうが、のぞましい。
【0150】
そのため、
図6、
図7で示すように、上部のW範囲と左部のSL範囲の保持部の厚みに関して、Tb1>Ta1となり、撓み部Lb2のほうが屈曲しにくい構成である。
【0151】
また、前述したように、Rr方向で、La2>Lb2となっており、撓み部Lb2のほうが変形量を小さくする構成となっている。
【0152】
図5、
図7にて、SL範囲の撓み部Lb2に関して、詳細説明を追加する。
【0153】
カメラ100を背面方向に置いた時、SL範囲に備えられた凸部510よりも下側SL2が当接している。
【0154】
従って、SL範囲の撓み部Lb2は、凸部510よりも下側SL2が変形しにくいことが要求される。
【0155】
なお、撮影者の接眼時にも、凸部510よりも下側SL2の撓み部Lb2は、目の周囲には当たりにくいため、変形しにくくても感触や遮光性に影響は少ない箇所である。
【0156】
図8にて、SL範囲のる凹部Cslを終端している終端部520について、説明する。
図8(a)は、
図3(b)のD-D断面図である。
【0157】
図8(b)にアイカップ500の単部品状態での上面斜視図、
図8(c)にアイカップ500の単部品状態での下面斜視図を示す。
【0158】
図8(a)は、第1の保持部La1、第2の保持部Lb1の断面である。
図8(a)のCw、Cslは、それぞれ第1の撓み部La2と第1の保持部La1、第2の撓み部Lb2と第2の保持部Lb1で構成される凹部である。
【0159】
前述した内容をまとめると、第1の保持部La1の厚みTa1、第2の保持部Lb1の先端側の厚みTb1、取付側の厚みTb2とした時に、Ta1<Tb1<Tb3となっている。
【0160】
第2の保持部Lb1の厚みTb3は、カメラ下部に向かうにつれて厚みが大きくなり、終端部520と一体化する形状となっている。
【0161】
つまり、凹部Cslは、本体部505側の端部で閉じてなくなり、アイカップ500の本体部への取り付け部と第2の撓み部Lb2が終端部(連結部)520で連結される。
【0162】
終端部(連結部)520とは、SL部に位置する凹部Cslの下部(B方向)で凹部を埋める形状であり、第2の撓み部La2が変形しにくい形状となる。
【0163】
従って、カメラ100が背面方向に放置された時に、SL2部は変形しにくく、アイカップ500の外形の変形による遮光性の悪化などの懸念が少ない。終端部520は、SL側、SR側で略同一位置で略同一形状である。
【0164】
光軸と直交する方向から見た場合、アイカップは、第2の保持部Lb1と第2の撓み部Lb2で形成される接眼窓に向かって凹んだ凹部Cslを備えている。
【0165】
第2の撓み部は、本体部側の端部でアイカップ500の本体部505の取り付け部と連結する。
【0166】
[第2の実施例]
図9に、ファインダー接眼窓に取り付けられたアイカップが矩形ではなく、円形の場合の第2の実施例の図を示す。
【0167】
カメラ601の背面には、アイカップ600、ファインダーの接眼窓616、表示部628を備え、アイカップ600は、上部をW1範囲、左右部をSL1、SR1範囲としている。
【0168】
上部(W1)と左右部(SL1、SR1)に関しては、ファインダー接眼窓中心から、約90度の範囲で4分割して定義している。
【0169】
左右部(SL1、SR1)は、略同じで対称形状となっている。
【0170】
第1の実施例と同じく、上部をW1範囲は接眼時の感触、遮光性、左右部をSL1、SR1範囲は、凸部610を備え遮光性、カメラ背面放置時の保持力を満足する断面形状となっている。断面形状の詳細に関しえては、第1の実施例と同様のため、詳細な説明を省略する。
【0171】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0172】
16 ファインダー
500 アイカップ
510 凸部
520 終端部
La1、Lb1 保持部
La2、Lb2 撓み部
Cw、Csl 凹部