(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/53 20190101AFI20240112BHJP
G06F 16/54 20190101ALI20240112BHJP
【FI】
G06F16/53
G06F16/54
(21)【出願番号】P 2019074269
(22)【出願日】2019-04-09
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼山 慧
(72)【発明者】
【氏名】真継 優和
(72)【発明者】
【氏名】野上 敦史
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-198300(JP,A)
【文献】特開2018-097483(JP,A)
【文献】J. Marks, B. Andalman,外12名,”Design Galleries: A General Approach to Setting Parameters for Computer Graphics and Animation”,MITSUBISHI ELECTRIC RESEARCH LABORATORIES,Mitsubishi Electric Research Laboratories, Inc.,1997年10月01日,[令和5年3月17日検索],インターネット<URL:https://www.merl.com/publications/docs/TR97-14.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
複数のパラメータ設定値を設定する設定手段と、
前記複数のパラメータ設定値を用いて処理対象データに対して処理を実行し、複数の処理実行結果を取得する処理実行手段と、
前記複数の処理実行結果から複数の代表データを選択する選択手段と、
前記複数の代表データを表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザによる代表データの選択操作
に基づいて、ユーザ選択情報
を決定する決定手段と、
前記ユーザ選択情報に基づき前記複数のパラメータ設定値の各々に
対して評価を設定し、前記複数のパラメータ設定値の各々の前記
評価を集計し、前記複数のパラメータ設定値の各々について集計された
評価に基づいて前記複数のパラメータ設定値から適切なパラメータ設定値を決定する統計処理手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記統計処理手段は、
前記ユーザ選択情報と、前記複数の処理実行結果とに基づいて、前記複数のパラメータ設定値の各々について得点を決定する得点決定手段と、
前記複数のパラメータ設定値の各々の前記得点を集計し、前記複数のパラメータ設定値の各々について集計された得点の集計結果に基づいて、前記複数のパラメータ設定値から
適切なパラメータ設定値を決定する集計手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記得点決定手段は、前記ユーザ選択情報と、前記複数の処理実行結果との関係性に基づいて、前記複数のパラメータ設定値の各々について得点を決定することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記得点決定手段は、前
記選択操作
が示す代表データと、前記複数の処理実行結果との類似度を算出し、前記類似度に基づいて前記得点を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択手段は、前記複数の処理実行結果のデータ分布に基づいて前記複数の処理実行結果をグループ化することにより前記関係性を取得し、
前記得点決定手段は、各処理実行結果が、前記選択操作により選択された代表データが属するグループと同一かどうかに基づいて前記得点を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記集計手段は、前記パラメータ設定値ごとにヒストグラム化することにより前記得点の集計を行うことを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記集計手段は、前記得点を用いてパラメータ空間上における重心に位置する重心パラメータ設定値を算出し、当該算出された重心パラメータ設定値を、前記パラメータ設定値として決定することを特徴とする請求項2乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記関係性を示す情報を前記表示手段にさらに表示させることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、全ての処理対象データについて前記得点が決定されていない場合に前記集計手段により集計された途中集計結果を示す情報を前記表示手段にさらに表示させることを特徴とする請求項2乃至8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記設定手段は、全ての処理対象データについて前記得点が決定されていない場合に前記集計手段により集計された途中集計結果に基づいて、前記パラメータ設定値を変更することを特徴とする請求項2乃至9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記表示制御手段は、全ての処理対象データについて前記得点が決定されていない場合に前記集計手段により集計された途中集計結果において、前記得点が所定値以下であるパラメータ設定値に対応する代表データが前記選択操作により選択された場合、前記複数の代表データを前記表示手段に再表示させることを特徴とする請求項2乃至9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記
決定手段は、前記関係性を変更するユーザの操作を受け付け可能であり、
前記得点決定手段は、前記変更された関係性に基づいて前記得点を決定することを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示制御手段は、前記集計手段により決定されたパラメータ設定値と、前記得点に関する情報と、前記集計手段により決定されたパラメータ設定値に基づいて所定値以上の得点が決定された処理対象データ数の全処理対象データに対する比を示すカバー率との少なくとも1つを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示制御手段は、各処理対象データが1つの画像を構成する小領域のデータである場合に、前記集計手段により決定されたパラメータ設定値に基づいて所定値以上の得点が決定された処理対象データの、前記画像におけるカバー範囲を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記複数の代表データとともに、代表データの良否に関する選択肢を前記表示手段に表示させ、
前記得点決定手段は、前記選択肢の選択結果と、前記関係性とに基づいて前記得点を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項16】
各処理対象データについて前記ユーザ選択情報に基づいてユーザ選択情報分析結果を取得する分析手段をさらに備え、
前記得点決定手段は、前記ユーザ選択情報分析結果と、前記関係性とに基づいて前記得点を決定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記分析手段は、前記複数の代表データが表示されてからユーザが前記選択操作を行うまでの時間の情報に基づいて、前記ユーザ選択情報分析結果を取得することを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記分析手段は、各処理対象データについて得られるユーザ選択情報を分析して、前記複数のパラメータ設定値の順位に関する情報を、前記ユーザ選択情報分析結果として取得することを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記分析手段は、1以上のユーザによる前記選択操作の結果に基づいて判定される各ユーザの熟練度に基づいて、各処理対象データに対する信頼性に関する情報を、前記ユーザ選択情報分析結果として取得することを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記関係性と、前記複数の代表データと、前記ユーザ選択情報とに基づいて、前記表示手段に表示する代表データの基準を決定する基準決定手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、各処理対象データについて、各代表データが前記基準を満たすか否かを確認し、前記基準を満たす代表データを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記選択手段は、前記処理対象データと、各処理実行結果とを統合した情報に基づいて、前記複数の代表データを選択することを特徴とする請求項1乃至20の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項22】
情報処理装置
が行う情報処理方法であって、
前記情報処理装置の設定手段が、複数のパラメータ設定値を設定する設定工程と、
前記情報処理装置の処理実行手段が、前記複数のパラメータ設定値を用いて処理対象データに対して処理を実行し、複数の処理実行結果を取得する処理実行工程と、
前記情報処理装置の選択手段が、前記複数の処理実行結果から複数の代表データを選択する選択工程と、
前記情報処理装置の表示制御手段が、前記複数の代表データを表示手段に表示させる表示制御工程と、
前記情報処理装置の決定手段が、ユーザ
による代表データの選択操作
に基づいて、ユーザ選択情報を決定する決定工程と、
前記情報処理装置の統計処理手段が、前記ユーザ選択情報に基づき前記複数のパラメータ設定値の各々に対して評価を設定し、前記複数のパラメータ設定値の各々の前記評価を集計し、前記複数のパラメータ設定値の各々について集計された評価に基づいて前記複数のパラメータ設定値から適切なパラメータ設定値を決定する統計処理工程と、
を有することを特徴とする情報処
理方法。
【請求項23】
コンピュータを、請求項1乃至21の何れか1項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理装置の制御方法及びプログラムに関し、特に、画像処理におけるパラメータを適切に決定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理において処理のパラメータを適切に決定することは重要な課題である。最良の処理の結果を選ぶ際に、理想的なデータや正解データを用意できる場合には、理想的なデータと最も近い処理の結果を調べれば良い。
【0003】
特許文献1は、処理の結果ごとに理想的なデータとの類似性を調べることで、自動的にパラメータ最適値を決める方法を開示している。
【0004】
特許文献2は、異なるパラメータ設定値を用いて取得した複数の画像を用意しておき、画像の中から代表のデータを統計的に選んだ上でユーザに表示し、良い方をユーザに選ばせ、一度の試行によりパラメータの適切な値を決定する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5368873号公報
【文献】特開2015-198300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、理想的なデータを用意できない場合や、処理結果の正解が一義的、客観的に定まらず主観によらざるを得ない場合など、理論的に予測できない場合には、パラメータの適切な値が分からない。また、特許文献2に記載の技術では、ユーザは代表データのみを確認すれば良いため負担が小さいものの、代表データに必ずしも適切なパラメータの設定値を用いた結果が含まれているとは限らない。
【0007】
このように、従来の技術では、パラメータを用いた処理を行う対象のデータが複数存在する状況において、ユーザの負担を軽減しながらパラメータの適切な値を決定することが難しいという課題がある。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、パラメータを用いた処理を行う対象のデータが複数存在する状況において、ユーザの負担を軽減しながらパラメータの適切な値を決定するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成する本発明に係る情報処理装置は、
情報処理装置であって、
複数のパラメータ設定値を設定する設定手段と、
前記複数のパラメータ設定値を用いて処理対象データに対して処理を実行し、複数の処理実行結果を取得する処理実行手段と、
前記複数の処理実行結果から複数の代表データを選択する選択手段と、
前記複数の代表データを表示手段に表示させる表示制御手段と、
ユーザによる代表データの選択操作に基づいて、ユーザ選択情報を決定する決定手段と、
前記ユーザ選択情報に基づき前記複数のパラメータ設定値の各々に対して評価を設定し、前記複数のパラメータ設定値の各々の前記評価を集計し、前記複数のパラメータ設定値の各々について集計された評価に基づいて前記複数のパラメータ設定値から適切なパラメータ設定値を決定する統計処理手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パラメータを用いた処理を行う対象のデータが複数存在する状況において、ユーザの負担を軽減しながら、パラメータの適切な値を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図、(b)一実施形態に係る情報処理装置の機能構成例を示す図
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れを説明するフローチャート
【
図4】適切なパラメータを決定する処理例を説明する図
【
図5】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図
【
図6】一実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れを説明するフローチャート
【
図7】適切なパラメータを決定する処理例を説明する図
【
図8】一実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の流れを説明するフローチャート
【
図10】適切なパラメータを決定する処理例を説明する図
【
図11】一実施形態に係る情報処理装置の機能構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられても良い。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0013】
(実施形態1)
本実施形態では、理想的なデータや正解データを用意できない場合において、パラメータを用いた処理を行う対象のデータが複数存在する状況を想定して、人が見るべきデータ量を減らしながら、パラメータの適切な値を決定する。
【0014】
情報処理装置では、処理対象である複数のデータと、その処理に使用するパラメータについて複数の設定値を入力し、パラメータの適切な値を出力する。以降では、パラメータを用いた処理を行う対象となるデータを処理対象データ、パラメータを用いた処理を実行して得られるデータを処理実行結果、注目するパラメータに設定する値をパラメータ設定値と記載する。
【0015】
実施形態1では、処理対象データは、撮影により得られる画像とし、パラメータを用いた処理は、機械学習により生成したモデルを処理対象データに適用する処理とする。機械学習は、データから特定の情報を自動で抽出するモデルを生成する方法に関する技術である。画像を用いた機械学習は、画像内の特定の対象物の領域や輪郭を検知するためのモデルを構築する方法として用いられることがある。学習時のパラメータには、学習回数や学習率があり、実施形態1では、処理対象データに学習回数が異なるモデルを適用する例を示す。
【0016】
<概要>
本実施形態に係る情報処理装置の概要を説明する。まず、ある1つの処理対象データに対して、異なるパラメータ設定値を用いて処理を実行することで、複数の処理実行結果を取得する。次に、それらの処理実行結果から複数の代表データを選択し、代表データをユーザに提示し、好適な代表データを主観的に選択させる。以降では、ユーザの選択に関する情報をユーザ選択情報とし、特にユーザに選択された代表データをユーザ選択データと記載する。ユーザによる選択操作の後、ユーザ選択データに対応するパラメータ設定値に得点を付与する。このとき、処理実行結果とユーザ選択データとの関係性(例えば類似性)を調べ、その結果、処理実行結果のうちユーザ選択データと似ているデータがあれば、似ている処理実行結果のパラメータ設定値にも得点を付与する。ユーザ選択データ以外の処理実行結果にも得点をつけるのは、適切な処理実行結果が必ずしも代表データとして選ばれない可能性を考慮するためである。以上の処理を、処理対象データを変更しながら繰り返し実行した後、得点の集計を行い、パラメータの適切な値を決定する。
【0017】
このように、本実施形態では、ユーザ選択情報と、処理実行結果との関係性に基づいて、パラメータ設定値の得点を決定する。
【0018】
また、処理実行結果の関係性については代表データの選択の際に利用しても良い。例えば、関係性として処理実行結果間の類似性を調べ、特に類似性の低い処理実行結果の組み合わせを代表データとして選択する。代表データの選択の際に処理実行結果の関係性を利用すると、見た目上差異の大きい処理実行結果が表示されやすくなり、ユーザにとって選択操作のための判断が容易となる。
【0019】
実施形態1では、処理実行結果の関係性として類似性を調べ、類似性に基づいて代表データの選択および得点の決定を行う方法を説明する。
【0020】
<情報処理装置のハードウェア構成>
図1(a)は、情報処理装置100のハードウェア構成図である情報処理装置100は、CPU1001、ROM1002、RAM1003、記憶装置1004、バス1005、入力装置1006、及び表示装置1007を備えている。情報処理装置100は汎用のパーソナルコンピュータなどにより構成される。
【0021】
CPU1001は、情報処理装置100の後述の機能ブロックによる各種動作を制御する。その制御内容は、後述するROM1002やRAM1003上のプログラムによって指示される。また、CPU1001は、複数の計算機プログラムを並列に動作させることもできる。ROM1002は、CPU1001による制御の手順を記憶させた計算機プログラムやデータを格納している。RAM1003は、CPU1001が処理するための制御プログラムを格納するとともに、CPU1001が各種制御を実行する際の様々なデータの作業領域を提供する。ROM1002やRAM1003などの記録媒体に格納されたプログラムコードの機能は、CPU1001が読み出して実行することによって実現されるが、記録媒体の種類は問われない。
【0022】
記憶装置1004は、さまざまなデータ等を記憶することができる。記憶装置1004は、ハードディスクやフロッピーディスク、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等の記録媒体と、当該記録媒体を駆動して情報を記録するドライブとを有する。保管された計算機プログラムやデータはキーボード等の指示や、各種計算機プログラムの指示により、必要な時にRAM1003上に呼び出される。
【0023】
バス1005は、各構成要素と接続されているデータバスなどであり、各構成要素間の通信を実現し、情報のやり取りを高速に実現するためのものである。入力装置1006は、ユーザによる各種入力環境を提供する。各種入力操作環境を提供するものとして、キーボードやマウス等が考えられるが、タッチパネル、スタイラスペン等であっても良い。
【0024】
表示装置1007は、LCDディスプレイなどで構成され、各種入力操作の状態やそれに応じた計算結果などをユーザに対して表示する。なお、以上述べてきた構成は一例であり、説明した構成に限定されるものでない。
【0025】
<情報処理装置の機能構成>
図1(b)は、情報処理装置100の機能構成を示す図である。情報処理装置100は、ネットワークまたは各種情報記録媒体を介して取得したソフトウェア(プログラム)を、CPU、メモリ、ストレージデバイス、入出力装置、バス、表示装置などにより構成される計算機によって実行することで実現できる。なお、計算機については、汎用の計算機を用いても良いし、本実施形態に係るソフトウェアに最適に設計されたハードウェアを用いても良い。
【0026】
情報処理装置100は、処理対象データ入力部101、パラメータ設定部102、処理実行部103、代表データ選択部104、表示制御部105、操作部106、統計処理部107、ユーザ選択情報保持部110、及び得点情報格納部111を備えている。
【0027】
処理対象データ入力部101は、処理対象データを受け付ける機能を持つ。
【0028】
パラメータ設定部102は、処理を行う上で注目するパラメータについてパラメータ設定値を複数設定する。
【0029】
処理実行部103は、処理対象データとパラメータ設定値とを受け取り、処理対象データに対して異なるパラメータ設定値により処理を実行して処理実行結果を取得する。
【0030】
代表データ選択部104は、処理実行部103から複数の処理実行結果を受け取り、処理実行結果の中から複数の代表データを選択する。
【0031】
表示制御部105は、代表データ選択部104から代表データを受け取り、表示装置1007の表示画面に表示してユーザに選択の操作を促す。
【0032】
操作部106は、ユーザが代表データの中からデータを選択する操作を受け付ける。操作部106は、ユーザの選択操作に基づくユーザ選択情報を、ユーザ選択情報保持部110と統計処理部107とへ送る。
【0033】
ユーザ選択情報保持部110は、ユーザ選択情報を受け取るたびに随時記録する。処理対象データを変更しながら、代表データ選択部104、表示制御部105、操作部106の処理を繰り返し実行した後、統計処理部107は、ユーザ選択情報と処理実行結果とを用いて統計処理を行うことでパラメータの適切な値を決定する。統計処理部107は、得点決定部108と集計部109とを備えている。
【0034】
得点決定部108は、ユーザ選択情報と複数の処理実行結果との関係性に基づいてパラメータ設定値ごとに得点を決定する。ここで決定する得点は、得点格納部111で得点テーブルに格納する。集計部109は、得点格納部111の得点テーブルを参照して得点の集計を行い、パラメータの適切な値を決定する。
【0035】
なお、
図1の構成には記憶装置としてユーザ選択情報保持部110や得点情報格納部111を記載しているが、これらは構成上必須ではない。ユーザ選択情報保持部110の情報は操作部106から統計処理部107へ直接渡しても良い。得点情報格納部111の情報は得点決定部108から集計部109へ直接渡しても良い。
【0036】
<処理フロー>
図2を用いて、実施形態1に係る情報処理装置100が実施する処理の手順を説明する。S201において、処理対象データ入力部101は、処理対象データを読み込む。S202において、パラメータ設定部102は、パラメータ設定値を複数設定する。S203において、処理実行部103は、処理対象データに対してパラメータ設定値ごとに処理を実行し、処理実行結果を取得する。
【0037】
S204において、統計処理部107は、処理実行結果間の関係性として、実施形態1では類似性を調査する。S205において、代表データ選択部104は、類似性の低い処理実行結果の組み合わせを代表データとして選択する。S206において、表示制御部105は、選択された代表データを表示することにより、ユーザに表示画面上の代表データの中から望ましいデータを選択するように促す。S207において、操作部106は、ユーザの選択操作を受け付ける。
【0038】
S208において、得点決定部108は、操作部106による選択操作に基づくユーザ選択情報と、処理実行結果との関係性に基づいて、各パラメータ設定値の得点を決定する。S209において、得点決定部108は、全処理対象データについて得点の決定を終えたか否かを判定する。終えていない場合は、S203からS209までの処理を繰り返し、終えている場合はS210へ進む。
【0039】
S210において、集計部109は、得点決定部108により決定された得点を用いて全処理対象データについて集計を行う。S211において、集計部109は、集計結果に基づいてパラメータの適切な値を決定し、パラメータ設定部102へ出力する。S212において、表示制御部105は、集計結果に基づいて決定されたパラメータの適切な値を確認画面に表示し、一連の処理を終了する。
【0040】
以上の処理により、ユーザの負担を軽減しながら、全処理対象データに対して、パラメータ設定値の適切な値を決定することができる。
【0041】
<各構成要素の処理内容>
続いて、
図3及び
図4を用いて、情報処理装置100の各構成要素の処理内容を具体的に説明する。実施形態1では、人の写っている画像を処理対象データとする。処理実行部103で処理対象データに対して実行する処理として、画像内の人の輪郭抽出を行うためのモデルを適用する。本実施形態で注目するパラメータは、モデル生成に関するパラメータの1つである、学習回数とする。
【0042】
まず、処理対象データ入力部101について説明する。処理対象データ入力部101は、ユーザが用意した処理対象データを入力する機能を持つ。入力のため、ユーザは処理対象データのファイルを指定したり、処理対象データが格納されているフォルダを指定したりする。実施形態1では、人の写った大量の画像ファイルを指定して読み込む。
【0043】
次に、パラメータ設定部102について説明する。パラメータ設定部102は、注目するパラメータについてパラメータ設定値を複数設定する。設定方法として、複数のパラメータ設定値を記入したファイルを用意してファイルを指定する。または、表示画面上でユーザにパラメータ設定値の入力を促して設定させる。実施形態1では、注目するパラメータは学習回数であり、パラメータ設定値はα1、α2、α3、α4、α5とする。設定後は、パラメータ設定値ごとに学習モデルを用意する。つまり、本実施形態では、学習回数をα1として学習した学習モデル、学習回数をα2として学習した学習モデル、というように、学習回数の異なる5つの学習済みモデルを用意する。
【0044】
次に、処理実行部103について説明する。処理実行部103は、処理対象データごとに一通りのパラメータ設定値を用いた処理を実行することにより、複数の処理実行結果を取得する。実施形態1では、処理対象データに対し、異なる学習回数により生成されたモデルを適用することで、人の輪郭抽出を行い、処理実行結果としてスコアマップを取得する。スコアマップは、処理対象データと同じサイズのデータで、各画素に人の輪郭らしいかという確率を格納している画像である。
図3(a)に、処理実行結果としてスコアマップのイメージを示す。画像310、320、330、340、350は、ある処理対象データimage1に対して処理を実行することで得られる処理実行結果であり、それぞれパラメータ設定値α1、α2、α3、α4、α5に対応するものとする。
【0045】
次に、代表データ選択部104について説明する。代表データ選択部104は、複数の処理実行結果の中から複数の代表データを選択する。選択方法には、処理実行結果間の関係性に基づいて選択する方法がある。実施形態1では、関係性として処理実行結果間の類似性を調べる。類似性は、処理実行結果間の類似度を算出することで調べることができ、類似性の低い処理実行結果の組み合わせを選択して、代表データとする。処理実行結果の類似度は、例えば、それぞれのスコアマップの相関を求める等により算出する。以降では、関係性を調べることで得られる情報を関係性調査結果と記載する。
【0046】
ここで、
図4(a)は、処理対象データimage1における関係性調査結果の例を示す。
図4(a)に示す表は、パラメータ設定値α1からα5に対応する処理実行結果の組み合わせごとに、類似度を算出した結果を格納している。ここでは点線領域410に示す、最も類似度が低い組み合わせに着目し、該当するパラメータ設定値の組み合わせである、α1とα5に対応する処理実行結果である画像310と画像350を代表データとして選択する。
【0047】
次に、表示制御部105について説明する。表示制御部105は、表示画像を作成して表示装置1007の画面に出力する。表示画面には、作業画面と確認画面とがある。確認画面については後で説明するものとし、まずは作業画面について説明する。
【0048】
作業画面は、ユーザに操作を促すための作業中の画面であり、基本的には代表データを表示し、ユーザに選択の操作を促すための画面である。
図3(b)の画像360に作業画面の例を示す。画像360は作業画面の最も基本的な例であり、代表データである画像310、画像350が表示されている。表示画面上には、代表データの他に、処理対象データを表示しても良い。処理対象データと代表データとを同じ表示画面に表示することにより、ユーザは処理の適用前後の画像を確認できるようになるため、選択の判断が容易になる。
【0049】
また、表示画面上には、処理対象データに代表データを重畳した画像を作成して表示しても良い。重畳した画像を表示することで、処理対象データと代表データとの位置の対応が、ユーザにとってより分かりやすくなる。重畳する際、処理実行結果(ここではスコアマップ)を透過色にしても良い。これにより、視認性が向上する。
【0050】
また、表示画面には、代表データの他にも、ユーザが選択に迷う場合に備えて、いずれも良好、いずれも不良、判断不可、という選択肢(代表データの良否に関する選択肢)を表示しても良い。以降では、このような選択肢を、判断に迷うケースに備えた選択肢と記載する。
図3(b)の画像370に具体例を示す。画像370は作業画面であり、代表データである画像310、350の他に、判断に迷うケースに備えた選択肢371を表示している。このように、判断に迷うケースに備えた選択肢を用意することで、ユーザは代表データの中から望ましいデータを毎回選ばなくても良くなるため、選択が難しい代表データが表示されたときに、ユーザが選択に悩む時間を削減することができる。
【0051】
続いて、操作部106について説明する。操作部106は、ユーザが表示画面に表示されている複数の代表データから主観的に好ましいデータをユーザ選択データとして選択する操作を受け付ける。具体的には、作業画面360にてマウスポインタ363をいずれかの代表データにかざしてクリックすることにより選択の操作を行う。また、表示画面上に判断に迷うケースに備えた選択肢を表示している場合は、ユーザは操作部106にてそれらの選択肢を選択することができる。例えば作業画面370において、ユーザが代表データである画像310、350のいずれも良好であると判断した場合、マウスポインタ363を、いずれも良好という文字を示した選択肢372に移動してクリックすることで選択の操作を行う。
【0052】
このように操作部106で取得する、ユーザ選択データや、ユーザが選択した判断に迷うケースに備えた選択肢の情報は、ユーザ選択情報として処理対象データごとにユーザ選択情報保持部110に記録する。以降、操作部106でα5の方の代表データである画像350がユーザにより選択されたものとして説明を行う。
【0053】
次に、得点決定部108について説明する。得点決定部108では、ユーザ選択情報と、処理実行結果との関係性(ここでは類似性)に基づいて、各処理対象データについてパラメータ設定値ごとに得点を決定する。得点の決定方法について、ユーザ選択情報としてユーザ選択データの情報が格納されている場合と、ユーザが選択した判断に迷うケースに備えた選択肢に関する情報が格納されている場合についてそれぞれ説明する。
【0054】
まず、1つ目の、ユーザ選択情報としてユーザ選択データの情報が格納されている場合について説明する。この場合、ユーザ選択データに対応するパラメータ設定値と、ユーザ選択データと類似性の高い処理実行結果に対応するパラメータ設定値とに得点を付与する。
【0055】
得点の付け方として、各パラメータ設定値の処理実行結果とユーザ選択データとの類似度を得点とする方法がある。類似度を得点とすることにより、ユーザ選択データとの類似性が高い程、より高い得点を付けることになる。具体例として、代表データである画像310、350の中からユーザが画像350(パラメータ設定値α5の処理実行結果)をユーザ選択データとして選択した場合の得点テーブルの例を、
図4(b)に示す。
図4(b)の得点テーブルの各行には処理対象データごとの各パラメータ設定値の得点を格納している。ここではユーザ選択データに対応するパラメータ設定値がα5であるため、
図4(a)の関係性調査結果における、α5と他のパラメータ設定値の処理実行結果の類似度を示す点線領域420を参照し、得点テーブルの点線430の箇所にその情報を格納する。
【0056】
なお、上記の例では全てのパラメータ設定値に得点を付与しているが、得点を付与する対象はユーザ選択データと特に類似性の高い処理実行結果のパラメータ設定値のみとしても良い。具体的には、処理実行結果のうち、ユーザ選択データとの類似度がもう一方の代表データとの類似度に比べて高い処理実行結果を選び、その処理実行結果に対応するパラメータ設定値の得点には正の値を付与して、その他のパラメータ設定値の得点は0点とする。
【0057】
図4(a)の関係性調査結果を用いて例を示す。代表データのパラメータ設定値α1とα5における、各パラメータ設定値との類似度として、点線領域470、420に注目する。本実施形態1では、α5の処理実行結果がユーザ選択データであるため、パラメータ設定値の中から、α1よりα5との類似度が高いものを調べる。該当するパラメータ設定値がα4のみであることから、α4、α5に正の得点を付与する。このように、ユーザ選択データと類似性の高い処理実行結果のパラメータ設定値のみに得点を付与することにより、ユーザの意図に沿わない得点付与を行うリスクを軽減できる。
【0058】
次に、2つ目の、ユーザ選択情報として、判断に迷うケースに備えた選択肢(代表データの良否に関する選択肢)に関する情報が格納されている場合について説明する。この場合、その選択内容に基づいて代表データでないものも含め、全てのパラメータ設定値について得点を決定する。例えば、ユーザがいずれも良好という選択肢を選択した場合は、全てのパラメータ設定値に等しく正の得点を付ける。ユーザがいずれも不良という選択肢を選択した場合は、全てのパラメータ設定値に等しく負の得点を付ける。ユーザが判断不可という選択肢を選択した場合は、全てのパラメータ設定値に0点を設定する。また、ユーザがこれらの選択肢から選択したときには、その処理対象データは得点決定の対象外とみなして得点をつけないようにしても良い。このように、判断に迷うケースに備えた選択肢に関する情報を用いることで、ユーザの意志をより柔軟に反映した得点決定を行うことができる。
【0059】
次に、集計部109について説明する。集計部109は、代表データ選択部104、表示制御部105、操作部106、および得点決定部108の処理が、処理対象データを変更しながら繰り返し実行された後に処理を行う。集計部109は、得点決定部108で決定した得点の集計を行い、パラメータ設定値から適切な値を決定する。実施形態1では、集計は、パラメータ設定値ごとに得点をヒストグラム化し、集計の結果、最高点を得たパラメータ設定値をパラメータの適切な値とする。
【0060】
具体的には、
図4(b)の得点テーブルにおいて、パラメータ設定値ごとに得点の合計を算出し、点線領域440に示すように集計結果を得る。この例ではパラメータ設定値α4の集計結果が最高値であることから、パラメータ設定値α4を適切な値として決定する。
【0061】
なお、集計部109で集計を行うタイミングは2種類ある。1つ目は、得点決定部108で各処理対象データについて得点を決定した直後である。この集計処理は最大で処理対象データの画像枚数分だけ発生するが、得点を決定する度に毎回集計せずに、複数の処理対象データについてまとめて集計することもできる。2つ目は、全処理対象データについて得点の決定を終えた時点であり、この集計処理は一度だけ発生する。両者の区別のため、前者で得る結果を途中集計結果、後者で得る結果を最終集計結果と記載するものとする。
【0062】
集計部109の処理の後は、表示制御部105が確認画面を表示する。確認画面は、適切な値が決定された後、ユーザに結果を確認させるための画面である。
図3(b)の確認画面380には、集計部109で決定されたパラメータの適切な値の他に、得点に関する情報、パラメータの適切な値を用いたときの処理実行結果、後述のカバー率を表示する。最終的に適切な値として決定したパラメータ設定値の表示の例を、確認画面380の点線領域381に示す。
【0063】
得点に関する情報の表示の例として、点線領域383に最終集計結果のヒストグラムを示す。なお、得点に関する情報は、確認画面のみならず、随時途中集計結果を求めて作業画面に表示することもできる。ヒストグラムを表示すると、ユーザは、全パラメータ設定値の中で、比較的良好なパラメータ設定値の範囲を把握できる。
【0064】
適切なパラメータの値を用いたときの処理実行結果の例を点線領域384、385に示す。これらはそれぞれ、そのパラメータ設定値を用いたときに、高得点を取得した例と低得点を取得した例を表している。このように、決定したパラメータ設定値による様々な処理実行結果を表示することで、ユーザにそのパラメータ設定値を採用することの最終確認をさせることができる。
【0065】
カバー率は、集計部109で決定されたパラメータの値を用いて全処理対象データに処理を実行したときに、ユーザにとって望ましい処理実行結果の占める割合に関する情報である。具体的には、集計部109で決定したパラメータ設定値により例えば0.5点などの所定値以上の得点を得た処理対象データ数と、全処理対象データ数との比を算出する。点線領域382に、カバー率の表示の例を示す。カバー率を表示することで、ユーザは、最終的に決定した適切なパラメータが、全処理対象データに対してどの程度有効なものであるかを把握できる。
【0066】
以上に述べた各構成要素の処理によって、パラメータの適切な値を決定することができる。
【0067】
<途中集計結果の利用>
集計部109で算出される途中集計結果は、より適切なパラメータを決定することを目的として利用することができる。以下に、途中集計結果を、パラメータ設定部102、表示制御部105で利用する方法を説明する。
【0068】
まず、パラメータ設定部102における利用方法を述べる。パラメータ設定部102は、途中集計結果に基づいて、パラメータ設定値を途中で変更することができる。途中集計結果において適切な値となる可能性の高いパラメータ設定値があれば、そのパラメータ設定値の前後の値に、さらにユーザの好みに合うパラメータがある可能性がある。反対に、途中集計結果において適切な値となる可能性の低いパラメータ設定値があれば、そのパラメータ設定値の処理実行結果は、それ以上は見る必要がないと考えられる。このため、途中集計結果を調べ、ある特定のパラメータ設定値の得点の合計値が高いことが顕著であれば、そのパラメータ設定値の前後の値をパラメータ設定値として増やす。一方で、途中集計結果を調べ、ある特定のパラメータ設定値の得点の合計値が低いことが顕著であれば、そのパラメータ設定値の値をパラメータ設定値の中から削除する。
【0069】
パラメータ設定値の追加や削除を行った後は、処理実行部103が、修正したパラメータ設定値を用いて処理を実行する。ただし、追加したパラメータ設定値は、より適切な値である可能性があるため追加したにも関わらず、追加した時点ではそれまでの獲得得点がないため、最終的に高い得点を得ることが難しい。このため、追加したパラメータ設定値の途中集計結果として、近いパラメータ設定値のその時点における合計点に基づいて得点を設定する。例えば、追加したパラメータ設定値の途中集計結果として、追加したパラメータ設定値と最も近いパラメータ設定値の途中集計結果と同じ得点を設定する。このように、パラメータ設定部102が途中集計結果を利用することにより、不要なパラメータ設定値を削除できるため、一連の処理を効率化することができる。さらに、ユーザにとってより好ましい値を中心にパラメータ設定値を限定できるため、より適切なパラメータを見つけられる可能性が高まる。
【0070】
次に、表示制御部105における利用方法を述べる。表示制御部105は、途中集計結果において得点の低い(例えば所定値以下の)パラメータ設定値に対応する代表データが、ユーザにより選択された場合、同じ表示を再度行う。再度表示するのは、ユーザが誤って操作した可能性があると解釈し、ユーザに再確認させるためである。再表示を行うタイミングは、その処理対象データに関する表示の直後であっても、他の処理対象データに関する表示の後であっても良い。
【0071】
ここで、ユーザ選択データが1回目と2回目とで同じである場合、その処理対象データにおけるユーザの操作は誤操作ではなかったと解釈し、その処理対象データについて、通常通り得点を決定する。一方、ユーザ選択データが1回目と2回目とで異なる場合は、1回目の操作は誤操作であったと解釈する。そして、その処理対象データについては得点を無効とするか、2回目の操作により選択されたユーザ選択データを用いて得点を決定する。このように、表示制御部105が途中集計結果を利用することにより、ユーザの誤操作による得点を無効にすることができるため、集計結果の信頼性を向上させることができる。結果として、より適切なパラメータを決定できるようになることが期待できる。
【0072】
このように、途中集計結果を利用することで、一連の処理の効率や信頼性を向上できる。
【0073】
<関係性に関する情報の操作>
次に、表示制御部105が、作業画面に、処理実行結果の関係性に関する情報を表示する方法について説明する。
【0074】
処理実行結果の関係性は、代表データと似ているデータに関する情報である。表示する方法としては、表示画面上の代表データの周辺に、代表データとの類似性が高い処理実行結果のサムネイルを表示する。
【0075】
処理実行結果の関係性の表示例を、
図3(b)の画像390の点線領域391、392に示す。点線領域391は代表データである画像310の近くに表示されており、この領域に含まれる処理実行結果は、代表データである画像350より代表データである画像310との類似度が高いことを示している。また、点線領域372は、代表データである画像350の近くに表示されており、この領域に含まれる処理実行結果は、代表データである画像310より代表データである画像350との類似度が高いことを示している。このように、処理実行結果間の関係性に関する情報を表示することによって、代表データの選択により、どの処理実行結果に対応するパラメータ設定値に高い得点が付与されるかをユーザが容易に認識できるようになる。
【0076】
また、処理実行結果の関係性を表示する場合に、操作部106により関係性を変更できるようにしても良い。以下、操作部106により関係性に関する情報の変更の操作を行い、当該操作に応じて、得点決定部108が得点を変更する方法を説明する。
【0077】
関係性に関する情報の変更を行うタイミングは、ユーザが選択しようとした代表データに類似したデータとして表示される処理実行結果の中に、ユーザにとって好ましくないデータがあることが分かった時である。このとき、ユーザの操作により関係性に関する情報を変更することで、好ましくない処理実行結果に対応するパラメータ設定値には得点が付与されないようにする。
【0078】
具体的には、
図3(b)の作業画面390において、ユーザが代表データ310を選択しようとしたが、代表データ310と類似したデータとして表示されている処理実行結果のうち、処理実行結果330がユーザにとって好ましくないとする。このとき、ユーザはマウスポインタ363を用いて、処理実行結果である画像330の位置から点線領域392の位置までドラッグをする。この操作により、処理実行結果である画像310がユーザ選択データとして選ばれても、処理実行結果である画像330に対応するパラメータ設定値には、得点が付与されないようにすることができる。
【0079】
なお、本実施形態では、処理対象データは撮影により得られる画像としたが、これに限らず、ベクタデータ、動画、3次元データ、ポリラインデータであっても良い。画像はグレースケール画像であっても良いし、カラー画像であっても良い。また、処理対象データは、画像を加工したデータや、画像にエッジ抽出処理を行って得られるエッジ画像であっても良い。
【0080】
また、本実施形態では、パラメータを用いた処理として、機械学習により生成したモデルを処理対象データに適用する処理を説明したが、処理の内容はこれに限らず、一般的な画像処理であっても良い。具体的には、画像処理は、具体的にはエッジ抽出処理や閾値処理がある。パラメータを用いた処理がエッジ抽出処理である場合は、注目するパラメータはフィルタサイズやフィルタの種類となる。パラメータを用いた処理が閾値処理である場合は、処理対象データはエッジ画像となり、注目するパラメータは閾値となる。
【0081】
また、本実施形態では、代表データ選択部104が代表データを選択する方法として、処理実行結果間の類似度を算出することにより類似性を調べ、類似度に基づいて代表データを選択する方法を説明したが、代表データの選択方法はこれに限定されない。
【0082】
例えば、代表データ選択部104は、処理実行結果と処理対象データとを統合した情報に基づいて代表データを選択しても良い。具体的には、処理対象データの特徴ベクトルと処理実行結果とを統合した新たな特徴ベクトル等の類似性判定や、処理対象データと処理実行結果とに関して総合的な類似性判定を行うモジュール(例えばDeep Learningのアーキテクチャ)を構築する。このようなモジュールを使用することにより、代表データを選択する。または、類似性を明示的に評価、算出せずに、複数の処理実行結果や処理対象データを入力すると、代表データを出力するモジュールを構築して使用することもできる。このように、処理実行結果のみならず処理対象データの情報も利用することにより、処理対象データ上の重要な領域に重点をおいて代表データを選択できるようになる。その他にも、代表データはランダムに決定しても良い。
【0083】
なお、本実施形態では、1つのパラメータに着目し、異なる複数のパラメータ設定値を設定する方法を示したが、2つ以上のパラメータを対象とすることもできる。パラメータが1つの場合は、パラメータ設定値ごとに処理実行結果を取得し、パラメータ設定値ごとに得点を決定する処理を繰り返して、適切なパラメータ設定値を決定した。一方、パラメータが2つある場合は、パラメータ設定値のペアごとに処理実行結果を取得し、パラメータ設定値のペアごとに得点を決定する処理を繰り返して、最終的に適切なパラメータ設定値のペアを決定するようにする。
【0084】
本実施形態では、
図2のフローチャートにおいて、S204で調べた処理実行結果の関係性の情報を、S205の代表データ選択と、S208の得点の決定において使用する方法を示した。しかし、関係性調査結果の使用は、S208の得点の決定には必須であるが、S205の代表データ選択には必須ではないため、S204の処理は、S203からS208までの間であれば、どの段階で実行しても良い。
【0085】
また、本実施形態では、S203の処理実行結果の取得からS208の得点の決定までの工程を処理対象データごとに繰り返す方法を示したが、全処理対象データに対して一度に実施することもできる。なお、本実施形態では、S210で、集計部109が、全処理対象データの得点を決定してから最終的な集計結果を求めているが、集計は、処理対象データに得点を決定するたびに随時行っても良い。集計を随時行うことにより、上述したように途中集計結果を利用することができるようになり、結果として一連の処理の効率面や信頼性を向上できる。
【0086】
(実施形態2)
実施形態1では、処理実行結果の関係性を類似性に基づいて調査し、ユーザ選択情報と類似性とに基づいて得点を決定する方法を説明した。これに対し、実施形態2では、処理実行結果の関係性を、処理実行結果を、データの分布によりグループに分けすることにより調べ、グループに基づいて得点を決定する方法を説明する。
【0087】
また、実施形態1では、集計部109は、パラメータ設定値ごとにヒストグラム化することにより集計を行い、最高点を得たパラメータ設定値を適切な値とした。これに対し、実施形態2では、集計部109は、得点を用いてパラメータ空間上における重心に位置するパラメータ設定値を算出し、算出した重心パラメータ設定値を適切な値とする方法を説明する。
【0088】
実施形態2では、処理対象データは、人の写っている画像に対してエッジ抽出することで得られるエッジ画像とする。エッジ画像は、画像と同じサイズのグレースケール画像であり、エッジ抽出を適用する前の画像上でエッジのある部分には1に近い画素値、エッジのない部分には0に近い画素値を格納した2次元データである。処理実行部103が行う処理は、閾値処理とし、注目するパラメータは、閾値とする。
【0089】
なお、本実施形態に係る情報処理装置の構成は実施形態1で
図1を参照して説明した構成と同様であり、処理の手順も
図2のフローチャートと同様である。ただし、実施形態1では、関係性を調査する際に類似度を算出したが、実施形態2ではグループに関する情報を求める点で異なっている。
【0090】
<各構成要素の処理内容>
実施形態2の各構成要素の処理内容について説明する。処理対象データ入力部101は、人の写った画像群に対してエッジ抽出を行って得られるエッジ画像のデータ群を処理対象データとして入力する。パラメータ設定値には異なる閾値を設定し、それぞれα1、α2、α3、α4、α5とする。
【0091】
処理実行部103は、処理対象データに対して、一通りのパラメータ設定値を用いて閾値処理をする。
図3(a)の画像310、320、330、340、350は、パラメータ設定値α1、α2、α3、α4、α5に対応する処理実行結果の例である。
【0092】
代表データ選択部104は、異なるパラメータ設定値により得られた複数の処理実行結果をグループ化し、各グループから1つの処理実行結果を代表データとして選択する。グループ化は、処理対象データごとに、異なるパラメータ設定値により得られた処理実行結果をクラスタリングすることにより実行する。クラスタリングとは、データ群をデータ分布に基づき複数のグループに分類する方法である。
【0093】
1つの処理対象データimage1におけるグループ化による関係性調査結果の例を
図4(c)に示す。g1、g2は処理実行結果が所属するグループを意味するものとする。この表は、グループ化によりα1、α2、α3はグループg1に属し、α4、α5はグループg2に分類されていることを示している。
【0094】
各グループから代表データを選択する方法には、処理実行結果に基づき選択する方法、パラメータ設定値に基づき選択する方法がある。処理実行結果に基づき選択する方法では、グループ分けした空間上においてグループの中心に最も近い処理実行結果を代表データとする。
【0095】
パラメータ設定値に基づき選択する方法は2つある。1つ目は、グループごとにパラメータ設定値の平均値を求め、平均値に近いパラメータ設定値の処理実行結果を代表データとする方法である。2つ目は、平均値と一致する値がパラメータ設定値の中に存在しないとき、その平均値をパラメータの値として処理実行結果を取得し直して代表データとする方法である。その他、各グループから代表データを選択するときには、ランダムに選択しても良い。実施形態2では、代表データ選択部104が、グループg1、g2の代表データとして、それぞれパラメータ設定値α1、α5の処理実行結果を選択したものとする。
【0096】
表示制御部105が代表データを表示して、操作部106によるユーザ操作を行った後、得点決定部108が各パラメータ設定値に得点を付与する。実施形態2では、処理実行結果がユーザ選択データのグループと同じであるかどうかに基づき得点を決定する。得点の付与方法としては、ユーザ選択データの属するグループには均等の得点を付ける方法がある。例えば、ユーザ選択データとしてα5の処理実行結果が選ばれたとする。
図4(c)の関係性調査結果の処理対象データimage1に着目すると、ユーザ選択データの属するグループg2にはパラメータ設定値α4、α5が含まれている。このため、
図4(d)に示す得点テーブルにおいて、点線領域450に示すようにα4、α5に得点を均等に付与する。
【0097】
その他の得点の付与方法として、ユーザ選択データの属するグループの中で、ユーザ選択データと処理実行結果との類似性を調べ、該当グループのパラメータ設定値のみ得点として類似度を付与し、他のグループのパラメータ設定値の得点は0点としても良い。
【0098】
次に、集計部109について説明する。実施形態2における集計部109は、得点を用いてパラメータ空間上における重心に位置するパラメータ設定値を調べて適切な値とする。各パラメータ設定値が取得した得点の合計値を求めて、合計値とパラメータ設定値を用いてパラメータ空間上での重心を求め、重心をパラメータの適切な値とみなす。具体的には、
図4(d)の点線領域460に示すように、パラメータ設定値ごとに合計得点を求め、その後、式(1)を用いてパラメータ設定値の重心を求めることにより、適切な値を決定する。
【0099】
【0100】
ただし、xiは各パラメータ設定値の合計得点、αiはパラメータ設定値とし、添え字iはパラメータ設定値ごとに異なる値をとるものとする。また、nはパラメータ設定値の数とする。このように、重心を求める処理は、パラメータ設定部102が設定する設定値に適切なパラメータが必ずしも含まれているとは限らないことを考慮した処理である。重心から適切な値を決めることで、より適切なパラメータ設定値を見つけることができる可能性がある。
【0101】
以上のように、本実施形態では、関係性として処理実行結果のグループを調べ、グループに基づいて得点を決定し、集計の際に重心を利用する。これにより、より適切なパラメータ設定値を見つけられる可能性を高めることができる。
【0102】
(実施形態3)
実施形態1及び実施形態2では、処理対象データごとに代表データを一度だけ表示していた。これに対し、実施形態3では、処理対象データごとに代表データの表示を複数回行う。具体的には、代表データが3つ以上ある場合に、表示する代表データの組み合わせを変更するとユーザによる選択の結果が変化することを考慮し、処理対象データごとに組み合わせを変更しながら代表データを表示する。実施形態3では、特に、処理対象データごとに得られる複数のユーザ選択情報を分析して、パラメータ設定値の順位に関する情報を取得し、順位に基づいて得点の決定を行う方法を説明する。
【0103】
実施形態3では、ユーザが主観的に美しいと感じるパラメータを決定することを目的として、処理対象データには景色や人物の写った画像(例えば640pixcel×480pixcelのサイズの画像)を扱う。処理実行部103が実施する処理は、明るさ変換処理とし、注目するパラメータは、明るさ変換パラメータとする。
【0104】
<情報処理装置の機能構成>
図5は、実施形態3に係る情報処理装置500の機能構成を示す図である。実施形態3では、実施形態1で
図1を参照して説明した情報処理装置100の構成に、ユーザ選択情報分析部510が追加されている。
【0105】
ユーザ選択情報分析部510は、ある処理対象データに対する複数のユーザ選択情報をユーザ選択情報保持部110から受け取り、ユーザ選択情報に基づいてユーザ選択情報分析結果を取得して、ユーザ選択情報分析結果を得点決定部108に送る。得点決定部108は、ユーザ選択情報分析部510からユーザ選択情報分析結果を受け取ると、ユーザ選択情報分析結果と処理実行結果との関係性に基づいて各パラメータ設定値の得点を決定する。
【0106】
<処理フロー>
図6を用いて、実施形態1に係る情報処理装置500が実施する処理の手順を説明する。S201で処理対象データ入力部101が処理対象データを読み込んでから、S204で統計処理部107が処理実行結果の関係性を調査するまでは、実施形態1及び2と同様である。S205において、代表データ選択部104は、実施形態1、2では代表データを2つ選択していたのに対し、実施形態3では代表データを3つ以上選択する。
【0107】
続いて、S601では、表示制御部105は、代表データから表示画面に表示するデータの組み合わせを1つ選ぶ。S206において、代表データ選択部104は、代表データを表示することによりユーザに好ましいデータを選択するよう促す。S207において、操作部106は、ユーザの選択操作を受け付ける。S602において、ユーザ選択情報保持部110は、ユーザ選択情報を記録する。
【0108】
S603において、表示制御部105は、代表データの組み合わせとしてあり得るものを全て選択して表示したか否かを判定する。全組み合わせを表示していない場合は、S601の代表データから組み合わせを選択する工程に戻る。一方、全組み合わせを表示し終えている場合は、S604へ進む。
【0109】
S604において、ユーザ選択情報分析部510は、ユーザ選択情報を分析する。S605において、得点決定部108は、ユーザ選択情報分析結果と処理実行結果との間の関係性に基づいて、1つの処理対象データについて、各パラメータ設定値の得点を決定する。
【0110】
続いて、S209において、得点決定部108は、全処理対象データについて各パラメータ設定値の得点を決定済みであるか否かを判定する。決定済みでない場合は、S203に戻り、処理実行部103が次の処理対象データに処理を適用して処理実行結果を取得する。一方、決定済みである場合は、S210へ進む。
【0111】
S210において、集計部109は、得点の集計を行う。S211において、集計部109は、パラメータの適切な値を決定する。S212において、表示制御部105が、決定されたパラメータについての確認画面を表示する。
【0112】
<各構成要素の処理内容>
実施形態3における各構成要素の処理内容について説明する。まず、処理対象データ入力部101は、複数の画像を処理対象データとして取得する。次に、パラメータ設定部102は、明るさに関するパラメータの設定値を複数設定する。ここでは、パラメータ設定値として、α1、α2、α3、α4、α5を設定したとする。次に、処理実行部103は、処理対象データimage1に対してα1からα5のパラメータ設定値を用いて明るさ変換を行い、複数の処理実行結果を取得する。
【0113】
続いて、処理実行部103は、処理実行結果間の関係性の調査のため、実施形態2と同様にクラスタリングにより処理実行結果のグループ化を行い、結果として
図7(a)に示す関係性調査結果が得られたとする。
図7(a)の表は、各パラメータ設定値の属すグループを表しており、α1、α2の処理実行結果はグループg1に属し、α3、α4の処理実行結果はグループg2に属し、α5の処理実行結果はグループg3に属していることを示している。
【0114】
次に、代表データ選択部104が、関係性の調査結果に基づいて、各グループから代表データをランダムに選択する。ここでは、α1、α3、α5の処理実行結果が選択されたものとする。
【0115】
表示制御部105は、パラメータ設定値α1、α3、α5の処理実行結果のうち、表示する組み合わせを変更して表示する。表示を確認したユーザが、操作部106を用いてユーザ選択データの選択操作を行う。
【0116】
図7(b)の表の各行は、表示する代表パラメータの組み合わせを変更したときにユーザが選択した結果を表している。ユーザ選択データのパラメータ設定値には1、それ以外のパラメータ設定値には0、表示しなかった場合はNULLを格納する。
図7(b)は、α1とα3、α1とα5、α3とα5の組み合わせをそれぞれ表示したときに、それぞれα1、α1、α3が選ばれたことを示している。
【0117】
ユーザ選択情報分析部510は、処理対象データimage1に関するユーザ選択情報を参照してパラメータ設定値ごとに集計を行うことで、ユーザ選択情報分析結果として、パラメータ設定値の順位に関する情報を求める。実施形態3における順位に関する情報の例を
図7(c)に示す。この例では、代表データの組み合わせを変更した3回の試行のうち、α1が2回、α3が1回、α5が0回ユーザから選択されていることから、α1、α3、α5に、それぞれ2点、1点、0点が格納されている。
【0118】
得点決定部108は、処理実行結果の関係性と、ユーザ選択情報分析結果として得られた順位に関する情報とに基づいて、得点の決定を行う。実施形態3では、
図7(a)及び
図7(c)に基づいて、
図7(d)に示す得点テーブルを作成する。まず、
図7(c)の順位に関する情報に従って、α1、α3、α5の得点に差をつける。さらに、
図7(a)の関係性調査結果に基づいて、同じグループのパラメータ設定値には同じ得点を付与する。
【0119】
なお、この例では、
図7(c)のように順位に関する情報においてパラメータ設定値間で差があるが、差がない場合には、得点決定部108は、その処理対象データについては得点を付与しないようにすることもできる。
【0120】
このように、順位に関する情報を用いることで、表示する代表データの組み合わせを変更することによりユーザによる選択の結果が変化することを考慮した得点付与を行うことができる。
【0121】
以上の処理を全処理対象データに対して繰り返し実行し、集計部109が集計を行ってパラメータの適切な値を決定する。
【0122】
以上説明したように、本実施形態では、ユーザ選択情報分析部510が順位に関する情報を調べて、得点決定部108で反映する方法を示した。
【0123】
なお、本実施形態では、
図6のフローチャートにおいて、表示の際に、1つの処理対象データについて、代表データの組み合わせを変更して続けて表示しているが、これに限定されない。ある処理対象データから得られた代表データの組み合わせを複数回変更して表示する際に、他の処理対象データから得られた代表データの表示を挟んでも良い。
【0124】
(実施形態4)
実施形態1から3では、1人のユーザを対象としていたが、実施形態4では、複数のユーザを対象とする例を説明する。実施形態4では、実施形態3と同様に、ユーザ選択情報分析部510が取得するユーザ選択情報分析結果を利用して得点を決定する。ユーザ選択情報分析結果として、実施形態3では順位に関する情報を利用したのに対し、実施形態4では後述の信頼性に関する情報を利用する。信頼性に関する情報を用いることで、ユーザの慣れの度合い(熟練度)の得点への影響を小さくすることが可能となる。
【0125】
実施形態4で扱うデータは、インフラ構造物の大きな壁面画像とする。実施形態4では、壁面上のひび割れや浮きなどの変状部分を検知した結果を取得する上で、適切なパラメータを決定することを目的とするものとする。
【0126】
実施形態4では、処理対象データを取得するための処理を事前に行うことを前提とするため、まずその処理内容について説明する。まず、変状部分を検知するためのモデルを生成しておき、そのモデルを壁面画像に適用することで、壁面画像と同じサイズのデータであって、変状らしい画素に1に近い値、そうでない画素に0に近い値が格納されたスコアマップを取得する。その後、スコアマップを用いてポリラインデータを作成し、ポリラインデータを処理対象データとする。
【0127】
ポリラインデータとは、位置情報から構成されるデータである。ポリラインの作成方法としては、スコアマップに対して2値化して細線化処理を施した後、さらにベクタ化処理を実施することで作成することができる。実施形態4における、ポリラインデータの例を
図9(a)の910に示す。線分911、912、913、914、915はポリラインデータを表しており、変状らしい部分の位置を示している。この例のように、ポリラインデータは、隣接する点を繋ぐ線分で表現されても良いし、位置情報の他に数式情報を持たせておき、曲線で表現されても良い。
【0128】
実施形態4では、処理実行部103における処理として、ポリラインデータのうち誤検知の可能性のあるポリラインを除去する。具体的には、極端に短いポリラインは、ひび割れや浮きではなく、壁面上の穴や傷を誤検知している可能性があると考えられるため、削除する。注目するパラメータは、除去の基準とするポリラインの長さとする。
【0129】
実施形態4に係る情報処理装置の構成は、実施形態3で
図5を参照して説明した情報処理装置500と同様であるため、説明は省略する。
【0130】
<処理フロー>
まず、
図6を用いて、複数のユーザを対象とする実施形態4に係る情報処理装置500が実施する処理の手順を説明する。S201で処理対象データ入力部101が処理対象データを読み込む工程から、S207で操作部106がユーザの選択操作を受け付ける工程までの処理は、実施形態1と同様である。S207の処理の後、S602へ進む。S602において、ユーザ選択情報保持部110は、ユーザ選択情報を記録し、S801へ進む。
【0131】
S801において、処理実行部103は、全処理対象データについてS203からS602までの処理を実施したか否かを確認する。実施していない場合は、S203に戻り、実施している場合は、S802へ進む。S802において、処理実行部103は、全てのユーザに対してS203からS801までの処理を実施したか否かを確認する。実施していない場合は、S203に戻り、まだ実施していないユーザを対象に、S203からS801までの処理を実行する。一方、実施できている場合は、S604へ進む。
【0132】
S604において、ユーザ選択情報分析部510は、ユーザ選択情報を分析する。S605において、得点決定部108は、処理実行結果の関係性とユーザ選択情報分析結果とに基づいて、各パラメータ設定値に得点を付与する。
【0133】
そして、S209において、得点決定部108は、全処理対象データについて得点の決定を終えたか否かを判定する。終えていない場合は、S604に戻る。一方、終えている場合は、S210へ進む。S210において、集計部109は、得点決定部108により決定された得点を用いて全処理対象データについて集計を行う。
【0134】
S211において、集計部109は、集計結果に基づいてパラメータの適切な値を決定し、パラメータ設定部102へ出力する。S212において、表示制御部105は、集計結果に基づいて決定されたパラメータの適切な値を確認画面に表示し、一連の処理を終了する。
【0135】
<各構成要素の処理内容>
実施形態4の各構成要素の処理内容について、
図9及び
図10を用いて説明する。まず、処理対象データ入力部101が処理対象データを入力する。例えば、変状を検知するためのモデルの適用や、細線化やポリライン化などの画像処理によって、大きな壁面画像から元の壁面画像と同じサイズの2次元空間にあるポリラインデータを取得する。ここでは、大きな壁面画像の空間から、500pixcel×500pixcel程度のサイズの小領域を複数切り出し、処理対象データとする。
【0136】
パラメータ設定部102は、注目するパラメータを、ポリラインデータを除去する基準のポリラインの長さとし、パラメータ設定値はα1、α2、α3、α4、α5とする。
【0137】
処理実行部103は、処理対象データとパラメータ設定値とを受け取り、ポリラインデータのうち短いポリラインを除去する処理を行う。処理実行結果の例を
図9(b)に示す。画像920、930、940、950、960は、パラメータ設定値α1、α2、α3、α4、α5に対応する処理実行結果を表してる。画像920から画像960に向かうにつれて、除去する基準のポリラインの長さを徐々に大きくしたときの処理実行結果を表している。
【0138】
その後、代表データ選択部104は、代表データを選択する。実施形態4では、処理実行結果の関係性として、実施形態2と同様に、処理実行結果のグループ化を行い、結果として、
図10(a)に示す情報が得られたとする。
図10(a)の表は、各パラメータ設定値の属するグループを表しており、α1、α2、α3はグループg1に属し、α4、α5はグループg2に属していることを示している。ここでは、各グループからランダムに、代表データとして、パラメータ設定値α1とα5の処理実行結果が選択されたとする。
【0139】
次に、複数のユーザに対して、表示制御部105が、パラメータ設定値α1とα5の処理実行結果を表示し、操作部106によりユーザ選択データを選択させる操作を実施する。表示と操作のタイミングは、ユーザ間でそろえる必要はない。ユーザから操作を受けた後、ユーザ選択情報保持部110がユーザ選択情報を格納する。
図10(b)に、処理対象データimage1に関するユーザ選択情報の例を示す。表の各行は、異なるユーザに代表データを表示したときの選択の結果を表しており、各ユーザが選んだ代表データには1、選ばなかった代表データには0を格納している。この例では、ユーザ1、2はα1の方を選んでおり、ユーザ3はα5の方を選んでいる。
【0140】
次に、ユーザ選択情報分析部510は、ユーザ選択情報分析結果として、処理対象データimage1に関する信頼性に関する情報を取得する。信頼性に関する情報は、各ユーザの選択操作への慣れの度合いを考慮したパラメータ設定値ごとの得点である。具体的には、慣れているユーザの選択結果には高い重みを付け、慣れていないユーザの選択結果には低い重みを付けて集計することにより求める。慣れているユーザと慣れていないユーザの決定方法として、予め別の処理対象データ群を用いて複数のユーザによるユーザ選択情報を取得しておき、他のユーザと比べて選択の内容に外れ値の多いユーザを慣れていないユーザとみなす方法がある。実施形態4では、3名のユーザを対象とし、ユーザ1、2は慣れているものとし、ユーザ3は慣れていないものとする。
【0141】
以下に、各パラメータ設定値の信頼性に関する情報を算出するための式を示す。
【0142】
【0143】
ただし、mはユーザの数、xjはユーザが選択したかどうかに関する情報で0か1をとるものとする。wjはユーザごとの慣れの度合いを考慮した重みとし、添え字jはユーザごとに異なる値をとる。ここでは、慣れているユーザ1、2の重みを1、慣れていないユーザ3の重みを0.5点とし、信頼性に関する情報を求めた例を
図10(c)に示す。
図10(c)において、α1は慣れているユーザ2名が選択したことから2点、α5は慣れていないユーザ1名が選択したことから0.5点となっている。信頼性に関する情報を用いて得点の決定をすることで、ユーザの慣れの度合いの得点への影響を軽減することができる。
【0144】
得点決定部108は、処理実行結果の関係性と、信頼性に関する情報とに基づいて得点を決定する。ここでは、
図10(a)及び
図10(c)に基づいて、
図10(d)に示す得点テーブルを作成する。まず、
図10(c)の信頼性に関する情報に基づいてα1の得点は2点、α5の得点は0.5点とする。さらに、
図10(a)の関係性調査結果に基づき同じグループのパラメータ設定値α2にはα1と同じ得点を付与する。同様に、同じグループのパラメータ設定値α3、α4にはα5と同じ得点を付与する。
【0145】
以上の処理を全処理対象データに繰り返し実行し、集計部109が集計することで、パラメータの適切な値を決定する。
【0146】
パラメータの適切な値が決まった後は、表示制御部105が確認画面にカバー範囲を表示する。カバー範囲とは、大きな画像を扱うときに表示できる情報であり、あるパラメータ設定値によりユーザにとって好ましい処理実行結果が得られている画像領域の範囲である。具体的には、得点テーブルのうち、集計部109が適切な値として決定したパラメータ設定値を用いたときに各処理対象データで得られた得点に着目し、所定値以上の得点が得られた処理対象データを抽出する。
【0147】
そして、全体の大きな画像に対して抽出した処理対象データの占める範囲を描写する。
図9(c)に、確認画面970の例を示す。点線領域971は、適切な値として決定したパラメータを表示している。表示画像970の右側はカバー範囲の例であり、大きな画像972の中の領域973は、決定されたパラメータによるカバー範囲を表している。カバー範囲を表示することにより、決定されたパラメータが大きな画像の中で、どの範囲に適していているかを、ユーザは容易に確認できるようになる。
【0148】
このように、実施形態4では、ユーザ選択情報分析部510が信頼性に関する情報を取得して、得点決定部108が得点に反映することで、パラメータのより適切な値を決定することができる。
【0149】
なお、上述の実施形態3、4では、ユーザ選択情報分析部510で調べたユーザ選択情報分析結果として、順位に関する情報、信頼性に関する情報をそれぞれ利用する例を説明した。一方、ユーザ選択情報分析結果として、その他にも、代表データを表示してからユーザが選択操作を行うまでの時間情報を利用することができる。この場合、ユーザ選択情報として、代表データを表示してからユーザ選択情報を取得するまでの時間を記録する必要がある。表示してからユーザが選択を行うまでの時間が長い場合は、短い場合に比べ、ユーザがどちらの方が好ましいか判断に悩んだためであると解釈し、得点決定部108が低い得点を付与する。このように、時間情報を利用することにより、得点の質を高めることができる。
【0150】
(実施形態5)
実施形態1から4までは、全処理対象データに関して、表示制御部105が表示装置1007上に表示を行って、ユーザに選択操作を促していた。しかし、代表データの組み合わせによっては、代表データ同士が良く似ていて、どちらが好ましいかを目視では判断しにくい場合がある。このようなデータを表示するときは、いずれも良好などの判断に迷うケースに備えた選択肢(代表データの良否に関する選択肢)を用意して選択させれば良い。しかし、人が判断できないようなデータは重要でないため、毎回表示するのはユーザにとって煩わしい可能性がある。このため、処理対象データから得る代表データを全て表示するのではなく、人が判断に迷うようなデータは表示しないことが望ましい。
【0151】
実施形態5では、ユーザ操作を反映した関係性調査結果を用いて、表示制御部105が代表データを表示する基準を、統計的に決定する例を説明する。本実施形態では、実施形態1、2と同様に、人の写った画像を扱うものとし、人の輪郭を抽出することを目的として、処理対象データは、エッジ抽出したエッジ画像とする。また、処理実行部103における処理の内容は閾値処理とし、注目するパラメータは閾値とする。
【0152】
<情報処理装置の機能構成>
図11は、実施形態5に係る情報処理装置1100の機能構成を示す図である。実施形態3では、実施形態1で
図1を参照して説明した情報処理装置100の構成に、基準決定部1101が追加されている。
【0153】
基準決定部1101は、ユーザ選択情報保持部110に保持されているユーザ選択情報を利用して、ユーザに提示するデータの基準を決定する。基準決定部1101により決定された基準に基づいて、表示制御部105は、代表データを受け取った後、表示装置1007に表示する否かを判定し、その判定結果に応じて、表示すべき代表データのみを表示する。
【0154】
<各構成要素の処理内容>
基準決定部1101が基準を決定するタイミングは、実施形態1の
図2に示したような一連の処理を行う前である。まず、表示制御部105が出力する表示内容について、
図12(a)の画像1210を用いて説明する。画像1210は表示画面の例であり、関係性として類似性を調べるケースにおける表示方法を説明する。表示画像1210に示す画像1215、1216、1217、1218、1219は、ある処理対象データに対して、異なるパラメータ設定値を用いて処理実行部103が処理を適用した処理実行結果である。
【0155】
点線領域1211、1212、1213は、処理実行結果を関係性に基づいてグループ化した結果を表示している。点線領域1211に含まれる処理実行結果1215、1216、1217はグループg1に属することを意味しており、点線領域1213に含まれる処理実行結果1218、1219はグループg2に属することを意味している。点線領域1212は、グループ化したとき分類できなかった処理実行結果のために用意してある領域である。
【0156】
ユーザは、表示画面の分類を見て、分類が目視上の印象と異なる場合は、操作部106を用いて処理実行結果の所属を変更する。例えば、ユーザが処理実行結果1217の所属をグループg1から分類不可に変更したい場合、ユーザは処理実行結果1217にマウスポインタ1214をかざし、矢印1215の方向にドラッグすることで、所属をg1から分類不可に変更する。
【0157】
ユーザが表示画面の分類を見て、いずれの処理実行結果も似ていて差異がないと判断した場合は、同様にドラッグ操作により全ての処理実行結果の所属を分類不可に変更することもできる。または、表示画面に分類不可などの旨を示す選択肢を用意し、ユーザに選択させても良い。
【0158】
ユーザ操作を反映した関係性の例を
図12(b)に示す。
図12(b)の表は、処理対象データごとのパラメータ設定値の処理実行結果の分類を表している。処理対象データimage1において、パラメータ設定値α1、α2、α4、α5には所属するグループを格納し、α3の処理実行結果はユーザが所属を分類不可に変更したことから、グループではなくNULLを格納している。
【0159】
次に、基準決定部1101について説明する。基準決定部1101は、関係性調査結果と、代表データと、ユーザ選択情報とに基づいて、表示制御部105が表示する代表データの基準を統計的に決定する。
【0160】
基準決定部1101は、まず、ユーザの目視の結果、異なるグループに属することが確認された処理実行結果を用いて、類似性を調べる。類似性の調査は、処理対象データごとに関係性調査結果を示す
図12(b)を参照しながら行う。処理実行結果がグループ分けされている場合、異なるグループに属する処理実行結果を1つずつ選び、処理実行結果間の距離を算出する処理を、全組み合わせに対して繰り返し実施する。そして、処理対象データごとに距離の最小値を、
図12(c)に示す基準分析テーブルに記録する。距離は、2つの処理実行結果において位置が対応する画素の差分の二乗和を算出することで求めれば良い。関係性調査結果において、全パラメータ設定値にNULLしか設定されていない場合、距離の算出は行わず、次の処理対象データに移る。
図12(b)の処理対象データimage1においては、グループの情報g1、g2が格納されていることから、異なるグループの処理実行結果の距離を、組み合わせを変更しながら算出し、
図12(c)に示す基準分析テーブルに距離の最小値を格納する。
【0161】
処理対象データを変更しながら距離の最小値の記録を繰り返し、ユーザに表示する基準を決定する上で十分な量のデータを収集できたら、基準を統計的に決定する。具体的には、距離が求められている処理対象データの情報のみ抽出して、距離の平均値を基準とする。
【0162】
基準が決まった後の処理内容は、
図2を参照して説明した処理と同様である。表示制御部105は、代表データ選択部104から新たに受け取った代表データ間の距離を算出する。そして、その距離と、基準決定部1101により決定された基準値とを比較して、距離が基準値以上であれば、ユーザにとって差異のあるデータであると判定して表示画面に表示する。反対に、距離が基準値未満であれば、その代表データは表示しない。
【0163】
このように、基準決定部1101により表示する代表データの基準を決定することで、表示する代表データを限定することができるため、効率的に表示と選択を行うことができる。
【0164】
なお、上記の説明では、
図12(a)の画像1210のような表示により、基準を決定するために事前に情報を収集したが、必ずしも事前に行う必要はない。上述の各実施形態で示した通り、処理対象データを変更しながら代表データ選択部104、表示制御部105、操作部106の処理を繰り返す中で基準を決定しても良い。
【0165】
具体的には、表示画面に、代表データの他に、いずれも良好、いずれも不良、判断不可、という判断に迷うケースに備えた選択肢(代表データの良否に関する選択肢)を表示する。そして、それらが選択された場合を除き、代表データが選択された場合のみ、代表データ間の距離を算出して基準分析テーブルに格納していく。表示を終えた処理対象データについて算出した距離の平均値を求めて基準とすることで、表示を繰り返しながら基準を更新していくことができる。これにより、基準を決定するために事前に情報収集する方法と比較すると、よりユーザの作業を少なくすることができる。
【0166】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0167】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0168】
100:情報処理装置、101:処理対象データ入力部、102:パラメータ設定部、103:処理実行部、104:代表データ選択部、105:表示製制御部、106:操作部、107:統計処理部、108:得点決定部、109:集計部、110:ユーザ選択情報保持部、111:得点情報格納部