(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】表示画像生成装置及び表示画像生成方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20240112BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2019210845
(22)【出願日】2019-11-21
【審査請求日】2022-08-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 裕史
(72)【発明者】
【氏名】西山 乘
(72)【発明者】
【氏名】志小田 雄宇
(72)【発明者】
【氏名】寺口 剛仁
(72)【発明者】
【氏名】大久保 翔太
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-041197(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235409(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/36
G08G 1/0969
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発言主体により発せられた発言に含まれる対象物を抽出対象物として特定し、当該抽出対象物に関する表示画像を生成する表示画像生成装置であって、
前記発言主体によりユーザに対して発せられた前記発言の発言データを取得する発言データ取得部と、
予め複数の対象物データを記憶し、複数の前記対象物データと前記発言データ取得部により取得された前記発言データとを対比して、前記発言データのうち前記対象物データと一致するデータを前記抽出対象物として抽出する対象物抽出部と、
前記ユーザの視野に対応する視野画像を少なくとも含む画像を取得する視野画像取得部と、
前記対象物抽出部により抽出された前記抽出対象物が前記視野画像に含まれるか否かを判定する対象物判定部と、
前記抽出対象物の位置に関する情報である抽出対象物情報を取得し、前記視野画像とは異なる当該抽出対象物情報を含む前記表示画像を生成する表示画像生成部と、を備え、
前記表示画像生成部は、前記対象物判定部による前記抽出対象物が前記視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、前記抽出対象物に関する前記表示画像の表示態様を決定
し、前記抽出対象物が前記視野画像に含まれる場合と含まれない場合とで異なる前記表示態様を決定する
ことを特徴とする表示画像生成装置。
【請求項2】
前記表示画像生成部は、前記抽出対象物が前記視野画像に含まれると前記対象物判定部により判定された場合に、前記抽出対象物そのものを強調する前記表示態様で前記抽出対象物情報を示した前記表示画像を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示画像生成装置。
【請求項3】
前記抽出対象物と前記ユーザとの相対的な位置関係を取得する位置関係取得部を備え、
前記表示画像生成部は、前記抽出対象物が前記視野画像に含まれないと前記対象物判定部により判定された場合に、前記位置関係を表示する前記表示態様で前記抽出対象物情報を示した前記表示画像を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示画像生成装置。
【請求項4】
前記表示画像生成部は、前記対象物判定部による前記抽出対象物が前記視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、前記視野画像から前記抽出対象物が前記ユーザにより視認可能であるか否かを示す情報を含む前記表示画像を生成する
ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の表示画像生成装置。
【請求項5】
前記抽出対象物が前記視野画像に含まれないと前記対象物判定部により判定された場合に、前記抽出対象物が予め設定された対象範囲内に存在するか否かを判定する存否判定部を備え、
前記表示画像生成部は、前記存否判定部による前記抽出対象物が前記対象範囲内に存在するか否かの判定結果に基づいて、前記抽出対象物情報の前記表示態様を決定する
ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一項に記載の表示画像生成装置。
【請求項6】
前記視野画像を含む前記ユーザの周辺の領域である周辺画像を取得して、取得した前記周辺画像を記憶する周辺画像取得部を備え、
前記存否判定部は、前記周辺画像取得部により取得された現在又は過去の前記周辺画像に基づいて、前記抽出対象物が前記対象範囲内に存在するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の表示画像生成装置。
【請求項7】
前記抽出対象物と前記ユーザとの相対的な位置関係を取得する位置関係取得部を備え、
前記表示画像生成部は、前記抽出対象物が前記対象範囲内に存在すると前記存否判定部により判定された場合に、前記ユーザの位置又は前記ユーザの近傍の位置に設定される基準位置を基準として前記抽出対象物の位置の方向及び距離を含む前記位置関係を表示する前記表示態様で前記抽出対象物情報を示した前記表示画像を生成する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の表示画像生成装置。
【請求項8】
前記抽出対象物は地図上の位置に関連づけられたランドマークであるPOI(Points of Interest)であり、
前記抽出対象物の位置に関する情報を少なくとも含む前記POIのPOI情報を記憶するPOI情報記憶部を備え、
前記存否判定部は、前記POI情報記憶部により記憶された前記POI情報に基づいて、前記抽出対象物が前記対象範囲内に存在するか否かを判定する
ことを特徴とする請求項5から7までのいずれか一項に記載の表示画像生成装置。
【請求項9】
前記発言主体は人であり、
前記発言データは、人により前記ユーザに発せられた前記発言の発言信号データである
ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の表示画像生成装置。
【請求項10】
前記発言主体は、前記ユーザに対して前記発言を発する発言装置であり、
前記発言データは、前記発言として出力される出力文の内容を示す出力文データである
ことを特徴とする請求項1から8までのいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項11】
前記対象物判定部は、前記抽出対象物が前記視野画像に含まれるか否かの判定結果の情報を前記発言主体に出力する
ことを特徴とする請求項1から10までのいずれか一項に記載の画像生成装置。
【請求項12】
前記発言データ取得部は、前記ユーザに対して前記発言を発した前記発言主体を特定する情報を取得し、
前記表示画像生成部は、前記発言データ取得部により取得された前記発言主体を特定する前記情報を含む前記表示画像を生成する
ことを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載の表示画像生成装置。
【請求項13】
前記視野画像を含む前記ユーザの周辺の領域である周辺画像を取得して、取得した前記周辺画像を記憶する周辺画像取得部と、
前記ユーザの視線を認識する視線認識部と、を備え、
前記視野画像取得部は、前記周辺画像取得部により取得された現在の前記周辺画像と前記視線認識部により認識された前記ユーザの現在の前記視線とに基づいて前記視野画像を取得する
ことを特徴とする請求項1から12までのいずれか一項に記載の表示画像生成装置。
【請求項14】
発言主体により発せられた発言に含まれる対象物を抽出対象物として特定し、当該抽出対象物に関する表示画像を生成する表示画像生成装置による表示画像生成方法であって、
前記発言主体によりユーザに対して発せられた発言の発言データを取得する発言データ取得ステップと、
予め記憶された複数の対象物データと取得された前記発言データとを対比して、前記発言データのうち前記対象物データと一致するデータを前記抽出対象物として抽出する対象物抽出ステップと、
前記ユーザの視野に対応する視野画像を取得する視野画像取得ステップと、
抽出された前記抽出対象物が前記視野画像に含まれるか否かを判定する対象物判定ステップと、
前記抽出対象物の位置に関する情報である抽出対象物情報を取得し、前記視野画像とは異なる当該抽出対象物情報を含む前記表示画像を生成する表示画像生成ステップと、を含み、
前記表示画像生成ステップにおいては、前記対象物判定ステップにおける前記抽出対象物が前記視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、前記抽出対象物に関する前記表示画像の表示態様を決定
し、前記抽出対象物が前記視野画像に含まれる場合と含まれない場合とで異なる前記表示態様を決定する
ことを特徴とする表示画像生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示画像生成装置及び表示画像生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
認識されている車外対象物の位置に関する情報を生成する技術が知られている。例えば特許文献1には、車両乗員が注目している車外対象物を視線検出及び音声認識により特定し、特定された対象物の車両に対する相対位置を示す表示画像を生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の技術は、対象物が存在する方向をユーザが見ていることを前提としており、当該対象物がユーザの視野内に含まれているか否かにかかわらず当該対象物の位置に関する情報を生成し得るものではない。また、上述した従来の技術は、ユーザ自身により認識されている対象物の位置に関する情報を生成しようとするものであって、そのユーザ以外の主体により認識されている対象物の位置に関する情報をユーザのために生成することについては考慮されていない。
【0005】
本開示は、このような事情に鑑みてなされてものであって、ユーザ以外の主体により認識されている抽出対象物がユーザの視野内に含まれているか否かにかかわらず、当該抽出対象物の位置に関する情報を適切に生成する表示画像生成装置及び表示画像生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る表示画像生成装置は、発言主体により発せられた発言に含まれる対象物を抽出対象物として特定し、当該抽出対象物に関する表示画像を生成する表示画像生成装置である。本開示に係る表示画像生成装置は、発言データ取得部と、対象物抽出部と、視野画像取得部と、対象物判定部と、表示画像生成部と、を備える。発言データ取得部は、発言主体によりユーザに対して発せられた発言の発言データを取得する。対象物抽出部は、予め複数の対象物データを記憶し、複数の対象物データと発言データ取得部により取得された発言データとを対比して、発言データのうち対象物データと一致するデータを抽出対象物として抽出する。視野画像取得部は、ユーザの視野に対応する視野画像を少なくとも含む画像を取得する。対象物判定部は、対象物抽出部により抽出された抽出対象物が視野画像に含まれるか否かを判定する。表示画像生成部は、抽出対象物の位置に関する情報である対象物情報を取得し、視野画像とは異なる出対象物情報を含む表示画像を生成する。表示画像生成部は、対象物判定部による抽出対象物が視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物に関する表示画像の表示態様を決定し、抽出対象物が視野画像に含まれる場合と含まれない場合とで異なる表示態様を決定する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザ以外の主体により認識されている対象物がユーザの視野内に含まれているか否かにかかわらず、当該対象物の位置に関する情報を適切に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る表示画像生成装置を示すブロック図である。
【
図2】端末を装着して車両に同乗しているユーザ及び同乗者を示す図である。
【
図3】車両の上方から見たときのユーザの視野を説明するための平面図である。
【
図4A】表示画像が第1表示態様で重畳して表示されたユーザXの視野に対応する周辺状況を示す図である。
【
図4B】第1表示画像が表示された表示画像表示装置を示す図である。
【
図5A】表示画像が第2表示態様で重畳して表示されたユーザXの視野に対応する周辺状況を示す図である。
【
図5B】第2表示画像が表示された表示画像表示装置を示す図である。
【
図6A】表示画像が第3表示態様で重畳して表示されたユーザXの視野に対応する周辺状況を示す図である。
【
図6B】第3表示画像が表示された表示画像表示装置を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る表示画像生成処理を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係る表示画像生成装置を示すブロック図である。
【
図9】第2実施形態に係る表示画像生成処理を示すフローチャートである。
【
図10】第3実施形態に係る表示画像生成装置を示すブロック図である。
【
図11】第3実施形態に係る表示画像生成処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本開示の例示的な実施形態について説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
【0010】
図1は、第1実施形態に係る表示画像生成装置1Aを示すブロック図である。
図2は、端末を装着して車両2Aに同乗しているユーザX及びユーザYを示す図である。
図3は、車両2Aの上方から見たときのユーザXの視野Exを説明するための平面図である。
図4Aと
図5Aと
図6Aは、表示画像が各表示態様で重畳して表示されたユーザXの視野Exに対応する周辺状況を示す図である。
図4Bと
図5Bと
図6Bは、各表示画像が表示された表示画像表示装置を示す図である。
図1~
図6に示されるように、表示画像生成装置1Aは、発言主体により発せられた発言に含まれる(すなわち、発言主体により発せられた発言において言及されている)対象物Tを抽出対象物Teとして特定し、当該抽出対象物Teに関する表示画像Pを生成する装置である。
【0011】
より詳細には、表示画像生成装置1Aは、ユーザXの視野Exに対応する周辺状況に重畳して表示される表示画像Pを生成する装置である。ユーザXは、人であるユーザ(発言主体)Yと車両2Aに乗車しており、例えば車外の景色を視認している。ユーザXは、ユーザ用端末3Aを装着している。ユーザYは、発言主体用端末4を装着している(
図2参照)。本実施形態では、ユーザYがユーザXに対して話しかける状況を例示して、表示画像生成装置1Aについて説明する。
【0012】
ここで、「ユーザXの視野Ex」とは、ユーザXにより視認可能な視認可能領域を意味する。「視認可能領域」は、ヒトが眼を使い、生理的視野中心付近に固視点(注視点)を設けている際に外界から有効に情報を得られる範囲という有効視野である。例えば、ユーザXの視野Exは、ユーザXの視野Exの中心軸を中心として視認可能な上下左右の全ての領域に設定されてもよい。
図3は、車両2Aの上方から見たとき、ユーザXの水平方向の視認可能領域を示している。ユーザXの視野Exは車両2Aの移動により変化する。例えば、
図3では、現在のユーザXの位置を現在位置X1により示し、現在地から移動した後のユーザXの位置を移動位置X2により示す。以下の説明では、ユーザXの視野Exは、後述するユーザ用端末3Aを装着したユーザXが所定の方向を向いている状態で、ユーザ用端末3Aの透過型ディスプレイを介してユーザXが視認可能な上下左右の全ての領域に設定されているものとする。なお、ユーザYの視野Eyは、ユーザXの視野Exと同様に、ユーザYにより視認可能な視認可能領域を意味する(
図2参照)。
【0013】
「周辺状況」は、ユーザXの周辺の領域であってユーザXが視認可能な現実の車外の景色(外景)を意味する。周辺状況は、例えばユーザXの現在位置を中心として水平方向の360度にわたる領域であって、ユーザXの上方や下方までを含めた領域の車外の景色(外景)である。「ユーザXの視野Exに対応する周辺状況」とは、ユーザXの視野Exに含まれる車外の景色(外景)を意味する。言い換えると、周辺状況は、ユーザXの視野Ex内の車外の景色である。
図3に示されるように、車両2Aの移動により、ユーザXの視野Exに対応する周辺状況が変わる。
【0014】
「表示画像を生成する」とは、ディスプレイ等に表示される画像情報を生成することを意味する。表示画像生成装置1Aにより生成された画像情報が有線通信又は無線通信によりディスプレイ等に送信されると、送信された画像情報に係る表示画像Pが当該ディスプレイに表示可能となる。なお、「表示画像P」とは、抽出対象物Teに関する情報等を表示する画像であり、より具体的には、対象物Tの位置に関する情報を表示する画像である。ここでは、表示画像Pは、ユーザXの視野Exに対応する周辺状況に重畳して表示される。表示画像Pとしては、例えば、抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かを示す文字を含む画像であってもよく、視野画像に含まれる特定の抽出対象物Teが枠囲みされて見えるように表示される矩形枠線の画像であってもよい。なお、詳しくは後述する。ここで、「視野画像」とは、ユーザXの視野Exに対応する画像である。つまり、視野画像は、ユーザXの視野Exに対応する周辺状況を撮像した画像である。本実施形態において、ユーザXの視野Exに対応する周辺状況とは現実の車外の景色であり、視野画像とは当該ユーザXの視野Exに対応する周辺状況が撮像装置(視野画像取得装置32)により撮像された画像である。
【0015】
表示画像生成装置1Aは、例えばサーバとして構成されており、プロセッサ(処理装置)及びメモリ(記憶装置)等を含んでいる。
【0016】
プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro-Processing Unit)により構成されていてもよい。メモリは、半導体記憶装置、磁気記憶装置、及び光学記憶装置の少なくともいずれかを備えていてもよい。また、メモリは、レジスタ、キャッシュメモリ、主記憶装置として使用されるROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等を含んでいてもよい。
【0017】
表示画像生成装置1A、車両2A、ユーザ用端末3A、及び発言主体用端末4は、相互に有線又は無線により通信(送受信)可能に接続されている。なお、表示画像生成装置1Aの機能的な構成については後述する。
【0018】
車両2Aは、ユーザX及びユーザYが乗車している乗用車等である。車両2Aは、手動運転と自動運転の両方が切り替えにより可能であってもよいし、どちらか一方のみの運転が可能であってもよい。車両2Aは、ナビゲーション装置21及び周辺撮像装置22を備えている。ナビゲーション装置21は、例えば、GPS(Global Positioning System)等により検出された車両2Aの位置情報、及び、地図情報に基づいて、設定された目的地までの車両2Aの走行経路を設定し、当該走行経路に沿って車両2Aを案内する装置である。ナビゲーション装置21は、車両2Aの位置(例えば、GPSにより検出された位置座標)の履歴を時系列で記憶(保持)する。ナビゲーション装置21は、記憶した車両2Aの位置の履歴に基づいて車両2Aの進行方向を取得してもよい。
【0019】
周辺撮像装置22は、ユーザXの周辺状況を撮像して、周辺画像を取得する装置である。「周辺画像」とは、ユーザXの視野Ex(すなわち視野画像)を含むユーザXの周辺の領域であってユーザXの視野Exを含む領域の画像である。ユーザXの周辺画像は、例えばユーザXを中心として水平方向の360度にわたる領域が撮像された画像であってもよく、更にユーザXの上方まで含めた領域が撮像された画像であってもよい。あるいは、ユーザXの周辺画像は、ユーザXの周辺の領域のうち、ユーザXにより視認されにくい領域(一例として、車両2Aの座席に着座した状態のユーザXの後方の領域等)を除く領域であってもよい。あるいは、ユーザXの視野Exに対応する領域と同一の領域であってもよい。「ユーザXの視野Exを含む領域」とは、ユーザXの視野Exを含む領域であれば、その範囲は特に限定されない。
【0020】
周辺撮像装置22は、例えば1又は複数のカメラによって構成されている。周辺撮像装置22のカメラは、例えば車両2Aの屋根上等の車室外に設けられていてもよく、フロントガラス裏等の車室内に設けられていてもよい。車両2Aは、周辺撮像装置22により撮像されたユーザXの周辺画像を表示画像生成装置1Aに送信する。なお、「画像を送信する」とは、画像の画像データを送信することを意味する。
【0021】
ユーザ用端末3Aは、ユーザXの頭部に装着される装置であり、表示画像表示装置31A及び視野画像取得装置32を備えている。表示画像表示装置31Aは、表示画像生成装置1Aにより生成された表示画像Pを表示可能なディスプレイを有している。表示画像表示装置31Aのディスプレイは、例えば眼鏡型又はゴーグル型のような透過型ディスプレイであり、ユーザXによりユーザ用端末3Aが装着された状態でユーザXの目の直前に位置する。したがって、ユーザXは表示画像表示装置31Aを介してユーザXの視野Exに対応する周辺状況を視認可能となる。また、表示画像表示装置31Aに表示画像Pが表示されると、ユーザXから見て、表示画像P(
図4B,
図5B,
図6B参照)がユーザXの視野Exに対応する周辺状況に重畳して表示されることとなる。つまり、表示画像表示装置31Aは、いわゆるAR(Augmented Reality)の技術において用いられるHMD(Head Mounted Display)としての機能を備えている。
【0022】
視野画像取得装置32は、ユーザXの視野Exに対応する周辺状況を撮像して、視野画像を取得する撮像装置である。視野画像取得装置32は、ユーザXによりユーザ用端末3Aが装着された状態でユーザXの視線方向を撮像可能な向きとなるように、ユーザ用端末3Aに設けられている。視野画像取得装置32は、例えば表示画像表示装置31Aの側部に設けられている。ユーザ用端末3Aは、視野画像取得装置32により撮像された視野画像を表示画像生成装置1Aに送信する。なお、「視野画像を送信する」とは、視野画像の画像データを送信することを意味する。さらに、視野画像取得装置32は、ユーザXの視線方向を検出するセンサを備え(不図示)、センサから検出されたユーザXの視線方向の情報を視野画像の画像データと共に送信してもよい。
【0023】
発言主体用端末4は、ユーザYの頭部に装着される装置であり、発言データ取得装置41を備えている。発言データ取得装置41は、ユーザYによりユーザXに対して発せられた発言を発言データとして取得する装置である。発言データ取得装置41は、例えばマイクロフォンによって構成されている。ここでは、発言データ取得装置41は、発言主体用端末4はヘッドセットであり、発言データ取得装置41はヘッドセットに設けられたマイクロフォンである。なお、発言データ取得装置41は、車内マイクロフォン又はイヤホーンであってもよい。また、発言主体用端末4は、ユーザ用端末3Aと同様の表示画像表示装置31A及び視野画像取得装置32を更に備えていてもよい。「発言データ」とは、発言の内容についての情報を有するデータであり、ここでは、発言データは、発言の発言信号データである。「発言信号データ」とは、発言の音声信号を意味する。なお、発言データには、ユーザYが何も発していないデータも含まれる。
【0024】
発言主体用端末4は、発言データ取得装置41により取得された発言を表示画像生成装置1Aに送信する。このとき、発言主体用端末4は、当該発言主体用端末4がユーザYにより装着されていることを特定する情報(ユーザYを特定する情報)を、表示画像生成装置1Aへ更に送信する。「発言主体用端末4がユーザYにより装着されていることを特定する情報」とは、ユーザYに紐付けられた情報であり、例えば、ユーザYと紐付けられた発言主体用端末4のID(Identification)番号であってもよい。なお、「発言を送信する」とは、発言の発言信号データ(詳しくは後述)を送信することを意味する。
【0025】
次に、表示画像生成装置1Aの機能的な構成について説明する。表示画像生成装置1Aは、周辺画像取得部11、発言データ取得部12、対象物抽出部13、視野画像取得部14A、対象物判定部15A、存否判定部16A、位置関係取得部17A、及び表示画像生成部18Aを有している。
【0026】
周辺画像取得部11は、車両2Aから送信される周辺画像を取得して記憶する。周辺画像取得部11は、ユーザXの周辺画像を取得して時系列で記憶する。より具体的には、周辺画像取得部11は、車両2Aの周辺撮像装置22により撮像されたユーザXの周辺画像を車両2Aから受信することで、ユーザXの周辺画像を取得する。周辺画像取得部11は、取得したユーザXの周辺画像を時系列で記憶する。つまり、周辺画像取得部11は、ユーザXの現在の周辺画像を取得するとともに、取得された周辺画像を過去の周辺画像として記憶(蓄積)していく。周辺画像取得部11は、予め設定されたタイミングで、記憶している過去の周辺画像の情報を消去してもよい。
【0027】
発言データ取得部12は、ユーザYによりユーザXに対して発せられた発言の発言データを取得する。より具体的には、発言データ取得部12は、発言主体用端末4の発言データ取得装置41により取得されたユーザYの発言の発言信号データを発言主体用端末4から受信することで、ユーザYによりユーザXに対して発せられた発言の発言データを取得する。なお、発言データ取得部12は、発言データにユーザYの発言が含まれるか否かを判定する。即ち、ユーザYが発言していない場合には、発言データにユーザYの発言が含まれないと判定する。
【0028】
また、発言データ取得部12は、ユーザXに対して発言を発したユーザYを特定する情報を取得する。例えば、発言データ取得部12は、ユーザYを特定する情報を発言主体用端末4から受信する。
【0029】
対象物抽出部13は、発言データ取得部12により取得された発言データに基づいて、当該発言データに係る発言に含まれる予め記憶された対象物Tを表す文字列を抽出する。詳述すると、対象物抽出部13は、予め複数の対象物Tを表す文字列(対象物データ)を記憶しており、複数の対象物Tを表す文字列と発言データを変換した文字列(発言データの一種)を対比して、発言データを変換した文字列のうち対象物Tを表す文字列と一致する文字列(データ)を抽出対象物Teとして抽出する。「対象物T」とは、現実に存在している物体である。物体としては、例えば、一般名詞で表現される物体の種別(自転車、街灯、建物等)であってもよく、固有名詞で表現される物体の名称(富士山、国会議事堂等)であってもよい。また、物体は、その属性、特徴等について限定されていてもよい(例えば、青い自転車、富士山の頂上等)。対象物抽出部13は、記憶部を有し、対象物Tを表す一般名詞、固有名詞、属性、または特徴を予め記憶している。対象物抽出部13は、発言データ取得部12により取得された発言データから予め記憶された対象物Tを表す一般名詞、固有名詞、属性、または特徴を抽出する。
【0030】
一例として、ユーザYによりユーザXに対して「向こうに自転車があるね。」との発言が発せられた場合を説明する。この場合、発言データ取得部12によりユーザYが発せられた発言の発言データに基づいて、対象物抽出部13は、ユーザYにより発せられた発言から抽出対象物Teを抽出する。ここでは、対象物抽出部13は、「自転車」との言葉が対象物T(自転車)の種別を表すことを予め記憶しているものとする。対象物抽出部13は、ユーザYにより発せられた発言から「自転車」という抽出対象物Teを抽出する。なお、ユーザYの発言内容から、抽出対象物Teを抽出できない場合もある。
【0031】
対象物抽出部13は、例えば発言認識(音声認識)により、発言データに係る発言において言及されている予め記憶された複数の対象物Tを表す文字列を抽出する。ここで、「発言認識」としては、公知の発言認識技術が適用可能である。例えば、対象物抽出部13は、発言認識により、発言データに基づいて発言音声信号を文字列として認識し、認識された文字列と複数の対象物Tを表す文字列から抽出対象物Teを抽出する。
【0032】
視野画像取得部14Aは、ユーザXの視野Exに対応する画像である視野画像を少なくとも含む画像を取得する。「視野画像を少なくとも含む画像」とは、視野画像と同一範囲の画像であってもよく、視野画像よりも広い範囲の画像であってもよい。視野画像取得部14Aは、ユーザ用端末3Aの視野画像取得装置32により撮像された視野画像を視野画像取得装置32から受信することで、当該視野画像を取得する。また、視野画像取得部14Aは、視野画像取得装置32からユーザXの視線方向の情報を取得してもよい。
【0033】
対象物判定部15Aは、抽出対象物Teが視野画像取得部14Aにより取得されたユーザXの視野Exの視野画像に含まれるか否かを判定する。「抽出対象物Te」とは、上述した通り、対象物抽出部13が記憶している複数の対象物Tの中からその発言データと一致するものである。ここでは、対象物抽出部13により「自転車(bicycle)」という抽出対象物Teが抽出されている。
【0034】
対象物判定部15Aは、例えば画像認識により、抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かを判定する。ここで、「画像認識」としては、公知の画像認識技術が適用可能である。例えば、対象物判定部15Aは、画像認識として、画像上に含まれる物体の名称、種別、形状、色、方向等の識別情報を検出できる機械学習モデル、深層学習モデル、及びOpenCV(Open Source Computer Vision Library)を用いた画像処理アルゴリズムが適用されてもよい。
【0035】
例えば、対象物判定部15Aは、視野画像に含まれる複数の物体の識別情報を検出し、対象物抽出部13により取得された抽出対象物Teを表現するデータ(物体の種別等)と、視野画像に含まれる複数の物体の検出された識別情報と、を比較する。その後、対象物判定部15Aは、種別及び名称の少なくともいずれかにおいて、抽出対象物Teを表現するデータと、視野画像に含まれる複数の物体と、が一致するか否かに基づいて、視野画像に抽出対象物Teが含まれるか否かを判定する。また、対象物判定部15Aは、画像認識として、OCR(Optical Character Recognition)を用いて、視野画像に含まれる看板の文字内容を認識し、対象物抽出部13が取得された抽出対象物Teの名称を表現されるデータと認識された看板の内容と比較し、抽出対象物Teの名称と視野画像に含まれる看板の中に少なくとも1つの看板の内容の一部と一致するか否かに基づいて、視野画像に抽出対象物Teが含まれるか否かを判定してもよい。
【0036】
対象物判定部15Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果の情報をユーザXの表示画像表示装置31Aに出力する。「視野画像に含まれるか否かの判定結果」とは、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能である(ユーザXの視野Ex内)か否かの判定結果の情報を意味する。ここでは、対象物判定部15Aは、ユーザXのユーザ用端末3Aに判定結果の情報を出力する。なお、発言主体であるユーザYの発言主体用端末4にも判定結果の情報を出力する。
【0037】
存否判定部16Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと対象物判定部15Aにより判定された場合に、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在するか否かを判定する。具体的には、存否判定部16Aは、周辺画像取得部11により取得された現在又は過去の周辺画像に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを判定する。「対象範囲」とは、ユーザXまたは車両2Aの位置を中心として予め設定された所定の範囲である。例えば、対象範囲は、ユーザXまたは車両2Aの位置を中心としてユーザXが視認可能な所定の範囲であってもよい(
図3に二点鎖線で示した範囲)。当該範囲は、ユーザXまたは車両2Aから例えば50キロメートルの円形の範囲であってもよく、円形以外の任意の形状の範囲であってもよい。対象範囲は、抽出対象物Teの大きさに応じて、ユーザXが、抽出対象物Teが視認可能な範囲でもよく、例えば、抽出対象物Teが富士山であれば、対象範囲をユーザXまたは車両2Aの位置(中心)から300キロメートルまでの範囲に設定すればよい。この例では、対象範囲は、中心から半径300キロメートルの範囲とする。
【0038】
まず、存否判定部16Aは、周辺画像取得部11により取得されて時系列で記憶されたユーザXの現在の周辺画像及び過去の周辺画像に抽出対象物Teが含まれているか否かを判定する。より詳細には、存否判定部16Aは、周辺画像取得部11により記憶されている現在の周辺画像及び過去の周辺画像を取得し、取得された現在の周辺画像及び過去の周辺画像に抽出対象物Teが含まれているか否かを判定する。存否判定部16Aは、例えば画像認識により、当該判定を実行してもよい。存否判定部16Aは、周辺画像取得部11により取得され記憶された現在の周辺画像及び過去の周辺画像に含まれる複数の画像の画像認識の処理を対象物判定部15Aに実行させて、その実行結果に基づいて、当該判定を実行してもよい。
【0039】
また、存否判定部16Aは、周辺画像取得部11により記憶されている現在の周辺画像及び過去の周辺画像に含まれる複数の画像内の様々な物体を検出して、物体の名称、種別、形状、色、及び方向等の識別情報を検出し、検出された識別情報に1つ以上の画像タグを割り当ててタグ付き画像を生成し記憶する。その後、存否判定部16Aは、対象物抽出部13により取得された抽出対象物Teを表現する発言データと、複数の画像タグのうち物体の名称及び種別の少なくともいずれかと一致する周辺画像が存在するか否かに基づいて、取得された現在の周辺画像及び過去の周辺画像に抽出対象物Teが含まれているか否かを判定する。
【0040】
また、存否判定部16Aは、取得された現在の周辺画像及び過去の周辺画像に抽出対象物Teが含まれていないと判定された場合には、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しないと判定する。
【0041】
次に、存否判定部16Aは、取得された現在の周辺画像及び過去の周辺画像に抽出対象物Teが含まれていると判定された場合に、抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内であるか否かを判定する。存否判定部16Aは、抽出対象物Teが現在の周辺画像に含まれる場合に、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向及び距離を公知の手法により取得することができる。例えば、存否判定部16Aは、周辺画像取得部11により取得されたユーザXの現在の周辺画像に基づいて、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向及び距離を推定し、抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内であるか否かを判定してもよい。あるいは、存否判定部16Aは、車両2Aに設けられたRADAR(Radio Detection and Ranging)又はLIDAR(Light Detection and Ranging)等を用いて(不図示)、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向及び距離を計測し、抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内であるか否かを判定してもよい。
【0042】
なお、存否判定部16Aは、抽出対象物Teが現在の周辺画像に含まれない場合に、周辺画像取得部11から時間順で抽出対象物Teが含まれる最後の周辺画像を取得する。次に、存否判定部16Aは、ナビゲーション装置21から取得した実車両位置履歴により現在のユーザX又は車両2Aと撮像した時点でのユーザX又は車両2Aとの相対方向及び距離を算出する。次に、存否判定部16Aは、その相対方向及び距離と、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teとの相対方向及び距離に基づいて、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向及び距離を推定する。続いて、存否判定部16Aは、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの距離が対象範囲内であるか否かを判定してもよい。
【0043】
位置関係取得部17Aは、抽出対象物TeとユーザXとの相対的な位置関係を取得する。「位置関係」は、ユーザXの位置又はユーザXの近傍の位置に設定される基準位置(例えば車両2Aの中心位置)を基準として、抽出対象物Teの位置の方向及び距離により表されてもよいし、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない情報を表されてもよい。位置関係取得部17Aは、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向及び距離を存否判定部16Aから取得してもよい。また、位置関係取得部17Aは、周辺画像取得部11により取得された現在または過去の周辺画像に基づいて、ユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向及び距離を推定してもよい。また、位置関係取得部17Aは、車両2Aに設けられたレーダ又はライダー等によりユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向及び距離を推定してもよい。また、位置関係取得部17Aは、存否判定部16Aから、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない情報を取得してもよい。
【0044】
位置関係取得部17Aは、ユーザXの視線方向に対する抽出対象物Teの方向を算出する。位置関係取得部17Aは、視野画像取得部14Aから取得されたユーザXの視野画像と周辺画像取得部11から取得されたユーザXの周辺画像に基づいてユーザの視線方向を推定してもよい。また、位置関係取得部17Aは、視野画像取得部14AからユーザXの視線方向を取得してもよい。位置関係取得部17Aは、算出されたユーザX又は車両2Aから抽出対象物Teまでの方向とユーザXの視線方向に基づいて、ユーザXの視線方向に対する抽出対象物Te方向を推定する。また、上記ユーザXの視線方向に対する抽出対象物Teの方向は、視線方向の左後方、視線方向の右後方の2種類であってもよい。
【0045】
表示画像生成部18Aは、抽出対象物情報を取得し、当該抽出対象物情報を含む表示画像Pを生成する。「抽出対象物情報」とは、抽出対象物Teの位置に関する情報を意味する。抽出対象物情報は、抽出対象物Teの位置そのものを示す情報であってもよく、抽出対象物Teが存在する方向又は距離を示す情報であってもよく、抽出対象物Teが所定エリア内に存在するか否かを示す情報であってもよい。
【0046】
表示画像生成部18Aは、対象物判定部15Aの判定結果に基づいて、抽出対象物Teの表示画像Pの表示態様を決定する。「表示態様」とは、抽出対象物情報を示す画像の表示態様である。表示態様は、抽出対象物Teの位置そのものを示す画像であってもよく、ユーザから見た抽出対象物Teの距離及び方向を示す画像であってもよく、抽出対象物Teが所定エリア内に存在するか否かを示す画像であってもよい。
【0047】
対象物判定部15Aにより抽出対象物Teが視野画像に含まれると判定された場合には、表示画像生成部18Aは、視野画像取得部14Aから視野Exの視野画像を取得し、視野画像から抽出対象物Teを画像認識し、抽出対象物Teに重畳して表示される抽出対象物Teそのものを強調する表示態様で抽出対象物情報を示した第1表示画像P1を生成する。「抽出対象物そのものを強調する表示態様」とは、例えば、抽出対象物Teを四角又は丸等で囲うような表示態様であってもよく、抽出対象物Teを矢印で直接指し示す表示態様であってもよい(
図4参照)。
【0048】
また、表示画像生成部18Aは、対象物判定部15Aにより抽出対象物Teが視野画像に含まれないと判定された場合には、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると存否判定部16Aにより判定されたか否かに基づいて、抽出対象物情報の表示態様を決定する。より詳細には、表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると存否判定部16Aにより判定された場合に、基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係を表示する表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する(
図5参照)。「位置関係を表示する表示態様」とは、基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を示した画像の表示態様である。表示画像生成部18Aは、位置関係取得部17Aにより基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係情報を取得し、取得された基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係を表示する第2表示画像P2を生成する。例えば、抽出対象物TeがユーザXの視野Exの後方左に位置する場合、
図5に示されるように、ユーザXの視野Exの後方左を示す記号画像と距離を示す画像を生成して視野画像の左に表示する。
【0049】
また、表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在しないと存否判定部16Aにより判定された場合に、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない情報を示す第3表示画像P3を生成する(
図6参照)。
【0050】
表示画像生成部18Aは、発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む表示画像Pを生成する。例えば、表示画像生成部18Aは、発言データ取得部12により取得された発言主体がユーザYである場合には、「Mentioned by Y.」という第1表示画像P1~第3表示画像P3を生成してもよい(
図4~
図6参照)。
【0051】
表示画像生成部18Aは、対象物判定部15Aによる抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であるか否かを示す情報を含む表示画像Pを生成する(
図4~
図6参照)。より詳細には、表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれると対象物判定部15Aにより判定された場合に、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であることを示す情報を含む第1表示画像P1を生成し、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと対象物判定部15Aにより判定された場合に、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能でないことを示す情報を含む第2表示画像P2,第3表示画像P3を生成する。例えば、表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれると対象物判定部15Aにより判定された場合には、「Bicycle is visible now.」という第1表示画像P1を生成してもよい(
図4参照)。一方、表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと対象物判定部15Aにより判定された場合には、「Bicycle is invisible now.」という第2表示画像P2,第3表示画像P3を生成してもよい(
図5と
図6参照)。
【0052】
続いて、表示画像生成装置1Aにより実行される画像生成処理について説明する。
図7は、表示画像生成処理を示すフローチャートである。
図7のフローチャートは、例えば表示画像生成装置1Aによる表示画像生成処理は、車両2Aが起動されたときに開始される。
【0053】
図7に示されるように、ステップS101において、表示画像生成装置1Aは、周辺画像取得部11により、ユーザXの周辺画像を取得する。周辺画像取得部11は、車両2Aの周辺撮像装置22が撮像した周辺画像を取得する。その後、表示画像生成装置1Aは、ステップS102に進む。
【0054】
ステップS102において、表示画像生成装置1Aは、発言データ取得部12により、ユーザ(発言主体)YによりユーザXに対して発せられた発言の発言データを取得する。発言データ取得部12は、発言主体用端末4の発言データ取得装置41から取得されたユーザYによりユーザXに対して発せられた発言の発言データを取得する。なお、上述したとおり、発言データには、ユーザYが何も発していないデータも含まれる。さらに、発言データ取得部12は、同乗者Yを特定する情報を取得し、表示画像生成装置1Aに送信する。その後、ステップS103に進む。
【0055】
ステップS103において、表示画像生成装置1Aは、発言データ取得部12により、発言データにユーザ(発言主体)Yの発言が含まれるか否かを判定する。ユーザYの発言が含まれると判定された場合には、ステップS104に進む。ユーザYの発言が含まれないと判定された場合には、エンドに進む。
【0056】
ステップS104において、表示画像生成装置1Aは、対象物抽出部13により、発言データのうち対象物Tと一致する抽出対象物Teを抽出できるか否かを判定する。抽出対象物Teを抽出できると判定された場合には、ステップS105に進む。抽出対象物Teを抽出できないと判定された場合には、エンドに進む。
【0057】
ステップS105において、表示画像生成装置1Aは、視野画像取得部14Aにより、ユーザXの視野画像を取得する。視野画像取得部14Aは、ユーザXが装着しているユーザ用端末3Aの視野画像取得装置32からユーザXの視野画像を取得する。その後、ステップS106に進む。
【0058】
ステップS106において、表示画像生成装置1Aは、対象物判定部15Aにより、対象物抽出部13から抽出された抽出対象物Teが視野画像取得部14Aから取得したユーザXの視野画像に含まれるか否かを判定する。抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれると判定された場合には、ステップS107に進む。抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれないと判定された場合には、ステップS108に進む。
【0059】
抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれると判定された場合には、ステップS107において、表示画像生成装置1Aは、表示画像生成部18Aにより、抽出対象物Teそのものを強調する第1表示画像P1を生成する。表示画像生成部18Aは、視野画像取得部14Aから視野Exの視野画像を取得し、視野画像から抽出対象物Teを画像認識し、視野画像に重畳して表示される抽出対象物Teそのものを強調する第1表示態様で抽出対象物情報を示した第1表示画像P1を生成する(
図4参照)。なお、表示画像生成部18Aは、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であることを示す情報(
図4の「Bicycle is visible now.」)及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報(
図4の「Mentioned by Y.」)をさらに含む第1表示画像P1を生成してもよい。表示画像生成部18Aは、生成した第1表示画像P1をユーザ用端末3Aの表示画像表示装置31Aに送信する。
【0060】
抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれないと判定された場合には、ステップS108において、表示画像生成装置1Aは、存否判定部16Aにより、周辺画像取得部11により取得された現在または過去の周辺画像に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを判定する。存否判定部16Aは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在しないと判定した場合には、スッテプS111に進む。存否判定部16Aは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると判定した場合には、スッテプS109に進む。
【0061】
抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内であると判定された場合には、ステップS109において、表示画像生成装置1Aは、位置関係取得部17Aにより、抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を取得する。位置関係取得部17Aは、周辺画像取得部11から取得された現在または過去のユーザXの周辺画像に基づいて、抽出対象物TeからユーザX又は車両2Aまでの距離とユーザXの視野Exに対する方向を推定する。また、位置関係取得部17Aは、存否判定部16Aより抽出対象物TeからユーザX又は車両2Aまでの距離を取得してもよい。その後、ステップS110に進む。
【0062】
ステップS110において、表示画像生成装置1Aは、表示画像生成部18Aにより、位置関係取得部17Aから取得された基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係を表示する第2表示画像P2を生成する。表示画像生成部18Aは、位置関係取得部17Aから取得されたユーザXの視野Exに対する方向を示す記号画像(
図5の矢印)と距離(
図5の「20m」)を表示する第2表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する。なお、表示画像生成部18Aは、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認不可能であることを示す情報(
図5の「Bicycle is invisible now.」)及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報(
図5の「Mentioned by Y.」)を含む第2表示画像P2を生成してもよい。表示画像生成部18Aは、生成した第2表示画像P2をユーザ用端末3Aの表示画像表示装置31Aに送信する。
【0063】
抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内ではないと判定された場合には、ステップS111において、表示画像生成装置1Aは、位置関係取得部17Aにより、抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を取得する。具体的には、位置関係取得部17Aは、存否判定部16Aから抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない位置関係情報を取得する。その後、ステップS112に進む。
【0064】
ステップS112において、表示画像生成装置1Aは、位置関係取得部17Aから取得された抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しないという抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を表示する第3表示画像P3を生成する。表示画像生成部18Aは、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認不可能であることを示す情報(
図6の「Bicycle is invisible now.」)及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報(
図6の「Mentioned by Y.」)を含む第3表示画像P3を生成する。なお、抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係(第2表示態様に係る位置関係)は表示されない。表示画像生成部18Aは、生成した第3表示画像P3をユーザ用端末3Aの表示画像表示装置31Aに送信する。
【0065】
表示画像生成装置1Aは、表示画像生成部18Aの上述した処理が終了すると、今回の処理を終了して、再びステップS101から表示画像生成処理を繰り返す。
【0066】
上記のとおり、本実施形態では、発言主体により発せられた発言に含まれる対象物Tを抽出対象物Teとして特定し、当該抽出対象物Teに関する表示画像Pを生成する表示画像生成装置1Aを開示する。表示画像生成装置1Aは、発言データ取得部12と、対象物抽出部13と、視野画像取得部14Aと、対象物判定部15Aと、表示画像生成部18Aと、を備える。発言データ取得部12は、発言主体であるユーザYによりユーザXに対して発せられた発言の発言データを取得する。対象物抽出部13は、予め複数の対象物データ(文字列)を記憶し、複数の対象物データと発言データ取得部12により取得された発言データ(文字列)とを対比して、発言データのうち対象物データと一致するデータを抽出対象物Teとして抽出する。視野画像取得部14Aは、ユーザXの視野画像を少なくとも含む画像を取得する。対象物判定部15Aは、対象物抽出部13により抽出された抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かを判定する。表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teの位置に関する情報である抽出対象物情報を取得し、視野画像とは異なる当該抽出対象物情報を含む表示画像Pを生成する。更に、表示画像生成部18Aは、対象物判定部15Aによる抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物Teに関する表示画像Pの表示態様を決定する。
【0067】
この結果、表示画像生成装置1Aは、発言データ取得部12と対象物抽出部13によりユーザX以外の主体(ユーザY)により認識されている抽出対象物Teを特定することができる。表示画像生成装置1Aは、視野画像取得部14Aと対象物判定部15Aにより、抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果を得ることができる。そして、表示画像生成部18Aは、対象物判定部15Aの判定結果に基づいて、抽出対象物Teに関する表示画像Pの表示態様を決定する。これにより、表示画像生成装置1Aは、ユーザX以外の主体によって認識されている抽出対象物TeがユーザXの視野Ex内に含まれているか否かにかかわらず、当該抽出対象物Teの位置に関する情報を適切に生成することができる(
図4~
図6)。
【0068】
また、上記した実施形態においては、表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれると対象物判定部15Aにより判定された場合に、抽出対象物Teそのものを強調する表示態様で抽出対象物情報を示した第1表示画像P1を生成する。この結果、表示画像生成装置1Aは、対象物判定部15Aにより抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれると判定された場合には、ユーザXが抽出対象物Teを特定することができる(
図7のS107)。
【0069】
また、上記した実施形態においては、表示画像生成装置1Aは、抽出対象物TeとユーザXとの相対的な位置関係を取得する位置関係取得部17Aを備える。表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと対象物判定部15Aにより判定された場合に、位置関係を表示する表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する。この結果、表示画像生成装置1Aは、対象物判定部15Aにより抽出対象物Teが視野画像に含まれないと判定された場合に、位置関係取得部17Aにより抽出対象物TeとユーザXとの相対的な位置関係を取得する。表示画像生成装置1Aは、取得された位置関係を表示する表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する。これにより、表示画像生成装置1Aは、対象物TがユーザXの視野Ex内に含まれていないときでも、抽出対象物Teの位置に関する情報を適切に生成することができる。
【0070】
また、上記した実施形態においては、表示画像生成部18Aは、対象物判定部15Aによる抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であるか否かを示す情報を含む表示画像P(第1表示画像P1~第3表示画像P3)を生成する。この結果、表示画像生成装置1Aは、対象物判定部15Aの判定結果に基づいて、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であるか否かを示す情報を含む表示画像Pを生成する。これにより、表示画像生成装置1Aは、ユーザXは抽出対象物Teが視認可能か否か情報を簡単に把握することができる。
【0071】
また、上記した実施形態においては、表示画像生成装置1Aは、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと対象物判定部15Aにより判定された場合に、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在するか否かを判定する存否判定部16Aを備える。表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物情報の表示態様を決定する。この結果、表示画像生成装置1Aは、存否判定部16Aの判定結果に基づいて、抽出対象物情報の表示態様を決定することにより、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であるか否かを示す情報を含む表示画像P(第2表示画像P2,第3表示画像P3)を生成する。これより、表示画像生成装置1Aは、抽出対象物Teが対象範囲に存在するか否かにかかわらず、当該抽出対象物Teの位置に関する情報を適切に生成することができる。
【0072】
また、上記した実施形態においては、表示画像生成装置1Aは、周辺画像を取得して、取得した周辺画像を記憶する周辺画像取得部11を備える。存否判定部16Aは、周辺画像取得部11により取得された現在または過去の周辺画像に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを判定する。この結果、存否判定部16Aは、取得された現在または過去の周辺画像に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かをより詳細に判定することができる。
【0073】
また、上記した実施形態においては、表示画像生成装置1Aは、抽出対象物TeとユーザXとの相対的な位置関係を取得する位置関係取得部17Aを備える。表示画像生成部18Aは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると存否判定部16Aにより判定された場合に、基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係を表示する表示態様で抽出対象物情報を示した表示画像P(第2表示画像P2,第3表示画像P3)を生成する。この結果、表示画像生成装置1Aは、存否判定部16Aにより抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると判定された場合に、位置関係取得部17Aにより基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を取得する。次に、表示画像生成装置1Aは、基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係情報を生成することができる。これにより、表示画像生成装置1Aは、存否判定部16Aにより抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると判定された場合には、ユーザXは抽出対象物Teの位置関係を把握することができる。
【0074】
また、上記した実施形態においては、発言主体は人(ユーザY)であり、発言データは、発言の発言信号データである。この結果、表示画像生成装置1Aは、人である発信主体から発言の発言信号データを取得することができる。これにより、表示画像生成装置1Aは、発言主体が人であっても、ユーザX以外の主体によって認識されている抽出対象物TeがユーザXの視野内に含まれているか否かにかかわらず、当該抽出対象物Teの位置に関する情報を適切に生成することができる。
【0075】
また、上記した実施形態においては、対象物判定部15Aは、抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれるか否かの判定結果の情報を発言主体のユーザYに出力する。この結果、表示画像生成装置は、対象物判定部15により抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれるか否かの判定結果を発言主体のユーザYに出力することにより、発言主体は、ユーザXが対象物を視認できるか否かの情報を取得することができ、ユーザXが対象物を視認できるか否かに応じて話題の進み方を決めることができる。
【0076】
また、上記した実施形態においては、発言データ取得部12は、ユーザXに対して発言を発したユーザYを特定する情報を取得する。表示画像生成部18Aは、発言データ取得部12により取得されたユーザYを特定する情報を含む表示画像P(第1表示画像P1~第3表示画像P3)を生成する。この結果、表示画像生成装置1Aは、発言データ取得部12によりユーザYを特定する情報を取得し、表示画像生成部18AによりユーザYを特定する情報を含む表示画像Pを生成することができる。これにより、ユーザXがユーザYを把握することができる。
【0077】
また、上記した実施形態においては、表示画像生成装置1Aは、発言主体により発せられた発言に含まれる抽出対象物Teを特定し、当該抽出対象物Teに関する表示画像Pを生成する表示画像生成方法を開示する。表示画像生成装置1Aは、発言データ取得ステップと、対象物抽出ステップと、視野画像取得ステップと、対象物判定ステップと、表示画像生成ステップと、を実行する。発言データ取得ステップは、発言主体であるユーザYによりユーザXに対して発せられた発言の発言データを取得する(
図7のS103)。対象物抽出ステップは、予め記憶された複数の対象物データ(文字列)と取得された発言データ(文字列)とを対比して、発言データのうち対象物データと一致するデータを抽出対象物Teとして抽出する(
図7のS104)。視野画像取得ステップは、ユーザXの視野画像を取得する(
図7のS105)対象物判定ステップは、抽出された抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かを判定する(
図7のS106)。表示画像生成ステップは、抽出対象物Teの位置に関する情報である抽出対象物情報を取得し、視野画像とは異なる当該抽出対象物情報を含む表示画像Pを生成する(
図7のS107,S110,S112)。更に、表示画像生成ステップにおいては、対象物判定ステップにおける抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物Teに関する表示画像Pの表示態様を決定する(
図7のS107,S110,S112)。
【0078】
この結果、表示画像生成装置1Aは、発言データ取得ステップ対象物抽出ステップにより、ユーザX以外の主体(ユーザY)により認識されている抽出対象物Teを特定することができる。表示画像生成装置1Aは、視野画像取得ステップと対象物判定ステップにより、抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果を得ることができる。そして、表示画像生成ステップにおいて、対象物判定ステップの判定結果に基づいて、抽出対象物Teに関する表示画像Pの表示態様を決定する。これにより、表示画像生成装置1Aは、ユーザX以外の主体によって認識されている抽出対象物TeがユーザXの視野Ex内に含まれているか否かにかかわらず、当該抽出対象物Teの位置に関する情報を適切に生成することができる(
図4~
図6)。
[第2実施形態]
【0079】
図8は、第2実施形態に係る表示画像生成装置1Bを示すブロック図である。本実施形態では、POI(Point of Interest)情報を用いて表示画像生成処理を実行可能な表示画像生成装置1Bについて説明する。ここで、「POI」とは、POI情報記憶部19に名称、位置情報(緯度経度)が登録されている地図上の店舗、施設、興味ある名所などの特定な場所を意味する。また、第1実施形態の一例とした、ユーザYによりユーザXに対して発せられた発言「向こうに自転車があるね。」を、第2実施形態では一例として「向こうにコンビニエンスストアがあるね。」とする。そして、対象物抽出部13は、ユーザYにより発せられた発言から「コンビニエンスストア」という抽出対象物Teを抽出するものとする。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の説明は省略又は簡略化する。
【0080】
図8において、表示画像生成装置1Bは、第1実施形態に係る表示画像生成装置1Aと比較して、周辺画像取得部11を備えていない点、視野画像取得部14Aに代えて視野画像取得部14Bを備えている点、対象物判定部15Aに代えて対象物判定部15Bを備えている点、存否判定部16Aに代えて存否判定部16Bを備えている点、位置関係取得部17Aに代えて位置関係取得部17Bを備えている点、表示画像生成部18Aに代えて表示画像生成部18Bを備えている点、及び、POI情報記憶部19を更に備えている点で相違しており、その他の点で同一である。
【0081】
表示画像生成装置1B、車両2B、ユーザ用端末3B、及び発言主体用端末4は、相互に有線又は無線により通信(送受信)可能に接続されている。
【0082】
車両2Bは、第1実施形態に係る車両2Aと比較して、周辺撮像装置22を備えていない点で相違しており、その他の点で同一である。
【0083】
ユーザ用端末3Bは、第1実施形態に係るユーザ用端末3Aと比較して、表示画像表示装置31Aに代えて表示画像表示装置31Bを備えている点で相違しており、その他の点で同一である。
【0084】
発言主体用端末4は、第1実施形態に係る発言主体用端末4と同一である。
【0085】
POI情報記憶部19は、地図情報に含まれる対象物Tの位置に関する情報を少なくとも含むPOI情報を記憶する。この「POI情報」は、少なくともPOIであるランドマークの名称、ランドマークの用途分類、ランドマークの特徴情報、ランドマークの画像、ランドマークの位置情報を含まれている。なお、ランドマークとは、建物や公園や商業施設や小売業の店舗(コンビニエンスストア等)等である。POI情報記憶部19は、POI情報を車両2Bの外部から通信により取得してもよく、ナビゲーション装置21に記憶されたランドマーク情報を当該ナビゲーション装置21から取得してもよい。POI情報記憶部19は、取得した車両2Bの位置に応じて、車両2Bが位置する区域のPOI情報をリアルタイムに更新してもよい。また、ナビゲーション装置21によって経路探索が行われた場合、POI情報記憶部19は、ナビゲーション装置21によりダウンロードされた経路上のPOI情報を取得してもよい。
【0086】
視野画像取得部14Bは、第1実施形態に係る対象物判定部15Aと同一である。
【0087】
対象物判定部15Bは、第1実施形態に係る対象物判定部15Aとは以下の点で異なるが、その他は同一である。対象物判定部15Bは、POI情報記憶部19からPOI情報を取得し、対象物抽出部13により取得された抽出対象物TeがPOIである否かを判定する。そして、抽出対象物Teの画像が視野画像取得部14Bにより取得された視野画像に含まれるか否かを判定する。なお、抽出対象物TeがPOIではない場合、又は、抽出対象物Teが視野画像に含まれない場合には、対象物判定部15Bは、抽出対象物Teの画像が視野画像に含まれないと判定する。
【0088】
存否判定部16Bは、第1実施形態に係る対象物判定部15Aとは以下の点(POI情報を用いる点)で異なるが、その他は同一である。存否判定部16Bは、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと対象物判定部15Bにより判定された場合に、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在するか否かを判定する。具体的には、存否判定部16Bは、POI情報に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを判定する。
【0089】
まず、存否判定部16Bは、抽出対象物TeがPOI情報記憶部19により取得されたPOI情報に含まれるか否かを判定する。より詳細には、存否判定部16Bは、POI情報記憶部19により取得されたPOI情報を取得し、取得されたPOI情報に対象物抽出部13により取得された抽出対象物Teが含まれているか否かを判定する。
【0090】
また、存否判定部16Bは、取得されたPOI情報に抽出対象物Teが含まれていないと判定された場合には、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しないと判定する。
【0091】
次に、存否判定部16Bは、取得されたPOI情報に抽出対象物Te(ここでは例えばコンビニエンスストア)が含まれていると判定された場合に、取得されたPOI情報に基づいて、抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内であるか否かを判定する。存否判定部16Bは、抽出対象物TeがPOI情報に含まれる場合に、ナビゲーション装置21から取得された車両2Bの位置情報とPOI情報記憶部19に記憶されたPOI情報に含まれる抽出対象物Teの位置情報を用いて、車両2Bから抽出対象物Teまでの距離を算出する。また、存否判定部16Bは、算出した距離に基づいて抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内であるか否かを判定する。
【0092】
位置関係取得部17Bは、抽出対象物TeとユーザXとの相対的な位置関係を取得する。位置関係取得部17Bは、POI情報記憶部19により抽出対象物Teの位置情報を取得し、ナビゲーション装置21から車両2Bの位置を取得し、取得された抽出対象物Teの位置情報と車両2Bの位置情報に基づいて、車両2Bから抽出対象物Teまでの方向及び距離を算出してもよい。
【0093】
表示画像生成部18Bは、抽出対象物情報を取得し、当該抽出対象物情報を含む表示画像Pを生成する。
【0094】
表示画像生成部18Bは、対象物判定部15Bの判定結果に基づいて、抽出対象物Teの表示画像Pの表示態様を決定する。なお、「抽出対象物情報」等の用語の意味は第1実施形態と同様である。また、
図4~
図6に表示されている「Bicycle」を、第2実施形態では「Convenience store」とする。対象物判定部15Bにより、抽出対象物TeがPOIであり、かつ、抽出対象物Teが視野画像に含まれると判定された場合には、表示画像生成部18Bは、第1表示画像P1を生成する。この場合、表示画像生成部18Bは、視野画像取得部14Bから視野Exの視野画像を取得し、視野画像から抽出対象物Teを画像認識し、抽出対象物Teに重畳して表示される抽出対象物Teそのものを強調する表示態様で抽出対象物情報を示した第1表示画像P1を生成する(
図4参照)。なお、対象物判定部15Bにより抽出対象物TeがPOIではないと判定された場合、又は、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと判定された場合には、第2実施形態において第1表示画像P1は生成されない。
【0095】
また、表示画像生成部18Bは、対象物判定部15Bにより抽出対象物Teが視野画像に含まれないと判定された場合には、POI情報に抽出対象物Teが含まれている、かつ、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると存否判定部16Bにより判定されたか否かに基づいて、抽出対象物情報の表示態様を決定する。より詳細には、表示画像生成部18Bは、POI情報に抽出対象物Teが含まれており、かつ、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると存否判定部16Bにより判定された場合に、取得された抽出対象物Teの位置情報と車両2Bの位置情報に基づいて、抽出対象物Teが基準位置に対する方向及び距離を含む位置関係を表示する表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する。表示画像生成部18Bは、位置関係取得部17Bにより抽出対象物Teが基準位置に対する方向及び距離を含む位置関係情報を取得し、取得された抽出対象物Teが基準位置に対する方向及び距離を含む位置関係を表示する第2表示画像P2を生成する(
図5参照)。
【0096】
また、表示画像生成部18Bは、POI情報に抽出対象物Teが含まれていない、又は、抽出対象物Teが対象範囲内に存在しないと存否判定部16Bにより判定された場合に、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない情報を示す第3表示画像P3を生成する(
図6参照)。
【0097】
また、表示画像生成部18Bは、発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む表示画像P(第1表示画像P1~第3表示画像P3)を生成してもよい(
図4~
図6参照)。
【0098】
また、表示画像生成部18Bは、対象物判定部15Bによる抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であるか否かを示す情報を含む表示画像P(第1表示画像P1~第3表示画像P3)を生成する(
図4~
図6参照)。
【0099】
続いて、表示画像生成装置1Bにより実行される画像生成処理について説明する。
図9は、表示画像生成処理を示すフローチャートである。
図9のフローチャートは、例えば表示画像生成装置1Bによる表示画像生成処理は、車両2Bが起動されたときに開始される。
【0100】
図9に示されるように、ステップS201において、POI情報記憶部19は、外部又は車両2BからPOI情報を取得して記憶する。その後、表示画像生成装置1Bは、ステップS202に進む。
【0101】
ステップS202において、表示画像生成装置1Bは、発言データ取得部12により、ユーザ(発言主体)YによりユーザXに対して発せられた音声の発言データを取得する。発言データ取得部12は、発言主体用端末4の発言データ取得装置41から取得されたユーザYによりユーザXに対して発せられた音声の発言データを取得する。なお、上述したとおり、発言データには、ユーザYが何も発していないデータも含まれる。さらに、発言データ取得部12は、ユーザYを特定する情報を取得し、表示画像生成装置1Bに送信する。その後、ステップS203に進む。
【0102】
ステップS203において、表示画像生成装置1Bは、発言データ取得部12により、発言データにユーザ(発言主体)Yの発言が含まれるか否かを判定する。ユーザYの発言が含まれると判定された場合には、ステップS204に進む。ユーザYの発言が含まれないと判定された場合には、エンドに進む。
【0103】
ステップS204において、表示画像生成装置1Bは、対象物抽出部13により、発言データのうち対象物Tと一致する抽出対象物Teを抽出できるか否かを判定する。抽出対象物Teを抽出できると判定された場合には、ステップS205に進む。抽出対象物Teを抽出できないと判定された場合には、エンドに進む。
【0104】
ステップS205において、表示画像生成装置1Bは、視野画像取得部14Bにより、ユーザXの視野画像を取得する。視野画像取得部14Bは、ユーザXが装着しているユーザ用端末3Bの視野画像取得装置32からユーザXの視野画像を取得する。その後、ステップS206に進む。
【0105】
ステップS206において、表示画像生成装置1Bは、対象物判定部15Bにより、抽出対象物TeがPOIである否かを判定する。更に、表示画像生成装置1Bは、対象物判定部15Bにより、対象物抽出部13から抽出された抽出対象物Teが視野画像取得部14Bから取得したユーザXの視野画像に含まれるか否かを判定する。抽出対象物TeがPOIではないと判定された場合、又は、抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれないと判定された場合には、ステップS208に進む。抽出対象物TeがPOIであると判定され、かつ、抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれると判定された場合には、ステップS207に進む。ここで、例えば、抽出対象物Teがコンビニエンスストアであり、当該コンビニエンスストアがPOI情報としてPOI情報記憶部19に記憶されていれば、抽出対象物TeがPOIであると判定される。また、例えば、抽出対象物Teが走行中の自転車であれば、POI情報としてPOI情報記憶部19に記憶されていないので、抽出対象物TeがPOIではないと判定される。
【0106】
抽出対象物TeがPOIであると判定され、かつ、抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれると判定された場合には、ステップS207において、表示画像生成装置1Bは、表示画像生成部18Bにより、抽出対象物Teそのものを強調する第1表示画像P1を生成する。表示画像生成部18Bは、視野画像取得部14Bから視野Exの視野画像を取得し、視野画像から抽出対象物Teを画像認識し、視野画像に重畳して表示される抽出対象物Teそのものを強調する第1表示態様で抽出対象物情報を示した第1表示画像P1を生成する。なお、表示画像生成部18Bは、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であることを示す情報及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報をさらに含む第1表示画像P1を生成してもよい。表示画像生成部18Bは、生成した第1表示画像P1をユーザ用端末3Bの表示画像表示装置31Bに送信する。
【0107】
抽出対象物TeがPOIではないと判定された場合、又は、抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれないと判定された場合には、ステップS208において、まず、表示画像生成装置1Bは、存否判定部16Bにより、POI情報記憶部19により記憶されたPOI情報に基づいて、POI情報に抽出対象物Teが含まれているか否かを判定する。更に、POI情報に抽出対象物Teが含まれていると判定した場合には、表示画像生成装置1Bは、存否判定部16Bにより、POI情報記憶部19により記憶されたPOI情報に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを判定する。POI情報に抽出対象物Teが含まれていないと判定された場合、又は、抽出対象物Teが対象範囲内に存在しないと判定された場合には、ステップS211に進む。POI情報に抽出対象物Teが含まれていると判定され、かつ、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると判定された場合には、スッテプS209に進む。ここで、例えば、抽出対象物Teがコンビニエンスストアであり、当該コンビニエンスストアがPOI情報としてPOI情報記憶部19に記憶されていれば、POI情報に抽出対象物Teが含まれていると判定される。また、例えば、抽出対象物Teが走行中の自転車であれば、POI情報としてPOI情報記憶部19に記憶されていないので、POI情報に抽出対象物Teが含まれていないと判定される。
【0108】
POI情報に抽出対象物Teが含まれていると判定され、かつ、抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内であると判定された場合には、ステップS209において、表示画像生成装置1Bは、位置関係取得部17Bにより、抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を取得する。位置関係取得部17Bは、取得された抽出対象物Teの位置情報と車両2Bの位置情報に基づいて、抽出対象物TeからユーザX又は車両2Bまでの方向と距離を算出により推定する。その後、ステップS210に進む。
【0109】
ステップS210において、表示画像生成装置1Bは、表示画像生成部18Bにより、位置関係取得部17Bから取得された抽出対象物Teの位置情報と車両2Bの位置情報に基づいて、車両2Bから抽出対象物Teまでの方向及び距離を含む位置関係を表示する第2表示画像P2を生成する。表示画像生成部18Bは、位置関係取得部17Bから取得されたユーザXの視野Exに対する方向を示す記号画像と距離を表示する第2表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する。なお、表示画像生成部18Bは、ユーザXから抽出対象物Teが視認不可能であることを示す情報及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む第2表示画像P2を生成してもよい。表示画像生成部18Bは、生成した第2表示画像P2をユーザ用端末3Bの表示画像表示装置31Bに送信する。
【0110】
POI情報に抽出対象物Teが含まれていないと判定した場合、又は、抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内ではないと判定された場合には、ステップS211において、表示画像生成装置1Bは、位置関係取得部17Bにより、抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を取得する。具体的には、位置関係取得部17Bは、存否判定部16Bから抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない位置関係情報を取得する。その後、ステップS212に進む。
【0111】
ステップS212において、表示画像生成装置1Bは、位置関係取得部17Bから取得された抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しないという抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を表示する第3表示画像P3を生成する。表示画像生成部18Bは、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認不可能であることを示す情報及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む第3表示画像P3を生成する。なお、抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係(第2表示態様に係る位置関係)は表示されない。表示画像生成部18Bは、生成した第3表示画像P3をユーザ用端末3Bの表示画像表示装置31Bに送信する。
【0112】
表示画像生成装置1Bは、表示画像生成部18Bの上述した処理が終了すると、今回の処理を終了して、再びステップS201から表示画像生成処理を繰り返す。
【0113】
上記のとおり、本実施形態では、抽出対象物Teの位置に関する情報を少なくとも含むPOI情報を記憶するPOI情報記憶部19を備える。存否判定部16Bは、POI情報記憶部19により記憶されたPOI情報に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを判定する。この結果、存否判定部16Bは、POI情報記憶部19に記憶されたPOI情報に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを確実に判定することができる。
[第3実施形態]
【0114】
図10は、第3実施形態に係る表示画像生成装置1Cを示すブロック図である。本実施形態では、車両2Cに設置された表示装置であるユーザ用端末3Cを用いて表示画像生成処理を実行可能な表示画像生成装置1Cについて説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の説明は省略又は簡略化する。
【0115】
図10において、表示画像生成装置1Cは、第1実施形態に係る表示画像生成装置1Aと比較して、視野画像取得部14Aに代えて視野画像取得部14Cを備えている点、対象物判定部15Aに代えて対象物判定部15Cを備えている点、存否判定部16Aに代えて存否判定部16Cを備えている点、位置関係取得部17Aに代えて位置関係取得部17Cを備えている点、表示画像生成部18Aに代えて表示画像生成部18Cを備えている点、及び、視線認識部20を備えている点で相違しており、その他の点で同一である。
【0116】
表示画像生成装置1C、車両2C、ユーザ用端末3C、及び発言主体用端末4は、相互に有線又は無線により通信(送受信)可能に接続されている。
【0117】
車両2Cは、第1実施形態に係る車両2Aと比較して、姿勢取得装置23を備えている点で相違しており、その他の点で同一である。
【0118】
ユーザ用端末3Bは、第1実施形態に係るユーザ用端末3Aと比較して、視野画像取得装置32を備えていない点、表示画像表示装置31Aに代えて表示画像表示装置31Cを備えている点で相違しており、その他の点で同一である。
【0119】
発言主体用端末4は、第1実施形態に係る発言主体用端末4と同一である。
【0120】
姿勢取得装置23は、ユーザXの顔画像を含む画像情報を取得する。姿勢取得装置23は、車両2Cに設置された車内カメラからユーザXの顔画像を含む画像を撮像する。
【0121】
視線認識部20は、ユーザXの視線を認識する。「視線」とは、ユーザXの両目の中心を通り、ユーザXの顔向きを示す視線方向である。視線認識部20は、姿勢取得装置23からユーザXの顔画像を含む画像情報を取得し、ユーザXの視線方向を認識する。
【0122】
視野画像取得部14Cは、周辺画像取得部11により取得されたリアルタイムの周辺画像と視線認識部20により認識されたユーザXの視線とに基づいて視野画像を取得する。より詳細には、視野画像取得部14Cは、視線認識部20からユーザXの視線方向を取得し、ユーザXの視野Exを推定する。視野画像取得部14Cは、周辺画像取得部11からリアルタイムの車両周辺の画像を取得し、車両周辺の画像から推定されたユーザXの視野Exに対応する領域を切り出し、視野画像を取得する。ここで、「推定されたユーザXの視野Exに対応する領域」とは、例えば、眼を動かさない状態で、垂直視野の上側60度・下側70度、水平視野で左右それぞれ100度、の領域とする。
【0123】
対象物判定部15Cは、抽出対象物Teが視野画像取得部14Cにより取得されたユーザXの視野Exの視野画像に抽出対象物Teが含まれるか否かを判定する。対象物判定部15Cは、第1実施形態に係る対象物判定部15Aと同一の方法で判定すればよい。
【0124】
存否判定部16Cは、抽出対象物Teが視野画像に含まれないと対象物判定部15Cにより判定された場合に、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在するか否かを判定する。存否判定部16Cは、第1実施形態に係る存否判定部16Aと同一の方法で判定すればよい。
【0125】
位置関係取得部17Cは、抽出対象物TeとユーザXとの相対的な位置関係を取得する。位置関係取得部17Cは、第1実施形態に係る位置関係取得部17Aと同一の方法で、ユーザX又は車両2Cから抽出対象物Teまでの方向及び距離を推定すればよい。また、位置関係取得部17Cは、第1実施形態に係る位置関係取得部17Aと同一の方法で、存否判定部16Cから、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない情報を取得してもよい。
【0126】
表示画像生成部18Cは、抽出対象物情報を取得し、当該抽出対象物情報を含む表示画像Pを生成する。
【0127】
表示画像生成部18Cは、対象物判定部15Cの判定結果に基づいて、第1実施形態と同様に抽出対象物Teの表示画像Pの表示態様を決定する。なお、「抽出対象物情報」等の用語の意味は第1実施形態と同様である。対象物判定部15Cにより抽出対象物Teが視野画像に含まれると判定された場合には、表示画像生成部18Cは、視野画像取得部14Cから視野Exの視野画像を取得し、視野画像から抽出対象物Teを画像認識し、抽出対象物Teに重畳して表示される抽出対象物Teそのものを強調する表示態様で抽出対象物情報を示した第1表示画像P1を生成する(
図4参照)。
【0128】
また、表示画像生成部18Cは、対象物判定部15Cにより抽出対象物Teが視野画像に含まれないと判定された場合には、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると存否判定部16Cにより判定されたか否かに基づいて、第1実施形態と同様に抽出対象物情報の表示態様を決定する。より詳細には、表示画像生成部18Cは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると存否判定部16Cにより判定された場合に、基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係を表示する表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する(
図5参照)。表示画像生成部18Cは、位置関係取得部17Cにより基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係情報を取得し、取得された基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係を表示する第2表示画像P2を生成する。
【0129】
また、表示画像生成部18Cは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在しないと存否判定部16Cにより判定された場合に、抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない情報を示す第3表示画像P3を生成する(
図6参照)。
【0130】
また、表示画像生成部18Cは、第1実施形態と同様に発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む表示画像P(第1表示画像P1~第3表示画像P3)を生成する(
図4~
図6参照)。
【0131】
また、表示画像生成部18Cは、対象物判定部15Cによる抽出対象物Teが視野画像に含まれるか否かの判定結果に基づいて、抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であるか否かを示す情報を含む表示画像P(第1表示画像P1~第3表示画像P3)を生成する(
図4~
図6参照)。
【0132】
続いて、表示画像生成装置1Cにより実行される画像生成処理について説明する。
図11は、表示画像生成処理を示すフローチャートである。
図11のフローチャートは、例えば表示画像生成装置1Cによる表示画像生成処理は、車両2Cが起動されたときに開始される。
【0133】
図11に示されるように、ステップS301において、表示画像生成装置1Cは、周辺画像取得部11により、ユーザXの周辺画像を取得する。周辺画像取得部11は、車両2Cの周辺撮像装置22が撮像した周辺画像を取得する。その後、表示画像生成装置1Cは、ステップS302に進む。
【0134】
ステップS302において、表示画像生成装置1Cは、発言データ取得部12により、ユーザ(発言主体)YによりユーザXに対して発せられた音声の発言データを取得する。発言データ取得部12は、発言主体用端末4の発言データ取得装置41から取得されたユーザYによりユーザXに対して発せられた音声の発言データを取得する。なお、上述したとおり、発言データには、ユーザYが何も発していないデータも含まれる。さらに、発言データ取得部12は、ユーザYを特定する情報を取得し、表示画像生成装置1Cに送信する。その後、ステップS303に進む。
【0135】
ステップS303において、表示画像生成装置1Cは、発言データ取得部12により、発言データにユーザ(発言主体)Yの発言が含まれるか否かを判定する。ユーザYの発言が含まれると判定された場合には、ステップS304に進む。ユーザYの発言が含まれないと判定された場合には、エンドに進む。
【0136】
ステップS304において、表示画像生成装置1Cは、対象物抽出部13により、発言データのうち対象物Tと一致する抽出対象物Teを抽出できるか否かを判定する。抽出対象物Teを抽出できると判定された場合には、ステップS305に進む。抽出対象物Teを抽出できないと判定された場合には、エンドに進む。
【0137】
ステップS305において、表示画像生成装置1Cは、視線認識部20により、ユーザXの視線を認識する。視線認識部20は、姿勢取得装置23からユーザXの顔画像を含む画像情報を取得し、取得された画像情報に基づいてユーザXの視線方向を認識する。その後、ステップS306に進む。
【0138】
ステップS306において、表示画像生成装置1Cは、視野画像取得部14Cにより、ユーザXの視野画像を取得する。視野画像取得部14Cは、視線認識部20からユーザXの視線方向を取得し、ユーザXの視野Exを推定する。視野画像取得部14Cは、周辺画像取得部11からリアルタイムの車両周辺の画像を取得し、車両周辺の画像から推定されたユーザXの視野Exに対する領域を切り出し、視野画像を取得する。その後、ステップS307に進む。
【0139】
ステップS307において、表示画像生成装置1Cは、対象物判定部15Cにより、対象物抽出部13から抽出された抽出対象物Teが視野画像取得部14Cから取得したユーザXの視野画像に含まれるか否かを判定する。抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれると判定された場合には、ステップS308に進む。抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれないと判定された場合には、ステップS309に進む。
【0140】
抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれると判定された場合には、ステップS308において、表示画像生成装置1Cは、表示画像生成部18Cにより、抽出対象物Teそのものを強調する第1表示画像P1を生成する。表示画像生成部18Cは、視野画像取得部14Cから視野Exの視野画像を取得し、視野画像から抽出対象物Teを画像認識し、視野画像に重畳して表示される抽出対象物Teそのものを強調する第1表示態様で抽出対象物情報を示した第1表示画像P1を生成する。なお、表示画像生成部18Cは、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認可能であることを示す情報及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報をさらに含む第1表示画像P1を生成してもよい。表示画像生成部18Cは、生成した第1表示画像P1をユーザ用端末3Cの表示画像表示装置31Cに送信する。
【0141】
抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれないと判定された場合には、ステップS309において、表示画像生成装置1Cは、存否判定部16Cにより、周辺画像取得部11により取得された現在または過去の周辺画像に基づいて、抽出対象物Teが対象範囲内に存在するか否かを判定する。存否判定部16Cは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在しないと判定した場合には、スッテプS312に進む。存否判定部16Cは、抽出対象物Teが対象範囲内に存在すると判定した場合には、スッテプS310に進む。
【0142】
抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内であると判定された場合には、ステップS310において、表示画像生成装置1Cは、位置関係取得部17Cにより、抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を取得する。位置関係取得部17Cは、周辺画像取得部11から取得された現在または過去のユーザXの周辺画像に基づいて、抽出対象物TeからユーザX又は車両2Cまでの距離とユーザXの視野Exに対する方向を推定する。また、位置関係取得部17Cは、存否判定部16Cより抽出対象物TeからユーザX又は車両2Cまでの距離を取得してもよい。その後、ステップS311に進む。
【0143】
ステップS311において、表示画像生成装置1Cは、表示画像生成部18Cにより、位置関係取得部17Cから取得された基準位置を基準として抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係を表示する第2表示画像P2を生成する。表示画像生成部18Cは、位置関係取得部17Cから取得されたユーザXの視野Exに対する方向を示す記号画像と距離を表示する第2表示態様で抽出対象物情報を示した第2表示画像P2を生成する。なお、表示画像生成部18Cは、ユーザXから抽出対象物Teが視認不可能であることを示す情報及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む第2表示画像P2を生成してもよい。表示画像生成部18Cは、生成した第2表示画像P2をユーザ用端末3Cの表示画像表示装置31Cに送信する。
【0144】
抽出対象物Teが存在する位置が対象範囲内ではないと判定された場合には、ステップS312において、表示画像生成装置1Cは、位置関係取得部17Cにより、抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を取得する。具体的には、位置関係取得部17Cは、存否判定部16Cから抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しない位置関係情報を取得する。その後、ステップS313に進む。
【0145】
ステップS313において、表示画像生成装置1Cは、位置関係取得部17Cから取得された抽出対象物Teが予め設定された対象範囲内に存在しないという抽出対象物TeとユーザXとの位置関係を表示する第3表示画像P3を生成する。表示画像生成部18Cは、視野画像から抽出対象物TeがユーザXにより視認不可能であることを示す情報及び発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む第3表示画像P3を生成する。なお、抽出対象物Teの位置の方向及び距離を含む位置関係(第2表示態様に係る位置関係)は表示されない。表示画像生成部18Cは、生成した第3表示画像P3をユーザ用端末3Cの表示画像表示装置31Cに送信する。
【0146】
表示画像生成装置1Cは、表示画像生成部18Cの上述した処理が終了すると、今回の処理を終了して、再びステップS301から表示画像生成処理を繰り返す。
【0147】
上記のとおり、本実施形態では、表示画像生成装置1Cは、周辺画像を取得して記憶する周辺画像取得部11と、ユーザXの視線を認識する視線認識部20と、を備える。視野画像取得部14Cは、周辺画像取得部11により取得された現在の周辺画像と視線認識部20により認識されたユーザXの現在の視線とに基づいて視野画像を取得する。この結果、表示画像生成装置1Cは、周辺画像取得部11によりユーザXの視野Exを含む領域の画像である周辺画像を取得し、視線認識部20によりユーザXの視線を認識し、取得された周辺画像が含まれたユーザXの視線に応じる視野画像を取得することができる。これにより、ユーザ用端末3Cに視野画像取得装置32が無くても、視線認識部20によりユーザXの視野画像を取得することができる。
【0148】
以上、本開示の表示画像生成装置及び表示画像生成方法を上述した各実施形態に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの各実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0149】
各実施形態において、ユーザXとユーザYの両方とも、車両に乗車している例を示したが、これに限られない。例えば、ユーザX、及び、発言主体であるユーザYの一方又は両方が、車両2A~Cの車外(すなわち、車両2A~Cから離間した場所)に存在(位置)してもよい。この場合、ユーザXのユーザ用端末又はユーザXのユーザ用端末が接続可能なサーバは、発言データ取得部と、対象物抽出部と、対象物判定部と、表示画像生成部と、の構成を少なくとも有する必要がある。なお、視野画像取得部は、例えば、ユーザ用端末が有する視野画像取得装置に含める。そして、周辺撮像装置により得られる周辺画像を、ユーザXの視野Exに対応する視野画像としてもよいし、ユーザXが周辺撮像装置を有しておりユーザ用端末に送信してもよい。更に、ユーザXが車外にいる場合、姿勢取得装置23はユーザ用端末3CまたはユーザXの周辺に設置し、ユーザXの顔画像またはセンサによりユーザXの顔向き情報を取得する。そして、視線認識部20は、姿勢取得装置23により取得したユーザXの顔画像または顔向き情報によりユーザXの視線方向を認識する。視野画像取得部は、周辺撮像装置22が撮像した周辺画像と視線認識部20が認識したユーザXの視線方向に基づいて、ユーザXの視野画像を生成する。なお、ユーザXが車外にいる場合、視線認識部20は、ユーザXのユーザ用端末又はユーザXのユーザ用端末が接続可能なサーバが有するものとする。そして、ユーザXが車外に存在する場合でも、ユーザ用端末は、発言主体により発せられた発言に含まれる抽出対象物Teに関する表示画像Pが生成される。そして、表示画像表示装置に表示画像Pが表示される。
【0150】
各実施形態において、対象物判定部は、抽出対象物TeがユーザXの視野画像に含まれるか否かの判定結果の情報を発言主体であるユーザYの発言主体用端末4へ出力する例を示したが、これに限られない。例えば、ユーザYへ出力する情報としては、ユーザXの視野画像や表示画像Pや周辺画像などを出力しても良い。また、ユーザYが特に車外に存在する場合には、ユーザYの発言主体用端末4やVR(Virtual Reality、画像表示装置)などに画像を表示する。このように、発言主体であるユーザYに画像を表示することにより、ユーザYはユーザXの視認可能領域や視線方向の情報をえることができるので、ユーザXとユーザYとの話題の進み方をより決めやすくなる。
【0151】
また、周辺撮像装置22により撮像された周辺画像は上記の各実施形態において説明したものに限定されず、例えばユーザXの視野Exに対応する視野画像としてもよい。ここで、例えば、発言主体であるユーザYが車両2Aの車外に存在する場合には、発言主体用端末4には、周辺撮像装置22により撮像された周辺画像の一部またはすべての画像が表示されてもよい。これにより、ユーザXとユーザYとの話題の進み方を決めることができる。
【0152】
また、ユーザ用端末3A~3Cの表示画像表示装置31A~31Cは、透過型ディスプレイとする例を示したが、車両2A~2Cに設置されたヘッドアップディスプレイでもよい。例えば、ヘッドアップディスプレイは、車両2A~2Cのフロントウィンドウの下部位置に設定され、灯光器でウィンドシールドに画像を表示する。この場合、画像は、表示画像生成部18A~18Cが生成したユーザXのExの視野に対応する表示画像Pを表示する。
【0153】
また、発言主体は、人ではなく、ユーザXに対して発言を発する発言装置でもよい。発言装置の場合、発言データは出力文データである。出力文データは、発言装置が出力文(文字列)を音声として出力する音声データであってもよいし、出力文(文字列)であってもよい。このため、表示画像生成装置1A~1Cは、発言データ取得装置によりユーザXに対して発言を発する発言装置から出力文データを取得することができる。また、この場合、「発言主体により発せられた発言」は、「発言装置により発せられた(出力された)音声」である。また、表示画像生成部18A~18CがユーザXに対する音声を発する発言装置を特定する情報を取得し、例えば「Mentioned by Speech output device.」という表示画像Pを生成してもよい。この結果、発言装置の発言に含まれる抽出対象物TeをユーザXに対する適切な表示態様で抽出対象物情報を表示させることができる。具体的には、発言装置は、ユーザXと音声対話可能な、いわゆる対話型エージェント装置であってもよい。
【0154】
また、上記では、発言主体は、1人のユーザYのみ又は1つの発言装置のみであったが、発言主体の対象としては複数であってもよい。例えば、発言主体の対象として、2人以上の同乗者(ユーザ)であってもよいし、1人の同乗者(ユーザ)と1つの発言装置であってもよい。この場合、発言データ取得部12は、ユーザXに対して発言を発した発言主体を特定する情報を取得する。次に、表示画像生成部18A~18Cは、発言データ取得部12により取得された発言主体を特定する情報を含む表示画像Pを生成する。この結果、表示画像生成装置1A~1Cは、発言データ取得部12により発言主体を特定する情報を取得し、表示画像生成部18A~18Cにより発言主体を特定する情報を含む表示画像Pを生成することができる。これにより、発言主体の対象が複数であるとき、ユーザXが発言主体を明確に把握することができる。
【0155】
上記では、発言データ取得部12と発言データ取得装置41を有する例を示したが、発言データ取得部12が発言データ取得装置41の機能を備えていれば、発言データ取得装置41を備えていなくてもよい。また、視野画像取得部14A,14Bと視野画像取得装置32を有する例を示したが、視野画像取得部14A,14Bが視野画像取得装置32の機能を備えていれば、視野画像取得装置32を備えなくても良い。更に、視線認識部20と姿勢取得装置23を有する例を示したが、視線認識部20が姿勢取得装置23の機能を備えていれば、姿勢取得装置23を備えなくても良い。更にまた、周辺画像取得部11と周辺撮像装置22を有する例を示したが、周辺画像取得部11が周辺撮像装置22の機能を備えていれば、周辺撮像装置22を備えていなくても良い。
【0156】
第2実施形態では、対象物判定部15Bは、抽出対象物TeがPOIである否かを判定すると共に、抽出対象物Teの画像が視野画像取得部14Bにより取得された視野画像に含まれるか否かを判定する例を示したが、これに限定されない。例えば、対象物判定部は、抽出対象物がPOIである否かを判定せず、抽出対象物の画像が視野画像取得部により取得された視野画像に含まれるか否かのみを判定しても良い。このように判定する場合、抽出対象物がPOIでなくても、視野画像に含まれていると判定されれば、第1表示画像が生成される。
【符号の説明】
【0157】
1A,1B,1C 表示画像生成装置
11 周辺画像取得部
12 発言データ取得部
13 対象物抽出部
14A,14B,14C 視野画像取得部
15A,15B,15C 対象物判定部
16A,16B,16C 存否判定部
17A,17B,17C 位置関係取得部
18A,18B,18C 表示画像生成部
19 POI情報記憶部
20 視線認識部
2A,2B,2C 車両
21 ナビゲーション装置
22 周辺撮像装置
23 姿勢取得装置
3A,3B,3C ユーザ用端末
31A,31B,31C 表示画像表示装置
32 視野画像取得装置
4 発言主体用端末
41 発言データ取得装置