(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ウインドモール
(51)【国際特許分類】
B60J 1/02 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
B60J1/02 111E
(21)【出願番号】P 2019224386
(22)【出願日】2019-12-12
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤松 英靖
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-193054(JP,A)
【文献】実開平05-001527(JP,U)
【文献】実開平05-072525(JP,U)
【文献】特開2009-149136(JP,A)
【文献】特開2006-298213(JP,A)
【文献】特開平05-112125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/00 - 1/20
B60R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の開口枠に装着されたウインドガラスの外周縁と前記開口枠の立壁との間の隙間に装着されるウインドモールにおいて、
前記ウインドガラスのサイド側の隙間に装着されるサイド部と、前記ウインドガラスのルーフ側の隙間に装着されるルーフ部と、前記サイド部と前記ルーフ部間にあって前記ウインドガラスのコーナー側の隙間に装着されるコーナー部と、をそれぞれ構成する部材からなり、
前記サイド部と前記ルーフ部と前記コーナー部は、前記ウインドガラスの外周縁の外面を覆う頭部と、前記隙間に挿入される脚部とを有し、前記脚部において前記開口枠の立壁と対向する側には、前記脚部が前記隙間に挿入された際に前記立壁と当接する立壁用リップを有し、
前記コーナー部の立壁用リップの一部がコーナー外側からコーナー内側に向かって凹状に切り欠かれることによって、前記コーナー部の立壁用リップは、前記ルーフ部の立壁用リップの端部に連接したコーナー部のルーフ側の立壁用リップにおける、前記サイド部の立壁用リップの端部に連接したコーナー部のサイド側の立壁用リップとの交差側端部が、前記サイド部の立壁用リップの先端延長線上の位置よりも前記ルーフ部寄りに位置することを特徴とするウインドモール。
【請求項2】
車体の開口枠に装着されたウインドガラスの外周縁と前記開口枠の立壁との間の隙間に装着されるウインドモールにおいて、
前記ウインドガラスのサイド側の隙間に装着されるサイド部と、前記ウインドガラスのルーフ側の隙間に装着されるルーフ部と、前記サイド部と前記ルーフ部間にあって前記ウインドガラスのコーナー側の隙間に装着されるコーナー部との一体からなり、
前記サイド部と前記ルーフ部と前記コーナー部は、前記ウインドガラスの外周縁の外面を覆う頭部と、前記隙間に挿入される脚部とを有し、前記脚部において前記開口枠の立壁と対向する側には、前記脚部が前記隙間に挿入された際に前記立壁と当接する立壁用リップを有し、
前記コーナー部の立壁用リップは、前記ルーフ部の立壁用リップの端部に連接したコーナー部のルーフ側の立壁用リップにおける、前記サイド部の立壁用リップの端部に連接したコーナー部のサイド側の立壁用リップとの交差側端部が、前記サイド部の立壁用リップの先端延長線上の位置よりも前記ルーフ部寄りに位置し、
前記コーナー部の脚部において、前記サイド部の脚部の端部に連接したコーナー部のサイド側の脚部には、前記開口枠の立壁と対向する側に、前記ウインドモール装着時に前記開口枠の立壁と当接する突起を有し、前記突起は、前記コーナー部の立壁用リップよりも前記コーナー部の頭部側に位置し
、前記突起の形状は、半球、角錐、角錐台の何れかであることを特徴とするウインドモール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体のフロントあるいはリアの開口枠に装着されたウインドガラスの外周縁と開口枠の立壁との間の隙間に装着されるウインドモールに関する。
【背景技術】
【0002】
車体のフロントあるいはリアの開口枠に装着されたウインドガラスの外周縁と開口枠の立壁との間の隙間にはウインドモールが装着されている(特許文献1)。
例えば、
図6の(6-1)に示すように、車体のフロントには、ウインドガラスの装着用に開口枠61が形成されている。車体の開口枠61は、
図7に示すように、立壁62と底壁63が略L字状に屈曲し、前記底壁63で包囲された内側部分が開口している。
【0003】
車体の開口枠61には、
図6の(6-2)に示すように、ウインドガラス65が装着される。ウインドガラス65の装着は、
図7に示すように、開口枠61の底壁63に、接着剤67によってウインドガラス65を固定することにより行われる。その際、ウインドガラス65の外周縁と開口枠61の立壁62との間に隙間68が形成される。符号65Sは、ウインドガラス65のサイド側、符号65Rはウインドガラス65のルーフ側、符号65Cはウインドガラス65のコーナー側である。また、符号68Sはウインドガラス65のサイド側65Sの隙間、符号68Rはウインドガラス65のルーフ側65Rの隙間、符号68Cはウインドガラスのコーナー側の隙間である。また、符号62Sは開口枠61のサイド側の立壁、符号62Rは開口枠61のルーフ側の立壁、符号62Cは開口枠61のコーナー側の立壁である。ウインドガラス65の外周縁の隙間68には、
図6の(6-3)に示すように、ウインドモール70が装着され、美観の向上が図られる。
図6の(6-3)におけるG-G断面、I-I断面、H-H断面を、
図7に示す。また、隙間68に装着されるウインドモール70を
図8に示す。
【0004】
ウインドモール70は、ウインドガラス65のサイド側65Sの隙間68Sに装着されるサイド部71と、ウインドガラス65のルーフ側65Rの隙間68Rに装着されるルーフ部79と、前記サイド部71と前記ルーフ部79間にあって前記ウインドガラス65のコーナー側65Cの隙間68Cに装着されるコーナー部87との一体からなる。なお、サイド部71及びコーナー部87は、ルーフ部79の両端にそれぞれ設けられるが、同一構造からなるため、片側のみを示す。
図9は、コーナー部87を一部切り欠いて示す斜視図である。
【0005】
ウインドモール70のサイド部71とルーフ部79は、押出成形された長尺品が所定長に切断されたものである。コーナー部87は、サイド部71の端部とルーフ部79の端部間で射出成形されたものである。
サイド部71、ルーフ部79及びコーナー部87は、頭部72、80、88と、該頭部72、80、88の裏面に形成された脚部74、82、90を有する。
頭部72、80、88は、主にウインドガラス65の外周縁の外面を覆う部分である。また、頭部72、88は、接着テープ91によってウインドガラス65の外周縁の外面に固定される。
【0006】
サイド部71、ルーフ部79及びコーナー部87の脚部74、82、90は、隙間68に挿入される部分である。サイド部71、ルーフ部79及びコーナー部87の脚部74、82、90は、ウインドガラス65の接着に使用された開口枠61の底壁63の接着剤67に、脚部74、82、90の下部が接触して接着固定される。サイド部71、ルーフ部79及びコーナー部87の脚部74、82、90において、開口枠61の立壁62と対向する側には、脚部74、82、90を隙間68に挿入した際に立壁62と当接する立壁用リップ75、83、91が形成されている。立壁用リップ75、83、91によって、脚部74、82、90は、ウインドガラス65の外周縁から離れ過ぎるのを防ぐことができる。なお、サイド部71、ルーフ部79及びコーナー部87における脚部74、82、90のウインドガラス65側には、ウインドガラス65の外周縁の内面に係合する突部76、84、93が形成されている。また、サイド部71およびルーフ部79の脚部74、82には、温度変化によるサイド部71およびルーフ部79の伸縮を抑えるための金属製芯材77、85が埋設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のウインドモール70は、ウインドガラス65の外周縁と開口枠61の立壁62との間の隙間68に装着された際に、装着時のバラツキ等によって、ウインドモール70の位置が左右にズレを生じることがある。その場合、ウインドモール70のコーナー部91の立壁用リップ91が、開口枠61のサイド側に接近し過ぎて立壁62によって過剰に押され、それによってコーナー部91の立壁用リップ91のルーフ側に、捻れや皺などの不具合が発生することがある。
図6の(6-3)に示すように、その捻れや皺などによる不具合95が外部から視認されて美観を損なうおそれがあった。
【0009】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、ウインドモールの装着時に、ウインドモールのコーナー部の立壁用リップに、捻れや皺などを生じ難いウインドモールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様は、車体の開口枠に装着されたウインドガラスの外周縁と前記開口枠の立壁との間の隙間に装着されるウインドモールにおいて、前記ウインドガラスのサイド側の隙間に装着されるサイド部と、前記ウインドガラスのルーフ側の隙間に装着されるルーフ部と、前記サイド部と前記ルーフ部間にあって前記ウインドガラスのコーナー側の隙間に装着されるコーナー部との一体からなり、前記サイド部と前記ルーフ部と前記コーナー部は、前記ウインドガラスの外周縁の外面を覆う頭部と、前記隙間に挿入される脚部とを有し、前記脚部において前記開口枠の立壁と対向する側には、前記脚部が前記隙間に挿入された際に前記立壁と当接する立壁用リップを有し、前記コーナー部の立壁用リップは、前記ルーフ部の立壁用リップの端部に連接したコーナー部のルーフ側の立壁用リップにおける、前記サイド部の立壁用リップの端部に連接したコーナー部のサイド側の立壁用リップとの交差側端部が、前記サイド部の立壁用リップの先端延長線上の位置よりも前記ルーフ部寄りに位置することを特徴とする。
【0011】
第2の態様は、第1の態様において、前記コーナー部の脚部において、前記サイド部の脚部の端部に連接したコーナー部のサイド側の脚部には、前記開口枠の立壁と対向する側に、前記ウインドモール装着時に前記開口枠の立壁と当接する突起を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様によれば、ウインドモールは、コーナー部のルーフ側の立壁用リップにおいて、サイド部の立壁用リップの端部に連接したコーナー部のサイド側の立壁用リップとの交差側端部が、サイド部の立壁用リップの先端延長線上の位置よりもウインドモールのルーフ部寄りに位置する(すなわちルーフ部側へ後退している)ため、ウインドモール装着時のバラツキ等で、ウインドモールの左右位置に僅かにズレを生じることがあっても、コーナー部のルーフ側の立壁用リップの端部が開口枠の立壁へ過度に押し付けられたり、立壁によって過度に押し返されたりすることが少なくなり、その結果、コーナー部のルーフ側の立壁用リップに捻れや皺を生じ難くなる。
【0013】
第2の態様によれば、ウインドモールのコーナー部のサイド側の脚部には、開口枠の立壁と対向する側に、ウインドモール装着時に開口枠の立壁と当接する突起を有するため、ウインドモール装着時に、コーナー部が開口枠のコーナー側の立壁(サイド側の立壁のコーナー付近)に接近し過ぎるのを防ぐことができ、コーナー部のルーフ側の立壁用リップの端部が立壁へ過度に押し付けられたり、立壁によって過度に押し返されたりすることがなくなり、コーナー部のルーフ部の立壁用リップにおける捻れや皺の発生を、より効果的に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明における一実施形態のウインドモールの一部を示す正面図である。
【
図2】
図1のウインドモールの裏面図およびF部拡大図である。
【
図3】
図1におけるA矢視図、B矢視図、B矢視図のG部拡大図である。
【
図5】
図1のウインドモールのコーナー部における一部切り欠き斜視図である。
【
図6】従来のウインドモール装着前の開口枠付近と装着後の開口枠付近を示す図である。
【
図7】
図6の(6-3)における各部の断面図である。
【
図8】従来のウインドモールの一部を示す正面図である。
【
図9】
図8のウインドモールのコーナー部における一部切り欠き斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明における実施形態について図面を用いて説明する。
図1~
図5に示す本発明の一実施形態のウインドモール10は、
図6及び
図7に示した従来のウインドモール70の装着と同様にして、車体の開口枠61に装着されたウインドガラス65の外周縁と、開口枠61の立壁62との間に形成された隙間68に装着される。
【0016】
ウインドモール10は、
図6の(6-2)に示したウインドガラス65のサイド側65Sの隙間68Sに装着されるサイド部11と、ウインドガラス65のルーフ側65Rの隙間68Rに装着されるルーフ部21と、サイド部11とルーフ部21を連結し、ウインドガラス65のコーナー部65Cの隙間68Cに装着されるコーナー部31とよりなる。なお、サイド部11とコーナー部31は、ルーフ部21の両端に設けられる。
【0017】
サイド部11は、樹脂製からなり、押出成形品を所定長で切断したものであり、頭部13とその裏面に形成された脚部15とを有する。
サイド部11の頭部13は、主にウインドガラスのサイド側65Sの外周縁の外面を覆う部分である。本実施形態では、頭部13は、ウインドガラスのサイド側65S及びその反対側へ突出しており、ウインドガラスのサイド側65Sの外周縁の外面と、車体の開口枠61におけるサイド側の外面に重なるように構成されている。頭部13は、ウインドガラス65側で厚くされ、反対側で薄くされている。
【0018】
サイド部11の脚部15は、ウインドガラスのサイド側65Sの隙間68Sに挿入される部分である。
脚部15における開口枠61のサイド側の立壁62Sと対向する側には、脚部15が前記隙間68Sに挿入された際に開口枠の立壁62Sと当接する立壁用リップ17を有する。立壁用リップ17が開口枠のサイド側の立壁62Sに当接することにより、脚部15がウインドガラスのサイド側65Sの外周縁へ押され、ウインドガラスのサイド側の外周縁65Sから離れるのを防ぐ。立壁用リップ17の長さは、脚部15が前記隙間68Sに挿入された際に、立壁用リップ17の先端側が開口枠のサイド側の立壁62Sと当接する長さに設定される。
【0019】
脚部15におけるウインドガラスのサイド側65Sには、ウインドガラスのサイド側65Sの外周縁の内面に係合する突部18が形成されている。突部18は、ウインドガラス65側及び開口枠61の底壁63へ向けて形成されている。突部18は、開口枠61の底壁63に設置されたウインドガラス用接着剤67と接触し、開口枠61の底壁63に接着固定される。
また、脚部15には、温度変化によるサイド部11の伸縮を抑えるための金属製芯材19が埋設されている。
【0020】
ルーフ部21は、樹脂製からなり、押出成形品を所定長で切断したものであり、頭部23とその裏面に形成された脚部25とを有する。
ルーフ部21の頭部23は、主にウインドガラスのルーフ側65Rの外周縁の外面を覆う部分である。本実施形態では、頭部23は、ウインドガラスのルーフ側65R及びその反対側へ突出している。一方、頭部23におけるウインドガラスのルーフ側65Rとは反対側は、脚部25における頭部23の基部付近から突出した突部24によって雨受け溝24aを構成する。雨受け溝24aは、車体のルーフからウインドガラス65側へ垂れてくる雨水等を受ける。
【0021】
ルーフ部21の脚部25は、ウインドガラスのルーフ側65Rの隙間68Rに挿入される部分である。
脚部25における開口枠61のルーフ側の立壁62Rと対向する側には、脚部25が前記隙間68Rに挿入された際に、開口枠61のルーフ側の立壁62Rと当接する立壁用リップ27を、前記雨受け溝24a用の突部24と脚部25の先端(隙間68Rへの挿入側先端)との間に有する。立壁用リップ27が開口枠61のルーフ側の立壁62Rに当接することにより、脚部25がウインドガラスのルーフ側65Rの外周縁へ押され、ウインドガラスのルーフ側65Rの外周縁から離れるのを防ぐ。立壁用リップ27の長さは、脚部25が前記隙間68Rに挿入された際に、立壁用リップ27の先端側が開口枠61のルーフ側の立壁62Rと当接する長さに設定される。
【0022】
脚部25におけるウインドガラス側には、ウインドガラスのルーフ側65Rの外周縁の内面に係合する突部28が形成されている。突部28は、ウインドガラス側および開口枠の底壁63へ向けて形成されている。突部28は、開口枠の底壁63に設置されたウインドガラス用接着剤67と接触し、開口枠の底壁63に接着固定される。
また、脚部25には、温度変化によるルーフ部21の伸縮を抑えるための金属製芯材29が埋設されている。
【0023】
コーナー部31は、樹脂製からなり、サイド部11の端部とルーフ部21の端部の間で射出成形されたものであり、頭部33とその裏面に形成された脚部35を有する。
【0024】
コーナー部31の頭部33は、主にウインドガラスのコーナー側65Cの外周縁の外面を覆う部分である。本実施形態におけるコーナー部31の頭部33は、サイド部11の頭部13が延長された形状からなる。
【0025】
コーナー部31の脚部35は、ウインドガラス65のコーナー側65Cの隙間68Cに挿入される部分である。
コーナー部31の脚部35における開口枠61のコーナー側の立壁62Cと対向する側には、脚部35が前記隙間68Cに挿入された際に開口枠61のコーナー側の立壁62Cと当接する立壁用リップ37を有する。立壁用リップ37が開口枠のコーナー側の立壁62Cに当接することにより、脚部37がウインドガラスのコーナー側65Cの外周縁から離れるのを防ぐ。
【0026】
コーナー部31の立壁用リップ37について、以下に詳しく説明する。
サイド部11の立壁用リップ17の端部と連接したコーナー部31のサイド側の立壁用リップ37Sは、ルーフ部21の立壁用リップ27の端部と連接したコーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rとの交差付近まで、サイド部11の立壁用リップ17の長さ(脚部からの突出長さ)と等しくなっている。
一方、ルーフ部21の立壁用リップ27の端部と連接したコーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rは、サイド部11の立壁用リップ17の端部と連接したコーナー部31のサイド側の立壁用リップ37Sとの交差付近まで、ルーフ部21の立壁用リップ27の長さ(脚部からの突出長さ)と等しくされている。
【0027】
また、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rにおいて、サイド側の立壁用リップ37Sとの交差側端部371Rが、サイド部11の立壁用リップ17の先端延長線L上の位置よりもルーフ部21寄りに位置する(すなわち、ルーフ部21側へ後退して位置する)。
【0028】
コーナー部31の脚部35において、サイド部11の脚部15の端部に連接したコーナー部31のサイド側の脚部35Sには、開口枠61のコーナー側の立壁62Cと対向する側に、ウインドモール装着時に開口枠61のコーナー側立壁62Cと当接する突起39を有する。突起39の形状は、半球、角柱、柱状、角錐、角錐台等、適宜の形状からなる。
突起39は、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rの交差側端部371Rにおける脚部35のサイド側の面からサイド側のコーナー立壁方向への突出長さとほぼ同じ高さとされる。好ましくは、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rの交差側端部371Rを基準として、-1.5mm~+2.0mm程度の突出が好ましい。
【0029】
ウインドモール10は、
図6及び
図7に示した車体の開口枠61におけるウインドガラス65の外周縁の隙間68に、サイド部11、ルーフ部21およびコーナー部31の脚部15、25、35が挿入されることにより、ウインドガラスの外周縁に装着される。
【0030】
ウインドガラスの外周縁に装着されたウインドモール10は、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rの交差側端部371Rが、サイド部11の立壁用リップ17の先端延長線L上の位置よりもウインドモール10のルーフ部21寄りに位置する(すなわちルーフ部21側へ後退している)ため、コーナー部31が開口枠61のサイド側に接近し過ぎることがあっても、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rにおける交差側端部371Rが、開口枠61のコーナー側の立壁62C(サイド側の立壁62Sのコーナー付近)へ過度に押し付けられたり、立壁によって過度に押し返されたりすることが少なく、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rに捻れや皺を生じ難い。
【0031】
また、ウインドモール10のコーナー部31のサイド側の脚部35Sに形成された突起39が、開口枠61のコーナー側の立壁62C(サイド側の立壁62Sのコーナー付近)に当接して、コーナー31部が開口枠61のサイド側へ接近し過ぎるのを防ぐことができ、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rの交差側端部371Rが、開口枠61のコーナー側の立壁62C(サイド側の立壁62Sのコーナー付近)へ過度に押し付けられたり、立壁62Cによって過度に押し返されたりすることがなくなり、コーナー部31のルーフ側の立壁用リップ37Rにおける捻れや皺の発生を、より効果的に防ぐことができる。
【符号の説明】
【0032】
10 ウインドモール
11 サイド部
13 サイド部の頭部
15 サイド部の脚部
17 サイド部の立壁用リップ
21 ルーフ部
23 ルーフ部の頭部
25 ルーフ部の脚部
27 ルーフ部の立壁用リップ
31 コーナー部
33 コーナー部の頭部
35 コーナー部の脚部
35S コーナー部のサイド側の脚部
37 コーナー部の立壁用リップ
37S コーナー部のサイド側の立壁用リップ
37R コーナー部のルーフ側の立壁用リップ
371R コーナー部のルーフ側の立壁用リップの交差側端部
39 突起
L サイド部の立壁用リップの先端延長線
61 車体の開口枠
62 立壁
63 底壁
65ウインドガラス
65S ウインドガラスのサイド側
65R ウインドガラスのルーフ側
67 接着剤
68 隙間
68S ウインドガラスのサイド側の隙間
68R ウインドガラスのルーフ側の隙間