(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240112BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61B6/00 350A
A61B6/00 350D
G06T1/00 290A
(21)【出願番号】P 2019226806
(22)【出願日】2019-12-16
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川井 正也
【審査官】遠藤 直恵
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-008008(JP,A)
【文献】特開2000-278686(JP,A)
【文献】米国特許第06643405(US,B1)
【文献】特開2004-341865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
G06F 3/01-3/04895
G06T 1/00、11/60-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像において照射野領域が存在するかの判定に基づいて前記画像の回転中心である基準点を決定する基準点決定手段と、
操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点と前記基準点とを接続する基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、前記画像の回転角度を決定する回転角度決定手段と、
前記回転角度に基づいて前記画像の回転処理を行う回転処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記基準点決定手段は、前記画像において前記照射野領域が存在する場合、前記照射野領域の座標情報に基づいて、前記照射野領域の中心を前記基準点として設定することを特徴とする請求項
1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記基準点決定手段は、前記画像において前記照射野領域が存在しない場合、前記画像の座標情報に基づいて、前記画像の中心を前記基準点として設定することを特徴とする請求項
1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理装置であって、
座標情報に基づいて、照射野領域内において前記画像の中心が含まれるか
の判定に基づいて
前記画像の回転中心である基準点を決定する基準点決定手段と、
操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点と前記基準点とを接続する基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、前記画像の回転角度を決定する回転角度決定手段と、
前記回転角度に基づいて前記画像の回転処理を行う回転処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
前記基準点決定手段は、前記照射野領域内において前記画像の中心が含まれる場合、前記画像の中心を前記基準点として設定することを特徴とする請求項
4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記基準点決定手段は、前記照射野領域内において前記画像の中心が含まれない場合、照射野領域の中心を前記基準点として設定することを特徴とする請求項
4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理装置であって、
座標情報に基づいて、
操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点が
照射野領域内に含まれるか
の判定
に基づいて前記画像の回転中心である基準点を決定する基準点決定手段と、
操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点と前記基準点とを接続する基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、前記画像の回転角度を決定する回転角度決定手段と、
前記回転角度に基づいて前記画像の回転処理を行う回転処理手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
前記基準点決定手段は、前記照射野領域内において前記指定点が含まれる場合、照射野領域の中心を前記基準点として設定することを特徴とする請求項
7に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記基準点決定手段は、
前記照射野領域内において前記指定点が含まれない場合に、
座標情報に基づいて取得した、前記画像の中心と前記指定点との間の第1距離と、前記照射野領域の中心と前記指定点との間の第2距離との比較に基づいて、前記基準点の設定を切り替えることを特徴とする請求項
7に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記基準点決定手段は、前記比較に基づいて、前記指定点が前記画像の中心に近いと判定した場合、前記画像の中心を前記基準点として設定することを特徴とする請求項
9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記基準点決定手段は、前記比較に基づいて、前記指定点が前記照射野領域の中心に近いと判定した場合、前記照射野領域の中心を前記基準点として設定することを特徴とする請求項
9に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記回転角度決定手段は、前記基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される複数の角度の絶対値のうち、小さい角度を前記回転角度として決定することを特徴とする請求項1乃至
11のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記回転処理手段で回転処理された画像を表示手段に表示するために表示処理を行う表示処理手段を更に備え、
前記表示処理手段は、前記回転処理された画像の基準点を、前記表示手段の中央に表示するように表示制御を行うことを特徴とする請求項1乃至
12のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記表示処理手段は、前記回転処理された画像の全体が前記表示手段の表示領域に収まるように前記画像の縮小倍率を算出し、算出した縮小倍率に基づいて前記画像を縮小表示するように表示制御を行う
ことを特徴とする請求項
13に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記基準点を通る線は、前記画像の面内において前記基準点を通り、鉛直方向に延びる垂線であることを特徴とする請求項1乃至
14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項16】
放射線を撮像する放射線撮像装置と、
前記放射線撮像装置と通信可能に接続された、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像処理装置と、を備える画像処理システム。
【請求項17】
放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理装置における画像処理方法であって、
基準点決定手段が、
前記画像において照射野領域が存在するかの判定に基づいて前記画像の回転中心である基準点を決定する工程と、
回転角度決定手段が、
操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点と前記基準点とを接続する基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、前記画像の回転角度を決定する工程と、
回転処理手段が、前記回転角度に基づいて前記画像の回転処理を行う工程と、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項18】
放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理装置における画像処理方法であって、
基準点決定手段が、座標情報に基づいて、照射野領域内において前記画像の中心が含まれるかの判定に基づいて前記画像の回転中心である基準点を決定する工程と、
回転角度決定手段が、操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点と前記基準点とを接続する基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、前記画像の回転角度を決定する工程と、
回転処理手段が、前記回転角度に基づいて前記画像の回転処理を行う工程と、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項19】
放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理装置における画像処理方法であって、
基準点決定手段が、座標情報に基づいて、操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点が照射野領域内に含まれるかの判定に基づいて前記画像の回転中心である基準点を決定する工程と、
回転角度決定手段が、操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点と前記基準点とを接続する基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、前記画像の回転角度を決定する工程と、
回転処理手段が、前記回転角度に基づいて前記画像の回転処理を行う工程と、を有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項20】
コンピュータに、請求項
17乃至19
のいずれか1項に記載の画像処理方法の各工程を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像を処理する画像処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線検出器のサイズや被写体のポジショニング等の問題で、放射線検出器に対して被写体が斜めに撮影されることがある。その場合、画像診断時に被写体が、例えば画像中の水平方向あるいは垂直方向に真っ直ぐとなるように画像を回転して表示装置に表示させる。特許文献1には入力デバイスを用いてボタンを押下することで画像の回転操作を行う方法が記載されている。
【0003】
また、特許文献2にはタッチパネルに対して、指またはタッチペンを用いたフリック操作により画像の回転操作を行う方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-072725号公報
【文献】特開2014-052817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2の技術では、操作者は、画像を確認しながら、ドラッグやボタン押下などの入力デバイスの操作をすることによって回転操作を行う必要があるため、画像を目的の回転角度に合わせるための操作負担が増加し得る。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、操作者の負担を低減することが可能な画像処理技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために、本発明の一態様による画像処理装置は、放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理装置であって、
前記画像において照射野領域が存在するかの判定に基づいて前記画像の回転中心である基準点を決定する基準点決定手段と、
操作者による操作に応じて指定された前記画像における任意の指定点と前記基準点とを接続する基準線と、前記基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、前記画像の回転角度を決定する回転角度決定手段と、
前記回転角度に基づいて前記画像の回転処理を行う回転処理手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来よりも少ない操作で所望の回転角度に画像を回転することができ、操作者の負担を低減することが可能な画像処理技術を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付図面は明細書に含まれ、その一部を構成し、本発明の実施形態を示し、その記述と共に本発明の原理を説明するために用いられる。
【
図1】第1実施形態の放射線撮影システムの構成例を示す図。
【
図2】第1実施形態の撮影処理の流れを説明する図。
【
図3】第1実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明する図。
【
図4】第1実施形態における回転角度決定部の処理を説明する図。
【
図5】第1実施形態における画像回転に関する画像処理を実施する前の画像を表示した表示部の模式図。
【
図6】第1実施形態における画像回転に関する画像処理を行った後の画像を表示した表示部の模式図。
【
図7】第2実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明する図。
【
図8】第2実施形態における画像回転に関する画像処理を実施する前の画像を表示した表示部の模式図。
【
図9】第2実施形態における画像回転に関する画像処理を行った後の画像を表示した表示部の模式図。
【
図10】第3実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明する図。
【
図11】第3実施形態における画像回転に関する画像処理を実施する前の画像を表示した表示部の模式図。
【
図12】第3実施形態における画像回転に関する画像処理を行った後の画像を表示した表示部の模式図。
【
図13】第4実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明する図。
【
図14】第5実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。以下の実施形態及び特許請求の範囲において、放射線は、X線の他、α線、β線、γ線、及び各種粒子線なども含む。
【0011】
[第1実施形態]
(放射線撮影システムの構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る放射線撮影システムの構成を示す図である。放射線撮影システム10は、制御装置100、放射線検出装置110、操作部120、RIS130(放射線科情報システム)、PACS131(医療用画像管理システム)、出力部132(PRINTER)、表示部140、及び放射線発生装置150を備えている。
【0012】
放射線検出装置110は、放射線発生装置150から照射され、被検者(図示しない)を通過した放射線を検出し、放射線に応じた画像データを出力する。なお、画像データを、医用画像、または放射線画像と言い換えることもできる。放射線検出装置110は、被検者を透過した放射線を、透過放射線量に相当する電荷として検出する。
【0013】
放射線を電荷に変換する構成として、例えば、放射線検出装置110には、放射線を電荷に変換するa-Seなどの放射線を直接的に電荷に変換する直接変換型センサや、放射線を可視光に変換するCsIなどのシンチレータとa-Siなどの光電変換素子を用いた間接型センサが用いられる。さらに、放射線検出装置110は、検出されたアナログデータの電荷をA/D変換することにより、デジタルデータの画像データを生成し、制御装置100へ出力する。
【0014】
制御装置100は、検査オーダ(検査情報)を入力するRIS130、放射線画像を管理するPACS131、出力部132(PRINTER)、表示部140と接続されており、放射線検出装置110と放射線発生装置150を用いた放射線撮影を制御することが可能である。制御装置100は、例えば、有線または無線のネットワーク、もしくは専用線を介して、放射線発生装置150、放射線検出装置110と接続されている。放射線検出装置110は、放射線発生装置150で発生した放射線に基づく画像データを生成し、生成した画像データを制御装置100に出力する。
【0015】
制御装置100は操作部120と接続されており、操作部120から入力された操作者からの指示を受け付ける。制御装置100は、操作部120から入力された指示に基づいて画像処理部102を制御することが可能であり、画像処理部102は放射線検出装置110から出力された画像データに対して画像処理を行ない、制御装置100は、画像処理された画像を表示部140に表示する。制御装置100は、放射線検出装置110の動作を制御しつつ、表示部140へ画像を出力したり、表示部140を用いたグラフィカルユーザインターフェースを提供する表示制御を行うことが可能である。
【0016】
制御装置100は、1つ以上のプロセッサとメモリを有し、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、以下に説明する各部の機能構成を実現する。但し、各部の機能構成は、同様の機能を果たすのであれば、各部の一部、あるいはすべてが、専用の集積回路などのハードウエアにより実現されてもよい。
【0017】
制御装置100は、放射線発生装置150と放射線検出装置110を連携させながら放射線撮影システム10を制御する。制御装置100は、機能構成として、画像取得部101、画像処理部102、検査情報入力部103、出力処理部108を有している。また、画像処理部102は、放射線検出装置110から出力された画像データに対して画像処理を行う構成として、基準点決定部104、回転角度決定部105及び回転処理部106を有している。また、画像処理部102は、機能構成として、画像処理された画像を表示部140に表示するために表示処理を行う表示処理部107を有している。
【0018】
画像取得部101は、放射線検出装置110から画像データを取得する。
【0019】
検査情報入力部103は、操作者が操作部120から手動入力した検査情報の入力を受け付ける。また、検査情報入力部103は、RIS130から取得した検査情報について、操作部120からの選択を受け付ける。検査情報入力部103は、複数の検査情報のうち、いずれか1つを操作者が操作部120を介して選択する操作入力に応じて、選択された検査情報に基づいて撮影対象を設定する。
【0020】
放射線撮影により取得した画像を処理する画像処理部102は、放射線検出装置110から取得した画像データに対して、ノイズ除去などの画像処理を行う。また、画像処理部102は、放射線検出装置110から取得した画像データに対して、トリミングや回転といった画像処理を行なうことも可能である。
【0021】
第1実施形態の特徴的な構成として、画像処理部102は、操作部120から入力された1回の操作で任意の角度に画像を回転させる処理機能を有する。画像処理部102は、画像を回転させる処理機能を実現する機能構成として、画像の回転中心である基準点を決定する基準点決定部104と、回転角度を決定する回転角度決定部105と、決定した回転角度に基づいて画像の回転処理を行う回転処理部106と、回転処理部106で回転処理された画像を表示部140に表示するために表示処理を行う表示処理部107を有する。各部の具体的な処理については、後に説明する。
【0022】
出力処理部108は、画像処理部102から出力される画像処理済の画像をDICOM形式に変換してPACS131や出力部132(PRINTER)に出力する。
【0023】
(撮影処理の流れ)
次に、第1実施形態にかかる放射線撮影システム10による撮影処理の流れを説明する。
図2は撮影処理の流れを説明するフローチャートである。ステップS201において、検査情報入力部103は、検査情報を入力する方法としてRIS130から受信した検査情報を用いるか、操作者が操作部120から検査情報を手動入力するかを選択し、選択した方法で検査情報を入力する。検査情報を入力する方法として、検査情報入力部103が後者の手動入力する方法を選択した場合、検査情報の入力後、処理はステップS203へ移行する。一方、検査情報入力部103が前者のRIS130から受信した検査情報を用いる入力方法を選択した場合、処理はステップS202に移行する。
【0024】
ステップS202において、検査情報入力部103は、RIS130から受信した検査情報のうち1つを検査対象として選択して設定する。検査情報入力部103は、例えば、リスト形式で表示された複数の検査情報のうち、いずれか1つを操作者が操作部120を介して選択する操作入力に応じて、選択された検査情報に基づいて撮影対象を設定する。
【0025】
ステップS203において、制御装置100の制御に基づいて検査が開始する。S201で手動入力された検査情報またはS202で選択された検査情報に基づいて設定された撮影対象を撮影するために、制御装置100は放射線検出装置110に対して、準備状態へと遷移させるための信号を送信する。
【0026】
放射線検出装置110は、制御装置100から送信された信号に基づいて、2次元撮像素子にバイアス電圧が印加されていない場合には、主制御回路によりバイアス電源を制御し、2次元撮像素子にバイアス電圧を印加する。その後、画素に蓄積した暗電流信号を読み出すため、駆動回路により画素アレイから画像信号を読み出す初期化を行う。初期化の終了後、放射線検出装置110は、放射線画像を撮影するための準備が整った状態(撮影可能状態)であることを示す状態情報を制御装置100に送信する。放射線検出装置110の状態が撮影可能状態になることにより、放射線検出装置110における放射線画像の撮影が可能になる。
【0027】
ステップS204において、制御装置100は、放射線発生装置150と放射線検出装置110を連携させて、放射線画像の撮影を行う。放射線検出装置110の駆動回路は照射された放射線を検出して得られた画像信号を読出し回路により読み出し、画像データを生成する。その後、放射線検出装置110は制御装置100へ画像データを送信する。制御装置100の画像取得部101は放射線検出装置110から送信された画像データを取得する。
【0028】
ステップS205において、制御装置100の画像処理部102は、画像取得部101で取得した画像に対して、ノイズ除去などの診断画像処理を実行し、処理した画像を表示部140に表示する。
【0029】
ステップS206において、画像処理部102は、診断画像処理の調整や、S205で表示された被写体の画像において撮影対象が真っ直ぐ表示されるように画像を回転させて表示する画像回転に関する画像処理を行う。
【0030】
本ステップでは、画像処理部102は、操作部120から画像上の任意の点の指定を受け付ける。そして、画像処理部102は、指定された点と、画像の回転中心である基準点とを接続する線を基準線として設定する。画像処理部102は、設定した基準線と、画像の面内において基準点を通る線との間に形成される角度に基づいて、画像の回転角度を決定し、決定した回転角度に基づいて画像を回転させる。
【0031】
ここで、基準点を通る線には、画像の面内において基準点を通り、鉛直方向に延びる垂線が含まれる。以下に説明する画像回転に関する画像処理では、基準点を通る線として、垂線の例を説明しているが、この例に限定されず、基準点を通る線は、画像の面内において基準点を通り、水平方向に延びる線(水平線)であってもよい。また、操作部120からの入力により、基準点を通る線の設定を、垂線または水平線に切り替えて、回転角度決定部105は回転角度を算出することも可能である。
【0032】
表示部140は、制御装置100の表示制御に基づいて、操作部120から画像上の任意の点の指定を受け付けるグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供することが可能である。そして、画像処理部102は、決定した回転角度に基づいて回転させた画像を表示部140に表示する。画像処理部102の各部における具体的な処理は
図3及び
図4を用いて説明する。
【0033】
ステップS207において、操作者の入力操作により検査を終了する。検査終了のタイミングで、出力処理部108は、画像処理部102から出力される画像処理済の画像をDICOM形式に変換し、変換した画像を、外部装置であるPACS131や出力部132(PRINTER)に出力する。
【0034】
(画像処理部102の処理)
次に、画像処理部102の機能構成である、基準点決定部104、回転角度決定部105、回転処理部106及び表示処理部107の処理内容を説明する。
図3は画像処理部102による画像回転に関する画像処理の流れを説明するフローチャートであり、
図4は、回転角度決定部105の処理を説明する図である。
【0035】
ステップS301において、操作者は、表示部140に表示された画像に対して、操作部120を介して任意の点(以下、「指定点」という)を指定する。基準点決定部104は、操作者より指示された任意の指定点を、操作部120を介して取得する。
【0036】
ステップS302において、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)の中心として決定する。本ステップで、基準点決定部104は、画像(撮影画像)の座標情報に基づいて、画像の中心を基準点として設定する。
【0037】
ステップS303において、回転角度決定部105は、
図4に示すように、操作者から指定された指定点401と基準点402とを接続する基準線403を生成する。この時の指定点401と基準点402の画素の基準となる座標系は画像座標系であり、画像の左上を画像座標系の原点(0,0)とする。基準点決定部104、回転角度決定部105回転処理部106および表示処理部107は、画像座標系に基づいた座標情報に基づいて処理を行うことが可能である。
【0038】
ステップS304において、回転角度決定部105は、指定点401と基準点402とを接続する基準線403と、基準点402を通る線との間に形成される角度に基づいて、画像の回転角度を決定する。
図4では、基準点402を通る線の一例として、画像の面内において、鉛直方向に延びる垂線404の例を示している。回転角度決定部105は、画像の面内において、基準点402を通り、鉛直方向に延びる線(垂線404)を設定する。
【0039】
そして、回転角度決定部105は、基準線403と、基準点を通る線(垂線404)との間に形成される複数の角度の絶対値のうち、小さい角度を回転角度として決定する。
図4の例では、回転角度決定部105は、基準線403と、基準点を通る線(垂線404)との間に形成される2つの角度の絶対値(
図4に示すα、β)を比較し、2つの角度のうち絶対値の小さい角度(α)405を、基準線403の傾き角度として決定する(
図4の場合は指定点401から反時計周りの角度であるため回転角度はマイナス値となる)。
【0040】
ステップS305において、回転角度決定部105は、ステップS304で決定された傾き角度を、画像を回転させる回転角度として決定する。
【0041】
ステップS306において、回転処理部106は、回転角度決定部105により決定された回転角度に基づいて、基準点を回転中心として画像を回転させる回転処理を行う。
【0042】
ステップS307において、表示処理部107は、回転処理部106で回転処理された画像を表示部140に表示するために表示処理を行う。表示処理部107は、回転処理された画像の基準点402を、表示部140の中央に表示するように表示制御を行う。表示処理部107は、表示部140の表示領域に関する座標情報を取得して、表示部140の表示領域の中央の座標位置に基準点402の座標位置を合わせて、回転処理された画像を表示するように表示制御を行う。
【0043】
図5は、画像回転に関する画像処理を実施する前の画像を表示した表示部140の模式図である。表示部140の領域501には検査中の患者名を表示する領域が配置されている。また、領域502には検査中の検査IDを表示する領域が配置されている。部位情報ボタン503には、撮影予定または撮影済の部位と、撮影に使用する放射線検出装置(センサ)を特定するための情報とが表示される。
【0044】
画像の回転処理を指示する回転ボタン504により回転処理の実行を選択することが可能である。
図5では、回転ボタン504は網掛け表示されており、回転処理が選択された選択状態であることを示している。また、表示部140には、検査を一時中断する検査保留ボタン505、検査を終了する検査終了ボタン506が配置されている。
【0045】
表示領域507上に、撮影画像の領域である撮影画像領域508と、撮影画像における照射野領域509が表示されている。マウスポインター510は操作部120を介して任意の点を指定している状態を示している。マウスポインター510を任意の位置に移動させて、操作部120から位置を指定する操作が入力されると、指定された位置が指定点として設定される。
【0046】
第1実施形態では、画像の回転中心である基準点は、画像(撮影画像の領域である撮影画像領域508)の中心として決定され、回転処理部106は、この基準点を中心として回転処理を実行する。
【0047】
図6は、回転処理を行った後の画像を表示した表示部140の模式図である。回転処理を指示する回転ボタン601は回転処理後であるため非選択状態となっている。回転ボタン601の表示は、
図5の回転ボタン504の網掛け表示から白抜き表示に戻される。
【0048】
回転処理部106の回転処理により、撮影した画像領域である撮影画像領域602は画像の中心(基準点)で回転され、表示処理部107は、画像の中心(基準点)を表示部140の中央に表示するように表示制御を行う。表示処理部107は、撮影画像領域602の全体(回転処理された画像の全体)が表示部140の表示領域に収まるように撮影画像領域602の縮小倍率を算出し、算出した縮小倍率に基づいて撮影画像領域602を縮小表示するように表示制御を行う。
【0049】
本実施形態によれば、1回の操作部120の操作により、指定点を指定することにより、画像の回転処理及び回転処理後の画像の表示制御を行うことができ、マウス等の入力デバイスを使用して何度もボタンをクリックするなどの煩わしい操作を行わずに迅速に所望の角度とすることができ、画像確認をする上で視認性の向上をすることが可能となる。
【0050】
1回の操作で所望の回転角度に画像を回転することができ、操作者の負担を低減することが可能な画像処理技術を提供することが可能になる。
【0051】
また、被写体の撮影部位が画像の中心から大きく外れている場合であっても、表示部140の中央に合わせて回転処理した画像を表示することで、表示画像における視認性の向上を図ることが可能な画像処理技術を提供することができる。
【0052】
[第2実施形態]
第2実施形態では、基準点を画像の中心ではなく、照射野領域の中心とした構成について説明する。放射線撮影システム10の構成は第1実施形態の構成と同様であり、第1実施形態と重複する部分については、説明を省略し、異なる部分を中心として説明する。
【0053】
図7は、第2実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明するフローチャートである。
図7のフローチャートにおいて、ステップS301、S303~S307の処理内容は
図3のフローチャートと同様の処理内容であり、基準点の設定方法(S701)が異なる点で、
図3のフローチャートと相違する。
図7のステップS701において、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)における照射野領域の中心として決定する。本ステップで、基準点決定部104は、画像(撮影画像)における照射野領域の座標情報に基づいて、照射野領域の中心を基準点として設定する。
【0054】
図8は、画像回転に関する画像処理を実施する前の画像を表示した表示部140の模式図である。画像の回転処理を指示する回転ボタン801は回転処理が選択された選択状態になっている。
【0055】
表示領域807上に、撮影画像の領域である撮影画像領域802と、撮影画像における照射野領域803が表示されている。照射野領域803に含まれる撮影対象808は撮影画像領域802の中心から外れた状態で表示されている。マウスポインター804は操作部120を介して任意の点を指定している状態を示している。第2実施形態では、画像の回転中心である基準点は、照射野領域803の中心として決定され、回転処理部106は、この基準点を中心として回転処理を実行する。
【0056】
図9は、回転処理を行った後の画像を表示した表示部140の模式図である。回転処理を指示する回転ボタン902は回転処理後であるため非選択状態となっている。回転ボタン902の表示は、
図8の回転ボタン801の網掛け表示から白抜き表示に戻される。
【0057】
回転処理部106の回転処理により、撮影した画像領域である撮影画像領域901は照射野領域803の中心(基準点)で回転され、制御装置100は、照射野領域803の中心(基準点)を表示部140の中央に表示するように表示制御を行う。制御装置100は、撮影画像領域901の全体(回転処理された画像の全体)が表示部140に収まるように撮影画像領域901の縮小倍率を算出し、算出した縮小倍率に基づいて撮影画像領域901を縮小表示するように表示制御を行う。
【0058】
第2実施形態によれば1回の操作で所望の回転角度に画像を回転することができ、操作者の負担を低減することが可能な画像処理技術を提供することが可能になる。また、被写体の撮影部位が画像の中心から大きく外れている場合であっても、表示部140の中央に合わせて回転処理した画像を表示することで、表示画像における視認性の向上を図ることが可能な画像処理技術を提供することができる。
【0059】
[第3実施形態]
第3実施形態では、照射野領域が画像(撮影画像)の全体となる場合や、照射野領域の認識に失敗した場合に、基準点を画像の中心として設定する構成について説明する。放射線撮影システム10の構成は第1実施形態の構成と同様であり、第1実施形態と重複する部分については、説明を省略し、異なる部分を中心として説明する。
【0060】
図10は、第3実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明するフローチャートである。
図10のフローチャートにおいて、ステップS301~S307の処理内容は
図3のフローチャートと同様の処理内容であり、ステップS701の処理内容は
図7のフローチャートと同様の処理内容である。
【0061】
図10のフローチャートでは、S1001の判定処理が新たに追加されており、基準点決定部104は、画像において照射野領域が存在するか否かを判定し(S1001)、判定に基づいて基準点の設定を切り替える(S302、S701)。
【0062】
ステップS1001において、基準点決定部104は、撮影した画像において照射野領域が部分的な領域として存在するか否かを判定する。照射野領域が画像(撮影画像)の全体となる場合や、画像(撮影画像)における照射野領域の認識(取得)に失敗した場合に、基準点決定部104は、撮影した画像において照射野領域が存在しないと判定し(S1001-Yes)、処理をステップS302に進める。
【0063】
この場合、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)の中心として決定する(S302)。基準点決定部104は、画像において照射野領域が存在しない場合、画像(撮影画像)の座標情報に基づいて、画像の中心を基準点として設定する。
【0064】
一方、ステップS1001の判定で、基準点決定部104は、撮影した画像において照射野領域が部分的な領域として存在すると判定した場合、(S1001-No)、処理をステップS701に進める。
【0065】
この場合、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)における照射野領域の中心として決定する(S701)。基準点決定部104は、画像において照射野領域が存在する場合、照射野領域の座標情報に基づいて、照射野領域の中心を基準点として設定する。
【0066】
図11は、画像回転に関する画像処理を実施する前の画像を表示した表示部140の模式図である。
図11では、撮影画像の領域である撮影画像領域1101が存在するが、照射野領域の認識に失敗したため、撮影画像領域1101において、照射野領域は存在していない状態が表示されている。マウスポインター1102は操作部120を介して任意の点を指定している状態を示している。画像の回転処理を指示する回転ボタン1103は回転処理が選択された選択状態になっている。
【0067】
図11に示す表示例では、基準点決定部104の判定処理により、照射野領域が存在しないと判定されているため(S1001-Yes)、画像の回転中心である基準点は、画像(撮影画像の領域である撮影画像領域1101)の中心として決定され、回転処理部106は、この基準点を中心として回転処理を実行する(S302)。
【0068】
図12は、回転処理を行った後の画像を表示した表示部140の模式図である。回転処理を指示する回転ボタン1202は回転処理後であるため非選択状態となっている。回転ボタン1202の表示は、
図11の回転ボタン1103の網掛け表示から白抜き表示に戻される。
【0069】
回転処理部106の回転処理により、撮影した画像領域である撮影画像領域1201は画像の中心(基準点)で回転され、表示処理部107は、画像の中心(基準点)を表示部140の中央に表示するように表示制御を行う。表示処理部107は、撮影画像領域1201の全体(回転処理された画像の全体)が表示部140に収まるように撮影画像領域1201の縮小倍率を算出し、算出した縮小倍率に基づいて撮影画像領域1201を縮小表示するように表示制御を行う。
【0070】
第3実施形態によれば、撮影した画像において照射野領域が部分的な領域として存在するか否かを判定し、判定結果に応じて、基準点の設定を切り替えることができる。これにより、様々な画像に対応して画像回転に関する画像処理を適用することが可能となり、1回の操作で所望の回転角度に画像を回転することができ、操作者の負担を低減することが可能な画像処理技術を提供することが可能になる。また、被写体の撮影部位が画像の中心から大きく外れている場合であっても、表示部140の中央に合わせて回転処理した画像を表示することで、表示画像における視認性の向上を図ることが可能な画像処理技術を提供することができる。
【0071】
[第4実施形態]
第4実施形態では、照射野領域内に画像の中心が含まれる場合に、基準点を画像の中心として設定する構成について説明する。放射線撮影システム10の構成は第1実施形態の構成と同様であり、第1実施形態と重複する部分については、説明を省略し、異なる部分を中心として説明する。
【0072】
図13は、第4実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明するフローチャートである。
図13のフローチャートにおいて、ステップS301~S307の処理内容は
図3のフローチャートと同様の処理内容であり、ステップS701の処理内容は
図7のフローチャートと同様の処理内容である。
【0073】
図13のフローチャートでは、S1301の判定処理が新たに追加されており、前基準点決定部104は、座標情報に基づいて、照射野領域内において前記画像の中心が含まれるか否かを判定し(S1301)、判定に基づいて基準点の設定を切り替える(S302、S701)。
【0074】
ステップS1301において、基準点決定部104は、照射野領域内に画像の中心が含まれるか否かを判定する。基準点決定部104は、画像(撮影画像)の中心の座標情報が、撮影した画像の照射野領域内に含まれるか否かを、座標情報の比較に基づいて判定する。基準点決定部104は、撮影した画像の照射野領域内に画像の中心が含まれると判定した場合(S1301-Yes)、処理をステップS302に進める。
【0075】
照射野領域内に画像の中心が含まれる場合は、操作者が確認しようとする被写体の撮影対象が画像の中心に近い位置に存在する可能性が高いため、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)の中心として決定する(S302)。
【0076】
一方、ステップS1301の判定で、基準点決定部104は、撮影した画像の照射野領域内に画像の中心が含まれないと判定した場合(S1302-No)、すなわち、基準点決定部104は、照射野領域から離間した位置に画像の中心が存在すると判定した場合、処理をステップS701に進める。
【0077】
この場合、操作者が確認しようとする被写体の撮影対象が画像の中心から離れて存在する可能性が高いため、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)における照射野領域の中心として決定する(S701)。
【0078】
第4実施形態によれば、上記の各実施形態の効果に加えて、撮影した画像の中心と照射野領域との相対的な位置関係として、照射野領域内に画像の中心が含まれる否かを判定し、判定結果に応じて、基準点の設定を切り替えることができる。
【0079】
操作者が確認したい被写体の撮影対象の画像に対して、画像回転に関する画像処理を適用することが可能となり、判定結果に応じて設定した基準点を中心とした画像表示を行うことが可能になる。
【0080】
[第5実施形態]
第5実施形態では、操作者が指定した指定点の位置情報に基づいて基準点を決定する構成について説明する。放射線撮影システム10の構成は第1実施形態の構成と同様であり、第1実施形態と重複する部分については、説明を省略し、異なる部分を中心として説明する。
【0081】
図14は第5実施形態の画像回転に関する画像処理の流れを説明するフローチャートである。
図14のフローチャートにおいて、ステップS301~S307の処理内容は
図3のフローチャートと同様の処理内容であり、ステップS701の処理内容は
図7のフローチャートと同様の処理内容である。
【0082】
図14のフローチャートでは、S1401及びS1402の判定処理が新たに追加されており、S1401及びS1402の判定結果に応じて、基準点の設定が切り替えられる(S302、S701)。
【0083】
ステップS1401において、基準点決定部104は、前ステップS301において、操作者から指定された指定点が照射野領域に含まれるか否かを判定する。基準点決定部104は、座標情報に基づいて、照射野領域内において指定点が含まれるか否かを判定する。すなわち、基準点決定部104は、照射野領域の座標情報と、指定点の座標情報との比較に基づいて、指定点が照射野領域に含まれるか否かを判定する。
【0084】
基準点決定部104は、撮影した画像の照射野領域内に指定点が含まれると判定した場合(S1401-Yes)、処理をステップS701に進める。
【0085】
この場合、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)における照射野領域の中心として決定する(S701)。
【0086】
一方、ステップS1401の判定で、基準点決定部104は、撮影した画像の照射野領域内に指定点が含まれないと判定した場合(S1401-No)、処理をステップS1402に進める。
【0087】
ステップS1402において、基準点決定部104は、指定点が、撮影した画像の中心と、照射野領域の中心とのうち、どちらに近いかを判定する。
【0088】
基準点決定部104は、照射野領域内において前記指定点が含まれない場合に(S1401-No)、画像の中心の座標情報と、指定点の座標情報とに基づいて取得した、画像の中心と指定点との間の距離(第1距離)と、照射野領域の中心の座標情報と、指定点の座標情報とに基づいて取得した、照射野領域の中心と指定点との間の距離(第2距離)との比較に基づいて、基準点の設定を切り替える。
【0089】
本ステップでは、まず、基準点決定部104は、画像の座標情報に基づいて取得した画像の中心の座標情報と、指定点の座標情報とに基づいて、画像の中心と指定点との間の距離(第1距離)を取得する。
【0090】
次に、基準点決定部104は、照射野領域の座標情報に基づいて取得した照射野領域の中心の座標情報と、指定点の座標情報とに基づいて、照射野領域の中心と指定点との間の距離(第2距離)を取得する。基準点決定部104は、取得した距離(第1距離、第2距離)を比較して、指定点が、撮影した画像の中心と、照射野領域の中心とのうち、どちらに近いかを判定する。
【0091】
ステップS1402の比較処理により、画像の中心と指定点との間の距離(第1距離)が、照射野領域の中心と指定点との間の距離(第2距離)に比べて短い距離である場合、基準点決定部104は、指定点は画像の中心に近いと判定し(S1402-Yes)、処理をステップS302に進める。
【0092】
この場合、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)の中心として決定する(S302)。
【0093】
一方、ステップS1402の比較処理により、画像の中心と指定点との間の距離(第1距離)が、照射野領域の中心と指定点との間の距離(第2距離)以上である場合、基準点決定部104は、指定点は照射野領域の中心に近いと判定し(S1402-No)、処理をステップS701に進める。この場合、S1401-Yesの判定結果の場合と同様に、基準点決定部104は、画像の回転中心である基準点を、画像(撮影画像)における照射野領域の中心として決定する(S701)。
【0094】
第5実施形態によれば、上記の各実施形態の効果に加えて、操作者が指定した指定点の位置に基づいて、基準点の設定を動的に切り替えることができ、操作者が事前に設定など行う必要がなくなり、操作者の負担を低減することが可能になる。
【0095】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0096】
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0097】
100 制御装置
101 画像取得部
102 画像処理部
104 基準点決定部
105 回転角度決定部
106 回転処理部
107 表示処理部
108 出力処理部
110 放射線検出器
120 操作部
130 RIS(放射線科情報システム)
131 PACS(医療用画像管理システム)
132 出力部(PRINTER)
140 表示部