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特許7418213分析物および患者データを使用して慢性疾病を管理するためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】分析物および患者データを使用して慢性疾病を管理するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20240112BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20240112BHJP
   G16H 50/30 20180101ALI20240112BHJP
   A61B 5/145 20060101ALI20240112BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20240112BHJP
【FI】
G16H10/40
G16H10/60
G16H50/30
A61B5/145
G16H20/00
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2019555853
(86)(22)【出願日】2018-04-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 US2018027630
(87)【国際公開番号】W WO2018191700
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】62/485,362
(32)【優先日】2017-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507406873
【氏名又は名称】インテュイティ メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】エモリー ブイ アンダーソン ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ロビン スザンヌ ガフニー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エフ トマスコ
(72)【発明者】
【氏名】ラウル エスクティア
(72)【発明者】
【氏名】ポール ディー レイノルズ
【審査官】玉木 宏治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0012510(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0029931(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164349(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
A61B 5/145
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の慢性状態をモニタリングする方法であって、
分析物測定デバイスにより生成された分析物データ、および患者測定デバイスにより生成された患者データを受信することと、
プロセッサおよびメモリを含むコンピューティングデバイスを使用して、前記患者データに対して前記分析物データを分析することによって1つ以上のデータ傾向を生成することと、
前記データ傾向のうちの1つ以上に応答して、前記分析物測定デバイスおよび前記コンピューティングデバイスのうちの1つ以上のデバイス設定を修正することと、を含み、
前記1つ以上のデータ傾向を生成することは、前記分析物データの少なくとも一部と、所定の閾値に対する患者活動及び労作レベルの組み合わせの比較とに基づいて低血糖事象のリスクを推定することを含む、方法。
【請求項2】
前記データ傾向のうちの1つ以上に応答して、患者行動を修正するための少なくとも1つのプロンプトを出力することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロンプトが、検査、食事、および運動療法のうちの1つ以上を遵守するための奨励を含み得る、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記データ傾向のうちの1つ以上に応答して、前記デバイス設定を修正するための少なくとも1つのプロンプトを出力することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
所定の期間に前記デバイス設定を修正するための1組のプロンプトを出力することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記デバイス設定を修正することが、患者通知の頻度、タイミング、および内容のうちの1つ以上を修正することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記患者の前記1つ以上のデータ傾向の特性に基づいて、1組の1つ以上の所定の連絡先に通知することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記1組の1つ以上の所定の連絡先が、医療専門家、患者のパートナー、家族メンバ、および支援グループのうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、前記患者の状態を前記1組の所定の連絡先に通知することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記データ傾向のうちの1つ以上が改善中の健康状態であることに応答して、前記患者の状態を前記1組の所定の連絡先に通知することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、医療専門家の処置が緊急であることを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、前記コンピューティングデバイスを使用して、前記患者と医療専門家との間の診察を予約することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記データ傾向のうちの1つ以上に応答して、医療専門家デバイス設定を修正するための少なくとも1つのプロンプトを出力することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、前記コンピューティングデバイスと医療専門家デバイスとの間に通信チャネルを確立することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記医療専門家デバイスで前記分析物データ、前記患者データ、および前記1つ以上のデータ傾向を受信することと、医療プロバイダデバイスで患者の行動および前記デバイス設定を修正するためのプロンプトを出力することと、をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記通信チャネルを使用して、前記医療専門家デバイスから前記コンピューティングデバイスへの提案を含む少なくとも1つのプロンプトを送信することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記分析物測定デバイスが、血中グルコースモニタを含み、前記患者測定デバイスが、活動追跡装置、心拍数モニタ、血圧モニタ、体重計、A1cモニタ、およびコレステロールモニタのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記分析物データが、血中グルコースデータおよび血中グルコース検査履歴を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記患者データが、活動データ、栄養データ、薬物データ、水分データ、睡眠データ、血圧データ、心拍数データ、コレステロールデータ、A1cデータ、体重データ、地理的位置データ、精神衛生データ、および患者データのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記1つ以上のデータ傾向を生成することが、前記分析物データおよび前記患者データの時刻同期および範囲正規化のうちの1つ以上を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記1つ以上のデータ傾向を生成することが、前記分析物データおよび前記患者データの少なくとも一部に基づいて、健康指標を生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記健康指標が、次式によって管理され、
Ws=100-a(s.d(30日間にわたるグルコース))-b(|目標グルコース-
平均値(30日間にわたるグルコース)|)-
c(30日間にわたる低血糖測定値の数)-
d(30日間にわたる高血糖測定値の数)+
e(目標範囲内の測定値のパーセント-60パーセント)+
f(30日間にわたるグルコース測定回数)+

n(従前365日にわたる医師診察の回数)+
p(従前365日にわたる視力検査の回数)+
q(従前365日にわたる糖尿病足の検査の回数)、
ここで、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、p、およびqは、倍率であり、s.d.は、標準偏差であり、BMIは、肥満度指数である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの所定の閾値に対して、前記分析物データの血中グルコースデータのうちの少なくとも1つと前記患者データの活動データとの間の比較に基づいて、高リスク状態を判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上のデータ傾向を生成することが、前記分析物データおよび前記患者データのうちの少なくとも一方の少なくとも一部に基づいて、低血糖事象のリスクを推定することを含み、前記分析物データが、血中グルコースデータを含み、前記患者データが、活動データおよび栄養データのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記低血糖事象の前記リスクが、次式によって管理され、
【数1】
、ここで、AvgGluは、従前90日間にわたる平均血中グルコース値であり、Current Glucoseは、現在の血中グルコース値であり、Actは、所定の時間間隔にわたる患者活動の分数であり、Exeは、心拍数に基づく労作レベルであり、Carbsは、従前90分内に摂取された糖質のグラム数である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記低血糖事象の前記リスクが、次式によって管理され、
Glu<150mg/DLであり、かつAct*Exe>200であり、ここで、Gluは、現在の血中グルコース値であり、Actは、所定の時間間隔にわたる患者活動の分数であり、Exeは、心拍数に基づく労作レベルである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記データ傾向のうちの1つ以上に応答して、患者クエリを受信することと、患者の行動およびデバイス設定のうちの少なくとも1つを修正するための少なくとも1つのプロンプトを出力することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
所定の間隔で前記分析物測定デバイスから前記コンピューティングデバイスに前記分析物データを転送することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記コンピューティングデバイスを使用して、前記1つ以上のデータ傾向を出力することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
デバイスであって、
分析物測定デバイスにより生成された分析物データ、および患者測定デバイスにより生成された患者データを受信するように構成された送受信機と、
前記送受信機に結合されたコントローラと、を備え、前記コントローラが、プロセッサおよびメモリを含み、前記コントローラが、
前記患者データに対して前記分析物データを分析することによって、1つ以上のデータ傾向を生成し、
前記データ傾向のうちの1つ以上に応答して、患者コンピューティングデバイス設定を修正するためのプロンプトを生成し、
前記送受信機を使用して、患者コンピューティングデバイスに前記プロンプトを出力するように構成されており、
前記1つ以上のデータ傾向を生成することは、前記分析物データの少なくとも一部と、所定の閾値に対する患者活動及び労作レベルの組み合わせの比較とに基づいて低血糖事象のリスクを推定することを含む、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月13日に出願された米国仮特許出願第62/485,362号に対する優先権を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書のデバイス、システム、および方法は、糖尿病を含むが、これに限定されない慢性疾病を管理する際に使用され得る流体試料中の分析物(例えば、血中グルコース)を測定することに関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病は、世界中で何百万もの人々が罹患している広く見られる病態である。米国だけでも、2千万人超の人々が、その病態にあると推定される。糖尿病は、年間で直接的及び間接的な医療費の推定1740億ドルを占める。型(1型、2型等)に応じて、糖尿病は、疲労、かすみ目、および原因不明の体重減少などの1つ以上の症状と関連し得、低血糖、高血糖、ケトアシドーシス、神経障害、および腎症などの1つ以上の合併症とさらに関連し得る。
【0004】
これらの望ましくない合併症を遅延または防止するのを助けるために、血中グルコースなどの1つ以上の血液分析物レベルをモニタリングすることは、糖尿病を患う人々にとって役立ち得る。グルコース検査は、患者が、自分の血中グルコースが安全なレベルにあることを確認することを可能にし、このことは、ひいては、患者の糖尿病を抑制する食事、投薬、および運動の有効性をモニタリングするのに役立ち得、また、1つ以上の糖尿病関連の状態(例えば、失明、腎臓障害、および神経障害)を発症するリスクを低減するのにも役立ち得る。しかしながら、現在利用可能なグルコースメータのうちの多くから収集されるグルコース検査データは、多くの患者にとって解釈および理解することが困難である場合があり、その結果、患者は釈然としない、またはそうでなければ不愉快な体験をする場合がある(患者の投薬遵守の確度を低減させる場合がある)。したがって、患者の行動、および患者の糖尿病を管理するために使用されるデバイスの操作に関して、1つ以上のすぐに実行可能な提案を患者に提供することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本明細書には、糖尿病などの慢性状態を管理する際、患者および/または医療専門家にすぐに実行可能な提案を提供するための分析物測定デバイス、ならびに疾病管理システムおよび方法が、記載されている。これらのシステムおよび方法は、例えば、複数のデバイスから患者データを取得し、そのデータを統合し、そしてその傾向を分析し得、患者および/または医療専門家がその傾向を考慮してすぐに行動に移すことができる1つ以上の提案と一緒に患者および/または医療専門家に提示され得る。これは、例えば、患者に患者の状態のさらなる理解を与え、患者の健康を改善するための具体的なステップを提供することができる。患者によっては、自分のデータおよび傾向を見直すことが負担になる場合がある。しかしながら、本明細書に記載されたシステムおよび方法は、データおよび傾向の概要を患者に提供し、患者が自分の状態をより簡単にモニタリングすることを可能にする。その提案には、患者、患者のデバイス、および/または患者の支援ネットワーク(例えば、医療専門家、コーチ、パートナー、家族、友人)が実行して、患者が、データ傾向を考慮して自分の糖尿病を管理するのに役立ち得る1つ以上のステップが含まれ得る。いくつかの変形例において、複数の患者からのデータは、傾向を得るために分析され、同様の特性を有する患者が一緒にグループ化されることを可能にし得る。本明細書により詳細に記載されているように、患者は、同様の患者の支援グループに参加するように促され得る。医療専門家は、これらの複数組の同様の患者を使用して患者ケアに優先順位を付けることができる。医療専門家は、いくつかの変形例において、同様の患者グループに実施し得るすぐに実行可能な提案および/または所見を提示され得、このため、効率を高め、コストを低減することができるかもしれない。
【0006】
一般に、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、分析物測定デバイス(例えば、血中グルコースモニタ)、および1つ以上の患者健康特性を測定する患者測定デバイス(例えば、活動追跡装置)からのデータを受信し得る。これらのデバイスの各々から生成されたデータは、患者のコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、ラップトップ、PC)、および/またはデータベース(例えば、クラウドベース記憶装置)に自動的にアップロードされ得る。そのデータは、統合され、分析物データと、1人以上の患者に対する他の患者データとの間の傾向を分析することを可能にし得る。これらの傾向は、選択可能なレベルの複雑さ(例えば、詳細、簡潔、概要、長期、短期)で任意のデバイス(例えば、分析物測定デバイス、スマートフォン、ラップトップ)上で患者に提示され得る。簡単にアクセス可能で、かつカスタマイズ可能な方法で患者に傾向を提示することにより、患者の行動(例えば、運動、食事、検査、および投薬遵守)が、患者の血中グルコース測定値とどのような相関関係にあるかについて患者の理解を深めることができる。また、医療専門家は、一人以上の患者の傾向データへのアクセスを許可され得る。
【0007】
さらに、システムおよび方法は、その傾向に応じて、すぐに実行可能な提案を生成し得る。この提案は、患者が自分で実行することができる行動(例えば、午後に散歩に行く、糖質を食べる)、および/または患者デバイスによって実行される動作(例えば、検査リマインダを設定する、健康用品、ビデオ、ポッドキャストを提示する)を含み得る。すぐに実行可能な提案は、患者が選択して提案行動の実行を確認することができるプロンプトとして患者デバイス上に出力され得る。いくつかの変形例において、この提案行動は、ユーザ入力なしで自動的に実行され得、患者へのプロンプト出力は、行動が実行されたことを患者に通知することができる(例えば、医療専門家への電話、家族メンバに送信されたテキストメッセージ)。いくつかの変形例において、すぐに実行可能な提案は、分析物データ、患者データ、および傾向から導き出される所見に基づき得る。
【0008】
いくつかの変形例において、患者の慢性状態をモニタリングする方法は、分析物測定デバイスにより生成された分析物データ、および患者測定デバイスにより生成された患者データを受信するステップを含み得る。1つ以上のデータ傾向は、プロセッサおよびメモリを含むコンピューティングデバイスを使用して、患者データに対して分析物データを分析することによって生成され得る。分析物測定デバイスおよびコンピューティングデバイスのうちの1つ以上のデバイス設定は、データ傾向のうちの1つ以上に応答して、修正され得る。
【0009】
いくつかの変形例において、この方法は、所定の間隔で分析物測定デバイスからコンピューティングデバイスに分析物データを転送するステップをさらに含み得る。いくつかの変形例において、データ傾向のうちの1つ以上は、コンピューティングデバイスを使用して出力され得る。
【0010】
いくつかの変形例において、患者行動を修正するための少なくとも1つのプロンプトが、データ傾向のうちの1つ以上に応答して、出力され得る。これらの変形例のうちのいくつかにおいて、プロンプトは、検査、食事、および運動療法のうちの1つ以上を遵守するための奨励を含み得る。いくつかの変形例において、少なくとも1つのプロンプトが、データ傾向のうちの1つ以上に応答して、デバイス設定を修正するために出力され得る。これらの変形例のうちのいくつかにおいて、1組のプロンプトが、所定の間隔でデバイス設定を修正するために出力され得る。いくつかの変形例において、デバイス設定を修正することは、患者通知の頻度、タイミング、および内容のうちの1つ以上を修正することを含む。
【0011】
いくつかの変形例において、1組の1つ以上の所定の連絡先が、データ傾向のうちの1つ以上の特性に基づいて、通知され得る。いくつかの変形例において、患者の状態に関する1組の所定の連絡先は、データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、通知され得る。いくつかの変形例において、1組の所定の連絡先は、データ傾向のうちの1つ以上が改善中の健康状態であることに応答して、患者の状態について通知され得る。いくつかの変形例において、1組の所定の連絡先は、医療専門家、患者のパートナー、家族メンバ、および支援グループのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例において、医療専門家の処置が、データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、緊急であることを判定され得る。いくつかの変形例において、患者と医療専門家との間の予約は、データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、コンピューティングデバイスを使用してスケジューリングされ得る。いくつかの変形例において、少なくとも1つのプロンプトがデータ傾向のうちの1つ以上に応答して、医療専門家のデバイス設定を修正するために出力され得る。
【0012】
いくつかの変形例において、通信チャネルは、データ傾向のうちの1つ以上が高リスク状態であることに応答して、コンピューティングデバイスと医療専門家デバイスとの間に確立され得る。これらの変形例のうちのいくつかでは、分析物データ、患者データ、および1つ以上のデータ傾向は、医療専門家デバイスにおいて受信され得、少なくとも1つのプロンプトが出力されて、患者行動、および医療プロバイダデバイスのデバイス設定を修正し得る。これらの変形例のうちの他のものでは、プロンプトが、通信チャネルを使用して、医療専門家デバイスからコンピューティングデバイスへの提案を含んで、送信され得る。いくつかの変形例において、分析物測定デバイスは、血中グルコースモニタを含み得、患者測定デバイスは、活動追跡装置、心拍数モニタ、血圧モニタ、体重計、A1cモニタ、およびコレステロールモニタのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例において、分析物データは、血中グルコースデータおよび血中グルコース検査履歴を含み得る。いくつかの変形例において、患者データは、活動データ、栄養データ、薬物データ、水分データ、睡眠データ、血圧データ、心拍数データ、コレステロールデータ、A1cデータ、体重データ、地理的位置データ、精神衛生データ、および患者データのうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例において、生成される1つ以上のデータ傾向は、分析物データおよび患者データの時刻同期および範囲正規化の実行のうちの1つ以上を含み得る。
【0013】
いくつかの変形例において、生成されたデータ傾向のうちの1つ以上は、分析物データおよび患者データの少なくとも一部に基づいて、健康指標を生成することを含み得る。これらの変形例のうちのいくつかでは、健康指標は、次式によって管理され、
Ws=100-a(s.d(30日間にわたるグルコース))-b(|目標グルコース-平均値(30日間にわたるグルコース)|)-
c(30日間にわたる低血糖測定値の数)-
d(30日間にわたる高血糖測定値の数)+
e(目標範囲内の測定値のパーセント-60パーセント)+
f(30日間にわたるグルコース測定回数)+
n(従前365日にわたる医師診察の回数)+
p(従前365日にわたる視力検査の回数)+
q(従前365日にわたる糖尿病足の検査の回数)、
ここで、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、p、およびqは、倍率であり、s.d.は、標準偏差であり、BMIは、肥満度指数である。
【0014】
いくつかの変形例において、高リスク状態は、少なくとも1つの所定の閾値に対して、分析物データの血中グルコースデータのうちの少なくとも1つと患者データの活動データとの間の比較に基づいて、判定され得る。いくつかの変形例において、1つ以上のデータ傾向を生成することは、分析物データおよび/または患者データの少なくとも一部に基づいて、低血糖事象のリスクを推定することを含み得、分析物データは、血中グルコースデータを含み、患者データは、活動データおよび栄養データのうちの1つ以上を含む。これらの変形例のいくつかにおいて、低血糖事象のリスクは、次式によって管理され、
【数1】
、ここで、AvgGluは、従前90日間にわたる平均血中グルコース値であり、Current Glucoseは、現在の血中グルコース値であり、Actは、所定の時間間隔にわたる患者活動の分数であり、Exeは、心拍数に基づく労作レベルであり、Carbsは、従前90分内に消費された糖質のグラム数である。これらの変形例の他の例において、低血糖事象のリスクは、次式Glu<150mg/DL、かつAct*Exe>200によって管理され、ここで、Gluは、現在のグルコース値であり、Actは、所定の時間間隔にわたる患者活動の分数であり、Exeは、心拍数に基づく労作レベルである。
【0015】
いくつかの他の変形例において、患者集団を管理する方法は、複数の分析物測定デバイスにより生成された分析物データ、および複数の患者測定デバイスにより生成された患者データを受信するステップを含み得る。分析物データおよび患者データは、複数の患者に対応し得る。1つ以上のデータ傾向は、プロセッサおよびメモリを含むコンピューティングデバイスを使用して、複数の患者のための患者データに対して分析物データを分析することによって、生成され得る。複数の患者のうちの少なくとも一部分は、データ傾向のうちの1つ以上を使用したリスクに基づいて分類され得る。患者は、患者分類に基づいて、医療専門家からの治療のために選択され得る。
【0016】
いくつかの変形例において、治療介入計画が、1つ以上のデータ傾向を使用して、選択された患者のために生成され得、この治療介入計画は、医療専門家に出力され得る。いくつかの変形例において、1組の1つ以上のプロンプトが、リスクに基づいて、患者コンピューティングデバイスのデバイス設定を修正するように生成され得る。これらの変形例のいくつかにおいて、その方法は、複数の患者の間のデータ傾向のうちの1つ以上を分析することによって、1つ以上の患者傾向を生成するステップを含み得る。これらの変形例のいくつかにおいて、本方法は、1組のプロンプトに対して患者傾向のうちの1つ以上を分析することによって、1つ以上のプロンプト傾向を生成するステップと、プロンプト有効性に基づいてプロンプトを分類するステップであって、有効性が、プロンプト傾向のうちの1つ以上に基づく、分類するステップと、オフセットのプロンプトから選択されたプロンプトを、選択されたプロンプトの有効性に基づいて、患者コンピューティングデバイスに出力するステップと、を含み得る。いくつかの変形例において、支援グループが、患者分類に基づいて、選択された患者のために生成され得る。この支援グループは、複数の患者からの少なくとも1人の他の患者を含み得る。これらの変形例のいくつかにおいて、プロンプトは、選択された患者が支援グループに参加し、かつ/または支援グループと通信するために生成され得る。
【0017】
また、本明細書では、デバイスについても説明する。いくつかの変形例において、デバイスが提供され、分析物測定デバイスにより生成された分析物データ、および患者測定デバイスにより生成された患者データを受信するように構成された送受信機を含み得る。コントローラが、送受信機に結合され得る。コントローラは、プロセッサおよびメモリを含み得る。コントローラは、患者データに対して分析物データを分析することによって、1つ以上のデータ傾向を生成し、データ傾向のうちの1つ以上に応答して、1つ以上の患者コンピューティングデバイス設定を修正するためのプロンプトを生成し、送受信機を使用して、患者コンピューティングデバイスにプロンプトを出力するように構成され得る。本明細書に記載されるデバイスおよびシステムは、本明細書により詳細に記載される方法のうちの1つ以上のステップを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】分析物測定デバイスの変形例の、それぞれ、例示的な正面図および底面斜視図である。
図1B】分析物測定デバイスの変形例の、それぞれ、例示的な正面図および底面斜視図である。
図1C】ここに記載された分析物測定デバイスと共に使用され得るカートリッジの例示的な斜視図である。
図2】疾病管理システムの変形例のブロック図である。
図3A】疾病管理プロセスの変形例の例示的なフローチャートである。
図3B】疾病管理プロセスの変形例の例示的なフローチャートである。
図3C】疾病管理プロセスの変形例の例示的なフローチャートである。
図4】1組のグラフィカルユーザインターフェースの例示的な変形例である。
図5図5A~5Eは、別の1組のグラフィカルユーザインターフェースの例示的な変形例である。
図6図6A~6Cは、別の1組のグラフィカルユーザインターフェースの例示的な変形例である。
図7図7A~7Bは、別の1組のグラフィカルユーザインターフェースの例示的な変形例である。
図8図8A~8Bは、別の1組のグラフィカルユーザインターフェースの例示的な変形例である。
図9】グラフィカルユーザインターフェースの別の例示的な変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書には、複数の測定デバイスからのデータ分析を用いて、慢性疾患を管理するためのシステム、デバイス、および方法が、記載されている。データ分析を用いて、行動を変更する、および/または患者が自分の状態を管理するために使用するデバイスの設定を変更するなど、患者が実施する具体的なステップを提案し得るすぐに実行可能なプロンプトを生成することができる。測定デバイスにより収集されたデータは、コンテキストと共に患者に出力され得、そのコンテキストは、データ、ならびに、患者および/またはその患者の状態に適切なシステムによって実行される行動に意味を与えることができる。データおよび/または実行される行動は、患単独の者データの分析、または1組の患者からの患者データとの組み合わせの分析を考慮して、生成され得る。
【0020】
一般に、本明細書に記載されるシステムは、分析物測定デバイス、患者測定デバイス、ならびにコンピューティングデバイス、リモートサーバ、およびデータベースのうちの1つ以上を備える。測定デバイスは、データを生成し得、そのデータは、処理および分析のために、コンピューティングデバイス、リモートサーバ、および/またはデータベースに送信される。データ分析には、測定デバイスにより生成されたデータセット間、ならびに患者間の関係およびパターンを見出すための傾向分析を含み得る。様々なデータセット(例えば、グルコース、活動、薬物、栄養、健康等)の傾向分析は、時間の経過とともに、患者および/または患者の健康に関わるケアチーム(例えば、医療専門家、コーチ、支援グループ、家族)に全体的な洞察を提供することができる。場合によっては、患者の分析データおよび傾向を使用して、健康転帰を改善するために講じられ得る行動に関して、患者、医療専門家、および他の同様の患者のうちの1人以上を支援することができる。分析の結果を使用して、1つ以上のプロンプトを生成し、患者および/または医療専門家に出力することができる。例えば、患者が潜在的に危険な傾向を表していることを示すデータ分析を使用して、患者にプロンプトを出力し、医療専門家の診察を予約し、かつ/または患者のコンピューティングデバイスを介して活動通知を追加して、さらなる身体的活動を奨励するようにアドバイスすることができる。さらに、または別の方法として(例えば、同時に)、患者の医療専門家、家族メンバ、および/または他の支援グループにプロンプトを出力して、患者の状態について通知し、それらの人たちが取り得る適切な介入ステップを任意選択的に提案することができる。別の例として、患者が陽性傾向にあることを示すデータ分析を使用して、患者に正の強化および/または分析物検査の頻度の軽減を提供するプロンプトを生成することができる。
【0021】
いくつかの変形例において、患者および/または医療専門家は、システムからのプロンプトを受信し、傾向分析に応答してデバイスのうちの1つの設定を修正するように措置を講じることができる。データ分析およびプロンプトは、一人の患者、または複数の患者に対応するデバイスデータを使用して生成され得る。いくつかの変形例において、医療専門家は、複数の患者のデータ分析を使用して、患者を1つ以上のサブセットに分類することができる。このサブセットを使用して処置およびリソースに優先順位を付け、それによって、効率を高め、コストを低減することができるかもしれない。例えば、リスクの高い1組の患者は、高い優先順位として分類され、個人的な処置が与えられ得(例えば、医療専門家および/またはコーチのグループから)、これに対して、リスクの低い患者は、自動化されたメッセージ(例えば、一人の医療専門家および/またはコーチによって管理された)を受信することができる。いくつかの変形例において、1組の患者に提供される1組のプロンプトの各々の有効性が分析され(例えば、そこでは、プロンプト有効性は、向上した遵守、および/または提案された行動修正と相互に関連し得る)、その結果、1組のプロンプトは、有効性の少なくとも一部に基づいて分類され得る。その後、より有効なプロンプト方策に、より高い優先順位が与えられ得る。
【0022】
本明細書に使用されるとき、特定の出力、およびそれに対応する任意のデータまたは信号は、「プロンプト」と称される。特定のユーザ入力、およびそれに対応する任意のデータまたは信号は、「コマンド」と称される。いくつかの変形例において、プロンプトは、ユーザにコマンドを提案することができる。例えば、プロンプトは、ユーザがデバイスに肯定的に入力することができるコマンド(例えば、すぐに実行可能な提案、推奨、所見)を出力することができる。例えば、プロンプトが、患者のタッチスクリーンデバイス上に表示され、医療専門家との診察の予約を提案するコマンドを表示する(例えば、「医師の診察の予約を希望しますか?」)と共に、患者が自分の状態について医療専門家と話し合うことを提案することができる。ユーザは、タッチスクリーン上の対応するアイコンを選択することによって、コマンドの実行を確認して診察の予約をすることができる。いくつかの変形例において、プロンプトは、緊急事態に実行されるコマンドなどの、ユーザ入力/確認なしに実行されるコマンドをユーザに知らせることができる。
【0023】
I.システム
疾病管理システムは、本明細書に記載されているデバイスを使用して患者データを測定および分析するために必要な構成要素のうちの1つ以上を含み得る。さらに、この分析を使用してプロンプトを生成および出力し、健康的な行動および遵守を奨励することができる。図2は、疾病管理システム(200)の変形例のブロック図である。システム(200)は、血中グルコースおよび身体的活動(例えば、歩いた歩数、心拍数)などの患者(202)特性を測定するように構成された分析物測定デバイス(210)および患者測定デバイス(212)を備え得る。分析物測定デバイス(210)および患者測定デバイス(212)は、1つ以上の有線または無線通信チャネルを介してコンピューティングデバイス(220)に結合され得る。コンピューティングデバイス(220)は、1つ以上のネットワーク(230)、データベース(240)、および/またはサーバ(250)に結合され得る。ネットワーク(230)は、1つ以上のデータベース(240)およびサーバ(250)を含み得る。いくつかの変形例において、医療専門家(HCP)(204)は、それぞれのコンピューティングデバイス(222)を介して、1つ以上のネットワーク(230)、データベース(240)、およびサーバ(250)と結合され得る。いくつかの変形例において、測定デバイス(210、212)は、ネットワーク(230)、データベース(240)、サーバ(250)のいずれか、または互いに直接結合され得る。処理および分析は、システム(200)のデバイスのうちの任意の1つで実行され得、または複数のデバイス全体にわたって分散され得る。
【0024】
分析物測定デバイス
一般に、本明細書に記載される分析物測定デバイスは、分析物測定動作を実行するように構成され、その動作の中で、流体試料内の1つ以上の分析物の濃度が測定される。例えば、分析物測定デバイスは、試料採取部位から流体試料を採取し、流体試料を分析場所に輸送し、そして流体試料を分析するように構成され得る。流体試料の分析は、1つ以上のホルモン、タンパク質、酵素、毒素、薬物、他の分子等の試料中の1つ以上の分析物の濃度を決定することを含んでもよい。いくつかの変形例において、本明細書に記載の分析物測定デバイスは、1つ以上の血液試料または他のグルコース含有溶液のグルコース濃度を測定するように構成されてもよい。流体試料分析を含む分析物データは、本明細書に記載されているように、1つ以上のコンピューティングデバイスに送信され得る。分析物測定デバイスは、1つ以上のコンピューティングデバイスから制御され得る。
【0025】
分析物測定デバイスが試料採取部位から流体試料を採取するように構成される場合、デバイスは、任意の好適な試料採取部位から流体試料を採取するように構成されてもよい。好適な試料採取部位の例として、1つ以上の身体部位(例えば、手指、足指、他の皮膚表面等)または1つ以上の人工容器(例えば、対照溶液または身体流体試料を保持するバイアル)が挙げられるが、これらに限定されない。流体試料は、例えば、1つ以上の溶液(例えば、対照溶液)、混合物、体液(例えば、血液、唾液等)、これらの組み合わせ等、任意の好適な流体を含み得る。
【0026】
いくつかの変形例において、本明細書に記載されるような分析物測定デバイスは、流体試料を採取、輸送、及び分析するために必要な全ての構成要素を包含してもよいため、該デバイスは完全に一体化していてもよい。例えば、本明細書に記載されるシステムは、2014年6月20日に出願された「ANALYTE MONITORING SYSTEM WITH AUDIBLE FEEDBACK」と題する米国特許出願第14/311,114号、2012年8月3日に出願された「DEVICES AND METHODS FOR BODY FLUID SAMPLING AND ANALYSIS」と題する米国特許出願第13/566,886号、2002年4月23日に出願された「AUTONOMOUS, AMBULATORY ANALYTE MONITOR OR DRUG DELIVERY DEVICE」と題する米国特許第7,004,928号、および「CATALYSTS FOR BODY FLUID SAMPLE EXTRACTION」と題する米国特許第8,012,103号に記載されたデバイスのうちの1つ以上を含み得、これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、本明細書に記載の分析物測定デバイスは、流体試料の分析に関連する採取、輸送、及び分析動作のサブセットのみを行うように構成されてもよいことを理解されたい。
【0027】
例えば、分析物測定デバイスは、完全に一体化した無線メータを含み得る。このメータは、メータ筐体、および1つ以上のストリップフリーカートリッジを含み得、これらについては、本明細書でより詳細に説明される。いくつかの変形例において、メータは、複数の流体試料を採取及び分析するように構成されてもよい。例えば、いくつかの変形例において、カートリッジは、1つ以上のセルを備えてもよく、それらのいくつかまたは全てが、後により詳細に記載されるように、流体試料を採取するための1つ以上の試料採取構成を包含してもよい。メータは、さらに、可聴的に、視覚的に、かつ/またはそれ以外で、試料分析からの1つ以上の結果を提供するように、構成されてもよい。
【0028】
図1A図1Cは、典型的な一体化したメータ(100)の例示的な変形例を示す。具体的には、図1Aおよび図1Bは、それぞれ、メータ筐体(118)の正面図および底面斜視図を示し、図1Cは、カートリッジ(102)の斜視図を示す。図1Cには、密封された、または密封可能なポーチ(116)に格納されたものとして示されているが、カートリッジ(102)は、任意の好適な容器内に格納されてもよく、使用する前に取り外されてもよい。図1Aおよび図1Bに示すように、メータ筐体(118)は、カートリッジ係合突起(105)を有するドア(104)、カートリッジ受容チャンバ(106)またはキャビティ、カートリッジ取り出しボタン(113)、ディスプレイ(108)、ボタン(110)、ポート(112)、およびタワー(114)を備え得る。メータは、これらの特徴の各々を含む必要はなく、メータは、これらの特徴の任意の組み合わせを備えてもよいことを認識されたい。メータ(100)は、1つ以上の撮像システム(図示せず)、ならびにメータを動作させ、かつ/または検査手順を容易にするための内部機構または構成要素(例えば、メモリ、回路、アクチュエータ、バッテリ、真空ポンプ、センサ、これらの組み合わせ等)を、さらに含むことができる。
【0029】
図1Bに示すように、カバーまたはドア(104)を開けると、カートリッジ受容チャンバ(106)が現れ得る。カートリッジ(102)は、カートリッジ受容チャンバ(106)の内部に配置されてもよく、ドア(104)は、カートリッジ(102)をメータ筐体(118)の内部に一時的に封入するように閉鎖されてもよい。メータ筐体(118)の内側に配置されると、カートリッジ(102)の1つ以上の部分が、メータ筐体(118)の1つ以上の構成要素と係合することができる。いくつかの変形例において、メータ筐体(118)は、カートリッジ(102)がカートリッジ受容チャンバ(106)内に配置された時にその自己アライメントを容易にし得る1つ以上の特徴を備えてもよい。例えば、いくつかの変型例において、カートリッジ(102)は、窪み(図示せず)を備えてもよい。カートリッジ(102)がカートリッジ受容チャンバ(106)の内部に配置されると、タワー(114)の一部分が、カートリッジ(102)の窪みの中に嵌合し得るかまたは別様に係合し得る。この係合は、メータ筐体(118)に対してカートリッジ(102)を適所に保持するのに役立ち得る。反対に、いくつかの変形例において、カートリッジ(102)は、カートリッジ受容チャンバ(106)内の1つ以上の窪み(図示せず)またはメータ筐体(118)の他の部分に係合し得る1つ以上の突起(図示せず)を備えてもよい。追加的に、または代替的に、1つ以上のマグネットによりメータ筐体に対して適所にカートリッジ(102)を保持してもよい。カートリッジ(102)は、メータ筐体(118)と係合するように、メータ筐体(118)の内側に(例えば、カートリッジ受容チャンバを介して)、必ずしも配置される必要はない。例えば、いくつかの変形例において、カートリッジ(102)は、メータ筐体(118)の1つ以上の外部表面に取り付けられか、または他の方法で、それと係合してもよい。
【0030】
任意の好適なカートリッジが、メータとともに使用されてもよい。例えば、いくつかの変形例において、メータは、2014年6月20日に出願された「ANALYTE MONITORING SYSTEM WITH AUDIBLE FEEDBACK」と題する米国特許出願第14/311,114号、「MULTI-SITEBODY FLUID SAMPLING AND ANALYSIS CARTRIDGE」と題する米国特許出願第11/529,614号、および「ANALYTE CONCENTRATION DETECTION DEVICES AND METHODS」と題する米国特許第8,231,832号に記載されているカートリッジのうちの1つ以上を含んでもよく、これらの各々の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
メータ筐体(118)は、スピーカおよび/またはマイクロフフォン(図示せず)ならびにコントローラ(図示せず)を収容するように構成されてもよいが、スピーカ、マイクロフフォン、および/またはコントローラは、場合によっては、筐体(118)内に部分的に収容されてもよく、筐体(118)の外側に取り付けられてもよく、または無線若しくは有線接続を介してメータ(100)と通信する別個のデバイス(すなわち、ヘッドフォン、スマートフォン、コンピュータ、タブレット等)の一部であってもよいことを理解されたい。図1Aに図示しているように、メータ筐体(118)は、ディスプレイ(108)(例えば、患者に情報を視覚的に提供するため)、ボタン(110)(例えば、デバイスの電源をオン/オフするため、デバイスに情報を入力するため等)、およびポート(112)(例えば、そこを通って流体試料が採取され得る)を追加的に含んでもよく、例えば、これらは、米国特許出願第13/566,886号に記載されており、これは、すでに、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。付加的にまたは代替的に、メータ(100)は、いくつかの場合において、メータ(100)を操作するため及び/または流体試料の検査を容易にするために、1つ以上の撮像システム(図示せず)と、内部機構または構成要素(例えば、メモリ、回路、アクチュエータ、電池、真空ポンプ、センサ、それらの組み合わせ等)とをさらに備えてもよい。本明細書に記載の分析物測定デバイスは、これらの特徴の各々を含む必要はなく、これらのデバイスの変形例は、これらの特徴の任意の組み合わせを備えてもよい。さらに、分析物測定デバイスは、「MEDICAL DIAGNOSTIC DEVICES AND METHODS」と題する米国特許出願第12/457,332号により詳細に記載されているように、検査をいつ行うかを決定するのに役立つ一般的な情報(例えば、時刻、日付、場所等)を受信するように構成され得、その出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
患者測定デバイス
本明細書で使用される患者測定デバイスは、患者の1つ以上の特性を測定および/または分析するように構成された任意のデバイスを指し得る。患者測定デバイスは、例えば、患者分析物、活動、および栄養データを測定することができる。患者測定デバイスの非限定的な例としては、ウェアラブルデバイス(例えば、歩数計または他の活動追跡装置)、睡眠追跡計、水分補給追跡計、血圧モニタ、心拍数モニタ、コレステロールモニタ、A1c検査デバイス、体重計、冷蔵庫、地理的位置デバイス(例えば、GPS、GLONASS)、スマートフォン、スマート冷蔵庫、PC、埋め込み型デバイス、摂取可能デバイス、および他の診断デバイスが挙げられる。患者測定デバイスにより生成される患者データとしては、以下に限定されないが、栄養データ(例えば、食事マーキング、総糖質摂取量、総カロリー摂取量等)、活動または運動(例えば、燃焼したカロリー、歩いた歩数、活動の程度または強度(例えば、心拍数レベルに基づいて)、活動の持続時間等)、睡眠の持続時間または質、患者の体重、経口または他の投薬、インスリン(例えば、ペン、注射器、ポンプ、吸入等)、気分/感情、ストレス、水分補給等を挙げることができる。患者測定デバイスによって生成されたデータは、システム(200)のデバイスのうちのいずれにも送信され得、本明細書に記載されているように、コンピューティングデバイスの特徴、要素、および/または機能性のうちの1つ以上を含み得る。例えば、患者測定デバイスは、患者測定デバイスにより生成された患者データに関するデータ分析を実行するためのプロセッサおよびメモリを含むコントローラ、ならびに測定データを別のデバイスに送信するように構成された通信インターフェースを備え得る。患者測定デバイスは、任意の既知の有線または無線接続方法、および通信プロトコルを使用して、デバイスに結合することができる。
【0033】
コンピューティングデバイス
一般に、本明細書に記載されたコンピューティングデバイスは、プロセッサ(例えば、CPU)およびメモリ(1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体を含み得る)を含むコントローラを備え得る。プロセッサは、メモリおよびユーザ入力から受信したデータを組み込み、システムの1つ以上の構成要素(例えば、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(220))を制御することができる。メモリは、さらに、プロセッサに、本明細書に記載された方法と関連するモジュール、プロセス、および/または機能を実行させる命令をさらに格納することができる。本明細書で使用されるとき、コンピューティングデバイスは、図2に図示されているコンピューティングデバイス(220、222)、データベース(240)、およびサーバ(250)のいずれかを指し得る。いくつかの変形例において、メモリおよびプロセッサは、単一のチップ上に実装され得る。他の変形例では、それらは、別個のチップ上に実装され得る。
【0034】
コントローラは、分析物測定デバイスおよび患者測定デバイスから測定データを受信および処理するように構成され得る。コンピューティングデバイスは、データを受信、コンパイル、保存、およびアクセスするように構成され得る。いくつかの変形例において、コンピューティングデバイスは、異なるソースからのデータにアクセスし、かつ/またはデータを受信するように構成され得る。コンピューティングデバイスは、患者によって直接入力されたデータを受信するように構成されてもよく、ならびに/または別個のデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ)、および/もしくは記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ、メモリカード)からデータを受信するように構成されてもよい。コンピューティングデバイスは、本明細書でより詳細に検討されるように、ネットワーク接続を介して、またはデバイスもしくは記憶媒体との物理的な接続を介して(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、または任意の他のタイプのポートを介して)、データを受信することができる。コンピューティングデバイスには、携帯電話(例えば、スマートフォン)、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ポータブルメディアプレーヤー、ウェアラブルデジタルデバイス(例えば、デジタル眼鏡、リストバンド、腕時計、ブローチ、腕章、仮想現実/拡張現実ヘッドセット)、テレビ、セットトップボックス(例えば、ケーブルボックス、ビデオプレーヤー、ビデオストリーミングデバイス)、ゲーム機等の任意の様々なデバイスが含まれ得る。
【0035】
コンピューティングデバイスは、様々なタイプのデータを受信するように構成され得る。例えば、コンピューティングデバイスは、患者の個人的なデータ(例えば、性別、体重、誕生日、年齢、身長、診断日、デバイスを使用した日付等)、患者の検査履歴(例えば、完了した検査数、各検査が完了した時刻、各検査が完了した日付、食前または食後の検査マーキング、患者が連続して完了した検査数等)、患者の結果履歴(例えば、検査実施時のグルコースレベル)、患者の食事情報(例えば、患者が毎日何を食べる必要があったか、アルコール飲料の数、糖質摂取量等)、患者の運動情報(例えば、患者が運動したかどうか、いつ患者が運動したか、運動の継続時間、患者が完了した運動の種類(例えば、サイクリング、水泳、ランニング等)、運動の労作レベル(例えば、低、中、高)、運動中の患者の心拍数等)、他の同様の状況にある患者の一般的な健康情報(例えば、同様の時刻での同様の患者の典型的な検査結果、運動後の同様の患者の検査結果の平均値等)、または患者の治療に適切であり得る任意の他の情報を受信するように構成され得る。いくつかの変形例において、コンピューティングデバイスは、患者プロファイルを作成、受信、および/または保存するように構成され得る。患者プロファイルは、前述の患者固有の情報のいずれをも包含し得る。
【0036】
上述の情報は、コンピューティングデバイスによって受信され得るが、いくつかの変形例では、コンピューティングデバイスは、デバイス自体に、または外部に格納されたソフトウェアを使用して受信した情報から上記のデータのいずれかを計算するように構成され得る。いくつかの変形例において、コンピューティングデバイスは、患者行動のパターンを識別し、その識別されたパターンを使用して今後の患者行動を予測し、そして識別されたパターンに関連する患者にプロンプトを提供するように構成され得、このことは、「MEDICAL DIAGNOSTIC DEVICES AND METHODS」と題する米国特許出願第12/457,332号にさらに詳細に記載されており、これは、すでに、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。場合によっては、コンピューティングデバイスは、パターンおよび/またはデータ分析を使用して、1つ以上のグルコース事象の発生を警告または防止するのに役立ち得る。グルコース事象は、患者のグルコースが予想値を上回るか、もしくは下回り、または指定範囲外にあるときには、いつでも起こり得る。いくつかの変形例において、グルコース事象は、低血糖事象または高血糖事象であり得る。いくつかの変形例において、コンピューティングデバイスは、患者の個人データ、検査履歴、食事情報、運動情報、または任意の他の関連情報を、患者の履歴データ(例えば、以前の検査データ、患者の履歴傾向等)、外部ソースからコンパイルされてコンピューティングデバイス上に予めロードされたデータ(例えば、医学的研究)、または1組の別個のデバイスから受信したデータ(例えば、履歴データ、または外部ソースからコンパイルされたデータ)と比較するように構成され得る。いくつかの場合において、警告または通知は、検査を行う、医療処置を求める、かつ/または何かを食べるかもしくは飲むという命令を含んでもよい。
【0037】
プロセッサは、1組の命令またはコードを動作させ、かつ/または実行するように構成された任意の好適な処理デバイスであってもよく、1つ以上のデータプロセッサ、画像プロセッサ、画像処理ユニット、物理処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、および/または中央処理ユニットを含んでもよい。プロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)等であってもよい。プロセッサは、アプリケーションプロセスおよび/もしくは他のモジュール、システムと関連付けられたプロセスおよび/もしくは機能、ならびに/またはそれと関連付けられたネットワークを動作させ、かつ/または実行するように構成され得る。基礎となるデバイス技術は、様々な構成要素タイプ(例えば、相補型金属-酸化物半導体(CMOS)のような金属-酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合型ロジック(ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマー、および金属-共役ポリマー-金属構造体)、アナログおよびデジタル混合技術等)で提供されてもよい。
【0038】
いくつかの変形例において、メモリは、データベース(図示せず)を含んでもよく、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、メモリバッファ、ハードドライブ、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等であってもよい。メモリは、測定データ処理、測定デバイス制御、通信、および/またはデバイス設定などの、通信デバイスと関連するモジュール、プロセス、および/または機能をプロセッサに実行させるための命令を格納することができる。本明細書に記載されたいくつかの変形例は、各種のコンピュータ実施動作を実行するための命令またはコンピュータコードを有する非一時的コンピュータ可読媒体(また、非一時的プロセッサ可読媒体とも称される場合がある)を有するコンピュータ記憶製品に関する。コンピュータ読み取り可能媒体(またはプロセッサ読み取り可能媒体)は、それが、一過性の伝搬信号(例えば、空間またはケーブルなどの伝送媒体上に情報を搬送する伝搬電磁波)それ自体を含まないという意味で、非一過性である。媒体及びコンピュータコード(コードまたはアルゴリズムとも称され得る)は、特定の目的または様々な目的のために設計及び構築されたものであってもよい。
【0039】
非一過性コンピュータ読み取り可能媒体の例としては、以下に限定されないが、ハードディスク、フロッピーディスク、及び時期テープなどの磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、及びホログラフィック装置などの光記憶媒体、光ディスクなどの光磁気記憶媒体、半導体ドライブ(SSD)、及び半導体ハイブリッドドライブ(SSHD)などの半導体記憶装置、搬送波信号処理モジュール、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLD)、読み取り専用メモリ(ROM)、及びランダムアクセスメモリ(RAM)装置などの、プログラムコードを記憶及び実行するように特別に構成されたハードウェア装置、が挙げられる。本明細書に記載された他の変形例は、コンピュータプログラム製品に関連し、その製品には、例えば、本明細書に開示される命令および/またはコンピュータコードが含まれ得る。
【0040】
本明細書に記載されたシステム、デバイス、および/または方法は、ソフトウェア(ハードウェア上で実行される)、ハードウェア、またはこれらの組み合わせによって実行され得る。ハードウェアモジュールは、例えば、汎用プロセッサ(またはマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含み得る。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、様々なソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)で表現され得、その言語には、C、C++、Java(登録商標)、Python、Ruby、VisualBasic(登録商標)、および/または他のオブジェクト指向型、手続き型、または他のプログラミング言語もしくは開発ツールが含まれる。コンピュータコードの例としては、以下に限定されないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラにより生成されるような機械命令、ウェブサービスを生成するために使用されるコード、およびインタープリタを使用してコンピュータにより実行される高級命令を含むファイルが挙げられる。コンピュータコードの追加的な例としては、以下に限定されないが、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードが挙げられる。
【0041】
いくつかの変形例において、コンピューティングデバイス(220、222)は、患者および/または医療専門家がシステムのデバイスのうちの1つ以上を制御することを可能にするように構成された通信インターフェースをさらに含むことができる。通信インターフェースは、有線または無線接続によりコンピューティングデバイスを別のシステム(例えば、インターネット、リモートサーバ、データベース)に接続するように構成されたネットワークインターフェースを含むことができる。いくつかの変形例において、通信デバイス(220、222)は、1つ以上の有線および/または無線ネットワークを介して、他のデバイスと通信してもよい。いくつかの変形例において、ネットワークインターフェースは、1つ以上のデバイスおよび/またはネットワークと通信するように構成された無線周波数受信機、送信機、ならびに/または光学(例えば、赤外線)受信機および送信機を含んでもよい。ネットワークインターフェースは、測定デバイス(210、212)、ネットワーク(230)、データベース(240)、およびサーバ(250)のうちの1つ以上と有線および/または無線によって通信することができる。
【0042】
ネットワークインターフェースは、RF信号を受信および送信することができるRF回路を備え得る。このRF回路は、電気信号を電磁信号に/から変換し、電磁信号を介して通信ネットワークおよび他の通信デバイスと通信することができる。RF回路は、これらの機能を実行するための既知の回路を含み得、それらの回路には、以下に限定されないが、アンテナシステム、RF送受信機、1つ以上の増幅器、チューナ、1つ以上の発振器、デジタル信号プロセッサ、CODECチップセット、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリ等が含まれる。
【0043】
コンピューティングおよび測定デバイスのいずれかを介した無線通信は、複数の通信標準規格、プロトコル、および技術のいずれかを使用し得、これらには、以下に限定されないが、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、エボリューション、データオンリ(EV-DO)、HSPA、HSPA+、デュアルセルHSPA(DC-HSPDA)、ロングタームエボリューション(LTE)、近距離無線通信(NFC)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth、無線フィデリティ(WiFi)(例えば、IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11n等)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、Wi-MAX、電子メール用プロトコル(例えば、インターネットメッセージアクセスプロトコル(IMAP)および/またはポストオフィスプロトコル(POP))、インスタントメッセージ(例えば、拡張可能メッセージおよびプレゼンスプロトコル(XMPP)、セッション初期化プロトコルフォーインスタントメッセージおよびプレゼンスレバレッジエクステンション(SIMPLE)、インスタントメッセージおよびプレゼンスサービス(IMPS))、ならびに/またはショートメッセージサービス(SMS)、あるいは任意の他の好適な通信プロトコルが含まれる。いくつかの変形例において、本明細書のデバイスは、ネットワークを介して(例えば、NFC、Bluetooth、WiFi、RFID等を介して)データを送信せずに、互いに直接通信することができる。
【0044】
通信インターフェースは、ユーザ(例えば、患者、パートナー、家族メンバ、医療専門家、コーチなどの所定の連絡先)がコンピューティングデバイスを制御することを可能にするように構成されたユーザインターフェースをさらに備えることができる。この通信インターフェースは、ユーザがコンピューティングデバイスと直接および/またはリモートでやり取りおよび/または制御することを可能にし得る。例えば、コンピューティングデバイスのユーザインターフェースは、ユーザがコマンドを入力するための入力デバイス、およびユーザが出力(例えば、ディスプレイデバイス上の患者データ分析およびプロンプト)を受信するための出力デバイスを含み得る。
【0045】
ユーザインターフェースの出力デバイスは、患者に対応するデータ分析およびすぐに実行可能なプロンプトを出力し得、ディスプレイデバイスおよび音響デバイスのうちの1つ以上を含み得る。例えば、患者と医療専門家との間のビデオ会議が、コンピューティングデバイスのディスプレイデバイスを使用して容易に行われ得る。ディスプレイデバイスは、ユーザがコントローラによって処理された傾向分析および/または他のデータを閲覧することを可能にし得る。サーバ(250)によって生成されたデータ分析は、コンピューティングデバイス(220、222)の出力デバイス(例えば、ディスプレイ)によって表示され得る。1つ以上の測定デバイス(210、212)からの測定データは、ネットワークインターフェースを介して受信され、コンピューティングデバイス(220)の1つ以上の出力デバイスを介して視覚的および/または可聴的に出力され得る。いくつかの変形例では、出力装置は、発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマ表示パネル(PDP)、薄膜トランジスタ(TFT)、有機発光ダイオード(OLED)、電子ペーパ/電子インクディスプレイ、レーザディスプレイ、及び/またはホログラフィックディスプレイのうちの少なくとも1つを含むディスプレイ装置を含んでもよい。
【0046】
音響デバイスは、患者データ、システムデータ、アラーム、および/または通知を、可聴的に出力することができる。例えば、音響デバイスは、測定データ(例えば、血中グルコース)が所定の範囲から外れたとき、または分析物測定デバイス(210)内で故障が検出されたとき、警報音を出力してもよい。いくつかの変形例において、音響デバイスは、スピーカ、圧電音響デバイス、磁歪スピーカ、および/またはデジタルスピーカーのうちの少なくとも1つを備えてもよい。いくつかの変形例において、ユーザは、音響デバイスおよび通信チャネルを使用して、他のユーザと通信することができる。例えば、患者は、遠隔地の医療専門家と共に音響通信チャネル(例えば、VoIP通話)を形成してもよい。
【0047】
いくつかの変形例において、ユーザインターフェースは、入力デバイス(例えば、タッチスクリーン)および出力デバイス(例えば、ディスプレイデバイス)を備え得、測定デバイス(210、212)、ネットワーク(230)、データベース(240)、およびサーバ(250)のうちの1つ以上から入力データを受信するように構成され得る。例えば、入力デバイス(例えば、キーボード、ボタン、タッチスクリーン)のユーザ制御は、ユーザインターフェースによって受信され、次いで、ユーザインターフェースが制御信号を1つ以上の測定デバイス(210、212)に出力するためのプロセッサおよびメモリによって処理されてもよい。入力デバイスのいくつかの変形例は、制御信号を生成するように構成された少なくとも1つのスイッチを備え得る。例えば、入力デバイスは、ユーザが制御信号に対応する入力(例えば、タッチ表面への指接触)を与えるためのタッチ表面を備えてもよい。タッチ表面を備える入力デバイスは、容量性、抵抗性、赤外線、光学的撮像、分散信号、音響パルス認識、および表面弾性波技術を含む複数のタッチ感度技術のいずれかを使用して、タッチ表面上の接触および動きを検出するように構成され得る。少なくとも1つのスイッチを含む入力デバイスの変形例では、スイッチは、例えば、ボタン(例えば、ハードキー、ソフトキー)、タッチ表面、キーボード、アナログスティック(例えば、ジョイスティック)、方向性パッド、マウス、トラックボール、ジョグダイヤル、ステップスイッチ、ロッカースイッチ、ポインタデバイス(例えば、スタイラス)、モーションセンサ、画像センサ、およびマイクロフフォンのうちの少なくとも1つを含み得る。モーションセンサは、光学センサからユーザの動きデータを受信し、ユーザの身振りを制御信号として分類することができる。マイクロフォンは、音響データを受信し、ユーザの音声を制御信号として認識することができる。
【0048】
触覚デバイスは、入力および出力デバイスのうちの1つ以上に組み込まれて、追加の感覚出力(例えば、力フィードバック)をユーザに提供することができる。例えば、触覚デバイスは、触覚応答(例えば、振動)を生成して、ユーザ入力を入力デバイス(例えば、タッチ表面)に確認させてもよい。別の例として、触覚フィードバックは、ユーザ入力がコンピューティングデバイスによって無効にされることを通知してもよい。
【0049】
ネットワーク
いくつかの変形例において、本明細書に記載されたシステムおよび方法は、例えば、1つ以上のネットワークを介して他のコンピューティングデバイスと通信してもよく、それらのネットワークの各々は、任意のタイプのネットワーク(例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク)であってもよい。通信は、暗号化されていてもまたはされていなくてもよい。無線ネットワークは、いかなる種類のケーブルによっても接続されていない任意のデジタルネットワークを指すことができる。無線ネットワークにおける無線通信の例としては、以下に限定されないが、携帯電話、ラジオ、衛星、およびマイクロ波通信が挙げられる。ただし、無線ネットワークは、有線ネットワークと接続して、インターネット、他の搬送波音声およびデータネットワーク、ビジネスネットワーク、ならびにパーソナルネットワークとインターフェース接続してもよい。有線ネットワークは、典型的には、銅ツイストペア、同軸ケーブル、および/または光ファイバケーブルを介して搬送される。数多くの異なるタイプの有線ネットワークが存在し、それらには、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットエリアネットワーク(IAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、インターネットと同じようなグローバルエリアネットワーク(GAN)、および仮想プライベートネットワーク(VPN)が挙げられる。以降、ネットワークは、一般的にインターネットを介して相互接続されている無線、有線、公共、及びプライベートデータネットワークの任意の組み合わせを指し、統合ネットワーキング及び情報アクセスシステムを提供する。
【0050】
移動通信は、GSM、PCS、CDMAまたはGPRS、W-CDMA、EDGEまたはCDMA2000、LTE、WiMAX、及び5Gネットワーキング標準などの技術を包含することができる。いくつかの無線ネットワークの展開では、多重移動無線ネットワークからネットワークを組み合わせ、または移動無線、Wi-Fi、及び衛星通信の混在を使用する。
【0051】
II.方法
また、本明細書に記載されたシステムおよびデバイスを使用して、患者の慢性状態をモニタリングするための方法も本明細書に記載されている。一般に、本明細書に記載された方法は、分析物測定デバイスおよび患者測定デバイスからのデータを受信すること、そのデータを分析することによってデータ傾向を生成すること、およびデータ傾向に応答してデバイス設定を修正することを含む。本明細書に記載されたシステムおよびデバイスのいずれも、本明細書に記載された方法において使用され得ることを理解されたい。図3A図3Cは、患者分析およびモニタリングプロセス(300)を一般的に説明するフローチャートである。
【0052】
患者の慢性状態の管理
プロセス(300)は、患者の分析物測定デバイスを使用して分析物データを生成すること(302)、および患者の患者測定デバイスを使用して患者データを生成すること(304)を含み得る。例えば、患者測定デバイスは、ウェアラブルデバイス(例えば、活動追跡装置)、睡眠追跡計、水分補給追跡計、血圧モニタ、心拍数モニタ、コレステロールモニタ、A1c検査デバイス、体重計、地理的位置デバイス(例えば、GPS、GLONASS)、スマートフォン、タブレット、スマート冷蔵庫、埋め込み型デバイス、摂取可能デバイス、および他の診断デバイスのうちの1つ以上を含んでもよい。さらに、患者データは、例えば、栄養アプリケーションに手動で入力され得る栄養(例えば、カロリー、食事)分析アプリケーション等のアプリケーションを実行するコンピューティングデバイス上に生成され得る。したがって、場合によっては、患者測定デバイスは、必ずしもセンサを使用して患者データを生成する必要はない。本明細書に使用されるとき、患者測定デバイスは、また、ネットワーク(例えば、ウェブサイト、リモートサーバ、クラウドデータベース等)を介してアクセス可能である患者データを格納するデバイスも指し得る。例えば、患者データは、患者の活動追跡装置プラットフォームから引き抜かれ得る。
【0053】
通信チャネルが、分析物測定デバイスとコンピューティングデバイスとの間に確立され得る(306)。通信チャネルが、患者測定デバイスとコンピューティングデバイスとの間に確立され得る(308)。いくつかの変形例において、複数の患者に対応する複数の測定デバイスが、データを生成し、複数のそれぞれのコンピューティングデバイスにそれぞれの通信チャネルを確立し得る。通信チャネルは、有線接続または無線接続であってもよく、任意の通信プロトコルを使用してもよく、そのプロトコルは、本明細書に記載されたものを含むが、これに限定されない。通信チャネルは、時間(例えば、毎時、毎日、毎週等)、デバイス使用方法(例えば、検査測定の実施後ごと、デバイス電源がオンになったとき、睡眠モードに入る前、メモリ使用量、バッテリレベル、通信チャネルの確立等)、測定データ分析(例えば、所定の範囲から外れること)、接続要求等のうちの1つ以上に基づく所定の間隔で確立されてもよい。
【0054】
追加的にまたは代替的に、通信チャネルは、任意の所望の時間にユーザ(例えば、患者、家族メンバ、医療専門家、コーチ等)によって手動で確立されてもよい。測定デバイスは、本明細書に記載されているように、1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、データベース、リモートサーバ、インターネット等)と直接的または間接的に通信チャネルを確立することができる。間接接続の場合、中継デバイス(複数可)は、追加の通信チャネルを確立することができる。例えば、グルコースモニタリングデバイスは、スマートフォンへの接続を確立して最初にグルコースデータを転送することができる。次いで、スマートフォンは、グルコースデータをクラウドデータベースおよび/または任意の他のコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ)に転送することができる。いくつかの変形例において、分析物モニタリングデバイスは、分析物検査完了後、所定の時間量(例えば、1分)の間、通信チャネルを確立するためにコンピューティングデバイスを見つけようと試行する場合がある。分析物モニタリングデバイスは、患者のスマートフォンおよび/またはデスクトップPCなどの認識および/または認可されたコンピューティングデバイスに接続し得ることが好ましい。
【0055】
分析物データおよび患者データは、コンピューティングデバイスで受信され得る(310)。例えば、データは、Bluetoothプロトコルを使用して無線で送信されてもよく、USB接続を介して有線で送信されてもよい。いくつかの変形例において、一旦、通信チャネルが、測定デバイスとコンピューティングデバイスとの間に確立されると、分析物データおよび患者データは、患者入力および/または通知なしで自動的に送信され得る。例えば、分析物測定デバイスは、患者が患者のスマートフォン上で他のアプリケーションを使用している間に、すべての生成データまたはサブセットデータ(例えば、コンピューティングデバイスによってまだ受信されていないデータセット)をバックグラウンドで送信することができる。追加的にまたは代替的に、コンピューティングデバイスは、最後の検査結果、すべての検査結果、所定の時間枠からの検査結果等を受信してもよい。受信したデータは、クラウドデータベースにさらに送信され得る。クラウドデータベース上に格納された分析物および患者データは、そのデータへのアクセスが許可されたアカウントおよび/またはデバイスからアクセス可能であり得る。いくつかの変形例において、患者のコンピューティングデバイスは、患者データ(例えば、活動追跡装置データ、食事データ)を含む別のサービス/プラットフォームに接続して、そのデータを受信することができる。
【0056】
分析物データは、患者データと共に統合され得る(312)。データ統合は、様々なデバイスから生成された複数組のデータ全体で比較および分析を可能にするためのデータフォーマットを含み得る。いくつかの変形例において、データ統合は、例えば、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって、実行され得る。いくつかの変形例において、分析物データおよび患者データを統合して、同じ時間尺度での比較を可能にし得る。例えば、分析物データおよび患者データは、タイムスタンプの同期を受けてデータセットの時間フォーマットを標準化し、例えば、活動データがグルコース測定値にリンクされることを可能にし得る。いくつかの変形例において、グルコースは、mg/dLで測定され得、約30mg/dL~約500mg/dLの範囲、およびそれを超える範囲であってもよい。活動は、時間軸に沿って測定され得る。労作は、心拍数ゾーンデータから推定され得る。糖質は、グラムで測定され得る。体重は、ポンドまたはキログラムで測定され得る。
【0057】
追加的に、または代替的に、データ統合は、範囲正規化を含むことができる。例えば、各データポイントは、所定の範囲(例えば、0~100)に変倍されて、アルゴリズムが測定単位と無関係にデータを操作することを可能にし得る。さらに、データセットを統合して、他の患者のデータに対する一人の患者のデータの比較を可能にし得る。データの統合は、1つ以上のデバイスにわたって実行され得る。データ統合は、データの競合(例えば、手動で生成されたデータ対デバイス生成データ、破損データ、欠落データ等)を解決することをさらに含み得る。いくつかの変形例において、データ統合は、複数の患者に対応するデータセットに対して実行され得る。
【0058】
データ傾向は、各患者のための患者データに対して分析物データを分析することによって、生成され得る(314)。異なる測定デバイスからのデータに関するデータ分析は、分析物データと患者データとの間の有用な傾向を識別して、ユーザ(例えば、患者および医療専門家)に出力し、すぐに実行可能なプロンプトの生成を可能にし得る。例えば、フィットネストラッカーからの活動データ(例えば、歩いた歩数、心拍数等)は、血中グルコースモニタからの血中グルコース測定値に対して分析され得、この活動データを使用して、患者の血糖値が患者の活動に対して逆比例の関係にあることを示すデータ傾向を生成し得る。例えば、座っている時間がより多い間は患者の血糖値がより高いことを示す傾向が生成される場合がある。1つ以上のコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ)上でデータ分析を実行することにより、分析速度を早めることができる。分析がリモートサーバ上で実行される変形例においては、分析および傾向生成ステップは、各患者のコンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)のソフトウェアの更新を必要とせずに、サーバ上でのみ更新され得る。いくつかの変形例において、本明細書に記載されたデータ、分析、および傾向のうちの1つ以上は、本明細書により詳細に記載されるようなコンピューティングデバイスなどの任意のデバイス上で、ユーザ(例えば、患者、所定の連絡先、医療専門家、コーチ)に視覚的に出力され得る(例えば、チャート、グラフ、記号、アニメーション)。
【0059】
データ統合と同様に、本明細書に記載されているようなデータおよび傾向分析は、例えば、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって実行され得る。
【0060】
いくつかの変形例において、データおよび傾向分析は、回帰分析技術(例えば、線形回帰、曲線近似)に基づき得る。傾向分析には、例えば、検査時間(例えば、最終検査からの時間)、検査頻度(例えば、1日当たり3回)、ならびに活動データおよび/または食事データに対する血中グルコース値を含む分析物データパラメータの分析が含まれ得る。これらの例では、傾向分析は、高い血糖値が非活動性および/または粗末な食事選択(例えば、アルコール摂取)と相関していることを示している場合がある。長期休暇、悪天候などの辺りでより高いグルコース値を示す時季的な傾向など、より長期的な傾向も同様に生成されてもよい。
【0061】
いくつかの変形例において、患者の健康指標(例えば、健康値)を生成して単純化した尺度を提供し、ユーザが患者の全体的な健康状態、または特定の健康面、および/または糖尿病などの健康状態の制御向上をより簡単または迅速に判断することに役立ち得る。この健康指標は、1組の健康特性を考慮および集約する総体的な健康全般の簡略化した指標であり得、ここで、各健康特性は、通常、健康指標にプラス効果またはマイナス効果を与えるものと見なされる場合がある。健康指標は、所定の範囲に変倍され得る。例えば、健康指標は、数字(例えば、0~5、0~10、0~100、百分位数ランキング)、レターグレード(例えば、A、B、C、D、F等)、色(例えば、赤、橙、黄、緑)、記述子(例えば、優、良、可、普通、不可、改善、維持、減少等)、画像(例えば、笑顔、普通顔、不幸顔、アニメーション等)、音響効果または音楽シーケンス(例えば、ビープ音、トーン、上昇音階、下降音階、震え音、拍手等)、振動(例えば、個別振動の数、振動の持続時間等)、これらの組み合わせ等であってもよい。
【0062】
健康指標は、任意の好適な方法で計算されてもよい。いくつかの変形例において、健康指標は、1組の分析された患者傾向(例えば、血中グルコース傾向、血中グルコースおよび活動傾向、ストレスおよび栄養傾向等)に基づく場合があり、各患者傾向は、それぞれの重み付け係数を用いて重み付けされている。例えば、健康指標は、所定の期間(例えば、直前の7日間、15日間、30日間、季節等)にわたる、グルコースデータ、検査遵守データ、低血糖事象の回数、栄養データ、活動データ、体重データ、睡眠データ、水分補給データ、これらの組み合わせ等のうちの1つ以上を重み付けすることによって計算されてもよい。いくつかの変形例において、重み付け係数は、すべての患者に対して同様であり得るが、いくつかの変形例においては、重み付け係数は、患者特性に基づいて、特定の患者、または患者の部分集団に合わせて調整されてもよい。例えば、太りすぎの患者は、より軽量の患者と比較して、患者の体重傾向に対してより高い重み付け係数を有する場合があり、このことは、太りすぎの患者の健康指標に対する患者体重のより高い重要性を反映する場合がある。重み付け係数は、一定のままであってもよく、または(例えば、医療専門家などによる手動で)調整されてもよい。
【0063】
いくつかの変形例において、健康指標は、1つ以上の重み付けされたパラメータまたは特性(例えば、倍率により重み付けられた)を含み、糖尿病管理の指標(例えば、糖尿病健康指標)として機能し得る。健康指標に寄与するパラメータには、例えば、グルコースメトリックス(例えば、グルコース測定値、グルコース傾向等)、グルコース事象(例えば、低血糖および/または高血糖事象の回数)、活動データ、栄養データ(例えば、糖質の消費者、水分補給等)、睡眠データ(例えば、1日当たりの平均睡眠量)、および医師の診察等が含まれ得る。いくつかのパラメータは、他のパラメータとは別々に変倍され得る。例えば、より大きな重み付けが、血中グルコースの健康に直接関係する1つ以上の主要な特性に与えられ得、これに対して、睡眠、活動、医師の診察等の副次的要因は、全体的な健康指標内に組み込まれ得る。
【0064】
いくつかの変形例において、健康指標は、患者コンピューティングデバイスおよび/または他のデバイス上に(例えば、患者、以下にさらに詳細に記載される患者の1組の所定の連絡先の一部であるユーザ、医療専門家、コーチ等に)出力され得る。例えば、健康指標は、スピーカまたは他の音響デバイスを介して通信する、触覚(例えば、振動)を介して通信するコンピューティングデバイスのディスプレイ上に表示され得る。
【0065】
いくつかの変形例において、時間の経過に伴う健康指標のグラフが、患者コンピューティングデバイス上に出力され得る。いくつかの変形例において、健康指標は、患者が患者の健康指標をどのように高め得るかについてのすぐに実行可能な提案、および/または健康指標がどのように導き出されるかについての所見を提供するプロンプトを任意選択的に含み得る。例えば、プロンプトは、患者が、翌月の医療専門家の診察を予約し、昼食後の30分の散歩を追加し、または所定の範囲(例えば、普通および減少)以内の健康指標に基づいて、追加の検査リマインダを加えることを提案することができる。プロンプトは、健康指標に追加のコンテキストを提供し得る所見を含み得る。例えば、所見は、最近3ヶ月にわたる健康指標の改善が、週当たりの活動の分数の増加と相関していることを示す場合がある。1つの具体的な実施態様では、健康指標は、以下の例示的な式(1)に従って計算され得る。
Ws=100-a(s.d(30日間にわたるグルコース))-b(|目標グルコース-平均値(30日間にわたるグルコース)|)-
c(30日間にわたる低血糖測定値の数)-
d(30日間にわたる高血糖測定値の数)+
e(目標範囲内の測定値のパーセント-60パーセント)+
f(30日間にわたるグルコース測定回数)+
n(従前365日にわたる医師診察の回数)+
p(従前365日にわたる視力検査の回数)+
q(従前365日にわたる糖尿病足の検査の数)(1)
ここで、a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、n、p、およびqは、倍率であり、s.d.は、標準偏差であり、BMIは、肥満度指数である。
【0066】
例えば、倍率は、a≦b≦c≦d≦e≦f≦g≦h≦i≦j≦k≦l≦m≦n≦p≦qであるように構成され得る。90日未満の検査履歴および/または患者データを有する新しい患者の場合、倍率g、h、i、j、k、l、m、n、p、およびqは、健康指標での血中グルコース測定値を強調するためにゼロまたは公称値に設定される場合がある。活動の分が低い履歴を有する他の患者の場合、倍率gおよびhが、健康指標での身体的活動を強調するために、グルコース倍率a、b、c、d、e、およびfのうちの1つに実質的に等しくする場合がある。倍率は、ユーザ入力を介して(例えば、ユーザコンピューティングデバイス上のウェブポータルまたは他のユーザインターフェースを介して)受信されるか、または任意の好適な方法で健康指標判定に入力されて、ソフトウェア中に決め打ちされ得る。
【0067】
いくつかの変形例において、倍率は、糖尿病の型、年齢、および糖尿病と診断された時期のうちの1つ以上に基づいて構成され得る。他の変形例では、患者のサブグループの倍率は、そのサブグループの健康または健康範囲を適切に表すように構成され得る。例えば、患者のサブグループの倍率は、そのサブグループの傾向分析に少なくとも部分的に基づく場合がある。いくつかの変形例において、平均絶対偏差、四分位範囲、および試料差異を含むが、これらに限定されない他の分散度/変動度が、標準偏差と共に、および/または標準偏差の代わりに使用され得る。式(1)中の時間間隔は、単に例示的であり、より短くまたはより長くてもよく(例えば、7日間、90日間)、同様に、式(1)中で使用される測定単位(例えば、分、グラム等)は、適切に修正され得ることを理解されたい。例えば、摂取される糖質のグラムおよび摂取される糖質の目標グラムの時間範囲は、任意の日数範囲(例えば、1日間、7日間、15日間、30日間)であってもよい。
【0068】
いくつかの変形例において、分析物データおよび/または患者データの分析により、低血糖事象の推定リスクに対応するデータ傾向を生成し得る。1組のデバイス設定および/またはプロンプトは、その推定リスクに基づいて出力され得る。例えば、所定の長さの時間にわたって低血糖事象に対して低リスク状態が推定される場合は、分析物検査頻度を減らすためのプロンプトに対応し得、これに対して、低血糖事象に対して高リスク状態が推定される場合は、直ちに医療専門家の診察を予約するためのプロンプトに対応し得る。いくつかの変形例において、分析物データおよび患者データを分析して低血糖事象のリスクを推定することができる。低血糖事象のリスクは、患者活動、患者労作値、および摂取された糖質に少なくとも部分的に基づいて推定され得る。例えば、患者の活動レベルおよび糖質摂取に関連して、患者の平均血中グルコース測定値と、患者の現在の血中グルコース測定値との間に大きな差があることは、低血糖事象のリスクが高いことを示し得る。1つの具体的な実施態様では、低血糖事象のリスクの数値表示は、以下の例示的な式(2)に従って推定され得る。
【数2】
ここで、AvgGluは、最近90日間にわたる平均グルコース値であり、CurrentGlucoseは、現在のグルコース値であり、Actは、患者活動の分数であり、Exeは、心拍数に基づく1~5の範囲の労作レベルであり、Carbsは、最近90分内に摂取された糖質のグラム数である。式(2)に従って計算されたより高い値は、例えば、低血糖事象のリスクがより高いことを示し得る。例示的で具体的な数字が、式1に関連して提供されているが、他の変形例では、式は、修正され得ることを理解されたい(例えば、日数、患者活動または労作または栄養等の単位)。
【0069】
いくつかの変形例において、データ分析は、活動データおよびグルコースデータを含み得る。例えば、低い血中グルコース測定値を有するが、同時に激しい身体運動にも関与している患者は、低血糖事象の高リスク状態にあり得る。特に、早晩、ある時点での血中グルコース測定値が、150mg/DL未満であり、かつAct*Exe>200である場合、活動後10時間、低血糖のリスクが増大し得る。これらの閾値を満たす患者は、高リスクとして分類され得る。他の適切な閾値の値が実装され得ることを理解されたい。これらの閾値が満たされる場合、プロンプトについて本明細書でより詳細に記載されているように、プロンプトが、グルコース測定後10時間前後に追加のグルコース検査を設定する提案を出力し得る。いくつかの変形例において、健康指標、および低血糖の推定リスクは、例えば、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって、計算され得る。
【0070】
1組のプロンプトが、傾向(例えば、データ傾向、患者傾向)に基づいて、患者に対して生成され得る(316)。いくつかの変形例において、1組のプロンプトの生成および送信は、例えば、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって、実行され得る。例えば、プロンプトは、医療専門家コンピューティングデバイス(222)によって構成および生成され得、所定の基準(例えば、傾向閾値)が満たされると、患者コンピューティングデバイス(220)に送信され得る。本明細書に記載されているように、プロンプトの生成および出力は、医療専門家による介入の時間および費用をかけずに、潜在的に危険な状況を識別し、その状況が悪化するのを防ぐための行動を提案することによって、緊急の病院診察の必要性を減らすことができる。例えば、本明細書に記載されたプロンプトは、患者が自分の状態を改善するために取り得る行動を提案することによって、経費のかかる病院診察の必要性を減らすことができる。プロンプトを介して提案されるように医療専門家との複数の診察であっても、1回の病院診察よりも費用対効果が高い場合がある。いくつかのプロンプトは、参考情報になり得(例えば、所見または警告を伝達する)、いくつかのプロンプトは、すぐに実行可能であり得(例えば、患者による行動を勧める)、いくつかのプロンプトは、参考情報および実行可能であり得る。
【0071】
プロンプトは、いくつかの変形例において、健康を改善するための提案および/または所見を有する自動化したデジタルコーチとして機能することができる。傾向分析は、すぐに実行可能な提案と共にユーザに提示されて、人間のコーチからのいかなる介入もなしに患者の健康を改善することができる。いくつかの変形例において、プロンプトは、予想される検査計画(またはその欠如)と共に患者遵守を示し得、さらに、患者がその計画をより良く遵守するための奨励を含み得る。例えば、ユーザが、予想される検査、食事、および/または運動計画(例えば、連続してまたは首尾一貫して所定の回数検査すること、歩数目標、強度(分)の目標、食事目標)を遵守している場合、プロンプトは、GUIを使用して患者を承認および賞賛することができる(図4を参照)。いくつかの変形例において、プロンプトは、患者に、患者の達成状況を1人以上の所定の連絡先(例えば、パートナー、家族メンバ、支援グループ)と共有することを要求し得、連絡先の人々が応答するためのプロンプトを任意選択的に提供することができる。逆に、ユーザが、予想された検査、食事、および/または運動計画を遵守していない場合、プロンプトは、患者、および/または1人以上の所定の連絡先にそれを知らせることができる。さらに、いくつかの変形例において、目標または予想される目標からより大きな偏差があると、プロンプトを起動し得、このプロンプトは、患者に、および/またはより多くの(または特定の種類の)所定の連絡先に、より頻繁に配信され得る。
【0072】
プロンプトは、分析物測定デバイスおよびコンピューティングデバイスなどの任意のアクセス可能なコンピューティングデバイス上で患者に出力され得る(318)。患者は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を使用し、モバイルアプリケーション(例えば、iOS、Android)、安全なウェブサイトにアクセスするウェブブラウザ、および/またはクラウドコンピューティングソリューションのうちの1つ以上を使用して、患者のデータ、分析、およびすぐに実行可能な提案(例えば、プロンプト)を閲覧することができる。患者は、アプリケーションを介してアカウントを登録し、ログインしてその機能にアクセスすることができる。表示されるプロンプトは、患者検査履歴、結果、および分析についての情報を提供することができる。分析物および患者データは、1つ以上のカスタマイズ可能なフォーマットでグラフィカルユーザインターフェースを使用して提示され得、そのデータより、患者が自分の糖尿病および健康全般に対しより多くの洞察を得ることを可能にする。例えば、グルコース傾向は、経時的にプロットされ得、目標情報、平均値、および色分けを含み得る。グルコースデータは、1日単位で表示され得る。分析物データおよび患者データは、表形式で表示され得る。目標分析は、円グラフで提示され得、患者が自分の目標ゴールをどの程度十分に満たしているかを示し得る。健康記録、検査結果、食事データ、投薬情報、患者プロファイル、保険、および検査スケジュールのうちの1つ以上を含む情報は、すべてGUIを介してアクセス可能であり、データ分析に使用され得る。追加的にまたは代替的に、データ、分析、および/またはプロンプト(例えば、通知)は、テキストおよび電子メールを含み得る。
【0073】
いくつかの変形例において、プロンプトは、健康状態または患者の容態についての警告または通知を提供することができる。例えば、プロンプトは、時間間隔にわたる現在のグルコース>平均グルコースの20%であるか、または時間間隔にわたる現在のグルコース<平均グルコースの20%であれ場合に生成され得る。他の好適な閾値を使用して、プロンプトの生成を起動し得ることを理解されたい。いくつかの例示的な変形例では、図6A図6Cに例示されているように、プロンプトは、患者の現在のグルコース測定値が履歴平均値を超えたことに応答して出力され得る。いくつかの変形例において、平均グルコースは、患者と同様の1組の他の患者(例えば、同じリスクグループ、他の共有特性)の平均グルコース測定値に対応し得る。
【0074】
いくつかの変形例において、プロンプトは、患者が、より頻繁に検査し、医師に相談し、またはユーザの食事を変更することを奨励してもよく、それらのステップからさらに進んでデバイス設定の修正を提案および/または実行し得る。例えば、患者が、1日を通じて特定の回数首尾一貫して検査し、患者が、以前に定期検査時刻として認識されていた時刻に検査を怠った場合、プロンプトは、患者に検査することを思い出させ、コンピューティングデバイスおよび/または分析物測定デバイスからの通知の設定を提案することができる(例えば、「毎日午前8:00に検査するように、リマインダを設定しますか?」)。視覚的、可聴的、および/または触覚的アラームは、患者に、スケジューリングされた検査時刻に検査を実行することを通知するように設定され得る。患者は、プロンプトに示されているように、デバイス設定を変更するための確認を入力し得る。本明細書に記載された変形例および例では、プロンプトは、自動的にコマンドを実行するか、または確認のためのユーザ入力を要求することができる。
【0075】
いくつかの変形例において、患者が検査する時刻が、一貫して所定または過去に予定された範囲の外側に存在する場合、プロンプトは、所定または過去に予定された範囲が経過する前に検査するように、コンピューティングデバイスおよび/または分析物測定デバイス上に通知を設定することを提案し得る。患者がそのプロンプトを確認すると、プロンプト内に示されているように、デバイス設定を修正することができる。プロンプトは、本明細書に記載された任意のコンピューティングデバイス上に出力され得る。修正されたデバイス設定によっても、時間の経過と共に検査遵守が高まらない場合には、1つ以上の追加のデバイス設定修正プロンプトが、患者に出力され得る。
【0076】
いくつかの変形例において、プロンプトを生成して、1日の特定時刻前後の高いグルコースおよび/または非活動性を示す傾向分析に基づいて、検査するおよび/または身体的活動へ関与するための通知設定を提案し得る(例えば、「あなたのグルコースは、活動が少ない日に、急上昇しています。活動リマインダを設定しますか?」)。ユーザは、コンピューティングデバイスにワンボタン確認を入力してコンピューティングデバイスにデバイス設定を修正するように命令し、傾向分析に基づいて繰り返し発生する活動リマインダを設定することができる。
【0077】
いくつかの変形例において、プロンプトを生成して、1日の特定時刻前後に検査することおよび/または身体的活動に関与することを一貫して行っていないことを示す傾向分析に基づいて、検査および/または食事の通知の設定を提案することができる。他の変形例では、プロンプトを生成して、検査間の間隔が所定の閾値を超えた場合、検査をするための通知の設定を提案することができる。
【0078】
いくつかの変形例において、プロンプトは、グルコース事象が将来起こり得る可能性をユーザに知らせ、コンピューティングデバイスを使用して、医療専門家の診察を予約するためのコマンドを提案し得る(例えば、「医師の診察予約を希望しますか?」)。ユーザは、コンピューティングデバイスに入力を行うことによって、プロンプト内のコマンドの実行を確認することができる(例えば、音声通話の確立、診察の予約)。例えば、データ分析は、基礎インスリン投与量に対して予測される不足量を示し得る、早朝(例えば、朝食前)の一貫した高血中グルコース(BG)の傾向を示す場合がある。プロンプトは、データ分析について話し合うために、患者の医療専門家の診察を予約するためのコマンドを提案し得る。このため、分析および一連の行動は、測定検査の完了後、患者の行動がほとんどないか、または全くない状態で、生成および実行され得る。データにおけるいかなる消極的な傾向も、早期に(例えば、医師の診察前に)識別され、患者の健康リスクが増大する前に患者に通知され得る。対照的に、典型的な患者は、患者のグルコース測定値について患者の医療専門家と話し合う前に、患者の次回の定期予約診察(例えば、90日以上)まで待つ傾向がある。典型的なグルコースメータは、時間によって平均値を計算しないため、患者の医療専門家は、患者のグルコースが、朝に、好ましい範囲から外れていることに気づかないことさえあり得る。
【0079】
別の例として、分析物測定データおよび患者データの分析は、患者が直近には何も食べておらず、血糖値が約40mg/dLであることを示す場合があり、この値は、米国糖尿病協会(ADA)ガイドラインの下では危険性は低いと考えられており、それによると、低血糖を70mg/dL未満の血糖値と定義している。プロンプトは、この分析に基づいて生成され、糖質を摂取し、血糖を増加させ、患者の医療専門家(例えば、医師)の診察を予約する提案を患者に出力することができる。患者が、提案された診察予約を拒否するように入力した場合、後になって経過観察のプロンプトが患者に出力されて、診察を予約することを再度提案することができる。患者がその提案を確認することを入力した場合、コンピューティングデバイスは、デバイス設定を修正して診察を予約することができる。いくつかの変形例において、予約は、繰り返し発生し得る。いくつかの変形例においては、プロンプトは、1つ以上のADAガイドラインを含む所見を含み得る。
【0080】
いくつかの変形例において、プロンプトのうちの1つ以上は、グルコース事象がいつ起こり得るかの判定結果に依存し得る。プロンプトは、グルコース事象が生じる尤度について患者に知らせることができる。例えば、プロンプトは、グルコース事象が差し迫っていることを患者に知らせ、また、コンピューティングデバイスが、1組の所定の連絡先(例えば、パートナー、家族メンバ、友人、社会集団、支援グループ、医療専門家、コーチ等)との音声通話またはビデオ会議を設けることを提案することができる。例えば、特定範囲未満、例えば、60mg/dL未満のグルコース測定値は、コンピューティングデバイスが、1つ以上の通信方法(例えば、自動電話呼び出し、テキストメッセージ、電子メール、ソーシャルメディア、伝言板等)を使用して、患者の所定の連絡先のうちの1つ以上に連絡することを通知するプロンプトを出力することができる。所定の連絡先は、患者のグルコース測定値および地理的位置のうちの1つ以上について通知され得る。いくつかの変形例において、1組の所定の連絡先への通知は、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)によって、実行され得る。いくつかの変形例において、患者コンピューティングデバイス(220)と所定の連絡先デバイス(222)との間の通信チャネルは、サードパーティデバイス(例えば、リモートサーバ(220))によって開始されてもよい。別の例では、40mg/dL未満のグルコース測定値は、プロンプトを患者の電話に出力し得、患者に問題がないことを確認するように要求する場合がある。さらなる別の例では、最近30日の患者の平均グルコース測定値よりも低い所定量(例えば、2標準偏差)であるグルコース測定値は、患者の所定の連絡先のうちの1人以上にプロンプトを起動し得る。いくつかの変形例において、グルコース事象プロンプトに応じた患者は、患者のパートナーなどの単一の連絡先にプロンプトを生成し得、これに対して、グルコース事象プロンプトに応じない患者は、医療専門家を含む患者の連絡先の各々に追加のプロンプトを生成し得る。
【0081】
いくつかの変形例において、患者の1組の所定の連絡先は、同様の特性を有する1組の他の患者を含み得る。例えば、1組の患者は、本明細書でより詳細に記載されているように、同じリスクグループ内に属するものとして分類され得る。この1組の患者は、患者コンピューティングデバイスに送信され得、患者は、受信した1組の患者のうちの1人以上の患者を、所定の連絡先の患者の支援グループとして追加することを選ぶことができる。リスクグループは、年齢、性別、体重、人種、住所、活動、健康、目標、組織、雇用者、地理的位置、医療専門家、コーチ等を含むがこれらに限定されない1つ以上の追加基準によってサブグループに分割され得る。1組の所定の連絡先は、小グループ(例えば、1人、2人、3人、4人、12人、またはそれ以下)に限定され得る。これらの変形例のいくつかでは、プロンプトが、グルコース事象発生の尤度に起因して生成されると、支援グループを含む所定の連絡先は、プロンプトを受信し得る。これらの変形例のいくつかでは、プロンプトは、積極的性質を有し、所定の患者遵守の一貫性を達成する患者について支援グループに知らせ、そのグループを奨励し、かつ/または競争力のある集団力学を生み出すことができる。これらの変形例のいくつかでは、プロンプトは、非緊急プロンプトに限定され得る。いくつかの変形例において、患者は、ソーシャルメディアプラットフォームを介して支援グループに接続されてもよい。時間の経過と共に、支援グループのメンバは、変更し、患者は、更新されたデータ傾向分析に基づいて、異なる支援グループに再分類され得る。いくつかの変形例において、1組の所定の連絡先は、異なるリスクグループからの1組の患者を含んでもよい。例えば、患者は、他の患者(例えば、患者のリスクグループよりもリスクの低いグループからの)とペアになって、メンター-メンティーの関係を形成してもよい。いくつかの変形例において、1組の所定の連絡先は、同じリスクグループからの1組の患者を含んでもよい。例えば、患者は、同じリスクグループの別の患者とペアになって、共通の動機づけ関係(例えば、「仲間」システム、説明責任パートナー)を形成してもよい。いくつかの変形例において、1組の提案された所定の連絡先(例えば、支援グループ)は、例えば、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)、および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって、実行され得る。
【0082】
いくつかの変形例において、昼食後に一貫した低血中グルコースを示す分析物データおよび患者データのデータ分析では、真昼にインスリン感度がより高くなることを示唆する場合があり、その結果、患者は、その時刻前後により少ないインスリンを必要とする場合がある。患者が自分の医療専門家に連絡し、日中の患者のインスリン対糖質比の調整について話し合うように提案するプロンプトが生成されてもよい。また、プロンプトは、低血糖の警告閾値を提案し、または自動的に上げることができる。より敏感な閾値により、潜在的に危険な状態にある患者が、より迅速に識別されることを可能にし得る。
【0083】
いくつかの変形例において、すぐに実行可能なプロンプトは、モバイルプッシュ通知、テキストメッセージ、音声通話、電子メール等を介して、患者、および1組の所定の連絡先のうちの1つ以上に出力されてもよい。いくつかの変形例において、プロンプトは、健康、フィットネス、食事、ライフスタイル、動機づけ、教育、宣伝、ならびに、患者の1組の所定の連絡先と情報を共有すること、患者による今後の参照のためのプロンプトを保管すること、および患者に追加の関連情報をリンクすることなどの情報に関係する提案で患者の健康を改善するように患者を変えて、一貫性を維持するように奨励し得る他の書面に関連する情報を含み得る。いくつかの変形例において、プロンプトは、患者が、ウェブサイト、アプリケーション、通信プラットフォーム(例えば、ソーシャルメディアネットワーク)、およびGUIのいずれかに接続するためのリンクを含み得る。
【0084】
デバイス修正プロセスの例示的な変形例が、図3Bに図示されている。1組のプロンプトを生成した後、医療専門家(HCP)の介入が、データ分析および傾向に基づいて、推奨されるかどうかの判定が、行われ得る(320)。否(320-いいえ)の場合、測定データおよび分析傾向は、任意選択的にデバイス修正プロンプトと共に、コンピューティングデバイスを介して患者に出力され得る(322)。介入が推奨される場合(320-はい)、データ分析および傾向に基づいて、応急処置が推奨されるかどうかの判定が行われ得る(324)。否(324-いいえ)の場合、患者と医療専門家との間に診察の予約を提案するためのコマンドを含むプロンプトが、出力され得る(326)。患者は、コンピューティングデバイスへの入力を介して、プロンプトを確認または拒否してもよい。医療専門家による即時介入が推奨される場合(324-はい)、患者の医療専門家は、通知を受け、患者のデータおよび傾向分析へのアクセスを与えられ得る(328)。医療専門家は、患者に入手可能である同じ分析へのアクセスを提供され得る。いくつかの変形例において、追加の分析が、特に医療専門家に生成され、ならびに患者の処方に関連する修正選択肢が生成され得る。ステップ320~328のうちの1つ以上は、リモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって少なくとも部分的に実行され得る。
【0085】
通信チャネルが、患者と、医療専門家および/または1組の所定の連絡先(例えば、パートナー、家族メンバ、社会集団、コーチ、友人)との間に確立され得る(330)。例えば、音声通話またはビデオ会議が、患者および医療専門家のそれぞれのコンピューティングデバイス間に確立され得る。いくつかの変形例において、医療専門家は、医師、看護師、コーチ、糖尿病教育者、栄養士、リハビリテーション専門家、薬剤師、救急医療サービス専門家、精神衛生専門家、関連医療専門家等に相当し得る。
【0086】
プロンプトが、患者のデータおよび傾向分析に基づいて、患者コンピューティングデバイスまたは医療専門家コンピューティングデバイスのいずれかのデバイス設定を変更するためのコマンドを含めるべきかどうかの判定が行われ得る(332)。否(332-いいえ)の場合、測定データおよび分析傾向が、患者に出力され得る(322)。プロンプトがデバイス設定修正を含む必要がある場合(332-はい)、患者プロンプトは、医療専門家が再検討するために出力され得る(334)。ステップ332~334のうちの1つ以上は、リモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって、少なくとも部分的に実行され得る。
【0087】
例えば、医療専門家は、再検討して、プロンプトを選択して、患者の処方(例えば、薬物、投薬の変更)を修正し得る。いくつかの変形例において、医療専門家の再検討を求める患者プロンプトは、医療提案(例えば、事実および情報に関連する医療情報)および医療アドバイス(例えば、病状の診断および/または治療の処方)のうちの1つ以上を含み得る。例えば、コーチおよび/または糖尿病教育者が再検討するために生成される患者プロンプトは、医療組織(例えば、糖尿病協会、健康増進協会)によって設定された保健ガイドラインおよび/または標準規格に基づいて、医療提案および/または所見に限定され得る。患者へのプロンプト出力は、医療提案に限定され得、医療アドバイスを含まない場合がある。例えば、本明細書でより詳細に記載されているように、自動化コーチングは、患者のデータおよび傾向分析ならびにADAガイドラインに基づいて、患者のクエリに応答して患者プロンプトを生成し得る。追加的にまたは代替的に、プロンプトは、提案された修正を医療専門家コンピューティングデバイスに出力し得る。例えば、プロンプトは、医療専門家コンピューティングデバイス上に通知を設定することを提案して、患者を経過観察し、かつ/またはより頻繁に患者のデータを再検討し得る。
【0088】
さらに、医療専門家に提供されるプロンプトは、患者に提供されるプロンプトとは、語調が異なり得る。患者プロンプトを和らげて(例えば、中立的、断定的、動機づけ、単純化)、患者遵守を高め、疾病管理に関連するストレスおよび落胆を軽減することができる。対照的に、医療専門家プロンプトは、より簡潔であり、より科学的であり、かつより臨床的であり得る。例えば、患者プロンプトは、奨励するような語調で提示され得る。「こんにちは、ジョン、あなたのグルコースは、先週にわたって極めて高い傾向にあることを検出しました。グルコースを減らす方法についてお手伝いしましょうか?」これに対して、医療専門家プロンプトは、より直接的であってもよい。「患者John S.には、先週、15の高血糖事象があった。John SのA1cは、現在9.1であり、深刻な合併症のリスクがある。処方の変更、検査頻度の増加、および/または食事の変更の提案に介入したほうがいいかもしれない。」
【0089】
医療専門家は、患者のプロンプトを実行するコマンドを入力し得る(336)。例えば、医療専門家は、ステップ334で出力されて生成されたプロンプトのリストから患者に出力されるプロンプトを選択し得る。追加的に、または代替的に、医療専門家は、プロンプトを実行して医療専門家デバイスのデバイス設定を修正し得る。デバイス設定は、1つ以上の患者コンピューティングデバイスおよび医療専門家デバイスのために修正され得る(338)。ステップ336および338のうちの1つ以上は、リモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)のコントローラによって少なくとも部分的に実行され得る。
【0090】
いくつかの変形例において、自分で判断できる患者は、コーチもしくは医療専門家(例えば、看護師、糖尿病教育者)、および/または自動化された(例えば、ガイド付き)コーチとの会合のための通信チャネルを積極的に確立して、提案、所見、および支援のうちの少なくとも1つを受け入れることができる。例えば、この患者は、患者の傾向分析に関する1組の1つ以上の質問を有し得、かつ/または行動変更を実施する際に、精神的および/または後方支援を希望し得る。いくつかの変形例において、患者は、コンピューティングデバイスを使用して、クエリを入力し得、コーチおよび/または医療専門家と連絡を取るための要求を含むことができる。クエリは、キーボードを介した文字入力、選択可能なクエリの表示リストからの選択、発話または口述等を含む、任意の好適な方法で入力され得る。いくつかの変形例において、患者は、コーチおよび/または医療専門家へのアクセスを制限されている場合もある。例えば、患者のアクセスは、継続時間(例えば、30分の通話、ビデオ会議、またはテキストもしくはチャット会合)、頻度(例えば、月、週、日当たりの所定の会合数)、またはアクセスの継続期間(例えば、所定の期間中の会合数は無制限)において、制限され得る。いくつかの変形例において、患者のコーチおよび/または医療専門家へのアクセスが無制限である場合もある。患者のアクセスの性質は、例えば、予約サービスおよび/または患者のリスク分類に少なくとも部分的に基づく場合がある。
【0091】
いくつかの変形例において、患者は、栄養、睡眠、精神衛生等などの所定のトピックスリストからトピックを選択するように求められ得る。次いで、通信チャネルが、患者と、適切なコーチまたは医療専門家との間に確立され得る。いくつかの変形例において、医療専門家コンピューティングデバイスは、患者のクエリ、分析物データ、患者データ、および会合のための傾向分析のうちの1つ以上を出力し得る。
【0092】
例えば、食事の改善に興味を持つ患者は、栄養に関する質問をGUIに入力して栄養士との通信チャネルを起動および確立し得る。これらの変形例のいくつかでは、通信は、提案および所見に限定され得、医療アドバイスは、含まれない。例えば、栄養士には、患者との会話において、従うべき容認されたガイドラインに沿った1組の所定の提案および所見が提供され得る。
【0093】
自動化コーチングに関するいくつかの変形例において、患者は、所定の共通トピックスのリストからトピック(例えば、質問)を選択するように求められ得る。患者は、その後、そのトピックに関連した1組の質問に解答するように求められ得る。1つ以上の自動化プロンプトが、トピック、患者の入力、および傾向分析に基づいて生成されて、提案および/または所見を提供し、患者を助けることができる。例えば、患者は、例えば、定期的な運動を生活スタイルに組み込むことによって、健康指標の改善に関連するトピックのリストを提示され得る。患者は、このトピックを選択し、次いで、1組のフィットネス目標(例えば、10ポンドの減量、5K走る等)、関心のある活動(例えば、ウォ-キング、サイクリング、ランニング、水泳等)、および空き時間(例えば、昼食中、仕事の後)の選択を提示され得る。患者入力、および以前取得した患者活動データに基づいて、プロンプトが、自動的に生成され、患者の職場から5マイル以内にある水泳クラブおよび/またはジムの連絡先情報を提供することができる。プロンプトは、患者に、クラブおよび/またはジムに電話するおよび/またはそれらのウェブサイトにナビゲートするように、さらに促し得る。また、プロンプトは、身体的活動に関するADA推奨事項も表示し得る(例えば、30分の中程度から強度の有酸素運動を少なくとも週5日、または週に合計150分)。別の例として、患者は、「よくある質問」のリストを提供され、その結果、患者は、興味のあるクエリまたはトピックを選択してより多くの情報を取得することができる。
【0094】
患者集団の管理
1人の医療専門家が、通常、糖尿病などの慢性状態を患う数百人または数千人もの患者の治療に責任を負う。現在の解決策では、グルコース検査データおよび医療記録を手動で仕分けして、どの患者への介入を優先するかを識別しようとする医療専門家を必要とする。データのレビューは、退屈で時間がかかり、分散した統合されていない複数組のデータに起因して、医療専門家は、任意の利用可能な測定デバイス(例えば、活動追跡装置、体重計、血圧モニタ等)からの適切なデータにアクセスすることさえもできない。従来から、膨大な時間と金額が、データの収集、レビュー、および手動分析に費やされている。図3Cは、複数の患者に対応するデバイスデータを活かして、患者ケアに優先順位を付け、ならびにより関連する傾向および有効なプロンプトを生成することができる、患者集団を管理する方法の例示的な変形例を図示している。
【0095】
患者処理予定表の優先順位付けは、患者集団の管理、および患者ケアの改善の一助とすることができる。例えば、自動的に、採取、分析、整理、および医療専門家に測定データを提示することによって、医療専門家からの入力をほとんど必要とせずに、1組の患者の介入のための優先順位を付け得る。さらに、医療専門家には、医療専門家が1つ以上の患者サブセットに対する患者治療に関して行い得る行動を提案するプロンプトが、提供され得る。いくつかの変形例において、高リスクとして分類された患者は、最も高い優先順位が与えられ得る。他の変形例では、迅速に対処され得る患者は、最も高い優先順位が与えられ得る。
【0096】
いくつかの変形例において、データベースおよび/またはコンピューティングデバイスは、複数の測定デバイスから複数の患者の分析物データおよび患者データを格納し得る。各患者のデータは、匿名にされてプライバシーを確保し得る。患者傾向は、各患者のデータ傾向を互いに対して分析することによって生成され得る(340)。患者傾向を使用して、医療専門家からの追加支援の恩恵を得ることができる消極的な傾向にある患者を識別することができる。患者は、患者傾向を使用して、グループ(例えば、リスクレベル)に分類され得る(342)。例えば、患者は、1つ以上のデータ傾向、分析物データ、年齢、性別、医療履歴、体重、人種、活動、健康、目標、組織(例えば、会社、雇用者、オフィス、クラブ等)、これらの組み合わせ等の類似性に基づいて、異なるグループに分類され得る。別の例として、本明細書でより詳細に記載されているように、分類されたグループを使用して、患者支援グループを生成し得る。
【0097】
いくつかの変形例において、複数の患者に出力されるプロンプトは、患者転帰と比較されて、患者の状態に積極的変化を作り出すプロンプトの相対的な有効性を判定し得る。プロンプト傾向は、患者へのプロンプト出力に対して各患者のデータ傾向を分析することによって、生成され得る(344)。いくつかの変形例において、プロンプト傾向の分析は、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)によって、実行され得る。プロンプトに対するデータ傾向のデータ分析は、どのプロンプトが、患者遵守を高めること、および患者が時間の経過と共に状態を改善するのを助けることにおいて最も効果的であるかを含む有益な傾向を識別し得る。1組のプロンプトが、プロンプト傾向に基づいて、患者のために生成され得る(346)。時間の経過と共に、効果のより小さいプロンプトは、より低い頻度で患者に出力され得、これに対して、効果のより大きいプロンプトは、より高い頻度で患者に出力され得る。例えば、プロンプト傾向分析では、画像を有さない形式張った語調で記述されたプロンプトは、会話スタイルで記述され、かつビデオが添付してあるプロンプトよりも、患者の改善との相関があまりないことを示し得る。別の例として、プロンプト傾向分析では、所与のプロンプトの有効性は、異なる年齢グループの患者間で異なる場合があることを示し得る。その後、より効果的なプロンプトが、より高い頻度で出力され得る。プロンプトは、本明細書に記載されているように、コンピューティングデバイス上で患者に出力され得る(348)。プロンプトは、本明細書に記載されているように、任意の生成された傾向を含み、デバイス設定を修正するための提案を含み得る。患者は、例えば、プロンプト内の提案されたデバイス修正を確認または拒否するためにプロンプトへの応答を入力し得る(350)。
【0098】
別の例として、1組の同様の患者(例えば、昼過ぎに高い血中グルコースを有する)は、3つのプロンプト、すなわち、インスリン対糖質比を調製すること、午後の散歩に行くこと、昼食時の糖質部分を健康的な油脂に取り替えること、のうちの1つを受信し得る。データは、患者がプロンプトを受信した後に生成され得る。次いで、データ分析が、実行されて、これらのプロンプトの各々に対応する患者傾向を生成し得る。例えば、推定されたA1c(経時的なグルコースの測定値)などの健康要因は、各患者に与えられたプロンプトに対して分析され、傾向を変化させる各プロンプトの有効性を判定し得る。分析の結果、3つのプロンプトの出力の頻度は、修正され得る(例えば、最も有効なプロンプトは、最も有効性の小さいプロンプトよりも頻繁に出力され得る)。このプロンプト分析に基づいて、追加のプロンプトが加えられ、他のプロンプトが削除され得る。1組のプロンプトは、時間(例えば、毎月、毎四半期)、出力されたプロンプトの数、これらの組み合わせ等のうちの1つ以上に基づき、所定の間隔で修正され得る。
【0099】
他の変形例では、複数の患者に提供されたプロンプトは、教育情報(例えば、健康関連記事、ニュース等)、動機づけ資料(例えば、メッセージ)、および/またはより良好な健康を促進するための他の種類の好適な情報などの所見を含み得る。そのようなプロンプトは、1つ以上の共有特性(例えば、健康特性、共有組織、共通組織に所属する特性等)に基づいて、1組の患者に特有であるかまたは的を絞ることができる。例えば、プロンプトは、運動を就業日に挿入する創造的な方法に関して複数の患者に知らせる健康関連記事、地元の野外散歩道の予想される状態に関する告知等を含み得る。上述と同様に、複数の患者は、例えば、単一のそのようなプロンプトを介して、実質的に同時に連絡され得る。いくつかの変形例において、デバイス修正、所見、および情報を含む1組のプロンプトは、分析物測定デバイス(210)、患者測定デバイス(212)、およびコンピューティングデバイス(220)から離れたリモートサーバ(220)および/またはコンピューティングデバイス(222)によって構成および格納され得る。
【0100】
患者集団を管理するための方法が、患者集団を管理する医療専門家に関して主に説明されているが、この方法の他の変形例は、追加的にまたは代替的に、患者および/または患者集団情報を他の種類のユーザに提供すること、およびそのようなユーザがプロンプトおよび他の情報を提供するのを可能にすることを含み得る。例えば、コーチ、メンター、管理者(例えば、ある組織の)、または他のユーザは、患者データ(個別の患者のデータ、または複数組の患者の集合データ)にウェブポータルを介して、またはユーザコンピューティングデバイスを介して(例えば、モバイルアプリケーションを用いて)などでアクセスし得、個別の患者、および/または複数組の複数の患者と通信し得る。いくつかの変形例において、組織(例えば、雇用者)は、データベース(例えば、リモートサーバ、ネットワーク)から受信した1組の匿名にされた患者データおよび分析へのアクセスを有し得る。例えば、集団分析、層別分析、および傾向分析のうちの1つ以上が、ある組織に提供され、特定のサブ集団に対して全地球規模の患者の関与、遵守、および改善の追跡を可能にし得る。
【0101】
図4は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の1組の例示的な変形例である。分析物測定デバイス(410)は、クラウドデータベースに自動的に接続し(412)、生成された分析物測定データを送信し得る(402)。このデータは、リモートコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ)上で処理および分析され得(414)、その結果は、1組のGUIを介して患者のスマートフォンに出力される。このGUIにより、患者が任意のモバイルアプリケーションおよび/またはウェブサイトを介して、自分の血中グルコースデータおよび分析を閲覧することを可能にする(404)。第1のGUI(420)は、時間にわたって(例えば、7日間にわたる)患者のグルコース測定値のチャートを含み得、このチャートは、患者がグルコース測定値を容易に視覚化および理解することを可能にし得る。例えば、第1のGUI(420)は、クラウドデータベースから格納および/または抽出された、毎日、毎週、および毎月のグルコースレポートを選択的に表示し得る。第2のGUI(430)は、患者に提示されたデータ、チャート、および/または分析にコンテキストを提供し得るプロンプト(432)を含み得る。例えば、プロンプト(432)は、患者の目標ゴールを維持するために、患者への奨励および正の強化を含み得る。また、運動および食事データを含む患者データ(434)は、第2のGUI(430)または任意のGUIに視覚的に表示され得る。第3のGUI(440)は、グルコース傾向(442)および食事傾向(444)を含む1つ以上の傾向の分析表示を含み得る。例えば、色分けした棒グラフは、患者の血中グルコース測定値が目標範囲内でどれくらいの頻度で下降するのかを例示し得る。第3のGUI(440)における目標グルコース分析は、所望のグルコース範囲内で上下するグルコースパターンおよび結果を示すように修正され得る。
【0102】
いくつかの変形例において、患者は、患者のデータへのアクセスを有し得る1組の所定の連絡先(例えば、ケアサークル、共有サークル)を指定し得る。第4のGUI(450)は、ケアサークル内の所定の連絡先を指定するための設定表示を含み得(452)、電話および電子メールなどの連絡先に連絡する異なる方法を含み得る。1つ以上の連絡先が、緊急連絡先として指定され得、その緊急連絡先は、患者のデータおよび/または分析が潜在的に危険な状況を示している場合に自動的に通知され得る。例えば、患者コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)は、患者のグルコースが所定の閾値を超えたときに、1つ以上の所定の連絡先に緊急警報を送信し得る。この警報には、グルコース測定値、傾向分析、および患者のスマートフォンGPS機能の使用を通じて推定されたときの患者の居場所のうちの1つ以上を含み得る。
【0103】
図5A図5Eは、GUIの別の1組の例示的な変形例である。いくつかの変形例では、図2に関して詳細に説明したように、GUIのうちの1つ以上は、患者コンピューティングデバイス(220)上に出力され得、リモートコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ(250)、クラウドデータベース(240))から受信したデータを使用し得る。図5Aは、時間にわたる(例えば、7日間にわたる)患者のグルコース測定値のチャートを含む第5のGUI(510)(例えば、グルコースダッシュボード)を図示しており、このGUIは、患者が患者のグルコース測定値を視覚化および理解することを可能にし得る。プロットされたグルコース測定値は、色分けされて、異なる所定の範囲内で測定値を表示し得る(例えば、低、標的内、高)。傾向線が、チャート上に重ねられ得る。例えば、ユーザは、1つ以上の時間枠(例えば、毎日、毎週、毎月)を選択して、クラウドデータベースから格納および/または抽出された対応するグルコースレポートを生成し得る。いくつかの変形例において、患者の最後のグルコース測定の時刻、日付、および/または値が、第5のGUIによって強調して表示され得る(510)。
【0104】
図5Bは、所定の時間間隔の間に(例えば、7日間にわたって)、1組の測定基準の血中グルコース集計を提供する第6のGUI(520)(例えば、傾向指標)を示している。各測定基準には、その測定基準がどのように変化しているかの指標(例えば、上向き矢印、下向き矢印)を含み得る。例えば、図5Bに示しているように、直近7日間にわたる3つの低血糖事象は、それに先立つ7日間にわって上昇しているが、これに対して、直近7日間にわたる8つの超高血糖事象は、それに先立つ7日間にわって減少している。第6のGUI(520)は、患者に提示されたデータおよび分析にコンテキストを提供するプロンプトを含み得る(522)。例えば、プロンプト(522)は、長期間にわたって、患者の目標ゴールを維持するために、患者への奨励および正の強化を含み得る。いくつかの変形例において、ユーザは、プロンプトを選択して(522)、追加の情報を受信し得、かつ/またはデバイス設定を修正し得る。例えば、1組の悪化傾向は、患者が自分の医師との診察を予約するか、生のコーチング会合を開始するか、または教育資料をレビューするかを尋ねるプロンプトを生成し得る。
【0105】
図5Cは、1組の食事傾向を提供する第7のGUI(530)(例えば、食事集計)を図示している。例えば、色分けされた棒グラフは、患者の血中グルコース測定値がどのくらいの頻度で1つ以上の食事(例えば、朝食、昼食、夕食、すべての食事)の目標範囲内に入るかを例示し得る。高、低、および範囲内のグルコースパターンが、表示され得る。
【0106】
図5Dは、本明細書に詳細に説明されているように、分析物データおよび患者データを含む複数の測定基準に基づいて、患者の健康全般の概要(例えば、笑顔)を提供する第8のGUI(540)(例えば、健康指標を含む)を図示している。上の説明と同様に、健康指標は、単純化した測定基準を提供して、ユーザが患者の健康全般をより簡単または迅速に判断することに役立ち得る。健康指標は、1組の健康特性を考慮および集約する総体的な健康全般の簡略化した指標であり得る。第8のGUI(540)は、患者が患者の健康指標をどのように高め得るかのすぐに実行可能な提案、および/または健康指標がどのように導出されるかに関する所見を提供するプロンプト(542)を任意選択的に含み得る。プロンプト(542)は、健康指標に追加のコンテキストを提供し得る所見を含み得る。
【0107】
図5Eは、ユーザが、1組の1つ以上の所定の連絡先(例えば、緊急事態、医療提供者、共有サークル等)を指定し得る第9のGUI(550)を図示している。この第9のGUI(550)は、1つ以上のグループ内の所定の連絡先を指定するための設定表示を含み得、電話および電子メールなどの連絡先に連絡するための様々な方法を含み得る。1つ以上の連絡先が、緊急連絡先として指定され得、その緊急連絡先は、患者のデータおよび/または分析が潜在的に危険な状況を示している場合に自動的に通知され得る。例えば、患者コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)は、患者のグルコースが所定の閾値を超えた場合に、1つ以上の所定の連絡先に緊急警報を送信し得る。この警報は、グルコース測定値、傾向分析、および患者のスマートフォンGPS機能の使用を通じて推定されたときの患者の居場所のうちの1つ以上を含み得る。
【0108】
図6A図6Cは、GUIの別の1組の例示的な変形例である。いくつかの変形例では、図2に関して詳細に説明したように、GUIのうちの1つ以上は、患者コンピューティングデバイス(220)上に出力され得、リモートコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ(250)、クラウドデータベース(240))から受信したデータを使用し得る。図6Aは、患者の分析物データおよび患者データの分析に応答して、患者行動を修正するための提案を提供するすぐに実行可能なプロンプトを提供する第10のGUI(610)を図示している。例えば、第10のGUI(610)は、患者の低血糖値に応答して、ユーザが取る行動を提案するプッシュ通知警告の表示を含む。ユーザは、コマンドを入力して(例えば、スワイプ動作)、図6Bに示される第11のGUI(620)(例えば、すぐに取る行動のヒント)に移行し得る。いくつかの変形例では、第11のGUI(620)は、テキスト、音響、ビデオ、触覚フィードバック等のうちの1つ以上を含み得る。いくつかの変形例において、ユーザは、第11のGUI(620)で提示された提案および/または所見を受信およびフォローしたことを確認し得る。
【0109】
図6Cは、所定の時間間隔で確認プロンプトを提供する第12のGUI(630)を図示している。例えば、プロンプトは、最初の低血糖プロンプトを受信した後、所定の時間帯(例えば、30分)に、患者の電話番号に送信されるテキストメッセージを含んでもよい。この確認プロンプトは、患者がプロンプト内に示された提案をフォローしたかどうかを示すテキストメッセージ応答を送信するようにユーザに依頼してもよい。ユーザの応答なしにさらに時間が経過すると、プロンプトの頻度および緊急度が増加し得る。例えば、所定の時間帯内に応答が受信されない場合、追加のテキストメッセージプロンプトが、所定の時間間隔で送信され得、かつ/または1組の所定の連絡先が、その状況について通知および告知され得る。いくつかの変形例において、プロンプトの構成は、患者の医療専門家、および/または患者によって実行され得る。
【0110】
図7A図7Bは、GUIの別の1組の例示的な変形例である。いくつかの変形例では、図2に関して詳細に説明したように、GUIのうちの1つ以上は、患者コンピューティングデバイス(220)上に出力され得、リモートコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ(250)、クラウドデータベース(240))から受信したデータを使用し得る。図7Aは、第13のGUI(710)(例えば、ニュースまたは情報番組)を図示し、図7Bは、患者の分析物データ、および患者データの分析に基づいて、患者のための1組の教育および/または動機づけ資料を提供する第14のGUI(720)を図示している。例えば、連続した週で低血中グルコース事象の回数の増加を経験している患者は、低血糖に関連した健康記事を含むプロンプトの生成を起動し得る。いくつかの変形例において、ユーザは、ユーザがその記事を読んだことを確認するように求められ、かつ/またはその記事の内容に関連した質問に解答するように求められ得る。
【0111】
図8A図8Bは、GUIの別の1組の例示的な変形例である。いくつかの変形例では、図2に関して詳細に説明したように、GUIのうちの1つ以上は、医療専門家コンピューティングデバイス(222)上に出力され得、患者コンピューティングデバイス(220)および/またはリモートコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ(250)、クラウドデータベース(240))から受信したデータを使用し得る。図8A図8Bに図示するGUIの変形例は、例えば、ウェブポータルを介してアクセス可能であり得る。
【0112】
図8Aは、コーチおよび/または医療専門家の取扱件数の患者処理予定表を提供する第15のGUI(810)を図示している。1組の患者および分析物データの分析を使用して、患者をサブセット(例えば、高リスク、低リスク、緊急、不活発、新患者、診察予約等)にグループ化することができる。例えば、所定の時間間隔(例えば、3日以上)内に検査しなかった不活発な患者は、一緒にグループ化され得、その結果、コーチおよび/または医療専門家は、そのグループに一括メッセージを送信し、遵守および/または関与を奨励し得る。リアルタイムで低血糖事象を経験している患者などの高リスク患者もまた、コーチおよび/または医療専門家に提示され得る。コーチおよび/または医療専門家は、プロンプトを受信して、所定の閾値に基づいてこれらの患者との通信チャネルを確立し得る。
【0113】
図8Bは、患者、および患者の分析物データを、コーチおよび/または医療専門家に提供する第16のGUI(820)を図示している。第16のGUI(820)は、一般的な健康情報(例えば、身長、体重、性別、年齢等)、処方情報、診断、検査履歴、チャート、予定表、連絡先情報、雇用者情報、保険情報、プログラム情報(例えば、糖尿病教育、動機づけ、遵守)、および注意事項等のうちの1つ以上を含む患者データを含み得る。いくつかの変形例において、コーチおよび/または医療専門家は、患者との通信チャネル(例えば、音声通話、ビデオ会議)を確立するためのプロンプト、および/または患者と話し合うための提案アジェンダを提供され得る。いくつかの変形例において、コーチおよび/または医療専門家は、患者および分析物データに関して、患者よりも詳細な閲覧を提供され得る。いくつかの変形例において、コーチおよび/または医療専門家は、患者との通信チャネルが有効である間に、患者コンピューティングデバイス上のディスプレイに情報(例えば、画像、ビデオ、テキスト)を送信し得る。いくつかの変形例において、コーチに提示された1つ以上のプロンプトは、コーチにより提供された情報を患者に指導し得る。
【0114】
図9は、GUIの別の例示的な変形例である。いくつかの変形例では、図2に関して詳細に説明したように、GUIのうちの1つ以上は、コンピューティングデバイス上に出力され得、患者コンピューティングデバイス(220)および/またはリモートコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ(250)、クラウドデータベース(240))から受信したデータを使用し得る。図9に図示するGUIの変形例は、例えば、ウェブポータルを介してアクセス可能であり得る。
【0115】
図9は、組織(例えば、雇用者)の1組の患者の傾向および分析データを提供する第17のGUI(910)を図示している。いくつかの変形例において、1組の患者を登録した組織は、すべての患者のうちの匿名にされた1組の患者データおよび分析へのアクセスを有し得る。例えば、集団分析、層別分析、および傾向分析のうちの1つ以上が、ある組織(例えば、組織の管理者)に提供され、患者の関与、遵守、および改善の追跡を可能にし得る。図9では、1組の患者は、年齢、性別、場所、コンピューティングデバイス等のうちの1つ以上によって、フィルタリングされ得る。患者分析は、ユーザの成長、登録、および/または人口統計情報を含み得る。いくつかの変形例において、規則および警告を含む1組のプロンプト設定は、組織によって構成され得る。
【0116】
本明細書の具体的な例および説明は、元来例示的であり、本発明の範囲から逸脱せずに、本明細書で教示された材料に基づいて、変形例が、当業者によって展開され得るが、本発明は、添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図9