(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】塗布具
(51)【国際特許分類】
B43K 8/04 20060101AFI20240112BHJP
B43K 8/02 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B43K8/04 100
B43K8/02 100
B43K8/02 130
(21)【出願番号】P 2020008546
(22)【出願日】2020-01-22
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005957
【氏名又は名称】三菱鉛筆株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 徹
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-084777(JP,U)
【文献】特開2008-000438(JP,A)
【文献】特開2013-081761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 8/04
B43K 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を収容する収容部と、
前記収容部の前方に設けられた塗布部と、
前記塗布部と収容部間に配置された操作部と、
前記操作部内に位置して、前記収容部における塗布液の流出口を開閉する弁機構とを備え、
前記操作部が前記収容部に対して前方向きに操作された際に、前記弁機構が開作動して前記収容部内の塗布液が塗布部側に流出可能
であると共に、前記操作部は、毛管部材を収容する前側の第1の筒部と、前記収容部の前部に配設された第2の筒部と、第1の筒部及び第2の筒部の中間部に配設された粘弾性部材製の弾性部とを有したことを特徴とする塗布具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布部に塗布液を供給する塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
塗布体に塗布液を供給する塗布具には、種々の構造がある。
例えば、キャップの着脱に伴う、先軸の軸筒に対する摺動によって弁機構が作動して一時保留体にインクが貯留されるマーキングペンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、磁石を用いた流量調整機構を設け筆記具が提案されている。この筆記具では、軸筒外周分の磁石の先軸側部品を摺動させて、機軸内部で弁体を作動させるようにしたものである(特許文献2参照)。
【0004】
また、二色成形したクッション継手を採用して、筆圧による筆記先端部分の変位を容易とした筆記具が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-217519号公報
【文献】実開昭61-133386号公報
【文献】特開2018-94877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の筆記具では、キャップの着脱によってインク貯留部にインクを一時貯留できるとしても、対象物への塗布中にインクの追加補給する場合、キャップを嵌めなおす必要があり不便であるという問題があった。また、特許文献2の筆記具では、磁石の装着により、軸筒が重く、磁力の影響でインクを変質させる可能性の不具合があった。また、特許文献3の筆記具では、塗布液の供給に対しての提案はされていなかった。
【0007】
したがって、従来は、操作部の操作によって塗布部に塗布液を容易に供給可能な塗布具が提案されていなかった。
【0008】
本発明は、斯かる実情に鑑み、操作部の操作によって容易に塗布液を塗布部に供給できる塗布具を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、塗布液を収容する収容部と、収容部の前方に設けられた塗布部と、前記塗布部と収容部間に配置された操作部と、前記操作部内に位置して、前記収容部における塗布液の流出口を開閉する弁機構とを備え、前記操作部が前記収容部に対して前方向きに操作された際に、前記弁機構が開作動して前記収容部内の塗布液が塗布部側に流出可能になっていることを特徴とする塗布具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の塗布具によれば、操作部が収容部に対して前方向きに操作された際に、前記弁機構が開作動した前記収容部内の塗布液が塗布部側に流出可能になっているので、操作部の操作によって容易に塗布液を塗布部に供給できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る塗布具の説明図であって、(a)が側面図、(b)が縦断面図、(c)が(a)から周方向に回転させた状態の側面図、(d)が(c)の縦断面図である。
【
図2】
図1の塗布具の操作部の説明図であって、(a)が前方からの視図、(b)が前方からの斜視図、(c)が側面図、(d)が(a)のD-D線に沿う縦断面図、(e)が後方からの視図である。
【
図3】
図1の塗布具の弁部材の部品図であって、(a)が前方からの斜視図、(b)が前方からの斜視図、(c)が側面図、(d)が(c)から周方向に90°回転させた側面図、(e)が(b)のE-E線に沿う縦断面図、(f)が後方からの斜視図、(g)が後方から視図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る塗布具の説明図であって、(a)が側面図、(b)が縦断面図、(c)が(a)から周方向に90°回転させた状態の側面図、(d)が(c)の縦断面図である。
【
図5】
図4の塗布具の操作部の説明図であって、(a)が前方からの視図、(b)が前方からの斜視図、(c)が側面図、(d)が(c)から周方向に90°回転させた状態の側面図、(e)が(a)のE-E線に沿う縦断面図、(f)が後方からの視図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係る塗布具の説明図であって、(a)が側面図、(b)が縦断面図、(c)が(a)から周方向に回転させた状態の側面図、(d)が(c)の縦断面図である。
【
図7】
図6の塗布具の操作部の説明図であって、(a)が前方からの視図、(b)が前方からの斜視図、(c)が側面図、(d)が(a)のD-D線に沿う縦断面図、(e)が後方からの視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係る塗布具の全体説明図、
図2は、操作部の説明図、
図3は弁部材の説明図である。
【0013】
図1に示すように、塗布具は、塗布液を収容する収容部(塗布液タンク)10と、収容部10の前方に設けられた塗布部12と、塗布部12と収容部10間に配置された操作部14と、操作部14内に位置して、収容部10における塗布液の流出口を開閉する弁機構16とを備え、操作部14が収容部10に対して前方向きに操作された際に、前記弁機構16が開作動した収容部10内の塗布液が塗布部12側に流出可能とされている。
【0014】
各部を詳細に説明する。
〔塗布部12〕
塗布部12は、その前方が筆記可能に操作部14の第1の筒部20から露出して、操作部14に装着して固定されている。
【0015】
塗布部12は、後端部に、外径方向に拡径したフランジ部12aが形成され、フランジ部12aの後端面に塗布液を貯留可能な毛管部材18が当接するものである。
【0016】
塗布部12は、毛細管力を有し、天然、樹脂製の繊維が束ねられた筆穂、樹脂製の繊維束、連続多孔質体、インク誘導溝の形成されたペン芯等種々の構成をとり得る。塗布部12の材質は天然繊維、獣毛繊維、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリフェニレン系樹脂が用いることができる。
【0017】
毛管部材18は、スポンジなどの毛細管力を有する塗布液の一時保留体であって、その毛細管力が塗布部12より低いものしている。材質は、天然又は樹脂製の繊維束、連続多孔質体であって、塗布部と同様又は異なる材質を適宜選択したものにできる。
【0018】
〔収容部10〕
収容部10は、
図1に示すように、後部の後端が閉鎖され、塗布液を内部に貯蔵する構造となっており、収容部10内に直接(又は中綿)に塗布液が充填されている。外周面が使用者に把持され軸筒の機能を有する。
【0019】
収容部10に収納されているインク等の塗布液は、原料として、酸化チタン又は有機顔料若しくはその両方を、分散剤としてアニオン性やノニオン性の界面活性剤を、また、インク非浸透面への固着性も兼ね備えた水溶性樹脂を、さらに必要に応じて、防腐剤、溶解助剤、補助溶剤等の添加剤を用い、それら所定量を水に混合し、例えばボールミル、サンドミル、コロイドミル、アトライダー、ダイノミル等の分散機で混合分散することによって調整される。塗布液の粘度は、紙やガラス等の被筆記体に筆記する場合に十分なインク流出量を得るために、25℃の温度において3~100mPa・sの範囲であることが望ましく、より好ましくは、10~50mPa・sの範囲である水性顔料インクが望ましい。また、収容部10内に少なくとも1ヶ以上の攪拌部材(図示せず)を収容することが望ましい。
【0020】
〔操作部14〕
操作部14は、
図1に示すように、毛管部材18を収容する前側の第1の筒部20と、収容部10の前部に固定される第2の筒部22と、第1の筒部20及び第2の筒部22の中間部に配設された粘弾性材製の弾性部24とを有している。
【0021】
操作部14は、
図2に部品図を示すように、第1の筒部20は、前後方向に開口した概略円筒状を呈し、前端部の内周部には、突出端が中心軸方向に沿う縦リブ20a…が複数内径方向に突出した内歯車形状に形成されている。第1の筒部20の後端部の外周には、環状リブ20bが形成されている。
【0022】
また、第2の筒部22は、前端部の外周部に、前端が環状のリブ22a1が形成されそのリブ22a1の後方のやや立ち下がった部分から段状に立ち上がる構造の、全体的にノッチ状の係止部22aが形成される。
【0023】
第1の筒部20及び第2の筒部22との間を繋いでコイルバネ状のスプリング部材26が第1の筒部20及び第2の筒部22と一体に樹脂成形される。
【0024】
弾性部24は、概略筒状であって、前端部の内周部に溝24aが第1の筒部20の環状リブ20bに係止・固定され、後端部のノッチ部24bが第2の筒部22の係止部22aに係止・固定される。弾性部24の内面には螺旋状に樹脂製のスプリング部材26が固着される。
【0025】
弾性部24は、樹脂製の第1の筒部20、第2の筒部22及びスプリング部材26を2色成形により成形された部品である。第1の筒部20、第2の筒部22及びスプリング部材26を比較的剛性の高い合成樹脂による一次成形で形成し、これら第1の筒部20、第2の筒部22及びスプリング部材26に対して、金型内に収容して金型に粘弾性材を圧入して、弾性部24を第1の筒部20、第2の筒部22及びスプリング部材26と合わせて2色成形する。この2色成形によって、第1の筒部20、第2の筒部22、及びスプリング部材26が弾性部24と固着される。
【0026】
〔弁機構16〕
弁機構16は、
図1に示すように、弁部材28及び弁受け体30同士の接触・離脱によって開閉する構造である。弁部材28における前部28aの内部に円筒状の毛管部材18が装着される。毛管部材18の軸中央部に液誘導芯32が前後に挿通される。液誘導芯32の前端は、塗布部12の後部内に挿通させ、かつ、液誘導芯32の後端が、弁部材28の後部28b内に位置している。
【0027】
部品としての弁部材28は、
図3に示すように、前方が開口した概略椀状を呈し、前部28aが筒状であり、後部28bは後方が小径になる概略テーパー状を呈している。内部の中央部が段状に小径になり、
図1に示すように、前部28aの周面と中央部の段状の小径で毛管部材18の収容位置を位置決めしている。
【0028】
弁部材28は、前部28a内に毛管部材18を収容して第1の筒部20に覆われており、弁部材28には、弁受け体30との接触箇所よりも前方側に外面及び内面を繋ぐ孔28cが形成されている。
【0029】
図1に示すように、弁部材28の前端は、塗布部12のフランジ部12aの後端面に当接して、フランジ部12aが操作部14の第1の筒部20の縦リブ20aの後端に当接している。弁部材28が第1の筒部20内に係合されて、抜け止めされているので、フランジ部12aは、第1の筒部20の縦リブ20aと弁部材28とで位置決めされて、塗布部12は、第1の筒部及び弁部材28に固定される。
【0030】
弁受け体30は、概略筒状体であって、中央部の外周にリブ30aが突出している。収容部10の前端部内に弁受け体30の後部30bが嵌入して、後部30bの外周の凹凸が収容部10の前端部内の凹凸が係合して、弁受け体30が収容部10に固定される。リブ30aが収容部10の前端面に当接して位置決めされる。
【0031】
弁機構16は、弁部材28及び弁受け体30同士の接触・離脱によって開閉する構造であり、弁部材28及び弁受け体30の一方が第1の筒部20に、他方が第2の筒部22に係合され、弁部材28及び弁受け体30同士の接触箇所が第1の筒部20、第2の筒部22及び弾性部24によって液密に覆われている。
【0032】
弁部材28は、前部28a内に毛管部材18を収容して第1の筒部20に覆われており、接触箇所よりも前方側に外面及び内面を繋ぐ孔28cが形成されたものである。
【0033】
第1の筒部20内の装着される弁部材28には、一時貯留部の毛管部材18が装填され、この毛管部材18の塗布液吸蔵体には、繊維束、連続多孔質体の構成であり、弾性変形可能である。毛管部材18の材質として、天然繊維、合成樹脂繊維、ウレタン等を用いることができる。また、液誘導芯32には、塗布部12の材質を適宜採用することができる。
【0034】
第1実施形態によれば、通常時には、弁部材28及び弁受け体30の当接箇所が閉じており、弁機構16は液の流通を静止している。
【0035】
液を供給する場合は、使用者は、操作部14の第1の筒部20を手指で挟んで、第2の筒部22に対して前方に引くことによって、スプリング部材26の弾性部24の弾性力に抗して、内部の弁部材28が弁受け体30に対して前方に移動して弁機構16が開弁する。開弁時には弁部材28及び弁受け体30の当接箇所が離隔して孔28cから毛管部材18に塗布液が流入し、前端から塗布部12に流通する。また、弁部材28内の液誘導芯32を介しては塗布部12に流通する。
【0036】
操作部14への引く力をやめると、スプリング部材26の弾性部24の弾性力によって弁部材28が弁受け体30に対して後方に移動して弁機構16が閉弁する。
【0037】
したがって、第1実施形態に係る塗布具によれば、操作部14が収容部10に対して前方向きに操作された際に、弁機構16が開作動した収容部10内の塗布液が塗布部12側に流出可能になっているので、操作部14の操作によって容易に塗布液を塗布部12に供給できるという優れた効果を奏し得る。
【0038】
第1実施形態に限定されず、種々に変形実施できる。
〔第2実施形態〕
第2実施形態に係る塗布具について
図4、
図5によって説明する。なお、
図4、
図5においては、第1実施形態の塗布具と同様部分に同一の符号を付している。
【0039】
第2実施形態に係る塗布具は、
図4に示すように、操作部14において、弾性部24とスプリング部材26の長さ、弁機構16において弁受け体30の前部30cの長さが、第1実施形態の塗布具の弁受け体30よりも長い点で相違する。
【0040】
また、弁受け体30の前部30cがスプリング部材26の内側に位置して筒状に前方に長く延びて形成されており、前部30cは、スプリング部材26を内側に撓んだ時に撓みすぎないように支持する構造である。
【0041】
また、スプリング部材26は一部の外面部が弾性部24の外表面から突出して露出している。具体的には、
図5に示すように、スプリング部材26は2条形成され、弾性部24の孔24cを通して弾性部24の外表面から4か所の突起26aとして突出している。この突起26aは、使用者が塗布時に手指の滑り止めとしての機能も有する。
なお、その他の構造及び作用効果は第1実施形態と同様である。
【0042】
〔第3実施形態〕
第3実施形態に係る塗布具を
図6、
図7によって説明する。なお、
図6、
図7には、第1実施形態の塗布具と同様部分に同一の符号を付している。
【0043】
図6に示すように、第3実施形態に係る塗布具は、塗布具の前部に、着脱可能なキャップ34を有し、キャップ34が塗布具に装着された際には、操作部14が収容部10に対して後向きに操作されて、弁機構16が閉作動し、一方、キャップ34が塗布具から外された際には、操作部14が収容部10に対して前方向きに操作されて、弁機構16が開作動して収容部10内の塗布液が塗布部側に流出可能になっているものである。
【0044】
操作部14は、
図7に示すように、第1、2実施形態のスプリング部材26がないものであって、第1の筒部20及び第2の筒部22との間に弾性部24が介装されているものである。キャップ34が外された状態では、弾性部24の寸法及び弾性力によって第1の筒部20及び第2の筒部22との間隔が開き、弁機構16(
図6参照)が開状態に保持される構造である。
【0045】
なお、弾性部24は、前端部の内側の溝24aが第1の筒部20の環状リブ20bに係止・固定され、後端部のノッチ部24bが段状に拡径して第2の筒部22の係止部22aに係止・固定される。係止部22aは、引っ張られないため平坦状になっている。
【0046】
図6に示すように、キャップ34内周部は、塗布部12の周囲で細径になって塗布部に近接し、中央部付近で拡径する段部34aが形成される。段部34aから後方で拡径して、操作部14を覆う内径となり、後端部の内部の凹凸部が第2の筒部22の外周面に凹凸面に嵌合して、キャップ34が抜け止されている。
【0047】
塗布具の未使用時や不使用時、キャップ34を塗布具に装着した際(キャップON時)には、段部34aの内周部が第1の筒部20の前端部に係合して、第1の筒部20が弾性部24の弾性力に抗して、後方に移動する。第1の筒部20が後方に移動することにより、弁機構16の弁部材28が弁受け体30に当接して閉鎖し、塗布液の流出が静止される。
【0048】
塗布具の使用時には、キャップ34を外す。キャップ34が外れると、第1の筒部20が弾性部24の弾性力によって前方に移動して、第1の筒部20が前方に移動することにより、弁機構16の弁部材28が弁受け体30から離れて開弁し、収容部10から塗布液の流出が可能になる。塗布液が流出すると、毛管部材18及び液誘導芯32を介して塗布部12に流出する。
【0049】
第3実施形態の塗布具によれば、キャップ34を外すことによって、開弁状態が維持されて、塗布部12によって塗布をしていくと塗布部12の塗布液が減少する。これに伴って、毛管部材18及び液誘導芯32の塗布液が減少し、この減少に対応して、収容部10の塗布液が供給され、かつ、毛管部材18を空気置換路として収容部10内に気液置換される。
【0050】
したがって、キャップ34を外すだけで、塗布具を使用でき、塗布液の減少に対して、連続して塗布液が供給されるので、操作部14の操作が不要である。また、塗布液を供給するために、収容部にポンピング機構を設けた場合に収容部の後部に配設するポンピング動作を防止する作動規制部材が不要となる。
【0051】
また、毛管部材18を弁機構16の前方に設けているため、供給された塗布液は一旦毛管部材18に貯留されてから塗布部12に供給されるので、塗布部12に直流する(ドバ落ちする)ことがなく、スムーズな塗布ができる。
【0052】
なお、その他の構造及び作用効果は第1実施形態と同様である。
実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々に変形実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の塗布具は、インクを筆記する筆記具として、化粧料を塗布する化粧料塗布製品等の塗布具に利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 収容部
12 塗布部
12a フランジ部
14 操作部
16 弁機構
18 毛管部材
20 第1の筒部
20a 縦リブ
20b 環状リブ
22 第2の筒部
22a 係止部
22a1 環状のリブ
24 弾性部
24a 溝
24b ノッチ部
24c 孔
26 スプリング部材
26a 突起
28 弁部材
28 体
28 弁部材
28 弁部材
28a 弁部材の前部
28b 弁部材の後部
28c 孔
30 弁受け体
30a リブ
30b 後部
30c 前部
32 液誘導芯
34 キャップ
34a 段部