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特許7418229情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20240112BHJP
   G01B 7/02 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H04L25/02 301Z
G01B7/02 J
H04L25/02 V
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020015988
(22)【出願日】2020-02-03
(65)【公開番号】P2021125728
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116964
【弁理士】
【氏名又は名称】山形 洋一
(74)【代理人】
【識別番号】100120477
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 賢改
(74)【代理人】
【識別番号】100135921
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100083840
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 実
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸佑
(72)【発明者】
【氏名】樋熊 利康
(72)【発明者】
【氏名】田崎 宣明
(72)【発明者】
【氏名】南条 和彦
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-041384(JP,A)
【文献】特開2008-020092(JP,A)
【文献】特開平10-227511(JP,A)
【文献】特開2014-150386(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0222511(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/00 - 25/66
G01B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の伝送線からなる集中伝送線ペアに接続されたシステムコントローラと、前記集中伝送線ペアとは異なる一又は複数の一対の伝送線からなる一又は複数の内外伝送線ペアに接続された一又は複数の室内機と、各々が前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアに接続され、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間を電気的に絶縁するとともに、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間でフレームを中継する一又は複数の室外機と、を備える空調システムにおけるトポロジ情報を生成する情報処理装置であって、
前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子、及び、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子のそれぞれに順番に接続する接続部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記空調システムで使用することのできる全てのアドレスの各々に、第1要求フレームの信号を送信するフレーム送信部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記第1要求フレームに応答するためのフレームである第1応答フレームが送信されるタイミングである第1タイミングを特定するタイミング特定部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1タイミングで第1パルス信号を出力するパルス出力部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1パルス信号に対応する第1重畳パルス信号が重畳された前記第1応答フレームの信号を受信するフレーム受信部と、
前記第1重畳パルス信号を用いて、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機までの配線長である第1配線長を算出する算出部と、
前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機の内、前記第1配線長において等しい配線長となっている一つの室外機及び少なくとも一つの室内機を特定することで、各々が前記特定された一つの室外機及び前記特定された少なくとも一つの室内機を含む一又は複数の系統を生成するトポロジ生成部と、を備え、
前記フレーム送信部は、前記接続部が前記一又は複数の内外接続端子の内の一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記一又は複数の系統の内、前記一つの内外接続端子に対応する一つの系統を特定し、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機に第2要求フレームの信号を送信し、
前記タイミング特定部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記第2要求フレームに応答するためのフレームである第2応答フレームが送信されるタイミングである第2タイミングを特定し、
前記パルス出力部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2タイミングで第2パルス信号を出力し、
前記フレーム受信部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2パルス信号に対応する第2重畳パルス信号が重畳された前記第2応答フレームの信号を受信し、
前記算出部は、前記第2重畳パルス信号を用いて、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長である第2配線長を算出し、
前記トポロジ生成部は、前記第1配線長により、前記一又は複数の室外機までの配線長を示し、前記第2配線長により、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長を示す前記トポロジ情報を生成すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記情報処理装置は、前記トポロジ情報に基づいて、前記空調システムにおける接続形態を表示する表示部をさらに供えること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記システムコントローラは、前記集中接続端子を備え、
前記トポロジ生成部は、前記第1重畳パルス信号を用いて、前記システムコントローラから、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機までの距離を、前記第1配線長として算出すること
を特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記一又は複数の室外機は、前記一又は複数の内外接続端子を備え、
前記トポロジ生成部は、前記第2重畳パルス信号を用いて、前記特定された系統に含まれる前記特定された一つの室外機から、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの距離を前記第2配線長として算出すること
を特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
一対の伝送線からなる集中伝送線ペアに接続されたシステムコントローラと、前記集中伝送線ペアとは異なる一又は複数の一対の伝送線からなる一又は複数の内外伝送線ペアに接続された一又は複数の室内機と、各々が前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアに接続され、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間を電気的に絶縁するとともに、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間でフレームを中継する一又は複数の室外機と、を備える空調システムと、前記空調システムにおけるトポロジ情報を生成する情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子、及び、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子のそれぞれに順番に接続する接続部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記空調システムで使用することのできる全てのアドレスの各々に、第1要求フレームの信号を送信するフレーム送信部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記第1要求フレームに応答するためのフレームである第1応答フレームが送信されるタイミングである第1タイミングを特定するタイミング特定部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1タイミングで第1パルス信号を出力するパルス出力部と、
前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1パルス信号に対応する第1重畳パルス信号が重畳された前記第1応答フレームの信号を受信するフレーム受信部と、
前記第1重畳パルス信号を用いて、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機までの配線長である第1配線長を算出する算出部と、
前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機の内、前記第1配線長において等しい配線長となっている一つの室外機及び少なくとも一つの室内機を特定することで、各々が前記特定された一つの室外機及び前記特定された少なくとも一つの室内機を含む一又は複数の系統を生成するトポロジ生成部と、を備え、
前記フレーム送信部は、前記接続部が前記一又は複数の内外接続端子の内の一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記一又は複数の系統の内、前記一つの内外接続端子に対応する一つの系統を特定し、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機に第2要求フレームの信号を送信し、
前記タイミング特定部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記第2要求フレームに応答するためのフレームである第2応答フレームが送信されるタイミングである第2タイミングを特定し、
前記パルス出力部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2タイミングで第2パルス信号を出力し、
前記フレーム受信部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2パルス信号に対応する第2重畳パルス信号が重畳された前記第2応答フレームの信号を受信し、
前記算出部は、前記第2重畳パルス信号を用いて、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長である第2配線長を算出し、
前記トポロジ生成部は、前記第1配線長により、前記一又は複数の室外機までの配線長を示し、前記第2配線長により、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長を示す前記トポロジ情報を生成すること
を特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
一対の伝送線からなる集中伝送線ペアに接続されたシステムコントローラと、前記集中伝送線ペアとは異なる一又は複数の一対の伝送線からなる一又は複数の内外伝送線ペアに接続された一又は複数の室内機と、各々が前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアに接続され、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間を電気的に絶縁するとともに、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間でフレームを中継する一又は複数の室外機と、を備える空調システムにおけるトポロジ情報を生成する情報処理装置が行う情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子、及び、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子のそれぞれに順番に接続され、
前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記空調システムで使用することのできる全てのアドレスの各々に第1要求フレームの信号を送信し、
前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1要求フレームに応答するためのフレームである第1応答フレームが送信されるタイミングである第1タイミングを特定し、
前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1タイミングで第1パルス信号を出力し、
前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1パルス信号に対応する第1重畳パルス信号が重畳された前記第1応答フレームの信号を受信し、
前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1重畳パルス信号を用いて、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機までの配線長である第1配線長を算出し、
前記情報処理装置が、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機の内、前記第1配線長において等しい配線長となっている一つの室外機及び少なくとも一つの室内機を特定することで、各々が前記特定された一つの室外機及び前記特定された少なくとも一つの室内機を含む一又は複数の系統を生成し、
前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れか一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記一又は複数の系統の内、前記一つの内外接続端子に対応する一つの系統を特定し、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機に第2要求フレームの信号を送信し、
前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れかに接続されている場合に、前記第2要求フレームに応答するためのフレームである第2応答フレームが送信されるタイミングである第2タイミングを特定し、
前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れかに接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第2タイミングで第2パルス信号を出力し、
前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れかに接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第2パルス信号に対応する第2重畳パルス信号が重畳された前記第2応答フレームの信号を受信し、
前記情報処理装置が、前記第2重畳パルス信号を用いて、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長である第2配線長を算出し、
前記情報処理装置が、前記第1配線長により、前記一又は複数の室外機までの配線長を示し、前記第2配線長により、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長を示す前記トポロジ情報を生成すること
を特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等で使用される空調システムでは、室内機及び室外機といった構成機器が一対の伝送線で接続されている。伝送線の長さである配線長が長くなると、信号の減衰が大きくなり通信品質が低下する。このため、従来から、配線長を計測する技術が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、空調システムの基準位置に接続されることで、その通信システムにおける配線長を計測する配線長計測装置が記載されている。従来の配線長計測装置は、配線長の計測対象となる構成機器に電圧パルスを印加して、その反射波が計測される位置を用いて、その構成機器までの配線長を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-41384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、診断対象となる空調システムは、リピータ回路を備えることが想定される。従来の配線長計測装置では、リピータが存在すると、リピータで中継される複数対の伝送線が電気的に絶縁されるため、リピータの先にある2次側まで電圧パルスが届かない。このため、従来の配線長計測装置では、リピータを跨いだ配線長の計測を行うことができない。
【0006】
そこで、本発明は、システムに電気的に絶縁された複数対の伝送線が存在する場合でも、そのシステムに含まれている空調機の配線長を計測できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、一対の伝送線からなる集中伝送線ペアに接続されたシステムコントローラと、前記集中伝送線ペアとは異なる一又は複数の一対の伝送線からなる一又は複数の内外伝送線ペアに接続された一又は複数の室内機と、各々が前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアに接続され、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間を電気的に絶縁するとともに、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間でフレームを中継する一又は複数の室外機と、を備える空調システムにおけるトポロジ情報を生成する情報処理装置であって、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子、及び、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子のそれぞれに順番に接続する接続部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記空調システムで使用することのできる全てのアドレスの各々に、第1要求フレームの信号を送信するフレーム送信部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記第1要求フレームに応答するためのフレームである第1応答フレームが送信されるタイミングである第1タイミングを特定するタイミング特定部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1タイミングで第1パルス信号を出力するパルス出力部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1パルス信号に対応する第1重畳パルス信号が重畳された前記第1応答フレームの信号を受信するフレーム受信部と、前記第1重畳パルス信号を用いて、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機までの配線長である第1配線長を算出する算出部と、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機の内、前記第1配線長において等しい配線長となっている一つの室外機及び少なくとも一つの室内機を特定することで、各々が前記特定された一つの室外機及び前記特定された少なくとも一つの室内機を含む一又は複数の系統を生成するトポロジ生成部と、を備え、前記フレーム送信部は、前記接続部が前記一又は複数の内外接続端子の内の一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記一又は複数の系統の内、前記一つの内外接続端子に対応する一つの系統を特定し、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機に第2要求フレームの信号を送信し、前記タイミング特定部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記第2要求フレームに応答するためのフレームである第2応答フレームが送信されるタイミングである第2タイミングを特定し、前記パルス出力部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2タイミングで第2パルス信号を出力し、前記フレーム受信部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2パルス信号に対応する第2重畳パルス信号が重畳された前記第2応答フレームの信号を受信し、前記算出部は、前記第2重畳パルス信号を用いて、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長である第2配線長を算出し、前記トポロジ生成部は、前記第1配線長により、前記一又は複数の室外機までの配線長を示し、前記第2配線長により、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長を示す前記トポロジ情報を生成することを特徴とする。
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理システムは、一対の伝送線からなる集中伝送線ペアに接続されたシステムコントローラと、前記集中伝送線ペアとは異なる一又は複数の一対の伝送線からなる一又は複数の内外伝送線ペアに接続された一又は複数の室内機と、各々が前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアに接続され、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間を電気的に絶縁するとともに、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間でフレームを中継する一又は複数の室外機と、を備える空調システムと、前記空調システムにおけるトポロジ情報を生成する情報処理装置と、を備える情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子、及び、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子のそれぞれに順番に接続する接続部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記空調システムで使用することのできる全てのアドレスの各々に、第1要求フレームの信号を送信するフレーム送信部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記第1要求フレームに応答するためのフレームである第1応答フレームが送信されるタイミングである第1タイミングを特定するタイミング特定部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1タイミングで第1パルス信号を出力するパルス出力部と、前記接続部が前記集中接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第1パルス信号に対応する第1重畳パルス信号が重畳された前記第1応答フレームの信号を受信するフレーム受信部と、前記第1重畳パルス信号を用いて、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機までの配線長である第1配線長を算出する算出部と、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機の内、前記第1配線長において等しい配線長となっている一つの室外機及び少なくとも一つの室内機を特定することで、各々が前記特定された一つの室外機及び前記特定された少なくとも一つの室内機を含む一又は複数の系統を生成するトポロジ生成部と、を備え、前記フレーム送信部は、前記接続部が前記一又は複数の内外接続端子の内の一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記一又は複数の系統の内、前記一つの内外接続端子に対応する一つの系統を特定し、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機に第2要求フレームの信号を送信し、前記タイミング特定部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記第2要求フレームに応答するためのフレームである第2応答フレームが送信されるタイミングである第2タイミングを特定し、前記パルス出力部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2タイミングで第2パルス信号を出力し、前記フレーム受信部は、前記接続部が前記一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記接続部を介して、前記第2パルス信号に対応する第2重畳パルス信号が重畳された前記第2応答フレームの信号を受信し、前記算出部は、前記第2重畳パルス信号を用いて、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長である第2配線長を算出し、前記トポロジ生成部は、前記第1配線長により、前記一又は複数の室外機までの配線長を示し、前記第2配線長により、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長を示す前記トポロジ情報を生成することを特徴とする。
【0009】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、一対の伝送線からなる集中伝送線ペアに接続されたシステムコントローラと、前記集中伝送線ペアとは異なる一又は複数の一対の伝送線からなる一又は複数の内外伝送線ペアに接続された一又は複数の室内機と、各々が前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアに接続され、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間を電気的に絶縁するとともに、前記一又は複数の内外伝送線ペアの何れか及び前記集中伝送線ペアの間でフレームを中継する一又は複数の室外機と、を備える空調システムにおけるトポロジ情報を生成する情報処理装置が行う情報処理方法であって、前記情報処理装置は、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子、及び、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子のそれぞれに順番に接続され、前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記空調システムで使用することのできる全てのアドレスの各々に第1要求フレームの信号を送信し、前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1要求フレームに応答するためのフレームである第1応答フレームが送信されるタイミングである第1タイミングを特定し、前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1タイミングで第1パルス信号を出力し、前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1パルス信号に対応する第1重畳パルス信号が重畳された前記第1応答フレームの信号を受信し、前記情報処理装置が、前記集中伝送線ペアに接続するための集中接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第1重畳パルス信号を用いて、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機までの配線長である第1配線長を算出し、前記情報処理装置が、前記一又は複数の室外機、及び、前記一又は複数の室内機の内、前記第1配線長において等しい配線長となっている一つの室外機及び少なくとも一つの室内機を特定することで、各々が前記特定された一つの室外機及び前記特定された少なくとも一つの室内機を含む一又は複数の系統を生成し、前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れか一つの内外接続端子に接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記一又は複数の系統の内、前記一つの内外接続端子に対応する一つの系統を特定し、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機に第2要求フレームの信号を送信し、前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れかに接続されている場合に、前記第2要求フレームに応答するためのフレームである第2応答フレームが送信されるタイミングである第2タイミングを特定し、前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れかに接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第2タイミングで第2パルス信号を出力し、前記情報処理装置が、前記一又は複数の内外伝送線ペアに接続するための一又は複数の内外接続端子の何れかに接続されている場合に、前記情報処理装置が、前記第2パルス信号に対応する第2重畳パルス信号が重畳された前記第2応答フレームの信号を受信し、前記情報処理装置が、前記第2重畳パルス信号を用いて、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長である第2配線長を算出し、前記情報処理装置が、前記第1配線長により、前記一又は複数の室外機までの配線長を示し、前記第2配線長により、前記特定された系統に含まれる前記特定された少なくとも一つの室内機までの配線長を示す前記トポロジ情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本開示の一又は複数の態様によれば、システムに電気的に絶縁された複数対の伝送線が存在する場合でも、そのシステムに含まれている空調機の配線長を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る診断装置の構成を概略的に示すブロック図である。
図2】(A)及び(B)は、ハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】実施の形態における空調システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図4】要求フレームを送信する際のフレーム送信部での動作を説明するための回路図である。
図5】(A)~(C)は、診断装置と、空調機との間で送受信するフレームを説明するための概略図である。
図6】(A)及び(B)は、応答フレームの信号に重畳される低インピーダンス重畳パルス信号及び高インピーダンス重畳パルス信号の例を示す概略図である。
図7】信号処理部で処理する信号の例を示すグラフである。
図8】実施の形態に係る診断装置がトポロジ情報を生成する動作を示すフローチャートである。
図9】表示部に表示される診断対象選択画面画像の一例を示す概略図である。
図10】系統テーブルの一例を示す概略図である。
図11】トポロジ画面画像の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る診断装置100の構成を概略的に示すブロック図である。
診断装置100は、接続部101と、フレーム送信部102と、タイミング特定部103と、パルス出力部104と、フレーム受信部105と、データ特定部106と、パルス信号抽出部107と、信号処理部108と、配線長算出部109と、トポロジ生成部110と、操作部111と、表示部112とを備える。
診断装置100は、後述する空調システムにおけるトポロジ情報を生成する情報処理装置である。
【0013】
接続部101は、一対の伝送線TLA、TLBに設けられている端子(後述)に接続する接続端子である。なお、図1では、接続部101が、一対の伝送線TLA、TLBに接続されるものとして説明しているが、診断装置100が接続される位置に応じて、接続部101が接続される伝送線TLA、TLBは異なる。
フレーム送信部102は、接続部101を介して、伝送線TLA、TLBに接続されている空調機にフレームを送信するフレーム送信回路である。例えば、フレーム送信部102は、NRZ(Non-Return-to-Zero)方式、AMI(Alternate Mark Inversion)符号方式又はCMI(Code Mark Inversion)符号方式等の符号化方式を用いたベースバンド伝送でフレームを送信する。
実施の形態では、フレーム送信部102は、AMI符号方式を用いて、予め定められたフレームである要求フレームを、伝送線TLA、TLBに接続されている空調機に送信する。
【0014】
タイミング特定部103は、フレーム送信部102が要求フレームを送信したタイミングから、その要求フレームの宛先となっている室内機又は室内機といった空調機が、要求フレームに応答するためのフレームである応答フレームを送信するタイミングを特定する。そして、タイミング特定部103は、特定されたタイミングをパルス出力部104に通知する。
【0015】
パルス出力部104は、タイミング特定部103で特定されたタイミングで、接続部101を介して、伝送線TLA、TLBにパルス信号を出力するパルス出力回路である。
【0016】
フレーム受信部105は、タイミング特定部103で特定されたタイミングで、応答フレームの受信を開始して、伝送線TLA、TLBにおける電圧の波形を受信波形(受信信号ともいう)として特定する受信回路である。その受信波形には、パルス出力部104により出力されたパルス信号に対応する重畳パルス信号が重畳される。
【0017】
データ特定部106は、フレーム受信部105で特定された受信波形から応答フレームに含まれている各種データを特定する。
【0018】
パルス信号抽出部107は、フレーム受信部105で特定された受信波形からパルス出力部104から出力されたパルス信号に対応する部分の信号である重畳パルス信号を抽出する。
【0019】
信号処理部108は、パルス信号抽出部107で抽出された重畳パルス信号の波形から、重畳パルス信号において、パルス出力部104から出力されたパルス信号の反射波の影響を受け始めた点である変曲点を特定する。
【0020】
配線長算出部109は、信号処理部108で特定された変曲点の位置から、応答フレームを送ってきた空調機までの距離である配線長を算出する。
【0021】
なお、データ特定部106、パルス信号抽出部107、信号処理部108及び配線長算出部109を算出部113ともいう。算出部113は、重畳パルス信号を用いて空調機までの配線長を算出する。
【0022】
トポロジ生成部110は、配線長算出部109で算出された配線長から、伝送線TLA、TLBに接続されている全ての空調機の接続形態を示す接続形態情報であるトポロジ情報を生成する。トポロジ情報には、配線長算出部109で算出された配線長の少なくとも一部が含まれる。
【0023】
以上に記載されたタイミング特定部103、データ特定部106、パルス信号抽出部107、信号処理部108、配線長算出部109及びトポロジ生成部110の一部又は全部は、例えば、図2(A)に示されているように、メモリ10と、メモリ10に格納されているプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ11とにより構成することができる。このようなプログラムは、ネットワークを通じて提供されてもよく、また、記録媒体に記録されて提供されてもよい。即ち、このようなプログラムは、例えば、プログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0024】
また、タイミング特定部103、データ特定部106、パルス信号抽出部107、信号処理部108、配線長算出部109及びトポロジ生成部110の一部又は全部は、例えば、図2(B)に示されているように、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路12で構成することもできる。
以上のように、タイミング特定部103、データ特定部106、パルス信号抽出部107、信号処理部108、配線長算出部109及びトポロジ生成部110は、処理回路網により実現することができる。
【0025】
以上に記載された診断装置100の動作例を説明する。
図3は、実施の形態における空調システム120の構成を概略的に示すブロック図である。
空調システム120は、SC(System Controller)121と、第1室外機122Aと、第2室外機122Bと、第3室外機122Cと、第1室内機123Aと、第2室内機123Bと、第3室内機123Cと、第4室内機123Dと、第5室内機123Eと、第6室内機123Fとを備える。
なお、空調システム120及び診断装置100により、情報処理システムが構成される。
【0026】
SC121、第1室外機122A、第2室外機122B及び第3室外機122Cは、一対の伝送線124A、124Bに接続されている。
第1室外機122A、第1室内機123A及び第2室内機123Bは、一対の伝送線125A、125Bに接続されている。
第2室外機122B、第3室内機123C及び第4室内機123Dは、一対の伝送線126A、126Bに接続されている。
第3室外機122C、第5室内機123E及び第6室内機123Fは、一対の伝送線127A、127Bに接続されている。
【0027】
ここで、一対の伝送線124A、124Bを集中伝送線ペアともいう。集中伝送線ペアには、SC121、及び、一又は複数の室外機が接続されればよい。
また、一対の伝送線125A、125B、一対の伝送線126A、126B、及び、一対の伝送線127A、127Bの各々を内外伝送線ペアともいう。一つの内外伝送線ペアには、一つの室外機、及び、一又は複数の室内機が接続されればよく、内外伝送線ペアは、少なくとも一つあればよい。
室外機は、集中伝送線ペアと、内外伝送線ペアとの間を電気的に絶縁するとともに、集中伝送線ペアと、内外伝送線ペアとの間でフレームを中継する。
【0028】
第1室外機122A、第2室外機122B及び第3室外機122Cの各々は、リピータ(図示せず)を備えている。このため、一対の伝送線124A、124Bで接続されているSC121、第1室外機122A、第2室外機122B及び第3室外機122Cを集中系130ともいう。
【0029】
一対の伝送線125A、125Bで接続されている第1室外機122A、第1室内機123A及び第2室内機123Bを、第1系統131Aともいう。
一対の伝送線126A、126Bに接続されている第2室外機122B、第3室内機123C及び第4室内機123Dを、第2系統131Bともいう。
一対の伝送線127A、127Bに接続されている第3室外機122C、第5室内機123E及び第6室内機123Fを、第3系統131Cともいう。
また、第1系統131A、第2系統131B及び第3系統131Cを、内外系132ともいう。
【0030】
以上のような空調システム120において、診断装置100によりトポロジ情報を生成する場合には、まず、オペレータは、SC121に設けられている端子121aに、診断装置100の接続部101を接続することで、診断装置100を一対の伝送線124A、124Bに接続する。そして、診断装置100は、集中系130において配線長を算出する。なお、端子121aを、集中接続端子ともいう。
【0031】
次に、オペレータは、第1室外機122Aに設けられている端子122Aaに、診断装置100の接続部101を接続することで、診断装置100を一対の伝送線125A、125Bに接続する。そして、診断装置100は、第1系統131Aにおいて配線長を算出する。
【0032】
次に、オペレータは、第2室外機122Bに設けられている端子122Baに、診断装置100の接続部101を接続することで、診断装置100を一対の伝送線126A、126Bに接続する。そして、診断装置100は、第2系統131Bにおいて配線長を算出する。
【0033】
次に、オペレータは、第3室外機122Cに設けられている端子122Caに、診断装置100の接続部101を接続することで、診断装置100を一対の伝送線127A、127Bに接続する。そして、診断装置100は、第3系統131Cにおいて配線長を算出する。
なお、端子122Aa、端子122Ba及び端子122Caの各々を、内外接続端子ともいう。
【0034】
以上により、診断装置100は、集中系130、第1系統131A、第2系統131B及び第3系統131Cにおいて算出された配線長を用いて、空調システム120におけるトポロジ情報を生成する。なお、第1系統131A、第2系統131B及び第3系統131Cにおいて配線長を算出する順番は、どのような順番であってもよい。また、第1系統131A、第2系統131B及び第3系統131Cにおいて配線長を算出する処理は、内外系132において配線長を算出する処理に対応する。以下、具体的に説明する。
【0035】
なお、以下では、単純化のため、第1室外機122A、第2室外機122B、第3室外機122C、第1室内機123A、第2室内機123B、第3室内機123C、第4室内機123D、第5室内機123E及び第6室内機123Fの各々を、単に、空調機と記載する場合がある。
【0036】
図4は、診断装置100が第1室外機122Aに要求フレームを送信する際のフレーム送信部102での動作を説明するための回路図である。
ここでは、診断装置100は、SC121の端子121aに接続されているものとする。
【0037】
図4には、フレーム送信部102及びフレーム受信部105に関する構成が示されている。
図4には、送信回路140と、受信回路150と、制御回路151とが示されており、送信回路140は、電源回路152から電圧の印加を受ける。
ここで、フレーム送信部102は、送信回路140及び制御回路151により構成され、フレーム受信部105は、受信回路150及び制御回路151により構成される。
【0038】
送信回路140は、制御回路151による制御に従ってフレームを送信する。具体的には、送信回路140は、制御回路151による制御信号に従って、一対の伝送線124A、124B間に印加する電圧を変化させる。一対の伝送線124A、124B間に印加される電圧は、5V、0V及び-5Vの何れかである。
【0039】
送信回路140は、スイッチング素子141と、スイッチング素子142と、スイッチング素子143と、スイッチング素子144とを備える。
【0040】
スイッチング素子141の電流路の一端は、電源回路152に接続され、スイッチング素子141の電流路の他端は、伝送線124Aに接続され、スイッチング素子141の制御端子は制御回路151に接続される。
スイッチング素子142の電流路の一端は、伝送線124Aに接続され、スイッチング素子142の電流路の他端は、接地され、スイッチング素子142の制御端子は、制御回路151に接続される。
スイッチング素子143の電流路の一端は、電源回路152に接続され、スイッチング素子143の電流路の他端は、伝送線124Bに接続され、スイッチング素子143の制御端子は、制御回路151に接続される。
スイッチング素子144の電流路の一端は、伝送線124Bに接続され、スイッチング素子144の電流路の他端は、接地され、スイッチング素子144の制御端子は、制御回路151に接続される。
【0041】
スイッチング素子141、142、143、144は、例えば、NPN(Negative Positive Negative)トランジスタである。この場合、例えば、コレクタが電流路の一端であり、エミッタが電流路の他端であり、ベースが制御端子である。
【0042】
受信回路150は、フレームを受信し、受信されたフレームを示す信号を制御回路151に供給する。具体的には、受信回路150は、一対の伝送線124A、124B間に印加されている電圧を検出し、検出した電圧に応じた信号を制御回路151に供給する。より詳細には、受信回路150は、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間に印加されている電圧が、5V、0V及び-5Vのいずれであるのかを検出し、5V、0V及び-5Vのいずれかを示す信号を制御回路151に供給する。受信回路150は、例えば、A/D(Analog/Digital)変換器(図示せず)を備える。
【0043】
制御回路151は、通信に関わる制御を実行する。具体的には、制御回路151は、送信回路140を制御して、送信するフレームに応じた電圧を、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間に印加する。
また、制御回路151は、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間に印加された電圧に応じた信号を、受信回路150から受信する。制御回路151の機能は、例えば、プロセッサ(図示せず)の機能により実現される。
【0044】
電源回路152は、通信用の直流電圧であるVccを供給する回路である。本実施形態では、Vccは5Vである。電源回路152は、内部インピーダンスが0である理想的な直流電源である直流電源153と、電源回路152に内在するインピーダンスである内部インピーダンス154とを備えるものとみなすことができる。内部インピーダンス154は、基本的に、電源回路152に内在する内部抵抗である。内部インピーダンス154の値は、例えば、負荷抵抗155の値よりも十分に低く、低インピーダンスといえる。内部インピーダンス154の値は、例えば、数Ω以下である。
【0045】
次に、診断装置100がフレームを送信するときの送信回路140及び制御回路151の動作について説明する。上述したように、制御回路151は、送信回路140を制御して、送信するフレームに応じた電圧を、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間に印加する。ここで、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間に印加する電圧は、5V、0V、-5Vのいずれかである。
【0046】
制御回路151は、5Vを印加する場合には、スイッチング素子141、144をONにし、スイッチング素子142、143をOFFにする。この場合、図4の実線の矢印156で示されているように、電源回路152から供給される電流が流れる。ここで、スイッチング素子141、144がONにされると、図4の破線の矢印157で示されているように、伝送線124Aと、伝送線124Bとが電源回路152を介して接続される。このため、スイッチング素子141、144がONにされると、伝送線124Aと、伝送線124Bとが内部インピーダンス154を介して接続される。
【0047】
制御回路151は、-5Vを印加する場合には、スイッチング素子142、143をONし、スイッチング素子141、144をOFFにする。この場合、電源回路152から供給される電流は、スイッチング素子143、伝送線124B、負荷抵抗155、伝送線124A及びスイッチング素子142の順で流れて、接地される。ここで、スイッチング素子143、142がONにされた場合も、伝送線124Aと、伝送線124Bとが電源回路152を介して接続されるため、伝送線124Aと、伝送線124Bとが内部インピーダンス154を介して接続される。
【0048】
ここで、伝送線124Aと、伝送線124Bとが低インピーダンスで接続された場合には、伝送線124Aと、伝送線124Bとがほぼ短絡された状態となる。
【0049】
一方、制御回路151は、0Vを印加する場合には、全てのスイッチング素子141、142、143、144をOFFにする。この場合、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間は、OFFとなっているスイッチング素子141、142、143、144により接続されるため、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間が高インピーダンスで接続されることになる。
【0050】
以上説明したように、診断装置100により伝送線124Aと、伝送線124Bとの間に5V又は-5Vが印加される場合には、診断装置100により、伝送線124Bと、伝送線124Bとの間が低インピーダンスで接続される。
一方、診断装置100により、伝送線124Aと、伝送線124Bとの間に0Vが印加される場合、診断装置100により伝送線124Aと、伝送線124Bとの間が高インピーダンスで接続されることとなる。
【0051】
負荷抵抗155は、一対の伝送線124A、124Bの間に、電圧が印加されるときに、負荷電流が流れる抵抗である。従って、診断装置100により一対の伝送線124A、124Bの間に5Vの電圧が印加された場合、負荷抵抗155の両端間に5Vの電圧が印加される。負荷抵抗155の抵抗値は、例えば、数十Ωから数百Ωである。
【0052】
このため、例えば、一対の伝送線124A、124Bに接続されている第1室外機122Aが診断装置100からのフレームを受信する場合には、第1室外機122Aは、図示してはいないが、負荷抵抗155と同様の負荷抵抗を有する受信回路により、その負荷抵抗の両端電圧を計測すればよい。
【0053】
また、受信回路150も、負荷抵抗155と同様の負荷抵抗を備えており、この負荷抵抗の両端電圧を計測することで、一対の伝送線124A、124Bに接続された第1室外機122A、第2室外機122B又は第3室外機122Cからのフレームを受信することができる。
【0054】
ここで、空調機も、送信回路140、受信回路150、制御回路151及び電源回路152と同様の回路を備えており、診断装置100と相互にフレームを送受信することができるものとする。
なお、室外機は、送信回路140、受信回路150、制御回路151及び電源回路152と同様の回路を、集中系130側と、内外系132側との両方に備えており、集中系130及び内外系132との間でフレームを中継している。
【0055】
次に、診断装置100と、空調機との間で送受信するフレームについて説明する。
図5(A)~(C)は、診断装置と、空調機との間で送受信するフレームを説明するための概略図である。
【0056】
図5(A)に示されているように、まず、診断装置100は、空調機に対して要求フレーム160を送信する。
要求フレーム160は、例えば、送信元のアドレスを示すフィールド160aと、送信先のアドレスを示すフィールド160bと、コマンドの内容を示すフィールド160cと、データの内容を示すフィールド160dとを備える。
【0057】
1つのフィールドは、例えば、図5(B)に示されているように、符号STで示される、スタートビットに対応するビットと、符号D0~D7で示される、8ビットのデータに対応するビットと、符号Pで示される、パリティビットに対応するビットと、符号SPで示される、ストップビットに対応するビットとを備える。本実施形態では、通信速度が9600bpsであり、1ビット期間が約104μsecであるものとする。
【0058】
図5(C)に示されているように、0に対応するビットを送信するときの信号波形は、今回の極性が正である場合、前半の52μsecが5Vであり、後半の52μsecが0Vである電圧波形となる。また、今回の極性が負である場合、前半の52μsecが-5Vであり、後半の52μsecが0Vである電圧波形となる。ここで、0に対応するビットを送信する場合、前回の極性とは逆の極性で電圧が印加される。
一方、1に対応するビットを送信するときの信号波形は、104μsecの期間0Vである電圧波形となる。
【0059】
図5(A)に示されているように、診断装置100が要求フレーム160を空調機に送信すると、その空調機は、送信された要求フレーム160を誤りなく受信できた場合には、予め定められた休止期間RTを空けてACKコード(例えば、0x09)を示す応答フレーム161を返送する。
【0060】
次に、診断装置100における配線長の算出処理について説明する。
まず、フレーム送信部102は、接続部101を介して、全アドレス空間に対して、要求フレームを送信する。具体的には、フレーム送信部102は、空調システム120で使用することのできる全てのアドレスにおいて一つずつ、要求フレームを送信する。なお、本実施の形態においては、室外機に割り当てられるアドレス領域と、室内機に割り当てられるアドレス領域とが予め定められているものとする。
【0061】
空調機は、送信された要求フレームを誤りなく受信できた場合には、上述のように、予め定められた休止期間RTを空けて応答フレームを送信する。
タイミング特定部103は、要求フレームの送信後、その休止期間RTを監視し、要求フレームを送信した空調機が応答フレームを返送するタイミングを特定する。
【0062】
パルス出力部104は、タイミング特定部103が特定したタイミングで、伝送速度が9600bpsの場合には、52μ秒の低インピーダンス期間中と、その後の52μ秒の高インピーダンス期間中に、接続部101を介して、低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号を一対の伝送線TLA、TLBに印加する。低インピーダンスパルス信号は、空調機の低インピーダンス期間中に出力されるパルス信号であり、高インピーダンスパルス信号は、空調機の高インピーダンス期間中に出力されるパルス信号である。
【0063】
印加される低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号の幅は、システムで規定される最遠長の長さに相当する時間とすればよい。例えば、被覆がビニル等の電線で1000mの場合には、パルス出力部104は、12μ秒のパルス信号を印加する。
【0064】
低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号が一対の伝送線TLA、TLBに印加されると、一対の伝送線TLA、TLBに接続されている空調機において、その低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号が、その応答フレームの信号に重畳される。このため、診断装置100のフレーム受信部105で受信される応答フレームの信号には、低インピーダンス重畳パルス信号及び高インピーダンス重畳パルス信号が重畳される。低インピーダンス重畳パルス信号は、低インピーダンスパルス信号に対応する信号であり、高インピーダンス重畳パルス信号は、高インピーダンスパルス信号に対応する信号である。
【0065】
図6(A)及び(B)は、応答フレームの信号に重畳される低インピーダンス重畳パルス信号及び高インピーダンス重畳パルス信号の例を示す概略図である。
図6(A)に示されているように、応答フレームの信号162に、低インピーダンス重畳パルス信号163及び高インピーダンス重畳パルス信号164が重畳されている。
【0066】
図6(B)は、応答フレームの信号162において、低インピーダンス重畳パルス信号163及び高インピーダンス重畳パルス信号164が重畳されている部分を拡大した拡大図である。
印加された低インピーダンスパルス信号により、応答フレームを返送中の空調機の低インピーダンスによって位相反転した反射波が発生する。このため、フレーム受信部105で受信される低インピーダンス重畳パルス信号163は、図9(B)に示されているように、空調機が低インピーダンスとなっている期間である低インピーダンス期間TLに出力される部分において、その反射波が入射波と干渉し、遅延時間Trにて立ち下がる形状となる。
【0067】
また、印加された高インピーダンスパルス信号により、応答フレームを返送中の空調機の高インピーダンスによって同位相の反射波が発生する。このため、フレーム受信部105で受信される高インピーダンス重畳パルス信号164は、図9(B)に示されているように、空調機が高インピーダンスとなっている期間である高インピーダンス期間THに出力される部分において、遅延時間Trにて立ち上がる形状となる。
【0068】
低インピーダンス重畳パルス信号163及び高インピーダンス重畳パルス信号164が重畳された信号は、フレーム受信部105で受信され、パルス信号抽出部107に受信信号として送られる。
パルス信号抽出部107は、低インピーダンス期間TLの受信信号から、応答フレームンの信号レベル(ここでは、5V程度)を除くことで、低インピーダンス重畳パルス信号163を抽出する。また、パルス信号抽出部107は、高インピーダンス期間THの受信信号から、応答フレームの信号レベル(ここでは、0V程度)を除くことで、高インピーダンス重畳パルス信号164を抽出する。抽出された低インピーダンス重畳パルス信号163及び高インピーダンス重畳パルス信号164は、信号処理部108に与えられる。
【0069】
信号処理部108は、低インピーダンス重畳パルス信号163及び高インピーダンス重畳パルス信号164の立ち上がりのタイミングを揃えて、これらの差分を算出する。
図7は、信号処理部108で処理する信号の例を示すグラフである。
図7に示されているように、信号処理部108は、低インピーダンス重畳パルス信号163から高インピーダンス重畳パルス信号164を差し引くことで、差分信号165を生成する。
【0070】
信号処理部108は、差分信号において変化点を含む部分の波形形状を示すテンプレート信号を予めメモリ108aに記憶しており、そのテンプレート信号と、差分信号165との相関係数を計算することで、変化点CPを特定する。そして、信号処理部108は、低インピーダンス重畳パルス信号163又は高インピーダンス重畳パルス信号164の立ち上がりのタイミングから変化点CPまでの遅延時間Trを算出する。算出された遅延時間Trは、配線長算出部109に与えられる。
【0071】
ここで、変化点CPは、低インピーダンス重畳パルス信号163及び高インピーダンス重畳パルス信号164において、低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号の反射波の影響を受け始める点である。低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号の電圧が決まっていれば、差分信号において変化点を含む部分の波形形状を示すテンプレート信号を生成することができるため、メモリ108aにそのようなテンプレート信号を予め記憶させておけばよい。
【0072】
配線長算出部109は、遅延時間Trから、空調機までの伝送線TLA、TLBの長さである配線長を算出する。
例えば、配線長算出部109は、下記の式(1)で配線長Dを算出する。
【数1】
ここで、Vcは、高速であり、εrは、伝送線として用いられているケーブルのケーブル被覆材の実効比誘電率である。
【0073】
以上のようにして、診断装置100は、要求フレームに対して応答する空調機までの配線長を算出することができる。
以下、空調システム120において、各々の空調機の配線長を算出して、空調システム120におけるトポロジ情報を生成する処理について説明する。
【0074】
図8は、実施の形態に係る診断装置100がトポロジ情報を生成する動作を示すフローチャートである。
図8に示されているフローチャートでは、図3に示されている空調システム120においてトポロジ情報を生成する場合を例に説明する。
【0075】
まず、診断装置100は、空調システム120の集中系130において、全アドレスを用いて、空調機の配線長を計測する(S10)。ここでは、診断装置100のフレーム送信部102は、接続部101を介して、空調システム120で使用することのできる全てのアドレスの各々に要求フレームの信号を送信する。ここで送信される要求フレームを第1要求フレームともいう。第1要求フレームへの応答フレームを第1応答フレームともいう。
【0076】
具体的には、診断装置100で、空調システム120の集中系130を診断するために、オペレータは、SC121に設けられている端子121aに診断装置100を接続する。そして、オペレータは、操作部111を介してトポロジ生成部110に指示することで、表示部112に、診断対象選択画面画像を表示させる。
【0077】
図9は、表示部112に表示される診断対象選択画面画像の一例を示す概略図である。
図9に示されている診断対象選択画面画像170は、集中系選択領域170aと、内外系選択領域170bとを備える。
ここで、オペレータが、操作部111を介して、集中系選択領域170aを選択し、実行指示の入力を行うことで、診断装置100は、集中系130での配線長の計測を開始する。配線長の計測は、上述の通り、ACKコードを示す応答フレームを返信してくる空調機に対して、低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号を送信することにより行われる。ここで送信される低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号を第1パルス信号ともいう。なお、第1パルス信号を送信するために、タイミング特定部103で特定されるタイミングを第1タイミングともいう。なお、第1応答フレームの信号には、第1パルス信号に対応する重畳パルス信号である第1重畳パルス信号が重畳される。第1重畳パルス信号には、低インピーダンス重畳パルス信号及び高インピーダンス重畳パルス信号が含まれる。さらに、ここで計測される配線長を第1配線長ともいう。
【0078】
次に、トポロジ生成部110は、ステップS10で計測された配線長から、空調機が属する系統を示す系統情報である系統テーブルを生成する(S11)。ここでは、同じ配線長と判断された室外機及び室内機が同じ系統と判断される。なお、室外機と室内機とは、割り当てられるアドレスの範囲が異なっているため、トポロジ生成部110は、割り当てられているアドレスにより、室外機と室内機とを区別することができる。一つの系統には、一つの室外機と、少なくとも一つの室内機とが含まれる。
【0079】
図10は、系統テーブルの一例を示す概略図である。
図10に示されている系統テーブル171は、系統名列171aと、配線長列171bと、室外機列171cと、室内機列171dとを有する。
系統名列171aには、室外機及び室内機が属する系統を識別するための系統識別情報である系統名が格納される。
配線長列171bには、対応する系統に属する室外機及び室内機までの配線長が格納される。
室外機列171cには、対応する系統に属する室外機を識別するための室外機識別情報が格納される。
室内機列171dには、対応する系統に属する室内機を識別するための室内機識別情報が格納される。
以上の系統テーブル171により、系統毎に、所属する室外機及び室内機と、配線長とを対応付けることができる。
【0080】
上述のように、本実施の形態では、第1室外機122A、第2室外機122B及び第3室外機122Cの各々は、リピータ回路を備えている。このため、端子121aに接続された診断装置100からパルス信号を送信すると、第1室外機122A、第2室外機122B及び第3室外機122Cで、重畳パルス信号として戻ってくる。このため、第1室外機122Aに接続されている第1室内機123A及び第2室内機123Bの配線長は、第1室外機122Aと同じ配線長となる。同様に、第2室外機122Bに接続されている第3室内機123C及び第4室内機123Dの配線長は、第2室外機122Bと同じ配線長となり、第3室外機122Cに接続されている第5室内機123E及び第6室内機123Fの配線長は、第3室外機122Cと同じ配線長となる。
【0081】
次に、トポロジ生成部110は、全ての系統について配線長が計測されたか否かを判断する(S12)。例えば、トポロジ生成部110は、ステップS11で生成された系統テーブルに含まれている全ての系列について、配線長が計測された場合には、全ての系統について配線長が計測されたと判断する。全ての系統について配線長が計測された場合(S12でYes)には、処理はステップS14に進み、配線長が計測されていない系統が残っている場合(S12でNo)には、処理はステップS13に進む。
【0082】
ステップS13では、オペレータは、未だ配線長が計測されていない系統に含まれている室外機の端子に診断装置100を接続して、診断装置100にその系統に含まれている室内機の配線長を計測させる。ここでフレーム送信部102が送信する要求フレームを第2要求フレームともいい、第2要求フレームへの応答フレームを第2応答フレームともいう。タイミング特定部103が特定する、第2応答フレームが送信されるタイミングを第2タイミングともいう。ここで出力される低インピーダンスパルス信号及び高インピーダンスパルス信号を第2パルス信号ともいう。第2応答フレームの信号に重畳される低インピーダンス重畳パルス信号及び高インピーダンス重畳パルス信号を第2重畳パルス信号ともいう。さらに、ここで計測される配線長を第2配線長ともいう。
【0083】
例えば、オペレータは、診断装置100を、第1室外機122Aに設けられている端子122Aa、第2室外機122Bに設けられている端子122Ba、又は、第3室外機122Cに設けられている端子122Caの何れかに接続して、診断装置100に空調機までの配線長を計測させる。
【0084】
ステップS14では、トポロジ生成部110は、ステップS10で計測された室外機までの配線長と、ステップS13で計測された室内機までの配線長とを示すトポロジ情報を生成する。
【0085】
そして、トポロジ生成部110は、生成されたトポロジ情報に基づいて、空調システム120のトポロジを示すトポロジ画面画像を生成し、それを表示部112に表示させる(S15)。空調システム120のトポロジは、空調システム120における接続形態を示す。
【0086】
図11は、トポロジ画面画像の一例を示す概略図である。
図11に示されているように、トポロジ画面画像172では、空調システム120に含まれているSC、室外機及び室内機の配線長が示されている。
【符号の説明】
【0087】
100 診断装置、 101 接続部、 102 フレーム送信部、 103 タイミング特定部、 104 パルス出力部、 105 フレーム受信部、 106 データ特定部、 107 パルス信号抽出部、 108 信号処理部、 109 配線長算出部、 110 トポロジ生成部、 111 操作部、 112 表示部、 113 算出部、 120 空調システム、 121 SC、 122A,122B,122C 室外機、 123A,123B,123C,123D,123E,123F 室内機、 124A,124B,125A,125B,126A,126B,127A,127B 伝送線、 122Aa,122Ba,122Ca 端子。
図1
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図11