(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】削岩装置、削岩リグ、及び掘削方法
(51)【国際特許分類】
E21B 15/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
E21B15/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020020326
(22)【出願日】2020-02-10
【審査請求日】2022-12-13
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515277780
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】コスキネン, キッモ
(72)【発明者】
【氏名】イリ-ハンヌクセラ, テロ
(72)【発明者】
【氏名】シミラ, ユッカ
(72)【発明者】
【氏名】マキネン, タピオ
(72)【発明者】
【氏名】ヒエティッコ, トニ
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-248793(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0294570(US,A1)
【文献】特開平11-101086(JP,A)
【文献】特表2010-508455(JP,A)
【文献】独国特許発明第19641922(DE,C1)
【文献】登録実用新案第3009405(JP,U)
【文献】特開2014-070488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 1/00-19/24
E21B 44/00-44/10
E21D 1/00-9/14
E21D 20/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
削岩装置(14)であって、
削岩リグ(1)の可動キャリア(2)に接続可能な第1のブーム部分(3a)と、遠位の第2のブーム部分(3b)とを備える、掘削ブーム(3)と、
前記
掘削ブーム(3)に移動可能に支持された2つの削岩ユニット(6a,6b)
であって、上記削岩ユニット(6a,6b)は分離したユニットであり、互いに対して独立して前記掘削ブーム(3)に対して移動可能(P)である、前記2つの削岩ユニット(6a,6b)と
を備
え、
前記削岩ユニット(6a,6b)が、前記
掘削ブーム(3)に対して独立して移動可能(P)なキャリッジ(15a,15b)上に取り付けられており;
前記キャリッジ(15a,15b)と前記削岩ユニット(6a,6b)との間に、前記
掘削ブーム(3)に対して前記削岩ユニット(6a,6b)を独立して回転させるための回転ユニット(23)があり;かつ
前記キャリッジ(15a,15b)が前記
掘削ブーム(3)の長手方向に移動するように構成されており、前記回転ユニット(23)の回転軸(8)が前記キャリッジ(15a,15b)の移動方向に対して垂直であ
り、ここで、
前記第1のブーム部分(3a)と前記第2のブーム部分(3b)の間に、前記遠位の第2のブーム部分(3b)を前記第1のブーム部分(3a)に対して回転(A)させることができる水平ジョイント(4)があり、前記第2のブーム部分(3b)は前記水平ジョイント(4)に対して前後に傾けることができるようになっており;
前記削岩ユニット(6a,6b)が、前記第2のブーム部分(3b)の対向する側面に取り付けられており、前記第2のブーム部分(3b)の長手方向に移動可能(P)であること
を特徴とする、削岩装置(14)。
【請求項2】
両方の削岩ユニット(6a,6b)が前記掘削ブーム(3)の長手方向に可動範囲(M)を有しており;かつ
前記削岩ユニット(6a,6b)が、常に最大可動範囲(M)で前記掘削ブーム(3)の長手方向に独立して移動可能(P)であること
を特徴とする、請求項1に記載の削岩装置。
【請求項3】
上記2つの削岩ユニット(6a,6b)のうちの少なくとも一方が、前記削岩ユニット(6a,6b)の削岩機(12)によって掘削されたドリル孔(9)に
岩石表面を補強するための補強部品を供給するための供給手段(13)を含むこと
を特徴とする、請求項1又は2に記載の削岩装置。
【請求項4】
前記
掘削ブーム
(3)が、削岩リグ
(1)の
可動キャリア
(2)に接続可能な第1のブーム部分と、遠位の第2のブーム部分とを含み;
前記第2のブーム部分(3b)が前記第1のブーム部分(3a)
の長手方向に配向されるように、前記
掘削ブーム(3)が動作中に配向されるように構成されること
を特徴とする、請求項1から
3のいずれか一項に記載の削岩装置。
【請求項5】
前記
掘削ブーム(3)が、削岩リグ(1)の
可動キャリア(2)に接続可能な第1のブーム部分(3a)と、遠位の第2のブーム部分(3b)とを含み;かつ
前記第2のブーム部分(3b)が、
フレーム;
前記フレームに支持された少なくとも1つの第1の細長いガイド要素;
前記フレームに支持された少なくとも1つの第2の細長いガイド要素;
前記第1の
細長いガイド要素に直線的に移動可能(P)に支持された第1のキャリッジ(15a);
前記第2の
細長いガイド要素に直線的に移動可能(P)に支持された第2のキャリッジ(15b);
前記フレームに対して前記第1のキャリッジ(15a)を移動(P)させるための少なくとも1つの第1のアクチュエータ;及び
前記フレームに対して前記第2のキャリッジ(15b)を移動(P)させるための少なくとも1つの第2のアクチュエータ
を備えていること
を特徴とする、請求項1から
4のいずれか一項に記載の削岩装置。
【請求項6】
削岩リグ(1)であって、
可動キャリア(2);
掘削ブーム(3);及び
前記掘削ブーム(3)上に支持された2つの削岩ユニット(6a,6b)
を備えており、ここで、
前記掘削ブーム(3)及び前記削岩ユニット(6a,6b)が、請求項1から
5のいずれか一項に記載されていること
を特徴とする、削岩リグ(1)。
【請求項7】
掘削ブーム(3)と、前記掘削ブーム(3)上に支持された2つの削岩ユニット(6a,6b)とを備えた
、請求項1から5のいずれか一項に記載の削岩装置(14)によって岩石表面にドリル孔(9)を掘削する方法であって、前記
削岩ユニット(6a,6b)が前記掘削ブーム(3)に対して移動し;
前記方法が、
前記掘削ブーム(3)の少なくとも一部を垂直に配置すること;
前記
削岩ユニット(6a,6b)を、所望の垂直位置に配置するために前記掘削ブーム(3)に対して垂直に移動(P)させること;
を含み、ここで、
上記2つの削岩ユニット(6a,6b)を前記掘削ブーム(3)の長手方向に移動(P)させること;及び
前記2つの削岩ユニット(6a,6b)の前記移動(P)を互いに対して独立して実行すること
を特徴とする、方法。
【請求項8】
前記
削岩ユニット(6a,6b)が、掘削中、常に、それらの最大直線移動範囲(M)でそれらの移動(P)を実行できるようにすること
を特徴とする、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
一方の前記
削岩ユニット(6a,6b)が、他方の
削岩ユニット(6a,6b)がその掘削作業サイクルを実行中に、前記掘削ブーム(3)の長手方向に同時に自由に移動(P)できるようにすること
を特徴とする、請求項
7又は
8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、岩石表面にドリル孔を掘削するための削岩装置に関する。
【0002】
本発明はさらに削岩リグ及び方法にも関する。
【0003】
本発明の分野は、独立請求項の前文において、より具体的に定義される。
【背景技術】
【0004】
採鉱場、建設現場、及び他の作業エリアでは、さまざまなタイプの削岩リグが使用されている。削岩リグには1つ以上の掘削ブームが備わっており、削岩ユニットは、ドリル孔を掘削するためにブームの遠位端に配置されている。岩石に孔を掘削する目的は、爆破によって岩石材料を分離させるための発破孔を形成することでありえ、あるいは、掘削した孔の内部にロックボルト又は他の補強材を取り付けることによって岩石表面を補強するために、ドリル孔を掘削する場合がある。通常、いずれの場合も、多数のドリル孔を掘削する必要がある。現在の削岩装置は、とりわけそれらの生産性に関して幾つかの欠点を含むことが示されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、新規かつ改良された削岩装置、削岩リグ、及び削岩方法を提供することである。
【0006】
本発明による削岩装置は、1つ目の独立装置クレームの特徴によって特徴付けることができる。
【0007】
本発明による削岩リグは、2つ目の独立装置クレームの特徴によって特徴付けることができる。
【0008】
本発明による方法は、独立方法クレームの特徴及びステップによって特徴付けることができる。
【0009】
開示された解決策のアイデアは、削岩リグが単一の掘削ブームを含み、該ブームが自由に移動可能なタンデム掘削ユニットシステムを備えることである。それによって、掘削ブームは、互いに対して所望の位置に独立して位置づけることができる2つの掘削ユニットを備える。掘削ユニットは独立して移動することができる、すなわち、掘削ユニットの軌道は分離しており、交差しないことを意味する。言い換えれば、掘削ユニットは互いに自由にすれ違うことができる。
【0010】
開示された解決策の利点は、2つの掘削ユニットを所望の位置へと独立して移動及び配置することができる場合に、装置の操作には柔軟性があり、生産性の向上が達成されることである。掘削ユニットは、すれ違うことができることから、互いに待つ必要がなく、さらには、それらの移動範囲は互いに制限されない。掘削ユニットのための適切な位置を自由に選択して、計画された掘削パターンの掘削を実行することができる。このようにして、削岩は迅速かつ効率的な方法で実行することができる。
【0011】
一実施形態によれば、両方の削岩ユニットが、フィードビームと、該フィードビーム上に移動可能に支持された削岩機とを備える。
【0012】
一実施形態によれば、開示された解決策は、岩石表面の補強を対象とする。
【0013】
一実施形態によれば、開示された解決策は、爆破掘削方法を対象とする。
【0014】
一実施形態によれば、掘削ユニットは、それらの操作中に垂直に移動可能である。したがって、掘削ブームは、掘削ユニットを支持し、それらの垂直移動を可能にする、少なくとも1つの垂直方向に向けられた部分を含む。
【0015】
一実施形態によれば、開示された解決策は、いわゆるファン掘削を対象としており、ドリル孔が横向きのドリル孔と上向きのドリル孔とを含む一種の扇形のパターンを形成するように、岩石表面に幾つかのドリル孔が掘削される。ファンのドリル孔は、爆薬で満たすことができ、あるいは補強ボルトを受け入れることもできる。
【0016】
一実施形態によれば、削岩ユニットは両方とも、掘削ブームの長手方向に可動範囲を有する。削岩ユニットは、常に最大可動範囲で掘削ブームの長手方向に独立して移動可能である。掘削ユニットがそれらの両端の間で制限なく駆動することができる場合には、解決策が得られ易くなる。利用可能な可動範囲の長さは、両方の掘削ユニットで同じでありうる。
【0017】
一実施形態によれば、掘削ユニットは、独自のリニアガイド面上で同時にかつ長手方向に移動可能である。掘削ブームの設計が十分に堅固であるか、又はブームが周囲の表面に追加的に支持されており、したがって、掘削ユニットは両方とも安定性の問題を引き起こすことなく移動することができる。2つの掘削ユニットはまた、互いに干渉することなく、同時に一斉に、掘削及び他の作業ステップを実行することもできる。
【0018】
一実施形態によれば、上記2つの削岩ユニットの一方又は両方が、削岩ユニットの削岩機によって掘削されたドリル孔に補強部品を供給するための供給手段を含む。言い換えれば、掘削ユニットは、孔をあけるため、及びそれらに補強材を提供するための手段を備えている。
【0019】
一実施形態によれば、上記の前の段落で述べた供給手段は、細長いロックボルトを操作するように構成される。該操作には、保管、取り扱い、供給、及び締め付け手段が含まれうる。
【0020】
一実施形態によれば、ドリル孔の内部に供給される上述の補強部品は、ロックボルト、自己掘削型アンカーボルト、補強ケーブル、注入材料のうちの1つである。したがって、岩石表面を補強するための幾つかの代替方法が存在する。
【0021】
一実施形態によれば、削岩ユニットは、ブームに対して独立して移動可能なキャリッジに取り付けられる。さらには、キャリッジと掘削ユニットとの間に、ブームに対して削岩ユニットを独立して回転させるための回転ユニットがある。キャリッジはブームの長手方向に移動し、回転ユニットの回転軸はキャリッジの移動方向に対して垂直である。
【0022】
一実施形態によれば、掘削ブームは、削岩リグの前方移動方向に面した第1の側と、後方移動方向に面した反対側の第2の側とを含む。上述の第1のキャリッジは第1の側に取り付けられ、第2のキャリッジは反対側の第2の側に取り付けられる。したがって、キャリッジは掘削ブームの両側に配置される。このように、キャリッジは自身の側で自由に移動し、それらは互いに干渉しない。
【0023】
一実施形態によれば、キャリッジと掘削ユニットとの間に配置される回転ユニットは、少なくとも回転モータを含む。回転モータは油圧モータでありうる。場合によっては、回転モータは、代替的に電気モータであってもよい。さらには、回転ユニットは、モータのみを備えていてもよいし、あるいは、回転ギアと回転モータとの組合せであってもよい。
【0024】
一実施形態によれば、掘削ブームは2つの部分で構成されている。掘削ブームは、削岩リグの可動キャリアに接続可能な第1のブーム部分と、遠位の第2のブーム部分とを含む。ブーム部分間にはジョイントがあり、それによって第2のブーム部分を第1のブーム部分に対して回転させることができる。さらには、2つの削岩ユニットは、第2のブーム部分の対向する側面に取り付けられ、第2のブーム部分の長手方向に移動可能である。
【0025】
一実施形態によれば、掘削ブームは、上記の前の実施形態に開示されているように、第1のブーム部分と遠位の第2のブーム部分とを含む。さらには、ブームは、第2のブーム部分が第1のブーム部分に対して横方向に配向されるように動作中に配向されるように設計される。
【0026】
一実施形態によれば、第1のブーム部分は、削岩ユニットの動作中に水平又は実質的に水平に配向されるように構成される。第2のブーム部分は、動作中に垂直又は実質的に垂直に配向されるように構成される。水平な第1のブーム部分は地面又は底面に支持されてよく、それによりブームが安定する。
【0027】
一実施形態によれば、第2のブーム部分は、ブーム部分の間に配置された水平ジョイントに対して前後に傾けることができる。よって、第2のブーム部分及び掘削ユニットは、容易に配向させることができ、掘削計画に従ってドリル孔を掘削することができる。
【0028】
一実施形態によれば、安定性を改善するために、上述の水平な第1のブーム部分は掘削動作中に地面に支持されうる。さらには、第2のブーム部分は、ブームを岩石表面に支持するための1つ以上の伸長可能な支持要素を有することができる。支持要素は、伸縮構造であるか、あるいは単に油圧シリンダであってもよい。伸長可能な支持体は垂直方向に移動可能であってよく、それによってトンネルの天井又は対応する岩石空間に押し付けることができる。
【0029】
一実施形態によれば、掘削ブームは輸送位置と動作位置とを有する。その後、第1及び第2のブーム部分を輸送位置に移動させ、そこで第1のブーム部分を地表面からある距離で上方に持ち上げ、第2のブーム部分を削岩リグのキャリアに向かって後方に傾ける。動作位置はすでに上に開示されている。
【0030】
一実施形態によれば、掘削ブームは、削岩リグのキャリアに接続可能な第1のブーム部分と、遠位の第2のブーム部分とを含む。第2のブーム部分は、フレームと、該フレームに支持された第1及び第2の細長いガイド要素とを含む。第1のキャリッジは、第1のガイド要素に直線的に移動可能に支持され、第2のキャリッジは、第2のガイド要素に直線的に移動可能に支持される。キャリッジは、専用のアクチュエータによってフレームに対して移動する。上記の専用のガイド要素、キャリッジ、及びアクチュエータのおかげで、掘削ユニットは、垂直又は実質的に垂直に配向された第2のブーム部分の長手方向における所望の動作位置に自由に配置することができる。言い換えれば、良好な性能で作業サイクルを実行するために、掘削ユニットを所望の高さ位置に駆動させることができる。
【0031】
一実施形態によれば、第2のブーム部分は、キャリッジを支持するための2つの第1のガイド要素及び2つの第2のガイド要素を含む。上記2つの第1のガイド要素は、互いに横方向の距離に位置し、同様に、2つの第2のガイド要素は、互いに横方向の距離に位置する。本開示の構造は、掘削ユニットに安定した正確な動きを提供する。
【0032】
一実施形態によれば、第2のブーム部分の上述のガイド要素は、丸棒又は管である。次に、構造は単純であり、ガイド要素の丸い表面は良好なスライド表面を提供する。
【0033】
一実施形態によれば、キャリッジを移動させるための上述の第1及び第2のアクチュエータは油圧シリンダである。
【0034】
一実施形態によれば、第2のブーム部分は、互いに横方向の距離にある2つの長手方向ビームを有し、かつ横方向フレーム部分によってそれらの第1及び第2の端部で互いに接続されているフレームを含む。したがって、フレームは、上述のガイド要素とシリンダとが備わった装置スペースを囲む長方形の形状を有する。本開示のフレーム構造は、比較的軽量であり、かつ依然として堅固であってよく、さらには、ガイドバー及びシリンダは、フレームの横方向部分の間に容易に取り付けられる。フレームの横方向部分の間に取り付けられたガイドバーは、フレーム構造に追加の支持を提供することができる。さらには、第2のブーム部分の長方形のフレーム構成は、フレームバーと構造との間の装置スペース内に取り付けられた可動構成要素のためのシェルターも提供する。
【0035】
一実施形態によれば、第2のブーム部分は、互いに間隔を隔てた2つの横梁又はフレーム部分を有するフレームを含む。横方向フレーム部分は、上述のガイドバーによって互いに接続されている。したがって、この解決策では、第2のブーム部分は、別個の長手方向フレームバーを有しない場合がある。利点は、第2ブームの重量を軽減することができ、かつ、構造がコンパクトになることである。
【0036】
一実施形態によれば、本解決策は、可動キャリア、掘削ブーム、及び該掘削ブームに長手方向に移動可能に支持された2つの削岩ユニットを含む削岩リグに関する。掘削ブーム及び削岩ユニットは、本文献に開示されている特徴に従う。それによって、掘削ブームはタンデム掘削システムを備えており、ここで、2つの掘削ユニットが互いに独立して動作可能かつ移動可能であり、それにより2つの掘削ユニットが互いに対して自由に動作でき、効果的な掘削が達成される。1つの単一のブームが必要とされるが、それでもなお、2つの掘削ユニットが提供される。
【0037】
一実施形態によれば、本解決策は、1つの掘削ブームと該掘削ブームに支持された2つの削岩ユニットとを含む削岩装置によって岩石表面にドリル孔を掘削する方法に関する。本方法は、2つの掘削ユニットを掘削ブームの長手方向に移動させること、及び互いに対して独立して移動を実行することを含む。掘削中、ブームは、掘削ブームの一部が垂直に又は実質的に垂直に配向され、掘削ユニットが掘削ブームに沿って配置された場合に垂直に移動するように配置することができる。
【0038】
一実施形態によれば、両方の掘削ユニットの垂直位置は、それらの専用の最大直線移動範囲から、掘削作業中に常時、自由に選択される。したがって、全体的な移動ポテンシャルは、位置決めのために利用可能に選択することができる。
【0039】
一実施形態によれば、本方法は、他の掘削ユニットが掘削などの独自の作業サイクルを実行するときに、同時に、掘削ブームの長手方向において掘削ユニットの一方を自由に動かすことを含む。
【0040】
上記開示された実施形態を組み合わせて、必要とされる上記特徴を有する適切な解決策を形成することができる。
【0041】
幾つかの実施形態は、添付の図面において、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】タンデム掘削ユニットを有する掘削ブームを備えた削岩リグの概略的な側面図
【
図3】2つの長手方向に移動可能な掘削ユニットを備えたブーム部分を含む装置の概略的な側面図
【
図5】さまざまな位置及び配向の状況における上記
図3及び
図4の解決策を示す概略的な側面図
【
図6】さまざまな位置及び配向の状況における上記
図3及び
図4の解決策を示す概略的な側面図
【発明を実施するための形態】
【0043】
明確にするために、図面は、開示された解決策の幾つかの実施形態を簡略化した態様で示している。図において、同様の参照番号は同様の要素を識別する。
【0044】
図1は削岩リグ1を示している。削岩リグ1は、可動キャリア2と、1つの掘削ブーム3とを備えている。ブーム3は、キャリア2に接続された第1のブーム部分3aとジョイント4によって第1のブーム部分3aに接続された第2のブーム部分3bとを含み、それによって第2のブーム部分3bは所望の位置まで回転Aすることができる。第1のブーム部分3aは、ジョイント5に対して回転Bすることができる。動作中、第1のブーム部分3aは水平に配向されてよく、地面又は底面に支持されうる。第2のブーム部分3bは垂直に配向され、2つの掘削ユニット6a,6bを備えている。第2のブーム部分3bは、掘削ユニット6a,6bが第2のブーム部分3bの両側で長手方向に沿って移動Pすることができるガイド面7を備えている。掘削ユニット6a,6bは、移動範囲Mを有し、それらの両方を、破線で示されるように、任意の所望の位置に自由に配置することができる。掘削ユニット6a,6bは、横方向回転軸8に対して回転Tさせることができる。本開示の削岩リグ1は、上方、横方向、及び角度位置に位置する岩石表面にドリル孔9を掘削するために利用することができ、掘削した孔9の方向は変化しうる。
【0045】
さらには、場合によっては、位置決めを容易にするために、ブームシステム全体を回転軸10に対して横方向に動かすことができる。位置決め及び掘削プロセスは、制御ユニットCUの制御下で自動的に、又はオペレータと一緒にコンピュータ支援の方法で制御することができる。制御ユニットCUは、掘削又はボルト締めのプランを備えていてもよく、ドリル孔9は、計画された位置及び方向に掘削される。
【0046】
図2には、掘削ユニット6a,6bの両方が、フィードビーム11と、その上に支持された削岩機12とを備えることができることが開示されている。削岩機12は、掘削ツールに衝撃パルスを生成するための衝撃装置と、ツールをその縦軸の周りに回転させるための回転装置とを備えることができる。削岩機12はさらに、ドリル孔から掘削切粉を洗い流すための洗浄装置を備えることができる。掘削ユニット6a,6bが岩石表面を補強することを目的とする場合、それらは、掘削されたドリル孔に補強材を供給するための供給手段13を備えることができる。供給手段13は、ロックボルトマガジンなどの供給貯蔵部と、供給マニピュレータとを備えることができる。
【0047】
図3は、第2のブーム部分3bに対して独立して移動可能Pである、キャリッジ15a,15b上に取り付けられた2つの削岩ユニット6a,6bを備えた削岩装置14を開示している。第1のキャリッジ15aは2つの第1のガイドバー16a,16b上に支持され、第2のキャリッジ15bは2つの第2のガイドバー17a、17b上に支持される。キャリッジ15a,15bは、滑り軸受要素18又は他の軸受構成を備えることができる。ガイドバー16a,16bは、2つの横方向フレーム部分19間に配置された丸棒又は管でありうる。したがって、図示される実施形態では、第2のブーム部分3bのフレーム20は、長手方向にガイドバー16,17のみを備えている。しかしながら、場合によっては、横梁の外端の間に別の縦梁が存在していてもよく、これらのバーはガイドバーとして機能しない。ガイドバー16,17は、
図1に関連して上述した細長いガイド要素7として機能する。第1のアクチュエータ22aは第1のキャリッジ15aを動かし、第2のアクチュエータ22bは第2のキャリッジ15bを動かす。アクチュエータ22は油圧シリンダでありうる。さらには、キャリッジ15と削岩ユニット6との間には、掘削ユニット6を異なる角度位置へと回転Tさせるための回転ユニット23がある。掘削ユニット6は、フィードビーム11と、掘削ツール24を備えた削岩機12とを備えている。
図4は同じ装置14の上面図である。
【0048】
図5及び6は、異なる動作位置にある
図3及び
図4の装置14を開示している。
図5では、第2の掘削ユニット6bがその下方位置へと駆動され、第1の掘削ユニット6aはその上方位置にある。
図6では、状況が逆になっている。掘削ユニット6の両方がそれらの上方又は下方位置にあるか、若しくは移動範囲内の任意の垂直位置にあることも可能である。
図5及び6はまた、掘削ユニット6を所望の態様で配向させることができることも示している。
【0049】
図面及び関連する説明は、本発明の概念を例示することのみを意図している。その詳細において、本発明は、特許請求の範囲内で異なりうる。