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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】外科用保護システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/20 20160101AFI20240112BHJP
【FI】
A61B34/20
【請求項の数】 9
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020056138
(22)【出願日】2020-03-26
(65)【公開番号】P2020157067
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-12-26
(31)【優先権主張番号】16/365,898
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ケスター・ジュリアン・バッチェラー
(72)【発明者】
【氏名】フイスン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】セオドア・ブラス
(72)【発明者】
【氏名】ニキル・エム・ムルデシュワル
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0221913(US,A1)
【文献】特表2016-510672(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0220314(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14 - A61B 18/16
A61B 34/20
A61B 90/90 - A61B 90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
a. 1つまたは複数のマーカーであって、1つまたは複数のマーカーのうちのいくつかまたはすべては、保管状態から拡張状態に拡張可能である拡張可能な丸い部材であり、拡張状態にあるとき、前記拡張可能な丸い部材のそれぞれが、拡張し動いて器官の管腔と接触する、1つまたは複数のマーカーと、
b. 磁化材料で作られた、前記拡張可能な丸い部材に接続された1つまたは複数の組織タグ、あるいは、前記拡張可能な丸い部材と、
を備え、
前記拡張可能な丸い部材は、挿入機構内に位置し、前記挿入機構から前記器官の前記管腔内に配備されるように構成されており、
前記1つまたは複数のマーカーと前記1つまたは複数の組織タグとのうちの少なくとも一方は磁性配向を有する
ことを特徴とする、デバイス。
【請求項2】
前記器官の前記管腔は、生来のオリフィスであり、1つまたは複数の前記マーカーの進入は、前記生来のオリフィスを通ることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記拡張可能な丸い部材のすべてまたは一部は、ニチノールで作られていることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記拡張可能な丸い部材は、中空の中心部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
1つまたは複数の前記マーカーのうちのいくつかは、前記管腔内に配備される1つまたは複数の固形マーカーを含むことを特徴とする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
外科用システムであって、
先端部を含む1つまたは複数の組織作用要素と、
1つまたは複数の前記組織作用要素の前記先端部の位置関係の情報を提供する磁性配向を有する1つまたは複数のデバイスタグと、
請求項1に記載のデバイスを含み、前記デバイスを前記管腔内の標的組織に対する所定の場所に配備する、挿入機構と、
を備えていることを特徴とする、外科用システム。
【請求項7】
前記デバイスは、デバイスタグをはね返す磁性配向を有することを特徴とする、請求項6に記載の外科用システム。
【請求項8】
1つまたは複数の前記デバイスタグは、前記デバイスの1つまたは複数の前記組織タグと共通の極性の磁場を呈し、それによって、1つまたは複数の前記デバイスタグは、1つまたは複数の前記組織タグに向かって動く前記組織作用要素の先端部に対する触覚抵抗の増加をもたらし、前記標的組織および1つまたは複数の前記組織タグは、1つまたは複数の前記デバイスタグが前記標的組織および1つまたは複数の前記組織タグに向かって動くと、動かされることを特徴とする、請求項6に記載の外科用システム。
【請求項9】
前記組織作用要素は、ブレードまたは針であることを特徴とする、請求項8に記載の外科用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本教示は、目的の特徴部を避けることができるように、または目的の特徴部周囲の領域を避けることができるように、目的の特徴部をマークするのを助ける、外科用システムに関する。具体的には、外科用保護システムは、管腔内に配備可能である、1つもしくは複数のマーカー、1つもしくは複数の組織タグ、1つもしくは複数のデバイスタグ、またはこれらの組み合わせを含み、マーカー、組織作用要素、またはこれらの両方は、1つまたは複数のタグ(例えば、デバイスタグもしくは組織タグ)を含み得、1つまたは複数のタグは、磁化材料で作られて、または磁石を含んで、管腔内でのマーカーまたはタグの位置を示す。
【背景技術】
【0002】
目的の場所を外科用器具との意図せぬ接触から保護するために、組織の切開中に2つ以上の外科用コンポーネントを互いから離す試みが行われてきた。第1の極性を有するカテーテルは、ある器官または組織の中に置かれ得、第1の極性を含むツールは、そのツールがカテーテルに向かって動かされたときに、そのツールがその器官または組織から離され、それによって器官または組織が保護されるように使用され得る。いくつかのツールの例は、特許文献1~10において見ることができ、これらはすべて、その全体があらゆる目的のために、この参照によって本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5,827,269号明細書
【文献】米国特許第6,293,952号明細書
【文献】米国特許第7,567,159号明細書
【文献】米国特許第9,320,539号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0002626号明細書
【文献】米国特許出願公開第2004/0260273号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0097501号明細書
【文献】国際公開第2015/138708号
【文献】国際公開第2012/130956号
【文献】国際公開第2019/010007号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的の場所に位置し、好ましくは器官の管腔内部に位置するように拡張可能である1つまたは複数のマーカーを含む外科用デバイスを含むことは、魅力的であろう。必要とされているのは、目的の特徴部をマークするか、または目的の特徴部内部の標的を提供し、および/または目的の特徴部を保護するように、磁化材料で作られるか、または磁性物質を含む、1つまたは複数のマーカーである。必要とされているものは、1つまたは複数のマーカーと、ロケータを所定の場所内に配備する1つまたは複数の挿入機構と、を含む外科用システムである。1つもしくは複数の目的の特徴部をマークするか、または目的の特徴部に近接した場所を保護する方法を有することは、魅力的であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、(a)1つまたは複数のマーカーであって、1つまたは複数のマーカーのうちのいくつかまたはすべては、保管状態から拡張状態に拡張可能である拡張可能な丸い部材であり、拡張状態にあるとき、拡張可能な丸い部材のそれぞれは、拡張し動いて器官の管腔と接触する、1つまたは複数のマーカーと、(b)磁化材料で作られた、拡張可能な丸い部材に接続された1つもしくは複数の組織タグ、または拡張可能な丸い部材と、を含み、拡張可能な丸い部材が、挿入機構内に位置し、挿入機構から器官の管腔内に配備されるように構成されている、デバイスを提供することによって、これらの必要性のうちの1つまたは複数を満たす。
【0006】
本教示は、(a)1つまたは複数の組織作用要素と、(b)1つまたは複数のマーカーと、を含む1つまたは複数の外科用デバイスを含む外科用システムであって、1つもしくは複数の組織作用要素の先端部が、磁化材料である1つもしくは複数のデバイスタグを含む場合、1つもしくは複数のマーカーは、組織タグ磁場センサを含み、または、1つもしくは複数の組織作用要素の先端部における1つもしくは複数のデバイスタグが、組織タグ磁場センサを含む場合、1つもしくは複数のマーカーは、磁化材料である1つもしくは複数の組織タグを含み、(i)ディスプレイシステムは、1つもしくは複数のマーカーに対する1つもしくは複数の組織作用要素の先端部の近接性を示し、(ii)アラームシステムは、先端部および1つもしくは複数のマーカーが互いから所定の距離以内にある場合に信号を提供し、(iii)先端部に供給された電力は、先端部および1つもしくは複数のマーカーが互いから所定の距離以内にある場合に除去され、または(iv)これらの組み合わせが行われる、外科用システムを提供する。
【0007】
本明細書の教示は、(a)1つまたは複数の組織タグを有する1組の1つまたは複数のマーカーを管腔内に配備するステップと、(b)1つまたは複数のデバイスタグを備えた先端部を有する組織作用要素を、1つまたは複数のマーカーと同じ管腔に挿入するステップと、を含む方法であって、1つまたは複数の組織タグのそれぞれは、1つまたは複数のデバイスタグと磁気通信しており、それによって、(i)1つもしくは複数の組織タグおよび1つもしくは複数のデバイスタグは、1つもしくは複数の組織タグおよび1つもしくは複数のデバイスタグが所定の距離以内で離れると、互いにはね返し、(ii)1つもしくは複数の組織タグに対する1つもしくは複数のデバイスタグの近接性を示す、ディスプレイシステム上の表示が生成され、(iii)1つもしくは複数のデバイスタグおよび1つもしくは複数の組織タグが互いから所定の距離以内に位置する場合の信号が生成され、(iv)1つもしくは複数のデバイスタグおよび1つもしくは複数の組織タグが互いから所定の距離以内にある場合に1つもしくは複数のデバイスタグに供給される電力が除去され、または(v)これらの組み合わせが行われる、方法を提供する。
【0008】
本教示は、目的の場所に位置し、好ましくは器官の管腔内部に位置するように拡張可能である1つまたは複数のマーカーを含む外科用デバイスを提供する。本教示は、目的の特徴部をマークするか、または目的の特徴部内部の標的を提供し、および/または目的の特徴部を保護するように、磁化材料で作られるか、または磁性物質を含む、1つまたは複数のマーカーを提供する。本教示は、1つまたは複数のマーカーと、ロケータを所定の場所内に配備する1つまたは複数の挿入機構と、を含む外科用システムを提供する。本教示は、1つもしくは複数の目的の特徴部をマークするか、または目的の特徴部に近接した場所を保護する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】非拡張状態にあるロケータ内のマーカーの図である。
図2】拡張状態にあるロケータの外側のマーカーの図である。
図3】管腔内部に位置するマーカーの上面図である。
図4A】非拡張状態にあるマーカーの図である。
図4B】拡張状態にあるマーカーの図である。
図5A】目的の標的を有する管腔の図である。
図5B】標的の前および後ろに位置する組織タグを有する管腔の図である。
図5C】組織タグと、組織タグのうちの1つを通って延び、2つの組織タグ間に位置する、デバイスタグを有する外科用デバイスの先端部と、を有する管腔であり、デバイスタグは組織タグに近づくと表示を提供するようになっている、管腔の図である。
図5D】一対の組織タグを有し、デバイスタグが標的を越えて延びている管腔の図である。
図6】デバイスタグをはね返す組織タグの磁場を示す図である。
図7】外科用デバイスの先端部に対する組織タグの磁場を示す図である。
図8】マーカーに近接して位置するデバイスタグの磁場を示す図である。
図9】組織タグを有するマーカーを通って延びた、外科用デバイスの先端部内部のデバイスタグであり、磁極が互いに近接している、デバイスタグの図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に提示する説明および例示は、当業者に、教示、その原理、およびその実際的応用を知らせることを意図している。当業者は、特定の用途の要件に最も適し得るように、多くの形態で教示を適合させ適用することができる。したがって、記載されるような本教示の特定の実施形態は、包括的なものまたは教示を制限するものとして意図されてはいない。したがって、教示の範囲は、前述した説明を参照して決定すべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲を、その特許請求の範囲が権利を有する等価物の範囲全体と共に参照して、決定すべきである。特許出願および公報を含む、すべての記事および参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれる。以下の特許請求の範囲から探り出されるような、他の組み合わせも可能であり、それらもまた、これによって本明細書に参照により組み込まれる。
【0011】
本教示は外科用システムに関する。外科用システムは、標的(例えば、組織、エリア、領域、解剖学的特徴部)に対する処置、またはそれへの処置を実行するように機能する。外科用システムは、標的のすべてまたは一部が切除され、凝固され、除去され、またはこれらの組み合わせが行われるように、標的に作用し得る。外科用システムは、外科処置を実行するために1つもしくは複数の外科用デバイスを含み得る。外科用システムは、処置を実行するのを助けるために1つもしくは複数の外科用保護システムを含み得る。外科用システムは、1つもしくは複数の外科用デバイス、1つもしくは複数のインジケータ、1つもしくは複数のコンピュータ、1つもしくは複数の外科用保護システム、1つもしくは複数のマーカー、1つもしくは複数の組織作用要素、またはこれらの組み合わせを含み得る。好ましくは、外科用システムは、外科用デバイスと、外科用保護システムと、を含む。
【0012】
本教示は外科用デバイスに関する。外科用デバイスは、非電気デバイスであってよい(すなわち、機械的切断または把持などの機械的機能を提供するのみであってよい)。外科用デバイスは低温デバイスであってよい。外科用デバイスはレーザーデバイスであってよい。外科用デバイスはマイクロ波デバイスであってよい。好ましくは、外科用デバイスは電気外科用デバイスである。電気外科用デバイスは、1つもしくは複数の治療用電流を提供し得る。外科用デバイスは、1つもしくは複数の針、1つもしくは複数のジョー、1つもしくは複数のブレード、1つもしくは複数のプローブ、内視鏡、気管支鏡、カテーテル、またはこれらの組み合わせを含み得る。治療用電流は、ジョー間を通過し得る(例えば、双極電力)。治療用電流は、ジョーからブレードへ、またはブレードからジョーへ通過し得る。治療用電流(例えば、単極電力)は、ブレードから遠隔電極(例えば、接地パッド)へ通過し得る。治療用電流(例えば、双極電力)は、同じジョーまたはブレード上の2つの電極から通過し得る。電気外科用デバイスは、マイクロ波、低温、レーザー、双極電力、単極電力、またはこれらの組み合わせを目的の特徴部に提供し得る。電気外科用デバイスは、機械的技術(例えば、把持もしくは切断)の前、後、またはそれと同時に電力を加えることができる。電力が加えられると、解剖学的特徴部は、切断され、焼灼され、封止され、凝固され、またはこれらの組み合わせが行われ得る。供給される電力は、組織を切断し、組織を焼灼し、組織を凝固させ、またはこれらの組み合わせを行い得る。電気外科用デバイスは、遠位端部および近位端部を含み得る。遠位端部は、鉗子デバイスの一部(例えば、ジョー、ブレード、またはその両方)を含み得る。遠位端部は、ユーザから最も遠い外科用デバイスの部分であってよい。近位端部は、ユーザが把持する部分(例えば、ハンドピースもしくはハウジング)またはユーザに最も近い部分であってよい。外科用デバイスは、1つもしくは複数の組織作用要素であってよいか、またはこれを含み得る。
【0013】
1つもしくは複数の組織作用要素は、標的、好ましくは標的組織を試験し、除去し、凝固させ、刺激し、治療するように機能し得る。1つもしくは複数の組織作用要素は、送達デバイス(例えば、内視鏡、気管支鏡、カテーテル、またはこれらの組み合わせ)から延出する、外科用デバイスであってよい。1つもしくは複数の組織作用要素は、機械的に治療することができる。1つもしくは複数の組織作用要素は、電気的に治療することができる。1つもしくは複数の組織作用要素は、ブレード、ジョー、プローブ、針、デブリーダ(debrider)、外科用メス、真空、流体源、またはこれらの組み合わせであってよい。1つもしくは複数の組織作用要素は、標的を機械的および電気的に治療し得る。1つもしくは複数の組織作用要素は、外科用保護システムの一部を含み得る。1つもしくは複数の組織作用要素は、管腔内に延びる部分を含み得る。組織作用要素はすべて、管腔内に延び得る。組織作用要素は、シース、気管支鏡、内視鏡、カテーテル、またはこれらの組み合わせから管腔内に延びて、標的に作用し得る。1つもしくは複数の組織作用要素は、インジケータまたはコンピュータと通信していてよい。
【0014】
インジケータまたはコンピュータは、1つもしくは複数の組織作用要素を制御し、フィードバックをユーザに提供し、外科用保護システムの一部を制御し、またはこれらの組み合わせを行うように機能し得る。インジケータまたはコンピュータは、外科用デバイス、外科用保護システム、またはその両方と通信していてよく、また、ユーザにいくらかのフィードバックを提供し得る。インジケータは、コンピュータを含むか、またはコンピュータに接続され得る。インジケータは、信号(例えば、触覚信号、音声信号、視覚信号、またはこれらの組み合わせ)を提供し得る。インジケータは、コンピュータスクリーンに接続され得、コンピュータスクリーンは、組織作用要素の先端部がマーカー、標的、またはその両方に対してどこにあるかをユーザに示すことができ、それによって、ユーザは、先端部がいつ保護エリアまたは組織に近づくかを理解し得る。コンピュータは、インジケータを含まないか、またはいかなる表示も提供しなくてもよい。コンピュータは、外科用デバイスがマーカー、保護エリアもしくは組織、またはその両方に近づくと、外科用デバイスのスイッチを切ることができる。例えば、外科用デバイスが電気デバイスである場合、電気は、外科用デバイスが標的に近接した領域から出ると、止められ得る。コンピュータは、コンピュータ内部、外科用デバイス内部、またはその両方に位置する、インジケータに接続され得る。インジケータは、外科用デバイスからユーザに表示を提供し得る。インジケータは、コンピュータからの表示を提供し得る。インジケータは、外科用デバイスを振動させ得る。インジケータは、ビーッという音を出すことができる。インジケータは、光を放つことができる。インジケータは、外科用デバイスから分離されており、外科用デバイスに接続可能とすることができる。インジケータは、再利用可能であってよい。インジケータは、全体が管腔の外側、外科用デバイスの外側、送達デバイスの外側に位置するか、またはこれらの組み合わせであってよい。インジケータは、外科用保護システムの一部であってよい。
【0015】
外科用保護システムは、標的または標的エリアもしくは領域の外側で組織、領域、エリア、またはこれらの組み合わせ(例えば、保護組織)を保護するように機能し得る。外科用保護システムは、ユーザが外科用デバイスを保護エリアまたは領域内に動かそうとすると、外科用デバイスに対する抵抗を提供し得る。抵抗は、保護組織に向かう方向への外科用デバイスの動きに抵抗する、物理的抵抗または機械力であってよい。外科用保護システムは、1つもしくは複数の磁石、磁化材料、磁場センサ、ロケータ、挿入機構、マーカー、組織タグ、デバイスタグ、またはこれらの組み合わせを含み得る。外科用保護システムは、管腔内部で延びることができる。好ましくは、外科用保護システムは、外科用デバイス、組織作用要素、またはその両方が内部に位置するか、または処置を実行しているのと同じ管腔を保護する。外科用保護システムは、管腔に挿入される部分を有し得、この部分は、手術が実行される間、管腔内部に保持される。外科用保護システムは、管腔から除去可能である部分を有し得る。外科用保護システムのすべてまたは一部は、送達デバイス内部に位置するか、送達デバイスから延びるか、送達デバイスに接続されるか、またはこれらの組み合わせであってよい。外科用保護システムは、1つもしくは複数のロケータによって管腔内に設置される部分を有し得る。
【0016】
1つもしくは複数のロケータは、1つもしくは複数のマーカーを1つもしくは複数の目的の場所に配備するように機能する。1つもしくは複数のロケータは、1つもしくは複数の送達デバイスから延びるように機能し得る。1つもしくは複数のロケータは、外科用保護システムの一部を管腔に挿入し得る。1つもしくは複数のロケータは、外科用保護システムの一部(例えば、マーカー)を管腔の中に位置させ得る。1つもしくは複数のマーカーは、組織を把持し得る。1つもしくは複数のマーカーは、半径方向外向きの力を生成して、マーカーを所定の場所に保持し得る。1つもしくは複数のロケータは、1つもしくは複数のマーカーを、管腔内の1つもしくは複数の所定の場所に配備し得る。1つもしくは複数のロケータは、マーカーを管腔に沿って位置させ得る。1つもしくは複数のロケータは、マーカーを圧縮するか、管腔を拡張させるか、またはその両方を行い得る。1つもしくは複数のロケータは、送達デバイスの一部(例えば、内視鏡、気管支鏡、カテーテル、内視鏡の1つのポート、またはこれらの組み合わせ)であってよい。1つもしくは複数のロケータは、マーカーを管腔の中に正確に配備し得る。1つもしくは複数のロケータは、圧縮されたマーカーを含み得る。1つもしくは複数のロケータは、固形マーカーを含み得る。1つもしくは複数のロケータは、超音波、x線、MRI、造影剤蛍光透視法(contrast medial fluoroscopy)、カメラ、またはこれらの組み合わせによって監視され得る。1つもしくは複数のロケータは、1つもしくは複数のマーカーを収容することができ、1つもしくは複数のマーカーは、全体がロケータ内部に位置し得る。1つもしくは複数のロケータは、1つもしくは複数のマーカーをロケータから出す挿入機構によって配備され得る。
【0017】
1つもしくは複数の挿入機構は、1つもしくは複数のデバイス(例えば、マーカー、組織タグ)をロケータから目的の場所または所定の場所に動かすように機能し得る。1つもしくは複数の挿入機構は、プッシュロッドであってよい。1つもしくは複数の挿入機構は、ドライバであってよい。1つもしくは複数の挿入機構は、ロケータが後退される間、デバイスを所定の場所に保持し得る。1つもしくは複数の挿入機構は、1つもしくは複数のマーカー、または複数のマーカーを管腔内に挿入し得る。挿入機構は、1つもしくは複数のマーカー、1つもしくは複数の拡張可能な丸い部材、またはその両方を管腔内に動かすことができる。挿入機構は、保管状態、拡張状態、またはその両方にあるマーカーを所定の場所に動かすことができる。
【0018】
1つもしくは複数のマーカーは、管腔の中の1つもしくは複数の目的の場所をマークするように機能し得る。好ましくは、1つもしくは複数のマーカーは、単一の管腔内部に位置する。さらに好ましくは、2つまたは3つ以上のマーカーが、単一の管腔内部に位置する。2つまたは3つ以上のマーカーが存在する場合、それらのマーカーは、保護領域、保護組織、目的の場所、またはこれらの組み合わせをブラケットで支えることができる。1つもしくは複数のマーカーは固形であってよい(例えば、マーカーがロケータの外側にある場合に変化しない所定のサイズを有し得る)。1つもしくは複数のマーカーは、固形であり、形状を変化させないか、拡張しないか、収縮しないか、またはこれらの組み合わせであってよい。1つもしくは複数のマーカーは、管腔を完全にふさぐように固形であってよい。マーカーは、配備、使用、除去、またはこれらの組み合わせの間、同じサイズのままであることができる。マーカーは、マーカーを動かさずに管腔を通る動きを防ぎ得る。好ましくは、1つもしくは複数のマーカーのうちの少なくとも1つは、中空の中心部または中空の部分を含み、それによって、作用要素がマーカーを越えて延びることができる。中空の中心部は開口部であってよく、ここで、デバイスタグ、外科用デバイス、組織作用要素、またはこれらの組み合わせがマーカー、組織タグ、またはその両方を通って延びることができる。中空の中心部は、マーカーがドーナツ型であるか、トーラスであるか、環状であるか、またはこれらの組み合わせであるように、成形され得る。1つもしくは複数のマーカーは、作用要素が中を通過することができる、中心部を有し得る。例えば、マーカーの中心領域には、材料がなくてよい。1つもしくは複数のマーカーは、好ましくは、拡張可能な丸い部材であってよい。拡張可能な丸い部材は、管腔の形状に相補的である形状を有し得る。拡張可能な丸い部材は、管腔の形状に一致するか、または管腔の形状に近似し得る。管腔は、丸いか、楕円形であるか、卵形であるか、またはこれらの組み合わせである断面形状を有し得、拡張可能な丸い部材は、管腔の形状に一致し得る。拡張可能な丸い部材は、連続した外側セクション(例えば、発端がなく端部がない、外側セクション)を有し得る。拡張可能な丸い部材は、接続されていない端部(例えば、接続されていない開始端部および終端部)を有する、外側セクションを有し得る。拡張可能な丸い部材は、重なり合うセクションを有し得る(例えば、1端部がもう1つの端部の上に延び得る)。拡張可能な丸い部材は、種々のサイズの管腔(例えば、1mm以上の管腔および5mm以上の管腔)に合わせて調節するように拡張可能であってよい。拡張可能な丸い部材は、約1mm以上、約3mm以上、約5mm以上、約10mm以上、約2cm以上、約5cm以上を埋める(例えば、円周に一致する)ことができる。拡張可能な丸い部材は、約20cm以下、約15cm以下、または約10cm以下である管腔を埋めることができる。拡張可能な丸い部材は、第2の方向(例えば、二次断面方向)よりも1つの方向(例えば、一次断面方向)に延び得る。拡張可能な丸い部材は、保管状態と拡張状態との間を可動であってよい。
【0019】
マーカーは、マーカーがロケータ(例えばロケータの通路)内部に嵌まるように機能する、保管状態を有し得る。保管状態は、マーカーが潰れている場合とすることができる。保管状態は、マーカーの一部が1回または複数回マーカーに巻き付く場合とすることができる。保管状態は、マーカーが弾性的に変形された場合とすることができる。保管状態は、マーカーが潰れて、ロケータ内部に嵌まり、ロケータがマーカーのサイズを制限する場合とすることができる。保管状態は、配備前、配備後、またはその両方の状態であってよい。例えば、マーカーは、ニチノールで作られ得、第1の形状または状態で保管され得、マーカーに作用する状態になると、マーカーは、形状を、第2の形状または状態(例えば、拡張状態)に変化させ得る。保管状態では、マーカーは、張力を受けるか、または圧縮下で維持され得、いったんロケータから出ると、マーカーは、拡張状態へと拡張し得る。マーカーは、マーカーを拡張状態から保管状態に戻すか、または保管状態から拡張状態に変化させるような条件(例えば、熱、電気)を受けることができる。保管状態は、圧縮された拡張状態であってよい。拡張状態は、マーカーが管腔の所定の場所において保持されるよう、マーカーが管腔の断面のすべてまたは一部に接触するように機能する状態であってよい。拡張状態では、マーカーは、管腔を拡張させ得る。拡張状態では、マーカーは、管腔がマーカーのさらなる拡張を妨げ、マーカーが、管腔内部でのマーカーの位置を実質的に維持する、管腔に対する力を生成するまで、拡張し得る。拡張状態にあるマーカーは、最大断面長さより短い断面長さを有し得る。マーカーの断面長さは、管腔の断面長さによって変化することができ、それによって、1つのマーカーは、ある範囲のサイズの解剖学的管腔内部に嵌まることができる。管腔は、毛細管、静脈、動脈、気管、口、鼻腔、気管支、食道、胃、結腸、直腸、膣、子宮頸、子宮、尿道、尿管、および膀胱であってよい。マーカーは、拡張状態にある場合、1つもしくは複数の磁石、1つもしくは複数の組織タグ、またはその両方を露出する。
【0020】
1つもしくは複数の組織タグは、マーカーに接続されるように機能し得る。1つもしくは複数の組織タグは、磁化材料、磁石、磁気センサ、またはこれらの組み合わせをマーカーに加えることができる。1つもしくは複数の組織タグは、マーカーの磁気部分であってよい。1つもしくは複数の組織タグおよびマーカーは、1つのモノリシックな構造であってよい。例えば、マーカーは、マーカーが組織タグとして作用するように磁化された磁性材料で作られ得る。1つもしくは複数の組織タグは、マーカーに接続され得る。1つもしくは複数の組織タグは、マーカーに挿入され得る。1つもしくは複数の組織タグは、マーカーの外側において接続され得る。1つもしくは複数の組織タグは、1つもしくは複数の磁石を含み得る。1つもしくは複数の組織タグはそれぞれ、所定の磁性配向を有し得、それによって、取り付けられた場合に、第1の極性(例えば、南)が1つの方向に向き、第2の極性(例えば、北)が反対方向に向く。磁性配向は、管腔の軸と整列され得る。例えば、北が遠位に向いていてよく、南が近位に向いていてよく、または、北が近位に向いていてよく、南が遠位に向いていてもよい。磁性配向は、所望の磁性配向が選択され得るように、いったん取り付けられると変化され得る。磁性配向は、組織タグ(例えば、磁石)の位置を物理的に動かすこと、磁石を再び磁化させること、流向を逆にすること、またはこれらの組み合わせによって、切り替えられ得る。組織タグは、デバイスタグの磁性配向と同じ磁性配向を有し得る(例えば、それによって、それらは互いに引き付けられる)。例えば、組織タグの磁石およびデバイスタグの磁石は、それらの極性を、同じ方向に向けることができる。好ましくは、組織タグは、デバイスタグの磁性配向と反対の磁性配向を有する(例えば、それによって、2つが互いをはね返す)。例えば、組織タグの北の極性が遠位に向いていてよく、デバイスタグの北の極性が近位に向いていてよく、それによって、南の極性は互いに向き合って、管腔に沿って軸方向に反発力を生成する。組織タグ、デバイスタグ、またはその両方の極性は、管腔の軸に沿って分離され得る。組織タグは、軸方向に管腔に沿った方向にデバイスタグをはね返し得る。反発力は、デバイスタグを組織タグから離して、管腔の軸方向に動かすか、またははね返し得る。デバイスタグおよび組織タグは、同時に同じ管腔内部に配備され得る。組織タグは、少なくとも部分的にマーカーに埋め込まれ得、それによって、組織タグは、マーカーによって支持され、管腔内部の所定の場所に保持される。組織タグは、マーカーの内側(例えば、内周)に位置し得る。組織タグは、デバイスタグの場所と実質的に同一線上に位置し得る。例えば、組織タグは、形状が環状であってよく、マーカーの中空の中心部を形成する環状リングであってよく、デバイスタグは、組織タグと同じ平面に、またはこれに沿って位置し得る。デバイスの一部は、組織タグを通って延び得る。組織タグは、矩形、正方形、楕円形、円形、またはこれらの組み合わせであってよい。各マーカーは、1つの組織タグを含み得る。各マーカーは、複数の組織タグを含み得る。1つもしくは複数の組織タグは、マーカーの中心に位置し得る。1つもしくは複数の組織タグは、マーカーの円周に沿って均等に離間して位置し得る。1つもしくは複数の組織タグは、第1の端部領域から第2の端部領域まで、管腔の軸に沿って延びることができ、それによって、第1の端部領域は、第1の極性を有するマーカーの部分を有し、第2の端部領域は、第2の極性を有するマーカーの部分を有する。1つもしくは複数の組織タグは、全体が磁化材料で作られ得る。1つもしくは複数の組織タグは、磁化部分を有し得る。1つもしくは複数の組織タグは、磁性配向、磁場強度、またはその両方をデバイスタグから感知する(例えば、極性がどの方向を向いているか(例えば、遠位または近位)を決定する)センサであってよい。組織タグは、鉄、ニッケル、コバルト、希土類金属、サマリウムコバルト、ネオジム鉄ボロン、ランタニド、もしくはこれらの組み合わせで作られるか、またはそれを含む、磁石を有し得る。組織タグは、デバイスタグによって検出可能であるか、デバイスタグをはね返すか、デバイスタグを引き付けるか、またはこれらの組み合わせである、磁性配向(例えば、極が面する方向)を生成し得る。
【0021】
磁場は、1つもしくは複数のゾーンを生成し、管腔の部分を分離し、保護エリアまたは保護組織に近づくデバイスタグまたは組織作用要素の動きについてユーザに警告するように機能し得る。例えば、分離された部分は、管腔の長手方向軸に沿っていてよい。磁場は、管腔の軸に沿って分離され得る。例えば、マーカーの片側(例えば、遠位側)は、第1の磁場(例えば、北または南の極性)を有し得、マーカーの第2の側(例えば、近位側)は、第2の磁場(例えば、第1の側と反対の極性で、よって、第1の側が北である場合、第2の側は南である)を有し得る。磁場は、マーカーから所定の距離延びることができる。1つのタグ(例えば、デバイスタグ)の磁場は、所定の量の力または強度によって、別のタグ(例えば、組織タグ)の磁場をはね返すか、またはその磁場によってはね返され得る。磁場の強度は、処置の種類、処置の場所、ユーザの要求、またはこれらの組み合わせによって変えることができる。磁場強度(例えば、反発力)は、約0.5N以上、約1N以上、約1.5N以上、または約2N以上の抵抗または移動力を提供し得る。磁場強度は、約25N以下、約20N以下、約15N以下、または約10N以下の抵抗または移動力を有し得る。磁場は、マーカー、組織タグ、またはその両方から十分に離れて延びることができ、それによって、組織タグの磁場は、デバイスタグがマーカーに接触する前に認識される。磁場は、組織または保護組織を動かすように十分に強力であってよい。磁場は、約1mm以上、約3mm以上、約5mm以上、約7mm以上、または約1cm以上の距離を検出可能とすることができる。磁場は、約10cm以下、約7cm以下、約5cm以下、または約3cm以下の距離を検出可能とすることができる。組織タグ磁場センサが、組織タグ上で磁石の代わりに使用され得る。
【0022】
1つもしくは複数の組織タグ磁場センサは、1つもしくは複数の組織タグに接続され得る。組織タグは、組織タグ磁場センサであってよい。1つもしくは複数の組織タグ磁場センサは、磁石の代わりに使用され得る。1つもしくは複数の組織タグ磁場センサは、フィードバックをユーザに提供することができ、それによって、ユーザは、外科用デバイスまたは作用要素が標的領域またはゾーンの外側で保護領域またはゾーン内に延びると、警告を受け取る。1つもしくは複数の組織タグ磁場センサは、インジケータ、コンピュータ、もしくはその両方に接続されるか、またはこれらと通信していてよい。1つもしくは複数の組織タグ磁場センサは、インジケータ、コンピュータ、またはその両方に無線接続され得る。1つもしくは複数の組織タグ磁場センサは、線により、インジケータ、コンピュータ、またはその両方と接続され得る。組織タグ磁場センサは、電子磁力計、マイクロチップ、ホール効果センサ、マグネトダイオード、磁気トランジスタ、AMR磁力計、GMR磁力計、磁気トンネル接合磁力計、磁気光学センサ、MEMSコンパス、フラックスゲート磁力計、またはこれらの組み合わせであってよい。組織タグ磁場センサは、組織タグとデバイスタグとの間の距離を感知することができ、その距離が所定の距離を下回ると、信号または警報がユーザに提供され得る。例えば、組織タグおよびデバイスタグが互いから5cm以内にある場合、聴覚信号、触覚信号、視覚表示、またはこれらの組み合わせが発生し得る。組織タグ磁場センサは、組織タグとデバイスタグとの間の距離が約50cm以下、約40cm以下、30cm以下、約20cm以下、または約10cm以下である場合に、フィードバックを提供し得る。組織タグ磁場センサは、距離が約5mm以上、約1cm以上、または約5cm以上である場合に、フィードバックを提供し得る。組織タグ磁場センサは、フィードバックをモニターに提供することができ、それによって、モニターは、デバイスタグと組織タグとの間の距離を表示し得る。例えば、モニターは、2つのマーカー間の距離を表示することができ、デバイスタグが組織タグに近づくと組織タグを示すことができ、それによって、ユーザは、組織タグおよびデバイスタグの互いに対する近接性を視覚的に知る。
【0023】
1つもしくは複数のデバイスタグは、外科用デバイスに接続されるように機能し得る。好ましくは、デバイスタグは、最遠位位置、医療デバイスの動作部分の位置、またはこれらの組み合わせを示す。1つもしくは複数のデバイスタグは、組織作用要素の1つもしくは複数の位置において、またはそれらの位置上に位置し得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、1つもしくは複数の組織作用要素の先端部内部に位置し得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、組織作用要素の先端部から近接して位置し得る。組織作用要素は、2つまたは3つ以上のデバイスタグを含み得る。例えば、1つのデバイスタグは、組織作用要素の遠位端部にあってよく、第1の組織タグと通信していてよく、第2のデバイスタグは、遠位端部に対して近位にあってよく、第2の組織タグと通信していてよく、それによって、ユーザは、2つの組織タグ間の標的領域にガイドされる。1つもしくは複数のデバイスタグは、デバイスタグが外科用デバイスまたは組織作用要素に組み込まれ得ることを除き、組織タグと実質的に同一であってよい。1つもしくは複数のデバイスタグは、磁化材料、磁石、磁気センサ、またはこれらの組み合わせを、外科用デバイス、または外科用デバイスに追加され得る組織作用要素に対して含み得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素の磁気部分であってよい。1つもしくは複数のデバイスタグの磁性配向は、管腔の軸または長手方向に沿って整列され得る。1つもしくは複数のデバイスタグおよび外科用デバイスまたは組織作用要素は、1つのモノリシックな構造であってよい。例えば、外科用デバイスまたは組織作用要素の一部(例えば、先端部)は、デバイスがデバイスタグとして作用するように磁化された磁性材料で作られ得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素に接続され得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素に挿入され得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素の外側で接続され得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、1つもしくは複数の磁石を含み得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、所定の極性方向を有し得、それによって、管腔内に取り付けられるか、または挿入された場合に、第1の極性(例えば、南)が1つの方向を向き、第2の極性(例えば、北)が反対方向を向く。デバイスタグおよび組織タグは、共通の極性を有し得る(すなわち、両方が北であるか、または両方が南である)。デバイスタグおよび組織タグが共通の極性を有する場合、デバイスタグおよび組織タグは、ユーザがデバイスタグを組織タグに向かって動かそうとすると、抵抗が増加し得る。共通の極性は、反発力を生成し得る。反発力は、デバイスタグと組織タグとの距離が小さくなると、増加した触覚抵抗を生成し得る。反発力は、デバイスが保護組織、保護エリア、保護領域、またはこれらの組み合わせに接触するのを制限するために、デバイスタグに対する増大した付与力(increased imparting force)である、力を生成し得る。反発力は、組織マーカーに対する増大した付与力であり、かつ組織マーカーおよび関連する保護組織をデバイス先端部から動かして離す、力を生成し得る。反発力は、デバイスタグがマーカーに近づくと、マーカー、組織タグ、目的の特徴部、保護組織、またはこれらの組み合わせが動くほど、十分に強力であり得、それによって、外科用デバイスの先端部は、保護組織に接触することができない。例えば、管腔が結腸であり、デバイスタグが組織タグに近づくと、結腸は、外科用デバイスが保護組織に接触することができないように、動き得る。いったん取り付けられると、磁性配向は変化され得、それによって、所望の磁性配向が選択され得る(例えば、北は、遠位から近位に切り替えられるか、または近位から遠位に切り替えられ得る)。磁性配向は、デバイスタグ(例えば、磁石)の位置を物理的に動かすこと、磁石を再び磁化させること、流向を逆にすること、またはこれらの組み合わせによって、切り替えられ得る。組織タグは、デバイスタグの磁性配向と同じ磁性配向を有し得る(例えば、それによって、それらは互いに引き付けられる)。好ましくは、組織タグは、デバイスタグの磁性配向と反対の磁性配向を有する(例えば、それによって、2つが互いをはね返す)。デバイスタグは、少なくとも部分的に外科用デバイスまたは組織作用要素に埋め込まれ得、それによって、組織タグは、外科用デバイスまたは組織作用要素によって支持され、管腔内部を動く。デバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素の内側(例えば、先端部もしくはスタイレットの内側)に位置し得る。組織タグは、デバイスタグの場所と実質的に同一線上に位置し得る。デバイスタグは、組織タグのそれぞれの側に位置し得る。デバイスタグは、矩形、正方形、楕円形、円形、またはこれらの組み合わせであってよい。各外科用デバイスまたは組織作用要素は、1つのデバイスタグを含み得る。各外科用デバイスまたは組織作用要素は、複数のデバイスタグを含み得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素の中心に位置し得る。好ましくは、デバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素の先端部に位置する。1つもしくは複数のデバイスタグは、外科用デバイスまたは組織作用要素(例えば、スタイレット)に沿って均等に離間して位置し得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、全体が磁化材料で作られ得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、磁化部分を有し得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、磁性配向を組織タグから感知するセンサであってよい。デバイスタグは、鉄、ニッケル、コバルト、希土類金属、サマリウムコバルト、ネオジム鉄ボロン、ランタニド、もしくはこれらの組み合わせで作られるか、またはそれを含む、磁石を有し得る。デバイスタグは、組織タグによって検出可能であるか、デバイスタグと組織タグとの間で反発力を生じるか、デバイスタグと組織タグとの間に引力を生じるか、またはこれらの組み合わせである、磁性配向を生成し得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、部分的または全体的に、外科用デバイスまたは組織作用要素内部に位置し得る。1つもしくは複数のデバイスタグは、部分的または全体的に、外科用デバイスまたは組織作用要素の外側に位置し得る。好ましくは、デバイスタグは、外科用デバイスもしくは組織作用要素の先端部もしくは先端部領域内部またはその上に位置する。デバイスの先端部は、外科用デバイスまたは組織作用要素の最遠位端部であってよい。デバイスタグは、外科用デバイスのアクティブ部分の近く、その上方、前、後ろ、上、またはこれらの組み合わせで位置し得る。例えば、外科用デバイスがデブリーダである場合、アクティブ部分は、デブリーダのブレードである。外科用デバイスが外科用メスである場合、アクティブ部分はブレードである。外科用デバイスが針である場合、アクティブ部分は針の先端部である。外科用デバイスが電気デバイス(例えば、双極または単極)である場合、アクティブ部分は、治療用電流を標的に供給するデバイスの任意の部分である。デバイスタグは、アクティブ部分が標的周辺の保護エリアの近くに位置するか、これに近接するか、これに向かって動いているか、またはこれらの組み合わせである場合に、ユーザに表示を提供することによって、標的を保護することができる。アクティブ部分は、外科用デバイスまたは組織作用要素の遠位端部の近位に位置し得る。デバイスタグは、先端部、アクティブ部分、またはその両方の遠位に延びるデバイスタグ磁性配向を有し得、それによって、表示または信号(例えば、対向する磁石の抵抗、視覚信号、可聴信号、触覚信号、対向する磁石の引張)は、作用要素がマーカーに接触するか、または保護エリアもしくは保護組織の上に延びる前に、提供され得る。
【0024】
デバイスタグ磁性配向は、デバイスタグをはね返すか、デバイスタグを組織タグに引き付けるように機能する。好ましくは、デバイスタグは、デバイスタグおよび組織タグが互いをはね返すような配向を有する。デバイスタグ磁性配向は、組織タグの磁性配向と反対であってよい(例えば、北側および南側が、互いから離れて位置し得る(例えば、デバイスタグの北が近位に向いていてよく、組織タグの北が遠位に向いていてよく、それによって南極が整列し、デバイスタグおよび組織タグが互いをはね返す))。デバイスタグ磁性配向は、組織タグの磁性配向と同じであってよい(例えば、北と北とがいずれも遠位または近位に向く)。組織タグの磁性配向に関する本明細書での教示は、デバイスタグの配向に関して本明細書中に参照により明白に組み込まれ、逆もまた同じである。デバイスタグ磁性配向は、1つもしくは複数のゾーンを生成し、管腔の部分を分離し、保護エリアまたは保護組織に近づくデバイスタグまたは組織作用要素の動きについてユーザに警告するように機能し得る。例えば、分離された部分は、管腔の長手方向軸に沿っていてよい。磁性配向は、管腔の軸に沿って分離され得る。例えば、外科用デバイスまたは組織作用要素の片側は、第1の磁性配向(または極性)を有し得、外科用デバイスまたは組織作用要素の第2の側は、第2の磁性配向(または極性)を有し得る。磁性配向は、マーカーから所定の距離を延びることができる。デバイスタグ磁性配向は、外科用デバイスまたは組織作用要素から十分に離れて延びることができ、それによって、組織タグの磁場は、デバイスタグがマーカーに接触する前に認識される。デバイスタグ磁場センサは、デバイスタグ上で磁石の代わりに使用され得る。
【0025】
デバイスタグ磁場センサは、組織タグ、組織タグに対する場所、標的、組織タグのフィールド、またはこれらの組み合わせを感知し、組織タグから所定の距離以内に位置すると表示を提供するように機能し得る。1つもしくは複数のデバイスタグ磁場センサは、1つもしくは複数のデバイスタグに接続されるか、またはその内部に位置し得る。デバイスタグは、デバイスタグ磁場センサであってよい。1つもしくは複数のデバイスタグ磁場センサは、磁石の代わりに使用され得る。1つもしくは複数のデバイスタグ磁場センサは、フィードバックをユーザに提供することができ、それによって、ユーザは、外科用デバイスもしくは作用要素が標的領域もしくはゾーンの外側で保護領域もしくはゾーン内に延びた場合、デバイスタグが動いて標的タグに近づきすぎた場合、またはその両方の場合に、警告を受け取る。1つもしくは複数のデバイスタグ磁場センサは、インジケータ、コンピュータ、もしくはその両方に接続されるか、またはこれと通信していてよい。1つもしくは複数のデバイスタグ磁場センサは、インジケータ、コンピュータ、またはその両方に無線接続され得る。1つもしくは複数のデバイスタグ磁場センサは、線により、インジケータ、コンピュータ、またはその両方と接続され得る。デバイスタグ磁場センサは、電子磁力計、マイクロチップ、ホール効果センサ、マグネトダイオード、磁気トランジスタ、AMR磁力計、GMR磁力計、磁気トンネル接合磁力計、磁気光学センサ、MEMSコンパス、フラックスゲート磁力計、またはこれらの組み合わせであってよい。デバイスタグ磁場センサは、組織タグとデバイスタグとの間の距離を感知することができ、その距離が所定の距離を下回ると、信号または警報がユーザに提供され得る。例えば、組織タグおよびデバイスタグが互いから5cm以内にある場合、聴覚信号、触覚信号、視覚表示、またはこれらの組み合わせが発生し得る。デバイスタグ磁場センサは、組織タグとデバイスタグとの間の距離が約50cm以下、約40cm以下、30cm以下、約20cm以下、または約10cm以下である場合に、フィードバックを提供し得る。デバイスタグ磁場センサは、距離が約5mm以上、約1cm以上、または約5cm以上である場合に、フィードバックを提供し得る。デバイスタグ磁場センサは、フィードバックをモニターに提供することができ、それによって、モニターは、デバイスタグと組織タグとの間の距離を表示し得る。例えば、モニターは、2つのマーカー間の距離を表示することができ、デバイスタグが組織タグに近づくと組織タグを示すことができ、それによって、ユーザは、組織タグおよびデバイスタグの互いに対する近接性を視覚的に知る。組織タグ磁場センサ、デバイスタグ磁場センサ、またはその両方は、外科用デバイス、先端部、組織作用要素、またはこれらの組み合わせが制限領域内で動くと、表示または信号を提供し得る。
【0026】
制限エリアは、信号が生成されるか、表示が生成されるか、2つの磁場が重なるか、またはこれらの組み合わせが行われる、保護エリアもしくは領域に近接した領域となるように機能し得る。制限エリアは、標的エリアおよび保護エリアが重なるかまたは交差する領域であってよい。制限エリアは、電力が電気外科用デバイスから遮断されるか、電力が外科用デバイスから断たれるか、組織タグの極およびデバイスタグの極が互いをはね返すか、またはこれらの組み合わせが行われる、エリアであってよい。制限エリアは、組織タグから約10cm以下、組織タグから約7cm以下、または組織タグから約5cm以下(例えば、約±5mm以内)の範囲内のエリアであってよい。制限エリアは、約1mm以上、約3mm以上、約5mm以上、約7mm以上、または約1cm以上の範囲内のエリアであってよい。外科用保護システムは、1つもしくは複数の制限エリアを含み得る。外科用保護システムは、デバイスタグを挟む制限エリアを含み得、それによって、デバイスタグは、組織タグによって生成される領域内部で動作し得るか、デバイスタグは、外科用デバイスを制限領域間で動かすことのみ可能にすることができるか、デバイスタグは、標的に向かってはね返され得るか、またはこれらの組み合わせが行われる。制限エリアは、組織タグの片側または両側に位置し得る。制限エリアは、器官、保護領域もしくは器官、管腔の保護エリア、またはこれらの組み合わせを保護し得る。
【0027】
器官は、管腔を含むか、管腔を形成するか、保護を必要とする組織を含むか、繊細な組織に近接して位置するか、またはこれらの組み合わせである、任意の器官であってよい。器官は、直腸、外耳道、喉、鼻腔、尿道、膣管、動脈、静脈、小腸、大腸、胃腸管;呼吸器系;または泌尿器系のうちの1つもしくは複数であってよい。好ましくは、器官は結腸であり、結腸は管腔である。管腔は、器官の一部である、任意の概ね管状の解剖学的特徴部であってよい。管腔は、概ね円形の断面形状を有し得る。管腔は、1つもしくは複数の生来の開口部を含み得る。例えば、管腔は、いかなる組織も切断せずに、アクセスされ得る。管腔は、1つもしくは複数の標的を含み得る。標的は、目的のエリアであってよい。標的は、手術の対象となるエリアであってよい。標的は、管腔のエリア、領域、またはその両方であってよい。標的は、部分的に除去されるか、または全体が除去され得る。標的は、1つもしくは複数の保護エリア、保護領域、もしくはこれらの組み合わせの近くまたは周りに位置し得る。保護エリアまたは領域は、健康である管腔もしく周囲の構造体の一部であり得るか、手術部位を汚染し得るか、実行されている処置に敏感であり得るか、またはこれらの組み合わせであってよい。保護エリアは、標的の片側または両側に位置し得る。保護エリアまたは領域は、1つもしくは複数の標的によって分離され得る。
【0028】
外科用保護システムは、ある方法を用いて配備され得る。この方法は、具体的に指定しない限り任意の順序で実行され得る、本明細書で教示されるステップのうちの1つまたは複数を用いて実行され得る。1つもしくは複数のロケータが、管腔に挿入され得る。1つもしくは複数のマーカーが、1つもしくは複数の挿入機構を押し下げることによって、ロケータから配備され得る。ロケータは除去され得る。同じかまたは新たなロケータが、管腔に挿入され得る。追加のマーカーが、管腔に挿入され得る。ロケータは、管腔に沿って軸方向に動かされて、マーカーを、管腔に沿った1つもしくは複数の軸方向位置に配備し得る。2つまたは3つ以上のマーカーが配備されると、マーカーは、それらの間に位置する標的で軸方向に分離される。追加のマーカーは、ロケータが管腔内部にある間に、ロケータに挿入され得る。追加のマーカー(例えば、1つまたは複数、2つまたは3つ以上)は、ロケータが管腔内部に位置する間に、配備され得る。マーカーは、自動的に拡張し得る。刺激がマーカーに加えられて、マーカーを拡張させることができる。1つもしくは複数の外科用デバイスが、マーカーと同じ管腔に挿入され得る。外科用デバイスは、1つもしくは複数のマーカーを通って延び得る。組織作用要素が、1つもしくは複数のマーカーを通って延び得る。組織作用要素は、標的に近接して位置し得る。組織作用要素は、1つもしくは複数のデバイスタグを含み得る。デバイスタグは、組織タグの近くに動かされると、保護エリア、保護領域、保護組織、もしくはこれらの組み合わせの保護を支援する、抵抗力、表示、信号、またはこれらの組み合わせを生成し得る。組織作用要素は、動いて、外科用デバイス、内視鏡、気管支鏡、カテーテル、またはこれらの組み合わせの中に戻り得る。外科用デバイスは、管腔から除去され得る。送達デバイスは、管腔から除去され得る。マーカーは、管腔から除去され得る。刺激がマーカーに加えられて、マーカーを収縮させることができる。ただ1つのマーカーが配備され得る。デバイスタグは、組織タグからはね返され得る。デバイスタグを備えた組織作用要素が、1つもしくは複数の組織タグと同じ管腔に挿入され得る。ディスプレイデバイスまたはディスプレイシステムが、1つもしくは複数のデバイスタグに対する1つもしくは複数の組織タグの現在位置を表示し得る。信号は、デバイスタグおよび組織タグが互いからある距離以内にある場合に、生成され得る。電力は、デバイスタグおよび組織タグが互いから所定の距離以内に位置する場合に、除去され得る。電力は、デバイスタグおよび組織タグが互いから所定の距離以内またはその外側に位置する場合に、供給され得る。第2のマーカーが、第1のマーカーと同じ管腔内部に配備され得る。先端部が、マーカーの中空の中心部を通って挿入され得る。
【0029】
図1は、保管状態12にあるマーカー10を器官80の管腔82に挿入する外科用システムの外科用デバイス4を示す。外科用デバイス4は、マーカー10を所定の部位に位置させるロケータ40である。マーカー10は、マーカー10をロケータ40から管腔82内に動かす挿入機構42を介してロケータ40から排出される。
【0030】
図2は、拡張状態14にあるマーカー10を示し、ここで、マーカー10は、拡張して管腔82と接触する、拡張可能な丸い部材20である。
【0031】
図3は、管腔82と接触しているマーカー10の上面図である。マーカー10は、磁石18であるか、または磁化された組織タグ22を含む。マーカー10は、中空の中心部24を有する拡張可能な丸い部材20である。
【0032】
図4Aは、保管状態12にあるマーカー10を示す。
【0033】
図4Bは、拡張状態14にあるマーカー10を示す。
【0034】
図5Aは、処置の標的84である目的の特徴部を備えた管腔82を示す。
【0035】
図5Bは、処置の標的84である目的の特徴部を有する管腔82を示す。標的84は、管腔82内部に位置する2つのマーカー10間に位置する。
【0036】
図5Cは、管腔82内部に位置するマーカー10を備えた外科用システム2を示す。管腔82は、一対のマーカー10間に位置する標的84を含む。各マーカー10は、磁性配向を有する組織タグ22を含む(例えば、組織タグ22の北の極性が遠位に向き、デバイスタグ54の北の極性が近位に向く)。マーカー10は、標的84と保護エリアまたは組織86との間に位置し、それによって、マーカー10および組織タグ22は、保護エリアまたは組織86を保護する。組織作用要素52を有する外科用保護システム50は、マーカー10間に延びる先端部56を有し、それによって、組織作用要素52は、標的エリアまたは組織84に対する処置を実行し得る。組織作用要素52の先端部56は、先端部56をマーカー間に維持するデバイスタグ54を含み、それによって、保護エリアまたは組織86は、組織作用要素52による作用から保護される。デバイスタグ54は、図示のように組織タグ22と反対の磁性配向を含み、それによって、組織作用要素52は、先端部56がいずれかのマーカー10に近づくと、はね返される。
【0037】
図5Dは、磁性配向を有するデバイスタグ54を含む先端部56を有する組織作用要素52を示す。2つのマーカー10が管腔82内部に位置している。マーカー10はそれぞれ、磁性配向を有する組織タグ22を含む。マーカー10は、2つの保護組織またはエリア86間に位置し、標的84はそれらの間に位置する。デバイスタグ54が制限エリア30内に延びると、組織タグ22はデバイスタグ54をはね返し、それによって、ユーザは、抵抗の増加を感じるか、または、保護組織が先端部から離れるように動かされる。
【0038】
図6は、管腔82内部の標的84と保護エリアまたは組織86との間に位置するマーカー10を示す。マーカー10は、磁化され、磁場28を発生させる組織タグ22を含む。外科用保護システム50は、磁化されるか、または磁性であり、デバイスタグ磁場58を生成する、デバイスタグ54を有する先端部56を含む組織作用要素52を含む。先端部56がマーカー10の近くに来ると、磁場28およびデバイスタグ磁場58は、保護組織またはエリア86に向かう先端部56の動きを制限するか、または先端部56の動きのいくらかの抵抗を提供する、制限エリア30を生成するか、あるいは保護組織が先端部から離れるように動かされる。
【0039】
図7は、管腔82内部の標的84と保護エリアまたは組織86との間に位置するマーカー10を示す。マーカー10は、磁化され、磁場28を発生させる、組織タグ22を含む。組織作用要素52は、デバイスタグ54を含む先端部56を有する。デバイスタグ54は、先端部56が組織タグ22の磁場28に近づくと信号をユーザに提供するコンピュータまたはインジケータ6に接続されるデバイスタグ磁場センサ60であり、それによって、先端部56がマーカー10に近づくと、外科医が警告を受けるか、または電力が遮断され、保護エリアまたは組織86が保護される。
【0040】
図8は、管腔82内部の標的84と保護エリアまたは組織86との間に位置するマーカー10を示す。マーカー10は、組織タグ磁場センサ44を介してコンピュータまたはインジケータ6と通信している組織タグ22を含む。組織作用要素52は、デバイスタグ磁場58を生成するデバイスタグ54を含む先端部56を有する。デバイスタグ54が組織タグ22に近づくと、コンピュータまたはインジケータ6は信号をユーザに提供し、それによって、保護組織またはエリア86が損傷されない。
【0041】
図9は、標的84と保護エリアまたは領域86との間に位置するマーカー10を示す。マーカー10は、磁場28を有する組織タグ22を含む。組織作用要素52が、マーカー10を越えて延び、それによって、組織作用要素は標的84に対して作用し得る。組織作用要素52は、デバイスタグ磁場58を有するデバイスタグ54を含む先端部56を有する。デバイスタグ磁場58およびマーカー10の磁場28は、互いに近接すると、組織タグ22およびデバイスタグ54がはね返される、制限エリア30を生成する。
【0042】
本明細書で列挙される任意の数値は、任意の低い値と任意の高い値との間が少なくとも2単位離れているという条件で、1単位きざみで下限値から上限値までのすべての値を含む。例として、例えば、温度、圧力、時間などといったプロセス変数の成分または値の量が、例えば、1~90、好ましくは20~80、さらに好ましくは30~70であると述べた場合、15~85、22~68、43~51、30~32などといった値が、本明細書中で明白に列挙されていることが意図されている。1未満の値については、1単位は必要に応じて0.0001、0.001、0.01または0.1と考えられる。これらは、具体的に意図されるものの例に過ぎず、列挙される最低値と最高値との間の数値のすべての可能な組み合わせが、同様に本明細書中に明白に述べられていると考えられる。
【0043】
特に明記しない限り、すべての範囲は、両方の端点およびそれら端点間のすべての数字を含む。特に明記しない限り、数字で表した量と組み合わせた用語「約」または「およそ」による教示は、列挙された量、ならびにその列挙された量の近似値の教示を包含する。例として、「約100」という教示は、100+/-15の範囲内の教示を包含する。
【0044】
特許出願および公報を含む、すべての記事および参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれる。組み合わせを説明する用語「から本質的になる」は、特定された要素、成分、構成要素またはステップ、および、その組み合わせの基本的かつ新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない他の要素、成分、構成要素またはステップを含むものとする。本明細書中で要素、成分、構成要素またはステップの組み合わせを説明するために用語「含む(comprising)」または「含む(including)」を使用することは、それらの要素、成分、構成要素またはステップから本質的になる実施形態も企図している。用語「し得る(may)」を本明細書で使用することにより、含まれ「得る(may)」任意の記載される特性がオプションであることが意図されている。
【0045】
複数の要素、成分、構成要素またはステップが、単一の総合的要素、成分、構成要素またはステップによって提供され得る。あるいは、単一の総合的要素、成分、構成要素またはステップは、別々の複数の要素、成分、構成要素またはステップに分割され得る。要素、成分、構成要素またはステップを説明する「1つの(a)」または「1つの(one)」という開示は、追加の要素、成分、構成要素またはステップを排除することを意図するものではない。
【0046】
前述した説明は、例示的であることを意図しており制限的なものではないことが理解される。提供された実施例のほかに、多くの実施形態ならびに多くの適用が、前述した説明を読めば当業者には明らかであろう。したがって、教示の範囲は、前述した説明を参照して決定すべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲を、その特許請求の範囲が権利を有する等価物の範囲全体と共に参照して、決定すべきである。特許出願および公報を含む、すべての記事および参考文献の開示は、あらゆる目的で参照により組み込まれる。本明細書に開示された主題の任意の態様を以下の特許請求の範囲で省略しても、そのような主題の権利を放棄するものではなく、発明者らがそのような主題を開示される発明の主題の一部と考えなかったとみなすものでもない。
【符号の説明】
【0047】
2 外科用システム
4 外科用デバイス
6 インジケータ/コンピュータ
10 マーカー
12 保管状態
14 拡張状態
18 磁石
20 拡張可能な丸い部材
22 組織タグ
24 中空の中心部
26 固形マーカー
28 磁場
30 制限エリア
40 ロケータ
42 挿入機構
44 タグ磁場センサ
50 外科用保護システム
52 組織作用要素
54 作用要素マーカーデバイスタグ
56 先端部
58 デバイスタグ磁場
60 作用磁場センサ
80 器官
82 管腔
84 標的
86 保護部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9