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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】素子モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240112BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020075636
(22)【出願日】2020-04-21
(65)【公開番号】P2021175229
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2022-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】古谷 峻千
(72)【発明者】
【氏名】加々美 明
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-200391(JP,A)
【文献】特開2019-161691(JP,A)
【文献】特開2019-103283(JP,A)
【文献】特開2019-115158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42-7/98
H02M 1/00-1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想球面上に配置され、複数種類の素子を有する子群と、
前記子群に設けられた複数の前記素子のうち、同一種類の前記素子から同一距離に配置されて前記素子の状態を検出するセンサと、
記素子に電気的に接続される正極端子及び負極端子と、
を備え、
前記素子群を複数有し、
各前記素子は、少なくとも1つの所定の円周の周方向に沿って配置されており、
単一の前記素子群内の各前記素子は、同一種類の前記素子が周方向に等間隔をあけて配置されており、
前記正極端子及び前記負極端子は、各々の配線が前記素子に対して同一長さとなるように配置されている
素子モジュール。
【請求項2】
数の前記素子群は、2つ以上の複数の円周の周方向に沿ってそれぞれ配置されており、
前記複数の円周は、同一直径の円周であり、互いに平行である
請求項1に記載の素子モジュール。
【請求項3】
数の前記素子群は、多相交流の複数相に対応する
請求項1又は請求項2に記載の素子モジュール。
【請求項4】
前記センサは、前記複数の前記素子の温度状態を検出する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の素子モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、素子モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定方向に沿って配列された複数の素子を基板上に備える電力変換装置がある。電力変換装置は、複数の素子の各々の発熱状態を監視するために、隣り合う素子の間等に配置された複数の温度センサを備える。
しかしながら、電力変換装置を構成する素子の数が増大することに伴って各素子の温度を検出する温度センサの数が増大すると、装置の構成に要する費用が嵩むとともに、装置が大型になる可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-215572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、複数の素子の状態を検知するセンサの数の増大を抑制し、装置を小型化できる素子モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の素子モジュールは、子群と、センサと、正極端子及び負極端子と、を備える。子群は仮想球面上に配置され、複数種類の素子を有する。センサは、素子群に設けられた複数の素子のうち、同一種類の素子から同一距離に配置されている。センサは、各素子の状態を検出する。正極端子及び負極端子はに電気的に接続される。素子群を複数有する。各素子は、少なくとも1つの所定の円周の周方向に沿って配置されている。単一の素子群内の各素子は、同一種類の素子が周方向に等間隔をあけて配置されている。正極端子及び負極端子は、各々の配線が素子に対して同一長さとなるように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施形態での素子モジュールの斜視図。
図2】実施形態の素子モジュールを備える電力変換装置の回路図。
図3】実施形態の素子モジュールを備える電力変換装置の斜視図であって、複数の半導体素子の一部を示す図。
図4】実施形態の変形例での素子モジュールを備える電力変換装置の回路図。
図5】実施形態の変形例での素子モジュールを備える電力変換装置の斜視図であって、複数の半導体素子の一部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の素子モジュールを、図面を参照して説明する。
【0008】
図1は、実施形態での素子モジュール1の斜視図である。以下において、3次元空間で互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸の各軸方向は、各軸に平行な方向である。例えば、素子モジュール1の上下方向は、Z軸方向と平行である。素子モジュール1の上下方向に直交する方向は、X軸方向及びY軸方向と平行である。
【0009】
図1に示すように、素子モジュール1は、例えば発電システム、電源装置及びモータ駆動装置等に搭載される電力変換装置等を構成するパワーモジュールである。
図1に示すように、実施形態の素子モジュール1は、複数の素子群3と、1つの温度センサ5と、基板7とを備える。
【0010】
複数の素子群3の各々は、少なくとも1つの素子を備える。各素子は、例えばトランジスタ及びダイオード等の半導体素子である。複数の素子群3は、例えば任意の自然数nによって、第1の素子群3-1と、第2の素子群3-2と、…、第nの素子群3-nとを備える。
複数の素子群3は、仮想球面S上に配置されている。例えば、複数の素子群3は仮想球面S上での任意の円周Fの周方向(つまり配列方向)に沿って等間隔をあけて配置されている。
【0011】
温度センサ5は、複数の素子群3を構成する複数の素子から同一距離に配置されている。例えば、温度センサ5は、複数の素子群3を構成する全ての素子のうち少なくとも同種の複数の素子から同一距離に配置されている。例えば、複数の素子群3が複数の第1素子(例えば、トランジスタ等)及び複数の第2素子(例えば、ダイオード等)を備える場合、温度センサ5は、複数の第1素子から所定の第1距離に配置されるとともに、第2素子から所定の第2距離に配置される。所定の第1距離及び第2距離は、例えば、同一でもよいし、又は、相違していてもよい。
温度センサ5は、仮想球面Sの中心Oに配置されている。仮想球面Sは、任意の大きさの球面である。温度センサ5は、複数の素子群3を構成する複数の素子の温度を検出する。
基板7は、複数の素子群3及び温度センサ5を保持する。
【0012】
以下、上述した実施形態の素子モジュール1を備える電力変換装置10を、図面を参照して説明する。
【0013】
図2は、素子モジュール1を備える電力変換装置10の回路図である。
図2に示すように、電力変換装置10は、例えばモータ駆動装置に設けられる。電力変換装置10は、例えば、3相の3レベルコンバータのうち中性点クランプ型(NPC:Neutral Point Clamped)のコンバータである。
【0014】
電力変換装置10は、3つの単相(つまり3相)のコンバータを備える。電力変換装置10は、3相の各相に、複数の半導体素子として、例えば4つのトランジスタと6つのダイオードとを備える。4つのトランジスタは、第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2、第3トランジスタQ3及び第4トランジスタQ4である。6つのダイオードは、第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3、第4ダイオードD4、正極側ダイオードDP及び負極側ダイオードDNである。
【0015】
電力変換装置10は、3相の各相に、正極側から負極側に向かって順次に配置された第1トランジスタQ1及び第1ダイオードD1と、第2トランジスタQ2及び第2ダイオードD2と、正極側ダイオードDP及び負極側ダイオードDNと、第3トランジスタQ3及び第3ダイオードD3と、第4トランジスタQ4及び第4ダイオードD4とを備える。
【0016】
各トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子である。各トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4は、コレクタ-エミッタ間でエミッタからコレクタに向けて順方向となる各ダイオードD1,D2,D3,D4と接続されている。
【0017】
第1トランジスタQ1のコレクタは、正極配線PLによって正極端子Pに接続されている。第1トランジスタQ1のエミッタは、第2トランジスタQ2のコレクタに接続されている。第1トランジスタQ1のエミッタと第2トランジスタQ2のコレクタとの接続点は、正極側ダイオードDPのカソードに接続されている。
【0018】
第2トランジスタQ2のエミッタと第3トランジスタQ3のコレクタとは、入出力配線SLに接続されている。第3トランジスタQ3のエミッタは、第4トランジスタQ4のコレクタに接続されている。第3トランジスタQ3のエミッタと第4トランジスタQ4のコレクタとの接続点は、負極側ダイオードDNのアノードに接続されている。第4トランジスタQ4のエミッタは、負極配線NLによって負極端子Nに接続されている。正極側ダイオードDPのアノードと負極側ダイオードDNのカソードとは基準配線CLによって基準端子Cに接続されている。
【0019】
電力変換装置10の3相の入出力配線SLは、モータMの3相のコイルに接続されている。モータMは、3相の誘導電動機又は3相の同期電動機等である。
電力変換装置10は、3相の各相で共通に、正極端子Pと基準端子Cとの間及び負極端子Nと基準端子Cとの間の各々に接続されるコンデンサEを備える。
【0020】
図3は、素子モジュール1を備える電力変換装置10の斜視図であり、複数の半導体素子の一部を示す図である。
図2及び図3に示すように、電力変換装置10は、3相に対応する3つの素子群3を備える。3つの素子群3は、例えばU相、V相及びW相の3相の場合、U相に対応する第1の素子群3-1と、V相に対応する第2の素子群3-2と、W相に対応する第3の素子群3-3とである。
3つの素子群3は、任意の円周Fの周方向に沿って等間隔をあけて基板7上に配置されている。3つの素子群3は、仮想球面S及び円周Fの共通の中心Oの周りに120°間隔で配置されている。
【0021】
3つの素子群3に備えられる各トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4は、中心Oに対する任意の第1円周に沿って同一の配列順序で配置されている。3つの素子群3に設けられる各ダイオードD1,D2,D3,D4は、中心Oに対する任意の第2円周に沿って同一の配列順序で配置されている。第1円周及び第2円周は、同一でもよいし、又は、相違していてもよい。例えば第1円周の直径は第2円周の直径よりも小さい。
各素子群3の各トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4及び各ダイオードD1,D2,D3,D4は、例えばZ軸方向の正方向側から見て時計回りの順序で配列されている。各素子群3の各トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4と中心Oとの間の距離は、同一の第1距離である。各素子群3の各ダイオードD1,D2,D3,D4と中心Oとの間の距離は、同一の第2距離である。第1距離及び第2距離は、同一でもよいし、又は、相違していてもよい。例えば第1距離は第2距離よりも小さい。
【0022】
各素子群3の第1トランジスタQ1と正極端子Pとを接続する各正極配線PLの長さは、互いに同一である。各素子群3の第4トランジスタQ4と負極端子Nとを接続する各負極配線NLの長さは、互いに同一である。各素子群3の第2トランジスタQ2及び第3トランジスタQ3とモータMのコイルとを接続する各入出力配線SLの長さは、互いに同一である。
【0023】
電力変換装置10は、仮想球面S及び円周Fの共通の中心Oで基板7上に配置された温度センサ5を備える。温度センサ5は、各素子群3の各トランジスタQ1,Q2,Q3,Q4から互いに同一の所定の第1距離に配置されるとともに、各素子群3の各ダイオードD1,D2,D3,D4から互いに同一の所定の第2距離に配置される。
【0024】
以上説明した実施形態によれば、素子モジュール1は、複数の半導体素子から同一距離に配置された温度センサ5を備えることにより、複数の半導体素子の温度状態を同時的に検出することができる。素子モジュール1は、1つの温度センサ5を備えることによって、複数の半導体素子に対応してセンサの数が増大することを抑制することができる。このため、素子モジュール1を小型化できる。
素子モジュール1は、任意の円周Fの周方向に沿って配置された複数の素子群3を備えることにより、複数の素子群3を構成する複数の半導体素子と温度センサ5との間の距離を容易に同一距離に設定することができる。
素子モジュール1は、任意の円周Fの周方向等の配列方向に等間隔をあけて配置された複数の素子群3を備えることにより、各素子群3の温度状態を精度良く検出することができる。
【0025】
素子モジュール1は、仮想球面Sの中心Oに配置された温度センサ5を備えることにより、複数の素子群3を構成する複数の半導体素子の温度状態を容易に精度良く検出することができる。
電力変換装置10は、3相に対応する3つ素子群3を備えることにより、各素子群3を単相のコンバータによって構成することができ、3つの素子群3の空間的な配置の対称性を向上させることができる。3つの素子群3の空間対称性を向上させることによって、各種の配線の長さを容易に同一長さにすることができ、例えば電流のアンバランス等の異常が発生することを抑制することができる。
【0026】
以下、変形例について説明する。
上述した実施形態において、電力変換装置10は、3相の3レベルコンバータのうち中性点クランプ型(NPC:Neutral Point Clamped)のコンバータであるとしたが、これに限定されない。電力変換装置10は、例えば、3レベルコンバータのうち双方向スイッチ型のコンバータでもよい。電力変換装置10は、3レベルコンバータに限定されず、例えば2レベル又は5レベル等の適宜の複数レベルのコンバータでもよい。電力変換装置10は、3相に限定されず、他の多相のコンバータでもよい。
【0027】
以下に、上述した実施形態の変形例の電力変換装置10Aを、図面を参照して説明する。図4は、素子モジュール1を備える変形例の電力変換装置10Aの回路図である。
図4に示すように、変形例の電力変換装置10Aは、例えばモータ駆動装置に備えられる。電力変換装置10Aは、例えば、3相の2レベルコンバータである。
【0028】
電力変換装置10Aは、3つの単相(つまり3相)のコンバータを備える。電力変換装置10Aは、3相の各相に、複数の半導体素子として、例えば2つのトランジスタと2つのダイオードとを備える。2つのトランジスタは、ハイ側トランジスタQH及びロー側トランジスタQLである。2つのダイオードは、ハイ側ダイオードDH及びロー側ダイオードDLである。
電力変換装置10Aは、3相の各相に、正極側から負極側に向かって順次に配置されたハイ側トランジスタQH及びハイ側ダイオードDHと、ロー側トランジスタQL及びロー側ダイオードDLとを備える。
【0029】
各トランジスタQH,QLは、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子である。各トランジスタQH,QLは、コレクタ-エミッタ間でエミッタからコレクタに向けて順方向となる各ダイオードDH,DLと接続されている。
ハイ側トランジスタQHのコレクタは、正極配線PLによって正極端子Pに接続されている。ハイ側トランジスタQHのエミッタはロー側トランジスタQLのコレクタに接続されている。ロー側トランジスタQLのエミッタは、負極配線NLによって負極端子Nに接続されている。
【0030】
電力変換装置10Aの3相の入出力配線SLは、モータMの3相のコイルに接続されている。モータMは、3相の誘導電動機又は3相の同期電動機等である。
電力変換装置10は、3相の各相で共通に、正極端子Pと負極端子Nとの間に接続されるコンデンサEを備える。
【0031】
図5は、素子モジュール1を備える変形例の電力変換装置10Aの斜視図であって、複数の半導体素子の一部を示す図である。
図4及び図5に示すように、電力変換装置10は、例えば、ハイ側で3相に対応する3つの素子群3Hと、ロー側で3相に対応する3つの素子群3Lとを備える。ハイ側及びロー側の各々で3つの素子群3は、例えばU相、V相及びW相の3相の場合、U相に対応する第1の素子群3-1と、V相に対応する第2の素子群3-2と、W相に対応する第3の素子群3-3とである。
ハイ側の3つの素子群3Hは、任意の第1円周F1の周方向に沿って等間隔をあけて配置されている。ハイ側の3つの素子群3Hは、任意の第1円周F1の中心の周りに120°間隔で配置されている。
ロー側の3つの素子群3Lは、任意の第2円周F2の周方向に沿って等間隔をあけて配置されている。ロー側の3つの素子群3Lは、任意の第2円周F2の中心の周りに120°間隔で配置されている。
任意の第1円周F1及び第2円周F2は、例えば、仮想球面S上の同一直径の円周であり、互いに平行である。
【0032】
ハイ側の3つの素子群3Hの各々は、ハイ側トランジスタQH及びハイ側ダイオードDHを備える。ロー側の3つの素子群3Lの各々は、ロー側トランジスタQL及びロー側ダイオードDLを備える。
ハイ側の3つの素子群3Hのハイ側トランジスタQHと仮想球面Sの中心Oとの間の距離と、ロー側の3つの素子群3Lのロー側トランジスタQLと仮想球面Sの中心Oとの間の距離とは、同一の第1距離である。
【0033】
ハイ側の3つの素子群3Hのハイ側ダイオードDHと仮想球面Sの中心Oとの間の距離と、ロー側の3つの素子群3Lのロー側ダイオードDLと仮想球面Sの中心Oとの間の距離とは、同一の第2距離である。
第1距離及び第2距離は、同一でもよいし、又は、相違していてもよい。例えば、ハイ側の各素子群3Hでハイ側トランジスタQHがハイ側ダイオードDHよりも内周側に配置され、ロー側の各素子群3Lでロー側トランジスタQLがロー側ダイオードDLよりも内周側に配置された場合、第1距離は第2距離よりも小さい。
【0034】
ハイ側の各素子群3Hのハイ側トランジスタQHと正極端子Pとを接続する各正極配線PLの長さは、互いに同一である。ロー側の各素子群3Lのロー側トランジスタQLと負極端子Nとを接続する各負極配線NLの長さは、互いに同一である。ハイ側の各素子群3Hのハイ側トランジスタ及びロー側の各素子群3Lのロー側トランジスタQLとモータMのコイルとを接続する各入出力配線SLの長さは、互いに同一である。
【0035】
電力変換装置10Aは、仮想球面Sの中心Oに配置された温度センサ5を備える。温度センサ5は、ハイ側の各素子群3Hのハイ側トランジスタQH及びロー側の各素子群3Lのロー側トランジスタQLから互いに同一の所定の第1距離に配置されるとともに、ハイ側の各素子群3Hのハイ側ダイオードDH及びロー側の各素子群3Lのロー側ダイオードDLから互いに同一の所定の第2距離に配置される。
【0036】
以上説明した実施形態の変形例によれば、複数の円周(例えば、第1円周F1及び第2円周F2)の周方向に沿って配置された複数の素子群(例えば、ハイ側の各素子群3H及びロー側の各素子群3L)を備えることにより、複数の素子群の配置に要するスペースが増大することを抑制できる。このため、複数の素子群を配置するにあたって、スペース効率を向上させることができる。
【0037】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、複数の半導体素子から同一距離に配置された温度センサ5を備えることにより、複数の半導体素子の各々の温度状態を同時的に検出することができる。素子モジュール1は、1つの温度センサ5を備えることによって、複数の半導体素子に対応してセンサの数が増大することを抑制することができる。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0039】
1…素子モジュール、3…素子群、3-1…第1の素子群、3-2…第2の素子群、3-n…第nの素子群、5…温度センサ、7…基板、10,10A…電力変換装置、Q1…第1トランジスタ(半導体素子)、Q2…第2トランジスタ(半導体素子)、Q3…第3トランジスタ(半導体素子)、Q4…第4トランジスタ(半導体素子)、QH…ハイ側トランジスタ(半導体素子)、QL…ロー側トランジスタ(半導体素子)、D1…第1ダイオード(半導体素子)、D2…第2ダイオード(半導体素子)、D3…第3ダイオード(半導体素子)、D4…第4ダイオード(半導体素子)、DP…正極側ダイオード(半導体素子)、DN…負極側ダイオード(半導体素子)、DH…ハイ側ダイオード(半導体素子)、DL…ロー側ダイオード(半導体素子)、E…コンデンサ(素子)、S…仮想球面、F…円周、F1…第1円周、F2…第2円周、O…中心、P…正極端子、PL…正極配線(配線)、N…負極端子、NL…負極配線(配線)
図1
図2
図3
図4
図5