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特許7418289自動体外式除細動器、及び自動体外式除細動器の状態表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】自動体外式除細動器、及び自動体外式除細動器の状態表示方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/39 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A61N1/39
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020098725
(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公開番号】P2021191374
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊本 厚太
(72)【発明者】
【氏名】岩井 史
(72)【発明者】
【氏名】秋山 直人
(72)【発明者】
【氏名】久野 良介
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-508558(JP,A)
【文献】特開2015-192923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/39
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動体外式除細動器の状態をチェックするセルフテストを実施するセルフテスト実施部と、
前記自動体外式除細動器の状態を示す表示部と、を備え、
前記表示部は、
前記自動体外式除細動器が正常な状態にある場合、第1の表示をおこない、
前記自動体外式除細動器が異常な状態にある場合、第2の表示をおこない、
前記自動体外式除細動器が前記セルフテスト中である場合、前記第1の表示および前記第2の表示を同時または所定のパターンにておこなう、
自動体外式除細動器。
【請求項2】
前記表示部は、第1の光源と、第2の光源と、を有し、
前記第1の表示は、前記第1の光源を点灯させて前記表示部に第1の色を表示することであり、
前記第2の表示は、前記第2の光源を点灯させて前記表示部に前記第1の色とは異なる第2の色を表示することである、
請求項1に記載の自動体外式除細動器。
【請求項3】
前記第1の光源および前記第2の光源は、LED光源である、
請求項2に記載の自動体外式除細動器。
【請求項4】
前記表示部は、前記自動体外式除細動器がセルフテスト中である場合、前記第1の色および前記第2の色を少なくとも含む複数の色を交互に表示する、
請求項2または請求項3に記載の自動体外式除細動器。
【請求項5】
前記セルフテスト中である場合におこなわれる前記第1の表示の1回当たりの時間の長さは、前記正常な状態にある場合に第1の表示がおこなわれる時間の長さよりも短く、
前記セルフテスト中である場合におこなわれる前記第2の表示の1回当たりの時間の長さは、前記異常な状態にある場合に第2の表示がおこなわれる時間の長さよりも短い、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の自動体外式除細動器。
【請求項6】
自動体外式除細動器に、
前記自動体外式除細動器の状態をチェックするセルフテストを実施する実施ステップと、
前記自動体外式除細動器の状態を示す表示ステップと、を実行させることを含み、
前記表示ステップは、
前記自動体外式除細動器が正常な状態にある場合、第1の表示をおこなう第1表示ステップと、
前記自動体外式除細動器が異常な状態にある場合、第2の表示をおこなう第2表示ステップと、
前記自動体外式除細動器が前記セルフテスト中である場合、前記第1の表示および前記第2の表示を同時または所定のパターンにておこなう第3表示ステップと、を含む、
自動体外式除細動器の状態表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自動体外式除細動器、及び自動体外式除細動器の状態表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:以下、「AED」とも称する)には、セルフテスト機能が搭載されている。セルフテストでは、例えば、バッテリ残量、除細動パッドとの接続状況、各種回路が正常に動作するか否か等がチェックされ、AEDが正常に使える状態か否かが判定される。
【0003】
セルフテストの結果は所定のインジケータに示されることが一般的である。例えば、特許文献1には、セルフテストの結果に問題がない場合は緑色LED(Light Emitting Diode)を点灯させ、セルフテストによって故障等が発見された場合は赤色LEDを点灯することによって、セルフテストの結果をユーザに報知するAEDが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-134447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、AEDがセルフテスト中であることを示す方法は開示されていない。特許文献1に開示されたAEDにおいて、仮に、セルフテスト中であることを赤色LEDの点灯によって示すと、セルフテスト中である場合と故障等が生じている場合とで判別がつかなくなる。
【0006】
本開示の目的は、自動体外式除細動器が正常な場合、故障等の異常が生じている場合、及びセルフテスト中である場合のそれぞれを判別可能な態様でユーザに報知することが可能な、自動体外式除細動器、及び自動体外式除細動器の状態表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る自動体外式除細動器は、
自動体外式除細動器の状態をチェックするセルフテストを実施するセルフテスト実施部と、
前記自動体外式除細動器の状態を示す表示部と、を備え、
前記表示部は、
前記自動体外式除細動器が正常な状態にある場合、第1の表示をおこない、
前記自動体外式除細動器が異常な状態にある場合、第2の表示をおこない、
前記自動体外式除細動器が前記セルフテスト中である場合、前記第1の表示および前記第2の表示を同時または所定のパターンにておこなう。
【0008】
本開示の一態様に係る自動体外式除細動器の状態表示方法は、
自動体外式除細動器に、
前記自動体外式除細動器の状態をチェックするセルフテストを実施する実施ステップと、
前記自動体外式除細動器の状態を示す表示ステップと、を実行させることを含み、
前記表示ステップは、
前記自動体外式除細動器が正常な状態にある場合、第1の表示をおこなう第1表示ステップと、
前記自動体外式除細動器が異常な状態にある場合、第2の表示をおこなう第2表示ステップと、
前記自動体外式除細動器が前記セルフテスト中である場合、前記第1の表示および前記第2の表示を同時または所定のパターンにておこなう第3表示ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、自動体外式除細動器が正常な場合、故障等の異常が生じている場合、及びセルフテスト中である場合のそれぞれをユーザに判別可能な態様で報知することができる。より詳細には、第1の表示および第2の表示という2種類の表示態様に加えて、第1の表示と第2の表示を同時または所定のパターンにて表示する態様を3種類目の表示態様とすることで、第1の表示および第2の表示という2種類の表示を用いて、正常な状態、異常な状態、及びセルフテスト中の3種類の状態を報知可能にしている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施形態に係る自動体外式除細動器の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る自動体外式除細動器の外観構成の一例を模式的に示す上面図である。
図3図3は、インジケータの表示態様の一例を示す模式図である。図3の(a)は、第1の表示態様の一例を示す。図3の(b)は、第2の表示態様の一例を示す。図3の(c)は、第3の表示態様の一例を示す。図3の(d)は、第3の表示態様の別例を示す。
図4図4は、図3の例とは異なるインジケータを用いた場合における、インジケータの表示態様の一例を示す模式図である。図4の(a)は、第3の表示態様の一例を示す。図4の(b)は、第3の表示態様の別例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。以下の説明では、異なる図面であっても同一又は相当の要素には同一の符号または名称を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0012】
まず、図1を用いて、AED1を構成する各処理部について説明する。図1は、本開示の実施形態に係るAED1の構成の一例を示すブロック図である。AED1は、制御部10と、記憶部20と、操作受付部30と、表示部40と、発音部50と、高電圧発生部60と、パッドコネクタ70と、電源部80と、を備えている。
【0013】
制御部10は、記憶部20に記憶されるプログラム等を読み込んで実行することにより、AED1の各種動作を制御する。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、リアルタイムクロック、A/Dコンバータ等を有する。
【0014】
制御部10は、エネルギー充電/放電の制御、シーケンス制御、A/D変換、心電図解析などの救命のための各種動作(以下、「救命動作」とも称する)を制御する。また、制御部10は、AED1のセルフテストの実施を制御する。すなわち、制御部10は、セルフテスト実施部としても機能する。セルフテストは、予め設定された設定時刻に到達した場合や、操作受付部30が所定の操作入力を受け付けた場合(例えば、後述のチェックボタン32が押下されること)に実施されうる。
【0015】
セルフテストでは、例えば、救命動作を制御する回路のチェック(心電図入力回路の時定数の確認や、パドルコンタクトを認識する回路の確認、コンデンサへの充電時/内部放電時のエネルギー値の確認など)や、電源部80のチェック(電圧値や、バッテリの残量値、消費電流の値など)、パッドコネクタ70に接続される除細動パッド90のチェック(パッドの抵抗値や、使用期限の確認)等を実施し、それらについての異常の有無を確認する。セルフテストの結果、すなわち、AED1が正常な状態か異常な状態かは、後述のインジケータ41に表示される。また、セルフテストの実施中も、インジケータ41にその旨を報知するための表示がされる。
【0016】
記憶部20は、AED1が動作するために必要なプログラムや、音声データ、調整値、救命時の心電図データ、セルフテストの結果等を記憶する。記憶部20は、例えば、ハードディスク等の二次記憶装置を含んでもよい。記憶部20の一部は、AED1に着脱可能な外部記憶装置であってもよい。
【0017】
操作受付部30は、ユーザの操作入力を受け付ける。操作受付部30は、電源ボタン31と、チェックボタン32と、を含む。電源ボタン31は、救命動作を開始するためのボタンである。チェックボタン32は、セルフテストを開始するためのボタンである。また、図示はしていないが、操作受付部30は、電気ショックを実行するショックボタンや、セルフテストの設定時刻を設定するためのボタン等を備えていてもよい。
【0018】
表示部40は、インジケータ41と、ディスプレイ43と、を含む。インジケータ41は、AED1の状態を表示する。AED1が正常な状態にある場合、インジケータ41は、第1の表示態様として第1の表示をおこなう。また、AED1が異常な状態にある場合、インジケータ41は、第2の表示態様として第2の表示をおこなう。また、AED1がセルフテスト中である場合、インジケータ41は、第3の表示態様として第1の表示および第2の表示を同時または所定のパターンにておこなう。ここで、「所定のパターン」とは、第1の表示と第2の表示の両方を用いたパターンであれば制限はされない。「所定のパターン」は、例えば、1回以上の第1の表示と1回以上の第2の表示とを交互に行うパターンであってもよい。具体的には、「所定のパターン」は、第1の表示と第2の表示を1回ずつ交互におこなうパターンであってもよいし、第1の表示または第2の表示を1回おこなうことと他方の表示を複数回連続でおこなうこととを交互に繰り返すパターンでもよいし、複数回連続で第1の表示をおこなうことと複数回連続で第2の表示をおこなうこととを交互に繰り返すパターンであってもよい。また、所定のパターンにおける第1の表示と第2の表示の回数は一定でなくてもよく、例えば、第1の表示を1回おこない、次に第2の表示を2回おこない、次に第1の表示を2回おこない、次に第2の表示を3回おこなうようなパターンであってもよい。
【0019】
インジケータ41は、第1の光源42aと、第2の光源42bと、を含む。第1の表示とは、例えば、第1の光源42aを点灯させて第1の色(例えば、緑色や青色など)を表示することである。第2の表示とは、例えば、第2の光源42bを点灯させて第1の色とは異なる第2の色(例えば、赤色や黄色など)を表示することである。第1の表示および第2の表示を同時におこなう場合、インジケータ41には、例えば、第1の色および第2の色が別々の場所に同時に表示される、または第1の色および第2の色の混色が表示されることになる。また、第1の表示および第2の表示を交互におこなう場合、インジケータ41には、例えば、第1の色および第2の色が交互に表示されることになる。これらの表示態様の具体例については、後の段落において図3及び図4を用いて詳述する。
【0020】
第1の光源42a及び第2の光源42bは、LED光源であることが好ましい。第1の光源42aは、LED光源単体で第1の色の光を出射するものでもよいし、LED光源と蛍光体との組み合わせによって第1の色の光を出射するものでもよい。同様に、第2の光源42bは、LED光源単体で第2の色の光を出射するものでもよいし、LED光源と蛍光体との組み合わせによって第2の色の光を出射するものでもよい。また、インジケータ41は、第1の光源42a、第2の光源42b、及び第3の光源(図示せず)によって構成されるRGB光源を備えるものでもよい。この場合、第1の色および第2の色は、RGBのうちのいずれかの単色であってもよいし、RGB光源の出力の比を制御することで形成される混色であってもよい。
【0021】
なお、インジケータ41は、第1の光源42a及び第2の光源42bの代わりに、磁気反転ディスクを備えていてもよい。この場合、AED1が正常である場合、第1の表示態様として、磁気反転ディスクの一方の面が表示される(第1の表示)。また、AED1に異常がある場合、第2の表示態様として、磁気反転ディスクの他方の面が表示される(第2の表示)。また、AED1がセルフテスト中である場合、第3の表示態様として、磁気反転ディスクの一方の面と他方の面が交互に表示される。
【0022】
ディスプレイ43は、例えば、液晶ディスプレイである。ディスプレイ43は、ユーザへの指示を絵や文字で表示したり、心電図信号を表示したりする。ディスプレイ43は、タッチパネルを備えていてもよく、操作受付部30としても機能するものでもよい。なお、AED1の筐体の小型化のためにディスプレイ43を設けずに、各種インジケータやスピーカによってユーザへの指示や情報提示を行う構成にしてもかまわない。
【0023】
発音部50は、記憶部20に記憶された音声データを参照して、音声によってユーザへの各種指示を行う。また、セルフテストによって異常が発見された場合、発音部50は、警告音を発してユーザに異常を報知する。
【0024】
高電圧発生部60は、制御部10からの制御信号に応じて、除細動に用いるエネルギーの充電と放電を実行する。パッドコネクタ70は、除細動パッド90と接続される。高電圧発生部60が放電したエネルギーは、パッドコネクタ70及び除細動パッド90を介して要救助者に伝達される。また、除細動パッド90は、要救助者の心電図信号を取り込む。当該心電図信号は、例えば、フィルタリングと増幅処理がなされた後に、制御部10へ伝達される。
【0025】
電源部80は、バッテリを含む。電源部80は、バッテリから供給される電力を必要な電圧に変換し、上述した各部に対して電力を供給する。バッテリの残量は、セルフテストによって確認される。
【0026】
次に、図2を用いて、本開示の実施形態に係るAED1の外観構成を説明する。図2は、AED1の外観構成の一例を模式的に示す上面図である。AED1の形状は、略直方体である。AED1は、その上面において、電源ボタン31と、チェックボタン32と、インジケータ41と、ディスプレイ43と、を備えている。また、図示はしないが、AED1は、これらの部品以外の部品(例えば、ショックボタン等)を備えうる。各部品の位置や大きさは、特に制限されず、様々な観点に基づいて適宜決定することができる。
【0027】
インジケータ41は、その内部に第1の光源42a及び第2の光源42bを含んでいる。インジケータ41は、セルフテスト中であることや、セルフテストの結果を示すものであるため、チェックボタン32の近傍に配置されることが好ましい。
【0028】
以下、図3および図4を用いて、インジケータ41に表示される各表示態様、すなわち、AED1の状態表示方法について詳述する。AED1は、制御部10によってセルフテストを実施する実施ステップと、インジケータ41によってAED1の状態(セルフテストで異常があったか否か)を示す表示ステップと、を実行する。表示ステップは、AED1が正常な状態にある場合に第1の表示をおこなう第1表示ステップと、AED1が異常な状態にある場合に第2の表示をおこなう第2表示ステップと、AED1がセルフテスト中である場合に第1の表示および第2の表示を同時または所定のパターンにておこなう第3表示ステップと、を含む。
【0029】
図3は、インジケータ41の表示態様の一例を示す模式図である。図3の(a)は、第1の表示態様の一例を示している。図3の(a)では、インジケータ41の枠内に第1の表示P1が表示されている。第1の表示P1は、例えば、第1の光源42aが点灯することによる第1の色の表示である。セルフテストによってAED1が正常であると判断されると、セルフテスト後の所定の時間(例えば、5秒間)又はセルフテスト後から次回のセルフテストが実施されるまでの間、第1表示ステップとして、インジケータ41に第1の表示P1が表示される。
【0030】
図3の(b)は、第2の表示態様の一例を示している。図3の(b)では、インジケータ41の枠内に第2の表示P2が表示されている。第2の表示P2は、例えば、第2の光源42bが点灯することによる第2の色の表示である。セルフテストによってAED1に異常があると判断されると、セルフテスト後の所定の時間(例えば、5秒間)、セルフテスト後から次回のセルフテストが実施されるまでの間、又は異常が解消されるまでの間、第2表示ステップとして、インジケータ41に第2の表示P2が表示される。
【0031】
図3の(c)は、第3の表示態様の一例を示している。図3の(c)では、インジケータ41の枠内において、第1の表示P1および第2の表示P2両方が同時に表示されている。すなわち、インジケータ41の枠内には、第1の色および第2の色の混色が表示されている。
【0032】
図3の(d)は、第3の表示態様の別例を示している。図3の(d)では、インジケータ41の枠内において、第1の表示P1および第2の表示P2が所定のパターンにて表示されている。具体的には、インジケータ41の枠内では、第1の色および第2の色が交互に点灯している。第3表示ステップにおける第1の色および第2の色の1回毎の点灯時間は、第1表示ステップにおける第1の色および第2表示ステップにおける第2の色の点灯時間よりも短いことが好ましい。第3表示ステップにおける第1の色および第2の色の1回毎の点灯時間は、例えば、0.5秒や0.2秒であってもよい。インジケータ41内に第3の色を表示することが可能な場合は、第1~第3の色を順番に点灯させてもよい。セルフテストの開始時からセルフテストの結果が表示されるまでの間、第3表示ステップとして、図3の(c)又は(d)のような表示がされうる。
【0033】
図4は、図3の例とは異なるインジケータ141を用いた場合における、インジケータ141の表示態様の一例を示す模式図である。インジケータ141は、第1インジケータ141aと、第2インジケータ141bと、を含む。第1インジケータ141aは、その内部に第1の光源42aを含んでいる。第2インジケータ141bは、その内部に第2の光源42bを含んでいる。第1インジケータ141a及び第2インジケータ141bの位置は、特に制限はされないが、互いに近傍にあることが好ましい。第1インジケータ141a及び第2インジケータ141bは、同一の枠内に位置していてもよい。
【0034】
図4の(a)は、インジケータ141を用いた場合における第3の表示態様の一例を示している。図4の(a)では、第1インジケータ141aの枠内において、第1の表示P1が表示されている。また、第2インジケータ141bの枠内において、第2の表示P2が表示されている。つまり、図4の(a)の例では、第1の表示P1および第2の表示P2が、異なる場所において同時に表示されている。
【0035】
図4の(b)は、インジケータ141を用いた場合における第3の表示態様の別例を示している。図4の(b)の例では、図4の(b)の左側に示す状態と、図4の(b)の右側に示す状態とが、交互に繰り繰り返される。具体的には、第1インジケータ141aの枠内に第1の表示P1が表示され、かつ、第2インジケータ141bの枠内が消灯状態P3(光源が点灯しない状態)にある状態と、第1インジケータ141aの枠内が消灯状態P3にあり、かつ、第2インジケータ141bの枠内に第2の表示P2が表示される状態とが、交互に繰り返される。セルフテストの開始時からセルフテストの結果が表示されるまでの間、第3表示ステップとして、図4の(a)又は(b)のような表示がされうる。
【0036】
なお、インジケータ141を用いた場合、図4の(b)の左側に示す状態が第1の表示態様であり、第1表示ステップが実行されている状態である。また、図4の(b)の右側に示す状態が第2の表示態様であり、第2表示ステップが実行されている状態である。
【0037】
続いて、本実施形態に係るAED1及びAED1の状態表示方法に含まれる各構成により得られる効果について説明する。
【0038】
AED1は、AED1が正常な状態にある場合は第1の表示をおこない、AED1が異常な状態にある場合は第2の表示をおこない、AED1がセルフテスト中である場合は第1の表示および第2の表示を同時または所定のパターンにておこなうことにより、ユーザは、AED1の3種類の状態を判別できる。また、3種類の表示態様を第1の表示および第2の表示という2種類の表示によって実現できるため、コスト削減に資する。
【0039】
また、第1の光源42aを点灯させて表示部40(インジケータ41)に第1の色を表示することを第1の表示P1とし、第2の光源42bを点灯させて表示部40(インジケータ41)に第1の色とは異なる第2の色を表示することを第2の表示P2とすることにより、AED1の各状態を簡易かつ簡潔にユーザに報知可能にしている。
【0040】
また、第1の光源42a及び第2の光源42bをLED光源にすることにより、消費電力の抑制や光源の長寿命化、表示部の小型化を実現し易くなる。
【0041】
セルフテスト中である場合に第1の色および第2の色を少なくとも含む複数の色を交互に表示するようにAED1を構成することにより、第1光源または第2光源が点灯しないといった不具合を検出することが可能になる。例えば、第2の光源42bが点灯しない状況においてセルフテストを実施すると、第1の色が点灯した後に第2の色が点灯せず、再び第1の色が点灯することになるため、ユーザは、第2の光源42bの不具合にすぐに気付くことができる。すなわち、セルフテスト中を示す第3の表示態様を第1の色および第2の色を少なくとも含む複数の色を交互に表示する態様とすることで、セルフテストの実施とともに、インジケータ41の動作確認をもすることが可能になる。
【0042】
セルフテスト中である場合におこなわれる第1の表示の1回当たりの時間の長さを、正常な状態にある場合に第1の表示がおこなわれる時間の長さよりも短くし、セルフテスト中である場合におこなわれる第2の表示の1回当たりの時間の長さを、異常な状態にある場合に第2の表示がおこなわれる時間の長さよりも短くすることで、ユーザは、表示の種類だけでなく、第1の表示および第2の表示の点灯時間によってもAED1の状態を把握することが可能になる。
【0043】
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示にすぎない。上記の実施形態に係る構成は、本発明の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
【符号の説明】
【0044】
1:自動体外式除細動器(AED)
10:制御部(セルフテスト実施部)
20:記憶部
30:操作受付部
31:電源ボタン
32:チェックボタン
40:表示部
41,141:インジケータ
42a:第1の光源
42b:第2の光源
43:ディスプレイ
50:発音部
60:高電圧発生部
70:パッドコネクタ
80:電源部
90:除細動パッド
図1
図2
図3
図4