(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】シーンのビデオストリームを表示するための方法
(51)【国際特許分類】
H04N 21/431 20110101AFI20240112BHJP
H04N 21/435 20110101ALI20240112BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H04N21/431
H04N21/435
H04N7/18 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020182115
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-10-30
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カラジッチ, ウラジミール
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/164133(US,A1)
【文献】特表2006-521728(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モニタリングカメラ(10)によって取り込まれるシーンのビデオストリームを、前記モニタリングカメラ(10)から遠隔のクライアントデバイス(30)のディスプレイ(31)上に表示するための方法であって、
前記ビデオストリームを受信する(S402)こと、
前記モニタリングカメラ(10)によって取り込まれる前記シーンを照明するIR照明器についてのオン/オフステータスを示す情報を受信する(S404)こと、
前記IR照明器についての前記オン/オフステータスがオンかオフかに基づいて前記ディスプレイの表示設定を異なるように設定する(S406)こと、および、
設定された前記表示設定を使用して前記ディスプレイ上に前記ビデオストリームを表示する(S408)こと
を含む、方法。
【請求項2】
前記表示設定は、前記ディスプレイ(31)のビデオストリーム表示エリア(31b)を取り囲む前記ディスプレイ(31)の背景エリア(31a)についての色設定を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスがオンであるとき、前記背景エリア(31a)についての前記色設定は、前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスがオフであるときに比べ暗い、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表示設定は、前記ディスプレイ(31)の輝度設定を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスがオンであるとき、前記輝度設定は、前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスがオフであるときに比べ暗い、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記表示設定は、前記ディスプレイ(31)の色温度設定を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスがオンであるとき、前記色温度設定は、前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスがオフであるときに比べ暖色である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ビデオストリーム内のメタデータから前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスを抽出することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスを、前記クライアントデバイス(30)が要求することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記オン/オフステータスが変化すると、前記IR照明器(20)についての前記オン/オフステータスを、前記IR照明器(20)から送信することをさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
処理能力を有するデバイス上で実行されると請求項1~9のいずれか一項に記載のビデオエンコーディング方法を実装するための命令が、非一時的コンピュータ可読記録媒体上に記録されている、非一時的コンピュータ可読記録媒体。
【請求項12】
ディスプレイ(31)と、
クライアントデバイスから遠隔のモニタリングカメラ(10)によって取り込まれるシーンのビデオストリームを受信するように構成される受信機(32)と、
制御回路(33)と
を備え、前記制御回路(33)は、
前記モニタリングカメラ(10)によって取り込まれる前記シーンを照明するIR照明器についてのオン/オフステータスを示す情報を抽出するように構成されるIR照明器ステータス機能(36)、
前記IR照明器についての前記オン/オフステータスがオフであるときと比較して、前記IR照明器についての前記オン/オフステータスがオンであるときに前記ディスプレイ(31)の表示設定を異なるように設定するように構成される表示設定機能(37)、および、
前記表示設定機能(37)によって設定された前記表示設定を使用して前記ディスプレイ(31)上に前記ビデオストリームを表示するように構成される表示機能(38)
を実行するように構成される、クライアントデバイス。
【請求項13】
シーンのビデオストリームを取り込むように構成されるモニタリングカメラ(10)と、
前記シーンの光条件に応じて、前記モニタリングカメラ(10)によって取り込まれる前記シーンをIR光で照明するように構成されるIR照明器(20)と、
請求項12によるクライアントデバイス(30)と
を備え、前記クライアントデバイス(30)は、前記モニタリングカメラ(10)および前記IR照明器(20)から遠隔にある、モニタリングシステム。
【請求項14】
前記モニタリングカメラ(10)は、前記ビデオストリームにメタデータを付加するように構成され、前記メタデータは、前記IR照明器(20)についてのオン/オフステータスを示す情報を含む、請求項13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタリングカメラによって取り込まれるシーンのビデオストリームをクライアントデバイスのディスプレイ上に表示するための方法に関する。同様に、クライアントデバイスおよびそのようなクライアントデバイスを備えるモニタリングシステムが提示される。
【背景技術】
【0002】
モニタリングカメラを使用してシーンをモニターするとき、十分な品質の画像の取り込みを可能にするために、シーンに光を付加することが時として必要である。照明器は、モニタリングカメラに統合される、または、モニタリングカメラの外部にあるとすることができる。照明器は可視光を付加することができる。しかしながら、モニタリングカメラで使用される画像センサは、概して赤外放射IR(:infrared radiation)、またはより具体的には近赤外放射NIR(:near infrared radiation)に敏感であるため、照明器は、有利には、可視光の代わりにIRを付加することができる。こうして、可視光を乱すことを回避しながら、十分な量の光を、画像取り込みのために提供することができる。シーンをIRでいつ照明するかに関する決定は、シーンにおける光条件に応じて行うことができる。
【0003】
モニタリングカメラによって取り込まれるシーンのビデオストリームを、モニタリングカメラから遠隔のクライアントデバイスにおいて観察することができる。しかしながら、シーンにおける光条件に応じて、ユーザ体験は変動する場合がある。例えば、ビデオストリームの詳細を観察する可能性は、シーンにおける光条件に応じて変動する場合がある。したがって、クライアントデバイスにおいてビデオストリームを良好に表示することにおける必要性が存在する。
【0004】
当技術分野における上記で特定された欠点および不利益の1つまたは複数を個々にまたは任意の組み合わせで軽減する、緩和する、またはなくし、また、少なくとも上記で述べた問題を解決することが目的である。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様によれば、モニタリングカメラによって取り込まれるシーンのビデオストリームを、クライアントデバイスのディスプレイ上に表示するための方法が提供される。クライアントデバイスはモニタリングカメラから遠隔にある。方法は、ビデオストリームを受信すること;モニタリングカメラによって取り込まれるシーンを照明するIR照明器についてのオン/オフステータスを示す情報を受信すること;IR照明器についてのオン/オフステータスがオンかオフかに基づいてディスプレイの表示設定を異なるように設定すること;および、設定された表示設定を使用してディスプレイ上にビデオストリームを表示することを含む。
【0006】
本方法によって、ビデオストリームの詳細を良好に表示することができ、それにより、オペレータは詳細を良好に見ることができる。これは、表示の見かけ(appearance)全体を調和させることができるからである。表示の見かけは、モニタリングカメラからのビデオストリームの見かけに基づいて設定することができる。例えば、全体的に暗いビデオストリーム、IR照明器オンを使用して取り込まれるビデオストリームは、表示の第1のセットアップを使用して表示することができ、全体的に明るいビデオストリーム、IR照明器オフを使用して取り込まれる、したがって、可視光によって照明されるビデオストリームは、表示の第2のセットアップを使用して表示することができる。ビデオストリームが取り込まれた場所と比較して、クライアントデバイスが位置する場所では時間帯または時間に対する依存性は全く存在しない。したがって、ビデオストリームの再生は、ビデオストリームを取り込むモニタリングカメラにおける環境に応じて異なるように実施することができる。本方法の考えられるさらなる利益は、以下の詳細な説明の節の下で論じられるであろう。
【0007】
表示設定は、ディスプレイのビデオストリーム表示エリアを取り囲むディスプレイの背景エリアについての色設定を含むことができる。
【0008】
IR照明器についてのオン/オフステータスがオンであるとき、背景エリアについての色設定は、IR照明器についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暗くなるように設定することができる。
【0009】
表示設定は、ディスプレイの輝度設定を含むことができる。
【0010】
IR照明器についてのオン/オフステータスがオンであるとき、輝度設定は、IR照明器についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暗いとすることができる。
【0011】
表示設定は、ディスプレイの色温度設定を含むことができる。
【0012】
IR照明器についてのオン/オフステータスがオンであるとき、色温度設定は、IR照明器についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暖色(warm)とすることができる。
【0013】
方法は、ビデオストリーム内のメタデータからIR照明器についてのオン/オフステータスを抽出することをさらに含むことができる。
【0014】
方法は、IR照明器についてのオン/オフステータスを、クライアントデバイスが要求することをさらに含むことができる。
【0015】
方法は、IR照明器についてのオン/オフステータスを、IR照明器から送信することをさらに含むことができる。IR照明器についてのオン/オフステータスの送信は、オン/オフステータスが変化すると行うことができる。
【0016】
第2の態様によれば、非一時的コンピュータ可読記録媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読記録媒体は、おそらくはコンピュータ可読プログラムコードの形態の命令がその上に記録されており、その命令は、処理能力を有するデバイス上で実行されると、第1の態様方法を実施するように構成される。
【0017】
第1の態様による方法の上記で述べた特徴は、適用可能であるとき、この第2の態様にも適用される。不当な反復を回避するため、上記に対して参照が行われる。
【0018】
第3の態様によれば、クライアントデバイスが提供される。クライアントデバイスは、ディスプレイと、クライアントデバイスから遠隔のモニタリングカメラによって取り込まれるシーンのビデオストリームを受信するように構成される受信機と、制御回路とを備える。制御回路は、モニタリングカメラによって取り込まれるシーンを照明するIR照明器についてのオン/オフステータスを示す情報を抽出するように構成されるIR照明器ステータス機能、IR照明器についてのオン/オフステータスがオフであるときと比較して、IR照明器についてのオン/オフステータスがオンであるときにディスプレイの表示設定を異なるように設定するように構成される表示設定機能、および、表示設定機能によって設定された表示設定を使用してディスプレイ上にビデオストリームを表示するように構成される表示機能を実行するように構成される。
【0019】
第1の態様による方法の上記で述べた特徴は、適用可能であるとき、この第3の態様にも適用される。不当な反復を回避するため、上記に対して参照が行われる。
【0020】
第4の態様によれば、モニタリングシステムが提供される。モニタリングシステムは、シーンのビデオストリームを取り込むように構成されるモニタリングカメラと、シーンの光条件に応じて、モニタリングカメラによって取り込まれるシーンをIR光で照明するように構成されるIR照明器と、第3の態様によるクライアントデバイスとを備える。クライアントデバイスは、モニタリングカメラおよびIR照明器から遠隔にある。
【0021】
モニタリングカメラは、ビデオストリームにメタデータを付加するように構成することができ、メタデータは、IR照明器についてのオン/オフステータスを示す情報を含む。
【0022】
第1の態様による方法の上記で述べた特徴は、適用可能であるとき、この第4の態様にも適用される。不当な反復を回避するため、上記に対して参照が行われる。
【0023】
本発明の適用性のさらなる範囲は、以下で示す詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の範囲内の種々の変更および修正が、この詳細な説明から当業者に明らかになるため、詳細な説明および特定の例が、本発明の好ましい実施形態を示しながら、例証としてのみ示されることが理解されるべきである。
【0024】
したがって、本発明が、述べるデバイスの特定のコンポーネント部品または述べる方法の特定の行為に限定されず、なぜならば、そのようなデバイスおよび方法が変動する場合があるからであることが理解される。本明細書で使用される用語が、特定の実施形態を述べるためのものに過ぎず、制限的であることを意図されないことも理解される。本明細書および添付特許請求項で使用するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、および「前記(said)」が、文脈が別途明確に指示しない限り、要素の1つまたは複数が存在することを意味することを意図されることが留意されなければならない。そのため、例えば、「1つのユニット(a unit)」または「そのユニット(the unit)」に対する言及は幾つかのデバイスおよび同様なものを含むことができる。さらに、言い回し「備えている(comprising)」、「含んでいる(including)」、「含んでいる(containing)」、および同様の言い回しは、他の要素またはステップを排除しない。
【0025】
本発明の上記のまた他の態様は、添付図を参照して、ここでより詳細に述べられる。図は、制限的であると考えられるべきではなく;代わりに、図は、説明し理解するために使用される。
【0026】
図に示すように、層および領域のサイズは、例証のために誇張され、したがって、一般的な構造を示すために提供することができる。同様の参照数字は、全体を通して同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】モニタリングカメラ、IR照明器、およびクライアントデバイスを備えるモニタリングシステムを示す図である。
【
図2】
図1のクライアントデバイスの概略ブロックダイアグラムである。
【
図3】背景エリアおよびビデオストリーム表示エリアに分割されたクライアントデバイスの表示を概略的に示す図である。
【
図4】モニタリングカメラによって取り込まれるシーンのビデオストリームをクライアントデバイスのディスプレイ上に表示するための方法のブロックスキームである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、ここで、発明の現在のところ好ましい変形がそこに示される添付図面を参照して、以降でより完全に述べられることになる。しかしながら、この発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、また、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない;むしろ、これらの実施形態は、徹底性および完全性(thoroughness and completeness)のため、また、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
【0029】
図1はモニタリングシステム1を示す。モニタリングシステム1は、モニタリングカメラ10、IR照明器20、およびクライアントデバイス30を備える。
【0030】
モニタリングカメラ10は典型的にはデジタルビデオカメラである。モニタリングカメラ10はシーンをモニターするように構成される。典型的には、これは、シーンのビデオストリームを取り込むことによって行われる。
【0031】
IR照明器20は、モニタリングカメラ10によってモニターされるシーンをIR光で照明するように構成される。IR照明器20は、1つまたは複数の光源21を備える。各光源21は、IR光を放出するように構成される。1つまたは複数の光源21によって放出されるIR光はIR照明器20によって放出される照明ビームを形成する。1つまたは複数の光源21はLEDベースの光源とすることができる。したがって、照明器の1つまたは複数の光源21はIR-LEDとすることができる。
【0032】
IR照明器20は、コントローラ22によって制御することができる。コントローラ22は、IR照明器20によって送出される照明のパワーを制御するように構成される。IR照明器20によって送出される照明のパワーは、シーンにおける光条件に依存するとすることができる。例えば、光条件がプリセットされた閾値以下であるとき、IR照明器20はオンであるように構成することができ、光条件がプリセットされた閾値より大きいとき、IR照明器20はオフであるように構成することができる。IR照明器20のコントローラ22は、IR照明器20がオンであるか、オフであるかを示す情報を送信するように構成することができる。したがって、IR照明器20は、IR照明器20についてのオン/オフステータスに関する情報を送信するように構成することができる。IR照明器20についてのオン/オフステータスに関する情報は、クライアントデバイス30に通信することができる。IR照明器20についてのオン/オフステータスに関する情報は、オン/オフステータスが変化すると送信することができる。IR照明器20のオン/オフステータスに関する情報は、クライアントデバイス30からの要求によって送信することができる。IR照明器20のオン/オフステータスに関する情報は、モニタリングカメラ10に提供することができる。モニタリングカメラ10は、ビデオストリームにメタデータを付加するように構成することができ、メタデータは、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報を含む。メタデータは、ビデオストリームと時間的に相関付けられる。したがって、メタデータは、ビデオストリームのどの画像フレームがオンステータスにあるIR照明器20を使用して取り込まれたか、および、ビデオストリームのどの画像フレームがオフステータスにあるIR照明器20を使用して取り込まれたかを示した。
【0033】
コントローラ22は、IR照明器20の他の特徴を制御することもできる。例えば、コントローラ22は、IR照明器20によって放出される照明のビーム幅を制御することができる。コントローラ22は、モニタリングカメラ10のズーム設定に適合するように、IR照明器20によって放出される照明ビームを制御することができる。これによって、モニタリングカメラ10の視野全体を均等に照明することができる。別の例によれば、コントローラ22は、IR照明器20の1つまたは複数の光源21を個々に制御することができる。
【0034】
モニタリングカメラ10およびIR照明器20は、別個のデバイスの形態とすることができる。IR照明器20は、
図1の例の場合と全く同様に、照明器マウント23を使用してモニタリングカメラ10に取り付けることができる。代替的に、IR照明器20は、モニタリングカメラ10から或る距離に配置することができる。さらに代替的に、IR照明器20は、モニタリングカメラ10の一体部分を形成することができる。モニタリングカメラ10およびIR照明器20の考えられるこれらすべての異なるセットアップは、IR照明器20がモニタリングカメラ10によってモニターされるシーンを照明するように構成されることを共通に有する。
【0035】
クライアントデバイス30は、モニタリングカメラ10およびIR照明器20から遠隔に位置する。遠隔によって、この文脈では、クライアントデバイス30が、モニタリングカメラ10およびIR照明器20と異なるサイトに位置することが意味される。例えば、クライアントデバイス30は、モニタリングカメラ10およびIR照明器20と異なる建物および/または異なる都市または都市の異なる部分に位置することができる。クライアントデバイス30は、モニタリングカメラ10および/またはIR照明器20へおよび/またはからデータを送信および/または受信するように構成される。データは通信ネットワークを介して通信される。通信ネットワーク40は、有線、および/または、任意のタイプのネットワーク接続規格、例えば、モバイルインターネット通信規格(3G、4G、5G、又は同様なもの)および/またはWiFiを使用する無線とすることができる。例えば、クライアントデバイス30は、通信ネットワーク40を通じてモニタリングカメラ10によってモニターされるシーンのビデオストリームを受信するように構成される。したがって、モニタリングカメラ10は、取り込まれたビデオストリームをクライアントデバイス30に送信するように構成される。さらに、クライアントデバイス30は、IR照明器20についてのオン/オフステータスに関する情報をIR照明器20から受信するように構成することができる。代替的にまたは組み合わせて、クライアントデバイス30は、IR照明器20についてのオン/オフステータスに関する情報を、モニタリングカメラ10から、または、IR照明器20および/またはモニタリングカメラ10を制御するように構成される制御デバイスから受信するように構成することができる。多くの他の種類のデータを、クライアントデバイス30とモニタリングカメラ10および/またはIR照明器20との間で通信することもできる。
【0036】
図2を参照すると、クライアントデバイス30がより詳細に論じられる。クライアントデバイス30は、モニタリングカメラ10によって取り込まれるビデオストリームを受信し表示するように構成される任意の種類のデバイスとすることができる。非制限的な例によれば、クライアントデバイス30は、ラップトップ、据え置き型コンピュータ(stationary computer)、モバイルフォン、またはタブレットとすることができる。クライアントデバイス30は、ディスプレイ31、受信機32、制御回路33、およびメモリ34を備える。
【0037】
受信機32は、通信ネットワーク40を通じて送信されるデータを受信するように構成される。例えば、受信機32は、モニタリングカメラ10から、モニタリングカメラ10によって取り込まれるシーンのビデオストリームを受信するように構成される。受信機32は、モニタリングカメラ10によって取り込まれるシーンを照明するように構成されるIR照明器20についてのオン/オフステータスに関する情報を受信するようにさらに構成することができる。
【0038】
制御回路33は、クライアントデバイス30の機能および動作の全体の制御を実施するように構成される。制御回路33は、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、マイクロコントローラ、またはマイクロプロセッサなどのプロセッサ35を含むことができる。プロセッサ35は、クライアントデバイス30の機能および動作を実施するために、メモリ34に記憶したプログラムコードを実行するように構成される。
【0039】
メモリ34は、バッファ、フラッシュメモリ、ハードドライブ、取り外し可能媒体、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、または別の適切なデバイスの1つまたは複数とすることができる。典型的な配置構成において、メモリ34は、長期データ記憶のための不揮発性メモリ、および、制御回路33のためのシステムメモリとして機能する揮発性メモリを含むことができる。メモリ34は、データバスを通じて制御回路33とデータを交換することができる。メモリ34と制御回路33との間の付随する制御ラインおよびアドレスバスも存在することができる。
【0040】
クライアントデバイス30の機能および動作は、実行可能なロジックルーチン(例えば、コードの行、ソフトウェアプログラムなど)の形態で具現化することができ、実行可能なロジックルーチンは、クライアントデバイス30の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ34)に記憶され、制御回路33(例えば、プロセッサ35を使用する)によって実行される。さらに、クライアントデバイス30の機能および動作は、独立型ソフトウェアアプリケーションである、または、クライアントデバイス30に関連するさらなるタスクを実施するソフトウェアアプリケーションの一部を形成することができる。述べる機能および動作は、対応するデバイスがそれを実施するように構成される方法と考えることができる。同様に、述べる機能および動作をソフトウェアで実装することができるが、そのような機能を、専用ハードウェアまたはファームウェア、あるいは、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアの何らかの組み合わせによって実施することもできる。
【0041】
制御回路33は、照明器ステータス機能36を実行するように構成される。照明器ステータス機能36は、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報を抽出するように構成される。照明器ステータス機能36は、IR照明器20についてのオン/オフステータスを、シーンのビデオストリーム内のメタデータから抽出するように構成することができる。これは、モニタリングカメラ10の場合、ビデオストリーム内にそのようなメタデータを含むように構成される。代替的にまたは組み合わせて、照明器ステータス機能36は、IR照明器20から、モニタリングカメラ10から、および/またはIR照明器20および/またはモニタリングカメラ10を制御する制御デバイスから情報を積極的に要求することによって、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報を抽出するように構成することができる。したがって、照明器ステータス機能36は、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報が、IR照明器20から、モニタリングカメラ10から、および/またはIR照明器20および/またはモニタリングカメラ10を制御する制御デバイスからクライアントデバイス10によってプル(pull)されるプル通知セットアップに従って構成することができる。代替的にまたは組み合わせて、照明器ステータス機能36は、IR照明器20から、モニタリングカメラ10から、および/またはIR照明器20および/またはモニタリングカメラ10を制御する制御デバイスから情報を受動的に受信することによって、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報を抽出するように構成することができる。したがって、照明器ステータス機能36は、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報が、IR照明器20から、モニタリングカメラ10から、および/またはIR照明器20および/またはモニタリングカメラ10を制御する制御デバイスからプッシュ(push)されるプッシュ通知セットアップに従って構成することができる。
【0042】
制御回路33は、表示設定機能37を実行するようにさらに構成される。表示設定機能37は、ディスプレイ31の表示設定を設定するように構成される。表示設定機能37は、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報に基づいてディスプレイ31の表示設定を設定するように構成される。特に、表示設定機能37は、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるときと比較して、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるときにディスプレイ31の表示設定を異なるように設定するように構成される。
【0043】
図3に概略的に示すように、表示設定は、ディスプレイ31のビデオストリーム表示エリア31bを取り囲むディスプレイ31の背景エリア31aについての色設定を含むことができる。IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるとき、背景エリア31aについての色設定は、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暗いとすることができる。したがって、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるとき、比較的暗い色設定(すなわち、黒などの暗い色が支配的である)が背景エリア31aについて使用され、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるとき、比較的明るい色設定(すなわち、白などの明るい色が支配的である)が背景エリア31aについて使用される。背景エリア31aは、ビデオストリーム表示エリア31bを完全にまたは部分的に取り囲むことができる。
図3に示す例において、背景エリア31aはビデオストリーム表示エリア31bを完全に取り囲む。IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるときに、背景エリアの色設定が比較的暗くなるように設定することによって、ディスプレイ31の全体の見かけが暗い色に向かうことになる。これは、IR照明を使用して取り込まれるビデオストリームが典型的に暗いからである。ディスプレイ31の全体の見かけを暗い色、すなわち、支配的な黒色に向かわせることによって、ディスプレイの見かけは、オペレータの目がディスプレイをより容易に観察することができるように適合されることになる。さらに、ビデオストリーム内の対象物の詳細は、ディスプレイのそのような見かけにおいて良好に識別可能とすることができる。IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるときのディスプレイについて、その逆が当てはまることになり、そのような場合、ディスプレイ31の全体の見かけは明るい色に向かうことになる。これは、IR照明を使用しないで取り込まれるビデオストリームが典型的に明るい(自然光によってまたは人工的な可視光によって照明される)からである。ディスプレイの全体の見かけを明るい色、すなわち、支配的な明るい色に向かわせて、ディスプレイの見かけは、オペレータの目がディスプレイをより容易に観察することができるように適合されることになる。さらに、ビデオストリーム内の対象物の詳細は、ディスプレイのそのような見かけにおいて良好に識別可能とすることができる。さらに、IR照明器20がオンまたはオフであるときに応じて異なる色設定を使用することは、クライアントデバイスにおける電力(またおそらくは同様に電池寿命)を節約することができる。
【0044】
代替的にまたは組み合わせて、表示設定はディスプレイ31のための輝度設定を含むことができる。IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるとき、輝度設定は、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暗いとすることができる。背景エリア31aの色設定に関連して上記で論じた同じ効果および考えられる利益は、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるか、オフであるかに基づいてディスプレイの輝度を異なるように設定することに当てはまる。したがって、ディスプレイの比較的暗い全体的な見かけは、表示されるビデオストリームを取り込む間、IR照明器20がオンであったときに有利であるとすることができ、ディスプレイの比較的明るい全体的な見かけは、表示されるビデオストリームを取り込む間、IR照明器20がオフであったときに有利であるとすることができる。
【0045】
代替的にまたは組み合わせて、表示設定は、ディスプレイ31の色温度設定を含むことができる。IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるとき、色温度設定は、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暖色になるように設定することができる。背景エリア31aの色設定に関連して上記で論じた同じ効果および考えられる利益は、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるか、オフであるかに基づいてディスプレイの色温度を異なるように設定することに当てはまる。したがって、ディスプレイの比較的暖色の色温度の全体的な見かけは、表示されるビデオストリームを取り込む間、IR照明器20がオンであったときに有利であるとすることができ、ディスプレイの比較的寒色の(colder)色温度の全体的な見かけは、表示されるビデオストリームを取り込む間、IR照明器20がオフであったときに有利であるとすることができる。
【0046】
制御回路33は、表示機能38を実行するようにさらに構成される。表示機能38は、表示設定機能37によって設定された表示設定を使用してディスプレイ31上にビデオストリームを表示するように構成される。
【0047】
図4に関連して、モニタリングカメラ10によって取り込まれるシーンのビデオストリームを、クライアントデバイス30のディスプレイ31上に表示するための方法400が論じられることになる。方法400は、ディスプレイ31上に表示されるビデオストリームをモニタリングカメラ10が取り込んでいる間に、IR照明器20がオンであったか、オフであったかに基づいてクライアントデバイスのディスプレイの表示設定を異なるように設定することによって、ディスプレイ31の全体的な見かけを、オペレータの目がディスプレイをより容易に観察することができるように設定することができるという、発明者が行った洞察に基づく。さらに、本方法は、クライアントデバイスにおける電力消費、したがって、おそらくは同様に電池寿命を節約することができる。
【0048】
方法400の全てのステップの一部は、上述したクライアントデバイス30の機能によって実施することができる。しかしながら、方法400のステップの一部または全てを、他のデバイスにおいて実施される同様の機能によって実施することができることが同様に実現される。方法は以下のステップを含む。ステップは、任意の適切な順序で実施することができる。
【0049】
表示されるビデオストリームをクライアントデバイス30において受信するS402。ビデオストリームはモニタリングカメラ10において取り込まれる。ビデオストリームは、モニタリングカメラ10からクライアントデバイス30に直接送信することができる。代替的に、ビデオストリームを、モニタリングカメラ10およびおそらくは複数の他のモニタリングカメラからのビデオストリームを管理するように構成されるビデオ管理サーバ(VMS:video management server)から受信することができる。
【0050】
モニタリングカメラ10によって取り込まれるシーンを照明するIR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報をクライアントデバイス30において受信するS404。IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報を受信するS404ステップは、ビデオストリーム内のメタデータからIR照明器20についてのオン/オフステータスを抽出することを含むことができる。したがって、方法400は、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報をメタデータとしてビデオストリームに付加することをさらに含むことができる。これは、上記で論じており、不当な反復を回避するため、それは、方法400のこのステップに関連してさらに論じられないであろう。代替的にまたは組み合わせて、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報を受信するS404ステップは、IR照明器20についてのオン/オフステータスを、クライアントデバイス30が要求することを含むことができる。プル通知を使用してこの情報を要求する方法は、上記で論じており、不当な反復を回避するため、それは、方法400のこのステップに関連してさらに論じられないであろう。代替的にまたは組み合わせて、IR照明器20についてのオン/オフステータスを示す情報を受信するS404ステップは、IR照明器20についてのオン/オフステータスを、IR照明器20から送信することを含むことができる。プッシュ通知を使用してこの情報を受信する方法は、上記で論じており、不当な反復を回避するため、それは、方法400のこのステップに関連してさらに論じられないであろう。
【0051】
IR照明器についてのオン/オフステータスがオンであるか、オフであるかに基づいてディスプレイ31の表示設定を異なるように設定するS406。表示設定は、ディスプレイ31のビデオストリーム表示エリア31bを取り囲むディスプレイ31の背景エリア31aについての色設定を含むことができる。IR照明器20についてのオン/オフステータスがオンであるとき、背景エリア31aについての色設定は、IR照明器20についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暗いとすることができる。代替的にまたは組み合わせて、表示設定は、ディスプレイ31の輝度設定を含むことができる。IR照明器についてのオン/オフステータスがオンであるとき、輝度設定は、IR照明器についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暗いとすることができる。代替的にまたは組み合わせて、表示設定は、ディスプレイ31の色温度設定を含むことができる。IR照明器についてのオン/オフステータスがオンであるとき、色温度設定は、IR照明器についてのオン/オフステータスがオフであるときに比べ暖色とすることができる。
【0052】
設定された表示設定を使用してディスプレイ31上にビデオストリームを表示するS408。
【0053】
本発明が、上述した好ましい実施形態に決して限定されないことを当業者は認識する。逆に、多くの修正および変形が、添付特許請求項の範囲内で可能である。
【0054】
例えば、クライアントデバイス30は、上記で論じた方法400を実施するように構成されるアプリケーションを実行するように構成することができる。
【0055】
さらに、開示される実施形態に対する変形を、図面、開示、および添付特許請求項の調査から、特許請求される発明を実施するときに当業者が理解し、実施することができる。