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▶ 水口 華代の特許一覧

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  • 特許-リラックス枕 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】リラックス枕
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A47K3/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020212764
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022099029
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-06-26
(73)【特許権者】
【識別番号】520432288
【氏名又は名称】水口 華代
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】水口 華代
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-245029(JP,A)
【文献】意匠登録第1288433(JP,S)
【文献】特開2003-275276(JP,A)
【文献】登録実用新案第3184468(JP,U)
【文献】意匠登録第1201476(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
A47G 9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の出し入れが可能で中空かつ気密な略環状体で構成されており、
空気が充填された状態で、前記略環状体の中心を通って略垂直な方向から前記略環状体をみた場合に、前側の環状部分の幅が、前記前側に対向する後側の環状部分の幅よりも狭く、
空気が充填された状態で、前記略環状体を側面からみた場合に、前記後側よりも前記前側が低くなるように傾斜しており、
前記略環状体が、内側に追加的な略環状体を有すること、
を特徴とするリラックス枕。
【請求項2】
前記略環状体が、前記前側の近傍において、分離していること、
を特徴とする請求項1に記載のリラックス枕。
【請求項3】
前記略環状体と、前記追加的な略環状体とが、互いに連通していること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のリラックス枕。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、首に巻いた状態で使用するリラックス枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1(特開2016-7344号公報)においては、首や肩等に吐水を行う吐水部を備えた浴槽が提案されており、このような浴槽では、例えば、首や肩等にマッサージ効果を与えることができ、入浴によるリラックス効果をより高めることができるとされている。
【0003】
これに対し、特許文献2(特開2018-140158号公報)においては、浴槽内において窮屈な体勢とならずに十分なリラックス効果を得ることを目的として、浴槽の背もたれ部に沿って所定の範囲に亘って上下に移動可能に枕部を設け、更に枕部に吐水部を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-7344号公報
【文献】特開2018-140158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献2において開示されている枕部は、確かに一定のリラックス効果は見込めるものの、特定の構造の浴槽に設けられるものであり、簡便かつ容易に使用することができない。
【0006】
そこで、本発明者の目的は、どのような浴槽においてでも簡便かつ容易に使用することができ、シンプルな構造で浴槽において真にリラックス可能な枕を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は、空気の出し入れが可能で中空かつ気密な略環状体で構成されており、空気が充填された状態で、前記略環状体の中心を通って略垂直な方向から前記略環状体をみた場合に、前側の環状部分の幅が、前記前側に対向する後側の環状部分の幅よりも狭く、空気が充填された状態で、前記略環状体を側面からみた場合に、前記後側よりも前記前側が低くなるように傾斜していること、を特徴とするリラックス枕、を提供する。
【0008】
上記の本発明のリラックス枕においては、前記略環状体が、前記前側の近傍において、分離していること、が好ましい。
【0009】
また、上記の本発明のリラックス枕においては、前記略環状体が、内側に追加的な略環状体を有すること、が好ましい。
【発明の効果】
【0010】
上記のような構成を有する本発明のリラックス枕によれば、シンプルな構造であり、どのような浴槽においてでも簡便かつ容易に首に巻いて使用することができ、真にリラックス可能である。より具体的には、湯や水が入った浴槽で、例えば臀部が底についた状態で使うと、浮力で顔を水上に保ったままの状態で身体の力を抜くことができ、また、首において、浮力と使用者自身の体重が釣り合って(引っ張り合って)、首を心地良く伸ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のリラックス枕1の一実施形態の斜視図である。
図2図1に示すリラックス枕1の上面図(A)及び側面図(B)である。
図3図1に示すリラックス枕1を浴槽6の中で使用している様子を示す図である。
図4図1に示すリラックス枕1を浴槽6の中で使用している様子を示す別の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係るリラックス枕について、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のリラックス枕1は、空気の出し入れが可能で中空かつ気密な略環状体2で構成されている(図面においては空気が充填された状態である。)。この略環状体2は、例えばポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂で形成されており、弁付き吹込み口2aが設けられており、これにより空気の出し入れが可能になっている。なお、図2では弁付き吹込み口2aは省略している。
【0014】
略環状体2には、その内側に内部が互いに連通した状態の小さな略環状体2bが追加的に設けられている。即ち、弁付き吹込み口2aから空気を充填すると、略環状体2とともに小さな略環状体2bも同時に膨らむことになる。このような構成により、リラックス枕1の使用者は、装着時に首や顎の周辺に十分な空間を確保することができるとともに、顎をこの小さな略環状体2bに乗せることができ、快適である。
【0015】
なお、本実施形態の小さな略環状体2bは、略環状体2の内周側において全周にわたって取り付けられているが、少なくとも後側に設けられていればよい。また、かかる小さな略環状体2bにより、首を後ろ方向にもたれさせた際に、角度的に楽で快適であり、確実にリラックスできる。小さな略環状体2bが全周にわたって取り付けられている場合は、かかる効果をより確実に得るという観点から、後側が前側よりも幅が狭いほうが好ましい。
【0016】
また、リラックス枕1は、空気が充填された状態で略環状体2を円と見立てると、中心点Cを通って略垂直な方向Z(即ち、法線の方向)から略環状体2をみた場合、図2(A)の上面図に示すように、前側の環状部分2cの幅Wfが、前側の環状部分2cに対向する後側の環状部分2dの幅Wrよりも狭くなるように、構成されている。即ち、式(1):Wf<Wr(式中、Wfは前側の環状部分2cの幅、Wrは後側の環状部分2dの幅であり、単位は同一とする。)を満たす。
【0017】
更に、リラックス枕1においては、空気が充填された状態で側面からみた場合、図2(B)に示すように、後側の環状部分2dの高さHrよりも前側の環状部分2cの高さHfが低くなるように、矢印Xの方向に後方から前方に向かって傾斜している。即ち、式(2):Hf<Hr(式中、Hfは前側の環状部分2fの高さ、Hrは後側の環状部分2eの高さであり、単位は同一とする。)を満たす。
【0018】
このような式(1)及び/又は(2)を充足する構成を有することによっても、リラックス枕1を装着した使用者は、首を後ろ方向にもたれさせた際に、角度的に楽で快適であり、確実にリラックスできることを、本発明者は確認している。
【0019】
ここで、リラックス枕1においては、図1及び図2(A)に示すように、略環状体2が、真正面の横(具体的には、前側の少し横の近傍)において分離しており、分離部4が形成されているのが好ましい。略環状体2を円と見立てた場合に、略環状体2の直径方向に延びるように分離部4が略直線状に形成されており、このような分離部4を有することにより、使用者は、空気が充填された状態のリラックス枕1を、容易に首に装着したり首から脱着したりすることができる。また、真正面から少し横にずれていることにより、顎を乗せてリラックスし易い。
【0020】
この分離部4において、空気が充填された状態の略環状体2の両端部は、互いに接していても接していなくてもよいが、使用者が装着時又は脱着時に容易に拡げて装着又は脱着ができる。例えば、略環状体2の両端部は、空気が充填されていない状態では離れていて、空気が充填された状態では接していてもよい。なお、図2(B)では分離部4を省略している。
【0021】
以上のような構成を有するリラックス枕1を、浴槽6において使用者が装着している様子を図3及び図4に示す。このように、簡便かつ容易に首に巻いて使用することができ、真にリラックス可能である。即ち、湯が入った浴槽6で臀部が底についた状態で使うと、浮力で顔を水上に保ったままの状態で身体の力を抜くことができ、浮力と使用者自身の体重が釣り合って(引っ張り合って)、首を心地良く伸ばすことができ快適である。
【0022】
更に、本発明のリラックス枕1を用いれば、浴槽6の湯量を少なくすると浴槽6中において寝そべる姿勢になることができ、より快適である。即ち、少ない湯量でも浴槽6内で首を曲げることなく楽に肩まで浸かることができる。
【0023】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それらも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0024】
1・・・リラックス枕、
2・・・略環状体、
2a・・・弁付き吹込み口、
2b・・・小さな略環状体、
2c・・・前側の環状部分、
2d・・・後側の環状部分、
4・・・分離部、
6・・・浴槽、
C・・・中心点。
図1
図2
図3
図4