(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】材料ロール用の搬送車両及び段ボールプラント
(51)【国際特許分類】
B65H 19/12 20060101AFI20240112BHJP
B31F 1/00 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
B65H19/12 A
B31F1/00
(21)【出願番号】P 2020555426
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2019055899
(87)【国際公開番号】W WO2019197089
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】102018205290.5
(32)【優先日】2018-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】520042261
【氏名又は名称】ベーハーエス イントラロジスティクス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】ルーラント マルティーン
(72)【発明者】
【氏名】ルーラント カール
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05451133(US,A)
【文献】米国特許第04948060(US,A)
【文献】西独国特許出願公開第01940426(DE,A1)
【文献】特開2017-209787(JP,A)
【文献】特開昭61-003211(JP,A)
【文献】特開昭63-082269(JP,A)
【文献】米国特許第06264417(US,B1)
【文献】西独国特許出願公開第03731488(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016218106(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 19/00-19/30
B65H 21/00-21/02
B31F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料ロール(27)を搬送するための搬送車両であって、
a)フレーム(1)、
b)前記フレーム(1)に接続した、地面を走行するための少なくとも3つの走行ユニット(9,11)、
c)前記フレーム(1)に接続した、前記走行ユニット(9,11)の少なくとも1つを駆動させる少なくとも1つの移動駆動部(8)、
d)
少なくとも1つのばねユニット(14)によって前記フレーム(1)に対して支持され、前記少なくとも1つのばねユニット(14)の圧縮の場合に地面に対して支持するための少なくとも1つの支持要素(67)を底部に有する、搬送すべき材料ロール(27)を収容する材料ロール収容手段(2)、及び
e)前記フレーム(1)に接続した、外部情報を受信するための受信ユニットを備えた連絡装置(4)を有し、
i.前記連絡装置(4)が、前記少なくとも1つの移動駆動部(8)を作動させるために前記少なくとも1つの移動駆動部(8)に信号接続している、搬送車両。
【請求項2】
前記材料ロール収容手段(2)が、その搬送位置においてその最下収容位置で地面に対して最大で100mmの間隔を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の搬送車両。
【請求項3】
前記少なくとも1つのばねユニット(14)
は圧縮応力を与えられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送車両。
【請求項4】
前記材料ロール収容手段(2)と前記フレーム(1)の間で作用するガイドであって、前記フレーム(1)に対する前記材料ロール収容手段(2)の案内された垂直移動のためのガイド(16)を有する、ことを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項5】
電気エネルギーを前記少なくとも1つの移動駆動部(8)に出力するエネルギー貯蔵ユニット(18)を有する、ことを特徴とする請求項1~
4のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項6】
前記搬送車両(5)の荷重状態を検出する材料ロール検出センサ(26)を有する、ことを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項7】
事故を防止するための少なくとも1つの安全装置(22)を有
する、ことを特徴とする請求項1~
6のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項8】
前記搬送車両(5)を所定の移動経路に沿って制御するための少なくとも1つの移動経路検出装置(24)を有する、ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項9】
仮想移動経路に沿って移動可能である、ことを特徴とする請求項1~
7のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項10】
前記仮想移動経路はソフトウェアで定義される、ことを特徴とする請求項9に記載の搬送車両。
【請求項11】
前記受信ユニットが移動情報及び/又は目標情報を受信することができる、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項12】
前記搬送車両(5)を手動で作動させるための外部予備コントローラ(64)に接続した少なくとも1つの予備制御装置(63)を有する、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項13】
前記搬送車両(5)を安全状態に迅速に設定するための少なくとも1つの緊急停止装置(23)を有する、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項14】
自律式に作動できる、ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項15】
操縦可能である、ことを特徴とする請求項1~14のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項16】
6つの前記走行ユニット(9,11)を有し、
a)4つの前記走行ユニット(11)が、前記フレーム(1)の角領域に偏向可能に配置されており、及び
b)2つの前記走行ユニット(9)が、前記フレーム(1)の中央領域に回転駆動可能に配置されて
いる、ことを特徴とする請求項1~15のいずれか一項に記載の搬送車両。
【請求項17】
請求項1~
16のいずれか一項に記載の少なくとも1つの搬送車両(5)を備えた段ボールプラント。
【請求項18】
前記少なくとも1つの搬送車両(5)が交差点を走行することができる、ことを特徴とする請求項
17に記載の段ボールプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独国特許出願DE102018205290.5の優先権を主張し、その内容は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、特に段ボールプラント(コルゲータ)においてペーパーロール、厚紙ロールなどの材料ロールを搬送する搬送車両(搬送キャリッジ)に関する。さらに、本発明は、搬送車両と搬送すべき材料ロールから成る装置に関する。さらに、本発明は、このタイプの少なくとも1つの搬送車両を備えた段ボールプラントに関する。
【背景技術】
【0003】
段ボールプラントにおいて材料ロールを搬送するために直線レール上を案内されるキャリッジ(台車)が従来技術から知られている。当該システムは極めて柔軟性が無く、複雑である。
【0004】
さらに、従来技術は、使用中に設備又は機械を備える自走式搬送車両を開示している。当該搬送車両は非常に複雑な較正を有し、それゆえ非常に高価である。さらに、段ボールウェブの幅変更の場合などの同時に加工しなければならないジョブの場合に、一般的にジョブの連続処理の結果ボトルネックが生成される。ほんの僅かな搬送車両、通常せいぜい2~5の搬送車両だけが使用できる、と言うのもさもなければそれらがとりわけ両面通行の場合には互いを妨害してしまうからである。さらに、このタイプの複数の搬送車両の使用は僅かではない出費に関連する。
【0005】
特許文献1は、材料ウェブを加工する機械、特にウェブ供給印刷機(web-fed printing press)のロールキャリアから材料ロールを取り外す装置を開示している。分配すべき材料ロールが取り外し装置によって受容され、貯蔵位置に移動される。取り外し装置は、定められた距離に沿って移動できる、例えば車両の態様の下部構造を有する移動装置を有する。駆動モータが移動能力のために移動装置に配置される。当該装置は極めて柔軟性が無く、高価である。
【0006】
特許文献2は、ロールスタンドを備えた段ボール機械を開示している。運搬装置が、貯蔵スペースとロールスタンドの間で往復運動するよう機能する。当該運搬装置は、床に設けられた案内溝と、案内溝に沿って自由に走行するように設けられた車両を有する。駆動可能なテンション調整鎖のそれぞれの端部は車両に接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】DE102016218106A1
【文献】DE3731488A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術の不都合を克服するという目的に基づく。特に、極めて柔軟性があって、簡単で安価な搬送車両が提供されるべきである。搬送車両と搬送すべき材料ロールから成る対応する装置がさらに提供される。さらに、このタイプの少なくとも1つの搬送車両を備えた対応する段ボールシステムが供給されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、当該目的は主請求項1及び17に規定される特徴によって達成される。本発明の核心は、駆動可能な少なくとも1つの走行ユニットを(特に、直接的又は間接的に)駆動させる少なくとも1つの専用移動駆動部を有する搬送車両又は搬送トロリーにある。さらに、当該搬送車両又は搬送トロリーは、例えば移動情報・駆動情報、目標情報及び/又は環境情報である外部情報又は信号を受信する受信機(receiver unit)を備えた連絡装置を有する。
【0010】
材料ロールは材料ロール容器に収容されてもよく、当該材料ロールは巻かれた材料ウェブにより形成され、好ましくは段ボールを製造するのに必要とされる。材料ロール容器は好ましくは、上からアクセス可能である。それは好ましくは搬送車両に沿って延びる。しかしながら、材料ロールの空の内側担持コアもまた材料ロール容器に収容され得る。
【0011】
フレームは好ましくは自立している。フレームが一部品(ワンピース)であると有利である。それに代えて、フレームは多部品(マルチピース)である。
【0012】
走行ユニットは好ましくは車輪ユニットとして構成され、それらは例えばそれぞれ車輪又は二連車輪(twin wheels)を有する。代替として、走行ユニットは例えば鎖ユニット又はスライドユニットである。組み合わせも可能である。走行ユニットは好ましくは、フレームに直接又は間接的に配置されるか、それに搭載される。
【0013】
地面は好ましくは、コンクリート、特にファイバーコンクリートから形成される。それは好ましくは水平に延在する。少なくとも1つの搬送車両は好ましくは水平に移動できる。
【0014】
少なくとも1つの移動駆動部は好ましくは、電気駆動部として構成されている。それは好ましくはフレームに直接又は間接的に配置される。少なくとも1つの移動駆動部は好ましくは、駆動すべき走行ユニット/複数の走行ユニットと直接的又は間接的に駆動接続している。それはモータを有する。
【0015】
連絡装置は好ましくは無線で作動する。例えば中央制御装置及び/又は予備コントローラから外部情報を受信する受信機に加えて、通信装置がさらに、それぞれの位置情報、移動情報、環境情報及び/又は荷重情報の情報又は信号を中央制御装置に伝送する伝送機(transmitting unit)を有すると実用的である。搬送車両は好ましくは、どの所望の位置にも送られる。それは好ましくはレール無しで移動できる。
【0016】
搬送車両は中央制御装置により特に簡単に実施できる。中央制御装置は好ましくは、少なくとも1つの搬送車両、有利には多数の搬送車両を調整する。
【0017】
本発明の更なる有利な発展形態は従属請求項に規定される。
【0018】
材料ロール容器は好ましくは流路状(溝状)である。この実施形態は、搬送すべき材料ロールの極めて安全な搬送を可能にする搬送車両をもたらす。さらに、様々な外径を有する材料ロールがこのようにして特に簡単に収容でき又は搬送できる。したがって、材料ロールの横断方向における搬送車両に対する材料ロールのセンタリングが簡単に実現される。材料ロール容器は好ましくは、対応する壁により側方に又は長手方向側で境界を定められる(画定される)。それは好ましくは、底部と互いに対向して位置する側方ガイドを有する。例えば、材料ロール容器又は壁は好ましくは、少なくとも1つの湾曲した及び/又は真っ直ぐなセクションを有する。
【0019】
材料ロール容器は好ましくは長手方向に境界を定められない。当該実施形態は、搬送車両と収容すべき又は分配すべき材料ロールの間の相対的な長手方向移動を可能にし、当該材料ロールは搬送車両に対して特に僅かに上げられる。したがって、搬送車両は上げられた材料ロールの下に簡単に移動でき、材料ロール容器又は材料ロールに沿ってそこから離れて移動できる。移動はここで材料ロールの軸方向に行われる。搬送車両と材料ロールの衝突地点は存在しない。材料ロール容器はしたがって、好ましくはその長手方向に開いている又は空いている。
【0020】
従属請求項2に記載の搬送車両は、荷重状態において極めて低い重心を有し、したがって特に傾斜するのを防がれる。さらに、材料ロールと段ボールプラントのウェブ分配装置の間の機能的に信頼できる移送がこうして可能である。
【0021】
請求項1,3に記載の搬送車両は、特に長い耐用年数を有する。少なくとも1つのばねユニットの圧縮によって、フレームに対する材料ロール容器の垂直移動が、特に過度に重い材料ロールを搬送車両に荷積みする場合に行われる。少なくとも1つのばねユニットは好ましくは、過荷重保護装置の構成部品である。それは有利には垂直方向に作用する。
【0022】
ばねユニットが変形可能な材料ブロック又はばねとして構成されていると有利である。ばねは例えば、コイルばねや円板ばねなどの、ガススプリング、油圧ばね又は金属ばねであってもよい。搬送車両の最大耐荷力は好ましくは、4t~6tである。
【0023】
請求項1に記載の搬送車両は、特に長い耐用年数を有する。少なくとも1つの支持要素は好ましくは板状であり、形状安定している。それは好ましくは、特に過荷重(overloading)の場合に、フレームに対して移動できる。
【0024】
従属請求項4に記載のガイドは有利には、材料ロール容器の少なくとも2つの本体、フランク、壁など及び互いに隣接して配置されたフレームによって形成される。
【0025】
従属請求項5に記載の搬送車両は、好ましくは自律式に駆動可能である。エネルギー貯蔵ユニットがバッテリー又はアキュムレーター(蓄電池)として構成されると実用的である。放電の場合、貯蔵された化学エネルギーが好ましくは電気化学反応によって電気エネルギーに変換される。よって、搬送車両は電源ネットワーク又は屋内配線から独立している。
【0026】
エネルギー貯蔵ユニットが特に誘導的に充電できると実用的である。エネルギー貯蔵ユニットは好都合には、移動している及び/又は停止している搬送車両の場合に充電できる。
【0027】
従属請求項6に記載の材料ロール検出センサは、例えば重量センサ又は光学センサとして構成される。材料ロール検出センサが材料ロール容器に割り当てられると実用的である。それは、特に搬送車両が荷積みされているか降ろされているかを検出できる。対応する情報が連絡装置を介して段ボールプラントの中央制御装置に送信できると有利である。
【0028】
従属請求項7に記載の少なくとも1つの安全装置は、好ましくは光学タイプである。それは例えば、カメラ、センサなどとして構成される。前記少なくとも1つの安全装置が対応する危険情報を連絡装置を介して中央制御装置に光学的に送ると実用的である。前記少なくとも1つの安全装置が使用中に固定された及び/又は移動可能な対象物を検出すると有利である。
【0029】
特に、中央制御装置が少なくとも1つの危険領域又は保護領域の監視も担う。前記少なくとも1つの保護領域へのアクセス制御は、例えば、電子的に/光学的に、特に少なくとも1つの(レーザー)光バリア又は光カーテンによって行われる。その際、保護領域内にある少なくとも1つの搬送車両は好都合には危険が認識された場合にすぐに停止される。
【0030】
危険が認識された後の解放は、例えば承認により、オペレータによって行われる。それに代えて、解放は、オペレータの、特に彼/彼女の衣服にあるトランスポンダーによって自動的に行うことができる。オペレータが保護領域を出るとすぐに、当該領域は好都合には再び解放され、運転停止された前記少なくとも1つの搬送車両は再び始動される。中央制御装置は好ましくは中央安全コンセプトを制御し、その結果前記少なくとも1つの搬送車両は比較的簡単に実施できる。
【0031】
従属請求項8に記載の少なくとも1つの移動経路検出装置は、好都合には光学タイプである。それは例えば、カメラ、センサなどとして構成される。前記少なくとも1つの移動経路検出装置が対応する移動経路特定装置を移動経路として検出すると実用的である。当該装置は、例えばホール床などの地面のマーキングとして構成される。搬送車両は移動経路特定装置を追従する。
【0032】
移動経路マーキングは好ましくは塗料又はインクのコーティングにより形成され、好都合には直線的である。それは例えば遮断されるか、遮断部が無い。それは例えば見えるか、見えない。
【0033】
1つの実施形態に従う移動経路特定装置は、好都合には地面に配置されたエネルギー供給コイルによって少なくとも部分的に形成されると実用的である。それに代えて、例えばそれは地面上又は内に配置されたワイヤにより形成される。
【0034】
閉じた、特に完全に自動的な、材料ロール回路又は搬送車両回路があると実用的である。移動経路は好ましくは所望に特定でき、残りの基礎構造(インフラストラクチャー)の計画が容易化される。それに代えて、前記少なくとも1つの搬送車両は、例えばソフトウェアにおいて定義された仮想移動経路に沿って移動できる。仮想移動経路は、特に、実際には又は触知によっては特定されない移動経路を意味すると理解されたい。仮想移動経路はまた、例えば仮定的に特定される移動経路とも呼ばれる。前記少なくとも1つの搬送車両は、例えばソフトウェア制御プログラムによって制御可能である。
【0035】
従属請求項12に記載の搬送車両はさらに現場で作動できる。外部予備コントローラは好ましくは携帯遠隔制御装置である。予備制御装置と予備コントローラの間の接続が無線又は有線であると実用的である。一方向又は二方向の信号伝達又は情報伝達が好ましくは可能である。よって例えば、他の搬送車両の追い越しが可能である。よって特に、実際の移動経路から離れた搬送車両の制御又は移動が可能である。そのとき、エネルギーは好ましくはエネルギー貯蔵ユニットから得られる。
【0036】
従属請求項13に記載の発展形態は、特に安全な搬送車両をもたらす。少なくとも1つの緊急停止装置は好ましくは、すぐにアクセス可能で、見え及び手動で作動できる少なくとも1つの緊急停止スイッチを有する。前記少なくとも1つの緊急停止装置は好都合には、作動の際に搬送車両を直ぐに停止させることができる。この目的のために、作動された緊急停止装置が前記少なくとも1つの移動駆動部へのエネルギー供給を直ぐに遮断すると有利である。
【0037】
従属請求項14によれば、搬送車両は自律的に作動できる。特に、それは自己推進である。多数の搬送車両がある場合、それらは異なって作動可能又は移動可能である。
【0038】
従属請求項15によれば、搬送車両は操縦可能である。それは真っ直ぐに移動できる。さらに、曲線移動又は方向転換が可能である。これにより、搬送車両は極めて柔軟になる。搬送車両は好ましくは、固定の特定された移動経路無しで移動できる。例えば、その受信ユニットが例えば中央制御装置から対応する直接的又は間接的な情報を受信した場合、それは曲線移動又は方向転換を実行できる。搬送車両の操縦又は少なくとも1つの走行ユニットの偏向が好ましくは、搬送車両のコントローラによって又は対応する信号によってもたらされてもよい。
【0039】
例えば、少なくとも1つの走行ユニットが偏向可能である。これは、例えば作動可能な操縦装置によって狙いを定めて行われる。それに代えて、例えば、別個に又は互いに独立して作動でき、対応する走行ユニットに駆動接続した2つの移動駆動部がある。移動駆動部の同一の作動の場合、搬送車両は真っ直ぐに移動する一方で、移動駆動部の異なる作動の場合、それは曲線移動又は方向転換操縦を実行する。移動駆動部は互いに独立して及び異なって作動できる。それらは反対の回転方向に駆動できる。
【0040】
従属請求項16に記載の搬送車両は、極めて高い耐荷重能力を有する。さらに、それは特に満足する態様で操縦できる。
【0041】
参考例によれば、請求項1~16のいずれか一項に記載の搬送車両と、搬送すべき材料ロールを有する装置において、材料ロールは、搬送車両に対して特に両側でその長手方向に突出し、材料ロールは好都合には搬送車両に対して均一に突出する。その長手方向又は軸方向に関して、材料ロールは好ましくは搬送車両を完全に覆う。
【0042】
材料ロールが搬送車両に対して特に両側でその横方向(横断方向)に突出すると実用的である。従属請求項17によれば、材料ロールは好都合には搬送車両に対して一様に突出する。材料ロールは好ましくは、その横方向に、つまりその長手方向に対して垂直に搬送車両を完全に覆う。
【0043】
従属請求項18に記載の段ボールプラントは好都合には、少なくとも1つの中間ウェブを分配する少なくとも1つの中間ウェブ分配装置と、少なくとも1つの上面ウェブ(カバーウェブ)を分配する少なくとも1つの上面ウェブ分配装置と、積層ウェブを分配する少なくとも1つの積層ウェブ分配装置と、を有する。
【0044】
さらに、段ボールプラントは好ましくは、前記少なくとも1つの中間ウェブ分配装置及び上面ウェブ分配装置の下流に配置され、前記少なくとも1つの上面ウェブ及び中間ウェブから一方の側に積層された少なくとも1つの段ボールウェブを製造する少なくとも1つの段ボール製造装置を有する。
【0045】
さらに、段ボールプラントは好ましくは、一方の側に積層された少なくとも1つの段ボールウェブを積層ウェブに接続して、両側に積層された段ボールウェブを形成するための接続装置を有する。
【0046】
さらに、例えば、段ボールプラントは、両側に積層された段ボールウェブを複数のシートに切断する切断装置を有する。さらに、段ボールプラントがシートを積み重ねるスタッキング装置を有すると実用的である。
【0047】
さらに、段ボールプラントは好ましくは、少なくとも1つの搬送車両を作動させる制御装置を有する。
【0048】
以下のテキストでは、本発明の好ましい例示の実施形態を添付の図面に則して例として記載する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図2】
図1に示す搬送車両の本質的部分を示す分解図である。
【
図3】
図1及び2に示される搬送車両を通る断面図である。
【
図4】
図1~3に示される搬送車両を通る別な断面図であり、そのばねユニットは無荷重状態に位置している。
【
図5】
図4に従う断面図であり、そのばねユニットは荷重された圧縮状態に位置している。
【
図6】
図1~5に示される搬送車両と、当該搬送車両に配置された材料ロールを示す下からの図である。
【
図7】
図6に示される、搬送車両と材料ロールから成る本発明に従う装置の側面図である。
【
図8】
図6に示される、搬送車両と材料ロールから成る装置を通る、
図6の断面線VIII-VIIIに従う長手方向断面図である。
【
図9】
図6~8に示される、搬送車両と材料ロールから成る装置の斜視図である。
【
図10】
図6~9に示される、搬送車両と材料ロールから成る装置を通る断面図である。
【
図11】地面に配置されたエネルギー供給コイルを示す図である。
【
図12】
図11に示されるエネルギー供給コイルと当該エネルギー供給コイルの上に位置する搬送車両を示す図である。
【
図13】本発明に従う図示の搬送車両と材料ロールから成る別な装置を示す図であり、材料ロールは
図6~10と比較して減少した外径を有する。
【
図14】
図13に示される、搬送車両と材料ロールから成る本発明に従う装置を通る、
図13の断面線XIV-XIVに従う長手方向断面図である。
【
図15】第1実施形態に従う本発明による単純化された段ボールプラントの部分平面図であり、当該プラントにおいて搬送車両及びその移動経路も示されている。
【
図16】第2実施形態に従う本発明による単純化された段ボールプラントの部分平面図であり、当該プラントにおいて搬送車両及びその移動経路も示されている。
【発明を実施するための形態】
【0050】
先ず
図1~5を参照して、ペーパーロール搬送車両5の構成を記載する。ペーパーロール搬送車両5は、ラック状又はシャーシ状である硬いフレーム1を有する。フレーム1は、有限の巻かれたペーパーウェブ(巻き取り紙)用のペーパーロール容器2、ペーパーロール搬送車両5を地面上で移動させるための多数の車輪ユニット3、及び連絡装置4を支持する。
【0051】
ペーパーロール搬送車両5は、連絡装置4を介して受信される信号又は情報に依存して動作を設定される。さらに、例えばその速度が予め定められてもよい。経路情報又は目標情報が対応的にペーパーロール搬送車両5に伝送されてもよい。ペーパーロール搬送車両5は直線的に又はカーブして(湾曲して)移動できる。
【0052】
フレーム1は2つの長手サイド6及び2つの横断サイド7を有する。長手サイド6は互いに平行に延びる。それらはペーパーロール容器2と平行に延びる。横断サイド7もまた互いに平行に延びる。長手サイド6及び横断サイド7は互いに対して直角に延びる。
【0053】
駆動軸を有する電気モータを備えた自律式移動駆動部8が、それぞれの長手サイド6に対して隣接してフレーム1に配置されている。
【0054】
回転できるように又は回転駆動するように設置された駆動走行車輪9が、それぞれの移動駆動部8又はその駆動軸に駆動接続している。駆動走行車輪9の回転軸は互いに整列している(一直線になっている)。それらは長手サイド6に対して垂直に延びる。駆動走行車輪9は、ペーパーロール搬送車両5の長手方向10に対して中央に位置している。それら車輪は操舵可能でない。
【0055】
さらに、それぞれに二連車輪を有する操縦車輪ユニット11が、フレーム1のそれぞれの角領域においてフレーム1に配置されている。二連車輪は回転可能に設置されている。それぞれの操縦車輪ユニット11は、垂直操縦軸12の周りに独立して偏向できる。操縦車輪ユニット11は自由に、特に360°偏向できる。操縦軸12は互いに平行に延びる。
【0056】
ペーパーロール容器2は2つの溝部分(谷部分)13により形成され、それらは互いに離間して配置され、それらが垂直に移動できるようにフレーム1にそれぞれ設置されている。溝部分13は長手サイド6の間で横断サイド7に関して隣接して延びる。それらの最下収容位置は長手サイド6の間の中央に位置する。それら溝部分は対称構造を有する。溝部分13は、フレーム1の長手サイド6に隣接してそれらの最上位置を有する。それらはフレーム1の横断サイド7に隣接している又は長手方向に開いている。
【0057】
底部では、ペーパーロール容器2は少なくとも1つの水平に延びる支持板67を支持する。
【0058】
ばねユニット14が、フレーム1と、その上に配置された溝部分13の間に配置されている。それぞれのばねユニット14は、圧縮応力(プリストレス)を与えられた、圧縮可能な圧縮コイルばねにより形成されている。ばねユニット14の螺旋軸15は垂直に延びる。ばねユニット14はそれぞれ、頂部でフレーム1に支えられている。さらに、溝部分13の1つは、それぞれ、少なくとも2つのばねユニット14に頂部で載っている。ばねユニット14の最大ばね行程は有利には、それぞれ、3mm~10mm、より好ましくは5mm~8mmである。
【0059】
フレーム1とそれぞれの溝部分13の間に複数のガイド16が配置されている。それらガイド16は、関連するばねユニット14の長さの変化によってそれぞれの溝部分13の垂直移動を可能にするが、フレーム1に対するそれぞれの溝部分13の水平移動を防止又は低減する。それぞれのガイド16は垂直に延びるガイドピン17により形成され、当該ガイドピンは上から関連するばねユニット14に係合している。
【0060】
さらには、アキュムレーター(蓄電池)18がフレーム1に配置されている。アキュムレーター18は、移動駆動部8用の電気エネルギーの再充電可能な貯蔵部である。
【0061】
さらに、電圧調整器19がフレーム1に配置されている。電圧調整器19はアキュムレーター18に電気的に接続している。それはアキュムレーター18の電気入力電圧の変動を相殺することができる。電圧調整器19は有利には電子タイプである。さらに、それは2つの移動駆動部8に電気的に接続している。
【0062】
さらに、コントローラ20がフレーム1に配置されている。当該コントローラ20は2つの移動駆動部8を互いに独立して作動させることができる。さらには、コントローラ20は連絡装置4と信号接続している。
【0063】
さらに、端子箱21がフレーム1に配置されている。ペーパーロール搬送車両5の電子構成部品又は電気構成部品は端子箱21を介して互いに電気的に接続している。
【0064】
さらに、スキャナー、特にレーザースキャナーとして構成された安全装置22がフレーム1に前方角領域に配置されている。安全装置22はコントローラ20と信号接続している。それは、危険が検出された場合にペーパーロール搬送車両5を停止させることができる。
【0065】
さらに、緊急停止装置23がそれぞれ、ペーパーロール搬送車両5のエンド側に配置されている。作動の場合、それぞれの緊急停止装置23は、移動駆動部8を直ぐにスイッチオフでき、又は当該移動駆動部8への電力供給を直ぐに遮断できる。
【0066】
センサとして構成された移動経路検出装置24が、前方横断サイド7に隣接してフレーム1に前方中央に配置されている。移動経路検出装置24は、細長い構造を有し、水平に延びる。それは、ペーパーロール搬送車両5の長手方向10に対して垂直に延びる。それは所定の移動経路を検出することができる。
【0067】
さらに、フレーム1は誘導的エネルギー伝達装置25を有する。エネルギー伝達装置25はアキュムレーター18に電気的に接続している。それはペーパーロール搬送車両5の中央領域に配置されている。
【0068】
エネルギー伝達装置25は、頂部にペーパーロール検出センサ26を支持する。ペーパーロール検出センサ26は、ペーパーロール搬送車両5が荷重を受けているか無荷重であるか(荷積みされているか荷下ろしされているか)を検出することができる。それはペーパーロール容器2内に位置している。
【0069】
ペーパーロール搬送車両5は少なくとも1つの移動駆動部8の通電(活性化)により移動できる。必要な電気エネルギーはアキュムレーター18から得られる。移動駆動部8は、移動経路検出装置24を介して及び/又は連絡装置4を介して対応する駆動信号を間接的に受信する。
【0070】
2つの駆動走行車輪9が反対方向に等しく駆動されると、ペーパーロール搬送車両5はその場で回転する。一方の駆動走行車輪9が他の駆動走行車輪9より顕著に駆動されると、ペーパーロール搬送車両5は曲線移動する。ここで、操縦車輪ユニット11はそれぞれの操縦軸12の周りに自動的に調節される。2つの駆動走行車輪9が同一に同方向に駆動されると、ペーパーロール搬送車両5は真っ直ぐに移動する。操縦車輪ユニット11は、対応して自動的に真っ直ぐな前方移動に設定される。
【0071】
ペーパーロール搬送車両5がペーパーロール27を積まれる場合、過荷重の場合、溝部分13はばねユニット14のばね力とは反対に下方に、フレーム1に対してガイドされて移動する(
図5)。ここで、少なくとも1つの支持板67が地面に接触する。ペーパーロール搬送車両5はこのようにして保護される。
【0072】
圧縮応力を与えられたばねユニット14は、5トンなどの最大ペーパーロール重量の場合でもペーパーロール27又は溝部分13を適所にまだ保持する。過荷重(動的又は静的)の場合、少なくとも1つの支持板67が地面に接触して、それによりペーパーロール搬送車両5に過積載せずに過荷重を地面に直接散らす程度にペーパーロール容器2が圧縮されるまでばねユニット14は押し戻される。
【0073】
ペーパーロール容器2に配置されたペーパーロール27は、ペーパーロール27による荷重を検出するペーパーロール検出センサ26に載る。それは水平に延在する。
【0074】
ペーパーロール27は溝部分13に載る。溝部分13は、底部で及び/又は側面でペーパーロール27の部分周領域にわたってそれに当接する。ペーパーロール27は好ましくは、ペーパーロール搬送車両5に対して均一に長手方向10に突出する。
【0075】
ペーパーロール27の荷下ろしの場合、ばねユニット14は、それらが過荷重のために圧縮される限り再び跳ね返り、溝部分13を上方へガイドにより移動させる(
図4)。
【0076】
それぞれのスプライシング装置/ウェブ分配装置のそれぞれの展開ユニットは好ましくは、それぞれのペーパーロール27を回転可能に搭載するための展開アーム装置を有する。それぞれの展開アーム装置は好ましくは、特に持ち上げの場合に少なくとも部分的に円弧移動を描く。それは、異なる直径の場合でもペーパーロール容器2でのペーパーロール27の特に正確な受容をもたらす。これは、それぞれの展開ユニットのマンドレルに対するペーパーロール中心のずれを生じさせる。
【0077】
図15に関連して以下のテキストで記載する段ボールプラントでは、複数の(好ましくは15~25の)ペーパーロール搬送車両5が使用される。それらは、段ボールを製造する段ボールプラントの段ボール製造ラインにペーパーロール27を供給し、当該ペーパーロール27を再び離れて搬送するために使用される。
【0078】
段ボール製造ラインは、段ボール製造方向に沿って延びる。それは、一方の側に積層された(ラミネートされた)第1段ボールウェブを製造する第1段ボール製造装置28を有する。
【0079】
第1上面ウェブスプライシング装置29及び第1中間ウェブスプライシング装置30が、第1段ボール製造装置28の上流に配置されている。第1上面ウェブスプライシング装置29は、第1上面ウェブロールから有限の第1上面ウェブを広げる(展開する)第1展開ユニットと、第2上面ウェブロールから有限の第2上面ウェブを広げる(展開する)第2展開ユニットを有する。有限の第1上面ウェブ及び有限の第2上面ウェブは、第1上面ウェブスプライシング装置29の接続・切断ユニットによって互いに接続され、循環(無端)第1上面ウェブを提供する。
【0080】
第1中間ウェブスプライシング装置30は、第1上面ウェブスプライシング装置29と対応的に構成されている。当該第1中間ウェブスプライシング装置30は、第1中間ウェブロールから有限の第1中間ウェブを広げる(展開する)第3展開ユニットと、第2中間ウェブロールから有限の第2中間ウェブを広げる(展開する)第4展開ユニットを有する。有限の第1中間ウェブ及び有限の第2中間ウェブは、第1中間ウェブスプライシング装置30の接続・切断ユニットによって互いに接続され、循環第1中間ウェブを提供する。
【0081】
循環第1上面ウェブ及び循環第1中間ウェブは、第1段ボール製造装置28に供給される。
【0082】
第1段ボール製造装置28は、循環第1中間ウェブから波形の皺(ひだ)を有する循環第1波形ウェブを製造する第1波形ロール及び第2波形ロールを備えた第1波形ロール装置を有する。それら波形ロールは、循環第1中間ウェブを貫通させて波形形成する第1ローラニップを構成する。
【0083】
循環第1上面ウェブを循環波形第1中間ウェブ又は波形ウェブに接続して、一方の側に積層された循環第1段ボールウェブを形成するために、第1段ボール製造装置28は第1接着剤塗布装置を有し、当該第1接着剤塗布装置は好ましくは、接着剤計量ロール、接着剤コンテナー及び接着剤塗布ロールを有する。循環第1段ボールウェブを通してそれを接着するために、接着剤塗布ロールは、第1波形ロールと共にニップを構成する。接着剤コンテナー内に位置する接着剤は、接着剤塗布ロールを介して循環第1段ボールウェブの波形の皺の先端に塗布される。接着剤計量ロールは接着剤塗布ロールに当接し、均一な接着剤層を接着剤塗布ロール上に構成する働きをする。
【0084】
循環第1上面ウェブは次に、第1段ボール製造装置28において接着剤コンテナーからの接着剤を具備した循環第1波形ウェブと一緒に接合され、一方の側に積層された第1段ボールウェブが製造される。
【0085】
第1段ボール製造装置28は、循環第1上面ウェブを、接着剤を具備して第1波形ロールに部分的に当接する循環第1波形ウェブに加圧する第1加圧モジュールを有する。第1加圧モジュールは好ましくは、加圧ベルトモジュールとして構成されている。それは第1波形ロールの上に配置されている。第1加圧モジュールは、2つの第1偏向ローラと、当該2つの第1偏向ローラの周りにガイドされた循環第1加圧ベルトを有する。
【0086】
第1波形ロールは、第1加圧モジュールの2つの第1偏向ローラの間の空間に下から部分的に係合し、その結果第1加圧ベルトは第1波形ロールによって偏向される。第1加圧ベルトは、接着剤を具備して第1波形ロールに当接する循環第1波形ウェブに加圧される循環第1上面ウェブに押し当る。
【0087】
一方の側に積層される循環第1段ボールウェブをバッファ・中間貯蔵するために、それは第1垂直搬送装置を介して第1貯蔵装置に送られ、そこでそれがループを形成する。
【0088】
さらに、段ボール製造ラインは、第1段ボール製造装置28と対応的に構成された第2段ボール製造装置31を有する。
【0089】
第1上面ウェブスプライシング装置29及び第1中間ウェブスプライシング装置30と対応的に構成された第2上面ウェブスプライシング装置32及び第2中間ウェブスプライシング装置33がそれぞれ、第2段ボール製造装置31の上流に配置されている。
【0090】
第2上面ウェブスプライシング装置32は、第3上面ウェブロールから有限の第3上面ウェブを広げる(展開する)第5展開ユニットと、第4上面ウェブロールから有限の第4上面ウェブを広げる(展開する)第6展開ユニットを有する。有限の第3上面ウェブ及び有限の第4上面ウェブは、第2上面ウェブスプライシング装置32の接続・切断ユニットによって互いに接続され、循環第2上面ウェブを提供する。
【0091】
第2中間ウェブスプライシング装置33は、第3中間ウェブロールから有限の第3中間ウェブを広げる(展開する)第7展開ユニットと、第4中間ウェブロールから有限の第4中間ウェブを広げる(展開する)第8展開ユニットを有する。有限の第3中間ウェブ及び有限の第4中間ウェブは、第2中間ウェブスプライシング装置33の接続・切断ユニットによって互いに接続され、循環第2中間ウェブを提供する。
【0092】
第2段ボール製造装置31は、循環第2上面ウェブ及び中間ウェブから一方の側に積層された循環第2段ボールウェブを製造することができる。
【0093】
一方の側に積層された循環第2段ボールウェブは第2貯蔵装置に送られ、そこでそれがループを形成する。
【0094】
さらに、段ボール製造ラインは、第1積層ウェブロールから有限の第1積層ウェブを広げる(展開する)第9展開ユニットと、第2積層ウェブロールから有限の第2積層ウェブを広げる(展開する)第10展開ユニットを有する積層ウェブスプライシング装置34を有する。有限の第1積層ウェブ及び有限の第2積層ウェブは、積層ウェブスプライシング装置34の接続・切断ユニットによって互いに接続され、循環積層ウェブを提供する。
【0095】
貯蔵装置及び積層ウェブスプライシング装置34の下流には、段ボール製造ラインは、積み重ねて配置された3つの予熱ロールを有する予熱装置を有する。一方の側に積層された循環段ボールウェブ及び循環積層ウェブは、予熱装置に供給される。
【0096】
予熱装置の下流側に、段ボール製造ラインは、それぞれの接着剤浴に部分的に浸った接着剤ローラを備えた接着ユニットを有する。接着剤計量ローラが、隣接する接着剤ローラ上に均一な接着剤層を形成するために、それぞれの接着剤ローラに当接している。一方の側に積層された第1段ボールウェブはその波形ウェブにより第1接着剤ローラに接触して位置しており、それにより当該波形ウェブの波形の皺は接着剤浴から接着剤を与えられる。一方の側に積層された第2段ボールウェブはその波形ウェブにより第2接着剤ローラに接触して位置しており、それによりこの波形ウェブの波形の皺は関連する接着剤浴から接着剤を与えられる。
【0097】
接着ユニットの下流側に、段ボール製造ラインは、加熱-加圧装置として形成されていて、水平に延びる加熱テーブルを有する接続装置35を有する。複数のガイドローラの周りに導かれた循環加圧ベルトが加熱テーブルに隣接して配置されている。加圧ニップが、加圧ベルトと加熱テーブルの間に形成されおり、当該加圧ニップを通って一方の側に積層された段ボールウェブ及び循環積層ウェブが導かれ、循環の(ここでは5層の)段ボールウェブを形成する。
【0098】
接続装置35の下流側に、段ボール製造ラインは短横切り装置を有する。
【0099】
短横切り装置の下流側に、段ボール製造ラインは、長手切断装置/溝切り装置を有する。
【0100】
長手切断装置/溝切り装置の下流側に、段ボール製造ラインは、循環段ボールウェブから又はその部分ウェブから複数のシートを製造するために、横切り装置を有する。
【0101】
前記シートをさらに運ぶために、コンベヤベルト装置が、横切り装置の下流に配置されている。貯蔵装置が、コンベヤベルト装置の後に配置されている。
【0102】
段ボールプラントのペーパーロール貯蔵部36が、段ボール製造ラインに対して隣接して位置しており、ペーパーロール貯蔵部36では、スプライシング装置29,30,32,33,34のための多数の(好ましくは異なる)ペーパーロール27が貯蔵される。
【0103】
引き渡し位置(移送位置)36aがペーパーロール貯蔵部36に隣接して位置しており、そこでペーパーロール27がペーパーロール貯蔵部36からそれぞれのペーパーロール搬送車両5に、例えば手動で又は自動的に引き渡される。
【0104】
図15はさらに、段ボールプラントにおけるペーパーロール搬送車両5の移動経路を示し特定する(予め定める)移動経路マーキング38を示す。移動経路マーキング38は見え、段ボールプラントを支える平坦な地面に塗料のコーティングとして塗布される。それらは、ペーパーロール搬送車両5の移動経路検出装置24によって検出できる。通常操作では、ペーパーロール搬送車両5は、移動中に、カーブ(曲線)、スイッチ(ポイント)、交差点及び直線セクションを有する移動経路マーキング38を追従する。中央制御装置65は、ペーパーロール搬送車両5がスイッチ、交差点などの場合にどのように移動すべきか特定する。ペーパーロール搬送車両5の最大移動速度は好ましくは、0.4m/sである。
【0105】
図15が示すように、引き渡し位置36aは、供給-搬出経路39に接続しており、そこではペーパーロール搬送車両5が段ボールプラントの操作中反対方向に移動する。供給-搬出経路39は、引き渡し位置36aに接続する直線セクションと、端部側の湾曲セクションを有する。
【0106】
供給-搬出経路39の湾曲セクションは分配経路40に接続している。ペーパーロール搬送車両5は、段ボールプラントの操作中分配経路40上を互いに反対方向に移動する。分配経路40は、供給-搬出経路39の直線セクション及び段ボール製造ラインと平行に延在する。それは、供給-搬出経路39の直線セクションと段ボール製造ラインの間に延びる。供給-搬出経路39は、分配経路40の端部から離間して分配経路40に横に接続する。
【0107】
第1スイッチ41及び第2スイッチ42が、分配経路40と供給-搬出経路39の間に位置している。選択されたスイッチ41,42に依存して、ペーパーロール搬送車両5は対応的に分配経路40に案内される。ペーパーロール搬送車両5はしたがって、分配経路40からそれぞれのスイッチ41,42を介して供給-搬出経路39に再び案内され得る。
【0108】
分配経路40は、端部側で90°湾曲によって第1上面ウェブ経路43に接続する。分配経路40は、別な90°湾曲により、第1上面ウェブ経路43と平行に延びる中間ウェブ/上面ウェブ経路44に接続する。分配経路40は、別な90°湾曲により、中間ウェブ/上面ウェブ経路44と平行に延びる中間ウェブ/積層ウェブ経路45に接続する。分配経路40は、端部側で別な90°湾曲により別な経路46に接続する。中間ウェブ/上面ウェブ経路44は、第1上面ウェブ経路43と中間ウェブ/積層ウェブ経路45の間に配置されている。中間ウェブ/積層ウェブ経路45は、中間ウェブ/上面ウェブ経路44と別な経路46の間に配置されている。
【0109】
第1上面ウェブ経路43と中間ウェブ/上面ウェブ経路44は、第1スイッチ41により供給-搬出経路39から到達できる。中間ウェブ/積層ウェブ経路45と別な経路46は、第2スイッチ42により供給-搬出経路39から到達できる。別な経路46は、ペーパーロール搬送車両5の移動経路を改善する機能を有する。
【0110】
第1上面ウェブ経路43は、直線的に延びる、第1上面ウェブ経路43と整列した(一直線になっている)上面ウェブ戻り経路47に接続する。第1上面ウェブ経路43は、スイッチ及び湾曲部を介して第1上面ウェブ供給経路48に接続し、別なスイッチ及び別な湾曲部を介して第2上面ウェブ供給経路49に接続する。
【0111】
上面ウェブ戻り経路47、第1上面ウェブ供給経路48及び第2上面ウェブ供給経路49はそれぞれ、主に直線的に互いに平行に延び、それぞれ段ボール製造ラインに対して垂直に延びる。それらはそれぞれ一方向経路であり、段ボール製造ラインを通って延びる。上面ウェブ供給経路48,49は、第1上面ウェブスプライシング装置29の展開ユニットと整列している。
【0112】
上面ウェブ戻り経路47、第1上面ウェブ供給経路48及び第2上面ウェブ供給経路49はそれぞれ、第1レーザースキャナー保護領域50内にある。光カーテン及び人感トランスポンダーにより、レーザースキャナー保護領域50に入る場合に危険を伴う移動が中央制御装置65によって停止され、またオペレータが対応する位置を再び開放する必要無く再び開放される。
【0113】
中間ウェブ/上面ウェブ経路44は、直線状に延びる、中間ウェブ/上面ウェブ経路44と整列した中間ウェブ/上面ウェブ戻り経路51に接続する。中間ウェブ/上面ウェブ経路44は、スイッチ及び湾曲部を介して第1中間供給経路52に接続する。さらに、中間ウェブ/上面ウェブ経路44は、別なスイッチ及び別な湾曲部を介して第2中間供給経路53に接続する。さらに、中間ウェブ/上面ウェブ経路44は、別なスイッチ及び別な湾曲部を介して第3上面ウェブ供給経路54に接続する。さらに、中間ウェブ/上面ウェブ経路44は、別なスイッチ及び別な湾曲部を介して第4上面ウェブ供給経路55に接続する。
【0114】
第1中間供給経路52、第2中間供給経路53、第3上面ウェブ供給経路54、第4上面ウェブ供給経路55及び中間ウェブ/上面ウェブ戻り経路51はそれぞれ、主に直線的に互いに平行に延び、それぞれ段ボール製造ラインに対して垂直に延びる。それらはそれぞれ一方向経路である。第1中間供給経路52及び第2中間供給経路53は、第1中間ウェブスプライシング装置30の展開ユニットと整列している。第3上面ウェブ供給経路54及び第4上面ウェブ供給経路55は、第2上面ウェブスプライシング装置32の展開ユニットと整列している。
【0115】
第1中間供給経路52、第2中間供給経路53、第3上面ウェブ供給経路54、第4上面ウェブ供給経路55及び中間ウェブ/上面ウェブ戻り経路51はそれぞれ、段ボール製造ラインを通って延び、第2レーザースキャナー保護領域56内にある。光カーテン及び人感トランスポンダーにより、第2レーザースキャナー保護領域56に入る場合に危険を伴う移動が停止され、またオペレータが対応する位置を再び解除する必要無く再び解除される。
【0116】
中間ウェブ/積層ウェブ経路45は、直線状に延びる、中間ウェブ/積層ウェブ経路45と整列した中間ウェブ/積載ウェブ戻り経路57に接続する。中間ウェブ/積層ウェブ経路45は、スイッチ及び湾曲部を介して第3中間ウェブ供給経路58に接続する。さらに、中間ウェブ/積層ウェブ経路45は、スイッチ及び湾曲部を介して第4中間ウェブ供給経路59に接続する。中間ウェブ/積層ウェブ経路45は、スイッチ及び湾曲部を介して第1積層ウェブ供給経路60に接続する。中間ウェブ/積層ウェブ経路45は、スイッチ及び湾曲部を介して第2積層ウェブ供給経路61に接続する。
【0117】
第3中間ウェブ供給経路58、第4中間ウェブ供給経路59、第1積層ウェブ供給経路60、第2積層ウェブ供給経路61及び中間ウェブ/積載ウェブ戻り経路57はそれぞれ、主に直線的に互いに平行に延び、段ボール製造ラインに対して垂直に延びる。第3中間ウェブ供給経路58及び第4中間ウェブ供給経路59は、第2中間ウェブスプライシング装置33の展開ユニットと整列している。第1積層ウェブ供給経路60及び第2積層ウェブ供給経路61は、積層ウェブスプライシング装置34の展開ユニットと整列している。
【0118】
第3中間ウェブ供給経路58、第4中間ウェブ供給経路59、第1積層ウェブ供給経路60、第2積層ウェブ供給経路61及び中間ウェブ/積載ウェブ戻り経路57は、段ボール製造ラインを通って延び、第3レーザースキャナー保護領域62内にある。光カーテン及び人感トランスポンダーにより、第3レーザースキャナー保護領域62に入る場合に危険を伴う移動が停止され、またオペレータが対応する位置を再び解除する必要無く再び解除される。
【0119】
以下のテキストでは、段ボールプラントにおけるペーパーロール搬送車両5によるペーパーロール27の搬送をより詳細に説明する。段ボールプラントの中央制御装置65は、ペーパーロール搬送車両5により段ボール製造ラインにおける段ボール製造のためにペーパーロール貯蔵部36から使用すべきペーパーロール27を取って来させる。この目的のために、ペーパーロール搬送車両5がまだそこにいない場合、引き渡し位置36aに移動する。ペーパーロール27は、そこでペーパーロール搬送車両5に積まれる。それはセンタリングされてペーパーロール容器2に載る。
【0120】
次に、中央制御装置65は、荷積みされたペーパーロール搬送車両5を、ペーパーロール27を必要とするスプライシング装置29,30,32,33又は34に送る。
【0121】
ペーパーロール搬送車両5は、特に目標を定めた作動により移動経路マーキング38に対して横にずれて移動できる。したがって、ペーパーロール27は、装備すべきスプライシング装置29,30,32,33又は34に応じて又は引き渡し位置36aに応じて正確にその外径に従って整列される。それに代えて、ペーパーロール搬送車両5は、それに対して又はフレーム1に対して軸方向にペーパーロール27を移動するよう構成される。
【0122】
スプライシング装置29,30,32,33又は34を装備するために、ペーパーロール搬送車両5はまず分配経路40の方向に供給-搬出経路39に沿って移動する。
【0123】
第1上面ウェブスプライシング装置29に新たにペーパーロール27を装備すべき場合、ペーパーロール搬送車両5は第1スイッチ41を介して分配経路40に移動し、中間ウェブ/上面ウェブ経路44を通る。当該ペーパーロール搬送車両5は次に第1上面ウェブ経路43を介して第1上面ウェブ供給経路48又は第2上面ウェブ供給経路49を通る。第1上面ウェブスプライシング装置29の第1又は第2展開ユニットの必要な装備に依存して、対応する供給経路48,49が選択される。
【0124】
このジョブが完了すると、完全に空であってもよい又は依然としてペーパーを担持していてもよい残りのペーパーロール27は、第1上面ウェブ経路43から離れて対応する展開ユニットの外側に移動される。残りのペーパーロール27は次に、上面ウェブ戻り経路47、第1上面ウェブ経路43、分配経路40、スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に戻って移動される。
【0125】
第1中間ウェブスプライシング装置30がペーパーロール27を新たに装備すべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、第1スイッチ41及び分配経路40を介して中間ウェブ/上面ウェブ経路44に移動する。対応する供給経路52,53が、第1中間ウェブスプライシング装置30の第3又は第4展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。
【0126】
このジョブが完了すると、完全に空であってもよい又は依然としてペーパーを担持していてもよい残りのペーパーロール27は、中間ウェブ/上面ウェブ経路44から離れて対応する展開ユニットの外側に移動される。残りのペーパーロール27は次に、中間ウェブ/上面ウェブ戻り経路51、中間ウェブ/上面ウェブ経路44、分配経路40、スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に戻って移動される。
【0127】
第2上面ウェブスプライシング装置32がペーパーロール27を新たに装備すべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、第1スイッチ41及び分配経路40を介して中間ウェブ/上面ウェブ経路44に移動する。対応する供給経路54,55が、第1上面ウェブスプライシング装置29の第5又は第6展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。
【0128】
このジョブが完了すると、完全に空であってもよい又は依然としてペーパーを担持していてもよい残りのペーパーロール27は、中間ウェブ/上面ウェブ経路44から離れて対応する展開ユニットの外側に移動される。残りのペーパーロール27は次に、中間ウェブ/上面ウェブ戻り経路51、中間ウェブ/上面ウェブ経路44、分配経路40、スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に戻って移動される。
【0129】
第2中間ウェブスプライシング装置33がペーパーロール27を新たに装備すべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、第2スイッチ42及び分配経路40を介して中間ウェブ/積層ウェブ経路45に移動する。対応する供給経路58,59が、第2中間ウェブスプライシング装置33の第7又は第8展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。
【0130】
このジョブが完了すると、完全に空であってもよい又は依然としてペーパーを担持していてもよい残りのペーパーロール27は、中間ウェブ/積層ウェブ経路45から離れて対応する展開ユニットの外側に移動される。残りのペーパーロール27は次に、中間ウェブ/積載ウェブ戻り経路57、中間ウェブ/積層ウェブ経路45、分配経路40、第2スイッチ42及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に戻って移動される。
【0131】
積層ウェブスプライシング装置34がペーパーロール27を新たに装備すべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、第2スイッチ42及び分配経路40を介して中間ウェブ/積層ウェブ経路45に移動する。対応する供給経路60,61が、積層ウェブスプライシング装置34の第9又は第10展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。
【0132】
このジョブが完了すると、完全に空であってもよい又は依然としてペーパーを担持していてもよい残りのペーパーロール27は、中間ウェブ/積層ウェブ経路45から離れて対応する展開ユニットの外側に移動される。残りのペーパーロール27は次に、中間ウェブ/積載ウェブ戻り経路57、中間ウェブ/積層ウェブ経路45、分配経路40、第2スイッチ42及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に戻って移動される。
【0133】
ペーパーロール搬送車両5は、個々の経路によって形成されるそれらの移動経路上を安全に移動する。この工程において、それら車両は、移動経路に沿ってコイル66によって地面に形成された充電領域で充電される。コイル66は好ましくは移動経路マーキングに対して中央に敷設され、大方の移動経路にわたって延在する。コイル66の電気エネルギーは、それらのエネルギー伝達装置25を介してペーパーロール搬送車両5に伝達される。充電領域は有利には待機領域に一致する。
【0134】
回路・循環路がペーパーロール搬送車両5により段ボールプラント内に作られる。当該回路は特に、ペーパーロール27の内向き搬送及びペーパーロール27の外向き搬送によって形成される。ペーパーロール27の内向き搬送及び/又はペーパーロール27の外向き搬送は、それぞれ、少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも殆ど、一方通行路操作で又は一方向に行われる。残りのペーパーロール27の外向き搬送又は戻り搬送は、少なくとも部分的に、好ましくは少なくとも殆ど、別個の経路上で行われる。
【0135】
供給-搬出経路39は、ペーパーロール搬送車両5が提供される又はそこからそれらが来るスプライシング装置29,32,30,33,34にかかわらず、ペーパーロール貯蔵部36に対するペーパーロール搬送車両5の供給のため及び搬出のために利用される。
【0136】
分配経路40はまた、全てのペーパーロール搬送車両5によって少なくとも部分的に利用される。ペーパーロール搬送車両5は、予定されたスプライシング装置29,32,30,33,34に到達するために及び/又はそこから又は供給-搬出経路39に戻るために、当該分配経路40を少なくとも部分的に利用する。
【0137】
段ボールプラントの場合、特に、ジョブのために移動すべき複数の(好ましくは全ての)ペーパーロール27が、ペーパーロール搬送車両5によって平行に又は同時に移動され得る。これは、非常に経済的で、迅速なペーパーロールの交換をもたらす。ペーパーロール搬送車両5の移動経路は二方向である。
【0138】
1つの別な実施形態によれば、ペーパーロール搬送車両5のスイッチが誘導によりエネルギーを供給されたときのみ、ペーパーロール搬送車両5が移動されると有利である。コイル66からのエネルギーが無ければ、ペーパーロール搬送車両5は制御によって停止されるまでブレーキをかける。
【0139】
ペーパーロール搬送車両5の安全装置22が衝突を防止する。
【0140】
ペーパーロール搬送車両5のそれぞれの位置が例えばセンサによって決定できると実用的である。それぞれのペーパーロール搬送車両5の正確な位置は有利には、移動経路に沿うエンコーダ(符号手段)により決定できる。
【0141】
それぞれのペーパーロール搬送車両5はまた手動で制御可能である。この目的のために、それぞれのペーパーロール搬送車両5は、外部携帯予備コントローラ64に接続するための予備制御装置63を有する。
【0142】
代替として、3層又は7層段ボールウェブを形成するための段ボール製造ラインが設けられる。
【0143】
以下のテキストでは、段ボールプラントの第2実施形態を
図16に関連して説明する。同一の部品又は要素には第1実施形態の場合と同じ符号を付し、これにより当該第1実施形態の記載が明瞭に参照される。構造的に異なるが機能的に同一の部品には同じ符号の後に「a」を付してある。
【0144】
第1実施形態と比べて、
図16に従う段ボールプラントの場合、分配経路40aが一方通行路及び回路として構成されている。よって循環である分配経路40aは、第1スイッチ41及び第2スイッチ42に接続する実質的に真っ直ぐな第1分配経路セクション68と、第1分配経路セクション68と平行に延びる第2分配経路セクション69を有する。第1及び第2分配経路セクション68,69は、供給-搬出経路39の直線セクション及び段ボール製造ラインと平行に延び、互いに接続している。
【0145】
ペーパーロール搬送車両5は、場合によっては、段ボールプラントの稼働中第1分配経路セクション68上を第1方向に移動されるのに対し、ペーパーロール搬送車両5は第1方向とは逆の第2方向に第2分配経路セクション69上を移動される。
【0146】
分配経路40aは第1上面ウェブ経路43aに接続している。第1分配経路セクション68及び第2分配経路セクション69は、言わば循環式の経路であって第1上面ウェブ経路セクション70及び第2上面ウェブ経路セクション71を有する第1上面ウェブ経路43aに接続している。上面ウェブ経路セクション70,71は互いに平行に延び、第1上面ウェブスプライシング装置29の展開ユニットと整列している。第1上面ウェブ経路セクション70は、コネクタピース72によって第1分配経路セクション68に接続し、湾曲部73によって第2分配経路セクション69に接続する。第2上面ウェブ経路セクション71は、湾曲部74によって第1分配経路セクション68に接続し、湾曲部75によって第2分配経路セクション69に接続する。第1及び第2上面ウェブ経路セクション70,71は、それぞれの展開ユニットにて段ボール製造ラインを通って延び、段ボール製造ラインの他方の側で互いに接続している。
【0147】
ペーパーロール搬送車両5は、第1上面ウェブスプライシング装置29に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、第1上面ウェブ経路セクション70上と第2上面ウェブ経路セクション71上を反対方向に移動できる。第1上面ウェブ経路43aに沿って第1上面ウェブスプライシング装置29に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、一方向のペーパーロール搬送車両5の循環搬送も可能である。
【0148】
分配経路40aは第1中間ウェブ経路76に接続している。第1分配経路セクション68及び第2分配経路セクション69は、言わば循環式の経路であって第1中間ウェブ経路セクション77及び第2中間ウェブ経路セクション78を有する第1中間ウェブ経路76に接続している。中間ウェブ経路セクション77,78は互いに平行に及び上面ウェブ経路セクション70,71と平行に延びる。それらは、第1中間ウェブスプライシング装置30の展開ユニットと整列している。第1中間ウェブ経路セクション77は、ダブル湾曲部79によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部80によって第2分配経路セクション69に接続する。第2中間ウェブ経路セクション78は、ダブル湾曲部81によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部82によって第2分配経路セクション69に接続する。第1及び第2中間ウェブ経路セクション77,78は、それぞれの展開ユニットにて段ボール製造ラインを通って延び、段ボール製造ラインの他方の側で互いに接続している。
【0149】
ペーパーロール搬送車両5は、第1中間ウェブスプライシング装置30に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、第1中間ウェブ経路セクション77上と第2中間ウェブ経路セクション78上を反対方向に移動できる。第1中間ウェブ経路76に沿って第1中間ウェブスプライシング装置30に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、一方向のペーパーロール搬送車両5の循環搬送も可能である。
【0150】
分配経路40aは第2上面ウェブ経路83に接続している。第1分配経路セクション68及び第2分配経路セクション69は、言わば循環式の経路であって第1上面ウェブ経路セクション84及び第2上面ウェブ経路セクション85を有する第2上面ウェブ経路83に接続している。上面ウェブ経路セクション84,85は互いに平行に及び上面ウェブ経路セクション70,71と平行に延びる。それらは、第2上面ウェブスプライシング装置32の展開ユニットと整列している。第1上面ウェブ経路セクション84は、ダブル湾曲部86によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部87によって第2分配経路セクション69に接続する。第2上面ウェブ経路セクション85は、ダブル湾曲部88によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部89によって第2分配経路セクション69に接続する。第1及び第2上面ウェブ経路セクション84,85は、それぞれの展開ユニットにて段ボール製造ラインを通って延び、段ボール製造ラインの他方の側で互いに接続している。
【0151】
ペーパーロール搬送車両5は、第2上面ウェブスプライシング装置32に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、第1上面ウェブ経路セクション84上と第2上面ウェブ経路セクション85上を反対方向に移動できる。第2上面ウェブ経路83に沿って第2上面ウェブスプライシング装置32に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、一方向のペーパーロール搬送車両5の循環搬送も可能である。
【0152】
分配経路40aは第2中間ウェブ経路90に接続している。第1分配経路セクション68及び第2分配経路セクション69は、言わば循環式の経路であって第1中間ウェブ経路セクション91及び第2中間ウェブ経路セクション92を有する第2中間ウェブ経路90に接続している。中間ウェブ経路セクション91,92は互いに平行に及び上面ウェブ経路セクション70,71と平行に延びる。それらは、第2中間ウェブスプライシング装置33の展開ユニットと整列している。第1中間ウェブ経路セクション91は、ダブル湾曲部93によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部94によって第2分配経路セクション69に接続する。第2中間ウェブ経路セクション92は、ダブル湾曲部95によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部96によって第2分配経路セクション69に接続する。第1及び第2中間ウェブ経路セクション91,92は、それぞれの展開ユニットにて段ボール製造ラインを通って延び、段ボール製造ラインの他方の側で互いに接続している。
【0153】
ペーパーロール搬送車両5は、第2中間ウェブスプライシング装置33に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、第1中間ウェブ経路セクション91上と第2中間ウェブ経路セクション92上を反対方向に移動できる。第2中間ウェブ経路90に沿って第2中間ウェブスプライシング装置33に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、一方向のペーパーロール搬送車両5の循環搬送も可能である。
【0154】
分配経路40aは積層ウェブ経路97に接続している。第1分配経路セクション68及び第2分配経路セクション69は、言わば循環式の経路であって第1積層ウェブ経路セクション98及び第2積層ウェブ経路セクション99を有する積層ウェブ経路97に接続している。積層ウェブ経路セクション98,99は互いに平行に及び上面ウェブ経路セクション70,71と平行に延びる。それらは、積層ウェブスプライシング装置34の展開ユニットと整列している。第1積層ウェブ経路セクション98は、ダブル湾曲部100によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部101によって第2分配経路セクション69に接続する。第2積層ウェブ経路セクション99は、ダブル湾曲部102によって第1分配経路セクション68に接続し、ダブル湾曲部103によって第2分配経路セクション69に接続する。第1及び第2積層ウェブ経路セクション98,99は、それぞれの展開ユニットにて段ボール製造ラインを通って延び、段ボール製造ラインの他方の側で互いに接続している。
【0155】
ペーパーロール搬送車両5は、第2中間ウェブスプライシング装置33に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、第1中間ウェブ経路セクション91上と第2中間ウェブ経路セクション92上を反対方向に移動できる。第2中間ウェブ経路90に沿って第2中間ウェブスプライシング装置33に装備し、残りのペーパーロール27を除去するために、一方向のペーパーロール搬送車両5の循環搬送も可能である。
【0156】
上面ウェブ経路43a,83、中間ウェブ経路76,90及び積層ウェブ経路97は、互いに離間して分配経路40aに接続し、互いに離間して延びる。それらはレーザースキャナー保護領域50内にある。
【0157】
以下のテキストでは、段ボールプラントにおけるペーパーロール搬送車両5によるペーパーロール27の搬送をより詳細に説明する。先行の実施形態と比較して、それぞれのペーパーロール搬送車両5は、操作中供給-搬出経路39から第2スイッチ42を介して分配経路40aに常に移動する。それぞれのペーパーロール搬送車両5は、第1分配経路セクション68を介して第2分配経路セクション69に移動する。中央制御装置65は、荷積みされたペーパーロール搬送車両5を、対応する経路70,71,77,78,84,85,91,92,98及び99を介してペーパーロール27を必要とするスプライシング装置29,30,32,33,34に送る。
【0158】
第1上面ウェブスプライシング装置29に新たにペーパーロール27を備えるべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、湾曲部73又は湾曲部75を介して第2分配経路セクション69から上面ウェブ経路セクション70又は71に移動する。対応する上面ウェブ経路セクション70,71が、第1上面ウェブスプライシング装置29の第1又は第2展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。
【0159】
湾曲部72又は湾曲部74を介して、ペーパーロール搬送車両5は、それぞれの上面ウェブ経路セクション70,71から第1分配経路セクション68に残りのペーパーロール27と共に戻ることができ、またそこから第1スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に移動して戻ることができる。ここで、ペーパーロール搬送車両5は装備の場合と比較して反対方向に移動する。
【0160】
第1中間ウェブスプライシング装置30に新たにペーパーロール27を備えるべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、ダブル湾曲部80又はダブル湾曲部82を介して第2分配経路セクション69から中間ウェブ経路セクション77又は78に移動する。対応する中間ウェブ経路セクション77,78が、第1中間ウェブスプライシング装置30の第1又は第2展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。ペーパーロール搬送車両5はやはり、ダブル湾曲部79又はダブル湾曲部81を介して第1分配経路セクション68から中間ウェブ経路セクション77又は78を通ることができる。
【0161】
ダブル湾曲部79又はダブル湾曲部81を介して、ペーパーロール搬送車両5は、それぞれの中間ウェブ経路セクション77又は78から第1分配経路セクション68に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ダブル湾曲部80又はダブル湾曲部82を介して、ペーパーロール搬送車両5は、第2分配経路セクション69に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ここで、ペーパーロール搬送車両5は装備の場合と比較して反対方向に移動する。それは、第1スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に移動して戻ることができる。
【0162】
第2上面ウェブスプライシング装置32に新たにペーパーロール27を備えるべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、ダブル湾曲部87又はダブル湾曲部89を介して第2分配経路セクション69から上面ウェブ経路セクション84又は85に移動する。対応する上面ウェブ経路セクション84,85が、第2上面ウェブスプライシング装置32の第1又は第2展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。ペーパーロール搬送車両5はやはり、ダブル湾曲部86又はダブル湾曲部88を介して第1分配経路セクション68から上面ウェブ経路セクション84又は85を通ることができる。
【0163】
ダブル湾曲部86又はダブル湾曲部88を介して、ペーパーロール搬送車両5は、それぞれの上面ウェブ経路セクション84,85から第1分配経路セクション68に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ダブル湾曲部87又はダブル湾曲部89を介して、ペーパーロール搬送車両5は、第2分配経路セクション69に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ここで、ペーパーロール搬送車両5は装備の場合と比較して反対方向に移動する。それは、第1スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に移動して戻ることができる。
【0164】
第2中間ウェブスプライシング装置33に新たにペーパーロール27を備えるべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、ダブル湾曲部94又はダブル湾曲部96を介して第2分配経路セクション69から中間ウェブ経路セクション91又は92に移動する。対応する中間ウェブ経路セクション91,92が、第2中間ウェブスプライシング装置33の第1又は第2展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。ペーパーロール搬送車両5はやはり、ダブル湾曲部93又はダブル湾曲部95を介して第1分配経路セクション68から中間ウェブ経路セクション91又は92を通ることができる。
【0165】
ダブル湾曲部93又はダブル湾曲部95を介して、ペーパーロール搬送車両5は、それぞれの中間ウェブ経路セクション91,92から第1分配経路セクション68に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ダブル湾曲部94又はダブル湾曲部96を介して、ペーパーロール搬送車両5は、第2分配経路セクション69に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ここで、ペーパーロール搬送車両5は装備の場合と比較して反対方向に移動する。それは、第1スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に移動して戻ることができる。
【0166】
積層ウェブスプライシング装置34に新たにペーパーロール27を備えるべき場合、ペーパーロール搬送車両5は、ダブル湾曲部101又はダブル湾曲部103を介して第2分配経路セクション69から積層ウェブ経路セクション98又は99に移動する。対応する積層ウェブ経路セクション98,99が、積層ウェブスプライシング装置34の第1又は第2展開ユニットの必要な装備に依存して選択される。ペーパーロール搬送車両5はやはり、ダブル湾曲部100又はダブル湾曲部102を介して第1分配経路セクション68から積層ウェブ経路セクション98又は99を通ることができる。
【0167】
ダブル湾曲部100又はダブル湾曲部102を介して、ペーパーロール搬送車両5は、それぞれの積層ウェブ経路セクション98,99から第1分配経路セクション68に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ダブル湾曲部101又はダブル湾曲部103を介して、ペーパーロール搬送車両5は、第2分配経路セクション69に残りのペーパーロール27と共に戻ることができる。ここで、ペーパーロール搬送車両5は装備の場合と比較して反対方向に移動する。それは、第1スイッチ41及び供給-搬出経路39を介してペーパーロール貯蔵部36に移動して戻ることができる。
【符号の説明】
【0168】
1 フレーム
2 ペーパーロール容器(材料ロール収容手段)
4 連絡装置
8 移動駆動部
9,11 走行ユニット
27 ペーパーロール(材料ロール)