(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】コンベヤベルトのための接合デバイス
(51)【国際特許分類】
F16G 3/08 20060101AFI20240112BHJP
B65G 15/30 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F16G3/08
B65G15/30 A
(21)【出願番号】P 2020570190
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(86)【国際出願番号】 EP2019066913
(87)【国際公開番号】W WO2020002378
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-04
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520298581
【氏名又は名称】エフピー ビジネス インベスト
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タヴェルニエ,バーナード
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0134652(US,A1)
【文献】実開平01-065744(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16G 3/08
B65G 15/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの長手方向のコンベヤベルト(2)の2つの端部(3)を接続することのために意図された、コンベヤベルト(2)のための接合デバイス(1)であって、前記接合デバイス(1)が、少なくとも2つの接合板(4)であって、前記コンベヤベルト(2)が組み立てられた動作位置で前記2つの接合板(4)の間に配置されるように、前記コンベヤベルト(2)の前記端部(3)の別々の側を各々覆うように構成されている、少なくとも2つの接合板(4)を備え、前記接合板(4)が、一方の接合版(4)、前記コンベヤベルト(2)の前記端部(3)のうちの一方、その後、他方の接合版(4)をそれぞれ通過するように配置されている取付手段(5)によって共に安定化されており、前記接合板(4)の各々が、可撓性、弾力性材料(6)で作製されており、かつ補強材(7)を提供されており、前記補強材(7)が、横糸(10)及び縦糸(11)を備える少なくとも1つの織物層によって形成されており、前記接合デバイス(1)が、前記補強材(7)が横方向縁部(8)によって長手方向に境界付けられることを特徴としており、前記補強材(7)が、前記組み立てられた位置で前記コンベヤベルト(2)に対して横方向に延在しており、前記横方向縁部(8)が、前記接合デバイス(1)の使用中に前記補強材(7)の解きほぐしを防止するように、解きほぐし支持体(9)を各々有しており、前記解きほぐし支持体(9)が、織られており、及びその中で、前記解きほぐし支持体(9)が、少なくとも1本の象嵌糸(12)を備える、接合デバイス(1)。
【請求項2】
前記解きほぐし支持体が、前記
横糸(10)を結合する前記象嵌糸(12)によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の接合デバイス(1)。
【請求項3】
前記横糸(10)及び前記象嵌糸(12)が、前記解きほぐし支持体(9)を形成するように、共に縫い合わされていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接合デバイス(1)。
【請求項4】
前記象嵌糸(12)及び前記横糸(10)が、縫い合わせによって結合されており、前記縫い目が、さらにブロッキング糸(13)によってブロックされていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の接合デバイス(1)。
【請求項5】
前記解きほぐし支持体(9)が、前記縦糸に結合されている前記象嵌糸(12)での縦糸(11)の織り交ぜによって形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接合デバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのコンベヤベルトの端部を接続することのために意図されたコンベヤベルトのための接合デバイスに関する。簡略化の目的で、慣例によって、本開示において、「コンベヤベルト」を単に「ベルト」ともいう。
【背景技術】
【0002】
輸送ベルトとも呼ばれるコンベヤベルトは、石炭、鉱石、工業製品又は農産物など、様々な材料又は様々な製品を輸送又は運搬するように使用されることが既知である。これらのコンベヤベルトは、適切な長さ及び幅を備えた、強化エラストマーから、又は強化合成材料から作製されたベルトで構成されており、搭載前、又は搭載後に、戻りローラ及び遊びローラを備える支持及び駆動デバイスに、両端が互いに接続される必要がある。多くの場合、これらのデバイスは、コンベヤベルトに十分に張力をかけることを目的とする、張力部材も備える。
【0003】
今日まで、コンベヤベルトの端部のこの接続を実行するように、様々な手段が使用されてきた。
【0004】
元来、及び今日でも、ベルトが強化加硫可能なエラストマーから作製されているときに、加硫が使用される。周知のように、両端が共に近づけられるときに、互いに支え合う相補的な外形を上記両端に創造することが意図された準備作業の後に、加硫は、加熱及び加圧で行われている。加硫の変形は、冷間結合である。
【0005】
別の既知の接続手段は、金属シートから切り取られた、一般にU字形のステープルを使用することからなり、このステープルは、ナックルによって接続された上部板及び下部板を備え、これらのステープルは、接続されるコンベヤベルト端部の各々に跨って2つのシリーズに固定されているため、ナックルが突き出ており、一方のシリーズのナックルをもう一方のシリーズのナックルの間に挟み込むことができ、その後、接続及び関節運動ロッドを、挟み込まれたナックルの内側に通して、一種のヒンジを形成しながら両端を接続する。コンベヤベルト端部にステープルを固定するように使用される既知の手段は、クランプ、リベット、及びねじなどのステム取付手段からなる。
【0006】
より最近において、一般に強化エラストマーから、又は強化合成材料から作製された、平坦接続要素を使用する接合デバイスが提案されており、それぞれコンベヤベルト端部の一方の側及び他方の側に配置され、接続されなければならない上記端部に固定されている。このような接合デバイスの例は、特許EP-0827575-B1及びEP-1163459-B1に与えられている。
【0007】
これらのデバイスは、上部接合板と、下部接合板とを含み、これらは任意選択で中央部分によって接続されている。これらの下部及び上部接合板は、コンベヤベルトのそれぞれの端部と係合するのに適した分離を有し、それを中央部分に対してほぼ隣接させ、又は接合デバイスが中央部分を有さない場合には、スペーサに対して搭載中にここに提供され、その後取り外される。
【0008】
換言すれば、これらの接合デバイスは、互いに向き合う2対の取付フランジを備え、コンベヤベルトの端部は、それぞれ、同じ対の2つのフランジの間に導入される。
【0009】
接合板を形成する下部と上部は、一般に、リベット、釘、クランプ、ねじナットシステムを使用して、又はフランジ間に係合されたコンベヤベルトの平坦外面に対するフランジの冷間結合又は平坦加硫によって、コンベヤベルトの端部に固定される。
【0010】
接合デバイスは、一般に、可撓性及び弾力性材料、例えば加硫ゴムから、又は長手方向に伸張性を有する補強材、一般に織物が埋め込まれているポリウレタンなどの合成材料から作製されている。
【0011】
慣例によって、及び本開示全体の記載の便宜及び明確さのために、長手方向は、コンベヤベルトの長手方向であり、コンベヤベルトに搭載されなければならないと考えられる連結デバイスにも適用される。横方向は、単独で考慮される連結デバイスの寸法に関係なく、このように画定された長手方向に垂直な方向である。
【0012】
長手方向における、このタイプの連結デバイスの補強材の伸張性は、コンベヤベルトに搭載された連結デバイスが、急速な劣化を引き起こし得る、摩耗又は過度の疲労なしに、コンベヤベルトの経路の湾曲部分を繰り返し横切ること、すなわち、駆動ローラ、戻りローラ、張力ローラを迂回することを可能にすることを目的とする。
【0013】
実際、この動作中、接合デバイスの上部は、牽引力を受け、下部(つまり、ローラの外面に向けられた部分)は、これらの部品の経路における違いにより圧縮力を受け、これらのパスは、連結デバイスの厚さにより変化する、曲線半径に正比例する。
【0014】
下部と上部とでは応力が大きく異なるため、及びこれらの連結デバイスの耐摩耗性をさらに改善させるために、出願人は、上部に下部よりも大きな伸張性を与えるように、過去にその製品を改善してきた。
【0015】
このタイプのコンベヤベルト接合において、搭載している間に使用される独立したスペーサの使用のための余地を残すために、中央部分が下部板と上部板から分離されるように次に展開され、下部板と上部板との間の接合部に配置された、コンベヤベルトの第1の端部が隣接するスペーサに対して、これらのスペーサは、コンベヤベルトの第2の端部が配置される前に取り外される。
【0016】
実際、接合デバイスは、成形によって、又は射出によって作製され、下部及び上部板ならびにその中央部分が単一部品で形成された、H字型構造を有する。これは、それらを製造するために現場において分かるコンベヤベルトの厚さと同じ数の金型が必要とされ、その結果、これらの接合デバイスは、非常に小さなシリーズで製造される必要があり、製造、保管、及び流通のためのコストが増加される。
【0017】
この問題、すなわち、様々なコンベヤベルトの厚さに対処することを目的とした金型及び成形製品の多様性は、上で記載のように、3つの別々の部品、単一部品を形成する左右の上部フランジを構成する1つの部品、単一部品を形成する左右の下部フランジを構成する1つの部品、及びH字型外形の真ん中バーに対応する、スペーサを形成する中間部分において、接合デバイスを製造することによって特に解決された。
【0018】
このような構成において、2つの下部板及び上部板を単独で製造することが可能になり、各々が、それらが受ける力(圧縮/牽引力)及び関連する応力に適応するように構成される。
【0019】
例えば、下部板は、駆動ローラ、戻りローラ、及び張力ローラを損傷することなく通過するように配置され、問題の接合デバイスが搭載されている端部でコンベヤベルトを駆動又は戻すと、下部板が、ベルトのこれらの駆動部材と直接接触する。
【0020】
次に、上部板は、コンベヤベルトで輸送される様々な材料又は様々な製品と直接接触する。さらに、上部板も、一般にスクレーパーによって掃引される。
【0021】
最近になって、出願人は、単一タイプの接合板を製造することが可能になって、もはや2つの異なる接合板を製造する必要がなくなり、2つの下部及び上部接合板が類似、又は同一でさえある接合デバイスを取得するように、この製品を開発した。
【0022】
実際、接合板は、一般に、様々な断続的接合板の連続ベルト又はベルト部分に切断される。この開発によれば、その後、接合板の同じベルト又はベルト部分から、下部接合板及び対応する上部接合板を製造することが可能である。
【0023】
それは、接合板に統合された補強材の伸張性が、同じ製造されたベルト又はベルト部分から形成されているため、下部又は上部接合板を含むかどうかにかかわらず、同一であるような解決策の適用から生じる。
【0024】
この場合において、及び当業者の偏見に反して、2つの下部と上部の接合板の間に同一の補強材を使用することは、上部に下部よりも大きな伸張性を与えようとするものに反する開発を構成すると予想されることができる。
【0025】
逆に、補強材の弾性の制御は、十分に決定された弾性を有する補強材を使用することによって、下部接合板及び上部接合板の両方で使用されたとしても、従来技術の問題に対応する、すなわちその耐摩耗性を保証することによって、接合板を製造することが可能である。
【0026】
この場合において、有利なことに、補強材(一般に織物タイプのもの)は、10%~25%、好ましくは15%~20%の伸張性を有するように構成される。伸張可能な性質とは、補強材の伸び能力を指し、つまり、10~25%の伸張性とは、破損するか又は損傷することなく、少なくとも10%、最大25%の伸びに耐えるように構成されていることを意味する。
【0027】
補強材のこの伸張性、つまり、この長手方向の弾力性のある伸びは、補強材が埋め込まれている可撓性及び弾力性材料(加硫ゴム、ポリウレタンなどの合成材料、など)よりも伸張性が低いことを考えると、接合板自体の伸張性も決定する。
【0028】
長手方向における、そのような伸張性は、下部接合板によって、及び上部接合板によって、両方が経験する応力に対する抵抗の間の良好な妥協を確実にする。
【0029】
いずれにせよ、伸張性は、損傷することなく受けるすべての力に耐えることができる引張強度を有しながら、損傷することなく駆動ローラ及び戻りローラを通過するのに十分な可撓性及び弾力性のある接合デバイスを取得するために、そのような接合板の設計において主要な特徴となっている。
【0030】
接合板による、そのような力に対する伸張性及び抵抗性のこれらの特性は、接合板を形成する可撓性及び弾力性材料(加硫ゴム、ポリウレタンなどの合成材料)と、それに統合された補強材の両方によって与えられ、長手方向の伸長性と、コンベヤベルトが受ける最大の引張力に耐えるのに適したと強度の両方を提供する。
【0031】
従来、一般に織られている、これらの補強材は、上記補強材を形成することを意図した布のロールに切断される。このような動作は、比較的安価であり、今日まで、強度の点で良好な結果を取得することが可能になっている。
【0032】
現場における経験の助けを借りて、そのような補強材は、それが著しく、及び繰り返し応力を受けるときに、特に、コンベヤベルトの端部で接合板を固定するための手段が、補強材の織り方に適用する引張力によって、上記補強材が局所的に変形して、弛緩する可能性があることが観察される。
【0033】
これらの変形は、各取付手段に位置し、コンベヤベルトによって取付手段に加えられる牽引の方向に全体的に向けられ、次に取付手段によって接合板、特に補強材に向かって再伝達され、結果として、織物繊維の動きにより、それらは局所的に緩くなり、例えば、織物補強材の縫い目の広がりを引き起こすことができる。
【0034】
これらの取付手段が補強材の境界、したがって対応する接合板の境界に配置されているときに、これらの縫い目の広がりは、接合デバイスの使用中に問題の補強材が解きほぐしを引き起こす可能性があり、これはその強度に悪影響を及ぼす。「解きほぐし」という用語は、それが無差別に織られた、又は編まれた織物を含むかどうかにかかわらず、一般に補強材を形成する織物の縫い目を構成する繊維のもつれを解くことを指す。
【0035】
考えられる解決策の1つは、織りがより密になり、したがってより強くなるように、織物補強材を修正することであろう。このような解決策は、実施するのに実用的であるが、接合板の望ましい伸張性に悪影響を与えるという制限がある。実際、布の密度が高いほど、実際には表面単位あたりの織糸の数が多いほど、補強材、したがって接合板の剛性を高くする。
【0036】
別の解決策は、接合デバイスに関する取付手段の位置に基づいて、可変密度織りを有する補強材を設計することであろう。しかしながら、このような解決策は、時間と手間がかかり、実施に特にコストがかかることがわかる。
【発明の概要】
【0037】
本発明の目的は、このタイプの既存の接合部の開発に対応し、伸張性を改善しながら、この接合デバイスの品質及び強度を改善することを可能にし、より一般に、接合デバイスの品質、有効性、耐久性を保証する解決策を提案することである。
【0038】
この目的を達成するために、本発明は、少なくとも1つの長手方向のコンベヤベルトの2つの端部を接続することのために意図された、コンベヤベルトのための接合デバイスであって、接合デバイスが、少なくとも2つの接合板であって、上記コンベヤベルトが組み立てられた動作位置で2つの接合板の間に配置されるように、コンベヤベルトの端部の別々の側を各々覆うように構成されている、少なくとも2つの接合板を備え、接合板が、一方の接合版、コンベヤベルトの端部のうちの一方、その後、他方の接合版をそれぞれ通過するように配置されている取付手段によって共に安定化されており、接合板の各々が、可撓性、弾力性材料で作製されており、かつ補強材を提供されており、上記補強材が、少なくとも1つの織物層によって形成されており、接合デバイスが、上記補強材が縁部によって長手方向に境界付けられることを特徴としており、補強材が、組み立てられた位置で上記コンベヤベルトに対して横方向に延在しており、上記横方向縁部が、接合デバイスの使用中に補強材の解きほぐしを防止するように、解きほぐし支持体を各々有している、接合デバイスに関する。
【0039】
本開示において、長手方向軸は、コンベヤベルトの長手方向に対応し、コンベヤベルトに搭載されなければならないと考えられる、連結デバイスにも適用され、横軸は、単独で考慮される連結デバイスの寸法に関係なく、このように定義された長手方向に垂直な方向であることを想起されたい。
【0040】
したがって、補強材の横方向縁部は、それが必ずしも上記関連するコンベヤベルトに垂直である必要がない場合でも、その幅にわたってコンベヤベルトを通過する縁部を指定する。
【0041】
これらの特性のために、補強材は、関連する接合板の可撓性及び弾力性材料に埋め込まれ、主な引張力を受ける縁部がこのように補強され、解きほぐしのリスクを回避するのが可能である、ベルト又はリボンを形成する。
【0042】
一般に、そして今日まで、取付手段の横列は、外側の境界に沿って、すなわち、接合部の2つの長手方向に反対の端部、横方向縁部のすぐ近くにおいて、本質的に、接合の縁部がコンベヤベルトに押し付けられた。
【0043】
ベルト状であり、その横方向縁部に沿って補強される、このような補強材で、これは、力が縦糸に垂直に発生するときに、解きほぐしを回避することを可能にし、これは否定できない追加の利点を提供する。
【0044】
このタイプの接合デバイスで提供されたコンベヤベルトの使用中、接合部は、主に接合部の横糸方向に発生する引張力によって応力が加えられる。後半はそのような用途の状況ではそれほど大きくないので、穴の各列の後ろで横糸と織り交ぜられた十分な数の縦糸を有している必要があり、補強材のそのような織りは、織糸のブロッキングを確実にし、取付手段の数が掛けられた、特定の強度を提示し、接合部に特定の強度を与えて、この縁部に配置された補強材の時期尚早なコーミングを回避する。
【0045】
接合部の補強材の横方向縁部では、同じ効果を再現するのに十分な幅の布を有するのは不可能であり、したがって引張力を列の数で割ることは不可能である。
【0046】
補強材の横方向縁部に沿って、境界上に配置された本発明による解きほぐし支持体で、この現象は、減少し、引張力のより均一な分布は、取付手段のすべての線に沿って観察された。
【0047】
有利なことに、解きほぐし支持体は、織られた支持体である。そのような支持体は、コンベヤベルト接合部のための使用の状況において力に適合された良好な強度を提示する。
【0048】
代替的に、又はさらに加えて、解きほぐし支持体は、結合及び/又は溶接された支持体、及び/又は補強材の横方向縁部に沿って延在する継ぎ目を備える。
【0049】
1つの有利な技術的構成によれば、補強材は、横糸及び縦糸を備え、織られた解きほぐし支持体は、補強材の横糸及び/又は縦糸から形成される。
【0050】
例えば、補強材の解きほぐしを防止する解きほぐし支持体は、補強材の縦糸のいずれかの側の横糸の戻り、関連する横方向縁部の縦糸を取り囲む横糸の戻りによって形成される。換言すれば、この構成において、緯糸(filling)は、補強材によって形成されたリボンの両側に交互に挿入され、織りは、縦糸と横糸の織り交ぜによって行われる。
【0051】
「緯糸」は、製造時に幅方向において補強材の布を通過する、すべての織糸を指す。この場合において、補強材は、接合板に埋め込まれた後、コンベヤベルトに対して横方向に配置されることを意図したリボン形状で製造される。
【0052】
次に、「縦糸」は、布が製造されるときに布の長さ方向に走り、耳(selvage)に平行に、特に補強材の横方向縁部に平行であり、横糸と織り交ぜられて補強材を形成されるすべての織糸を指す。
【0053】
そのような解きほぐし支持体は、例えばレピア織機を使用してリボン形状で補強材を製造することを必要とする。このような解決策は、動作が遅いため、針織機を使用して製造するよりも確かに高価であるが、このような解きほぐし支持体で得られる補強材は、コンベヤベルト接合部への適用に適した強度及び優れた可撓性を提示する。
【0054】
使用中に補強材によって受ける力に照らして織りが動きすぎないようにするために、表面単位あたりの縦糸及び横糸の数を増やすことによって補強材を緻密化することが有利である。実際、補強材の織りのそのような緻密化は、使用中の縫い目の分散を制限し、改善された強度を可能にする。そのような状況において、補強材は、その密度、すなわち、表面単位あたりの縦糸及び横糸の数が、引張力に耐えるのに十分高いが、コンベヤベルト接合部での使用に適した、可撓性を有するのに十分に低いように構成されることが好ましい。
【0055】
そのような解きほぐし支持体の別の利点は、支持体が延在する、その横方向縁部で局所的に、補強材の過度の厚さを引き起こさないことである。
【0056】
別の構成において、解きほぐし支持体は、それ自体に接続された緯糸によって形成される。
【0057】
そのような解きほぐし支持体は、例えば、針織り織機を使用することによって補強材の製造中に得ることができる。
【0058】
別の有利な特徴によれば、織られた解きほぐし支持体は、少なくとも1つの象嵌糸から織られている。
【0059】
例えば、この場合において、解きほぐし支持体は、横方向縁部に沿って緯糸を結合する象嵌糸によって形成されている。
【0060】
そのような解きほぐし支持体は、例えば、針織り織機を使用することによって補強材の製造中に得ることができる。
【0061】
代替的に、解きほぐし支持体は、横糸に接続された象嵌糸と織り交ぜられた縦糸によって形成されることができる。そのような実施形態は、実施するのが比較的複雑であるが、引張力に適応する強度を有する。
【0062】
1つの有利な技術的構成において、横糸及び象嵌糸は、解きほぐし支持体を形成するように、共に縫い合わされている。
【0063】
そのような実施形態は、耳で厚すぎる存在が重要ではない用途のために最適化された縫い合わせ解除性を可能にする。
【0064】
1つの有利な技術的構成において、特に、改善された縫い合わせ解除性を確保しながら、耳(selvedge)に過度の厚さの存在を回避しながら一定の厚さを維持することが望まれる場合、解きほぐし支持体は、横糸が縫い合わせによって接続され、その縫い目も追加のブロッキング糸によってブロックされる象嵌糸を含む。
【0065】
このブロッキング糸は、象嵌糸の破損を克服することによって追加のセキュリティをさらに保証し、したがって、象嵌糸が破損した場合でも、補強材がほどけるか、又は縫い合わせ解除されるのを防ぐことができる。
【0066】
したがって、象嵌糸及びキャッチ糸は、比較的小さいサイズにも関わらず、高強度に寄与を表す。準じて、象嵌糸及びブロッキング糸は、補強材の0.5%未満を表し、一般に0.1~0.5%を表す。この比率は、支持体がこのサイズの関数として変化しない場合、その横方向縁部間の補強材のサイズの関数として変化する。その結果、その2つの横方向縁部間で考慮される、補強材の幅が広いほど、この比率は小さくなる。
【0067】
一実施形態によれば、象嵌糸及び/又はキャッチ糸は、合成繊維のベースで、例えば、ポリエステル又はポリアミドなどのポリマー(複数可)のベースで形成される。もちろん、他の材料は、織られるのに十分な可撓性があり、そのような用途に十分な弾力性がある、そのような用途において使用されることができる。例には、ケブラー、ベクトランを含む。
【0068】
好ましくは、象嵌糸及び/又はキャッチ糸は、織り目加工されており、これにより、特に、加硫ゴムなどの可撓性及び弾力性材料に補強材が埋め込まれるような使用において、解きほぐし支持体の強度をさらに改善することが可能になる。
【0069】
そのような象嵌糸は、補強材の製造において実施するのが特に簡単である。しかしながら、そのような象嵌糸が、このタイプの用途において、織物によって経験するかなりの力に照らして、経糸を保持し、補強材の解きほぐしを防ぐことに効果的に関与するという、受け入れられた考えに反する。
【0070】
最後に、出願人は、特に象嵌糸で、特にそれがブロッキング糸で完成したときに、そのような解きほぐし支持体が、この縁部にある補強材の解きほぐし及び時期尚早のコーミングを効果的に制限することを可能にするだけではなく、しかしまた、隣接する縦糸への連続的な影響によって間接的に、コンベヤベルト接合部のそのような適用の状況で補強材に加えられた力があったとしても、補強材を通過する各取付手段に影響を与える、この時期尚早のコーミングを制限することに留意した。
【0071】
本発明の他の特徴及び利点は、以下を説明する添付の図を参照して、例としてのみ提供される以下の記載を読むことから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】上から見た、一実施形態による接合デバイスの平面図である。
【
図2】接合デバイスの
図1のセクションA-Aに沿った縦断面図であり、その様々な構成要素を分解図で示している。
【
図3】コンベヤベルトの両端を接続する本発明の一実施形態による接合デバイスを示す斜視図である。
【
図4】一実施形態による接合デバイスを示す、縦断面図である。
【
図6】様々な実施形態による補強材の解きほぐし支持体の図である。
【
図7】様々な実施形態による補強材の解きほぐし支持体の図である。
【
図8】様々な実施形態による補強材の解きほぐし支持体の図である。
【
図9】様々な実施形態による補強材の解きほぐし支持体の図である。
【
図10】様々な実施形態による補強材の解きほぐし支持体の図である。
【
図11】様々な実施形態による補強材の解きほぐし支持体の図である。
【
図12】様々な実施形態による補強材の解きほぐし支持体の図である。
【0073】
これらすべての図において、同一又は類似の参照は、同一又は類似の部材又は部材のセットを指定する。
【発明を実施するための形態】
【0074】
追加的に、「上」、「下」、「垂直」という用語及びそれらの派生語は、要素の、又はコンポーネントの位置又は方向を指し、この位置又はこの方向は、接合板が使用構成にあり、水平面に延在するときに考慮される。
【0075】
接合デバイス1の平面上面図である、
図1は、接合デバイス1の上部接合板4を示している。
【0076】
接合デバイス1は、例えば、
図2に見られる第1の下部接合板4aと、第2の上部接合板4bとを備える。
【0077】
これらの接合板4a、4bは、可撓性及び弾力性材料6から、例えば加硫ゴムから、又はポリウレタンなどの合成材料から作製され、それらは、一般に織物タイプである、組み込まれた補強材7を含む。
【0078】
断面
図1A及び1Bは、織られて、横糸10及び経糸11を含む、織物タイプの2つのタイプの補強材7を示しており、補強材1Aにおいて、布は、その横糸10又はその縦糸11が、接合デバイス1の少なくともほぼ長手方向Xに向けられているように配置されている。
【0079】
慣例によって、接合デバイス1の長手方向Xは、本開示において、コンベヤベルト2の長手方向Xに対応し、接合デバイス1は、それが接続する、コンベヤベルト2の端部3に搭載されていることを思い出されたい。
【0080】
接合デバイス1の横方向Yは、同じ慣例によれば、長手方向Xに垂直な方向である。この慣例は、これらの2つの方向における接合デバイス1の実際の寸法に関係なく適用される。
【0081】
接合板4a、4bは、コンベヤベルト2が2つの接合板4a、4bの間に垂直に挿しはさまれるように、コンベヤベルト2の端部3の別個の側を覆うようにそれぞれ構成される(例えば、
図4に見られることができるように)。
【0082】
この
図1はまた、コンベヤベルト2への接合デバイス1の取付又は組立手段5の例を構成する、ねじ5のヘッド5aを示している。
【0083】
図1の接合デバイスは、上部接合板4bを形成する要素と、上部接合板4の下で、接続されるコンベヤベルト2の端部の縁部の、境界付ける、2つの真ん中ねじ5のいずれかの側に位置する2つの点線を除いて
図1には見えない、接合板4の真ん中部分の下に位置する中間要素40と、中間要素40の下及び上部接合板4bを形成する要素の下に位置する、
図1には見えない、下部接合板4aを形成する要素との3つの要素からなる。
【0084】
図2の分解セクションは、
取付手段5を形成する組立51と、
上部接合板4bと、
上部接合板4に組み込まれた挿入部60と
スペーサを形成し、垂直軸Zに沿って垂直に配置された、組み込まれた貫通軸受筒(bushing)を含む中間要素40と、
タップ付き挿入部70を含む下部接合板4aとを連続的に示している。
【0085】
ねじ51ヘッド5aを受容するように配置された挿入部60は、一般に、穴あきワッシャの穴に入ることを意図したねじ5のヘッド5aを収容することができる凹部を含む穴あきワッシャ61の形状をとる。中央挿入部60’は、一般に挿入部60のように見えるが、中央管状部分を含み、その内側円筒形表面は、対応するねじ5をほとんど遊びなく通過させることができるため、このねじは、挿入部60’にねじ込まれない。挿入部60’の中央管状部分は、上部接合板4の下面から突出している。
【0086】
挿入部70は、各々中央管状部分を含み、その内円筒面はめねじを有し、めねじにねじ込まれるねじ51を受容することができ、上記中央管状部品は、接合デバイス1の下部接合板4aの上面から突出している。下部板の真ん中挿入部70’は、挿入部70のように見える。
【0087】
前文で述べたように、出願人は最近、上記のこのタイプの製品を開発して、2つの下部及び上部接合板が類似又は同一でさえある接合デバイスを得て、単一タイプの接合板を製造することが可能になり、もはや2つの異なる接合板を製造することが可能でなくなった。
【0088】
このタイプの接合デバイス1の例は、
図3に示される。
【0089】
この
図3に示される接合デバイス1は、第1の下部接合板4aと、第2の上部接合板4bとを備える。
【0090】
接合板4a、4bは、コンベヤベルト2が2つの接合板4a、4bの間に垂直に挿しはさまれるように、コンベヤベルト2の端部3の別個の側を覆うように、各々構成される。
【0091】
接合板4a、4bは、コンベヤベルト2の第1の端部3aを挟む、第1の対のフランジ41と、コンベヤベルト2の第2の端部3bを挟む、第2の対のフランジ42とを形成する。
【0092】
ここで、取付手段は、第1の対のフランジ41を一方向に取り付け、第2の対のフランジ42を他の方向に取り付けるように分散されている。
【0093】
接合板4は、一般に、いくつかの連続する接合板の連続ベルト又はベルト部分に切断される。この開発によれば、その後、接合板の同じベルト又はベルト部分から、下部接合板及び対応する上部接合板を製造することが可能である。
【0094】
図4は、
図3と同様の実施形態による接合デバイス1を示す、縦断面図である。取付手段5が3列ではなく2列に延在し、コンベヤベルト2に対して横方向に延在するという点で、この実施形態とは大きく異なる。
【0095】
より具体的には、第1の対のフランジ41及び第2の対のフランジ42は、接合板4a、4bに垂直に延在する接合面Pのいずれかの側に、すなわち、ここで記載する例によるコンベヤベルトに対して垂直及び横方向の面において、配置される。
【0096】
接合面Pは、下部接合板4a及び上部接合板4bによって形成される組立部の中央に対して横方向に延在する。
【0097】
さらに、接合デバイス1は、コンベヤベルト2の第1の端部3a上に第1の対のフランジ41を取り付けるように提供される、第1のシリーズの取付手段5’と、コンベヤベルト2の第2の端部3b上に第2の対のフランジ42を取り付けるように提供される、第2のシリーズの取付手段5’’とを備える。
【0098】
第1のシリーズ及び第2のシリーズの取付手段5’、5’’は、各々、2列(
図3において3つ)の取付手段5を含み、各列は、横方向に等間隔に配列された、複数の取付手段5を含む。もちろん、この列の数は、異なり得る。
【0099】
図5は、取付手段5の一例の垂直面に沿った断面図であり、
図4において、より概略的に示されている。
【0100】
これらの取付手段5は、
コンベヤベルト2を通して、第1の取付要素60を第2の取付要素70と接続する接続要素51であって、この接続要素が、ヘッド5aからねじ山52を提供された据付セグメント5bを形成する本体まで垂直に延在するねじ51からなる、接続要素51と、
ねじ51ヘッド5aを受容するように配列され、接続要素51の通過のための穴が開けられ、関連するネジ51のヘッド5aを収容する凹部を形成する、このオリフィスの周りに座金を備える、ワッシャの形状をとる、第1の取付要素60と、
接合板4に少なくとも部分的に埋め込まれた軸受筒の形状をとっており、それが埋め込まれている接合板の材料への軸方向の据え付けを確実にする軸受筒70の本体70bに対して半径方向に突出する環状カラー70aを備えている、第2の取付要素70と、を備える。
【0101】
第1のシリーズの取付手段5’は、各々、第1の取付要素60と、第2の取付要素70と、コンベヤベルト2を通して、第2の取付要素70上に第1の取付要素60を接続する、垂直接続要素51とを備える。
【0102】
さらに、第2の取付要素70は、組み立て位置において、めねじで垂直穴70cを境界付け、2つの接合板4a、4bの間のコンベヤベルト2の端部に向けられた第1の接合板4の面から垂直に突出する、管状部分70bを備える。この垂直突起はまた、この面から垂直に突出する各管状部分40が加硫ゴムで覆われるように、接合板を形成する加硫材料で覆われ、したがって、関連する接合板に埋め込まれる。
【0103】
めねじ穴70cは、接続要素51の据付セグメント5bと協働する。
【0104】
したがって、第1のシリーズの取付手段5’は、コンベヤベルト2の第1の端部3a上に第1の対のフランジ41をクランプすることを可能にする。
【0105】
同様に、コンベヤベルト2の第2の端部3b上の第2の対のフランジ42をクランプすることを可能にする、第2のシリーズの取付手段5’’は、同一であるが、それらのレイアウトは逆である。
【0106】
実際、
図4を参照すると、第1のシリーズの各取付手段5’の第1の取り付け要素60は、上部接合板4bに搭載され、第2の取り付け要素70は、下部接合板4aに搭載されている。
【0107】
下部接合板4a及び上部接合板4bは、同一であり、それらは、垂直軸の周りの半回転によって角度的にオフセットされている。
【0108】
取付手段5のこの反転によると、接合板をコンベヤベルトの端部に取り付けることによって、オペレータによる接合板の搭載が大幅に簡素化されることを考えると、特に有利であり、取付手段5、特に接続要素51は、コンベヤベルトの同じ端部に対して同様の向きを有し、オペレータは、この同じ端部にこれらの接続要素を配置するために向きを変える必要はない。実際、第1及び第2の取り付け要素60、70の垂直方向の位置合わせは、接続手段51の、特にヘッド5aから本体に垂直に延在して、めねじ据付セグメント5bを形成するねじ山の方向を決定する。
【0109】
さらに、第1及び第2のシリーズ5’、5’’の取付手段5は、取付手段5を含まない接合面Pに実質的に垂直な真ん中ゾーンによって互いに長手方向に離間している、すなわち、このゾーンにおいて、接合デバイス1が、取付手段5を備えないことに留意されたい。これは、この位置における接合デバイス1の弾性を改善し、その機械的強度を改善する。実際、接合デバイス1の中央における取付デバイス5の列は、より少ない程度でブレーク開始を促進することができる。
【0110】
さらに、
図3及び
図4に示される接合デバイス1は、コンベヤベルトの両端の取り付けが互いに接触していることを確実にする。
【0111】
このような接合デバイスの設置のために、スペーサは、下部板と上部板との間で、搭載している間に使用され(これらの
図3及び4には示されていない)、コンベヤベルトの第1の端部が接合部に隣接して配置され、次に、これらのスペーサは、コンベヤベルトの第2の端部を配置する前に取り外される。
【0112】
これらの
図4及び
図5はまた、共に織り合わされた横糸10及び縦糸を含む織られた補強材7を示し、上記補強材7は、横方向縁部8によって、コンベヤベルト2に対して長手方向に、境界付けられている。
【0113】
これらの図において、補強材7、特に横糸10及び経糸11の糸は、接合板4に対して一定の縮尺で示されていないことに留意されたい。さらに、補強材7の図は、純粋に概略図であり、例えば、補強材7は、図面が示唆するように、取付手段5に対して垂直に切断されていないが、補強材の縫い合わせは、もちろん連続的であることが明確に理解される。
【0114】
実施される実施形態に関係なく、接合板は、すべてを損傷することなく駆動ローラ及び戻りローラを通過するのに十分な可撓性及び弾力性がなければならないが、それが経験する、すべての力に耐えるのに十分な剛性もなければならない、所定の伸張性を有する。
【0115】
この伸張性は、特に、上記補強材のコーティングを形成する材料6に埋め込まれた補強材7に依存し、この材料は、比較的可撓性及び弾力性があり、その結果、取付手段上のコンベヤベルト2によって加えられる使用中の引張力に対する抵抗は、補強材7によって支えられる。特に、これらの力は、接合デバイスの取付手段5の各々に分散され、配置される。
【0116】
しかしながら、これらの比較的重要で繰り返される引張力は、補強材7の境界に位置する取付手段5で、したがって対応する接合板4の境界で、これらの縫い目の広がり、したがって、補強材7の解きほぐしを引き起こす可能性があり、その完全性と強度に悪影響を与える可能性がある。
【0117】
接合デバイス、特に補強材7の良好な構造的強度を保証するため、上記補強材7は、コンベヤベルト2に関してその横方向縁部8で、接合デバイス1の使用中に、補強材7の解きほぐしを防止するように解きほぐし支持体9を有する。これらの図において、補強材7の2つの横方向縁部8は、互いに実質的に平行であり、使用位置においてコンベヤベルトの幅を通過する。
【0118】
そのような補強材7は、引張力を受ける、補強材7の解きほぐしを防止するという点で、明確な利点を提示する。
【0119】
さらに、このような構成の利点は、この利点だけにとどまらない。事実において、補強材7の横方向縁部8に沿って、境界上に配置された本発明による解きほぐし支持体9では、これにより、取付手段のすべての線にわたって引張力のより均一な分布が生じることが観察された。
【0120】
図6から
図12は、本発明による解きほぐし支持体の様々な実施形態のより詳細な図を提供する。
【0121】
図6は、縦糸11及び横糸10が織り合わされた織物補強材を示している。ここで形成される補強材、すなわち、縦糸11及び横糸10の織り合わせモードは、1:1の平織りであり、すなわち、横糸10は、縦糸11を越え、その後、下を交互に通過し、及びその逆である。
【0122】
補強材7は、接合デバイス1が組み立て位置にあるときに、コンベヤベルト2に関して横方向に延在する、横方向縁部8を形成する側面縁部のベルト又はリボンの形状をとる。
【0123】
補強材は、これらの側面縁部上に解きほぐし支持体9を有し、この支持体は、補強材7の横糸10から形成される。特に、解きほぐし支持体9は、補強材7の縦糸11のいずれかの側での横糸10の戻り、関連する横方向縁部8の縦糸11を取り囲む横糸10の戻りによって形成される。
【0124】
ベルト又はリボン形状における、そのような補強材は、例えば、レピア織機で得ることができる。換言すれば、そのような補強材を製造するときに、製造中に縦糸が2つに分離することから結果として生じる空間を指定する、杼口(shed)を通して形成される布の一端から他端に、糸巻きに格納された少量の横糸を輸送する要素を介して、緯糸を挿入するシステムは、このように形成された2つの層の間に織られている上記横糸の挿入を可能にする。
【0125】
このタイプの支持体は、繊維が補強材リボンに沿って連続しており、それらの完全性が維持されるという点で有利である。したがって、このように解きほぐし支持体9で得られた補強材7は、コンベヤベルト接合部2への適用に適した強度及び良好な可撓性を提示する。
【0126】
図7は、経糸11と横糸10が交互に織り合わされた織物補強材を示しており、横糸10は、1つおきに通過し、その後1つの経糸11の下を通過し、一方、経糸11は、通過し、その後2つの横糸10の下を通過する。
【0127】
そのような構成において、
図7における左側の、横方向縁部8で、補強材は、補強材7の横糸10によって、及び特に補強材7の縦糸11のいずれかの側にある横糸10の戻り、関連する横方向縁部8の縦糸11を取り囲む横糸10の戻りによって形成された、解きほぐし支持体9を有するように見える。
【0128】
縦糸11が1つおきに通過するので、2つの横糸10の下で、
図7の右側の他方の横方向縁部8の支持体9は、それ自体に接続された緯糸10によって形成されており、後半は、境界上に直接配置された周辺縦糸11を取り囲んでいない戻り又はループを形成し、ループは、横糸10の他の2列の次のループを織り方向に織り交ぜる2列の横糸10によって閉じられる。
【0129】
そのような補強材7は、例えば、ラッチ針などの針織り織機を使用することによって補強材7の製造中に得ることができ、後半は、
図7に見ることができる。
【0130】
この解きほぐし支持体9は、比較的細い緯糸の場合、及び太すぎが問題にならない場合に、特に適している。これは、製造が容易な解きほぐし支持体9である。
【0131】
図8は、
図8の右側にある、他の横方向縁部8での支持体9において、象嵌糸12によって接続されているフィラー、補強材の横糸10及び縦糸11とは異なり、象嵌糸12から織られているという点で、
図7に示される実施形態と本質的に異なる織物補強材7を示す。
【0132】
そのような解きほぐし支持体は、横方向縁部8に沿った耳の厚さの過厚を防ぐのに特に適している。実際、象嵌糸、又はキャッチ糸は、ほとんどの場合、細いモノフィラメントから作製され、ほとんど見えない結合縫い目を生み出す。さらに、最小の引張力に適している。
【0133】
図9は、前の実施形態と本質的に異なる別の実施形態を示しており、解きほぐし支持体9は、補強材7の横糸10及び経糸11とは別に、象嵌糸12から織られるだけでなく、横糸10及び象嵌糸12は、補強材7の対応する横方向縁部8に沿って延在する、解きほぐし支持体9を形成するように、共に縫い合わされる。
【0134】
そのような解きほぐし支持体9は、耳の太さは重要ではないが、解きほぐしやすさを最大にしなければならない場合、又は横糸が縫い目に引っ掛かることができる場合に、特に有利である。
【0135】
図10は、別の実施形態を示しており、解きほぐし支持体9は、前の実施形態と同様に象嵌糸12を含むが、横糸10は、縫い合わせによって接続され、その縫い目も、ブロッキング糸13によってさらにブロックされる。
【0136】
この解きほぐし支持体9は、最大の解きほぐしやすさを確保しながら、耳の厚さを回避しなければならない場合に、特に興味深いものである。この支持体9はまた、横糸とは独立して形成されるという利点を有する。
【0137】
図11は、織物補強材7を示しており、
図11の右側にある他の横方向縁部8の支持体9が象嵌糸12から織られているという点で、
図7に示した実施形態と本質的に異なる織物補強材7を示しており、補強材7の横糸10及び縦糸11とは異なり、象嵌糸12が横糸に接続された状態で縦糸11が織り合わされて解きほぐし支持体9が形成されている。
【0138】
特に、象嵌糸12は、横糸を完成させて、耳に対する象嵌糸12の結合距離Lにわたって補強材の縫い合わせを形成し、象嵌糸12はさらに横糸に結合される。
【0139】
図8の実施形態とは異なり、象嵌糸12に結合されるのは緯糸だけでなく、補強材7の耳に対して所定の距離にわたって縦糸11にも結合される。
【0140】
より一般に、またコンベヤベルトの使用の機能として、また、用途に関連する引張力の機能として補強材を適合させるために、解きほぐし支持体9は、異なる方法で構成することができる。例えば、他の代替的又は追加的実施形態において、解きほぐし支持体は、補強材7の横方向縁部8に沿って延在する継ぎ目14(例えば、鋸歯状)を形成するように、結合及び/又は溶接及び/又は縫製された支持体を備える。
【0141】
解きほぐし支持体9の別の代替的又は追加的例は、問題における横方向縁部での補強材の適切な処理に存し得、これは、化学処理、又は乾燥後に、横方向縁部を支持することを可能にする浸漬による支持製品の適用であり得る。
【0142】
これらのタイプの解きほぐし支持体は、構造上の理由から、例えば
図1の断面
図1Bに示すように、縦糸が横方向縁部に平行に配置されていない場合に、特に興味深いものである。
【0143】
この場合において、それらの強度をさらに改善するために、例えば、上記関連する横方向縁部をらせん状に囲むことによって、横方向縁部自体を縫い付けてそれを結合するように、象嵌糸12が追加される。
【0144】
図12は、補強材7を取り囲む材料から作製された接合板4を示しており、横方向縁部に沿って、この縁部と取付手段5の隣接する列との間で、継ぎ目が上記横方向縁部8に平行に延在する。
【0145】
本発明は、例として上に記載されている。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の異なる変形実施形態を製造することができることが理解される。
【0146】
例えば、採石場又は他の使用場所での慣行に従って様々な材料又は様々な製品を輸送する距離に照らして、同じコンベヤベルト又はコンベヤは、上で記載のように、接合デバイスによって共に接続された複数のコンベヤベルトの合体又は接合によって形成され得る。
【0147】
さらに、同じ機能を実行しながら、ねじ以外の取付手段を使用できることが理解される。
【0148】
最後に、補強材の縁部又は接合板に接続された「横方向」という用語は、接合デバイスがベルトの端部と組み立てられると、その幅を越えて交差しながら、コンベヤベルトの一方の側からもう一方の側に延在すると理解する必要がある。これは、本発明をコンベヤベルトに垂直な接合板の配置に限定するものではなく、接合デバイスは、長手方向軸に対して90°とは異なる角度を完全に有することができる。