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特許7418385プロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】プロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20240112BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20240112BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20240112BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G11/00
B60R16/02 623A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021202239
(22)【出願日】2021-12-14
(65)【公開番号】P2023087767
(43)【公開日】2023-06-26
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸次
(72)【発明者】
【氏名】土田 和弘
(72)【発明者】
【氏名】井口 杉之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓将
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 陸哉
(72)【発明者】
【氏名】柴田 友容
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-85876(JP,A)
【文献】特開2021-69149(JP,A)
【文献】特開2013-49402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 11/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を収容する収容空間を有するハウジング本体部と、
前記収容空間に収容される電線をハウジング本体部から外部へ案内する電線案内部と、
を有するハウジングを備え、
前記電線案内部は、
スライドレールに形成され、縦方向の縦幅が前記縦方向に対して直交する横方向の横幅よりも大きいレール形成空間に挿入される挿入部と、
前記挿入部に形成され、前記収容空間に収容された前記電線を前記レール形成空間に導出する開口部と、
を備え、
前記収容空間で収容される前記電線は、前記開口部を通じて前記レール形成空間に配策され、
前記レール形成空間に挿入される前記挿入部を挿入方向から視た場合、前記挿入部の前記挿入方向に対して直交するプロテクタ第1方向のプロテクタ第1幅は、前記横幅よりも狭く、かつ、前記縦幅よりも狭く、
前記挿入部を前記挿入方向から視た場合、前記挿入部の前記挿入方向および前記プロテクタ第1方向に対して直交するプロテクタ第2方向のプロテクタ第2幅は、前記横幅よりも狭く、かつ、前記縦幅よりも狭い、
ことを特徴とするプロテクタ。
【請求項2】
請求項1に記載のプロテクタと、
前記スライドレールと、
前記スライドレールに挿入されることで、前記スライドレールと前記挿入部との間に介在するアタッチメントと、
を備え、
前記アタッチメントは、アタッチメント第1方向において対向する一対の接触部を少なくとも有し、
各前記接触部は、前記アタッチメントが前記スライドレールに装着された状態で前記アタッチメント第1方向において、前記挿入部および前記スライドレールに接触する、
ことを特徴とするスライドレールに対するプロテクタの取付構造。
【請求項3】
前記スライドレールは、
前記横方向の中央に位置する中央空間と、
前記中央空間を挟んで前記横方向において対向する一対の前記レール形成空間と、
を備え、
前記中央空間は、少なくとも前記横方向において対向する一対の対向端部によって構成され、
一対の前記レール形成空間は、少なくとも一対の前記対向端部および前記横方向に延在するレール基部によって構成され、
前記中央空間と各前記レール形成空間とは、前記縦方向において前記対向端部と前記レール基部との間に形成されたレール開口部を通じて連通し、
一対の接触部は、前記アタッチメント第1方向における一方側に位置する第1接触部と、前記アタッチメント第1方向における他方側に位置する第2接触部と、を有し、
前記第1接触部のアタッチメント第2方向のアタッチメント第1幅は、前記横幅よりも広く、
前記第1接触部の前記アタッチメント第2方向における両端部のうち、一方側の端部は、前記第2接触部の前記アタッチメント第2方向における両端部のうち、一方側の端部よりも、前記アタッチメント第2方向外側に突出し、
前記第2接触部は、前記レール形成空間に位置し、
前記第1接触部は、前記アタッチメント第2方向における両端部のうち、他方側の端部が前記レール形成空間に位置し、かつ、前記一方側の端部が少なくとも前記レール開口部よりも前記中央空間側に突出する、
請求項2に記載のスライドレールに対するプロテクタの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の車両は、スライドレールの延在方向に沿ってスライド移動可能に支持されるスライドシートが搭載される。当該車両は、スライドシートに電装部品が設けられる場合、車両に搭載されたバッテリ等の電源から電装部品に電力を供給する給電装置が設けられる。給電装置は、電源とスライドシートに設けられた電装部品とを電気的に接続する電線と、電線を保護するプロテクタとを含む(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなプロテクタは、車両に搭載される他の装置に応じて、配置状態が変更されるため、搭載される車両に対応した形状毎にそれぞれ形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-136811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のプロテクタは、搭載される車両に対応した形状毎にそれぞれ形成されるため、汎用性向上の点でさらなる改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、汎用性の高いプロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係るプロテクタは、電線を収容する収容空間を有するハウジング本体部と、前記収容空間に収容される電線をハウジング本体部から外部へ案内する電線案内部と、を有するハウジングを備え、前記電線案内部は、スライドレールに形成され、縦方向の縦幅が前記縦方向に対して直交する横方向の横幅よりも大きいレール形成空間に挿入される挿入部と、前記挿入部に形成され、前記収容空間に収容された前記電線を前記レール形成空間に導出する開口部と、を備え、前記収容空間で収容される前記電線は、前記開口部を通じて前記レール形成空間に配策され、前記レール形成空間に挿入される前記挿入部を挿入方向から視た場合、前記挿入部の前記挿入方向に対して直交するプロテクタ第1方向のプロテクタ第1幅は、前記横幅よりも狭く、かつ、前記縦幅よりも狭く、前記挿入部を前記挿入方向から視た場合、前記挿入部の前記挿入方向および前記プロテクタ第1方向に対して直交するプロテクタ第2方向のプロテクタ第2幅は、前記横幅よりも狭く、かつ、前記縦幅よりも狭い、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本実施形態に係るプロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造は、上記構成を有するため、汎用性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本実施形態に係るプロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造を備える給電装置において、プロテクタを縦置配置状態とした給電装置の側面図である。
図2図2は、スライドレールに取り付けられた図1に示すプロテクタを挿入方向から視た正面図である。
図3図3は、プロテクタにおける第1電線案内部の挿入部および開口部を示す斜視図である。
図4図4は、本実施形態に係るスライドレールに対するプロテクタの取付構造が備えるアタッチメントの斜視図である。
図5図5は、本実施形態に係るプロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造を備える給電装置において、プロテクタを横置配置状態とした給電装置の側面図である。
図6図6は、スライドレールに取り付けられた図5に示すプロテクタを挿入方向から視た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係るプロテクタおよびスライドレールに対するプロテクタの取付構造の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0011】
[実施形態]
図1は、本実施形態に係るプロテクタ1およびスライドレールに対するプロテクタの取付構造を備える給電装置100において、プロテクタ1を縦置配置状態とした給電装置100の側面図である。図2は、スライドレール102aに取り付けられた図1に示すプロテクタ1を挿入方向X1から視た正面図である。図3は、プロテクタ1における第1電線案内部21の挿入部211および開口部212を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係るスライドレールに対するプロテクタの取付構造が備えるアタッチメント4の斜視図である。
【0012】
なお、図1および図2において、スライドレール102aにプロテクタ1を取り付ける際、スライドレール102aの縦方向Zと、プロテクタ1のプロテクタ第1方向およびアタッチメント4のアタッチメント第1方向とが合致する。また、図1および図2において、スライドレール102aにプロテクタ1を取り付ける際、スライドレール102aの横方向Yと、プロテクタ1のプロテクタ第2方向およびアタッチメント4のアタッチメント第2方向とが合致する。
【0013】
本実施形態に係るプロテクタ1は、図1に示すように、車両に搭載された電源103から、スライドシート101に設けられた電装部品104に電力を供給する給電装置100に用いられる。給電装置100は、スライドシート101と、スライド機構102と、電源103と、電装部品104と、電線Wと、プロテクタ1とを備える。
【0014】
プロテクタ1における挿入方向X1は、給電装置100におけるスライドシート101の延在方向に含まれる。なお、スライド方向である挿入方向X1は、例えば、給電装置100が車体に固定された状態で、車両の後方向に沿う。
【0015】
スライドシート101は、車両の搭乗者がすわる席である。スライドシート101は、スライド機構102を介して車体に取り付けてあり、かつ、スライド機構102によって、スライドレール102aの延在方向であるスライド方向(挿入方向X1)に沿って移動可能である。
【0016】
スライド機構102は、車体に固定されるスライドレール102aと、スライドレール102aに対してスライド方向へ移動可能なスライド部材102bと、を有し、車体に対してスライドシート101をスライド方向(挿入方向X1)へ移動させるための機構である。また、スライド機構102は、スライドシート101がスライド方向と直交する横方向Yへ移動することを規制する。
【0017】
スライドレール102aは、例えば、鉄、ステンレス等の金属材料により形成され、車体に固定され、スライド方向に沿って延在する。本実施形態のスライドレール102aは、図2に示すように、横方向Yの中央に位置する中央空間102cと、横方向Yにおいて中央空間102cを挟んで対向する一対のレール形成空間102sとを備える。本実施形態に係る各レール形成空間102sは、挿入方向X1から視た場合、長方形に形成される。レール形成空間102sは、横方向Yに対して並列に配置される。より具体的に説明すると、横方向Yの一方側に第1レール形成空間102s1が配置され、横方向Yの他方側に第2レール形成空間102s2が配置される。
【0018】
スライドレール102aは、レール基部1021と、一対の横方向延在部1022と、一対の対向端部1023と、一対の縦方向延在部1024と、を有する。
【0019】
レール基部1021は、横方向Yに延在する。一対の横方向延在部1022は、横方向Yにおいて間隔をあけて配置される。各横方向延在部1022は、横方向Yに延在し、かつ、縦方向Zにおいてレール基部1021に対向する。
【0020】
一対の対向端部1023は、横方向Yにおいて、中央空間102cを挟んで横方向Yにおいて対向する。各対向端部1023は、縦方向Zに延在する。そして、一対の対向端部1023は、横方向Yにおいて離隔して配置される。また、各対向端部1023は、縦方向Zの一方側の端部が横方向延在部1022に連結され、かつ、縦方向Zの他方側の端部が、レール基部1021に対して間隔をあけて配置される。
【0021】
一対の縦方向延在部1024は、横方向Yにおいて間隔をあけて配置される。各縦方向延在部1024は、縦方向Zに延在し、かつ、横方向Yにおいて対向端部1023に対向する。
【0022】
そして、各レール形成空間102sは、レール基部1021と、一対の横方向延在部1022のうち、横方向Yにおけるいずれか一方の横方向延在部1022と、一対の対向端部1023のうち、横方向Yにおけるいずれか一方の対向端部1023と、一対の縦方向延在部1024のうち、横方向Yにおけるいずれか一方の縦方向延在部1024によって形成される。
【0023】
中央空間102cは、横方向Yにおいて対向する一対の対向端部1023によって構成される。一対のレール形成空間102sは、横方向Yにおいて対向する一対の対向端部1023によって構成される。一対のレール形成空間102sは、一対の対向端部1023および横方向Yに延在するレール基部1021によって構成される。より具体的に説明すると、一対のレール形成空間102sは、レール基部1021、一対の対向端部1023、一対の横方向延在部1022、および、一対の縦方向延在部1024によって形成される。
【0024】
そして、中央空間102cおよび各レール形成空間102sは、縦方向Zにおいて対向端部1023とレール基部1021との間に形成されたレール開口部1021hを通じて連通する。
【0025】
また、各レール形成空間102sは、スライド方向の両端において外部に連通するレール開口部102hをそれぞれ有し、いずれか一方のレール開口部102hを介してスライド部材102bの後述するローラがレール形成空間102sに挿入される。
【0026】
スライド部材102bは、スライドシート101に固定され、横方向Yに対向して配置された一対のローラ(不図示)を挿入方向X1に2組有する。そして、スライド部材102bは、複数のローラがスライドレール102aのレール形成空間102sで回転することによって、スライドレール102aに対してスライド方向へ移動可能である。
【0027】
電源103は、例えば、バッテリまたはオルタネータ等であって、電線Wを介して電装部品104に電力を供給する。
【0028】
電装部品104は、例えば、シートヒータ、スピーカ、液晶モニタ等である。電装部品104は、スライドシート101に設けられたコネクタ104aを介して電源103に対して電気的に接続される。
【0029】
電線Wは、コネクタ104aを介して電源103と電装部品104とを電気的に接続する。電線Wは、導電性の芯材と、芯材を被覆する絶縁性の被覆部とを備える。電線Wの両端は、プロテクタ1に形成された一対の挿通開口部から外部に導出される。そして、本実施形態に係る電線Wは、当該電線Wの一部を折り曲げて形成した折り曲げ部Wrと、折り曲げ部Wrから延在する一方側と、折り曲げ部Wrから延在する他方側とを有する。電線Wは、少なくとも折り曲げ部Wrを含む一部が、プロテクタ1の収容空間20sに収容される。電線Wの一方側は、車両に搭載された電源103に対して電気的に接続される。電線Wの他方側は、コネクタ104aを介して電装部品104に対して電気的に接続される。
【0030】
プロテクタ1は、例えば、絶縁性を有する合成樹脂によって形成されて車体に固定される。そして、プロテクタ1は、電線Wの一部を内部に収容して当該電線Wを保護する。より具体的に説明すると、プロテクタ1は、スライドシート101に設けられた電装部品104に電力を供給する給電装置100に用いられ、電源103と電装部品104とを電気的に接続する電線Wを保護する。そして、プロテクタ1は、ケース2aとカバー2bとによって構成されるハウジング2を備える。
【0031】
ケース2aは、プロテクタ第2方向においてカバー2bに対向する。言い換えると、カバー2bは、プロテクタ第2方向においてケース2aに対向する。また、ケース2aおよびカバー2bには、ケース2aにカバー2bを係止する係止構造2cが設けられる(図2参照)。係止構造2cは、ケース2aの外縁およびカバー2bの外縁に沿って間隔をあけて配置される。そして、係止構造2cは、ケース2aまたはカバー2bのいずれか一方に設けられる係止爪2c1と、係止爪2c1に対して係止可能な係止受け部2c2とで構成される。本実施形態に係るプロテクタ1は、係止爪2c1をカバー2bに設ける一方、係止受け部2c2をケース2aに設ける。
【0032】
ハウジング2は、挿入方向X1に延在して形成される。ハウジング2は、ハウジング本体部20と、電線案内部21、22と、を備える。
【0033】
ハウジング本体部20は、電線Wを収容する収容空間20sを有する。本実施形態に係る収容空間20sは、電線Wの一部を折り曲げて形成された折り曲げ部Wrを少なくとも収容し、かつ、当該折り曲げ部Wrが挿入方向X1に沿って移動可能である。
【0034】
本実施形態に係る電線案内部21、22は、折り曲げ部Wrから電装部品104へ向けて延在する電線Wを案内する第1電線案内部21と、折り曲げ部Wrから電源103へ向けて延在する電線Wを案内する第2電線案内部22と、を備える。
【0035】
第2電線案内部22は、折り曲げ部Wrから延在する電線Wの他方側を案内する。そして、第2電線案内部22は、プロテクタ第2方向(横方向Y)の一方から視た場合、図1に示すように、ハウジング本体部20に対して反対方向X2側へ突出した後、プロテクタ第1方向(縦方向Z)の一方側へ向けて折れ曲がる。また、第2電線案内部22は、ハウジング本体部20の反対方向X2側に隣接して配置される。つまり、第2電線案内部22は、ハウジング本体部20に対して車両の前方側に隣接して配置される。
【0036】
また、第2電線案内部22は、プロテクタ第2方向(横方向Y)から視た場合、第1電線案内部21に対して交差する。そして、横方向Yから視た場合、第2電線案内部22が第1電線案内部21に交差することによって、折り曲げ部Wrから延在する電線Wの一方側は、折り曲げ部Wrから延在する電線Wの他方側に対して横方向Yから視た場合交差する。
【0037】
第1電線案内部21は、折り曲げ部Wrから延在する電線Wの一方側を案内する。そして、第1電線案内部21は、プロテクタ第2方向(横方向Y)の一方から視た場合、ハウジング本体部20に対して反対方向X2側へ突出する。その後、第1電線案内部21は、プロテクタ第1方向(縦方向Z)の他方側へ向けて折れ曲がった後、挿入方向X1側へ向けて折れ曲がる。また、第1電線案内部21は、ハウジング本体部20の反対方向X2側に間隔をあけて配置される。
【0038】
第1電線案内部21は、図3に示すように、挿入部211と、開口部212と、挟持部213と、鍔部214とを備える。そして、挿入部211、開口部212、挟持部213、および、鍔部214は、第1電線案内部21の先端側に設けられる。
【0039】
挿入部211は、スライドレール102aに形成されたレール形成空間102sに挿入される部分である。挿入部211は、プロテクタ第1方向において対向する一対の第1挿入部対向壁211aと、プロテクタ第2方向において対向する一対の第2挿入部対向壁211bと、を備える。本実施形態に係る挿入部211は、挿入方向X1から視た場合、各筒状に形成される。そして、一対の第1挿入部対向壁211aと、一対の第2挿入部対向壁211bとによって形成される挿入部211の外面における縁形状は、挿入方向X1から視た場合、正方形である。その上、挿入部211の外面は、レール形成空間102s側のスライドレール102aの内面に接触する。
【0040】
挿入部211を挿入方向X1から視た場合、プロテクタ第1方向のプロテクタ第1幅211zは、レール形成空間102sの横幅102yよりも狭く、かつ、レール形成空間102sの縦幅102zよりも狭い。
【0041】
挿入部211を挿入方向X1から視た場合、プロテクタ第2方向のプロテクタ第2幅211yは、レール形成空間102sの横幅102yよりも狭く、かつ、レール形成空間102sの縦幅102zよりも狭い。
【0042】
また、一対の第1挿入部対向壁211aのうちいずれか一方の第1挿入部対向壁211aは、プロテクタ第1方向において、第1挟持部対向壁213aに向けて突出する複数の第1挿入部突出片211c1が設けられる。第1挿入部突出片211cは、後述するように、スライドレール102aにプロテクタ1が取り付けられた取付状態において、アタッチメント4の内面に接触する。より具体的に説明すると、第1挿入部突出片211cは、取付状態において、後述するアタッチメント4の第1接触部41aの内面に接触する(図2図3参照)。本実施形態において、第1挿入部対向壁211aは、2つの第1挿入部突出片211c1を有する。また、2つの第1挿入部突出片211c1は、プロテクタ第1方向において、間隔をあけて配置される。
【0043】
さらに、一対の第2挿入部対向壁211bのうちいずれか一方の第2挿入部対向壁211bは、プロテクタ第2方向において、第2挟持部対向壁213bに向けて突出する複数の第2挿入部突出片211c2が設けられる。第2挿入部突出片211c2は、取付状態において、スライドレール102aの内面に接触する。より具体的に説明すると、第2挿入部突出片211c2は、取付状態において、スライドレール102aの対向端部1023の内面に接触する(図2図3参照)。本実施形態において、第2挿入部対向壁211bは、2つの第2挿入部突出片211c2を有する。また、2つの第2挿入部突出片211c2は、プロテクタ第2方向において、間隔をあけて配置される。
【0044】
開口部212は、一対の第1挿入部対向壁211aの内面と、一対の第2挿入部対向壁211bの内面とによって形成され、挿入方向X1から視た場合、正方形である。そして、開口部212は、第1電線案内部21を介して、ハウジング2の収容空間2sと、スライドレール102aのレール形成空間102sとを連通する。
【0045】
挟持部213は、挿入方向X1から視て挿入部211の外側に設けられる。本実施形態の挟持部213は、後述する面取り部213dを除いた各対向壁213a、213bが、挿入部211の対向壁211a、211bの外側に同一の間隔をあけて配置される。挟持部213は、プロテクタ第1方向において対向する一対の第1挟持部対向壁213aと、プロテクタ第2方向において対向する一対の第2挟持部対向壁213bと、を備える。そして、各第1挟持部対向壁213aは、プロテクタ第1方向において、各第1挿入部対向壁211aに対向する。また、各第2挟持部対向壁213bは、プロテクタ第2方向において、各第2挿入部対向壁211bに対向する。
【0046】
挟持部213は、挿入方向X1から視た場合、挿入部211に対して開口部212の外側に設けられ、スライドレール102aに対してプロテクタ1が組み付けられた状態では、スライドレール102aの外面に接触する。そして、挟持部213は、スライドレール102aに対してプロテクタ1が組み付けられた状態では、挿入部211と協働してスライドレール102aを挟持する。
【0047】
挟持部213において、挿入方向X1から視た場合、一対の第1挟持部対向壁213aと、一対の第2挟持部対向壁213bとが連結される4角のうち、3つの角には面取り部213dが形成される一方、残りの1つの角には、切欠き部213eが形成される。そして、挟持部213の切欠き部213eは、挿入部211と挟持部213とで構成される挟持空間213sと外部とを連通する。そして、後述するように、スライドレール102aにプロテクタ1が取り付けられる際、図2に示すように、当該挟持空間213sにスライドレール102aの反対方向X2側の端部が挿入され、かつ、切欠き部213eにレール基部1021が挿通される。
【0048】
また、一対の第1挟持部対向壁213aのうちいずれか一方の第1挟持部対向壁213aは、プロテクタ第1方向において、第1挿入部対向壁211aに向けて突出する複数の第1挟持部突出片213c1が設けられる。第1挟持部突出片213c1は、取付状態において、スライドレール102aの外面に接触する。より具体的に説明すると、第1挟持部突出片213c1は、取付状態において、スライドレール102aの横方向延在部1022の内面に接触する(図2図3参照)。本実施形態において、第1挟持部対向壁213aは、2つの第1挟持部突出片213c1を有する。また、2つの第1挟持部突出片213c1は、プロテクタ第2方向において、間隔をあけて配置される。
【0049】
さらに、一対の第2挟持部対向壁213bのうちいずれか一方の第2挟持部対向壁213bは、プロテクタ第2方向において、第2挿入部対向壁211bに向けて突出する複数の第2挟持部突出片213c2が設けられる。第2挟持部突出片213c2は、取付状態において、スライドレール102aおよびアタッチメント4に対して非接触の状態である。本実施形態において、第2挟持部対向壁213bは、2つの第2挟持部突出片213c2を有する。また、2つの第2挟持部突出片213c2は、プロテクタ第1方向において、間隔をあけて配置される。
【0050】
鍔部214は、各第1挟持部対向壁213aの反対方向X2側の端部と、各第1挿入部対向壁211aの反対方向X2側の端部とを連結し、かつ、各第2挟持部対向壁213bの反対方向X2側の端部と、各第2挿入部対向壁211bの反対方向X2側の端部とを連結する。
【0051】
鍔部214は、挿入方向X1に対して直交する平面に対して平行な接触面214fを有する板状に形成される。そして、当該接触面214fは、スライドレール102aに対してプロテクタ1が組み付けられる際、スライドレール102aにおける反対方向X2側の端面に押し当てられる。次に、アタッチメント4について説明する。
【0052】
アタッチメント4は、接触部41と、連結部42と、アタッチメント鍔部43と、を備える。接触部41は、アタッチメント第1方向において対向するように一対、アタッチメント4に設けられる。つまり、アタッチメント4は、少なくともアタッチメント第1方向において対向する一対の接触部41を有する。連結部42は、接触部41におけるアタッチメント第1方向の端部をアタッチメント第2方向において連結する。アタッチメント鍔部43は、接触部41および連結部42の反対方向X2側の端部に設けられ、取付状態において、スライドレール102aの反対方向X2側に位置する端面に接触する。そして、アタッチメント4は、挿入方向X1から視た場合、C字状に形成され、接触部41と連結部42とによって、アタッチメント収容空間4sが形成される。アタッチメント4は、スライドレール102aに挿入されることで、スライドレール102aと挿入部211との間に介在する。各接触部41は、アタッチメント4がスライドレール102aに装着された状態でアタッチメント第1方向において、接触部41およびスライドレール102aに接触する。
【0053】
一対の接触部41は、アタッチメント第1方向における一方側に位置する第1接触部41aと、アタッチメント第1方向における他方側に位置する第2接触部41bと、を有する。
【0054】
第1接触部41aのアタッチメント第2方向のアタッチメント第1幅41ayは、レール形成空間102sの横幅102yよりも広い。一方、第2接触部41bのアタッチメント第2方向のアタッチメント第1幅41byは、レール形成空間102sの横幅102yよりも狭い。また、第1接触部41aのアタッチメント第2方向における両端部41a1、41a2のうち、一方側の端部41a1は、第2接触部41bのアタッチメント第2方向における両端部41b1、41b2のうち、一方側の端部41b1よりも、アタッチメント第2方向外側に突出する。その上、連結部42のアタッチメント第1方向におけるアタッチメント第2幅4zは、レール形成空間102sの縦幅102zよりも狭い。これらの構成により、アタッチメント4において、第1接触部41a、第2接触部41b、および、連結部42は、第1接触部41aの一方側の端部41a1を除いてレール形成空間102sに収容される。
【0055】
また、第2接触部41bは、アタッチメント第1方向において、アタッチメント収容空間4sに対する反対側へ向けて突出する複数のアタッチメント突出片411が設けられる。アタッチメント突出片411は、取付状態において、スライドレール102aの内面に接触する。より具体的に説明すると、アタッチメント突出片411は、取付状態において、スライドレール102aの横方向延在部1022の内面に接触する(図2図3参照)。本実施形態において、第2接触部41bは、2つのアタッチメント突出片411を有する。また、2つのアタッチメント突出片411は、アタッチメント第2方向において、間隔をあけて配置される。
【0056】
また、アタッチメント4は、アタッチメント収容空間4sと外部とを連通するアタッチメント開口部4hを有する。アタッチメント開口部4hは、アタッチメント第1方向において、第1接触部41aの一方側の端部41a1と、第2接触部41bの一方側の端部41b1との間に形成される。
【0057】
そして、アタッチメント4をスライドレール102aに取り付けた取付状態において、第2接触部41bは、取付状態において、レール形成空間102sに位置する。第1接触部41aは、取付状態において、アタッチメント第2方向における両端部41a1、41a2のうち、他方側の端部41a2がレール形成空間102sに位置し、かつ、一方側の端部41a1が少なくともレール開口部102hよりも中央空間102c側に突出する。
【0058】
次に、上記したプロテクタ1およびアタッチメント4のスライドレール102aに対する取り付けについて説明する。なお、以下に説明する例においては、作業者は、スライドレール102aにおいて、横方向Yの一方側に形成された第1レール形成空間102s1に挿入部211を挿入するものとして説明する。つまり、以下の説明において、第1レール形成空間102s1は、予め設定された挿入部211が挿入されるレール形成空間102sである。作業者は、最初に、電線Wの一部を折り曲げて折り曲げ部Wrを形成し、当該折り曲げ部Wrを収容空間2sに収容する。
【0059】
次に、作業者は、電線Wを第1電線案内部21および第2電線案内部22に配索した後、係止構造2cによってケース2aにカバー2bを取り付ける。
【0060】
次いで、電装部品104に対して接続される電線Wの一方側を、開口部212から導出し、スライドレール102aのレール形成空間102sに配索する。
【0061】
次に、作業者は、アタッチメント4に対してアタッチメント開口部4hを通じて電線Wをアタッチメント収容空間4sに収容する。
【0062】
次いで、作業者は、アタッチメント第1方向を、スライドレール102aの縦方向Zに合致させ、かつ、アタッチメント第2方向を、スライドレール102aの横方向Yに合致させた状態で、アタッチメント4をスライドレール102aの反対方向X2側の端部に取り付ける。
【0063】
次に、作業者は、プロテクタ第1方向を、スライドレール102aの縦方向Zに合致させ、かつ、プロテクタ第2方向を、スライドレール102aの横方向Yに合致させた状態で、プロテクタ1をスライドレール102aの反対方向X2側の端部に取り付ける。より具体的に説明すると、スライドレール102aに対してプロテクタ1を挿入方向X1へ移動し、スライドレール102aの反対方向X2側の端部を、プロテクタ1の挟持空間213sに挿入した後、プロテクタ1の鍔部214における接触面214fと、スライドレール102aの反対方向X2側の端面とを接触させる。それと同時に、作業者は、挿入部211と挟持部213とで、スライドレール102aの反対方向X2側の端部を挟持させ、スライドレール102aにプロテクタ1を取り付ける。
【0064】
スライドレール102aにプロテクタ1およびアタッチメント4が取り付けられた取付状態の縦方向Zにおいて、挿入部211の各第1挿入部対向壁211aは、アタッチメント4の接触部41a、41bにそれぞれ接触する。一対の第2挿入部対向壁211bのうち、横方向Yの中央側の第2挿入部対向壁211bは、縦方向Zにおいて、スライドレール102aの対向端部1023に接触する。一対の第2挿入部対向壁211bのうち、横方向Yの外側の第2挿入部対向壁211bは、横方向Yにおいて、アタッチメント4の連結部42に接触する。
【0065】
次に、同一のプロテクタ1を、設定が異なる他の車両に搭載する場合について、図5および図6を用いて説明する。図5は、本実施形態に係るプロテクタ1およびスライドレールに対するプロテクタの取付構造を備える給電装置100において、プロテクタ1を横置配置状態とした給電装置100の側面図である。図6は、スライドレール102aに取り付けられた図5に示すプロテクタ1を挿入方向X1から視た正面図である。なお、以下に説明する例においては、作業者は、スライドレール102aにおいて、横方向Yの他方側に形成された第2レール形成空間102s2に挿入部211を挿入するものとして説明する。つまり、以下の説明において、第2レール形成空間102s2は、予め設定された挿入部211が挿入されるレール形成空間102sである。
【0066】
図5および図6に示すように、作業者は、スライドレール102aの縦方向Zと、プロテクタ1のプロテクタ第2方向とを合致させる。その上、図5および図6において示すように、作業者は、スライドレール102aの横方向Yと、プロテクタ1のプロテクタ第1方向とを合致させる。また、この車両において、横方向Yにおいて対向する一対のレール形成空間102sにおいて、挿入部211を、図5図6中、左側のレール形成空間102sに挿入部211を挿入する。このため、当該車両のスライドレール102aにプロテクタ1を取り付ける場合、図3に示すアタッチメント第2方向の中央に位置する中央線に関して線対称に形成された異なるアタッチメント4Aを用いる。図5図6に示すアタッチメント4Aは、アタッチメント第2方向の中央に位置する中央線に対してアタッチメント4と線対称に形成されている点を除いて、アタッチメント4と同一に形成される。そのため、アタッチメント4Aの構成において、アタッチメント4の構成と同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
作業者は、上記と同様にして電線Wをハウジング2の収容空間2sに収容し、その後、電線案内部21、22に電線Wを配索した後、係止構造2cによってケース2aにカバー2bを取り付ける。
【0068】
次いで、電装部品104に対して接続される電線Wの一方側を、開口部212から導出し、スライドレール102aのレール形成空間102sに配索する。
【0069】
次に、作業者は、アタッチメント4Aに対してアタッチメント開口部4hを通じて電線Wをアタッチメント収容空間4sに収容する。
【0070】
次いで、作業者は、アタッチメント第1方向を、スライドレール102aの縦方向Zに合致させ、かつ、アタッチメント第2方向を、スライドレール102aの横方向Yに合致させた状態で、アタッチメント4Aをスライドレール102aの反対方向X2側の端部に取り付ける。
【0071】
次に、作業者は、プロテクタ第2方向を、スライドレール102aの縦方向Zに合致させ、かつ、プロテクタ第1方向を、スライドレール102aの横方向Yに合致させた状態で、プロテクタ1をスライドレール102aの反対方向X2側の端部に取り付ける。
【0072】
スライドレール102aにプロテクタ1およびアタッチメント4Aが取り付けられた取付状態の縦方向Zにおいて、挿入部211の各第2挿入部対向壁211bは、アタッチメント4の接触部41a、41bにそれぞれ接触する。一対の第1挿入部対向壁211aのうち、横方向Yの中央側の第1挿入部対向壁211aは、横方向Yにおいて、スライドレール102aの対向端部1023に接触する。一対の第1挿入部対向壁211aのうち、横方向Yの外側の第1挿入部対向壁211aは、横方向Yにおいて、アタッチメント4の連結部42に接触する。
【0073】
本実施形態に係るプロテクタ1は、以下の構成を有する。挿入部211を挿入方向X1から視た場合、挿入部211の挿入方向X1に対して直交するプロテクタ第1方向のプロテクタ第1幅211zは、レール形成空間102sの横幅102yよりも狭く、かつ、レール形成空間102sの縦幅102zよりも狭い。そのため、本実施形態に係るプロテクタ1は、挿入部211のプロテクタ第1方向のプロテクタ第1幅211zをレール形成空間102sの横幅102yに合致させた縦置配置状態でレール形成空間102sに挿入部211を挿入することができる。その上、本実施形態に係るプロテクタ1は、以下の構成を有する。挿入部211を挿入方向X1から視た場合、プロテクタ第2方向のプロテクタ第2幅211yは、レール形成空間102sの横幅102yよりも狭く、かつ、レール形成空間102sの縦幅102zよりも狭い。そのため、本実施形態に係るプロテクタ1は、挿入部211のプロテクタ第2方向のプロテクタ第2幅211yをレール形成空間102sの横幅102yに合致させた横置配置状態でレール形成空間102sに挿入部211を挿入することができる。つまり、本実施形態に係るプロテクタ1は、挿入部211のプロテクタ第1方向のプロテクタ第1幅211zをレール形成空間102sの横幅102yに合致させた縦置配置状態でも、挿入部211のプロテクタ第2方向のプロテクタ第2幅211yをレール形成空間102sの横幅102yに合致させた横置配置状態でもレール形成空間102sに挿入部211を挿入することができる。従って、本実施形態に係るプロテクタ1は、車両の設定に対応して配置状態を変更することができるため、設定が異なる車両に対して同一のプロテクタ1を使用することができる。従って、本実施形態に係るプロテクタ1は、搭載する車両に対応してそれぞれ形成する必要がないため、汎用性を向上することができる。これらによって、本実施形態に係るプロテクタ1は、ケース2aおよびカバー2bを形成する金型の量を削減することができるため、コストを安価にできる。その上、本実施形態に係るプロテクタ1は、ケース2aにカバー2bを組み立てる装置の量を削減することができるため、設備費を安価にすることができる。
【0074】
本実施形態に係るスライドレールに対するプロテクタの取付構造は、以下の構成を有する。アタッチメント4は、アタッチメント第1方向において対向する一対の接触部41を有し、各接触部41は、アタッチメント4がスライドレール102aに装着された状態でアタッチメント第1方向において、挿入部211およびスライドレール102aに接触する。レール形成空間102sは、縦方向Zの縦幅102zが横方向Yの横幅102yよりも大きいため、横方向Yにおける挿入部211とスライドレール102aとの間の隙間よりも、縦方向Zにおける挿入部211とスライドレール102aとの間の隙間が大きい。本実施形態に係るスライドレール102aに対するプロテクタの取付構造は、縦方向Zにおいて、挿入部211とスライドレール102aとの間にアタッチメント4の接触部41が位置するため、アタッチメント4によってレール形成空間102sの内部を挿入部211が移動することを規制することができる。その結果、本実施形態に係るスライドレール102aに対するプロテクタの取付構造は、プロテクタ1の配置状態を変更しても挿入部211が縦方向Zへ移動することを規制し、スライドレール102aにプロテクタ1が組み付けられた状態において、レール形成空間102sにガタつき無く挿入部211を組み付けることができる。
【0075】
本実施形態に係るスライドレールに対するプロテクタの取付構造は、以下の構成を有する。第1接触部41aは、アタッチメント第2方向における両端部41a1、41a2のうち、他方側の端部41a2がレール形成空間102sに位置し、かつ、一方側の端部41a1が少なくともレール開口部102hよりも中央空間102c側に突出する。そのため、本実施形態に係るスライドレール102aに対するプロテクタの取付構造は、一対のレール形成空間102sに対して、作業者が挿入部211を挿入するレール形成空間102sを誤った場合には、第1接触部41aのアタッチメント第2方向における一方の端部41a1がスライドレール102aに接触するため、第1接触部41aをレール形成空間102sに挿入することができない。その結果、本実施形態に係るスライドレール102aに対するプロテクタの取付構造において、アタッチメント4は、2つのレール形成空間102s1、102s2のうち予め定められた一方のレール形成空間102sにのみ挿入可能である。従って、本実施形態に係るスライドレール102aに対するプロテクタの取付構造は、作業者が挿入部211を挿入するレール形成空間102sを間違えることを防止することができるため、予め定められた正規のレール形成空間102sに対して挿入部211を確実に挿入することができる。
【0076】
なお、上述した実施形態に係るプロテクタ1の挿入部211は、当該挿入部211の外面における縁形状が挿入方向X1から視た場合に正方形であるものを説明した。しかし、本発明に係るプロテクタ1の挿入部211の形状はこれに限られず、例えば、挿入部211の外面は、例えば楕円形等の他の形状に形成してもよい。
【0077】
また、上述した実施形態に係るスライドレール102aのレール形成空間102sは、挿入方向X1から視た場合には長方形であるものを説明した。しかし、本発明に係るスライドレールに対するプロテクタの取付構造はこれに限られず、例えば、レール形成空間102sは、挿入方向X1から視た場合、例えば楕円形等の他の形状に形成してもよい。
【0078】
さらに、上述した実施形態のプロテクタ1は、別個に形成されたケース2aとカバー2bとでハウジング2を構成するものを説明した。しかし、本実施形態に係るプロテクタ1は、それに限られず、一体的に構成されるものでもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 プロテクタ
2 ハウジング
2s 収容空間
20 ハウジング本体部
21 第1電線案内部(電線案内部)
211 挿入部
211y プロテクタ第2幅
211z プロテクタ第1幅
212 開口部
4 アタッチメント
41a 第1接触部(接触部)
41a1 一方側の端部
41a2 他方側の端部
41b 第2接触部(接触部)
41ay、41by アタッチメント第1幅
102a スライドレール
1021 レール基部
1023 対向端部
102c 中央空間
102h レール開口部
102s レール形成空間
102y 横幅
102z 縦幅
X1 挿入方向
Y 横方向
Z 縦方向
W 電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6