(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】画像プロセッサの制御
(51)【国際特許分類】
G16H 30/40 20180101AFI20240112BHJP
【FI】
G16H30/40
(21)【出願番号】P 2021506330
(86)(22)【出願日】2019-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2019070884
(87)【国際公開番号】W WO2020030545
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-01
(32)【優先日】2018-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】セブンスター メルライン
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-302502(JP,A)
【文献】特開2005-348936(JP,A)
【文献】特開2006-277219(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0082423(US,A1)
【文献】特開2003-141250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
G06T 1/00
A61B 5/00- 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像プロセッサを制御するための装置であって、
処理されるべき医用画像を識別するための医用画像識別器と、
1人以上の医療専門家に関連付けられた作業リストと、前記医用画像を処理するために利用可能な医療専門家の数の指示情報と、前記1人以上の医療専門家が医用画像を処理するために費やす時間の指示情報と、前記1人以上の医療専門家に関連付けられたバイオセンサから取得された生物測定データとのうちの少なくとも1つを含む入力データを分析して前記1人以上の医療専門家の作業負荷を決定するための作業負荷分析器と、
識別された前記医用画像に関して1以上の画像処理タスクを実行するための画像プロセッサであって、前記1以上の画像処理タスクを実行するための自身に関連付けられた信頼度レベルを有する画像プロセッサと、
前記1人以上の医療専門家の決定された前記作業負荷及び前記画像プロセッサに関連付けられた信頼度レベルに基づいて、前記識別された医用画像に関して1以上の画像処理タスクを実行するために前記画像プロセッサを使用すべきかを決定するコントローラと
を有する、画像プロセッサを制御するための装置。
【請求項2】
前記コントローラが、更に、前記画像プロセッサが使用されるべきと決定することに応答して、前記画像プロセッサを前記1人以上の医療専門家の前記決定された作業負荷に基づいて前記識別された医用画像に関し1以上の画像処理タスクを実行するよう動作させる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作業負荷分析器が
決定モデルを含み、前記決定モデルは、
前記入力データに基づいて前記1人以上の医療専門家の作業負荷を
計算する、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
識別された処理されるべき前記医用画像は該医用画像に関連する放射線専門分野の指示情報を有し、
前記作業負荷分析器が1人以上の医療専門家の作業負荷を前記放射線専門分野の指示情報に基づいて決定する、
請求項1から
3の何れか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記画像プロセッサが、画像処理エンジンと予測モデルエンジンと機械学習エンジンと人工ニューラルネットワークと統計的解析エンジンとのうちの1つを有する、請求項1から
4の何れか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記画像プロセッサが、前記医用画像内の定義された実体に基づいて、前記医用画像内の定義された実体を検出する動作と、前記医用画像内の定義された実体の位置を決定する動作と、前記医用画像内の定義された実体の少なくとも1つの境界を決定する動作と、前記医用画像内の定義された実体の少なくとも1つの寸法を決定する動作と、前記医用画像内の定義された実体の体積を決定する動作と、前記医用画像内の定義された実体の診断を決定する動作と、前記医用画像内の定義された実体に関する予後情報を決定する動作と、前記医用画像が関連する被検者のための治療選択肢を決定する動作とのうちの少なくとも1つを行う、請求項1から
5の何れか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラが、前記画像プロセッサのパラメータを前記1人以上の医療専門家の前記決定された作業負荷に基づいて定義又は調整する、請求項1から
6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、前記画像プロセッサに関連付けられた前記信頼度レベルが定義された信頼度閾値を満たす又は超える場合に、該画像プロセッサが前記識別された医用画像に関して1以上の画像処理タスクを実行すべきと判定する、請求項1から
7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記コントローラが、前記信頼度閾値を前記1人以上の医療専門家の前記決定された作業負荷に基づいて調整する、請求項
8に記載の装置。
【請求項10】
前記画像プロセッサの出力に基づいてレポートの少なくとも一部を生成するレポート生成器と、
前記生成されたレポートの少なくとも一部をユーザに提示するためのユーザインターフェースと
を更に有する、請求項1から
9の何れか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1から
10の何れか一項に記載の装置を有する、ワークステーション。
【請求項12】
画像プロセッサを制御する
コントローラの作動方法であって、
前記コントローラが、処理されるべき医用画像の指示情報を得るステップと、
前記コントローラが、1人以上の医療専門家に関連付けられた作業リストと、前記医用画像を処理するために利用可能な医療専門家の数の指示情報と、前記1人以上の医療専門家が医用画像を処理するために費やす時間の指示情報と、前記1人以上の医療専門家に関連付けられたバイオセンサから取得された生物測定データとのうちの少なくとも1つを分析して決定される前記1人以上の医療専門家の作業負荷の指示情報を得るステップと、
前記コントローラが、前記1人以上の医療専門家の作業負荷の指示情報及び1以上の画像処理タスクを実行するための画像プロセッサに関連付けられた信頼度レベルに基づいて、前記医用画像に関して1以上の画像処理タスクを実行するために前記画像プロセッサを使用すべきかを決定するステップと、
を有する、
コントローラの作動方法。
【請求項13】
前記コントローラが、前記画像プロセッサが使用されるべきと決定することに応答して、前記画像プロセッサを前記1人以上の医療専門家の前記決定された作業負荷に基づいて前記医用画像に関し1以上の画像処理タスクを実行するよう動作させるステップを更に有する、請求項
12に記載の
コントローラの作動方法。
【請求項14】
非一時的コンピュータ可読媒体を有するコンピュータプログラムであって、前記
非一時的コンピュータ可読媒体は内部に具体化されたコンピュータ可読コードを有し、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータ又はプロセッサによる実行時に、該コンピュータ又はプロセッサに請求項
12又は
13に記載の
コントローラの作動方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像プロセッサの制御に関し、特に、医療専門家の作業負荷に基づいて画像プロセッサを制御することに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、人工知能を含む技法を使用して作業(タスク)を自動化することは、様々な分野において効率を改善することが証明されている。人間ではなく、コンピュータを使ってタスクを実行するなど、自動化された手順を導入することで、タスクをより迅速に完了できる。しかしながら、熟練した経験豊富な人間によって通常実施されるタスクを実施するためのコンピュータ実装システムは、100%正確ではない場合がある。
【0003】
タスクが正しく実行されることの結果がタスクを実行するためのコンピュータの実装を排除し得る1つの特定の分野は、医療(ヘルスケア)である。例えば、放射線医学は被検者の医用画像(医療画像)を捕捉し、例えば、被検者を外部から調べるだけでは調べることができない画像の異常を探すことによって、医学的状態を調べるためにそれらの医用画像を分析又は処理することを含む。医用画像を含み得る放射線検査は、検査を解釈し、放射線検査からある程度の理解を確立することが役割である一人以上の医学専門家(例えば、放射線科医)によって処理され、分析され得る。放射線検査を分析することに関与する様々なタスクは適切な医療専門家によって効率的に実行することができるが、各タスクは特に時間がかかり、それによって医療専門家の貴重な時間を消費する可能性がある。
【0004】
放射線検査を処理することは、放射線科医のような医療専門家の全体的な役割のごく一部を構成する。画像診断法がより容易に利用できるようになり、患者がより多くの診断の確実性を要求するようになるにつれて、医療専門家の時間の多くは放射線検査の分析に割かなければならない。作業負荷(ワークロード)の増大の結果は、疲労の可能性である。医療専門家の疲労は業務の質に悪影響を及ぼす可能性があり、放射線科医の場合、放射線報告の質の低下につながる可能性がある。極端なケースでは、疲労した放射線科医が放射線検査に存在する重要な特徴を見逃すことがあり、生命を脅かす結果を招く可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記の問題のいくつかに対処することができるメカニズムが必要とされている。例えば、医療専門家の作業負荷を低減するために1つまたは複数のタスクを実行することによって医療専門家を支援することができる装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの放射線検査(例えば、医用画像)の処理は例えば、コンピュータ実装画像処理技法を使用して処理を実行することによって自動化され得ることが、本開示の発明者によって認識されている。さらに、そのような自動化された処理(プロセス)は医療専門家が疲労する可能性を減らすために、医療専門家の作業負荷が増加するか、または特に高い時間の前後に実施され得ることが認識されている。
【0007】
第1の態様によれば、様々な実施形態は画像プロセッサを制御するための装置を提供し、該装置は、処理されるべき医用画像を識別するための医用画像識別器と、1以上の医療専門家の作業負荷を決定するための作業負荷分析器(アナライザ)と、識別された医用画像に関して1つまたは複数の画像処理タスクを実行するための画像プロセッサであって、1つまたは複数の画像処理タスクを実行するために自身に関連付けられた信頼度レベルを有する画像プロセッサと、1つまたは複数の医用専門家の決定された作業負荷および画像プロセッサに関連付けられた信頼度レベルに基づいて、識別された医用画像に関して1つまたは複数の画像処理タスクを実行するために画像プロセッサを使用すべきかどうかを決定するように構成されたコントローラと、を備える。
【0008】
このようにして、画像プロセッサ(例えば、コンピュータ実装画像プロセッサ)は、例えば医療専門家又は医療専門家のチームのワークロードが閾値量だけ増加した際等の、適切な時間に実行され得る。医療専門家の作業負荷が、画像プロセッサからの支援の必要性を是認しない場合、画像プロセッサは実行されなくてもよい。医療専門家の作業負荷が特に高い場合、該医療専門家をそれらの作業のいくつかから解放することは、医療専門家が疲労する可能性を減らすのに役立ち、その結果、医療専門家が誤りおよび間違いを犯す危険性を減らすことができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記コントローラは、前記画像プロセッサが使用されるべきであるという決定に応答して、1以上の医療専門家の決定された作業負荷に基づいて、識別された医用画像に関して1つまたは複数の画像処理タスクを実行するように該画像プロセッサを動作させるようにさらに構成され得る。
【0010】
前記作業負荷アナライザは、判断モデルに基づいて1人以上の医療専門家の作業負荷を決定するように構成され得る。
【0011】
該作業負荷アナライザは、いくつかの実施形態では、1以上の医療専門家に関連付けられた作業リスト、医療画像を処理するために利用可能な複数の医療専門家の指示情報、医療画像を処理するために1以上の医療専門家が費やす時間の指示情報、1以上の医療専門家に関連付けられたバイオセンサから取得されたバイオメトリック(生物測定)データのうちの少なくとも1つに基づいて、1以上の医療専門家の作業負荷を決定するように構成され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、処理されるべき識別された医用画像が、該医用画像に関連する放射線専門性の指示情報を含むことができる。前記作業負荷アナライザは、該放射線専門性の指示情報に基づいて1人以上の医療専門家の作業負荷を決定するように構成され得る。
【0013】
当該画像プロセッサは、画像処理エンジンと、予測モデルエンジンと、機械学習エンジンと、人工ニューラルネットワークと、統計的解析エンジンとのうちの1つを備えることができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、当該画像プロセッサは、医用画像内の定義されたエンティティ(実体)を検出すること、医用画像内の定義された実体の位置を決定すること、医用画像内の定義された実体の少なくとも1つの境界を決定すること、医用画像内の定義された実体の少なくとも1つの寸法を決定すること、医用画像内の定義された実体のボリュームを決定すること、医用画像内の定義された実体の診断を決定すること、医用画像内の定義された実体に関連する予後情報を決定すること、及び医用画像内の定義された実体に基づいて、当該医用画像が関連する被検者のための治療オプションを決定することのうちの少なくとも1つを実行するように構成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記コントローラが、1人または複数の医療専門家の決定された作業負荷に基づいて、当該画像プロセッサのパラメータを定義または調整するように構成され得る。
【0016】
該コントローラは、当該画像プロセッサに関連する信頼度レベルが定義された信頼性閾値を満たしているか、または超えている場合に、該画像プロセッサが識別された医用画像に関して1つ以上の画像処理タスクを実行することを決定するように構成され得る。
【0017】
該コントローラは、1人以上の医療専門家の決定された作業負荷に基づいて前記信頼性閾値を調整するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、当該装置が、前記画像プロセッサの出力に基づいてレポートの少なくとも一部を生成するためのレポート生成器をさらに備えることができる。
【0019】
該装置は、いくつかの実施形態では、生成されたレポートの少なくとも一部をユーザに提示するためのユーザインターフェースをさらに備え得る。
【0020】
第2の態様によれば、様々な実施形態は、本明細書で開示される装置を備えたワークステーションを提供する。
【0021】
第3の態様によれば、様々な実施形態は、画像プロセッサを制御する方法を提供する。本方法は、処理されるべき医用画像の指示情報を取得するステップと、1以上の医療専門家の作業負荷の指示情報を取得するステップと、1以上の医療専門家の作業負荷の指示情報に基づくと共に1つ以上の画像処理タスクを実行するための画像プロセッサに関連する信頼度レベルに基づいて、当該医用画像に関する1つ以上の画像処理タスクを実行するために画像プロセッサを使用すべきかどうかを決定するステップとを含む。
【0022】
本方法は、いくつかの実施形態では、画像プロセッサが使用されるべきであると判定することに応答して、1以上の医療専門家の決定された作業負荷に基づいて、当該医用画像に関して1つまたは複数の画像処理タスクを実行するように該画像プロセッサを動作させるステップをさらに含み得る。
【0023】
第4の態様によれば、様々な実施形態は非一時的なコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータ可読媒体は内部に具現化されたコンピュータ可読コードを有し、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータまたはプロセッサによる実行時に、該コンピュータまたはプロセッサに本明細書で開示される方法のいずれかを実行させるように構成される。
【0024】
本発明のこれらおよび他の態様は以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、様々な実施形態による、画像プロセッサを制御するための装置の一例の簡略化された概略図である。
【
図2】
図2は、様々な実施形態による、画像プロセッサを制御するための装置のさらなる例の簡略化された概略図である。
【
図3】
図3は、様々な実施形態によるワークステーションの一例の簡略化された概略図である。
【
図4】
図4は、様々な実施形態による画像プロセッサを制御する方法の一例のフローチャートである。
【
図5】
図5は、様々な実施形態による画像プロセッサを制御する方法のさらなる例のフローチャートである。
【
図6】
図6は、プロセッサおよびコンピュータ可読媒体の簡略化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明をより良く理解し、本発明をどのように実施することができるかをより明確に示すために、単なる例として、添付の図面を参照する。
【0027】
本明細書に開示される実施形態は、医療専門家が画像処理タスクを実行するのを支援するために、自動化された(例えば、コンピュータ実装された)画像プロセッサを特定の状況下で実行することができるメカニズムを提供する。例えば、コンピュータ実施化画像プロセッサは、1人以上の医療専門家の作業負荷に基づいて、1つ以上の画像処理タスクを実行するために使用することができる。いくつかの例では、医療専門家の作業負荷が支援が妥当となるレベルまで増加した場合に、画像プロセッサが実行され得る。
【0028】
様々な実施形態によれば、
図1は、画像プロセッサを制御するための装置100の一例の簡略化された概略図である。装置100は、処理されるべき医用画像を識別するための医用画像識別器102を含む。本明細書で使用される場合、用語「処理」は任意のタイプの画像処理を包含することを意図し、特に、異常または医学的状態を示す可能性がある画像内の物体を識別するなど、医用画像分析で使用するための処理に関し得る。医用画像110の一例を
図1に示す。医用画像110は、放射線検査(放射線検査検討または医療撮像調査とも呼ばれる)の一部を形成し得る。いくつかの実施形態では、放射線検査は医用画像だけを含むことができる一方、他の実施形態では放射線検査は、テキスト、1つまたは複数のデータフィールドに含まれるデータ、注釈などの他の情報に加えて、1つまたは複数の医用画像を含むことができる。医用画像110は、例えば、x線撮像、磁気共鳴撮像(MRI)、超音波検査又は超音波、陽電子放出断層撮影(PET)、コンピュータ断層撮影(CT)及び単一光子放出コンピュータ断層撮影(SPECT)を含む任意の医用撮像方式又は技術を用いて取得される。医用画像110を取得するために、当業者によく知られている他の撮像方式を使用することもできる。
【0029】
医用画像110は、被検者に関連付けられ得る。本明細書で使用される場合、用語「被検者」は、例えば上述の技術のうちの1つを使用して、医用画像110を取得することができる任意の人間または動物を指すことが意図される。被検者は、例えば、調査、診断又は予後目的のために医用画像110が取得された医療施設の患者を含むことができる。
【0030】
処理されるべき医用画像110は、処理されるべき(例えば、1つ以上の画像処理タスクを実行させることによって)複数の医用画像のうちの1つを含むことができる。医用画像110、または該医用画像が識別されることを可能にする何らかの名前、標識(ラベル)、または他の識別手段はリスト(例えば、作業リスト)に含まれ得る。医療専門家または医療専門家のチームは、該作業リストを介して作業し、各医用画像を順番に、または何らかの定義された優先順位に従って処理することができる。
【0031】
医用画像識別器102は、医用画像の名前または識別手段を使用して、処理されるべき医用画像110を識別することができ、該識別された医用画像は、処理のために医療専門家に提供され得る。例えば、複数の医用画像が、計算装置の記憶媒体に、またはサーバに記憶され得る。医用画像110が処理されるべきとして識別されると、該医用画像は記憶媒体から取得又は収集され、ユーザ(例えば、放射線技師などの医療専門家)にアクセス可能(例えば、計算装置又はワークステーションを介して)となるように提供され得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、医用画像110は画像保管通信システム(PACS)内に複数の他の医用画像と共に格納されてもよく、該システムを介して、医用画像(例えば、放射線検査)は医療施設内の医療専門家の間で共有されてもよく、または複数の医療施設の間で共有されてもよい。したがって、複数の医用画像(または医用画像を識別する複数のタグまたはラベル)をPACS作業リストに記録することができる。該作業リスト(例えば、PACS作業リスト)は、特定のチーム、または前述の専門分野などの放射線専門分野に固有のものとすることができる。該リストに記載されている放射線検査は、Digital Imaging and Communications in Medicine(DICOM)規格に従って配置されたデータを含み得る。例えば、該作業リストの各エントリは、医用画像110及び関連データを含み得る。放射線検査は、1つまたは複数の医用画像を含むことができ、さらに、医用画像110に関連するデータを含むことができる。例えば、放射線検査は被検者を識別するデータ(例えば、被検者の名前、生年月日、患者識別番号、医療記録番号、医用画像検査受託IDなど)を含み得る。放射線検査は、いくつかの実施形態では、関連する医学的状態(例えば、被検者が罹患しているかまたは罹患している疑いがある医学的状態、または医用画像検査の被検者を形成する医学的状態)の指示情報を含み得る。いくつかの例では、放射線検査は、当該医用画像(例えば、x線、CT、MRIなど)を取り込むために使用された撮像方式の指示情報を含むことができる。放射線検査は、医用画像110内に捕捉された身体部分及び/又は解剖学的対象の指示情報を含み得る。例えば、このような指示情報は、医用画像110が取り込まれた被検者の身体の領域(例えば、頭部、骨盤、胸部等)を識別するラベルを含み得る。
【0033】
装置100は、1人または複数の医療専門家の作業負荷を決定するための作業負荷分析器(アナライザ)104をさらに備える。医療専門家の作業負荷は、例えば、医療専門家がある期間に行った、または行うことが予想される若しくは予定されている作業量の指示情報若しくは尺度を含むことができる。他の例では、医療専門家の作業負荷は、何らかの他の測定基準を使用して定義または推定され得る。
【0034】
いくつかの例では、作業負荷アナライザ104は、1つまたは複数の情報源から入力データを受信し得る。モデルを使用して、上記入力データの一部または全部に基づいて医療専門家の作業負荷の指示情報を計算できる。一例では、作業負荷アナライザ104は、判断モデルなどのモデルに基づいて、1以上の医療専門家の作業負荷を決定するように構成され得る。該モデル(例えば、決定モデル)は、一部の実施形態では、代数モデル、統計モデル、および予測モデルのうちの1つ以上を含んでもよく、予測モデルは、例えば、機械学習技術を使用して開発されたモデルを含み得、これによれば、モデルは1連のトレーニングデータを使用して訓練される。作業負荷アナライザ104は、(例えば、前記判断モデルを使用して)或る医療専門家または複数の医療専門家の作業負荷の指示情報を出力できる。いくつかの例では、該作業負荷指示は例えば数値スケールで表される作業負荷評価スコアを含み得る。該数値スケールは、0から1までとすることができ、0は最小ワークロードを示し、1は最大ワークロードを示す。他の例では、上記数値スケールが0から4までのような5項目スケール上で表され得、ここで、0は最小作業負荷を示し、4は最大作業負荷を示す。他の例では、作業負荷が別の方法で、例えば、パーセンテージとして示され得る。
【0035】
作業負荷アナライザ104は、いくつかの実施形態では、1以上の医療専門家に関連する作業リストと、医療画像を処理するために利用可能な医療専門家の数の指示情報と、医療画像を処理するために1以上の医療専門家が費やす時間の指示情報と、1以上の医療専門家に関連するバイオセンサから取得された生物測定(バイオメトリック)データとのうちの少なくとも1つに基づいて、1以上の医療専門家の作業負荷を決定するように構成され得る。
【0036】
医療専門家に関連付けられた作業リストは、例えば、上述の作業リストを含むことができ、該リストから、処理されるべき医用画像110が決定又は識別される。例えば、作業リストは、PACS作業リストを含むことができる。作業負荷アナライザ104は、作業リストから医療専門家の作業負荷の尺度を決定するために、そのような作業リストを取得および/または分析することができる。例えば、作業負荷アナライザ104は、作業リスト上の医用画像/検査110の数が定義された閾値をいつ超えるかを判定することができる。他の例では、作業負荷アナライザ104が作業リスト上の医用画像/測定110の数がいつ増減したかを判定することができ、増減の尺度を決定することができる。当該変化(例えば、増加または減少)は、特定の期間にわたって測定され得る。例えば、作業負荷アナライザ104は、作業リスト上の事例の数が過去1時間で10%増加したと判定することができる。別の例では、作業負荷アナライザ104が、作業リスト上の事例の数が特定の時間および/または特定の日に増加する傾向がある(例えば、作業リスト上の事例の数が月曜日の朝の午前10時頃に10%増加する傾向がある)と判定することができる。
【0037】
医用画像110を処理するために利用可能な医療専門家の数の指示情報は、処理されることを待っている(例えば、作業リスト内の)医用画像の処理を支援するために利用可能な医療専門家(例えば、放射線科医)の数の指示情報を提供するので、1人以上の医療専門家の作業負荷の指示情報として使用され得る。このような指示情報は、特定のシステム(例えば、PACSクライアント)にサインインまたはログオンした医療専門家の数を決定することによって取得され得る。別の例では、利用可能な医療専門家の数の指示情報は、どの医療専門家が最近(例えば、過去1時間内に)医療画像を処理したかを決定することによって取得され得る。
【0038】
1人以上の医療専門家が医用画像110を処理するのに費やす時間の指示情報は、医療専門家の作業負荷を決定する際に使用され得る。例えば、医療専門家の平均医療画像処理時間が減少したと判定された場合、これは、作業負荷の増加を示し得る(例えば、医療専門家が処理されるのを待っている医療画像を処理するために医療画像の処理を急いでいる場合)。
【0039】
いくつかの実施形態では、1人または複数の医療専門家に関連付けられたバイオセンサから取得されたバイオメトリックデータを使用して、作業負荷レベルを決定することができる。心拍数モニタ、血圧モニタなどのバイオセンサは医療専門家の1つまたは複数の特性をモニタリングするために、医療専門家によって装着され得る。医療専門家の特性(例えば、心拍数)の閾値レベルを超えた、または閾値量による変化(例えば、増加)は、医療専門家の作業負荷の増加を示し得る。いくつかの例では、1つまたは複数のバイオセンサが医療専門家によって着用されるウェアラブル装置(例えば、スマートウォッチ)に組み込まれ得る。
【0040】
上記で識別された指示情報または測定値のいずれも、1人または複数の医療専門家の作業負荷を決定する際に作業負荷アナライザ104によって使用され得る。いくつかの例では、複数の測定値または指示情報が使用される場合、作業負荷のより正確な尺度を得ることができる。
【0041】
作業負荷アナライザ104は、いくつかの実施形態では、その医療専門家の作業負荷を決定するときに、放射線部門とも呼ばれる該医療専門家のチーム、部署、放射線専門性、および/または専門領域を考慮に入れることができる。いくつかの例において、医療施設(例えば、病院)は、神経学的、腹部、胸部、筋骨格、小児科、核医学および乳房を含む放射線学的専門分野を含むことができる。他の例では、作業負荷アナライザ104は、処理されるべき医用画像110に関連する特定のタイプの処理または特定の検査領域を考慮に入れることができる。例えば、各チーム、部署、または専門分野について、および/または医療画像に必要とされる検査のタイプ(例えば、神経学的検査、腹部検査、および胸部検査などの一般放射線検査または専門放射線検査)ごとに、別個の作業負荷を決定することができる。いくつかの実施形態では、作業負荷アナライザ104は、当該医用画像が取り込まれる被検者の身体の一部、または解剖学的対象に基づいて作業負荷を決定できる。より一般的には、作業負荷アナライザ104は、当該医用画像に関連する放射線専門分野、または当該医用画像/検査を読み取るか若しくは分析する医用専門家の放射線専門分野に基づいて作業負荷を決定することができる。したがって、処理されるべき識別された医用画像は、該医用画像に関連する放射線専門分野の指示情報を含み得る。作業負荷アナライザ104は、上記放射線専門分野の指示情報に基づいて1人以上の医療専門家の作業負荷を決定するように構成されてもよい。このようにして、医療専門家の特定の部分組の作業負荷は、関連する医療専門家(例えば、関連する放射線専門性を有する医療専門家)のみの作業負荷が考慮されるように決定され得る。
【0042】
装置100は、識別された医用画像110に関して1つまたは複数の画像処理タスクを実行するための画像プロセッサ106をさらに備える。該画像プロセッサは、1つ以上の画像処理タスクを実行するために、自身に関連付けられた信頼度レベルを有し得る。装置100は、いくつかの実施形態では、複数の画像プロセッサ106を含むことができる。各画像プロセッサ106は、医用画像110に関して少なくとも1つの画像処理タスクを実行するように構成され得る。画像プロセッサ106または複数の画像プロセッサは、例えば、1つまたは複数の画像処理タスクを実行するように構成された回路またはエンジンを備え得る。いくつかの例では、画像プロセッサ106は、人工知能エンジンと、画像処理エンジンと、予測モデルエンジンと、機械学習エンジンと、人工ニューラルネットワークと、統計的解析エンジンとのうちの1つを備えることができる。機械学習エンジンは、例えば、決定木アルゴリズム、人工ニューラルネットワーク、深層学習ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、ベイジアンネットワークなどを含む機械学習技術を使用することができ、これらは機械学習の分野の当業者にはよく知られている。
【0043】
画像プロセッサ106は、例えば、放射線画像データ(例えば、医用画像110)を自動的に処理し、実行された特定の画像処理タスクに基づいて出力を供給するように構成され得る。
【0044】
画像プロセッサ106は、任意の画像処理タスク、特に医療画像解析の分野に関連する画像処理タスクを実行するように構成することができる。いくつかの例では、画像プロセッサ106が医用画像110内の定義された実体の存在を検出するように構成され得る。例えば、画像プロセッサは、病変、腫瘍、異常、骨折、断裂、または医用画像110において可視または検出可能な他の何らかの特徴の存在を検出するように構成され得る。いくつかの例において、画像プロセッサ106は、当該医用画像内の定義された実体(例えば、病変、腫瘍、異常など)の位置を特定または決定する(例えば、座標系を使用して位置を識別する)ように構成され得る。画像プロセッサ106は、いくつかの例において、定義された実体または検出された実体の少なくとも1つの境界を決定するように構成され得る。例えば、定義された実体が画像プロセッサ106の1つによって検出されると、画像プロセッサ(例えば、検出を実行したのと同一の画像プロセッサ、または複数の画像プロセッサのうちの異なる1つ)は定義された実体の1つ以上の境界を位置特定し、および/または検出することができる。いくつかの例では、画像プロセッサ106が、定義された実体の、または検出された実体の少なくとも1つのサイズ、寸法またはボリュームを決定し得る。例えば、寸法は、長さ、幅、高さ、または奥行きを含むことができる。これは、定義された実体の定量化と呼ぶことができる。定義された実体のボリューム(体積)は、決定された寸法のうちの1つまたは複数、および/または1つまたは複数の他の方法を使用して決定または推定され得る。いくつかの例では、画像プロセッサ106が当該医用画像内の定義された実体に関してセグメンテーションタスク(例えば、病変セグメンテーション)を実行するように構成され得る。例えば、定義された実体(例えば、病変)は、当該医用画像の他の部分からセグメント化され、線引きされ、又は視覚的に分離され得る。画像プロセッサ106は、いくつかの例では、(例えば、以前に取り込まれた医用画像と比較して)経時的な医用画像の1つまたは複数の特性または特徴の変化を決定するように構成され得る。画像プロセッサ106は、定義された実体の診断を決定するように構成され得る。例えば、画像プロセッサ106は、特定の医学的状態を表す、当該医用画像内に存在する特徴を認識または決定するように構成され得る。このような決定を行う際に、画像プロセッサ106の出力は、当該被検者に関連付けられた電子健康記録などの別のソースから取得された情報と組み合わされ得る。いくつかの実施形態では、画像プロセッサ106が、検出された実体に基づいて治療選択肢を決定するように構成され得る。このような決定は、例えば、ルックアップテーブルまたはデータベースを使用して、定義された実体の性質に基づいて、および/または予測モデル(例えば、機械学習モデル)を使用して行われ得る。
【0045】
いくつかの例において、画像プロセッサ106は、1つ以上のパラメータまたは変数に基づいて医用画像110に関し画像処理タスクを実行するように構成され得る。該パラメータまたは変数は、自動的に(例えば、プロセッサを介して)、またはユーザー(例えば、医療専門家)によって手動で設定され得る。このようなパラメータの1つは、画像プロセッサ106が行うべき決定の数を含むことができる。例えば、画像プロセッサ106は医用画像110の処理に基づいて1つだけの決定を行う(例えば、定義された実体を検出する)ように構成され得る。しかしながら、他の例において、画像プロセッサ106は医用画像110の処理に基づいて、複数の決定を行う(例えば、定義された実体を検出する、定義された実体の性質を特徴付ける又は決定する、定義された実体の体積を決定する、及び被検者のための適切な治療選択肢を決定する)ように構成されてもよい。画像プロセッサ106によって、または複数の画像プロセッサによって実行されるべき処理量(例えば、処理タスクの数)は、当該画像プロセッサの関連する変数を調整することによって選択され得る。一例において、画像プロセッサ106は、浮腫、骨折、結節、予想外の塊、胸水などの1つまたは複数の定義された実体について医用画像110を分析または検索するように構成され得る。
【0046】
設定され得る(例えば、自動的にまたは手動で)画像プロセッサ106の別のパラメータは、感度閾値またはレベルとも呼ばれる、当該画像プロセッサの信頼水準(信頼度レベル)または信頼度閾値を含む。画像プロセッサ106の信頼度レベル/閾値は、該画像プロセッサによってなされた決定が定義された閾値(例えば、定義された信頼度閾値)を満たすか超えた場合にのみ該画像プロセッサが出力を供給するように、構成および/または調整することができる。相対的に低い信頼度閾値で動作する画像プロセッサ106は、相対的に高い信頼度閾値で動作する画像プロセッサと比較して、証拠が少ない場合にも所見(例えば、出力)を生成することができる。例えば、90%に設定された信頼度閾値で動作する画像プロセッサ106は、信頼度閾値が60%に設定された場合よりも、出力を供給する(例えば、実行するように構成された処理タスクを完了する)可能性が低くなる。しかしながら、信頼度閾値が90%に設定されている場合、信頼度閾値が60%に設定されている場合よりも、出力が不正確(例えば、誤った肯定)であり得る可能性が小さい。
【0047】
装置100は、コントローラ108をさらに備える。コントローラ108は、医用画像識別器102、作業負荷アナライザ104、および/または画像プロセッサ106に動作可能に結合することができる。したがって、いくつかの実施形態において、コントローラ108は、該コントローラが動作可能に結合される装置100の要素のうちの1つまたは複数を制御し得る。コントローラ108は、1つまたは複数のプロセッサまたは処理回路を備えることができ、たとえば、該プロセッサ/コントローラによってアクセス可能な記憶媒体に記憶された一群の命令を実行するように構成され得る。
【0048】
コントローラ108は、1人以上の医療専門家の決定された作業負荷に基づいて、識別された医用画像110に関して1つ以上の画像処理タスクを実行するために画像プロセッサ106を使用するかどうかを決定するように構成される。識別された医用画像に関して1つ以上の画像処理タスクを実行するために画像プロセッサ106を使用するかどうかの該決定は、該画像プロセッサに関連付けられた信頼度レベルにも基づいて行われる。例えば、1人以上の医療専門家のワークロードが意図されたレベルを超え、特定の画像プロセッサの信頼水準が定義された信頼度閾値を超える(これにより、該画像プロセッサが最低限必要な信頼水準を満たす出力を提供することが可能であることを示す)場合、該画像プロセッサを実装し、当該画像処理タスクを実行するために使用することができる。いくつかの実施形態では、該コントローラは、推論モジュール、1つまたは複数のルール、または1つまたは複数のルックアップテーブルを使用して、作業負荷アナライザ104の出力を解釈できる。例えば、コントローラ108は、作業負荷アナライザ104からの数値出力(例えば、作業負荷評価スコア)を、画像プロセッサ106のための変数指定内容又は命令に変換することができる。一般的な例では、作業負荷アナライザ104の出力が医療専門家(または複数の医療専門家)の作業負荷が閾値レベルを上回ることを示す場合、コントローラ108は画像プロセッサ106を使用して、医用画像110に関する1つまたは複数の画像処理タスクを実行すべきであると判定できる。言い換えれば、医療専門家が多忙になりすぎていると判定された場合、または処理すべき任意の医療画像に関して、該医療専門家による処理の品質が低下する危険性があると判定された場合、コントローラ108は該医療専門家を処理タスクの負担の一部から解放するために画像プロセッサ106を実装することができる。このように、コントローラ108は、1人または複数の医療専門家の作業負荷が定義された閾値レベルを上回ると判定することに応答して、画像プロセッサ106を実装するように構成され得る。
【0049】
いくつかの例において、作業負荷アナライザ104が医療専門家のワークロードが定義された閾値レベルを下回っていると判断した場合、コントローラ108は画像プロセッサ106からの支援が必要ではないと判断し、したがって、画像プロセッサが実装されない。他方、コントローラ108は、画像プロセッサ106が使用されるべきであるという決定に応答して、1以上の医療専門家の決定された作業負荷に基づき、識別された医用画像110に関して1つ以上の画像処理タスクを実行するように該画像プロセッサを動作させるよう構成され得る。このように、コントローラ108は、ワークロードが閾値レベルを超えると判断された場合、画像プロセッサ106を自動的に実装し、および/または該画像プロセッサを動作させて、1つ以上の画像処理タスクを実行し得る。しかしながら、他の実施形態において、作業負荷が閾値レベルを超えていると判定された場合、コントローラ108はユーザ(例えば、医療専門家)に供給するための警告を生成するか、または指示情報を生成して、該ユーザが画像プロセッサ106を実施すべきかどうかに関する決定を行うことができるようにする。
【0050】
コントローラ108は、いくつかの実施形態では、画像プロセッサ106に関連付けられた信頼度レベルが定義された信頼度閾値を満たすか、または超える場合に、該画像プロセッサが識別された医用画像110に関して1以上の画像処理タスクを実行することを決定するように構成され得る。例えば、出力が90%以上の信頼度で供給され得る場合にのみ、自動(すなわち、コンピュータ実装)画像処理支援が使用されるべきことが必要とされる場合、定義される信頼度閾値は90%に設定され得る。したがって、画像プロセッサ106は、90%以上の関連付けられた信頼度レベルを有する場合にのみ実施可能である。画像プロセッサ106の信頼度レベルは、該画像プロセッサに割り当てられてもよく、又は例えば該画像プロセッサが人工知能エンジン/モデル、予測モデルエンジン、機械学習エンジン/モデルなどを含むシナリオにおいては、当該画像プロセッサ自体によって決定されてもよい。このような例において、画像プロセッサは出力を信頼度レベルと共に供給し得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、コントローラ108は画像プロセッサ106によって実行されるべき特定の画像処理タスクをさらに決定することができる。当該装置が複数の画像プロセッサ106を含む実施形態では、コントローラ108は、複数の画像プロセッサのうちのどの画像プロセッサが実装されるべきか、および該選択された画像プロセッサが医用画像110に関してどのタスクを実行すべきかを決定し得る。
【0052】
画像プロセッサ106が一旦実施されると、その使用は、コントローラ108によってさらなる命令が受信されるまで、該コントローラが画像プロセッサ106はもはや必要でないと判断するまで、または該コントローラが異なるまたは追加の画像プロセッサの実装が必要であると判断するまで、継続し得る(例えば、処理されるべき各医用画像に関して特定の画像処理タスクを実行するために該画像プロセッサが使用され得る)。コントローラ108による画像プロセッサ106の実装は、画像プロセッサ106を使用すべきか否かの決定、およびどの画像プロセッサを使用すべきかの決定が医療専門家の作業負荷が変化することに応じて変化し得るという点で、動的であると考えられ得る。したがって、作業負荷アナライザ104は医療専門家の作業負荷を常時または繰り返し決定することができ、医療専門家を支援するために画像プロセッサ106を使用するか否かの決定は、連続的にまたは断続的に更新され得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、コントローラ108は、1人または複数の医療専門家の作業負荷が閾値量だけ増加したと判定することに応答して、画像プロセッサ106を実装するように構成され得る。このように、医療専門家の作業負荷の予期せぬ又は説明のつかない増加は、コントローラ108に、医療専門家を支援するために画像プロセッサ106又は複数の画像プロセッサを実装することを促し得る。いくつかの例では、作業負荷の如何なる変化も、定義された期間にわたって測定され得る。したがって、コントローラ108は、1人または複数の医療専門家の作業負荷が定義された期間内に閾値量だけ増加したと判定することに応答して、画像プロセッサ106を実装するように構成され得る。例えば、医療専門家の作業負荷が1時間の間に10%増加したと判定された場合、これは、医療専門家がコンピュータ実装画像プロセッサ106からの支援から恩恵を受け得ることを示し、したがって、コントローラ108は画像プロセッサを実装し得る。
【0054】
画像プロセッサ106が(例えば、1人または複数の医療専門家の決定された作業負荷に基づいて)実装されている場合、コントローラ108は、決定された作業負荷の変化に応答して該画像プロセッサの動作を適応させることができる。したがって、いくつかの例において、コントローラ108は、1人以上の医療専門家の決定されたワークロードに基づいて、画像プロセッサ106のパラメータを定義または調整するように構成され得る。例えば、作業負荷アナライザ104の出力が、医療専門家の作業負荷が「中」から「中−高」に増加したことを示す場合、コントローラ108は画像プロセッサ106の信頼度閾値を低減することができ、及び/又は該画像プロセッサによって行われるべき決定の数を増加させることができる。このようにして、画像プロセッサ106がより多く使用され、該画像プロセッサは(例えば、上記信頼度閾値のために)より多くの出力を生成する可能性が高くなり、それによって医療専門家の負担を軽減する。したがって、前述のように、画像プロセッサ106は、信頼度閾値に基づいて、識別された医用画像110に関して1つまたは複数の画像処理タスクを実行するように構成され得る。コントローラ108は、1人または複数の医療専門家の決定された作業負荷に基づいて信頼度閾値を調整するように構成され得る。他の例では、コントローラ108が1人以上の医療専門家の決定されたワークロードに基づいて画像プロセッサ106の別のパラメータを定義または調整するように構成してもよい。
【0055】
図2は、画像プロセッサを制御するための装置200のさらなる例の簡略化された概略図である。装置200は、本明細書に開示されているように、医用画像識別器102、作業負荷アナライザ104、画像プロセッサ106、および/またはコントローラ108を備えることができる。いくつかの実施形態では、装置200が、画像プロセッサ106の出力に基づいてレポートの少なくとも一部を生成するためのレポート生成器202をさらに備え得る。例えば、画像プロセッサ106が医用画像110内の定義された実体を検出した場合、該定義された実体が検出されたという指示情報を生成して、レポートに含めることができる。いくつかの実施形態では、レポート生成器202がレポートの一部(節、段落、またはテキストの単位)だけを生成し得、他の実施形態ではレポート生成器202がレポート全体を生成し得る。
【0056】
レポート生成器202は、上記レポートまたはレポートの一部を、XMLまたはJSONなどのコンピュータ読み取り可能な形式で生成するように構成され得る。他の例では、レポート生成器202が、人間が読み取り可能なフォーマットで上記レポートまたは該レポートの一部を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、レポート生成器202が画像プロセッサ106の出力を人間が読み取り可能なフォーマットに変換するように構成され得る。いくつかの実施形態では、装置100、200またはレポート生成器202は、コンピュータ可読レポート(またはその一部)を人間可読フォーマットに変換するためのフォーマット変換ユニットを含み得る。このような変換は、1つまたは複数の規則に基づいて行われ得る。一例において、画像プロセッサ106は、胸部x線において80%の確度で浮腫が検出されたことを示す出力を生成することができる。この例では、レポート生成器202がこの所見を、「浮腫が高い確度で検出された」ことを示す文などの、レポートに適したテキストに変換することができる。
【0057】
装置200は、いくつかの実施形態では、生成されたレポートの少なくとも一部をユーザに提示するためのユーザインターフェース204をさらに備え得る。例えば、レポート生成器202によって生成されたレポートまたはレポートの一部が、ユーザインターフェース204を介してユーザに提示され得る。いくつかの例において、ユーザインターフェース204は、情報(例えば、該レポート)を、ユーザがレポートを修正できるようにユーザ編集可能な方法で提示し得る。いくつかの例では、ユーザインターフェース106の出力だけでは十分に信頼性がない可能性があるので、レポート生成器202によって生成された如何なるレポートも医療専門家によるレビューのために提示され得る。
【0058】
装置100、200をどのように使用することができるかの解説的例を以下に説明する。作業負荷アナライザ104は、午前11時ごろに、医療専門家が「通常」レベルから「中高」レベルへの作業負荷の増加を感じると判定し得る。医用画像識別器102は、医用画像110が処理されるべきであると認識することができる。増加した作業負荷を考慮して、コントローラ108は、画像プロセッサ106が医用画像110に関して画像処理タスクを実行するために実装されるべきと決定し得る。この例では、画像プロセッサ106は胸部部位において胸部x線の解釈を実行すべきである。画像プロセッサ106は、例えば、医用画像が「正常」に見える(例えば、異常の兆候を示さないか、または骨x線の場合には骨折した骨のような定義された実体を示す)かどうかを決定するように構成され得る。当該作業負荷は中高とみなされるだけであるので、画像プロセッサ106のパラメータは、画像プロセッサが「正常」である(すなわち、異常が存在しない)可能性が非常に高い(例えば、99%を超える信頼水準を有する)胸部x線に対してのみ出力を生成するように設定される。画像プロセッサ106が医用画像110に関してその画像処理タスクを実行したら、レポートが生成され(例えば、レポート生成器202を使用して)、さらなるレビューのために、解釈する放射線科医に提示するために供給される。解釈する放射線医は、画像プロセッサ106の所見に同意した場合、レポートを承認することができる。
【0059】
別の例において、作業負荷が「高すぎる」場合、信頼閾値を例えば99%から95%に低減することができ、処理の結果が「正常」である可能性が高い(例えば、95%を超える信頼閾値を有する)場合に画像プロセッサ106が医用画像110を処理するようにする。したがって、ワークロードの増加の観点から、より多くの医用画像が画像プロセッサ106によって処理されるべきものとなる。いくつかの例において、医療専門家の作業負荷が非常に高い場合、装置100、200(またはレポート生成器202)はレビューのために医療専門家に渡されることのない最終レポートを生成するように構成され得る。
【0060】
第2の態様によれば、本明細書で開示される様々な実施形態は、ワークステーションを提供する。いくつかの例では、装置100、200はワークステーションを備えてもよく、またはワークステーションに組み込まれてもよい。
図3は、ワークステーション300の一例の簡略化された概略図である。ワークステーション300は、本明細書に開示された装置100、200を含み得る。ワークステーション300は、表示スクリーン302および/またはキーボードのようなユーザ入力デバイス304も含み得る。
【0061】
第3の態様によれば、本明細書で開示される様々な実施形態は、画像プロセッサを制御するための方法を提供する。
図4は、画像プロセッサ(例えば、画像プロセッサ106)を制御するための方法400の一例のフローチャートである。方法400は、ステップ402において、処理されるべき医用画像の指示情報を取得するステップを含む。該処理されるべき医用画像の指示情報は、例えば、前述したように、PACS作業リストのような作業リストから取得又は収集することができる。ステップ404において、方法400は、1人以上の医療専門家の作業負荷(ワークロード)の指示情報を取得するステップを含む。該ワークロードの指示情報は、例えば、前述したように、作業負荷アナライザ104から又は該アナライザを用いて取得され得る。方法400は、ステップ406において、1人以上の医療専門家の作業負荷の前記指示情報に基づいて、および1つ以上の画像処理タスクを実行するために画像プロセッサに関連付けられた信頼度レベルに基づいて、当該医用画像に関して1つ以上の画像処理タスクを実行するために該画像プロセッサを使用するかどうかを決定するステップを含む。例えば、ステップ406において、当該1人または複数の医療専門家の作業負荷が閾値レベルを満たすか、または超え、且つ、特定の画像プロセッサに関連付けられた信頼度レベルが特定の要件(例えば、定義された閾値信頼度レベル)を満たすと判定された場合、該特定の画像プロセッサは医療専門家の負担を軽減し、作業負荷を軽減するために、当該医用画像に関して画像処理タスクを実行するように実装され得る。
【0062】
図5は、画像プロセッサを制御するための方法500のさらなる例のフローチャートである。方法500は、上述した方法400の1つまたは複数のステップを含むことができる。方法500は、ステップ502において、画像プロセッサが使用されるべきであると判定することに応答して、当該1以上の医療専門家の決定された作業負荷に基づき、当該医用画像に関して1つ以上の画像処理タスクを実行するように画像プロセッサを動作させるステップをさらに含み得る。いくつかの例において、この方法は、複数の画像プロセッサ106のうちのどれを実装すべきか、および該選択された画像プロセッサ(1つまたは複数)によってどの画像処理タスクを実行すべきかを決定するステップを含むことができる。
【0063】
方法400、500は、いくつかの実施形態では、画像プロセッサの出力に基づいてレポートの少なくとも一部を生成するステップをさらに含み得る。いくつかの実施形態では方法400、500は、ユーザに提示するためにレポートの少なくとも一部を供給するステップ、または該レポートの少なくとも一部をユーザに提示するステップをさらに含むことができる。例えば、該レポート(またはその一部)は、前述したように、ユーザインターフェース204を介してユーザに提示され得る。
【0064】
上述した方法400、500を使用して画像プロセッサを制御することは、医療専門家の作業負荷が特に高いと考えられる時に、該医療専門家の作業負荷を軽減するのに役立ち得る。そのような時に、医療専門家は疲労を被り始め得、このことは、放射線検査中に間違いまたは誤りが生じることにつながり得る。本明細書で開示される方法は、そのようなエラーが発生する可能性を低減するのに役立ち得る。
【0065】
本発明の実施形態を、2つの実施例、即ち、単一の画像プロセッサ106が画像処理タスクを実行するために利用可能である第1の実施例、および複数の画像プロセッサが利用可能である第2の実施例を参照して以下に説明する。これらの実施例は、作業リストが例えば放射線科医によって処理されるべき複数の検査(例えば、医用画像)を含むシナリオを考察する。
【実施例1】
【0066】
この実施例では、画像処理タスクを実行するために、1つの画像プロセッサ106が利用可能である。例えば、画像プロセッサ106は、スキャン上に正常または異常な病理学的所見が存在するかどうかを評価することによって、胸部x線を読み取り、分析することができるプロセッサ(例えば、AIエンジン)を備えることができる。
【0067】
到来する放射線試験の連続的な分析に基づき、
【数1】
に関して関数hを、以下のように作成することができる:
【数2】
【0068】
上記の定義において、検査(すなわち、医用画像)は、それが当該画像プロセッサによって読み取られ、または分析され得る場合、「適格(eligible)」である。例えば、胸部x線を分析できる画像プロセッサの場合、検査は、患者の頭部の磁気共鳴(MR)スキャンではなく、胸部x線である場合に適格であり得る。
【数3】
に対して、以下のように、Hをhから導出される累積関数とする:
【数4】
【0069】
このようにして、H(x)は、AI信頼度x以上を有する適格な検査の部分を表す。
【0070】
N=N’+N”を現在作業リスト上にある検査の数とし、ここで、N’は適格な検査の数であり、N”は残りの症例数である。Mをワークリスト上の所望の検査数(例えば、ワークリスト上の検査数の意図された上限)とする。N>Mの場合、本明細書に開示される方法は、作業リスト上の試験を通じて作業する放射線科医の作業負荷を、特に閾値を、
【数5】
となる最大値
【数6】
として決定することによって、低減するのに役立つ。
【0071】
信頼度スコアが尊重される最小値を保証するために、xに関して最小値が導入されてもよい。
【実施例2】
【0072】
この実施例では、画像処理タスクを実行するために複数の画像プロセッサ106(すなわち、2つ以上)が利用可能である。以下、2つのシナリオについて説明する。添え字1,2,…,nは、n個の使用可能な画像プロセッサを参照するために使用される。多くとも、1つの画像プロセッサ(例えば、AIエンジン)が各タイプの検査で動作している(すなわち、処理している)と仮定する(または、複数の画像プロセッサが1つの検査タイプに利用可能である場合、それらの出力は、例えば、個々の画像プロセッサの信頼度スコアを平均化することによって、1つの統合された信頼値に結合される)。
【0073】
シナリオ1-厳格なアプローチ
このシナリオでは、各画像プロセッサiに対して1つの関数h
iが存在するものと仮定する:
【数7】
【0074】
次に、関数H
i(x)は次のように定義される:
【数8】
【0075】
N=N0+N1+…+Nnとし、ここで、N0は画像プロセッサのいずれによっても解釈に適格でない調査の数であり、Niは第iの画像プロセッサによる解釈に適格な調査の数である。
【0076】
次に、
【数9】
となる、最大値
【数10】
を決定する。
【0077】
このアプローチは、信頼値が、そうではないかも知れない画像プロセッサの間で幾らか整列されるという仮定に基づいているという意味で「厳格」である。
【0078】
シナリオ2-柔軟なアプローチ
このシナリオでは、画像プロセッサの間の信頼度が揃っているとは仮定せず、各画像プロセッサについて閾値x
iが求められる。最初はすべてのiに対して、x
i=1である。次に、勾配降下型探索を用いて、
【数11】
が最小となる画像プロセッサiを決定し、ここで、δは小さな一定値である。次に、
【数12】
と設定し、検索を
【数13】
となるまで続行する。このようにして、処理されるのを待っている作業リスト上の放射線検査(例えば、医用画像)の数は、実行され得る処理タスクを実行するために1つ以上の画像プロセッサを(定義された信頼性閾値を満たすか、または超える信頼性レベルに基づいて)使用することによって、意図された数Mに低減され得る。
【0079】
第4の態様によれば、本明細書で開示される様々な実施形態は、コンピュータプログラム製品を提供する。
図6は、プロセッサ602およびコンピュータ可読媒体604の一例の簡略化された概略図である。いくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は非一時的なコンピュータ可読媒体604を含み、該コンピュータ可読媒体は内部に具体化されたコンピュータ可読コードを有し、該コンピュータ可読コードは、適切なコンピュータまたはプロセッサ602による実行時に、該コンピュータまたはプロセッサに、本明細書で開示される方法400、500のステップを実行させるように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサ602は、コントローラ108を有し、該コントローラの一部として機能し、または該コントローラに関連して動作し得る。同様に、1つ以上の画像プロセッサ106は、プロセッサ602の一部を形成してもよい。
【0080】
プロセッサ602は、本明細書で説明される態様で装置100、200の要素を制御するように構成またはプログラムされた、1つまたは複数のプロセッサ、処理ユニット、マルチコアプロセッサまたはモジュールを備えることができる。特定の実装形態において、プロセッサ602は、本明細書で説明される方法の個々のステップまたは複数のステップを実行するようにそれぞれ構成されるか、または実行するための複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを備えることができる。
【0081】
本明細書で使用される「モジュール」という用語は、特定の機能を実行するように構成されたプロセッサまたはプロセッサのコンポーネントなどのハードウェアコンポーネント、またはプロセッサによって実行されるときに特定の機能を有する命令データのセットなどのソフトウェアコンポーネントを含むことを意図している。
【0082】
本発明の実施形態は、本発明を実施するように適合されたコンピュータプログラム、特に担体上または担体内のコンピュータプログラムにも適用されることが理解されよう。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形態などのソースおよびオブジェクトコードの中間のコード、または本発明の実施形態による方法の実施に使用するのに適した任意の他の形態とすることができる。このようなプログラムは、多くの異なるアーキテクチャ設計を有することができることも理解されよう。例えば、本発明による方法またはシステムの機能を実現するプログラムコードは、1つ以上のサブルーチンに分割することができる。これらのサブルーチン間で機能を分配する多くの異なる方法は、当業者に明らかであろう。サブルーチンは、1つの実行可能ファイルに一緒に記憶されて、自己完結型プログラムを形成することができる。このような実行可能ファイルは、コンピュータ実行可能命令、例えば、プロセッサ命令および/またはインタプリタ命令(例えば、Java(登録商標)インタプリタ命令)を含むことができる。代わりに、1つ以上またはすべてのサブルーチンは、少なくとも1つの外部ライブラリファイルに記憶され、実行時などに静的または動的にメインプログラムとリンクされてもよい。主プログラムには、少なくとも1つのサブルーチンへの呼び出しが少なくとも1つ含まれる。サブルーチンは、互いに関数呼び出しを含むこともできる。コンピュータプログラム製品に関連する実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの少なくとも1つの各処理ステージに対応するコンピュータ実行可能命令を備える。これらの命令は、サブルーチンに分割され、および/または静的若しくは動的にリンクされ得る1つ以上のファイルに格納されてもよい。コンピュータプログラム製品に関連する別の実施形態は、本明細書に記載されるシステムおよび/または製品のうちの少なくとも1つの各手段に対応するコンピュータ実行可能命令を備える。これらの命令は、サブルーチンに分割され、および/または静的若しくは動的にリンクされ得る1つ以上のファイルに格納されてもよい。
【0083】
コンピュータプログラムの担体は、該プログラムを担持することができる任意の実体またはデバイスとすることができる。例えば、担体はROMのようなデータ記憶装置、例えば、CD ROM若しくは半導体ROM、または磁気記録媒体、例えば、ハードディスクを含むことができる。さらに、担体は、電気または光ケーブルを介して、または無線もしくは他の手段によって搬送され得る、電気または光信号などの伝送可能な担体であってもよい。プログラムがそのような信号で具現化される場合、担体は、そのようなケーブルまたは他のデバイスまたは手段によって構成されてもよい。代わりに、担体はプログラムが埋め込まれた集積回路であってもよく、集積回路は関連する方法を実行するように適合されているか、または関連する方法の実行に使用される。
【0084】
開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求される発明を実施する際に当業者によって理解され、実施することができる。特許請求の範囲において、単語「有する」は他の要素又はステップを排除するものではなく、単数形は複数を排除するものではない。単一のプロセッサまたは他のユニットは、特許請求の範囲に列挙されるいくつかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用することができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは他のハードウェアと共に、又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体により記憶/分配することができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システムなどを介して、他の形態で分配することもできる。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。