(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】骨修復用の拡張可能なインプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20240112BHJP
A61B 17/56 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61F2/44
A61B17/56
(21)【出願番号】P 2021511572
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 IB2019057301
(87)【国際公開番号】W WO2020044289
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519273267
【氏名又は名称】ストライカー・ユーロピアン・オペレーションズ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】オグラザ,ジャン・フランソワ
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0114367(US,A1)
【文献】国際公開第2010/103344(WO,A1)
【文献】特開2018-118048(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0242927(US,A1)
【文献】国際公開第2008/044057(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44
A61B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨修復用の拡張可能なインプラントであって、
第1端部要素と、
第2端部要素であって、前記第2端部要素は、前記インプラントの長手方向軸が前記第1端部要素の中心および前記第2端部要素の中心を通って規定されるように配置された、第2端部要素と、
第1方向に移動可能なプレートと、
第2方向に移動可能なブレードであって、基部と先端とを有
し、前記基部は前記第1端部要素よりも前記第2端部要素の近くに配置されている、ブレードと、
前記プレートと前記第1端部要素との間に延びる第1アームと、前記プレートと前記第2端部要素との間に延びる第2アームとを有する第1相互接続要素と、
前記ブレードの前記基部と、前記第1端部要
素との間に延びる
第3アームを有する第2相互接続要素と、
前記基部と前記第2端部要素との間に延びる第4アームであって、前記第3アームよりも長い第4アームと
を含み、
前記インプラントは、前記ブレードが前記長手方向軸に実質的に平行である折り畳まれた位置から、
前記第3アームと前記第4アームとの相対的長さにより前記ブレード
が旋回して前記長手方向軸に平行ではない拡張位置に拡張するように構成されている、
拡張可能なインプラント。
【請求項2】
前記ブレードは、前記第3アームおよび前記第4アームのうちの1つの位置を中心に旋回する、請求項
1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記第3アームおよび前記第4アームは相互に旋回する、請求項
1または2に記載のインプラント。
【請求項4】
骨修復用の拡張可能なインプラントであって、
第1端部要素と、
第2端部要素であって、前記第2端部要素は前記インプラントの長手方向軸が前記第1端部要素の中心および前記第2端部要素の中心を通って規定されるように配置された、第2端部要素と、
前記第1端部要素および前記第2端部要素の両方に取り付けられたプレートと、
基部と、前記基部から先端まで延びる長さを有するブレードであって、前記
基部は
、第1アーム
によって前記第1端部要素
に取り付けられ、かつ第2アーム
によって前記第2端部要素に取り付けられ
、前記第2アームの軸と前記第1アームの軸は前記インプラントの前記長手方向軸からオフセットされており、前記第2アームの前記軸は前記第1アームの前記軸からオフセットされている、ブレードと、
を含み、
前記インプラントは、前記プレートが前記長手方向軸に実質的に平行である折り畳まれた位置から、
前記オフセットにより前記ブレードは前記長手方向軸から離れるように旋回して前記プレートおよび前記ブレードが単一の平面において異なる方向に前記長手方向軸から離れるように移動する拡張位置に拡張可能であり、
前記インプラントが前記拡張位置にある場合、前記ブレードの前記先端は前記プレートよりも前記長手方向軸から離れており、
前記インプラントが前記拡張位置にある場合、前記ブレードの前記先端は前記ブレードの前記基部よりも前記長手方向軸から離れている、
拡張可能なインプラント。
【請求項5】
骨修復用の拡張可能なインプラントであって、
第1端部要素と、
第2端部要素であって、前記第2端部要素は、前記インプラントの長手方向軸が前記第1端部要素および前記第2端部要素によって規定されるように配置された、第2端部要素と、
第1方向に移動可能なプレートと、
第2方向に移動可能なブレードであって、基部と先端とを有するブレードと、
前記プレートと、前記第1端部要素との間に延びる第1アームと、
前記プレートと、前記第2端部要素との間に延びる第2アームと、
前記ブレードの前記基部と、前記第1端部要素との間に延びる第3アームと、
前記ブレードの前記基部と、前記第2端部要素との間に延びる第4アームと
、
前記第3アームと前記ブレードの前記基部との間に延びる第1材料ウェブと、
前記第4アームと前記ブレードの前記基部との間に延びる第2材料ウェブと
を含み、
前記インプラントは、前記ブレードが前記長手方向軸に実質的に平行である折り畳まれた位置から、前記ブレードは前記長手方向軸に平行ではない拡張位置に拡張するように構成され
、
前記第1および第2材料ウェブは、前記インプラントが前記拡張位置にある場合、塑性変形するように構成されている、
拡張可能なインプラント。
【請求項6】
前記第3アームおよび前記第4アームは、前記インプラントが前記拡張位置にある場合、相互に角度付けられている、請求項
5に記載のインプラント。
【請求項7】
前記インプラントが前記折り畳まれた位置から前記拡張位置に拡張し、骨内の柔らかい組織を変位または切断して空洞を形成するとき、前記ブレードの前記先端は弧状に移動するように構成されている、請求項1から
6のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項8】
前記ブレードは、荷重を受けると曲がるように構成されている、請求項1から
7のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項9】
前記ブレードは、前記ブレードの前記先端の近位にあるテーパー部分を有する、請求項1から
8のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項10】
前記テーパー部分は第1テーパー部分であり、
前記ブレードは、第1テーパー部分と前記基部との間に第2テーパー部分を有し、前記第2テーパー部分は、前記第1テーパー部分よりも浅い、請求項
9に記載のインプラント。
【請求項11】
前記ブレードは、前記ブレードの幅全体に凹部を画定し、前記凹部は、前記基部よりも前記先端に近く、前記ブレードの前記先端が荷重を受けると、前記凹部の両側の前記ブレードの部分の間の旋回点として機能する、請求項1から
10のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項12】
前記ブレードは平らな底面を有し、前記平らな底面は、前記基部から前記先端までの前記ブレードの幅に対してより広くなる、請求項1から
11のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項13】
前記ブレードの前記先端は球根状である、請求項1から
12のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項14】
前記第1端部要素は、挿入端であり、
前記ブレードの前記先端は、前記長手方向軸から離れて、前記インプラントの前記挿入端に向かって移動するように構成されている、請求項1から
13のいずれか1項に記載のインプラント。
【請求項15】
前記第1端部要素は、挿入端であり、
前記ブレードの前記先端は、前記長手方向軸から離れて、前記インプラントの前記挿入端から離れるように移動するように構成されている、請求項1から
14のいずれか1項に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年8月30日に出願された米国仮出願第62/724,768号の優先権およびすべての利益を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
骨圧迫骨折は、骨粗鬆症などの様々な原因を有し得、これは、個人の体重下での自然な椎骨圧迫につながる可能性がある。外傷は別の原因であるが、骨粗鬆症と外傷の組合せなど、様々な原因で骨が圧迫される可能性がある。骨の圧迫は椎骨で発生する可能性があるが、橈骨や大腿骨などの他の骨でも発生する可能性がある。
【0003】
今日まで、そのような疾患に対処するために椎体形成術が開発されてきた。しかしながら、椎体矯正を行うための、すなわち椎骨を元の形状に修復するための既存の椎体形成術は、しばしば十分に制御されておらず、および/または手術後の骨の修復が長期にわたって維持されることを保証する構造を提供することができない場合がある。
【0004】
例えば、後弯矯正術は、膨張可能なバルーンを椎体に導入し、続いて圧力下の流体をバルーンに導入して、椎骨の皮質殻、特に下部および上部の椎骨終板を強制して、圧力の影響下での椎骨の形状を矯正することを含む。骨の皮質殻が矯正されると、バルーンは収縮し、椎骨から引き抜かれ、皮質殻内のバルーンによって作成された空間にセメントを注入できるようになる。これは、矯正のための十分な機械的抵抗を与えることを目的とし、かなりの期間持続する。後弯矯正術の顕著な欠点には、その面倒な手順のステップと、患者の体からバルーンを引き抜く必要があることが含まれる。さらに、バルーンの体積は多方向であるため、バルーンの拡張は十分に制御されておらず、これにより、皮質殻にあまり望ましくない方向に大きな圧力がかかることが多い。このような大きな圧力は、皮質殻、特に椎骨の下部終板と上部終板を接続する皮質殻の外側部分の破裂の危険性がある。
【0005】
他の例では、椎骨の空洞を占有することを目的としたインプラントを利用する技術が採用されている。しかしながら、そのようなインプラントは、通常、椎骨内で十分なサイズの体積を支持しないため、手術後数週間および数ヶ月以内に崩壊することがよくある。確かに、椎骨の修復された高さは、手術後、時間の経過とともに減少する可能性がある。具体的には、インプラントから離れた骨の領域は弱く、時間の経過とともに、インプラントが所定の位置にある場合でも、荷重がかかると圧迫される。これは、例えば、インプラントの下であるが椎骨内の空間で発生する可能性がある。
【0006】
したがって、崩壊した骨構造を修復するための改良されたインプラントおよび関連する外科技術、特にインプラント構造の改良およびそのような構造から得られる性能の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、本開示は、骨修復のための拡張可能なインプラントに関する。一実施形態では、インプラントは、インプラントの長手方向軸が第1端部要素の中心および第2端部要素の中心を通過するように配置された第1端部要素および第2端部要素を含む。インプラントはまた、第1方向に拡張可能なプレートおよび第2方向に拡張可能なブレードを含む。第1相互接続要素は、プレートと第1端部要素および第2端部要素のうちの少なくとも1つとの間に延び、一方、第2相互接続要素は、ブレードと、第1端部要素および第2端部要素のうちの少なくとも1つとの間に延びる。インプラントの構造は、インプラントが拡張前に折り畳まれた位置にある場合、ブレードの長さが長手方向軸に実質的に平行であり、インプラントが拡張位置にあるように、ブレードが拡張されている場合、ブレードの長さは長手方向軸に平行ではない。
【0008】
一実施形態では、プレートおよびブレードは、折り畳まれた位置および拡張位置で単一の平面にある。別の実施形態では、ブレードが第2方向に拡張された場合、ブレードの先端が弧状に移動し、先端は、取り付け点から第2相互接続要素まで離れている。
【0009】
他の実施形態では、ブレードは、第2相互接続要素に隣接する基部と、基部から離れた先端とを含み、先端は、所定の荷重を受けると曲がる。一実施形態では、ブレードは、ブレードの先端の近位にテーパー部分を含む。別の実施形態では、ブレードは、第1テーパー部分と基部との間に第2テーパー部分を含み、第2テーパー部分のテーパーは、第1テーパー部分のテーパーよりも浅い。さらに別の実施形態では、ブレードは、ブレードの幅全体に凹部を含み、この凹部は、基部よりも先端に近く、ブレードの先端に荷重を受けると凹部の両側のブレードの部分の間の旋回点として機能する。他の実施形態では、ブレードは平面の底面を含み、平面の底面は、基部から先端に向かってブレードの幅に比べて広くなる。
【0010】
一実施形態では、ブレードの先端は球根状である。いくつかの実施形態では、第1相互接続要素および第2相互接続要素のそれぞれは、アームを含む。特に、第1相互接続要素は、プレートと第1端部要素との間に延びる第1アームと、プレートと第2端部要素との間に延びる第2アームとを含む。同様に、第2相互接続要素は、ブレードの基部と第1端部要素との間に延びる第3アームと、基部と第2端部要素との間に延びる第4アームとを含む。他の実施形態では、インプラントが折り畳まれた位置にある場合、第3アームの長さを通る第1軸は、第4アームの長さを通る第2軸とは異なる量で長手方向軸からオフセットされ、第1および第2軸は平行である。さらに別の実施形態では、第1軸は、第2軸から約0.6mmオフセットされている。別の実施形態では、ブレードは、ブレードが第2方向に拡張する場合、第3アームおよび第4アームのうちの1つの位置を中心に旋回する。いくつかの変形では、第3アームおよび第4アームはそれぞれ、それを通る長手方向軸と、第3アームと第4アームの一方を通る長手方向軸の間の角度とを含み、ブレードの長さは、ブレードが第2方向に拡張するにつれて変化する。
【0011】
一実施形態では、ブレードは、ブレードの先端がプレートよりも長手方向軸から離れるように、第2方向に拡張可能である。別の実施形態では、インプラントは、インプラントが拡張された場合、第1ブレードの先端が長手方向軸に向かって移動するのを防ぐ、第1および第2端部要素の1つから直接延びる第2ブレードを含む。別の実施形態では、第3アームおよび第4アームの一方は、ブレード上のボールおよびソケットの他方に取り付けるためのボールおよびソケットの一方を含む。さらに別の実施形態では、インプラントは、第3アームおよび第4アームの1つをブレードに接続する壊れやすい材料セグメントを含む。一実施形態では、ブレードの先端は、拡張中に弧状に移動する場合、長手方向軸から離れて、インプラントの挿入端に向かって移動する。別の実施形態では、拡張中に弧状に移動する場合、ブレードの先端は、長手方向軸から離れて、インプラントの挿入端から離れて移動する。
【0012】
別の実施形態では、本開示は、第1端部要素、第2端部要素、プレート、およびブレードを備えたインプラントに関する。第2端部要素は、インプラントの長手方向軸が第1端部要素の中心および第2端部要素の中心を通過するように配置される。プレートは、第1端部要素および第2端部要素の両方に取り付けられ、長手方向軸に平行な軸がプレートの長さを通過するように配向される。ブレードは、第1端部要素および第2端部要素に取り付けられた基部を含み、基部から先端まで延びる長さを有する。インプラントは、折り畳まれた位置から拡張位置に拡張可能であり、拡張には、プレートとブレードがそれぞれ長手方向軸から異なる方向に移動することが含まれる。拡張前、拡張中、および拡張後、プレートは長手方向軸に実質的に平行のままである。インプラントが拡張位置にある場合、ブレードの先端はプレートよりも長手方向軸から離れている。さらに、インプラントが折り畳まれた位置にある場合、およびインプラントが拡張位置にある場合、単一の平面がプレートおよびブレードを通過する。
【0013】
一実施形態では、インプラントが折り畳まれた位置から拡張位置に拡張される場合、ブレードの先端は、ブレードの基部よりも長手方向軸からさらに移動する。別の実施形態では、第2軸がブレードの長さを通過する。折り畳まれた位置では、第2軸は長手方向軸に平行である。拡張中に第2軸は長手方向軸に対して増加する角度になる。別の実施形態では、プレートは、第1端部要素および第2端部要素から等距離にある第1取り付け点を介して第1および第2端部要素に取り付けられる。プレートの反対側で、ブレードは、第1端部要素および第2端部要素のうちの1つに近い第2取り付け点を介して第1および第2端部要素に取り付けられる。さらに別の実施形態では、先端は、折り畳まれた位置、拡張位置、およびその間の位置で別の要素に取り付けられていないブレードの自由端である。
【0014】
さらに別の態様では、本開示は、骨を修復する方法に関する。最初に、インプラントが骨に導入される。インプラントは、第1端部要素、第2端部要素、プレートおよびブレードを含む。長手方向軸は、第1端部要素の中心および第2要素の中心を通過する。プレートおよびブレードのそれぞれは、第1端部要素および第2端部要素の両方に取り付けられている。さらに、インプラントは、プレートとブレードが異なる方向に拡張可能であるように、折り畳まれた位置から拡張位置まで拡張可能である。インプラントが骨に導入されると、インプラント拡張器ツールが作動して、プレートとブレードが折り畳まれた位置から拡張位置に移動すると、インプラントの第1端部要素がインプラントの第2端部要素に近づく。作動中にプレートは長手方向軸に実質的に平行のままであり、ブレードは、第1端部要素および第2端部要素の一方に隣接する旋回軸の周りを回転する。ブレードの回転により、旋回軸から離れたブレードの先端が、長手方向軸から離れて弧状に移動する。プレートとブレードの拡張位置に向かう移動によって、海綿骨などの骨内の材料が変位することにより、骨に空洞が作成される。
【0015】
一実施形態では、この方法は、セメントを空洞に注入することを含み、セメントは、対向する皮質表面の間の骨のほぼ全体の深さを横断する。一例では、セメントは、セメントが空洞を満たすと、第1端部要素および第2端部要素の1つをブレードと接続する一対のアームの間を流れる。
【0016】
一実施形態では、プレートは長手方向軸から第1距離を拡張し、ブレードの先端は長手方向軸から第2距離を拡張する。この拡張中、インプラントが拡張位置に近づくにつれて、第2距離と第1距離の差が大きくなる。別の実施形態では、ブレードは、ブレードの拡張中に所定の荷重を受けると曲がる先端に隣接する部分を含む。さらに別の実施形態では、作動ステップは、インプラント拡張器ツールを回転させることを含む。一実施形態では、インプラントは、プレートおよびブレードが折り畳まれた位置に戻らないように、拡張中に塑性変形を受ける。さらに別の実施形態では、この方法は、インプラントの第1端部要素および第2端部要素の開口内に配置された保持要素とインプラントを係合させることを含む。この係合により、保持要素は、インプラントが折り畳まれた位置に向かって移動するのを防ぐ。さらに別の実施形態では、プレートが第1皮質骨表面に接触し、ブレードの先端が第2皮質骨表面に接触した場合、拡張位置に到達する。
【0017】
一実施形態では、ブレードの回転中にブレードによって変位される海綿骨の体積は、ブレードの長さおよび回転中に海綿骨に荷重を加えるブレードの表面積の関数である。一例では、その体積は、インプラントの拡張中にプレートによって変位された海綿骨の第2体積よりも大きい。
【0018】
本開示の他の目的および利点は、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになり、その説明は、同様の参照が同様の要素を示し、以下の添付の図面と併せて考慮されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の一実施形態による、拡張位置にあり、椎体内に配置されたインプラントの斜視図である。
【
図2】閉位置の
図1のインプラントの側面図である。
【
図3】拡張位置の
図1のインプラントの側面図である。
【
図4】拡張位置の
図1のインプラントの斜視図である。
【
図5】
図1のインプラントの一部の拡大斜視図である。
【
図6】閉位置での本開示の一実施形態によるインプラントの側面図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、インプラントの一部の拡大側面図である。
【
図8】本開示の一実施形態によるインプラントの側面図である。
【
図9】本開示の一実施形態によるインプラントの斜視図である。
【
図12】本開示の一実施形態によるインプラントのブレードの側面図である。
【
図13】本開示の一実施形態による、異なる位置にあるインプラントの側面図である。
【
図14】本開示の一実施形態による、異なる位置にあるインプラントの側面図である。
【
図15A】本開示の一実施形態による、インプラントを骨に挿入および拡張する方法のステップを示す図である。
【
図15B】本開示の一実施形態による、インプラントを骨に挿入および拡張する方法のステップを示す図である。
【
図16】本開示の一実施形態による、インプラントを骨に挿入および拡張する方法のステップを示す図である。
【
図17】本開示の一実施形態による、インプラントを骨に挿入および拡張する方法のステップを示す図である。
【
図18】本開示の一実施形態による、インプラントを骨に挿入および拡張する方法のステップを示す図である。
【
図19】本開示の一実施形態による、インプラントを骨に配置する方法のステップを示す図である。
【
図20】本開示の一実施形態による、インプラントを骨に配置する方法のステップを示す図である。
【
図21】本開示の一実施形態による、一対のインプラントを骨に配置する方法のステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示全体を通して、拡張可能なインプラントは、椎体内に一度配置されたインプラント構造の拡張を通じて、ヒトまたは動物の崩壊した椎体を修復するのに使用するために記載されている。しかしながら、脊椎の椎体内での適用に特に関連して説明されているが、本明細書の実施形態のインプラントは、体の他の領域で使用され得ることも企図される。例えば、インプラントは、そのような骨が崩壊した場合の修復手段として、体の他の骨の海綿骨内で使用され得る。
【0021】
一態様では、本開示は、崩壊した骨構造を修復するための拡張可能なインプラント構造に関する。一実施形態では、拡張可能なインプラント100は、
図1~5に示される通りである。埋め込まれて拡張位置にある場合、インプラント100は、
図1に示されるように、椎骨10内にある。インプラント100は、第1端部要素110、第2端部要素120、プレート130、ブレード140、および端部要素の1つとプレートまたはブレードの間に延びるアーム162、172、152A~B、182A~Bの形態のいくつかの相互接続要素を含む。
【0022】
インプラント100の形状は、
図2に示されるように、インプラントを通る断面が少なくとも部分的に円形であるように、閉じた位置または折り畳まれた位置で大部分が円筒形であり、各要素の形状は、
図4に示されている。インプラント100は、例えばチタンまたはチタン合金などの生体適合性材料で構成され、旋盤、レーザー、および/または電気侵食製造技術を使用して管状本体から製造することができる。あるいは、積層造形技術または鋳造製造を使用することができる。
【0023】
インプラント100は、第1端部要素110および第2端部要素120を含み、これらはそれぞれ中空であり、
図2~5に示されるようにテーパー部分を有する円筒形を有する。他の例では、端部要素の正確な形状は、示されているものとは異なる場合がある。
図1~5に示される実施形態では、椎骨10の前側2の近くのインプラントの先端または遠位端は、第2端部要素120に対応し、一方、後側4の近くの骨にインプラントを挿入するユーザに最も近い近位端は、第1端部要素110に対応する。端部要素110、120は、例えば、
図2と
図3および4の比較によって表されるように、インプラントの拡張を可能にするために互いに向かってくるように意図されている。したがって、2つの端部要素110、120は、プレート130を介して、上部アーム162、163A~Bの第1群および上部アーム172、173A~Bの第2群を含む相互接続要素を介して互いに、長いブレード140を介して、第1対の下部アーム152A~Bおよび第2対の下部アーム182A~Bを含む相互接続要素を介して別個に接続される。
図2に見られるように、これらのアームのそれぞれは、インプラント100が閉じた、すなわち折り畳まれた構成にある場合、直線的であり、他のアームと平行である。上部アームと下部アームの構成は、保持要素または他の作動構造がインプラント内に適合できるように、折り畳まれた位置でそれらの間に空間が提供されるようなものである。特に、各アーム152A~Bの長手方向軸は、各アーム182A~Bの長手方向軸からオフセットされており、オフセットは、
図2の参照番号149によって示されている。一例では、オフセットは0.6mmであり、インプラントの拡張中に長いブレードが長手方向軸102から離れるように回転することを確実にする。本明細書で参照されるように、長手方向軸102は線形である。長手方向軸102は、本明細書では直線の長手方向軸とも呼ばれる。他の例では、オフセットは、0.5mmから0.7mmの範囲の量である。
【0024】
図4に示されるように、第1端部要素110および第2端部要素120のそれぞれは、それを通る開口、それぞれ111および121を含む。これらの開口111、121は、その中のツールのシャフト、例えば、保持要素103の配置を収容するようなサイズであり、シャフトは、インプラントの作動を制御するために回転可能である。さらに、それぞれの端部要素110、120の内面116、126は、ツールとインプラントとの間の制御された相互作用を提供するために、隆起、ねじ山、または他の係合機能を含み得る。一例では、インプラントの遠位端として動作可能な第1端部要素110または第2端部要素120は、貫通開口の代わりに片側にエンクロージャを備えた空洞を含み得、その結果、端部要素は、インプラントの残りの部分とは反対側を向いた外向きの表面で完全に閉じている。
【0025】
端部要素を参照し続けると、第1端部要素110は、例えば、
図2~5に示されるように、第1内向きの表面114を含む。第1内向きの表面114は、開口111が通過するリング形状である。第1内向きの表面114から延びるのは、上部アーム163A~B、上部アーム162、下部アーム152A~B、および短いブレード150である。プレート130をインプラント100の上部に配置し、長いブレード140を下部に配置すると、上部アーム162は、第1内向きの表面114から、他のアームの上の表面114上の位置からプレート130まで延びる。上部アーム162のすぐ下で、さらに表面114からプレート130まで延びるのは、
図4に示されるように、一対の上部アーム163A~Bである。上部アーム163Aは、
図4に示されるように、上部アーム163Bの側面と反対側の表面114の側面から延びる。上部アームの下の表面114から長いブレード140まで延びるのは、一対の下部アーム152A~Bである。アーム163A~Bと同様の方法で、下部アーム152Aは、下部アーム152Bの側面と反対側の表面114の側面から延びる。アーム152Aおよび152Bのそれぞれの取り付け位置の間の空間は、短いブレード150の端部要素110への取り付けを収容する。このようにして、例えば、
図2および5に示すように、短いブレード150は、下部アーム152Aと下部アーム152Bとの間の表面114から自由端先端151まで延びる。短いブレード150は、軸102と平行な上面を含み、短いブレードが自由端先端151に向かって小さくなるようにテーパー底面153を含む。
【0026】
第2端部要素120は、第1端部要素110について上で説明したのと同じ方法でそこから延びるアーム172、173A~Bおよび182A~Bを備えた第2内向きの表面124を含む。したがって、上部アーム172、173A~Bのそれぞれは、第2内向きの表面124からプレート130まで延び、一方、下部アーム182A~Bのそれぞれは、第2内向きの表面124から長いブレード140まで延びる。
【0027】
プレート130は、
図4に示されるように、凸状の上面134を含み、軸102を横切る方向に湾曲している。
図2に示されるように、インプラントが閉じた位置にある間、プレート130は、第1と第2端部要素110、120との間の距離に近い長さを有する。他の変形では、第1端部要素と第2端部要素との間の距離に対するプレートの長さは、
図2に示されるものよりも長くても短くてもよい。プレート130の中央領域において、プレート130の本体から軸102に向かって内側に延びるのは、基部部分132である。基部部分は、第1端面135と第2端面136との間のプレート長さの中央部分にわたって延びる長さを有する。アーム162、163A~Bは、
図3と5に最もよく示されるように、基部部分132の第1端面135から延び、一方、アーム172、173A~Bは、基部部分132の第2表面136から延びる。基部部分132は、プレート130と上部アームとの間の取り付け点の一例である。
【0028】
上記のように、上部アームは、上部アーム162、163A~Bの第1群および上部アーム172、173A~Bの第2群を含む。各アームがその端でインプラント100の他の構造とインターフェースする場所を説明したので、アーム自体の構造に目を向ける。上部アーム162、172はそれぞれ、第1および第2端部要素の直径に近い幅を有する。上部アーム163A~Bおよび173A~Bは、それぞれ、アーム162、172の下のアームの対であり、アーム162、172よりも狭い。上部アーム(および下部アーム)のそれぞれは、その両端に、材料ウェブとも呼ばれる薄い材料ウェブを有している。この材料ウェブは、荷重を受けると塑性変形するため、隣接する要素の効果的な旋回点として機能する。別の言い方をすれば、ウェブ材料の塑性変形により、第1端部要素と第2端部要素が互いに近づくにつれてアームがプレート(またはブレード)の下で折り畳まれ、一方、プレートが並進するか、ブレードが回転して中心直線軸102から離れる。さらに、材料ウェブは、端部要素とプレートまたはブレードとの間に挿入される壁を薄くすることによって形成される関節領域である。一例では、材料ウェブは材料の弱められたゾーンである。別の例では、材料ウェブは、アームに溝を作製することによって形成される。そのような材料ウェブは、破損することなく塑性変形可能である材料ウェブの一例を提供する。いくつかの例では、材料ウェブは、所定の方法で所定の程度に変形することによって、インプラントの拡張を制御する。材料ウェブのさらなる変形は、米国特許第7,846,206(‘206特許)、8,986,386(‘386特許)、および9,414,933(‘933特許)号に記載されている通りであり得、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
上部アームにおいて、アーム162はウェブ164、166を有し、アーム163A~Bはウェブ167A~B、168A~Bを有する。各アーム162、163A~Bの一方の端は、第1端部要素110に当接し、一方、他方の端は、基部部分132の表面135に当接する。同様に、前述のアームの反対側の上部アーム172および173A~Bはまた、一端で第2端部要素120の表面124および反対側の端で基部部分132の表面136に当接するそれらの端に材料ウェブを含む。特に、材料ウェブ174、176、177A~Bおよび178A~Bは、それぞれ材料ウェブ164、166、167A~Bおよび168A~Bに対応する。
【0030】
長いブレード140は、インプラント100の残りの部分に取り付けられた基部142を含み、
図2~4に示されるように、基部142から自由端先端145まで延びる長さを有する。先端145は、折り畳まれた位置、拡張位置、およびその間の位置で別の要素に取り付けられないという点で自由端である。長いブレード140は、中央部分141およびテーパー部分144を含み、テーパー部分は、自由端先端145で終端する。テーパー部分144で、長いブレード140は、ある程度鋭利にされた先端を有する。長いブレード140の形状、特にテーパー部分は、荷重を受けると、曲がる能力を改善する。インプラント100の残りの部分とは反対に面する長いブレードの下面は、
図4に最もよく示されるように、長いブレード140の中心軸と整列し、ブレード140の長さに沿って延びるピークを有する隆起146によって規定される。ブレード140の長さは、
図2に示されるように、インプラント100が折り畳まれた位置にある場合、自由端先端145が短いブレード150の真下に延びるような長さである。特に、長いブレード140のテーパー部分144は、インプラントが折り畳まれた位置にある場合、短いブレード150が、長いブレード140が直線の長手方向軸102に平行に配置可能であることを妨げないように、短いブレード152のテーパー面153の真下に配置される。それにもかかわらず、長いブレード140の自由端先端145は、インプラント100が折り畳まれた位置にある場合、第1内向きの表面114に近接している。上記のように、ブレード140は、基部142の第1端147から延びる第1対の下部アーム152A~Bおよび基部142の第2端148から延びる第2対の下部アーム182A~Bを介してインプラント100の残りの部分に接続される。基部142は、長いブレードと下部アームの間の取り付け点の一例である。
【0031】
図2に見られるように、基部142は、アーム152A~Bがアーム182A~Bよりもはるかに長くなるように、第1端部要素110よりも第2端部要素120の近くに配置される。インプラント上の基部142の位置は、より長いブレードが収容されるように、ブレードがインプラントの長さのかなりの部分にわたって延びる余地を提供する。以下でより詳細に説明するように、より長いブレードは、
図3に示すように、ブレードが下向きにスイープすると、インプラントの下のより大きなスイープ運動がインプラントの近位端からインプラントの遠位端に向かって、あるいは、インプラントが反対方向に向けられたブレードで構造化されている場合、遠位端から近位端までより多くの海綿骨を除去することを可能にするという点で有利である。
【0032】
下部アーム152A~Bは、上記の上部アームの構造と同様の構造を含む。各下部アーム152A、152Bは、第1端部要素110から長いブレード140まで延びる長さ、第1端部要素110に当接する材料ウェブ154A~B、および長いブレード140の基部142に当接する材料ウェブ156A~Bを有する。
図4および5に示されるように、アーム152Aと152Bとの間にギャップが存在する。下部アーム182A~Bは、基部142の第2端148を第2端部要素120に隣接させる材料ウェブを含む。
図2および3に示されるように、下部アーム182A~Bは、それぞれの長さにわたって一定の厚さを有するが、特定の断面寸法は、アームの長さにわたって変化し得ることが企図される。一例では、基部142と第2端部要素120との間の下部アームは、それらの端からさらに大きな断面サイズを含み、第2端部要素に隣接するなど、アーム上の所望の点で塑性変形を引き起こす。
図2~4に示されるように、プレート130および長いブレード140の拡張は、単一の平面で起こる。したがって、
図2に示される折り畳まれた位置では、
図3に示される拡張位置において、およびその間の位置では、インプラントのプレート、長いブレード、およびアームはすべて、単一の共通の平面にある。
【0033】
一実施形態では、インプラント200は、
図6に示される通りである。
図6では、同様の参照番号は同様の要素を指し、特に明記しない限り、参照される要素は、インプラント100について説明した通りであり得るが、200シリーズの番号の範囲内である。インプラント200は、第1端部要素210、第1内向きの表面214、第2端部要素220、第2内向きの表面224、プレート230、および長いブレード240を含む。長いブレード240は、第1対の下部アーム252A~Bおよび第2対の下部アーム282A~Bをそれぞれ介して、第1端部要素210および第2端部要素220に取り付けられている。基部242の第1端247から延びる第1対の下部アーム252A~B、および基部142の第2端248から延びる第2対の下部アーム282A~Bである。下部アーム252A~Bは、第1端部要素210に当接する端に材料ウェブ254A~Bを含み、一方、反対側の端では、アーム252A~Bは、ボールおよびソケットジョイントの一部を形成する。
図6に示されるように、アーム252A~Bのそれぞれは、ボール構成要素を提供し、一方、ブレード240の基部242の第1端247は、ボール構成要素に対応するソケット(図示せず)を提供する。このようにして、基部242の第1端247の表面は、アーム252A~Bの端を受け入れるための凹んだ表面(図示せず)を含む。別の構成では、アーム252A~Bがそれらの端面にソケットを有し、基部242がボールおよびソケットのボールを規定するための突起を有するように、要素が逆にされている。ボールおよびソケットは、接続点が直線軸202から離れるように回転する間、長いブレード240およびアーム252A~Bがボールとソケットの接続を中心に旋回するように設計されている。この回転運動は、
図2~3に示されるような材料ウェブ156A~Bを含むインプラント100の拡張中に発生するものを反映している。したがって、ボールとソケットの接続は、拡張中に下部アーム252A~Bと長いブレード240との間の取り付けも維持しながら、下部アームと長いブレードとの間に材料ウェブ接続を有する実施形態で説明されるような要素の相対的な動きを提供する。さらに、この配置では、アームは、例えば、材料ウェブ254A~Bおよび282A~Bの塑性変形を介して一方向に依然として膨張する。この実施形態のボールおよびソケットの代わりに、ボールおよびソケットジョイントの機能的同等物を使用することもできることを理解されたい。
【0034】
一実施形態では、インプラント300は、
図7に示されるように、壊れやすい材料セグメント356Aを介して長いブレード340に取り付けられた下部アーム352A~Bを含む。壊れやすい材料セグメント356Aは、各下部アーム352A~Bと長いブレード340との間の唯一の接続を提供し、アーム352A~Bの端面は、基部342の第1端347に取り付けられていないことが
図7でわかる。壊れやすい材料セグメント356Aは、インプラントの使用前に、インプラントが閉じて折り畳まれた位置にある場合、ブレード340が、
図7に示すように、壊れやすい材料セグメント356Aを介したアーム352A~Bによる支持によって部分的に定位置に保持されるように、支持機能を提供する。しかしながら、インプラント300は、荷重が第1端部要素に加えられた場合、すなわち、インプラントの第1端部要素が第2端部要素に近づき、プレートおよびブレードがそれらをさらに離して拡張させるために荷重を受ける場合、アーム352A~Bおよび長いブレード340の動きが、壊れやすい材料セグメント356Aが破損するように、それらの間に張力を引き起こすように構成されている。このようにして、インプラント300は、壊れやすい材料セグメント356Aが破損した場合、基部342と第2端部要素との間に位置する下部アームの周りで長いブレード340が旋回可能であるように構成されている。
【0035】
図8において、インプラントの別の実施形態が示されており、類似の参照番号は、400シリーズの番号内の類似の要素を参照している。インプラント400は、第1端部要素410、第2端部要素420、プレート430、基部432、一群の上部アーム462、463A~B、472、473A~B、長いブレード440、および一群の下部アーム452A~B、482A~Bを含む。しかしながら、下部アーム452A~B、482A~Bおよびブレード440、450は、インプラント100の端部要素に対して逆になっている。特に、長いブレード440の基部442は、インプラント100の第1端410に隣接している。このようにして、インプラント400は、インプラントの拡張中に第1端部要素が第2端部要素に近づくと、長いブレード440の自由端先端445が中心軸402から弧を描くように構成される。この弧状の動きは、下向きであり、第2端部要素420から離れて、ユーザに向かって近位方向にある。したがって、例えば、インプラント400が椎骨に挿入された場合、長いブレード440が取り付けられるため、椎骨の前側から後側に向かって弧状に拡張する。
【0036】
図9~11には、500シリーズの番号内で、同様の参照番号が同様の要素を指す、インプラントの別の実施形態が示されている。インプラント500は、第1端部要素510、第2端部要素520、プレート530、基部532、一群の上部アーム562、563A~B、572、573A~B、長いブレード540、および一群の下部アーム552A~B、582A~Bを含む。
図9に示されるように、第1端部要素510および第2端部要素520のそれぞれは、それを通る開口511および521をそれぞれ含む。これらの開口511、521は、その中のツールのシャフト、例えば、隆起部分504を備えた保持要素503の配置を収容するようにサイズ決定され、シャフトは、インプラントの作動を制御するために回転可能である。保持要素503は、セメント30が保持要素503を出て骨内の空洞に入る出口アパーチャ505A、505Bを含む。
【0037】
図10は、ブレード540を第1端部要素510に接続する、効果的に材料ウェブであるアーム582A~Bが、上部アームの対応する材料ウェブ564、567A~Bよりも厚いことを示している。インプラントの下側にはアーム層が1つしかないため、材料ウェブは厚くなり、単一レベルの支持を補い、荷重を伝達するのに十分な能力を提供する。一例では、アーム582A~Bは0.4mmの厚さである。さらに、
図10の参照番号549によって示されるように、アーム582A~Bを通る長手方向軸は、アーム552A~Bが直線の長手方向軸502からさらに離れるように、アーム552A~Bを通る長手方向軸からオフセットされている。アームは、ブレードの拡張機能を最適化するために、すなわち、第1端部要素および第2端部要素が互いに向かって移動する場合、ブレードが外側に拡張することを確実にするために、ある量だけオフセットされる。一例では、オフセットは0.6mmである。他の例では、オフセットは、0.5mmから0.7mmの範囲の量である。
図10に示すように、インプラント500の下側にアームの単層のみで利用可能な追加のスペースのために、インプラントの下側に互いにオフセット549のアームを含めることは、より単純になる。
【0038】
上部アームにおいて、上部アーム562はウェブ564、566を有し、アーム563A~Bはウェブ567A~B、568A~Bを有する。各アーム562、563A~Bの一方の端は、第2端部要素520の表面524に当接し、一方、他方の端は、基部部分532の表面535に当接する。同様に、前述のアームの反対側の上部アーム572および573A~Bはまた、一端で第1端部要素510に当接し、反対側の端で基部部分532の表面536に当接するそれらの端に材料ウェブを含む。特に、材料ウェブ574、576、577A~Bおよび578A~Bは、それぞれ材料ウェブ564、566、567A~Bおよび568A~Bに対応する。
【0039】
図9~11に示すように、ブレード540は、上向きの側541において平坦であり、長いブレード140と比較して、インプラントの外幅に対してより広い。特に、
図11は、テーパー部分543、544を通る長いブレード540の幅が、基部542よりもわずかに狭いだけであることを示しており、基部542は、インプラント500の外幅に対応する幅を有する。ブレード540は、基部542から延びる第1テーパー部分543と、第1テーパー部分543から先端545まで延びる第2テーパー部分544とを含む。各テーパー部分は、
図11に示すように、平面によって規定され、先端545に向かって広くなる。平面テーパー部分543、544の外側の底面546は、再び、
図11に示されるように、わずかに湾曲または丸みを帯びていてもよい。ブレード540の形状、特に、
図11に示されるその下向きの表面積は、例えば、インプラントの外寸に対して最大化される。言い換えれば、ブレードの長さはインプラントの長さに近く、一方、ブレードの幅はインプラントの幅に近い。この形状は、インプラントが拡張すると、海綿骨などの材料を変位させるブレードの能力を最大化する。先端545は丸みを帯びているか球根状であり、長いブレード540の幅を横切って延びる。一例では、第1テーパー部分のテーパー角度は2度であり、第2テーパー部分のテーパー角度は4度である。この例では、長さが6から7mmの第2テーパー部分を提供することにより、所定の荷重を受けると、長いブレードが曲がる能力がさらに最適化される。長さ6.7mmの第2テーパー部分が特に有利である。この例および他の例では、丸い先端の断面半径は0.30mmであり得る。一例では、長いブレードは幅が4.1mmであり、一方、先端に隣接する第2テーパー部分の平面上の最も広い位置は3.6mmである。
【0040】
長いブレード540の基部542は、第1端部要素110に隣接しており、その結果、長いブレード540の自由端先端545は、第2端部要素120から離れて第1端に向かって、すなわち近位方向に弧を描く。代替構成では、基部は、逆構成で第2端部要素120に隣接して配置され得、その結果、長いブレード540の先端545は、
図9に示されるインプラント500によって示される方向とは反対の方向に直線の長手方向軸502から離れて弧を描く。
【0041】
上記のように、椎骨などの骨構造に挿入および拡張された場合のインプラント500の1つの利点は、それが大きな表面積を有するブレードを含み、その結果、拡張プロセス中にブレードが直線の長手方向軸502から離れて弧を描く場合、ブレードの幅に対応する海綿骨の体積が変位し、ブレードの相対的な幅が大きいと、変位する体積が増加することである。次に、海綿骨の変位の増加により、インプラントの下に広い空洞が作成されるため、インプラントを使用して修復を完了するために、より多くのセメントをその中に配置することができる。さらに、ブレード経路がブレードの先端を下部プレートに接触させる場合、ブレードの形状は、例えば、皮質骨表面との接触のために、荷重を受けると、ブレードが曲がるか、さもなければ変形するようになり、これにより、ブレードが皮質骨と接触した後もブレードに荷重がかかり続けた場合、ブレードの先端545が椎体に穴を開ける可能性を低減する。この利点は、
図9および10に示すように、ブレード540の先端545が丸みを帯びているため、さらに強化され、例えば、皮質骨の穿刺のリスクを軽減する。
【0042】
別の実施形態では、
図9~11のインプラントは、
図12に示されるようなブレード640を含む。このブレードは、基部642と、ブレード構造の弱点を規定するブレード幅を横切る凹部649の形の弱いセクションとを含む。他の点では、同様の参照番号は、インプラント500内の同様の要素を指す。ブレード640は、ブレード640に荷重がかかり、皮質骨と接触している場合、凹部649と自由端645との間のブレード640の遠位部分644が、ブレードの残りの部分から曲がるか、または破損し、遠位部分644が曲がるか破損するかに関係なく、ブレード640は骨を貫通しないという利点がある。これにより、インプラントが椎体内に挿入されて拡張された場合、皮質骨が穿刺されないようにするための追加の保護手段が提供される。他の例では、凹部649と同様の特徴を、本明細書に記載の任意のインプラント実施形態のブレードに使用することができる。
【0043】
さらに別の実施形態では、インプラント700は、
図13および14に示されるように、2つのブレード、すなわち、上部ブレード770および下部ブレード740を含む。特に断りのない限り、同様の参照番号は同様の要素を指す。直線の長手方向軸702の下は下部ブレード740であり、直線の長手方向軸702の上は上部ブレード770である。アーム782A~Bは、下部ブレード740を第1端部要素710に接続し、アーム752A~Bは、下部ブレード740を第2端部要素720に接続する。同様に、アーム777A~Bは、上部ブレード770を第1端部要素710に接続し、アーム763A~Bは、上部ブレード770を第2端部要素720に接続する。アーム752A~B、763A~B、777A~B、782A~Bは、例えば、インプラント500のものと類似または同じであり得る。インプラント700は対称的であり、したがって、上部アームおよびブレード770の特徴は、下部アームおよびブレード740の特徴と同じである。
図13は、折り畳まれた位置にあるインプラント700を示している一方、
図14は、拡張位置にあるインプラント700を示している。
【0044】
インプラント構造は、多くの方法で変えることができる。例えば、端部要素をプレートに接続する上部アームは、単一のアームが第1端部要素をプレートに接続し、単一のアームが第2端部要素をプレートに接続するように配置され得る。この構造に対応するために、各アームのウェブは他の実施形態よりも厚みがあるため、各アームがより大きな荷重に耐えることができる。他の構成では、アームは、保持要素のためのスペースを提供するために、インプラントの中心長手方向軸に対してより大きくオフセットされ得る。アームの断面サイズが大きい場合は、オフセットを大きくすることが望ましい場合がある。下部アームでも同様の変形が可能である。別の例では、インプラントは、中心長手方向軸の上のプレートと、中心長手方向軸の下で互いに隣接する2つのブレードとを含む。この構成では、インプラントの第1および第2端部要素が互いに向かって移動した場合、2つのブレードが一致する弧状の動きで拡張する。他の例では、インプラントの長いブレードは、ブレードの拡張中の穿刺を防ぐために、ブレードの自由端部分が皮質骨と接触すると回転するように、凹部の代わりにヒンジを含み得る。さらに別の例では、先端は、同様の機能を果たすためのばね機能を含み得る。他の例では、本明細書に記載の様々な実施形態のブレードは、使用中の皮質骨穿刺のリスクを最小限にするために、ブレードの先端に丸みを帯びた特徴を含み得る。さらに別の例では、プレート、短いまたは長いブレード、アーム、および端部要素の断面形状は、図示の実施形態に示されているものとは異なる場合がある。他の例では、インプラント端に対する長いブレードの位置は、上記の実施形態のそれぞれについて説明された方向に対して逆にすることができる。したがって、長いブレードが椎骨の前側から後側に向かって正確に動く場合、それはまた、後側から前側に回転するように構成され得る。
【0045】
別の態様では、本開示は、椎体を修復するためのシステムに関する。一実施形態では、システムは、インプラント100、および保持要素103をインプラント100の第1および第2端部要素110、120にそれぞれ配置することによってそれに取り付けられた保持要素103を含む。そのようなシステムの一例が
図1に示されている。保持要素103は、インプラント100が拡張後に崩壊しないことを保証しながら、アームの塑性変形、例えば、アーム上の材料ウェブによって、端部要素110、120を互いに近づけることができる構造を提供する。
【0046】
別の実施形態では、システムは、インプラント、保持要素、およびインプラント拡張器を含み得る。そのような実施形態では、インプラント拡張器は、保持要素の上に配置され、システムを作動させてインプラントを拡張する場合、使用中にインプラントに接触する。さらに別の実施形態では、システムは、インプラント、保持要素、インプラント拡張器、およびインジェクター移送管を含み得る。完全に拡張されたインプラントでは、インジェクター移送管が前進し、インプラント拡張器内に配置される。インジェクター移送管は、セメントフィラーがインジェクター移送管内からインプラントによって修復された骨構造に注入され得るように構成されている。
【0047】
別の態様では、インプラントは、キットとして他のツールと一緒に含まれ得る。一実施形態では、キットは、2つのインプラントと、1つまたは複数のインプラント拡張器、トロカール、ガイドワイヤー、リーマー、テンプレート、カニューレプラグ、およびインジェクター移送管を含む。変形では、前述のツールのうちの複数のいずれか1つを含めることができる。さらなる変形では、キットは、前述のツールの組合せとともに単一のインプラントを含む。さらに別の変形では、キットが3つ以上のインプラントを含む。キットに複数のインプラントが含まれている場合、キット内のインプラントは全体のサイズまたは材料が異なる場合があり、特定の手術に最適なインプラントを選択できる。インプラントとツールの任意の組合せも、単一のパッケージまたは個別のパッケージに含めることができ、後でキットとしてまとめることができる。
【0048】
キットは、多くの方法で変えることができる。例えば、本明細書に記載される特定のインプラントおよびツールの任意の組合せは、キットの一部として他に記載されていない他のツールまたは器具をさらに含み得ることが企図される。任意の企図されるキットの要素の様々な組合せは、単一のパッケージに含まれるか、または複数のパッケージに分散され得る。他の例では、本明細書で企図されるキットは、キットの内容物を使用する1つまたは複数の方法を実行する方法に関する取扱説明書を伴うことができる。
【0049】
別の態様では、本開示は、崩壊した骨構造を修復するためにインプラントを使用する方法に関する。この方法の1つの実施形態が
図15A、15Bおよび16~18に示されている。最初に、インプラント100は、例えば、椎体などの崩壊した骨構造に挿入される。これは、
図15Aに示されるインプラント拡張器190などのツールを使用して達成することができる。インプラント拡張器を使用するには、インプラントをインプラント拡張器の遠位端に取り付ける。一例では、これは、インプラント拡張器の管を通って延びるロッド(図示せず)と、インプラントの第2端部要素120内の内面との間のねじ込み係合によって達成することができる。インプラントが取り付けられた場合、ロッドを取り囲むインプラント拡張器の管が第1端部要素110に当接する。管は、保持要素103の露出部分を通過するようなサイズになっている。インプラントが最初に挿入される場合、それは、
図15A~15Bに示されるように、折り畳まれた位置にある。いくつかの例では、椎体へのポータルの準備のためのインプラントの挿入に先行するステップは、‘206、‘386、および‘933特許に記載されている通りであり得る。別の例では、準備は、トロカールを骨に挿入し、続いてトロカールを通してガイドワイヤーを配置することを含む。次に、トロカールの一部を取り除いて、リーマーをガイドワイヤー上で摺動させることができるようにする。これに続いて、骨にドリルで穴を開け、ドリルした経路を掃除する。カニューレプラグなどの他のツールをこの時点でも使用して、インプラント配置用のポータルの寸法を確認することもできる。
図15Aに示される実施形態では、椎骨10の2つのポータルが、それぞれ2つのインプラント100、100Aに対して準備されている。それにもかかわらず、修復は、骨への単一のインプラントまたは複数のインプラントの配置を含み得、例えば、挿入されるインプラントの量は劣化または損傷の重症度、および/または骨のサイズに基づいて選択されることが企図される。
【0050】
椎体内の所望の位置にあるインプラント100において、椎骨10の2つのポータルが2つのインプラント100および100Aのために準備される場合、インプラント拡張器190、および190Aは、
図15Aにおいて、191で示されるインプラント拡張器上のハンドルを回転させることによって作動される。ハンドルの回転により、インプラント拡張器内のロッドがハンドルに向かって軸方向に並進すると同時に、第1端部要素110が第2端部要素120に近づく。そのような機能を提供するハンドルの一例は、回転作動を線形並進に変換する内部構造を含む。このプロセスの間、第1要素110に当接する管は、同じ量を並進するが、第2端部要素の並進とは反対の方向に並進する。
図15Bに目を向けると、保持要素103は隆起部分104を含み、その結果、第1端部要素110が第2端部要素120に近づくにつれて、第1端部要素110を通る開口111を規定する内面116は、保持要素103上の対応する隆起104と漸進的に係合可能である。これは、インプラント100が拡張後に折り畳まれた位置に戻るのを防ぐ1つの特徴である。
【0051】
第1端部要素110が第2端部要素120に向かって移動する場合、インプラント100の各アームは、アームが取り付けられている端部要素を中心に旋回する。特に、
図16に示されるように、アーム162、163A~Bは、他の上部アーム172、173A~Bにおける同様の旋回運動とともに、それぞれのウェブ164、167A~Bの周りで上方に旋回する。アームが旋回すると、プレート130は、インプラントを通る平面内で上方に並進し、一方、座面134上で測定されたプレート130の長さは、直線の長手方向軸102に平行のままである(
図15Bおよび16と比較)。プレートの配向および直線の長手方向軸は実質的に平行であり得ること、およびプレートは、外科的条件または製造されたインプラントの公差のために、長手方向軸に対してわずかな角度で配向され得ることを理解されたい。プレートが上方向に並進すると、海綿骨、つまり椎骨内の柔らかい骨がプレートによって変位する。インプラントの下側では、端部要素110および120が互いに向かって移動すると、アーム152A~Bが材料ウェブ154A~B、156A~Bを中心に旋回し、アーム182A~Bが塑性変形し、アーム182A~Bは材料ウェブとして機能する。これにより、次に、長いブレード140がアーム182A~Bの周りを弧状に移動し、弧状の動きは、インプラントを通って平面内で下向きである。プレートの拡張と同様に、長いブレード140の弧状の動きは、海綿骨をその経路で変位させる。長いブレード140の長さ、およびそれがアーム182A~Bの周りを旋回すると、海綿骨を通るその経路のために、上部プレート130と比較して、かなり多くの海綿骨が長いブレード140によって変位される。これは
図17から明らかである。ここで、インプラントの下側のブレードの経路は、椎体10の下部プレート12まで延び、一方、上側のプレートの経路は、椎体10のはるかに近い上部プレート14まで延びる。先端145に向かってテーパー部分144を通る長いブレード140の鋭利な形状は、
図4に最もよく示され、拡張プロセス中の抵抗を減らすためにブレードが回転している間、海綿骨の切断を促進する。上記のように、アームの旋回作用を促進する材料ウェブの変形は塑性変形であり、したがって、プレートおよびブレードは、拡張後も拡張位置に留まる。
【0052】
膨張手順中、
図16に示すように、基部142が第1端部要素110よりも第2端部要素120に近く、アーム152A~Bがアーム182A~Bよりも長いため、長いブレード140が回転する。アーム152A~Bとアーム182A~Bとの間のオフセット149により、回転も容易になる。したがって、下部アームが旋回すると、基部142は反時計回りに回転し、長いブレード140の先端145を、
図15Bに示されるその開始位置から椎骨10の前側2および下部プレート12に向かって弧状に移動させる(
図18の後の手順ステップに示されている)。長いブレード140が下向きに移動することを確実にするための追加の手段として、短いブレード150は、長いブレード140がインプラントの中央領域に向かって回転するのを防ぐように配置される。その開始位置では、長いブレード140は、
図15Bに部分的に示されているように、直線の長手方向軸102に平行である。膨張中、長いブレード140は、直線の長手方向軸102に対して角度が付けられ、端部分110、120が互いに向かって移動するにつれて、直線の長手方向軸102からさらに離れて移動する。アーム152A~Bは、短いブレード150の側面に配置されているので、各アーム152A~Bは、干渉することなく、短いブレード150を越えて旋回する。
【0053】
図16は、部分的に拡張されたインプラント100を示している。インプラント100が完全に作動すると、
図17に示すように配置される。インプラント100の1つの利点は、その拡張を通じて、プレート130が動作して、インプラント上の椎体の深さ、すなわち高さを修復することである。インプラント100を使用する骨修復の別の利点は、拡張された場合、プレート130およびブレード140の拡張を通じて椎体のほぼ全体の深さを横断するセメントの経路を骨内に作成することである。特に、そして
図17に示されるように、これは、上部プレート14の内部皮質表面に当接するプレート130の表面134と、下部プレート12の内部皮質表面に当接するブレード140の先端145との間に延びる空洞の形成によって達成される。以下でさらに説明するように、プレート12と14との間に延びる空洞の作成は、セメントが椎体の深さ全体に堆積する余地を提供し、それにより、セメントが骨の深さの一部のみを満たすものよりも耐久性のある修復を行う。さらに、プレートおよび/またはブレードがインプラントの幅に近い幅を有する変形では、より狭い幅を有するプレートおよび/またはブレードを有する変形と比較して、変位する海綿骨の体積が最大化され、骨腔内のセメントの分布を修復および改善するために骨腔内に配置できるセメントの量をさらに増加させる。したがって、インプラント100を使用して空洞を作成し、その結果、手術後に修復した骨の高さの損失を最小限に抑えるために、骨の深さ全体に十分なセメントが堆積するようにする。
【0054】
長いブレード140は、
図17において特定の角度で拡張されて示されているが、完全に拡張するための角度は、外科的ニーズに適合するように設計上の選択の問題として変化し得る。例えば、拡張位置での直線の長手方向軸102と長いブレード140との間の角度は、30度、60度、または80度であり得る。一例では、インプラントが拡張位置に向かって拡張されると、インプラントが拡張位置に近づくにつれて、第2距離と第1距離との間の差が大きくなるような方法で、プレートは直線の長手方向軸から第1距離を拡張し、ブレードの先端は、直線の長手方向軸から第2距離を拡張する。いくつかの例では、インプラントの直線の長手方向軸からブレードの先端までの距離は、インプラントが完全に拡張された場合、直線の長手方向軸からプレートまで測定された距離のほぼ3倍である。
【0055】
インプラント100が適切に配置され、完全に拡張されると、インジェクター移送管195が保持要素103上に挿入され、セメント30、例えば、骨セメントが、上記のように、移送管を通して、以前に海綿骨が除去された椎骨内の空間に注入される。保持要素103は、
図18に示されるように、セメント30が保持要素103を出て、骨内の空洞に入る出口アパーチャ105A、105Bを含む。この形態のセメント注入は、他の代替案および変形とともに、‘206、‘386、および‘933特許の少なくともいくつかの実施形態においても説明されている。セメント30は、出口アパーチャ105A、105Bを通って空洞に注入されると、アーム152Aと152Bとの間のギャップを通って少なくとも部分的に流れる。したがって、アーム152A、152Bとの間のギャップは、空洞へのセメントの流れを改善し、それによって全体的な構造的修復を改善する。椎骨に形成された空洞は、それぞれのプレート12および14、すなわち皮質骨終板の近くまで延びるので、セメントは、椎骨のほぼ全体、または場合によっては全体の深さを満たす。それにより、セメントは、空洞が満たされると、プレート12と14との間の耐荷重機能を果たす。言い換えれば、セメントは椎体の深さを通して配置されるため、セメントによる支持がなければ骨の深さはほとんどまたはまったくないため、時間の経過とともに骨が崩壊するのを防ぐように機能する。さらに、インプラント100が示されるようにプレート間接触を有さない場合でさえ、プレートおよびブレードはそれぞれ、拡張位置で皮質骨表面に十分に接近しているので、骨に注入されたセメントは、修復手順後の骨の再圧迫が防止または最小化されることを確実にする。いくつかの例では、
図15Aに示されるインプラント100Aなどの第2インプラントは、インプラント100の拡張と併せて、同時に拡張することができる。インプラント100Aを折り畳まれた位置から拡張位置に拡張するためのステップは、インプラント100の場合と同じである。
【0056】
この方法の別の実施形態では、ブレード140は、インプラント100の直線の長手方向軸102から椎骨の下部プレート12までの距離よりも長い。この状況は、修復用に指定された骨のサイズ、またはインプラントの配置場所が原因で発生する可能性がある。この場合、インプラントの拡張が進行するため、ブレード140の先端145が下部プレート12に近づくと、
図19に示すように、ブレードは下部プレート12上で内側に曲がり始める。
図3に示され、上記のように、ブレード140は、所定の荷重を受けると、ブレード140の自由端が曲がることができるように成形された先端145に向かうテーパー部分144を含む。いくつかの例では、所定の荷重は、皮質骨表面における予想される抵抗力に基づいて決定され、テーパー部分144が生じる荷重を決定する。
図19に示すように、テーパー部分144の曲げは、ブレード140が下部プレート12を貫通するのを防ぐ。
【0057】
前述の方法はまた、
図6~8および上記に示されるインプラントを使用して実行され得る。そのような実施形態のインプラントの動作は、インプラント100の動作と実質的に同様であることに留意されたい。
【0058】
上記の方法の変形では、同じ方法論がインプラント500で使用される。動作上はインプラント100と同様であるが、ブレード540は、ブレード140と反対の弧で拡張し、ブレード540の先端545は、
図20に示されるように拡張中に中心軸502から椎骨10の後側4に向かって弧状に移動する。ブレードの幅および長さがインプラント全体のそれに近いため、インプラントの拡張中にブレードによって変位されるインプラントの下の海綿骨の体積は、インプラント500を使用して最大化される。これにより、インプラントのサイズに基づいて可能な限り大きいセメントの経路が提供され、それによって、空洞へのセメントの流れの条件が改善される。ブレードは、インプラントの片側に向かって軸を中心に回転するため、ブレードの先端は、インプラント上のより中央の位置に配置された場合よりも、インプラントの長手方向軸からさらに延びる。この構造により、椎体に形成された空洞は、上部プレートだけでなく、ブレードの拡張によって下部プレートの近くまで延びる。インプラント500によって形成された空洞へのセメントの注入中、セメントは、インプラント100について説明したセメント流路と同様に、アーム552Aと552Bとの間のギャップを通って少なくとも部分的に流れる。それ以外の場合、方法のステップは、上記の実施形態で説明したステップと共通である。
【0059】
いくつかの変形では、ブレード540が、インプラント500と下部プレート12との間の椎骨10で利用可能なスペースよりも長い場合、ブレード540は、
図20に示すように、その先端545の領域で曲がる。そのような場合、ブレードのテーパー形状は、
図10に最もよく示されている。丸みを帯びた、または球根状の先端は、荷重を受け、皮質骨表面と接触するように前進した場合、曲げられる。さらに、
図12に示されるような凹部を備えたブレードを含めると、また、ブレードの曲げを促進し、ブレード上の所定の位置でそれを行う。
【0060】
この方法のさらに別の変形では、インプラント700が骨修復のために使用される。インプラントは椎骨に挿入され、本明細書の他の実施形態で説明されているように拡張される。しかしながら、インプラント700は、上部ブレード770および下部ブレード740を含むので、椎骨10の上部プレート14または下部プレート12のいずれかと接触すると、一方または両方のブレードが曲がることができる。
図21に示されるように、インプラント700が椎骨10において拡張される場合、上部ブレード770および下部ブレード740の両方が、それぞれ上部プレートおよび下部プレート14、12に接触すると曲がり、したがって、椎骨は穿刺されない。この実施形態において、第2インプラント700Aもまた、インプラント700と同じ方法で、好ましくは同時に移植および拡張される。前述の他の方法と同様に、セメント30は、
図21に示されるように、インプラントの拡張によって作成された空隙に注入される。
【0061】
上記の方法の実施形態のいずれにおいても、
図21のインプラント700について示されているものと同様に、2つのインプラントを単一の椎骨または他の骨内に挿入および拡張することができる。各インプラントは、拡張した場合、椎骨の修復を最大化するために、椎骨内で他のインプラントに対して相対的に配置することができる。
【0062】
本明細書の開示は、特定の実施形態を参照して説明されてきたが、これらの実施形態は、本開示の原理および適用の単なる例示であることが理解されるべきである。したがって、例示的な実施形態に多数の変更を加えることができ、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の構成を考案することができることを理解されたい。
出願時の特許請求の範囲は以下の通り。
[請求項1]
骨修復用の拡張可能なインプラントであって、
第1端部要素と、
第2端部要素であって、前記第2端部要素は、前記インプラントの長手方向軸が前記第1端部要素の中心および前記第2端部要素の中心を通過するように配置された、第2端部要素と、
第1方向に拡張可能なプレートと、
第2方向に拡張可能なブレードと、
前記プレートと、前記第1端部要素および前記第2端部要素のうちの少なくとも1つとの間に延びる第1相互接続要素と、
前記ブレードと、前記第1端部要素および前記第2端部要素のうちの少なくとも1つとの間に延びる第2相互接続要素と、
を含み、
前記インプラントが拡張前に折り畳まれた位置にある場合、前記ブレードの長さは、前記長手方向軸に実質的に平行であり、
前記インプラントが拡張位置にあるように前記ブレードが拡張された場合、前記ブレードの前記長さは前記長手方向軸に平行ではない、
拡張可能なインプラント。
[請求項2]
前記プレートおよび前記ブレードは、前記折り畳まれた位置および前記拡張位置において単一の平面にある、請求項1に記載のインプラント。
[請求項3]
前記ブレードが前記第2方向に拡張された場合、前記ブレードの先端は弧状に移動し、前記先端は、取り付け点から前記第2相互接続要素まで離れている、請求項1または2に記載のインプラント。
[請求項4]
前記ブレードは、前記第2相互接続要素に隣接する基部と、前記基部から離れた先端とを含み、前記先端は、所定の荷重を受けると曲がる、請求項1から3のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項5]
前記ブレードは、前記ブレードの前記先端の近位にあるテーパー部分を含む、請求項4に記載のインプラント。
[請求項6]
前記ブレードは、第1テーパー部分と前記基部との間に第2テーパー部分を含み、前記第2テーパー部分のテーパーは、前記第1テーパー部分のテーパーよりも浅い、請求項5に記載のインプラント。
[請求項7]
前記ブレードは、前記ブレードの幅全体に凹部を含み、前記凹部は、前記基部よりも前記先端に近く、前記ブレードの前記先端が荷重を受けると、前記凹部の両側の前記ブレードの部分の間の旋回点として機能する、請求項4から6のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項8]
前記ブレードは平面の底面を含み、前記平面の底面は、前記基部から前記先端までの前記ブレードの幅に対してより広くなる、請求項4から7のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項9]
前記ブレードの前記先端は球根状である、請求項1から8のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項10]
前記第1相互接続要素は、前記プレートと前記第1端部要素との間に延びる第1アームと、前記プレートと前記第2端部要素との間に延びる第2アームとを含み、前記第2相互接続要素は、前記ブレードの基部と前記第1端部要素との間に延びる第3アームと、前記基部と前記第2端部要素との間に延びる第4アームとを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項11]
前記インプラントが折り畳まれた位置にある場合、前記第3アームの長さを通る第1軸は、前記第4アームの長さを通る第2軸とは異なる量だけ前記長手方向軸からオフセットされ、前記第1軸と第2軸は平行である、請求項10に記載のインプラント。
[請求項12]
前記第1軸は、前記第2軸から約0.6mmオフセットされている、請求項11に記載のインプラント。
[請求項13]
前記ブレードは、前記ブレードが前記第2方向に拡張する場合、前記第3アームおよび第4アームのうちの1つの位置を中心に旋回する、請求項10から12のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項14]
前記第3アームおよび前記第4アームはそれぞれ、それを通る長手方向軸と、前記第3アームおよび前記第4アームの一方を通る前記長手方向軸の間の角度とを含み、前記ブレードの前記長さは、前記ブレードが前記第2方向に拡張するにつれて変化する、請求項13に記載のインプラント。
[請求項15]
前記ブレードの前記先端が前記プレートよりも前記長手方向軸から離れるように、前記ブレードは前記第2方向に拡張可能である、請求項1から14のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項16]
前記第1および第2端部要素の1つから直接延びる第2ブレードをさらに含み、前記第2ブレードは、前記インプラントが拡張された場合、前記第1ブレードの前記先端が前記長手方向軸に向かって移動するのを防ぐ、請求項1から15のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項17]
前記第3アームおよび前記第4アームの一方は、前記ブレード上のボールおよびソケットの他方に取り付けるための前記ボールおよびソケットの一方を含む、請求項10から18のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項18]
前記第3アームおよび前記第4アームのうちの1つを前記ブレードに接続する壊れやすい材料セグメントをさらに含む、請求項10から17のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項19]
前記ブレードの前記先端は、拡張中に弧状に移動する場合、前記長手方向軸から離れて、前記インプラントの挿入端に向かって移動する、請求項3から18のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項20]
前記ブレードの前記先端が、拡張中に弧状に移動する場合、前記長手方向軸から離れて、前記インプラントの挿入端から離れるように移動する、請求項3から19のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項21]
骨修復用の拡張可能なインプラントであって、
第1端部要素と、
第2端部要素であって、前記第2端部要素は前記インプラントの長手方向軸が前記第1
端部要素の中心および前記第2端部要素の中心を通過するように配置された、第2端部要素と、
長さを有し、前記第1端構成要素および前記第2端構成要素の両方に取り付けられたプレートであって、前記プレートの前記長さを通る軸は、前記長手方向軸に平行である、プレートと、
前記第1端構成要素および前記第2端構成要素に取り付けられた基部を含むブレードであって、前記基部から先端まで延びる長さを有する、ブレードと、
を含み、
前記インプラントは、折り畳まれた位置から拡張位置に拡張可能であり、前記インプラントが前記拡張位置に向かって拡張した場合、前記プレートおよび前記ブレードは、前記長手方向軸から異なる方向に移動し、
前記プレートは、前記折り畳まれた位置および前記拡張位置において、前記長手方向軸に実質的に平行であり、
前記インプラントが前記拡張位置にある場合、前記ブレードの前記先端は前記プレートよりも前記長手方向軸から離れており、
前記インプラントが前記折り畳まれた位置にある場合、および前記インプラントが前記拡張位置にある場合、単一の平面が前記プレートおよび前記ブレードを通過する、
拡張可能なインプラント。
[請求項22]
前記インプラントが前記折り畳まれた位置から前記拡張位置に拡張される場合、前記ブレードの前記先端は、前記ブレードの前記基部よりも前記長手方向軸からさらに移動する、請求項21に記載のインプラント。
[請求項23]
第2軸は、前記ブレードの前記長さを通過し、前記第2軸は、前記折り畳まれた位置で前記長手方向軸に平行であり、前記インプラントが前記拡張位置に向かって拡張するにつれて、前記長手方向軸に対して増加する角度である、請求項21または22に記載のインプラント。
[請求項24]
前記プレートは、第1取り付け点を介して前記第1および第2端部要素に取り付けられ、前記ブレードは、第2取り付け点を介して前記第1および第2端部要素に取り付けられ、前記第1取り付け点は、前記第1端部要素および前記第2端部要素から等距離であり、前記第2取り付け点は、前記第1端部要素および前記第2端部要素のうちの1つに近い、請求項21から23のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項25]
前記先端は、前記折り畳まれた位置、前記拡張位置、およびその間の位置にある別の要素に取り付けられていない前記ブレードの自由端である、請求項21から24のいずれか1項に記載のインプラント。
[請求項26]
インプラントを使用して骨を修復する方法であって、
骨にインプラントを導入するステップであって、前記インプラントは、
第1端部要素と、
第2端部要素であって、長手方向軸が前記第1端部要素の中心および前記第2端部要素の中心を通る、第2端部要素と、
前記第1端部要素および前記第2端部要素に取り付けられたプレートと、
前記第1端部要素および前記第2端部要素に取り付けられたブレードと、
を含み、
前記プレートおよび前記ブレードは、プレートとブレードが異なる方向に拡張可能であるように、折り畳まれた位置から拡張位置まで拡張可能である、導入するステップと、
前記プレートおよび前記ブレードが前記折り畳まれた位置から前記拡張位置に移動すると、前記インプラントの前記第1端部要素を前記インプラントの前記第2端部要素に近づけるようにインプラント拡張器ツールを作動させるステップであって、前記プレートは、前記作動中に前記長手方向軸に実質的に平行であり、前記ブレードは、前記作動中に前記第1端部要素および前記第2端部要素の一方に隣接する旋回軸の周りを回転し、前記ブレードの回転により、前記旋回軸から離れた前記ブレードの先端が、前記長手方向軸から離れて弧状に移動する、作動させるステップと、
を含み、
前記プレートと前記ブレードの前記拡張位置への前記移動によって、骨に空洞が作成される、
方法。
[請求項27]
セメントを前記空洞に注入するステップをさらに含み、前記セメントは、対向する皮質表面の間の前記骨のほぼ全体の深さを横断する、請求項26に記載の方法。
[請求項28]
前記セメントが前記空洞を満たすと、前記セメントは前記第1端部要素と前記第2端部要素の一方と前記ブレードを接続する一対のアームの間を流れる、請求項27に記載の方法。
[請求項29]
前記プレートは前記長手方向軸から第1距離を拡張し、前記ブレードの前記先端は前記長手方向軸から第2距離を拡張し、前記第2距離と前記第1距離との差は前記インプラントが前記拡張位置に近づくほど大きくなる、請求項26から28のいずれか1項に記載の方法。
[請求項30]
前記ブレードは、前記ブレードの拡張中に所定の荷重を受けると曲がる、前記先端に隣接する部分を含む、請求項26から29のいずれか1項に記載の方法。
[請求項31]
前記作動させるステップは、前記インプラント拡張器ツールを回転させることを含む、請求項26から30のいずれか1項に記載の方法。
[請求項32]
前記プレートおよびブレードが前記折り畳まれた位置に戻らないように、前記インプラントが拡張中に塑性変形を受ける、請求項26から31のいずれか1項に記載の方法。
[請求項33]
前記インプラントと、前記インプラントの前記第1端部要素および前記第2端部要素の開口内に配置された保持要素との間の係合をさらに含み、前記保持要素は、前記インプラントが前記折り畳まれた位置に向かって移動するのを防止する、請求項26から32のいずれか1項に記載の方法。
[請求項34]
前記プレートが第1皮質骨表面に接触し、前記ブレードの前記先端が第2皮質骨表面に接触した場合、前記拡張位置が得られる、請求項26から23のいずれか1項に記載の方法。
[請求項35]
前記ブレードの回転中に前記ブレードによって変位される海綿骨の体積は、前記ブレードの長さと、回転中に海綿骨に荷重を加える前記ブレードの表面積の関数である、請求項26から34のいずれか1項に記載の方法。
[請求項36]
前記体積は、拡張中に前記プレートによって変位された海綿骨の第2体積よりも大きい、請求項35に記載の方法。