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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】歯科装置の設置容器
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/02 20060101AFI20240112BHJP
   A61G 15/16 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61C19/02
A61G15/16
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021512367
(86)(22)【出願日】2019-05-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 US2019030969
(87)【国際公開番号】W WO2019213671
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-05-06
(31)【優先権主張番号】62/667,420
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520425866
【氏名又は名称】エヌケース・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,ウェスレー,ピー
(72)【発明者】
【氏名】オシボフ,アンソニー
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0100924(US,A1)
【文献】米国特許第02375645(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第01110477(EP,A1)
【文献】米国特許第09603690(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/02
A61G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
療機器保管容器であって、
基部と、
基部に接続された容器挿入部と、
容器挿入部に接続され、かつ、容器挿入部の縦方向に延びる側壁から主として容器挿入部の横方向に延びる第1の横方向の挿入突起部と、
容器挿入部に接続され、かつ、容器挿入部の縦方向に延びる側壁から主として容器挿入部の横方向に延びる第2の横方向の挿入突起部と、
第1の横方向の挿入突起部内に位置するセンサの第1の部分と、
第2の横方向の挿入突起部内に位置するセンサの第2の部分とを備え、
センサの第1及び第2の部分は第1の横方向の挿入突起部と第2の横方向の挿入突起部の間に位置する医療機器の特徴を検出するように構成される、医療機器保管容器
【請求項2】
請求項に記載の医療機器保管容器において、容器挿入部の側壁から最も離れた、第1及び第2の横方向の挿入突起部の端部が、容器挿入部の横方向における中心に位置する、容器挿入部の中心軸を隔てて互いに対向する、医療機器保管容器。
【請求項3】
請求項記載の医療機器保管容器において
容器挿入部の側壁から最も離れた、第1及び第2の横方向の挿入突起部の端部の各々は、センサ開口部を含み、
センサ開口部は、容器挿入部の横方向における中心に位置する、器挿入部の中心軸を隔てて互いに整合するように並んでいる、医療機器保管容器
【請求項4】
請求項に記載の医療機器保管容器において
容器挿入部に接続され、かつ、容器挿入部の横方向に延びる側壁から主として容器挿入部の縦方向に延びる第1の縦方向の挿入突起部と、
容器挿入部に接続され、かつ、容器挿入部の横方向に延びる側壁から主として容器挿入部の縦方向に延びる第2の縦方向の挿入突起部とをさらに備える、医療機器保管容器
【請求項5】
請求項に記載の医療機器保管容器において
横方向に延びる側壁から最も離れた、第1及び第2の縦方向の挿入突起部の端部は、容器挿入部の縦方向における中心に位置する、容器挿入部の中心軸を隔てて互いに向き合っており、
第1及び第2の縦方向の挿入突起端部は、容器挿入部の縦方向に延びる側壁から最も離れた、第1又は第2の横方向の挿入突起部の端部直接的に面していない、医療機器保管容器
【請求項6】
請求項に記載の医療機器保管容器において、容器挿入部の横方向に延びる側壁から最も離れた、第1及び第2の縦方向の挿入突起部の各々の端部が、容器挿入部の縦方向に延びる側壁から最も離れた、第1又は第2の横方向の挿入突起部の端部内に位置するセンサ開口部に整合するように配置されたセンサ開口部を含む、医療機器保管容器。
【請求項7】
センサの一部が、第1及び第2の縦方向の挿入突起部の少なくとも一つの中に配置されている、請求項に記載の医療機器保管容器。
【請求項8】
請求項に記載の医療機器保管容器において、容器挿入部の横方向に延びる側壁から最も離れた、前記第1の縦方向の挿入突起部の端部から延びる分離壁をさらに備える、医療機器保管容器。
【請求項9】
請求項に記載の医療機器保管容器において、前記分離壁が、容器挿入部の横方向に延びる側壁から最も離れた、前記第1の縦方向の挿入突起部の端部に位置する2つのセンサ開口部の間に位置する、医療機器保管容器。
【請求項10】
請求項記載の医療機器保管容器において
容器挿入部の横方向に延びる側壁から最も離れた、第1及び第2の縦方向の挿入突起部の端部が、互いに向かって伸びており、
容器挿入部の縦方向に延びる側壁から最も離れた、第1及び第2の横方向の挿入突起部の端部が、互いに向かって伸びている、医療機器保管容器
【請求項11】
請求項10に記載の医療機器保管容器において、容器挿入部の横方向に延びる側壁から最も離れた、第1及び第2の縦方向の挿入突起部の端部は、容器挿入部の縦方向に延びる側壁から最も離れた、第1及び第2の横方向の挿入突起部の端部と同じ方向に伸びていない、医療機器保管容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、歯科装置の容器の分野に関するものである。より具体的には、本出願は、歯科装置を配置するように構成された歯科装置の容器の具体例に関するものである。
【0002】
関連する出願の参照
本特許出願は、米国仮出願第62/667,420号に対する優先権を主張するPCT国際出願であり、その内容は参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
患者の歯科に対する関心がより強調されるにつれて、歯科産業はより適切な歯科装置を開発し続けている。場合によっては、可撤性歯科装置を開発し、利用することが望ましい。このような歯科装置には、義歯、可撤性保定装置及びその他の歯科装置などがある。
【0004】
歯科装置を取り外すことができる場合、患者が歯科装置を紛失したり、歯科装置の再挿入を忘れたり、歯科治療計画の他の側面を遵守できなくなる可能性がある。従って、歯科治療計画の望ましい側面を適切に遵守し、歯科治療計画を完全に遵守するために必要な方法とツールを患者に提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態において、医療機器保管容器は、基部を含むことができる。容器の挿入部は基部に接続されていてもよい。挿入突起部は、容器の挿入部に接続され、少なくとも部分的に容器の挿入部により形成された空洞部に医療機器を配置するように構成されていてもよい。センサの少なくとも一部は挿入突起部内に配置されていてもよく、医療機器の特徴を同定するように構成されていてもよい。
【0006】
他の実施形態において、医療機器保管容器は、基部を含んでいてもよい。容器の挿入部は基部に接続されていてもよい。第1の横方向の挿入突起部は、容器の挿入部に接続されていてもよい。第2の横方向の挿入突起部も、容器の挿入部に接続されていてもよい。第1のセンサは第1の横方向の挿入突起部内に配置することができ、第2のセンサは第2の横方向の挿入突起部内に配置することができる。センサは、第1及び第2の横方向の挿入突起部の間に位置する医療機器の特徴を検出するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、歯科装置の容器の分解図の実施形態を示す。
図2図2は、歯科装置の容器の基部の実施形態の上部透視図を示す。
図3図3は、歯科装置容器の基部の実施形態の底面透視図を示す。
図4図4は、プリント回路基板(PCB)の実施形態の上部図を示す。
図5図5は、歯科装置容器の挿入部の実施形態の上部透視図を示す。
図6図6は、歯科装置容器の挿入部の実施形態の底面透視図を示す。
図7図7は、歯科装置容器の挿入部の実施形態の上部透視図を示す。
図8図8は、歯科装置容器の蓋の実施形態の上部透視図を示す。
図9図9は、歯科装置容器の実施形態の正面透視図を示す。
図10図10は、歯科装置容器の基部の実施形態の底面透視図を示す。
図11図11は、歯科装置容器の容器の挿入部及び基部の実施形態の上部透視図を示す。
図12図12A、図12B及び図12Cは、センサの透過方向の実施形態を含む容器の挿入部の実施形態の上面図を示す。
図13図13は、PCBと接合された容器の挿入部の実施形態の底面透視図を示す。
図14図14は、歯科装置容器の容器の挿入部の実施形態の底面透視図を示す。
図15図15は、歯科装置容器の蓋の実施形態の上部透視図を示す。
図16図16は、歯科装置容器の容器の挿入部の実施形態の底面透視図を示す。
図17図17は、歯科装置容器の基部の実施形態の底面透視図を示す。
図18図18は、歯科装置容器の容器の挿入部の上面図を示す。
図19図19は、歯科装置容器の容器の挿入部の底面透視図を示す。
図20図20は、歯科装置容器の蓋の上面透視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
患者が歯科治療計画を完全に遵守する状況にあることが望ましい。歯科治療計画を遵守するために、歯科治療計画は、一定のレベルで遵守する必要がある歯科治療計画を1つ以上含むことがある。しかし、患者の記憶と誠実さに頼ることは必ずしも容易でも正確でもない。従って、患者にとって、歯科治療計画への遵守を判定し、追跡する装置を利用することは有益である場合がある。
【0009】
図1は、歯科治療計画又は関連データに対する遵守を判定及び/又は追跡するように構成された歯科装置の容器の斜視図の実施形態を示す。歯科装置容器100は、基部110及び蓋180を含むことができる。基部110及び蓋180で形成された空洞部内には、挿入部140(図3のような他の図に示されている実施形態)を配置することができる。しかし、他の実施形態では、挿入部140は他の部品、例えば基部110又は蓋180と一体に形成することができる。
【0010】
図2及び図3は、歯科装置容器100の基部110の実施形態の上下の透視図を丁寧に示している。基部110は、1またはそれ以上の壁112に当接する床114を含むことができる。この実施形態において、壁112は直線部分と曲線部分の両方を含む。壁112の一般的な湾曲は、例えばアーチ型のような、一般的に患者の歯のラインの湾曲に従うことができる。
【0011】
他の具体例では、歯科装置容器110の基部110は単に床112で構成されている。より具体的には、基部は1またはそれ以上の壁114を含んではならない。代わりに、歯科装置容器100の側壁を、以下に詳細に説明するように、容器挿入部140の側壁より形成することができる。
【0012】
床112及び/又は壁114は、少なくとも部分的に電子部品を受け入れるように形成されている、図4に示すプリント回路基板(PCB)200のような1またはそれ以上の刻み目116を含んでいてもよい。床112及び/又は壁114は、挿入部140を受け入れるように構成された空洞部118をさらに有していてもよい。床112及び/又は壁114は、更に基部取付開口部120を有していてもよい。基部取付開口部120は、PCB 200を床112及び/又は壁114によって形成された空洞部内に適切に整列及び固定するように、床112及び/又は壁114内に配置する構造をとることができる。
【0013】
床112及び/又は壁114は、歯科装置容器100の機能をサポートする他の刻み目、空洞部、及び/又は開口部を含むことができる。例えば、床112及び/又は壁114は、視覚通信開口部122を含むことができる。視覚通信開口部122は、患者が歯科装置及び/又は歯科治療計画に対応する情報を見ることができるように構成することができる。例えば、視覚通信開口部122は、発光ダイオードからの光を通すことができるように構成されていてもよい。色、持続時間及び周波数など発光ダイオードの1またはそれ以上の特徴に基づき、患者は、たとえ歯科装置容器100の蓋180を開けなくても、伝えようとする情報を理解することができる。例えば、発光ダイオードが赤色に点滅している場合、患者は、歯科補綴物が容器100内に長期間とどまっていると理解することができる。しかし、発光ダイオードが緑色であれば、患者は歯科治療計画が遵守できるのに十分な時間、歯科器具を装着していると理解することができる。もちろん、情報はさまざまな形で視覚的に表示することができる。
【0014】
他の実施形態では、視覚通信開口部122は、歯科装置容器100の他の場所に代替的又は追加的に配置してもよい。例えば、視覚通信開口部122は、歯科装置容器100の蓋180内に配置することができる。このような配置によって、患者は歯科装置容器100によって提供される情報を、より都合よくに見ることができる。例えば、視覚通信開口部122は、内部に配置された視覚表示部を有していてもよい。このような視覚的表示は、患者が理解しやすい情報を提供することができる。データ及び/又は電力を通信装置に供給するために必要な電線は、ヒンジ130に通すことができる。あるいは、視覚通信開口部122内に位置していない装置により情報を提供してもよい。例えば、視覚通信装置は、挿入突起部150内及び/又はPCB 200上に配置することができる。開口部は、挿入突起部150内に設置され、視覚通信開口部122と整合するように配置することができる。
【0015】
床112及び/又は壁114は、聴覚通信開口部124をさらに備えていてもよい。聴覚通信開口部124は、1またはそれ以上の開口部を備えていてもよい。聴覚通信開口部124は、歯科装置容器内に配置された聴覚通信装置と整合させることができる。例えば、聴覚通信開口部124は、PCB 200に取り付けられたスピーカー、圧電デバイス、又はその他の音響放射装置と係合させることができる。他の実施形態では他の位置の方がより好ましいが、図示した具体例では、聴覚通信開口部124は歯科装置容器100の後壁114に位置している。少なくとも部分的に聴覚通信開口部124を介して移動する聴覚通信に基づいて、患者は、歯科装置容器100によって送られてくる情報を理解することができる。例えば、聴覚情報は歯科装置の特徴に対応するか、又は歯科治療計画の1またはそれ以上の側面又は治療計画の遵守に関連していてもよい。
【0016】
床112及び/又は壁114は、更に、1またはそれ以上の入力開口部126を有していてもよい。入力開口部126は、使用者が入力開口部126を介して歯科器具容器100に情報を入力することができるように構成することができる。情報は、電子的又は物理的に入力することができる。例えば、歯科治療計画に関する情報は、入力開口部126内に少なくとも部分的に配置された受信機に接続されたケーブルを用いて、又はケーブルの一部を入力開口部126に通すことにより入力することができる。別の具体例として、利用者は、リセットボタンなど歯科装置容器内に配置されたボタンを物理的に作動させるために、入力開口部126にピンやペーパークリップなどの薄い物体を通すことができる。入力開口部126を介したユーザ入力に基づき、歯科装置容器の様々な特徴及び/又は機能を更新、変更、消去、又は新たに作成することができる。
【0017】
床112及び/又は壁114は、施錠機構128をさらに備えていてもよい。施錠機構128は、蓋180と基部110の位置を一時的に維持するのに役立つように構成されている。例えば、施錠機構128は、蓋180と基部110を一時的に閉じた状態に維持してもよい。施錠機構128は、蓋180と基部110を一時的に所望の位置に維持するように構成することができる。一実施形態では、施錠機構128は、歯科装置容器100の壁114に配置されたプッシュタブを含む。プッシュタブは、一緒にしたときに蓋180と係合して蓋180を基部110に固定し、それにより歯科器具容器100内の内容物が外に出るのを防ぐことができる。別の実施形態では、施錠機構128は蓋の施錠機構184に直接接触しないようにすることができる。代わりに、施錠機構は、容器の挿入部140の施錠タブ160に作用して、施錠タブ160を蓋の施錠機構184から外すことができる。
【0018】
床112及び/又は壁114は、基部のヒンジ130をさらに含むことができる。例えば、一実施形態では、基部のヒンジ130は、歯科器具容器の壁114と一体的に形成されていてもよい。基部のヒンジ130は、蓋のヒンジ182と係合して、蓋180が基部110に対して動くようにしてもよい。例えば、係合式の基部のヒンジ130及び蓋のヒンジ182は、蓋180を歯科器具容器100の壁114の周りを回転させることができる。基部のヒンジ130及び蓋のヒンジ182は、施錠位置を維持して施錠機構128を補助することができる。
【0019】
基部のヒンジ130及び蓋のヒンジ182は、特定の実施形態においては、一体形成することができる。例えば、一体成形して一体型のヒンジとすることもできる。歯科装置容器100は、他の別個の又は統合されたヒンジを選択し使用してもよい。一方、他の実施形態では、別のヒンジ又は一体型のヒンジを使用しないこともできる。代わりに、これらは存在しないか、又は追加の施錠機構128として使用することができる。
【0020】
図5-7は歯科装置容器の挿入部の具体例の透視図を示す。例えば、容器の挿入部140は、基部110及び/又は蓋180内に適合するように構成することができる。例えば、容器の挿入部140は、基部110の壁114内に嵌合し、フロア112及び/又はPCB 200の上に配置するように構成することができる。容器の挿入部140はさらに、少なくとも一部が蓋180内に嵌合するように構成されていてもよい。
【0021】
容器の挿入部140は1またはそれ以上の挿入部壁142から構成される。他の実施形態では、1またはそれ以上の挿入壁142は部分的又は完全に傾斜していてもよい。勾配の量、角度、及び/又は形状は、1またはそれ以上のパラメータに基づいて判定することができる。例えば、挿入壁142は、歯科装置容器100内の歯科装置のより好ましい配列をサポートするために、一定の方法で傾斜させることができる。例えば、傾斜した挿入壁142は、歯科装置の少なくとも一部と係合することができる。歯科装置の少なくとも一部と係合することにより、挿入壁142は、例えば、消費時間などの歯科治療計画に関連するデータを、センサがより取得しやすい位置に歯科装置を案内するのに役立つ。すなわち、挿入壁142は、歯科装置を容器の挿入部140の底部中央位置に向かって誘導することができる。
【0022】
歯科装置の正確な寸法は、歯科装置容器を製造する時には分かっていない場合もある。そのような潜在的に未知の変数を補填することを目的として、挿入壁142の傾斜した特徴が潜在的な差を補填するような挿入壁142を配置することができる。例えば、子供と成人の両方の歯科装置が保管される場合など、歯科装置容器100に保管される歯科装置のサイズに大きなばらつきが生まれることが予想される。このような場合には、挿入壁142は、傾斜が小さくなるように構成されていてもよいし、傾斜が緩やかになるように構成されていてもよい。このような傾斜特性により、多種多様な歯科装置幅をより適切に配置することができる。状況によっては、歯科装置を歯科装置容器100の中央に配置する場合がある。段階的な傾斜が設けられているため、異なる幅の歯科装置が、垂直面での歯科装置の位置には実質的に影響せず、水平面で、容器の中心に向かい配置することができる。これは、センサの配置をより良くするという利点を有する。これはセンサより、正確なデータ及び判定、及び/又は判定のためのデータを得るために必要なセンサの数を減少させることができる。
【0023】
歯科装置の寸法の違いが小さいと予想される場合は、挿入壁142の傾斜角を大きくすることがより望ましい場合がある。これは、歯科装置の適切な位置合わせを可能にし、一方で、容器の挿入部140及び歯科装置容器100の寸法を低減させることができる。挿入壁142の傾斜角が大きいため、挿入壁142の有効厚さを小さくすることができる。壁の厚さの減少は、結果として、容器の挿入部140及び歯科装置容器100の寸法を減少させる場合がある。
【0024】
他の実施形態では、センサの少なくとも一部を、1またはそれ以上の挿入壁140に配置することができる。1またはそれ以上の挿入部壁140におけるセンサの少なくとも一部の配置は、挿入突起部150に配置されたセンサの代わりに、又はそれに加えて行うことができる。
【0025】
容器挿入部140は、センサの格納部144を含むことができる。センサの格納部は、容器の挿入部142の1またはそれ以上の壁140に沿って配置することができる。他の実施形態では、センサの格納部144は突起センサ開口部156の真横に配置されることが望ましい。しかし、歯科装置容器100内に存在するセンサのタイプに応じて、センサの格納部144を異なる位置に配置してもよい。しかし、センサの格納部144内の任意のセンサが意図した通りに機能できるように、センサの格納部144を配置することが好ましい。
【0026】
他の実施形態では、センサの格納部144は、容器の挿入部140の一端に向かって配置され、挿入突起部150の遠位端から離れた位置にあってもよい。このような位置では、センサの格納部144は、歯科装置の適切な配置を維持するのに役立つ。例えば、センサの格納部144と挿入突起部150の遠位端との間の間隔は、比較的近接して配置することができる。すなわち、歯科装置を間隙内に配置した場合、間隙内に余分な空間がほとんどないように配置する。これにより、歯科装置における容器の挿入部140の水平面の一軸に沿って配置する際の変動量を低減できる。より予測可能な配置により、歯科装置容器内に位置するセンサは、より良いデータを得ることができ、それにより、歯科治療計画に対する遵守及び/又は遵守のより正確な判定をサポートする。
【0027】
センサの格納部144は、1またはそれ以上のセンサの空洞部146及び/又は1またはそれ以上の通信の空洞部147を含むことができる。センサの空洞部146は、センサの少なくとも一部を受け取るように構成されていてもよく、通信の空洞部147は、通信デバイスの少なくとも一部を受け取るように構成されていてもよい。隔壁148は、センサの格納部144の空洞部間に配置することができる。隔壁148は、通信の空洞部147内に配置された通信装置と、センサの空洞部146内に配置されたセンサとの干渉、及び/又はその逆を低減するように構成することができる。
【0028】
センサの格納部144はまた、通信開口部149を含むことができる。通信開口部149は、視覚通信開口部122と整合するように配置することができ、これは基部110と容器の挿入部140が嵌合されるときである。このような配置によって、通信の空洞部147内に位置する通信装置が、通信開口部149及び視覚通信開口部122を介して患者に見えるようになる。
【0029】
センサの格納部144は、1またはそれ以上の格納部の検出開口部145を含むことができる。格納部の検出開口部145は、歯科治療計画を検出するために、1またはそれ以上のセンサの少なくとも一部と整合するように配置することができる。しかし、状況によっては、格納部の検出開口部145がセンサに合っていない場合がある。センサと格納部の検出開口部145の相対的な配置は、センサの最も正確な読み取りをもたらす配置に依拠する。
【0030】
容器の挿入部140は、1またはそれ以上の挿入突起部150をさらに含むことができる。挿入突起部150は、1またはそれ以上の挿入壁142と整合するように配置することができる。挿入突起部150は、挿入壁142の一方から挿入壁142の反対側に延びていてもよい。しかし、挿入突起部150の遠位端は、反対側の遠位壁142の関連部分に直接接触しないように配置されている。挿入突起部150の遠位端は、センサの格納部144に直接接触しないように配置してもよい。挿入突起部150の近位端は、1またはそれ以上の挿入壁142に直接接触してもよい。
【0031】
他の実施形態では、挿入突起部150の遠位端とセンサの格納部144との距離は、歯科装置容器100に格納されると予想される歯科装置のサイズに関係していてもよい。一つの具体例では、挿入突起部150の遠位端とセンサの格納部144との間の距離は、歯科装置容器に格納されると予想される歯科装置の切歯部分の大きさであってもよい。一つの具体例では、挿入突起部150の遠位端とセンサの格納部144との間の距離は、挿入突起部150の遠位端の下部とセンサの格納部144の下部の方が、挿入突起部150の遠位端の上部とセンサの格納部144の上部との間より近くてもよい。このような相対的な配置は、歯科装置の切歯部分が患者の予想される切歯形状に対応して一般的に行われていてもよい。より具体的には、患者の切歯は一般に、歯肉線から離れた遠位端に向かって先細りになることがある。患者の切歯の一般的な形状にさらに従うと、センサの格納部144の表面は、容器の挿入部140の床に対して比較的垂直であり、一方、挿入突起部150の遠位端は、挿入突起部150の近位端に向かって概ね傾斜した傾斜表面を有していてもよい。
【0032】
他の具体例では、挿入突起部150の幅は、概ねその長さに一致していてもよい。しかしながら、挿入突起部150の遠位端の幅は、遠位端に向かって狭くなっていてもよい。他の実施形態では、挿入突起部150の幅は、挿入突起部150の近位端から遠位端まで一般的に狭くなっていてもよい。
【0033】
他の具体例では、挿入突起部150の高さは、概ねその長さに一致していてもよい。しかしながら、挿入突起部150の遠位端の高さは、遠位端に向かって低くなっていてもよい。他の実施形態では、挿入突起部150の高さは、挿入突起部150の近位端から遠位端まで一般的に低くなってもよい。
【0034】
他の実施形態においては、挿入突起部150の高さの少なくとも一部は、1またはそれ以上の挿入壁142より高くてもよい。例えば、挿入突起部150の近位端は、側面の挿入部壁142よりも高くてもよい。挿入突起部150の少なくとも一部の高さを高くする位置取りを許容する。
【0035】
他の実施形態においては、挿入突起部150の高さの少なくとも一部は、1またはそれ以上の挿入壁142より低くてもよい。例えば、挿入突起部150の近位端は、バック挿入部壁142よりも低くてもよい。このような配置により、挿入壁142は、他の挿入壁142では不可能な、ヒンジ130のような他の部品の支えを増加させるなどの有益な性質を提供する一方で、例えば、挿入突起部150の近位側を通して空洞部を露出させることにより、突起の形状によって形成される開口部を露出しない。
【0036】
他の実施形態では、挿入突起部150は、一般的に、半円筒形又は半円錐形のフラスタム形状を有していてもよい。挿入突起部150の遠位端は、挿入突起部150の残りの部分とは異なる形状を有していてもよい。例えば、挿入突起部150の遠位端は、一般にテーパー形状、例えば、半球形キャップを有していてもよい。
【0037】
他の実施形態では、挿入突起部150の一般的な形状は、PCB 200に物理的及び/又は電気的に接続された電子部品を挿入突起部150内に収納できるように構成することができる。例えば、一部の電子部品は、PCB 200の上面に物理的に接続されてもよい。電子部品と挿入突起部150との相対的な位置は、電子部品が挿入突起部150によって形成された空洞部内に配置されるようにしてもよい。電子部品はすべて同じサイズを有しているわけではないので、挿入突起部150の形状及びPCB上の電子部品の配置は、より高い方の電子部品が挿入突起部150のより高い部分内に入るようにPCB 200上に配置されるようにしてもよい。例えば、歯科装置容器100の電源が歯科装置容器の抵抗器よりも高い場合、電源部品は、挿入突起部150の近位端が挿入突起部の他の部分よりも高いことを前提として、挿入突起部150の近位端と整合するようにPCB 200上に配置することができる。挿入突起部150は大きな空洞部を形成するような高さと幅を有しており、挿入突起部150の形状に対応するようにPCB 200上に電子部品が配置されているため、歯科器具容器100の全体の高さが低くなる場合がある。
【0038】
挿入突起部150は、1またはそれ以上の突起センサ開口部156をさらに含むことができる。突起センサ開口部156は、挿入突起部150に沿って、格納部の検出開口部145と整合するように配置することができる。突起のセンサ開口部156の直径は、対応するセンサの最も正確な読み出しをもたらす直径に対応している。他の具体例では、突起センサ開口部156は、挿入突起部150の遠位端に向かって位置している。1またはそれ以上の突起センサ開口部156は、挿入突起部150の別の部分に配置していてもよい。突起開口部156の番号付けと配置は、歯科器具容器100が使用するセンサの数と種類に依存する。
【0039】
挿入突起部150は突起センサシールド152をさらに含むことができる。突起センサシールド152は、挿入突起部150の遠位端に向かって、かつ、挿入突起部150によって形成された空洞部内に配置されてもよい。突起用センサシールド152は、突起センサ開口部156に跨るように配置することができる。突起用センサシールド152は、挿入突起部150の空洞部内に配置された1またはそれ以上のセンサと整合するように、又はその一部を取り囲むように配置することができる。突起用センサシールド152は、対応しないセンサからの外部センサデータを最小化し、及び/又はノイズを低減するように構築することができる。突起用センサシールド152の寸法は、挿入突起部150の空洞部内でのセンサのより好ましい配置を可能にするためのものであってもよい。例えば、突起センサシールド152は、センサを挿入突起部150の空洞部内に配置できるように突起センサ開口部156から遠くに配置できるように、長い壁を有していてもよい。センサのそのような配置は、ある状況において、より正確なセンサ読み取りを可能にする。
【0040】
他の具体例では、1またはそれ以上のセンサ開口部を挿入壁142内に配置することができる。1またはそれ以上の壁センサ開口部は、1またはそれ以上の突起用センサ開口部152に対応してもよい。単一の壁センサ開口部は、単一の突起センサ開口部156に対応していてもよく、あるいは逆に対応していてもよい。壁センサ開口部と突起センサ開口部156は互いに整列してもよく、正しく整列していなくてもよい。追加の壁センサ開口部及び/又は突起センサ開口部156により、歯科治療計画に関して、より正確かつ/又は追加のデータを収集することができる。従って、歯科治療計画への遵守のより正確な判定が可能である。
【0041】
他の実施形態では、挿入突起部150の傾斜と挿入壁142が互いに連動して機能し、歯科装置を歯科装置容器100内に適切に配置することができる。例えば、挿入突起部150の傾斜面及び/又は挿入突起部150の遠位端の傾斜面は、歯科装置が挿入壁142に接触しない場合であっても、歯科装置の配置がより小型の歯科装置に適切となるように構成することができる。しかし、挿入壁142の傾斜は、たとえ挿入突起部150に接触しなくても、より大きな歯科装置が歯科装置容器100内に適切に配置されるように構成されていてもよい。状況によっては、歯科装置の垂直位置を、センサの格納開口部145及び/又は突起センサ開口部156に合わせることが適切な場合がある。挿入壁142と挿入突起部150の傾斜は異なる可能性があるので、異なるサイズの歯科装置は、センサによって収集されたデータに実質的に負の影響を与えることなく、同じ歯科装置容器を用いて保存することができる。
【0042】
容器の挿入部140は、1またはそれ以上の挿入部取付開口部141をさらに含むことができる。挿入部取付開口部141は、容器の挿入部140の底面に配置することができる。挿入部取付開口部141は、基部取付開口部120と整合するように配置され、取付器具が基部取付開口部120を通って、挿入部取付開口部141に入るか、これらを通ることができる。基部取付開口部120及び挿入部取付開口部141と一体となった取付け金具は、基部110と容器の挿入部140の相対的な配置を維持するように機能する。取付け金具が取り外し可能な構造になっている場合は、歯科装置容器100の様々な部品を交換してもよい。例えば、取付け金具はねじを含むことができ、これにより、基部110、PCB 200、及び容器の挿入部140は、これらの部品又は他の部品の交換又は修理を可能にするように分離される。
【0043】
容器の挿入部140は、施錠タブ160をさらに含むことができる。施錠タブ160は、基部110の施錠機構128と整合するように配置することができる。施錠タブ160は、施錠機構128と連動して作動し、基部110と蓋180との相対位置を維持するのを助けることができる。他の実施形態では、施錠タブ160は、蓋の施錠機構184と係合することができる。施錠タブ160に横方向の力が作用するとき、施錠タブ160は蓋の施錠機構184 から外れてもよい。プッシュタブ型の施錠機構が説明されているが、基部110と蓋180の相対的な配置を維持するために他の施錠機構が使用される場合があり、結果として構造が異なることになる。しかし、簡潔にするために、このようなよく知られた施錠機構については記載しない。
【0044】
他の具体例では、挿入突起部150を容器の挿入部140と一体形成してもよい。しかし、他の実施形態では、挿入突起部150の少なくとも一部をそれほど一体形成しなくてもよい。例えば、挿入突起部150の先端部は、容器の挿入部140と一体形成されていなくてもよい。その代わりに、挿入突起部150の遠位端を容器の挿入部物140に接着してもよい。なお、挿入突起部150の先端部を容器の挿入部140と一体形成しないことで、挿入突起部150の先端部を後日、容器の挿入部140に接着してもよい。これにより、挿入突起部150の遠位端のサイズを、歯科装置容器100に格納されることが予想される特定の歯科装置に基づいて選択することが可能になる。例えば、挿入突起部150の遠位端の幅、高さ、傾き等は、容器の挿入部140の多数の異なるバージョンを製造する必要なく調整することができる。挿入突起部150の他の部分は、保存されている歯科器具に応じて調整できるように、容器の挿入部140と一体形成されていなくてもよい。
【0045】
他の実施形態においては、容器の挿入部140の挿入部壁142が歯科装置容器の側壁として機能してもよい。より具体的には、挿入壁142は、容器の挿入部140の床下まで延びていてもよい。挿入壁142が床下に伸びた状態で、少なくともPCB 200の一部を収納するための空洞部が形成される。PCB 200に電気的に接続された電子部品は、挿入突起部160内、センサの格納部144内、及び/又は1またはそれ以上の挿入壁142内に配置してもよい。そのような実施形態では、基部110は、床112内の1またはそれ以上の空洞部を任意に含んでいてもよく、壁114を任意に含まなくてもよい。すなわち、基板110は、基本的には、PCB 200に電気的に接続された電子部品を収納するための空洞部の有無にかかわらず、平板から形成することができる。基部110が壁114を構成していない場合、又は壁の高さが不十分な場合には、挿入壁114に、基部のヒンジ130、聴覚通信開口部124、施錠機構128など、壁142に関して前述した特徴を形成してもよい。これらの具体例の利点の1つは、容器の全体の長さ及び幅を小さくすることができることである。
【0046】
歯科装置容器100はさらに蓋180を含むことができ、その実施形態の斜視図を図8に示す。蓋180は、基部110の蓋のヒンジ182及びヒンジ130を介して、基部110に軸状に取り付けることができる。蓋180は、さらに蓋の施錠機構184を備えていてもよい。蓋の施錠機構184は、蓋180の蓋のヒンジ182とは反対側に位置していてもよい。
【0047】
蓋180は、さらに1またはそれ以上の蓋壁186を含んでいてもよい。蓋壁186の少なくとも一部は、他の一部又は別々の蓋壁186よりも長く構成することができる。例えば、側蓋壁186は、後蓋壁186よりも長くなるように配置されていてもよい。蓋180と基部110が歯科装置容器100が閉じるように配置されると、長い蓋壁186又はその一部が、挿入突起部150の上部及び/又は歯科装置容器100内の歯科装置を超えて延びることがある。すなわち、挿入突起部150及び/又は歯科装置は、歯科装置容器100を閉じたときに、蓋180の空洞部内に伸長することができる。この構造は、例えば形成された角部により蓋180の剛性を高めることを可能にする一方で、歯科装置容器100の全体のサイズを小さくすることができる。
【0048】
他の実施形態においては、基部110は壁114を備えていなくてもよい。その代わりに、基部110は本質的に平坦であってもよい。このような構造が実施される場合でも、基部110は、基部110、PCB 200及び容器の挿入部140の相対的な配置を維持するのを補助するために、1またはそれ以上の基部取付開口部120を含むことができる。基部110は、容器の挿入部140の下部に形成された空洞部内に少なくとも部分的に位置するように構成することができる。
【0049】
容器の挿入部140及び/又は蓋180の材料、色、質感等は、センサによって得られるデータを改善するために調整することができる。例えば、IRセンサを使用する場合、容器の挿入部140及び/又は蓋180を暗色の材料で形成して内面の表面粗さを高めることが有益である。これは、外部のIR光が歯科装置容器100に入るのを防ぎ、歯科装置容器100内のIR光の反射のような利点を有する可能性があり、どちらも不正確な読み取りをもたらす可能性がある。センサによって収集されたデータは、容器の挿入部140及び/又は蓋180の材料、色、質感などの他の側面を修正することによってさらに改善される場合がある。
【0050】
図9は、1つ以上の挿入突起部を含む歯科装置容器の実施形態の斜視図を示す。より具体的には、本実施形態は、歯科装置容器500を含み、この歯科装置容器は、二つの横方向の挿入突起部550と二つの縦方向の挿入突起部560から構成される。歯科装置容器500は、基部510、プリント基板(PCB)600、容器の挿入部540及び蓋580から構成される。
【0051】
図10は歯科装置容器500の基部510の実施形態の底面透視図を示す。基部510は、1またはそれ以上の基部の壁514を含むことができる。1またはそれ以上の基部のヒンジ530は、基部の壁514の一方の端部に向かって配置することができる。1またはそれ以上の基部の壁514は聴覚通信開口部524を含むことができる。聴覚通信開口部524は、PCB 600に電気的に接続された電子部品を提供する聴覚の通信と整合するように、基部の壁514に配置してもよい。1またはそれ以上の基部の壁514は、基部内に空洞部を形成するように基部の床512に接触してもよい。他の具体例では、1またはそれ以上の基部の壁514は基本的に基部の床512に対して垂直であってもよく、一方、1またはそれ以上の他の基部の壁514は基部の床512に対して垂直以外の角度に配置してもよい。
【0052】
歯科装置容器500は、基部のヒンジ530をさらに備えていてもよい。基部のヒンジ530は、対応する蓋のヒンジと係合することができる。基部のヒンジ530と蓋のヒンジは協働して蓋と基部の間にヒンジを形成する。すなわち、ヒンジは、蓋580と基部530とを互いに旋回運動させるのに役立つ。他の実施形態では、他の種類のヒンジを使用してもよいし、ヒンジを完全になくすこともできる。
【0053】
基部510は、更に、1またはそれ以上の基部取付開口部520を含むことができる。基部取付開口部520は、取付け金具の一部を通すことができるように構成することができる。取付け金具は、例えば基部510及び/又は基部取付開口部520の近くの基部510に形成された凹部などで、基部及び/又は基部取付開口部520の一部に接触してもよい。基部取付開口部520は、PCB取付の開口部620及び横方向の挿入部取付開口部554及び/又は縦方向の挿入部取付開口部564と整合するように配置することができる。
【0054】
図11は、容器の挿入部540及び歯科装置容器500の基部510の実施形態の上部透視図を示す。容器の挿入部540は、1またはそれ以上の挿入部の施錠機構568をさらに含むことができる。挿入部の施錠機構568は、蓋の施錠機構588と係合して、蓋580と基部510の位置を一時的に維持するのを補助することができる。より具体的には、施錠機構は、蓋580を閉じた位置に維持するのを補助することができる。本実施形態では、蓋580の施錠を解除して、基部のヒンジ530及び蓋のヒンジの周りを旋回し、蓋580を開いた位置に配置してもよい。この実施形態では、開錠は、挿入部の施錠機構568から外れるように蓋の施錠機構588を持ち上げることによって達成することができる。他の実施形態では、異なる施錠機構を使用することができる。
【0055】
他の実施形態では、容器の挿入部540は、基部の壁514と基部の床512で形成される空洞部内に少なくとも部分的に配置されてもよい。容器の挿入部540は、複数の横方向の挿入突起部550及び/又は縦方向の挿入突起部560を含むことができる。横方向の挿入突起部550は、容器の挿入部540の横方向に沿って配置することができ、縦方向の挿入突起部560は、容器の挿入部540の長手方向に沿って配置することができる。横方向の挿入突起部550及び縦方向の挿入突起部560の各々は、挿入壁542に接触してもよく、また、容器の挿入部540の中心に向かって伸長してもよい。突起の近位端は挿入壁542に向かっていてもよく、突起の遠位端は挿入壁542から離れていてもよい。
【0056】
横方向の挿入突起部550及び縦方向の挿入突起部560は、PCB 600の上面に位置する電子部品の少なくとも一部を、対応する突起内に配置できる高さ及び幅を有するように構成していてもよい。突起の幅及び高さはまた、歯科装置容器500内に格納される歯科装置の適切な配置を支援するように構成してもよい。突起の表面は傾斜していることもあれば、直線状であることもある。例えば、横方向の挿入突起部550のいくつかの表面は、歯科装置容器500を有する歯科装置の適切な配置を助けるように傾斜していてもよい。
【0057】
横方向の挿入突起部550は、複数の横方向のセンサ開口部556を含むことができる。他の具体例では、横方向のセンサ開口部556は横方向の挿入突起部550の遠位端に向かって配置されるが、他の具体例では開口部は横方向の挿入突起部550に沿った他の位置に配置されてもよい。横方向のセンサ開口部556は、横方向の挿入突起部550内に位置するセンサ又はその一部に対応して配置することができる。横方向のセンサ開口部556は、他の突起上に位置するセンサ開口部と整合するようにさらに配置されてもよい。例えば、横方向の挿入突起部550が遠位端に三つの横方向のセンサ開口部556を備えている場合、中央横方向のセンサ開口部556は、別の横方向の挿入突起部550の横方向のセンサ開口部556と整合するように配置することができる。しかし、側方の横方向のセンサ開口部556は、それぞれ、縦方向の挿入突起部560内に配置された縦方向のセンサ開口部556と整合させることができる。
【0058】
開口部を有する複数のセンサを使用することによって、歯科治療計画に対する遵守のより正確な判定が行われる場合がある。これは、センサが歯科治療計画の本質的部分に対応するデータを収集するように構成されている場合でも起こり得る。例えば、センサは、歯科装置の存在を検出するように構成され、それによって、歯科治療計画の時間の遵守に関するデータを提供する。三つのセンサを利用することにより、歯科装置容器500内の歯科装置の所在をより正確に判定することができる。
【0059】
例えば、状況によっては、単一の占有センサによって提供されるデータでは、歯科装置容器500内の歯科装置の存在を正確かつ一貫して判断するのに十分ではない場合があることが判明している。これは、歯科装置容器500内の歯科装置の位置に、一部起因する可能性がある。歯科器具は、ある位置では正確な判定ができないような、一部のセンサによりなされる送受信の混乱が起こり得る。例えば、センサによる送信が行われる歯科器具において、一部、センサの送信を十分に吸収したり反射したりしない可能性があり、それにより占有判定がなされるのに十分な伝送が検出受信機に提供されない。しかし、複数のセンサが用いられている場合、センサ送信は歯科装置の異なる部分に向けることができる。歯科装置の異なる部分で送信を指示することにより、不正確な測定が行われる可能性が減少する。
【0060】
横方向の挿入突起部550は、横方向の挿入部取付開口部554のうちの一つをさらに含むことができる。横方向の挿入部取付開口部は、横方向の挿入突起部550の内面から延びていてもよく、本質的には横方向の挿入突起部550の高さまで延びていてもよい。横方向の挿入部取付開口部554は、基部取付開口部520と整合するように配置することができる。基部510と容器の挿入部540の相対的な配置を確実にするため、取付け用機器を使用してもよい。
【0061】
縦方向の挿入突起部560は、横方向の挿入突起部550とは異なる長さ及び幅を有していてもよい。これは、縦方向の挿入突起部560内に位置する電子部品が横方向の挿入突起部550内に位置するものとは異なることに一部起因する可能性があるが、例えばセンサの部品など、各突起内に位置する電子部品の種類に一部重複がある場合がある。他の実施形態では、縦方向の挿入突起部560は、近位端に向かってフレア幅を有していてもよく、遠位端に向かってテーパー端を有していてもよい。縦方向の挿入突起部560の幅が異なると、縦方向の挿入突起部560内に配置される電子部品のサイズ及び種類が異なる場合がある。
【0062】
縦方向の挿入突起部560は、1またはそれ以上の縦方向の突起壁562を含むことができる。縦方向の突起壁562は、容器の挿入部540の床と比較して垂直であっても傾斜していてもよい。縦方向の突起壁562の角度は、歯科装置容器500内の歯科装置の垂直位置を補助するために用いられるかどうかに依存する。縦方向の突起壁562が垂直方向の位置を補助するものである場合には、傾斜角を有することができる。しかしながら、もし縦の突起壁562が歯科器具の水平位置を主に補助するならば、角度は垂直であってもよい。
【0063】
1またはそれ以上の縦方向の挿入突起部560は、縦方向の挿入部取付開口部564を含むことができる。縦方向の挿入部取付開口部564は、縦方向の挿入突起部560の内面から延びるように構成されており、基本的に縦方向の挿入突起部560の高さまで延びるようになっている。縦方向の挿入部取付開口部564は、基部取付開口部520と整合するように配置することができる。基部510と容器の挿入部540との相対位置を確保するために、基部取付開口部520を通って縦方向の挿入部取付開口部564に入り込むように、取付け用器具を使用してもよい。
【0064】
1またはそれ以上の縦方向の挿入突起部560は、分離壁570を備えていてもよい。分離壁570は、縦方向の挿入突起部560の遠位端から延びていてもよい。分離壁570は、容器の挿入部540の中央に向かって伸長してもよいが、二つの横方向の挿入突起部550間のセンサ送信を遮断するほどではない。しかし、分離壁570は、他の横方向の挿入突起部550の横方向のセンサ開口部556と整列した横方向のセンサ開口部556以外の横方向のセンサ開口部556から出るセンサ送信の少なくとも一部を遮断するように延びていてもよい。分離壁570の縁は、容器の挿入部540の中心に向かって傾斜していてもよい。分離壁570の相対的な位置及び形状は、歯科治療計画の様々な側面の判定を改善するためのより適切なデータを得るのに役立つ。例えば、分離壁570は、一対のセンサは、他の一対のセンサペアとの干渉を防止することができる。より具体的には、分離壁570は、中心の横方向のセンサ開口部556を出るセンサ送信を、側面の横方向のセンサ開口部556又は非配列型の縦方向のセンサ開口部566により受け取られることから遮断するのを補助することができる。
【0065】
図12Aは、センサの透過方向の実施形態を有する容器挿入部540の実施形態の上面図を示す。他の実施形態では、干渉をさらに低減するために、様々な突起内のセンサ又はその一部を配置することができる。例えば、もしセンサが検出送信機と検出受信機に分離されるならば、これらの部品の配置は干渉を低減する補助となる。他の実施形態では、検出送信機は横方向の挿入突起部550内に配置することができ、一方、検出受信機は横方向の他の挿入突起部550内に配置することができる。しかし、分離壁570は、側面の検出受信機によって受信される側面の検出送信機からの送信を少なくとも部分的に遮断するように作用してもよい。従って、分離壁570は、非整列型の検出送信機からの干渉を防止するのに役立つ。非整列型の検出送信機及び受信機は、縦方向の挿入突起部560に収納された、対応する検出送信機及び受信機に整列させることができる。本実施形態における検出送信機の一般的な透過方向を図12Aの矢印で示す。
【0066】
図12Bは、センサ透過方向の実施形態を有する容器の挿入部540の実施形態の上面図を示す。幾つかの具体例では、横方向の挿入突起部550の一つは、一つの検出送信機と二つの検出受信機を内蔵することができ、他方の横方向の挿入突起部550は、一つの検出受信機と二つの検出送信機を内蔵することができる。横方向の挿入突起部550間に配置されていない、対応する検出送信機及び検出受信機は、横方向の挿入突起部550と縦方向の挿入突起部560間に配置されていてもよい。単一の検出送信機を収容する横方向の挿入突起部550に対向する横方向の挿入突起部550は、単一の検出受信機のみを収容するため、単一の検出送信機からの送信が非整列型の検出受信機に干渉する確率が低下する。例えば、単一の検出送信機からの送信は、分離壁570によって少なくとも部分的に遮断され、それによって、縦方向の挿入突起部560内に位置する検出受信機による受信が低減される。さらに、分離壁570は、横方向の挿入突起部550の一方に位置する二つの検出送信機からの送信を、反対側の横方向の挿入突起部550に位置する二つの検出受信機が受信するのを阻止するのをサポートすることができる。本実施形態における検出送信機の一般的な透過方向を図12Bの矢印で示す。
【0067】
他の実施形態では、縦方向の挿入突起部560は、分離壁570を利用することなく、非配列型の検出送信機からの干渉を低減するように配置することができる。例えば、縦方向の挿入突起部560は、歯科装置容器500の中心に向かってさらに延びていてもよく、他の実施形態では、対向する縦方向の挿入突起部560に接触又は合体していてもよい。歯科装置容器500の中心に向かってさらに伸長することにより、縦方向の挿入突起部560内に位置するセンサは、より正確で一貫した測定をもたらすデータの収集に適した位置に配置することができる。例えば、縦方向の挿入突起部560内のセンサは、保管された歯科装置を通るセンサの配列が歯科装置に対し垂直でないよう配置することができる。このような非垂直型の配列では、センサ送信が予想される透過性をもたらすことなく歯科装置を通過する確率が低くなる可能性がある。本実施形態における検出送信機の一般的な送信方向を図12Cの矢印で示す。
【0068】
図13は、PCBと接合された容器の挿入部の実施形態の底面透視図を示す。PCB 600は、挿入部のPCB凹部544内に適合するように配置され、取付器具622によって相対位置に保持される。この特定の実施形態は、PCB 600の下面に接触する取付け器具622を示すが、他の実施形態は、取付け器具622に異なる構成を有してもよい。他の実施形態では、挿入部のPCB凹部544は、PCB 600を容器の挿入部540に対して整列及び固定するのを補助していてもよい。挿入部のPCB凹部544は、容器の挿入部540の床面に形成されていてもよい。PCB 600が挿入部のPCB凹部544に配置されると、PCBの下面は、容器の挿入部540の下面と実質的に整列してもよく、例えば、下面は、実質的に単一平面に沿って整列してもよい。
【0069】
図14は、容器の挿入部の実施形態の底面透視図を示す。この実施形態では、挿入部のPCB凹部544は、一般的なx型形状を有していてもよい。より具体的には、挿入部のPCB凹部544は、横方向の挿入突起部550及び縦方向の挿入突起部560に対応する領域を除き、一般的にPCBと同様の形状を有していてもよい。しかし、凹部の形状は、PCB 600の形状、及び/又はPCB 600の上面に位置する電子部品の配置、及び/又は挿入突起部の有無/位置に依存する場合がある。例えば、容器の挿入部540が単一の縦方向の挿入突起部540で構成されている場合、PCB 600は、一般的なt型形状を有していてもよい。PCB 600を容器の挿入部540に適切に配置して固定するために、挿入部のPCB凹部544も、現在の横方向及び縦方向の挿入突起部550、560に対応する領域を除いて、一般的なt型形状を有していてもよい。
【0070】
他の実施形態では、容器の挿入部540は、例えば二つの横方向の挿入部の取付開口部554と単一の縦方向の挿入部の取付開口部564から構成される。三つの挿入部の取付の開口部の存在により、PCB 600は、より適切に整列され、挿入部のPCB凹部544内でよりフラッシュするように配置される。さらに、実装機器によって一緒に保持されている他の部品との接触点が三点あるため、PCB 600の製造許容範囲や反りなどにより、PCB 600が歯科器具容器内で緩む可能性は低い。
【0071】
ただし、他の実施形態では、三つ未満の容器取り付け開口がある場合がある。例えば、一対の横方向の挿入部取付開口部554又は一対の縦方向の挿入部取付開口部564のみが存在してもよい。他の実施形態では、いずれの挿入部取付開口部も存在してはならない。このような場合には、PCB 600を容器の挿入部540又は基部510に直接接着してもよい。挿入部取付開口部の数を減らすことにより、歯科装置容器500の全体のサイズを減らすことができる。より具体的には、PCB 600上の領域は、1またはそれ以上のPCB取付け開口部622によって占められていないので、PCB 600の上に位置する電子部品は、より密接に一緒に配置されてもよい。従って、PCB 600、容器の挿入部540、及び歯科器具容器500のサイズはより小さくてもよい。
【0072】
1またはそれ以上の横方向の挿入突起部550内にセンサの少なくとも一部を、1またはそれ以上の縦方向の挿入突起部560内にセンサの少なくとも一部を配置することの利点は、その配置によって、別個の歯科装置を検出できるということである。例えば、一対のセンサは別々の歯科装置に対応するデータを主に得るように配置されている。例えば、図11の実施形態に示されたセンサ開口のいくつかは、横方向の挿入突起部550と縦方向の挿入突起部560との間に位置している。各歯科装置は容器内に配置されるので、これらの位置にある一対のセンサは、保管された歯科装置の1つだけに対応する歯科治療計画を検出するように配置される。
【0073】
しかし、他の実施形態では、歯科装置容器500は、単一の歯科装置のみに対応する歯科治療計画を別々に検出することができる可能性があるが、歯科装置容器500は、どの歯科装置データが収集されているかを判断するようには構成されていない可能性がある。従って他の具体例では、収集されたデータを用いて、どの歯科装置についてデータを収集するかを判定できるように、センサを選択するか、センサを配置することが望ましい場合がある。
【0074】
他の実施形態においては、どの歯科装置データが収集されているかを判定するために、別々の歯科装置の異なる特徴を使用することができる。例えば、患者の上顎歯列用に構築された歯科装置の厚さは、患者の下顎歯列用に構築された歯科装置の厚さとは異なる場合がある。このような状況において、どの歯科装置のデータが収集されているかを判定するために、異なる予測センサ読み取り値を使用することができる。別の例として、歯科装置の1つは、他の歯科装置容器には存在しない羽根構造を有していてもよい。このような状況において、異なる構造的特徴を1つ以上のセンサで検出することができ、これにより、どの歯科装置データが収集されているかを判定するために必要なデータを提供する。
【0075】
歯科装置データを収集して判定することの利点の1つは、歯科治療計画への遵守を判定するための、より正確なデータ収集を可能にし、歯科治療計画又はそのために必要とされる、より良い更新・最適化を可能にすることである。さらに、歯科装置容器500内に必要とされるセンサはより少なくて済む。例えば、各歯科装置が独立してデータを収集することで、図11の横方向の挿入突起部内の中間にある一対のセンサが不要になる場合がある。
【0076】
他の実施形態では、PCB 600を複数のPCBに分割してもよい。分割されたPCBの部分は、リボンケーブルなどの既知の方法を介して電気的に接続してもよいし、接触させてもよいが、互いに独立して機能してもよい。すなわち、分割されたPCBの各部分は、独立してクライアント機器と接続することができる。
【0077】
分割されたPCBが用いられる場合、基部510、容器の挿入部640及び/又は蓋580も、複数の部分に分割された構造をとることができる。基部510、容器の挿入部640及び/又は容器の挿入部640の1またはそれ以上の部分を、ヒンジによって対応する部分に接続することができる。このような構成では、分割されたPCBの1またはそれ以上の部分が、分割されたPCBの他の部分の位置とは異なる、分割された容器の挿入部の部分に配置される場合がある。分割された部品用いる利点の一つは、患者がよりコンパクトに保存するため歯科装置容器500を折ることができることである。いくつかの構成では、それはまた、利用者が歯科装置容器500を折るか、あるいはそれを広げておくかを選択的に選択することを可能にし、それによって異なる貯蔵状況への適応を助ける。
【0078】
図16は、容器の挿入部540の歯科装置容器500の実施形態の底面透視図を示す。図17は、歯科装置容器500の基部510の実施形態の底面透視図を示す。他の実施形態では、基部の壁514は、大幅に縮小されていてもよく、又は存在していなくてもよい。そのような実施形態では、挿入壁542は、容器の挿入部540の床の下まで延びるように構成することができる。挿入壁542は、PCB 600を実質的に収納するのに必要な程度まで延びることができる。基部510は、PCB 600の下に配置することができる。容器の挿入部540、PCB 600、及び基部510は、上述したように、取付け器具622によって相対的な位置に保持されてもよい。基部510は、PCB 600に電気的に接続された電子部品を少なくとも部分的に収納するための1またはそれ以上の空洞部を含むことができる。基部の壁514を縮小又は除去することの利点の一つは、歯科装置容器500のサイズを全体的に縮小できることである。
【0079】
図18及び19は容器の挿入部の具体例の透視図を示す。本実施形態及び類似の実施形態では、挿入部540はさらに横方向の突起フレア552を含んでいてもよい。横方向の突起フレア552の上面は、横方向の挿入突起部550の上面に合わせてもよいし、横方向の挿入突起部550の上面よりも高くてもよい。横方向の突起フレア552の側面は、横方向の突起550の側面よりも上方に位置してもよい。横方向の突起フレア552の側面は、横方向の挿入突起部550の側面と非平行になるように配列されていてもよい。横方向の突起フレア590の傾斜は横方向の突起550の対応する側面の傾斜より急である。
【0080】
横方向の突起フレア552は、さらに、1またはそれ以上のフレア空洞部553を構成してもよい。フレア空洞部553は、容器の挿入部540の下側に、横方向の挿入突起部550の内側表面よりも深く、かつ横方向の突起フレア552に対応する領域に位置するように配置することができる。フレア空洞部553の深さは、異なる実施形態で異なってもよい。しかし、PCB 600に電気的に接続された電子部品の一部を収納できるような深さであることが望ましい。このように、フレア空洞部553の利点の一つは、横方向の挿入突起部550の全体的な美観と歯科器具の配置能力を損なうことなく、より大きな電子部品の部分を配置できることである。
【0081】
図20は歯科装置容器の蓋880の実施形態の斜視図を示す。本実施形態及び類似の実施形態において。蓋880は、蓋の施錠機構888を備えている。蓋の施錠機構888は、容器の挿入部壁の一部と係合し、基部の壁の一部の間に位置するように構成及び配置することができる。蓋の施錠機構888は、蓋880と基部を相対的な位置に保ち、蓋が容器の挿入部によって形成された空洞部を覆うように、容器の挿入部の一部と係合するように構成されている。施錠機構888は、容器の挿入部によって形成された空洞部にアクセスできるように蓋880が開かれるように、容器の挿入部の部分と一時的に係合が解除されていてもよい。
【0082】
蓋880は、さらに蓋開口部882を含んでいてもよい。蓋開口部は、蓋の施錠機構888と整合するように配置することができる。蓋開口部882は、容器の挿入部との係合及び離脱時に蓋の施錠機構888をより大きく動かせるように構成することができる。
【0083】
いくつかの態様において、歯科装置の容器は、バッテリートレイ990をさらに含むことができる。バッテリートレイ990は、トレイの壁992とバッテリーの空洞部994とから構成される。トレイの壁992は、バッテリーの空洞部994の一又は複数の側に配置することができる。トレイの壁992は、挿入壁942に形成された挿入壁開口943によって形成された空洞部内に嵌合するように構成することができる。トレイの壁992の表面が挿入壁942の表面と整合するとき、バッテリーの空洞部994は、容器の挿入部及び/又は横方向の挿入突起部によって形成される空洞部内に延びるように構成することができる。バッテリーの空洞部994は更に、PCBの一方側、例えば上側に位置し、少なくともPCBに取り付けられた部品及び/又は挿入容器の一部の内面、例えば横方向に沿った突起の内面と係合するように構成される。バッテリーの空洞部994は、コイン型電池等の電源を受けて部分的に固定するように構成することができる。バッテリーの空洞部994はバッテリーの空洞部994内に電源を部分的に固定して、使用者が容器内に電源を挿入、取り外し、及び/又は交換できるように構成することができる。
【0084】
バッテリトレイ990はさらにトレイの施錠機構996を備えていてもよい。トレイの施錠機構は、容器の挿入部に対するバッテリートレイ990の相対位置を維持するように、容器の挿入部の一部に接触してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20