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特許7418416乗り物車両上のショー要素を作動させるシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】乗り物車両上のショー要素を作動させるシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A63G 21/12 20060101AFI20240112BHJP
   A63G 21/04 20060101ALI20240112BHJP
   A63G 21/08 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A63G21/12
A63G21/04
A63G21/08
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021514099
(86)(22)【出願日】2019-09-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019049474
(87)【国際公開番号】W WO2020060759
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】62/732,310
(32)【優先日】2018-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/551,333
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】サベンス スコット デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ソレンティーノ クリスティン マリー
(72)【発明者】
【氏名】シュウォーツ ジャスティン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】トーマス エリック ショーン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス エリック アラン
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-66722(JP,A)
【文献】特開2005-328897(JP,A)
【文献】特開平8-52277(JP,A)
【文献】特開平8-52276(JP,A)
【文献】特開平3-82494(JP,A)
【文献】国際公開第2018/165165(WO,A2)
【文献】米国特許第04170943(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物車両システムであって、
車両レール及び付属レールを含む乗り物軌道と、
乗り物車両と、
を備え、前記乗り物車両は、
前記乗り物軌道の前記車両レールに接して前記乗り物軌道の前記車両レールに沿って移動するように構成された乗り物車両ベースと、
前記乗り物車両ベースに結合され、前記乗り物車両ベースに対して作動するように構成されたショー要素と、
前記ショー要素に結合された第1の端部、及び前記乗り物軌道の前記付属レールに結合された第2の端部を含み、前記付属レールに沿って動いて、前記車両レールに対する前記付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて前記ショー要素を作動させるように構成された機械的リンク機構と、
を含み、
前記付属レールと前記車両レールとの間の距離は、前記乗り物軌道に沿って変化するように構成され、前記付属レールと前記車両レールとの間の前記距離の変化は、前記ショー要素を延長又は後退させることによって前記ショー要素を作動させる、
ことを特徴とする乗り物車両システム。
【請求項2】
前記機械的リンク機構は、剛直な又は可動式の接合部を介して互いに結合された複数の構体を含み、前記複数の構体は、前記車両レールに対する前記付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて動くように構成される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項3】
前記乗り物軌道は、前記乗り物車両に接する複数の車両レールを含む、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項4】
前記ショー要素は、前記乗り物車両ベースに対して延長又は後退するように構成される、
請求項に記載の乗り物車両システム。
【請求項5】
前記付属レールの垂直位置は、前記車両レールに対して変化するように構成され、前記付属レールと前記車両レールとの間の前記垂直位置の変化は、前記ショー要素を上方又は下方に作動させる、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項6】
乗り物車両システムであって、
車両レール及び付属レールを含む乗り物軌道と、
乗り物車両と、
を備え、前記乗り物車両は、
前記乗り物軌道の前記車両レールに接して前記乗り物軌道の前記車両レールに沿って移動するように構成された乗り物車両ベースと、
前記乗り物車両ベースに結合され、前記乗り物車両ベースに対して作動するように構成されたショー要素と、
前記ショー要素に結合された第1の端部、及び前記乗り物軌道の前記付属レールに結合された第2の端部を含み、前記付属レールに沿って動いて、前記車両レールに対する前記付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて前記ショー要素を作動させるように構成された機械的リンク機構と、
を含み、
前記機械的リンク機構は、前記車両レールに結合された中間部分を含み、前記機械的リンク機構は、前記中間部分に配置されたヒンジ部を中心に回転するように構成される
り物車両システム。
【請求項7】
前記機械的リンク機構の前記第1の端部の水平位置は、前記中間部分に対して変化するように構成され、前記水平位置の変化は、前記ショー要素を前方又は後方に作動させる、
請求項に記載の乗り物車両システム。
【請求項8】
前記ショー要素を前記乗り物車両に対して作動させるように構成されたアクチュエータを備え、前記アクチュエータは、空気圧的、水圧的又は電気的に駆動される、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項9】
前記乗り物車両の前記乗り物車両ベースに取り付けられた乗り物シートを備える、
請求項1に記載の乗り物車両システム。
【請求項10】
乗り物車両であって、
乗り物軌道の車両レールに接して前記乗り物軌道の前記車両レールに沿って移動するように構成された乗り物車両ベースと、
前記乗り物車両ベースに結合され、前記乗り物車両ベースに対して作動するように構成されたショー要素と、
前記ショー要素に結合された第1の端部、及び前記乗り物軌道の付属レールに結合されるように構成された第2の端部を含み、前記車両レールに対する前記付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて前記ショー要素を作動させるように構成された機械的リンク機構と、
を備え
前記付属レールと前記車両レールとの間の距離は、前記乗り物軌道に沿って変化するように構成され、前記付属レールと前記車両レールとの間の前記距離の変化は、前記ショー要素を延長又は後退させることによって前記ショー要素を作動させる、
ことを特徴とする乗り物車両。
【請求項11】
前記機械的リンク機構は、前記ショー要素を前記乗り物車両ベースに対して上方に、下方に、前方に、後方に、外方に、内方に、又はこれらの何らかの組み合わせで作動させるように構成される、
請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項12】
前記機械的リンク機構は、前記乗り物車両ベースの側部に結合される、
請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項13】
前記機械的リンク機構は、前記乗り物車両ベースの前部、後部又は上部に結合される、
請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項14】
乗り物車両であって、
乗り物軌道の車両レールに接して前記乗り物軌道の前記車両レールに沿って移動するように構成された乗り物車両ベースと、
前記乗り物車両ベースに結合され、前記乗り物車両ベースに対して作動するように構成されたショー要素と、
前記ショー要素に結合された第1の端部、及び前記乗り物軌道の付属レールに結合されるように構成された第2の端部を含み、前記車両レールに対する前記付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて前記ショー要素を作動させるように構成された機械的リンク機構と、
を備え、
前記ショー要素は、遠位端及び近位端を含み、前記近位端は、前記乗り物車両ベースに結合され、前記遠位端は、前記近位端に対して上方に、下方に、前方に、後方に、外方に、内方に、又はこれらの何らかの組み合わせで動くように構成される
り物車両。
【請求項15】
前記ショー要素の作動を引き起こすように構成されたアクチュエータを備える、
請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項16】
前記アクチュエータは、水圧式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、電気式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、又はこれらの何らかの組み合わせを含む、
請求項15に記載の乗り物車両。
【請求項17】
前記ショー要素は、前記乗り物軌道に沿った前記乗り物車両の位置に少なくとも部分的に基づいて作動するように構成される、
請求項10に記載の乗り物車両。
【請求項18】
推進システムを介して、乗り物軌道の車両レールに沿って乗り物車両を移動させるステップと、
アクチュエータを介して、前記車両レールに対する前記乗り物軌道の付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて機械的リンク機構を作動させて、前記乗り物車両に結合されたショー要素を動かすステップと、
を含み、前記付属レールの前記位置は、前記乗り物軌道に沿って前記車両レールに対して変化するように構成され、前記ショー要素は、前記乗り物車両に対して作動するように構成され、
前記付属レールと前記車両レールとの間の距離は、前記乗り物軌道に沿って変化するように構成され、前記付属レールと前記車両レールとの間の前記距離の変化は、前記ショー要素を延長又は後退させることによって前記ショー要素を作動させる、
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記機械的リンク機構は、前記ショー要素を前記乗り物車両に対して上方に、下方に、前方に、後方に、内方に、外方に、又はこれらの何らかの組み合わせで動かすように作動するよう構成される、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に遊園地の分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、遊園地乗り物車両上のショー要素を作動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、以下で説明する本開示の様々な態様に関連し得る技術の様々な態様を読者に紹介するためのものである。本考察は、読者に背景事情を示して本開示の様々な態様のより良い理解を促す上で役立つと考えられる。従って、これらの記載は、先行技術を認めるものとしてではなく、上記の観点から読むべきものであると理解されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
遊園地は、20世紀初頭以来大幅に人気が高まってきた。この人気の高まりを維持するために、新たな遊園地アトラクションは、来園客に独特な動き及び視覚的体験を提供するように設計されている。ほとんどの遊園地アトラクションは、乗り物経路に沿って乗客を運ぶ乗り物車両を含む。遊園地アトラクションによっては、乗り物経路沿いに遊園地アトラクションの視覚的体験を増補するショー要素を組み込むことができるものもある。従って、遊園地アトラクションは、来園客に固有の動き及び視覚的体験を提供する固有のショー要素を組み込むことが望ましいと認識することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろいくつかの開示する実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と類似し得る又は異なり得る様々な形態を含むことができる。
【0005】
ある実施形態では、乗り物車両システムが、車両レール及び付属レールを有する乗り物軌道を含む。乗り物車両システムは、乗り物軌道の車両レールに接するように構成された乗り物車両ベースを有する乗り物車両も含む。乗り物車両ベースは、乗り物軌道の車両レールに沿って移動するように構成される。乗り物車両は、乗り物車両ベースに結合されたショー要素も含む。ショー要素は、乗り物車両ベースに対して作動するように構成される。さらに、乗り物車両は、ショー要素に結合された第1の端部と、乗り物軌道の付属レールに結合された第2の端部とを有する機械的リンク機構を含む。機械的リンク機構は、付属レールに沿って動いて車両レールに対する付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいてショー要素を作動させるように構成される。
【0006】
ある実施形態では、乗り物車両が、乗り物軌道の車両レールに接するように構成された乗り物車両ベースを含む。乗り物車両ベースは、乗り物軌道の車両レールに沿って移動するように構成される。さらに、乗り物車両は、乗り物車両ベースに結合されたショー要素を含む。ショー要素は、乗り物車両ベースに対して作動するように構成される。さらに、乗り物車両は、ショー要素に結合された第1の端部と、乗り物軌道の付属レールに結合された第2の端部とを有する機械的リンク機構を含む。機械的リンク機構は、車両レールに対する付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいてショー要素を作動させるように構成される。
【0007】
ある実施形態では、方法が、乗り物軌道の車両レールに沿って乗り物車両を移動させるステップを含む。方法は、車両レールに対する乗り物軌道の付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて機械的リンク機構を作動させて、乗り物車両に結合されたショー要素を動かすステップも含む。付属レールの位置は、乗り物軌道に沿った車両レールに対して変化するように構成される。さらに、ショー要素は、乗り物車両に対して作動するように構成される。ある実施形態では、乗り物車両が、乗り物軌道に接するように構成された乗り物車両ベースを含む。乗り物車両ベースは、乗り物車両ベースエンベロープを定める動き範囲内で乗り物軌道に沿って移動するようにも構成される。乗り物車両は、乗り物車両ベースに結合されたショー要素も含む。ショー要素は、乗り物車両ベースに対して乗り物車両ベースエンベロープ外で作動するように構成される。乗り物車両は、ショー要素と乗り物車両ベースエンベロープ外の構造との衝突を避けるようにショー要素の位置を制御するように構成されたコントローラも含む。
【0008】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本技術による乗り物車両システムの実施形態の斜視図である。
図2】本技術による、付属レールを含む乗り物車両システムの乗り物軌道の実施形態の上面図である。
図3】本技術による乗り物車両システムの、付属レール、ショー要素及び乗り物車両の機械的リンク機構を含む乗り物車両システムの乗り物軌道の別の実施形態の断面図である。
図4】本技術による、上方位置に配置された複数のショー要素を有する乗り物車両の実施形態の正面図である。
図5】本技術による、後方位置に配置されたショー要素を有する乗り物車両の別の実施形態の斜視図である。
図6】本技術による、折り畳み位置に配置されたショー要素を有する乗り物車両の別の実施形態の正面図である。
図7】本技術による、上方折り畳み位置に配置されたショー要素を有する乗り物車両の別の実施形態の正面図である。
図8】収容位置から開放位置に動くショー要素を有する乗り物車両の別の実施形態の斜視図である。
図9】遊園地アトラクションの乗り物車両制御システムの実施形態のブロック図である。
図10】本技術による、乗り物車両に対してショー要素を作動させる方法の実施形態のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の1又は2以上の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実際の実装の特徴を全て説明していない場合もある。なお、あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実際の実装の開発においては、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間の掛かるものとなり得るが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0011】
典型的な遊園地アトラクション(例えば、ローラーコースター又はダークライド)は、乗り物軌道に沿って移動する乗り物車両を含む。また、遊園地アトラクションによっては、乗り物車両の乗客の視覚的体験を増補するために、アニマトロニクス、小道具、照明効果、画面表示などのショーイベントを含むものもある。従来、ショー要素は、遊園地アトラクション内の特定の位置に配置される。例えば、乗り物軌道に隣接する草地内をアニマトロニックのライオンが移動し、乗り物車両がアニマトロニックのライオンを通り過ぎる時に乗り物車両に吠え掛かり又は振り向くようにすることができる。しかしながら、乗り物車両が乗り物軌道に沿って進み続けると、乗客はもはやアニマトロニックのライオンの近くには存在しなくなる。乗り物軌道沿いに多くのショー要素を配置することは、コスト面でも設計時間面でもリソース集約的となり得る。従って、乗り物車両と共に移動して乗客に固有の視覚的体験を提供するショー要素を有することが望ましいと考えられる。
【0012】
本明細書で説明するシステム及び方法を使用して、乗り物車両に結合されたショー要素を作動させることにより、乗客は、乗り物軌道全体に沿ってショー要素からの視覚的体験を楽しむことができる。
【0013】
図1は、遊園地アトラクション12の乗り物車両システム10の実施形態の斜視図である。乗り物車両システム10は、車両レール16及び付属レール18を有する乗り物軌道14を含む。乗り物車両システム10は、乗り物軌道14の車両レール16に接して車両レール16に沿って移動するように構成された乗り物車両ベース22を有する乗り物車両20(例えば、ローラーコースター又はダークライド)も含む。いくつかの実施形態では、乗り物車両ベース22が、車両レール16に接するように構成された摩擦車輪アセンブリ24を含む。しかしながら、他の実施形態では、乗り物車両20が、いずれかの好適な推進又は接合アセンブリを使用して車両レール16に沿って移動することもできる。また、乗り物車両20は、乗り物軌道14に沿って移動する際に1又は2以上の乗客を保持できるように乗り物車両ベース22に取り付けられた1又は2以上の乗り物シート26を有することができる。乗り物車両ベース22は、乗り物車両20のフレーム又は構体(body)を含むことができる。
【0014】
さらに、乗り物車両20は、乗り物車両ベース22に結合されたショー要素28を有する。いくつかの実施形態では、ショー要素28が、機械的リンク機構30を介して乗り物車両ベース22に結合される。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30が、乗り物車両ベース22の側部32に結合される。従って、ショー要素28は、乗り物車両ベース22の側部32に結合することができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両ベース22に複数のショー要素28を結合することができる。例えば、海賊をテーマとしたアトラクションでは、乗り物車両20が海賊船の外観を有することができ、複数のショー要素28を海賊船の一対のオールとすることができる。乗り物車両ベース22の左側34に第1のオールを結合し、乗り物車両ベース22の右側36に第2のオールを結合することができる。
【0015】
一方で、ショー要素28は、乗り物車両ベース22に対して作動して少なくとも遊園地アトラクション12の視覚的体験を増補するように構成されたいずれかの機械的装置とすることもできる。ショー要素28のさらなる例としては、マスト及び帆、厚板(plank)、機械的アーム、翼、櫂(paddles)、アニマトロニックキャラクタ、アニマトロニックキャラクタ用のプラットフォーム又は特殊効果装置、或いは他のいずれかの好適な機械的装置が挙げられる。
【0016】
いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30が、乗り物車両ベース22の前部38、後部40又は上部42に結合される。例えば、海賊をテーマとしたアトラクションでは、ショー要素28を、乗り物車両ベース22の上部42に結合されたマスト及び帆、乗り物車両ベース22の後部40に結合された厚板、又は乗り物車両ベース22の前部38に結合された大砲とすることができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両20が、乗り物車両ベース22の前部38、後部40及び上部42に複数のショー要素28を結合できるように複数の機械的リンク機構30を有することができる。
【0017】
ショー要素28は、乗り物車両ベース22に対して作動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30を、乗り物車両ベース22に対して上方に、下方に、前方に、後方に、外方に、内方に、又はこれらの何らかの組み合わせでショー要素28を作動させるように構成することができる。例えば、海賊をテーマとしたアトラクションでは、一対のオールの各オールが乗り物車両ベース22に対して作動して、これらのオールが海賊船を漕いでいる見た目を生み出すことができ、マスト及び帆が乗り物車両ベース22に対して傾いて強風の見た目を生み出すことができ、厚板が乗り物車両ベース22に対して上下に揺れることができ、大砲が乗り物車両ベース22に対して前方に転がることができる。別の実施形態では、水圧式、空気圧式、電気式又は機械式アクチュエータがショー要素28の作動を引き起こすように構成される。一方で、さらなる実施形態では、機械的リンク機構30及びアクチュエータ44の両方がショー要素28の作動を引き起こすように構成される。
【0018】
ショー要素28は、乗り物軌道14に沿った乗り物車両20の位置に少なくとも部分的に基づいて作動するように構成することができる。乗り物システムコントローラは、乗り物軌道14に沿った乗り物車両20の検出された位置に少なくとも部分的に基づいてショー要素28の作動を制御する信号を出力するように構成することができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両コントローラが、乗り物軌道14に沿った乗り物車両20の検出された位置に少なくとも部分的に基づいてショー要素28の作動を制御する信号を出力するように構成される。しかしながら、別の実施形態では、ショー要素28が、機械的リンク機構30の作動に基づいて動くように構成される。機械的リンク機構30は、乗り物軌道14に沿ったそれぞれの位置における付属レール18の位置に基づいてショー要素28が作動するように、乗り物車両20が乗り物軌道14に沿って進む際に付属レール18の位置に少なくとも部分的に基づいて(例えば、車両レール16、乗り物車両20、地面などに対して)ショー要素28を作動させるように構成することができる。
【0019】
図2は、付属レール18を含む乗り物車両システム10の乗り物軌道14の実施形態の上面図である。付属レール18は、車両レール16に隣接して配置することができる。付属レール18は、乗り物軌道14の全長にわたって車両レール16に隣接することができる。付属レール18と車両レール16との間の距離48は、乗り物軌道14に沿って変化することができる。この付属レール18と車両レール16との間の距離48の変化によって、ショー要素28を作動させることができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、乗り物軌道14が、乗り物車両20に接する複数の車両レール16を有することができる。乗り物軌道14は、それぞれ乗り物車両ベース22の左側部分及び右側部分に接するように構成された左側車両レール50及び右側車両レール52を含むことができる。付属レール18は、左側車両レール50と右側車両レール52との間に乗り物車両20に対して水平方向58に配置することができる。しかしながら、他の実施形態では、付属レール18を複数の車両軌道16の外側に配置することもできる。乗り物車両20に対する水平方向58は、左側車両レール50及び右側車両レール52と交差する線に沿った、一般に乗り物軌道14に沿った乗り物車両60の移動方向に垂直な又はこれを横切る方向として定めることができる。機械的リンク機構30は、車両レール16に対する付属レール18の位置に少なくとも部分的に基づいて作動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構が1又は2以上のカムを含むことができ、或いは1又は2以上のカムを介して付属レール18及び/又はショー要素28に接することができる。機械的リンク機構30の作動は、車両レール16に対する付属レール18の位置に少なくとも部分的に基づく(例えば、水平方向58における付属レール18と車両レール16との間の距離に基づく)ことができる。しかしながら、他の実施形態では、機械的リンク機構30の作動が、付属レール18と車両レール16との間の絶対距離、乗り物車両20に対する付属レール18の位置、地面に対する付属レール18の位置、又は他の何らかの物体に対する付属レール18の位置に少なくとも部分的に基づくことができる。
【0021】
機械的リンク機構30は、その設計に基づき、左側車両レール50又は右側車両レール52に対する付属レール18の位置に少なくとも部分的に基づいて作動するように構成することができる。例えば、機械的リンク機構30が付属レール18、右側車両レール52又は乗り物車両ベース22の右側部分及びショー要素28に結合される実施形態では、機械的リンク機構30を、右側車両レール52に対する付属レール18の位置に少なくとも部分的に基づいて作動するように構成することができる。
【0022】
乗り物軌道14は、複数の付属レール18を含むことができる。いくつかの実施形態では、各ショー要素28がそれぞれの付属レール18を有するように、付属レール18の数が、乗り物車両ベース22に結合されたショー要素28の数に対応する。例えば、乗り物車両ベース22の左側に結合された第1のショー要素20と、乗り物車両ベース22の右側に結合された第2のショー要素とを有する乗り物車両20は、左側付属レール66と対応する右側付属レール68とを有することができる。別の実施形態では、複数のショー要素28が単一の付属レール18に対応することにより、単一の付属レール18と車両レール16との間の距離48によって複数のショー要素28の作動が制御されるように構成することができる。例えば、単一の付属レール18は、第1のショー要素28及び第2のショー要素28の両方の作動を制御することができる。
【0023】
図3は、本技術による乗り物車両システム10の、付属レール18、ショー要素28及び乗り物車両20の機械的リンク機構30を含む乗り物車両システム10の乗り物軌道14の別の実施形態の断面図である。付属レール18は、左側車両レール50と右側車両レール52との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、付属レール18が、対応する車両レール16(例えば、右側レール)からの水平方向58のオフセットである水平オフセット70を有することができる。また、付属レール18の垂直位置は、付属レール18が、対応する車両レール16からの垂直方向のオフセットである垂直オフセット72を有することができるように、対応する車両レール16に対して変化するように構成することができる。図3に示す付属レール18は、水平オフセット70及び垂直オフセット72の両方を含むが、付属レールのいくつかの実施形態は、水平オフセット70又は垂直オフセット72のみを含むこともできる。
【0024】
いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30が、ショー要素28に結合された第1の端部74と、乗り物軌道14の付属レール18に結合された第2の端部76とを有する。機械的リンク機構30は、乗り物車両20が車両レール16に沿って移動する際に付属レール18に沿って動くように構成することができる。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30が、対応する車両レール16に結合されて車両レール16に沿って動くように構成された中間部分を有することができる。別の実施形態では、機械的リンク機構30を、乗り物車両ベース22の対応する車両レール16の近くに結合することができる。さらに、機械的リンク機構30は、中間部分に配置されたヒンジ部を中心に回転するように構成することができる。例えば、図3に示す機械的リンク機構30は単体であるが、他の実施形態では、機械的リンク機構30が、乗り物車両が車両レール16に沿って進む際に付属レール18の位置の変化と共に動く、剛直な又は可動式の接合部を介して互いに結合された複数の構体を含むことができる。
【0025】
機械的リンク機構30が付属レール18に対して動くと、車両レール16に対する付属レール18の位置(例えば、垂直オフセット72及び水平オフセット70)に少なくとも部分的に基づいてショー要素28が作動することができる。水平オフセット70の変化は、機械的リンク機構30を介してショー要素28の前方向78又は後方向80への作動を引き起こすことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、水平オフセット70の変化が、さらなる方向(例えば、内側方向82、外側方向84、上方向86、下方向88、又はこれらの何らかの組み合わせ)への作動を引き起こすこともできる。さらに、垂直オフセット72の変化は、機械的リンク機構30を介してショー要素28の上方向86又は下方向88への作動を引き起こすことができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、垂直オフセット72の変化が、さらなる方向(例えば、内側方向82、外側方向84、前方向78、後方向80、又はこれらの何らかの組み合わせ)への作動を引き起こすこともできる。
【0026】
いくつかの実施形態では、乗り物車両が乗り物軌道14に沿って進む際の水平オフセット70及び垂直オフセット72の変化によってショー要素28の作動方向が制御されるが、ショー要素28の作動の大きさは、例えば水平及び垂直オフセットの変化によって決定される付属レール18の位置の総距離変化によって決定される。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30を、付属レール18の総距離変化と、ショー要素28の遠位端100におけるショー要素28の作動の大きさとの間に1対1の比率を生じるように設計することができる。例えば、総距離変化が5インチであれば、ショー要素28の遠位端100は5インチ動くことができる。別の実施形態では、機械的リンク機構30が歯車装置を含むことができる。この歯車装置は、機械的リンク機構30がギア比(例えば、1対2の比率、2対1の比率及び3対1の比率など)に従う総距離変化に基づいてショー要素28の遠位端100を動かすようにすることができる。例えば、1対2のギア比では、10インチの総距離変化によってショー要素28を20インチ動かすことができる。このギア比は、本質的に機械的リンク機構30の相対的長さ及び/又はショー要素28の長さによってもたらすことができる。他の実施形態では、歯車装置が、ギア比をもたらすように構成された1又は2以上の歯車及び/又はカムを含むことができる。
【0027】
図4は、上方位置90に配置された複数のショー要素を有する乗り物車両20の実施形態の正面図である。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30の作動により、付属レール18と車両レール16の間の距離の変化に少なくとも部分的に基づいてショー要素28が動く。別の実施形態では、機械的リンク機構30が、付属レール18と乗り物車両ベースの一部との間の距離の変化に基づいてショー要素28を動かす。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30が、付属レール18と地面との間の距離の変化に基づいてショー要素28を動かす。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30が、ショー要素28を乗り物車両ベース22に対して上方及び下方に動かして、乗り物車両20の1又は2以上の乗客に固有の視覚的体験をもたらすことができる。例えば、鳥をテーマとする乗り物車両では、ショー要素28が鳥の翼のように見えることができる。機械的リンク機構30は、翼を上方及び下方に動かして翼を羽ばたかせることができる。
【0028】
別の実施形態では、付属レール18の位置を、乗り物軌道14を取り囲む環境内に配置された1又は2以上の静止又は可動要素に基づいて乗り物車両ベース22の乗り物車両ベースエンベロープ外で機械的リンク機構30が戦略的に(例えば、ショー要素28と乗り物軌道14を取り囲む環境内に配置された要素との衝突を避けるように)ショー要素28を動かすように設計することができる。乗り物車両ベースエンベロープは、乗り物車両20が乗り物軌道14に沿って移動する際に乗り物車両ベース22によって占められる3次元体積を含むことができる。いくつかの実施形態では、ショー要素28が、乗り物車両ベースエンベロープ外に延びることができる。例えば、乗り物軌道14に近い遊園地アトラクション内には、アニマトロニックの動物が配置されることがある。付属レール18は、乗り物ベースエンベロープ外に存在するアニマトロニックの動物に乗り物車両20が近づくと、ショー要素28がアニマトロニックの動物にぶつからないように機械的リンク機構30がショー要素28を上方に持ち上げることができるように設計することができる。具体的に言えば、アニマトロニックの動物のエリアでは、付属レール18を車両軌道16に対して、機械的リンク機構30がショー要素28をアニマトロニックの動物の上方に持ち上げるように配置することができる。
【0029】
別の実施形態では、アクチュエータ44(例えば、空気圧式、水圧式、機械式、電気式)が、(すなわち、機械的リンク機構30に加えて、又は機械的リンク機構30の代わりに)固有の視覚的効果を生み出してショー要素28と乗り物車両ベースエンベロープ外の乗り物軌道14沿いの構造との衝突を避けるようにショー要素28の位置を制御することができる。アクチュエータ44は、乗り物システムコントローラ及び/又は乗り物車両コントローラから受け取られた制御信号に少なくとも部分的に基づいてショー要素28を動かすことができる。制御信号は、例えば、乗り物車両20の位置、ショー要素28の位置、又は他の何らかの値を示す1又は2以上のセンサからの信号に基づくことができる。1又は2以上のセンサは、乗り物車両20の位置、ショー要素28の位置、又は他の何らかの値を検出する赤外線、圧力、電磁気又はその他の好適なセンサとすることができる。いくつかの実施形態では、1又は2以上のセンサが乗り物車両上に配置される(例えば、車載型センサ)。別の実施形態では、1又は2以上のセンサが乗り物軌道14及び/又は遊園地アトラクション12沿いに配置される(例えば、車外センサ)。いくつかの実施形態では、乗り物車両システム10が、冗長コンポーネント(例えば、センサ、コントローラ、通信装置など)、耐故障性及び/又は回復手順を含むフェイルセーフセンサ構成を含むことができる。フェイルセーフセンサ構成は、制御信号の精度を高めることができる。乗り物システムコントローラ及び/又は乗り物車両コントローラは、所定のプログラム、検出された障害物、その他の要因、又はこれらの何らかの組み合わせに基づいて制御信号を出力することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ44が、機械的リンク機構30(すなわち、車両レール16、乗り物車両20、地面、又はこれらの何らかの組み合わせに対する付属レール18の経路又は形態)と協働して、ショー要素28と乗り物車両ベースエンベロープ外の乗り物軌道14沿いの構造との衝突を避けるようにショー要素28を動かすことができる。
【0030】
乗り物車両システム10は、ブレーキシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、ブレーキシステムが乗り物車両20上に配置される(例えば、車載型ブレーキシステム)。車載型ブレーキシステムは、コントローラから出力されたブレーキ信号に応答して、乗り物軌道14に沿った乗り物車両20の動きを低速化又は停止するように構成することができる。コントローラは、ショー要素28が適所を外れていると判定したことに応答してブレーキ信号を出力するように構成することができる。車載型ブレーキシステムは、乗り物車両20の摩擦車輪アセンブリ24、或いはいずれかの好適な推進又は接合アセンブリに接するように構成されたブレーキを含むことができる。別の実施形態では、ブレーキシステムを乗り物軌道14沿いに配置することができる(例えば、車外ブレーキシステム)。コントローラは、ショー要素28が適所を外れていると判定したことに応答して、乗り物軌道14沿いに配置された車外ブレーキシステムにブレーキ信号を出力するように構成することができる。車外ブレーキシステムは、乗り物軌道14に沿った乗り物車両20の動きを低速化又は停止するように構成することができる。車外ブレーキシステムは、ブレーキ信号を受け取ったことに応答して作動するように構成されたブロックゾーン(block zone)を含むことができる。車外ブレーキシステムは、乗り物車両20を乗り物軌道14に沿って低速化又は停止するように構成されたいずれかの好適な機構又はシステムを含むことができる。いくつかの実施形態では、ショー要素28、機械的リンク機構30又はこれらの何らかの組み合わせが、解除機構(release mechanism)92を有することができる。解除機構92は、乗り物車両ベース22、機械的リンク機構30又はこれらの両方からのショー要素28の手動切断(manual disconnect)を可能にするように構成することができる。メンテナンス中には、ショー要素28が障害物となって、整備員が車両の周囲を歩いて移動する距離が長くなってしまうことがある。従って、解除機構92は、より素早い乗り物車両20のメンテナンスを容易にすることができる。解除機構92は、ショー要素28の手動解除を可能にするレバー又は他の何らかの好適なタイプの解除トリガを有することができる。レバーは、乗り物車両ベース22の内部又は外部に配置することができる。
【0031】
図5は、後方位置96に配置された複数のショー要素28を有する乗り物車両20の別の実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30の作動により、付属レール18と車両レール16、乗り物車両ベース22、地面又はこれらの何らかの組み合わせとの間の距離の変化に少なくとも部分的に基づいてショー要素28が動く。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30が、ショー要素28を乗り物車両ベース22に対して後方及び前方に動かして、乗り物車両20の1又は2以上の乗客に固有の視覚的体験をもたらすことができる。例えば、鳥をテーマとする乗り物車両では、ショー要素28が鳥の翼のように見えることができる。機械的リンク機構30は、乗り物軌道の下り坂と組み合わせて翼を後方に動かして、鳥が地面に向かって突進する動き及び視覚的体験をもたらすことができる。
【0032】
別の実施形態では、アクチュエータ44(例えば、空気圧式、水圧式、機械式又は電気式アクチュエータ)が、ショー要素28を後方及び前方に動かすことができる。アクチュエータ44は、乗り物コントローラから受け取られた制御信号に少なくとも部分的に基づいて、何らかの所定の編成に従う固有の視覚的効果をもたらし、及び/又はショー要素28と乗り物車両ベースエンベロープ外の乗り物軌道14沿いの構造との衝突を避けるようにショー要素28を後方及び前方に動かすことができる。また、アクチュエータ44は、乗り物車両20の乗車/降車区画(loading/unloading bay)においてショー要素28を後方又は前方に動かすこともできる。乗客は、乗車/降車区画において乗り物車両20に対する入場及び退場を行うことができる。乗り物車両20の乗車/降車区画は、他の乗り物軌道14への入口が狭くなっていることがある。ショー要素28は、後方又は前方に動くことによって、ショー要素28を有する乗り物車両ベース22がこの狭い入口を通過できるようにすることができる。
【0033】
図6は、後退又は折り畳み位置98に配置されたショー要素28を有する乗り物車両20の別の実施形態の正面図である。ショー要素28は、乗り物車両ベース22に対して延長又は後退するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ショー要素28が、遠位端100及び近位端102を有する。遠位端100は、近位端102の反対側に存在する。近位端102は、乗り物車両ベース22に結合することができ、遠位端100は、近位端102に対して上方に、下方に、前方に、後方に、外方に、内方に、又はこれらの何らかの組み合わせで動くように構成される。別の実施形態では、近位端102が、機械的リンク機構30の第1の端部74に結合される。遠位端100は、ショー要素28の近位端102に対して外方に延び、又は内方に後退するように構成することができる。例えば、海賊をテーマとした乗り物車両では、オールの遠位端をオールの近位端に対して後退させて、オールが海賊船の船体内に引っ込められている視覚的効果を生み出すように構成することができる。別の実施形態では、オールの遠位端及び近位端が、共に(すなわち、オール全体が)船体に向かって、少なくとも部分的に船体内に、又は少なくとも部分的に船体の下部に後退することができる。
【0034】
図7は、上方折り畳み位置104に配置されたショー要素28を有する乗り物車両20の別の実施形態の正面図である。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構30及びアクチュエータ44の両方を、ショー要素28の作動を引き起こすように構成することができる。ショー要素28の近位端102は、機械的リンク機構30の作動によってショー要素28が上方に、下方に、後方に、前方に、又はこれらの何らかの組み合わせで動くように機械的リンク機構30に結合することができる。また、アクチュエータ44は、乗り物車両20上に配置することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ44をショー要素28に結合することができる。アクチュエータ44は、ショー要素28の遠位端100を近位端102に対して動かすように構成することができる。例えば、海賊をテーマとした乗り物車両では、機械的リンク機構30がショー要素28(例えば、オール)を前方、下方、後方及び上方の順で動くように作動させて漕ぐ動作をシミュレートすることができる。また、アクチュエータ44は、船を漕ぐ際の内向き及び外向きの動きをシミュレートするように機械的リンク機構30からの動きと組み合わせてショー要素28(例えば、オール)を後退及び延長させて乗客によりリアルな視覚的体験をもたらすことができる。
【0035】
別の実施形態では、ショー要素28が、ショー要素特徴106を有することができる。いくつかの実施形態では、ショー要素特徴106が、ショー要素28に取り外し可能に結合される。別の実施形態では、ショー要素特徴106がショー要素28と一体化される。アクチュエータ44は、ショー要素特徴106をショー要素28に対して作動させるように構成することができる。例えば、飛行機をテーマとした乗り物車両では、ショー要素28を飛行機の翼とすることができ、ショー要素特徴106をフラップ又は補助翼とすることができる。アクチュエータ44は、フラップ又は補助翼を翼に対して動かすように構成することができる。
【0036】
図1及び図3図7に示すショー要素28は乗り物車両20の側部32から延びているが、ショー要素28が乗り物車両の他の部分(例えば、前部38、後部40、上部42、底部)から延びる他の実施形態も想定されると理解されたい。
【0037】
図8は、収容位置144と開放位置146との間で動くように構成されたショー要素28を有する乗り物車両20の実施形態の斜視図である。図示の実施形態では、機械システム148を、ショー要素28を収容位置144から開放位置146に作動させるように構成することができる。機械システム148は、乗り物軌道14に近接して配置することができる。機械システム148は、乗り物車両20が機械システム148に接触したことに基づいて作動するように構成することができる。機械システム148は、ショー要素28が機械システム148に接触したことに基づいて作動するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、機械システム148を、摩擦車輪アセンブリ24が機械システム148に接触したことに基づいて作動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、機械システム148を、ショー要素148を結合部150から切り離すように構成することができる。アクチュエータ44は、ショー要素28が結合部150から切り離された時に、ショー要素28を格納位置144から開放位置146に動かすように構成することができる。例えば、アクチュエータ44は、ショー要素28が結合部150から切り離された時に、ショー要素28を乗り物車両20の側部の収容位置144から開放位置146に回転させるように構成されたばねとすることができる。ショー要素28は、開放位置146では乗り物車両20から広がることができる。いくつかの実施形態では、収容位置144において、ショー要素28を機械的リンク機構及び/又は付属レール18から解放することができる。ショー要素28は、開放位置146に動くと機械的リンク機構及び/又は付属レール18に係合することができ、従って開放位置146にある時には車両レール16に対する付属レール18の位置に基づいて動くようになる。
【0038】
いくつかの実施形態では、機械的格納システム152を、ショー要素28を開放位置146から収容位置144に動かすように構成することができる。機械的格納システム152は、乗り物軌道14に近接して配置することができる。機械的格納システム152は、乗り物車両20が乗り物軌道14に沿って移動する際に機械的格納システム152を通過する前に機械システム148を通過するように配置することができる。いくつかの実施形態では、機械的格納システム152を、ショー要素28の経路を塞ぐことによって、乗り物車両20が軌道14に沿って移動する際にショー要素28が機械的格納システム152に接触するように構成することができる。機械的格納システム152は、ショー要素28の結合部分154を結合部150内に押し込んでショー要素28を結合部150に結合させるように構成することができる。ショー要素28は、結合部150に結合されると収容位置144に収まる。
【0039】
図9は、遊園地アトラクション12の乗り物車両制御システム108のブロック図である。いくつかの実施形態では、乗り物車両制御システム108が、プロセッサ112及びメモリ114を有する乗り物システムコントローラ110を有する。さらに、乗り物車両制御システム108は、乗り物車両コントローラ116及びセンサ118を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサ118が、乗り物車両20に対するショー要素28の位置を検出し、乗り物車両20に対するショー要素の位置に少なくとも部分的に基づいて乗り物状態信号120を出力するように構成される。別の実施形態では、センサ118が、乗り物軌道14に沿った乗り物車両20の位置を検出し、乗り物軌道14に沿った乗り物車両20の位置に少なくとも部分的に基づいて乗り物状態信号120を出力するように構成される。乗り物システムコントローラ110は、センサ118から乗り物状態信号120を受け取り、乗り物状態信号120に少なくとも部分的に基づいて制御信号(例えば、ショー要素位置信号)122を出力するように構成される。
【0040】
他の実施形態では、乗り物車両コントローラ116を、ショー要素位置信号122を受け取ってアクチュエータ44に中継するように構成することができる。ショー要素位置信号122をアクチュエータ44に中継することは、ショー要素位置信号を受け取り、受け取ったショー要素位置信号を処理して新たなショー要素位置信号を生成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、乗り物システムコントローラ110が、ショー要素位置信号122をアクチュエータ44に直接出力するように構成される。別の実施形態では、乗り物車両コントローラ116が、センサ118から直接乗り物状態信号120を受け取り、乗り物状態信号120に少なくとも部分的に基づいてショー要素位置信号122を出力するように構成される。アクチュエータ44は、ショー要素位置信号122を受け取り、これに従ってショー要素28を作動させるようにその位置を調整するよう構成される。
【0041】
別の実施形態では、乗り物システムコントローラ110及び/又は乗り物車両コントローラ116が、乗り物状態信号120に少なくとも部分的に基づいてショー特徴位置信号124を出力するように構成される。ショー特徴位置信号124は、アクチュエータ44にショー要素特徴106を動かさせるように構成される。
【0042】
これらの通信を容易にするために、乗り物車両コントローラ116、センサ118及びアクチュエータ44は、アンテナ、無線トランシーバ回路、信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/D変換器、マルチプレクサ増幅器)、又はこれらの組み合わせなどの通信回路を含むことができる。通信回路は、IR無線通信、衛星通信、放送無線、マイクロ波無線、Bluetooth、Zigbee、WiFi、UHF、NFCなどを介して有線又は無線通信経路を通じて通信するように構成することができる。このような通信は、無線タワー、セルラータワーなどの中間通信装置を含むこともできる。アクチュエータ44は、電子アクチュエータである場合にはバッテリを含むことができる。アクチュエータ44は、空気圧式又は水圧式アクチュエータである場合には蓄圧器を含むことができる。バッテリ及び/又は蓄圧器は、乗り物車両20上に配置されて、乗り物車両システム10の動作中に定期的に充電又は充填することができる。例えば、遊園地アトラクション12は、乗り物車両20が乗客の乗車及び/又は降車のために停止している時に、乗り物車両20上のバッテリ及び/又は蓄圧器を充電及び/又は充填するように構成することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、乗り物車両コントローラ116が、本明細書で説明した方法の実行及び動作の制御を行うためにプロセッサ128が実行できる命令を記憶するメモリデバイス126を含むことができる。例えば、プロセッサ128は、乗り物車両コントローラ116が受け取った乗り物状態信号120又はその他の入力に基づく応答のために、メモリデバイス126に記憶された命令を実行することができる。
【0044】
この実施形態では、乗り物車両20が車載型推進システムを含まない。例えば、遊園地アトラクション12は、乗り物車両20外部の推進システムを使用して乗り物車両20が傾斜を上るように推進する。その後、乗り物車両20は、位置エネルギー及び運動エネルギーを使用して車両レール12に沿って1又は2以上の運動ゾーン(kinetic zones)を進む。このような実施形態では、遊園地アトラクション12が、乗り物車両20が傾斜を上るように推進された後に推進力を伴わずに1又は2以上の運動ゾーンを進む複数のサイクルを含むことができる。しかしながら、他の実施形態では、乗り物車両20が、乗り物車両コントローラ116の制御下にある車載型推進システムを有することもできる。
【0045】
ショー要素28は、ショー要素位置信号122に少なくとも部分的に基づいて動くように構成される。ショー要素位置信号122は、乗り物システムコントローラ110、乗り物車両コントローラ116、又はこれらの何らかの組み合わせからの、ショー要素28を乗り物車両ベース22に対して上方に、下方に、前方に、後方に、外方に、内方に、又はこれらの何らかの組み合わせで動かす命令を含むことができる。アクチュエータ44は、ショー要素位置信号122に応答して作動してショー要素28を動かすように構成することができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータ44が乗り物車両20上に配置される。別の実施形態では、アクチュエータ44を乗り物車両20の車外の遊園地アトラクション12の一部に配置することができる。同様に、センサ118も、乗り物車両20の車内、又は乗り物車両20の車外の遊園地アトラクション12の一部に配置することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、乗り物車両20、ショー要素28又はこれらの両方の制御を、環境又は気象条件(例えば、強風)に基づいて変更することができる。例えば、ショー要素28は、測定された突風が何らかの閾値を上回る時には、乗り物車両20への空力抵抗を減少させるように作動することができる。
【0047】
図10は、機械的リンク機構を作動させて乗り物車両に対してショー要素を動かす方法のフロー図130である。方法を開始するに当たり、乗り物車両を乗り物軌道に移動可能に結合することができる。方法130は、乗り物軌道の車両レールに沿って乗り物車両を移動させるステップを含む(ブロック132)。乗り物車両はローラーコースターとすることができ、従って乗り物車両を移動させるステップは、ポテンシャルゾーン(potential zone)において乗り物車両を垂直方向上向きに推進し、1又は2以上の運動ゾーンを通じて乗り物車両を重力駆動するステップを含むことができる。
【0048】
方法130は、センサを介して、乗り物軌道に沿った乗り物車両の位置を特定するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、乗り物車両システムが、ショー要素が作動するように構成された地点における乗り物車両の位置に関するアップデートを受け取るように、乗り物軌道沿いの乗り物車両を検出するように構成された複数のセンサを含む。さらに、方法130は、センサを介して乗り物車両に対するショー要素の位置を特定するステップを含むことができる(ブロック134)。いくつかの実施形態では、ショー要素が正しく配置されていることを乗り物車両制御システムが検証できるように、センサがショー要素の現在位置を検出することができる。ショー要素が正しく配置されていない場合、乗り物車両コントローラは、ショー要素を正しい位置に動かすためのショー要素位置信号を出力することができる。
【0049】
方法130は、検出された軌道沿いの乗り物車両の位置、及び/又は乗り物車両に対する検出されたショー要素の位置に少なくとも部分的に基づいて、センサを介して乗り物状態信号を出力するステップを含むことができる(ブロック136)。乗り物車両コントローラは、乗り物状態信号を受け取って(ブロック138)、アクチュエータのための命令を決定することができる。方法130は、乗り物状態信号に少なくとも部分的に基づいて、乗り物車両コントローラを介してショー要素位置信号を出力するステップを含むことができる(ブロック140)。さらに、方法130は、ショー要素位置信号に少なくとも部分的に基づいて、アクチュエータを介してショー要素及び/又ショー要素特徴を作動させるステップを含むことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、方法130が、車両レールに対する乗り物軌道の付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて機械的リンク機構を作動させて、乗り物車両に結合されたショー要素を動かすステップを含むことができる(ブロック142)。他の実施形態では、機械的リンク機構が、付属レールと乗り物車両ベースの一部との間の距離の変化に基づいてショー要素を動かす。いくつかの実施形態では、機械的リンク機構が、付属レールと地面との間の距離の変化に基づいてショー要素を動かす。付属レールの位置は、車両レール、地面、又は乗り物軌道沿いの乗り物車両ベースに対して変化するように構成される。付属レールの位置は、車両レールから水平及び/又は垂直方向にオフセットすることができる。さらに、ショー要素は、乗り物車両、地面又は乗り物車両ベースに対して作動するように構成される。具体的に言えば、機械的リンク機構は、車両レール、地面又は乗り物車両ベースに対する付属レールの位置に少なくとも部分的に基づいて、ショー要素28を乗り物車両に対して上方に、下方に、前方に、後方に、内方に、外方に、又はこれらの何らかの組み合わせで作動させるように動くよう構成される。
【0051】
本開示の技術的効果は、乗り物車両に結合されたショー要素を作動させることを含む。本明細書に開示したシステム及び方法は、乗客が遊園地アトラクションの乗り物軌道に沿って移動しながら楽しめる固有の視覚的体験をもたらすために使用することができる。開示した技術は、機械的リンク機構、アクチュエータ又はこれらの何らかの組み合わせを使用してショー要素を動かして乗客に固有の視覚的体験をもたらすために使用することができる。
【0052】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の実際の趣旨に該当する全てのこのような修正及び変更を含むものであると理解されたい。
【0053】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10