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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】ニードルカバーの保持
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20240112BHJP
【FI】
A61M25/06 512
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021530249
(86)(22)【出願日】2019-11-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 US2019063431
(87)【国際公開番号】W WO2020112892
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】62/772,482
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/694,774
(32)【優先日】2019-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ エル.ソンデレッガー
(72)【発明者】
【氏名】コーリー クリステンセン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン エフ.ビールマイアー
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-519907(JP,A)
【文献】特表2005-532833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリであって、
本体と、前記本体から遠位に延びるノーズとを備えるカテーテルアダプタであって、前記ノーズは概ね円筒形である、カテーテルアダプタと、
前記ノーズに配置されたストレインリリーフリブであって、前記ストレインリリーフリブは、可撓性材料で作られている、ストレインリリーフリブと、
前記カテーテルアダプタ内に固定され、前記ノーズを越えて遠位に延びるニードルと、
前記カテーテルアダプタの前記ノーズに取り外し可能に連結されるように構成されたニードルカバーであって、前記ニードルカバーの内面は、滑らかであり、前記ストレインリリーフリブに接触するように構成されている、ニードルカバーと
を備え
前記カテーテルアダプタは、前記ニードルカバーが、停止部を越えて、近位に移動するのを防止するように構成された停止部をさらに備え、前記停止部は、前記ノーズに近接し、前記ノーズの近位に配置されており、
前記ノーズの遠位端に配置されたストレインリリーフ要素をさらに含み、前記ストレインリリーフ要素は、前記ニードルを少なくとも部分的に囲み、前記可撓性材料で作られており、前記ストレインリリーフリブは、前記カテーテルアダプタの長手方向に向きがそろえられていて、前記ストレインリリーフ要素から前記停止部まで延びている、カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記可撓性材料が、エラストマーを含む、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記可撓性材料が、熱可塑性エラストマーを含む、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記ノーズが、剛性または半剛性材料で作られている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記ストレインリリーフリブが、前記カテーテルアダプタの長手方向に概ね向きがそろえられている、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記ストレインリリーフリブが、前記カテーテルアダプタの底部に配置される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記ノーズの遠位端が、前記ニードルを少なくとも部分的に囲み、前記可撓性材料で作られているストレインリリーフ要素を備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記ノーズが、複数のストレインリリーフリブを備える、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記ストレインリリーフリブは、第1のストレインリリーフリブであり、前記ノーズに配置された第2のストレインリリーフリブと、前記ノーズに配置された第3のストレインリリーフリブとをさらに備え、前記第2のストレインリリーフリブおよび前記第3のストレインリリーフリブは、前記可撓性材料で作られており、前記ニードルカバーの内面は、前記第2のストレインリリーフリブおよび前記第3のストレインリリーフリブと接触する、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記第2のストレインリリーフリブおよび前記第3のストレインリリーフリブは、前記カテーテルアダプタの長手方向に向きがそろえられている、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記可撓性材料が、エラストマーを含む、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記可撓性材料が、熱可塑性エラストマーを含む、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記第2のストレインリリーフリブ及び前記第3のストレインリリーフリブは、前記第1のストレインリリーフリブと、前記ノーズの反対側に配置される、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記第1のストレインリリーフリブは、前記ノーズの底部に配置され、前記第2のストレインリリーフリブ及び前記第3のストレインリリーフリブは、前記ノーズの上部に配置される、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記ノーズの遠位端に配置されたストレインリリーフ要素をさらに含み、前記ストレインリリーフ要素は、前記ニードルを少なくとも部分的に囲み、前記可撓性材料で作られており、前記カテーテルアダプタは、前記ニードルカバーが停止部を越えて近位に移動することを防止するように構成された停止部をさらに含み、前記停止部は、前記ノーズに近接し、前記ノーズの近位に配置され、前記第1のストレインリリーフリブおよび前記第2のストレインリリーフリブは、前記ストレインリリーフ要素から前記停止部まで延びる、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記第1のストレインリリーフリブは、前記第2のストレインリリーフリブおよび前記第3のストレインリリーフリブよりも大きい、請求項に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記ニードルカバーは、摩擦嵌合を介して前記カテーテルアダプタの遠位端に取り外し可能に連結される、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記ニードルカバーは、開放近位端を有する概ね円筒形である、請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カテーテルは様々な注入療法に一般的に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、種々の薬剤、および完全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用され得る。カテーテルは患者から血液を抜き取るためにも使用され得る。
【0002】
一般的なタイプのカテーテルは、オーバーザニードル式末梢静脈カテーテル(PIVC)である。その名前が示唆するように、オーバーザニードル式PIVCは、鋭い遠位先端部を有するイントロデューサーニードルに取り付けられてもよい。PIVCおよびイントロデューサーニードルは、イントロデューサーニードルの遠位先端部がPIVCの遠位先端部を越えて延在し、ニードルのベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てることができる。PIVCおよびイントロデューサーニードルは、一般に、皮膚を通して患者の血管系に浅い角度で挿入される。
【0003】
血管内のイントロデューサーニードルおよび/またはPIVCの適切な配置を確認するために、臨床医は一般に、PIVCアセンブリのフラッシュバックチャンバ内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。ニードルの配置が確認されると,臨床医は血管系の血流を一時的に遮断してイントロデューサーニードルを取り出し、その後の採血および/または輸液のためにPIVCを留置したままにすることがある。PIVCアセンブリは、PIVCの挿入部位から取り出された位置で注入装置または血液抜き取り装置の連結を可能にする延長セット(extension set)と連結することができる。
【0004】
イントロデューサーニードルの遠位先端部がニードルカバーまたはシールドに正しく固定されていない場合、偶発的にニードルが刺さる恐れがある。本開示は、ニードル刺しを有意に制限および/または防止するためのシステムおよび方法を提供する。本明細書で請求される主題は、いずれかの欠点を解決するか、または上述のような環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書に記載されたある実装(implementation)が実施され得る1つの例示的な技術分野を示すためにただ提供される。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般に、血管アクセス装置および関連するシステムならびに方法に関する。ある実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタを含むことができ、カテーテルアダプタは、本体と、本体から遠位に延びるノーズとを含むことができる。ある実施形態では、ノーズは、概ね円筒形であってもよい。ある実施形態では、ストレインリリーフリブ(strain relief rib)は、ノーズに配置することができる。ある実施形態では、ストレインリリーフリブは、コンプライアント(compliant)材料または可撓性材料で作ることができる。
【0006】
ある実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルを含んでもよく、カテーテルは、カテーテルアダプタ内に固定されてもよく、ノーズを越えて遠位に延びてもよい。ある実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテル内に配置され、カテーテルの遠位端まで遠位に延びることができるニードルを含むことができる。ある実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテルアダプタのノーズに取り外し可能に連結され得るニードルカバーを含むことができる。ある実施形態において、ニードルカバーは、摩擦嵌合を介してカテーテルアダプタの遠位端に取り外し可能に連結されてもよい。ある実施形態では、ニードルカバーの内面は滑らかであってよく、ストレインリリーフリブに接触してもよい。ある実施形態では、ニードルカバーは、概ね円筒形であってもよく、開放近位端または閉鎖近位端を含んでもよい。
【0007】
ある実施形態において、可撓性材料は、エラストマーを含むことができる。ある実施形態では、可撓性材料は熱可塑性エラストマーを含むことができる。ある実施形態では、ノーズは、剛性または半剛性材料で作ることができる。ある実施形態では、ストレインリリーフリブは、カテーテルアダプタの長手方向に概ね向きがそろえられていてもよい。ある実施形態において、ストレインリリーフリブは、カテーテルアダプタの底部に配置されてもよい。
【0008】
ある実施形態では、ストレインリリーフ要素(strain relief element)は、ノーズの遠位端に配置することができる。ある実施形態では、ストレインリリーフ要素は、ニードルおよび/またはカテーテルを少なくとも部分的に囲んでいてもよい。ある実施形態では、ストレインリリーフ要素は、上記の可撓性材料または別の可撓性材料で作られてもよい。ある実施形態では、カテーテルアダプタは、ニードルカバーが停止部を越えて近位に移動するのを防止するように構成された停止部を含むことができる。ある実施形態では、停止部は、ノーズに近接し、ノーズの近位にあってもよい。ある実施形態では、ストレインリリーフリブは、ストレインリリーフ要素から停止部まで延びていてもよい。
【0009】
ある実施形態では、複数のストレインリリーフリブを、ノーズに配置することができる。ある実施形態において、ストレインリリーフリブは、第1のストレインリリーフリブであってもよい。ある実施形態では、第2のストレインリリーフリブは、ノーズに配置することができ、および/または第3のストレインリリーフリブは、ノーズに配置することができる。ある実施形態において、第2のストレインリリーフリブおよび第3のストレインリリーフリブは、上記の可撓性材料または別の可撓性材料で作られてもよい。ある実施形態において、ニードルカバーの内面は、第2のストレインリリーフリブおよび第3のストレインリリーフリブと接触してもよい。
【0010】
ある実施形態において、第2のストレインリリーフリブおよび/または第3のストレインリリーフリブは、カテーテルアダプタの長手方向に向きがそろえられていてもよい。ある実施形態において、第2のストレインリリーフリブおよび/または第3のストレインリリーフリブは、第1のストレインリリーフリブとノーズの反対側に配置されてもよい。ある実施形態において、第2のストレインリリーフリブおよび/または第3のストレインリリーフリブは、ノーズの上部に配置されてもよい。ある実施形態では、第2のストレインリリーフリブおよび/または第3のストレインリリーフリブは、ストレインリリーフ要素から停止部まで延びている。ある実施形態において、第1のストレインリリーフリブは、第2のストレインリリーフリブおよび/または第3のストレインリリーフリブよりも大きくてもよい。さらに詳細には、ある実施形態では、第1のストレインリリーフリブの高さは、第2のストレインリリーフリブおよび/または第3のストレインリリーフリブの高さよりも高くてもよい。さらにまたは代替的に、ある実施形態では、第1のストレインリリーフリブの幅は、第2のストレインリリーフリブおよび/または第3のストレインリリーフリブの幅よりも大きくてもよい。
【0011】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的であり、請求項に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に示された配置および手段(instrumentality)に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせてもよく、または他の実施形態を利用してもよく、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、構造的な変更を行ってもよいことも理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈すべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用して、さらなる特定および詳細を伴って記載および説明される。
【0013】
図1A】従来技術のニードルカバーの断面の有限要素解析である。
図1B図1Aの従来技術のニードルカバーの縦方向の断面図である。
図2A】ある実施形態による、例示的なニードルを遮蔽する例示的なニードルカバーを示す、例示的なカテーテルアセンブリの上方斜視図である。
図2B】ある実施形態による、図2Aのニードルカバーの上方斜視図である。
図2C】ある実施形態による、図2Aのニードルカバーの断面図である。
図3A】ある実施形態による、取り外されたニードルカバーを示す、図2Aのカテーテルアセンブリの例示的な遠位端の上方斜視図である。
図3B】ある実施形態による、図3Aの線3B-3Bに沿った図2Aのカテーテルアセンブリの断面図である。
図3C】ある実施形態による、図2Aの線3C-3Cに沿った図2Aのカテーテルアセンブリの断面図である。
図3D】ある実施形態による、図3Cの断面図の一部の例示的な有限要素解析である。
図4A】ある実施形態による、別の例示的なカテーテルアセンブリの上方斜視図である。
図4B】ある実施形態による、図4Aのカテーテルアセンブリの例示的な遠位端の上方斜視図である。
図4C】ある実施形態による、図4Bの線4C-4Cに沿った図4Bのカテーテルアセンブリの断面図である。
図4D】ある実施形態による、図4Aの線4D-4Dに沿った図4Aのカテーテルアセンブリの断面図である。
図4E】ある実施形態による、図4Dの断面図の一部の例示的な有限要素解析である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Aを参照すると、従来技術のニードルカバー10の断面の有限要素解析が示されている。従来技術のニードルカバー10は、従来技術のニードルカバー10の内面14から突き出る3つの内部ローブ12を有している。従来技術のニードルカバー10およびカテーテルアダプタ16は、内部ローブ12が接触してカテーテルアダプタ16の外面を押圧する圧入状態で互いに連結されている。次に、図1Bを参照すると、内部ローブ12は、従来技術のニードルカバー10の内面14の一部に沿って延びることができる。
【0015】
図2Aを参照すると、例示的なカテーテルアセンブリ20が、ある実施形態により示されている。ある実施形態では、カテーテルアセンブリ20は、カテーテルアダプタ22を含むことができ、カテーテルアダプタ22は、本体24と、本体24から遠位に延びるノーズ26とを含むことができる。ある実施形態では、ノーズ26は、概ね円筒形であり得る。
【0016】
ある実施形態において、カテーテルアセンブリ20は、PIVCを含み得るカテーテル28を含むことができる。ある実施形態において、カテーテル28の近位端は、カテーテルアダプタ22内に固定されていてもよい。ある実施形態において、カテーテル28は、ノーズ26を越えて遠位に延びていてもよい。
【0017】
ある実施形態において、カテーテルアセンブリ20は、カテーテルアダプタ22の近位端に取り外し可能に連結され得るニードルアセンブリ30を含むことができる。ある実施形態において、ニードルアセンブリ30は、イントロデューサーニードル32を含むことができる。ある実施形態において、イントロデューサーニードル32は、カテーテル28を通り抜けて延びていてもよい。
【0018】
ある実施形態において、イントロデューサーニードル32が患者の血管系内に挿入されることに反応して、血液のフラッシュバックは、イントロデューサーニードル32の鋭い遠位先端部34を通って流れ得、イントロデューサーニードル32とカテーテル28との間および/またはカテーテルアセンブリ20内の別の位置で臨床医に見えてもよい。
【0019】
ある実施形態において、カテーテル28が患者の血管系内に配置されていることを血液フラッシュバックを介して確認することに対応して、ニードルアセンブリ30は、カテーテルアセンブリ20から取り外され得る。ある実施形態において、ニードルアセンブリ30がカテーテルアセンブリ20に連結されると、ニードルアセンブリ30のイントロデューサーニードル32は、カテーテルアダプタ22の管腔内に配置された隔壁を通って延びることができる。
【0020】
ある実施形態において、カテーテルアセンブリ20は、ニードルカバー36を含んでもよい。ある実施形態において、ニードルカバー36は、摩擦嵌合を介してカテーテルアダプタ22の遠位端に取り外し可能に連結されてもよい。ある実施形態では、ニードルカバー36は、摩擦嵌合を介してカテーテルアダプタ22のノーズ26に取り外し可能に連結されてもよい。ある実施形態において、ニードルカバー36は、カテーテル28を患者の血管系に挿入する前に取り外され、イントロデューサーニードル32の遠位先端部34を露出させることができる。
【0021】
次いで図2B~2Cを参照すると、ある実施形態において、ニードルカバー36は、概ね円筒形であってもよい。ある実施形態において、ニードルカバー36は、図2Cに例示されるように閉じられてもよい遠位端38を含んでもよい。ある実施形態において、ニードルカバー36の遠位端38は、開いていてもよい。ある実施形態では、ニードルカバー36の内面40は滑らかであってもよく、これにより、臨床医または製造業者が、ニードルカバー36をイントロデューサーニードル32を覆って固定するようにニードルカバー36を配置することを妨げることができる。
【0022】
図3A図3Bを参照すると、ある実施形態では、ストレインリリーフリブ42をノーズ26に配置することができる。ある実施形態では、ストレインリリーフリブ42は、本開示においてドットパターンで示すことがある、コンプライアント材料または可撓性材料で作られていてもよい。ある実施形態では、ニードルカバー36の内面40は滑らかであってよく、ストレインリリーフリブ42と接触してもよい。ある実施形態では、ストレインリリーフリブ42は、従来技術のニードルカバー10と比較して、ニードルカバー36のサイズを低減することができ、また、ニードルカバー36のカテーテルアダプタ22への固定を容易にしながら、ノーズ26を小さくすることも可能である。
【0023】
ある実施形態において、可撓性材料は、エラストマーを含むことができる。ある実施形態では、可撓性材料は熱可塑性エラストマーを含むことができる。ある実施形態において、ノーズ26は、剛性又は半剛性の材料で作られていてもよい。例えば、ノーズ26は、コポリエステル、プラスチック、または他の適切な材料を含み得る。ある実施形態では、可撓性材料は、剛性または半剛性材料よりもニードルカバー36の材料に対して高い摩擦係数を有してもよい。ある実施形態において、ニードルカバー36は、剛性または半剛性材料、または別の適切な材料で作られていてもよい。
【0024】
ある実施形態において、ストレインリリーフリブ42は、カテーテルアダプタ22の長手方向44(例えば図2Aに示されている)と概ね向きがそろえられていてもよい。ある実施形態において、ストレインリリーフリブ42は、例えば図3Aに示されるように、カテーテルアダプタ22の底部に配置されてもよい。ある実施形態において、ストレインリリーフリブ42は、カテーテル28が患者の血管系に挿入されたときに、カテーテル28の曲げ歪みを緩和することができる。ある実施形態において、イントロデューサーニードル32のベベルは、例えば図3Aに示されるように、カテーテルアダプタ22の底部から上方または離れた方向を向いていてもよい。
【0025】
ある実施形態において、カテーテルアダプタ16は、任意の適切なカテーテルアダプタを含むことができる。ある実施形態において、カテーテルアダプタ16は、第1ウィング48および/または第2ウィング50を含み得る、固定プラットフォーム46を含むことができる。ある実施形態において、第1ウィング48は、ニードルアセンブリ30から延び得る、グリップ52上にあってもよい。ある実施形態において、グリップ52および/または第2ウィング50は、カテーテル28が患者の皮膚に挿入されるとき、患者の皮膚に接触して静止することができる。カテーテルアダプタ22の底部は、カテーテル28が患者の皮膚に挿入されるとき、患者の皮膚に面するように構成されてもよい。ある実施形態では、カテーテルアダプタ16は、固定プラットフォーム46および/またはグリップ52を含まなくてもよい。ある実施形態では、カテーテルアダプタ16は、一体化されてもよく、例えば図2Aに示すように、一体化された延長チューブ54を有している。他の実施形態では、カテーテルアダプタ16は、一体化された延長チューブ54を含まなくてもよい。
【0026】
ある実施形態において、ノーズ26の遠位端は、イントロデューサーニードル32および/またはカテーテル28を少なくとも部分的に囲み得る、ストレインリリーフ要素56を含んでもよい。ある実施形態において、ストレインリリーフ要素56は、上記した可撓性材料または別の可撓性材料で作られてもよい。ある実施形態では、カテーテルアダプタ22は、ニードルカバー36が停止部58を越えて近位に移動するのを防止するように構成された停止部58を含むことができる。ある実施形態では、停止部58は、フランジまたはステップ面(stepped surface)を含むことができる。ある実施形態では、停止部58は、長手方向44に対して角度をなしていてもよく、または垂直であってもよい。ある実施形態では、停止部58は、ノーズ26に近接し、ノーズ26の近位にあってもよい。ある実施形態では、ストレインリリーフリブ42は、ストレインリリーフ要素56から停止部58まで延びてもよい。
【0027】
図3C~3Dを参照すると、ある実施形態では、ニードルカバー36は、摩擦嵌合を介してカテーテルアダプタ22の遠位端に取り外し可能に連結されてもよい。ある実施形態では、ニードルカバー36は、摩擦嵌合を介してカテーテルアダプタ22のノーズ26に取り外し可能に連結されてもよい。これらの実施形態において、ストレインリリーフリブ42とニードルカバー36との間の摩擦によって、ニードルカバー36をイントロデューサーニードル32の遠位先端部34上に保持することができる。ある実施形態では、ストレインリリーフリブ42は、ニードルカバー36が摩擦嵌合によってノーズ26に取り外し可能に連結されるときに圧縮され得る。
【0028】
図3Dは、ニードルカバー36が、環状フープ応力とは対照的に屈曲ビーム効果(flexing beam effect)を経験し得ることを示しており、このことは、カテーテルアセンブリ20がノーズ26の外周の周りに延びる可撓性リングを含んでいた場合に起こり得る。屈曲ビーム効果は、例えば図3Dに示されているように、ストレインリリーフリブ42およびノーズ26と接触しないニードルカバー36の内面40の領域で起こり得る。ニードルカバー36および可撓性リングなどの、2つの円筒体の環状圧入に対する不利な点は、典型的な成形公差(molding tolerance)では、最小の材料状態の干渉と最大の材料状態の干渉との間の差が10倍ほど大きくなり得ることである。
【0029】
次に図4Aを参照すると、ある実施形態による別のカテーテルアセンブリ60が示されている。ある実施形態において、カテーテルアセンブリ60は、カテーテルアセンブリ20を含んでもよく、またはこれに対応してもよい。ある実施形態において、カテーテルアセンブリ60は、カテーテルアセンブリ20の1つ以上の特徴を含んでもよく、および/またはカテーテルアセンブリ10は、カテーテルアセンブリ60の1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0030】
ある実施形態では、ストレインリリーフリブ42に加えて、またはそれに代わるものとして、1つ以上の他のストレインリリーフリブ62をノーズ26に配置することができる。ある実施形態では、他のストレインリリーフリブ62は、ストレインリリーフリブ42の1つ以上の特徴を含むことができる。ある実施形態では、他のストレインリリーフリブ62は、上記した可撓性材料または他の可撓性材料で作られていてもよい。ある実施形態では、ニードルカバー36の内面40は、他のストレインリリーフリブ62と接触および圧縮して、イントロデューサーニードル32の遠位先端部34を覆ってニードルカバー36を摩擦嵌合で固定することができる。
【0031】
ある実施形態において、他のストレインリリーフリブ62は、カテーテルアダプタ22の長手方向44と向きがそろえられていてもよい。ある実施形態において、他のストレインリリーフリブ62の1つ以上は、ストレインリリーフリブ42と、ノーズ26の反対側に配置されてもよい。ある実施形態において、他のストレインリリーフリブ62の1つ以上は、例えば図4Bに示されるように、ノーズ26の上部に配置されてもよい。
【0032】
ある実施形態において、ノーズ26及びストレインリリーフリブ42および/または他のストレインリリーフリブ62は、少なくとも2ショットモールド(two shot mold)で組み立てることができる。ある実施形態では、第1のハードショットは、剛性又は半剛性材料でノーズ26を形成し、第2のソフトショットは、可撓性材料でストレインリリーフリブ42および/または他のストレインリリーフリブ62を形成することができる。
【0033】
ある実施形態において、1つ以上の他のストレインリリーフリブ62は、ストレインリリーフ要素56から停止部58まで延びていてもよい。ある実施形態において、ストレインリリーフリブ42は、他のストレインリリーフリブ62よりも大きくてもよい。より詳細には、ある実施形態において、ストレインリリーフリブ42の高さ64は、他のストレインリリーフリブ62の高さ66よりも大きくてもよい。さらに、または代替的に、ある実施形態において、ストレインリリーフリブ42の幅68は、ストレインリリーフリブ62の幅70よりも大きくてもよい。高さ64および高さ66は、ノーズ26から、ストレインリリーフリブ62および他のストレインリリーフリブ62の最外縁まで、それぞれ、長手方向44に垂直に測定してもよい。ある実施形態において、他のストレインリリーフリブ62およびストレインリリーフリブ42は、ほぼ同じサイズであってもよい。
【0034】
本明細書に記載される全ての例および条件付きの言語は、読者が本発明および本技術を促進するために本発明者によって与えられた概念を理解するのを助ける教育学的目的のために意図されており、このような具体的に記載された例および条件に限定されないものと解釈されるべきである。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書において種々の変更、置換、および代替を行うことができることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E