(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】リチウムイオン電池、その製作方法及び充放電方式
(51)【国際特許分類】
H01M 10/058 20100101AFI20240112BHJP
H01M 4/133 20100101ALI20240112BHJP
H01M 4/134 20100101ALI20240112BHJP
H01M 4/38 20060101ALI20240112BHJP
H01M 4/40 20060101ALI20240112BHJP
H01M 4/62 20060101ALI20240112BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20240112BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H01M10/058
H01M4/133
H01M4/134
H01M4/38 Z
H01M4/40
H01M4/62 Z
H01M10/052
H01M10/44 A
(21)【出願番号】P 2021555826
(86)(22)【出願日】2019-06-22
(86)【国際出願番号】 CN2019092435
(87)【国際公開番号】W WO2020215472
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-09-15
(31)【優先権主張番号】201910338139.X
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521394059
【氏名又は名称】浙江鋒▲り▼新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG FUNLITHIUM NEW ENERGY TECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 211, Xingguang Road, High-tech Zone Ningbo, Zhejiang 315040, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】許 暁雄
(72)【発明者】
【氏名】崔 言明
(72)【発明者】
【氏名】黄 園橋
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-001566(JP,A)
【文献】特開2014-211950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/05-10/0587
H01M10/36-10/48
H01M 4/00- 4/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極板、負極板、及び、正極板と負極板との間に間隔を空けて設置されるセパレータと電解質、を含む、リチウムイオン電池であって、
正極板と負極板との間に独立して設置される第三電極と第四電極をさらに含み、
前記第三電極と第四電極との間には、単層のセパレータが介在しており、前記第三電極が金属リチウム電極とされ、前記第四電極が活性炭電極とされる、ことを特徴とするリチウムイオン電池。
【請求項2】
前記第三電極は、厚さが100~500μmのリチウム箔或いはリチウム合金箔である、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項3】
前記リチウム箔或いはリチウム合金箔は、グリッドパターンの突出を有するステンレス鋼ロールによりプレロールプレスを経て粗化処理されたものであり、ただし、ロールプレス圧力が0.1~10Mpaである、ことを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン電池。
【請求項4】
前記第四電極は、成分が35~55重量パーセントの活性炭、成分が40~55重量パーセントの硬質炭素、及び、成分が5重量パーセントの粘着剤、成分が4重量パーセントの導電剤、成分が1重量パーセントのポロゲンと共に、多孔質集電体を結合してなるものである、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項5】
前記第三電極と第四電極は、それらの数が1~4層である、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン電池。
【請求項6】
(1)正極板、負極板及びセパレータを通常のプロセスに従って巻き或いは積層してセルの構成を形成するステップと
(2)上記のセル構成における内部又は外部に、第三電極と第四電極を巻き或いは積層し、ただし、第三電極と第四電極が単層のセパレータを介して分離されるステップと、
(3)通常の次のステップにより電解質を注ぎ、リチウムイオン電池を密封して形成するステップと、を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池を生産する方法の発明。
【請求項7】
(1-1)nは充放電の固定回数であり、リチウムイオン負極と正極との間で(n-1)回目まで充放電し、
(1-2)充電回数がn回目となった場合に、リチウムイオン負極と正極との間に充電のみを行い、充電が終わると、第三電極と第四電極との間で制御電流により放電を行うステップと、
(2)1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行うステップと、
(3)(n+1)回目から(次回の固定回数-1)回目までは、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップと、
(4)次回の固定回数以降はステップ(1-2)~(4)を繰り返すステップと、
(5)充放電の回数が所定の回数になると完了するステップと、を含み、
ただし、回数nが固定回数或いは条件回数であってもよく、固定回数が300、500、700、1000、1300、1500、1800、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000である、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のリチウムイオン電池の充放電方法。
【請求項8】
前記ステップ(1-2)においては、第三電極と第四電極との間で放電を行う時に、放電電流が0.05A~2Aであり、放電カットオフ条件が放電電圧又は放電時間であり、放電カットオフ電圧が2.3~2.9Vであり、放電カットオフ時間が1分~30分である、ことを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン電池
の充放電方法。
【請求項9】
前記ステップ(2)においては、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行う時に、放電カットオフ電圧が2.3~2.9Vである、ことを特徴とする請求項7に記載のリチウムイオン電池
の充放電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池の技術分野に関し、特に、高い容量維持率を有するリチウムイオン電池、その製作方法及び充放電方式に関する。
【背景技術】
【0002】
中国の新エネルギー資源戦略の政策に伴い、新エネルギー資源による電気自動車が急速に発展している。新エネルギー資源による自動車について、多くの購入者や数多くの利用者が切実に感じるのは、購入した直後、性能であれ、航続力であれ、新エネルギー資源による自動車が良いものの、使用の時間が次第に経過するにつれ、新エネルギー資源による自動車の航続力が明確に低下してしまうことである。
【0003】
3C製品(Computer(パソコン、パソコン周辺機器、デジカメ、メディアプレーヤー)、Communication(携帯電話)及びConsumer electronics(消費者向け電子機器)の略称)に係る電源或いは電気自動車の動力源としては、リチウムイオン電池がある。リチウムイオン電にとっては、エネルギー密度のほか、もう一つの重要な指標が容量維持率となる。それは、3C製品に対する使用の心地や電気自動車の航続力に影響を直接に与えるものである。リチウムイオン電池は、サイクルの時に、負極SEI及び正極CEIを持続的に破壊し又は再生させ、正極における活性化リチウムを持続的に消費することにより、電池における利用可能な容量が持続的に低下してしまい、電池の航続力が明らかに低下してしまうことになる。
【0004】
パワーバッテリーは、比エネルギーに対する要求が次第に高まるのに伴い、グラファイト材料による従来の負極がまだ要求を満たしていない。300Wh/kgという高い比エネルギー電池を開発するにあたってコバルトリッチの三元系+ケイ素炭素の負極材料がパワーバッテリーにおける最も主たる材料の体系になり、Si材料は、比理論容量が4200mAh/gと高いが、リチウムインターカレーションの過程に体積が300%と高く膨張することにより、Si粒子や他のケイ素系の負極の表面に形成されたSEI膜にひび割れが生じてしまい、電解質及び正極における活性化リチウムを持続的に消費してしまうことになる。
【0005】
現在、高い高容量を有しケイ素系材料による負極材料における初期効率の問題を解決するためには、数多くののリチウム補充の技術が現れているが、以下の欠陥が存在している。
(1)プレリチオ化の程度が制御できない
プレリチオ化の程度が高すぎ、又は、リチウム金属を用いてプレリチオ化する場合には、Liデンドライトが生じることになり、正極材料へのマッチングが制御され難しい。幾つかの正極又は負極にプレリチオ化する試剤は、その分解産物にLi以外に、残留された他の非活性化物質も存在しており、電池のエネルギー密度を低くすることがある。
(2)プレリチオ化のプロセスが複雑である
プレリチオ化のプロセスは、リチウム電池を生産する従来のプロセスとの交換性が比較的悪く、電池を初期に組み立て又は取り外すことがあり、電池を製作する過程が極めて複雑となり、プレリチオ化の自動化を基本的に実現できず、特許があるものの、実際の生産にまだ適用されておらず、プレリチオ化のコストが高くなる。
(3)リチウム補充の均一性が悪い
静電気を制御することにより負極の表面にLi粉末を散布する場合には、Li粉末自体が比較的軽く、比表面積も比較的大きいことから、如何に正確にリチウムの補充を制御しても、リチウムの補充を均一に実現できず、リチウム粉末の高活性化及び環境に対する制御も重要な問題となる。
(4)デンドライトが堆積し易い
負極の表面に金属Liリチウムを覆って補充する場合には、リチウムの量が多すぎると、次の充電リチウム箔の表面にリチウムデンドライトを堆積するリスクが存在することから、超薄型リチウムが必要となる。しかしながら、リチウム自体が比較的柔らかく、薄く圧縮される時に生産への要求が比較的高く、コストが比較的高い。また、従来にリチウムを補充する技術は、主に、初めの充放電における活性化リチウムの損失を予め補償しておくことに用いられており、リチウムイオン電池における最初のサイクル効率にのみ役立ち、これから長期間にわたってサイクルする時に、容量の減衰に対して積極的な役割が明らかに存在しておらず、初めのサイクルの後に、リチウムイオン電池における容量が一旦減衰すると、それが通常のリチウムイオン電池の技術にとって不可逆であり、修復できず、ひいては、電池が廃棄になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、一定の程度で回復可能な能力を有しており、現在のリチウムイオン電池、特に、固液リチウムイオン電池を長期間にわたってサイクルする容量維持率を高め、電気自動車における航続力の維持率を高め、電池を交換する頻度を低くし、電気自動車の使用コストを削減し、電気自動車を広く応用するように促進する意義が大きい、高い容量維持率を有するリチウムイオン電池、その製作方法及び充放電方式を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記した発明の一番目の目的が、以下の技術的手段により実現され得る。
【0008】
高い容量維持率を有するリチウムイオン電池は、正極板、負極板、及び、正極板と負極板との間に間隔を空けて設置されるセパレータと電解質を含み、正極板と負極板との間に設置される第三電極と第四電極をさらに含み、前記第三電極と第四電極との間には、単層のセパレータが介在しており、前記第三電極が金属リチウム電極とされ、前記第四電極が活性炭電極とされる。
【0009】
上記の技術的手段を用いることにより、四つの電極を用いるため、本願におけるリチウムイオン電池の容量維持率を著しく高めることができる。特に、第三電極と第四電極を合わせて協力することから、活性化リチウムを一時に保存でき、活性化リチウムを定量的に定時的に制御可能に補充できるように修復して再生することを実現でき、良い動力学の性能を保持でき、当該リチウムイオン電池に修復可能な能力を一定の程度で有させて、現在のリチウムイオン電池、特に、固液リチウムイオン電池を長期間にわたってサイクルする容量維持率を制御可能に高めるように実現でき、電気自動車における航続力の維持率を高めることができる。しかも、第四電極と負極板との間に天然な電位差が存在していることから、リチウムイオン電池の負極における活性化リチウムを優先的に脱出させるように実現でき、第四電極は、次回の充電の過程において、負極における活性化リチウムが多過ぎることにより、リチウムを金属の形式により析出してリチウムイオン電池が短絡となってしまい、効果が失い、ひいては、安全上の問題になるということを効果的に避けることができる。
【0010】
本発明は、前記第三電極は、好ましい厚さが100~500μmのリチウム箔或いはリチウム合金箔であるようにさらに設置される。
【0011】
上記の技術的手段を用いることにより、第三電極の厚さが実際の必要性やコストに応じて選ばれてもよい。また、選ばれたリチウム箔或いはリチウム合金箔の厚さを極めて薄くする必要性が無くなり、加工コストが低下する。
【0012】
本発明は、前記リチウム箔或いはリチウム合金箔は、グリッドパッタンの突出を有するステンレス鋼ロールによりプレロールプレスを経て粗化処理されたものであり、ただし、ロールプレスの圧力が0.1~10Mpaである、ようにさらに設置される。
【0013】
上記の技術的手段を用いることにより、粗化処理された金属リチウム電極は、その表面に細孔の構成を有していることから、電解質の浸潤に役立ち、修復されて再生する時間が短くなる。
【0014】
本発明は、前記第四電極は、成分が35~55%重量パーセントの活性炭、成分が40~55%重量パーセントの硬質炭素、及び、成分が5%重量パーセントの粘着剤、成分が4%重量パーセントの導電剤、成分が1%重量パーセントのポロゲンと共に、多孔質集電体を結合してなるものであるようにさらに設置される。
【0015】
上記の技術的手段を用いることにより、第四電極が活性炭、硬質炭素及び多孔質集電体とされることから、活性化リチウムを一時に保存でき、そして、活性化リチウムにより修復して再生でき、ひいては、当該リチウムイオン電池における動力学での性能を保持できる。
【0016】
本発明は、前記第三電極と第四電極は、それらの数が1~4層であるようにさらに設置される。
【0017】
上記の技術的手段を用いることにより、層数が柔軟に選択され得ることから、生産メーカーは、必要に応じて、それ自体の条件を満たしてエネルギー密度と容量維持率とがバランスを取るリチウムイオン電池を製作するように、第三電極と第四電極の層数を柔軟に調整することができる。
【0018】
。
本発明は、上記した発明の二番目の目的が、以下の技術的手段により実現され得る。
製作方法においては、高い容量維持率を有するリチウムイオン電池を以下のステップにより製作する。
(1)正極板、負極板、セパレータを通常のプロセスに従って巻き或いは積層してセルの構成を形成するステップ
(2)上記したセルの構成における内部又は外部に、第三電極と第四電極を巻き或いは積層し、ただし、第三電極と第四電極が単層のセパレータを介して分離されているステップ
(3)通常の次のステップにより、電解質を注ぎ、リチウムイオン電池を密封して形成するステップ。
【0019】
上記の技術的手段を用いることにより、本願に係る製作方法は、既存のリチウムイオン電池を生産するプロセスに基づいて少々改良したものであり、ロット生産を自動化的に行うに役立つことができる。また、製作方法は、汎用性が高く、巻きプロセスに適用されてもよいし積層プロセスに適用されてもよい。
【0020】
本発明は、上記した発明の三番目の目的が、以下の技術的手段により実現され得る。
【0021】
高い容量維持率を有するリチウムイオン電池の充放電方式は、以下のステップを含む。
(1)回数をnとすると、リチウムイオン負極と正極との間に充電のみを行い、充電が終わると、第三電極と第四電極との間に制御電流により放電を行うステップ
(2)1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行うステップ
(3)第n+1回及び次の回数にリチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(4)次回の固定回数又は条件回数になるまでステップ(1)~ステップ(4)を繰り返すステップ
(5)サイクルの数が所定の回数になると完了するステップ
ただし、回数nが固定回数或いは条件回数であってもよい。好ましい固定回数は、300、500、700、1000、1300、1500、1800、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000である。
【0022】
上記の技術的手段を用いることにより、金属リチウム電極が放電の過程にのみ存在していることから環境に対する要求の程度が高くないと共に、充電の過程が存在していないことから、リチウムデンドライトが発生しない。そして、通常のリチウム金属を使う際に安全問題を解決することができる。制御を正確に実現でき、固定回数に従って規律的に修復を行うことができるし、容量の実際的な減衰量に基づいて必要に応じて再生を行うことができる。適正な時間だけ静置することにより、活性化リチウムをリチウムイオン電池に均一に分散するように一層に促進することができる。
【0023】
本発明は、前記ステップ(1)においては、第三電極と第四電極とに放電を行うと、好ましい放電電流が0.05A~2Aであり、好ましい放電カットオフ条件が放電電圧又は放電時間であり、好ましい放電カットオフ電圧が2.3~2.9Vであり、放電カットオフ時間が1分~30分であるようにさらに設置される。
【0024】
上記の技術的手段を用いることにより、第三電極と第四電極における放電時間、放電カットオフ電圧及び放電電流を制御して活性化リチウムを正確的にかつ定量的に補充することができる。
【0025】
本発明は、前記ステップ(2)においては、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行う時に、放電カットオフ電圧が2.3~2.9Vであるようにさらに設置される。
【0026】
上記の技術的手段を用いることにより、活性化リチウムを正確的にかつ定量的に補充することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、以上より、有益な技術的効果が以下の通りである。
1.第三電極と第四電極を合わせて協力することにより、リチウムイオン電池の容量維持率を明らかに高めることができる。
2.第四電極は、活性化リチウムを一時に保存して効果的に提供できる活性炭及び多孔質集電体の電極とされることにより、活性化リチウムを修復して再生するように補充する過程において、良い動力学の性能を保持することができる。
3.第四電極と負極板との間に天然な電位差が存在しており、リチウムイオン負極における活性化リチウムを優先的に脱出させるように実現でき、第四電極は、次回の充電の過程において、負極における活性化リチウムが多すぎることによりリチウムを金属の形式で析出してしまうということを効果的に避けることができる。
4.リチウムイオン電池を生産する既存のプロセスを基本的に変えることなく、既存の生産プロセスを少々改良すればよく、ロットで自動化する生産に役立つことができる。
5.製作方法は、汎用性が高く、巻きを行うプロセスに適用されてもよいし、積層を行うプロセスに適用されてもよい。
6.金属リチウム電極は、放電の過程だけが存在しており、環境への要求が高くなく、しかも、充電の過程が存在していないことから、リチウムデンドライトが生じることが無くなり、通常の金属リチウムを用いる時に、安全上の問題を解決することができる。
7.第三電極の厚さは、実際のニーズやコストに基づいて選択可能であり、厚さを極めて薄くすることが必要とならず、加工用コストを低くすることができる。
8.金属リチウムの電極は、粗化処理を経ると、第三電極の表面に細孔の構成を有することから、電解質の浸潤に役立ち、修復されて再生する時間が短くなる。
9.制御を正確に実現でき、つまり、一定の回数に従って規律的に修復を実施することができる。
10.第三電極と第四電極における放電時間、放電カットオフ電圧及び電流、並びに、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に正常に放電するカットオフ電圧を制御することにより、活性化リチウムを正確に定量的に補充するように実現することができる。
11.適正な時間だけ静置することにより、活性化リチウムを電池に均一に分散させるようにさらに促進することができる。
12.生産メーカーは、リチウムイオン電池における正負極の材料の特性及び生産のプロセスに従って、それ自体の条件を満たしてエネルギー密度と容量維持率とがバランスを取るリチウムイオン電池を取得するように、第三電極と第四電極の形状、厚さ、層数、位置、具体的な成分の調合や作業の回数を調整することも可能である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下には、実施例に基づいて、本発明をより詳しく説明する。
【0029】
第一実施例
高い容量維持率を有するリチウムイオン電池は、その製作方法と充放電方式が以下のステップを含む。
(1)リチウムイオン電池のグラファイト負極とNCM111正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って積層するステップ
(2)厚さが100μmのリチウム箔を提供し、粗さが100メッシュのステンレス鋼ローラー筒を10MPaのプレロールプレスで粗化処理したものを第三電極とし、50%の活性炭、40%の硬質炭素及び5%のPVDF、4%のアセチレンブラック、1%のLi2SO4及び発泡ニッケルについてウェットミキシング、プレロールプレス、乾燥を経たものを第四電極とし、上記したセルの両側にそれぞれ一つの第三電極と一つの第四電極を積層し、中間にセパレータを介在させるステップであって、リチウムイオン電池における負極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、リチウムイオン電池における正極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、両側における二つのリチウム金属電極を圧延して粘合したものを外タブから引き出し、二つの第四電極を超音波でスポット溶接して外タブから引き出し、四つの電極を有するリチウムイオン電池のセルを形成し、電解質を注ぎ、アルミプラスチックフィルムをプレシールし、トップシールし、サイドシールし、二次シールしてからリチウムイオン電池単体10Ahを形成するステップ
(3)通常に化成してから、電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、電圧が4.2V~3Vであり、ただし、回数が300である場合に、リチウムイオン電池における負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.05Aで10分だけ放電するステップ
(4)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に1C放電を行い、放電カットオフ電圧が2.9Vであるステップ
(5)第301~499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に、充放電を正常に行うステップ
(6)500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.05Aで20分だけ放電するステップ
(7)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.8Vであるステップ
(8)第501~699回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(9)700回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.05Aで30分だけ放電するステップ
(10)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.7Vであるステップ
(11)第701~999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(12)1000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.1Aで20分だけ放電するステップ
(13)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.6Vであるステップ
(14)第1001~1299回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(15)1000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に1Aで2.6Vまで放電するステップ
(16)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.5Vであるステップ
(17)第1301~1499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(18)1500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.5Vまで放電するステップ
(19)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.5Vであるステップ
(20)第1501~2000回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(21)2000回になると、放電が完了し、放電の容量維持率を算出するステップ。
【0030】
第二実施例
高い容量維持率を有するリチウムイオン電池は、その製作方法と充放電方式が以下のステップを含む。
(1)リチウムイオン電池のグラファイト負極とNCA正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って積層するステップ
(2)厚さが100μmのリチウム箔を提供し、粗さが500メッシュのステンレス鋼ローラー筒を0.1Mpaのプレロールプレスで粗化処理したものを第三電極とし、50%の活性炭、40%の硬質炭素及び5%のPVDF、4%のアセチレンブラック、1%のLi2SO4及び発泡ニッケルについてウェットミキシング、プレロールプレス、乾燥を経たものを第四電極とし、上記したセルの両側にそれぞれ一つの第三電極と一つの第四電極を積層し、中間にセパレータを介在させるステップであって、リチウムイオン電池における負極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、リチウムイオン電池における正極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、両側における二つのリチウム金属電極を圧延して粘合したものを外タブから引き出し、二つの第四電極を超音波でスポット溶接して外タブから引き出し、四つの電極を有するリチウムイオン電池セルを形成し、電解質を注ぎ、アルミプラスチックフィルムをプレシール、トップシール、サイドシール、二次シールしてからリチウムイオン電池単体10Ahを形成するステップ
(3)通常に化成してから、電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、電圧が4.2V~3Vであり、ただし、回数が300である場合に、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.05Aで10分だけ放電するステップ
(4)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.9Vであるステップ
(5)第301~499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(6)500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.05Aだけ20分だけ放電するステップ
(7)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.8Vであるステップ
(8)第501~699回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(9)700回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.05Aで30分だけ放電するステップ
(10)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.7Vであるステップ
(11)第701~999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(12)1000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.1Aで20分だけ放電するステップ
(13)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.6Vであるステップ
(14)第1001~1299回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(15)1000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に1Aで2.6Vまで放電するステップ
(16)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.5Vであるステップ
(17)第1301~1499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(18)1500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.5Vまで放電するステップ
(19)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.5Vであるステップ
(20)第1501~2000回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(21)2000回になると、放電が完了し、放電の容量維持率を算出するステップ。
【0031】
第三実施例
高い容量維持率を有するリチウムイオン電池は、その製作方法と充放電方式が以下のステップを含む。
(1)リチウムイオン電池のケイ素炭素負極とNCM523正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って積層するステップ
(2)厚さの200μmのリチウム箔を提供し、粗さが300メッシュのステンレス鋼ローラー筒を1Mpaのプレロールプレスで粗化処理したものを第三電極とし、35%の活性炭、55%の硬質炭素及び5%のPVDF、4%のアセチレンブラック、1%のLi2SO4及び発泡ニッケルについてウェットミキシング、プレロールプレス、乾燥を経たものを第四電極とし、上記したセルの中心にそれぞれ二つのリチウム箔と二つの活性炭電極を積層し、中間にセパレータを介在させるステップであって、リチウムイオン電池における負極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、リチウムイオン電池における正極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、両側における二つのリチウム金属電極を圧延して粘合したものを外タブから引き出し、二つの第四電極を超音波でスポット溶接して外タブから引き出し、四つの電極を有するリチウムイオン電池セルを形成し、電解質を注ぎ、アルミプラスチックフィルムをプレシール、トップシール、サイドシール、二次シールしてからリチウムイオン電池単体40Ahを形成するステップ
(3)通常に化成してから、電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、電圧が4.2V~3V、ただし、回数が300である場合に、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.9Vまで放電するステップ
(4)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.8Vであるステップ
(5)第301~499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(6)500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.8Vまで放電するステップ
(7)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.7Vであるステップ
(8)第501~699回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(9)700回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.7Vまで放電するステップ
(10)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.6Vであるステップ
(11)第701~999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(12)1000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極とに充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.6Vまで放電するステップ
(13)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.55Vであるステップ
(14)第1001~1449回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(15)1500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.6Vまで放電するステップ
(16)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.5Vであるステップ
(17)第1501~1799回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(18)1800回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.5Vまで放電するステップ
(19)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.5Vであるステップ
(20)第1801~2000回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行い、2000回だけ放電が完了すると、放電の容量維持率を算出するステップ。
【0032】
第四実施例
高い容量維持率を有するリチウムイオン電池は、その製作方法と充放電方式が以下のステップを含む。
(1)リチウムイオン電池のグラファイト負極とLiFePO4正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って巻くステップ
(2)厚さが200μmのリチウム箔を提供し、粗さが200メッシュのステンレス鋼ローラー筒を粗化処理したものを第三電極とし、50%の活性炭、40%の硬質炭素及び5%のPVDF、4%のアセチレンブラック、1%のLi2SO4及びステンレス鋼網についてウェットミキシング、プレロールプレス、乾燥を経たものを第四電極とし、上記したセルの外側に一つのリチウム箔と一つの活性炭電極を巻き、中間にセパレータを介在させるステップであって、リチウムイオン電池における負極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、リチウムイオン電池における正極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、単層のリチウム金属電極を圧延して粘合したものを外タブから引き出し、単層の第四電極を超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、四つの電極を有するリチウムイオン電池のセルを形成し、入アルミシェルにより、電解質を注ぎ、リチウムイオン電池単体20Ahを密封して形成するステップ
(3)通常に化成してから、電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、電圧が3.9V~2.5V、ただし、回数が500になる場合に、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aで1分だけ放電するステップ
(4)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.9Vであるステップ
(5)第501~999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(6)1000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aで5分だけ放電するステップ
(7)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.85Vであるステップ
(8)第1001~1499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(9)1500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.05Aで10分だけ放電するステップ
(10)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.8Vであるステップ
(11)第1501~1999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(12)2000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aで15分だけ放電するステップ
(13)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続して、リチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.75Vであるステップ
(14)第2001~2499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(15)2500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aで20分だけ放電するステップ
(16)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.7Vであるステップ
(17)第2501~2999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(18)3000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aで25分だけ放電するステップ
(19)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.65Vであるステップ
(20)第3001~3499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(21)3500回になると、放電が完了すると、放電の容量維持率を算出するステップ。
【0033】
第五実施例
高い容量維持率を有するリチウムイオン電池は、その製作方法と充放電方式が以下のステップを含む。
(1)リチウムイオン電池のケイ素炭素系負極とLiMnO2正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って巻くステップ
(2)厚さが500μmのリチウム箔を提供し、粗さが300メッシュのステンレス鋼ローラー筒を10Mpaのプレロールプレスで粗化処理したものを第三電極とし、35%の活性炭、55%の硬質炭素及び5%のPVDF、4%のアセチレンブラック、1%のLi2SO4及び発泡ニッケルについてウェットミキシング、プレロールプレス、乾燥を経たものを第四電極とし、ケイ素炭素負極とLiMnO2正極を巻く前に、まず、中心に2回だけリチウム金属負極と活性炭電極を巻き、中間にセパレータを介在させるステップであって、リチウムイオン電池における負極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、リチウムイオン電池における正極のタブを超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、単層のリチウム金属電極を圧延して粘合したものを外タブから引き出し、単層の第四電極を超音波でスポット溶接したものを外タブから引き出し、四つの電極を有するリチウムイオン電池のセルを形成し、入アルミシェルにより、電解質を注ぎ、リチウムイオン電池単体30Ahを密封して形成するステップ
(3)通常に化成してから、電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、電圧が4.2V~3Vであり、ただし、回数が500となる場合に、リチウムイオン電池における負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aで3.0Vの電圧まで放電するステップ
(4)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.9Vであるステップ
(5)第501~999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(6)1000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aでカットオフ電圧2.9Vまで放電するステップ
(7)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.8Vであるステップ
(8)第1001~1299回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(9)1300回になると、リチウムイオン電池における負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aでカットオフ電圧2.8Vまで放電するステップ
(10)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.7Vであるステップ
(11)第1301~1499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(12)1500回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に0.5Aでカットオフ電圧2.7Vまで放電するステップ
(13)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.6Vであるステップ
(14)第1501~1799回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(15)1800回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電だけを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に1Aで2.6Vまで放電するステップ
(16)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.5Vであるステップ
(17)第1801~1999回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(18)第2000回になると、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.5Vまで放電するステップ
(19)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.45Vであるステップ
(20)第2001~2499回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行うステップ
(21)第2500回時、リチウムイオン電池の負極と正極との間に充電のみを行い、充電が完了すると第三電極と第四電極との間に2Aで2.4Vまで放電するステップ
(22)次に、1時間だけ静置してから、第四電極をリチウムイオン電池の負極に並列接続してリチウムイオン電池の正極との間に放電を行い、放電カットオフ電圧が2.3Vであるステップ
(23)第2501~3000回数は、リチウムイオン電池における正負極間に充放電を正常に行い、3000回になると、放電が完了し、放電の容量維持率を算出するステップ。
【0034】
第一対比例
リチウムイオン電池は、その製作方法及び充放電方式が以下の通りである。
(1)リチウムイオン電池のグラファイト負極とNCM111正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って積層を行うこと
(2)電解質を注ぎ、アルミプラスチックフィルムをプレシール、トップシール、サイドシール、二次シールしてから、リチウムイオン電池の単体10Ahを形成すること
(3)通常に化成を行ってから、4.2V~3Vという電圧で電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、2000回だけサイクルしてから、リチウムイオン電池の容量維持率を算出すること。
【0035】
第二対比例
リチウムイオン電池は、その製作方法及び充放電方式が以下の通りである。
(1)リチウムイオン電池のグラファイト負極とNCA正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って積層すること
(2)電解質を注ぎ、アルミプラスチックフィルムをプレシール、トップシール、サイドシール、二次シールしてから、リチウムイオン電池の単体10Ahを形成すること
(3)通常に化成を行ってから、4.2V~3Vという電圧で電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、2000回だけサイクルしてから、リチウムイオン電池の容量維持率を算出すること。
【0036】
第三対比例
リチウムイオン電池は、その製作方法及び充放電方式が以下の通りである。
(1)リチウムイオン電池のケイ素炭素負極とNCM523正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って積層すること
(2)電解質を注ぎ、アルミプラスチックフィルムをプレシール、トップシール、サイドシール、二次シールしてから、リチウムイオン電池の単体40Ahを形成すること
(3)通常に化成を行ってから、4.2V~3Vという電圧で電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、2000回だけサイクルしてから、リチウムイオン電池の容量維持率を算出すること。
【0037】
第四対比例
リチウムイオン電池は、その製作方法及び充放電方式が以下の通りである。
(1)リチウムイオン電池のグラファイト負極とLiFePO4正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って巻くこと
(2)アルミシェルより電解質を注ぎ、リチウムイオン電池の単体20Ahを密封して形成すること
(3)通常に化成を行ってから、3.9V~2.5Vという電圧で電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、3500回だけサイクルしてから、リチウムイオン電池の容量維持率を算出すること。
【0038】
第五対比例
リチウムイオン電池は、その製作方法及び充放電方式が以下の通りである。
(1)リチウムイオン電池のケイ素炭素負極とLiMnO2正極、セパレータを提供して通常のプロセスに従って巻くこと
(2)アルミシェルより電解質を注ぎ、リチウムイオン電池の単体30Ahを密封して形成すること
(3)通常に化成を行ってから、4.2V~3Vという電圧で電池を1C充放電させるようにサイクルして測定し、3000回だけサイクルしてから、リチウムイオン電池の容量維持率を算出すること。
検測の方法は、3000回だけの放電容量を最初の放電容量で除算するものであり、機器は、Newareという会社の充放電試験システムである。
【0039】
【0040】
上記の表からわかるように、本願に係るリチウムイオン電池を長期間にわたってサイクルさせると、容量維持率がいずれも90%以上であり、対比例に係るサンプルに比べると、容量維持率が一層に大きく、従来の技術において減衰が不可逆であるということを解決することができる。
【0041】
この具体的な実施形態における実施例は、いずれも、本発明における好ましい実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。故に、本発明の構成、形状や原理に基づいてなされる均等置換はいずれも本発明の保護範囲に含まれる。