(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/60 20100101AFI20240112BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20240112BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240112BHJP
【FI】
H01L33/60
H01L33/50
H01L33/62
(21)【出願番号】P 2022081797
(22)【出願日】2022-05-18
(62)【分割の表示】P 2018202028の分割
【原出願日】2018-10-26
【審査請求日】2022-05-18
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】598061302
【氏名又は名称】晶元光電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Epistar Corporation
【住所又は居所原語表記】21,Li-hsin Rd.,Science-based Industrial Park,Hsinchu 300,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ミン-シュン シェ
(72)【発明者】
【氏名】シー-アン リャオ
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/006781(WO,A1)
【文献】特開2017-108111(JP,A)
【文献】特開2015-095488(JP,A)
【文献】特開2013-143430(JP,A)
【文献】特開2015-095658(JP,A)
【文献】特開2017-073549(JP,A)
【文献】特開2010-092956(JP,A)
【文献】国際公開第2005/106978(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置であって、
反射面と、前記反射面に対向する底面とを有する載置板;
前記反射面の上に位置し、かつ頂面を有する発光構造;
前記頂面の上に設置されて前記発光構造からの光束を反射する第一光学素子;及び
前記発光構造を取り囲み、最上表面、上表面及び下表面を有し、かつ前記第一光学素子に接触している第二光学素子を含み、
前記最上表面は前記下表面に平行であり、前記最上表面は前記発光構造よりも高く、かつ前記第一光学素子よりも低く、前記下表面は前記反射面に接触しており、
前記第二光学素子は前記発光構造の前記頂面を覆わない、発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置であって、
断面図において、前記発光装置は前記発光構造の幾何中心を通過する仮想中心線を有し、前記第二光学素子は前記仮想中心線に対してほぼ対称であり、かつ前記発光構造を取り囲む、発光装置。
【請求項3】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第一光学素子は、白漆反射層、金属反射層、又は分布ブラッグ反射器である、発光装置。
【請求項4】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第二光学素子は波長変換材料を含む、発光装置。
【請求項5】
請求項1に記載の発光装置であって、
透光層をさらに含み、
前記透光層は、前記第一光学素子と前記発光構造との間に位置し、かつ前記第一光学素子及び前記発光構造に同時に接触している、発光装置。
【請求項6】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記底面の下に位置する電極をさらに含む、発光装置。
【請求項7】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記上表面は、前記最上表面と前記下表面との間に位置し、
前記上表面は、前記最上表面及び前記下表面に垂直でない、発光装置。
【請求項8】
請求項1に記載の発光装置であって、
前記第一光学素子及び前記発光構造は、それぞれ、前記反射面に平行である第一幅及び第二幅を有し、前記第一幅は前記第二幅よりも大きい、発光装置。
【請求項9】
請求項
2に記載の発光装置であって、
前記発光装置の発光強度は、前記仮想中心線を中心とする実質的に対称な分布を有する、発光装置。
【請求項10】
請求項9に記載の発光装置であって、
前記発光装置の前記発光強度は、前記仮想中心線の両側の40°~60°の角度範囲内で最大値を有し、
前記発光装置の、前記仮想中心線に対する0°のときの発光強度は、前記最大値の1/4よりも小さい、発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関し、特に、反射層及び光学素子を含む発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体照明装置に用いる発光ダイオード(Light-Emitting Diode;LED)は、エネルギー消費が低く、寿命が長く、体積が小さく、反応速度が速く、出力される光の波長が安定であるなどの特性があるので、次第に従来の光源の代わりに用いられるようになっている。光電技術の発展に伴って、固体照明が発光効率、使用寿命、及び輝度などの面において著しく進歩しているため、近年、発光ダイオードは、既に、各種の用途、例えば、表示器のバックライトモジュールに応用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、反射層及び光学素子を含む発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施例による発光装置は、載置板、載置板に設置される発光ユニット、発光ユニットの真上に設置されて発光ユニットからの光束を発光ユニットの両側へ反射するための第一光学素子、及び載置板に位置し且つ発光ユニットを取り囲む第二光学素子を含む。
【0005】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて、添付した図面を参照することにより、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図1B】本発明の一実施例中の発光装置の上面図である。
【
図2A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図3A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図4A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図5】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図6A】本発明の一実施例中の発光ユニットの断面図である。
【
図6B】本発明の一実施例中の発光ユニットの断面図である。
【
図7】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図8】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図9A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図9E】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図10A】本発明の一実施例中の発光装置の上面図である。
【
図11A】本発明の一実施例中の発光装置の上面図である。
【
図11C】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図11D】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図11E】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図12A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図12E】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図13A】本発明の一実施例中の発光装置の上面図である。
【
図14A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図14D1】本発明の一実施例中の光学素子の下面図である。
【
図14E】本発明の一実施例中の光学素子の断面図である。
【
図14F1】本発明の一実施例中の光学素子の断面図である。
【
図14F2】本発明の一実施例中の光学素子の断面図である。
【
図14F3】本発明の一実施例中の光学素子の断面図である。
【
図15A】本発明の一実施例中の発光装置の上面図である。
【
図16A】本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。
【
図16C】本発明の他の実施例中の発光装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0008】
第1A図は、本発明の発光装置の断面図である。第1A図では、X軸及びZ軸が、大体、発光ユニット10の幾何中心で交差するように設定される。第1A図に示すように、Z軸は、発光ユニット10の幾何中心(即ち、仮想中心線L0の位置)を通過し、X軸は、水平方向に発光ユニット10の幾何中心を通過する。発光装置1000は、載置板20、発光ユニット10、第一光学素子30、及び第二光学素子50を含む。発光ユニット10は、発光構造101、発光構造101を取り込んで覆う透光層105、及び電極102、104を含み、発光構造101は、基板(図示せず)、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。基板は、エピタキシャル成長基板、例えば、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又はヒ化ガリウム基板であっても良く、第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層をエピタキシャル成長させるために用いられる。基板は、エピタキシャル成長のためでない材料、例えば、セラミックスなどの硬質基板、又は、ガラス繊維、トリアジン樹脂(BT)などの弾性有り基板であっても良い。基板は、製造プロセスにおいて薄化又は除去することができる。第一型半導体層及び第二型半導体層は、例えば、クラッド層(cladding layer)又は閉じ込め層(confinement layer)であり、それぞれ電子と正孔を提供し、電子と正孔に活性層中で結合させて発光させることができる。第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層は、III-V族半導体材料、例えば、AlxInyGa(1-x-y)N又はAlxInyGa(1-x-y)Pを含んでも良く、そのうち、0≦x、y≦1、(x+y)≦1である。活性層の材料に従って、発光構造101は、ピーク値が610nm~650nmの間にある赤色光、ピーク値が530nm~570nmの間にある緑色光、又はピーク値が450nm~490nmの間にある青色光を発することができる。透光層105は、波長変換材料、例えば、染料、蛍光粉、量子ドット材料などを選択的に含んでも良い。蛍光粉を波長変換材料として選択すれば、一部の隣接する蛍光粉の粒子が互に接触するが、一部の隣接する蛍光粉の粒子が互に接触しない。蛍光粉の粒径(最大又は平均粒径)は、5um~100umにある。蛍光粉は、黄緑色蛍光粉や赤色蛍光粉を含むが、これに限定されない。黄緑色蛍光粉の成分は、例えば、アルミニウム酸化物(YAG又はTAG)、ケイ酸塩、バナジン酸塩、アルカリ土類金属セレン化物、又は金属窒化物である。赤色蛍光粉の成分は、例えば、ケイ酸塩、バナジン酸塩、アルカリ土類金属硫化物、金属窒素酸化物、又はタングステンモリブデン酸塩族混合物である。
【0009】
一実施例では、透光層105に蛍光粉が含まれ、蛍光粉は、発光構造101が発した第一光束を吸収し、ピーク値が第一光束と異なる波長の第二光束に変換することができる。第一光束及び第二光束は、混合して白色光を生成することができる。発光装置1000が熱安定状態下で有する白色光の色温度は、2200K~6500K(例えば、2200K、2400K、2700K、3000K、5700K、6500K)であり、その色値(CIE x,y)は、7つのマカダム楕円(MacAdam ellipse)の範囲にあり、且つ80よりも大きく又は90よりも大きい演色性(CRI)を有する。もう1つの実施例では、透光層105は、さらに、拡散粒子を有し、拡散粒子は、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、又は酸化アルミニウムである。
【0010】
発光ユニット10は、電極102、104により載置板20の表面の回路(図示せず)に電気接続され、また、載置板20の回路により発光構造101に給電することができる。より具体的に言えば、電極102、104は、導電材料により載置板20の表面の回路に接続され、導電材料は、はんだ又は他の導電性有り粘着性材料であっても良い。一実施例では、載置板20の下表面202は、さらに、外部電力を受けるための電極106、108を含み、下表面にする電極106、108は、載置板20内の金属線路(図示せず)により載置板20の表面の回路(図示せず)に電気接続され、そのうちの金属線路は、載置板20内で垂直又は斜めに載置板20を通過しても良い。一実施例では、載置板20の上表面201は、さらに、発光ユニット10が発した光束を反射するための反射層を含む。反射層は、散乱面(光束が反射された後に複数の方向に進行し得る)であっても良く、或いは、反射層は、鏡面(光束が反射された後に単一方向に進行し、即ち、入射角が反射角に等しい)であっても良い。反射層が散乱面である時に、発光構造101が発した光束は、載置板20に入射した後に、一部が反射されて発光構造101へ進行することができ、この時に、一部の光束が発光ユニット10により再び吸収され、又は、光学素子30と載置板20との間に繰り返して反射され、発光装置1000内に閉じ込められる(trapped)可能性があるため、発光装置1000の発光強度が低下する恐れがある。反射層が鏡面である時に、発光構造101が発した光束は、載置板20の表面に入射した後に、外へ反射され、発光構造101を離れる方向へ進行することができる。よって、載置板20の上表面201に鏡面の反射面が含まれる場合、上表面201に散乱面の反射面が含まれる場合に比べ、より多くの光束が発光装置1000の周囲へ反射され得るため、発光装置1000の周囲の光強度を向上させ、発光装置1000の周囲の光強度と中心の光強度との差をより大きくすることができる。
【0011】
反射層の材料は、絶縁材料、例えば、白漆又はセラミックスインク、及び/又は、導電材料、例えば、銀、アルミニウムなどの金属を含む。白漆は、ベース材料及びベース材料に分散している複数の反射粒子(図示せず)を含む。ベース材料は、シロキサン基を有する材料(Siloxane group containing material)、エポキシ樹脂基を有する材料(epoxy group containing material)、又はこの2種類の官能基を有する材料を含み、且つ約1.4~1.6又は1.5~1.6の間にある屈折率(n)を有する。一実施例では、ベース材料は、PI、BCB、PFCB、PMMA、PET、PC、PEI(Polyetherimide)、フルオロカーボン重合体(Fluorocarbon Polymer)を含んでも良い。反射粒子は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、又は二酸化ジルコニウムを含む。
【0012】
一実施例では、第一光学素子30は、発光ユニット10の上に設けられ、第一光学素子30の幅は、発光ユニット10の幅と略等しく、且つ発光構造101の幅よりも大きい。第1A図に示すように、第一光学素子30は、発光構造101の少なくとも一部の光束を反射し、右下方((X,-Z)方向)及び/又は左下方((-X,-Z)方向)に向かって発光ユニット10の外へ射出させ、これにより、光束は、発光構造101を離れた後に第二光学素子50に入射することができるため、光束が発光ユニット10内に閉じ込められることを避けることができる。よって、第一光学素子30は、発光ユニット10が発した光束を、発光装置1000の上に集まることなく、発光装置1000の周囲に分散させることができる。第二光学素子50は、発光ユニット10及び第一光学素子30を取り囲むと共に、第一光学素子30及び発光ユニット10に接触する。第二光学素子50は、さらに、断面図において、発光ユニット10(又は、第一光学素子20)を通過する中心線、例えば、発光ユニット10の中心を通過する仮想中心線L0に対して略対称に発光ユニット10を覆う。第二光学素子50は、上表面501及び下表面502を有し、上表面501は、第一光学素子30の側表面に直接的に接するが、第一光学素子30の最上表面に接触せず、下表面502は、載置板20に接し、且つ下表面502は、電極102、104が接続される載置板20の表面と略共平面である。一実施例では、第二光学素子50の断面形状は、長方形又は近似長方形であり、その上表面501は、断面図において上表面201に平行な水平面であり、且つ上表面501は、第一光学素子30の最上表面と略共平面である。一実施例では、上表面501は、第一光学素子30の側表面に直接接触せず、第二光学素子50は、さらに、上表面501及び第一光学素子30の側表面に接続される水平な最上表面を有する。第二光学素子50は、発光ユニット10を取り囲み、且つ上表面501の最高点は、発光ユニット10の最上表面の上に位置する。第一光学素子30は、単層構造又は複数層構造であっても良い。そのうち、絶縁材料を含む単層構造は、例えば、白漆又はセラミックスインクからなる単層反射層である。導電材料を含む単層構造は、例えば、金属により構成された単層反射層であり、金属は、銀、アルミニウムなどの金属であっても良い。第一光学素子30は、分布ブラッグ反射器(distributed Bragg reflector、DBR)であっても良い。ブラッグ反射鏡は、少なくとも2種類以上の屈折率が異なる透光性材料をスタックすることで形成される。ブラッグ反射構造は、絶縁材料又は導電材料であっても良く、絶縁材料は、PI、BCB、PFCB、MgO、Su8、エポキシ樹脂(Epoxy)、アクリル樹脂(Acrylic Resin)、COC、PMMA、PET、PC、PEI(Polyetherimide)、フルオロカーボン重合体(Fluorocarbon Polymer)、ガラス(Glass)、Al2O3、MgO、SiOx、TiO2、Ta2O5、SiNx、スピンオングラス(SOG)、又はTEOSを含むが、これに限定されない。導電材料は、ITO、InO、SnO、CTO、ATO、AZO、ZTO、GZO、ZnO、MgO、AlGaAs、GaN、GaP、又はIZOを含むが、これに限定されない。
【0013】
発光構造101からの光は、第二光学素子50及び透光層105を通過(透射)することができる。第二光学素子50及び透光層105の材料は、同じ又は類似したものであっても良く、材料は、シリコーン(Silicone)やエポキシ樹脂(Epoxy)、PI、BCB、PFCB、SU8、アクリル樹脂(Acrylic Resin)、PMMA、PET、PC、PEI(Polyetherimide)、フルオロカーボン重合体(Fluorocarbon
Polymer)、Al2O3、SINR、スピンオングラス(SOG)を含む。一実施例では、第二光学素子50は、拡散粒子、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、又は酸化アルミニウムを含む。一実施例では、第二光学素子50は、波長変換材料、例えば、染料や蛍光粉、量子ドット(QD;Quantum Dot)材料を含む。
【0014】
第1B図は、本発明の発光装置1000の上面図である。第1B図では、X軸及びY軸が、大体、発光ユニット10の幾何中心で交差するように設定される。第1B図に示すように、Y軸は、発光ユニット10の幾何中心を垂直通過し、X軸は、発光ユニット10の幾何中心を水平通過する。第1B図に示すように、発光ユニット10は、第一光学素子30により完全に覆われ、且つ第二光学素子50は、発光ユニット10及び第一光学素子30全体を取り囲む。第二光学素子50は、略円形又は楕円形の輪郭を有する。発光ユニット10のサイズは、第二光学素子50、又は載置板20又は上表面201上での反射層のサイズと、同一断面において比例関係を有する。例えば、第1A図では、第二光学素子50の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の3倍又はそれ以上であり、或いは、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の3倍又はそれ以上である。一実施例では、第二光学素子50の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の5倍又はそれ以上である。一実施例では、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の10倍又はそれ以上である。
【0015】
第2A図は、本発明の一実施例による発光装置の断面図であり、そのうちの射線は、発光装置が発した光束の軌跡を示す。第2B図は、第2A図中の装置の上面図である。第2A図では、X軸及びZ軸が、大体、発光ユニット10の幾何中心で交差するように設定される。第2A図に示すように、Z軸は、発光ユニット10の中心(即ち、仮想中心線L0)を通過し、X軸は、発光ユニット10の幾何中心を水平通過する。第二光学素子50が発光ユニット10側に位置する部分は、台形に類似した形状を有し、そのうち、第二光学素子50の上表面501は、斜面である。載置板20の上表面201は、鏡面又は擬似鏡面の反射面であっても良く、発光ユニット10が発した光束を発光装置1000の両側に分散させるために用いられる。便宜のために、第2A図では、発光装置1000の左半分が示すのは、光束が発光ユニット10を離れた後に第二光学素子50内で上方へ進行する状態であり、右半分が示すのは、光束が発光ユニット10を離れた後に第二光学素子50内で下方へ進行する状態である。第二光学素子50内の光束の進行方式は、少なくとも、前述の上へ及び下への経路を含み、又は、この2つの経路の各種の組み合わせであっても良く、且つ全ては、大体、発光ユニット10を離れる方向に進行する。第2A図に示すように、光束は、第二光学素子50内で、上表面501において屈折が生じるまで、直線で進行する。例えば、光束L1は、第二光学素子50を離れた後に、載置板20に近い方向へ偏移する。
【0016】
第2B図は、第2A図中の装置の上面図である。第2C図は、第2A図中の発光装置1000の直角座標光形図であり、図に示す3つの曲線は、それぞれ、3つの異なる方位の平面(例えば、第2B図に示す面A(90°)、面B(135°)、及び面C(180°))から測定した光強度である。第2C図中の横軸は、1つの平面(面A、面B、又は面C)上での観測角度を示し、縦軸は、相対光強度(a.u.)を示す。第2C図に示すように、発光装置1000の光強度分布は、大体、0°の角に対しての対称な分布であり、両側の約40°~70°では、最高光強度(約0.14 a.u)を有し、それは、中心領域+15°~-15°の間の最低光強度(約0.01 a.u)の約14倍である。便宜のために、本発明は、光強度に対して正規化処理を行い、そのため、各実施例中の光強度は、1つの任意の単位(a.u.)に統一化される。第2D図は、第2A図中の装置の極座標光形図である。第2D図に示すように、発光装置1000の光強度分布も、大体、発光ユニット10の幾何中心又は0°の角に対しての左右対称な分布であり、光束は、主に、40°~70°の範囲内に分布している。
【0017】
第3A図は、本発明の一実施例による発光装置の断面図であり、そのうちの射線は、発光装置が発した光束の軌跡を示す。第3B図は、第3A図中の装置の上面図である。第3A図では、X軸及びZ軸が、大体、発光ユニット10の幾何中心で交差するように設定される。第3A図に示すように、Z軸は、発光ユニット10の中心(即ち、仮想中心線L0)を通過し、X軸は、発光ユニット10の幾何中心を水平通過する。第二光学素子50の断面図は、大体、発光ユニット10の両側に設けられる台形であり、そのうち、第二光学素子の両側の上表面501は、下へ窪んだ凹面である。載置板20の上表面201は、鏡面の反射面であり、これにより、発光ユニット10が発した光束を発光装置2000の両側に導くことができる。第3A図中の左半分が示すのは、光束が上方へ進行する状態であり、右半分が示すのは、光束が下方へ進行する状態である。第二光学素子50内の光束の進行方式は、少なくとも、前述の上へ及び下への経路を含み、又は、この2つの経路の各種の組み合わせであっても良く、且つ全ては、大体、発光ユニット10を離れる方向に進行する。光束は、同様に、第二光学素子50を離れた時に、上表面501において屈折が生じる。なお、発光装置2000の第二光学素子50は、下へ窪んだ上表面501を有する。第3C図は、第3A図中の発光装置2000の直角座標光形図であり、図に示す3つの曲線は、それぞれ、3つの異なる方位の平面(例えば、第3B図に示す面A(90°)、面B(135°)、及び面C(180°))から測定した光強度である。第3C図では、横軸が示するのは、測定角度であり、縦軸は、相対光強度(a.u.)を示す。横軸上での0°、90°、及び-90°は、第3A図中の座標軸が示すように、90°及び-90°の方向は、大体、第3A図中の+X及び-X方向であり、0°の位置は、発光ユニット10の中心を通過する仮想中心線L0と重畳(overlap)する。第3C図中の横軸は、1つの平面(面A、面B、又は面C)上での観測角度を示し、縦軸は、相対光強度(a.u.)を示す。第3C図に示すように、発光装置2000の光強度分布は、大体、0°の角に対しての対称な分布であり、両側の約30°~60°では、最高光強度(約0.13 a.u)を有し、それは、中心領域+10°~-10°の間の最低光強度(約0.018 a.u)の約7.2倍である。第3D図は、第3A図中の装置の極座標光形図である。第3D図に示すように、発光装置2000の光強度分布も、大体、発光ユニット10の幾何中心又は0°の角に対しての左右対称な分布であり、光束は、主に、30°~60°の範囲内に分布している。第2A図中の発光装置1000に比べ、発光装置2000の主な相違点は、第二光学素子50が下へ窪んだ上表面501を有することにあり、これも、光学的分布に影響を与え得る。具体的に言えば、発光装置2000の最高光強度が所在する位置は、(発光装置1000の)40°~70°から、発光ユニット10の幾何中心に近づき、30°~60°になり、光束強度が比較的低い中心領域の分布は、+15°~-15°から、+10°~-10°に縮小し、発光装置2000の最大光強度と最低光強度の比も、発光装置1000よりも低い。
【0018】
第4A図は、本発明の一実施例による発光装置の断面図であり、そのうちの射線は、発光装置が発した光束の軌跡を示す。第4B図は、第4A図中の装置の上面図である。第4A図では、X軸及びZ軸が、大体、発光ユニット10の幾何中心で交差するように設定される。第4A図に示すように、Z軸は、発光ユニット10の中心(即ち、仮想中心線L0)を通過し、X軸は、発光ユニット10の幾何中心を水平通過する。第二光学素子50の断面図は、大体、発光ユニット10の両側に設けられる2つのアーク台形であり、そのうち、第二光学素子の両側の上表面501は、上へ突起した凸面である。載置板20の表面201は、鏡面の反射面であり、これにより、発光ユニット10が発した光束を発光装置3000の両側に導くことができる。第4A図中の左半分が示すのは、光束が上方へ進行する状態であり、右半分が示すのは、光束が下方へ進行する状態である。第二光学素子50内の光束の進行方式は、少なくとも、前述の上へ及び下への経路を含み、又は、この2つの経路の各種の組み合わせであっても良く、且つ全ては、大体、発光ユニット10を離れる方向に進行する。光束は、同様に、第二光学素子50を離れた時に、上表面501において屈折が生じる。なお、発光装置3000の第二光学素子50は、外へ突起した上表面501を有する。第4C図は、第4A図中の発光装置3000の直角座標光形図であり、図に示す3つの曲線は、それぞれ、3つの異なる方位の平面(例えば、第4B図に示す面A(90°)、面B(135°)、及び面C(180°))から測定した光強度である。第4C図では、横軸が示すのは、測定角度であり、縦軸は、相対光強度(a.u.)を示す。横軸上での0°、90°、及び-90°は、第4A図中の座標軸が示すように、90°及び-90°の方向は、大体、第4A図中の+X及び-X方向であり、0°の位置は、発光ユニット10の中心を通過する仮想中心線L0と重畳する。第4C図中の横軸は、1つの平面(面A、面B、又は面C)上での観測角度を示し、縦軸は、対光強度(a.u.)を示す。第4C図に示すように、発光装置3000の光強度分布は、大体、0°の角に対しての対称な分布であり、両側の約40°~60°では、最高光強度(約0.18 a.u)を有し、それは、中心領域+25°~-25°の間の最低光強度(約0.01 a.u)の約18倍である。第4D図は、第4A図中の装置の極座標光形図である。第4D図に示すように、発光装置3000の光強度分布も、大体、発光ユニット10の幾何中心又は0°の角に対しての左右対称な分布であり、光束は、主に、40°~60°の範囲内に分布している。第2A図中の発光装置1000に比べ、発光装置3000の主な相違点は、第二光学素子50が外へ突出した上表面501を有することにあり、これも、光学的分布に影響を与え得る。具体的に言えば、発光装置3000の最高光強度が所在する位置は、(発光装置1000の)40°~70°から、40°~60°に集中し、光束強度が比較的低い中心領域の分布は、+15°~-15°から、+25°~-25°に拡大し、また、発光装置3000の最大光強度と最低光強度の比も、発光装置1000よりも高いので、発光装置3000は、発光装置1000に比べ、より良い光強度のコントラスト(contrast)を提供することができる。
【0019】
第5図は、本発明の発光装置4000の断面図である。発光装置4000は、載置板20、発光ユニット10、第一光学素子30、第二光学素子50、及び第二光学素子50の上に設けられる第三光学素子52を含む。発光ユニット10は、発光構造101、発光構造101を取り込んで覆う透光層105、及び電極102、104を含み、発光構造101は、基板(図示せず)、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。基板は、エピタキシャル成長基板であっても良く、例えば、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又はヒ化ガリウム基板であり、第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層をエピタキシャル成長させるために用いられる。基板は、エピタキシャル成長のためでない材料、例えば、セラミックスなどの硬質基板であっても良く、又は、ガラス繊維又はトリアジン樹脂(BT)などの弾性有り基板であっても良い。基板は、製造プロセスにおいて薄化又は除去することができる。第二光学素子50及び第三光学素子52は、発光ユニット10が発した光束について言えば、共に透光性素子である。しかし、第二光学素子50及び第三光学素子52は、屈折率が異なる。例えば、第二光学素子50は、屈折率が1.5~1.6にあるエポキシ樹脂を含み、第三光学素子52は、屈折率が1.4~1.5にあるケイ酸樹脂を含む。一実施例では、第二光学素子50及び第三光学素子52は、同じ材料を含み、例えば、共にエポキシ樹脂又はケイ酸樹脂であるが、依然として異なる屈折率を有する。発光ユニット10が発した光束は、先ず、屈折率が比較的高い第二光学素子50を通過し、そして、屈折率が比較的低い第三光学素子52を通過し、これにより、光束を両側に集中させ、且つ中心領域の低輝度を保持することができる。発光装置4000では、光束は、発光ユニット10を離れた後に、順に第二光学素子50及び第三光学素子52を通過してから空気に進入する。発光装置4000では、光束は、屈折率が比較的低い空気に進入する前に、先に屈折率が空気と第二光学素子50との間にある第三光学素子52を通過しても良く、これにより、通過した界面の屈折率の差が比較的低く、全反射が生じ難いため、発光装置4000の光束の取り出し効果をより良くさせることができる。発光ユニット10のサイズは、第二光学素子50、第三光学素子52、又は載置板20又は上表面201上での反射層のサイズと、同一断面で比例関係を有する。例えば、第5図では、第二光学素子50又は第三光学素子52の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の3倍又はそれ以上であり、或いは、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の3倍又はそれ以上である。一実施例では、第二光学素子50又は第三光学素子52の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の5倍又はそれ以上である。一実施例では、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の10倍又はそれ以上である。
【0020】
第6A図は、本発明の一実施例中の発光ユニットの断面図である。発光ユニット10aは、発光構造101、第一電極102、第二電極104、透光層105、及び絶縁構造15を含む。発光構造101は、基板(図示せず)、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。基板は、エピタキシャル成長基板であっても良く、例えば、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又はヒ化ガリウム基板であり、第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層をエピタキシャル成長させるために用いられる。基板は、エピタキシャル成長のためでない材料、例えば、セラミックスなどの硬質基板であっても良く、又は、ガラス繊維又はトリアジン樹脂(BT)などの弾性あり基板であっても良い。基板は、製造プロセスにおいて薄化又は除去することができる。発光構造101は、さらに、下表面に設置される電極パッド1018、1019を含み、発光構造101の上表面は、側表面1101、1102及び透光層105に接する。透光層105は、基質1052及び蛍光粉の粒子1051を含み、且つ一部の蛍光粉の粒子1051は、発光構造101の上表面及び側表面1101、1102に接触する。電極パッド1018は、第一電極102に接し、電極パッド1019は、第二電極104に接する。第6A図に示すように、発光ユニット10aの中心領域に近い絶縁構造15は、発光構造101の下表面及び電極パッド1018、1019の一部の表面に直接接触し、且つ電極パッド1018、1019と、対応する電極102、104との間に形成される。発光ユニット10aの両側に近い絶縁構造15は、透光層105と電極102、104との間に形成され、且つ透光層105が両側の絶縁構造15に接する表面は、さらに、絶縁構造15に近い又は直接接触する一部の蛍光粉の粒子1051が存在する。第6A図に示すように、絶縁構造15の最下表面は、弧状の輪郭を有し、電極102、104は、絶縁構造15の輪郭に沿って形成されたから絶縁構造15の輪郭に類似した形状を有する一部を含む。
【0021】
基質1052は、シリコンベースの基質材料、エポキシ樹脂ベースの基質材料、又はこの両者を含む。基質1052の屈折率(n)は、約1.4~1.6又は1.5~1.6の間にある。蛍光粉の粒子1051の関連記載は、前述の関連段落を参照できるため、このでは、その詳しい説明を省略する。絶縁構造15は、白漆(white paint)を固化することで形成される。白漆は、ベース材料及びベース材料中に分散している複数の反射粒子(図示せず)を含む。ベース材料は、シリコンベースの基質材料(silicone-based material)、エポキシ樹脂ベースの基質材料(epoxy-based material)、又はこの両者を含み、また、約1.4~1.6又は1.5~1.6の間にある屈折率(n)を有する。一実施例では、ベース材料は、PIやBCB、PFCB、PMMA、PET、PC、PEI(Polyetherimide)、フルオロカーボン重合体(Fluorocarbon Polymer)を含んでも良い。反射粒子は、二酸化チタン、二酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、又は二酸化ジルコニウムを含む。一実施例では、発光構造101が発した光束が絶縁構造15に入射する時に、光束は、反射され得る。具体的に言えば、絶縁構造15において生じた反射は、拡散反射(diffuse reflection)に属する。
【0022】
白漆は、約0.5~1000Pa・sの粘度(例えば、0.5、1、2、10、30、100、500、1000)及び約40~90の間にある硬度(shore D)を有する。或いは、白漆は、約100~1000Pa・sの粘度(例えば100、300、500、1000、5000、10000)及び約30~60の間にある硬度(shore D)を有する。
【0023】
第6B図は、本発明の一実施例中の発光ユニットの断面図である。発光ユニット10bは、発光構造101、第一電極102、第二電極104、透光層105、及び絶縁構造15を含む。発光構造101は、基板(図示せず)、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。基板は、エピタキシャル成長基板であっても良く、例えば、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又はヒ化ガリウム基板であり、第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層をエピタキシャル成長させるために用いられる。基板は、エピタキシャル成長のためでない材料、例えば、セラミックスなどの硬質基板、又は、ガラス繊維又はトリアジン樹脂(BT)などの弾性有り基板であっても良い。基板は、製造プロセスにおいて薄化又は除去することができる。発光構造101は、さらに、下表面に設けられる電極パッド1018、1019を含み、発光構造101の上表面は、側表面1101、1102及び透光層105に接する。透光層105は、基質1052及び蛍光粉の粒子1051を含み、且つ一部の蛍光粉の粒子1051は、発光構造101の上表面及び側表面1101、1102に接触する。電極パッド1018は、第一電極102に接し、電極パッド1019は、第二電極104に接する。絶縁構造15は、第一部分1501、第二部分1502、及び第三部分1503を含み、第一電極102は、第一部分1501と第二部分1502との間に形成され、第二電極104は、第三部分1503と第二部分1502との間に形成され、且つ第二部分1502は、発光構造101の下表面に直接接触する。第一電極102及び第二電極104の最下表面は、大体、絶縁構造15の最下表面と共平面である。一実施例では、発光ユニット10bは、第一電極102及び第二電極104が省略され、また、絶縁構造15の最下表面が、大体、電極パッド1018、1019の最下表面と共平面であるようにさせる。そのうち、基質1052、蛍光粉の粒子1051、及び絶縁構造15については、前述の関連段落の記載を参照できるため、ここでは、詳しい説明を省略する。
【0024】
本発明の各実施例では、本発明の思想に反しない限り、発光ユニット、例えば、発光ユニット10、10a、10bを任意に選択しても良い。言い換えると、前述の各実施例中の発光ユニット10は、発光ユニット10a又は10bにより置換されても良い。
【0025】
第7図は、本発明一実施例における発光装置の断面図である。第7図では、X軸及びZ軸が、大体、発光構造101の幾何中心で交差するように設定される。第7図に示すように、Z軸は、発光構造101の中心(即ち、仮想中心線L0)を通過し、X軸は、水平に発光構造101の幾何中心を通過する。発光装置5000は、載置板20、発光構造101、第一光学素子30、第二光学素子50、及び電極106、108を含む。発光構造101は、電極パッド1018、1019により載置板20上表面201上での回路に接続され、さらに回路を経由して載置板20の下表面202上での電極106、108に接続され、そして、電極106、108により外部回路に接続され、電力を受けて発光する。発光構造101は、基板(図示せず)、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。基板は、エピタキシャル成長基板であっても良く、例えば、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又はヒ化ガリウム基板であり、第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層をエピタキシャル成長させるために用いられる。基板は、エピタキシャル成長のためでない材料、例えば、セラミックスなどの硬質基板、又は、ガラス繊維又はトリアジン樹脂(BT)などの弾性有り基板であっても良い。基板は、製造プロセスにおいて薄化又は除去することができる。発光構造101は、電極パッド1018、1019により導電材料(例えば、はんだ)を経由して載置板20上での回路に接触する。発光装置5000は、発光装置1000と類似した光学特性を有し、発光装置5000と発光装置1000との構造上での相違点は、発光装置5000が透光層105を含まないことにある。光学特性は、発光強度、光強度分布、色温度、及び発光波長を含む。第7図に示すように、第一光学素子30は、発光構造101の上に直接形成され、第二光学素子50は、発光構造101及び第一光学素子30を取り込んで直接接触する。第一光学素子30の幅は、発光構造101の幅に略等しい。第二光学素子50は、発光構造101を取り囲むと同時に、第一光学素子30及び発光構造101に接触する。第二光学素子50は、上表面501及び下表面502を有し、上表面501は、第一光学素子30の側表面に直接的に接するが、第一光学素子30の最上表面に接触しない。一実施例では、上表面501は、第一光学素子30の側表面に直接接触せず、第二光学素子50は、さらに、上表面501及び第一光学素子30の側表面に接続される近似水平の最上表面5010を有する。第二光学素子50は、発光構造101を取り囲み、且つ上表面501の最高点は、発光構造101の最上表面の上にあるが、第一光学素子30の最上表面よりも低い。一実施例では、発光装置5000中の発光構造101と第一光学素子30との間の距離は、両者が互に直接接触するのため短縮され、これにより、発光構造101が第一光学素子30方向へ発した光束は、発光構造101を離れるための十分な空間がないため、発光構造101へ反射されやすく、発光構造101が発した光束は、発光構造101と第一光学素子30との間に閉じ込められ(trapped)、発光構造101の両側へ導かれ難い。
【0026】
第8図は、本発明の一実施例における発光装置の断面図である。第8図では、X軸及びZ軸が、大体、発光ユニット10の幾何中心で交差するように設定される。第8図に示すように、Z軸は、発光ユニット10の中心(即ち、仮想中心線L0)を通過し、X軸は、水平に発光ユニット10の幾何中心を通過する。発光装置6000は、載置板20、発光ユニット10、第一光学素子30、及び第二光学素子50を含む。発光ユニット10は、発光構造101、発光構造101を取り込んで覆う透光層105、及び電極102、104、106、108を含む。発光構造101は、基板(図示せず)、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。基板は、エピタキシャル成長基板であっても良く、例えば、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又はヒ化ガリウム基板であり、第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層をエピタキシャル成長させるために用いられる。基板は、エピタキシャル成長のためでない材料、例えば、セラミックスなどの硬質基板、又は、ガラス繊維又はトリアジン樹脂(BT)などの弾性有り基板であっても良い。基板は、製造プロセスにおいて薄化又は除去することができる。発光装置6000中の、発光装置1000、2000、3000、4000と同じ名称又は符号の素子は、前述の説明を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。第8図に示すように、第二光学素子50の上表面501は、弧状の輪郭を有し、且つ上表面501は、第一光学素子30よりも高い。よって、発光装置6000の第二光学素子50は、大体、発光ユニット10及び第一光学素子30を完全に覆い、且つ第一光学素子30の側壁も、第二光学素子50により覆われる。しかし、幾つかの場合、第一光学素子30の側壁は、依然として、第二光学素子50により覆われず、外部媒体に露出する可能性がある。第二光学素子50の上表面501は、第一光学素子30の辺縁又は側面と直接接触しても良く、又は、ゼロよりも大きい距離を有しても良い。発光装置6000では、上表面501と下表面502(又は、載置板20の上表面201)が接する箇所では、夾角θを成す。一実施例では、夾角θは、90°よりも小さく、例えば、45°である。一実施例では、夾角θは、90°よりも大きく、例えば、120°である。発光ユニット10のサイズは、第二光学素子50、又は載置板20又は上表面201上での反射層のサイズと、同一断面上で比例関係を有する。例えば、第8図では、第二光学素子50の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の3倍又はそれ以上であり、或いは、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の3倍又はそれ以上である。一実施例では、第二光学素子50の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の5倍又はそれ以上である。一実施例では、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光ユニット10の最大幅の10倍又はそれ以上である。
【0027】
第9A図は、本発明の一実施例における発光装置の断面図である。第9B図は、第9A図中の装置の上面図である。第9A図では、X軸及びZ軸が、大体、発光構造101の幾何中心で交差するように設定される。第9A図に示すように、Z軸は、発光構造101の中心(即ち、仮想中心線L0)を通過し、X軸は、水平に発光構造101の幾何中心を通過する。発光装置7000は、載置板20、発光構造101、第一光学素子30、第二光学素子50、及び電極106、108を含む。発光構造101は、電極パッド1018、1019、基板(図示せず)、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。基板は、エピタキシャル成長基板であっても良く、例えば、サファイア、炭化ケイ素、窒化ガリウム、又はヒ化ガリウム基板であり、第一型半導体層、活性層、及び第二型半導体層をエピタキシャル成長させるために用いられる。基板は、エピタキシャル成長のためでない材料、例えば、セラミックスなどの硬質基板、又は、ガラス繊維又はトリアジン樹脂(BT)などの弾性有り基板であっても良い。基板は、製造プロセスにおいて薄化又は除去することができる。発光装置7000及び該発光装置中の同じ名称又は符号の素子は、前述の説明を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。第9A図に示すように、第二光学素子50の上表面501は、弧状の輪郭を有し、且つ上表面501は、第一光学素子30よりも高い。よって、発光装置7000の第二光学素子50は、大体、発光ユニット10及び第一光学素子30を完全に覆い、且つ第一光学素子30の側壁も、第二光学素子50により覆われる。しかし、幾つかの場合、第一光学素子30の外縁は、依然として、第二光学素子50により覆われず、外部媒体に露出する可能性がある。第二光学素子50の上表面501は、第一光学素子30の辺縁又は側面と直接接触しても良く、又は、ゼロよりも大きい距離を有しても良い。第二光学素子50は、第一光学素子30の側壁を覆い、上表面501と下表面502(又は、載置板20の上表面201)が接する箇所では、夾角θを成す。一実施例では、夾角θは、90°よりも小さく、例えば、45°である。一実施例では、夾角θは、90°よりも大きく、例えば、120°である。
【0028】
第9C図は、第9A図中の発光装置7000の直角座標光形図であり、図に示す3つの曲線は、それぞれ、3つの異なる方位の平面(例えば、第9B図に示す面A(90°)、面B(135°)、及び面C(180°))から測定した光強度である。第9C図中の横軸が示すのは、測定角度であり、縦軸は、相対光強度(a.u.)を表す。横軸上での0°、90°、及び-90°は、第9A図中の座標軸が示すように、90°及び-90°の方向は、大体、第3A図中の+X及び-X方向であり、0°の位置は、発光構造101の中心を通過した仮想中心線L0と重畳する。第9C図中の横軸は、1つの平面(面A、面B、又は面C)上での観測角度を示し、縦軸は、相対光強度(a.u.)を示す。第9C図に示すように、発光装置7000の光強度分布は、大体、0°の角に対しての対称な分布であり、両側の約40°~50°では、最高光強度(約1.2 a.u)を有し、中心領域+10°~-10°の間の最低光強度(約0.3 a.u)の約4倍である。第9D図は、第9A図中の装置の極座標光形図である。第9D図に示すように、発光装置7000の光強度分布は、大体、発光構造101の幾何中心又は0°の角に対しての左右対称な分布であり、光束は、主に、40°~50°の範囲内に分布している。第2A図中の発光装置1000に比べ、発光装置7000の相違点は、第二光学素子50が発光構造101及び第一光学素子30を覆い、且つ第一光学素子30の側壁も第二光学素子50により完全に覆われることにあり、そのため、発光装置7000の光学的分布に影響を与え得る。具体的に言えば、発光装置7000の最高光強度が所在する位置は、(発光装置1000の)40°~70°から、発光構造101の幾何中心に近づき、40°~50°になり、光束強度が比較的低い中心領域の分布は、15°~-15°から、+10°~-10°に縮小し、また、発光装置7000の最大光強度と最低光強度の比も、発光装置1000の最大光強度と最低光強度の比よりも小さい。
【0029】
もう1つの実施例では、第二光学素子50が発光構造101側に位置する部分は、第9E図に示すように、類似した台形の形状を有する。第9E図は、本発明の一実施例中の発光装置の断面図であり、そのうち、第二光学素子50の上表面501は、斜面であり、且つ上表面501と下表面502(又は、載置板20の上表面201)が接する箇所では、90°よりも小さい夾角θを形成する。一実施例では、夾角θは、45°である。
【0030】
第10A図は、本発明の一実施例における発光装置の上面図である。この上面図が所在する平面は、X軸及びY軸により構成され、X軸及びY軸は、発光装置8000の幾何中心で交差する。第10A図に示すように、Y軸は、垂直方向に発光装置8000の幾何中心を通過し、X軸は、水平方向に発光装置8000の幾何中心を通過する。発光装置8000は、載置板200、複数の発光装置1000、及びこれらの発光装置を覆う第四光学素子54(第10B図参照)を含む。発光装置1000は、載置板20、発光ユニット10、第一光学素子30、第二光学素子50、及び電極106、108(図示せず)を含む。発光ユニット10は、発光構造101(図示せず)、発光構造101を取り込んで覆う透光層105(図示せず)、及び電極102、104(図示せず)を含み、発光構造101は、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。前述の各素子の関連記載は、前述の段落中の同じ符号又は名称を有する素子の説明を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。載置板200の上表面201は、鏡面の反射面であり、これにより、発光ユニット10が発した光束を有効に取り出すことができる。これらの発光装置1000は、載置板200において一定の間隔でX方向及びY方向において規則に矩形アレイ状に配列され、各発光装置1000の光学特性、例えば、発光強度、光強度分布、色温度及び発光波長は、略同じである。他の実施例では、発光装置間の間隔の距離は、同じであっても良く、又は異なっても良く、或いは、同一方向上での間隔は、一方向へ次第に増加又は減少しても良い。他の実施例では、発光装置1000は、他の発光装置、例えば、発光装置2000、3000、4000、5000、6000、7000により置換されても良い。
【0031】
第10B図は、第10A図中の装置の断面図である。この断面図が所在する平面は、X軸及びZ軸により構成され、X軸及びZ軸は、発光装置8000の幾何中心で交差する。第10B図に示すように、Z軸は、垂直方向に発光装置8000の幾何中心を通過し、X軸は、水平方向に発光装置8000の幾何中心を通過する。第四光学素子54は、複数の発光装置1000を覆い、第四光学素子54は、これらの発光装置1000が発した光束を調整することができる。第四光学素子54は、単層構造又は複数層構造であっても良く、増光膜、プリズム膜、拡散膜及び/又は配向膜を含み、これにより、光束進行方向などを調整する光学効果を達成することができる。一実施例では、第四光学素子54は、さらに、蛍光粉又は量子ドット材料などの波長変換材料の薄膜を含んでも良い。第10B図に示すように、発光装置8000では、X方向及びY方向において一定の距離で発光装置1000が設けられ、且つ発光装置1000は、両側の光強度が中心の光強度よりも大きい特性(前述の各直角坐標/極座標光形図参照)を有し、これにより、発光装置8000は、均一性が高く、且つ明るいスポット又は暗いゾーンが無い平面ライトフィールドを提供することができる。より具体的に言えば、この平面ライトフィールドでは、最大輝度と最低輝度の差が最大輝度の3%~10%よりも小さく、又は、肉眼に見える暗いライン又は明るいラインがない。
【0032】
第11A図は、本発明の一実施例における発光装置の上面図である。この上面図が所在する平面は、X軸及びY軸により構成され、X軸及びY軸は、発光装置9000の幾何中心で交差する。第11A図に示すように、Y軸は、垂直方向に発光装置9000の幾何中心を通過し、X軸は、水平方向に発光装置9000の幾何中心を通過する。発光装置9000は、載置板200、複数の発光ユニット10、複数の第一光学素子30、複数の第二光学素子50、複数の回路層301、302、及び1つの第四光学素子54(第11B図参照)を含む。
【0033】
第11A図では、これらの発光ユニット10は、載置板200において一定の間隔でX方向及びY方向に一定の規則でアレイ状に配列され、アレイ整体のサイズは、表示器の映像のアスペクト比(Aspect Ratio)、例えば、4:3、3:2、16:9、18:9、1.85:1、2.39:1に符合しても良い。なお、アスペクト比についてのより多くの情報は、例えば、ウィキペディア(Wikipedia)を参照できる。各発光ユニット10の光学特性、例えば、発光強度、光強度分布、色温度、及び発光波長は、好ましくは、略同じである。しかし、発光ユニット10のこれらの特性の分布が不均一な場合、発光ユニット10を全領域又は一部の領域においてランダムに配列することで、発光ユニット10の特性不均一による視覚的影響を低減することができる。他の実施例では、発光ユニット10間の間隔の距離は、同じであっても良く、又は異なっても良く、或いは、同一方向上での間隔は、一方向へ次第に増加又は減少しても良い。また、他の実施例では、発光ユニット10は、他の発光ユニット、例えば、第6A図中の発光ユニット10a又は第6B図中の発光ユニット10bにより置換されても良い。
【0034】
第11B図は、第11A図中の装置の断面図である。この断面図が所在する平面は、X軸及びZ軸により構成され、X軸及びZ軸は、発光装置9000の幾何中心で交差する。第11Bに示すように、Z軸は、垂直方向に発光装置9000の幾何中心を通過し、X軸は、水平方向に発光装置9000の幾何中心を通過する。第11B図では、第四光学素子54は、発光ユニット10の上に設置されると共に、複数の第一光学素子30及び複数の第二光学素子50を覆う。一実施例では、第四光学素子54は、さらに、蛍光粉又は量子ドット材料などの波長変換材料の薄膜を含む。発光ユニット10は、発光構造101、発光構造101を取り込んで覆う透光層105、及び電極102、104を含み、発光構造101は、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。これらの各素子の関連記載は、関連段落中の同じ符号又は名称を有する素子を参照できるので、ここでは、その詳しい説明を省略する。載置板200には、各発光ユニット10の電極102、104に電気接続されるための回路層300が設けられる。より具体的に言えば、回路層300は、電極102、104にそれぞれ電気接続される回路層301、302を含む。回路層301、302が発光ユニット10に接する表面は、発光ユニット10が発した光束を反射又は散乱するために用いられ、回路層301、302が発光ユニット10に接する表面は、銀、金、銅、アルミニウムなどの反射性金属材料を含み、それは、発光ユニット10に電気接続されるために用いられる他に、発光ユニット10からの光束を上方/両側へ反射するためにも用いられる。反射の形態は、鏡面反射又は拡散反射であっても良く、回路層301、302が鏡面で光束を反射し得る場合、発光ユニット10が発した光束を発光装置9000の両側に有効に分散させることができる。
【0035】
一実施例では、第11C図に示すように、載置板200には、さらに、回路層300と全て又は一部重畳する表面層40が設けられ、且つ表面層40は、第四光学素子54により覆われる。第11C図は、本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。表面層40は、各発光ユニット10に対応して設置され、発光ユニット10が発した光束を反射するために用いられる。表面層40は、散乱面(光束が反射された後に複数の方向に進行し得る)であっても良く、或いは、表面層40は、鏡面(光束が反射された後に単一方向に進行し、即ち、入射角が反射角に等しい)であっても良い。表面層40の材料は、絶縁材料、例えば、白漆又はセラミックスインク、及び/又は、導電材料、例えば、銀、アルミニウムなどの金属を含む。鏡面、散乱面、及び白漆などの関連材料についての説明は、前述の関連段落を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。発光ユニット10が発した光束を反射するために、表面層40の面積は、好ましくは、第一光学素子30の面積よりも大きい。具体的に言うと、表面層40の載置板200における投影面積は、第一光学素子30の載置板200における投影面積よりも大きい。さらに言えば、表面層40の載置板200における投影面積も、第二光学素子50の載置板200における投影面積よりも大きい。一実施例では、表面層40の投影面積は、第二光学素子50の投影面積以下である。一実施例では、第一光学素子10は、1つの表面(例えば、X軸及びY軸により構成される平面)において125μm*225μmの投影面積を有し、且つ表面層40は、同じ表面において1mm*1mmの投影面積を有する。一実施例では、同じ平面上での第一光学素子30及び表面層40の投影は、同じ方向上での長さが、十分の一乃至二分の一の間にある比率、例えば、0.25、0.125を有する。より具体的に言えば、一実施例では、X軸及びY軸により構成される平面上での第一光学素子30の投影は、250μmの辺長を有し、同じ方向上での表面層40の投影は、1mmの辺長を有し、両者間の比率は、0.25である。表面層40が電気絶縁であれば、電極102、104に電気接続される箇所の少なくとも一部の回路層301、302は、表面層40により覆われない。表面層40は、載置板200の表面の上に形成され、且つ電極102、104と載置板200との間に選択的に延伸することができる。一実施例では、表面層40は、載置板200に設置され、発光ユニット10、第一光学素子30、及び第二光学素子50と重畳する。
【0036】
第11D図は、本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。第11D図に示すように、発光装置9000’は、載置板200、複数の発光ユニット10、複数の第一光学素子30、複数の第五光学素子56、及び1つの第四光学素子54を含む。第四光学素子54は、発光ユニット10の上に設置されると共に、複数の第一光学素子30及び複数の第五光学素子56を覆う。第五光学素子56は、上表面561、下表面562、及び側表面563を有する。側表面563は、上表面561と下表面562との間に位置し、上表面561は、第一光学素子30の上表面よりも少し高く(例えば、上表面501と第一光学素子30の上表面との間の距離は、第一光学素子30の厚さの1~5倍以下であり、例えば、厚さの2倍以下である)、或いは、第一光学素子30の上表面561と同一平面であり、下表面562は、載置板200に接する。一実施例では、上表面561は、第一光学素子30の上表面と略共平面(又は、同一平面)である。発光ユニット10は、発光構造101、発光構造101を取り込んで覆う透光層105、及び電極102、104を含み、発光構造101は、第一型半導体層(図示せず)、活性層(図示せず)、及び第二型半導体層(図示せず)を含む。載置板200は、回路層300を含み、回路層は、それぞれ電極102、104に電気接続される回路層301、302を含む。これらの各素子の関連記載は、前述の段落中の同じ符号又は名称を有する素子を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。第11D図では、各第五光学素子56は、1つの発光ユニット10を取り囲み、且つ少なくとも一部の発光ユニット10が発した光束は、第一光学素子30により反射(及び/又は散乱)された後に、上表面561及び側表面563を経由して第五光学素子56を離れる。
【0037】
一実施例では、第11E図に示すように、載置板200には、さらに、回路層300と重畳する表面層40が設けられる。第11E図は、本発明の一実施例中の発光装置の断面図である。発光装置9000’は、載置板200に設置される表面層40を含み、且つ表面層40は、第五光学素子56と重畳する。一実施例では、表面層40は、側表面563を超えており、且つ第五光学素子56により覆われない一部を含む。表面層40の面積は、さらに、異なるニーズに応じて調整されても良く、例えば、第五光学素子56が覆う面積よりも大きく、小さく又はそれに等しくでも良い。表面層40の関連記載は、前述の段落中の同じ符号又は名称を有する素子を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。
【0038】
発光装置9000、9000’では、X方向及びY方向において一定の距離で発光ユニット10、第一光学素子30、第五光学素子56、及び第四光学素子50が設けられることで、発光ユニット10が発した光束を両側に分散させる効果(第2A図及びその関連段落並びに前述の各直角坐標/極座標光形図参照)を達成し、これにより、発光装置9000、9000’は、均一性が高く、且つ明るいスポットや暗いソーンがない平面ライトフィールドを提供することができる。より具体的に言えば、この平面ライトフィールドでは、最大輝度と最低輝度の差が最大輝度の3%~10%よりも小さく、又は、肉眼に見える暗いラインや明るいラインが無い。他の実施例では、発光装置9000、9000’は、発光ユニット10a又は10bを含む。他の実施例では、発光装置8000、9000、9000’は、2種類又は複数種類の発光ユニットを含み、発光ユニットは、発光ユニット10、10及び10bであっても良い。
【0039】
第12A図は、本発明の一実施例による発光装置の断面図であり、そのうちの射線は、発光装置が発した光束の軌跡を示す。第12B図は、第12A図中の装置の上面図である。第12A図では、X軸及びZ軸が、大体、発光ユニット10の幾何中心で交差するように設定される。第12A図に示すように、Z軸は、発光ユニット10の中心(即ち、仮想中心線L0)を通過し、X軸は、発光ユニット10の幾何中心を水平通過する。発光装置1000’では、第二光学素子50の断面図は、大体、発光ユニット10に両側に設けられる2つの矩形であり、そのうち、第二光学素子50の両側の上表面501は、載置板20の上表面201に略平行な平面であり、且つ上表面501は、第一光学素子30の上表面より少し高く(例えば、上表面501と第一光学素子30の上表面との間の距離は、第一光学素子30の厚さの1~5倍以下であり、例えば、厚さの2倍以下である)、或いは、第一光学素子30の上表面と同一平面である。載置板20の上表面201は、鏡面の反射面であり、これにより、発光ユニット10が発した光束を発光装置1000’の両側に導くことができる。第12A図では、光束が両側へ進行する状態を示しており、光束は、上表面201及び第一光学素子30により反射された後に、側表面503を経由して第二光学素子50を離れる。一部の光束は、上表面501を経由して第二光学素子50を離れることができる。第12C図は、第12A図中の発光装置1000’の直角座標光形図であり、図に示す3つの曲線は、それぞれ、3つの異なる方位の平面(例えば、第12B図に示す面A(90°)、面B(135°)、及び面C(180°))から測定した光強度である。第12C図中の横軸が示すのは、測定角度であり、縦軸は、相対光強度(a.u.)を表す。横軸上での0°、90°、及び-90°は、第12A図中の座標軸が示すように、90°及び-90°の方向は、大体、第12A図中の+X及び-X方向であり、0°の位置は、発光ユニット10の中心を通過する仮想中心線L0と重畳する。第12C図中の横軸は、1つの平面(面A、面B、又は面C)上での観測角度を示し、縦軸は、相対光強度(a.u.)を示す。第12C図に示すように、発光装置1000’の光強度分布は、大体、0°の角に対しての対称な分布であり、両側の約30°~50°では、最高光強度(約1.1 a.u)を有し、それは、中心領域+10°~-10°の間の最低光強度(約0.6 a.u)の約1.8倍である。第12D図は、第12A図中の装置の極座標光形図である。第12D図に示すように、発光装置1000’の光強度分布も、大体、発光ユニット10の幾何中心又は0°の角に対しての左右対称な分布であり、光束は、主に、30°~90°の範囲内に分布している。第1A図中の発光装置1000に比べ、発光装置1000’の主な相違点は、第二光学素子50が左右へ載置板20の辺縁に延伸し、且つ側表面503が載置板20の側表面と略共平面であることにある。また、第二光学素子50は、平坦な上表面501を有し、これも光学的分布に影響を与え得る。具体的に言うと、発光装置1000’の最高光強度が所在する位置は、(発光装置1000の)40°~70°から、発光ユニット10の幾何中心に近づき、30°~50°になり、光束強度が比較的低い中心領域の分布は、+15°~-15°から、+10°~-10°に縮小し、また、発光装置1000’の最大光強度と最低光強度との比も、発光装置1000よりも低い。
【0040】
また、他の発光素子により発光装置1000’中の発光ユニット10を置換しても良い。第12E図を参照して、第12E図は、本発明の一実施例による発光装置の断面図である。発光装置1000’は、載置板20、発光構造101、第一光学素子30、第二光学素子50、及び電極106、108を含み、発光構造101の関連記載は、前述の関連段落を参照できる。発光装置1000’では、発光構造101の中心を通過する仮想中心線L0が第二光学素子50の上表面501に垂直であり、且つ仮想中心線L0を含む平面であって、第二光学素子50の側表面503に平行な平面が存在する。発光構造101は、第一光学素子30及び第二光学素子50に接する。第12A図の発光装置1000’に比べ、光束は、透光層105を経由せず、透光層105により吸収されない。第一光学素子30は、コーティング(coating)、堆積(deposition)、又は粘着(adhesion)の方式で発光構造101の上に形成されても良い。一実施例では、粘着層が第一光学素子30と発光構造101との間に形成され、これにより、両者を接続し、又は両者間の接着強度を向上させる。第二光学素子50の断面図は、大体、発光構造101の両側に設けられる2つの矩形であり、これにより、第二光学素子50の両側の上表面501は、載置板20の上表面201に略平行な平面であり、上表面501は、第一光学素子30の上表面によりも少し高く(例えば、上表面501と第一光学素子30の上表面との間の距離は、第一光学素子30の厚さの1~5倍以下であり、例えば、厚さの2倍以下である)、或いは、第一光学素子30の上表面と同一平面である。載置板20の上表面201は、鏡面の反射面であり、これにより、発光ユニット10が発した光束を発光装置1000’の両側に導くことができる。第一光学素子30の反射、及び、第二光学素子50と上表面201との組み合わせにより、発光構造101が発した光束を発光装置1000’の両側に導き、側表面503を経由して第二光学素子50から離れるようにさせる。よって、発光装置1000’は、上表面501の方向において、仮想中心線L0に近い光強度が、仮想中心線L0を離れる(例えば、側表面503に近い部分)の光強度よりも低い。言い換えうると、発光装置1000’は、両側の光強度が中心の光強度よりも大きい特性を有する。なお、発光装置1000’の光強度分布は、上述の各素子の物理サイズ、組成(成分)などの規格パラメータを調整することで変更することができ、例えば、前述の各素子の規格パラメータを調整することで、発光装置1000’に、第2C~2D、3C~3D、4C~4D、9C~9D又は12C~12D図に示すような両側が高く、中心が低い光強度分布に類似したものを持たせることができる。
【0041】
一実施例では、反射層が載置板20の上表面に設置され、この反射層は、鏡面の反射面、散乱面(光束が反射された後に複数の方向に進行し得る)、或いは、鏡面の反射面及び散乱面を含む複合反射層であっても良い。第一光学素子30及び第二光学素子50の関連記載は、前述の関連段落を参照できる。
【0042】
第13A図は、本発明の一実施例における発光装置の上面図である。発光装置8000’は、載置板200、複数の発光装置1000’、及びこれらの発光装置1000’を覆う第四光学素子54(第13B図参照)を含む。発光装置1000’の関連記載は、前述の関連段落を参照できるため、ここでは、詳しい説明を省略する。一実施例では、載置板200の上表面201は、鏡面の反射面であり、これにより、発光構造101が発した光束を有効に取り出し、光束を第四光学素子54の方向へ反射することができ。これらの発光装置1000’は、載置板200において一定の間隔でX方向及びY方向において規則に矩形アレイ状に配列され、各発光装置1000’の光学特性、例えば、発光強度、光強度分布、色温度、及び発光波長は、略同じである。他の実施例では、発光装置間の間隔の距離は、同じであっても良く、又は異なっても良く、或いは、同一方向上での間隔は、一方向に次第に増加又は減少する。一実施例では、複数の発光装置1000’は、異なる光学特性を有し、例えば、光色、光強度及び/又は色温度は、異なる。同様に、発光装置1000’も、他の発光装置、例えば、発光装置1000、2000、3000、4000、5000、6000及び7000により置換されても良い。
【0043】
第13B図は、第13A図中の装置の断面図である。第四光学素子54は、複数の発光装置1000’を覆い、第四光学素子54は、これらの発光装置1000’が発した光束を調整することができる。具体的に言うと、第四光学素子54は、単層構造又は複層構造であっても良く、増光膜、プリズム膜、拡散膜、及び/又は配向膜を含み、これにより、光束の、例えば、進行方向、均一度などを調整し得る光学効果を提供する。一実施例では、第四光学素子54は、蛍光粉又は量子ドット材料などの波長変換材料の薄膜を含む。発光装置8000’では、X方向及びY方向において一定の距離で発光装置1000’が設置される。発光装置1000’が、両側の光強度が中心の光強度よりも高い特性を有するため、発光装置8000’は、均一性が高く、且つ明るいスポットや暗いゾーンがない平面ライトフィールドを提供することができる。より具体的に言えば、この平面ライトフィールドでは、最大輝度と最低輝度の差が最大輝度の3%~10%よりも小さく、又は、肉眼に見える暗いラインや明るいラインが無い。
【0044】
前述の段落に説明した発光装置(例えば、発光装置1000、2000、3000…)を単独で使用する応用、又は、複数の発光装置を組み合わせて新しい装置を成す応用(例えば、発光装置8000、8000’、9000…)の他に、発光装置は、さらに、異なるニーズに応じて、光学素子と一緒に使用しても良い。第14A図は、本発明の一実施例における発光装置の断面図である。発光装置5002は、発光装置5000に類似しており、関連記載は、前述の関連段落を参照できるため、ここでは、詳しい説明を省略する。第14A図では、発光装置5002は、第7図中の発光装置5000の上に設置される第六光学素子58を含む。より具体的に言えば、第六光学素子58は、発光装置5000の表面201、501及び第一光学素子30に接する内表面を含み、且つ第六光学素子58は、第二光学素子50と略同じ光学特性、例えば、屈折率を有する。他の実施例では、発光装置5000において第六光学素子58に接する粘着性材料が設けられても良く、粘着性材料は、選択的に、第一光学素子30、第二光学素子50、及び/又は載置板20の第六光学素子58に近い側に設けられても良い。第14A図に示すように、第六光学素子58は、大体、鏡面反射の対称な構造であり、これにより、仮想中心線L0は、大体、同時に発光構造101及び第六光学素子58の(幾何)中心を通過する。第六光学素子58は、下表面580、斜面581、底面582、及び上表面583を有し、全ては、略滑らかな面であるため、発光構造101が発した光束が光学素子58を通過する時にこれらの面で散射、屈折、又は全反射が生じることによる損失、及び、光束の進行経路を変更する影響を低減することができる。下表面580、斜面581、及び底面582が構成する輪郭は、大体、その接する発光装置5000の表面形状に符合し、これにより、光学素子58と発光装置5000との間のガス量を減少させることができ、また、光束の光学素子58と発光装置1000との間の損失を低減することもできる。下表面580の最小幅は、発光構造101、第一光学素子30の幅に略等しく、発光ユニット58の最大幅は、発光装置5000の幅と略等しく、下表面580は、第一光学素子30の表面に略平行である。一実施例では、下表面580は、斜面、或いは、窪み及び/又は突起を有する平面である。前述の段落に示すように、発光構造101が発した光束は、右下方((X,-Z)方向)及び/又は左下方((-X,-Z)方向)に向かって発光装置5000の外へ射出し、これにより、光束は、発光構造101を離れた後に第二光学素子50に入射し、また、発光構造5002の真上に集まることなくその周囲に分散することができる。第六光学素子58を設置した後に、第14A図に示すように、光束は、第二光学素子50を離れた後に、まず第六光学素子58を通過し、そして空気に進入する。この時に、第六光学素子58と空気との異なる屈折率により、光束を均一に周囲に分散させることができるとともに、ライトフィールドの分布のピーク値が仮想中心線L0を離れる方向へ移動するようにさせることもでき、例えば、第14G図に示すように、ライトフィールドの分布のピーク値が70°~80°の範囲内にあるようにさせることができる。一実施例では、第六光学素子58は、発光装置5000の上に設置され、且つ一部の第二光学素子50は、底面582と載置板20との間に位置し、又は、第六光学素子58の外に延びる。
【0045】
第六光学素子58及び二光学素子50の材料は、同じであっても良く、又は類似したものあっても良く、関連材料の記載は、前述の関連段落を参照できる。第六光学素子58は、選択的に、波長変換材料、例えば、染料、蛍光粉、量子ドット材料を含んでも良い。蛍光粉を波長変換材料として選択する場合、一部の隣接する蛍光粉の粒子が互に接触するが、一部の隣接する蛍光粉の粒子が互に接触しない。蛍光粉の粒径(例えば、特定の領域中の最大又は平均粒径)は、5um~100umにある。波長変換材料又は蛍光粉の関連記載は、前述の関連段落を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。もう1つの実施例では、第六光学素子58は、さらに、拡散粒子を含み、拡散粒子の材料は、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、又は酸化アルミニウムである。
【0046】
第14B図は、本発明の発光装置5002の上面図である。第14B図では、X軸及びY軸が、大体、発光構造101の幾何中心で交差するように設定される。第14B図に示すように、発光構造101は、第一光学素子30により完全に覆われ、且つ第六光学素子58は、発光構造101及び第一光学素子30全体を取り囲む。上面図に示すように、第六光学素子58は、略円形又は楕円形の輪郭を有し、且つ第六光学素子58の辺縁は、載置板20の辺縁に比べ、内へ縮む。第六光学素子58のサイズは、ニーズに応じて調整されても良く、例えば、第六光学素子58の辺縁が載置板20の1つ又は複数の辺縁に接するようにさせても良い。発光構造101のサイズは、載置板20又は上表面201上での反射層のサイズと、断面において比例関係を有する。発光構造101のサイズは、第二光学素子50、第六光学素子58のサイズと、断面において比例関係を有する。例えば、第14B図では、第二光学素子50又は第六光学素子58の最大幅は、発光構造101の最大幅の3倍又はそれ以上であり、或いは、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光構造101の最大幅の3倍又はそれ以上であり、これにより、光束を均一に周囲に分散させることができ、且つライトフィールドの分布のピーク値が仮想中心線L0を離れる範囲内にあり、又は、大角度(例えば、第14G図の70°~80°)の範囲内にあるようさせることができる。一実施例では、第二光学素子50又は第六光学素子58の最大幅は、発光構造101の最大幅の5倍又はそれ以上である。一実施例では、載置板20/上表面201上での反射層の最大幅は、発光構造101の最大幅の10倍又はそれ以上である。
【0047】
第14C図は、第14A図中の光学素子58の下面図である。下面図に示すように、第六光学素子58は、大体、鏡面対称な構造であり、下表面580は、第六光学素子58の中心位置にあり、斜面581は、下表面580から周囲へ、大体、底面582に延伸するので、第六光学素子58は、略対称な光学効果を提供することができる。第14A図を例とすると、第六光学素子は、仮想中心線L0を中心とする左右対称なライトフィールドの分布を提供することができる。或いは、第14B図を例とすれば、第六光学素子58又は発光装置5002の(幾何)中心(図示せず)を中心とする対称な円形のライトフィールドの分布を提供することができる。そのうち、下表面580は、平坦な面で且つ底面582よりも内へ窪み、これにより、発光装置と接続するための収納空間を形成することができる。また、第六光学素子58の内へ窪む程度(窪んだ深さ)は、発光装置の高さに従って調整することができ、例えば、下表面580の平坦程度、斜面581の傾斜程度、底面582の幅、及び/又はこれらの面のサイズと相対位置に基づいて調整されても良い。
【0048】
第14D1図は、本発明の一実施例中の光学素子の下面図である。第14D図では、第六光学素子58は、鏡面対称な構造であり、下表面580は、第六光学素子58の中心位置にある。第14D2図は、第14D1図中の光学素子の断面図である。より具体的に言えば、第14D2図は、第14D1図中の光学素子の線AA’に沿った断面図である。窪んだ表面584は、斜面581に類似しており、下表面580から周囲へ、大体、均一に底面582に延伸する。窪んだ表面584は、斜面581よりも表面583に近い部分を有し、特に、表面584の間の稜線5840である。稜線5840は、下表面580及び底面582に接続され、且つ稜線5840は、平坦な直線であり、稜線5840の数量は、下表面580のコーナーの数量に等しい。一実施例では、稜線5840は、1つ又は複数の、表面583に近づく又はそれを離れる方向へ弯曲した曲線を有する。第14D1図に示すように、斜面581は、窪んだ表面584の間に位置し、下表面580の側辺の位置と共線であり、且つ斜面581の数量は、下表面580の側辺の数量に等しく、斜面581は、さらに、底面582に接する箇所で弯曲した接面を有する。一実施例では、稜線5840の数量は、下表面580のコーナーの数量と異なる。一実施例では、斜面581の数量は、下表面580の側辺の数量と異なる。窪んだ表面584は、下表面580に近い部分で比較的広く、底面582に近い部分で比較的狭い。一実施例では、窪んだ表面584は、下表面580と底面582との間に一致した幅を有する。一実施例では、窪んだ表面584は、下表面580に近い部分で比較的狭く、底面582に近い部分で比較的広い。
【0049】
第六光学素子58が対称な構造であるため、第六光学素子58は、略対称な光学効果を提供することができる。そのうち、下表面580は、平坦な面で且つ底面582よりも内へ窪み、これにより、発光装置と接続されるための収納空間を形成することができる。また、下表面580の内へ窪む程度(窪んだ深さ)は、発光装置の高さに従って調整することができ、且つ下表面580は、発光装置の表面に略平行であり、特に、発光装置の特に一番高い箇所にある光学素子(例えば、光学素子30)の上側の表面に平行である。
【0050】
第14E図は、本発明の一実施例中の光学素子の断面図である。第七光学素子59は、第六光学素子58に類似しており、下表面590は、第七光学素子59の中心位置にあり、斜面591は、下表面590から周囲へ、略均一に底面592に延伸する。なお、第七光学素子59の表面593は、完全に平坦な表面でなく、複数の窪み5930を有する。窪み5930は、大体、規則な方式で表面593の上に設置され、且つ表面593に、変動した接線の傾き(slope)を持たせる。一実施例では、表面593は、不規則な方式でランダムに表面593の上に設置される複数の窪み5930を有する。具体的に言うと、第14E図に示すように、端点C20の位置は、端点C10の位置よりも高く、端点C10での接線C1の傾きは、端点C20での接線C2の傾きよりも大きい。しかし、より高い箇所の端点C30では、接線C3の傾きは、接線C2の傾きよりも大きい。言い換えると、表面593上での異なる位置の端点での接線の傾きは、底面592を離れる垂直距離が大きいほど(又は、端点の位置が高いほど)、その接線が穏やかであるということでなく、即ち、接線の傾きの絶対値は、ある高さ区間内で小さくなり、また、より高いある高さ区間内で大きくなり、これは、第14A図中の表面583の接線(図示せず)の傾きが高さの増加に伴って穏やかになる特性と異なる。例えば、前述の段落中で端点C20と端点C10との間の傾きの絶対値が高さの増加に伴って小さくなるが、もう1つの端点C30と端点C20との高さ区間内で、位置が比較的に高い端点C30での傾きの絶対値は、端点C20での傾きの絶対値よりも大きい場合がある。これらの接線の特性は、接線と底面592との間の夾角θで表すこともできる。第14F1~14F3図を参照して、第14F1~14F3図は、本発明の一実施例中の光学素子の断面図である。ある高さ区間内で1つの点を通過する接線と底面との夾角は、該点から底面592までの高さの増加に伴って小さくなる。例えば、第14F1図及び第14F2図中の夾角θ1は、(端点C10を通過した)接線C1と底面592との夾角を表し、夾角θ2は、(端点C20を通過した)接線C2と底面592との夾角を表し、且つ夾角θ2は、夾角θ1よりも小さい。第14F3図中の夾角θ3は、(端点C30を通過した)接線C3と底面592との夾角を表し、且つ夾角θ3は、夾角θ2よりも大きい。つまり、ある高さ区間内での夾角は、底面592までの高度の増加に伴って小さくなり、例えば、夾角θ2は、夾角θ1よりも小さく、また、より高い高さ区間内で、前の1つの高さ区間内で得られたそのうちの1つの夾角θの値より大きい、少なくとも1つの点の接線と底面592との間の夾角をさらに見つけることができ、例えば、夾角θ3は、夾角θ2よりも大きい。なお、前述の高さ区間内での傾き(又は、夾角θ)の変動条件に符合したこれらの接線と底面592との夾角は、最大でも90°以下であり、最小でも0°以上である。一実施例では、表面593は、複数の弧面を含み、且つこれらの弧面は、同じ又は異なる曲率半径を有する。なお、第14A~14E図に開示の第六光学素子58及び第七光学素子59は、共に、前述の発光構造101、発光ユニット(例えば、発光ユニット10、10a、10b)、及び発光装置(例えば、発光装置1000、1000’、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、9000’)と組み合わせて使用することができる。
【0051】
第14G図は、第14A図中の装置の光強度分布図である。第14G図は、前述の第2C図中の光強度を示す方法に類似しており、横軸及び縦軸の意味は、前述の関連段落を参照できるため、ここでは、詳しい説明を省略する。第14F図に示すように、発光装置5002の光強度分布は、大体、0°の角に対して対称な分布でり、両側の約60°~80°では、最高光強度(約0.2 a.u)を有し、中心領域+10°~-10°の間の最低光強度(約0.09 a.u)の約3倍である。
【0052】
第15A図は、本発明の一実施例における発光装置の上面図である。第15A図に示すように、発光装置8002は、発光装置8000に類似しており、発光装置8002は、載置板200、複数の発光装置5002、及びこれらの発光装置5002を覆う第四光学素子54(第15B図参考)を含み、同じ又は類似した符号を有する各素子の関連記載は、前述の関連段落中の同じ符号又は名称を有する素子を参照できるため、ここでは、その詳しい説明を省略する。第15A図に示すように、第六光学素子58は、載置板20を覆うが、少なくとも一部の載置板20を露出させる。これらの発光装置5002は、載置板200において一定の間隔でX方向及びY方向において規則に矩形アレイ状に配列され、各発光装置5002の光学特性、例えば、発光強度、光強度分布、色温度、及び発光波長は、略同じである。他の実施例では、発光装置間の間隔の距離は、同じであっても良く、又は異なっても良い、或いは、同一方向上での間隔は、一方向へ次第に増加又は減少する。
【0053】
第15B図は、第15A図中の装置の断面図である。第四光学素子54は、複数の発光装置5002を覆い、これらの発光装置5002からの光束を調整することで、発光装置8002は、均一性が高く、且つ明るいスポットや暗いゾーンがない平面ライトフィールドを提供することができる。より具体的に言えば、この此平面ライトフィールドでは、最大輝度と最低輝度の差が最大輝度の3%~10%よりも小さく、又は、肉眼に見える暗いラインや明るいラインが無く、また、第四光学素子54の関連記載は、前述の関連段落を参照できる。なお、第六光学素子58の設置により、光束をより均一に周囲へ伝播させ、発光装置8002がより均一な平面ライトフィールドを提供するようにさせることができる。一実施例では、第七光学素子59により、発光装置5002内の第六光学素子58を置換しても良い。
【0054】
第16A図は、本発明の一実施例による発光装置の断面図である。第16B図は、第16A図中の発光装置7000’の上面図である。第16A図は、X軸及びZ軸により構成される平面上での断面図であり、第16B図は、X軸及びY軸により構成される平面上で上面図であり、また、第16A図は、第16B図中の線BB’の沿った断面図である。発光装置7000’は、載置板20、発光構造101、第二光学素子50、回路層203、載置板20内に位置する回路層204、及び電極106、108を含み、回路層203、204以外の各素子の説明は、前述の関連する段落を参照できる。回路層203は、載置板20の上に形成され、回路層204は、載置板20を貫通する。より具体的に言えば、回路層204の第一線路2041及び第二線路2042は、上表面201に位置する回路層203及び下表面202に位置する電極106、108に電気的接続される。発光装置7000’では、第二光学素子50は、発光構造101に直接接触し、発光構造101が発した光束の一部は、上方へ進行して第二光学素子50の上表面501を経由して発光装置7000’を離れ、一部の光束は、載置板20への方向に進行して、また、載置板20の表面の回路層203により反射された後に側面503及び/又は上表面501を経由して発光装置7000’を離れる。回路層203は、鏡面反射面又は拡散反射面であっても良く、これにより、発光構造101が発した光束を発光装置7000’の上方及び/又は周囲に導くことができ、鏡面反射面及び拡散反射面に関する説明は、前述の関連する段落を参照できる。
【0055】
第16B図に示すように、発光構造101は、大体、載置板20の幾何中心の位置に設置される。回路層203は、第一回路層203a1、第二回路層203a2、第三回路層203b1、第四回路層203b2、第五回路層203c1及び第六回路層203c2を含む。発光構造101は、それぞれ、第一回路層203a1及び第二回路層203a2と重なり合い(overlap)、また、第一回路層203a1は、電極パッド1019に直接接触し、第二回路層203a2は、電極パッド1018に直接接触する。第一回路層203a1は、第五回路層203c1により第三回路層203b1に接続され、第二回路層203a2は、第六回路層203c2により第四回路層203b2に接続され、また、回路層203a1、203a2の最大幅は、回路層203c1、203c2の最大幅よりも広い(大きい)。比較的狭い回路層203c1、203c2は、発光構造101と回路層203とを粘着するための粘着材料(図示せず)が回路層203a1、203a2に留まり、回路層203c1、203c2を経由して回路層203b1、203b2へ流れて到着しないようにさせることができる。粘着材料は、はんだなどのような、加工プロセスにおいて流れやすい導電材料であっても良い。具体的に言えば、粘着材料は、絶縁材料(例えば、載置板20)よりも、金属材料(例えば、回路層203)において流れやすいので、粘着材料は、通常、金属回路層の配線に沿って流れる。回路層203c1、203cの設置により、回路層203c1、203c的最大幅が回路層203a1、203a2の最大幅よりも狭い(小さい)ため、粘着材料が回路層203b1、203b2へ流れる経路が短縮され、粘着材料が回路層203b1、203b2へ流れ難くなり、これにより、回路層203a1、203a2と回路層203b1、203b2との間に十分な粘着材料を保ち、信頼性のある電性的接続を維持することができ、また、粘着材料が回路層203b1、203b2へ流れて到着することによりその反射性に影響を与えることを避けることもできる。第一回路層203a1及び第二回路層203a2の形状は、ともに、略矩形であり、また、発光構造101に対して左右対称に載置板20の上に設置される。第三回路層203b1及び第四回路層203b2の形状は、異なるが、発光構造101の両側に対応して設置され、第五回路層203c1及び第六回路層203c2は、発光構造101に対して回転対称な構造を構成する。一実施例では、第三回路層203b1及び第四回路層203b2の形状は、同じであり、また、発光構造101を中心として回路層203が上表面201上で180°回転した後の図形は、本来の図形と一致し、これにより、回路層203が回転対称(rotational symmetrical)な図形であるようにさせることができる。回路層204の第一線路2041は、第三回路層203b1と重なり合い、第二線路2042は、第四回路層203b2と重なり合う。一実施例では、第一線路2041及び第二線路2042は、載置板20中の貫通孔の内壁上又は貫通孔の略全部の空間中に形成され、その材料は、金属又は他の導電材料である。なお、線路2041、2042の、回路層203に接する表面は、平坦でない表面、例えば、突起又は窪みがある表面である。一実施例では、線路2041、2042の、電極106、108に接する表面は、平坦でない表面、例えば、突起又は窪みがある表面である。
【0056】
第16C図は、本発明の他の実施例における発光装置の上面図である。第16C図に示すように、回路層203は、さらに、第七回路層203d1及び第八回路層203d2を含み、第七回路層203d1及び第八回路層203d2は、発光構造101に対して略対称に載置板20の上に設置される。なお、回路層203は、発光構造101が発した光束を反射し得る材料により構成される。よって、第七回路層203d1及び第八回路層203d2の設置により、発光構造101から回路層203d1、203d2への方向上での光の強度を改善することができ、これにより、元々載置板20に照射した光束を回路層203d1、203d2から外へ反射させることができる。言い換えると、第16A~16B図の実施例に比べ、第16C図の回路層203は、載置板20の表面上でより大きい領域を覆うことにより、より良い反射効果を達成することができる。具体的に言えば、第16C図の実施例では、上面図から見ると、発光装置7000’は、X軸及びY軸により構成される平面上で、発光構造101を円心とし且つ略円形である光強度の分布を提供することができる。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を離脱しない限り、本発明に対するあらゆる変さらには本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0058】
10、10a、10b:発光ユニット
12:波長変換構造
20、200:載置板
30:第一光学素子
50:第二光学素子
52:第三光学素子
54:第四光学素子
56:第五光学素子
58:第六光学素子
59:第七光学素子
101:発光構造
1011、1012:側表面
102、104、106、108:電極
1018、1019:電極パッド
15:絶縁構造
1501、1502、1503:部分
105:透光層
1051:蛍光粉の粒子
1052:基質
201、202、501、502、503、561、562、563、5010、580、583、584、590、593:表面
581、591:斜面
582、592:底面
5840:稜線
5930:窪み
300、301、302、203、203a1、203a2、203b1、203b2、203c1、203c2、203d1、203d2、204、2041、2042:回路層
40:表面層
1000、1000’、2000、3000、4000、5000、5002、6000、7000、7000’、8000、8000’、8002、9000、9000’:発光装置
L0:中心線
L1:光束
C10、C20、C30:端点
C1、C2、C3:接線
AA’、BB’:線
θ、θ1、θ2、θ3:夾角