(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】注入サイト情報キャップ
(51)【国際特許分類】
A61M 39/20 20060101AFI20240112BHJP
A61M 5/14 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
A61M39/20
A61M5/14
(21)【出願番号】P 2022161624
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2022104790の分割
【原出願日】2014-03-13
【審査請求日】2022-10-14
(32)【優先日】2013-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター ジョン ボチェンコ
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-537250(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0323208(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0112473(US,A1)
【文献】特開平11-076380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/20
A61M 5/14
A61M 39/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャップであって、
注入サイトの注入ポートに取り外し可能に結合しかつカバーするように構成される係合部分と、
前記係合部分が、前記注入ポートに結合されるまたは結合されているとき、少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされた、前記キャップ上の少なくとも1つの情報要素と、
を備え
、
第1端および反対側の第2端をさらに備え、前記係合部分は、前記キャップの前記第1端上の第1の係合部分と、前記キャップの前記反対側の第2端上の第2の係合部分を含み、前記少なくとも1つの情報要素は少なくとも1つの第1の情報要素と少なくとも1つの第2の情報要素を含み、前記注入サイトの前記注入ポートは、第1の注入サイトの第1の注入ポートと、第2の注入サイトの第2の注入ポートを含み、
前記キャップの前記第1端上の前記第1の係合部分は、前記第1の注入サイトの前記第1の注入ポートに取り外し可能に結合しかつカバーするように構成され、
前記少なくとも1つの第1の情報要素は、前記キャップの前記第1の係合部分の外面上にあり、前記第1の係合部分が前記第1の注入ポートに結合されているまたは結合されるとき、前記少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされ、
前記キャップの前記反対側の第2端上の前記第2の係合部分は、前記第2の注入サイトの前記第2の注入ポートに取り外し可能に結合しかつカバーするように構成され、
前記少なくとも1つの第2の情報要素は、前記キャップの前記第2の係合部分の外面上にあり、前記第2の係合部分が前記第2の注入ポートに結合されているまたは結合されるとき、前記少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされる、ことを特徴とするキャップ。
【請求項2】
キャップであって、
注入サイトの注入ポートに取り外し可能に結合しかつカバーするように構成される係合部分と、
前記係合部分が、前記注入ポートに結合されるまたは結合されているとき、少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされた、前記キャップ上の少なくとも1つの情報要素と、
を備え、
第1端および反対側の第2端をさらに備え、前記係合部分は、前記キャップの前記第1端上の第1の係合部分と、前記キャップの前記反対側の第2端上の第2の係合部分を含み、前記少なくとも1つの情報要素は少なくとも1つの第1の情報要素と少なくとも1つの第2の情報要素を含み、
前記キャップの前記第1端上の前記第1の係合部分は、前記注入ポートをカバーするように構成され、
前記キャップの前記第1の係合部分の外面上の、前記少なくとも1つの第1の情報要素は、前記第1の係合部分が前記注入ポートに結合されているまたは結合されるとき、前記少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされ、
前記キャップの前記反対側の第2端上の前記第2の係合部分は、前記注入ポートをカバーするように構成され、
前記キャップの前記第2の係合部分の外面上の、前記少なくとも1つの第2の情報要素は、前記第2の係合部分が前記注入ポートに結合されているまたは結合されるとき、前記少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされる、
ことを特徴とするキャップ。
【請求項3】
前記係合部分は、前記注入ポート上の雄ルアーロックねじ山に結合するように構成された雌ルアーロックねじ山を含むことを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの情報要素は光学的にエンコードされた情報を含むことを特徴
とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項5】
前記光学的にエンコードされた情報は、光学像を含むことを特徴とする請求項
4に記載のキャップ。
【請求項6】
前記光学像は、1次元バーコード、2次元バーコード、符号、または絵を含むことを特徴とする請求項
5に記載のキャップ。
【請求項7】
前記係合部分の前記注入ポートとの結合時に前記注入ポートを消毒するための消毒剤をさらに備え、前記少なくとも1つの情報要素は、前記注入ポートの消毒状態を特徴付けるデータを封入することを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項8】
前記注入ポートは、患者または輸液消耗リザーバに流体的に結合されることを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの情報要素は、介護者識別、患者の識別、前記患者のケアに関連して行われる手続きステップ、廃棄物処理の状態、実験室試料、前記患者のための呼吸管理、および前記患者のための食事管理のうちの1つまたは複数を特徴付けるデータを封入することを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項10】
前記キャップは、複数の色分類項目の1つで色分けされ、各色分類項目は、介護者識別、患者ケア手続き活動、実験室試料、前記注入ポートの状態、前記注入ポートに注入される輸液、および患者の状態のうちの1つまたは複数を特徴付けることを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの情報要素は、複数の色分類項目の1つで色分けされ、各色分類項目は、介護者識別、患者ケア手続き活動、実験室試料、前記注入ポートの状態、前記注入ポートに注入される輸液、および患者の状態のうちの1つまたは複数を特徴付けることを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項12】
前記情報要素は、前記キャップの外面に貼り付けられ、または前記キャップの外面と一体的であることを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【請求項13】
前記係合部分はさらに、前記注入サイトの前記注入ポートを密封するように構成されたことを特徴とする請求項1
または2に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で述べられる主題は、薬剤注入サイトの使用および/またはケアにおいて介護者認識、患者ケア活動、および/または手続きステップを自動的に文書化するために情報を記録保持システムに提供する際に使用するための注入サイト情報キャップおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの健康管理手続きは、静脈内薬剤投与を含む。薬剤の種類および投与のタイミングは、医療記録の手続きおよび完了の行為についてのリアルタイム情報を健康管理提供者に提供するために記録することが重要である。いくつかのプロトコルは、文書化および記録保持のための限られた時間で迅速な薬剤投与を必要とする。他のものは、適切な患者ケアおよび薬剤の使用についての説明を確実にするために手動での薬剤投与の完了および検証を必要とする。
【0003】
注入可能な薬剤および輸液は、病院、病院前の救急医療サービス(EMS)および代替ケアサイト(高度看護施設、家庭健康およびホスピスセッティングを含む)における患者のケアの際に健康管理提供者(介護者)によって頻繁に利用される。介護者は、医師、公認看護士、EMS救急医療隊員、歯科医および他の認可された健康管理実務者を含むこともある。どんな薬剤および/または静脈内輸液が、何時、どのくらい患者に与えられるかについての正確な文書化は、健康管理施設、政府機関および規制監督機関によって必要とされる。これは特に、患者に投与される静脈内輸液が薬剤または血液製剤であるときに当てはまる。静脈内輸液の種類および投与のタイミングは、医療記録の手続きおよび完了の行為についてのリアルタイム情報を健康管理提供者に提供するために記録することが重要である。いくつかのプロトコルは、文書化および記録保持のための限られた時間で迅速な静脈内輸液投与を必要とする。他のものは、適切な患者ケアおよび静脈内輸液の使用についての説明を確実にするために手動で投与される静脈内輸液の完了および検証を必要とする。
【0004】
さらに、適切な患者安全を確保し、カテーテル関連の血流感染(CRBSI)への暴露を制限するために、血管アクセスポート(注入サイト)は、開存のための患者の静脈サイトの慎重な消毒および慎重な管理を必要とする。これらの活動がないと、無針注入サイトは、汚染される可能性があり、患者血管アクセスは、侵入されるまたは妨げられる可能性がある。これらの状況が、生じるとき、患者安全は、危うくされて、感染、痛み、より長い入院および死さえもたらす。継続される患者ケアのための病院費は、増加し、第三者支払人によって払い戻されない。
【0005】
薬剤投与のための新規の自動化された文書化システムは、薬剤注入の追跡に役立つ可能性が高いことになるが、しかしながら、適切な静脈サイトケアの文書化および注入制御のための無針注入サイトまたは開存のための静脈サイトの管理に対処していない。アルコール消毒綿または消毒剤溶液を含有する無菌キャップの手動使用は、静脈内注入サイトを消毒し、CRBSIを制御するための人気を得ている。キャップが、静脈ルアーアクセス無針弁に付着されたままにされるとき、それらは、静脈サイトを消毒し、保護することができる。今まで、これらの活動は、しばしば文書化されず、めったに時間追跡されず、介護者によって識別される可能性がさらに低い。
【0006】
実験室試料を採取すること、呼吸療法を支援すること、食事管理などの他の患者ケア活動および手続きステップもまた、時宜にかなった文書化を必要とする。手動文書化はしばしば、限られた要員で速いペースを定められる患者ケアに起因して精度誤差、見逃された表記および文書化されなかった活動をもたらす。より良いシステムは、より少ない誤差、高められた請求精度、低減された文書業務および介護者が患者ケアに集中するためのより多くの時間をもたらすこともあり得る。ケアの時点で誰が何を何時したかの追跡が、改善される可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願第13/777,964号明細書
【文献】米国特許出願第13/777,831号明細書
【文献】米国特許出願第12/938,300号明細書
【文献】米国特許出願第12/765,707号明細書
【文献】米国特許出願第12/614,276号明細書
【文献】米国特許出願第61/370,974号明細書
【文献】米国特許出願第13/671,752号明細書
【文献】米国特許出願第13/149,782号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様では、注入サイト情報キャップは、筺体と、カバー部分と、注入サイトの注入ポートに結合しかつカバーするように構成される係合部分と、係合部分が、薬剤注入ポートに結合されるまたは結合されているとき、注入サイトの少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされるカバー部分上の少なくとも1つの情報要素とを含むことができる。
【0009】
係合部分は、注入ポート上の雄ルアーロックねじ山に結合されるように構成される雌ルアーロックねじ山を含むことができる。
【0010】
少なくとも1つの情報要素は、機械的にエンコードされた情報、磁気的にエンコードされた情報、近距離通信(NFC)タグ、およびラジオ周波数識別(RFID)タグのうちの1つまたは複数でエンコードされてもよい。
【0011】
少なくとも1つの情報要素は、光学的にエンコードされた情報を含むことができる。光学的にエンコードされた情報は、少なくとも1つのバーコードを含むことができる。少なくとも1つのバーコードは、カバー部分が、円周方向に回転されるまたはルアーロックの軸方向中心線上を直線的に平行移動されると、少なくとも1つのセンサによって感知されてもよい。
【0012】
注入サイト情報キャップは、注入ポートとの係合部分の結合時に注入ポートを消毒するための消毒剤を含むことができる。係合部分はさらに、注入サイトの注入ポートを密封するように構成されてもよい。
【0013】
注入ポートは、患者および/または輸液消耗リザーバに流体的に結合されてもよい。
【0014】
情報要素は、注入ポートの消毒状態、介護者識別、患者の識別、患者のケアに関連して行われる手続きステップ、廃棄物処理の状態、実験室試料、患者のための呼吸管理、および患者のための食事管理のうちの1つまたは複数を特徴付けるデータを封入することができる。
【0015】
筺体のいくらかまたはすべては、複数の色分類項目の1つで色分けされてもよい。各色分類項目は、介護者識別、患者ケア手続き活動、実験室試料、注入ポートの状態、注入ポートに注入される輸液、および患者の状態のうちの1つまたは複数を特徴付けることができる。少なくとも1つのセンサまたは異なるセンサは、いくつかの変形では、色を検出することができる。加えて、いくつかの変形では、少なくとも情報要素は、複数の色分類項目の1つで色分けされ、各色分類項目は、介護者識別、患者ケア手続き活動、実験室試料、注入ポートの状態、注入ポートに注入される輸液、および患者の状態のうちの1つまたは複数を特徴付ける。
【0016】
情報要素は、カバー部分の外面に貼り付けられてもよくまたはそれは、カバー部分の外面に一体的であってもよい。
【0017】
さらなる態様では、注入サイト情報キャップは、複数係合部分を含むことができる。例えば、薬剤注入サイトは、第1の注入サイトの第1の注入ポートに結合しかつカバーするように構成される筺体上の第1の係合部分を含む筺体を備えることができる。筺体の第1の係合部分の外面上の少なくとも1つの第1の情報要素は、第1の係合部分が、第1の注入ポートに結合されるまたは結合されているとき、第1の注入サイトの少なくとも1つの第1のセンサによって自動的に感知されるように位置決めされてもよく、筺体上の第2の係合部分は、第2の注入サイトの第2の注入ポートに結合しかつカバーするように構成されてもよく、筺体の第2の係合部分の外面上の少なくとも1つの第2の情報要素は、第2の係合部分が、第2の注入ポートに結合されるまたは結合されているとき、第2の注入サイトの少なくとも1つの第2のセンサによって自動的に感知されるように位置決めされてもよい。
【0018】
第1の係合部分および第2の係合部分の少なくとも1つは、注入ポート上の雄ルアーロックねじ山に結合するように構成される雌ルアーロックねじ山を備えることができる。少なくとも1つの第1の係合部分および少なくとも1つの第2の係合部分は、機械的にエンコードされた情報、磁気的にエンコードされた情報、近距離通信(NFC)タグ、およびラジオ周波数識別(RFID)タグのうちの1つまたは複数でエンコードされてもよい。少なくとも1つの第2の情報要素は、光学的にエンコードされた情報とすることができる。光学的にエンコードされた情報は、少なくとも1つのバーコードとすることができる。少なくとも1つのバーコードは、筺体が円周方向に回転されると、少なくとも1つのセンサによって感知されてもよい。
【0019】
情報キャップはさらに、第1の注入ポートへの第1の係合部分の結合時に第1の注入ポートの少なくとも1つを消毒するための消毒剤を備えることができる。第1の注入ポートおよび第2の注入ポートの少なくとも1つは、患者に流体的に結合されてもよい。第1の注入ポートおよび第2の注入ポートの少なくとも1つは、輸液消耗リザーバに流体的に結合されてもよい。
【0020】
注入サイト情報キャップは、注入ポートの消毒状態、介護者識別、患者の識別、患者のケアに関連して行われる手続きステップ、廃棄物処理の状態、実験室試料、患者のための呼吸管理、および患者のための食事管理のうちの1つまたは複数を特徴付けるデータを封入するために少なくとも1つの第1の情報要素および少なくとも1つの第2の情報要素の1つまたは複数を含むことができる。情報キャップは、複数の色分類項目の1つで色分けされるべき筺体の少なくとも一部分、および/または情報要素を含むことができ、各色分類項目は、介護者識別、患者ケア手続き活動、実験室試料、注入ポートの状態、注入ポートに注入される輸液、および患者の状態のうちの1つまたは複数を特徴付ける。
【0021】
少なくとも1つの第1の情報要素および少なくとも1つの第2の情報要素の1つまたは複数は、筺体の外面に貼り付けられてもよい。少なくとも1つの第1の情報要素および少なくとも1つの第2の情報要素は、筺体の外面に一体的とすることができる。第1の係合部分および第2の係合部分の少なくとも1つはさらに、注入サイトの注入ポートを密封しかつ/またはカバーするように構成されてもよい。第1の注入サイトおよび第2の注入サイトは、物理的に互いに接続されてもよい。
【0022】
いくつかの変形では、少なくとも1つの第1の情報要素は、少なくとも1つの第2の情報要素と異なり、一方他の変形では、要素は、同じ(同一)である。各係合部分は、消毒剤などの同一の特徴を有することができまたはそれらは、異なることができる(片方は消毒剤を有し、他方はそうでない)。筺体は、単一の係合部分注入キャップと同様に異なる仕方で色分けされてもよい。
【0023】
第1の係合部分は、第2の係合部分の反対側に位置決めされてもよい。他の変形では、第1の係合部分は、第2の係合部分の中心線と比較してある角度でまたはさもなければ斜めに位置決めされる。他の変形では、筺体は、柔軟とすることができる。
【0024】
さらに相互に関係付けられる態様では、装置は、注入ポートをカバーするように構成される筺体上の第1の係合部分と、第1の係合部分が、注入ポートに結合されるまたは結合されているとき、注入サイトの少なくとも1つの第1のセンサによって自動的に感知されるように位置決めされる筺体の第1の係合部分の外面上の少なくとも1つの第1の情報要素と、注入ポートをカバーするように構成される筺体上の第2の係合部分と、第2の係合部分が、注入ポートに結合されるまたは結合されているとき、注入サイトの少なくとも1つのセンサによって自動的に感知されるように位置決めされる筺体の第2の係合部分の外面上の少なくとも1つの第2の情報要素とを含む。
【0025】
本明細書で述べられるような注入サイト情報キャップは、様々な方法に関連して使用されてもよい。例えば、1つの方法は、薬剤配送装置の注入ポートをカバーするキャップ上の少なくとも1つの情報要素を特徴付ける情報を薬剤配送装置から受け取るステップと、受け取られた情報を、注入ポートの消毒状態、介護者識別、患者の識別、患者のケアに関連して行われる手続きステップ、廃棄物処理の状態、実験室試料、患者のための呼吸管理、および患者のための食事管理のうちの1つまたは複数を備えるデータと関連付けるステップと、関連付けられたデータを進展させるステップとを含むことができる。
【0026】
薬剤配送装置(注入サイト)は、筺体と、少なくとも部分的に筺体内に延び、薬剤容器内の薬剤を患者に配送するように構成される輸液導管と、筺体の外部表面から延び、薬剤容器の輸液出口に結合されるように構成される注入ポート(薬剤ポートは、流体導管に流体的にかつ直接的に結合される)と、情報キャップ上の少なくとも1つの情報要素を感知するために筺体内に配置される少なくとも1つのセンサとを含むことができる。いくつかの変形では、薬剤配送装置はまた、少なくとも1つのセンサによって生成される情報を遠隔データ収集システムに無線で送信するための筺体内の送信機と、少なくとも1つのセンサおよび送信機に電力を供給する筺体内の内蔵型電力源とを含むこともできる。
【0027】
関連付けられたデータを進展させるステップは、関連付けられたデータを表示するステップ、関連付けられたデータを物理的記憶デバイスに記憶するステップ、関連付けられたデータをメモリにロードするステップ、および関連付けられたデータを遠隔計算システムに送信するステップのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0028】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログラム製品もまた、述べられ、それは、1つまたは複数のデータプロセッサまたは1つまたは複数の計算システムによって実行されるとき、少なくとも1つのデータプロセッサに本明細書の動作を行わせる。同様に、1つまたは複数のデータプロセッサおよび1つまたは複数のデータプロセッサに結合されるメモリを含むことができるコンピュータシステムもまた、述べられる。メモリは、少なくとも1つのプロセッサに本明細書で述べられる動作の1つまたは複数を行わせる命令を一時的にまたは永久に記憶することができる。加えて、方法は、単一計算システム内かまたは2つ以上の計算システムの間で分散される1つまたは複数のデータプロセッサによって実施されてもよい。そのような計算システムは、ネットワーク(例えば、インターネット、無線広域ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、有線ネットワーク、または同様のもの)を通じた接続を含むが限定されない、1つまたは複数の接続を介して、複数計算システムなどの1つまたは複数の間の直接接続を介して、接続されてもよく、データおよび/またはコマンドもしくは他の命令または同様のものを交換することができる。
【0029】
本明細書で述べられる主題は、多くの利点を提供する。例えば、現在の主題は、注入サイトにおける活動を自動的に識別する小型注入ポートシステムを可能にする。輸液注入ポートは、標準的な静脈ライン上に置かれるのに(かつ自立するのに)十分小さく、患者の救急車配送中の現場での救急医療隊員処置を含む複数状況、ならびに救急治療室/集中治療室/手術室/一般的ケアなどの医療施設でそれが使用されることを可能にする。その上、医療スタッフ(例えば、医師、看護師、救急医療隊員、その他)は、静脈ライン上のYサイトを扱うことに慣らされているので、現在の主題は、通常のワークフロー内で患者ケア活動の知的ロギングを可能にしながら、たとえあるとしても、ほんの少しの行動変容しか必要としない。加えて、輸液注入ポートの小型の性質は、心肺蘇生または他の緊急事態中は扱いにくく、たくさんの必要とされるスペースを必要とする(他の必要とされる機器を移動させる)可能性がある、より大きいテーブル表面またはクレードルバーコードユニット(cradle bar code unit)の必要性を除去する。加えて、現在の主題は、無線インターフェースを利用し、患者ケア活動を妨げるまたは複雑にすることもあり得る、データ収集システムへの情報の通信のための配線を必要としない。データ収集システムによって受け取られたデータは、リアルタイムで積極的に表示されて、はっきりと見える情報を医療スタッフに提供し、知らされるすべてを最新に保つことができる。さらに、現在の主題は、手動の記録保持および患者への必要とされる注意を損ねる傾向があり得る他の活動を低減する。自動化された記録保持は、正確な記録を提供し、健康管理提供者の時間を解放して、改善された患者ケアを可能にする。
【0030】
本明細書で述べられる主題の1つまたは複数の変形の詳細は、付随する図面および以下の説明で述べられる。本明細書で述べられる主題の他の特徴および利点は、説明および図面、ならびに請求項から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
本明細書の一部に組み込まれかつ一部を構成する添付の図面は、本明細書で開示される主題のある態様を示し、本説明と一緒に、開示される実施形態と関連付けられる原理のいくつかを説明するのに役立つ。
【0032】
【
図1】静脈内輸液配送管類セットの「Y」サイトに直接結合される知的注入サイト筺体を描写する図である。
【
図2】情報要素が付着された状態の薬剤容器を描写する図である。
【
図3】知的注入サイト筺体に付着された薬剤容器を例示する図である。
【
図4】情報要素が付着された状態の注入サイト情報キャップを描写する図である。
【
図5】知的注入サイトに付着されようとしている情報キャップを描写する図である。
【
図6】知的注入サイトに完全に結合された情報キャップを例示する図である。
【
図7】延長された表面を有する代替情報キャップを例示する図である。
【
図8】延長された表面を有する代替情報キャップを例示する図である。
【
図9】情報要素を注入サイト情報キャップに適用する2つの代替案を例示する図である。
【
図11】いくつかの可能性のある梱包構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
様々な図面での類似の符号は、類似のまたは同様の要素を示す。
【0034】
本出願は、次の出願の各々に関係し、それらは、すべて「Medication Injection Site and Data Collection System」という名称で、2013年2月26日に出願された特許文献1であり、それは、2013年2月26日に出願された特許文献2の一部継続であり、それは順に、2010年11月2日に出願された特許文献3の一部継続であり、それは順に、2010年4月22日に出願された特許文献4の一部継続であり、それは順に、2009年11月6日に出願された特許文献5の一部継続であり、さらに、優先権もまた、2010年8月5日に出願された特許文献6に対して主張される。前述の特許出願の各々は、参照によりこれによって完全に組み込まれる。
【0035】
さらに、本出願は、次の出願の各々に関係し、それらは、「Medication C
ontainer Encoding, Verification, and Identification」という名称で、2012年11月8日に出願された特許文献7であり、それは、2011年5月31日に出願された特許文献8の一部継続である。前述の特許出願の各々は、参照によりこれによって完全に組み込まれる。
【0036】
図1は、静脈内輸液配送管類セット11の「Y」サイトに直接結合される知的注入サイト4を描写する。知的注入サイトの接続は、栓、多岐管、「T」サイト、静脈アクセスデバイス、カテーテル、その他などの他の注入サイトにすることができる。知的注入サイト4の詳細は、「Medication Injection Site and Data Collection System」という名称の参照される特許出願において論じられる。管類セット11は、一端で患者への輸液の配送のための輸液源に付着される。管類セット11の遠位端は、血管アクセスデバイス16(針、カテーテル、その他)に付着される。管類セット11の各端部の間に位置するのは、患者に投与されるべき追加の輸液および薬剤を提供する「Y」サイトおよびそれらのための注入サイトである。輸液容器は、入口13およびルアーロックねじ山56によって知的注入サイト4に結合されてもよい。知的注入サイト4の出口14は、入口13に入り、導管10を通って、出口14から外へ出る患者への輸液配送を提供する「Y」サイトに結合されてもよい。知的注入サイト4は、情報要素24が視野内にまたは事前に規定された距離内にあるとき、回路30が情報要素24上に含有される情報を撮像してデータ収集システム6に送信36することができるように位置決めされるエミッタ31および識別センサ18を含むことができる。データ収集システム6は、収集されたデータを医療情報システム52に送信50することができる。さらに、知的注入サイト4は、輸液配送センサ60、電力源19およびインジケータ35を含むことができる。
【0037】
図2は、エンコードされた薬剤容器33を形成する追加された情報要素24を有する薬剤容器20(注射器例)を描写する。情報要素24は、例えばラベルとすることができ、エンコードされた情報12を含有することができる。エンコードされた薬剤容器33は、薬剤注入サイトへの注入のための薬剤22を含有することができる。薬剤容器33は、薬剤22を薬剤注入サイトへ配送するための出口16を含むことができる。情報要素24および薬剤容器33へのその結合の詳細は、「Medication Container Encoding, Verification, and Identification」という名称の参照される特許出願において論じられる。
【0038】
図3は、エンコードされた薬剤容器33が知的注入サイト4の筺体に付着された状態のシステム3を例示する。薬剤容器33の輸液出口16は、知的注入サイト4の輸液入口13に結合されてもよい。結合は、情報要素24を読み出すためのエミッタ31および識別センサ18を自動的に始動させることができる。情報要素24からのデータは、送信機34によってデータ収集システム6に送信36されてもよい。データ収集システム6は、情報要素24の情報内容を識別し、表示し、時間を刻印し、記録することができる。薬剤容器33は、導管10を通り、出口14を通って、患者に結合された注入サイト中に薬剤22を吐き出すことができる。輸液配送センサ60(図示せず)は、吐き出された薬剤22を測定し、データをデータ収集システム6に送信36することができる。データ収集システム6は、輸液配送センサ60からのデータを表示し、時間を刻印し、記録することができる。
【0039】
図4は、情報キャップ200を形成する情報要素24を含むことができる注入サイトキャップ100を描写する。注入サイト情報キャップ200は、注入ポートに結合し、それをカバーする(かつ場合によっては密封する)ように構成される形状およびサイズを有することができる。注入サイト情報キャップ200は、内径上にルアーロックねじ山154を含むことができる。さらに、注入サイト情報キャップ200は、
図1で示されるような静脈管類セット11上の注入サイト(「Y」サイト)を消毒するための消毒剤102を含むことができる。消毒剤102は、70%アルコールまたは任意の他の種類の静脈サイト消毒剤とすることができる。注入サイト情報キャップ200は、注入サイト4の輸液入口13との接触を注入サイト4の表面(輸液入口13の表面および/または外部ねじ山56)だけに制限することができ、輸液経路に入ることができない。
【0040】
図3で示されるようなエンコードされた薬剤容器のためのシステム3に加えて、
図5は、非薬剤容器情報システム2を描写する。システム2は、情報要素24、情報キャップ200、知的注入サイト4およびデータ収集システム6を含むことができる。情報キャップ200は、プラスチック(ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニール、その他)から作られてもよく、無菌で提供されてもよく、一回だけの使用のために密封されるホイルパッケージに入れられてもよい。情報キャップ200は、内部ルアーロックねじ山154を知的注入サイト4上の外部ねじ山56と係合させることによって入口13に付着することができる。情報キャップ200は、ルアーロックねじ山154および56を係合させるために時計回りに回転されてもよい。情報キャップ200は、ルアーロックねじ山154および56を解放して、情報キャップ200を取り除くために反時計回りに回転されてもよい。情報キャップ200は、ルアーロックねじ山154のないプッシュオン式とすることができる。情報キャップ200は、入口13をカバーし、保護し、かつ/または消毒することができる。
【0041】
情報キャップ200は、分類項目を指定するために着色されてもよい。色は、注入サイト4の一部、情報要素24の一部(背景色)または情報12の一部とすることができる。分類項目は、任意の割り当てられた色または種類を含むことができる。例えば、色割り当ては、赤色=取得される実験室試料、オレンジ色=介護者ID、黄色=与えられる薬剤、緑色=請求料金、青色=理学療法活動、紫色=取得される実験室試料、白色=鎮静活動とすることもあり得る。他の色および/または分類項目が、含まれてもよい。色は、識別センサ18によって検出され、情報要素に含有される情報に加えてデータ収集システムに送信されてもよい。情報は、特定波長光(紫外光、赤外光、その他)、特定のRFもしくは磁気的周波数、または周波数および波長の組み合わせが、エミッタ31から放出されるとき、識別センサ18によって検出されてもよい。
【0042】
情報キャップ200は、薬剤廃棄物処理中の介護者識別のために知的注入サイト4とともに使用されてもよい。この使用事例では、知的注入サイト4は、薬剤廃棄物処理容器に接続されてもよい。情報キャップ200は、介護者ID情報および誰によって何時薬剤廃棄物が処理されるかの文書を含有することができる。これは、エンコードされた薬剤容器および容器への廃棄薬剤の注入によって追随されてもよい。輸液配送センサ60は、処理された廃棄物の体積を測定することができる。第2の介護者は、異なる介護者IDを有する第2の情報キャップ200の付着がある廃棄物処理のすぐ後を追うことによって廃棄物処理を検証することができる。介護者情報キャップ200上で検出された情報およびエンコードされた薬剤容器廃棄物処理された体積は、データ収集システム6に送信36され、時間を刻印され、医療情報システム52に送信50されてもよい。
【0043】
図6は、情報キャップ200が知的注入サイト4に完全に結合された状態のシステム2を例示する。情報キャップ200を知的注入サイト4に結合することは、情報要素24を読み出すためのエミッタ31および識別センサ18を自動的に始動させることができる。情報要素24からのデータは、送信機34によってデータ収集システム6に送信36されてもよい。データ収集システム6は、情報要素24の情報内容を識別し、表示し、時間を刻印し、記録することができる。データ収集システム6は、識別センサ18からのデータを表示し、時間を刻印し、記録することができる。データ収集システム6は、このデータを医療情報システム52に送信50することができる。
【0044】
情報キャップ200上の情報要素24は、機械的にエンコードされた情報、磁気的にエンコードされた情報、近距離通信(NFC)タグ、ラジオ周波数可読情報(RFIDタグ)のうちの任意の1つまたは複数とすることができる。情報要素24はまたもしくは別法として、光学的にエンコードされた情報も備えることができ、識別センサ18は、光学的にエンコードされた情報を読み出すための光エミッタおよび光検出器を備えることができる。識別センサ18は、情報要素24を照らすための光エミッタLEDおよびカメラなどの光検出器(電荷結合デバイス-CCD)を含むことができる。識別センサ18は、注入サイト4に対する情報キャップの相対運動の結果として情報要素24から情報を読み出すことができる。識別センサ18は、情報キャップ200を注入サイト4に機械的に結合することに応答して情報要素24から情報を読み出すことができる。
【0045】
情報キャップ200は、介護者または患者によって行われる活動を示す検出可能な情報を提供する情報要素24を運ぶことができる。活動は、注入サイトの消毒、介護者識別(名前、ID番号、従業員番号)、行われる手続きステップ(静脈サイト視覚的評価、外科的手続きステップ、集中治療室活動、救急医療サービス{EMS}活動)、廃棄物処理の確認(使用されていない規制された物質、汚染された廃棄物、その他)、患者からの実験室試料の採取、患者の呼吸療法の支援、患者の食事管理などの他の患者ケア活動、および家庭での、野外での、または記録が適切である病院環境での多くの他の患者ケア活動のうちの任意の1つまたは複数とすることができる。要素24によって封入されたデータは、知的注入サイトによって検出され、局所的にかまたは遠隔計算システムに送信することによって処理されてもよい。
【0046】
識別センサ18は、情報要素24(注入サイト情報キャップ200の回りに巻き付けられたスリーブまたはラベル)上に含有されるエンコードされた情報を検出する光エミッタ/検出器対31を含むことができる。識別センサ18は、情報要素24を検出するための複数のセンサを備えることができる。いくつかの変形では、識別センサは、光学的、磁気的、機械的、伝導性の、切り替え可能なRFIDおよび/または近接センサなどのセンサとすることができる。他の変形では、識別センサ18は、光学的とすることができ、LEDなどの照明光源(エミッタ)およびカメラ(CCD)などの検出源(検出器)を含むことができる。センサ回路30は、信号処理を提供することができ、識別センサ18を送信機34に接続する。識別センサ18は、電力源19に直接結合されてもよい。
【0047】
図7および
図8は、情報キャップ200を注入サイト4に付着し、それから引き離す際に使用者を支援するための延長された表面を有する2つの代替情報キャップ200を例示する。
図7は、はぎ取られた把持部104を有する延長されたキャップ筺体を例示する。
図8は、指把持ハンドルを形成するより狭い延長された表面106を例示する。さらに、情報要素24は、情報キャップ200使用より前に使用者が情報内容を検証することを可能にするための人間が読める情報26(「消毒されている」)を含むことができる。
【0048】
図9は、情報要素24を注入サイトキャップ100に適用する2つの代替案を例示する。上部に示されるように、情報要素24は、注入サイトキャップ100の上にスライド(110)し、それに付着して、アセンブルされた情報キャップ200を形成することができる。底部においては、情報要素24は、注入サイトキャップ100の周りに巻き付き(120)、それに付着して、アセンブルされた情報キャップ200を形成することができる。情報要素24は、ラベルまたは光学像(1次元バーコード、2次元バーコード、符号、画像または絵)、磁気像(識別カード/バッジ/IDタグ上の磁気ストリップ)、近距離通信(NFC)タグ、RFIDタグ、および/もしくは機械的にエンコードされた情報のうちの任意の1つとすることができる。詳細は、前述の特許出願に含まれる。
【0049】
図10は、2つの能動的端部(AおよびB)を有する情報キャップ400を描写する。注入サイトキャップ300は、2つの端部AおよびBを有することができる。各端部は、消毒剤102およびルアーロックねじ山154を有することができる。注入サイトキャップ300は、注入サイト情報キャップ400を形成するために各端部に1つずつ、2つの情報要素(24Aおよび24B)を有することができる。情報要素24Aは、複数使用(例えば、2つの注入サイト消毒)を可能にするために情報要素24Bと同じとすることができる。情報要素24Aは、情報要素24Bと異なることができ、2つの異なる活動が記録されることを可能にする。1つは「消毒されている」(24A)のこともあり得、他のものは、手続きステップ「手続きX」(24B)のこともあり得る。使用の順序およびタイミングは、使用者によって決定されてもよい。例えば、端部Aは、情報24A(注入サイトの消毒)を提供するために薬剤注入より前に使用されてもよい。薬剤は次いで、エンコードされた注射器(
図3を参照)を使用して投与されてもよい。端部Bは、情報要素24Bを提供する(手続きステップ「X」を文書化する)ために使用されてもよい。端部Bは、知的注入サイト4に結合されたままにして、それを汚染から保護することができる。データ収集システム6は、各情報要素(24Aおよび24B)ならびに薬剤投与を記録し、時間を刻印することができる。端部Bを注入サイトに結合された状態に維持することは、データ収集システムによって記録されてもよい(「サイトは保護され」、端部B=除去されず)。その後になって、端部Bが、注入サイトから除去されるとき、注入サイトは、保護されていないとして記録されてもよい。この同じ記録は、単一端部型の情報キャップ200を使用して完了されてもよい。情報キャップ400は、3つ以上の能動的端部を有することができることが、認識されよう。いくつかの変形では、情報キャップ400の筺体は、柔軟とすることができ、オプションとして引き延ばされてもよい。
【0050】
図11は、情報キャップ200(または400)の開放端を梱包し、密封する2つの方法を例示する。左側には、剥がして開く簡単なタブホイル/ポリシール108がある。右側には、風袋を開くストリップを有する密封されたホイル/ポリポーチ109がある。情報キャップ200を梱包し、密封する任意の数の他の方法が、想定されてもよい。各方法は、使用より前に内部的に情報キャップ200を保護し、無菌性を維持し、消毒剤溶液を含有することができる。
【0051】
本明細書で述べられる主題の態様は、望まれる構成に応じて、システム、装置、キット(例えば、薬剤注入サイトがその中に入れられている状態のキット)、方法、および/または物品で具体化されてもよい。特に、本明細書で述べられる主題の態様は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現されてもよい。これらの様々な実施は、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受け取り、それらにデータおよび命令を送信するように結合される、専用または汎用とすることができる少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能でありかつ/または解釈可能である1つまたは複数のコンピュータプログラムでの実施を含むことができる。
【0052】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも称される、これらのコンピュータプログラムは、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高レベル手続き型言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理型プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械言語で実施されてもよい。本明細書で使用される場合、用語「機械可読媒体」は、機械可読信号として機械可読命令を受け取る機械可読媒体を含み、機械命令および/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラム可能な論理デバイス(PLD)などの、任意のコンピュータプログラム製品、装置および/またはデバイスを指す。用語「機械可読信号」は、機械命令および/またはデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。機械可読媒体は、例えば非一時的固体メモリもしくは磁気ハードディスクまたは任意の等価な記憶媒体などならそうであるように、そのような機械命令を非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、別法としてまたはさらに、例えば1つまたは複数の物理的プロセッサコアと関連付けられるプロセッサキャッシュまたは他のランダムアクセスメモリなどならそうであるように、そのような機械命令を一時的方式で記憶することができる。
【0053】
使用者との相互作用を提供するために、本明細書で述べられる主題は、例えば情報を使用者に表示するための陰極線管(CRT)または液晶ディスプレイ(LCD)モニタなどの表示デバイスならびに使用者がそれによって入力をコンピュータに提供することができるキーボードおよび例えばマウスまたはトラックボールなどのポインティングデバイスを有するコンピュータ上で実施されてもよい。他の種類のデバイスが、使用者との相互作用を同様に提供するために使用されてもよい。例えば、使用者に提供されるフィードバックは、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックなどの、任意の形の感覚フィードバックとすることができ、使用者からの入力は、音響、発話、または触覚入力を含むが限定されない、任意の形で受け取られてもよい。他の可能性のある入力デバイスは、単一または多点の抵抗性または容量性トラックパッドなどのタッチスクリーンまたは他のタッチセンサ式デバイス、音声認識ハードウェアおよびソフトウェア、光スキャナ、光ポインタ、デジタル画像キャプチャデバイスおよび関連付けられる解釈ソフトウェア、ならびに同様のものを含むが限定されない。
【0054】
本明細書で述べられる主題は、バックエンドコンポーネント(例えば、データサーバーのような)を含む、もしくはミドルウェアコンポーネント(例えば、アプリケーションサーバー)を含む、もしくはフロントエンドコンポーネント(例えば、使用者がそれを通じて本明細書で述べられる主題の実施と相互作用することができるグラフィカルユーザインターフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)を含む計算システム、またはそのようなバックエンド、ミドルウェア、もしくはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせで実施されてもよい。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形または媒体(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続されてもよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、およびインターネットを含む。
【0055】
計算システムは、クライアントおよびサーバーを含んでもよい。クライアントおよびサーバーは、一般に互いに離れており、典型的には通信ネットワークを通じて相互作用する。クライアントおよびサーバーの関係は、それぞれのコンピュータ上で動き、互いにクライアント-サーバー関係を有するコンピュータプログラムのおかげで生じる。
【0056】
本明細書で述べられる主題は、望まれる構成に応じて、システム、装置、方法、および/または物品で具体化されてもよい。前述の説明で述べられる実施は、本明細書で述べられる主題と一致するすべての実施を表すとは限らない。代わりに、それらは、述べられる主題に関係付けられる態様と一致するいくつかの例にすぎない。少しの変形が、上で詳細に述べられたけれども、他の変更または追加は、可能である。特に、さらなる特徴および/または変形は、本明細書で述べられるそれらに加えて提供されてもよい。例えば、上で述べられた実施は、開示された特徴の様々な組み合わせおよび副組み合わせならびに/または上で開示されたさらなるいくつかの特徴の組み合わせおよび副組み合わせに向けられてもよい。加えて、添付の図で描写されかつ/または本明細書で述べられる論理の流れは、望ましい結果を達成するために、必ずしも示された特定の順序、または連続する順序を必要とするとは限らない。他の実施が、次の請求項の範囲内であってもよい。