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特許7418546硬質不撓性材料構成要素間の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ
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  • 特許-硬質不撓性材料構成要素間の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-11
(45)【発行日】2024-01-19
(54)【発明の名称】硬質不撓性材料構成要素間の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16B 17/00 20060101AFI20240112BHJP
   F16B 37/04 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F16B17/00 C
F16B17/00 A
F16B37/04 R
F16B37/04 Q
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022504650
(86)(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 US2019044687
(87)【国際公開番号】W WO2021015800
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】16/522,185
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504075577
【氏名又は名称】ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】サフリー オデイ アメール
(72)【発明者】
【氏名】ラッサム ナジワン
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ ジェイソン エイ
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0063943(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0253006(US,A1)
【文献】特開2001-234912(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013210889(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 17/00
F16B 4/00
F16B 37/04
F16B 37/00
F16B 21/00- 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧入摩擦保持カプリングアセンブリであって、
外側材料で形成された外側構成要素であって、外側構成要素嵌合壁を含む開口部をそこに有する前記外側構成要素と、
カラー材料で形成された環状カラーであって、該環状カラーが、少なくとも3つの突出部を含む環状カラー嵌合壁を有し、各突出部が、該突出部のベースとその遠位端との間の全体突出高さが該環状カラー嵌合壁の円筒形外面の外径と該突出部の該遠位端との間の突出距離よりも大きいように凹部によって取り囲まれている前記環状カラーと、
を含み、
前記突出部の数及び構成が、前記外側構成要素嵌合壁及び前記環状カラー嵌合壁に対する関連の公差範囲全体を通して50ニュートン又はそれ未満の圧入挿入力を提供するように、かつ前記外側構成要素嵌合壁及び前記環状カラー嵌合壁に対する関連の公差範囲全体を通して前記環状カラーをその自重の下で前記開口部内に保持するのに十分な摩擦保持力を提供するように設計される、
ことを特徴とする圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項2】
前記外側材料は、金属であり,前記カラー材料は、ポリマー材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項3】
前記カラー材料は、ガラス充填ポリマーであることを特徴とする請求項2に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項4】
前記カラー材料は、硫化ポリフェニレンを含むことを特徴とする請求項3に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項5】
前記突出部は、前記外側構成要素嵌合壁と前記環状カラー嵌合壁の間の唯一の接触を前記外側構成要素嵌合壁及び前記環状カラー嵌合壁に対する前記関連の公差範囲全体を通して提供することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項6】
前記突出部は、前記外側構成要素嵌合壁及び前記環状カラー嵌合壁に対する前記関連の公差範囲全体を通して前記環状カラーと前記外側構成要素の前記開口部のいずれかの軸線方向に延びる部分との間の唯一の接触を提供することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項7】
前記突出部を取り囲む前記凹部は、涙滴形状を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項8】
前記涙滴形状の尖った端部が、前記環状カラー嵌合壁の挿入端部に向けられることを特徴とする請求項7に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項9】
前記突出部を取り囲む前記凹部は、ダイヤモンド形状を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項10】
前記ダイヤモンド形状は、細長であり、かつ細長全体寸法が前記環状カラーの中心軸線と平行に延びるように向けられることを特徴とする請求項9に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項11】
各突出部の前記全体突出高さは、前記突出距離の4.5倍と10.5倍の間であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項12】
各突出部の前記全体突出高さは、前記突出距離の5.5倍と8.5倍の間であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項13】
各突出部の前記全体突出高さは、前記突出距離の6と8倍の間であることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項14】
前記外側構成要素嵌合壁及び前記環状カラー嵌合壁に対する前記関連の公差範囲全体を通して前記開口部と前記突出部を含む前記環状カラーとの間の最小及び最大干渉が、それぞれ0mm又はそれよりも大きい及び0.07mm又はそれよりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項15】
前記外側構成要素嵌合壁及び前記環状カラー嵌合壁に対する前記関連の公差範囲全体を通して前記開口部と前記突出部を含む前記環状カラーとの間の最小及び最大干渉が、それぞれ0.01mm又はそれよりも大きい及び0.05mm又はそれよりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項16】
前記突出距離内の前記突出部の軸線方向に位置合わせされた半径が、0.01mm又はそれよりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【請求項17】
前記突出距離内の前記突出部の軸線方向に位置合わせされた半径が、2.0mm又はそれよりも小さいことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の圧入摩擦保持カプリングアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、2019年7月25日出願の米国仮特許出願第16/522,185号の利益を主張するものである。上記出願の開示全体は、引用により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の開示は、互いに圧入される2つの構成要素が硬質不撓性材料である圧入摩擦保持カプリングアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
この節は、必ずしも従来技術ではない本発明の開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
環状カラーは、別の構成要素の対応する開口部又は凹部内に構成要素を中心的に位置決めするのに使用することができる。例えば、一部の場合では、環状カラーが対応する凹部の中に手で挿入されて摩擦嵌めによって保持されることが望ましい。環状カラーと凹部を有する他の構成要素との両方が非常に硬い材料で作られる場合に、これを達成するのに困難が生じる。例えば、環状カラーと他の構成要素のうちの一方が金属で作られ、他方が極度に硬いプラスチック材料(例えば、ロックウェルR硬度が少なくとも95又はそれよりも高い)で作られる時である。
【0005】
より柔らかい材料が提供する可撓性なしでは、(1)環状カラーを凹部の中に挿入するのに必要な力が手動で挿入するのに適する力よりも大きくないことを保証すること、及び(2)そこに挿入された時の環状カラーと凹部の間の接触力が環状カラーを凹部内に摩擦的に保持するのに十分であることの両方が困難である。一部の場合では、これらの困難は、製造製品の内側に残ると考えられるいずれのプラスチック削りくずも挿入が生成しないことも保証するという更に別の願望によって悪化する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その間に可撓性材料を含まない場合に、そのような要望の組合せを同時に満たすためには、製造公差は、構成要素の硬さに起因して環状カラーの外径と凹部の内径との両方に対して極度に小さく保たれる必要がある。これは、環状カラーの外径と凹部の内径との両方に対して、それらがそこから形成される材料の硬さにも関わらず製造公差の範囲全体を通してそのような願望が達成されなければならないからである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この節は、本発明の開示の一般的な要約を提供するものであり、その完全な範囲又はその特徴の全ての包括的開示ではない。
【0008】
本発明の開示の一態様では、圧入摩擦保持カプリングアセンブリは、少なくとも120のロックウェルR硬度を有する外側材料で形成された外側構成要素を含むことができる。外側構成要素は、外側構成要素嵌合壁を含む凹部をそこに有することができる。環状カラーは、少なくとも120のロックウェルR硬度を有するカラー材料で形成することができる。環状カラーは、少なくとも3つの突出部を含む環状カラー嵌合壁を有することができる。各突出部は、突出部のベースとその遠位端との間の全体突出高さが、環状カラー嵌合壁の円筒形外面の外径と突出部の遠位端との間の突出距離よりも大きいように凹部によって取り囲むことができる。突出部の数と構成は、嵌合壁に対する関連の公差範囲全体を通して50ニュートン又はそれ未満の圧入挿入力を提供するように設計することができる。突出部の数と構成はまた、嵌合壁に対する関連の公差範囲全体を通してその自重の下で環状カラーを凹部内に保持するのに十分な摩擦保持力を提供するように設計することができる。
【0009】
適用可能な更に別の分野は、本明細書に提供する説明から明らかになるであろう。この要約での説明及び特定の例は、例示目的のみを意図しており、本発明の開示の範囲を限定するように意図していない。
【0010】
本明細書に説明している図面は、選択された実施形態の説明のみを目的としており、全ての可能な実施形態ではなく、本発明の開示の範囲を限定することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の開示による圧入摩擦保持カプリングアセンブリの環状カラーの一例の斜視図である。
図2図1の環状カラーの別の斜視図である。
図3図1の環状カラーの側面図である。
図4図3の線4-4を通る断面図である。
図5】本発明の開示による圧入摩擦保持カプリングアセンブリの環状カラーの別の例の斜視図である。
図6図5の環状カラーの別の斜視図である。
図7図5の環状カラーの側面図である。
図8図7の線8-8を通る断面図である。
図9】本発明の開示による代替凹部及び突出部設計の部分断面図である。
図10】本発明の開示による例示的圧入摩擦保持カプリングアセンブリの断面図である。
【0012】
対応する参照番号は、図面のいくつかの図全体を通して対応する部品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで例示的実施形態について添付図面を参照してより完全に以下に説明する。
【0014】
図1-10を参照すると、本発明の開示による圧入摩擦保持カプリングアセンブリの例を本明細書に詳述している。対応する特徴が同一であるか否かに関わらず、異なる例示的実施形態に関連して図面全体を通して対応する特徴を識別するために同じ参照番号が使用される。例示的圧入摩擦保持カプリングアセンブリは、外側構成要素20と環状カラー22を含む。外側構成要素20は、少なくとも95のロックウェルR硬度を有する外側材料で形成することができる。一部の場合では、外側構成要素20のロックウェルR硬度は、少なくとも100、110、120、又はそれよりも高いとすることができる。一部の場合では、外側構成要素20は、金属で形成することができる。
【0015】
外側構成要素20(図10)は、環状カラー22を受け入れるための凹部24をそこに含む。凹部24は、図示のように外側構成要素20の貫通開口部とすることができる。これに代えて、凹部24は、外側構成要素20を通って部分的にのみ延びることができる。これとは別に、凹部24は、段差付き凹部とすることができ、各段差部分26、28は、異なる直径を有する。凹部24は、外側構成要素嵌合壁30を定める。図示の例のように、外側構成要素20のこの嵌合壁30は、凹部24のより小さい直径の段差部分28によって定めることができる。一部の他の例では、凹部24は、全体を通して単一の一定直径を有することができ、又はより大きい直径の段差部分が、外側構成要素嵌合壁30を提供することができる。
【0016】
環状カラー22は、少なくとも95のロックウェルR硬度を有するカラー材料で形成することができる。一部の場合では、環状カラー22のカラー材料のロックウェルR硬度は、少なくとも100、110、又は120とすることができる。環状カラー22は、硬質ポリマー材料で形成することができる。そのような硬質ポリマー材料の一例示的部類は、ガラス充填ポリマーである。ガラス充填ポリマーの一例は、硫化ポリフェニレンを含む。硫化ポリフェニレンを含むガラス充填ポリマーの一例は、日本の東京所在のポリプラスチック株式会社から硫化ポリフェニレン(登録商標)という商品名の下で販売されている。
【0017】
環状カラー22は、段差形状を有することができ、各段差部分32,34は、異なる直径を有する。環状カラー22は、環状カラー嵌合壁36を定める。図示の例のように、環状カラー22のこの嵌合壁36は、環状カラー22のより小さい直径の段差部分32によって定めることができる。一部の他の例では、環状カラー22は、全体を通して単一の一定直径を有することができ、又はより大きい直径の段差部分が、環状カラー嵌合壁36を提供することができる。
【0018】
環状カラー嵌合壁36は、少なくとも3つの突出部38を含むことができ、各突出部38は、突出部38のベース44とその遠位端46との間の全体突出高さ42が、環状カラー嵌合壁36の円筒形外面54(すなわち、突出部38を除く)の外径48と突出部38の遠位端46との間の突出距離50よりも大きいように嵌合壁36内の凹部40によって取り囲まれている。
【0019】
環状カラー嵌合壁36の突出部38の数及び構成は、嵌合壁30,36(突出部38を含む)に対する関連の公差範囲全体を通して組立ライン作業員が環状カラー22を凹部24の中に手動で挿入することができるほど十分に低い圧入挿入力を提供するように設計される。これに加えて、環状カラー嵌合壁36の突出部38の数及び構成はまた、嵌合壁30,36に対する関連の公差範囲全体を通して環状カラー22の全体重量の下で環状カラー22を外側構成要素20の凹部24内に摩擦的に保持するように設計される。言い換えれば、環状カラー22の重量が重力の効果に起因して最大除去力を発生するように構成要素20,22が向けられる時である。
【0020】
例示的実施形態でのように、環状カラー嵌合壁36の突出部38と外側構成要素嵌合壁30の間の接触関係は、嵌合壁30,36に対する関連の公差範囲全体を通して50ニュートン又はそれ未満である圧入挿入力を発生させる。一部の場合では、圧入挿入力は、嵌合壁30、36に対する関連の公差範囲全体を通して35ニュートンまで、20ニュートンまで、又は10ニュートンまでとすることができる。これに加えて又はこれに代えて、環状カラー嵌合壁36の突出部38と外側構成要素嵌合壁30の間の接触関係は、嵌合壁30,36に対する関連の公差範囲全体を通して少なくとも5、少なくとも10ニュートン、又は少なくとも20ニュートンの摩擦保持力を発生させることができる。
【0021】
本明細書に使用される時の「嵌合壁に対する関連の公差範囲」は、外側構成要素20の嵌合壁30の内径52に対する及び環状カラー22の嵌合壁36(突出部38を含む)の外径に対する公差範囲に関連する。すなわち、「関連の公差範囲全体を通して」は、環状カラー22の嵌合壁36(突出部部38を含む)の最小許容直径と組み合わせた凹部24の嵌合壁30の最大許容直径52に対応する最小干渉から環状カラー22の嵌合壁36(突出部部38を含む)の最大許容直径と組み合わせた凹部24の嵌合壁30の最小許容直径52に対応する最大干渉までを張っている。
【0022】
例示的実施形態でのように、突出部38は、嵌合壁30,36に対する関連の公差範囲全体を通して嵌合壁30,36間の唯一の接触を提供することができる。例示的実施形態でのように、突出部38は、環状カラー22と外側構成要素20の凹部24のいずれかの軸線方向に延びる部分との間の唯一の接触を提供することができる。言い換えれば、段差部分26,34の隣接する円筒面の間に円筒形間隙も存在する。
【0023】
図1-4、9、及び10の例示的実施形態でのように、突出部38を取り囲む環状凹部40は、涙滴形状を有することができる。これに加えて、涙滴形状凹部40の尖った端部は、環状カラー22の嵌合壁36の挿入端部に向けることができる。図5-8、9、及び10の例示的実施形態でのように、突出部38を取り囲む環状凹部40は、ダイヤモンド形状を有することができる。これに加えて、ダイヤモンド形状周囲凹部40は、細長くすることができ、かつ細長全体寸法が環状カラー22の嵌合壁36の中心軸線と平行に延びるように向けることができる。一部の他の実施形態では、環状凹部40の異なる形状が可能である。
【0024】
図9を参照すると、周囲凹部40を有する突出部38の4つの異なる断面56、58、60、及び62をそれぞれ表す線が例示されている。より明確にするために、突出部38のベース44、全体距離又は高さ42は、断面62に関して図9でのみ参照されている。断面56,58のうちの2つは、図1-6に示すような涙滴形状及び向きを有する環状凹部を有する突出部38に対応している。これら2つの断面56,58の間の違いは、それぞれの突出部38が、それぞれの周囲凹部40の深さが増加したことに起因して断面58よりも断面56の方が大きい全体高さ42を有することである。これに加えて、突出距離50内のそれぞれの突出部38の部分は、断面56よりも断面58の方が大きい軸線方向に位置合わせされた半径を有する。
【0025】
断面60,62のうちの2つは、図5-8のダイヤモンド形状及び向きを有する環状凹部を有する突出部38に対応している。これら2つの断面60,62の間の違いは、それぞれの突出部38が、それぞれの周囲凹部40の深さが増加したことに起因して断面60よりも断面62の方が大きい全体高さ42を有することである。これに加えて、突出距離50内のそれぞれの突出部38の部分は、断面62よりも断面60の方が大きい軸線方向に位置合わせされた半径を有する。
【0026】
例示的実施形態でのように、突出部38のベース44と各突出部38の遠位端46との間の全体突出高さ42は、外径48、環状カラー嵌合壁36(突出部38を除く)の円筒形外面54、及び突出部38の遠位端46の間の距離である突出距離50の少なくとも4.5倍、5.5倍、又は6倍とすることができる。一部の実施形態では、この全体突出高さ42は、各突出部38に対する突出距離50の10.5倍まで又は8.5倍とすることができる。
【0027】
例示的実施形態でのように、一部の場合では、突出距離50内の各突出部38の部分は、少なくとも0mm、少なくとも0.01mm、少なくとも0.2mm、又は少なくとも0.4mmとすることができる軸線方向に位置合わせされた半径を有することができる。これに加えて又はこれに代えて、一部の実施形態では、突出距離50内の各突出部38の部分は、2.0mmまで、1.5mmまで、又は1.3mmまでとすることができる軸線方向に位置合わせされた半径を有する。
【0028】
例示的実施形態でのように、一部の場合では、関連の公差範囲全体を通して環状カラー嵌合壁36の突出部38と外側構成要素20の凹部24の嵌合壁30との間の最小干渉は、少なくとも0mm、少なくとも0.01mm、又は0.02mmとすることができる。これに代えて又はこれに加えて、関連の公差範囲全体を通して環状カラー嵌合壁36の突出部38と外側構成要素20の凹部24の嵌合壁30との間の最大干渉は、0.07mmまで、0.05mmまで、又は0.03mmまでとすることができる。
【0029】
一部の場合では、燃料電池スタックを形成する際に複数の圧入摩擦保持カプリングアセンブリが使用される。一部の場合では、環状カラー22を形成するカラー材料は、高い耐薬品性を有することができる。一部の場合では、環状カラー22を形成するカラー材料は、高い耐熱性を有することができる。例えば、環状カラー22を形成する内側材料は、少なくとも-40度C及び266度Cまでである耐熱性を有することができる。
【0030】
実施形態の以上の説明は、例示及び説明の目的で提供したものである。包括的であること又は本発明の開示を限定することを意図していない。特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般的にその特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合に交換可能であり、かつ具体的に示されない又は説明されない場合であっても選択された実施形態に使用することができる。同じことは、多くの方法で変化させることもできる。そのような変形は、本発明の開示からの逸脱と見なされないものとし、全てのそのような修正は、本発明の開示の範囲内に含まれるように意図している。
【符号の説明】
【0031】
22 環状カラー
32,34 段差部分
36 環状カラー嵌合壁
38 突出部
40 凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10